JP4754810B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技盤上に発射された遊技球の動きに応じて、役物の動作契機を形成する遊技機に関するものである。
近年のパチンコ機においては、遊技盤の中央に配置された表示部(例えば、LCD(液晶表示装置))に図柄変動パターン演出を表示する等、映像を表示することが主流となっている。
これに対して、キャラクタ等の役物が実際に動作することを併せ持たせ、例えば、遊技進行上の予告に用い、演出効果を高めるようにしたパチンコ機が存在している。
特に、第2種と称されるパチンコ機では、パチンコ球を用いた演出自体が大当たりになるための重要な要素となっている。
より具体的には、遊技盤の中央に、当該遊技盤面とは物理的に空間が分離された遊技領域を持つセンター役物を配設し、遊技盤面と遊技領域との連通口を開閉可能な羽根部材で仕切った構成において、羽根部材を開閉動作させ、その開放中に、パチンコ球が遊技領域内に運良く入賞すると、パチンコ球は遊技盤の奥行き方向の移動を交え、立体的な動きを演出する。
この遊技盤の奥行き方向の動きの最終段として、Vゾーンへの入賞を期待させることで、演出効果を高めている。特に、特許文献1では、磁石等の受渡し手段、受取り手段を有し、軸線方向が遊技盤面に対して平行、かつ水平とされたドラム(移送体)を用いて、パチンコ球を遊技盤面に直交する方向(奥行き方向)に移動させる構成が提案されている。この特許文献1では、始動口への入賞タイミングによらず、開閉駆動装置の開放を確実に発生させることを目的としている。
特開平10−179858号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、パチンコ球の奥行き方向の動きが対面している遊技者からわかりずらく、動きに見合った効果が期待できない。
また、役物内に表示部が存在する場合、その表示部の配置スペースが制限されるばかりでなく、表示内容と物理的な演出動作とが遊技者の視線上で常に重なり合い、みずらくなるという問題点がある。
さらに、パチンコ球を用いた物理的な動作により、Vゾーンへ入賞するか否かの演出を行うと、その動作途中で結果がわかってしまう場合があり、趣向性に欠けるという欠点がある。
本発明は上記事実を考慮し、遊技球を用いた演出動作を見易く、かつわかり易くして、遊技進行を確実に把握することができると共に、動作の予測がつきにくく、趣向性や期待感を持続することができる遊技機を得ることが目的である。
本発明は、外バンド及び内バンドによって囲まれると共に少なくとも釘が設けられ遊技球が移動可能な遊技領域を有する遊技盤と、この遊技盤に形成され、前記遊技球を案内する所定の案内路と、前記遊技盤に形成された前記所定の案内路を通って送られた遊技球を保持すると共に当該保持した遊技球を予め定められた受け渡し位置へ向けて搬送する受渡し手段と、前記受け渡し位置において、当該受渡し手段から前記遊技球を受け取って保持すると共に予め定められた目的位置へ搬送する受取り手段と、前記受取り手段と前記受渡し手段とが、それぞれ前記遊技盤の前記遊技領域に平行な方向に移動しながら、前記遊技球の受け取り、並びに受け渡し動作を行う役物装置とを備えた遊技機であって、前記遊技球が前記目的位置へ到達することで、前記役物装置連続作動に基づく多くの入賞を実現する入賞装置へ前記遊技球を案内する案内路を有すると共に、前記入賞装置が、前記受け渡し位置での遊技球に加わる重力作用方向に設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、受渡し手段と受取り手段とをそれぞれ遊技盤に平行な方向に移動させることで、遊技者から、当該受渡し手段から受取り手段への遊技球の受渡し作業等の動作が見易くなり、例えば、この受け渡し作業を、遊技進行上の変化をもたらすための役物装置への入賞のための動作として用いた場合、結果を確実に把握することができる。
ここで、結果を確実に把握する反面、先の予測がつきやすい。このため、受け渡し位置での遊技球に加わる重力作用方向に入賞装置を設ける。これにより、受け渡しに失敗した遊技球も入賞装置への入賞が期待でき、結果の予測をつきにくくすることができる。
前記目的位置には、前記受取り手段による遊技球の保持状態を解除し、かつ、保持状態を解除された遊技球を前記入賞装置へ案内する保持解除案内手段設けられていることを特徴としている。
受取り手段の動作に連動して、受取り手段が受け渡し位置から目的位置に戻ったとき、受取り手段で受け取った遊技球の保持状態を解除すると共に、入賞装置へ案内する。これにより、一連の動作につながりができる。
前記受渡し手段から前記受取り手段への遊技球の受け渡しは、遊技者が前記画像表示装置を見るときの視線に重なる範囲内で行われるように構成されていることを特徴としている。
画像表示装置を見るときの視線と重なることで、遊技者は視線をずらすことなく、受け渡し動作を確認することができる。
前記画像表示装置は、特別図柄の変動、並びに当該特別図柄の変動に係る画像による演出表示を行う機能を備えていることを特徴としている。
画像表示装置は、遊技の進行上の重要な情報を遊技者に報知する役目を有している。情報の報知形態としては、特別図柄の変動、特別図柄の変動に係る画像による演出表示を含み、遊技者はこの画像表示装置の表示内容を重視することになる。そこで、この画像表示装置に平行な方向に移動しながら、遊技球の受け渡しを行うことで、画像表示装置の表示内容を妨げることがない。
前記役物装置内に入賞した遊技球であることを特徴としている。
技盤には、遊技盤面上の遊技球を取り込み、当該取り込んだ遊技球の動きによって遊技状態を決定する役物装置が備えられ、この役物装置は、遊技の進行を大きく左右する要素を持っているため、遊技者の視線が集中する。そこで、受渡し手段及び前記受取り手段により受け渡し、受け取りに使用される遊技球を、この役物装置内に入賞した遊技球とすることで、遊技者の注目度が高めることができる。
前記受渡し手段は、前記遊技球を吸着するための磁石を備えていることを特徴としている。
受渡し手段には、磁石が取り付けられており、受渡し手段における遊技球の保持に、意図的に非確実性を持たせる(磁着するか否か)ことで、遊技性を向上することができる。
前記受取り手段は、前記遊技球を吸着するための磁石を備えていることを特徴としている。
受取り手段には、磁石が取り付けられており、受取り手段における遊技球の保持に、意図的に非確実性を持たせる(磁着するか否か)ことで、遊技性を向上することができる。
前記受渡し手段は、前記遊技球を吸着するための磁石を備え、前記受取り手段は、前記遊技球を収容可能な収容筐体を備えていることを特徴としている。
受渡し手段には、磁石が取り付けられており、受渡し手段における遊技球の保持に、意図的に非確実性を持たせる(磁着するか否か)ことで、遊技性を向上することができ、一方、受取り手段には、前記磁石によって磁着保持した遊技球を収容する収容筐体を設ける。
これにより、磁石に磁着した遊技球を確実に受取り手段へ受け渡すことができる。
前記収容筐体は、前記遊技球を吸着するための磁石を備えていることを特徴としている。
収容筐体に磁石を設けることで、受け取りの確実性がさらに向上することができる。
前記受渡し手段を駆動する第1の駆動手段と、前記受取り手段を駆動する第2の駆動手段とを備え、これらの第1の駆動手段及び第2の駆動手段の駆動を制御する共通の制御手段を有することを特徴としている。
受渡し手段と受取り手段とをそれぞれの別の駆動源(第1の駆動手段及び第2の駆動手段)により駆動させ、これらを共通の制御手段で制御することで、受渡し手段から受取り手段への遊技球の受け渡しに最適なタイミングで、受渡し手段及び受取り手段を動作させることが容易となる。
前記第1の駆動手段及び第2の駆動手段は、それぞれ回転電動機であり、この回転電動機の回転軸に一端部を固定されている棒体を備え、この棒体の他端部には前記磁石又は前記収容筐体が取り付けられていることを特徴としている。
棒体を、その一端部を中心に回転させ、かつ他端部に磁石又は収容筐体を取り付けることで、磁石による遊技球の磁着保持、並びに収容筐体による遊技球の収容保持状態における遊技球の移動量を大きくする(振り子のように揺動)ことができ、かつ、この動作が遊技盤に対して平行な方向であるため、遊技者はその動き自体を楽しむことができる。
前記受取り手段の磁石は、前記受渡し手段の磁石よりも強い磁力を備え、磁力差によって前記遊技球が受け渡されることを特徴としている。
受渡し手段から受取り手段への受渡しの態様として、双方に磁力差の異なる磁石を設ける。すなわち、受取り手段の磁石は、前記受渡し手段の磁石よりも強い磁力とし、この磁力差によって前記遊技球を受け渡すことができる。
前記受渡し手段は、前記遊技球を吸着するための磁石を備え、前記受取り手段は、前記遊技球を収容可能な収容筐体を備え、前記受渡し手段と前記受取り手段が対面した後、前記受取り手段が前記遊技球の受け渡し位置に滞在している間に、前記受渡し手段が離れ始めることにより、前記遊技球が前記受取り手段に受け渡されることを特徴としている。
受渡し手段と受取り手段の対面の際に磁石に磁着保持されている遊技球が収容筐体に収容されるようにし、その後、受渡し手段が先に受渡し位置から離れ始めることで、収容筐体への収容が妨げとなって磁石による磁着保持力が低下していき、遊技球は収容筐体に収容された状態で残る。このような動作タイミングによって受渡しを確実とすることができる。
以上説明した如く本発明では、遊技球を用いた演出動作を見易く、かつわかり易くして、遊技進行を確実に把握することができると共に、動作の予測がつきにくく、趣向性や期待感を持続することができるという優れた効果を有する。
(パチンコ機の外観)
図1には、本実施の形態に係るパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は窓部を有する額縁状の枠体12を備え、その一側部(図1の右辺部)が開閉可能に取付けられている。
枠体12には、複数の表示灯14やスピーカ16が設けられている。また、枠体12の中央には、窓部となっており、この窓部には紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行とされた一対のガラス18(二重構造)が装着されたガラス枠20が設けられている。また、枠体12の図1の右辺部には施錠装置(シリンダ)22が設けられている。
ガラス枠20の下方位置には、前面に球皿部24を備えた一体皿ユニット26が配設されている。この一体皿ユニット26の球皿部24には、貯球タンク(図示省略)と連通し、この貯球タンク内のパチンコ球(遊技球)を球皿部24へ流出させる連通口28が設けられている。
一体皿ユニット26は、その一側部(図1の左辺部)が枠体12に対して開閉可能に取付けられている。一体皿ユニット26の前面には、左側下部に灰皿29が配置され、右側下部には発射装置176(図8参照)から発射する打球の飛距離を調整するための発射ハンドル30が設けられている。
また、枠体12の窓部には、遊技盤載置台に載せて交換可能とされた遊技盤32が窓部に対応して設置されている。
(遊技盤の構成)
本実施の形態の遊技盤32は、周知の第2種遊技に必要な遊技具が備えられている。以下、図2乃至図6において、この複合された遊技盤32の構成について説明する。
図2及び図3に示される如く、遊技盤32は、外バンド34及び内バンド36によって囲まれた略円形状の遊技領域が形成されている。
遊技領域には、釘(図示省略)やセンター役物38が設けられている。このセンター役物38には、表示部40が配設されている。
センター役物38の下方には、上から順に始動口42、アウト口44が配置されている。
なお、前記始動口42には、電動チューリップ46が設けられており、通常は閉止状態であり、普通図柄通過装置48のパチンコ球の通過を契機に実行される普通図柄抽選により当たりとなった場合に開放し、当該始動口42への入賞確率が高まるようになっている。
前記センター役物38の一部を構成する表示部40は、パチンコ球が予め設定された特定の入賞口(本実施の形態では、始動口42)に入賞したことを契機に実行される図柄変動パターン演出を報知するものであり、例えば、遊技の進行上の予告を行う場合や、何らかの抽選が実行された場合に、この図柄変動パターン演出によって予告や抽選の結果を報知することができる。
また、前記センター役物38には、遊技盤32に対して壁部材で仕切られた役物領域50が形成されており、この役物領域50の内外との連通口は、センター役物38の上部にあり、当該連通口には羽根部材52が取り付けられている。
羽根部材52は、前記始動口42にパチンコ球が入賞したときに、所定時間開放して役物領域50内へのパチンコ球の受け入れを可能とし、かつ開閉動作を所定回数繰り返す構成となっている。
なお、前記表示部40は、前記羽根部材52の下部において、前記役物領域40の奥側の縦壁面としての役目を兼ねている。
前記表示部40の上部には、図2及び図3の右方向へ向かって徐々に低位となるように傾斜する送出案内路54が形成されている。なお、この送出案内路54は、図2に示すように飾り部材56によって遊技者からは見えない構造となっている。
ここで、前記羽根部材52が開放され、遊技盤32を移動しているパチンコ球が役物領域50内に受け入れられると、このパチンコ球は、前記送出案内路54に案内され、前記表示部40における図2及び図3の右側に設けられた、蛇行流路58へと至るようになっている。
(センター役物)
図4に示される如く、蛇行流路58は、左右方向に交互に傾斜された複数のスロープ59A、59B、59C、59D、59E、59Fによって構成され、前記送出案内路54によって蛇行流路58の上端部に案内されたパチンコ球は、前記複数のスロープ59A〜59Fに受け渡されながら蛇行して、蛇行流路58の最終段スロープ59Fの最低位部に設けられた円形の排出口60から遊技盤よりも手前側へ排出する構成となっている。
排出口60から排出されたパチンコ球は、図2及び図3の左方向へ向かって徐々に低位となるように傾斜する円弧状の受取案内路62が形成されている。
この受取案内路62の左端部は、前記役物領域50の床面を構成する役物ステージ64と連続している。
役物領域50の役物ステージ64は、奥行き方向に2段構造(以下、奥側のステージを第1のステージ64A、手前側のステージを第2のステージ64Bという)となっており、前記受取案内路62は、奥行き方向において、第2のステージ64Bと一致している。
この結果、前記排出口60から排出されたパチンコ球は、他に外的要素が加わらない限り、前記受取案内路62から第2のステージ64Bへと転動することになる。
第1のステージ64Aは、下に凸状の円弧状のステージ面となっており、遊技盤の幅方向中央が最も低位面とされている。
一方、第2のステージ64Bは、全体的に前記第1のステージ64Aよりも低位とされ、さらに、左右対称に波状にうねっている。すなわち、遊技盤の幅方向両端部が最も高位とされ、中央が相対的に凸状、この中央から均等に振り分けられた位置が相対的に凹状とされ、全体的に曲線で連続された形状となっている。
なお、第2のステージ64Bのさらに手前側には、役物領域50の範囲外として、前記始動口42へのパチンコ球の入賞を案内する始動入賞案内ステージ66が形成されており、外観上は、3段のステージ構成となっている。
また、前記始動入賞案内ステージ66と第2のステージ64Bとの境界には、透明板68が立設され、始動入賞案内ステージ66と第2のステージ64Bとの間のパチンコ球の移動を制限している。
前記第1のステージ64Aの遊技盤幅方向中央部の凹陥位置には、Vゾーン70が設けられている。これに対して、前記第2のステージ64Bの遊技盤幅方向中央部の凸部から左右に均等に振り分けられた凹部には、それぞれ外れゾーン72が設けられている。
パチンコ球がVゾーン70に入賞すると大当たりとなり、遊技状態を前記羽根部材52が所定時間開閉を繰り返す特別遊技(大当たり)状態とすることができる。
上記構成において、前記蛇行流路58の下端部に設けられた排出口60から排出されたパチンコ球は、受取案内路62から第2のステージ64Bへと至るため、結果として、外れゾーン72に入賞することになる。
なお、本実施の形態では、図3及び図4に示される如く、蛇行流路58の中間地点に貯留弁74が出没可能に配置されている。
すなわち、貯留弁74は、蛇行流路58の奥側壁面に設けられた貫通孔76(図5参照)に収容されている。また、貯留弁74は、蛇行流路58の後面に設けられた貯留弁動作ソレノイド78のプランジャにクランクシャフト80を介して連結され、貯留弁動作ソレノイド78への通電/非通電によって蛇行流路58上への配置される第1の位置/蛇行流路58からの退避される第2の位置の2位置間を移動するようになっている。
この貯留弁74は、第1の位置に位置決めされている状態で、蛇行流路58を転動するパチンコ球の移動を阻止し、その後の移動タイミングを図る役目を有している。また、上記に加え、1個のパチンコ球が貯留されると、その後に蛇行流路58を転動してくるパチンコ球を回避路82へ送り込む役目を兼ねている。なお、回避路82に送り込まれたパチンコ球は、蛇行流路58をショートカットする。
ここで、前記受取案内路62と、第2のステージ64Bとの境界(表示部40の右下角部近傍)には、前記表示部40の右辺に沿って配設された受渡し手段としての第1のアーム84の下端部が位置しており、この下端部には、磁石86が取り付けられている。
第1のアーム84は、その中間部が表示部40の図1及び図2の右辺に沿って略垂直とされた状態がホームポジション(定位置)となっており、上端部に取り付けられた軸88を中心に回動可能に構成され、受取案内路62の上方位置近傍から後述の籠部材96へのパチンコ球Pの受渡し位置近傍まで回動して、パチンコ球Pを搬送する。
磁石86は、その磁力面が前記受取面と第2のステージ64Bとの境界面に対向している。また、この磁石86と、前記境界との間には、パチンコ球の通過空間があり、パチンコ球の転動の状態、磁石86の位置等の関係で、意図的に偶然性を持たせたかたちで、パチンコ球の磁石86への磁着を図っている。
言い換えれば、パチンコ球は、転動を続けて第2のステージ64Bへと至る場合と、磁石86に磁着して転動が阻止(磁石86への磁着保持)される場合の何れかが、そのときの状況に応じて実行されるようになっている。
このとき、前記貯留弁74は、前記第1のアーム84の動作タイミングに同期して、当該第1のアーム84がホームポジションに到達する時期に、パチンコ球が磁石86の真下を通過するように退避するよう動作させるようになっている。すなわち、この貯留弁74は、大当たり処理中における、ラウンド更新のための補助的な動作を行うものである。
図5に示される如く、第1のアーム84の軸88は、変速部(ギヤ等)90を介して第1のステッピングモータ92の回転軸に連結されている。このため、第1のアーム84は、第1のステッピングモータ92の正転駆動、逆転駆動に応じて、振り子の如く、軸88を中心に揺動させることができる。
第1のアーム84に取り付けられた磁石86は、前記第1のステッピングモータ92の正転/逆転により、前記ホームポジションを図1及び図2の反時計回り方向の極点として、このホームポジションから図1及び図2の時計回り方向に所定角度の範囲で円弧状に往復移動(以下、揺動という)するように制御される。
すなわち、第1のアーム84の図1及び図2の時計回り方向の極点は、前記表示部40の幅方向中央部となり、例えば、第1のアーム84がホームポジションに位置しているときに磁石86にパチンコ球が磁着した状態で、当該第1のアーム84が揺動すると、パチンコ球は表示部40の幅方向中央位置まで搬送するようになっている。
ここで、表示部40の図1及び図2の左側には、前記第1のアーム84と左右対称となる位置に、第2のアーム94が配設されている。
この第2のアーム94の下端部には、1面が開口された筐体構造の籠部材96が取り付けられている。
この第2のアーム94は、その中間部が表示部40の図1及び図2の左辺に沿って略垂直とされた状態がホームポジションとなっており、上端部に取り付けられた軸98を中心に回動可能とされている。なお、前記籠部材96の開口面は、前記第2のアーム94がホームポジションのときに図1及び図2の右面となる。
第2のアーム94の駆動系は、前記第1のアーム84と同一であるため、図5を用いて説明する。なお、この場合、第2のアーム94に対応する部材の符号を、第1のアーム84に対応する部材の符号に対して、( )記号を付して併記する。
軸98は、変速部(ギヤ等)100を介して第2のステッピングモータ102の回転軸に連結されている。このため、第2のアーム94は、第2のステッピングモータ102の正転駆動、逆転駆動に応じて、振り子の如く、軸98を中心に揺動させることができる。
第2のアーム94に取り付けられた籠部材96は、前記第2のステッピングモータ102の正転/逆転により、前記ホームポジションを図1及び図2の時計回り方向の極点として、このホームポジションから図1及び図2の反時計回り方向に所定角度の範囲で円弧状に往復移動(以下、揺動という)するように制御される。
すなわち、第2のアーム94の図1及び図2の反時計回り方向の極点は、前記表示部40の幅方向中央部となり、この位置は、前記第1のアーム84の図1及び図2の時計回り方向の極点と一致する。
ここで、第1のアーム84と第2のアーム94の動作(揺動)タイミングとして、図6(A)に示される如く、まず、第1のアーム84が磁石86によってパチンコ球を磁着保持した状態で、図6(B)に示される如く、図1及び図2の時計回り方向の極点へ到達させ、この到達時期に所定時間遅れて、図6(C)に示される如く、第2のアーム94を図1及び図2の反時計周り方向の極点へ到達させることで、磁石86に磁着されているパチンコ球は、籠部材96に収容されて受渡されることになる。
さらに、互いにホームポジションではない方の極点位置とされた第1のアーム84と第2のアーム94の動作(揺動)タイミングとして、まず、図6(D)に示される如く、第1のアーム84がホームポジションへ戻るべく、図1及び図2の反時計回り方向への移動を開始し、その後、図6(E)に示される如く、第2のアーム94をホームポジションへ戻るべく、図1及び図2の時計回り方向への移動を開始させると、第2のアーム94の籠部材96に収容されたパチンコ球は、磁石86からそぎ取れた状態で当該籠部材96への収容状態を維持することになる。
このように、第1のアーム84の図1及び図2の時計回り方向の極点と、第2のアーム94の図1及び図2の反時計回り方向の極点とは、第1のアーム84の磁石86から第2のアーム94の籠部材96へのパチンコ球の「受渡し位置」ということができる。
なお、籠部材96の内周面(ホームポジションにおいて下面)は、パチンコ球を収容した状態で第2のアーム94が抜け出ないように、奥側に向けて低位となる若干の傾斜が設けられている。
ここで、前記表示部40の左下角部の近傍の役物領域の内壁からは、略水平方向にピン104が突出されている。このピン104は、前記第2のアーム94のホームポジションと干渉する位置とされている。
また、籠部材96には、前記第2のアーム94がホームポジションとされているときに前記ピン104と対向する面に、当該ピン104が貫通する貫通孔(図示省略)が設けられている。
これにより、第2のアーム94が受渡し位置でパチンコ球を受け取り、ホームポジションへ戻ったとき、パチンコ球はピン104によって籠部材96から押し出されることになる(図6(F)参照)。
籠部材96から押し出されたパチンコ球は、前記第2のステージ64Bの左端とは、分離されたVゾーン案内路106(図4参照)によって、第1のステージ64Aへと案内されるようになっている。
(遊技仕様)
上記構成において、本実施の形態では、遊技盤32の中央のセンター役物38に開閉可能な羽根部材52を取り付けてあり、始動口42へ入賞することで抽選がなされ、当該抽選の結果を表示部40による図柄変動パターン演出で報知すると共に、抽選の結果が当たりの場合には、所定回数の羽根部材52の開閉を行い、その間に役物領域50への入賞を検出、かつVゾーン70への入賞を検出することで、複数回数羽根部材52を開閉(1ラウンド)を実行し(最大10個の入賞で1ラウンド終了)、さらに、当該ラウンド中にVゾーン70に入賞することで、次ラウンドへの移行を可能とする(平均で8ラウンド程度)ことが基本的な遊技仕様である。
また、本実施の形態における特徴的な遊技仕様は、前記Vゾーン70へパチンコ球が入賞するためには、(1)第1のアーム84の下端部に取り付けられた磁石86にパチンコ球が磁着保持されること、(2)第1のアーム84と第2のアーム94との受け渡し位置において、磁石86から籠部材96へと受け渡されること、にある。
上記(1)及び(2)の特徴的な遊技仕様を実現するために、第1のアーム84及び第2のアーム94は、表示部40の前面を遊技盤32に対して平行に動作するようになっており、演出効果を高めている。
(全体制御系)
図7には、パチンコ機10を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
この主制御部150には、始動口42に入賞したパチンコ球を検出する始動入賞センサ152、役物領域50内にパチンコ球が入賞したことを検出する役物内入賞センサ154、Vゾーン70にパチンコ球が入賞したことを検出するVゾーンセンサ156が接続されている。
さらに、主制御部150には、始動口42に設けられた電動チューリップ46(図2参照)を開閉させるための電動チューリップ開閉ソレノイド158、羽根部材52を開閉させるための羽根部材開閉ソレノイド160が接続されている。
また、主制御部150からは盤用外部端子162を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報が出力されるようになっている。
一方、この主制御部150には、演出制御部164と、払出制御部166とが接続されている。
演出制御部164には、図柄・音声制御部168を介してスピーカ16及びセンター役物38の表示部(LCD)40が接続されている。また、演出制御部164は、パチンコ機10のガラス枠20に取り付けられた複数の表示灯14や、遊技盤上の電飾部材170の点灯・消灯を制御する。
次に、前記主制御部150に接続された払出制御部166には、パチンコ球の払出しを実行する払出装置172が接続されている。
また、払出制御部166には、発射制御部174が接続されており、発射制御部174は、発射装置176を制御して、遊技者によるハンドル30の操作に応じてパチンコ球を打ち出す。
さらに、払出制御部166では、枠用外部端子178を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送出するようになっている。
(役物動作制御系)
図8には、主制御部150における、前記第1のアーム84を駆動するための第1のステッピングモータ92、第2のアーム94を駆動するための第2のステッピングモータ102の駆動制御を主体として、アーム動作制御を機能的に示した動作制御ブロック図が示されている。
始動入賞センサ152は、抽選部200と、アーム駆動制御部202とに接続されており、始動入賞センサ152によってパチンコ球の始動口42への入賞を検出すると、抽選部200では抽選が実行される。
また、第1のステッピングモータ92及び第2のステッピングモータ102の駆動は、アーム駆動制御部202によって制御されるようになっている。アーム駆動制御部202には、第1のステッピングモータ92及び第2のステッピングモータ102の駆動タイミングを計るためのタイマ204が内蔵されており、所定の周期でそれぞれ揺動を繰り返すようになっている。
また、アーム駆動制御部202では、前記始動入賞センサ152からの入賞信号が入力されると、第1のアーム84及び第2のアーム94をそれぞれホームポジションへ移動し、待機させる。
前記抽選部200では、図示しない乱数カウンタから乱数を取得し、抽選結果判定部206へ送出する。
抽選結果判定部206では、取得した乱数を予め定められた当たり値と比較し、抽選結果を判定する。抽選結果判定部206には、羽根部材駆動制御部208が接続されている。
抽選結果判定部206では、前記抽選結果に基づいて、羽根部材駆動制御部208における開閉動作の実行を指示する。すなわち、抽選の結果が当たりの場合には、羽根部材駆動制御部208に対して、羽根部材開閉ソレノイド160を制御して、羽根部材52が所定回数開閉するように指示する。抽選の結果が外れの場合には、羽根部材52の開閉は行わない。
なお、遊技仕様によっては、抽選の結果が当たりでも外れでも羽根部材52の開閉動作を行うが、抽選の結果が当たりの場合の羽根部材52の開閉回数を多くしたり、開放中の時間を長くするようにしてもよい。例えば、抽選の結果が外れの場合には、羽根部材52を0.5秒間1回開放として、当たりの場合には羽根部材52を1秒間、2回開放する。
また、羽根部材駆動制御部208は、アーム駆動制御部202に接続されている。これにより、アーム駆動制御部202へは、羽根部材52の開閉動作開始信号が入力されるようになっており、この開閉動作開始信号をトリガとして、ホームポジションで待機している第1のアーム84の駆動を開始させるようになっている。
前記抽選結果判定部206での抽選結果は、演出制御部164(図7参照)へ送出され、表示部40における図柄変動パターン演出によって当該抽選結果を報知する。
また、Vゾーンセンサ156及び役物内入賞センサ154は、大当たり制御部210に接続されている。大当たり制御部210は、大当たり処理中の羽根部材52の開閉動作を制御する役目を有している。
また、大当たり制御部210は、貯留弁動作指示部212に接続されており、大当たり処理中のラウンド更新時の最適なタイミングで貯留弁動作ソレノイド78を駆動する。
すなわち、貯留弁動作指示部212には、アーム駆動制御部202が接続されており、主として第1のアーム84の動作状態を認識することができる。
この結果、役物領域50内に上限数のパチンコ球が入賞するまで、1個のパチンコ球を貯留弁74によって貯留し、第1のアーム84がホームポジションに到達する時期にパチンコ球が磁石86の真下を通過するように同期をとって、貯留弁78を退避させるようにしている。
以下に本実施の形態の作用を図9乃至図11のフローチャート、並びに図12のタイミングチャートに従い説明する。
図9には役物領域内演出動作制御のメインルーチンが示されており、ステップ300では、第1のアーム84及び第2のアーム94をそれぞれ揺動するように指示する。この揺動指示により、第1のアーム84及び第2のアーム94は、揺動動作を繰り返す。
図10(A)には、図9のステップ300における第1のアーム84及び第2のアーム94の揺動制御の詳細が示されている。
ステップ350では、所定時間経過したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ352へ移行して、第1のアーム84を受渡し位置へ移動させる。
前記第1のアーム84の移動開始から所定時間が経過すると(ステップ354での肯定判定)、第2のアーム94を受渡し位置へ移動させる(ステップ356)。
これにより、第1のアーム84及び第2のアーム94共に受渡し位置となり得る。
次に、ステップ358で所定時間(第1のアーム84と第2のアーム94とが受渡し位置に到達するのに充分な時間)が経過したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ360へ移行して、まず、第1のアーム84をホームポジションへ移動させ、所定時間経過後(ステップ362での肯定判定)、第2のアーム94をホームポジションへ移動させ(ステップ364)、ステップ350へ戻る。これにより、第1のアーム84と第2のアーム94とは、互いに同期がとられた状態で、揺動動作を繰り返す。例えば、1往復の時間としては、第1のアーム84がホームポジションで2秒停止、3秒かけて受渡し位置へ移動、2秒間受渡し位置に停止した後、3秒かけてホームポジションへ戻る、といったように磁石86へのパチンコ球の磁着力を高めるために、比較的ゆったりとした動作が好ましい。なお、この揺動動作は、電源がオフとなるまで、或いは後述する始動入賞があるまで実行される。
図9において、ステップ300でのアーム揺動指示後に移行するステップ302では、始動口42へのパチンコ球の入賞があったか否かが判断され、否定判定の場合は、このルーチンは終了する。
また、ステップ302で肯定判定されると、ステップ304へ移行して、第1のアーム84及び第2のアーム94のホームポジションへの移動指示がなされ、ステップ306へ移行する。
上記ホームポジションへの移動指示があると、図10(B)の割込ルーチンが起動する。
すなわち、図10(B)のステップ366では、第1のアーム84の現位置を認識し、次いでステップ368で第2のアーム94の現位置を認識し、ステップ370へ移行する。
ステップ370では、第1のアーム84を、前記認識した現位置データに基づいて、ホームポジションへ移動させ、次いでステップ372で第2のアームを、前記認識した現位置データに基づいて、ホームポジションへ移動させ、ステップ374へ移行する。
ステップ374では、第1のアーム84及び第2のアーム86をそれぞれホームポジションで待機させ、このルーチンは終了する。ここで、ルーチンは終了させることで、第1のアーム84及び第2のアーム94は、ホームポジションでの待機状態が継続される。
図9のステップ306では、抽選が実行され、次いでステップ308へ移行して抽選結果に基づき羽根部材開閉動作パターンを設定し、ステップ310へ移行して羽根部材52の開閉動作を実行する。例えば、抽選結果が当たりのときは羽根部材52の開放を実行し、外れのときは羽根部材52を開放しない(ステップ310のN=0、n=0)、或いは、羽根部材52の開放は当たりでも外れでも実行するが、当たりの場合の方が、開閉回数を多く、かつ開放時間を長くする。
次のステップ312では、ホームポジションで待機中の第1のアーム84及び第2のアーム94の揺動の再開を指示し、ステップ314へ移行する。この揺動の再開指示により、前述した図10(A)のルーチンが起動する。
次のステップ314では、役物領域50内にパチンコ球が入賞したか否かが判断され、否定判定された場合には、ステップ316へ移行して、羽根部材52の開閉動作が終了(閉止状態)したか否かが判断される。ステップ316で否定判定の場合には、ステップ314へ戻る。
また、ステップ316で肯定判定されると、羽根部材52の開放中に役物領域50に入賞がなかったと判断し、このルーチンは終了する。
一方、前記ステップ314で肯定判定されると、ステップ318へ移行して、Vゾーン70に入賞したか否かが判断される。このステップ318で否定判定されると、ステップ320へ移行して所定時間が経過したか否かが判断され、否定判定されると、ステップ318へ戻る。すなわち、パチンコ球がVゾーンへ到達するまでのタイムラグをとっている。このため、ステップ320で肯定判定されると、Vゾーンへの入賞がなかったと判断し、このルーチンは終了する。
また、ステップ318で肯定判定されると、大当たりが確定し、ステップ322へ移行して大当たり処理を実行する。なお、大当たり処理は後述する。
上記のようなVゾーン70へ入賞状態は、第1のアーム84と第2のアーム94の動作(揺動)タイミングと、パチンコ球の蛇行流路58を主とした転動タイミングに依存する。
すなわち、第1のアーム84と第2のアーム94とは、常に、表示部40の手前側(遊技者側)で遊技盤の略水平方向に揺動を繰り返しており、遊技者は、表示部40での図柄変動パターン演出と共に、常に、第1のアーム84と第2のアーム94の動作状態を意識する。
この第1のアーム84及び第2のアーム94の揺動動作中に、始動口42に入賞し、かつ抽選の結果に基づいて、羽根部材52の開閉動作を実行され、遊技盤上のパチンコ球が運よく役物領域50内に入賞すると、遊技者はこのパチンコ球が蛇行流路58等を転動していき、表示部40の右下角部に到達するときに、ちょうど第1のアーム84がホームポジションに位置することを期待する。
上記タイミングが合うと、パチンコ球は磁石86に磁着され(図6(A)参照)、外れゾーン72がある第2のステージ64Bへの転動が阻止される。
その後、第1のアーム84が受渡し位置へパチンコ球を保持しながら移動し(図6(B)参照)、次いで、第2のアーム94が受渡し位置へ到達すると(図6(C)参照)、パチンコ球は籠部材96に収容される。
次に、第1のアーム84が先にホームポジションへの移動を開始することで(図6(D)参照)、磁石86に磁着しているパチンコ球はそぎとられ、籠部材96への収容状態が維持される。
その後、第2のアーム94がホームポジションへ籠部材96にパチンコ球を収容したまま戻ると(図6(E)参照)、ピン104が籠部材96の貫通孔を貫通し、パチンコ球は押し出される(図6(F)参照)。
押し出されたパチンコ球は、Vゾーン案内路106によって、第1のステージ64Aへと案内される。第1のステージ64Aには、Vゾーン70が存在するため、パチンコ球はVゾーンへ入賞する。
このような動作が、滞りなく進めばVゾーンへの入賞は確実ではあるが、その工程中には、磁石86への磁着の確率、磁石86に磁着した状態での第1のアーム84の移動中の保持確率、受渡し位置での受渡し確率等が100%ではないため、遊技者は緊張感をもって動作を追尾することになる。また、この動作が遊技盤と略平行な方向で行われるため、遊技者からは非常に見易くなっており、遊技の趣向性を増大することができる。
次に、図9のステップ322における大当たり処理の詳細を、図11のフローチャートに従い説明する。
ステップ376では、貯留弁74を蛇行流路へ配置する(第1の位置)。これにより、蛇行流路74を転動中の1個のパチンコ球が貯留され、以後のパチンコ球は回避路82によってショートカットされる。すなわち、この間に、多くのパチンコ球が役物領域50内に入賞し、それに見合う賞球を受け、そのほとんどは外れゾーン72へと導かれる。
次のステップ378では、第1のアーム84のホームポジションへの滞在時期を演算し、ステップ380へ移行する。
ステップ380では、貯留弁74の退避タイミングか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ382へ移行して貯留弁74を蛇行流路58から退避させる(第2の位置)。
これにより、貯留弁74によって貯留されていたパチンコ球が蛇行流路58の転動を再開し、第1のアーム84がホームポジションへ到達している期間中に磁石86の真下をパチンコ球が通過する。この結果、比較的高い確率で、パチンコ球は磁石86に磁着する。
磁石86に磁着したパチンコ球は、前述の如く、比較的高い確率で第2のアーム94の籠部材96に受け渡され、Vゾーン70へと導かれることになる。
すなわち、ステップ384では、Vゾーン70への入賞があったか否かが判断され、否定判定されると、ステップ386へ移行して所定時間が経過したか否かが判断される。このステップ386で否定判定の場合には、ステップ384へ戻る。
また、ステップ386で肯定判定されると、Vゾーン70への入賞がなかったと判断し、大当たり処理は終了する。
一方、前記ステップ384で肯定判定されると、ステップ388へ移行して現在のラウンドが最終ラウンドか否かが判断され、否定判定された場合には、ステップ390へ移行して、ラウンド更新を実行した後、ステップ376へ戻り、上記工程を繰り返す。
また、ステップ388で肯定判定された場合には、次のラウンドへ移行することはなく、大当たり処理は終了する。
以上説明したように本実施の形態によれば、遊技盤の中央に位置するセンター役物の役物領域50内に第1のアーム84と第2のアーム94とを配置し、それぞれを所定のタイミングで、遊技盤と略平行に揺動動作させ、かつ第1のアーム84には磁石86、第2のアーム94には籠部材96をそれぞれ取り付け、表示部40の中央に設定した受渡し位置において、所謂アクロバット的に磁石に磁着したパチンコ球を籠部材96へ受け渡すようにした。
これにより、パチンコ球を用いた演出動作が、遊技者からみて平面的な動作となるため、当該動作が非常に見易くなり、遊技の趣向性が増大させることができる。
なお、本実施の形態では、第1のアーム84に磁石86、第2のアーム94に籠部材96という組合せとしたが、双方に磁石を取り付けるといった構造であってもよい。すなわち、パチンコ球が表示部40を横切るように遊技盤に対して略水平方向に移動する構成であれば、本発明の目的である演出動作の見易さを達成することができる。
なお、本実施の形態では、第1のアーム84に磁石86を設け、第2のアーム94に籠部材96を取り付けたが、第1のアーム84及び第2のアーム94のそれぞれに磁石を設けるようにしてもよい。この場合、第1のアーム84側の磁石の磁力を、第2のアーム94側の磁石の磁力よりも小さくすることで、両者が対面したときに磁力差によってパチンコ球を第1のアーム84から第2のアーム94へ受け渡すことができる。
本実施の形態に係るパチンコ機の正面図である。 本実施の形態に係る遊技盤の正面図である。 図2に示した遊技盤の内部構造を示す正面図である。 センター役物における遊技領域を示す斜視図である。 役物領域近傍の側面図である。 第1のアーム及び第2のアームの動作状態を示す正面図である。 本実施の形態に係るパチンコ機における制御系のブロック図である。 主制御部における役物領域内の各部材の動作制御を行うための機能ブロック図である。 本実施の形態に係る役物領域内演出動作制御メインルーチンを示すフローチャートである。 (A)はアーム揺動制御サブルーチンを示すフローチャート、(B)はホームポジション移動指示割込ルーチンを示すフローチャートである。 大当たり制御サブルーチンを示すフローチャートである。 本実施の形態に係る役物領域内演出動作の流れを示すタイミングチャートである。
符号の説明
10 パチンコ機(遊技機)
32 遊技盤
38 センター役物(役物装置)
40 表示部
42 始動口
50 役物領域
52 羽根部材
54 送出案内路
56 飾り部材
58 蛇行流路
60 排出口
62 受取案内路
64 役物ステージ
64A 第1のステージ
64B 第2のステージ
66 始動入賞案内ステージ
68 透明板
70 Vゾーン
72 外れゾーン
74 貯留弁
76 貫通孔
78 貯留弁動作ソレノイド
80 クランクシャフト
82 回避路
84 第1のアーム(受渡し手段)
86 磁石
88 軸
90 変速部
92 第1のステッピングモータ(第1の駆動手段)
94 第2のアーム(受取り手段)
96 籠部材(収容筐体)
98 軸
100 変速部
102 第2のステッピングモータ(第2の駆動手段)
104 ピン
106 Vゾーン案内路
150 主制御部
152 始動入賞センサ
154 役物内入賞センサ
156 Vゾーンセンサ
160 羽根部材開閉ソレノイド
164 演出制御部
166 払出制御部
168 図柄・音声制御部
200 抽選部
202 アーム駆動制御部(制御手段)
204 タイマ
206 抽選結果判定部
208 羽根部材駆動制御部
210 大当たり制御部

Claims (13)

  1. 外バンド及び内バンドによって囲まれると共に少なくとも釘が設けられ遊技球が移動可能な遊技領域を有する遊技盤と、
    この遊技盤に形成され
    前記遊技球を案内する所定の案内路と、
    前記遊技盤に形成された前記所定の案内路を通って送られた遊技球を保持すると共に当該保持した遊技球を予め定められた受け渡し位置へ向けて搬送する受渡し手段と、
    前記受け渡し位置において、当該受渡し手段から前記遊技球を受け取って保持すると共に予め定められた目的位置へ搬送する受取り手段と、
    前記受取り手段と前記受渡し手段とが、それぞれ前記遊技盤の前記遊技領域に平行な方向に移動しながら、前記遊技球の受け取り、並びに受け渡し動作を行う役物装置とを備えた遊技機であって、
    前記遊技球が前記目的位置へ到達することで、前記役物装置連続作動に基づく多くの入賞を実現する入賞装置へ前記遊技球を案内する案内路を有すると共に、前記入賞装置が、前記受け渡し位置での遊技球に加わる重力作用方向に設けられていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記目的位置には、前記受取り手段による遊技球の保持状態を解除し、かつ、保持状態を解除された遊技球を前記入賞装置へ案内する保持解除案内手段設けられていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記受渡し手段から前記受取り手段への遊技球の受け渡しは、遊技盤に設けられた画像表示装置に対して、遊技者が前記画像表示装置を見るときの視線に重なる範囲内で行われるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
  4. 前記画像表示手段は、特別図柄の変動、並びに当該特別図柄の変動に係る画像による演出表示を行う機能を備えていることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
  5. 前記受渡し手段及び前記受取り手段により受け渡し、受け取りに使用される遊技球が、前記役物装置内に入賞した遊技球であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の遊技機。
  6. 前記受渡し手段は、前記遊技球を吸着するための磁石を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の遊技機。
  7. 前記受取り手段は、前記遊技球を吸着するための磁石を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の遊技機。
  8. 前記受渡し手段は、前記遊技球を吸着するための磁石を備え、前記受取り手段は、前記遊技球を収容可能な収容筐体を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の遊技機。
  9. 前記収容筐体は、前記遊技球を吸着するための磁石を備えていることを特徴とする請求項8記載の遊技機。
  10. 前記受渡し手段を駆動する第1の駆動手段と、前記受取り手段を駆動する第2の駆動手段とを備え、これらの第1の駆動手段及び第2の駆動手段の駆動を制御する共通の制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項記載の遊技機。
  11. 前記第1の駆動手段及び第2の駆動手段は、それぞれ回転電動機であり、この回転電動機の回転軸に一端部を固定されている棒体を備え、この棒体の他端部には前記磁石又は前記収容筐体が取り付けられていることを特徴とする請求項10記載の遊技機。
  12. 前記受取り手段の磁石は、前記受渡し手段の磁石よりも強い磁力を備え、磁力差によって前記遊技球が受け渡されることを特徴とする請求項7記載の遊技機。
  13. 前記受渡し手段は、前記遊技球を吸着するための磁石を備え、前記受取り手段は、前記遊技球を収容可能な収容筐体を備え、前記受渡し手段と前記受取り手段が対面した後、前記受取り手段が前記遊技球の受け渡し位置に滞在している間に、前記受渡し手段が離れ始めることにより、前記遊技球が前記受取り手段に受け渡されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の遊技機。
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