JP4758016B2 - 防災監視設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住戸部屋番号、火災警報時に使用する警戒ブロックなどを登録して火災等の異常時に地区名称を特定した異常地区表示と音声メッセージによる警報を行う防災監視設備に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、監視区域の火災感知器からの火災検出信号を受けて、地区名称を特定して、火災地区表示と音声メッセージによる警報を行う防災監視設備としては、集合住宅向けの防災監視設備がある。
【0003】
集合住宅の火災報知設備にあっては、防災監視盤において、住戸内に設置したインターホン機能付きの住戸用受信機から引き出された感知器回線に火災感知器を接続して住戸毎に火災を監視しており、各住戸の住戸用受信機を更に管理人室などに設置した防災監視盤に接続して火災信号を防災監視盤に送信し集中監視している。集合住宅の場合は住戸単位が1監視区域となっている。
【0004】
また、階段や廊下などの共用部については、防災監視盤から引き出された感知器回線に火災感知器を接続し、直接火災を監視している。更に火災時に音声メッセージによる警報を出すため、共用部及び住戸用受信機にはスピーカが設けられている。防災監視盤が住戸用受信機から火災を受信すると、表示部に火災の地区名称を表示すると共に、共用部及び住戸用受信機に設けられたスピーカから、火災発生場所を示す音声警報を行う。
【0005】
音声警報の方法としては,近隣火災警報と全館火災警報があり、各住戸毎に予め火災発生時の警報範囲を元にしたグループを設定している。近隣火災警報時は、原則として火災発生住戸を含むグループ及び直上(階)のグループの住戸に対して音声メッセージにより火災警報を行う。この火災警報は、火災発生住戸の名称を特定した音声メッセージである。なお、この各住戸のブロックの割当は建物の形態により相違する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このため防災監視盤側には、火災が発生した場所を示す地区名称を表示したり音声警報するために、住戸について住戸受信機の端末番号、部屋番号(住戸名称)、更には火災発生地区に対し近隣火災警報を行うため連動先の警戒ブロックなどを予め登録しておく必要がある。
【0007】
このような防災監視に必要な各種データの登録作業として従来は、パソコン等の外部機器で物件データを作成してEEPROMなどに書込み、その後に物件データを防災監視盤内部に移動させて使用している。
【0008】
このため集合住宅のように住戸ごとに地区名称の表示と音声出力を必要とする防災監視設備にあっては、パソコン等の外部機器を使用した住戸毎の住戸ID番号,部屋番号(住戸名称)、建物内を警戒ブロックに分割して連動先ブロックを割り当てる等の設定登録する作業が煩雑であり、多くの手間と時間を要し、作業効率が低いという問題があった。
【0009】
本発明は、防災監視に必要なデータ登録が簡単な操作で効率良く行えるようにした防災監視設備を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。まず本発明は、監視区域に設置した感知器の異常の検出を監視盤で受けて表示画面にて発生地区名称を表示すると共に、異常警報を出力する監視設備を対象とする。
【0011】
このような監視設備につき本発明にあっては、監視盤に、建物の全監視区域を計算し全区域に対して区画ID番号を自動生成してデータベースに登録する区画ID登録 部と、区画ID番号から地区名称を自動生成してデータベースに登録する区画名称登録部とを設けたことを特徴とする。
【0012】
更に、本発明は、監視盤からの複数の信号線系統につき、各系統の開始部屋番号を、階当りの監視区域数迄の数値を用いて指定した入力データに基づいて、区画ID番号に各系統番号を割当ててデータベースに登録するID/系統割当処理部を設けたことを特徴とする。
【0013】
このため本発明は、建物の階数と1階当りの監視区域数、集合住宅においては住戸数を入力するだけで、各住戸のID番号および部屋番号などの地区名称が自動的に生成されて自動的登録され、簡単な操作で効率良く登録することができる。
【0014】
また本発明は、建物内に設置した感知器の異常の検出を防災監視盤で受けて表示画面にて発生地区名称を表示すると共に、異常警報を出力する防災監視設備において、監視盤に、建物の階数と1階当りの監視区域数の入力データに基づいて、建物の全監視区 域を計算し全監視区域に対して区画ID番号を自動生成してデータベースに登録する区画ID登録部と、1ブロックを構成する階数と階当りの監視区域数の入力データに基づいて、建物内の全ブロック数とブロック番号を付与したブロックの並びを決定し、区画ID番号にブロック番号を割り当ててデータベースに登録するブロック処理部とを備えたことを特徴とする。ここで、区画ID登録部は、少なくとも地上階数、地下階、1階あたりの水平戸数、1ブロック中の水平戸数、1ブロック中の垂直戸数を指定し、これらの指定内容に基づいて近隣火災警報鳴動ブロックと、各近隣火災鳴動ブロックに応じた近隣火災内容とを自動生成する。更に、登録処理でデータベースに登録された住戸の地区名称を利用して、警報のための音声出力情報を編集登録する登録処理部を設けることもできる。
【0015】
更に、本発明は、ブロックの並びに基づいて異常発生ブロックに対し異常警報を行う連動先ブロックを決定してデータベースに登録するブロック間連動設定処理部を設けたことを特徴とする。
【0016】
ここでブロック処理部は、建物の地下階については1階毎に1ブロックを割当ててデータベースに登録し、ブロック間連動設定処理部は、地上階については異常発生ブロック及びその直上ブロックを連動先ブロックとし、地下階については異常発生ブロックの直上ブロック及び地下ブロックを連動先ブロックとする。
【0017】
このため火災などの異常発生住戸に対し近隣区画に対する警報を行うための建物のブロック分けと、連動先ブロックの登録が自動的に行われ、近隣火災警報に必要なデータを簡単な操作で効率良く登録することができる。
【0018】
また、監視設備は、作業者が登録内容に修正があるか否かチェックし、修正を指示すると住戸の地区名称または連動先ブロックの修正処理を行うことを可能とした。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の火災報知設備で使用される防災監視盤の説明図である。図1において、防災監視盤1は集合住宅の管理人室などに設置されており、図示のように盤正面に火災監視部2を構成する火災発報代表灯などの表示器や各種の操作スイッチが設けられ、また共用玄関の集合玄関機や各住戸のインターホン設備と通話が可能なインターホン親機3としてのハンドセットとキースイッチが設けられている。
【0020】
図2は図1の防災監視盤1を拡大して表わしている。火災監視部2には液晶表示部4が設けられており、この液晶表示部4に、火災監視時にあっては監視画面が表示され、また監視中に火災受信が行われると火災発生場所を示す地区名称を表示する。
【0021】
液晶表示部4は、同時に予め決められた数の複数の警報を表示でき、火災が発生した順に順次ならべて表示される。また、液晶表示部4は火災表示だけでなく、ガス漏れなどの警報表示や障害時の表示が行われる。この警報や障害の種類毎に表示画面が設けられており、画面選択スイッチの操作で画面が切替わって表示される。
【0022】
また液晶表示部4は、本発明が対象としている建物の防災監視に必要なデータの自動登録を行うため作業画面として使用される。液晶表示部4の右側には火災代表灯や、火災や障害の表示画面が液晶表示部4に切替表示されることに対応して点灯する発報表示、住戸警報表示、盤障害表示、回線障害表示などの表示灯に加え、液晶表示部4に表示する発報表示画面などの表示画面を切替える画面選択キー、警報情報が複数存在して一度に液晶画面に表示できないときに、警報情報をスクロールして表示させるシフトキー、警報復旧キーなどのキースイッチが設けられている。
【0023】
液晶表示部4の下部にはインターホン親機3が設けられており、ハンドセット37の右側にキースイッチ5を設けている。キースイッチ5は0,1,・・・9の番号キー以外に*キー5a及び#キー5bを設け、更にその下側にインターホン制御のための取消キー、呼出キー、メッセージリセットキー、メッセージセットキーなどを設けており、更にキースイッチ5の下側には解錠キー、住戸音響停止キー、呼出音量の調整キーなどが設けられている。
【0024】
インターホン親機3の右側には、交流電源、予備電源動作中、スイッチ注意、障害代表、地区音響完全停止中、電話、発信機、蓄積中、表示1,2,3が示された各種の表示灯が設けられる。
【0025】
更に、その下に本願の液晶表示部4を使用した自動登録に必要なデータを入力する作業等に使用するスイッチとして実行スイッチ6、上シフトスイッチ7、下シフトスイッチ8及びメニュー表示・前画面スイッチ9が配置されている。また、その右側には試験復旧、蓄積解除、保守音響停止、地区音響一斉鳴動の各表示灯と、地区音響一斉鳴動および復旧の各スイッチが設けられ、一番下側には非常電話用のジャックが設けられている。
【0026】
図3は本発明の火災報知設備の全体的な構成を示したブロック図である。図3において、防災監視盤1からは、各住戸側に対し伝送線28と通話線29が引き出され、この伝送線28と通話線29に対し住戸用受信機10が各住戸ごとに接続されている。集合住宅の場合の監視区域は、住戸毎となっている。
【0027】
住戸用受信機10は住戸用制御部11を備え、住戸用制御部11は制御部12、防災監視盤との火災情報や通話制御情報などの伝送を行う伝送回路13、インターホン等の音声のやりとりを行う通話回路14、火災警報などの音声を出力する音声合成部15から構成されている。
【0028】
また住戸用制御部11に対しては、火災表示灯21、集合玄関機や防災監視盤などと通話を行うインターホン機能のハンドセット22、トランジスタ23により作動されるリレー24、音声合成部15からの音声信号を増幅するアンプ25と住戸用スピーカ26が設けられている。
【0029】
感知器回線18には住戸内の火災を監視する住戸用火災感知器20が接続され、また終端には終端抵抗が接続されている。住戸用制御部11の構成の一部又は全部はMPU(マイクロプロセッサ)の制御機能で実現することができる。
【0030】
更に住戸用受信機10に対しては、住戸玄関口などに設置されたドアホン27が接続されている。このドアホン27には火災検出時に火災警報表示を行う戸外表示器27aが設置されている。
【0031】
ここで防災監視盤1と住戸用受信機10との間の伝送線28による伝送は、住戸用受信機10側に固有のアドレスを設定し、防災監視盤1からのアドレスの指定による住戸用受信機10の呼出しで信号を伝送するいわゆるR型伝送方式を採用している。住戸用受信機10へのアドレスの設定は、ディップスイッチ等で構成されるアドレス設定部16で行われる。住戸用受信機のアドレスは、設置される住戸の階と部屋番号に基づいて設定され、例えば、アドレスの上位桁を階番号、下位桁を部屋番号として連結した数字を設定される。1階の1号室の住戸用受信機10にあっては「0101」などと設定される。
【0032】
また住戸用制御部11の制御出力によりオン、オフされるトランジスタ23の負荷となるリレー24は、切替リレー接点24a,24bを備えている。切替リレー接点24aは通常監視状態では通話線29を通話回路14に接続し、防災監視盤からのインターホン親機と住戸用受信機10に設けているハンドセット22との間での通話ができるようにしている。
【0033】
また切替リレー接点24bは、図示のように通常監視状態では音声合成部15に閉じており、インターホンの呼出音や住戸用受信機10で火災感知器20からの発報信号により火災監視部17が火災を検知した際に住戸内に音声警報を出すようにしている。
【0034】
リレー24は、防災監視盤1から火災判断に基づく近隣火災警報や全館一斉鳴動のための音声メッセージを出力するための音声警報出力制御信号を伝送回路13を介して制御部12で受けた際に、制御部12によるトランジスタ23のオンにより駆動され、切替リレー接点24a,24bを破線のように切り替え、防災監視盤1からの通話線29による近隣火災警報のための音声メッセージ信号を直接アンプ25に加え、住戸用スピーカ26から直上階または出火階の住戸に対する近隣火災警報や全館一斉鳴動の音声メッセージを出力できるようにしている。
【0035】
防災監視盤1はMPUを用いた主制御部30を備え、主制御部30は、そのプログラム制御により監視制御部31と本発明による登録処理部32としての機能を備えている。もちろんMPUで構成される主制御部30には、ROMやRAMなどが設けられている。
【0036】
主制御部30に対しては液晶表示部4と操作部33が接続される。液晶表示部4及び操作部33の構成は、図1及び図2のようになる。また主制御部30に対しては主音響用音声合成部43が設けられ、その出力にアンプ44を介して主音響用スピーカ45を接続している。
【0037】
また防災監視盤1にはインターホン制御部34が設けられ、伝送回路35と通話回路36の機能が設けられている。このインターホン制御部34に設けた伝送回路35は、伝送線28を介して接続された住戸側の住戸用受信機10及び防災監視盤1に内蔵している中継器40のアドレスを指定して、制御信号(制御コマンド)やデータの伝送を行うR型伝送機能を実現する。
【0038】
防災監視盤1に設けている中継器40からは集合住宅の共用部に対し共用部感知器回線41が引き出され、ここに共用部用火災感知器42及び終端に終端抵抗42aを接続している。なお共用部の大きさや数により適宜中継器40、共用部用火災感知器が設けられる。また伝送回路35及び通話回路36に対しては集合玄関機38が接続される。
【0039】
このため集合玄関機38とインターホン制御部34に接続しているインターホン親機のハンドセット37との通話、また住戸用受信機10のハンドセット22との間で集合玄関ドアの開閉制御や通話ができるようにしている。
【0040】
防災監視盤1の主制御部30に対しては近隣火災警報用の音声合成部46が設けられ、その出力はパワーアンプ47を介して回線選択部49に接続されている。回線選択部49に対しては共用部に設置された共用部スピーカ50a〜50nが接続されている。
【0041】
回線選択部49の選択制御は、主制御部30に対し設けた入出力制御部48により行われる。即ち主制御部30で住戸用受信機10からの火災確認信号または中継器40からの火災信号の受信に基づいて火災及び火災発生地区を判断すると、入出力制御部48に対し例えば近隣火災警報であれば出火階及び直上階の共用部に対する回線選択を指示し、これに基づき入出力制御部48が出火階及び直上階に対応する回線選択部49に設けているリレーをオンし、その接点をオンすることでパワーアンプ47の出力に出火階及び直上階の共用部に設けている共用部スピーカ50a〜50nの内の対応するスピーカを接続する。
【0042】
同時に主制御部30は、インターホン制御部34の伝送回路35を介して出火階及び直上階の住戸の住戸用受信機10に対し、そのアドレスを指定して音声警報出力制御信号を送り、トランジスタ23のオンによるリレー24の駆動で切替リレー接点24a,24bを破線側に切り替える。
【0043】
更にインターホン制御部34においてトランジスタ51、リレー52、切替リレー接点52aで構成される切替回路が設けられ、主制御部30からの音声警報出力制御信号によりトランジスタ51を駆動することでリレー52を作動し、その切替リレー接点52aを同じく破線側に切り替え、この状態で音声合成部46より火災警報の音声メッセージ信号を出力することで、住戸及び共用部のスピーカから火災警報の音声メッセージを出力できるようにしている。
【0044】
更に防災監視盤1には電源部53が設けられ、商用AC100Vにより内部に対する直流電源電圧を作り出している。
【0045】
次に図3の防災監視設備における動作を説明する。住戸用受信機10を設置しているある住戸で火災が発生したとすると、住戸用火災感知器20が発報し、発報信号を火災監視部17で受信し、火災監視部17からの火災発報信号を受けて住戸用制御部11は、その制御部12により火災表示灯21を点灯し、併せてドアホン27に設けている戸外表示器27aを点滅する。
【0046】
また音声合成部15を作動し、住戸用スピーカ26より例えば「火災感知器が作動しました。火災を確認してください。」などの音声メッセージを出力させる。
【0047】
このような住戸用受信機10における火災受信の動作に対し、居住者が火災を確認したならば、図示しない火災確認釦を操作すると、伝送線28により防災監視盤1に対し火災確認信号が送出される。
【0048】
また火災確認釦を操作しなくとも、火災受信から予め一定時間例えば2〜5分以内に定めた一定時間を経過すると、自動的に伝送線28より防災監視盤1に対し火災確認信号を送出する。なお火災受信から一定時間を経過する前に住戸用受信機10に設けられる警報音停止釦や復旧釦を操作すると、防災監視盤1に対する火災確認信号の送出は行われず初期状態に復旧する。
【0049】
防災監視盤1は、火災発生住戸の住戸用受信機10からの火災確認信号をインターホン制御部34の伝送回路35を経由して主制御部30で受信すると、その監視制御部31の機能により火災及び火災発生住戸を判断すると、主音響用音声合成部43を作動してアンプ44により増幅した後、主音響用スピーカ45より火災発生を示す主音響の音声メッセージ出力、例えば「火事です。火事です。○○階△△△△号室で火災が発生しました。」などの主音響メッセージを出力する。
【0050】
同時に、液晶表示部4に火災発生住戸の認証として「○○階△△△△号室 火災発生」などの地区名称(火災発生住戸)を表示する。また図2の防災監視盤1において、火災代表表示や火災発報画面が表示されていることを示す発報表示灯の点灯を行わせる。
【0051】
続いて主制御部30は火災発生住戸から、その火災発生階の住戸及び直上階の住戸、更に共用部のアドレスを認識し、火災発生階及び直上階の住戸にインターホン制御部34の伝送回路35経由でアドレスを指定して近隣火災警報のために音声警報出力制御信号を送る。
【0052】
このため火災発生階の住戸及び直上階の住戸にあっては、住戸用受信機10の住戸用制御部11において防災監視盤1からの音声警報出力制御信号が判別され、リレー24の作動で切替リレー接点24a,24bを破線側に切り替え、また防災監視盤1においてもインターホン制御部34が制御出力によりリレー52を作動し切替リレー接点52aを破線側に切り替え、音声合成部46の出力を通話線29に接続する。
【0053】
同時に主制御部30は入出力制御部48に火災発生階及び直上階の共用部の回線選択のための制御指示を行い、これを受けて回線選択部49の火災発生階及び直上階の回線に対応したリレーが作動され、出火階及び直上階の共用部スピーカがパワーアンプ47の出力に接続される。
【0054】
このような近隣火災警報の出力制御が済んだ状態で、主制御部30は音声合成部46を作動し、近隣火災警報の音声メッセージ信号を出力する。この近隣火災警報の音声メッセージ信号は、第1シグナルとして「フィンフォンフィンフォンフィンフォン」を出した後、警報メッセージとして「火事です。火事です。○○階△△△△号室で火災が発生しました。安全を確認の上避難してください」との出力を行い、最後に「フィフィフィ」との第2シグナルを出し、これを繰り返す。
【0055】
このような近隣火災警報用の音声合成部46からの音声信号により、出火階及び直上階の住戸用受信機10の住戸用スピーカ26、更に出火階及び直上階の共用部に設けている共用部スピーカより、近隣火災警報の音声メッセージの出力が行われる。なお火災警報時にあっては通話線29は音声警報のために使用されることから、インターホン機能は停止されることになる。
【0056】
一方、共用部での火災発生に対しては中継器40で共用部用火災感知器42からの発報信号を受信して火災信号をインターホン制御部34の伝送回路35に出力し、この場合にも住戸用受信機10からの火災確認信号を受信した場合と同様にして、出火場所を共用部と判断した火災警報制御が行われる。
【0057】
なお、このような出火階及び直上階の近隣火災警報は一例であり、実際には後述するように建物形態に合わせて警報範囲のブロックが設定される。そして近隣火災警報においては、原則として出火住戸を含むブロックとその直上のブロックの住戸及び共用部に火災警報を行う。
【0058】
このような本発明の火災報知設備における火災時の警報制御のため、防災監視盤1には、予め火災発生場所を液晶表示部4に表示したり、火災警報により音声メッセージとして出力させるため、住戸ID(区画ID),住戸番号、複数住戸を警戒単位としてまとめるブロック処理、近隣火災警報のためのブロック間連動設定、ブロックの住戸IDへの割付、防災監視盤からの信号線系統の住戸IDへの割付、住戸名称等のデータ登録が必要となる。これらのデータの登録は、防災監視盤1に設けたMPUで構成される主制御部30の登録処理部32により行われる。
図4は図3の防災監視盤1の主制御部30に設けている本発明による登録処理部32の機能構成を示したブロック図である。
【0059】
図4において、登録処理部32に対しては、登録処理に必要な各種のデータを入力するデータ入力部54が設けられている。データ入力部54としては具体的には、図2に示した液晶表示部4にデータ入力のための操作画面を表示し、テンキー5、実行キー6を含む操作部の機能により実現される。
【0060】
データ入力部54にあっては、建物形状、地上階数、地下階数、1階当たりの住戸数、1ブロックの階当りの住戸数、1ブロックあたりの階数、2系統目開始室番号及び3系統目開始室番号のそれぞれを入力する。
【0061】
図5は図4のデータ入力部54によるデータ入力を行う液晶表示部の作業画面の説明図である。図5のデータ設定メニュー画面64において、先頭の「システムデータ」の番号「1」を選択して実行スイッチ6を押すと、次のメッセージ画面65に切り替わる。このメッセージ画面65において、実行スイッチ6を押すと次のデータ自動登録画面66に切り替わる。このデータ自動登録画面66には図4のデータ入力部54に対応して、建物形状、地上階数、地下階、1階あたりの水平戸数、1ブロック中の水平戸数、1ブロック中の垂直戸数、2系統目開始室番号及び3系統目開始室番号のそれぞれの入力枠が示されている。
【0062】
ここで図4のデータ入力部54により入力する各データについて説明する。まず建物形状としては、廊下型または階段室型を入力する。図6(A)は廊下型の建物形状であり、同一階の各住戸が共通の廊下で通じており、建物の垂直方向の階段室やエレベータ室が例えば1階から6階の全てのフロアで共通となっている。
【0063】
図6(B)は階段室型の建物形状であり、各フロアは仕切壁68により例えば2戸単位に完全に仕切られ、仕切壁毎に垂直方向に階段やエレベータが設置された建物形状である。
【0064】
この廊下型と階段室型の建物形状にあっては、法的に規定している火災発生時の警報範囲を元にしたグループを形成するブロックを割り当てる。このブロック割当は、図6(A)の廊下型は各階に仕切りがないことから各階を1つずつのブロックとする。これに対し図6(B)の階段室型は、隔壁68で仕切られている区画単位に階数5以内でブロックを形成する。
【0065】
図4のデータ入力部54における建物形状としての廊下型か階段室型かの設定は、図5のデータ設定メニュー画面66における1ブロック中の垂直戸数について反映される。即ち図6(A)の廊下型については、建物形状を廊下型と選択すると1ブロック中の垂直戸数は「1」にセットされ、「1」以外は選択できないように制御する。これに対し図6(B)の階段室型については、1ブロック中の垂直戸数として「1〜5」のいずれかの値を設定することになる。
【0066】
次に図4のデータ入力部54における地上階数は例えば1〜14階の範囲で対象とする建物の階数を示す数値を入力する。地下階数については、建物に地下階があれば「設置する」、なければ「設置しない」を選択する。具体的には、図6のデータ設定メニュー画面66において、地下階について「0」をセットすると「設置しない」、「1」を選択すると「設置する」となる。
【0067】
次の1階あたりの住戸数は、図5のデータ自動登録画面66における1階あたりの水平戸数であり、この実施形態にあっては1〜15戸の範囲内で設定する。
例えば図6においては、水平戸数は「6」をセットする。次の1ブロックあたりの階数については、前述したように図6(A)の廊下型の建物形状については固定値として「1」であり、図6(B)の階段室型については「1〜5」の範囲で設定する。
【0068】
次の2系統目開始室番号及び3系統目開始室番号は、例えば図7のように防災監視盤1から建物に対して配線する信号線系統が1系統目69、2系統目70、更に未使用となっている3系統目71となっていた場合、各系統における開始部屋番号を入力する。図7の場合、2系統目70にあっては部屋番号は5番であり、3系統目71にあっては使用しないため0番となる。
【0069】
このようなデータ入力部54による建物形状、地上階数、地下階数、1階あたりの住戸数、1ブロックの階当りの住戸数、1ブロック当りの階数、2系統目開始室番号、3系統目開始室番号の各データは、登録処理部32に与えられ、次の6つのデータの自動登録が行われる。
(1)住戸ごとの住戸ID番号
(2)住戸ごとの部屋番号を示す地区名称(以下「住戸部屋番号」という)
(3)ブロック番号
(4)ブロック間の連動設定
(5)住戸ID番号に対するブロック番号の割当て
(6)住戸ID番号に対する系統割当て
このようなデータ自動登録のため登録処理部32には、住戸(区画)ID登録部57aと住戸(区画)名称登録部57bを備えた建物サイズ処理部57、ブロック処理部58、ブロック間連動設定処理部59、ID/ブロック割当処理部60及びID/系統割当部61が設けられている。
【0070】
登録処理部32で生成されたデータはデータベース55に登録される。データベース55には住戸登録データ62と連動ブロック登録データ63が格納されている。住戸登録データは各階単位に、例えば住戸ID番号、地区名称としての住戸部屋番号、ブロック番号で構成されている。また連動ブロック登録データ63は火災発生ブロックとこれに対応した近隣火災警報鳴動ブロックで構成されている。
【0071】
次に登録処理部32に設けている各処理部の詳細を説明する。図8は登録処理部32の建物サイズ処理部57の処理内容を示している。図8(A)は住戸ID登録部57aによるデータ入力部54からの地上階数xと1階あたりの住戸数yの入力データに基づく建物の住戸割当てを示しており、図8(B)に取り出して示すように例えば1階の左側を先頭位置として、上位2桁の「階番号」と下位2桁の「室番号」を組み合わせることで住戸ID番号を生成して登録する。
【0072】
例えば1階にあっては、「0101,0102,0103,0104,・・・」となる。この住戸ID番号は、住戸用受信機10のアドレス設定部16に設定するアドレスと一致し、ID番号を使用して伝送を行う。
【0073】
地上階数xと住戸数yは、図5のデータ設定メニュー画面66の地上階数と1階あたりの水平戸数で設定した値がセットされる。例えば図6(A)においてはx=6、y=6となり、x,yに基づいて住戸IDは1階にあっては「0101・・・0106」と6つの住戸が登録され、6階まで同様に6IDずつ登録される。
【0074】
図8(C)は地下階がある場合の住戸ID番号であり、この実施形態にあっては地上階については14階までとしていることから、地下階となるB1階については階番号として「15」を割り当てている。このためB1階にあっては、住戸ID番号として「1501,1502,1503,1504,・・・」が設定登録される。
【0075】
なお、図5のデータ設定メニュー画面66においては、地下階有りか無しの設定を行うが、地下階においても地下階の階数の値を入力するようすれば、地下の階番号は、地下1階は「15」、地下2階は「16」・・・と番号が増えていくように登録しても良い。
【0076】
このようにして建物について住戸ID番号の設定登録が済むと、住戸ID番号に基づいて住戸名称登録部57bによる住戸ID番号毎の各住戸の地区名称である住戸部屋番号の設定登録が行われる。
【0077】
図8(D)は、図8(B)に対応した地区名称としての住戸部屋番号であり、1階を例にとっているように、4桁のID番号について下位3桁を使用して、地区名称として「101号室,102号室,103号室,104号室,・・・」の設定登録を行う。
【0078】
また図8(C)の地下階については、図8(E)のように地上階の名称と区別するために「91」で始まる地区名称としての住戸部屋番号を設定し、例えば「9101号室,9102号室,9103号室,9104号室,・・・」を設定登録する。また地下階数を設定できるようにした場合はB2階については「92」で始まる住戸部屋番号とし、階が下がる程、部屋番号が増えた番号を登録する。
【0079】
このようにして設定登録された各住戸の地区名称は後の説明で明らかにするように、火災発生時の液晶表示部4による地区名称の表示と近隣火災警報を行う場合の音声メッセージのデータ登録に利用される。
【0080】
図9は図4の登録処理部32に設けたブロック処理部58による建物のブロック分けを行う処理の説明図である。図9(A)は図4のデータ入力部54により1ブロックの階あたりの住戸数をz1、1ブロックあたりの階数をz2とした場合、z1=2,z2=2とするブロックサイズの指定が行われた場合の各住戸のブロック処理である。
【0081】
この場合、建物の階数x=5、1階あたりの住戸数y=6を例にとっている。
【0082】
なお、1ブロックの階あたりの住戸数は図5のデータ設定メニュー66の1ブロック中の水平戸数の設定データに対応し、1ブロックあたりの階数は1ブロックの垂直戸数の設定データに対応する。
まず階ごとのブロック数は
(1階あたりの住戸数y)/(1ブロックの階あたりの住戸数z1)
で算出され、この場合、y/z1=3である。
【0083】
また垂直方向のブロック数は
(地上階数x)/(1ブロックあたりの階数z2)
で算出され、この場合はx/z2=2余り1となる。このように余りが出る場合には、商に1を加えたブロック数=3が垂直方向のブロック数となる。
【0084】
したがって図9(A)の建物にあっては、合計ブロック数は(水平ブロック数3×垂直ブロック数3)=9ブロックとなる。そして1ブロックはz1×z2=2×2=4ブ住戸単位であるが、最上階については1ブロックの半分しか住戸がないため2住戸で1ブロックとなっている。なお、階ごとのブロック数も(1階あたりの住戸数y)/(1ブロックの階あたりの住戸数z1)で余りが出た場合は、垂直方向のブロック数の余りの取扱いと同様に、余りを1ブロックとする。
【0085】
このような建物のブロック分けに対して、ブロック番号は建物の左下隅から垂直方向にブロック1,2,3を設定し、続いて右にシフトして一番下に戻って同様にブロック4,5,6を設定し、再び右側にシフトして下に戻り、ブロック7,8,9を設定する。
【0086】
図9(B)は地下階としてB1階がある建物の場合のブロック処理であり、B1階については廊下型及び階段室型の区別に関わらず同じ地下階を1ブロックとしており、このB1階のブロックについてはブロック番号「91」を割り当てている。図9(C)は地下階数を設定可能な場合で地下2階がある場合であり、同様にB1階、B2階ごとにブロックが形成され、ブロック番号は「91,92」が割り付けられる。
【0087】
図10は図4の登録処理部32に設けたブロック間連動設定処理部59に生成された連動ブロック登録データを示している。このブロック間連動設定処理部59の処理にあっては、次のルールに従って火災発生ブロックに対し近隣火災警報における連動先ブロックを決定して登録する。
(ルール1)連動先は自ブロック及び直上のブロックとする。
(ルール2)自ブロックが1階を含み、地下階がある場合は、自ブロック、直上ブロック、地下全ブロックを連動させる。
(ルール3)自ブロックが地下階のブロックの場合は、地下全ブロックを連動させる。なお、自ブロックが地下1階を含む場合は、1階を含むブロックも連動させる。
【0088】
このようなルールに従ったブロック間連動設定処理により、図9(A)の地上階と図9(C)の地下階を持つ建物を例にとると、図10のように火災発生ブロック1〜9に対し右側に示す連動先ブロックが決定されて登録されることになる。
【0089】
また図4の登録処理部32に設けたID/ブロック割当処理部60にあっては、図9のように建物についてブロック処理が済んでいることから、各ブロックに含まれる図8の建物サイズ処理で得られている住戸ID番号を割り当て、図4のデータベース55の住戸登録データ62に示すように住戸ID番号に対し割り当てたブロック番号を設定登録する。
【0090】
更に図4の登録処理部32に設けたID/系統割当処理部61にあっては、例えば図7のように建物に対し第1系統目69と第2系統目70についての開始室番号「1」「5」が判明していることから、図8のようにして得られた住戸ID番号における下2桁が「01〜05」について第1系統目の系統番号を割り当て、下2桁「05〜06」のID番号について第2系統目70の系統番号を割り当てる。なお第3系統目71については、この場合には使用していないことから系統番号の割当てはない。
【0091】
図11は図4の登録処理部32によるデータ登録処理のフローチャートである。まずステップS1で、図5のデータ設定メニュー画面66を使用して図4のデータ入力部54に示す8つの登録処理に必要なデータを入力する。続いてステップS2で、図8に示したように建物サイズ処理部が建物の階数xと1階あたりの戸数yに基づき住戸ID番号の設定とこれに基づく地区名称の設定による登録処理を行う。
【0092】
次にステップS4で、ブロック処理部58が図9のように入力された1ブロックの階あたりの住戸数z1と1ブロックあたりの階数z2から建物における全ブロック数とそのブロック割当て、更に各ブロックに対するブロック番号の割当てを行う。
【0093】
次のステップS3にあっては、前述したルール1〜3に従ってブロック間連動設定処理59が図10のように火災発生ブロックに対し住戸を含む連動先ブロックを決定して登録する。
【0094】
続いてステップS5で住戸ID番号に対するブロック番号の割当てを行うブロック割当処理をID/ブロック割当処理部60により行い、更にステップS6でID番号に対し防災監視盤1からの建物に対する信号線の系統番号の割当てをID/系統割当処理部61により行い、一連の自動登録処理を終了する。
【0095】
このようにしてデータの自動登録処理が終了したならば、ステップS7で登録内容に修正があるか否かチェックし、作業者が修正を指示すると、ステップS8に進み、住戸の地区名称または連動先ブロックの修正処理を行う。このステップS8の地区名称または連動先ブロックの修正処理は、後の説明で明らかにする。
【0096】
図12は本発明によるデータの自動登録処理の具体例であり、廊下型の自動登録を例にとっており、建物形状は地上7階、地下階はなく、1フロアは6部屋の場合を例にとっている。
【0097】
このような条件の下にデータ設定メニュー画面72に示すように必要なデータを入力すると、下側(73)に示す住戸ID番号の登録が行われ、更にこの住戸ID番号に基づいて上側(74)に示す地区名称とブロック設定が行われる。また、この地区名称に対しブロック処理が破線のように行われる。この建物形状は廊下型であることから、各フロア単位にブロックが形成されている。
【0098】
更に住戸ID番号73の登録については、防災監視盤1からの信号系統の1系統目、2系統目と3系統目の関係が分かっていることから、ID番号について各系統番号の設定が行われることになる。
【0099】
図13は図12のブロック処理を対象に、前述したルール1〜3に従って行われたブロック間連動設定データである。この場合には廊下型であることから火災発生ブロック及び直上ブロックが近隣火災警報鳴動ブロックとして設定され、最上階にあっては、その上がないことから火災発生ブロックのみとなる。
【0100】
図14は本発明によるデータの自動登録を階段室型の建物形式を例にとって具体的に示している。ここで対象となる建物形状は、地上7階、地下階なし、階段室の両側に住戸があり、1ブロックの階あたりの住戸数z1=2、1ブロックあたりの階数z2=4とした場合を例にとっている。
【0101】
このような階段室型の建物形状について、データ設定メニュー画面75に示すように必要なデータを設定して入力すると、下側に示す住戸ID番号76の登録が行われ、これに基づき上側に示す住戸の地区名称77の登録が行われる。
【0102】
また住戸の地区名称77は、図の破線のように水平戸数z1=2、垂直戸数z2=4とする1ブロックサイズによるブロック処理が行われ、下層ブロックは(2×4)の住戸を含む1ブロックサイズであるが、上層については3階分しかないことから、2戸分少ない(2×3)のサイズのブロックを構成している。
【0103】
このため全ブロック数は(3×2)=6ブロックとなる。またブロック番号は左下側から垂直方向にブロック1,2と割り当てた後、右下に戻って再び上方にブロック3,4と設定し、再び右下に戻ってブロック5,6と設定する。
【0104】
なお住戸ID番号76の登録に示すように、防災監視盤1からの信号線系統は、この場合1系統であることから全ての住戸に対して系統番号1を登録する。
【0105】
図15は図14の階段室型のブロック処理に基づくブロック間連動設定データであり、前述したルール1〜3に従い、火災発生ブロックを含む直上ブロックを近隣火災警報鳴動ブロックとして決定して登録している。
【0106】
図16は図12と同じ地上階を持つ廊下型の建物形状について地下階がある場合のデータ登録処理の具体例である。この場合には地下階としてB1階があり、データ設定メニュー画面78に「1」として地下階ありをセットすることにより、下側の住戸ID番号79のようにB1階についてB1階住戸ID番号の上位2桁を「15」としたID番号が設定される。また上側に示す住戸の地区名称80については、B1階には地下階を示す上位2桁として「91」を割り当てた地区名称が設定される。更にブロック処理にあっては、B1階全体を1ブロックとし、ここにブロック番号として「91」を設定している。
【0107】
図17は図16の地下階がある場合のブロック間連動設定データであり、火災発生ブロックが地下階のブロック91については全地下ブロックと1階を含むブロック1を近隣火災警報鳴動ブロックとしている。図17のブロック90とは、1階を含むブロック全てを指定するブロック名であり、連動登録を簡素化している。またブロック99は地下のブロック全てを指定するブロック名である。また1階のブロック1については、直上ブロック2に加え地下のブロック91を近隣火災警報鳴動ブロックに含めている。
【0108】
このように本発明のデータ自動登録にあっては、そのデータ設定メニュー画面に対し、地上階数、地下階、1階あたりの水平戸数、1ブロック中の水平戸数、1ブロック中の垂直戸数の少なくとも5つのパラメータを設定することで、自動的に住戸ID番号、地区名称としての住戸部屋番号、火災発生ブロックの連動先となる近隣火災警報鳴動ブロックのデータ自動登録ができ、これら防災監視に必要な各種データの登録作業が極めて簡単となる。データ設定メニュー画面の建物形状は、1ブロック中の垂直戸数の入力可能な値を制限するのみであるから、特に入力項目として設けていなくても、本発明としてはかまわない。
【0109】
図18は図11の登録処理における登録終了後のステップS8で行う地区名称修正処理の説明図である。まず図5のデータ設定メニュー画面64における「回線データ」の番号「3」を選択して実行スイッチ6を押すと、図18の回線データ設定画面81に切り替わり、ここで住戸ID番号の上2桁、即ち階番号を選択して実行スイッチ6を押すと、その下の住戸登録画面82に切り替わる。
【0110】
この住戸登録画面82は住戸IDの上2桁として「01」即ち1階を選択した場合であり、1階の住戸ID番号01〜10に対応して地区名称としての住戸番号(「住戸」欄)及びブロック番号(「BL」欄)が一覧表示されている。
【0111】
そこで住戸番号やブロック番号の修正を行うときは図2に示した上シフトキー7または下シフトキー8を操作すると、反転ブロックで示す住戸の表示が修正を必要とする住戸に移動し、選択した住戸についてテンキー5により修正する住戸番号を入力して実行キー6を押すことで、住戸部屋番号、即ち住戸の地区名称を修正することができる。同様にブロック番号に関しても、修正した住戸IDのBL欄を選択して数字入力でブロック番号を修正することができる。
【0112】
図19は本発明によるデータ登録後の連動先ブロックの修正処理の説明図であり、図5のデータ設定メニュー画面64における「地区警報連動」の番号「4」を選択して実行スイッチ6を押すと、図19のブロック番号設定画面83に切り替わる。
【0113】
このブロック番号設定画面83で火災発生ブロック(連動元ブロック)となるブロック番号、例えばブロック番号「01」を選択して実行スイッチ6を押すと、その下の地区警報連動設定画面84に切り替わる。この地区警報連動設定画面84には鳴動先(連動先)ブロックの設定枠「85」があることから、ここに必要なブロック番号をセットし、実行スイッチ6を押すことで変更できる。
【0114】
また、その下の入力枠86には、自分のブロックが1階を含む場合に他のブロックで火災が発生して、火災ブロックの連動先にブロック番号090の全1階が設定されていた場合に自分のブロックで近隣火災鳴動を行うか設定する。
【0115】
次に本発明による登録処理でデータベースに登録された住戸の地区名称を利用して、液晶表示部に行う地区名称表示と近隣火災警報のための音声メッセージの登録処理を説明する。この表示名称登録処理のため、図5のデータ設定メニュー画面64における「地区・諸表示名称」の番号「7」を選択して実行スイッチ6を押すと、図20の住戸設定画面87に切り替わる。この住戸設定画面87について、表示地区名称の設定を行う住戸ID番号、例えば「0101」を破線枠87aのように設定すると、その下の地区表示名称設定画面88に切り替わる。
【0116】
ここで図4のデータベース55には、火災発生時に地区名称を表示するのに使用する文字セット用に予め複数種の文字セットデータが登録されている。各住戸の地区名称は文字セットの組み合わせで形成される。文字セットデータには、文字セットID番号、例えば文字セットID番号「01」に対応して「○階」及び「△△△△号室」の文字設定でなる表示データが準備されており、ウィンドウ89の中の階の入力エリア90について文字セットのID番号「01」を入力すると、文字セットとして準備されている○階の「○」について、いま設定しようとしている1階の「1」が自動的に挿入されて文字セット「1階」が作り出される。
【0117】
続いて次の部屋入力エリア91の文字セットID番号「No」の部分に同じく文字セットのID番号「01」を入力すると、文字セットとして準備されている「△△△△号室」の「△△△△」の部分に、このとき設定しようとしている設定住戸「0101」号室、即ち住戸ID番号「0101」の「101」が自動的にセットされて、文字セットとして「101号室」が作り出される。
【0118】
更にフリーエリア92にあっては、文字入力機能を利用して例えば居住者の姓「鈴木」などをセットする。この階と部屋の文字セットNoにはデフォルトとして01が設定されており、登録処理部32の住戸名称の自動登録処理が、火災警報時の地区名称表示にも反映される。部屋名などを変えたい場合は文字セット番号を変更することで別の名称に変更することができる。例えば「集会場」に変更することもできる。
【0119】
このように階設定エリア90及び部屋設定エリア91について文字セットのID番号の指定により地区名称表示データが作り出されると、その地区名称表示データに対応して近隣火災警報メッセージを行うための音声データが、生成された文字セット「1階」に対応して音声データ「1階」が生成され、また文字セット「101号室」に対応して音声データ「101号室で」が生成される。よって住戸0101号室には「1階101号室で」と音声データが設定され、火災警報時は「1階101号室で」を使用した音声警報を行う。
【0120】
このようにしてウィンドウ88について階設定エリア90及び部屋設定エリア91についての文字セットの設定が済むと、ウィンドウ88上部の名称の部分に階名称として「1階101号室鈴木」が表示され、これを確認して実行キー6を押すことで、設定した住戸名称の表示データと音声データの組を 含む表示地区名称データの図4のデータベース55に対する登録が行われる。
【0121】
この地区名称表示データ及び音声データを含む表示住戸名称登録処理を図21のフローチャートについて説明すると次のようになる。まずステップS1で図20の地区表示名称設定画面88に表示しているウィンドウ89の中の階設定エリア90を選択する階項目の選択を行い、続いてステップS2でID番号「01」の指定により階番号の設定を行う。通常はID番号「01」が既に設定されている。
【0122】
次にステップS3で次の部屋設定エリア91を選択する部屋項目の選択を行い、ステップS4でID番号「01」を入力することで、文字セットに部屋番号を設定する。これも通常はID番号「01」が既に設定されている。
【0123】
そしてステップS5で実行スイッチ6の操作による実行を判別すると、ステップS6で設定名称の表示データと音声データの組を含む表示地区名称データをデータベース55に登録する。
【0124】
このような表示地区名称のデータベースの登録により、火災発生時にあっては防災監視盤の液晶表示部4に「○○階△△△△号室 火災発生」などの地区名称表示が行われる。また火災発生ブロックに対応した近隣火災警報鳴動ブロックを判別し、「火事です。火事です。○○階△△△△号室で火災が発生しました。安全を確認の上、避難してください」のような音声メッセージによる近隣火災警報を行うことになる。
【0125】
なお、上記の実施形態は集合住宅の防災監視設備における警戒区域に関するデータ登録を例にとっているが、本発明はこれに限定されず、警戒区域を複数の区画に分けて監視している適宜の設備につき、住戸の場合と同様に建物の形状に関するデータを入力することで、区画ID番号、区画名称、ブロック割当て、ブロック間連動設定などのデータ登録をそのまま適用することができる。
【0126】
また液晶表示部の作業画面を使用したデータ登録の方法は、上記の実施形態に示した具体的な設定画面に限定されず、適宜の設定操作によるデータ入力でよい。
【0127】
また本発明の実施形態にあっては、火災感知器の発報で火災表示と火災警報を行う例であったが、ガス漏れ感知器や防犯感知器からの発報を受けて異常表示や異常警報を行う構成でも適用できる。
【0128】
更に上記の実施形態においては、データ登録のための入力データの設定を防災監視盤の液晶表示部で行ったが、防災監視盤に接続されて入力データを設定するための表示ができるCRTなどのディスプレイ表示から防災監視盤との伝送で設定するようにしてもよい。更に設定時の操作部としては、表示部と同じタッチパネル式の表示画面で行うようにしてもよい。
【0129】
また、上記の実施形態においては火災警報は発生地区を特定した音声メッセージを出力する形態であったが、これに限らず発生地区を特定しない音声メッセージを出力するようにしても良い。この場合、音声メッセージ用の音声データを自動登録する必要はない。
【0130】
また、本発明は地区名称やブロック関連全て自動登録になっているが、地区名称が自動登録されるだけでも従来より登録作業が簡略化される。
【0131】
また、住戸ID番号は上2桁を階、下2桁を部屋番号としているが、これに限らず各住戸用受信機10のアドレス付与の所定のルールに合せて、ID番号が自動に設定されるようにすれば良い。
【0132】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、階数、1階あたりの監視区域数、1ブロックの水平及び垂直監視区域数、地下階の有無など、建物形状に関するデータを入力するだけで自動的に区画(住戸)ID番号、住戸部屋番号などの地区名称、建物のブロック分けとブロック間連動設定、更には区画ID番号に対する信号線系統の割当てなどのデータ登録が自動的に行われ、簡単な入力データの設定操作により防災監視に必要な住戸に関する各種のデータ登録が簡単且つ容易にでき、監視区域に関するデータ登録の作業負担を大幅に軽減し、作業効率を高めることができる。
【0133】
また警戒のためのグループを形成するブロック処理につき、建物形状が廊下型であっても階段室型などのような形態であっても、同じデータ入力の設定に使用する数値を変えるだけで、建物形状を意識することなく、データを入力して必要となる監視区域に関するデータの自動登録ができ、防災監視設備のデフォルトとして準備する監視区域に関するデータ登録が極めて簡単且つ容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される防災受信盤の説明図
【図2 】図1の防災監視盤の表示操作部を拡大した説明図
【図3】本発明の防災監視設備の全体構成を示したブロック図
【図4】図3の防災監視盤による登録処理の機能構成のブロック図
【図5】図4の登録処理で使用するメニュー画面の説明図
【図6 】廊下型と階段室型の説明図
【図7】防災監視盤の系統の説明図
【図8】図4における建物サイズ処理の説明図
【図9】図4におけるブロック処理の説明図
【図10】図4におけるブロック間連動設定処理の説明図
【図11】図4の登録処理の
【図12】廊下型における自動登録の具体例を示した説明図
【図13】図12におけるブロック間連動設定登録の説明図
【図14】階段室型における自動登録の具体例を示した説明図
【図15】図14におけるブロック間連動設定登録の説明図
【図16】廊下型で地下階がある場合の自動登録の具体例を示した説明図
【図17】図16におけるブロック間連動設定登録の説明図
【図18】自動登録後の住戸番号の変更操作を示した説明図
【図19】自動登録後の連動先ブロックの変更操作を示した説明図
【図20】自動登録後に行う住戸名称設定画面を使用した登録操作の説明図
【図21】図20の住戸名称登録処理のフローチャート
【符号の説明】
1:防災監視盤
2:火災監視部
3:インターホン親機
4:液晶表示部
5:テンキー
5a:*キー
5b:#キー
6:実行スイッチ
7:上シフトスイッチ
8:下シフトスイッチ
9:前画面スイッチ
10:住戸用受信機
11:住戸用CPU
12:制御部
13,35:伝送回路
14,36:通話回路
15:住戸用音声合成部
16:アドレス設定部
17:火災監視部
18:住戸感知器回線
20:住戸用火災感知器
21:火災表示灯
22,37:ハンドセット
23,51:トランジスタ
24,52:リレー
24a,24b,52a:切替リレー接点
25,44:アンプ
26:住戸用スピーカ
27:ドアホン
27a:戸外表示器
28:伝送線
29:通話線
30:主制御部
31:監視制御部
32:登録制御部
33:操作部
34:インターホン制御部
38:集合玄関機
40:中継器
41:共用部感知器回線
42:共用部用火災感知器
43:主音響警報用音声合成部
45:主音響警報用スピーカ
46:音声合成部
47:パワーアンプ
48:入出力制御部
49:回線選択部
50:共用部用スピーカ
53:電源部
54:データ入力部
55:登録処理部
56:データベース
57:建物サイズ処理部
57a:住戸ID番号登録部
57b:住戸名称登録部
58:ブロック処理部
59:ブロック間連動設定処理部
60:ID/ブロック割当処理部
61:ID/系統割当処理部
62:住戸登録データ
64:連動ブロック登録データ
80:地区名称
Claims (7)
- 建物内に設置した感知器の異常の検出を監視盤で受けて表示画面にて発生地区名称を表示すると共に、異常警報を出力する監視設備において、
前記監視盤に、建物の階数と1階当りの監視区域数の入力データに基づいて、建物の全監視区域を計算し全監視区域に対して区画ID番号を自動生成してデータベースに登録する区画ID登録部と、前記区画ID番号から地区名称を自動生成して前記データベースに登録する区画名称登録部とを備え、
更に、前記監視盤からの複数の信号線系統につき、各系統の開始区画番号を、階当りの監視区域数迄の数値を用いて指定した入力データに基づいて、前記区画ID番号に各系統番号を割当てて前記データベースに登録するID/系統割当処理部を設けたこと、
を特徴とする監視設備。 - 建物内に設置した感知器の異常の検出を監視盤で受けて表示画面にて発生地区名称を表示すると共に、異常警報を出力する監視設備において、
前記監視盤に、建物の階数と1階当りの監視区域数の入力データに基づいて、建物の全監視区域を計算し全監視区域に対して区画ID番号を自動生成してデータベースに登録する区画ID登録部と、
1ブロックを構成する階数と階当りの監視区域数の入力データに基づいて、建物内の全ブロック数とブロック番号を付与したブロックの並びを決定し、前記区画ID番号にブロック番号を割り当てて前記データベースに登録するブロック処理部と、
を備えたことを特徴とする監視設備。 - 請求項2記載の監視設備において、
更に、前記ブロックの並びに基づいて異常発生ブロックに対し異常警報を行う連動先ブロックを決定して前記データベースに登録するブロック間連動設定処理部を設けたことを特徴とする監視設備。 - 請求項2記載の監視設備において、
前記ブロック処理部は、建物の地下階については1階毎に1ブロックを割当てて前記データベースに登録し、前記ブロック間連動設定処理部は、地上階については異常発生ブロック及びその直上ブロックを連動先ブロックとし、地下階については異常発生ブロックの直上ブロック及び地下ブロックを連動先ブロックとすることを特徴とする監視設備。 - 請求項2記載の監視設備において、
前記区画ID登録部は、少なくとも地上階数、地下階、1階あたりの水平戸数、1ブロック中の水平戸数、1ブロック中の垂直戸数を指定し、これらの指定内容に基づいて近隣火災警報鳴動ブロックと、各近隣火災鳴動ブロックに応じた近隣火災内容とを自動生成することを特徴とする監視設備。 - 請求項2記載の監視設備において、
登録処理でデータベースに登録された住戸の地区名称を利用して、警報のための音声出力情報を編集登録する登録処理部を設けたこと、
を特徴とする監視設備。 - 請求項2記載の監視設備において、
作業者が登録内容に修正があるか否かチェックし、修正を指示すると住戸の地区名称または連動先ブロックの修正処理を行うことを可能とした監視設備。
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JP2000011285A (ja) * | 1998-06-25 | 2000-01-14 | Matsushita Electric Works Ltd | 音声警報機能を有した火災報知システム |
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JP2000011285A (ja) * | 1998-06-25 | 2000-01-14 | Matsushita Electric Works Ltd | 音声警報機能を有した火災報知システム |
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