<第1の実施の形態>
上記の通り本発明によれば、信号ブロックペイロードと信号ブロックヘッダとからなる信号ブロックが処理されて、スーパーブロックが出力される。一連の処理において、信号ブロックヘッダが削除され、スーパーブロックを伝送するためのビットレートが抑圧される。また、本発明によれば、スーパーブロックが処理されて、当該スーパーブロックの基となった信号ブロックが出力される。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、信号ブロックの処理の過程の概要を示す図である。図1において、データを格納している信号ブロックペイロード(本明細書において、データブロックペイロードという。)をBd’で示し、制御コートを格納している信号ブロックペイロード(本明細書において、制御ブロックペイロードという。)をBc’で示している。また、データブロックペイロードBd’の信号ブロックヘッダをBdhで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダをBchで示している。さらに、データブロックペイロードBd’と信号ブロックヘッダBdhからなる信号ブロックをBdで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダBchからなる信号ブロックをBcで示している。信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)は、信号ブロックペイロードが制御ブロックペイロードBc’であるかデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む。制御ブロックペイロードBc’には、そこに格納された制御コードBc1の種別を識別するための情報Bc0が格納されている。
本実施形態によれば、信号ブロックの列を構成する予め定められた数の信号ブロックの各々から信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)が削除され、前記予め定められた数の信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が1つのグループGにグループ化される。図1において、1つのグループにグループ化された8個の信号ブロックペイロードがそれぞれG0〜G7として示されている。G3およびG4は、それぞれ制御ブロックペイロードBc’である。
更に、本実施形態によれば、グループG内の信号ブロックペイロードに対する処理が行われてスーパーブロックSが出力される。スーパーブロックSは、例えば、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送される。図1において、G’は、グループGからスーパーブロックSが出力さる過程におけるグループの状態を示している。また、図1において、制御ブロックペイロードBc’を含むスーパーブロックをスーパーブロックScとして示し、制御ブロックペイロードBc’を含まない(データブロックペイロードBd’のみで構成された)スーパーブロックをスーパーブロックSdとして示している。
また、本実施形態によれば、生成されたスーパーブロックあるいはスーパーブロックの列についての誤り訂正符号fecが生成され、誤り訂正符号fecが付加されたスーパーブロックS+を出力するようにすることもできる。スーパーブロックS+は、例えば、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送される。
以下の説明では必要に応じて、EthernetのMAC(10Gb/s)信号を64B/66Bブロック符号化したものを信号ブロックBの一例とし、またODUk/OPUk(k=1,2,3)フレームを伝送フレームFの一例として用いる。ここで、64B/66Bブロックのデータブロックが信号ブロックBdに対応し、制御ブロックが信号ブロックBcに対応する。また、信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)は、例えば、非特許文献1のFigure 49-7に示されたSyncコードに対応する。信号ブロックBdのデータブロックペイロードBd’内のBd0〜7はそれぞれ8bitのMACフレームデータに対応する。制御ブロックペイロードBc’内のBc0はブロックタイプであり、非特許文献1のFigure 49-7に示されたBlock Type Fieldに対応する。制御ブロックペイロードBc’内のBc1はXGMII制御コードに対応する。ODUk/OPUkフレームFは、42バイト(ODUkヘッダ=34バイト、OPUkのヘッダ=8バイト)のヘッダFhと15232バイトのペイロードFpからなる伝送フレームである。また、本実施形態では、理解を容易にするために、具体的にビット数やデータ書き込み位置、信号の種類、ビットレート、フレーム等を明示しているが、この限りではない。
図1および2を参照して、本発明の信号ブロック列処理方法に係る実施形態を説明する。
図2は、本実施形態の信号ブロック列処理方法のフローの概要を示す図である。本実施形態の信号ブロック列処理方法は、光信号送信装置が図14などに示すような10G Ethernet装置E1−4から64B/66Bブロック(または64B/66Bの列)Bを受信する[図2:ST1−1]ことから始まる。受信した64B/66BブロックBは、レジスタ等のメモリに格納される。
次いで、ST1−1において受信した64B/66BブロックBからヘッダBdh(又はBch)を抽出・削減し、信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を生成する[図2:ST1−2]。
生成された信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を8個単位[図2:ST1−3]でグループ化して1つのグループGを生成する[図2:ST1−4]。1つのグループGにグループ化される予め定められた数(ここでは、8個)の信号ブロックペイロードは、受信側に既知の規則に基づいて選択される。例えば、8個の64B/66BブロックBを受信した順番(メモリへ書き込んだ順番)に従って選択し、その順番を保持した状態で並べて1つのグループGにグループ化する。あるいは、8個の64B/66BブロックBを受信した順番(メモリへ書き込んだ順番)とは異なる順番で選択し、選択した順番を保持した状態で並べて1つのグループGにグループ化してもよい。図1において、G:G0〜7はデータブロックペイロードBd’または制御ブロックペイロードBc’である。図1のグループGは制御ブロックペイロードBc’が含まれる場合を示している(G3、G4が制御ブロックペイロードBc’である。)。生成された信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)が8個より少ない場合は、ST1−1〜ST1−2を繰り返す。
生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し[図2:ST1−5]、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれると判定した場合には、制御ブロックペイロードBc’(G3、G4)に対してグループG内の制御ブロックペイロードBc’の位置を識別するための位置識別情報(66Bブロック並び順情報)を与える[図2:ST1−6]。ヘッダBchおよび/または制御ブロックペイロードBc’内のブロックタイプBc0を参照することで、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かの判定することができる。図1において、グループG内の制御ブロックペイロードBc’の位置を識別するための位置識別情報が与えたれた信号ブロックペイロードをG3’,G4’で示し、これらを含むグループをG’で示している。
次いで、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’および制御ブロックペイロードBc’の再配置の位置を規定する受信側に既知の規則(本明細書において、信号ブロックペイロード再配置規則という。)に従って、G3’とG4’をそれぞれスーパーブロックScのペイロード内の位置Spc3とSpc4に配置する[図2:ST1−7]。引き続き、データブロックペイロードBd’(G0〜2、5〜7)をそれぞれSpc0〜2、5〜7に配置する[図2:ST1−8c]。
一方、ST1−5において制御ブロックペイロードBc’が含まれないと判定した場合、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知の規則(本明細書において、データブロックペイロード再配置規則という。)に従ってデータブロックペイロードBd’をスーパーブロックのペイロードSd内の位置Spd0〜7にそれぞれ配置する[図2:ST1−8d]。
ここで、Spc0〜7(Spd0〜7)に信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が配置された後、これらに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性の平準化を行う場合がある[図2:ST1−9cまたはST1−9d]。
次いで、グループGがデータブロックペイロードBd’と制御ブロックペイロードBc’を含んで構成されている場合には、スーパーブロックのペイロード(Spc0〜7)にヘッダShc(1ビット:1)を加えてスーパーブロックScを生成する[図2:ST1−10c]。一方、グループGがデータブロックペイロードBd’のみで構成されている場合には、ペイロード(Spd0〜7)にヘッダShd(1ビット:0)を加えてスーパーブロックSdを生成する[図2:ST1−10d]。これにより、受信側におけるスーパーブロックからの制御ブロックペイロードBc’の抽出が容易になる。生成されたスーパーブロックS(Sc、Sd)は、次の処理へ送出される[図2:ST1−11]。
次に、図3を参照して、制御ブロックペイロードBc’に対して位置識別情報を与える方法[図2:ST1−6]を説明する。図3は、制御ブロックペイロードの処理の過程の概要を示す図である。図3において、グループGおよびG’は、図1におけるグループGおよびG’に対応している。
グループGからG3およびG4の各々についての位置識別情報を生成する。位置識別情報は、信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を生成するステップ[図2:ST1−2]と関連づけて生成することができる制御ブロックペイロードBc’の生成順位の情報とすることができる。あるいは、位置識別情報は、グループGを生成するステップ[図2:ST1−4]または生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定するステップ[図2:ST1−5]と関連づけて生成することができるグループG内における制御ブロックペイロードBc’の位置または並び順の情報とすることができる。
G3およびG4についての位置識別情報は、それぞれBc’に含まれた制御コードのブロックタイプBc0を変更することにより、格納することができる。図3において、位置情報を格納したG3およびG4のブロックタイプをそれぞれBc0+_0およびBc0+_1として示している。G3およびG4についての位置識別情報は、それぞれBc0+_0およびBc0+_1(例えば、8ビット)のうちのph0およびph1(4ビット)として格納される。ここで、ph0のpos0(3ビット)はグループGの並び順(G3の位置)を示し、nx0(1ビット:1)には引き続き制御ブロックペイロードBc’がSpc1に配置されていることを示す。同様に、ph1のpos1(3ビット)はグループGの並び順(G4の位置)を示し、nx1(1ビット:0)には引き続きデータブロックペイロードBd’がSpc2に配置されることを示す。本実施形態では、ブロックタイプBc0は、8bitで、ph0(ph1)の4bit以外の4bitを用いて制御ブロックペイロードBc’に格納された制御コードBc1の15種類のタイプを示すことができる。
次に、図4A乃至4Bを参照して信号ブロックペイロード再配置規則の例を説明する。図4Aは、グループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれる場合に制御ブロックペイロードBc’(スーパーブロックの位置G3’とG4’に配置された信号ブロックペイロード)を必ず所定位置から連続して(Spc0,Spc1,・・・の順番で連続して)配置するように規定している場合の信号ブロックペイロードの再配置の概要を示す図である。
図4Bは、グループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれる場合に制御ブロックペイロードBc’(スーパーブロックの位置G3’とG4’に配置された信号ブロックペイロード)を必ず一つ飛ばしに連続して(Spc0,Spc2,Spc4,Spc6,仮にグループGに制御コードが5つ以上含まれる場合には、Spc6に続けてSpc1,Spc3,Spc5,Spc7の順に連続して)配置するように規定している場合の信号ブロックペイロードの再配置の概要を示す図である。
受信側におけるスーパーブロックからの制御ブロックペイロードBc’の抽出を容易にする観点では、図4Aに示す例がより好まし実施形態であるが、上記のように図4Bの例に従っても本発明は実施することができる。
更に、図5A乃至5Cを参照して信号ブロックペイロード再配置規則の例を説明する。図5Aは図4Aに対応し、制御ブロックペイロードBc’をSpc0,Spc1の順番で連続して再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置(Spc2〜Spc7)にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定している場合の信号ブロックペイロードの再配置の概要を示す図である。
図5Bは図4Bに対応し、制御ブロックペイロードBc’をSpc0,Spc2に一つ飛ばしに連続して再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置(Spc1,Spc3〜Spc7)にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定している場合の信号ブロックペイロードの再配置の概要を示す図である。
図5Cは図4Aに対応し、制御ブロックペイロードBc’をSpc0,Spc1の順番で連続して再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置(Spc2〜Spc7)にデータブロックペイロードBd’の並び順を逆転して(つまり、G7,G6,G5,G1,G0の並び順で)再配置するように規定している場合の信号ブロックペイロードの再配置の概要を示す図である。
受信側におけるスーパーブロックからのデータブロックペイロードBd’の抽出を容易にする観点では、図5Aに示す例がより好まし実施形態であるが、上記のように図5Bおよび図5Cの例に従っても本発明は実施することができる。
次に、図6A乃至6Cを参照してデータブロックペイロード再配置規則の例を説明する。図6Aは、グループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれない場合にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)、位置Spd0〜Spd7に再配置するように規定している場合のデータブロックペイロードの再配置の概要を示す図である。
図6Bは、データブロックペイロードBd’の並び順を逆転して(つまり、G7,G6,G5,G4,G3,G2,G1,G0の並び順で)、Spd0〜Spd7に再配置するように規定している場合のデータブロックペイロードの再配置の概要を示す図である。
図6Cは、必ず所定位置から一つ飛ばしに連続して(つまり、Spd0,Spd2,Spd4,Spd6,Spd1,Spd3,Spd5,Spd7の順番で連続して)配置するように規定している場合のデータブロックペイロードの再配置の概要を示す図である。
受信側における信号ブロックの復元を容易にする観点では、図6Aに示す例がより好まし実施形態であるが、上記のように図6Bおよび図Cの例に従っても本発明は実施することができる。
次に、図7および8を参照してスーパーブロックSの出力について説明する。スーパーブロック(S)は、伝送フレームFのペイロードにマッピングされた形態で出力されるようにすることができる。図7は、ODUk/OPUk(k=1,2,3)フレームに対する生成されたスーパーブロックSのマッピングの概要を示す図である。図7において、本発明の実施形態に従ってOPUkフレームに格納され得る複数種類のスーパーブロックSが示されている。また、図7に示す伝送フレームFには、スーパーブロックSを誤り訂正符号における情報ビットとして用いて生成された冗長ビットも示されている。図8は、スーパーブロックSの出力のフローの概要を示す図である。
図8を参照すると、ST1−11(図2)において出力されたスーパーブロックSは、順次ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされる[図8:ST1−12]。
次いで、ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされたスーパーブロックSの内、最初にヘッダが現れるS1(ヘッダS1h)の位置示すポインタpを参照し、このポインタpをODUk/OPUkフレームのヘッダのReserve領域の特定の位置に格納する[図8:ST1−13]。図7に示すように状況によっては複数のReserve領域を用いる。複数のスーパーブロック列Sが多重化されてODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされる場合などには、被多重化スーパーブロック列Sを識別できるポインタを生成し格納する。これにより、受信側におけるODUk/OPUkフレームからのスーパーブロック列Sの抽出を用意にすることができる。
生成されたODUk/OPUkフレームは次の処理機能へ送出される[図8:ST1−14]。
次に、図9A,9Bおよび10を参照してスーパーブロック(列)についての誤り訂正符号fecの付加を説明する。図9Aは、スーパーブロックについての誤り訂正符号fecの付加の概要を示す図である。図9Bは、スーパーブロックの列についての誤り訂正符号fecの付加の概要を示す図である。図10は、誤り訂正符号fecの生成およびスーパーフレーム(列)S+の生成のフローの概略を示す図である。
図10を参照すると、ST1−10cまたはST1−10d(図2)で生成されたスーパーブロックSの1つまたは複数から誤り訂正符号fecを生成する[図10:ST1−15]。
図9Aに示すように、1つのスーパーブロックについて誤り訂正符号fecを生成した場合、生成したfecをスーパーブロックSに付与し、新たにスーパーブロックS+を生成する[図10:ST1−16]。生成されたスーパーブロックS+は次の処理へ送出される[図10:ST1−17]。ここで、64B/66Bブロックの数とスーパーブロックS+内の信号ブロックペイロード(データブロックペイロードBd’または制御ブロックペイロードBc’)の数が同じであり、且つ両者の長さ(ビット数)が同じであれば、64B/66Bブロック列をそのまま伝送する場合と同じビットレート(クロック速度)でありながら誤り耐性が高い(冗長度が高い)伝送が可能となる。
また、図9Bに示すように、n個のスーパーブロックS(S0〜Sn-1)についての誤り訂正符号fecを生成した場合、生成したfecを1つのスーパーブロックSn+1に付与してS+n+1を生成する[図10:ST1−16]。生成されたスーパーブロックS+は次の処理へ送出される[図10:ST1−17]。
また、複数のスーパーブロック列SまたはS+を束ねたウルトラブロックを生成した後に、伝送フレームにマッピングするようにしてもよい。図11は、ウルトラブロックUの概要を示す図である。図12は、ウルトラブロックUの出力のフローの概要を示す図である。図12を参照すると、受信側において、ST1−10において出力されたy個のスーパーブロック(Sd,Sc)またはST1−17において出力されたy個のスーパーブロックS+を1つのグループGSnにグループ化し[図12:ST1−18]、ウルトラブロックヘッダUhを付加してウルトラブロックUnを生成[図12:ST1−20]し、伝送フレームにマッピングして出力する[図12:ST1−21]。一実施形態では、受信側に既知のスクランブル処理によりグループGSnのビット極性が平準化されたグループGSsとし[図12:ST1−19]、ウルトラブロックヘッダUhを付加してウルトラブロックUsを生成し[図12:ST1−20]、伝送フレームにマッピングして出力する[図12:ST1−21]ようにしてもよい。ウルトラブロックヘッダUhは、例えば、受信側に対して同期情報を提供する2ビットのビット列とすることができる。
以上、送信側における信号ブロック列処理方法を説明したが、これを逆に辿ることで受信側において受信する伝送フレームFから、信号ブロック列を復元することができる。
具体的には、受信側において、受信した伝送フレームFのヘッダ(ヘッダの所定位置に格納されたポインタ)を参照し、ポインタに基づいて、最初のスーパーブロック(S)を抽出する。伝送フレームFがウルトラブロックを格納している場合には、ウルトラブロックヘッダを抽出し、当該ウルトラブロックヘッダに続くウルトラブロックからスーパーブロックを抽出する。伝送フレームFのペイロードに複数のスーパーブロックが格納されている場合には、続くスーパーブロックを抽出する。誤り訂正符号を使用する場合には、スーパーブロックに付与された当該スーパーブロック(列)についての誤り訂正符号に基づいてエラーチェックおよびエラー訂正を実行する。
更に、受信したスーパーブロックのスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)を参照(スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を参照)することにより、スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かが判定される。制御ブロックペイロードBc’が含まれている場合に、制御ブロックペイロードに与えられた位置識別情報と既知の信号ブロックペイロード再配置規則とに従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が再配置前の位置に戻される。また、制御ブロックペイロードから位置識別情報を取り除くあるいは既知の規則に従って制御ブロックペイロードの状態が送信側において位置識別情報を挿入する前の状態に戻される。スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれていない場合には、グループ(G)内における既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループ(G)内でデータブロックペイロードBd’が再配置前の位置に戻される。また、既知の規則に従って、信号ブロックペイロードの並び順が、信号ブロックペイロードが1つのグループにグループ化される前の並び順に、並び替えられる。すなわち、信号ブロックペイロードが、送信側において64B/66BブロックBを受信した順番(メモリへ書き込んだ順番)に並び替えられる。次いで、信号ブロックペイロードの各々に、当該信号ブロックペイロードが制御コードを格納した制御ブロックペイロードであるかデータを格納したデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を付加して、信号ブロックの列を出力する。
次に、図13を参照して上述したブロック信号処理方法を実施する信号処理装置、これを内蔵した光信号送信装置および光信号受信装置を説明する。図13は、本発明の一実施形態である光信号送信装置を、LANとWANの境界に設置されるLAN−WANエッジ装置Wとして示した図であり、その構成を示す図である。LAN−WANエッジ装置Wは、光ケーブルや電気ケーブルなどの信号線Lewを介して10G Ethernet装置Eと接続されている。ここで、理解を容易にする目的で、10G Ethernet装置E内の構成については敢えて明記していない。同様に、LAN−WANエッジ装置Wについても、本発明に直接関係しない機能等については簡略化・省略してある。なお、ここでは、伝送フレームFを光信号に変換して送信する光信号送信装置、および光信号に変換された伝送フレームFを受信する光信号受信装置を説明するが、伝送フレームFを電気信号で送受信する信号送受信装置として本発明を実施することもできることは言うまでもない。
LAN−WANエッジ装置Wは、10G Ethernet装置Eからの光/電気信号をPMD(Physical Medium Dependent)およびPMA(Physical Medium Attachment)部W1で受信・シリアルパラレル変換して64B/66Bブロック列をLw1に出力する。また、Lw1からの64B/66Bブロック列をPMDおよびPMA部W1でパラレルシリアル変換して信号線Lewへ光/電気信号を出力する。
信号ブロック変換部W2は、受信した信号ブロックBを記憶する信号ブロックメモリと、信号ブロックメモリに記憶された予め定められた数の信号ブロックBの各々から信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を削除し、信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)を1つのグループGにグループ化し、グループG内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し、グループG内に制御ブロックペイロードBc’が含まれる場合に、グループG内における制御ブロックペイロードBc’の位置を識別するための位置識別情報を当該制御ブロックペイロードBc’に与え、グループG内における制御ブロックペイロードBc’およびデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知の信号ブロックペイロード再配置規則に従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)を再配置し、グループG内に前記制御ブロックペイロードBc’が含まれない場合に、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループG内でデータブロックペイロードBd’を再配置するように構成された再配置部と、信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が再配置されたグループを格納するスーパーブロックペイロード(Sc,Sd)、および当該スーパーブロックペイロードに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を格納するスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)からなるスーパーブロックSを出力するスーパーブロック出力部とから構成することができる。再配置部およびスーパーブロック出力部は1つまたは複数のプロセッサで実現することができ、論理的または物理的に統合・分離して構成することができる。
また、信号ブロック変換部W2に、スーパーブロック(列)Sについての誤り訂正符合を生成し付加する機能を備えることもできる。
フレーム化部W3は、スーパーブロック出力部から出力されるスーパーブロック(列)SまたはスーパーブロックS+を、OPU2/ODU2/OTU2などの伝送フレームFにフレーム化し、フレーム化した信号を信号線Lw3へ出力する。なお、図13においてOPU2’/ODU2’/OTU2’は、OPU2/ODU2/OTU2を僅かに上回るクロックで、かつ従来例に示したDirect mappingで用いるクロックを下回るクロックを使用する場合もあることを示している。
光信号出力部W4は、PMDにより信号先Lw3から入力された伝送フレームFをパレレルシリアル変換し光信号に変換して、他WAN装置に向けて出力する。
本発明に係る光信号受信装置は、上記の光信号送信装置における各部の信号入出力を逆にすることで実現することができる。
さらに、図14を参照して、本発明に係る光信号送信装置および光信号受信装置の別の実施形態を説明する。
図14は、4台の10G Ethernet装置E1−4とLAN−WANエッジ装置Wとが光/電気ケーブルLew1−4で接続されている場合を示している。ここで、理解を容易にする目的で、10G Ethernet装置E1−4内の構成については敢えて明記していない。同様に、LAN−WANエッジ装置Wについても、本発明に直接関係しない機能等については簡略化・省略してある。
図13に示したLAN−WANエッジ装置Wと同様に、LAN−WANエッジ装置Wは、10G Ethernet装置E1−4からの各光/電気信号をそれぞれPMD(Physical Medium Dependent)とPMA(Physical Medium Attachment)W11−14で受信・シリアルパラレル変換して64B/66Bブロック列を信号線Lw1−4に出力する。
信号ブロック変換部W21−24は、それぞれLw1−4から入力された64B/66Bブロック列を処理してスーパーブロック(列)SまたはS+を信号線Lw21−24へ出力する。
多重化部W5は、Lw21−24を介してスーパーブロック(列)SまたはS+を受信し、多重化ビット列を生成し信号線Lw3’へ出力する。
フレーム化部W3’は、スーパーブロック(列)SまたはS+を多重した多重化ビット列を、OPU3/ODU3/OTU3などの伝送フレームFにフレーム化し、フレーム化した信号を信号線Lw4’へ出力する。
光信号出力部W4’は、PMDにより信号先Lw4’から入力された伝送フレームFをパレレルシリアル変換し光信号に変換して、他WAN装置に向けて出力する。
<第2の実施の形態>
上記の通り本発明によれば、信号ブロックペイロードと信号ブロックヘッダとからなる信号ブロックの列が入力され、入力された信号ブロックの列が処理されて、スーパーブロックが出力される。一連の処理において、信号ブロックヘッダおよびクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部が削除され、スーパーブロックを伝送するためのビットレートが抑圧される。また、本発明によれば、入力されたスーパーブロックが処理されて、当該スーパーブロックの基となった信号ブロックが出力(復元)される。
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図15は、信号ブロックの処理の過程の概要を示す図である。図15において、入力された信号ブロックの列をBで示している。データを格納している信号ブロックペイロードをBd’で示し、制御コードを格納している信号ブロックペイロードをBc’とで示している。また、データブロックペイロードBd’の信号ブロックヘッダをBdhで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダをBchで示している。さらに、データブロックペイロードBd’と信号ブロックヘッダBdhからなる信号ブロックをBdで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダBchからなる信号ブロックをBcで示している。信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)は、信号ブロックペイロードが制御ブロックペイロードBc’であるかデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む。制御ブロックペイロードBc’には、そこに格納された制御コードBc1の種別を識別するための情報Bc0が格納されている。信号ブロックBc_1は、制御ブロックペイロードBc’にクロック調整用のキャラクタのみを格納した信号ブロックを示している。
本実施形態によれば、入力された信号ブロックの列Bからクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードBc’を含む信号ブロック(Bc_1)が削除される。次いで、削除された信号ブロックを除く信号ブロックの列B’の各々から信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)が削除され、予め定められた数の信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が1つのグループGにグループ化される。図15において、1つのグループにグループ化された8個の信号ブロックペイロードがそれぞれG0〜G7として示されている。G3およびG4は、それぞれ制御ブロックペイロードBc’である。
更に、本実施形態によれば、グループG内の信号ブロックペイロードに対する処理(制御ブロックペイロードへの位置識別情報の付与、信号ブロックペイロードの再配置)が行われてスーパーブロックSが出力される。スーパーブロックSは、例えば、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送されるか、あるいは、さらに複数のスーパーブロックSからなるグループGSにグループ化され、グループGSに同期ヘッダが与えられたウルトラブロックUの形態で伝送フレームFにマッピングされて伝送される。
また、本実施形態によれば、生成されたスーパーブロックあるいはスーパーブロックの列についての誤り訂正符号fecが生成され、誤り訂正符号fecが付加されたスーパーブロックS+を出力するようにすることもできる。スーパーブロックS+は、スーパーブロックSと同様に、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送される。
上記第1の実施形態と同様に、以下の説明では必要に応じて、EthernetのMAC(10Gb/s)信号を64B/66Bブロック符号化したものを信号ブロックBの一例とし、またODUk/OPUk(k=1,2,3)フレームを伝送フレームFの一例として用いる。ここで、クロック調整用キャラクタのみからなる64B/66Bブロックは、非特許文献1のFigure 49-7に示されたBlock Type Fieldの値が0x1eであるブロックである。
図15および16を参照して、本発明の信号ブロック列処理方法に係る実施形態を説明する。
図16は、本実施形態の信号ブロック列処理方法のフローの概要を示す図である。本実施形態の信号ブロック列処理方法は、信号送信装置に含まれた信号処理装置が10G Ethernet装置Eからの64B/66Bブロックの列Bを受信する[図16:ST2−1]ことから始まる。受信した64B/66Bブロックの列Bは、レジスタ等のメモリに格納される。
次いで、ST2−1において受信した64B/66Bブロックの列B内の各64B/66Bブロックについて、ブロックタイプを参照することにより、クロック調整用キャラクタのみからなる64B/66Bブロック(本明細書において、Bccで示す。)であるか否かを判定し[図16:ST2−2]、Bccである場合には、当該64B/66Bブロックを削除する[図16:ST2−3]。64B/66BブロックがBccではない場合には、信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を削除して、信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を生成する[図16:ST2−4]。
次いで、ST2−4において生成された信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を8個毎にグループ化してグループGを生成する[図16:ST2−6]。生成された信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)が8個より少ない場合は、ST2−1〜ST2−3を繰り返す。図15において、グループG内のG0〜2および5〜7はデータブロックペイロードBd’であり、G3〜4は制御ブロックペイロードBc’である。
次いで、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し[図16:ST2−7]、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれると判定した場合には、制御ブロックペイロードBc’(G3、G4)に対して、グループGにグループ化される前の信号ブロックの列Bにおける制御ブロックペイロードの位置を識別するための位置識別情報(本明細書において、再配置情報ともいう。)を与える[図16:ST2−8]。ヘッダBchおよび/または制御ブロックペイロードBc’内のブロックタイプBc0を参照することで、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かの判定することができる。
次いで、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’および制御ブロックペイロードBc’の再配置の位置を規定する受信側に既知の規則(本明細書において、信号ブロックペイロード再配置規則という。)に従って、G3とG4をそれぞれスーパーブロックSのペイロード内の位置Spc0とSpc1に配置する[図16:ST2−9]。引き続き、データブロックペイロードBd’(G0〜2、5〜7)をそれぞれSpc2〜7に配置する[図16:ST2−10c]。
一方、ST2−7において制御ブロックペイロードBc’が含まれないと判定した場合、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知の規則(本明細書において、データブロックペイロード再配置規則という。)に従ってデータブロックペイロードBd’をスーパーブロックのペイロードS内の位置Spd0〜7にそれぞれ配置する[図16:ST2−10d]。
ここで、Spc0〜7(Spd0〜7)に信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が配置された後、これらに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性の平準化を行う場合がある[図16:ST2−11cまたはST2−11d]。
次いで、グループGがデータブロックペイロードBd’と制御ブロックペイロードBc’を含んで構成されている場合には、スーパーブロックのペイロード(Spc0〜7)にヘッダShc(1ビット:1)を加えてスーパーブロックScを生成する[図16:ST2−12c]。一方、グループGがデータブロックペイロードBd’のみで構成されている場合には、ペイロード(Spd0〜7)にヘッダShd(1ビット:0)を加えてスーパーブロックSdを生成する[図16:ST2−12d]。これにより、受信側におけるスーパーブロックからの制御ブロックペイロードBc’の抽出が容易になる。生成されたスーパーブロックSはそのまま出力することも、以下に説明するように処理することもできる。出力されたスーパーブロックSは、順次ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされる。
この場合、ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされたスーパーブロックSの内、最初にヘッダが現れるスーパーブロックSの位置を示すポインタp(ODUk/OPUkフレームにスーパーブロックS1〜S4がマッピングされる場合、スーパーブロックS1のヘッダ(S1h)のポインタ)を参照し、このポインタpをODUk/OPUkフレームのヘッダの特定の位置に格納する。複数のスーパーブロック列Sが多重化されてODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされる場合などには、各多重化スーパーブロック列Sを識別できるポインタを生成し格納する。これにより、受信側におけるODUk/OPUkフレームからのスーパーブロック列Sの抽出を容易にすることができる。
図16に示すように、ST2−12cまたはST2−12dで生成されたスーパーブロックSの1つまたは複数から誤り訂正符号fecを生成することができる[図16:ST2−13]。
1つのスーパーブロックについて誤り訂正符号fecを生成した場合、生成したfecをスーパーブロックSに付与し、新たにスーパーブロックS+を生成する[図16:ST2−14]。ここで、64B/66Bブロックの数とスーパーブロックS+内の信号ブロックペイロード(データブロックペイロードBd’または制御ブロックペイロードBc’)の数が同じであり、且つ両者の長さ(ビット数)が同じであれば、64B/66Bブロック列をそのまま伝送する場合と同じビットレート(クロック速度)でありながら誤り耐性が高い(冗長度が高い)伝送が可能となる。
n個のスーパーブロックS(S0〜Sn-1)についての誤り訂正符号fecを生成した場合、生成したfecを1つのスーパーブロックSn+1に付与してS+n+1を生成する[図16:ST2−14]。
次いで、ST2−12cまたはST2−12dで生成された複数(例えば、4個)のスーパーブロックSまたはST2−14で生成された複数のスーパーブロックS+の列を束ねたグループGSを生成する[図16:ST2−15]。グループGSに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性の平準化を行う場合がある(本明細書において、スクランブル処理を行っていないグループGSをGSnといい、スクランブル処理を行ったグループGSをGSsという。)[図16:ST2−16]。
さらに、グループGSに、ウルトラブロックヘッダUhを付加してウルトラブロックUを生成[図16:ST2−17]して、出力する[図16:ST2−18]。ウルトラブロックヘッダUhは、例えば、受信側に対して同期情報を提供する2ビットのビット列とすることができる。スーパーブロックSと同様に、ウルトラブロックUは、順次ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされる。
本実施形態において、信号ブロックペイロード再配置規則は、グループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれる場合に制御ブロックペイロードBc’(スーパーブロックの位置G3とG4に配置された信号ブロックペイロード)を必ず所定位置から連続して(Spc0,Spc1,・・・の順番で連続して)再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定している場合を例示している。受信側におけるスーパーブロックからの制御ブロックペイロードBc’の抽出を容易にする観点では、この例がより好ましいが別の例に従っても本発明は実施することができる。
例えば、信号ブロックペイロード再配置規則は、制御ブロックペイロードBc’(スーパーブロックの位置G3とG4に配置された信号ブロックペイロード)を必ず一つ飛ばしに連続して(Spc0,Spc2,Spc4,Spc6,仮にグループGに制御コードが5つ以上含まれる場合には、Spc6に続けてSpc1,Spc3,Spc5,Spc7の順に連続して)再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定してもよい。あるいは、信号ブロックペイロード再配置規則は、制御ブロックペイロードBc’をSpc0,Spc1の順番で連続して再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置(Spc2〜Spc7)にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定してもよい。
他方、データブロックペイロード再配置規則の例は、グループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれない場合にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)、位置Spd0〜Spd7に再配置するように規定することができる。受信側における信号ブロックの復元を容易にする観点では、この例がより好ましいが別の例に従っても本発明は実施することができる。
例えば、データブロックペイロード再配置規則は、データブロックペイロードBd’の並び順を逆転して(つまり、G7,G6,G5,G4,G3,G2,G1,G0の並び順で)、Spd0〜Spd7に再配置するように規定してもよい。あるいは、必ず所定位置から一つ飛ばしに連続して(つまり、Spd0,Spd2,Spd4,Spd6,Spd1,Spd3,Spd5,Spd7の順番で連続して)配置するように規定してもよい。
以上、送信側における信号ブロック列処理方法を説明したが、これを逆に辿ることで受信側において受信する伝送フレームFから、信号ブロックの列Bを復元することができる。
図17乃至19を参照して、受信側における信号ブロックの列Bの復元方法を説明する。図17は、本実施形態の信号ブロック列処理方法のフローの概要を示す図である。
図17を参照すると、伝送フレームFがウルトラブロックを格納している場合には、ウルトラブロックヘッダを抽出し、該ウルトラブロックヘッダに続くウルトラブロックからスーパーブロックを抽出することから始まる[図17:RT2−1]。伝送フレームFがウルトラブロックを格納していない場合には、受信した伝送フレームFのヘッダ(ヘッダの所定位置に格納されたポインタ)を参照し、ポインタに基づいて、最初のスーパーブロック(S)を抽出する。伝送フレームFのペイロードに複数のスーパーブロックが格納されている場合には、続くスーパーブロックを抽出する。
次いで、送信側におけるウルトラブロックの生成手順とは逆の手順、すなわち、ST2−16からST2−4までを遡り、クロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccが削除された64B/66Bブロックの列B’を復号する[図17:RT2−2]。
誤り訂正符号を使用する場合には、スーパーブロックに付与された当該スーパーブロック(列)についての誤り訂正符号に基づいてエラーチェックおよびエラー訂正を実行する。
次いで、受信したスーパーブロックのスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)を参照(スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を参照)することにより、スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し、制御ブロックペイロードBc’が含まれている場合に、制御ブロックペイロードに与えられた位置識別情報と既知の信号ブロックペイロード再配置規則とに従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)を再配置前の位置に戻す。また、制御ブロックペイロードから位置識別情報を取り除くあるいは既知の規則に従って制御ブロックペイロードの状態を送信側において位置識別情報を挿入する前の状態に戻す。スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれていない場合には、グループ(G)内における既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループ(G)内でデータブロックペイロードBd’を再配置前の位置に戻す。また、既知の規則に従って、信号ブロックペイロードの並び順を、信号ブロックペイロードが1つのグループにグループ化される前の並び順に、並び替える。次いで、信号ブロックペイロードの各々に、当該信号ブロックペイロードが制御コードを格納した制御ブロックペイロードであるかデータを格納したデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を付加する。これにより、64B/66BブロックBccが削除された64B/66Bブロックの列B’を復号する。
次いで、図18に示すような64B/66Bブロックの列B’中の連続する2つの制御ブロックBcのブロックタイプ値を用いて、送信側で当該2つの制御ブロックBcの間からクロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccが削除されたかを判定する[図17:RT2−3]。
図19は、連続する2つの制御ブロックBcのブロックタイプ値の組み合わせ条件Aの例を示す表である。ブロックタイプ値の組み合わせがパターン1〜16のいずれかであれば、当該2つの制御ブロックBcの間にクロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccを挿入し[図17:RT2−4]、送信側で入力された信号ブロックの列Bを復号し[図17:RT2−5]、出力する[図17:RT2−6]。
上記では、ブロックタイプを参照することにより、クロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccを削除する実施形態を説明したが、64B/66BブロックBccの一部を削除するようにすることができる。
図20A、20Bおよび21を参照して、64B/66BブロックBccの一部を削除する実施形態を説明する。
図20Aは、入力された信号ブロックの列B内の2つの信号ブロックBcの制御ブロックペイロードBc’の制御コードを、パラレル共通インタフェースXGMIIにおけるレーンおよびカラムの概念で示した図である。図20Bは、制御ブロックペイロードBc’の制御コードの一部(/I/)を削除して、1つの信号ブロックBc%に再ブロック化する概要を示した図である。図21は64B/66BブロックBccの一部を削除するフローの概要を示す図である。
光信号送信装置が10G Ethernet装置Eから64B/66Bブロックの列Bを受信する[図21:ST2−1]ことから始まる。受信した64B/66Bブロックの列Bは、レジスタ等のメモリに格納される。
次いで、ST2−1において受信した64B/66Bブロックの列B内の各64B/66Bブロックについて、レーン/カラム化する[図21:ST2−1α]。図20Aにおいて、4つのレーン(Lane0〜3)に対して、カラムは直交する4バイトの組み(#1〜4)で表現されている。
次いで、各カラムについて、クロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるカラムであるか否かを判定し[図21:ST2−1β]、クロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるカラム(アイドルカラム)である場合には、当該カラム(図20Aのカラム#2,3)を削除する[図21:ST2−1γ]。
次いで、クロック調整用キャラクタのみからなるカラムを削除した後の残りのカラム(図20Bのカラム#1,4)を用いて新たな信号ブロックBc%に再ブロック化して、これを含む64B/66Bブロックの列B’とする[図21:ST2−1δ]。さらに、信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を削除して、信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を生成する[図21および図16:ST2−4]。
図20Aおよび20B並びに図21の例では、2つの信号ブロックBcの制御コードをレーン/カラム化し、クロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるアイドルカラムを削除した後に1つの信号ブロックBc%に再ブロック化する例を説明したが、図22A,22Bおよび22Cに示すように、1つまたは複数の信号ブロックB(Bc,Bd)をレーン/カラム化し、アイドルカラムを削除した後に1つまたは複数の信号ブロックB%(Bc%,Bd%)に再ブロック化することもできる。
図22Aは、信号ブロックBd_0〜Bd_2,Bc_0,Bc_1,Bd_3〜Bd_6をレーン/カラム化し、Bc_0およびBc_1に含まれるアイドルカラムのうちの一部(Bc_1に含まれるアイドルカラム)を削除した状態を示す。また、図22Bは、Bc_1の残りの一部とBd_3の一部とを信号ブロックBc%_13に再ブロック化し、Bd_3の残りの一部とBd_4の一部とを信号ブロックBd%_34に再ブロック化する例を示している。
次に、図23Aおよび23B並びに図24Aおよび24Bを参照して、送信側において64B/66BブロックBccの一部を削除した場合の受信側の復号について説明する。図23Aは、64B/66Bブロックの列B’内の64B/66BブロックBc%の制御コードを、パラレル共通インタフェースXGMIIにおけるレーンおよびカラムの概念で示した図である。図23Bは、制御ブロックペイロードBc%のカラムに(/I/)を挿入して、2つの信号ブロックBcに再ブロック化する概要を示した図である。図24Aは、信号ブロックペイロードBcから削除された一部を復号するフローの概要を示す図である。図24Bは、送信側でクロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるカラム(アイドルカラム)が削除されたかを判定するための条件の概要を示す図である。
図24Aを参照すると、送信側におけるウルトラブロックの生成手順とは逆の手順を遡り、上記RT2−2(図17)において復号された64B/66Bブロックの列B’を得ることから開始する。次いで、64B/66Bブロックの列B’内の各64B/66Bブロックについて、レーン/カラム化する[図24A:RT2−2α]。
次いで、連続するカラムの組み合わせを用いて、送信側でクロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるカラム(アイドルカラム)が削除されたかを判定する[図24A:RT2−2β]。図24Bに示すように、連続するカラムにおいて、前のカラムに「終端キャラクタ/T/」が存在し、後ろのカラムに「スタートキャラクタ/S/」が存在する場合に、当該2つのカラムの間に、アイドルカラムを挿入する[図24A:TR2γ]。挿入するアイドルカラムの数は、例えば、終端キャラクタ/T/を含め、アイドルキャラクタ/I/が平均12個となるように9から15個の範囲で挿入するというような、一定の条件に基づいて決定することができる。
アイドルカラムを挿入した後、信号ブロックBcに再ブロック化し[図24A:RT2−2δ]、送信側で入力された信号ブロックの列Bが復号され出力される[図24Aおよび図17:RT2−6]。図23Aおよび23B並びに24Aおよび24Bの例では、1つの信号ブロックBc%の制御コードをレーン/カラム化し、アイドルカラムを挿入した後に2つの信号ブロックBcに再ブロック化する例を説明したが、1つまたは複数の信号ブロックB%(Bc%,Bd%))をレーン/カラム化し、アイドルカラムを挿入した後に1つまたは複数の信号ブロックB(Bc,Bd)に再ブロック化することもできる。
図22Cは、受信側が、送信側において図22Bに示すように再ブロック化された信号ブロックBc%_13,Bd%_34,Bd%_45およびBd%_56を含むブロック列を受信し、Bc%_13にアイドルカラムを挿入して信号ブロックBの列を復元する場合を示している。
例えば、「スタートキャラクタ/S/」が存在するカラム(例えば、図22Bの#10)を検出し、当該カラムより前のカラム(例えば、図22Bの#7,8)に含まれるアイドルキャラクタ/I/が所定数(例えば、平均値)となるような数のアイドルキャラクタを挿入するようにすることができる。これにより、信号ブロックB(例えば、Bc_1,Bd_3)に対応する制御ブロックペイロードを復元できる。また、残りのカラムを用いて、さらに信号ブロックB(例えば、Bc_4〜Bd_6)に対応する制御ブロックペイロードを復元することができる。
次に、図25を参照して、制御ブロックペイロードBc’に対して位置識別情報を与える方法[図16:ST2−8]を説明する。図25は、非特許文献1のFigure 49-7に規定されている15種類(#1〜15)の制御ブロックフォーマット(Control Block Formats)およびこれを識別するブロックタイプ値(Block Type 1)と、本実施形態より、位置識別情報とともに制御ブロックペイロードに与えられる、特定のブロックタイプ間のハミング距離が最大化されるように符号化されたブロックタイプ値(Block Type 2)との関係を示す表である。
本実施形態において、G3およびG4についての位置識別情報は、それぞれBc’に含まれた制御コードのブロックタイプBc0を変更することにより、格納することができる。例えば、ブロックタイプBc0が8ビットで構成されているとすると、位置識別情報は、そのうちのph0(4ビット)を使用して格納される。より詳細には、4ビットのうちの3ビットを使用してグループGにグループ化される前の信号ブロックの列Bにおける制御ブロックペイロードの位置を識別するための情報を格納し、残りの1ビットを使用して後続の信号ブロックが制御ブロックペイロードBc’であるか否かを示す情報を格納する。
ブロックタイプBc0内の位置識別情報等を格納する4ビットを除いた残りの4bitを用いて、制御ブロックペイロードBc’に格納された制御コードBc1の15種類のタイプを示す情報を格納する。
ビット誤りによりEthernetフレームの終端位置が上位層(MAC:Media Access Control層)に伝わらず、次のフレームとの判別ができずに両フレームが廃棄あるいは他のEthernet装置へ誤ったままフレームが転送される場合がある。これは、終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロック(制御ブロックフォーマット#8〜15にしたがった制御ブロック)が、入れ替わる誤りによって生じる。
したがって、本実施形態では、15種類の制御コードのタイプを示す8ビットのブロックタイプ値(Bock Type 1)を4ビットのブロックタイプ値(Bock Type 2)に符号化する際に、終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロックについては、ハミング距離がすべて2以上となる4ビットの組み合わせ用いるように符号化する。これにより、4ビットのブロックタイプ値(Bock Type 2)に1ビットの誤りが生じたとしても、これらは終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロック(図25の#8〜15)以外の制御ブロックとして判断される(例えば、非特許文献6参照)。
次に、図26を参照して、出力されたスーパーブロックS(S+)の列あるいはウルトラブロックUの列のODUk/OPUkフレームへのマッピングを説明する。上記のように、出力されたスーパーブロックS(S+)の列あるいはウルトラブロックUの列を順次ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングすることができるが、ODUk/OPUkフレームのヘッダ領域を含む受信側に既知の特定の領域にマッピングすることができる。図26は、ODUk/OPUkフレームにマッピングされる複数のウルトラブロックの内j番目のウルトラブロックUjの一部がODUk/OPUkフレームのヘッダ領域(Fh)にマッピングされ、他のウルトラブロックがODUk/OPUkフレームのペイロード領域(Fp)にマッピングされた状態を示している。受信側においては、ODUk/OPUkフレームの既知の特定の領域から複数のスーパーブロックS(S+)の列あるいはウルトラブロックUの列を順次抽出することができる。
なお、複数のスーパーブロックS(S+)をグループGSにグループ化する際、同一のソース(Ethernet装置E)からの信号ブロックの列を処理して生成された複数のスーパーブロックS(S+)を1つのグループGSにグループ化してもよく、あるいは、複数のソース(Ethernet装置)から入力された複数のスーパーブロックS(S+)を1つのグループGSにグループ化してもよい。
次に、図27および28を参照して上述したブロック信号処理方法を実施する信号処理装置、これを内蔵した光信号送信装置および光信号受信装置を説明する。図27および28は、本発明の一実施形態である光信号送信装置を、LANとWANの境界に設置されるLAN−WANエッジ装置Wとして示した図であり、その構成を示す図である。LAN−WANエッジ装置Wは、光ケーブルや電気ケーブルなどの信号線Lew1−4を介して4台の10G Ethernet装置E1−4と接続されている。ここで、理解を容易にする目的で、10G Ethernet装置E内の構成については敢えて明記していない。同様に、LAN−WANエッジ装置Wについても、本発明に直接関係しない機能等については簡略化・省略してある。なお、ここでは、伝送フレームFを光信号に変換して送信する光信号送信装置、および光信号に変換された伝送フレームFを受信する光信号受信装置を説明するが、伝送フレームFを電気信号で送受信する信号送受信装置として本発明を実施することもできることは言うまでもない。
LAN−WANエッジ装置Wは、10G Ethernet装置E1−4からの光/電気信号をPMD(Physical Medium Dependent)およびPMA(Physical Medium Attachment)部W11−14でそれぞれ受信・シリアルパラレル変換して64B/66Bブロック列をLw11−14に出力する。また、Lw11−14からの64B/66Bブロック列をPMDおよびPMA部W11−14でそれぞれパラレルシリアル変換して信号線Lew1−4へ光/電気信号を出力する。
図27に示す光信号受信装置の信号ブロック変換部W21−24は、それぞれ異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックの列を処理してスーパーブロックSを生成し、さらに1つのグループGSにグループ化してウルトラブロックUを生成して出力する。信号ブロック変換部W21−24は、それぞれ受信した信号ブロックの列Bを記憶する信号ブロックメモリと、信号ブロックメモリに記憶された信号ブロックの列の各々から信号ブロックヘッダおよびクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部を削除し、予め定められた数の信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)を1つのグループGにグループ化し、グループG内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し、グループG内に制御ブロックペイロードBc’が含まれる場合に、グループGにグループ化される前の信号ブロックの列Bにおける制御ブロックペイロードの位置を識別するための位置識別情報(再配置情報)を与え、グループG内における制御ブロックペイロードBc’およびデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知の信号ブロックペイロード再配置規則に従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)を再配置し、グループG内に前記制御ブロックペイロードBc’が含まれない場合に、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループG内でデータブロックペイロードBd’を再配置するように構成された再配置部と、信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が再配置されたグループを格納するスーパーブロックペイロード(Sc,Sd)、および当該スーパーブロックペイロードに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を格納するスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)からなるスーパーブロックSを出力するスーパーブロック出力部と、スーパーブロック出力部から出力されたスーパーブロックSの列をグループGSにグループ化しウルトラヘッダ(Uh)を付加したウルトラブロックUの列を出力するウルトラブロック出力部とから構成することができる。再配置部、スーパーブロック出力部およびウルトラブロック出力部は1つまたは複数のプロセッサで実現することができ、論理的または物理的に統合・分離して構成することができる。スーパーブロック出力部は、制御ブロックペイロード内の受信側に既知の領域に位置識別情報を格納するとともに、制御ブロックペイロードのブロックタイプを識別するブロックタイプ値が特定のブロックタイプ間のハミング距離が最大化するように符号化されたブロック値を格納することができる。
また、信号ブロック変換部W21−24に、スーパーブロック(列)Sについての誤り訂正符合を生成し付加する機能を備えることもできる。
フレーム化部W3は、信号ブロック変換部W21−24の各スーパーブロック出力部から出力されたスーパーブロックSの列あるいは各ウルトラブロック出力部から出力されるウルトラブロックUの列を、OPU3/ODU3/OTU3などの伝送フレームFにフレーム化し、フレーム化した信号を信号線Lw3へ出力する。スーパーブロックSの列あるいはウルトラブロックUの列は、伝送フレームFのペイロードおよびヘッダの受信側に既知の特定の領域にマッピングすることができる。
光信号出力部W4は、PMDにより信号先Lw3から入力された伝送フレームFをパレレルシリアル変換し光信号に変換して、他WAN装置に向けて光ファイバなどの信号線Lwwへ出力する。
本発明に係る光信号受信装置は、上記の光信号送信装置における各部の信号入出力を逆にすることで実現することができる。
他方、図28に示す光信号受信装置の信号ブロック変換部W2’1−2’4は、それぞれ異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックの列を処理してスーパーブロックSを生成して出力する。さらに別の信号ブロック変換部W2’は、信号ブロック変換部W21−24から出力されたスーパーブロックS(異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックペイロードを含むスーパーブロックS)を1つのグループGSにグループ化してウルトラブロックUを生成して、Lw2”を介してフレーム化部W3へ出力する。
図28に示す光信号受信装置のフレーム化部W3は、別の信号ブロック変換部W2’のウルトラブロック出力部から出力されるウルトラブロックUの列を、OPU3/ODU3/OTU3などの伝送フレームFにフレーム化し、フレーム化した信号を信号線Lw3へ出力する。
図28に示す光信号受信装置の光信号出力部W4は、PMDにより信号先Lw3から入力された伝送フレームFをパレレルシリアル変換し光信号に変換して、他WAN装置に向けて光ファイバなどの信号線Lwwへ出力する。
本発明に係る光信号受信装置は、上記の光信号送信装置における各部の信号入出力を逆にすることで実現することができる。
次に、図29を参照して本発明の一実施形態に係る信号伝送システムを説明する。図29に信号伝送システムは、図27または28を参照して説明した2つの信号送信装置がそれぞれLAN−WANエッジ装置W_1およびW_2として用いられ、光ファイバなどの信号線Lwwで接続された構成である。図29のEthernet装置E1−4およびE5−8は、図27または28のEthernet装置E1−4にそれぞれ対応する。
<第3の実施の形態>
上記の通り本発明によれば、受信側において、送信側において生成されたスーパーブロックを受信して、スーパーブロックペイロード内の制御ブロックペイロードに付与された位置識別情報のすべてについての重複有無の判定およびスーパーブロックペイロード内の制御ブロックペイロードに格納されたブロックタイプ値のすべてを用いた所定条件の判定によるエラー検出が行われる。これにより、エラーの伝搬が排除される。以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[実施形態3−1]
図30乃至34を参照して、送信側において信号ブロックの列から信号ブロックヘッダを削除し信号ブロックペイロードをグループ化して生成されたスーパーブロックから、受信側において信号ブロックを復元する実施形態を説明する。
(送信側の信号ブロックの処理)
図30は、本実施形態の信号ブロックの処理の過程の概要を示す図である。上記第1および2の実施形態と同様に、図30において、入力された信号ブロックの列をBで示している。データを格納している信号ブロックペイロードをBd’で示し、制御コードを格納している信号ブロックペイロードをBc’とで示している。また、データブロックペイロードBd’の信号ブロックヘッダをBdhで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダをBchで示している。さらに、データブロックペイロードBd’と信号ブロックヘッダBdhからなる信号ブロックをBdで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダBchからなる信号ブロックをBcで示している。信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)は、信号ブロックペイロードが制御ブロックペイロードBc’であるかデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む。制御ブロックペイロードBc’には、そこに格納された制御コードBc1の種別を識別するための情報Bc0が格納されている。
本実施形態によれば、入力された信号ブロックの列Bの各々から信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)が削除され、予め定められた数の信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が1つのグループGにグループ化される。図30において、1つのグループにグループ化された8個の信号ブロックペイロードがそれぞれG0〜G7として示されている。G3およびG4は、それぞれ制御ブロックペイロードBc’である。
更に、本実施形態によれば、グループG内の信号ブロックペイロードに対する処理(制御ブロックペイロードへの位置識別情報の付与、信号ブロックペイロードの再配置)が行われてスーパーブロックSが出力される。スーパーブロックSは、例えば、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送されるか、あるいは、さらに複数のスーパーブロックSからなるグループGSにグループ化され、グループGSに同期ヘッダが与えられたウルトラブロックUの形態で伝送フレームFにマッピングされて伝送される。
また、本実施形態によれば、生成されたスーパーブロックあるいはスーパーブロックの列についての誤り訂正符号fecが生成され、誤り訂正符号fecが付加されたスーパーブロックS+を出力するようにすることもできる。スーパーブロックS+は、スーパーブロックSと同様に、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送される。
上記第1および第2の実施形態と同様に、以下の説明では必要に応じて、EthernetのMAC(10Gb/s)信号を64B/66Bブロック符号化したものを信号ブロックBの一例とし、またODUk/OPUk(k=1,2,3)フレームを伝送フレームFの一例として用いる。
図30および31を参照して、本発明の信号ブロック列処理方法に係る実施形態を説明する。
図31は、本実施形態の信号ブロック列処理方法のフローの概要を示す図である。本実施形態の信号ブロック列処理方法は、信号送信装置に含まれた信号処理装置が10G Ethernet装置Eからの64B/66Bブロックの列Bを受信する[図31:ST3−1]ことから始まる。受信した64B/66Bブロックの列Bは、レジスタ等のメモリに格納される。
次いで、ST3−1において受信した64B/66Bブロックの列B内の各64B/66Bブロックについて信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を削除して、信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を生成する[図31:ST3−4]。
次いで、ST3−4において生成された信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を8個毎にグループ化してグループGを生成する[図31:ST3−6]。生成された信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)が8個より少ない場合は、ST3−4を繰り返す。図30において、グループG内のG0〜2および5〜7はデータブロックペイロードBd’であり、G3〜4は制御ブロックペイロードBc’である。
次いで、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し[図31:ST3−7]、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれると判定した場合には、制御ブロックペイロードBc’(G3、G4)に対して、グループGにグループ化される前の信号ブロックの列Bにおける制御ブロックペイロードの位置を識別するための位置識別情報(本明細書において、再配置情報ともいう。)を与える[図31:ST3−8]。ヘッダBchおよび/または制御ブロックペイロードBc’内のブロックタイプBc0を参照することで、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かの判定することができる。制御ブロックペイロードBc’に対して位置識別情報を与える方法については、以下で説明する。
次いで、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’および制御ブロックペイロードBc’の再配置の位置を規定する受信側に既知の規則(本明細書において、信号ブロックペイロード再配置規則という。)に従って、G3とG4をそれぞれスーパーブロックSのペイロード内の位置Spc0とSpc1に配置する[図31:ST3−9]。引き続き、データブロックペイロードBd’(G0〜2、5〜7)をそれぞれSpc2〜7に配置する[図31:ST3−10c]。
一方、ST3−7において制御ブロックペイロードBc’が含まれないと判定した場合、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知の規則(本明細書において、データブロックペイロード再配置規則という。)に従ってデータブロックペイロードBd’をスーパーブロックのペイロードS内の位置Spd0〜7にそれぞれ配置する[図31:ST3−10d]。
ここで、Spc0〜7(Spd0〜7)に信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が配置された後、これらに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性の平準化を行う場合がある[図31:ST3−11cまたはST3−11d]。
次いで、グループGがデータブロックペイロードBd’と制御ブロックペイロードBc’を含んで構成されている場合には、スーパーブロックのペイロード(Spc0〜7)にヘッダShc(1ビット:1)を加えてスーパーブロックScを生成する[図31:ST3−12c]。一方、グループGがデータブロックペイロードBd’のみで構成されている場合には、ペイロード(Spd0〜7)にヘッダShd(1ビット:0)を加えてスーパーブロックSdを生成する[図31:ST3−12d]。これにより、受信側におけるスーパーブロックからの制御ブロックペイロードBc’の抽出が容易になる。生成されたスーパーブロックSはそのまま出力することも、以下に説明するように処理することもできる。出力されたスーパーブロックSは、順次ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされる。
この場合、ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされたスーパーブロックSの内、最初にヘッダが現れるスーパーブロックSの位置を示すポインタp(ODUk/OPUkフレームにスーパーブロックS1〜S4がマッピングされる場合、スーパーブロックS1のヘッダ(S1h)のポインタ)を参照し、このポインタpをODUk/OPUkフレームのヘッダの特定の位置に格納する。複数のスーパーブロック列Sが多重化されてODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされる場合などには、各多重化スーパーブロック列Sを識別できるポインタを生成し格納する。これにより、受信側におけるODUk/OPUkフレームからのスーパーブロック列Sの抽出を容易にすることができる。
図31に示すように、ST3−12cまたはST3−12dで生成されたスーパーブロックSの1つまたは複数から誤り訂正符号fecを生成することができる[図31:ST3−13]。
1つのスーパーブロックについて誤り訂正符号fecを生成した場合、生成したfecをスーパーブロックSに付与し、新たにスーパーブロックS+を生成する[図31:ST3−14]。ここで、64B/66Bブロックの数とスーパーブロックS+内の信号ブロックペイロード(データブロックペイロードBd’または制御ブロックペイロードBc’)の数が同じであり、且つ両者の長さ(ビット数)が同じであれば、64B/66Bブロック列をそのまま伝送する場合と同じビットレート(クロック速度)でありながら誤り耐性が高い(冗長度が高い)伝送が可能となる。
n個のスーパーブロックS(S0〜Sn-1)についての誤り訂正符号fecを生成した場合、生成したfecを1つのスーパーブロックSn+1に付与してS+n+1を生成する[図31:ST3−14]。
次いで、ST3−12cまたはST3−12dで生成された複数(例えば、4個)のスーパーブロックSまたはST3−14で生成された複数のスーパーブロックS+の列を束ねたグループGSを生成する[図31:ST3−15]。グループGSに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性の平準化を行う場合がある(本明細書において、スクランブル処理を行っていないグループGSをGSnといい、スクランブル処理を行ったグループGSをGSsという。)[図31:ST3−16]。
さらに、グループGSに、ウルトラブロックヘッダUhを付加してウルトラブロックUを生成[図31:ST3−17]して、出力する[図31:ST3−18]。ウルトラブロックヘッダUhは、例えば、受信側に対して同期情報を提供する2ビットのビット列とすることができる。スーパーブロックSと同様に、ウルトラブロックUは、順次ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされる。
なお、スクランブル処理については、(図31:ST3−11c、ST3−11d、ST3−16)、スーパーブロックを生成した(図31:ST3−12c、ST3−12d)後および/またはウルトラブロックを生成した(図31:ST3−17)後に実施することもできる。この場合には、所定のヘッダをマスクしてペイロードのみをスクランブルする。
本実施形態において、信号ブロックペイロード再配置規則は、グループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれる場合に制御ブロックペイロードBc’(スーパーブロックの位置G3とG4に配置された信号ブロックペイロード)を必ず所定位置から連続して(Spc0,Spc1,・・・の順番で連続して)再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定している場合を例示している。受信側におけるスーパーブロックからの制御ブロックペイロードBc’の抽出を容易にする観点では、この例がより好ましいが別の例に従っても本発明は実施することができる。
例えば、信号ブロックペイロード再配置規則は、制御ブロックペイロードBc’(スーパーブロックの位置G3とG4に配置された信号ブロックペイロード)を必ず一つ飛ばしに連続して(Spc0,Spc2,Spc4,Spc6,仮にグループGに制御コードが5つ以上含まれる場合には、Spc6に続けてSpc1,Spc3,Spc5,Spc7の順に連続して)再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定してもよい。あるいは、信号ブロックペイロード再配置規則は、制御ブロックペイロードBc’をSpc0,Spc1の順番で連続して再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置(Spc2〜Spc7)にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定してもよい。
他方、データブロックペイロード再配置規則の例は、グループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれない場合にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)、位置Spd0〜Spd7に再配置するように規定することができる。受信側における信号ブロックの復元を容易にする観点では、この例がより好ましいが別の例に従っても本発明は実施することができる。
例えば、データブロックペイロード再配置規則は、データブロックペイロードBd’の並び順を逆転して(つまり、G7,G6,G5,G4,G3,G2,G1,G0の並び順で)、Spd0〜Spd7に再配置するように規定してもよい。あるいは、必ず所定位置から一つ飛ばしに連続して(つまり、Spd0,Spd2,Spd4,Spd6,Spd1,Spd3,Spd5,Spd7の順番で連続して)配置するように規定してもよい。
ここで、制御ブロックペイロードBc’に対して位置識別情報を与える方法[図31:ST3−8]を説明する。
図30に示すように、G3およびG4についての位置識別情報は、それぞれBc’に含まれた制御コードのブロックタイプBc0を変更することにより、格納することができる。図30において、位置情報を格納したG3およびG4のブロックタイプをそれぞれBc0+_0およびBc0+_1として示している。G3およびG4についての位置識別情報は、それぞれBc0+_0およびBc0+_1(例えば、8ビット)のうちのph0およびph1(4ビット)として格納される。ここで、ph0のpos0(3ビット)はグループGの並び順(G3の位置)を示し、nx0(1ビット:1)には引き続き制御ブロックペイロードBc’がSpc1に配置されていることを示す。同様に、ph1のpos1(3ビット)はグループGの並び順(G4の位置)を示し、nx1(1ビット:0)には引き続きデータブロックペイロードBd’がSpc2に配置されることを示す。本実施形態では、ブロックタイプBc0は、8bitで、ph0(ph1)の4bit以外の4bitを用いて制御ブロックペイロードBc’に格納された制御コードBc1の15種類のタイプを示すことができる。
特に、IEEE 802.3ae(非特許文献1)に規定されるEthernetの場合、信号ブロックの列は64B/66Bで符号化され、制御ブロックは1バイトのタイプフィールドでキャラクタ格納情報を提供している。また、1バイトのタイプフィールドで15種のキャラクタ格納情報を表しているため、4ビットの冗長度を有する。
本実施形態におけるスーパーブロックへの変換過程における位置識別情報の生成過程において、64B/66Bで符号化された制御ブロックのタイプフィールド(Block Type Field)値8ビットを4ビットに再符号化し、また1ビットでスーパーブロックのペイロードに制御ブロックを再配置したときの後段ブロックが制御ブロックであることを示す継続ビットとし、3ビットで制御ブロックの再配置前の位置情報を示すこととしている。さらに、制御ブロックがスーパーブロックのペイロードに含まれるか否かを示すスーパーブロックヘッダは最低1ビット必要である。上記のことから、8個の64B/66Bブロックの列をグループ化した512ビットのスーパーブロックペイロードを含む512B/513Bで構成するスーパーブロックが最も高効率な符号変換則となる。また、スーパーブロックヘッダをスーパーブロックペイロードに制御ブロックペイロードが含まれるか否かを示す冗長度を与えた少なくとも2ビットの情報(例えば、01と10,001と100のようなハミング距離が最大となるような2つのビット列)とすること、すなわち8個の64B/66Bブロックの列をグループ化した512ビットのスーパーブロックペイロードを含む512B/514Bで構成するスーパーブロックとすることで、受信側において、自己同期によりスーパーブロックの抽出が可能となるとともにスーパーブロックヘッダのビット誤り検出耐性が向上する。また、スーパーブロックヘッダを冗長度を与えた情報とすることで、上記で説明したポインタpをODUk/OPUkフレームのヘッダの特定の位置に格納する処理は不要となる。
以上、送信側における信号ブロック列処理方法を説明したが、これを逆に辿ることで受信側において受信する伝送フレームFから、信号ブロック列を復元することができる。
<受信側の信号ブロックの処理>
スーパーブロックペイロード内に前記制御ブロックペイロードが含まれている場合に、スーパーブロックペイロード内の位置識別情報およびブロックタイプ値のすべてを用いてエラーの有無を判定する。
図32、33および34を参照して、受信側における信号ブロックの列Bの復元のための信号ブロック列処理方法を説明する。
図32を参照すると、伝送フレームFに格納されたウルトラブロックUを抽出することから始まる[図32:RT3−1]。
伝送フレームFにおけるスーパーブロックの開始位置示すポインタを用いない場合や伝送フレームを用いずにスーパーブロックを送受信する場合にはスーパーブロックヘッダにより同期をとり、スーパーブロックの列を抽出する[図32:RT3−e2]。伝送フレームFがポインタを格納している場合には、受信した伝送フレームFのヘッダ(ヘッダの所定位置に格納されたポインタ)を参照し、ポインタに基づいて、スーパーブロックの列を抽出する[図32:RT3−e2]。
更に、送信側におけるウルトラブロックの生成手順とは逆の手順、すなわち、ST3−16からST3−12までを遡る。誤り訂正符号を使用する場合には、スーパーブロックに付与された当該スーパーブロック(列)についての誤り訂正符号に基づいてエラーチェックおよびエラー訂正を実行する。スクランブルされている場合には、デスクランブルも行う。
次いで、受信したスーパーブロックのスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)を参照(スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を参照)することにより、スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定する[図32:RT3−e3]。
制御ブロックペイロードBc’が含まれている場合には、制御ブロックを抽出し[図32:RT3−e4]、制御ブロックの位置識別情報から、再配置前の位置情報とブロックタイプ値を抽出する[図32:RT3−e5]。
次いで、抽出した再配置前の位置情報とブロックタイプ値を用いてエラー判定を行う[図32:RT3−e6]。エラー判定の処理については、図33および34を参照して後述する。エラー判定の結果、エラーが検出されなかった場合には、制御ブロックペイロードに与えられた位置識別情報と既知の信号ブロックペイロード再配置規則とに従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)をソートすなわち再配置前の位置に戻す[図32:RT3−e7]。
次いで、制御ブロックペイロードから位置識別情報を取り除くあるいは既知の規則に従って制御ブロックペイロードの状態を送信側において位置識別情報を挿入する前の状態に変換する[図32:RT3−e8]。
エラーが検出された場合には、スーパーブロックペイロード内の8個の信号ブロックペイロードのすべてをエラーが発生したことを示すコード(例えば、IEEE 802.3aeにおいて定義されているエラーキャラクター/E/)を格納したエラー制御ブロックペイロードに変換する[図32:RT3−e9]。
次いで、信号ブロックペイロードの各々に、当該信号ブロックペイロードが制御コードを格納した制御ブロックペイロードであるかデータを格納したデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を付加することにより、64B/66Bブロックの列Bを復号し[図32:RT3−5]、出力する[図32:RT3−6]。
スーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれていない場合[図32:RT3−e3]には、グループ(G)内における既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループ(G)内でデータブロックペイロードBd’を再配置前の位置に戻し、信号ブロックヘッダBdhを付加することにより、64B/66Bブロックの列Bを復号し[図32:RT3−5]、出力する[図32:RT3−6]。
図33および34を参照して、エラー判定処理について説明する。図33は、本実施形態のエラー判定処理のフローの概要を示す図である。図34は、エラー判定処理に用いるフラグの状態遷移の概要を説明する図である。
図33を参照すると、まず第1のエラー判定処理として、スーパーブロック内に格納されたすべての制御ブロックの位置情報の競合を確認する[図33:RT3−e602]。より詳細には、制御ブロックペイロードBc’の各々に与えられたグループG内における位置を識別するための位置識別情報posのすべてを抽出し、抽出した位置識別情報が重複するか否か(すなわち重複した位置に配置されていたと示された制御ブロックペイロードBc’の有無)を判定する。位置識別情報が重複した場合には、フラグを0に設定し[図33:RT3−e614]、エラー有りを出力して[図33:RT3−e616]エラー判定を終了する。
位置識別情報が重複しない場合には、第2のエラー判定処理を行う。第2のエラー判定処理は、スーパーブロック内のすべての制御ブロックペイロードBc’のブロックタイプ値を用い、ブロックタイプ値がブロックタイプ(制御コード)についての所定の条件を示すか否かを判定する。ここで、ブロックタイプについての所定の条件とは、制御コードキャラクタの出現順序が終端キャラクタ/T/、アイドルキャラクタ/I/、スタートキャラクタ/S/の順序に保持されているかを確認するものである。
スーパーブロック内には8個の信号ブロックペイロード(Bd’、Bc’)が格納されているので、最大で8個の制御ブロックペイロードBc’のブロックタイプ値について順次条件判定を繰り返す必要がある。このため、カウンター(CNT)を用いる。
第2のエラー判定処理では、まずカウンター値を0に初期化し[図33:RT3−e604]、以降の条件判定処理を行う毎にカウンター値を1ずつインクリメントする[図33:RT3−e606]。
次いで、現在のカウンター値と等しい値の位置識別情報posが付与された制御ブロックペイロードBc’があるか否かを判定する[図33:RT3−e608]。現在のカウンター値と等しい値の位置識別情報posが付与された制御ブロックペイロードBc’が無い場合には、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図33:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図33:RT3−e606]へ戻る。
現在のカウンター値と等しい値の位置識別情報posが付与された制御ブロックペイロードBc’が検出された場合には[図33:RT3−e608]、当該制御ブロックペイロードのブロックタイプ値を参照して、/T/を含む制御ブロックペイロードであるか否かを判定する[図33:RT3−e618]。制御ブロックペイロードが/T/を含む場合、フラグの状態が0であるか否かを判定する[図33:RT3−e620]。フラグの状態が0である場合には、フラグの値を1にセットし、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図33:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図33:RT3−e606]へ戻る。
図34に示すように、フラグの状態は、/T/を含む制御ブロックペイロードが検出されると1へ、また/S/を含む制御ブロックペイロードが検出されると0へ遷移する。つまり、フラグが1であることは、現在考慮されている制御ブロックペイロードより前に、/T/を含む制御ブロックペイロードが検出された後に/S/を含む制御ブロックペイロードが検出されていないことを示すように機能する。
フラグの状態が1である場合には[図33:RT3−e620]、/T/を含む制御ブロックペイロードが検出された後に/S/を含む制御ブロックペイロードが検出されずに、現在考慮中の/T/を含む制御ブロックペイロードが検出されたこと、すなわち、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されていないことを示す。したがって、フラグの値を0にセットし[図33:RT3−e624]、エラー有りを出力して[図33:RT3−e626]エラー判定を終了する。
制御ブロックペイロードが/T/を含まない場合[図33:RT3−e618]、/I/のみで構成された制御ブロックペイロードであるか否かを判定する[図33:RT3−e628]。制御ブロックペイロードが/I/のみの場合、フラグの状態が1であるか否かを判定する[図33:RT3−e630]。フラグの状態が1である場合には、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図33:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図33:RT3−e606]へ戻る。
フラグの状態が0である場合には[図33:RT3−e630]、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されていないことを示すので、エラー有りを出力して[図33:RT3−e631]エラー判定を終了する。
制御ブロックペイロードが/I/のみで構成されていない場合[図33:RT3−e628]、/S/を含む制御ブロックペイロードであるか否かを判定する[図33:RT3−e632]。制御ブロックペイロードが/S/を含む場合、フラグの状態が1であるか否かを判定する[図33:RT3−e634]。フラグの状態が1である場合には、フラグの値を0にセットし[図33:RT3−e636]、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図33:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図33:RT3−e606]へ戻る。
フラグの状態が1である場合には、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されていないことを示すので、エラー有りを出力して[図33:RT3−e638]エラー判定を終了する。
上記の通り、制御ブロックについての所定の条件とは、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されているかを確認するものである。
特に、制御ブロックペイロードが/T/を含むか否かの判定では、前に到着したスーパーブロック列の状態を記憶するフラグ(図34)により、スーパーフレームをまたがるブロック列の順序異常を判定することもできる。
本実施形態によれば、ビットエラーによってタイプフィールド値に誤りが発生した場合においても、制御ブロックペイロードの列に搭載されるすべての制御コードキャラクタの搭載パターンに対して、2ビットエラーの100%検出が可能となり、エラーが発生したことを示す特定のエラーコードを割り当てたエラーを示す制御ブロックペイロードへの変換が可能となる。
また、スーパーブロックヘッダが少なくとも2ビット以上の冗長度が与えられた情報である場合には、スーパーブロックを抽出する工程[図32:RT3−e2]において、スーパーブロックヘッダにおけるビット誤り判定し、スーパーブロックヘッダに誤りが発生した場合に当該スーパーブロックペイロードに格納された8個の信号ブロックペイロードのすべてをエラーが発生したことを示すエラー制御ブロックペイロードに変換する第3のエラー判定処理を実行するようにしてもよい。
[実施形態3−2]
図35乃至37を参照して、送信側において信号ブロックの列から信号ブロックヘッダおよびクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部を削除し信号ブロックペイロードをグループ化して生成されたスーパーブロックから、受信側において信号ブロックを復元する実施形態を説明する。本実施形態によれば、一連の処理において、信号ブロックヘッダおよびクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部が削除され、スーパーブロックを伝送するためのビットレートが抑圧される。なお、上記実施形態と重複する説明は省略する。
(送信側の信号ブロックの処理)
送信側は、上述した第2の実施形態の信号処理方法により、信号ブロックヘッダおよびクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部が削除されたスーパーブロックSまたはS+を生成して、伝送フレームFのペイロードに格納して送信する。
上記実施形態3−1と同様に、G3およびG4についての位置識別情報は、それぞれBc’に含まれた制御コードのブロックタイプBc0を変更することにより格納することができる。
ところで、ビット誤りによりEthernetフレームの終端位置が上位層(MAC:Media Access Control層)に伝わらず、次のフレームとの判別ができずに両フレームが廃棄あるいは他のEthernet装置へ誤ったままフレームが転送される場合がある。これは、終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロック(制御ブロックフォーマット#8〜15にしたがった制御ブロック)が、入れ替わる誤りによって生じる。
したがって、本実施形態では、15種類の制御コードのタイプを示す8ビットのブロックタイプ値(Bock Type 1)を4ビットのブロックタイプ値(Bock Type 2)に符号化する際に、終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロックについては、ハミング距離がすべて2以上となる4ビットの組み合わせ用いるように符号化する。これにより、4ビットのブロックタイプ値(Bock Type 2)に1ビットの誤りが生じたとしても、これらは終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロック(図25の#8〜15)以外の制御ブロックとして判断される(例えば、非特許文献6参照)。
また、クロック調整用キャラクタの除去により、8ビットのブロックタイプ値(Block Type1)によって示されたパターン以外のパターン(例えば、/T/と/S/が同一の制御ブロックペイロードに格納されているパターン)に対しては、4ビットに圧縮したブロックタイプ値(Block Type2)として使用されていないブロックタイプ値(図25に示す例では、「0100」、これをスペシャルブロックタイプ値という。またスペシャルブロックタイプ値を割り当てられた制御ブロックペイロードをスペシャル制御ブロックペイロードという。)を割り当てる。
以上、送信側における信号ブロック列処理方法を説明したが、これを逆に辿ることで受信側において受信する伝送フレームFから、信号ブロックの列Bを復元することができる。
(受信側の信号ブロックの処理)
スーパーブロックペイロード内に前記制御ブロックペイロードが含まれている場合に、スーパーブロックペイロード内の位置識別情報およびブロックタイプ値のすべてを用いてエラーの有無を判定する。
図35乃至37を参照して、受信側における信号ブロックの列Bの復元のため信号ブロック列処理方法を説明する。図35は、本実施形態の信号ブロック列処理方法のフローの概要を示す図である。
図35を参照すると、伝送フレームFに格納されたウルトラブロックUを抽出することから始まる[図35:RT3−1]。
伝送フレームFにおけるスーパーブロックの開始位置示すポインタを用いない場合や伝送フレームを用いずにスーパーブロックを送受信する場合にはスーパーブロックヘッダにより同期をとり、スーパーブロックの列を抽出する[図35:RT3−e2]。伝送フレームFがポインタを格納している場合には、受信した伝送フレームFのヘッダ(ヘッダの所定位置に格納されたポインタ)を参照し、ポインタに基づいて、スーパーブロックの列を抽出する[図35:RT3−e2]。
更に、送信側におけるウルトラブロックの生成手順とは逆の手順、すなわち、図16に示すST16からST12までを遡る。誤り訂正符号を使用する場合には、スーパーブロックに付与された当該スーパーブロック(列)についての誤り訂正符号に基づいてエラーチェックおよびエラー訂正を実行する。スクランブルされている場合には、デスクランブルも行う。
次いで、受信したスーパーブロックのスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)を参照(スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を参照)することにより、スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定する[図35:RT3−e3]。
制御ブロックペイロードBc’が含まれている場合には、制御ブロックを抽出し[図35:RT3−e4]、制御ブロックの位置識別情報から、再配置前の位置情報とブロックタイプ値を抽出する[図35:RT3−e5]。
次いで、抽出した再配置前の位置情報とブロックタイプ値を用いてエラー判定を行う[図35:RT3−e6]。エラー判定の処理については、図36を参照して後述する。
エラー判定の結果、エラーが検出されなかった場合には、制御ブロックペイロードに与えられた位置識別情報と既知の信号ブロックペイロード再配置規則とに従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)をソートすなわち再配置前の位置に戻す[図35:RT3−e7]。さらに、ここで、送信側において削除されたクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部を挿入する。クロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの全部を挿入する方法については、図18,19,37を参照して後述する。クロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部を挿入する方法については、23A,23B,24A,24Bを参照した上述したので、重複する説明は省略。
次いで、制御ブロックペイロードから位置識別情報を取り除くあるいは既知の規則に従って制御ブロックペイロードの状態を送信側において位置識別情報を挿入する前の状態に変換する[図35:RT3−e8]。
エラーが検出された場合には、スーパーブロックペイロード内の8個の信号ブロックペイロードのすべてをエラーが発生したことを示すコード(例えば、IEEE 802.3aeにおいて定義されているエラーキャラクター/E/)エラー制御ブロックペイロードに変換する[図35:RT3−e9]。
次いで、信号ブロックペイロードの各々に、当該信号ブロックペイロードが制御コードを格納した制御ブロックペイロードであるかデータを格納したデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を付加することにより、64B/66Bブロックの列Bを復号し[図35:RT3−5]、出力する[図35:RT3−6]。
スーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれていない場合[図35:RT3−e3]には、グループ(G)内における既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループ(G)内でデータブロックペイロードBd’を再配置前の位置に戻し、信号ブロックヘッダBdhを付加することにより、64B/66Bブロックの列Bを復号し[図35:RT3−5]、出力する[図35:RT3−6]。
図36を参照して、エラー判定処理について説明する。図36は、本実施形態のエラー判定処理のフローの概要を示す図である。
本実施形態のエラー判定処理のフロー(図36)は、スーパーブロックペイロードにスペシャル制御ブロックペイロードが含まれる場合の処理(図36:RT3−e610、RT3−e612)が追加された点で上記実施形態3−1のエラー判定処理のフロー(図33)と異なる。従って、重複する説明は省略する。
本実施形態では、第2のエラー判定処理の工程において、現在のカウンター値と等しい値の位置識別情報posが付与された制御ブロックペイロードBc’が検出された場合には[図36:RT3−e608]、当該制御ブロックペイロードのブロックタイプを参照して、スペシャル制御ブロックペイロードであるか否かを判定する[図36:RT3−e610]。
制御ブロックペイロードがスペシャル制御ブロックペイロードである場合、フラグの状態が0であるか否かを判定する[図36:RT3−e612]。フラグの状態が0である場合には、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図36:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図36:RT3−e606]へ戻る。
フラグの状態が1である場合には[図36:RT3−e612]、/T/を含む制御ブロックペイロードが検出された後に/S/を含む制御ブロックペイロードが検出されずに、現在考慮中の/T/および/S/を含むスペシャル制御ブロックペイロードが検出されたこと、すなわち、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されていないことを示す。したがって、フラグの値を0にセットし[図36:RT3−e624]、エラー有りを出力して[図36:RT3−e616]エラー判定を終了する。
スペシャル制御ブロックペイロードではない場合[図36:RT3−e610]、制御ブロックペイロードのブロックタイプを参照して、/T/を含む制御ブロックペイロードであるか否かを判定する[図36:RT3−e618]工程へ進み、上記実施形態3−1と同様の条件判定処理を行う。
また、スーパーブロックヘッダが少なくとも2ビット以上の冗長度が与えられた情報である場合には、上記実施形態3−1と同様に、スーパーブロックを抽出する工程[図35:RT3−e2]において第3のエラー判定処理を実行するようにしてもよい。
次に、図18,19,37を参照して、クロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの全部(一部ではなく全体)を挿入する方法について説明する。
図37を参照すると、グループG内で再配置前の位置に戻された信号ブロックの列B’に対応する信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)の列を入力することから始まる[図37:RT3−e702]。
次いで、図18に示すような連続する2つの制御ブロックペイロードBc’のブロックタイプ値を用いて、送信側で当該2つの制御ブロックBcの間からクロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccが削除されたかを判定する[図37:RT3−e704]。
図19は、連続する2つの制御ブロックペイロードBc’のブロックタイプ値の組み合わせ条件Aの例を示す表である。ブロックタイプ値の組み合わせがパターン1〜16のいずれかであれば、当該2つの制御ブロックBcの間にクロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccに対応する制御ブロックペイロードを挿入し[図37:RT3−e706]、出力する[図37:RT3−e708]。
[実施形態3−3]
図38Aおよび38Bを参照して、第3の実施形態を説明する。図38Aおよび38Bは上述した信号ブロック列処理を実施する信号処理装置の機能ブロック図であり、図38Aは送信側の信号処理装置の機能ブロックを示し、図38Bは受信側の信号処理装置の機能ブロックを示す。
図38Aを参照すると、送信側の信号ブロック処理装置は、入力された信号ブロック列Bからクロックを抽出してFIFOバッファ102に書き込み用クロックを供給するクロック抽出回路104と、クロック抽出回路から供給されるクロックで信号ブロック列Bを格納するFIFOバッファ102と、FIFOバッファから読み出されたブロック列のグループGをスーパーブロック列Sまたはウルトラブロック列Uに変換する符号変換回路108と、符号変換回路から出力されたスーパーブロック列またはウルトラブロック列を伝送フレームFにマッピングする伝送フレームマッピング回路110とを備える。
符号変換回路は、信号ブロックヘッダの削除、信号ブロックペイロードの再配置、制御ブロックペイロードへの位置識別情報の付与の処理[図31:ST3−4乃至ST3−17]を実施する機能を担う。
実施形態3−2で説明した信号ブロック列処理を実施する信号ブロック処理装置では、入力された信号ブロック列Bからクロック調整用キャラクタを検出し、クロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部をFIFOから削除する指示を与えるクロック調整用キャラクタ検出回路106をさらに備える。
FIFOバッファの読み出し用クロックは、伝送フレームマッピング回路の動作クロックと同じ伝送フレーム用クロックが供給される。これにより、信号伝送で規定されるクロック周波数誤差に相当するジッタ量と同じ量のクロック調整用キャラクタを削除したブロック列がFIFOバッファから読み出され、符号変換回路においてスーパーブロック列に変換され、伝送フレームマッピング回路110において伝送フレームのペイロードに格納されて出力される。
図38Bを参照すると、受信側の信号ブロック処理装置は、入力された伝送フレームFからスーパーブロックSを抽出する伝送フレームマッピング回路210と、伝送フレームマッピング回路からのスーパーブロックSから信号ブロック列Bに復号する符号変換回路208と、符号変換回路において復号された信号ブロック列Bを格納するFIFOバッファとを備える。
符号変換回路208は、上記実施形態3−1および3−2で説明した各種エラー判定処理あるいは実施形態3−2で説明したクロック調整用キャラクタの挿入の処理[図32および35:RT3−e3乃至RT3−6]を実施する機能を担う。
[実施形態3−4]
次に、図27および28を参照して上述したブロック信号処理方法を実施する信号処理装置、これを内蔵した光信号送信装置および光信号受信装置を説明する。図27、28は、上述したブロック信号処理方法を実施する光信号送信装置を、LANとWANの境界に設置されるLAN−WANエッジ装置Wとして示した図であり、その構成を示す図である。なお、図27、28の詳細な説明は、上記第2の実施形態の説明と重複する部分を省略する。
図27に示す光信号受信装置の信号ブロック変換部W21−24は、それぞれ異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックの列を処理してスーパーブロックSを生成し、さらに1つのグループGSにグループ化してウルトラブロックUを生成して出力する。信号ブロック変換部W21−24は、例えば、図38Aおよび38Bに示した伝送フレームマッピング回路110および伝送フレームデマッピング回路210以外の機能ブロックを含むもとのすることができる。
フレーム化部W3は、例えば、図38Aおよび38Bに示した伝送フレームマッピング回路110および伝送フレームデマッピング回路210の機能ブロックを含むもとのすることができる。
本発明に係る光信号受信装置は、上記の光信号送信装置における各部の信号入出力を逆にすることで実現することができる。
[実施形態3−5]
次に、図29を参照して本発明の一実施形態に係る信号伝送システムであり、上述したブロック信号処理方法を実施する伝送システムを説明する。図29に信号伝送システムは、図27または28を参照して説明した2つの信号送信装置がそれぞれLAN−WANエッジ装置W_1およびW_2として用いられ、光ファイバなどの信号線Lwwで接続された構成である。図29のEthernet装置E1−4およびE5−8は、図27または28のEthernet装置E1−4にそれぞれ対応する。
<第4の実施の形態>
上記の通り本発明によれば、送信側において、信号ブロックペイロードと信号ブロックヘッダとからなる信号ブロックの列が並列に複数列入力され、入力された信号ブロックの列が処理されて、スーパーブロックが出力される。一連の処理において、信号ブロックヘッダおよびクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部が削除され、スーパーブロックを伝送するためのビットレートが抑圧される。
並列に入力された複数の信号ブロックの列は、列毎に処理されて、各々の列に対応するスーパーブロックが出力される。出力されたスーパーブロックの列は、一つにグループ化されて出力される。あるいは、互いに異なる信号ブロックの列に含まれる信号ブロックを処理して生成された1つのスーパーブロックが出力される。
また、受信側において、送信側において生成されたスーパーブロックを受信して、スーパーブロックペイロード内の制御ブロックペイロードに付与された位置識別情報のすべてについての重複有無の判定およびスーパーブロックペイロード内の制御ブロックペイロードに格納されたブロックタイプ値のすべてを用いた所定条件の判定によるエラー検出が行われる。これにより、エラーの伝搬が排除される。以下、図面を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。
図39は、信号ブロックの処理の過程の概要を示す図である。上記第1および第2の実施形態と同様に、図39において、本実施形態に従って1つのスーパーブロックに処理される信号ブロックの列をBで示している。データを格納している信号ブロックペイロードをBd’で示し、制御コードを格納している信号ブロックペイロードをBc’とで示している。また、データブロックペイロードBd’の信号ブロックヘッダをBdhで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダをBchで示している。さらに、データブロックペイロードBd’と信号ブロックヘッダBdhからなる信号ブロックをBdで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダBchからなる信号ブロックをBcで示している。信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)は、信号ブロックペイロードが制御ブロックペイロードBc’であるかデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む。制御ブロックペイロードBc’には、そこに格納された制御コードBc1の種別を識別するための情報Bc0が格納されている。信号ブロックBc_1は、制御ブロックペイロードBc’にクロック調整用のキャラクタのみを格納した信号ブロックを示している。
本実施形態によれば、入力された信号ブロックの列Bからクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードBc’を含む信号ブロック(Bc_1)が削除される。次いで、削除された信号ブロックを除く信号ブロックの列B’の各々から信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)が削除され、予め定められた数の信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が1つのグループGにグループ化される。図39において、1つのグループにグループ化された8個の信号ブロックペイロードがそれぞれG0〜G7として示されている。G3およびG4は、それぞれ制御ブロックペイロードBc’である。
更に、本実施形態によれば、グループG内の信号ブロックペイロードに対する処理(制御ブロックペイロードへの位置識別情報の付与、信号ブロックペイロードの再配置)が行われてスーパーブロックSが出力される。スーパーブロックSは、例えば、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送されるか、あるいは、さらに複数のスーパーブロックSからなるグループGSにグループ化され、グループGSに同期ヘッダが与えられたウルトラブロックUの形態で伝送フレームFにマッピングされて伝送される。
また、本実施形態によれば、生成されたスーパーブロックあるいはスーパーブロックの列についての誤り訂正符号fecが生成され、誤り訂正符号fecが付加されたスーパーブロックS+を出力するようにすることもできる。スーパーブロックS+は、スーパーブロックSと同様に、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送される。
上記第2の実施形態と同様に、以下の説明では必要に応じて、EthernetのMAC(10Gb/s)信号を64B/66Bブロック符号化したものを信号ブロックBの一例とし、またODUk/OPUk(k=1,2,3)フレームを伝送フレームFの一例として用いる。ここで、64B/66Bブロックのデータブロックが信号ブロックBdに対応し、制御ブロックが信号ブロックBcに対応する。また、信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)は、例えば、非特許文献1のFigure 49-7に示されたSyncコードに対応する。信号ブロックBdのデータブロックペイロードBd’内のBd0〜7はそれぞれ8bitのMACフレームデータに対応する。制御ブロックペイロードBc’内のBc0はブロックタイプであり、非特許文献1のFigure 49-7に示されたBlock Type Fieldに対応する。制御ブロックペイロードBc’内のBc1は制御コードに対応する。クロック調整用キャラクタのみからなる64B/66Bブロックは、非特許文献1のFigure 49-7に示されたBlock Type Fieldの値が0x1eであるブロックである。ODUk/OPUkフレームFは、42バイト(ODUkヘッダ=34バイト、OPUkのヘッダ=8バイト)のヘッダFhと15232バイトのペイロードFpからなる伝送フレームである。また、本実施形態では、理解を容易にするために、具体的にビット数やデータ書き込み位置、信号の種類、ビットレート、フレーム等を明示しているが、この限りではない。
本実施形態の信号ブロック列処理方法は、図16を参照して説明した上記第2の実施形態における信号処理方法のフローを適用する。上記第2の実施形態の説明と重複する説明の一部は省略する。本実施形態において、64B/66Bブロックの列Bは、信号送信装置に含まれた信号処理装置に対して複数の10G Ethernet装置Eから並列に入力された複数の信号ブロックの列いずれかである64B/66Bブロックの列、あるいは互いに異なる信号ブロックの列から抽出された64B/66Bブロックの列とすることができる。すなわち、信号処理装置に対して並列に入力された信号ブロックについて、図16に示す処理(ST2−1乃至ST2−18)が適用される。図16に示す処理の重複する説明は省略する。
なお、スクランブル処理については、(図16:ST2−11c、ST2−11d、ST2−16)、スーパーブロックを生成した(図16:ST2−12c、ST2−12d)後および/またはウルトラブロックを生成した(図16:ST2−17)後に実施することもできる。この場合には、所定のヘッダをマスクしてペイロードのみをスクランブルする。
上記では、ブロックタイプを参照することにより、クロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccを削除する実施形態を説明したが、64B/66BブロックBccの一部を削除するようにすることができる。
本実施形態は、図20A,20Bおよび21を参照して説明した処理方法を適用して、64B/66BブロックBccの一部を削除してもよい。。64B/66BブロックBccの一部を削除する処理の説明は省略する。
ここで、制御ブロックペイロードBc’に対して位置識別情報を与える方法[図16:ST2−8]を説明する。
図39に示すように、G3およびG4についての位置識別情報は、それぞれBc’に含まれた制御コードのブロックタイプBc0を変更することにより、格納することができる。図39において、位置情報を格納したG3およびG4のブロックタイプをそれぞれBc0+_0およびBc0+_1として示している。G3およびG4についての位置識別情報は、それぞれBc0+_0およびBc0+_1(例えば、8ビット)のうちのph0およびph1(4ビット)として格納される。ここで、ph0のpos0(3ビット)はグループGの並び順(G3の位置)を示し、nx0(1ビット:1)には引き続き制御ブロックペイロードBc’がSpc1に配置されていることを示す。同様に、ph1のpos1(3ビット)はグループGの並び順(G4の位置)を示し、nx1(1ビット:0)には引き続きデータブロックペイロードBd’がSpc2に配置されることを示す。本実施形態では、ブロックタイプBc0は、8bitであり、ph0(ph1)の4bit以外の4bitを用いて制御ブロックペイロードBc’に格納された制御コードBc1の15種類のタイプを示すことができる。
図25は、非特許文献1のFigure 49-7に規定されている15種類(#1〜15)の制御ブロックフォーマット(Control Block Formats)およびこれを識別するブロックタイプ値(Block Type 1)と、本実施形態より、位置識別情報とともに制御ブロックペイロードに与えられる、特定のブロックタイプ間のハミング距離が最大化されるように符号化されたブロックタイプ値(Block Type 2)との関係を示す表である。
本実施形態においても、ビット誤りによりEthernetフレームの終端位置が上位層(MAC:Media Access Control層)に伝わらず、次のフレームとの判別ができずに両フレームが廃棄あるいは他のEthernet装置へ誤ったままフレームが転送される場合がある。これは、終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロック(制御ブロックフォーマット#8〜15にしたがった制御ブロック)が、入れ替わる誤りによって生じる。
したがって、本実施形態においても、15種類の制御コードのタイプを示す8ビットのブロックタイプ値(Bock Type 1)を4ビットのブロックタイプ値(Bock Type 2)に符号化する際に、終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロックについては、ハミング距離がすべて2以上となる4ビットの組み合わせ用いるように符号化する。これにより、4ビットのブロックタイプ値(Bock Type 2)に1ビットの誤りが生じたとしても、これらは終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロック(図25の#8〜15)以外の制御ブロックとして判断される(例えば、非特許文献6参照)。
また、クロック調整用キャラクタの除去により、8ビットのブロックタイプ値(Block Type1)によって示されたパターン以外のパターン(例えば、/T/と/S/が同一の制御ブロックペイロードに格納されているパターン)に対しては、4ビットに圧縮したブロックタイプ値(Block Type2)として使用されていないブロックタイプ値(スペシャルブロックタイプ値:図25に示す例では、「0100」を割り当てる。
特に、IEEE 802.3ae(非特許文献1)に規定されるEthernetの場合、信号ブロックの列は64B/66Bで符号化され、制御ブロックは1バイトのタイプフィールドでキャラクタ格納情報を提供している。また、1バイトのタイプフィールドで15種のキャラクタ格納情報を表しているため、4ビットの冗長度を有する。
本実施形態におけるスーパーブロックへの変換過程における位置識別情報の生成過程において、64B/66Bで符号化された制御ブロックのタイプフィールド(Block Type Field)値8ビットを4ビットに再符号化し、また1ビットでスーパーブロックのペイロードに制御ブロックを再配置したときの後段ブロックが制御ブロックであることを示す継続ビットとし、3ビットで制御ブロックの再配置前の位置情報を示すこととしている。さらに、制御ブロックがスーパーブロックのペイロードに含まれるか否かを示すスーパーブロックヘッダは最低1ビット必要である。上記のことから、8個の64B/66Bブロックの列をグループ化した512ビットのスーパーブロックペイロードを含む512B/513Bで構成するスーパーブロックが最も高効率な符号変換則となる。また、スーパーブロックヘッダをスーパーブロックペイロードに制御ブロックペイロードが含まれるか否かを示す冗長度を与えた少なくとも2ビットの情報(例えば、01と10,001と100のようなハミング距離が最大となるような2つのビット列)とすること、すなわち8個の64B/66Bブロックの列をグループ化した512ビットのスーパーブロックペイロードを含む512B/514Bで構成するスーパーブロックとすることで、受信側において、自己同期によりスーパーブロックの抽出が可能となるとともにスーパーブロックヘッダのビット誤り検出耐性が向上する。また、スーパーブロックヘッダを冗長度を与えた情報とすることで、上記で説明したポインタpをODUk/OPUkフレームのヘッダの特定の位置に格納する処理は不要となる。
また、受信側は、送信側における信号ブロック列処理方法を逆に辿ることで受信する伝送フレームFから、信号ブロックの列Bを復元することができる。
本実施形態の受信側における信号ブロックの列Bの復元のため信号ブロック列処理は、上記第3の実施の形態で図35乃至37を参照して説明した信号処理方法を適用することで、スーパーブロックペイロード内に前記制御ブロックペイロードが含まれている場合に、スーパーブロックペイロード内の位置識別情報およびブロックタイプ値のすべてを用いてエラーの有無を判定するように構成することができる。
再び図35乃至37を参照して、受信側における信号ブロックの列Bの復元のため信号ブロック列処理方法を説明する。図35は、本実施形態の信号ブロック列処理方法のフローの概要を示す図である。
図35を参照すると、伝送フレームFに格納されたウルトラブロックUを抽出することから始まる[図35:RT3−1]。
伝送フレームFにおけるスーパーブロックの開始位置示すポインタを用いない場合や伝送フレームを用いずにスーパーブロックを送受信する場合にはスーパーブロックヘッダにより同期をとり、スーパーブロックの列を抽出する[図35:RT3−e2]。伝送フレームFがポインタを格納している場合には、受信した伝送フレームFのヘッダ(ヘッダの所定位置に格納されたポインタ)を参照し、ポインタに基づいて、スーパーブロックの列を抽出する[図35:RT3−e2]。
更に、送信側におけるウルトラブロックの生成手順とは逆の手順、すなわち、図16に示すST2−16からST2−12までを遡る。誤り訂正符号を使用する場合には、スーパーブロックに付与された当該スーパーブロック(列)についての誤り訂正符号に基づいてエラーチェックおよびエラー訂正を実行する。スクランブルされている場合には、デスクランブルも行う。
次いで、受信したスーパーブロックのスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)を参照(スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を参照)することにより、スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定する[図35:RT3−e3]。
制御ブロックペイロードBc’が含まれている場合には、制御ブロックを抽出し[図35:RT3−e4]、制御ブロックの位置識別情報から、再配置前の位置情報とブロックタイプ値を抽出する[図35:RT3−e5]。
次いで、抽出した再配置前の位置情報とブロックタイプ値を用いてエラー判定を行う[図35:RT3−e6]。エラー判定の処理については、図36を参照して後述する。
エラー判定の結果、エラーが検出されなかった場合には、制御ブロックペイロードに与えられた位置識別情報と既知の信号ブロックペイロード再配置規則とに従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)をソートすなわち再配置前の位置に戻す[図35:RT3−e7]。さらに、ここで、送信側において削除されたクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部を挿入する。クロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部を挿入する方法については、図18,19,37を参照して上述したので説明を省略する。
次いで、制御ブロックペイロードから位置識別情報を取り除くあるいは既知の規則に従って制御ブロックペイロードの状態を送信側において位置識別情報を挿入する前の状態に変換する[図35:RT3−e8]。
エラーが検出された場合には、スーパーブロックペイロード内の8個の信号ブロックペイロードのすべてをエラーが発生したことを示すコード(例えば、IEEE 802.3aeにおいて定義されているエラーキャラクター/E/)を格納したエラー制御ブロックペイロードに変換する[図35:RT3−e9]。
次いで、信号ブロックペイロードの各々に、当該信号ブロックペイロードが制御コードを格納した制御ブロックペイロードであるかデータを格納したデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を付加することにより、64B/66Bブロックの列Bを復号し[図35:RT3−5]、出力する[図35:RT3−6]。
スーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれていない場合[図35:RT3−e3]には、グループ(G)内における既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループ(G)内でデータブロックペイロードBd’を再配置前の位置に戻し、信号ブロックヘッダBdhを付加することにより、64B/66Bブロックの列Bを復号し[図35:RT3−5]、出力する[図35:RT3−6]。
図36および34を参照して、エラー判定処理について説明する。図36は、本実施形態のエラー判定処理のフローの概要を示す図である。図34は、エラー判定処理に用いるフラグの状態遷移の概要を説明する図である。
図36を参照すると、まず第1のエラー判定処理として、スーパーブロック内に格納されたすべての制御ブロックの位置情報の競合を確認する[図36:RT3−e602]。より詳細には、制御ブロックペイロードBc’の各々に与えられたグループG内における位置を識別するための位置識別情報posのすべてを抽出し、抽出した位置識別情報が重複するか否か(すなわち重複した位置に配置されていたと示された制御ブロックペイロードBc’の有無)を判定する。位置識別情報が重複した場合には、フラグを0に設定し[図36:RT3−e614]、エラー有りを出力して[図36:RT3−e616]エラー判定を終了する。
位置識別情報が重複しない場合には、第2のエラー判定処理を行う。第2のエラー判定処理は、スーパーブロック内のすべての制御ブロックペイロードBc’のブロックタイプ値を用い、ブロックタイプ値がブロックタイプ(制御コード)についての所定の条件を示すか否かを判定する。ここで、ブロックタイプについての所定の条件とは、制御コードキャラクタの出現順序が終端キャラクタ/T/、アイドルキャラクタ/I/、スタートキャラクタ/S/の順序に保持されているかを確認するものである。
スーパーブロック内には8個の信号ブロックペイロード(Bd’、Bc’)が格納されているので、最大で8個の制御ブロックペイロードBc’のブロックタイプ値について順次条件判定を繰り返す必要がある。このため、カウンター(CNT)を用いる。
第2のエラー判定処理では、まずカウンター値を0に初期化し[図36:RT3−e604]、以降の条件判定処理を行う毎にカウンター値を1ずつインクリメントする[図36:RT3−e606]。
次いで、現在のカウンター値と等しい値の位置識別情報posが付与された制御ブロックペイロードBc’があるか否かを判定する[図36:RT3−e608]。現在のカウンター値と等しい値の位置識別情報posが付与された制御ブロックペイロードBc’が無い場合には、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図36:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図36:RT3−e606]へ戻る。
現在のカウンター値と等しい値の位置識別情報posが付与された制御ブロックペイロードBc’が検出された場合には[図36:RT3−e608]、当該制御ブロックペイロードのブロックタイプを参照して、スペシャル制御ブロックペイロードであるか否かを判定する[図36:RT3−e610]。
制御ブロックペイロードがスペシャル制御ブロックペイロードである場合、フラグの状態が0であるか否かを判定する[図36:RT3−e612]。フラグの状態が0である場合には、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図36:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図36:RT3−e606]へ戻る。
フラグの状態が1である場合には[図36:RT3−e612]、/T/を含む制御ブロックペイロードが検出された後に/S/を含む制御ブロックペイロードが検出されずに、現在考慮中の/T/および/S/を含むスペシャル制御ブロックペイロードが検出されたこと、すなわち、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されていないことを示す。したがって、フラグの値を0にセットし[図36:RT3−e624]、エラー有りを出力して[図36:RT3−e616]エラー判定を終了する。
スペシャル制御ブロックペイロードではない場合[図36:RT3−e610]、制御ブロックペイロードのブロックタイプを参照して、/T/を含む制御ブロックペイロードであるか否かを判定する[図36:RT3−e618]。制御ブロックペイロードが/T/を含む場合、フラグの状態が0であるか否かを判定する[図36:RT3−e620]。フラグの状態が0である場合には、フラグの値を1にセットし、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図36:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図36:RT3−e606]へ戻る。
図34に示すように、フラグの状態は、/T/を含む制御ブロックペイロードが検出されると1へ、また/S/を含む制御ブロックペイロードが検出されると0へ遷移する。つまり、フラグが1であることは、現在考慮されている制御ブロックペイロードより前に、/T/を含む制御ブロックペイロードが検出された後に/S/を含む制御ブロックペイロードが検出されていないことを示すように機能する。
フラグの状態が1である場合には[図36:RT3−e620]、/T/を含む制御ブロックペイロードが検出された後に/S/を含む制御ブロックペイロードが検出されずに、現在考慮中の/T/を含む制御ブロックペイロードが検出されたこと、すなわち、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されていないことを示す。したがって、フラグの値を0にセットし[図36:RT3−e624]、エラー有りを出力して[図36:RT3−e626]エラー判定を終了する。
制御ブロックペイロードが/T/を含まない場合[図36:RT3−e618]、/I/のみで構成された制御ブロックペイロードであるか否かを判定する[図36:RT3−e628]。制御ブロックペイロードが/I/のみの場合、フラグの状態が1であるか否かを判定する[図36:RT3−e630]。フラグの状態が1である場合には、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図36:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図36:RT3−e606]へ戻る。
フラグの状態が0である場合には[図36:RT3−e630]、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されていないことを示すので、エラー有りを出力して[図36:RT3−e631]エラー判定を終了する。
制御ブロックペイロードが/I/のみで構成されていない場合[図36:RT3−e628]、/S/を含む制御ブロックペイロードであるか否かを判定する[図36:RT3−e632]。制御ブロックペイロードが/S/を含む場合、フラグの状態が1であるか否かを判定する[図36:RT3−e634]。フラグの状態が1である場合には、フラグの値を0にセットし[図36:RT3−e636]、現在のカウンター値が8であるかを判定し[図36:RT3−e640]、カウンター値をインクリメントする工程[図36:RT3−e606]へ戻る。
フラグの状態が1である場合には、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されていないことを示すので、エラー有りを出力して[図36:RT3−e638]エラー判定を終了する。
上記の通り、制御ブロックについての所定の条件とは、制御コードキャラクタの出現順序が/T/、/I/、/S/の順序に保持されているかを確認するものである。
特に、制御ブロックペイロードが/T/を含むか否かの判定では、前に到着したスーパーブロック列の状態を記憶するフラグ(図34)により、スーパーフレームをまたがるブロック列の順序異常を判定することもできる。
本実施形態によれば、ビットエラーによってタイプフィールド値に誤りが発生した場合においても、制御ブロックペイロードの列に搭載されるすべての制御コードキャラクタの搭載パターンに対して、2ビットエラーの100%検出が可能となり、エラーが発生したことを示す特定のエラーコードを割り当てたエラーを示す制御ブロックペイロードへの変換が可能となる。
また、スーパーブロックヘッダが少なくとも2ビット以上の冗長度が与えられた情報である場合には、スーパーブロックを抽出する工程[図35:RT3−e2]において、スーパーブロックヘッダにおけるビット誤り判定し、スーパーブロックヘッダに誤りが発生した場合に当該スーパーブロックペイロードに格納された8個の信号ブロックペイロードのすべてをエラーが発生したことを示すエラー制御ブロックペイロードに変換する第3のエラー判定処理を実行するようにしてもよい。
図38Aおよび38Bを参照して、上述した信号ブロック列処理方法を実施する信号処理装置を説明する。図38Aおよび38Bは当該信号処理装置の機能ブロック図であり、38Aは送信側の信号処理装置の機能ブロックを示し、38Bは受信側の信号処理装置の機能ブロックを示す。
図38Aを参照すると、送信側の信号ブロック処理装置は、入力された信号ブロック列Bからクロックを抽出してFIFOバッファ102に書き込み用クロックを供給するクロック抽出回路104と、クロック抽出回路から供給されるクロックで信号ブロック列Bを格納するFIFOバッファ102と、FIFOバッファから読み出されたブロック列のグループGをスーパーブロック列Sまたはウルトラブロック列Uに変換する符号変換回路108と、符号変換回路から出力されたスーパーブロック列またはウルトラブロック列を伝送フレームFにマッピングする伝送フレームマッピング回路110とを備える。
また、信号ブロック列処理を実施する信号ブロック処理装置は、入力された信号ブロック列Bからクロック調整用キャラクタを検出し、クロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部をFIFOから削除する指示を与えるクロック調整用キャラクタ検出回路106をさらに備える。
FIFOバッファの読み出し用クロックは、伝送フレームマッピング回路の動作クロックと同じ伝送フレーム用クロックが供給される。これにより、信号伝送で規定されるクロック周波数誤差に相当するジッタ量と同じ量のクロック調整用キャラクタを削除したブロック列がFIFOバッファから読み出され、符号変換回路においてスーパーブロック列に変換され、伝送フレームマッピング回路110において伝送フレームのペイロードに格納されて出力される。
符号変換回路108は、信号ブロックヘッダの削除、信号ブロックペイロードの再配置、制御ブロックペイロードへの位置識別情報の付与の処理[図16:ST2−4乃至ST2−17]を実施する機能を担う。
図38Bを参照すると、受信側の信号ブロック処理装置は、入力された伝送フレームFからスーパーブロックSを抽出する伝送フレームマッピング回路210と、伝送フレームマッピング回路からのスーパーブロックSから信号ブロック列Bに復号する符号変換回路208と、符号変換回路において復号された信号ブロック列Bを格納するFIFOバッファとを備える。
符号変換回路208は、上述した各種エラー判定処理およびクロック調整用キャラクタの挿入の処理[図35:RT3−e3乃至RT3−6]を実施する機能を担う。
並列に入力された複数の信号ブロックの列を列毎に処理し、各々の列に対応するスーパーブロックを生成して多重する場合には、図40に示すように並列に入力される信号ブロックの列の数の符号変換回路108と伝送フレームマッピング回路110との間に、多重化(MUX)回路109を配置し、ビットあるいは所定ビット単位でのタイムスロット割り当てにより伝送フレームのペイロードに格納する。
図41は、10ギガビットイーサネット信号を4多重して、OTN3フレームに格納した場合の、当該フレームの使用領域を示している。
OPU3のペイロードのビットレートは40.150519322Gbpsである。OTN3フレームへの非同期マッピングでは、速度差を吸収するために、ジャスティフィケーション・コントロールが定義されており、NJO/PJOのバイト使用をすることが規定されている。この規定に従えば、図40に示すように、OPU3におけるペイロードのビットレートは最大40.15315525Gbpsとなる。OTNのジッタトレランスの±20ppmを考慮して、収容信号に割り当てられるビットレートは40.15235219Gbpsとなる。
一方、IEEE 802.3ae(非特許文献1)で規定される10ギガビットイーサネット信号はクロックジッタとして±100ppmのジッタを有する。したがってビットレートは、9.999Gbpsから10.001Gbpsである。
10ギガビットイーサネット信号を512B/514Bで符号変換するとビットレートはジッタ分を考慮して、10.03805859Gbpsから10.04006641Gbpsとなる。最大にクロック調整用キャラクタ(アイドル)を削除して速度調整をすると10.03805859Gbpsまで速度調整が可能である。10ギガビットイーサ信号を4多重すると、40.15223437Gbpsの信号速度となる。
したがって、10ギガビットイーサネット信号をクロック調整用キャラクタ削除によるクロック調整を行い、512B/514Bで符号変換した場合に、OPU3ペイロードに収容することが可能となる。
次に、図42および43を参照して、並列に入力された互いに異なる信号ブロックの列に含まれる信号ブロックを抽出して、抽出した複数の信号ブロックの列を処理して1つのスーパーブロックを生成するための信号処理装置の構成を説明する。
図42は、送信側の信号ブロック処理装置の機能ブロックを示す。図43は、受信側の信号ブロック処理装置の機能ブロックを示す。
図42を参照すると、送信側の信号ブロック処理装置は、例えば、各々異なる10G Ethernet装置と接続し信号を受信するための4つの物理インタフェース(PHY)304と、受信した信号の各々から64B/66Bブロック列を復号し出力する64B/66B復号部306と、復号された64B/66Bブロック列間の伝搬遅延時間の差(Skew)を調整し、信号ブロックペイロードからクロック調整用のキャラクタを削除する伝搬遅延時間差調整部306と、クロック調整用のキャラクタが削除された信号ブロックペイロードを64B/66Bブロックに再ブロック化する64B/66B符号化部308と、再ブロック化された信号ブロックの列から8個の64B(信号ブロックペイロード)を1つのグループ(G)にグループ化して512B/514Bブロック(スーパーブロックペイロードS)に変換する512B/514B変換部310と、512B/514BブロックをOTNフレームにマッピングするOTNフレームマッピング部312とを備える。
図42において、4つの物理インタフェース(PHY)304からそれぞれ入力された信号から復号された64B/66Bブロック列をA1〜4,B1〜4,C1〜4およびD1〜4として示している。また、図42において、64B/66Bブロック列に周期的に現れるマーカブロックをMとして示している。マーカブロックMは、信号ブロックの列間の位相を示すブロックである。また、信号ブロックD1は、アイドルカラム/I/が削除される信号ブロックである。
伝搬遅延時間差調整部306は、マーカブロックを参照して、各64B/66Bブロック列間の伝搬遅延時間の差(Skew)を調整し、マーカブロックを削除する。また、伝搬遅延時間差調整部306は、例えば図20Aおよび22Aを参照して説明した処理により、信号ブロックペイロードからクロック調整用のキャラクタを削除する。さらに、伝搬遅延時間差調整部306は、4つの信号ブロック列から信号ブロックを受信側に既知の順序で出力することにより、1つの信号ブロック列を出力する。
64B/66B符号化部308は、伝搬遅延時間差調整部306からの信号ブロックを、例えば図20Bおよび図22Bを参照して説明した処理を実行することにより、64B/66B信号ブロックに再ブロック化する。
512B/514B変換部310は、再ブロック化された信号ブロックの列を入力し、8個の64B(信号ブロックペイロード)を1つのグループ(G)にグループ化して512Bのスーパーブロックペイロードを生成し、2ビットのスーパーブロックヘッダを付加して512B/514Bブロック(スーパーブロックS)に変換する。すなわち512B/514B変換部310は、図16を参照して説明した信号ブロック処理(ST2−4からST2−12)を実施する機能を担う。
上記説明では、64B/66B符号化部308は、信号ブロックペイロードが制御コードを格納するかを判定して信号ブロックヘッダを付加して再ブロック化する。他方、512B/514B変換部310は、スーパーブロックペイロードが制御ブロックペイロードを格納するかを判定してスーパーブロックヘッダを付加する。また、512B/514B変換部310は、64B/66B符号化部308で付加された信号ブロックヘッダを削除する。このような64B/66B符号化部308と512B/514B変換部310の処理の冗長を回避して回路の簡略化を図るように、64B/66B符号化部308が、信号ブロックヘッダを付加せずに信号ブロックペイロードのみからなる列を512B/514B変換部310へ出力するとともに、8個の信号ブロックペイロード毎に当該信号ブロックペイロードのいずれかが制御ブロックを格納するか否かを示す2ビットの冗長度を備えた情報を512B/514B変換部310へ出力するように構成してもよい。これにより、512B/514B変換部310は、64B/66B符号化部308からの8個の信号ブロックペイロードに対して再配置処理やスクランブル処理を実行してスーパーブロックペイロードとした後に、64B/66B符号化部308の2ビットの情報をスーパーブロックヘッダとして付加することで、512B/514Bブロック(スーパーブロックS)に変換することができる。
図42において、アイドルカラム/I/が削除された信号ブロックD1の残りとA2の一部とを再ブロック化した信号ブロックを信号ブロックD’1として示している。また、A2の残りの一部とB2の一部を再ブロック化した信号ブロックを信号ブロックA’2として示している。
本実施形態では、512B/514B変換部310は、2ビットの冗長度を備えたスーパーブロックヘッダを付加したスーパーブロックを生成する。
図43を参照すると、受信側の信号ブロック処理装置は、ODU3信号を受信してOTNフレームから512B/514Bブロックを抽出するOTNフレームデマッピング部412と、512B/514B変換部410と、64B/66B復号部408と、伝搬遅延時間差調整部406と、64B/66B符号化部404と、4つの物理インタフェース(PHY)402とを備える。
OTNフレームデマッピング部412は、2ビットの冗長度を備えたスーパーブロックヘッダを検出してスーパーブロック列の同期をとる。
512B/514B変換部410は、デスクランブルなどの処理を行い、スーパーブロックを抽出する。
64B/66B復号部408は、スーパーブロックヘッダ値からスーパーブロック列が制御ブロックを含むか否かを識別する判断を行う。制御ブロックを含む場合は、制御ブロックを抽出し、制御ブロックの位置識別情報から、再配置前の位置情報とブロックタイプを抽出し、エラー判定を行い、64B/66Bブロックの列Bを出力する機能を担う。すなわち、64B/66B復号部408は、図35を参照して説明した信号ブロック列処理(RT3−e2からRT3−6)を実施する機能を担う。
伝搬遅延時間差調整部406は、64B/66B復号部408からシリアルで出力される1つの64B/66B信号ブロックの列から信号ブロックを4つの信号ブロック列に分離し、4つの信号ブロック列の各々に、所定の周期でマーカブロックを挿入する。
64B/66B符号化部404は、マーカブロックおよび64B/66B信号ブロックを処理してPHYインタフェース402へ出力する。
次に、図27および28を参照して上述したブロック信号処理方法を実施する信号処理装置、これを内蔵した光信号送信装置および光信号受信装置を説明する。図27、28は、本発明の一実施形態である光信号送信装置を、LANとWANの境界に設置されるLAN−WANエッジ装置Wとして示した図であり、その構成を示す図である。LAN−WANエッジ装置Wは、光ケーブルや電気ケーブルなどの信号線Lew1−4を介して4台の10G Ethernet装置E1−4と接続されている。ここで、理解を容易にする目的で、10G Ethernet装置E内の構成については敢えて明記していない。同様に、LAN−WANエッジ装置Wについても、本発明に直接関係しない機能等については簡略化・省略してある。なお、ここでは、伝送フレームFを光信号に変換して送信する光信号送信装置、および光信号に変換された伝送フレームFを受信する光信号受信装置を説明するが、伝送フレームFを電気信号で送受信する信号送受信装置として本発明を実施することもできることは言うまでもない。
LAN−WANエッジ装置Wは、10G Ethernet装置E1−4からの光/電気信号をPMD(Physical Medium Dependent)およびPMA(Physical Medium Attachment)部W11−14でそれぞれ受信・シリアルパラレル変換して64B/66Bブロック列をLw11−14に出力する。また、Lw11−14からの64B/66Bブロック列をPMDおよびPMA部W11−14でそれぞれパラレルシリアル変換して信号線Lew1−4へ光/電気信号を出力する。
図27に示す光信号受信装置の信号ブロック変換部W21−24は、それぞれ異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックの列を処理してスーパーブロックSを生成し、さらに1つのグループGSにグループ化してウルトラブロックUを生成して出力する。信号ブロック変換部W21−24は、例えば、図38Aおよび38Bに示した伝送フレームマッピング回路110および伝送フレームデマッピング回路210以外の機能ブロックを含むものとすることができる。
フレーム化部W3は、信号ブロック変換部W21−24の各スーパーブロック出力部から出力されたスーパーブロックSの列あるいは各ウルトラブロック出力部から出力されるウルトラブロックUの列を、OPU3/ODU3/OTU3などの伝送フレームFにフレーム化し、フレーム化した信号を信号線Lw3へ出力する。スーパーブロックSの列あるいはウルトラブロックUの列は、伝送フレームFのペイロードおよびヘッダの受信側に既知の特定の領域にマッピングすることができる。フレーム化部W3は、例えば、図38Aおよび38Bに示した伝送フレームマッピング回路110および伝送フレームデマッピング回路210の機能、ならびに図40に示した多重化(MUX)回路109の機能を含むものとすることができる。
光信号出力部W4は、PMDにより信号先Lw3から入力された伝送フレームFをパレレルシリアル変換し光信号に変換して、他WAN装置に向けて光ファイバなどの信号線Lwwへ出力する。
他方、図28に示す光信号受信装置の信号ブロック変換部W2’1−2’4は、それぞれ異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックの列を処理してスーパーブロックSを生成して出力する。さらに別の信号ブロック変換部W2’’は、信号ブロック変換部W21−24から出力されたスーパーブロックS(異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックペイロードを含むスーパーブロックS)を1つのグループGSにグループ化してウルトラブロックUを生成して、Lw2”を介してフレーム化部W3へ出力する。
図28に示す光信号受信装置のフレーム化部W3は、別の信号ブロック変換部W2’のウルトラブロック出力部から出力されるウルトラブロックUの列を、OPU3/ODU3/OTU3などの伝送フレームFにフレーム化し、フレーム化した信号を信号線Lw3へ出力する。
図28に示す光信号受信装置の光信号出力部W4は、PMDにより信号先Lw3から入力された伝送フレームFをパレレルシリアル変換し光信号に変換して、他WAN装置に向けて光ファイバなどの信号線Lwwへ出力する。
本発明に係る光信号受信装置は、上記の光信号送信装置における各部の信号入出力を逆にすることで実現することができる。
次に、図29を参照して本発明の一実施形態に係る信号伝送システムを説明する。図29に信号伝送システムは、図27または28を参照して説明した2つの信号送信装置がそれぞれLAN−WANエッジ装置W_1およびW_2として用いられ、光ファイバなどの信号線Lwwで接続された構成である。図29のEthernet装置E1−4およびE5−8は、図27または28のEthernet装置E1−4にそれぞれ対応する。
<第5の実施の形態>
上記の通り本発明によれば、信号ブロックペイロードと信号ブロックヘッダとからなる信号ブロックを処理されて、スーパーブロックが出力される。一連の処理において、信号ブロックヘッダが削除され、スーパーブロックを伝送するためのビットレートが抑圧される。また、本発明によれば、スーパーブロックを処理して、当該スーパーブロックの基となった信号ブロックが出力される。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
上記第1の実施の形態において図1乃至7を参照して説明した信号ブロックの処理と同様の信号ブロックの処理が行われる。
更に、本実施形態によれば、グループG内の信号ブロックペイロードに対する処理が行われてスーパーブロックSが出力される。スーパーブロックSは、誤り訂正符号における情報ビットとして用いられ、誤り訂正符号の冗長ビットが生成される。スーパーブロックSは、誤り訂正符号の冗長ビットが付加されて、例えば、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送される。図1において、G’は、グループGからスーパーブロックSが出力さる過程におけるグループの状態を示している。また、図1において、制御ブロックペイロードBc’を含むスーパーブロックをスーパーブロックScとして示し、制御ブロックペイロードBc’を含まない(データブロックペイロードBd’のみで構成された)スーパーブロックをスーパーブロックSdとして示している。
図44乃至49を参照して、スーパーブロックを誤り訂正符号における情報ビットとして誤り訂正符号の冗長ビットを生成して付加する本実施形態の信号処理方法を説明する。図44は、スーパーブロックについての誤り訂正符号の冗長ビットの付加の概要を示す図である。図45乃至49は、信号ブロック処理装置の概略構成図を示す図である。
図44において、B3で示す64B/66Bブロックは図1においてB(Bc,Bd)で示す信号ブロックに対応し、B4で示すスーパーブロックは図1においてS(Sc,Sd)で示すスーパーブロックに対応する。また、図45乃至49において、V1で示す元信号ブロックの列は、図1においてB(Bc,Bd)で示す信号ブロックの列に対応する。さらに、図45乃至49において、V3,V5,V6およびV9は、図1においてS(Sc,Sd)で示すスーパーブロックの列に対応する。
図45乃至49に示す信号ブロック処理装置は各々、スーパーブロック構成装置F3と、誤り訂正エンコーダF1とを備える。誤り訂正エンコーダF1は、スーパーブロック構成装置F3で生成されたスーパーブロックの列(V3,V5,V6,V9)を誤り訂正符号における情報ビットとして用いて誤り訂正符号の冗長ビット(R1)を生成し、当該冗長ビットを付加したスーパーブロックの列(V4,V10)を出力する。
[実施形態5−1]
図44および45を参照すると、信号ブロック処理装置のスーパーブロック構成装置F3は、入力された信号ブロックの列V1(N個の信号ブロックB3の列、Nは1以上の整数)に対して、各信号ブロックB3から信号ブロックヘッダB2を削除し(A1)、残りのN個の信号ブロックペイロードB1をグループ化して、各々M個(Mは1以上N以下の整数)の信号ブロックペイロードを含むスーパーブロックB4の列を構成する(A2)。このとき、信号ブロックのビットレート(ブロックサイズ)とスーパーブロックのビットレート(ブロックサイズ)との差に対応するビットB7が生じる。これらの処理は、図1乃至6を参照して詳細に説明したので、繰り返しの説明は省略する。
信号ブロック処理装置の誤り訂正エンコーダF1は、スーパーブロックを誤り訂正符号における情報ビットとして用いて誤り訂正符号の冗長ビットR1を生成し(A4)、信号ブロックからスーパーブロックを構成することによって生じたビットB7(ビットレートが抑圧された結果生じる余剰帯域)の一部またはすべてを用いて生成した誤り訂正符号による冗長ビットR1を付加して出力することができる(A3)。
より詳細には、誤り訂正エンコーダF1は、入力されたスーパーブロックの列を誤り訂正符号の処理単位である1ビット以上のシンボルに分割して、分割されたシンボルを用いて誤り訂正符号の冗長ビットR1を演算する(A4)。なお、誤り訂正符号の処理単位であるシンボルは、例えば、Reed-Solomon符号などにおいてバイト(byte)とも呼ばれる。
例えば、スーパーブロックB4を512B/514Bブロック符号(スーパーブロックヘッダB6=2ビット、スーパーブロックペイロードB5=512ビット)とし、N=32,M=8とした場合、N個の信号ブロック全体は2112(=66×32)ビットとなるのに対して、N/M個のスーパーブロック全体は2056(514×4)ビットとなり、生じた余剰帯域であるビットB7は56ビットとなる。したがって、誤り訂正エンコーダF1は、56ビット以下の冗長ビットを生成するように誤り訂正符号を実装すればよい。例えば、誤り訂正符号として巡回符号を実装することができ、この場合、誤り訂正エンコーダF1は、生成行列から導かれるシフトレジスタ・バッファ・テーブルなどを含み、入力ビット列(スーパーブロック列)を入力として冗長ビットを算出するように構成される。
更に、誤り訂正エンコーダF1に実装することができる誤り訂正符号の異なるいくつかの例について説明する。
[実施形態5−2]
誤り訂正エンコーダF1は、誤り訂正符号として巡回Fire符号及び短縮巡回Fire符号を実装することができる。この場合、誤り訂正符号による冗長ビットのビット数をrとすると訂正可能バーストエラー数は(r+1)/3以下に限られる。そこで訂正可能バーストエラー数を、(r+1)/3以下で、誤り訂正符号に対する演算が適用するシステムに求められる時間を超えない範囲で、かつ訂正符号の符号長がN/M個のスーパーブロックの符号長以上のものを選択し、生成多項式を導き、用いる。
上記巡回符号の例と同様に、スーパーブロックB4を512B/514Bブロック符号(スーパーブロックヘッダB6=2ビット、スーパーブロックペイロードB5=512ビット)とし、N=32,M=8とした場合、利用可能な余剰帯域であるビットB7は56ビットとなる。このとき、生成多項式g(x)をg(x)=(x37+1)×(19次の既約多項式)とすると、19ビット以下の長さのバーストエラーを訂正可能な巡回Fire符号が得られる。このようにして得られる巡回Fire符号の本来の符号長は長いため、本実施形態ではこれを符号長2112,情報ビット長2056に短縮して用いる。
以下、表1にN/M、利用可能な冗長ビット数、最大訂正可能バーストエラー長(表中lengthで示す。)、および生成多項式の一例の関係を示す。
[実施形態5−3]
また、誤り訂正エンコーダF1は、誤り訂正符号として巡回BCH符号及び短縮巡回BCH符号を実装することができる。この場合、訂正可能なランダムエラーのビット数は情報ビット長と冗長ビット数によって上限が定められる。そこで訂正可能なランダムエラーの数を、誤り訂正符号による冗長ビットのビット数rで実現でき、誤り訂正符号に対する演算が適用するシステムに求められる時間を超えない範囲で、かつ訂正符号の符号長がN/M個のスーパーブロックの符号長以上のものを選択し、生成多項式を導き、用いる。
上記巡回符号の例と同様に、スーパーブロックB4を512B/514Bブロック符号(スーパーブロックヘッダB6=2ビット、スーパーブロックペイロードB5=512ビット)とし、N=32,M=8とした場合、利用可能な余剰帯域であるビットB7は56ビットとなる。このときガロア体GF(212)を考慮すると、最大4ビットの誤りを訂正可能なBCH符号が得られる。このようにして得られるBCH符号の符号長は長いため、本実施形態ではこれを短縮して用いる。
以下、表2にN/M、利用可能な冗長ビット数、最大訂正可能ビットエラー数の関係を示す。
[実施形態5−4]
また、誤り訂正エンコーダF1は、誤り訂正符号として巡回Reed-Solomon符号及び短縮巡回Reed-Solomon符号を実装することができる。この場合、Reed-Solomon演算において1バイトを何ビットとするか(mビットとする)及び何バイトまで訂正可能とするか(tバイトとする)に制約が存在する。そこで誤り訂正符号に対する演算が適応するシステムに求められる時間を超えない範囲で、かつ訂正符号の符号長がN/M個のスーパーブロックの符号長以上のものを以下の条件からmおよびtを選択し、生成多項式を導き、用いる。
まず、ランダム誤りに対する耐性を考慮し、r≧2mtを満たす範囲から最大のtを選択する。次に選択したtに対して、r≧2mtを満たす範囲から最大のmを選択する。ただし、m,tは共に自然数である。
上記巡回符号の例と同様に、スーパーブロックB4を512B/514Bブロック符号(スーパーブロックヘッダB6=2ビット、スーパーブロックペイロードB5=512ビット)とし、N=32,M=8とした場合、利用可能な余剰帯域であるビットB7は56ビットとなる。このとき、2mt≦56および符号長からm≧9を満たす必要があるため、t=3,m=9とすると、1[byte]を9[bit]とし3[byte]まで訂正可能なReed-Solomon符号が得られる。このようにして得られるReed-Solomon符号の符号長は長いため、本実施形態ではこれを短縮して用いる。
以下、表3にN/M、利用可能な冗長ビット数、上記条件の中で好適と思われるm,tの関係を示す。
[実施形態5−5]
図46に示す信号ブロック処理装置は、信号ブロックの列V1を複数の信号ブロック列V2に分割するブロック列分割装置F2を備え、スーパーブロック構成装置F3がブロック列分割装置F2によって分割された信号ブロック列V2を入力としそれぞれに対応する複数のスーパーブロックの列V3を出力し、さらに誤り訂正エンコーダF1が複数のスーパーブロックの列V3の各々に対して冗長ビットR1を算出し、当該冗長ビットR1を付加した複数のスーパーブロックの列V4を出力する点で図45に示す信号ブロック処理装置と相違する。図46に示す信号ブロック処理装置は、入力された信号ブロックの列V1を複数の伝送路を介して並列に送信するのに好適であり、この場合、ブロック列分割装置F2は信号ブロックの列V1を伝送路の数に対応した数の信号ブロック列V2に分割するように構成される。
[実施形態5−6]
図47に示す信号ブロック処理装置は、スーパーブロック構成装置F3によって生成されたスーパーブロックの列V5を複数のスーパーブロックの列V6に分割するブロック列分割装置F2を備え、誤り訂正エンコーダF1が複数のスーパーブロックの列V6の各々に対して冗長ビットR1を算出し、当該冗長ビットR1を付加した複数のスーパーブロックの列V4を出力する点で図45に示す信号ブロック処理装置と相違する。図47に示す信号ブロック処理装置は、図46に示す信号ブロック処理装置と同様に、入力された信号ブロックの列V1を複数の伝送路を介して並列に送信するのに好適である。
[実施形態5−7]
図48に示す信号ブロック処理装置は、信号ブロックの列V1を複数の信号ブロック列V2に分割するブロック列分割装置F2と、スーパーブロック構成装置F3と誤り訂正エンコーダF1の機能が一体化され複数の信号ブロック列V2の各々を入力として冗長ビットを付加した複数のスーパーブロックの列V4を出力する処理部と、複数のスーパーブロックの列V4の全部または一部を任意の単位(ビット、バイト(8ビット)、スーパーブロックの単位)で多重する1つまたは複数の多重化装置とを備える。図48に示す信号ブロック処理装置は、図46に示す信号ブロック処理装置と同様に、入力された信号ブロックの列V1を複数の伝送路を介して並列に送信するのに好適である。
[実施形態5−8]
図49に示す信号ブロック処理装置は、誤り訂正エンコーダF1から出力された冗長ビットR1を付加した複数のスーパーブロックの列V4の全部または一部を任意の単位(ビット、バイト(8ビット)、スーパーブロックの単位)で多重する1つまたは複数の多重化装置を備える点で図47に示す信号ブロック処理装置と相違する。図49に示す信号ブロック処理装置は、図46に示す信号ブロック処理装置と同様に、入力された信号ブロックの列V1を複数の伝送路を介して並列に送信するのに好適である。
図48および49に示す多重化装置は、入力される複数のスーパーブロックの列V4から所定量のビットを、例えばラウンド法で読み出し多重するように構成することができる。伝送路でバーストエラーが発生し、受信側でビット多重された信号列を複数のブロック列に再構成した場合、各ブロック列が有するバーストエラー長は伝送路で発生したバーストエラー長より短くなる。すなわち、誤り訂正符号によって伝送路で生じた誤りを訂正できる確率を増大させることができる。
以上、送信側における信号ブロック列処理方法を説明したが、これを逆に辿ることで受信側において受信する伝送フレームFから、信号ブロック列を復元することができる。
具体的には、受信側において、受信した伝送フレームFのヘッダ(ヘッダの所定位置に格納されたポインタ)を参照し、ポインタに基づいて、最初のスーパーブロック(S)を抽出する。伝送フレームFのペイロードに複数のスーパーブロックが格納されている場合には、続くスーパーブロックを抽出する。誤り訂正符号を使用する場合には、スーパーブロックに付与された当該スーパーブロックの列についての誤り訂正符号の冗長ビットに基づいてエラーチェックおよびエラー訂正を実行する。
更に、受信したスーパーブロックのスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)を参照(スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を参照)することにより、スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し、制御ブロックペイロードBc’が含まれている場合に、制御ブロックペイロードに与えられた位置識別情報と既知の信号ブロックペイロード再配置規則とに従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)を再配置前の位置に戻す。また、制御ブロックペイロードから位置識別情報を取り除くあるいは既知の規則に従って制御ブロックペイロードの状態を送信側において位置識別情報を挿入する前の状態に戻す。スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれていない場合には、グループ(G)内における既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループ(G)内でデータブロックペイロードBd’を再配置前の位置に戻す。また、既知の規則に従って、信号ブロックペイロードの並び順を、信号ブロックペイロードが1つのグループにグループ化される前の並び順に、並び替える。すなわち、送信側において64B/66BブロックBを受信した順番(メモリへ書き込んだ順番)に並び替える。次いで、信号ブロックペイロードの各々に、当該信号ブロックペイロードが制御コードを格納した制御ブロックペイロードであるかデータを格納したデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を付加して、信号ブロックの列を出力する。
なお、本実施形態では、誤り訂正符号による冗長ビットを付加したスーパーブロックの列が伝送フレームに格納されて伝送路を介して送受信される例を説明したが、誤り訂正符号による冗長ビットを付加したスーパーブロックの列の伝送方式はこれに限定されるのもではない。
また、本実施形態を第1の実施の形態と関連づけて説明したが、本明細書中の他の実施の形態に提供できることは言うまでもない。
<第6の実施の形態>
上記の通り本発明によれば、信号ブロックペイロードと信号ブロックヘッダとからなる信号ブロックの列が入力され、入力された信号ブロックの列が処理されて、スーパーブロックが出力される。以下、一連の処理において、信号ブロックヘッダおよびクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部が削除され、スーパーブロックを伝送するためのビットレートが抑圧される実施形態を説明するが、クロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部を削除することなく、信号ブロックヘッダのみを削除してスーパーブロックを生成することでも伝送するためのビットレートを抑圧することができる。また、本発明によれば、入力されたスーパーブロックが処理されて、当該スーパーブロックの基となった信号ブロックが出力(復元)される。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図15は、本実施形態の信号ブロックの処理の過程の概要を示す図である。図15において、入力された信号ブロックの列をBで示している。データを格納している信号ブロックペイロードをBd’で示し、制御コードを格納している信号ブロックペイロードをBc’とで示している。また、データブロックペイロードBd’の信号ブロックヘッダをBdhで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダをBchで示している。さらに、データブロックペイロードBd’と信号ブロックヘッダBdhからなる信号ブロックをBdで示し、制御ブロックペイロードBc’の信号ブロックヘッダBchからなる信号ブロックをBcで示している。信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)は、信号ブロックペイロードが制御ブロックペイロードBc’であるかデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む。制御ブロックペイロードBc’には、そこに格納された制御コードBc1の種別を識別するための情報Bc0が格納されている。信号ブロックBc_1は、制御ブロックペイロードBc’にクロック調整用のキャラクタのみを格納した信号ブロックを示している。
本実施形態によれば、入力された信号ブロックの列Bからクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードBc’を含む信号ブロック(Bc_1)が削除される。次いで、削除された信号ブロックを除く信号ブロックの列B’の各々から信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)が削除され、予め定められた数の信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が1つのグループGにグループ化される。図15において、1つのグループにグループ化された8個の信号ブロックペイロードがそれぞれG0〜G7として示されている。G3およびG4は、それぞれ制御ブロックペイロードBc’である。
更に、本実施形態によれば、グループG内の信号ブロックペイロードに対する処理(制御ブロックペイロードへの位置識別情報の付与、信号ブロックペイロードの再配置)が行われてスーパーブロックSが出力される。スーパーブロックSが、さらに複数のスーパーブロックSのスーパーブロックペイロードからなるグループMGにグループ化され、複数のスーパーブロックSのスーパーブロックヘッダShcから生成されたメタスーパーブロックヘッダMShが付加されて、メタスーパーブロックMSが出力される。メタスーパーブロックMSは、例えば、伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送されるか、あるいは、さらに複数のメタスーパーブロックMSからなるグループMSGに同期ヘッダが与えられたウルトラブロックUの形態で伝送フレームFにマッピングされて伝送される。なお、スーパーブロックヘッダShcが付加されたスーパーブロックSを生成(出力)することなく、スーパーブロックペイロードをグループMGにグループ化し、メタスーパーブロックヘッダMShを付加してメタスーパーブロックMSを生成(出力)するように構成することもできる。
また、本実施形態によれば、生成されたスーパーブロックあるいはスーパーブロックの列についての誤り訂正符号fecが生成され、誤り訂正符号fecが付加されたスーパーブロックS+を出力するようにすることもできる。スーパーブロックS+は、スーパーブロックSと同様に、図52に示すように、メタスーパーブロックMSあるいはウルトラブロックUの形態で伝送フレームFのペイロードに格納されて伝送される。
上記他の実施形態と同様に、以下の説明では必要に応じて、EthernetのMAC(10Gb/s)信号を64B/66Bブロック符号化したものを信号ブロックBの一例とし、またODUk/OPUk(k=1,2,3)フレームを伝送フレームFの一例として用いる。
図15および50を参照して、本発明の信号ブロック列処理方法に係る実施形態を説明する。
図50は、本実施形態の信号ブロック列処理方法のフローの概要を示す図である。本実施形態の信号ブロック列処理方法は、信号送信装置に含まれた信号処理装置が10G Ethernet装置Eからの64B/66Bブロックの列Bを受信する[図50:ST7−1]ことから始まる。受信した64B/66Bブロックの列Bは、レジスタ等のメモリに格納される。
次いで、ST7−1において受信した64B/66Bブロックの列B内の各64B/66Bブロックについて、ブロックタイプを参照することにより、クロック調整用キャラクタのみからなる64B/66Bブロック(Bcc)であるか否かを判定し[図50:ST7−2]、Bccである場合には、当該64B/66Bブロックを削除する[図50:ST7−3]。64B/66BブロックがBccではない場合には、信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を削除して、信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を生成する[図50:ST7−4]。なお、クロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部を削除することなく、信号ブロックヘッダのみを削除して、スーパーブロックを生成する実施形態では、上記ST7−2およびST7−3は省略され、ST7−4以降の各処理においては制御ブロックペイロードBc’を有する信号ブロックBcとして処理される。
次いで、ST7−4において生成された信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を8個毎にグループ化してグループGを生成する[図50:ST7−6]。生成された信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)が8個より少ない場合は、ST7−1〜ST7−4を繰り返す。図15において、グループG内のG0〜2および5〜7はデータブロックペイロードBd’であり、G3〜4は制御ブロックペイロードBc’である。
次いで、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し[図50:ST7−7]、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれると判定した場合には、制御ブロックペイロードBc’(G3、G4)に対して、グループGにグループ化される前の信号ブロックの列Bにおける制御ブロックペイロードの位置を識別するための位置識別情報を与える[図50:ST7−8]。ヘッダBchおよび/または制御ブロックペイロードBc’内のブロックタイプBc0を参照することで、生成したグループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かの判定することができる。
次いで、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’および制御ブロックペイロードBc’の再配置の位置を規定する受信側に既知の規則(信号ブロックペイロード再配置規則)に従って、G3とG4をそれぞれスーパーブロックSのペイロード内の位置Spc0とSpc1に配置する[図50:ST7−9]。引き続き、データブロックペイロードBd’(G0〜2、5〜7)をそれぞれSpc2〜7に配置する[図50:ST7−10c]。
一方、ST7−5において制御ブロックペイロードBc’が含まれないと判定した場合、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知の規則(データブロックペイロード再配置規則)に従ってデータブロックペイロードBd’をスーパーブロックのペイロードS内の位置Spd0〜7にそれぞれ配置する[図50:ST7−10d]。
ここで、Spc0〜7(Spd0〜7)に信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が配置された後、これらに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性の平準化を行う場合がある[図50:ST7−11cまたはST7−11d]。
次いで、グループGがデータブロックペイロードBd’と制御ブロックペイロードBc’を含んで構成されている場合には、スーパーブロックのペイロード(Spc0〜7)にヘッダShc(1ビット:1)を加えてスーパーブロックScを生成する[図50:ST7−12c]。一方、グループGがデータブロックペイロードBd’のみで構成されている場合には、ペイロード(Spd0〜7)にヘッダShd(1ビット:0)を加えてスーパーブロックSdを生成する[図50:ST7−12d]。
上記の通り、ST7−12cまたはST7−12dにおいて、生成されたスーパーブロックSの1つまたは複数から誤り訂正符号fecを生成してスーパーブロックSに付加して出力することができる。
1つのスーパーブロックについて誤り訂正符号fecを生成した場合、生成したfecをスーパーブロックSに付与し、新たにスーパーブロックS+を生成する[図50:ST7−12]。ここで、64B/66Bブロックの数とスーパーブロックS+内の信号ブロックペイロード(データブロックペイロードBd’または制御ブロックペイロードBc’)の数が同じであり、且つ両者の長さ(ビット数)が同じであれば、64B/66Bブロック列をそのまま伝送する場合と同じビットレート(クロック速度)でありながら誤り耐性が高い(冗長度が高い)伝送が可能となる。
n個のスーパーブロックS(S0〜Sn-1)についての誤り訂正符号fecを生成した場合、生成したfecを1つのスーパーブロックSn+1に付与してS+n+1を生成する[図50:ST7−12]。
次いで、ST7−12cまたはST7−12dで生成された複数(例えば、4個)のスーパーブロックSまたは複数のスーパーブロックS+からメタスーパーブロックMSを生成し[図50:ST7−14]、さらに複数のメタスーパーブロックMSからグループMSGを生成する[図50:ST7−15]。グループMSGに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性の平準化を行う場合がある(MSGs)[図50:ST7−16]。メタスーパーブロックMSの生成については、後述する。
生成されたメタスーパーブロックMSは、そのまま出力することも、順次ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングして出力することもできる。順次ODUk/OPUkフレームにマッピングして出力する場合、ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされたメタスーパーブロックMSの内、最初にヘッダが現れるメタスーパーブロックMSの位置を示すポインタp(ODUk/OPUkフレームにメタスーパーブロックMS0〜MS43マッピングされる場合、メタスーパーブロックMS0のヘッダ(MSh)のポインタ)を参照し、このポインタpをODUk/OPUkフレームのヘッダの特定の位置に格納する。複数のメタスーパーブロックMSが多重化されてODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングされる場合などには、各多重化メタスーパーブロックMSを識別できるポインタを生成し格納する。これにより、受信側におけるODUk/OPUkフレームからのメタスーパーブロックMSの抽出を容易にすることができる。
さらに、グループMSGに、ウルトラブロックヘッダUhを付加してウルトラブロックUを生成[図50:ST7−17]して、出力する[図50:ST7−18]。ウルトラブロックヘッダUhは、例えば、受信側に対して同期情報を提供する2ビットのビット列とすることができる。ウルトラブロックUが生成された後、これらに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性の平準化を行う場合がある。また、生成されたウルトラブロックUの1つまたは複数から誤り訂正符号を生成して、付加してウルトラブロックを出力するようにすることもできる。
本実施形態において、信号ブロックペイロード再配置規則は、グループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれる場合に制御ブロックペイロードBc’(スーパーブロックの位置G3とG4に配置された信号ブロックペイロード)を必ず所定位置から連続して(Spc0,Spc1,・・・の順番で連続して)再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定している場合を例示している。受信側におけるスーパーブロックからの制御ブロックペイロードBc’の抽出を容易にする観点では、この例がより好ましいが別の例に従っても本発明は実施することができる。
例えば、信号ブロックペイロード再配置規則は、制御ブロックペイロードBc’(スーパーブロックの位置G3とG4に配置された信号ブロックペイロード)を必ず一つ飛ばしに連続して(Spc0,Spc2,Spc4,Spc6,仮にグループGに制御コードが5つ以上含まれる場合には、Spc6に続けてSpc1,Spc3,Spc5,Spc7の順に連続して)再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定してもよい。あるいは、信号ブロックペイロード再配置規則は、制御ブロックペイロードBc’をSpc0,Spc1の順番で連続して再配置した後に、制御ブロックペイロードBc’が存在しない位置(Spc2〜Spc7)にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)再配置するように規定してもよい。
他方、データブロックペイロード再配置規則の例は、グループGに制御ブロックペイロードBc’が含まれない場合にデータブロックペイロードBd’の並び順を維持して(つまり、G0,G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7の並び順を保ったまま)、位置Spd0〜Spd7に再配置するように規定することができる。受信側における信号ブロックの復元を容易にする観点では、この例がより好ましいが別の例に従っても本発明は実施することができる。
例えば、データブロックペイロード再配置規則は、データブロックペイロードBd’の並び順を逆転して(つまり、G7,G6,G5,G4,G3,G2,G1,G0の並び順で)、Spd0〜Spd7に再配置するように規定してもよい。あるいは、必ず所定位置から一つ飛ばしに連続して(つまり、Spd0,Spd2,Spd4,Spd6,Spd1,Spd3,Spd5,Spd7の順番で連続して)配置するように規定してもよい。
以上、送信側における信号ブロック列処理方法を説明したが、これを逆に辿ることで受信側において受信する伝送フレームFから、信号ブロックの列Bを復元することができる。
ここで、メタスーパーブロックMSおよびウルトラブロックUの生成について図52乃至55A,55Bおよび55Cを参照して詳細に説明する。
図52は、信号ブロックの処理の過程の概要を示す図である。図52は、図15の一部を含み、スーパーブロックSとメタスーパーブロックMSの関係、およびメタスーパーブロックMSとウルトラブロックUとの関係を示す。図52において、メタスーパーブロックMSは、予め定められた数(例えば4つ)のスーパーブロックのペイロードS0乃至S3をグループ化したグループMGと、予め定められた数のスーパーブロックのヘッダに基づいて生成されたグループ構成情報を含むメタスーパーブロックヘッダHShとを含む。ウルトラブロックUは、予め定められた数(例えば4つ)のメタスーパーブロックMS0乃至MS3をグループ化したMSGとウルトラブロックヘッダUhとを含む。
図53は、本実施形態のメタスーパーブロックMSの生成フローの概要を示す図である。図53に示すメタスーパーブロックMSの生成方法は、ST7−12(図50)で生成されたスーパーブロックSを受信する[図53:ST7−100]ことから始まる。予め定められたX個(例えば4個)のスーパーブロックSが受信されたかを判定し[図53:ST7−101]、X個のスーパーブロック(図52のS0乃至S3)からスーパーブロックヘッダ(Sdh,Sch)を抽出・削除し[図53:ST7−102]、X個のスーパーブロックのペイロードをグループ化してグループMGを生成するとともに、抽出したスーパーブロックヘッダに基づいてメタスーパーブロックヘッダMShを生成し[図53:ST7−103]、生成したメタスーパーブロックヘッダMShをグループMGに付加してメタスーパーブロックMSを生成して[図53:ST7−104]、メタスーパーブロックMSを出力する[図53:ST7−104]。出力されたメタスーパーブロックMSは、ST7−15(図50)へ供給される。また、メタスーパーブロックMSを出力する前に、グループMGに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性を平準化する[図53:ST7−105]ことも、1つまたは複数のメタスーパーブロックMSについての誤り訂正符号FECを生成しこれを付加することもできる[図53:ST7−106]。
ST7−103において生成されるメタスーパーブロックヘッダMShは、スーパーブロックペイロードのグループMGについての構成(並び順)に応じた情報を含む。グループMGについての構成情報はスーパーブロックペイロードの並び順を符号化したタイプ値とすることとができる。
図55A,55Bおよび55Cは、タイプ値の例を示す。図55A,55Bおよび55Cに示すタイプ値は、タイプ値間のハミング距離が2以上となるように構成されている。また、図55A,55Bおよび55Cに示すタイプ値は、受信側においてメタスーパーブロックを受信した際に当該メタスーパーブロックの同期を検出するための同期情報として用いることができるように構成されている。さらに、図55A,55Bおよび55Cの各表には、2つの系列が示されているが、タイプ値は、2つの系列のいずれか一方から選択されるようにすることも、双方から選択されるようにすることもできる。単位時間、例えば1秒、において、ビットの極性(0または1)の出現回数が平均化されるように2つの系列から交互にタイプ値を選択してもよい。本実施例(X=4)の場合、メタスーパーブロックヘッダMShは5ビット以上となる(図55Cの表を参照する)。例えば、制御コードを含むスーパーブロックペイロードが3つ連続した後に制御コードを含まないスーパーブロックペイロードが1つ続いて1つのグループMGを構成している場合、図55Cの表から「01010」または「10101」が選択され、メタスーパーブロックヘッダMShとしてグループMGに付加されメタスーパーブロックMSが出力される[図53:ST7−107]。
なお、生成されたスーパーブロックSの代替としてスーパーブロックS+を用いてもよい。また、スーパーブロックヘッダShcが付加されたスーパーブロックSを受信することなく、スーパーブロックペイロードをグループMGにグループ化し、メタスーパーブロックヘッダMShを付加してメタスーパーブロックMSを生成(出力)するように構成することができる。例えば、図50のステップST7−10cまたはST7−10d(あるいはST7−12cまたはST7−12d)の処理後の状態を格納したメモリなどを参照したプロセッサ処理により、信号ブロックペイロードからメタスーパーブロックMSを直接生成(出力)するようにすることができる。
図54は、図53に示すメタスーパーブロックMSの生成方法と異なる、本実施形態のメタスーパーブロックMSの生成フローの概要を示す図である。図54に示すメタスーパーブロックMSの生成方法は、ST7−12(図50)で生成されたスーパーブロックSのペイロードSdまたはScを受信する[図54:ST7−100’]ことから始まる。予め定められたX個(例えば4個)のスーパーブロックSのペイロードSdまたはScが受信されたかを判定し[図54:ST7−101’]、X個のスーパーブロックのペイロードをグループ化してグループMGを生成し[図54:ST7−102’]、入力されたX個のスーパーブロックに対応するメモリ等に格納されたスーパーブロックヘッダを参照してメタスーパーブロックヘッダMShを生成する[図54:ST7−103’]。その後、図53に示した方法と同様に、生成したメタスーパーブロックヘッダMShをグループMGに付加してメタスーパーブロックMSを生成して[図54:ST7−104]、メタスーパーブロックMSを出力する[図54:ST7−104]。出力されたメタスーパーブロックMSは、ST7−15(図50)へ供給される。また、メタスーパーブロックMSを出力する前に、グループMGに対して受信側に既知のスクランブル処理を行いビット極性を平準化する[図54:ST7−105]ことも、1つまたは複数のメタスーパーブロックMSについての誤り訂正符号FECを生成しこれを付加することもできる[図54:ST7−106]。
なお、生成されたスーパーブロックSの代替としてスーパーブロックS+を用いてもよい。また前述したように、スーパーブロックヘッダShcが付加されたスーパーブロックSを受信することなく、スーパーブロックペイロードをグループMGにグループ化し、メタスーパーブロックヘッダMShを付加してメタスーパーブロックMSを生成(出力)するように構成することができる。
次いで、図17乃至19を参照して、受信側における信号ブロックの列Bの復元方法を説明する。図17は、本実施形態の信号ブロック列処理方法のフローの概要を示す図である。
図17を参照すると、伝送フレームFがウルトラブロックを格納している場合には、ウルトラブロックヘッダを抽出し、該ウルトラブロックヘッダに続くウルトラブロックから複数のメタスーパーブロックMSを抽出することから始まる[図17:RT2−1]。伝送フレームFがウルトラブロックを格納していない場合には、受信した伝送フレームFのヘッダ(ヘッダの所定位置に格納されたポインタ)を参照し、ポインタに基づいて、最初のメタスーパーブロックMSを抽出する。伝送フレームFのペイロードに複数のメタスーパーブロックMSが格納されている場合には、続くメタスーパーブロックMSを抽出する。
さらに、メタスーパーブロックMSのヘッダMSh(グループ構成情報)を参照して、メタスーパーブロックMSからスーパーブロックペイロードS0〜S3を抽出するとともに、削除されたスーパーブロックヘッダ(BdhまたはBch)を復元することで、スーパーブロックSを復元することができる。例えば、図55A,55Bおよび55Cに示す表とヘッダMShに格納されたタイプ値を比較することによりメタスーパーブロックの同期を確立して、スーパーブロックペイロードS0〜S3を抽出するとともに、スーパーブロックペイロードS0〜S3の種類を判定して、削除されたスーパーブロックヘッダ(BdhまたはBch)を復元することができる。
次いで、送信側におけるウルトラブロックの生成手順とは逆の手順、すなわち、図50:ST7−12からST7−4までを遡った後に、クロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccが削除された64B/66Bブロックの列B’を復号する[図17:RT2−2]。
誤り訂正符号を使用する場合には、ウルトラブロックやスーパーブロックに付与された当該ウルトラブロックやスーパーブロック(列)についての誤り訂正符号に基づいてエラーチェックおよびエラー訂正を実行する。また、スクランブル処理を使用する場合には、デスクランブル処理を実行する。
次いで、復元したスーパーブロックのスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)を参照(スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を参照)することにより、スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し、制御ブロックペイロードBc’が含まれている場合に、制御ブロックペイロードに与えられた位置識別情報と既知の信号ブロックペイロード再配置規則とに従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)を再配置前の位置に戻す。また、制御ブロックペイロードから位置識別情報を取り除くあるいは既知の規則に従って制御ブロックペイロードの状態を送信側において位置識別情報を挿入する前の状態に戻す。スーパーブロックのスーパーブロックペイロード内に制御ブロックペイロードBc’が含まれていない場合には、グループ(G)内における既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループ(G)内でデータブロックペイロードBd’を再配置前の位置に戻す。また、既知の規則に従って、信号ブロックペイロードの並び順を、信号ブロックペイロードが1つのグループにグループ化される前の並び順に、並び替える。次いで、信号ブロックペイロードの各々に、当該信号ブロックペイロードが制御コードを格納した制御ブロックペイロードであるかデータを格納したデータブロックペイロードBd’であるかを識別する情報を含む信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を付加する。これにより、64B/66BブロックBccが削除された64B/66Bブロックの列B’を復号する。
次いで、図18に示すような64B/66Bブロックの列B’中の連続する2つの制御ブロックBcのブロックタイプ値を用いて、送信側で当該2つの制御ブロックBcの間からクロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccが削除されたかを判定する[図17:RT2−3]。
図19は、連続する2つの制御ブロックBcのブロックタイプ値の組み合わせ条件Aの例を示す表である。ブロックタイプ値の組み合わせがパターン1〜16のいずれかであれば、当該2つの制御ブロックBcの間にクロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccを挿入し[図17:RT2−4]、送信側で入力された信号ブロックの列Bを復号し[図17:RT2−5]、出力する[図17:RT2−6]。
なお、送信側においてクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部を削除しない場合には、RT2−3において、送信側で当該2つの制御ブロックBcの間からクロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccが削除されていないと判定されるため、RT2−4は省略される。
上記では、ブロックタイプを参照することにより、クロック調整用キャラクタのみからなる64B/66BブロックBccを削除する実施形態を説明したが、64B/66BブロックBccの一部を削除するようにすることができる。
図20A,20Bおよび21を参照して、64B/66BブロックBccの一部を削除する実施形態を説明する。
図20Aは、入力された信号ブロックの列B内の2つの信号ブロックBcの制御ブロックペイロードBc’の制御コードを、パラレル共通インタフェースXGMIIにおけるレーンおよびカラムの概念で示した図である。図20Bは、制御ブロックペイロードBc’の制御コードの一部(/I/)を削除して、1つの信号ブロックBc%に再ブロック化する概要を示した図である。図21は64B/66BブロックBccの一部を削除するフローの概要を示す図である。
光信号送信装置が10G Ethernet装置Eから64B/66Bブロックの列Bを受信する[図21:ST2−1]ことから始まる。受信した64B/66Bブロックの列Bは、レジスタ等のメモリに格納される。
次いで、ST2−1において受信した64B/66Bブロックの列B内の各64B/66Bブロックについて、レーン/カラム化する[図21:ST2−1α]。図20Aにおいて、4つのレーン(Lane0〜3)に対して、カラムは直交する4バイトの組み(#1〜4)で表現されている。
次いで、各カラムについて、クロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるカラムであるか否かを判定し[図21:ST2−1β]、クロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるカラム(アイドルカラム)である場合には、当該カラム(図20Aのカラム#2,3)を削除する[図21:ST2−1γ]。
次いで、クロック調整用キャラクタのみからなるカラムを削除した後の残りのカラム(図20Bのカラム#1,4)を用いて新たな信号ブロックBc%に再ブロック化して、これを含む64B/66Bブロックの列B’とする[図21:ST2−1δ]。さらに、信号ブロックヘッダ(Bch,Bdh)を削除して、信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)を生成する[図21:ST2−4および図50:ST7−4]。
図20A,20Bおよび21の例では、2つの信号ブロックBcの制御コードをレーン/カラム化し、クロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるアイドルカラムを削除した後に1つの信号ブロックBc%に再ブロック化する例を説明したが、図22A,22Bおよび22Cに示すように、1つまたは複数の信号ブロックB(Bc,Bd)をレーン/カラム化し、アイドルカラムを削除した後に1つまたは複数の信号ブロックB%(Bc%,Bd%)に再ブロック化することもできる。
図22Aは、信号ブロックBd_0〜Bd_2,Bc_0,Bc_1,Bd_3〜Bd_6をレーン/カラム化し、Bc_0およびBc_1に含まれるアイドルカラムのうちの一部(Bc_1に含まれるアイドルカラム)を削除した状態を示す。また、図22Bは、Bc_1の残りの一部とBd_3の一部とを信号ブロックBc%_13に再ブロック化し、Bd_3の残りの一部とBd_4の一部とを信号ブロックBd%_34に再ブロック化する例を示している。
次に、図23A,23B,24Aおよび24Bを参照して、送信側において64B/66BブロックBccの一部を削除した場合の受信側の復号について説明する。図23Aは、64B/66Bブロックの列B’内の64B/66BブロックBc%の制御コードを、パラレル共通インタフェースXGMIIにおけるレーンおよびカラムの概念で示した図である。図23Bは、制御ブロックペイロードBc%のカラムに(/I/)を挿入して、2つの信号ブロックBcに再ブロック化する概要を示した図である。図24Aは、信号ブロックペイロードBcから削除された一部を復号するフローの概要を示す図である。図24Bは、送信側でクロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるカラム(アイドルカラム)が削除されたかを判定するための条件の概要を示す図である。
図24Aを参照すると、送信側におけるウルトラブロックの生成手順とは逆の手順を遡り、上記RT2−2(図17)において復号された64B/66Bブロックの列B’を得ることから開始する。次いで、64B/66Bブロックの列B’内の各64B/66Bブロックについて、レーン/カラム化する[図24A:RT2−2α]。
次いで、連続するカラムの組み合わせを用いて、送信側でクロック調整用キャラクタ(/I/)のみからなるカラム(アイドルカラム)が削除されたかを判定する[図24A:RT2−2β]。図24Bに示すように、連続するカラムにおいて、前のカラムに「終端キャラクタ/T/」が存在し、後ろのカラムに「スタートキャラクタ/S/」が存在する場合に、当該2つのカラムの間に、アイドルカラムを挿入する[図24A:TR2−2γ]。挿入するアイドルカラムの数は、例えば、終端キャラクタ/T/を含め、アイドルキャラクタ/I/が平均12個となるように9から15個の範囲で挿入するというような、一定の条件に基づいて決定することができる。
アイドルカラムを挿入した後、信号ブロックBcに再ブロック化し[図24A:RT2−2δ]、送信側で入力された信号ブロックの列Bが復号され出力される[図24Aおよび図17:RT2−6]。図23A,23B,24Aおよび24Bの例では、1つの信号ブロックBc%の制御コードをレーン/カラム化し、アイドルカラムを挿入した後に2つの信号ブロックBcに再ブロック化する例を説明したが、1つまたは複数の信号ブロックB%(Bc%,Bd%))をレーン/カラム化し、アイドルカラムを挿入した後に1つまたは複数の信号ブロックB(Bc,Bd)に再ブロック化することもできる。
図22Cは、受信側が、送信側において図22Bに示すように再ブロック化された信号ブロックBc%_13,Bd%_34,Bd%_45およびBd%_56を含むブロック列を受信し、Bc%_13にアイドルカラムを挿入して信号ブロックBの列を復元する場合を示している。
例えば、「スタートキャラクタ/S/」が存在するカラム(例えば、図22Bの#10)に検出し、当該カラムより前のカラム(例えば、図22Bの#7,8)に含まれるアイドルキャラクタ/I/が所定数(例えば、平均値)となるような数のアイドルキャラクタを挿入するようにすることができる。これにより、信号ブロックB(例えば、Bc_1,Bd_3)を復元できる。また、残りのカラムを用いて、さらに信号ブロックB(例えば、Bc_4〜Bd_6)を復元することができる。
次に、図25を参照して、制御ブロックペイロードBc’に対して位置識別情報を与える方法[図50:ST7−8]を説明する。図25は、非特許文献1のFigure 49-7に規定されている15種類(#1〜15)の制御ブロックフォーマット(Control Block Formats)およびこれを識別するブロックタイプ値(Block Type 1)と、本実施形態より、位置識別情報とともに制御ブロックペイロードに与えられる、特定のブロックタイプ間のハミング距離が最大化されるように符号化されたブロックタイプ値(Block Type 2)との関係を示す表である。
本実施形態において、G3およびG4についての位置識別情報は、それぞれBc’に含まれた制御コードのブロックタイプBc0を変更することにより、格納することができる。例えば、ブロックタイプBc0が8ビットで構成されているとすると、位置識別情報は、そのうちのph0(4ビット)を使用して格納される。より詳細には、4ビットのうちの3ビットを使用してグループGにグループ化される前の信号ブロックの列Bにおける制御ブロックペイロードの位置を識別するための情報を格納し、残りの1ビットを使用して後続の信号ブロックが制御ブロックペイロードBc’であるか否かを示す情報を格納する。
ブロックタイプBc0内の位置識別情報等を格納する4ビットを除いた残りの4bitを用いて、制御ブロックペイロードBc’に格納された制御コードBc1の15種類のタイプを示す情報を格納する。
ビット誤りによりEthernetフレームの終端位置が上位層(MAC:Media Access Control層)に伝わらず、次のフレームとの判別ができずに両フレームが廃棄あるいは他のEthernet装置へ誤ったままフレームが転送される場合がある。これは、終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロック(制御ブロックフォーマット#8〜15にしたがった制御ブロック)が、入れ替わる誤りによって生じる。
したがって、本実施形態では、15種類の制御コードのタイプを示す8ビットのブロックタイプ値(Bock Type 1)を4ビットのブロックタイプ値(Bock Type 2)に符号化する際に、終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロックについては、ハミング距離がすべて2以上となる4ビットの組み合わせ用いるように符号化する。これにより、4ビットのブロックタイプ値(Bock Type 2)に1ビットの誤りが生じたとしても、これらは終端位置を示す制御キャラクタTjが含まれた制御ブロック(図25の#8〜15)以外の制御ブロックとして判断される(例えば、非特許文献6参照)。
次に、図26を参照して、出力されたメタスーパーブロックMSの列あるいはウルトラブロックUの列のODUk/OPUkフレームへのマッピングを説明する。上記のように、出力されたメタスーパーブロックMSの列あるいはウルトラブロックUの列を順次ODUk/OPUkフレームのペイロードにマッピングすることができるが、ODUk/OPUkフレームのヘッダ領域を含む受信側に既知の特定の領域にマッピングすることができる。図26は、ODUk/OPUkフレームにマッピングされる複数のウルトラブロックの内j番目のウルトラブロックUjの一部がODUk/OPUkフレームのヘッダ領域(Fh)にマッピングされ、他のウルトラブロックがODUk/OPUkフレームのペイロード領域(Fp)にマッピングされた状態を示している。受信側においては、ODUk/OPUkフレームの既知の特定の領域から複数のメタスーパーブロックMSの列あるいはウルトラブロックUの列を順次抽出することができる。
なお、複数のスーパーブロックS(S+)をメタスーパーブロックMSにグループ化する際、同一のソース(Ethernet装置E)からの信号ブロックの列を処理して生成された複数のスーパーブロックS(S+)を1つのメタスーパーブロックMSにグループ化してもよく、あるいは、複数のソース(Ethernet装置)から入力された複数のスーパーブロックS(S+)を1つのメタスーパーブロックMSにグループ化してもよい。
次に、図27,51Aおよび51Bを参照して上述したブロック信号処理方法を実施する信号処理装置、これを内蔵した光信号送信装置および光信号受信装置を説明する。図27,51Aおよび51Bは、本発明の一実施形態である光信号送信装置を、LANとWANの境界に設置されるLAN−WANエッジ装置Wとして示した図であり、その構成を示す図である。LAN−WANエッジ装置Wは、光ケーブルや電気ケーブルなどの信号線Lew1−4を介して4台の10G Ethernet装置E1−4と接続されている。ここで、理解を容易にする目的で、10G Ethernet装置E内の構成については敢えて明記していない。同様に、LAN−WANエッジ装置Wについても、本発明に直接関係しない機能等については簡略化・省略してある。なお、ここでは、伝送フレームFを光信号に変換して送信する光信号送信装置、および光信号に変換された伝送フレームFを受信する光信号受信装置を説明するが、伝送フレームFを電気信号で送受信する信号送受信装置として本発明を実施することもできることは言うまでもない。
LAN−WANエッジ装置Wは、10G Ethernet装置E1−4からの光/電気信号をPMD(Physical Medium Dependent)およびPMA(Physical Medium Attachment)部W11−14でそれぞれ受信・シリアルパラレル変換して64B/66Bブロック列をLw11−14に出力する。また、Lw11−14からの64B/66Bブロック列をPMDおよびPMA部W11−14でそれぞれパラレルシリアル変換して信号線Lew1−4へ光/電気信号を出力する。
図27に示す光信号受信装置の信号ブロック変換部W21−24は、それぞれ異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックの列を処理してスーパーブロックSを生成し、さらに複数のスーパーブロックSを1つのグループMSにグループ化してメタスーパーブロックMSを生成して出力、あるいは複数のメタスーパーブロックMSを1つのグループGSにグループ化してウルトラブロックUを生成して出力する。信号ブロック変換部W21−24は、それぞれ受信した信号ブロックの列Bを記憶する信号ブロックメモリと、信号ブロックメモリに記憶された信号ブロックの列の各々から信号ブロックヘッダを削除し、または信号ブロックヘッダおよびクロック調整用のキャラクタのみからなる信号ブロックペイロードの一部または全部を削除し、予め定められた数の信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)を1つのグループGにグループ化し、グループG内に制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを判定し、グループG内に制御ブロックペイロードBc’が含まれる場合に、グループGにグループ化される前の信号ブロックの列Bにおける制御ブロックペイロードの位置を識別するための位置識別情報(再配置情報)を与え、グループG内における制御ブロックペイロードBc’およびデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知の信号ブロックペイロード再配置規則に従って、グループG内で信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)を再配置し、グループG内に前記制御ブロックペイロードBc’が含まれない場合に、グループG内におけるデータブロックペイロードBd’の再配置の位置を規定する受信側に既知のデータブロックペイロード再配置規則に従って、グループG内でデータブロックペイロードBd’を再配置するように構成された再配置部と、信号ブロックペイロード(Bc’,Bd’)が再配置されたグループを格納するスーパーブロックペイロード(Sc,Sd)、および当該スーパーブロックペイロードに制御ブロックペイロードBc’が含まれるか否かを示す情報を格納するスーパーブロックヘッダ(Shc,Shd)からなるスーパーブロックSを出力するスーパーブロック出力部と、スーパーブロック出力部から出力されたスーパーブロックSの列を入力として複数のスーパーブロックSのスーパーブロックペイロードからなるグループMGにグループ化し、複数のスーパーブロックSのスーパーブロックヘッダShcからメタスーパーブロックヘッダMShを生成してグループMGに付加し、メタスーパーブロックMSを出力するメタスーパーブロック出力部と、メタスーパーブロック出力部から出力されたメタスーパーブロックMSを入力とし複数のメタスーパーブロックMSからなるグループMSGにグループ化しウルトラヘッダ(Uh)を付加したウルトラブロックUの列を出力するウルトラブロック出力部とから構成することができる。再配置部、スーパーブロック出力部、メタスーパーブロック出力部およびウルトラブロック出力部は1つまたは複数のプロセッサで実現することができ、論理的または物理的に統合・分離して構成することができる。スーパーブロック出力部は、制御ブロックペイロード内の受信側に既知の領域に位置識別情報を格納するとともに、制御ブロックペイロードのブロックタイプを識別するブロックタイプ値が特定のブロックタイプ間のハミング距離が最大化するように符号化されたブロック値を格納することができる。
また、信号ブロック変換部W21−24に、スーパーブロック(列)Sおよび/またはメタスーパーブロックのMG部についての誤り訂正符合を生成し付加する機能を備えることもできる。
フレーム化部W3は、信号ブロック変換部W21−24の各メタスーパーブロック出力部から出力されたメタスーパーブロックMSの列あるいは各ウルトラブロック出力部から出力されるウルトラブロックUの列を、OPU3/ODU3/OTU3などの伝送フレームFにフレーム化し、フレーム化した信号を信号線Lw3へ出力する。メタスーパーブロックの列あるいはウルトラブロックUの列は、伝送フレームFのペイロードおよびヘッダの受信側に既知の特定の領域にマッピングすることができる。また、フレーム化部W3は、信号ブロック変換部W21−24の各メタスーパーブロック出力部から出力されたメタスーパーブロックMSの列あるいは各ウルトラブロック出力部から出力されるウルトラブロックUの列を、より下位のOPU(例えばOPU2)にフレーム化した後に、OPU3/ODU3/OTUにマッピングしてもよい。
光信号出力部W4は、PMDにより信号先Lw3から入力された伝送フレームFをパレレルシリアル変換し光信号に変換して、他WAN装置に向けて光ファイバなどの信号線Lwwへ出力する。
本発明に係る光信号受信装置は、上記の光信号送信装置における各部の信号入出力を逆にすることで実現することができる。
他方、図51Aに示す光信号受信装置の信号ブロック変換部W2’1−2’4は、それぞれ異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックの列を処理してスーパーブロックSを生成し、さらにメタスーパーブロックを生成してLw2’1−2’4へ出力する。さらに別の信号ブロック変換部W2”は、信号ブロック変換部W21−24から出力されたメタスーパーブロックMS(異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックペイロードを含むメタスーパーブロックMS)を1つのグループMSGにグループ化して同期ヘッダが与えウルトラブロックUを生成して、Lw2”を介してフレーム化部W3へ出力する。
図51Aに示す光信号受信装置のフレーム化部W3は、別の信号ブロック変換部W2”のウルトラブロック出力部から出力されるウルトラブロックUの列を、OPU3/ODU3/OTU3などの伝送フレームFにフレーム化し、フレーム化した信号を信号線Lw3へ出力する。また、フレーム化部W3は、別の信号ブロック変換部W2”から出力されるウルトラブロックUの列を、より下位のOPU(例えばOPU2)にフレーム化した後に、OPU3/ODU3/OTUにマッピングしてもよい。
図51Aに示す光信号受信装置の光信号出力部W4は、PMDにより信号先Lw3から入力された伝送フレームFをパレレルシリアル変換し光信号に変換して、他WAN装置に向けて光ファイバなどの信号線Lwwへ出力する。
尚、図51Aに示す光信号受信装置の信号ブロック変換部W2’1−2’4および信号ブロック変換部W2”をそれぞれ図51Bに示す信号ブロック変換部W2”’1−2”’4および信号ブロック変換部W2””に置換してもよい。図51Bにおいて、信号ブロック変換部W2”’1−2”’4は、それぞれ異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックの列を処理してスーパーブロックSを生成してLw2”1−2”4へ出力する。別の信号ブロック変換部W2””は、信号ブロック変換部W2”’1−2”’4から出力されたスーパーブロックS(異なるEthernet装置E1−4からの信号ブロックペイロードを含むスーパーブロックS)を1つのメタスーパーブロックMSにし、さらにメタスーパーブロックMSからなるグループMSGにグループ化して同期ヘッダが与えウルトラブロックUを生成して、Lw2”を介してフレーム化部W3へ出力する。
本発明に係る光信号受信装置は、上記の光信号送信装置における各部の信号入出力を逆にすることで実現することができる。
次に、図29を参照して本発明の一実施形態に係る信号伝送システムを説明する。図29に信号伝送システムは、図27,51Aまたは51Bを参照して説明した2つの信号送信装置がそれぞれLAN−WANエッジ装置W_1およびW_2として用いられ、光ファイバなどの信号線Lwwで接続された構成である。図29のEthernet装置E1−4およびE5−8は、図27,51Aまたは51BのEthernet装置E1−4にそれぞれ対応する。
次に、MLD(Multi-Lane Distribution)のように、バーチャルレーンと呼ばれる仕組みを導入した伝送システムに本願発明を適用する例を説明する。
以下、図面を参照して、スキュー調整用マーカーを送信することでスキュー調整用マーカーを明示的に通知する場合を説明する。
図56Aは、Ethernet装置E(図27〜29)における、入力された64B/66Bの信号ブロックの列Bを示す。Ethernet装置Eにおいて、入力された64B/66Bの信号ブロックの列Bは、ラウンドロビン方式によりK個(例えば、K=4)のバーチャルレーン(BL1〜BL4)に分割される(図56B)。さらに、Ethernet装置において、各バーチャルレーンに対してスキュー調整用マーカー(M)を一定周期で挿入する。スキュー調整用マーカー(M)は、スキュー調整用コードを格納した信号ブロックペイロードに制御ブロックを示すヘッダを負荷した64B/66B符号の信号ブロックであり、N個(例えば、N=80)の信号ブロック毎に1つ割合で周期的に挿入される(図56C)。
スキュー調整用マーカー(M)が挿入された各バーチャルレーンは、例えば、Ethernet装置E1からLAN−WANエッジ装置Wへ複数(N個:N≦K)の物理パスで構成されたLw11を介して並列に送信される。図56Dは、スキュー調整用マーカー(M)が挿入された4つのバーチャルレーンがビット毎にラウンドロビン方式で2つの物理パスに振り分けられ、Ethernet装置E1からLAN−WANエッジ装置Wへ並列に送信される例を示す。
図57Aは、LAN−WANエッジ装置WのW21(図27)またはW2’1(図51Aまたは51B)において、Ethernet装置から受信した信号から再生された各バーチャルレーン(BL1r,・・・,BL4r)の状態を示す。図57Aに示すように、各バーチャルレーンには、Ethernet装置E1とLAN−WANエッジ装置Wとの間の物理パスにおける伝送条件によりスキューが生じる。
本実施形態では、スキューが生じた各バーチャルレーンは、LAN−WANエッジ装置WのW21(図27)またはW2’1(図51Aまたは51B)において、スキュー調整用マーカーを用いてバーチャルレーンを揃えることで、スキュー調整が行われる。図57Bは、スキュー調整後のバーチャルレーン(BL1a,・・・,BL4a)の状態を示す。スキュー調整が行われた後、LAN−WANエッジ装置WのW21(図27)またはW2’1(図51Aまたは51B)において、ラウンドロビン方式によりK個のバーチャルレーンから1つのシリアルの信号ブロックの列(Bm)が生成される(図57C)。図57Cにおいて、信号ブロックの列(Bm)は、N×K(=320)個の64B/66B信号ブロックの列が周期的に生成される例を示している。
スキュー調整用マーカーを含む信号ブロック列(Bm)が、上記実施形態で説明した信号ブロック処理方法における64B/66Bブロックの列Bと同様に処理されて、スーパーブロックSまたはメタスーパーブロックMSが生成される。信号ブロック処理の過程において、スキュー調整用マーカーは、制御ブロックとして処理することも、あるいはデータブロックとして処理することもできる。
また、メタスーパーブロックヘッダMShを生成するステップ(図53:ST7−103)では、スキュー調整用マーカーを含むメタスーパーブロック(例えば、図58のメタスーパーブロックMS1とMS11)間を1周期とし、同一周期内のメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列(図55A,55Bおよび55C)を周期的に変化させ、周期の変わり目の前後のメタスーパーブロックヘッダMShには同一の系列を連続して与えることで、周期の変わり目でメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列の位相が反転するようにすることができる。例えば、メタスーパーブロックMS1のヘッダMSh1は系列1から与えられ、後続するメタスーパーブロックMS2のヘッダMSh2は系列2から与えられるようにすることができる。同一周期内の各メタスーパーブロックヘッダMShに対して系列を交互に与えることにより、ヘッダ内の正負ビットの出現数が均等となる。また、例えば、周期の変わり目の前後のメタスーパーブロックヘッダMSh10とヘッダMSh11とに系列2を与えて周期の変わり目でメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列の位相を反転させ、メタスーパーブロックMS12以降のヘッダMShに再び異なる系列を交互に与えることで、受信側における周期の先頭の検出が容易になり、64B/66B信号ブロックの列Bmを正しく再生することができる。尚、図58において、N×K/32(=10)個の2048B/2050B信号ブロックの列を1周期とする例を示している。
同一周期内のメタスーパーブロックヘッダMShには同一の系列を連続して与え、周期の変わり目の前後でメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列を変化させるようにしてもよい。
さらに、バーチャルレーンの仕組みを導入した伝送システムに本願発明を適用する別の例を説明する。
以下、図面を参照して、スキュー調整用マーカーを非明示的に通知する場合、すなわちスキュー調整用マーカー自体を送信せずに、スキュー調整用マーカーが挿入されていたことを通知する場合を説明する。
図59Aは、LAN−WANエッジ装置WのW21(図27)またはW2’1(図51Aまたは51B)において、Ethernet装置から受信した信号から再生された各バーチャルレーン(BL1r’,・・・,BL4r’)の状態を示す。図57Aを参照して説明したのと同様に、各バーチャルレーンには、Ethernet装置E1とLAN−WANエッジ装置Wとの間の物理パスにおける伝送条件によりスキューが生じる。上記で説明したように、スキューが生じた各バーチャルレーンは、LAN−WANエッジ装置WのW21(図27)またはW2’1(図51Aまたは51B)において、スキュー調整用マーカーを用いてバーチャルレーンを揃えることで、スキュー調整が行われる。図59Bは、スキュー調整後のバーチャルレーン(BL1a’,・・・,BL4a’)の状態を示す。スキュー調整が行われた後、LAN−WANエッジ装置WのW21(図27)またはW2’1(図51Aまたは51B)において、ラウンドロビン方式によりK個のバーチャルレーンから1つのシリアルの信号ブロックの列(Bm’)が生成される(図59C)。図59Cにおいては、後述するように、信号ブロックの列(Bm’)のうち、スキュー調整用マーカー(M)の信号ブロックを除く、N×K(=320)個の64B/66B信号ブロックの列がスーパーブロックSまたはメタスーパーブロックMSに格納される対象となることを示している。
スキュー調整用マーカーを含む信号ブロック列(Bm’)が、図55A,55Bおよび55Cを参照して説明した信号ブロック処理方法における64B/66Bブロックの列Bと同様に処理されて、スーパーブロックSまたはメタスーパーブロックMSが生成される。信号ブロック処理の過程において、スキュー調整用マーカーはスーパーブロックSまたはメタスーパーブロックMSに格納される対象から除かれる。例えば、図50のステップST7−1とST7−2の間でスキュー調整用マーカー(M)の信号ブロックを64B/66B信号ブロックの列Bm’から取り除き、後にスキュー調整用マーカー(M)が存在していたことを認識できるようなメモリ上のフラグを設定する追加のステップを設けてもよい。あるいは、図50のステップST7−2乃至ST7−5の処理において、スキュー調整用マーカー(M)の信号ブロックを処理の対象から除くように構成することができる。これにより、図50のステップST7−6において、スキュー調整用マーカー(M)を除く8個の信号ブロックペイロード(Bd’,Bc’)をグループ化したグループGが生成され、後続するステップの処理が行われる。
また、メタスーパーブロックヘッダMShを生成するステップ(図53:ST7−103)では、(スキュー調整用マーカーをスーパーブロックSまたはメタスーパーブロックMSに含める対象にすると仮定した場合に)スキュー調整用マーカーが本来入るべきメタスーパーブロック(例えば、図60AのメタスーパーブロックMS1とMS11)間を1周期とし、同一周期内のメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列(図55A,55Bおよび55C)を周期的に変化させ、周期の変わり目の前後のメタスーパーブロックヘッダMShには同一の系列を連続して与えることで当該周期の変わり目でメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列の位相を反転させるようにすることができる。例えば、メタスーパーブロックMS1のヘッダMSh1は系列1から与えられ、後続するメタスーパーブロックMS2のヘッダMSh2は系列2から与えられるようにすることができる。各メタスーパーブロックヘッダMShに対して系列を交互に与えることにより、ヘッダ内の正負ビットの出現数が均等となる。また、例えば、周期の変わり目の前後のメタスーパーブロックヘッダMSh10とヘッダMSh11とに系列2を与えて当該周期の変わり目でメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列の位相を反転させ、メタスーパーブロックMS12以降のヘッダMShに再び異なる系列を交互に与えることで、受信側における周期の先頭およびのスキュー調整用マーカーが除かれた位置の検出が容易になり、図60Bに示すようにスキュー調整用マーカーを元の位置に挿入することができ、64B/66B信号ブロックの列Bmを正しく再生することができる。尚、図60Aにおいて、N×K/32(=10)個の2048B/2050B信号ブロックの列を1周期とする例を示している。
より具体的には、LAN−WANエッジ装置WのW21またはW2’1において再生されメモリに格納された信号ブロック列B’m(図59C)から信号ブロックを順次読み出し所定数(例えば4個)のスーパーブロックペイロードを生成し、これらをグループ化してメタスーパーブロックペイロード(グループMG)を生成する。このとき、スキュー調整用マーカーは読み飛ばされ、メモリから読み出されない。代わりにスキュー調整用マーカーを読み飛ばしたときには、後にスキュー調整用マーカー(M)が存在していたことを認識するためのフラグをon(“1”)に設定する。次いで、当該フラグの状態を参照して各メタスーパーブロックペイロードにメタスーパーブロックヘッダMShを付与する。ここで、フラグがonに設定されているときには、付与する系列の位相を反転させてフラグをoff(“0”)に設定する。クロック調整用キャラクタを挿抜してEthernet装置とLAN−WANエッジ装置とのクロック差を調整する場合でも同様にメタスーパーブロックヘッダMShを生成することができる。
また、受信側のLAN−WANエッジ装置WのW21またはW2’1においてメタスーパーブロックMSから信号ブロック列B’mを再生する場合には、メタスーパーブロックヘッダMShの位相の変化を検出する。メタスーパーブロックヘッダMShの位相の変化を検出した場合には、メモリ上のフラグをon(“1”)に設定する。次いで、メモリ上のフラグの状態を参照して、再生されたスーパーブロックから信号ブロック列を再生する。ここでフラグがonに設定されているときには、スキュー調整用マーカーを挿入する。スキュー調整用マーカーの個数および順序は、既知の各バーチャルレーンへの振り分け方(ラウンドロビン方式)に従って決定まる。クロック調整用キャラクタを挿抜する場合でも同様に信号ブロック列B’mを再生することができる。
同一周期内のメタスーパーブロックヘッダMShには同一の系列を連続して与え、周期の変わり目の前後でメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列を変化させるようにしてもよい。
次に、図61Aおよび61B,62を参照して、様々な物理レーン数に対応可能なバーチャルレーンの仕組みを導入した伝送システムに、本発明を適用する例を説明する。スキュー調整用マーカーを送信することでスキュー調整用マーカーを明示的に通知する場合、特にバーチャルレーン数が増大した場合、メタスーパーブロックMSの長さによって、スキュー調整用マーカーを複数のメタスーパーブロックに分割して格納して送信しなければならない場合がある。
図61Aは、LAN−WANエッジ装置Wにおける、スキュー調整後のK’(=40)個のバーチャルレーン(BL1a〜BL40a)の状態を示している。図61Bは、スキュー調整が行われた後、ラウンドロビン方式によりK個のバーチャルレーンから生成された1つのシリアルの信号ブロックの列Bm”の状態を示している。図61Bに示すように、信号ブロックの列Bm”には、バーチャルレーン数分(K’個)のスキュー調整用マーカー群が周期的に並ぶことになる。
スキュー調整用マーカーを含む信号ブロック列(Bm”)が、上記実施形態で説明した信号ブロック処理方法における64B/66Bブロックの列Bと同様に処理されて、スーパーブロックSまたはメタスーパーブロックMSが生成される。信号ブロック処理の過程において、スキュー調整用マーカーは、制御ブロックとして処理することも、あるいはデータブロックとして処理することもできる。
図62は、K’(=24)個のスキュー調整用マーカーが、各々2048ビットの長さを有する2つのメタスーパーブロックMSに亘って格納された状態を示す。メタスーパーブロックMS1、MS2、MS11およびMS12には、スキュー調整用マーカーが含まれている。また、図62は、スキュー調整用マーカーが分割されて格納されているメタスーパーブロックには同一系列のヘッダMShが連続して与えられてメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列の位相を反転させられるとともに、周期の変わり目の前後のメタスーパーブロックヘッダMShにも同一の系列が連続して与えられてメタスーパーブロックヘッダMShに与える系列の位相を反転させられ、さらに同一周期内のメタスーパーブロックのうちスキュー調整用マーカーを含まないメタスーパーブロックには周期的に変化する系列が与えられた(異なる系列が交互に与えられた)状態を示している。例えば、メタスーパーブロックヘッダMSh1とMSh2には系列1を与え、メタスーパーブロックヘッダMSh3〜MSh10には系列1および2を交互に与える。さらに、周期の変わり目であるMSh10とMSh11には、連続して同一の系列1を割り当てる。このようにすることで、受信側では連続する同一の系列の数を検出することにより、スキュー調整用マーカーの数を知ることができ、また周期の先頭の検出も容易になるので、64B/66B信号ブロックの列Bmを正しく再生することができる。
代替として、スキュー調整用マーカーが分割されて格納されているメタスーパーブロックには同一系列のヘッダMShを連続して与え、同一周期内のメタスーパーブロックのうちスキュー調整用マーカーを含まないメタスーパーブロックには異なる系列のヘッダMShを連続して与えてもよい。例えば、メタスーパーブロックヘッダMSh1とMSh2には系列1を与え、メタスーパーブロックヘッダMSh3〜MSh10には系列2を与える。この場合、次の周期のメタスーパーブロックがスキュー調整用マーカーを含むので、メタスーパーブロックヘッダHSh11には系列1を与えることになる。
なお、スキュー調整用マーカーを非明示的に通知する場合にも適用することができる。この場合、同一周期内において、(スキュー調整用マーカーをスーパーブロックSまたはメタスーパーブロックMSに含める対象にすると仮定した場合に)スキュー調整用マーカーが本来入るべきメタスーパーブロックの数と同じ数のメタスーパーブロックには同一の系列のメタスーパーブロックヘッダを連続して与え、当該周期内の残りのメタスーパーブロックには異なる系列のメタスーパーブロックヘッダを周期的(交互)に与え、さらに周期の変わり目のメタスーパーブロックに同一の系列のメタスーパーブロックヘッダを連続して与えるように構成することができる。
以上、様々な本願発明の実施形態を説明したが、一部の実施形態で説明した特徴は、他の実施形態に適用できることは言うまでもない。