JP4758537B2 - 勾配板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、方形の天面を対角方向あるいは対辺方向に傾斜させた勾配板の製造方法に関し、とりわけ、合成樹脂を発泡させて形成した原体を、熱線等により所望の傾斜面で切断,加工するようにした勾配板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
任意の傾斜面を有する合成樹脂発泡体からなる勾配板は、勾配付きの床面を施工する際に多数を敷き並べて下地面を形成する下地材として、また、建造物等の模型部材や各種家電製品等の梱包材等に利用することができる。
【0003】
例えばベランダや屋上などの勾配付き床面の施工に関して言えば、合成樹脂の発泡板材(下地用勾配板)を下地に用いる工法、いわゆる乾式工法と呼ばれる施工技術が知られている。つまり、乾式工法は、下地用の勾配板を多数敷き並べると共に、その上に防水シートを敷き込むことで勾配付き床面の下地を形成するもので、下地を形成するためのモルタル工事は行わなく、これにより軽量化,工期の短縮等を図っている。
【0004】
下地用の勾配板は、外形を長板形状として、天面の傾斜は長手の対辺方向に傾斜させて順勾配の傾斜面としたもの(所謂二次元スローパー)が一般的であるが、例えば特許第2987790号公報にみられるように、対角方向に傾斜させて斜め勾配の傾斜面としたもの(所謂三次元スローパー)がある。つまり、施工する床面のほとんどの部分は順勾配の勾配板を敷き並べることになるが、上記公報に開示されているように、水下部にドレインを設ける場合は、その水下部へ斜め勾配の勾配板を配設して適切な傾斜を得る。
【0005】
ところで、下地用等の勾配板において、天面の傾斜を長手の対辺方向に傾斜させる順勾配の場合はその傾斜面は平面になるが、対角方向に傾斜させる斜め勾配では四つの角の高さを適切に設定しない限り平面にはならない。そして、例えば斜め勾配の下地用勾配板の製品設定では、一般に長手辺の両端にあたる二つ角の高さを同一にし、その一方の角から対角方向に傾斜させる設定を採り、このため、その傾斜設定は平面では実現できなく、最低高さの対角へ向かう傾斜が谷線になる凹面、あるいは逆の対角へ向かう傾斜が山線になる凸面になり、何れにしても傾斜面が立体面になる。
【0006】
そうした勾配板の製造には、従来、合成樹脂を発泡させて形成した長板状の原体を熱線により切断する方法が採られている。
【0007】
例えば少量の生産では、図14(a)に示すような高さがH0の直方体の原体100から、長手辺の両端にあたる二つ角の高さがH1、残りの2つの角の高さをそれぞれH2,H3(H1>H2>H3)の勾配板101を切断する場合、図14(b)に示すように、天面の傾斜を投影した一対のプロフィル板102a,102bを原体100の両側面に張り付けて、これらのプロフィル板に熱線103を沿わて切断して成形,加工を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のプロフィル板による製造加工では、プロフィル板を原体にいちいち張り付けることから手間がかかり、一枚毎の加工になるので試作には適するが、量産には適さない。また、ニクロム線をプロフィル板に押し当てた状態で切断するため、ニクロム線およびプロフィル板の消耗が激しく、この点でも量産には適さないものであった。
【0009】
また、前述したように、斜め勾配の勾配板の製品設定では、天面の傾斜設定は単一の平面では実現できなく、傾斜面が立体面になるため正確に加工するには困難があり、適正に加工を行える製造方法が望まれていた。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、手間なく容易に加工を行うことができ、傾斜面が立体面になる斜め勾配の勾配板についても適正に加工を行えて量産に適する勾配板の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために成された本発明の構成は以下の通りである。
【0012】
すなわち、本発明の勾配板の製造方法は、平面長方形の板状をなし、天面が、長手辺の両端にあたる二つの角の高さを同じh 1 、残りの二つの角の高さをそれぞれh 2 ,h 3 としたときにh 1 >h 2 >h 3 で、高さh 2 側の端面における傾斜角Sが最小傾斜、高さh 3 側の端面における傾斜角Rが最大傾斜となる立体的な傾斜を有する傾斜勾配板の製造方法であって、
合成樹脂を発泡させて形成した平面長方形をなす板状若しくはブロック状の原体の一方の長手辺側を水平な支持プレート上に乗せると共に、他方の長手辺側を前記支持プレート上に設けられた傾斜スペーサ上に乗せ、前記原体上に重しをかけることで、前記原体の一方の端面を傾斜角Sで傾斜させると共に、他方の端面を傾斜角Rで傾斜させ、前記支持プレートと、水平に張り渡した熱線又は切断歯とを水平方向に相対移動させ、前記原体を切断することを特徴とするものである。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
尚、「天面を対角方向に傾斜させた勾配板」とは、例えば図14に示した勾配板のように、長手辺の両端にあたる二つ角の高さをH1、残りの2つの角の高さをそれぞれH2,H3(H1>H2>H3)とした勾配板に代表される所謂三次元スローパーを意味する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる勾配板の製造方法の実施形態例を添付図面に基づいて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0018】
(本発明に係る実施形態)
図1は、勾配板の製造装置を示す斜視図である。そして、図2は、その製造装置の側面図であり、図3は図2の支持手段部分を拡大した側面図である。
【0019】
この製造装置1は、方形の天面を対角方向あるいは対辺方向に傾斜させた下地用の勾配板を製造するものであり、支持プレート3、熱線4、送りテーブル5、駆動モータ6等を、基台10に備えて構成してある。
【0020】
支持プレート3は、合成樹脂を発泡させて形成した板状若しくはブロック状の原体20を、後述する傾斜スペーサ30により所定の傾き姿勢に支持し、送りテーブル5の上に取り付ける構成である。
【0021】
基台10は、フレーム材による箱体であって、短辺の中央部にそれぞれ支柱11,11を設けてある。それら支柱11,11間に、熱線4を水平に張り渡して切断手段に構成するが、熱線4は上下に複数本を張り渡し、それぞれ高さ位置を変更可能に取り付けてあって適宜に調整できる構成を採る。
【0022】
熱線4は、通電により発熱するニクロム線等であり、基台10に取り付けたスライダック40により電圧を可変し、発熱量を適切に調整する。
【0023】
基台10の上面には、熱線4と交差する方向にガイドレール12を複数並べて設けてある。送りテーブル5は、それらガイドレール12,12上に複数のローラ13を介して取り付け、ガイドレール12の案内方向、つまり熱線4へ向かう方向に水平に移動可能としてある。
【0024】
駆動モータ6は、ガイドレール12の下部に配置してあり、図示しない伝達機構を介して送りテーブル5と連係し、その駆動により送りテーブル5を送り移動させる構成である。そして、駆動モータ6は、隣接して配置した制御ユニット60により回転制御し、いわゆるインバータ制御を行う構成を採る。これにより、送りテーブル5の送り位置を高精度に制御することができる。
【0025】
支持プレート3の上面には、図3に示すように、傾斜スペーサ30を複数並べて設けてあり、各傾斜スペーサ30上に原体20を並べると共に、各列には原体20を多段に重ねてその上にウェイト7を載せて重しをかける構成である。そして、支持プレート3は、上に載せた原体20の長手が熱線4に対面する向きで送りテーブル5に取り付ける設定とする。
【0026】
ところで、図4は下地用勾配板の一例を示す斜視図である。この図4に示す下地用の勾配板2は、天面を対角方向に傾斜させたもので、この勾配板2を製造することを例にする。
【0027】
つまり、勾配板2は、長手辺の両端にあたる二つ角の高さh1を同一にし、残りの2つの角の高さをそれぞれh2,h3として(h1>h2>h3)、一方の角から対角方向に傾斜させる設定を採る。従って、対角の最低高さh3側の端面における傾斜角Rが最大傾斜になり、中間高さh2側の端面における傾斜角Sが最小傾斜になる。
【0028】
そこで、支持プレート3に設ける傾斜スペーサ30は、図5に示すように、一方の端部を傾斜角Rが得られる高さとし、他方の端部を傾斜角Sが得られる高さに設定する。
【0029】
すなわち、この傾斜スペーサ30上に原体20を並べ、その上にウェイト7を載せて重しをかけることにより、原体20は勾配板2の傾斜に相当する傾き姿勢をとることができる。
【0030】
ここに、熱線4の高さ位置を、図6に示すように、製品高さh1が得られる位置に調整して、送りテーブル5を送り移動させれば所定の傾斜面で切断できる。つまり、傾斜角R側の端面では最低高さh3を得る切断になり、他方の傾斜角S側の端面では中間高さh2を得る切断になって傾斜面を得ることができる。尚、図6(a)は、傾斜角R側の端面(最低高さh3側)における切断状態を示し、図6(b)は、傾斜角S側の端面(中間高さh2側)における切断状態を示している。
【0031】
より厳密に言うと、前記のような傾斜スペーサ30上に並べられた原体20は安定した状態ではなく、1つの角が浮いた状態となる。そして、この原体20の中央部付近にウェイト7を載せて重しをかけることにより、原体20は下に凸状態に湾曲して安定した状態となる。このように下に凸状態で湾曲した原体20を熱線4で水平に切断すると、その切断面はウェイト7を載せた状態では水平面であるが、ウェイト7を取り除いた状態では湾曲がより戻されることによって、製品側の切断面は上に凸状態の傾斜面となる。
【0032】
尚、原体20の傾斜角R側の端面及び傾斜角S側の端面の付近にウェイト7を載せて重しをかけた場合には、原体20は上に凸状態に湾曲して安定した状態となる。このような場合には、製品側の切断面は下に凸状態の傾斜面となる。
【0033】
しかしながら、上記いずれの場合であっても、製品の天面は対角方向に傾斜したものとなり、斜め勾配の傾斜面を有する三次元スローパーであることに変わりはない。
【0034】
このように、下地用の勾配板2の製造は、合成樹脂を発泡させて形成した長板状の原体20を、製品天面の傾斜に相当する傾き姿勢となるように支持プレート3上に支持し、熱線4を水平に張り渡すと共に、熱線4の高さ位置を調整し、支持プレート3を水平方向に移動させることにより、製品天面の傾斜を得ることができ、傾斜面が立体面になる斜め勾配の勾配板でも適正に加工を行える。
【0035】
本例の場合、支持プレート3上の原体20は長手を熱線4に対面させてあって、その長手側を切断,加工することになるので、加工時間を短縮でき、多数段積み重ねて多数列並べた原体20…を一括して加工するので、大量の製造を効率よく行える。
【0036】
また、支持手段(支持プレート3、傾斜スペーサ30及びウェイト7)により原体20の傾き姿勢が定まり、送りテーブル5の送り速度、及び熱線4の発熱量等の加工条件は予め設定するので、作業者は原体20を所定の位置に搭載し起動スイッチを単に操作すればよく、何ら熟練がいらなく、容易に製造を行える。尚、送りテーブル5の送り速度及び熱線4の発熱量は、原体の密度に応じて適宜設定することができ、例えば密度が大きい程、送り速度を遅く若しくは発熱量を多く設定する。
【0037】
即ち、この製造装置1にあっては、手間なく容易に加工を行うことができ、傾斜面が立体面になる斜め勾配の勾配板についても適正に加工を行えて量産に適する。
【0038】
ところで、本例では、図5に示すように原体20の後方側(送り方向に対して後方側)を傾斜スペーサ30に載置しているが、図7に示すように原体20の前方側(送り方向に対して)を傾斜スペーサ30に載置することにより、送り方向に関して原体の左右を逆転させて切断することができる。このように原体の左右を逆転させると、原体20の傾き姿勢が熱線4に関して左右反転する。この状態で熱線4の高さ位置を製品高さh1が得られる位置に調整して、送りテーブル5を送り移動させて切断すると、図8に示すように図4に示すものとは左右対称の傾斜面を得ることができる。つまり、左右対称の製品を容易に加工することができる。
【0039】
一般に、ベランダ等の勾配付き床面は、設計条件が尾根を設けて勾配を左右に振り分ける設定を採ることが多く、下地の施工では右勾配用と左勾配用との両方の下地部材が必要になる。従って、支持手段の構成はそのままで、原体20の載置方法を上記のように変更するだけで、2種類の加工を行えることは極めて効率がよく、生産性の向上を図れる。
【0040】
尚、以上の説明では、切断手段として熱線を用いたが、熱線に代えて例えば鋸、ナイフ等の切断歯を用いることもできる。また、切断時に支持プレートを水平移動させる代わりに熱線(若しくは上記切断歯)を水平移動させてもよく、要するに支持プレート又は熱線(若しくは上記切断歯)を水平方向に相対的に移動させて原体を切断する構成を採ることができる。
【0041】
また、以上の説明では、傾斜スペーサ30を平坦な支持プレート3上に載置・固定したが、例えば図9(a)に示すように、支持プレート3に溝31を設け、この溝31に傾斜スペーサ30’を挿入する構成を採ることもできる。この場合、支持プレート3への傾斜スペーサ30’の載置・固定を簡単に行うことができると共に、傾斜形状の異なる勾配板を製造する際において、図9(b)に示すように、傾斜スペーサ30’の片端部若しくは両端部の下に所望の高さを持つ高さ調整用部材32を適宜敷設することにより、傾斜スペーサ30’を共用することができ、異なる製品の製造毎にそれに対応する異なる傾斜スペーサを用意する必要がなく、切替作業を簡略化することができる。
【0042】
(第1の参考例)
本発明に係る実施形態では、原体を製品天面の傾斜に相当する傾き姿勢に支持し、この原体を熱線に対して水平方向に相対移動させて切断したのに対し、本参考例は、原体を熱線に対して水平方向及び垂直方向に相対移動させて切断するものである。
【0043】
即ち、本参考例の製造装置では、本発明に係る実施形態における傾斜スペーサ30を用いない代わりに、移動手段として水平方向及び垂直方向に移動可能な移動手段を用いる点が大きく異なる。
【0044】
この移動手段による動作を、図4と同様の勾配板を製造する場合を例に、図10を用いて説明する。尚、図10(a)は、傾斜角R側の端面(最低高さh3側)における切断状態を示し、図10(b)は、傾斜角S側の端面(中間高さh2側)における切断状態を示している。
【0045】
図10に示すように、本例の移動手段は、原体20が熱線4に当接するまでは、原体20の底面から製品長手辺の両端にあたる二つ角の高さ(h1)と熱線4が同じ高さとなるように、原体20を載置した支持プレート(不図示)の高さを調節する(図10中の実線で描いた原体20を参照)。そして、原体20を前進させ切断するにつれて、原体20を徐々に上昇させる(図10中の破線で描いた原体20を参照)。
【0046】
即ち、切断が完了する時点では、傾斜角R側の端面(最低高さh3側)は切断開始の状態よりも(h1−h3)の高さ上昇し、傾斜角S側の端面(中間高さh2側)は切断開始の状態よりも(h1−h2)の高さ上昇するように、支持プレートを熱線に対して水平方向及び垂直方向に相対移動させる。
【0047】
このように移動手段の制御を行うことにより、図10(a),(b)中の一点鎖線で示すように、傾斜角R側の端面では最低高さh3を得る切断になり、他方の傾斜角S側の端面では中間高さh2を得る切断になって傾斜面を得ることができ、この切断面の下側の部材を製品とすることができる。
【0048】
上記の説明では切断面の下側を製品とする場合を示したが、切断面の上側を製品とすることもできる。この例を図11を用いて説明する。尚、図11(a)は、傾斜角R側の端面(最低高さh3側)における切断状態を示し、図11(b)は、傾斜角S側の端面(中間高さh2側)における切断状態を示している。
【0049】
図11に示すように、原体20(高さh0)が熱線4に当接するまでは、原体20の底面から所定の高さ(h0−h1)と熱線4が同じ高さとなるように、原体20を水平に載置した支持プレート(不図示)の高さを調節する(図11中の実線で描いた原体20を参照)。そして、原体20を前進させ切断するにつれて、原体20を所定量下方に下降させる(図11中の破線で描いた原体20を参照)。
【0050】
即ち、切断が完了する時点では、傾斜角R側の端面(最低高さh3側)は切断開始の状態よりも(h1−h3)の高さ下降し、傾斜角S側の端面(中間高さh2側)は切断開始の状態よりも(h1−h2)の高さ下降されるように、支持プレートを熱線に対して水平方向及び垂直方向に相対移動させる。
【0051】
以上のような移動手段の制御を行うことにより、図11(a),(b)中の一点鎖線で示すように、所定の傾斜面で切断することになり、この切断面の上側の部材を製品とすることができる。
【0052】
尚、このような3次元的な移動手段は、従来公知の構成を採用することができ、その制御はコンピュータによって自動的に行うことができる。
【0053】
本例においては、原体を製品天面の傾斜に相当する傾き姿勢に支持するための傾斜スペーサが不要であり、傾斜形状の異なる勾配板を製造する際において特にその効果が大きい。即ち、異なる製品の製造毎にそれに対応する異なる傾斜スペーサを用意する必要がなく、また、原体を単に支持プレート上に直接の載置する方法であるため、作業が極めて簡略化される。
【0054】
本例の場合においても、支持プレート上の原体20は長手を熱線4に対面させてあって、その長手側を切断,加工することになるので、加工時間を短縮できる。
【0055】
また、本発明に係る実施形態と同様に、多数段積み重ねて多数列並べた原体を一括して加工することも可能であり、大量の製造を効率よく行える。但し、本例の場合においては、原体を多数段積み重ねた各列を若干離して配置し、各列毎に移動手段による垂直移動量をリセットする必要がある。
【0056】
さらに、本発明に係る実施形態のように原体の載置方法を変更することなく、移動手段による高さ制御の設定を変えるだけで左右対称の製品を容易に加工することもできる。
【0057】
また、本例においても、切断手段として鋸、ナイフ等の切断歯を用いることができ、また、切断時に支持プレートを水平移動及び垂直移動させる代わりに熱線(若しくは上記切断歯)を水平移動及び垂直移動させてもよい。
【0058】
(第2の参考例)
前述のように、斜め勾配の勾配板の製品設定では、天面の傾斜設定は単一の平面では実現できなく、傾斜面が立体面になるため厳密に加工するのは困難である。本参考例では、かかる傾斜面を複数の平面で単純化して製造する例を図12及び図13を用いて説明する。
【0059】
図12は、天面の傾斜面を、高さh1の一方の角と中間高さh2の角を結んだ対角線70aによって分けられる2つの三角形A及びBによって単純化した例を示しており、(a)は製品の斜視図、(b)は切断加工時の原体20と熱線4との配置状態を示す上面図である。
【0060】
図12に示す例では、2つの三角形A及びBによって単純化した傾斜面は上に凸の傾斜面となる。
【0061】
このような製品の加工では、先ず図12(b)に示すように、前記対角線70aが熱線4と平行になるように支持プレート(不図示)上に原体20を載置する。そして、三角形A部分を切断する間は、移動手段によって支持プレートの高さを調節し、この三角形Aの面が水平になると共に熱線4と同じ高さになるように原体20を傾斜させる。また、三角形B部分を切断する間は、同様に、この三角形Bの面が水平になると共に熱線4と同じ高さになるように原体20を傾斜させる。
【0062】
図13は、天面の傾斜面を、高さh1の一方の角と最低高さh3の角を結んだ対角線70bによって分けられる2つの三角形C及びDによって単純化した例を示しており、(a)は製品の斜視図、(b)は切断加工時の原体20と熱線4との配置状態を示す上面図である。
【0063】
図13に示す例では、2つの三角形C及びDによって単純化した傾斜面は下に凸の傾斜面となる。
【0064】
このような製品の加工では、先ず図13(b)に示すように、前記対角線70bが熱線4と平行になるように支持プレート(不図示)上に原体20を載置する。そして、三角形C部分を切断する間は、移動手段によって支持プレートの高さを調節し、この三角形Cの面が水平になると共に熱線4と同じ高さになるように原体20を傾斜させる。また、三角形D部分を切断する間は、同様に、この三角形Dの面が水平になると共に熱線4と同じ高さになるように原体20を傾斜させる。
【0065】
このように、天面の傾斜面を幾つかの平面で単純化することにより、第1の参考例に比べて移動手段の制御を単純化させることができると共に、製造時間を短縮することができる。また、本例においても、切断手段として鋸、ナイフ等の切断歯を用いることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の優れた効果を発揮する。
【0067】
本発明は、合成樹脂を発泡させて形成した板状若しくはブロック状の原体を、製品天面の傾斜に相当する傾き姿勢となるように支持プレート上に支持し、熱線又は切断歯を水平に張り渡すと共に当該熱線又は切断歯の高さ位置を調整し、前記支持プレート又は前記熱線若しくは前記切断歯を水平方向に相対移動させ、前記原体を切断する構成であるため、原体の上部を水平に切断することができる。この原体は製品天面の傾斜に相当する傾き姿勢に支持しているので、本来の傾斜をより戻して平面化した状態にあり、このため製品天面の傾斜を得ることができ、傾斜面が立体面になる斜め勾配の勾配板でも適正に加工を行える。そして、支持手段を構成する支持プレート等により原体の傾き姿勢が定まり、移動手段を構成する送りテーブル等の送り速度及び熱線の発熱量等の加工条件は、例えば原体の密度に応じて予め設定するので、作業者は原体を支持プレートに並べ替えて単に送り操作すればよく、何ら熟練がいらなく、容易に製造を行える。即ち、この製造方法にあっては、手間なく容易に加工を行うことができ、傾斜面が立体面になる斜め勾配の勾配板についても適正に加工を行えて量産に適する。
【0068】
【0069】
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施形態を示し、下地用勾配板の製造装置の斜視図である。
【図2】 図1に示す下地用勾配板の製造装置の側面図である。
【図3】 図2の支持プレート部分を拡大した側面図である。
【図4】 本発明に係る実施形態における下地用勾配板の斜視図である。
【図5】 本発明に係る実施形態における熱線による原体の切断を説明する斜視図である。
【図6】 本発明に係る実施形態における熱線による原体の切断を説明する側面図である。
【図7】 本発明に係る実施形態における熱線による原体の切断を説明する斜視図である。
【図8】 本発明に係る実施形態における別の下地用勾配板の斜視図である。
【図9】 本発明に係る実施形態における別の傾斜スペーサの斜視図である。
【図10】 第1の参考例における熱線による原体の切断を説明する側面図である。
【図11】 第1の参考例における熱線による原体の切断を説明する側面図である。
【図12】 第2の参考例における熱線による原体の切断を説明する図である。
【図13】 第2の参考例における熱線による原体の切断を説明する図である。
【図14】 従来の下地用勾配板の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 製造装置
2 勾配板
3 支持プレート
4 熱線
5 送りテーブル
6 駆動モータ
7 ウェイト
10 基台
11 支柱
12 ガイドレール
13 ローラ
20 原体
30、30’ 傾斜スペーサ
31 溝
32 高さ調整部材
40 スライダック
60 制御ユニット
70a、70b 対角線
100 原体
101 勾配板
102a、102b プロフィル板
103 熱線
h0 原体高さ
h1 製品の最高高さ
h2 製品の中間高さ
h3 製品の最低高さ
R 傾斜角(最大傾斜)
S 傾斜角(最小傾斜)
Claims (2)
- 平面長方形の板状をなし、天面が、長手辺の両端にあたる二つの角の高さを同じh 1 、残りの二つの角の高さをそれぞれh 2 ,h 3 としたときにh 1 >h 2 >h 3 で、高さh 2 側の端面における傾斜角Sが最小傾斜、高さh 3 側の端面における傾斜角Rが最大傾斜となる立体的な傾斜を有する傾斜勾配板の製造方法であって、
合成樹脂を発泡させて形成した平面長方形をなす板状若しくはブロック状の原体の一方の長手辺側を水平な支持プレート上に乗せると共に、他方の長手辺側を前記支持プレート上に設けられた傾斜スペーサ上に乗せ、前記原体上に重しをかけることで、前記原体の一方の端面を傾斜角Sで傾斜させると共に、他方の端面を傾斜角Rで傾斜させ、前記支持プレートと、水平に張り渡した熱線又は切断歯とを水平方向に相対移動させ、前記原体を切断することを特徴とする勾配板の製造方法。 - 前記支持プレートが複数列設けられた支持プレートを用い、前記原体を複数列並べると共に各列の前記原体を多段に重ねて重しをかける一方、多段に重ねた前記原体に対応して多段に設けた前記熱線又は切断歯を用いることを特徴とする請求項1に記載の勾配板の製造方法。
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