JP4758034B2 - 信号処理装置及び相関器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリアンブルの後にヘッダ及び送信データからなるフレームが続くシリアルデータを2値化する信号処理装置、及び該信号処理装置に用いられ、シリアルデータとヘッダのビット列パターンとの相関比較によりヘッダを検出する相関器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンピュータなどの様々な電子機器の間で行われるディジタル通信では、機器内部で処理されていたデータに機器同士の通信制御に必要なデータ等を付加して通信が行われており、一般には、プリアンブル及びヘッダをデータの前に順に連結してシリアルデータを形成し、通信を行っている。尚、プリアンブルは、受信側が送信側と通信の同期を確立するためのクロック信号として用いられるものであり、ハイレベル及びローレベルの信号が交互に繰り返されたビット列信号である。一方、ヘッダは、データの送信先アドレス等を示すものであり、ハイレベル及びローレベルの信号が任意に組み合わせられたビット列信号である。
【0003】
ここで、図6は、近年急速に普及している無線通信形態のディジタル通信装置における受信回路部のブロック図である。
図6に示すように、受信回路部31には、まず、アンテナ部32が備えられており、空間を伝搬してくるシリアルデータを捕らえるようにされている。そして、アンテナ部32にて受信されたシリアルデータの復調を行うための復調回路33がアンテナ部32の次段に備えられており、受信されたシリアルデータを送信前の状態に復調するようにされている。
【0004】
ここで、復調回路33にてシリアルデータを復調すると、その波形は、送信前には矩形だったものがサイン波のように鈍っている。これは、ディジタル無線装置の送信回路には、送信回路の周波数帯域を狭くするためのフィルタが具備されており、内部で変調したシリアルデータを該フィルタに通したのち送信しているからである。そのため、受信回路部31には、受信されたシリアルデータを波形整形して、シリアルデータの処理を行うベースバンド回路39へ供給する2値化回路34が具備されている。
【0005】
尚、2値化回路34は、低域通過フィルタ35とコンパレータ38とから構成されており、このうち低域通過フィルタ35は、復調されたシリアルデータを平滑化することにより、シリアルデータの平均電圧をコンパレータ38へ供給する。一方、コンパレータ38は、低域通過フィルタ35の出力電圧を基準として、復調回路33から供給されるシリアルデータの電圧の大小を判定することにより、受信されたシリアルデータを2値化し、波形整形を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、低域通過フィルタ35の出力電圧は、シリアルデータが低域通過フィルタ35に入力され始めたら、プリアンブルが終わるまでには、プリアンブルの正確な平均電圧、つまりハイレベルとローレベルとの中間(以下、「中間レベル」という。)に設定されていなければならない。そのため、低域通過フィルタ35の出力電圧がプリアンブルに対して的確に追従するように、低域通過フィルタ35の時定数は小さく設定される必要がある。
【0007】
しかし、ヘッダは、プリアンブルとは異なり、ハイレベル信号とローレベル信号とがバランス良く配列されているとは限らない。
このため、もし両信号の比率が偏っているヘッダが低域通過フィルタ35に入力された場合には、低域通過フィルタ35の出力電圧がハイレベル側もしくはローレベル側に偏ってしまう。
【0008】
仮に、比率がローレベル信号に大きく偏ったヘッダが、低域通過フィルタ35に入力されると、図7(a)に示すように、低域通過フィルタ35の出力電圧は、ローレベル側に大きく偏ってしまうため、コンパレータ38は十分なノイズマージンを確保できない。その結果、コンパレータ38がノイズをハイレベル信号と判定してしまい、2値化されたシリアルデータにエラービットが発生してしまう虞がある。
【0009】
逆に、比率がハイレベル信号に大きく偏ったヘッダが、低域通過フィルタ35に入力されると、図7(b)に示すように、低域通過フィルタ35の出力電圧は、ハイレベル側に大きく偏ってしまうため、振幅が十分でないハイレベル信号は、基準電圧に達することができない。その結果、コンパレータ38は基準電圧に達しなかったハイレベル信号をローレベル信号と判定してしまい、2値化されたシリアルデータにビットの抜けが発生する虞がある。
【0010】
特に、無線通信の場合は、電波として空間を飛び交う様々な信号やノイズまでもが受信アンテナで受信されてしまうため、シリアルデータにノイズが重畳し易く、上記問題が発生する可能性が有線通信よりも高い。
そこで、本発明は上記問題を解決するために、プリアンブルの後のビット列を構成するハイレベル及びローレベルの信号の比率が何れかに偏っていても、シリアルデータを正確に2値化できる信号処理装置及び、これに用いる相関器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、ハイレベルとローレベルとが等間隔で繰り返されるプリアンブルの後に、少なくともヘッダ及び送信データからなるフレームが続くシリアルデータを入力信号とし、該入力信号を平滑化することにより、該入力信号の平均電圧レベルを有する基準信号を生成し、且つ外部からの切替信号に従って、前記入力信号に対する応答性を切り替えることが可能な基準信号生成手段と、該基準信号生成手段が生成する基準信号と前記入力信号とを大小比較することにより、前記入力信号を2値化する2値化信号生成手段と、該2値化信号生成手段での2値化により得られたシリアルデータと前記ヘッダに対応した検出パターンとの相関を検出する相関検出手段とを備えた信号処理装置において、前記相関検出手段は、前記検出パターンを2分割した前半部分と前記シリアルデータとの相関を検出する第1の検出部と、前記検出パターンを2分割した後半部分と前記シリアルデータとの相関を検出する第2の検出部と、前記第1の検出部により、前記シリアルデータとの相関が検出されると、前記基準信号生成手段の前記入力信号に対する応答性を低下させる側に切り替える切替信号を生成する切替信号生成手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
このように構成された信号処理装置では、相関検出手段における第1の検出部がシリアルデータと検出パターンの前半部分との相関を検出すると、切替信号生成手段からの切替信号により、基準信号生成手段のシリアルデータに対する応答性は、低下する側に設定される。このため、プリアンブルにより中間レベルに設定された基準信号は、プリアンブル以降のビット列がハイレベルもしくはローレベルに偏っていたとしても、その偏りに容易に追従することはなく、中間レベルに保持される。
【0013】
従って、本発明に係る信号処理装置は、プリアンブル以降でも中間レベルに保持された基準信号を用いてシリアルデータの大小比較を行うことができるため、シリアルデータを正確に2値化することができる。
ここで、基準信号生成手段は、具体的には、請求項2記載のように、予め設定された時定数を有し、前記シリアルデータを平滑化する第1の低域通過フィルタと、該第1の低域通過フィルタよりも大きな時定数を有し、前記シリアルデータを平滑化する第2の低域通過フィルタと、前記切替信号生成手段からの切替信号により、前記2値化信号生成手段への基準信号の供給元を前記第1の低域通過フィルタから前記第2の低域通過フィルタに切り替える基準信号切替手段とから構成することができる。
【0014】
この場合、第1の検出部がシリアルデータと検出パターンの前半部分との相関を検出すると、シリアルデータの平滑化を行う低域通過フィルタを第1の低域通過フィルタから第2の低域通過フィルタに切り替えて、基準信号を生成する。ここで、第2の低域通過フィルタは、第1の低域通過フィルタよりも時定数が大きく設定されているため、基準信号生成手段のシリアルデータに対する応答性は低下する。
【0015】
次に、請求項3記載の発明は、ハイレベルとローレベルとが等間隔で繰り返されるプリアンブルの後に、少なくともヘッダ及び送信データからなるフレームが続くシリアルデータを入力信号とし、該入力信号を平滑化することにより、該入力信号の平均電圧レベルを有する基準信号を生成し、且つ外部からの切替信号に従って、前記入力信号に対する応答性を切り替えることが可能な基準信号生成手段、及び該基準信号生成手段が生成する基準信号と前記入力信号とを大小比較することにより、前記入力信号を2値化する2値化信号生成手段を備えた信号処理装置に設けられ、前記2値化信号生成手段での2値化により得られたシリアルデータと前記ヘッダに対応した検出パターンとの相関を検出する相関器であって、前記検出パターンを2分割した前半部分と前記シリアルデータとの相関を検出する第1の検出部と、前記検出パターンを2分割した後半部分と前記シリアルデータとの相関を検出する第2の検出部と、前記第1の検出部により、前記シリアルデータとの相関が検出されると、前記基準信号生成手段の前記入力信号に対する応答性を低下させる側に切り替える切替信号を生成する切替信号生成手段とを備えていることを特徴とする。
【0016】
このように構成された本発明の相関器は、請求項1記載の信号処理装置における相関検出手段と同様の作用を得ることができるため、請求項1記載の信号処理装置を構成する際に好適に用いることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のディジタル通信装置(無線通信形態)における受信回路部の構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の受信回路部1は、アンテナ部2、復調回路3、2値化回路4からなり、ベースバンド回路12に接続されている。尚、アンテナ部2、復調回路3については、従来装置(図6参照)におけるアンテナ部32、復調回路33と全く同様であるため、ここでは説明を省略し、2値化回路4について詳述する。
【0019】
2値化回路4には、まず、復調されたシリアルデータを平滑化する低域通過フィルタ(LPF)5,6と、LPF5,6により平滑化されたシリアルデータの電圧を基準として、復調回路3から取り込んだシリアルデータを2値化するコンパレータ8とが具備されている。そして、LPF5,6とコンパレータ8との間には、LPF5,6のうちの一方をコンパレータ8へ接続する切替スイッチ7が具備されており、コンパレータ8がシリアルデータの2値化の際に用いる基準電圧の供給元を切り替えられるようになっている。尚、切替スイッチ7は、後述の相関器9からの相関信号及びベースバンド回路12から図示されていない信号経路を介して供給される検出信号に従って接続先が切り替わるように構成されている。
【0020】
又、2値化回路4には、シリアルデータにおけるヘッダのビット列のパターン(本実施形態では64ビット。)を格納したパターン格納部11と、コンパレータ8から2値化されたシリアルデータを取り込み、パターン格納部11に格納されているヘッダのパターンのうちの上位32ビットのパターン(以下、「上位格納パターン」という。)と相関比較を行う相関器9と、コンパレータ8から2値化されたシリアルデータを取り込み、パターン格納部11に格納されているヘッダのパターンのうちの下位32ビットのパターン(以下、「下位格納パターン」という。)と相関比較を行う相関器10とが具備されている。
【0021】
尚、相関器9,10は、同じ内部構成であるため、図2には、相関器9の内部構成のみを示し、ここでは、相関器10の内部構成についての説明を省略する。
図2に示すように、相関器9は、コンパレータ8が2値化したシリアルデータを順次格納していくシフトレジスタ13と、シフトレジスタ13に格納されたシリアルデータとパターン格納部11の格納パターンとが各ビット位置ごとに論理的に一致しているかを各ビット位置ごとに比較し、その比較結果を各ビット位置ごとに出力するエクスクルーシブ・ノア(XNOR)回路部14と、XNOR回路部14における各ビット位置ごとの出力電圧を加算し、加算した電圧が予め設定された閾値を越えた場合に相関信号を出力する演算器15と、を具備している。このように構成された相関器9によりヘッダの上位32ビットが検出され、切替スイッチ7は、その際の相関器9からの相関信号により、接続先をLPF5からLPF6に切り替える。
【0022】
ここで、相関器9の相関信号は、図示されていない経路を介してベースバンド回路12にも入力されるように設定されており、相関器10の相関信号も同様である。そして、相関器9によりヘッダの上位32ビットが検出されると、続いて相関器10がヘッダの下位32ビットの検出を行うように構成されている。こうして、ベースバンド回路12は、相関器9に続き、相関器10から相関信号を入力されると、受信したシリアルデータが当該無線通信装置宛のシリアルデータであることを認識し、ヘッダ以降に続くデータ部分の処理を行う。
【0023】
尚、ベースバンド回路12は、シリアルデータのフレームの終了を検出すると、切替スイッチ7に対して検出信号を出力するようにも構成されており、切替スイッチ7は、この検出信号が入力されると、接続先をLPF5に切り替える。
以上のように構成された本実施形態の2値化回路4では、受信回路部に電源が入れられた際の初期状態において、コンパレータ8への基準電圧の供給元はLPF5に設定される。そして、シリアルデータの受信が開始され、相関器9が2値化されたシリアルデータと上位格納パターンとの相関を検出すると、コンパレータ8への基準電圧の供給元がLPF5からLPF6に切り替わる。その後、ベースバンド回路12がシリアルデータのフレームの終了を検出すると、コンパレータ8への基準電圧の供給元がLPF6からLPF5に切り替わる。
【0024】
尚、LPF5は、プリアンブルの開始からヘッダ32ビットの終了までの間に、出力電圧のレベルが中間レベルに設定されるように時定数が決められている。又、LPF6は、ヘッダ下位32ビットの開始からパケットの終了までの間に、出力電圧のレベルが中間レベルに設定されるように時定数が決められている。
【0025】
ここで、図3はLPF5,6の出力電圧の様子を示す波形図である。
上記したように、プリアンブルの開始からプリアンブルの終了までの間にLPF5の出力電圧のレベルが中間レベルに設定されるには、LPF5の時定数は小さくなければならない。このため、図3に示すように、ヘッダにおけるハイレベル信号とローレベル信号との比率が何れかに偏っていると、プリアンブルに続くヘッダの受信中にLPF5の出力電圧のレベルは、時間の経過に従って中間レベルから大きく外れたものとなる。
【0026】
一方、LPF6は、プリアンブルが始まるとヘッダの上位32ビットが終了するまでの間に出力電圧のレベルが中間レベルに設定されていれば良いため、LPF6の時定数は、LPF5の時定数よりも大きく設定されている。このため、図3に示すように、ヘッダにおけるハイレベル信号とローレベル信号との比率が何れかに偏っていたとしても、プリアンブルに続くヘッダの受信中にLPF6の出力電圧のレベルが、時間の経過に従って中間レベルから大きく外れることはない。
【0027】
従って、本実施形態の2値化回路4は、LPF5の出力電圧によりフレームの先頭部分(プリアンブルとヘッダの上位32ビット)を正確に2値化できるだけでなく、LPF5の出力電圧のレベルが中間レベルから大きく外れてしまう前にコンパレータ8への基準電圧の供給元をLPF6に切り替えてしまうため、フレームの先頭部分以降におけるハイレベル及びローレベルの信号の比率が何れかに偏っていても、基準電圧を好適なレベルに保持できるため、フレームの先頭部以降も正確に2値化できる。
【0028】
尚、本実施形態では、コンパレータ8が本発明における2値化信号生成手段に相当する。そして、LPF5,6、及び切替スイッチ7が本発明における基準信号生成手段を構成し、LPF5が第1の低域通過フィルタ、LPF6が第2の低域通過フィルタ、切替スイッチ7が基準信号切替手段に相当する。又、パターン格納部11及び相関器9,10が、本発明における相関検出手段及び相関器に相当し、相関器9が第1の検出部及び切替信号生成手段、相関器10が第2の検出部に相当する。
【0029】
ここで、上記本実施形態では、2値化回路4にパターン格納部11と相関器9,10とを具備して、ヘッダの上位32ビット及びヘッダの検出を行ったが、ベースバンド回路内部に、受信したシリアルデータを格納し、ヘッダの内容をチェックするためのシフトレジスタと、ヘッダのパターンを格納したパターン格納部とが具備されている場合、これをヘッダの上位32ビット及びヘッダの検出に用いることにより、パターン格納部11、相関器9のシフトレジスタ13、そして、相関器10を省略しても良い。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
【0030】
図4は、本実施形態のディジタル通信装置(無線通信形態)における受信回路部の構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態の受信回路部24はアンテナ部22、復調回路23、2値化回路24からなり、ワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」という。)29に接続されている。アンテナ部22、復調回路23については、第1実施形態の受信回路部(図1参照)におけるアンテナ部2、復調回路3と全く同様であるため、ここでは説明を省略する。2値化回路24は、第1実施形態の2値化回路と同様に、コンパレータ28、LPF25,26にてシリアルデータを2値化するようになっているが、切替スイッチ27がマイコン29から入力される後述の上位ヘッダ検出信号及びフレーム終了信号に従って、接続先が切り替わるようにされており、相関器、及びパターン格納部が省略されている。
【0031】
ここで、マイコン29は、CPU、ROM、RAM、シリアルデータを受信するシリアルインターフェースを備えた周知のワンチップマイコンであり、シリアルインターフェースは、コンパレータ28からのシリアルデータを順次受信して受信バッファに格納し、8ビット格納するごとにCPUに受信通知を出力するように構成されている。又、ROMには、CPUが実行する処理のプログラムの他、ヘッダのパターン(本実施形態では、64ビット。)が格納されている。このような構成要素を用いることで、本実施形態のマイコン29は、第1実施形態のベースバンド回路が行っていたシリアルデータの様々な処理をソフトウェア処理で行うものである。
【0032】
以下、マイコン29のCPUが実行するヘッダ検出処理の内容を図5に示すフローチャートに沿って説明する。
尚、本処理は、受信回路部21への電源投入後の初期化処理により、切替スイッチ27がLPF25をコンパレータ28に接続したのち、繰り返し実行されるものとする。
【0033】
本処理が起動すると、まず、S110,S120では、シリアルインターフェースから受信通知を受けたか否かを確認し、受信通知を受けていれば受信バッファにシリアルデータが8ビット格納され終わっているものとして、処理をS130へ移行する。一方、受信通知を受けていなければ、同ステップ(S120)を繰り返し実行することで待機する。
【0034】
S130では、シリアルデータのシフト回数をカウントするカウンタCNTのリセットを行う。そして、S140では、受信バッファに格納されているシリアルデータ8ビットのうちの最上位の1ビットをCPU上の演算実行用レジスタ(以下、単に「レジスタ」という。)へシフトさせ、レジスタ内のビット列への連結を行ったのち、S150にてカウンタCNTを1つカウントアップし、S160へ移行する。尚、レジスタは、受信バッファに格納されたシリアルデータを順次連結して32ビット長のビット列にするためのものであり、CPUが次ステップのS160においてシリアルデータとROMに格納されているヘッダのパターンのうちの上位32ビットのビット列(以下、「上位ヘッダ」という。)とを相関比較できるようにしている。一方、カウンタCNTは、受信バッファに格納されているシリアルデータのうち何ビット目までがレジスタにシフトされたかカウントするものである。
【0035】
S160では、レジスタに格納されているビット列とROMに格納されている上位ヘッダとのエクスクルーシブ・オア(XOR)を取り、両者の相関比較を行う。この比較演算を実行することにより、その演算結果に応じてCPUのフラグレジスタにおけるゼロフラグの状態が変化するため、続くS170では、ゼロフラグの状態を確認し、ゼロフラグが立っていなければ、シリアルデータと上位ヘッダとが一致しなかったものとして、処理をS200に移行する。
【0036】
S200では、カウンタCNTのカウント値の確認を行い、カウント値が8に達していなければ、S140に戻り、受信バッファから次の1ビットをレジスタにシフトさせ、S140〜S170の処理を再度行う。
一方、カウント値が8に達している場合は、受信バッファに格納されていた8ビットのシリアルデータは全てレジスタにシフトインしたということであるので、S120に戻り、次の8ビットが受信バッファに格納され終わるまで確認を繰り返して待機する。
【0037】
又、先のS170にて、ゼロフラグが立っていれば、レジスタに格納されている32ビットのシリアルデータと上位ヘッダとが一致したものとして、S180へ移行し、上位ヘッダを検出したことを示す上位ヘッダ検出信号を切替スイッチ216へ出力する。
【0038】
このようにして上位ヘッダが検出されると、本処理はS190に移行するが、S190では、上記S110〜S170と同様な処理を用いてヘッダの下位32ビットのビット列(以下、「下位ヘッダ」という。)の検出を行う。但し、S110〜S170の処理により上位ヘッダが検出されたため、上位ヘッダ検出直後のシリアルデータの受信では、下位ヘッダの先頭が受信バッファの最上位ビットに格納されていることが分かっている。このため、S190では受信バッファに格納されたシリアルデータをレジスタに1ビットごとにシフトインさせて下位ヘッダの先頭を発見する必要はなく、シリアルデータを8ビットごとにレジスタにシフトインし、下位ヘッダの検出を行う。
【0039】
こうして、S190にて下位ヘッダが検出されることにより、上位ヘッダの検出と合わせて、ヘッダが検出されたことになる。
尚、マイコン29は、ヘッダの検出処理が終了すると、ヘッダに続くデータの受信処理を実行する。そして、この処理の最後にシリアルデータのフレームの終了を検出すると、マイコン29は、フレーム終了を示すフレーム終了検出信号を切替スイッチ27へ出力する。このフレーム終了検出信号により、切替スイッチ27はコンパレータ28への基準電圧の供給元をLPF26からLPF25へ切り替え、次のシリアルデータ受信に備えることになる。
【0040】
以上、本実施形態の2値化回路24は、ソフトウェア処理により、2値化されたシリアルデータとヘッダの上位32ビットのパターンとの相関比較ができるため、簡素なハードウェア構成でありながらも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
尚、本実施形態では、コンパレータ28が本発明における2値化信号生成手段に相当する。そして、LPF25,26、及び切替スイッチ27が本発明における基準信号生成手段を構成し、LPF25が第1の低域通過フィルタ、LPF26が第2の低域通過フィルタ、切替スイッチ7が基準信号切替手段に相当する。
又、マイコン29におけるS110〜S190が本発明における相関検出手段及び相関器に相当し、S110〜S180が第1の検出部及び切替信号生成手段、S190が第2の検出部に相当する。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
つまり、上記実施形態では、本発明を無線通信形態のディジタル通信装置に用いたが、有線通信形態のディジタル通信装置に適用しても勿論良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態におけるディジタル通信装置の受信回路部の構成を示す説明図である。
【図2】 本発明の第1実施形態における相関器の内部構成図である。
【図3】 本発明の第1実施形態における低域通過フィルタの出力電圧の波形図である。
【図4】 本発明の第2実施形態におけるディジタル通信装置の受信回路部の構成を示す説明図である。
【図5】 ヘッダ検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】 従来のディジタル通信装置の受信回路部の構成を示すブロック図である。
【図7】 従来のディジタル通信装置の受信回路部に具備された2値化回路各部における信号の波形図である。
【符号の説明】
1…受信回路部、 2…アンテナ部、 3…復調回路、 4…2値化回路、5…低域通過フィルタ、 6…低域通過フィルタ、 7…切替スイッチ、 8…コンパレータ、 9…相関器、 10…相関器、 11…パターン格納部、 12…ベースバンド回路、 13…シフトレジスタ、 14…XNOR回路部、15…演算器、 21…受信回路部、 22…アンテナ部、 23…復調回路、 24…2値化回路、 25…低域通過フィルタ、 26…低域通過フィルタ、 27…切替スイッチ、 28…コンパレータ、 29…ワンチップマイコン、 31…受信回路部、 32…アンテナ部、 33…復調回路、 34…2値化回路、 35…低域通過フィルタ、 38…コンパレータ、 39…ベースバンド回路。
Claims (3)
- ハイレベルとローレベルとが等間隔で繰り返されるプリアンブルの後に、少なくともヘッダ及び送信データからなるフレームが続くシリアルデータを入力信号とし、該入力信号を平滑化することにより、該入力信号の平均電圧レベルを有する基準信号を生成し、且つ外部からの切替信号に従って、前記入力信号に対する応答性を切り替えることが可能な基準信号生成手段と、
該基準信号生成手段が生成する基準信号と前記入力信号とを大小比較することにより、前記入力信号を2値化する2値化信号生成手段と、
該2値化信号生成手段での2値化により得られたシリアルデータと前記ヘッダに対応した検出パターンとの相関を検出する相関検出手段と、
を備えた信号処理装置において、
前記相関検出手段は、
前記検出パターンを2分割した前半部分と前記シリアルデータとの相関を検出する第1の検出部と、
前記検出パターンを2分割した後半部分と前記シリアルデータとの相関を検出する第2の検出部と、
前記第1の検出部により、前記シリアルデータとの相関が検出されると、前記基準信号生成手段の前記入力信号に対する応答性を低下させる側に切り替える切替信号を生成する切替信号生成手段と、
を備えることを特徴とする信号処理装置。 - 前記基準信号生成手段は、
予め設定された時定数を有し、前記シリアルデータを平滑化する第1の低域通過フィルタと、
該第1の低域通過フィルタよりも大きな時定数を有し、前記シリアルデータを平滑化する第2の低域通過フィルタと、
前記切替信号生成手段からの切替信号により、前記2値化信号生成手段への基準信号の供給元を前記第1の低域通過フィルタから前記第2の低域通過フィルタに切り替える基準信号切替手段と、
からなることを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。 - ハイレベルとローレベルとが等間隔で繰り返されるプリアンブルの後に、少なくともヘッダ及び送信データからなるフレームが続くシリアルデータを入力信号とし、該入力信号を平滑化することにより、該入力信号の平均電圧レベルを有する基準信号を生成し、且つ外部からの切替信号に従って、前記入力信号に対する応答性を切り替えることが可能な基準信号生成手段、及び該基準信号生成手段が生成する基準信号と前記入力信号とを大小比較することにより、前記入力信号を2値化する2値化信号生成手段を備えた信号処理装置に設けられ、前記2値化信号生成手段での2値化により得られたシリアルデータと前記ヘッダに対応した検出パターンとの相関を検出する相関器であって、
前記検出パターンを2分割した前半部分と前記シリアルデータとの相関を検出する第1の検出部と、
前記検出パターンを2分割した後半部分と前記シリアルデータとの相関を検出する第2の検出部と、
前記第1の検出部により、前記シリアルデータとの相関が検出されると、前記基準信号生成手段の前記入力信号に対する応答性を低下させる側に切り替える切替信号を生成する切替信号生成手段と、
を備えることを特徴とする相関器。
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