以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。同図はスロットマシン100の外観斜視図である。
図1では、紙面左手前側が前面になり、紙面右奥側が後面になる。前面側は遊技者側であり、この図1では、左、右という場合は、遊技者側から見た場合の左、右をいう(以下の図においても同じ。)。
スロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図1において図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
音孔160はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置190が配設されている。この演出装置190は、水平方向に開閉自在な2枚の右扉163a、左扉163bからなる扉(シャッタ)部材163と、この扉部材163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略)を備えており、2枚の右扉163a、左扉163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
<扉部材>
次に、図2および図3を用いて、扉部材163の構成について説明する。この扉部材163は、本発明にいう可動物の一例に相当する。図2(a)は右扉163aおよび左扉163bがそれぞれ全開位置にある状態の扉部材163の正面図(遊技者側から見た図)であり、同図(b)は右扉163aおよび左扉163bを駆動するステッピングモータの励磁パターンと1パルスの移動距離を示した図である。また、図3(a)は、扉部材163が全閉位置にある状態を示す正面図であり、同図(b)は、扉部材163が全開位置にある状態を示す正面図であり、同図(c)は、扉部材163が全閉位置と全閉位置の間の位置にある状態を示す正面図である。
図2(a)に示されるように、扉部材163は、右扉163aと、左扉163bと、フレーム163cを有して構成されている。フレーム163cは、中央に開口部163c1を有すると共に、上下一対のガイドレール163c2、163c3を左右に2組備えている。左扉163bおよび右扉163aは、このガイドレール163c2、163c3に上端および下端を案内されて、水平方向に移動する。液晶表示装置157は、フレーム163cの開口部163c1の後方(奥側)に配設される。従って、液晶表示装置157の表示は、この開口部163c1を通して視認されることになり、扉部材163は液晶表示装置157よりも遊技者側で動作するものである。液晶表示装置157は、本発明にいう演出手段の一例に相当する。
また、フレーム163cの上部には、一対のプーリ163c4およびこれらに巻き回された無端ベルト163c5が、左右に2組配設されている。そして2組の一対のプーリ163c4の一方はそれぞれ図示しないステッピングモータに接続され、2つの無端ベルト163c5は右扉163aおよび左扉163bの上部にそれぞれ接続されている。すなわち、右扉163aおよび左扉163bは、ステッピングモータに駆動されて走行する無端ベルト163c5と共に、水平方向に移動するようになっている。
右扉163aおよび左扉163bは、このようにステッピングモータに駆動されて、開口部163c1を解放する全開位置(図3(b)も参照)と、開口部の中央で右扉163aの左端163a1および左扉163bの右端163b1が略当接して開口部163c1を遮蔽する全閉位置(図3(a)参照)の間をそれぞれ移動する。したがって、扉部材263の可動領域は、液晶表示装置157の表示領域に重なっている。右扉163aおよび左扉163bそれぞれの初期位置は、図3(b)に示す全開位置である。この初期位置は、電源投入時等の扉部材163の移動開始時の起点になる位置であって、電源投入後は扉部材163の待機位置になる。右扉163aおよび左扉163bの両扉は、図3(b)に示す全開位置に停止している状態で、図1に示すスタートレバー135が操作されると、全開位置から全閉位置に向けて移動を開始し、図3(a)に示す全閉位置に停止している状態で、スタートレバー135が操作されると、全閉位置から全開位置に向けて移動を開始する。また、全閉位置に向けて移動している両扉(163a,163b)が、全閉位置に到達する前にストップボタン137〜139のいずれかのボタンが押下されると、移動方向を切り替え、全開位置に向けて移動し始める。さらに、全開位置に向けて移動している両扉(163a,163b)が、全開位置に到達する前にストップボタン137〜139のいずれかのボタンが押下されると、移動方向を切り替え、全閉位置に向けて移動し始める。右扉163aおよび左扉163bは移動方向を切り替えるたびに、全開位置と全閉位置の間の位置で一旦停止することになる(図3(c)参照)。図1に示すストップボタン137〜139は、本発明にいう契機発生手段の一例に相当する。
さらに、フレーム163cの上部には、右扉163aを駆動する一対のプーリ163c4の間にシャッタセンサ(右扉1)550およびシャッタセンサ(右扉2)551が配設され、左扉163bを駆動する一対のプーリ163c4の間にシャッタセンサ(左扉1)552およびシャッタセンサ(左扉2)553が配設されている。これらのシャッタセンサ550〜553は、右扉163aおよび左扉163bが全開位置または全閉位置にあることを検出するためのものである。具体的には、シャッタセンサ(右扉1)550は右扉163aが全開位置にあることを検出し、シャッタセンサ(右扉2)551は右扉163aが全閉位置にあることを検出する。そして、シャッタセンサ(左扉1)552は左扉163bが全開位置にあることを検出し、シャッタセンサ(左扉2)553は左扉163bが全閉位置にあることを検出する。
図2(b)に示されるように、本実施形態では、右扉163aおよび左扉163bを駆動するステッピングモータは1−2相励磁で使用される。また、1対のプーリ163c4および無端ベルト163c5は、ステッピングモータへの1パルスの入力で右扉163aおよび左扉163bが0.25mm移動するように構成されている。扉部材163は、右扉163aおよび左扉163bの全開位置から全閉位置までの距離が98mmに設定されているため、右扉163aおよび左扉163bを全開位置から全閉位置まで移動させるには392パルスの入力が必要となっている。
本実施形態では、右扉163aおよび左扉163bの位置を示す座標としてこのパルス数を用いている。すなわち、液晶表示装置157の左端を座標0、液晶表示装置157の中央を座標392、液晶表示装置157の右端を座標784としている。よって、左扉163bは、全開位置では座標0に位置し、全閉位置では座標392に位置することとなり、左扉163bは、座標0と座標392の間を移動する。一方、右扉163aの位置は左端163a1を基準としている。従って、右扉163aは、全開位置では座標784に位置し、全閉位置では座標392に位置することとなり、右扉163aは、座標392と座標784の間を移動する。
なお、扉163aおよび左扉163bを駆動するステッピングモータは、その他の励磁パターン(2相励磁等)を使用するものであってもよいし、複数種類の励磁パターンを条件に応じて使い分けるものであってもよい。
<制御部>
次に、図4〜図7を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳
細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部300>
まず、図4を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制
御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が16MHzの場合に、分周後のクロックは8MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するための制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
CPU310には、さらに、入力インタフェース360、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
CPU310は、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、インデックスセンサ325の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン130に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを2枚投入し、メダル投入ボタン(MAXベットボタン)132に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン(MAXベットボタン)132が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算スイッチセンサ324は、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、貯留されているメダルを精算する。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位
置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにLレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントする1つの乱数カウンタを備えている。
また、CPU310のデータバスには、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<第1副制御部400>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300より送信されたコマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、第1副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から各種のコマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、CPU410は、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等を実行する。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、入出力インタフェース470、時計IC422、が接続されている。CPU410は、時計IC422が接続されていることで、現在時刻を取得することが可能である。
さらに、入出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、入出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ430(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ、受皿ランプ、等)を制御する。なお、タイトルパネルランプは、タイトルパネル162を照明するランプである。
また、CPU410は、第2副制御部500へのコマンドの送受信は、入出力インタフェース470を介して実施する。
<第2副制御部500>
次に、図6を用いて、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
このCPU510は、第1副制御部400のCPU410からの制御コマンドを入出力インタフェース571を介して受信し、第2副制御部500全体を制御する。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU510には、バスを介して、ROM512、RAM513、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)600が接続されている。ROM512には、第2副制御部500全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP600には、水晶発振器512が接続され、さらに、バスを介して、画像データと、画像データ用のカラーパレットデータが記憶されているCG−ROM612、VRAM613が接続されている。VDP600は、CPU510からの信号をもとにROM612に記憶された画像データを読み出し、RAM613のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ614を介して液晶表示装置157の表示画面に画像を表示する。なお、液晶表示装置157には、CPU510によって液晶表示装置157の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。
また、CPU510には、外部の信号を受信するための入力インタフェース560が接続されており、入力インタフェース450には、シャッタセンサ(右扉1)550、シャッタセンサ(右扉2)551、シャッタセンサ(左扉1)552、シャッタセンサ(左扉2)553が接続されている。シャッタセンサ(左扉1)552およびシャッタセンサ(左扉2)553は、左扉163bの開閉状態を検出するためのセンサであり、シャッタセンサ(右扉1)550、シャッタセンサ(右扉2)551は、右扉163aの開閉状態を検出するためのセンサである。
CPU510には、データバスを介して第1副制御部400から制御コマンドを受信するための入出力インタフェース561が接続されており、CPU510は、入出力インタフェース561を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等を実行する。
また、CPU510には、主制御部300および第1副制御部400と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路550が接続されており、アドレスデコード回路550には、第1副制御部400からのコマンドを送受信するための入出力インタフェース561、出力インタフェース570が接続されている。
さらに、出力インタフェース570には、左扉モータ駆動部522、右扉モータ駆動部
523が接続されている。左扉モータ駆動部522は、左扉163bを水平方向に駆動し、右扉モータ駆動部523は、右扉163aを水平方向に駆動する。本実施形態では、左扉モータ駆動部522および右扉モータ駆動部523は、ステッピングモータおよびモータドライバから構成され、CPU510からのコマンドに基づいて左扉163bおよび右扉163aを駆動する。
<VDP>
図7は第2副制御部500を構成する表示制御基板のブロック図であり、VDP600の内部構成を詳細に示した図である。VDP600は、CPUI/F622と、CGバスI/F624と、CPUI/F622を介して受信した命令を一時的に記憶するためのアトリビュートレジスタ626と、を備えている。なお、CPUI/F622は、バスB2に接続されたCPU510、ROM512、RAM513とデータの送受信を行うためのI/Fであり、CGバスI/F624は、バスB3に接続されたCG−ROM612とデータ
の送受信を行うためのI/Fである。
また、これらのCPUI/F622、CGバスI/F624、アトリビュートレジスタ626は、バスB4を介して描画制御部628、データ転送制御部630、表示制御部632に接続されている。描画制御部628は、アトリビュートレジスタ626に記憶された命令に従って、CG−ROM612から画像データを読み出して、所定の画像を生成した後、生成した画像をVRAMI/F634を介してVRAM613の所定領域に記憶する。データ転送制御部630は、アトリビュートレジスタ626とVRAM613の間の画像データの転送を制御する。表示制御部632は、描画制御部628が生成した画像を受信してD/Aコンバータ614に送信すると共に、液晶表示装置157にD/Aコンバータ614からの画像信号を所定のタイミングでサンプリングさせるための同期信号を出力する。D/Aコンバータ614は、表示制御部632から入力されたデジタル信号である画像データをアナログ信号のR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号に変換して液晶表示装置157に出力する。
VRAM613には、2つの表示領域Aおよび表示領域B(フレームバッファ)と、その他の記憶領域が設けられている。表示領域Aと表示領域Bは、共に液晶表示装置157に表示させる画像(1フレームの画像)の画像データを一時的に記憶するための記憶領域であるが、いずれか一方を描画領域に指定することができ、描画領域に指定されていない表示領域の画像データを液晶表示装置157に画像として表示させているときに、描画領域に指定された表示領域に画像データを展開(記憶)することが可能な構成(ダブルバッファリング方式)となっている。このような構成により、表示領域Aと表示領域Bとの間で描画領域の指定を切り替える(スワップする)ことによって、液晶表示装置157に表示させる画像を容易に切り替えることができる。すなわち、液晶表示装置157に表示される画像は、1フレームごとに所定の周期(詳細は後述するが、本実施形態では1秒間に30回(約33ms))で更新表示される。また、その他の記憶領域には、画像の色情報を記憶するカラーパレット記憶領域や、使用頻度の高い画像データの情報などが記憶される。なお、本実施形態ではVDP600とVRAM613を別体としたが、VRAM613をVDP600に内蔵してもよい。
ROM512には、CPU510によって順次読み出されて実行される制御プログラムデータを記憶するプログラム領域や、後述するモータ動作テーブル等を記憶する制御データ格納領域の他に、キャラクタ用の情報を記憶するキャラクタ用情報格納領域が設けられている。このキャラクタ用情報格納領域には、液晶表示装置157にキャラクタを表示するために必要な情報(アトリビュートデータ)、例えば、描画順序、色数、拡大・縮小率、パレット番号、座標などが記憶される。
CG−ROM612には、キャラクタ画像カラーパレットデータと、キャラクタ画像データが記憶されている。キャラクタ画像カラーパレットデータの構成は、通常の画像カラーパレットデータと概ね同一であるが、画像カラーパレットデータが1種類の256色のパレットデータで構成されているのに対して、キャラクタ画像カラーパレットデータは、複数種類のキャラクタ画像に合わせて複数種類のパレットデータで構成されている上に、256色のパレットデータの他に、16色と64色のパレットデータを備えている。また、キャラクタ画像データの構成は、通常の画像データと概ね同一であるが、256色のパレットデータを用いたキャラクタ画像データは、各々のドットに対応して8ビットのパレット番号が記憶されており、64色のパレットデータを用いたキャラクタ画像データは、各々のドットに対応して6ビットのパレット番号が記憶されており、16色のパレットデータを用いたキャラクタ画像データは、各々のドットに対応して4ビットのパレット番号が記憶されている。なお、画像データの記憶方法はこれに限定されるものではなく、例えば、ランレングス法など、従来公知の画像圧縮方法を適用することができる。
<図柄配列>
次に、図8を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では、8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図9を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示した図である。
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに自動的に開始させる設定としてもよい。
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボー
ナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。
但し、BB遊技中のRB遊技の開始条件は、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」:「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
<主制御部の処理>
図10はスロットマシン100における遊技の基本的制御(主制御部メイン処理)の流れを示すフローチャートである。遊技の基本的制御は主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。また、各処理の実行によって得られた情報は第1副制御部400に送信する。
以下、この処理について説明する。電源投入が行われると、まず、ステップS101で初期化処理が実行される。ここでは各種の初期設定が行われる。ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS104へ進む。
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS104では乱数発生器で発生させた乱数を取得する。ステップS105では、現在の遊技状態に応じてROMに格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。また、内部抽選結果に応じた演出を実行するために、内部抽選結果を示す抽選結果コマンドを第1副制御部400に送信する。ステップS106では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS107では全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかをステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS109へ進む。ステップS109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)については、今回の遊技で入賞しなかった場合は、次回の遊技に内部当選フラグがONの状態が維持される。所謂フラグの持ち越しが行われる。ステップS110では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS111では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
また、主制御部300はのCPU310は、タイマ回路315から割り込み要求を受けると、主制御部タイマ割り込み処理を開始する。この主制御部タイマ割り込み処理では、CPU310は、図1に示すスタートレバー135やストップボタン137〜139が操作されたか否かを検出する。CPU310は、図1に示すスタートレバー135の操作を検出すると、その操作を受け付けた旨のスタートレバー受付コマンドを第1副制御部400に送信する。また、CPU310は、ストップボタン137〜139の操作を検出すると、その操作を受け付けた旨のストップボタン受付コマンドを第1副制御部400に送信する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図11(a)〜(d)を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。図11(a)は第1副制御部400のCPU410が実行するメイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS201では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS201で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS202では、コマンド入力処理(詳細は後述する)を行う。ステップS203では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、演出を制御するための動作制御データ(例えば、内部抽選結果に基づく画像を表示するためのデータ等)の更新を行う。ステップS204では、ステップS203で更新した演出データの中に第1副制御部400の各演出デバイス(演出ランプ430およびスピーカ483)のドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS205へ進み、該当しない場合はステップS206へ進む。ステップS205では第1副制御部400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイス(演出ランプ430およびスピーカ483)がそのデータに応じた演出を実行する。ステップS206ではステップS203で更新した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS207へ進み、該当しない場合はステップS202へ戻る。ステップS207では第2副制御部500に制御コマンドを送信してステップS202へ戻る。
次に、図11(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド入力処理について説明する。同図は、コマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
上述のごとく、図10に示すステップS105では、主制御部300は第1副制御部400に、内部抽選結果を示す抽選結果コマンドを送信する。また、主制御部タイマ割り込み処理で、図1に示すスタートレバー135やストップボタン137〜139の操作が検出されると、主制御部300は第1副制御部400に、スタートレバー受付コマンドやストップボタン受付コマンドを送信する。第1副制御部400のRAM413には、主制御部300から送られてきた抽選結果コマンドやこれらの受付コマンドを格納するコマンド記憶領域が用意されている。第1副制御部400は、主制御部300から送られてきたコマンドを、後述するストローブ割り込み処理を実行することで、そのコマンド記憶領域に未処理コマンドとして格納する。
ステップS301ではコマンド記憶領域に少なくとも1つのコマンドが格納されているか否かを判定する。該当する場合はステップS302へ進み、該当しない場合は処理を終了する。ステップS302では、コマンド記憶領域からコマンドを一つ取得し、そのコマンドに応じた処理を実行する。取得したコマンドはコマンド記憶領域から消去する。
次に、図11(c)を用いて、第1副制御部400のストローブ処理について説明する。このストローブ処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図11(d)を用いて、第1副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。同図は、タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
第1副制御部400は所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、タイマ割込み処理を実行する。
第1副制御部400のRAM413には10msをカウントする汎用タイマが設けられており、ステップS501ではこの汎用タイマの更新を行う。
<第2副制御部500のメイン処理>
次に、図12を用いて、第2副制御部500のメイン処理について説明する。なお、同図は第2副制御部500のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、CG−ROM612に記憶した画像カラーパレットデータや画像データをVRAM613に転送する処理等を行う。具体的には、CG−ROM612に記憶された画像カラーパレットデータや画像データをVRAM613に転送すべく、VDP600に対してVRAM転送要求を行う。なお、ここでは、画像カラーパレットデータと、画像データの中で頻繁に使用される画像データ(例えば、通常遊技中の背景画像等)の転送要求を行う(画像パレットデータや画像データの転送方法については後述する)。さらに、変数の初期化等、その他の初期化処理を行う。
ステップS602では、VSYNC待ち処理を行う。VSYNC待ち処理の詳細については後述する。
上述のごとく、図11に示すステップS207では、第1副制御部400は第2副制御部500に制御コマンドを送信する。また、第2副制御部500のRAM513には、第1副制御部400から送られてきた制御コマンドを格納するコマンド記憶領域が用意されている。第2副制御部500は、第1副制御部400から送られてきた制御コマンドを、後述するストローブ割り込み処理を実行することで、そのコマンド記憶領域に未処理コマンドとして格納する。ステップS603では、コマンド記憶領域に第1副制御部400から受信した制御コマンドが格納されているか否かを判定する。少なくとも1つの制御コマンドが格納されている場合は、コマンド記憶領域から制御コマンドを1つ取得し、制御コマンドに応じた処理を実行する。例えば、制御コマンドに基づいて、次のステップS604で実行する演出抽選処理の設定を行う。取得した制御コマンドはコマンド記憶領域から消去する。
ステップS604では、演出制御処理を行う。ここでは、上記ステップS603において取得したコマンドが、主制御部300から第1副制御部400に送られた抽選結果コマンドに基づくものであれば、演出において液晶表示装置157に表示する画像を特定する画像表示制御コマンドを抽選により決定する。また、上記ステップS603において取得したコマンドが、主制御部300から第1副制御部400に送られたスタートレバー受付コマンドに基づくものであったり、あるいはストップボタン受付コマンドである場合には、詳しくは後述する扉同期画像演出の設定がこのステップS604で行われる。第2副制御部500のCPU510はRAM513に、扉同期画像演出の設定を行うとともに、扉同期画像演出に応じた画像表示制御コマンドおよび扉コマンドの設定を行う。すなわち、上記ステップS603において取得したコマンドが、主制御部300から第1副制御部400に送られたスタートレバー受付コマンドに基づくものであれば、扉部材163の移動を開始させる扉コマンドと、リール110〜112の回転開始に合わせた演出画像を液晶表示装置157に表示する画像表示制御コマンドを決定する。また、上記ステップS603において取得したコマンドが、主制御部300から第1副制御部400に送られたストップボタン受付コマンドに基づくものであれば、扉部材163の移動方向を切り替えて扉部材163を移動させる扉コマンドと、リール110〜112の個別停止に合わせた演出画像を液晶表示装置157に表示する画像表示制御コマンドを決定する。ここで、決定されたこれらの画像表示制御コマンドおよび扉コマンドはRAM513の所定の領域に設定される。
ステップS605では、画像表示処理を行う。画像表示処理の詳細については後述するが、画像表示制御コマンドがステップS604で設定されていない場合には、前回設定された画像表示制御コマンドに基づく画像を引き続き表示したり、あるいは所定のデモ画像を表示する処理をこのステップS607において行う。ステップS606では扉部材制御処理を行う。ステップS606を実行した後はステップS602に戻り、上記ステップS602〜S606の処理を繰り返し実行する。
<ストローブ処理>
次に、図13(a)を用いて、第2副制御部500のストローブ処理について説明する。同図は、第2副制御部500のストローブ処理の流れを示すフローチャートである。このストローブ処理は、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行される。ストローブ処理のステップS701では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM513に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
<VSYNC割込み処理>
次に、図13(b)を用いて、第2副制御部500のVSYNC割込み処理について説明する。同図は、第2副制御部500のVSYNC割込み処理の流れを示すフローチャートである。第2副制御部500は、VDP600が定期的に(本実施形態では、1秒間に60回(約16.66msに1回))出力するVSYNC信号(垂直同期信号)を受信した場合に、VSYNC割込み処理を実行する。ステップS801では、RAM513の所定の領域に記憶されたVSYNC信号カウンタの値に1を加える。
<VSYNC待ち処理>
次に、図13(c)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS602のVSYNC待ち処理について説明する。なお、同図は、VSYNC待ち処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS901では、上述のVSYNC割込み処理で加算されるVSYNC信号カウンタが2になったか否かを判定する。そして、VSYNC信号カウンタが2になった場合(前回の画像表示切替から約33ms(=16.66ms×2)が経過した場合)にはステップS902に進み、VSYNC信号カウンタが2になっていない場合にはステップS901の判断を繰り返し実行してVSYNC信号カウンタが2になるのを待つ。なお、本実施形態では、VSYNC信号が2回入力するのを待って後続の処理を行うように構成しているが、本発明はこれに限定されず、VSYNC信号が1回入力するのを待って(前回の画像表示切替から約16.66msが経過するのを待って)後続の処理を行ってもよく、また、VSYNC信号が2回以上入力するのを待って(前回の画像表示切替から約33ms以上(例えば約49.98ms(=16.66ms×3))が経過するのを待って)後続の処理を行ってもよい。ステップS902では、VSYNC信号カウンタをクリア(初期化)する。
<画像表示処理>
次に、図14を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS607の画像表示処理について説明する。なお、同図は、画像表示処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1001では、扉同期画像演出の設定がされているか否かを判定する。この扉同期画像演出とは、右扉163aおよび左扉163bと液晶表示装置157の画像を同期(連携、連動)させて実行する演出である。本実施形態では、扉部材163の動作に合わせて液晶表示装置157に画像を表示するのではなく、液晶表示装置157表示される画像に合わせて扉部材163を動作させる。こうすることにより、画像表示のための制御負荷を低減させることができる。ここでは、第2副制御部500のメイン処理のステップS604の演出制御処理において扉同期画像演出が設定されたか否かを判定し、扉同期画像演出が設定された場合にはステップS1002に進み、そうでない場合にはステップS1006に進む。
ステップS1002では、扉速度を取得する。ここでは、右扉163aおよび左扉163bの現在の速度を取得する。本実施形態では、第2副制御部500が実行する様々な処理を関数としてROM512の所定の領域にライブラリとして予め記憶しており、このステップS1002における扉速度の取得は、ライブラリ中の関数の1つを使用して行う。
図15は、ライブラリ中の関数の一例として、関数gmShutterNextPos、および関数gmShutterSokudoPtnを示した表である。関数gmShutterNextPosは、パーツリストデータおよびパーツデータを参照して左扉163bまたは右扉163aの指定されたフレーム数先の座標を取得する関数であり、引数として扉左右識別ID(左扉163b:0、右扉163a:1)、および座標を取得したいフレーム数(何フレーム先の座標を取得したいかを指定する)を渡すと、戻り値として指定したフレーム数先の左扉163bまたは右扉163a座標(図2に示したパルス数による座標)を返す。そして、関数gmShutterSokudoPtnは、左扉モータ駆動部522または右扉モータ駆動部532から情報を取得し、現在の左扉163bまたは右扉163aの速度を取得する関数であり、引数として扉左右識別ID(左扉163b:0、右扉163a:1)を渡すと、戻り値として現在の左扉163bまたは右扉163aの速度(PPS:パルス/秒)および速度IDを返す。速度IDは、速度1666PPS〜59PPSの範囲において演出で使用される17種類の速度に対応させた0〜16が設定されている。例えば、1666PPSの速度IDは0、1111PPSの速度IDは1、416PPSの速度IDは5となっている。
図14に戻って、ステップS1002では、関数gmShutterSokudoPtnを使用して、右扉163aおよび左扉163bの現在の速度および速度IDを取得し、RAM513の所定の領域に記憶する。
ステップS1003では、扉速度に対応させたフレーム数を算出する。ここでは、フレーム数算出テーブルを参照して、右扉163aおよび左扉163bの現在の速度に対応するフレーム数を算出し、RAM513の所定の領域に記憶する。
図16は、フレーム数算出テーブルの一例を示した図である。同図に示されるように、フレーム数算出テーブルでは、速度に応じて設定されたフレーム数が、速度ID0〜17にそれぞれ対応付けられている。例えば、速度ID0、1にはフレーム数4が対応付けられ、速度ID2、3、4にはフレーム数3が対応付けられ、速度ID16、17にはフレーム数0が対応付けられている。このフレーム数算出テーブルは、今回の処理で生成された画像が液晶表示装置157に表示されるまでに要する準備時間(詳細は後述する)に基づいて設定されている。
図14に戻って、ステップS1004では、算出されたフレーム数に対応する扉位置を取得する。ここでは、関数gmShutterNextPosを使用して、ステップS1003で算出したフレーム数先の右扉163aおよび左扉163bの座標を取得し、RAM513の所定の領域に記憶する。ステップS1005では、取得した扉位置に基づき、特定画像の配置位置を決定する。ここでは、ステップS1004で取得した右扉163aおよび左扉163bの座標に基づいて、扉の動作に連動させる特定画像の液晶表示装置157における配置位置を決定する。具体的には、まず、右扉163aおよび左扉163bのパルス数の座標を液晶表示装置157の表示画面の座標(画素に基づく座標)に変換し、この右扉163aまたは左扉163bの座標から画像表示制御コマンドにおいて予め設定された距離だけ離れた位置を特定画像の配置位置に決定する。この配置位置の決定は、次のステップS1006の画像制御処理において今回生成する予定であったフレーム数の画像(例えば、5フレーム目の画像)を、特定画像の配置位置が右扉163aまたは左扉163bの座標から画像表示制御コマンドにおいて予め設定された距離だけ離れた位置となるフレーム数の画像(例えば、2フレーム先の7フレーム目の画像)に変更する方法、または今回生成するフレーム数の画像内における特定画像の配置位置を変更する方法のいずれかによって行われる。前者の方法(異なるフレーム数の画像への変更)では、ステップS1003で算出したフレーム数だけ先の画像に変更する場合もあるが、右扉163aおよび左扉163bの移動方向や速度によっては、ステップS1003で算出したフレーム数とは異なるフレーム数だけ先の画像に変更する場合や、あるフレーム数だけ前(過去)の画像に変更する場合もある。
なお、特定画像の配置位置の決定をいずれの方法で行うかは、演出の態様、右扉163aまたは左扉163bの速度、および表示する特定画像の数等に応じて設定される。また、特定画像以外の画像の配置位置は、予め画像表示制御コマンドにおいて設定されている。また、扉同期画像演出以外の演出については、全ての画像の配置位置が画像表示制御コマンドにおいて設定されている。
ステップS1006では、画像制御処理を行う。
<画像制御処理>
次に、図17を用いて、第2副制御部500のメイン処理の画像表示処理における画像制御処理(ステップS1006)について説明する。なお、同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートと、画像制御処理に伴ってCPU510とVDP600の間で送受信される情報を示した図である。
ステップS1101では、キャラクタ画像データ等の画像データの転送指示を行う。すなわち、ステップS604で設定された画像表示制御コマンドに基づく画像データの転送指示や、前回設定された画像表示制御コマンドに基づく画像を引き続き表示するための画像データの転送指示や、所定のデモ画像を表示するための画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU510は、まず、VRAM613の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が液晶表示装置157に表示される。次に、CPU510は、VDP600のアトリビュートレジスタ626に、CG−ROM612の転送元アドレス、VRAM613の転送先アドレスなどを設定した後、CG−ROM612からVRAM613への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP600は、アトリビュートレジスタ626に設定された命令に基づいて画像データをCG−ROM612からVRAM613に転送した後、転送終了割込信号をCPU510に対して出力する。
ステップS1102では、VDP600からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS1103に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS1103では、アトリビュート指示を行う。このアトリビュート指示では、CPU510は、ステップ1101でVRAM613に転送した画像データに基づいてVRAM613の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM613の座標軸、画像サイズ、格納先アドレスなど)をVDP600に指示する。VDP600はアトリビュートレジスタ626に格納された命令に基づいてアトリビュートに従った設定を行う。
ステップS1104では、画像生成指示を行う。この画像生成指示では、CPU510は、VDP600に画像の生成開始を指示する。VDP600は、CPU510の指示に従って画像生成を開始する。
ステップS1105では、VDP600からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS1106に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS1106では、RAM513の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)する。
なお、前述したように、VRAM613はダブルバッファリング方式を採用しているため、今回の処理で生成された画像は、次回の処理で次のフレームの画像を生成する前にVRAM613の表示領域AおよびBとの間で描画領域の指定をスワップさせたとき以降に液晶表示装置157に表示されることとなる。従って、今回の処理で生成された画像が液晶表示装置157に表示されるまでには、少なくとも約33ms(VSYNC待ち処理においてVSYNC信号カウンタが2になるまでの時間)の時間を要する。さらに、本実施例の液晶表示装置157の走査時間および応答時間を考慮すると、実際には画像がVRAM613の表示領域AまたはB生成されてから液晶表示装置157に表示されるまでには、約50msの時間を要することとなる。すなわち、本実施形態では、今回の処理で生成された画像は、常に約50ms遅れて液晶表示装置157に表示されることとなる。つまり、今回の処理で設定された演出が開始されるまでに要する準備時間として約50msを要する。
次に、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS608の扉部材制御処理について説明する前に、その扉部材制御処理において用いられるパーツリストデータについて説明する。
図18(a)は、パーツリストデータのデータ構造を示す図である。
パーツリストデータは、例えば「データ数」、「ループ数」および「データa〜x」の項目から構成されており、ROM512の所定の領域に予め記憶されている。本実施形態のパーツリストデータでは、「データ数」の領域に、0〜65535の範囲でデータa〜xの総数が格納されている(0の場合は無効)。また、「ループ数」の領域には、0〜65535の範囲で動作を繰り返す回数が格納されている(0の場合は無限ループ)。「データa〜x」の領域には、パーツデータを参照するためのアドレス(各パーツデータが格納されているROM512上の先頭アドレス)がそれぞれ格納されている。すなわち、パーツリストデータは最小単位の制御情報である複数のパーツデータを時系列的に組み合わせることで、様々な連続動作の制御を実行可能に構成されている。
図18(b)は、パーツデータのデータ構造を示す図である。
パーツデータは、例えば扉部材163のものであれば、「移動位置(停止ポジション)」、「移動時間(ms)」の項目から構成されており、ROM512の所定記憶領域に予め記憶されている。本実施形態では、「移動位置」の領域には、移動位置(移動先の位置)の座標に関する情報として現在位置から移動先までのモータのステップ数が格納されている。「移動時間」の領域には、0〜65535msの範囲で移動に要する時間が格納されている(0の場合は最速動作となる)。1つのパーツリストデータは、1つのパーツデータのみから構成されていたり、あるいは複数種類のパーツデータから構成されていたりするが、扉部材163のパーツリストデータは、1つのパーツデータのみから構成されている。したがって、扉部材163のパーツリストデータの「データ数」は1になる。扉部材163のパーツデータとしては、複数種類用意されているが、例えば、あるパーツデータには、左扉163bの移動位置として392パルス、左扉163bの移動時間として250ms、右扉163aの移動位置として392パルス、右扉163aの移動時間として250msが格納されている。扉部材163のパーツデータとして用意された複数種類のパーツデータは、いずれのパーツデータであっても、最終的には扉部材163を停止させるデータである。
<扉部材制御処理>
図19(a)は、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS608の扉部材制御処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS6080において、扉コマンドがRAM513に設定されているか否かを判定する。上述の如く、扉コマンドは、第2副制御部メイン処理におけるステップS604において設定される。扉コマンドには、図1に示すスタートレバー135が操作されたことに基づく、停止している扉部材163の移動を開始させるコマンドと、ストップボタン137〜139のいずれかのボタンが押下されたことに基づく、所定方向に移動している扉部材163を逆方向に移動させるコマンドとの2種類がある。扉コマンドが未設定であれば、扉部材制御処理は終了になり、扉コマンドが設定されていれば、ステップS6081に進む。
ステップS6081では演出データの設定をRAM513の所定領域に行う。ここではまず、扉コマンドに対応したパーツリストデータを取得する。次いで、取得したパーツリストデータに基づいて、ROM512の所定の領域に予め記憶されたパーツデータを取得し、より詳細な制御情報をRAM513に展開する。「移動位置(停止ポジション)」と「移動時間(ms)」から構成されたパーツデータが、本発明における制御手段が取得する動作データの一例に相当する。
第2副制御部500のRAM513には、動作遅延タイマが設けられている。ステップS6082では、その動作遅延タイマを起動し、ステップS6083に進む。扉コマンドに対応した一つのパーツデータは、どのパーツデータであっても、最終的には扉部材163が停止するデータである。
ステップS6083では、左扉モータ駆動部522および右扉モータ駆動部523それぞれのモータドライバがそれぞれのステッピングモータに制御信号を出力中であるか否かを判定する。すなわち、右扉163aおよび左扉163bそれぞれが動作中であるか否かを判定する。出力中でなければステップS6086に進み、出力中であれば、モータドライバにステッピングモータへの出力を停止することを指示する(ステップS6084)。右扉163aおよび左扉163bそれぞれが動作中であるということは、前回の扉部材制御処理における後述するステップS6087においてモータドライバに設定された演出データに基づいて右扉163aおよび左扉163bそれぞれが動作している途中であることになる。すなわち、RAM513に設定されていた扉コマンドが、ストップボタン137〜139のいずれかのボタンが押下されたことに基づく、所定方向に移動している扉部材163を逆方向に移動させるコマンドであれば、右扉163aおよび左扉163bそれぞれが動作中であることになる。
ステップS6084に続くステップS6085では、モータドライバが停止中であるか否かを判定する。すなわち、モータドライバがステッピングモータに制御信号を出力していないアイドル状態であるか否かを判定する。このステップS6085は、モータドライバが停止するまで繰り返し実行される。モータドライバは、上記ステップ6084で出力の停止を指示されても、出力を即座に停止するわけではなく、右扉163aおよび左扉163bそれぞれの移動速度を段階的に低下させる出力を何回か行った上で出力を停止する。したがって、出力中のモータドライバがその出力を停止するまでには、わずかな時間ではあるがある程度の時間を要する。
モータドライバの出力が停止すると、時間補正処理を行い(ステップS6086)、ステップS6087に進む。この時間補正処理については、詳しくは後述するが、ステップS6081においてRAM513に各種値を設定する。
ステップS6087では、RAM513に設定した各種値を、左扉モータ駆動部522および右扉モータ駆動部523それぞれのモータドライバにセットし、扉部材制御処理は終了する。
この扉部材制御処理を実行する第2副制御部500が、本発明にいう制御手段の一例に相当する。
<第2副制御部500のタイマ割込み処理>
次に、図19(b)を用いて、第2副制御部500のタイマ割込み処理について説明する。なお、図19(b)は、第2副制御部500のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
第2副制御部500は所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、タイマ割込み処理を実行する。第2副制御部500のRAM513には、第1副制御部400のRAM413と同様に10msをカウントする汎用タイマが設けられており、ステップS1501ではこの汎用タイマの更新を行う。
ステップS1502では各種更新処理を行う。第2副制御部500のRAM513には、左扉モータ駆動部522のステッピングモータの回転履歴、および右扉モータ駆動部のステッピングモータの回転履歴それぞれが記憶されている。ステップS1502における各種更新処理では、これらのステッピングモータの回転履歴等を更新する。
図20は、図19に示すステップS6086の時間補正処理の流れを示すフローチャートである。
この時間補正処理では、まず、図19に示すステップS6082において起動した動作遅延タイマのタイマ値を取得し(ステップS6086a)、ステップS6086bに進む。動作遅延タイマのタイマ値を取得すると、その動作遅延タイマのタイマ値はクリアされる。ここで取得した動作遅延タイマのタイマ値は、後述する停止時間Xms(図21,図22参照)が表す値であり、このステップS6086bを実行する第2副制御部500が、本発明にいう停止時間取得手段の一例に相当する。動作遅延タイマを設けておくことで、停止時間Xmsのデータテーブルが不要になり、データ容量を少なくすることができる。
ステップS6086bでは、右扉163aおよび左扉163bそれぞれが停止後に再移動を開始するか否かを判定する。すなわち、このステップS6086bでは、RAM513に設定されていた扉コマンドが、所定方向に移動している扉部材163を逆方向に移動させるコマンドであれば、右扉163aおよび左扉163bそれぞれは、一旦停止した後、逆方向に移動を再開することから、再移動を開始すると判定し、ステップS6086cに進み、停止している扉部材163の移動を開始させるコマンドであれば、右扉163aおよび左扉163bそれぞれは、全開位置あるいは全閉位置に到達したら移動は終了になることから、再移動を開始しないと判定し、ステップS6086dに進む。
ステップS6086cでは、ステップS6081においてRAM513に展開されたパーツデータを参照して、右扉163aおよび左扉163bが移動位置(停止ポジション)まで移動するのに要する時間(移動時間)を取得し、取得した移動時間から、ステップS6086aで取得した動作遅延タイマのタイマ値が表す時間を減算することで、補正移動時間を算出する。
また、右扉163aおよび左扉163bの移動方向を求める。本実施形態では、移動位置(停止ポジション)は、全開位置か全閉位置のいずれか一方であり、移動方向は、移動位置(停止ポジション)が全開位置であれば閉方向になり、全閉位置であれば開方向になる。
さらに、移動速度を求める。まず、右扉163aおよび左扉163bそれぞれの現在位置から移動位置(停止ポジション)までの移動距離を算出する。第2副制御部500のRAM513に記憶されている、左扉モータ駆動部522のステッピングモータの回転履歴、および右扉モータ駆動部のステッピングモータの回転履歴を参照し、右扉163aおよび左扉163bそれぞれの現在位置情報を取得して、移動位置(停止ポジション)の座標と現在位置の座標の差の絶対値を移動距離として算出する。続いて、算出した移動距離を上記補正移動時間で除した値に最も近い速度を、ROM512に予め用意されている設定可能な複数種類の移動速度の中から選択し、移動速度とする。
一方、ステップS6086dでも、ステップS6081においてRAM513に展開されたパーツデータを参照して、右扉163aおよび左扉163bが移動位置(停止ポジション)まで移動するのに要する時間(移動時間)を取得する。また、ステップS6086cと同様にして、右扉163aおよび左扉163bの移動方向を求める。さらに、移動速度を求める。まず、ステップS6086cと同様にして移動距離を算出し、算出した移動距離を上記移動時間で除した値に最も近い速度を、ROM512に予め用意されている設定可能な複数種類の移動速度の中から選択し、移動速度とする。
ステップS6086eでは、ステップS6086cおよびステップS6086dそれぞれで得られた各種値(「補正移動時間」あるいは「移動時間」、「移動方向」および「移動速度」)をRAM513に設定し、時間補正処理は終了する。
こうしてRAM513に設定された各種値は、上述のステップS6087において、左扉モータ駆動部522および右扉モータ駆動部523それぞれのモータドライバにセットされ、右扉163aおよび左扉163bそれぞれが、それぞれのモータドライバにセットされた各種値に基づいて動作する。ここでセットされる「補正移動時間」あるいは「移動時間」が、本発明における制御手段が可動物に設定する動作データの一例に相当する。
次に、本実施形態における扉部材163の特徴的な演出について説明する。扉部材163は、遊技者の操作にしたがって動作する。
図21は、図1に示すスタートレバー135およびストップボタン137が操作されたときのスロットマシン100の様子を説明するための図である。
扉部材163を構成する右扉163aおよび左扉163bそれぞれの初期位置は、図3(b)に示す全開位置である。この初期位置は、電源投入時等の扉部材163の移動開始時の起点になる位置である。全閉位置は初期位置である全開位置とともに電源投入後は扉部材163の待機位置になる。したがって、右扉163aおよび左扉163bは、停止しているときは、全開位置か全閉位置のいずれか一方の位置にある。
図21(a)には、いずれも右扉163aが示されており、図の左側に示された右扉163aは、全閉位置で停止している状態である。この図21全体において、図の左から右に向かって時間(t)が経過していく。したがって、同図(a)には、図の左側に示された、全閉位置で停止している状態の右扉163aが、時間の経過に伴って移動する様子が段階的に示されている。
右扉163aおよび左扉163bの両扉が全開位置に停止している状態で、図1に示すスタートレバー135が操作されると、上述のごとく、主制御部300のCPU310が、スタートレバー135の操作を検出し、その操作を受け付けた旨のスタートレバー受付コマンドを第1副制御部400に送信する。第1副制御部400では、そのスタートレバー受付コマンドに基づいて、第2制御部500に制御コマンドを送信する(図11に示すステップS207)。制御コマンドを受け取った第2副制御部500は、図12に示す第2副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS604)において、扉部材163の移動を開始させる扉コマンドをRAM513に設定し、図19(a)に示す扉部材制御処理が実行されることで、左扉163bとともに右扉163aが全閉位置から全開位置へ向けての開移動を開始する(図21(a)の左側の右扉163aに示す矢印参照)。右扉163aおよび左扉163bそれぞれの開移動の開始に同期して、図21(a)の左側に示すように、液晶表示装置157の表示画面の右半分には忍者が右向きに走る演出画像が表示される。なお、図示省略したが、液晶表示装置157の表示画面の左半分には忍者が左向きに走る演出画像が表示される。これらの忍者の画像は演出画像であり、右向きに走る忍者の画像は、右扉163aの開移動に合わせて右方向に表示位置を変え、左向きに走る忍者の画像は、左扉163bの開移動に合わせて左方向に表示位置を変える。この結果、遊技者には、忍者が移動する扉部材163を追いかけていくように見える。
次いで、全開位置に向けて移動している両扉(163a,163b)が全閉位置に到達する前にストップボタン137が押下されると、主制御部300のCPU310が、ストップボタン137の操作を検出し、その操作を受け付けた旨のストップボタン受付コマンドを第1副制御部400に送信する。その結果、第2副制御部500は、開移動している扉部材163を閉移動させる扉コマンドが設定され、左扉163bとともに右扉163aが移動方向を切り替えるために一旦停止する(図21(a)の中央に示す右扉163a参照)。
左扉163bとともに一旦停止した右扉163aは、左扉163bとともに続けて閉移動を開始する(図21(a)の右側の右扉163aに示す矢印参照)。ここでは、右扉163aおよび左扉163bそれぞれの閉移動の開始に同期して、図21(a)の右側に示すように、液晶表示装置157の表示画面の右半分には忍者が左向きに走る演出画像が表示される。なお、図示省略したが、液晶表示装置157の表示画面の左半分には忍者が右向きに走る演出画像が表示される。これらの忍者の画像も演出画像であり、左向きに走る忍者の画像は、右扉163aの閉移動に合わせて左方向に表示位置を変え、右向きに走る忍者の画像は、左扉163bの閉移動に合わせて右方向に表示位置を変える。この結果、遊技者には、忍者が移動してくる扉部材163に追いかけられているように見える。このように、本実施形態では、右扉163aおよび左扉163bそれぞれは、液晶表示装置157の表示画面に表示された演出画像に重ならないように動作する。すなわち、第2副制御部500は、図19(a)に示すステップS6087において、液晶表示装置157の表示画面に表示された演出画像を避けた領域で扉部材163を動作させる各種値をセットする。
図21(b)に示すグラフは、横軸が時間(t)を表し、縦軸が右扉163aの移動速度を示すものである。このグラフに示すように、ストップボタン137が押下されると、右扉163aは減速を始め、やがて一旦停止する。一方、扉部材163とは異なる他の装置である液晶表示装置157は、ストップボタン137が押下されると、扉部材163の開移動に合わせて表示していた画像から、すぐさま、扉部材163の閉移動に合わせた画像に表示を切り替える。
従来では、扉部材163の閉移動の移動時間として、ROM512に予め記憶されたパーツデータを構成する移動時間をそのまま、左扉モータ駆動部522および右扉モータ駆動部523それぞれのモータドライバにセットする(図中の従来動作期間を参照)。そうすると、ストップボタン137が再度押下されなければ、液晶表示装置157が扉部材163の閉移動に合わせた画像の表示を終了するタイミングT2よりも、扉部材163が全閉位置に到達するタイミングT1の方が、扉部材163がストップボタン137が押下されてから扉部材163が一旦停止するまでの間の停止時間(減速時間)Xmsだけ遅くなる。ここで、動作が連続しているときには、2つの装置のズレはさほど目立たないが、動作が終了してしまう最後では、2つの装置の僅かなズレでも目立ってしまう傾向にある。特に、昨今では、液晶表示装置157の表示画面の大型化が進み、扉部材163の動作終了時におけるタイミングのズレが目立ちやすくなってきている。従来では、停止時間Xmsが遅延時間になってしまい、液晶表示装置157における扉部材163の動作に連動した画像の表示終了と扉部材163の動作終了とのタイミングのズレが目立ってしまう。
そこで、本実施形態では、図20に示す時間補正処理に行っている。
図22は、図20に示す時間補正処理を説明するための図である。
図22に示すグラフも、図21の下方に示すグラフと同じく、横軸が時間(t)を表し、縦軸が右扉163aの移動速度を示すものである。
図20に示す時間補正処理では、停止時間Xmsとして動作遅延タイマのタイマ値を取得し、ROM512に予め記憶されたパーツデータを構成する移動時間Ymsから、その停止時間Xmsを減算することで、補正移動時間Zmsを算出し(ステップS6083c)、その補正移動時間Zmsを左扉モータ駆動部522および右扉モータ駆動部523それぞれのモータドライバにセットする(図21中の本実施形態動作期間も参照)。こうすることで、停止時間Xmsが遅延時間にならずに、液晶表示装置157が扉部材163の閉移動に合わせた画像の表示を終了するタイミングT2と、扉部材163が全閉位置に到達するタイミングT1が一致し、液晶表示装置157における扉部材163の動作に連動した画像の表示終了と扉部材163の動作終了とのタイミングのズレがなくなる。本実施形態では、厳密には、液晶表示装置157が扉部材163の閉移動に合わせた画像の表示を開始するタイミングと、扉部材163が閉移動を開始するタイミングはズレているが、最後に液晶表示装置157の画像と扉部材163の動作のツジツマ合わせを行うことができる。その結果、液晶表示装置157の表示と扉部材163の動作の連係が保たれ、動作中の扉部材163の動作を新たな動作に切り替えて演出効果を高めることができる。
なお、扉部材163の開移動が終了し、その扉部材163が全開位置で停止した瞬間には、液晶表示装置157には、走っていた忍者が止まった演出画像が表示される。すなわち、液晶表示装置157は、補正移動時間Zmsの終了タイミングで扉部材163が停止したことを表す演出画像を表示する。このような画像を表示することで、液晶表示装置157の表示と扉部材163の動作の連係がより強くなり、しかも、走っていた忍者が止まった演出画像が表示されるタイミングと扉部材163が停止するタイミングは一致しているので、演出効果がより高められる。
図23は、図20に示す時間補正処理とは異なる補正処理を説明するための図である。
図23に示すグラフも、図22に示すグラフと同じく、横軸が時間(t)を表し、縦軸が右扉163aの移動速度を示すものである。
図20に示す時間補正処理では、停止時間Xmsを動作遅延タイマを用いて計測したが、ここでの補正処理では、停止時間XmsがROM512に予め記憶されている。すなわち、所定の移動速度一定で動作している扉部材163では、ストップボタン137〜139のいずれかのボタンが押下されて一旦停止する際の扉部材163の減速率(停止データ)を予め定めておくとこが可能であり、移動時間(Yms)と、停止位置と、所定の移動速度(設定速度)と、減速率(停止データ)と、停止時間Xmsとの関係を複数パターン規定した動作テーブルを、ROM512に予め記憶させておく。こうすることで、その動作テーブルを参照することにより、ストップボタン137〜139のいずれかのボタンが押下されたときの移動速度(設定速度)から停止時間Xmsを取得することができ、停止時間Xmsを実測する必要がなくなる。また、その動作テーブルから移動時間Ymsも取得し、その移動時間Ymsから、同じく動作テーブルから取得した停止時間Xmsを減算することで、補正移動時間Zmsを算出することができる。
以上の説明では、扉部材163は、2次元的な動作をするものであったが、3次元的な動作を行うものであってもよい。また、右扉163aおよび左扉163bは同方向に同タイミングで移動を開始し、両者は同速度で移動するが、両者の間で、タイミングや速度を異ならせてもよい。
さらに、扉部材163を全開位置と全閉位置との間で常時移動させておき、内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選すると、扉部材163の移動方向を切り替えるようにすると、扉部材163の移動方向の切り替えが、遊技者に有利な遊技状態に移行する予告演出になり、遊技の興趣が一番と高まる。この場合には、内部抽選を行う主制御部300が本発明にいう契機発生手段の一例に相当することになる。
また、液晶表示装置157の表示と扉部材163の動作が連動している例を説明したが、液晶表示装置157の表示に代えて、ランプや発光ダイオードの発光や、スピーカの発音と扉部材163の動作を連動させてもよい。
以上、本発明を回胴遊技機(スロットマシン)に適用させた実施形態について詳細に説明したが、本発明の遊技台は、これに限るものではなく、例えば、パチンコ機(弾球遊技機)にも適用可能である。
図24は、パチンコ機800を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機800は、ガラス製または樹脂製の透明板部材852および透明部材保持枠854からなるガラス枠856の奥側に、その透明板部材852を通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)802を備えている。この遊技盤802は、外枠801に対して開閉自在に設けられた内枠803に取り付けられている。また、ガラス枠856上部の左右には高音スピーカが設けられているとともに、ガラス枠856の様々な所には発光ダイオード(LED)が設けられている。なお、いずれも図示省略したが、パチンコ機800には、ガラス枠856が開放したことを検知するガラス枠開放センサや、内枠803が開放したことを検知する内枠開放センサが設けられている。
ガラス枠856の下方には、不図示の発射モータによって回動する発射杆838と、この発射杆838の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域804に向けて打ち出す発射槌840と、この発射槌840によって打ち出す球を後述する外レール806に導くための発射レール842と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール842に供給するための貯留皿844と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述するシャッタ可動物950による演出表示を変化させるためのチャンスボタン846を配設している。
また、発射杆838および発射槌840の下方には、発射杆838を制御して遊技領域804に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル848を配設していると共に、貯留皿844の下方には、貯留皿844に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿850を設けている。貯留皿844と下皿850を結ぶ内部経路の下皿近傍には、不図示の下皿満タンセンサが設けられている。下皿満タンセンサはスイッチ部を有し、下皿850が満杯になると、そのスイッチ部が球によって押され、下皿満タンセンサから下皿満タンエラーが出力される。
さらに、図24示す下皿850の左横には不図示の低音スピーカからの音が放たれる放音部が設けられている。
図25は、遊技盤802を正面側(遊技者側)から見た略示正面図である。
図25に示す遊技盤802は、上方および左右それぞれに設けられた不図示の盤面照明LEDによって照らされる。また、この遊技盤802には、外レール806と内レール808とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域804を区画形成している。
遊技領域804の略中央には、演出装置900を配設している。この演出装置900には、略中央に横長の装飾図柄表示装置810を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置812と、特別図柄表示装置814と、普通図柄保留LED816と、特別図柄保留LED818と、高確中LED820を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置900は、可動部を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置810は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、この例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置810は、表示画面を、左図柄表示領域810a、中図柄表示領域810b、右図柄表示領域810cおよび演出表示領域810dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域810a、中図柄表示領域810bおよび左図柄表示領域810cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域810dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域810a、810b、810c、810dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置810の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置810は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置812は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置814は、特図の表示を行うための表示装置であり、この例では7セグメントLEDによって構成する。なお、装飾図柄表示装置810に表示される装飾図柄は、この特図表示装置814に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄である。
普図保留LED816は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、この例では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留LED818は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、この例では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中LED820は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置900の周囲には、一般入賞口822と、普図始動口824と、第1特図始動口826と、第2特図始動口828と、可変入賞口830を配設している。
一般入賞口822は、この例では遊技盤802に複数配設しており、この一般入賞口822への入球を図示省略した所定の球検出センサ(一般入賞口センサ)が検出した場合(一般入賞口822に入賞した場合)、不図示の払出装置を駆動し、所定の個数(例えば10個)の球を賞球として図24に示す貯留皿844に排出する。貯留皿844に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口822に入球した球は、パチンコ機800の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。ここでは、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口824は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、この例では遊技盤802の左側に1つ配設している。普図始動口824を通過した球は一般入賞口822に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口824を通過したことを所定の球検出センサ(ゲートセンサ)が検出した場合、パチンコ機800は、普図表示装置812による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口826は、この例では遊技盤802の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口826への入球を所定の球検出センサ(第1始動口センサ)が検出した場合、不図示の払出装置を駆動し、所定の個数(例えば3個)の球を賞球として図24に示す貯留皿844に排出するとともに、特図表示装置814による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口826に入球した球は、パチンコ機800の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口828は、この例では第1特図始動口826の真下に1つだけ配設している。第2特図始動口828の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材8281が設けられており、一対の羽根部材8281と第2特図始動口828を併せて、駆動チューリップ(電チュー)と呼ばれることがある。一対の羽根部材8281は、第2特図始動口828への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材8281が閉鎖したままでは第2特図始動口828への入球は不可能である。一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置812が当たり図柄を停止表示した場合には、一対の羽根部材8281が所定の時間間隔で所定回数開閉し、第2特図始動口828への球の入球が可能になる。第2特図始動口828へ遊技球が進入(入球)したことを所定の球検出センサ(第2始動口センサ)が検出した場合、不図示の払出装置を駆動し、所定の個数(例えば5個)の球を賞球として図24に示す貯留皿844に排出するとともに、特図表示装置814による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口828に入球した球は、パチンコ機800の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口830は、この例では遊技盤802の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口830は、ソレノイドによって開閉自在な扉部材8301によって入球可能状態になったり、入球不能状態になったりする。すなわち、その扉部材8301の閉鎖中は可変入賞口830への入球は不可能であるが、特図変動遊技に当選し、特図表示装置814が大当り図柄を停止表示した場合には、扉部材8301が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉し、可変入賞口830への入球が可能になる。この可変入賞口830は大入賞口と呼ばれることがあり、扉部材8301と可変入賞口830を併せてアタッカと呼ばれることがある。可変入賞口830への入球を所定の球検出センサ(カウントセンサ)が検出した場合、不図示の払出装置を駆動し、所定の個数(例えば15球)の球を賞球として図24に示す貯留皿844に排出する。なお、可変入賞口830に入球した球は、パチンコ機800の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材832や、遊技釘834を複数個、配設していると共に、内レール808の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機800の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口836を設けている。
このパチンコ機800は、遊技者が貯留皿844に貯留している球を発射レール842の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル848の操作量に応じた強度で不図示の発射モータを駆動し、発射杆838および発射槌840によって外レール806、内レール808を通過させて遊技領域804に打ち出す。そして、遊技領域804の上部に到達した球は、打球方向変換部材832や遊技釘834等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口822、可変入賞口830)や始動口(第1特図始動口826、第2特図始動口828)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口824を通過するのみでアウト口836に到達する。
<演出装置>
次に、パチンコ機800の演出装置900について説明する。
この演出装置900の前面側(遊技者側)には、可動部材910、ワープ装置930および前面ステージ934を配設し、演出装置900の裏側には、装飾図柄表示装置810およびシャッタ可動物950を配設している。すなわち、演出装置900において、装飾図柄表示装置810およびシャッタ可動物950は、ワープ装置930および前面ステージ934の後方(裏側)に位置することとなる。
可動部材910は、人の腕を模した部材であり、図25では装飾図柄表示装置810の右横に配置されている。この可動部材910は、不図示のソレノイドによって、肘部分を基点にしてガタガタと揺動したり、肘部分を基点にして前腕部が持ち上がったり、あるいは肩部分を基点にして上腕部全体が持ち上がる動作等が可能である。可動部材910の可動領域は、装飾図柄表示装置810の表示領域に重なっている。
ワープ装置930は、演出装置900の左上方に設けた入球口932に入った遊技球を演出装置900の前面下方の前面ステージ934に排出し、さらに、前面ステージ934に排出した遊技球が前面ステージ934の中央部後方に設けた第2の入球口936に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口826の上方である演出装置900の下部中央に設けた排出口938から第1特図始動口826に向けて排出するものである。この排出口938から排出した遊技球は第1特図始動口826に入球しやすくなっている。
シャッタ可動物950は、格子状の左扉950aおよび右扉950bからなり、装飾図柄表示装置810および前面ステージ934の間に配設する。左扉950aおよび右扉950bの上部には、図示しない2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉950aおよび右扉950bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。シャッタ可動物950は、左右扉950a、950bを閉じた状態(全閉位置にある状態)ではそれぞれの内側端部が当接し、遊技者が装飾図柄表示装置810を視認し難いように遮蔽する。左右扉950a、950bを開いた状態(全開位置にある状態)ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置810の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置810の表示の全てを視認可能である。図25に示す右扉950bは全閉位置にあり、左扉950aは全開位置にある。この図25では、説明の都合上、右扉950bを全閉位置に示し、左扉950aを全開位置に示したが、実際には、左右扉950a、950bは揃って全開位置と全閉位置のいずれか一方の位置にある。すなわち、右扉950bが全閉位置にあるときには左扉950aも全閉位置にあり、左扉950aが全開位置にあるときには右扉950bも全開位置にある。シャッタ可動物950の左右扉950a、950bそれぞれの初期位置は、全開位置である。この初期位置は、電源投入時等の左右扉950a、950bの移動開始時の起点になる位置である。全閉位置は初期位置である全開位置とともに電源投入後は左右扉950a、950bの待機位置になる。このシャッタ可動物950は、図24に示すチャンスボタン146を操作することにより開閉する。例えば、装飾図柄表示装置810に装飾図柄の変動表示が行われている最中にチャンスボタン146が1回押されると、左右扉950a、950bは、全開位置から全閉位置に向けて移動を開始し、全閉位置に向けて移動している左右扉950a、950bが、全閉位置に到達する前にチャンスボタン146が再度押されると、左右扉950a、950bは移動方向を切り替え、全開位置に向けて移動し始める。したがって、図25に示す左右扉950a、950bが図2等に示す右扉163aおよび左扉163bに相当するとともに、図24に示すチャンスボタン146が図1等に示すスタートレバー135やストップボタン137〜139に相当し、装飾図柄表示装置810の表示と左右扉950a、950bの動作が連動する。図24に示すパチンコ機800では、装飾図柄表示装置810における左右扉950a、950bの動作に連動した画像の表示終了と左右扉950a、950bの動作終了とのタイミングを一致させるように本発明が適用されている。ここで、チャンスボタン146の押下を受け付けるのは、装飾図柄表示装置810における装飾図柄の変動表示中であってもよいし、さらに限定してリーチ表示中であってもよい。ここにいうリーチ表示とは、特図の抽選結果が遊技者にとって有利な結果であることを表す停止図柄が複数の図柄による特定の組み合わせである場合に、装飾図柄表示装置810にその特定の組み合わせの一部が表示され、未だ停止表示していない装飾図柄が変動している表示態様、格言すれば変動表示している残りの1つの装飾図柄の停止態様で上記特定の組み合わせが成立するか否かが決定される表示態様、あるいは全て又は一部の装飾図柄が上記特定の組み合わせの全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことをいう。
なお、シャッタ可動物950に代えて、可動領域が装飾図柄表示装置810の表示領域に重なる可動部材910を、チャンスボタン146の押下によって動作させるようにし、この可動部材910の動作と装飾図柄表示装置810の表示が連動するようにして、本発明を適用してもよい。また、遊技領域804に打ち込まれて遊動(転動)する遊技球が例えば、ワープ装置930等の所定領域を通過したことを検知するセンサを設け、操作ハンドル848を操作すると、左右扉950a、950bが動作を開始し、そのセンサが遊技球を検知したことによって、左右扉950a、950bが移動方向を切り替えるようにしてもよい。この場合には、そのセンサが本発明にいう契機発生手段の一例に相当することになる。
また、本発明を、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、ピンボールマシン、に適用してもよい。また、本発明を、遊技媒体の投入を契機として遊技可能となる遊技機(例えば、カジノマシン、ビデオゲームマシン、封入式のパチンコ遊技機)、遊技媒体自体を遊技に使用する遊技機(例えば、メダル落としゲーム機)に適用してもよい。ここで、「遊技媒体の投入」とは「賭ける」を意味し、「ベット」とも同意である。「遊技媒体の投入」は、「通貨の投入」や「電子マネーの投入」を含む。カジノマシンとは、通貨の投入により遊技が開始可能となり、抽選結果が当選の場合に、該当選結果に対応付けられて設定された図柄が停止し、遊技者に特典となる払出しを行う、カジノマシンである。
図26は、本発明を適用可能なカジノマシンの一例を示す図である。
図26に示すカジノマシン990も、水平方向に開閉自在な2枚の右扉991a、左扉991bと、その奥側に配設された液晶表示装置992と、操作子993を備えており、右扉991aおよび左扉991bの開閉は操作子993を操作することにより行われる。図26に示す右扉951aおよび左扉951bが、図2等に示す右扉163aおよび左扉163bに相当するとともに、図26に示す操作子953が図1等に示すスタートレバー135やストップボタン137〜139に相当する。図26に示すカジノマシン990でも、液晶表示装置992の表示と、右扉951aおよび左扉951bの動作が連動するようにして、本発明を適用することができる。