JP4755359B2 - 鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れの発生防止を主たる目的として用いられる鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の目地部の構造としては、例えば防油堤である鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造がある。これは、伸縮目地を設けて防油堤を複数に分割されたブロックとし、目地部に伸縮目地材及び止液板を配設するとともに、伸縮目地を挟む一方の側がコンクリートに定着され、他方の側がコンクリートに滑動自在に挿入されるようなスリップバーを配設してなるものである。
【0003】
かかる防油堤の目地部の構造によれば、伸縮目地を設けて防油堤を複数に分割されたブロックとしたので、該伸縮目地において各ブロックの伸縮を吸収させることができ、それゆえ、コンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れの発生を防止することが可能となる。
しかも、スリップバーの伸縮目地を挟む両側がコンクリートに挿入される構造となっているので、地盤の強さの不均一に起因する目違いの発生をも防止することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような防油堤の目地部の構造では、スリップバーのせん断抵抗力が目違いを防止できる程度に止まるため、例えば地震により地盤が液状化し、その結果、目地部が非常に大きなせん断力を受けた場合には、目地部が変形し又は損壊してしまい、構造物の形状や機能を保持できない虞が大きい。
【0005】
加えて、防油堤が液状化の可能性のある地盤に設置される場合には、非常に煩雑な作業を伴う防油堤目地部の漏えい防止措置(消防危第32号通知)が必要となる。
すなわち、防油堤の目地部の内側又は外側に、ゴム製等で耐候性、耐油性を有する可撓性材を、十分な止液性、変形追随性を確保できるような構造形式で取り付けて、該伸縮目地からの油の漏えいを防止できるような措置を各伸縮目地でとる必要がある。
【0006】
なお、配力筋を連続的に配置するような方法は、そもそもコンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れの発生を防止できない。
【0007】
そこで、本発明の課題は、コンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れの発生を回避されるとともに、目地部が非常に大きなせん断力を受けた場合にも、構造物の形状や機能を損なうことがないように、目地部の変形や損壊が確実に防止されるような鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造は、鉄筋コンクリート構造物の目地部において、伸縮目地の目地材を貫いて鞘管が配置され、前記鞘管の両端部には、前記目地部を挟んで対向する配力筋の端部がそれぞれ貫入されており、前記鞘管の少なくともいずれか一方の端部が、前記配力筋に対して滑動自在であることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造によれば、伸縮目地において各ブロックの伸縮が吸収されるので、コンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れが発生しない。
【0010】
そして、鞘管を用いて配力筋が水平方向で連続する構造としたので、目地部が非常に大きなせん断力を受けた場合にも、目地部の変形や損壊は確実に防止されることになる。したがって、該鉄筋コンクリート構造物の形状や機能を損なうこととはならない。
【0012】
また、対向する前記配力筋のうち、少なくともいずれか一方の前記配力筋の前記鞘管に貫入される部分には、瀝青材が塗布されているものが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る鉄筋コンクリート構造物の目地部11の構造の概略構成を示す斜視図、図2は該鉄筋コンクリート構造物の目地部11の構造の詳細構成を示す断面図である。なお、図1において、主筋の図示を略し、配力筋のみを示している。
【0014】
本実施の形態における鉄筋コンクリート構造物たる防油堤1の目地部11の構造は、図1に示すように、伸縮目地1aを設けて防油堤1を複数に分割されたブロックとし、目地材11a及び止液板11bを配設してなる防油堤1の目地部11において、方向拘束部材である鞘管12を含むものとして構成されている。
【0015】
本実施の形態において、この鞘管12は、目地部11におけるせん断力に抵抗する役割を果たすものである。この鞘管12は、地震により地盤が液状化した場合に目地部11において発生するような非常に大きなせん断力に抵抗することも可能となっている。それゆえ、本実施の形態における鞘管12としては、かかる非常に大きなせん断力に対応し得る強度をもつ鋼管が用いられている。なお、実際には、配力筋と同程度の強度のある鋼管が用いられる。
【0016】
この鞘管12は、具体的には、同図に示すように、防油堤1の目地部11において対向する配力筋13の組のすべてに対して取り付けられている。
【0017】
また、この鞘管12は、同図に示すように、伸縮目地1aにおいて予め目地材11aに開設した穴を貫くように配設されている。そして、この鞘管12は、図2に示すように、伸縮目地1aを挟む両側が、対向する配力筋13の芯方向を同時に拘束する状態として、コンクリート14に挿入されている。
【0018】
すなわち、この鞘管12は、同図に示すように、内径が配力筋13の外径よりも僅かに大きく設定されているので、配力筋13を鞘管12に貫入されることにより、配力筋13の芯方向が拘束されることになる。
【0019】
そして、この鞘管12は、伸縮目地1aを挟む一方の側が、配力筋13及びコンクリート14に対して滑動自在となっている。また、伸縮目地1aを挟む他方の側も、配力筋13に対しては滑動自在となっている。
【0020】
すなわち、この鞘管12は、内径が配力筋13の外径よりも僅かに大きく設定されていることに加え、配力筋13の鞘管12に貫入される部分には、瀝青材が塗布されているので、鞘管12の配力筋13に対する滑動自在性は円滑かつ十分に確保されている。
【0021】
加えて、この鞘管12のコンクリート14に貫入される部分にも、鞘管12のコンクリート14に対する滑動自在性も円滑かつ十分に確保されるような措置をとる。このような措置としては、例えば鞘管12に断熱材たる発泡スチロールや目地材などを巻き付けるという方法がある。
【0022】
次に、図1及び図2を参考にして、本実施の形態に係る防油堤1の目地部11の構造の構築方法について説明する。なお、図1及び図2は、いずれも該防油堤1の目地部11の構造の構築が完了した時点の状態を示している。
【0023】
今、防油堤1の目地部11において、目地材11a及び止液板11bが配設されているとともに、伸縮目地1aを挟む両側とも、立ち上がり部の鉄筋の組立が完了しているが、コンクリート14の打設が完了してない状態にある。
【0024】
このような状態において、鞘管12が、予め対向する配力筋13に対応する目地材11aの部位に開設された穴を貫くように取り付けられる。
【0025】
次いで、伸縮目地1aを挟む一方の側において、配力筋13を含む鉄筋の組立が行われる。この鉄筋の組立には、目地材11aに取り付けられた鞘管12に対して、瀝青材を塗布した配力筋13の端部を貫入させる作業が含まれる。
【0026】
続いて、伸縮目地1aを挟む一方の側における鉄筋の組立が完了した後、該一方の側において、コンクリート14の打設が行われる。
【0027】
次いで、伸縮目地1aを挟む他方の側において、配力筋13を含む鉄筋の組立が行われる。この鉄筋の組立には、目地材11aに取り付けられた鞘管12に対して、瀝青材を塗布した配力筋13の端部を貫入させる作業が含まれる。
【0028】
そして、伸縮目地1aを挟む他方の側における鉄筋の組立が完了した後、該他方の側において、コンクリート14の打設が行われる。これにより、防油堤1の目地部11の構造の構築が完了する。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態に係る防油堤1の目地部11の構造によれば、伸縮目地1aが各ブロックの伸縮を吸収するので、コンクリート14の乾燥収縮に起因するひび割れが発生するようなこととはならない。
そして、鞘管12を用いて配力筋13が水平方向で連続する構造としたので、目地部11が非常に大きなせん断力を受けたような場合においても、目地部11の変形や損壊を確実に防止できる。よって、防油堤1の形状や機能を損なうようなことは起こり得ない。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造によれば、以上のように構成したため、コンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れの発生を回避されるとともに、目地部が非常に大きなせん断力を受けた場合にも、構造物の形状や機能を損なうことがないように、目地部の変形や損壊が確実に防止されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造の詳細構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…防油堤(鉄筋コンクリート構造物)
1a…伸縮目地
11…目地部
11a…目地材
11b…止液板
12…鞘管(方向拘束部材)
13…配力筋
14…コンクリート
Claims (2)
- 鉄筋コンクリート構造物の目地部において、伸縮目地の目地材を貫いて鞘管が配置され、前記鞘管の両端部には、前記目地部を挟んで対向する配力筋の端部がそれぞれ貫入されており、前記鞘管の少なくともいずれか一方の端部が、前記配力筋に対して滑動自在である
ことを特徴とする、鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造。 - 対向する前記配力筋のうち、少なくともいずれか一方の前記配力筋の前記鞘管に貫入される部分には、瀝青材が塗布されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造。
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JP2001138396A JP4755359B2 (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 鉄筋コンクリート構造物の目地部の構造 |
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