JP4758535B2 - 柱の固定構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は柱の固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、柱の固定構造として、たとえば特開平6−136835号公報において、柱の下端部に設けたエンドプレートにボルト挿着孔を設け、基礎に植設されたアンカーボルトにエンドプレートのボルト挿着孔を挿通し、その後、柱の上端開口から挿入されるナットをアンカーボルトに螺着することにより、柱を基礎に固定する構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の固定構造では以下の問題点があった。
(1)柱のエンドプレートに設けられるボルト挿着孔は小径であり、このボルト挿着孔をアンカーボルトにスムースに挿通することには困難があり、柱の据付けに時間を要する。
【0004】
(2)柱のエンドプレートに設けたボルト挿着孔をアンカーボルトに挿通した後に、柱の上端開口から柱の内部を通ってアンカーボルトへナットを挿入するため、ナットの落下の虞があり、またナットのアンカーボルトへの螺着の確認に困難がある。
【0005】
本発明の目的は、柱を基礎などの構造体に簡易に据付けることができる柱の固定構造を提供することである。
【0006】
また、本発明の他の目的は、柱を基礎などの構造体に固定するためのナットを、構造体の側のボルトにあらかじめ螺着しておき、柱の固定作業性を向上できる柱の固定構造を提供することである。
【0007】
さらに、本発明の他の目的は、柱または基礎に水平方向の力が作用しても、柱が動きにくい柱の固定構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、建築物の筒状の柱であって、下記の固定具の押さえ体が自由状態でなす外径より大きな内径をもつ柱本体の端部に係止突部を設けてなる柱を構造体に固定する柱の固定構造において、柱本体の端部の係止突部に、構造体に締結される固定具を係止してなり、前記固定具が構造体に結合されたボルトに挿着され、このボルトに螺着されるナットにより締結されるものであり、前記固定具が、ボルトに挿着されるボルト挿着部と、このボルト挿着部から半径方向に延びて柱の係止突部に係止し得る複数の押さえ体を有し、この押さえ体が弾性的に縮径または拡径できるものであり、該押さえ体の自由状態でなす外径が前記係止突部の内径より小さくなるように設けられてなり、前記押さえ体の下面から下方に係止爪が突設され、固定具の押さえ体の外径が前記係止突部の内径より小さくなるように上記ナットをボルトに仮螺着した状態で、固定具の周りに柱を導入して配置するとともに、上記ナットを螺動して固定具のボルト挿着部を移動させることで、各押さえ体の係止爪が構造体の上面に固定されている係止部材に設けられている各切欠部の傾斜面に沿って滑り、各押さえ体の外径が拡径されて柱本体の端部の係止突部に係止されるようにしたものである。
本発明において、複数の押さえ体が弾性的に縮径または拡径できるとは、ナットの螺着締結によって、複数の押さえ体の先端が自由状態でなす外径が、柱端部の内周壁に設けられた係止突部の内径より小さく、あるいは大きく縮径または拡径できるということであり、バネ弾性的であっても、ゴム弾性的であってもよい。
【0009】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明の柱の固定構造において、前記ボルトがハブボルトであり、このハブボルトがハブナットにより構造体に結合されているようにしたものである。
【0010】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は2記載の本発明の柱の固定構造において、前記係止部材が切欠部を有するものであり、この切欠部に係止爪の下部が係止されているようにしたものである。
【0011】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の本発明の柱の固定構造において、前記固定具がナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持されてなるようにしたものである。
【0013】
請求項5記載の本発明は、建築物の筒状の柱であって、下記の固定具の脚部が縮径状態でなす外径より大きな内径をもつ柱本体の端部に係止突部を設けてなる柱を構造体に固定する柱の固定構造において、柱本体の端部の係止突部に、構造体に締結される固定具を係止してなり、前記固定具が構造体に結合されたボルトに挿着され、このボルトに螺着されるナットにより締結されるものであり、前記固定具が、ボルトに挿着されるボルト挿着部と、このボルト挿着部に回動可能に設けられて半径方向に伸び、柱の係止突部に係止し得る複数の脚部を有し、固定具のボルト挿着部が前記ボルトに螺着されるナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持され、固定具の脚部の外径が前記係止突部の内径より小さくなるように上記ナットをボルトに仮螺着した状態で、固定具の周りに柱を導入して配置するとともに、上記ナットを螺動して固定具のボルト挿着部を移動させることで、脚部の先端が拡げられて柱本体の端部の係止突部に係止されるようにしたものである。
【0014】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜のいずれかに記載の本発明の柱の固定構造において、前記構造体が、柱の端部の内周壁に接してこの柱を据付位置にガイドするガイド部を備えてなるようにしたものである。
【0015】
請求項7記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の本発明の柱の固定構造において、前記建築物が柱と梁とから略箱形に形成された建物ユニットであり、構造体が基礎であるようにしたものである。
【0019】
【作用】
請求項1記載の本発明によれば下記の作用がある。
構造体に固定される柱の端部は、内周壁に係止突部を備えるが大開口になる。したがって、柱を構造体に据付けるに際し、柱の大開口を構造体の側の固定具まわりに容易に導入でき、柱の据付けを簡易にできる。
【0020】
請求項記載の本発明によれば下記の作用がある。柱を構造体に固定する固定具を、構造体に結合したボルトに挿着し、ナットにより締結することで、柱を確実に固定できる。
【0021】
請求項記載の本発明によれば下記の作用がある。固定具が挿着されるボルトをハブボルトとし、このハブボルトをハブナットにより構造体に結合することで、固定具が芯出しされ、柱の芯出し精度が向上し、所定の位置に柱を固定できる。
【0022】
請求項記載の本発明によれば下記の作用がある。柱を構造体に固定する固定具として、構造体に結合したボルトに挿着され、柱の端部の係止突部に係止し得る押さえ体を有するものを用い、しかも、この押さえ体を弾性的に縮径できるようにした。したがって、固定具を構造体の側のボルトにあらかじめナットで締結してあっても、柱は端部の内周壁で押さえ体を弾性的に縮径して通過でき、ナットをあらかじめボルトに螺着しておくことができる。これにより、従来の柱内を上方からナットを移動して螺着する場合のようなナットの落下の虞がなく、また、ナットのボルトへの確実な螺着の確認がなされる。
【0023】
請求項記載の本発明によれば下記の作用がある。押さえ体の下面から下方に突設した係止爪が構造体の上面に固定した係止部材に係止されているので、たとえば柱に水平方向の力が作用しても、柱が動きにくい。
【0024】
請求項記載の本発明によれば下記の作用がある。係止部材の切欠部に係止爪の下部が係止されているので、たとえば柱に水平方向の力が作用しても、柱がより動きにくい。
【0025】
請求項記載の本発明によれば下記の作用がある。固定具をナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持した。したがって、柱を据付位置に導入するときには、固定具を柱の係止突部に対する非係止位置に保持しておき、その後、ナットをボルトに螺着締結するに従い、固定具を柱の係止突部に係止できる。また、建築物の分解必要時には、ナットをボルトから取外すことにより、固定具をナットに随伴させて撤去できる。
【0026】
請求項記載の本発明によれば下記の作用がある。ボルトに挿着されるボルト挿着部と、このボルト挿着部から半径方向に延びる複数の脚部とから構成される固定具がナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持され、固定具の各脚部の上端がボルト挿着部に回動可能に軸着され、かつ、柱の係止突部に係止し得る係止部が各脚部の下端に設けられているので、複数の脚部下端間の間隔が柱端部の内周壁に設けられた係止突部の内径よりも小さくなるように、構造体の側のボルトに固定具をあらかじめナットで螺着しておくことで、柱の据付けを簡易に行える。これにより、ナットの落下の虞がない。
【0027】
また、ナットをボルトにさらに螺着締結することで、各脚部の下端係止部を柱の係止突部に係止でき、柱を確実に固定できる。さらに、固定具がナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持されているので、ナットの締結作業を容易に行えるとともに、柱の芯出し精度が向上し、所定の位置に柱を固定できる。
【0028】
請求項記載の本発明によれば下記の作用がある。構造体にガイド部を設けておくことにより、柱の端部の内周壁をガイド部に接触させてこの柱を所定の据付位置にスムースに位置合わせできる。
【0029】
請求項記載の本発明によれば下記の作用がある。建物ユニットを基礎に簡易に据付けできる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
(第1参考形態)図1は第1参考形態の柱の固定構造を示す断面図、図2は柱の固定手順を示し、(A)は操作具の挿入状態を示す断面図、(B)は固定具の締結操作開始状態を示す断面図、(C)は固定具の締結操作完了状態を示す断面図、図3は図2(C)のIII-III線に沿う断面図、図4は固定具を示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図である

【0032】
図1は、建築物であるユニット建物10を構成する建物ユニット11を基礎20に据付けたものである。建物ユニット11は、床梁12の端部に設けたダイヤフラム13に柱14の下端部を圧入等により挿着して固定化したものであり、基礎20に後述する如くに固定される。
【0033】
なお、基礎20は下記(A)〜(E)の構成を備える。
(A)ユニット建物を構成する建物ユニット11の据付スパンに対応するように、地盤1に設置されるコンクリート製の耐圧版部(ベース)21を有する。耐圧版部21は、荷重受部21Aを一体に備えるとともに、アンカーボルト22を植設されて備える。
【0034】
(B)ユニット建物10の床下の全面(但し、耐圧版部21の荷重受部21A、アンカーボルト22を除く)に渡り、床下防湿フィルム23を敷き、その上にプラスタモルタル(調湿土間コンクリート)24を打設する。
【0035】
(C)耐圧版部21から分離した金属製の立ち上がり部25を、アンカーボルト22に設けたレベル出しマット22Aに載せてレベル出しした状態で、アンカーボルト22のロックナット22Bにより耐圧版部21の荷重受部21Aにピン接合する。このとき、建物ユニット11の鉛直荷重を支持するスチフナ材26を、立ち上がり部25とともにアンカーボルト22により耐圧版部21に接合する。
【0036】
(D)立ち上がり部25(及びスチフナ材26)の上部に、建物ユニット11の柱14を固定する。このままでは、立ち上がり部25は倒れるので、下記(E) を行なう。
【0037】
(E)立ち上がり部25の下部(スチフナ材26の下部)と建物ユニット11の床梁12に渡って、斜材28を配置し、斜材28の両端部を立ち上がり部25(スチフナ材26)の下部と床梁12のそれぞれに接合ボルト29、30でピン接合する。斜材28は、両端接合材28A、28Bに左右逆ねじをもって螺着されている連結棒28Cを備え、立ち上がり部25に対する床梁12の直角度を調整可能とする。
【0038】
なお、図1において、31は基礎断熱材、32は化粧材、33は断熱材、34は外壁面材である。
【0039】
したがって、基礎20は下記(1)〜(4)のように構築される。
(1)地盤1に耐圧版部21を設置する。耐圧版部21は、プレキャストコンクリート版からなるものであっても良く、あるいは現場打ちコンクリートにて打設されるものであっても良い。
【0040】
(2)耐圧版部21に荷重受部21Aを設ける。さらに、床下の全面に床下防湿フィルム23、プラスタモルタル24を設置する。床下配管も設置する。
【0041】
(3)耐圧版部21に立ち上がり部25及びスチフナ材26をピン接合する。
【0042】
(4)立ち上がり部25及びスチフナ材26の上部と建物ユニット11の柱14を固定し、さらに、斜材28の両端部を立ち上がり部25(スチフナ材26)の下部と建物ユニット11の床梁12のそれぞれにピン接合する。
【0043】
そして、建物ユニット11は基礎20に以下のように固定される。
建物ユニット11の柱14は、中空円筒状をなし、鋼管などの柱本体14Aの上下両端部に、締結リング14Bを溶接され、締結リング14Bの内周壁に環状の係止突部14Cを備える。
【0044】
基礎20を構成する立ち上がり部25とスチフナ材26の上部には、ボルト15が立ち上がり部25の下面から挿通され、スチフナ材26の上面に設けられるロックナット16により固着される。なお、本実施形態では、スチフナ材26の上面のボルト15まわりの4箇所に放射状にガイド部17を設けている。このガイド部17は、図3に示すように、下向きに広がるガイド面17Aと、ガイド17Aの下端に連なる位置決め面17Bとを備えている。
【0045】
基礎20に設けた上記ボルト15の先端部側には、締結ナット18が螺着される。この締結ナット18は、図2および図3に示すように、柱14の上端開口から挿入される操作具30により螺動操作される。締結ナット18の下端面には落下防止カラー18Aがたとえば溶接により一体化され、このカラー18Aには座金18Bとともに固定具19が空転可能に保持されている。
【0046】
固定具19は、図4に示すように、ナット18の落下防止カラー18Aを介してボルト15に挿着される中央のボルト挿着部19Aと、ボルト挿着部19Aから半径方向に延びて柱14の係止突部14Cに係止し得る押さえ羽(押さえ体)19Bとを有し、押さえ羽19Bを弾性的に縮径可能としている。
本実施形態では、ボルト挿着部19Aの両側の直線上に2個の押さえ羽19B、19Bを備える。なお、固定具19の両押さえ羽19B、19Bが自由状態でなす外径は、柱本体14Aの内径より小さく、係止突部14Cの内径より大きく設定される。
【0047】
したがって、建物ユニット11の柱14は、下記(1)〜(4)のように基礎20に固定される。
(1)建物ユニット11をたとえばクレーンで基礎20の上に吊り下ろし、柱14の締結リング14B(係止突部14C)が形成する下端開口を、基礎20に設けてあるボルト15および固定具19の周りに導入する。このとき、柱14の係止突部14Cは固定具19の押さえ羽19Bに接して柱14が固定具19と同軸をなすようにガイドされ、係止突部14Cが押さえ羽19Bを通過するときに押さえ羽19Bを弾性的に縮径し、その通過後に押さえ羽19Bは弾性的に拡径して元に戻る。
【0048】
(2)柱14の係止突部14Cが固定具19の押さえ羽19Bを通過した後、係止突部14Cは基礎20の側のガイド部17のガイド面17Aにガイドされて位置決め面17Bに嵌合して、柱14をガイド部17が定める据付位置にガイドする。
【0049】
(3)図2(A)に示すように、柱14の上端開口から操作具30を挿入し、ガイド31の外縁部を柱14の内面に当てつつ、ガイド31の凹状円錐面をボルト15に載せ、図2(B)に示すように、ガイド31の凹状円錐面の中央の係着部32を、ボルト15に螺着している締結ナット18に合致させて係着する。
【0050】
(4)操作具30を柱14の外部から回動操作することにより、締結ナット18を螺動し、ナット18に落下防止カラー18Aを介して保持されている固定具19を柱14の係止突部14Cとの非係止位置から下降させる。これにより、固定具19の押さえ羽19Bの先端部を柱14の締結リング14Bの係止突部14Cに押し当て係止し、結果として、柱14を基礎20に固定する。
【0051】
したがって、本参考形態によれば以下の作用がある。柱14の基礎20に固定される端部は、内周壁に係止突部14Cを備えた大開口を備える。したがって、柱14を基礎20に据付けるに際し、柱14の大開口を基礎20の側の固定具19まわりに容易に導入でき、柱14の据付けを簡易にできる。
【0052】
基礎20に結合したボルト15に固定具19を挿着し、この固定具19を締結ナット18により締結することで、基礎20に柱14を確実に固定できる。
【0053】
柱14を基礎20に固定する固定具19として、基礎20に結合したボルト15に挿着され、柱14の端部の係止突部14Cに係止し得る押さえ羽19Bを有するものを用い、しかも、この押さえ羽19Bを弾性的に縮径できるようにした。したがって、基礎20側のボルト15に固定具19をあらかじめ締結ナット18で締結してあっても、柱14は端部の内周壁で押さえ羽19Bを弾性的に縮径して通過でき、締結ナット18をボルト15に螺着済としておくことができる。これにより、締結ナット18の落下の虞がなく、また、締結ナット18のボルト15への確実な螺着の確認がなされる。
【0054】
固定具19を締結ナット18に設けた落下防止カラー18Aに空転可能に保持した。したがって、柱14を据付位置に導入するときには、固定具19を柱14の係止突部14Cに対する非係止位置に保持しておき、その後、締結ナット18をボルト15に締結するに従い、固定具19を柱14の係止突部14Cに係止できる。また、ユニット建物10の分解必要時には、締結ナット18をボルト15から取外すことにより、固定具19を締結ナット18に随伴させて撤去できる。
【0055】
基礎20にガイド部17を設けておくことにより、柱14の端部の内周壁をガイド部17に接触させてこの柱14を所定の据付位置にスムースに位置合わせできる。
【0056】
建物ユニット11を基礎に簡易に据付けできる。
【0057】
(第2参考形態)図5は第2参考形態の柱の固定構造を示す断面図、図6は固定具を示し、(A)は平面図、(B)は切断端面図である。
【0058】
この第2参考形態が上記第1参考形態と実質的に異なる点は、図5および図6に示すように、固定具19がボルト挿着部19Aを平面視略正三角形状のものとし、このボルト挿着部19Aの3辺から斜め下方に延びる3個の押さえ羽19Bを備えたことにある。そして、この第2参考形態では、基礎20がガイド部17を備えないものとしている。なお、上記第1参考形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。また、上記第1参考形態と同様に、基礎20がガイド部17を備えていても良いことは勿論である。
【0059】
(第3参考形態)図7は第3参考形態の柱の固定構造を示し、(A)は柱を示す横断面図、(B)は固定具を示す平面図である。この第3参考形態が上記第1参考形態と実質的に異なる点は、図7(A)に示すように、柱14が中空四角筒状をなし、柱14の端部の
内周面の四辺に係止突部14Cを備えたことにある。なお、図7(B)に示すように、固定具19は平面視略正四角形状のボルト挿着部19Aの4辺から斜め下方に延びる4個の押さえ羽19Bを備える。
【0060】
(第4参考形態)図8は第4参考形態の上下階の柱の固定構造を示し、(A)は固定具の締結操作開始状態を示す断面図、(B)は固定具の締結操作完了状態を示す断面図である。
【0061】
この第4参考形態は、下階建物ユニット11Aと上階建物ユニット11Bのそれぞれの柱14を同一形状とし、下階建物ユニット11Aの柱14の下端側締結リング14Bの係止突部14Cは第1参考形態の固定具19を用いて基礎20に固定し、下階建物ユニット11Aの柱14の上端側締結リング14Bの係止突部14Cと上階建物ユニット11Bの柱14の下端側締結リング14Bの係止突部14Cとを固定具40を用いて上下に締結したものである。
【0062】
固定具40は、図8に示すように、ボルト41と、このボルト41に挿着された正面視略八角形状の湾曲リング板状体42と、この板状体42の側部外周の2箇所に設けた嵌合体43とからなる。上記第1参考形態と同様の操作具30によるボルト41の回動により、湾曲リング板状体42を上下から挟圧変形し、板状体42の側部を外方に拡開し、結果として各嵌合体43を外方に押動し、各嵌合体43を上下の柱14の係止突部14Cに締結することができる。
【0063】
したがって、上下階の建物ユニット11の柱14を固定具40を用いて締結し、下階の建物ユニット11の柱14を上記固定具19を用いて基礎20に締結するものとすれば、上下階とも同一形状の柱14を採用できる。
【0064】
本発明実施形態)図9は本発明実施形態の柱の固定構造を示す断面図、図10は図9の分解斜視説明図、図11は固定具を示し、(A)は平面図、(B)はX−X線での切断端面図である。
【0065】
この本発明実施形態では、図10および図11に示すように、固定具19を構成している3個の押さえ羽19Bの下面からそれぞれ係止爪19Cが下方に突設されている。各係止爪19Cの下部内側には傾斜面191Cが設けられている。そして、この場合、上記第1および第2参考形態の場合とは異なり、固定具19の3個の押さえ羽19Bが自由状態でなす外径は、柱14下端の締結リング14Bの係止突部14Cの内径より小さくなるように設定されている。なお、図11(B)において、ボルト挿着部19Aと各押さえ羽19Bとがなす角度(θ1)は約127度である。
【0066】
基礎20の上面には、上記本発明実施形態におけるガイド部17の代わりに、係止部材5が溶接されて固定されている。この係止部材5は第1ガイド板51と、この第1ガイド板51上に溶接されたY字形状の第2ガイド板52とからなっている。第2ガイド板52の三方向の各先端部には所定幅の切欠部521が設けられ、この切欠部521の幅は上記係止爪19Cの厚みよりも少し広くされている。各切欠部521の奥側の上面には、先端に向かって下り勾配の傾斜面522が形成されている。
【0067】
また、第1ガイド板51側には、上記切欠部521に対応した3箇所にそれぞれ長方形状の切欠孔511が設けられている。切欠孔511の寸法は上記係止爪19Cの寸法よりも少し大きくされている。
【0068】
そして、図9に示すように、基礎20および係止部材5を貫通して形成されたボルト挿通孔を挿通してナット16にて固着したボルト15に、固定具19のボルト挿着部19Aのボルト挿通孔191Aが挿通されて締結ナット18にて狭圧し、3個の押さえ羽19Bの先端が柱14下端の係止突部14Cに当接係止するとともに、3個の押さえ羽19Bの各係止爪19Cの下部外面が第1ガイド板51の各切欠孔511の柱14側の内面に当接係止することで、基礎20上に柱14が固定されている。なお、この本発明実施形態では、ボルト15としてハブボルトを、また、ナット16としてハブナットを用いている。
【0069】
つぎに、建物ユニット11の柱14を基礎20に固定する方法について説明する。
(1)建物ユニット11をクレーンなどで基礎20の上に吊り下ろし、柱14の締結リング14Bが形成する下端開口を、基礎20に係止部材5を介在して設けてあるボルト15およびボルト15に仮螺着された固定具19の周りに導入する。この際、図12に示すように、締結ナット18にてボルト15に仮螺着している固定具19の3個の押さえ羽19Bの先端が自由状態でなす仮想外径が柱14下端の締結リング14Bの係止突部14Cの内径より小さくなっているので、柱14の下端開口をスムーズに固定具19の周りに導入できる。
【0070】
なお、固定具19を締結ナット18にてボルト15に仮螺着している状態では、固定具19の各押さえ羽19Bの傾斜面191Cは、図12および図14に示すように、各切欠部521の傾斜面522と当接するとともに、各押さえ羽19Bの下部は各切欠部521内に位置している。
【0071】
(2)柱14の係止突部14Cが固定具19の押さえ羽19Bを通過して、柱14を据付位置に配置する。
【0072】
(3)上記第1参考形態の図2(A)と同様に、柱14の上端開口から操作具30を挿入し、ガイド31の外縁部を柱14の内面に当てつつ、ガイド31の凹状円錐面をボルト15に載せ、図2(B)に示すように、ガイド31の凹状円錐面の中央の係着部32を、
ボルト15に螺着している締結ナット18に合致させて係着する。
【0073】
(4)操作具30を柱14の外部から回動操作することにより、締結ナット18を螺動して締結ナット18にてボルト挿着部19Aを下向きに押圧することで、固定具19が下降する。この結果、図14に示すように、固定具19の押さえ羽19Bの各係止爪19Cの傾斜面191Cが各切欠部521の傾斜面522に沿って滑り落ち、固定具19の3個の押さえ羽19Bがなす仮想外径が拡径されて柱14下端の締結リング14Bの係止突部14Cの内径より大きくなる。
【0074】
そして、3個の押さえ羽19Bの先端が柱14の締結リング14Bの係止突部14Cに当接係止するとともに、3個の押さえ羽19Bの各係止爪19Cの下部外面が第1ガイド板51の各切欠孔511の柱14側の内面に当接係止することで、柱14が基礎20に固定されることになる。なお、図9および図14において、ボルト挿着部19Aと各押さえ羽19Bとがなす角度(θ2)は約135度である。
【0075】
したがって、本発明実施形態によれば以下の作用がある。図12に示すように、固定具19の3個の押さえ羽19Bの先端が自由状態でなす仮想外径が柱14下端の締結リング14Bの係止突部14Cの内径より小さくなるように、固定具19が締結ナット18にてボルト15に仮螺着されているので、柱14の下端開口をスムーズに固定具19の周りに導入でき、柱14の据付けを簡易にできる。
【0076】
また、各切欠部521の奥側上面に傾斜面522が形成され、この各傾斜面522に固定具19の各押さえ羽19Bの傾斜面191Cが当接し、かつ、各押さえ羽19Bの下部が各切欠部521内に位置した状態で、固定具19が締結ナット18にてボルト15に仮螺着されており、しかも、各切欠部521に対応した3箇所に切欠孔511が設けられているので、締結ナット18を螺動してボルト挿着部19Aを下向きに押圧する際、各係止爪19Cの傾斜面191Cが各切欠部521の傾斜面522上をスムーズに滑り落ち、固定具19の3個の押さえ羽19Bを拡径させることができる。
【0077】
さらに、図9および図13に示すように、3個の押さえ羽19Bの先端が柱14下端の係止突部14Cに当接係止するとともに、3個の押さえ羽19Bの各係止爪19Cの下部外面が第1ガイド板51の各切欠孔511の柱14側の内面に当接係止しているので、基礎20上に柱14をより強固に固定できる。
【0078】
また、ボルト15をハブボルトとし、ナット16をハブナットとしているので、ボルト挿通孔がボルト15の外径よりも大きくても、ボルト挿通孔に対してボルト15が芯出しされる。このため、固定具19が芯出しされ、柱14の芯出し精度が向上する。
【0079】
本発明の他の実施形態)図15は本発明の他の実施形態の柱の固定構造を示す断面図、図16は図15の柱の固定方法を示す説明図である。
【0080】
この本発明の他の実施形態では、固定具19は、ボルト挿着部19Aと、このボルト挿着部19Aから半径方向に延びる2個の脚部19Bとからなっている。両脚部19Bの断面形状は下方に開口したコ字状である。なお、脚部19Bの断面形状はロ字状のものであってもよい。両脚部19Bの下端には、柱14下端の係止突部14Cに当接係止し得る係止部191Bが設けられている。両脚部19Bの上端はボルト挿着部19Aに回動可能にピンにて軸着されている。ボルト挿着部19Aの上端は、図17に示すように、締結ナット18の下部外周に設けた落下防止カラー18Aに空転可能に嵌合保持されている。
【0081】
この場合、図16に示すように、基礎20上に固定したボルト15に、固定具19が嵌合保持されている締結ナット18を仮螺着する。その際、図16に示すように、固定具19の両脚部19Bの下端先端がなす仮想外径が柱14下端の締結リング14Bの係止突部14Cの内径より小さくなるように、締結ナット18をボルト15に仮螺着する。
【0082】
図16に示す状態にして、固定具19の周りに上方から柱14を導入して配置する。このように、仮螺着している固定具19の2個の脚部19Bの先端がなす仮想外径が柱14下端の締結リング14Bの係止突部14Cの内径より小さくなっているので、柱14の下端開口をスムーズに固定具19の周りに導入できる。
【0083】
つぎに、上記第1参考形態の図2(A)と同様に、柱14の上端開口から操作具30を挿入し、ガイド31の外縁部を柱14の内面に当てつつ、ガイド31の凹状円錐面をボルト15に載せ、図2(B)に示すように、ガイド31の凹状円錐面の中央の係着部32を、ボルト15に螺着している締結ナット18に合致させて係着する。
【0084】
そして、操作具30を柱14の外部から回動操作することにより、ナット18を螺動して締結ナット18にてボルト挿着部19Aを下方に移動・押圧させることで、両脚部19Bの先端が柱14側に拡がる。この結果、図15に示すように、固定具19の両脚部19Bの係止部191Bの先端が柱14の締結リング14Bの係止突部14Cに当接係止することで、柱14を基礎20に固定することができる。
【0085】
したがって、本実施形態によれば以下の作用がある。図16に示すように、固定具19の両脚部19Bの先端がなす仮想外径が柱14下端の締結リング14Bの係止突部14Cの内径より小さくなるように、固定具19が締結ナット18にてボルト15に螺着されているので、柱14の下端開口をスムーズに固定具19の周りに導入でき、柱14の据付けを簡易にできる。
【0086】
また、両脚部19Bの上端が回動可能に軸着されているボルト挿着部19Aの上端がナット18の落下防止カラー18Aに空転可能に保持されているので、ナット18の締め付けをスムーズに行える。
【0087】
図18は上記ボルト挿着部19Aの変形例を示すものである。
この場合、図18に示すように、ボルト挿着部19aの上端が締結ナット18の落下防止カラー18Aにかなりのガタを有して空転可能に嵌合保持されている。このため、図19に示すように、ボルト15の軸芯に対して柱14の軸芯がずれていても、固定具19の両脚部19Bは均等に柱14の下端を固定することができる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても本発明に含まれる。たとえば、本発明の実施において、柱の端部の係止突部は柱本体にリングを結合するものに限定されず、柱本体に切削加工や塑性加工などして設けるものであっても良い。
【0089】
また、柱の端部の係止突部は、必ずしも環状に連続するものでなく、周方向に分散配置されるものであっても良い。固定具は、金属、樹脂などの弾性材料から構成されることが好ましい。また、固定具を基礎に結合するボルトは、基礎コンクリートに打設されたアンカーボルトであっても良い。また、本発明が適用される構造体は、基礎の他、下階建物ユニットなどの他の構造体であっても良い。
【0090】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、柱の構造体に固定される端部は、内周壁に係止突部を備えた大開口を備える。したがって、柱を構造体に据付けるに際し、柱の大開口を構造体の側の固定具まわりに容易に導入でき、柱の据付けを簡易にできる。
【0091】
請求項記載の本発明によれば、柱を構造体に固定する固定具を、構造体に結合したボルトに挿着しナットにより締結することで、柱を確実に固定できる。
【0092】
請求項記載の本発明によれば、固定具が挿着されるボルトをハブボルトとし、このハブボルトをハブナットにより構造体に結合することで、柱の芯出し精度が向上し、所定の位置に柱を固定できる。
【0093】
請求項記載の本発明によれば、柱を構造体に固定する固定具として、構造体に結合したボルトに挿着され、柱の端部の係止突部に係止し得る押さえ体を有するものを用い、しかも、この押さえ体を弾性的に縮径できるようにした。したがって、固定具を構造体の側のボルトにあらかじめナットで締結してあっても、柱は端部の内周壁で押さえ体を弾性的に縮径して通過でき、ナットをあらかじめボルトに螺着しておくことができる。これにより、ナットの落下の虞がなく、また、ナットのボルトへの確実な螺着締結の確認がなされる。
【0094】
請求項記載の本発明によれば、押さえ体の下面から下方に突設した係止爪が構造体の
上面に固定した係止部材に係止されているので、たとえば柱に水平方向の力が作用しても、柱が動きにくい。
【0095】
請求項記載の本発明によれば、係止部材の切欠部に係止爪の下部が係止されているので、たとえば柱に水平方向の力が作用しても、柱がより動きにくい。
【0096】
請求項記載の本発明によれば、固定具をナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持した。したがって、柱を据付位置に導入するときには、固定具を柱の係止突部に対する非係止位置に保持しておき、その後、ナットをボルトに締結するに従い、固定具を柱の係止突部に係止できる。また、建築物の分解必要時には、ナットをボルトから取外すことにより、固定具をナットに随伴させて撤去できる。
【0097】
請求項記載の本発明によれば、ボルトに挿着されるボルト挿着部と、このボルト挿着部から半径方向に延びる複数の脚部とから構成される固定具がナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持され、固定具の各脚部の上端がボルト挿着部に回動可能に軸着され、かつ、柱の係止突部に係止し得る係止部が各脚部の下端に設けられているので、複数の脚部下端間の間隔が柱端部の内周壁に設けられた係止突部の内径よりも小さくなるように、構造体の側のボルトに固定具をあらかじめナットで仮螺着しておくことで、柱の据付けを簡易に行える。これにより、ナットの落下の虞がない。
【0098】
また、ナットをボルトに締結することで、各脚部の下端係止部を柱の係止突部に係止でき、柱を確実に固定できる。さらに、固定具がナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持されているので、ナットの締結作業を容易に行えるとともに、柱の芯出し精度が向上し、所定の位置に柱を固定できる。
【0099】
請求項記載の本発明によれば、構造体にガイド部を設けておくことにより、柱の端部の内周壁をガイド部に接触させてこの柱を所定の据付位置にスムースに位置合わせできる。
【0100】
請求項記載の本発明によれば、建物ユニットを基礎に簡易に据付けできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は第1参考形態の柱の固定構造を示す断面図である。
【図2】 図2は柱の固定手順を示し、(A)は操作具の挿入状態を示す断面図、(B)は固定具の締結操作開始状態を示す断面図、(C)は固定具の締結操作完了状態を示す断面図である。
【図3】 図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】 図4は固定具を示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。
【図5】 図5は第2参考形態の柱の固定構造を示す断面図である。
【図6】 図6は固定具を示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。
【図7】 図7は第3参考形態を示し、(A)は柱を示す横断面図、(B)は固定具を示す平面図である。
【図8】 図8は第4参考形態の上下階の柱の固定構造を示し、(A)は固定具の締結操作開始状態を示す断面図、(B)は固定具の締結操作完了状態を示す断面図である。
【図9】 図9は本発明実施形態の柱の固定構造を示す断面図である。
【図10】 図10は図9の分解斜視説明図である。
【図11】 図11は固定具を示し、(A)は平面図、(B)はX−X線での切断端面図である。
【図12】 図12は固定具の仮螺着状態を示す要部説明図である。
【図13】 図13は固定具の螺着状態を示す要部説明図である。
【図14】 図14は固定具の変形状態を示す要部説明図である。
【図15】 図15は本発明の他の実施形態の柱の固定構造を示す断面図である。
【図16】 図16は図15の柱の固定方法を示す説明図である。
【図17】 図17は図15の要部を示す断面図である。
【図18】 図18は上記ボルト挿着部19Aの変形例を示すものである。
【図19】 図19は図15の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
5 係止部材
10 ユニット建物(建築物)
11 建物ユニット
14 柱
14C 係止突部
15 ボルト
17 ガイド部
18 締結ナット
18A 落下防止カラー
19 固定具
19A ボルト挿着部
19B 押さえ体(脚部)
19C 係止爪
20 基礎
521 切欠部
522 傾斜面

Claims (7)

  1. 建築物の筒状の柱であって、下記の固定具の押さえ体が自由状態でなす外径より大きな内径をもつ柱本体の端部に係止突部を設けてなる柱を構造体に固定する柱の固定構造において、
    柱本体の端部の係止突部に、構造体に締結される固定具を係止してなり、
    前記固定具が構造体に結合されたボルトに挿着され、このボルトに螺着されるナットにより締結されるものであり、
    前記固定具が、ボルトに挿着されるボルト挿着部と、このボルト挿着部から半径方向に延びて柱の係止突部に係止し得る複数の押さえ体を有し、この押さえ体が弾性的に縮径または拡径できるものであり、該押さえ体の自由状態でなす外径が前記係止突部の内径より小さくなるように設けられてなり、
    前記押さえ体の下面から下方に係止爪が突設され、
    固定具の押さえ体の外径が前記係止突部の内径より小さくなるように上記ナットをボルトに仮螺着した状態で、固定具の周りに柱を導入して配置するとともに、
    上記ナットを螺動して固定具のボルト挿着部を移動させることで、各押さえ体の係止爪が構造体の上面に固定されている係止部材に設けられている各切欠部の傾斜面に沿って滑り、各押さえ体の外径が拡径されて柱本体の端部の係止突部に係止されることを特徴とする柱の固定構造。
  2. 前記ボルトがハブボルトであり、このハブボルトがハブナットにより構造体に結合されている請求項1記載の柱の固定構造。
  3. 前記係止部材が切欠部を有するものであり、この切欠部に係止爪の下部が係止されている請求項1又は2記載の柱の固定構造。
  4. 前記固定具がナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の柱の固定構造。
  5. 建築物の筒状の柱であって、下記の固定具の脚部が縮径状態でなす外径より大きな内径をもつ柱本体の端部に係止突部を設けてなる柱を構造体に固定する柱の固定構造において、
    柱本体の端部の係止突部に、構造体に締結される固定具を係止してなり、
    前記固定具が構造体に結合されたボルトに挿着され、このボルトに螺着されるナットにより締結されるものであり、
    前記固定具が、ボルトに挿着されるボルト挿着部と、このボルト挿着部に回動可能に設けられて半径方向に伸び、柱の係止突部に係止し得る複数の脚部を有し、
    固定具のボルト挿着部が前記ボルトに螺着されるナットに設けた落下防止カラーに空転可能に保持され、
    固定具の脚部の外径が前記係止突部の内径より小さくなるように上記ナットをボルトに仮螺着した状態で、固定具の周りに柱を導入して配置するとともに、
    上記ナットを螺動して固定具のボルト挿着部を移動させることで、脚部の先端が拡げられて柱本体の端部の係止突部に係止されることを特徴とする柱の固定構造。
  6. 前記構造体が、柱の端部の内周壁に接してこの柱を据付位置にガイドするガイド部を備えてなる請求項1〜5のいずれかに記載の柱の固定構造。
  7. 前記建築物が柱と梁とから略箱形に形成された建物ユニットであり、構造体が基礎である請求項1〜6のいずれかに記載の柱の固定構造。
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