以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(画素データを伝送する例)
2.第2の実施の形態(画素データに限らず、所定のデータを伝送する例)
3.通信リンク間のData Skewの補正について
(1)通信リンク間Data Skew
(2)通信リンク間Data Skewの除去
4.変形例
5.応用例
<1.第1の実施の形態(画素データを伝送する例)>
[伝送システムの構成例]
図1は、本技術の一実施形態に係る伝送システムの第1の構成例を示す図である。
図1の伝送システム1は、イメージセンサ11とDSP12から構成される。イメージセンサ11とDSP12はそれぞれ異なるLSI(Large Scale Integrated Circuit)により構成され、デジタルカメラや携帯電話機などの、撮像機能を有する同じ撮像装置内に設けられる。イメージセンサ11には撮像部21と1つの送信部22が設けられ、DSP12には1つの受信部31と画像処理部32が設けられている。
イメージセンサ11の撮像部21は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子よりなり、レンズを介して受光した光の光電変換を行う。また、撮像部21は、光電変換によって得られた信号のA/D変換などを行い、1フレームの画像を構成する画素データを、1画素のデータずつ順に送信部22に出力する。
送信部22は、撮像部21から供給された各画素のデータを、例えば撮像部21から供給された順に複数の伝送路に割り当て、複数の伝送路を介して並列にDSP12に送信する。図1の例においては、8本の伝送路を用いて画素データの伝送が行われている。イメージセンサ11とDSP12の間の伝送路は有線の伝送路であってもよいし、無線の伝送路であってもよい。以下、適宜、イメージセンサ11とDSP12の間の伝送路をレーン(Lane)という。
DSP12の受信部31は、8本のレーンを介して送信部22から伝送されてきた画素データを受信し、各画素のデータを順に画像処理部32に出力する。
画像処理部32は、受信部31から供給された画素データに基づいて1フレームの画像を生成し、生成した画像を用いて各種の画像処理を行う。イメージセンサ11からDSP12に伝送される画像データはRAWデータであり、画像処理部32においては、画像データの圧縮、画像の表示、記録媒体に対する画像データの記録などの各種の処理が行われる。
図2は、伝送システム1の第2の構成例を示す図である。図2に示す構成のうち、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図2の伝送システム1のイメージセンサ11には、撮像部21と、2つの送信部である送信部22-1,22-2が設けられ、DSP12には、2つの受信部である受信部31-1,31-2と、画像処理部32が設けられている。
撮像部21は、撮像を行うことによって得られた1フレームの画像を構成する画素データを、1画素のデータずつ、送信部22-1と送信部22-2に並列に出力する。例えば、撮像部21は、奇数ラインの画素のデータを送信部22-1に出力し、偶数ラインの画素のデータを送信部22-2に出力する。
送信部22-1は、撮像部21から供給された各画素のデータを、例えば撮像部21から供給された順に複数のレーンに割り当て、複数のレーンを介して並列にDSP12に送信する。送信部22-2も同様に、撮像部21から供給された各画素のデータを、例えば撮像部21から供給された順に複数のレーンに割り当て、複数のレーンを介して並列にDSP12に送信する。
図2の例においてもイメージセンサ11とDSP12の間は8本のレーンを介して接続されている。送信部22-1と送信部22-2は、それぞれ、4本のレーンを用いて画素データを伝送する。
DSP12の受信部31-1は、4本のレーンを介して送信部22-1から伝送されてきた画素データを受信し、各画素のデータを順に画像処理部32に出力する。受信部31-2も同様に、4本のレーンを介して送信部22-2から伝送されてきた画素データを受信し、各画素のデータを順に画像処理部32に出力する。
画像処理部32は、受信部31-1から供給された画素データと受信部31-2から供給された画素データに基づいて1フレームの画像を生成し、生成した画像を用いて各種の画像処理を行う。
図2に示すようにイメージセンサ11に2つの送信部を設け、それに対応させて2つの受信部をDSP12に設けることにより、撮像部21が出力する画素データのレートが高い場合であっても画素データをDSP12に伝送することが可能になる。
図3は、伝送システム1の第3の構成例を示す図である。図3に示す構成のうち、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図3の伝送システム1においては、イメージセンサ11-1とイメージセンサ11-2の2つのイメージセンサが設けられている。イメージセンサ11-1には撮像部21-1と1つの送信部である送信部22-1が設けられ、イメージセンサ11-2には撮像部21-2と1つの送信部である送信部22-2が設けられる。DSP12には、図2の場合と同様に、2つの受信部である受信部31-1,31-2と、画像処理部32が設けられている。
イメージセンサ11-1の撮像部21-1は、撮像を行うことによって得られた1フレームの画像を構成する画素データを、1画素のデータずつ順に送信部22-1に出力する。
送信部22-1は、撮像部21-1から供給された各画素のデータを、例えば撮像部21-1から供給された順に複数のレーンに割り当て、複数のレーンを介して並列にDSP12に送信する。
イメージセンサ11-2の撮像部21-2は、撮像を行うことによって得られた1フレームの画像を構成する画素データを、1画素のデータずつ順に送信部22-2に出力する。
送信部22-2は、撮像部21-2から供給された各画素のデータを、例えば撮像部21-2から供給された順に複数のレーンに割り当て、複数のレーンを介して並列にDSP12に送信する。
図3の例においてもイメージセンサ側とDSP12の間は8本のレーンを介して接続されている。イメージセンサ11-1とイメージセンサ11-2にはそれぞれ4本のレーンが割り当てられ、送信部22-1と送信部22-2は、それぞれ、4本のレーンを用いて画素データを伝送する。
DSP12の受信部31-1は、4本のレーンを介してイメージセンサ11-1の送信部22-1から伝送されてきた画素データを受信し、各画素のデータを順に画像処理部32に出力する。受信部31-2も同様に、4本のレーンを介してイメージセンサ11-2の送信部22-2から伝送されてきた画素データを受信し、各画素のデータを順に画像処理部32に出力する。
画像処理部32は、受信部31-1から供給された画素データに基づいて1フレームの画像を生成するとともに、受信部31-2から供給された画素データに基づいて1フレームの画像を生成する。画像処理部32は、生成した画像を用いて各種の画像処理を行う。
図3に示すように2つのイメージセンサを設けることにより、例えば、イメージセンサ11-1により撮像された左目用の画像と、イメージセンサ11-2により撮像された右目用の画像からなる3D画像を1つのDSP12で処理することが可能になる。左目用の画像と右目用の画像には視差がある。
以上のように、伝送システム1のイメージセンサには、撮像された1フレームの画像データを伝送する送信部が1つまたは複数設けられる。一方、DSPには、イメージセンサの送信部に対応して、イメージセンサから伝送されてきたデータを受信する受信部が1つまたは複数設けられる。
以下、イメージセンサ11に1つの送信部が設けられ、DSP12に1つの受信部が設けられる図1の伝送システム1におけるデータ伝送について説明する。図2と図3の送信部22-1-受信部31-1間、送信部22-2-受信部31-2間においても同様にしてデータ伝送が行われる。
[フレームフォーマット]
図4は、イメージセンサ11-DSP12間で1フレームの画像データを伝送するのに用いられるフォーマットの例を示す図である。
有効画素領域A1は、撮像部21により撮像された1フレームの画像の有効画素の領域である。有効画素領域A1の左側には、垂直方向の画素数が有効画素領域A1の垂直方向の画素数と同じであるマージン領域A2が設定される。
有効画素領域A1の上側には、水平方向の画素数が、有効画素領域A1とマージン領域A2全体の水平方向の画素数と同じである前ダミー領域A3が設定される。図4の例においては、前ダミー領域A3にはEmbedded Dataが挿入されている。Embedded Dataは、シャッタスピード、絞り値、ゲインなどの、撮像部21による撮像に関する設定値の情報が含まれる。後ダミー領域A4にEmbedded Dataが挿入されることもある。
有効画素領域A1の下側には、水平方向の画素数が、有効画素領域A1とマージン領域A2全体の水平方向の画素数と同じである後ダミー領域A4が設定される。
有効画素領域A1、マージン領域A2、前ダミー領域A3、および後ダミー領域A4から画像データ領域A11が構成される。
画像データ領域A11を構成する各ラインの前にはヘッダが付加され、ヘッダの前にはStart Codeが付加される。また、画像データ領域A11を構成する各ラインの後ろにはフッタがオプションで付加され、フッタの後ろにはEnd Codeなどの後述する制御コードが付加される。フッタが付加されない場合、画像データ領域A11を構成する各ラインの後ろにEnd Codeなどの制御コードが付加される。
撮像部21により撮像された1フレームの画像をイメージセンサ11からDSP12に伝送する毎に、図4に示すフォーマットのデータ全体が伝送データとして伝送される。
図4の上側の帯は下側に示す伝送データの伝送に用いられるパケットの構造を示している。水平方向の画素の並びをラインとすると、パケットのペイロードには、画像データ領域A11の1ラインを構成する画素のデータが格納される。1フレームの画像データ全体の伝送は、画像データ領域A11の垂直方向の画素数以上の数のパケットを用いて行われることになる。
1ライン分の画素データが格納されたペイロードに、ヘッダとフッタが付加されることによって1パケットが構成される。後に詳述するように、ヘッダには、Frame Start, Frame End, Line Valid, Line Number, ECCなどの、ペイロードに格納されている画素データの付加的な情報が含まれる。各パケットには、制御コードであるStart CodeとEnd Codeが少なくとも付加される。
このように、1フレームの画像を構成する画素データをライン毎に伝送するフォーマットを採用することによって、ヘッダ等の付加的な情報やStart Code, End Codeなどの制御コードをライン毎のブランキング期間中に伝送することが可能になる。
[送信部22と受信部31の構成]
図5は、送信部22と受信部31の構成例を示す図である。
図5の左側に破線で囲んで示す構成が送信部22の構成であり、右側に破線で囲んで示す構成が受信部31の構成である。送信部22と受信部31は、それぞれ、リンクレイヤの構成と物理レイヤの構成からなる。実線L2より上側に示す構成がリンクレイヤの構成であり、実線L2より下側に示す構成が物理レイヤの構成である。
なお、実線L1の上に示す構成はアプリケーションレイヤの構成である。システム制御部51、フレームデータ入力部52、およびレジスタ53は撮像部21において実現される。システム制御部51は、送信部22のLINK-TXプロトコル管理部61と通信を行い、フレームフォーマットに関する情報を提供するなどして画像データの伝送を制御する。フレームデータ入力部52は、ユーザによる指示などに応じて撮像を行い、撮像を行うことによって得られた画像を構成する各画素のデータを送信部22のPixel to Byte変換部62に供給する。レジスタ53は、Pixel to Byte変換のビット数やLane数等の情報を記憶する。レジスタ53に記憶されている情報に従って画像データの送信処理が行われる。
また、アプリケーションレイヤの構成のうちのフレームデータ出力部141、レジスタ142、およびシステム制御部143は画像処理部32において実現される。フレームデータ出力部141は、受信部31から供給された各ラインの画素データに基づいて1フレームの画像を生成し、出力する。フレームデータ出力部141から出力された画像を用いて各種の処理が行われる。レジスタ142は、Byte to Pixel変換のビット数やLane数などの、画像データの受信に関する各種の設定値を記憶する。レジスタ142に記憶されている情報に従って画像データの受信処理が行われる。システム制御部143は、LINK-RXプロトコル管理部121と通信を行い、モードチェンジ等のシーケンスを制御する。
[送信部22のリンクレイヤの構成]
はじめに、送信部22のリンクレイヤの構成について説明する。
送信部22には、リンクレイヤの構成として、LINK-TXプロトコル管理部61、Pixel to Byte変換部62、ペイロードECC挿入部63、パケット生成部64、およびレーン分配部65が設けられる。LINK-TXプロトコル管理部61は、状態制御部71、ヘッダ生成部72、データ挿入部73、およびフッタ生成部74から構成される。
LINK-TXプロトコル管理部61の状態制御部71は、送信部22のリンクレイヤの状態を管理する。
ヘッダ生成部72は、1ライン分の画素データが格納されたペイロードに付加されるヘッダを生成し、パケット生成部64に出力する。
図6は、ヘッダ生成部72により生成されるヘッダの構造を示す図である。
上述したように、1パケット全体は、ヘッダと、1ライン分の画素データであるペイロードデータから構成される。パケットにはフッタが付加されることもある。ヘッダは、ヘッダ情報とHeader ECCから構成される。
ヘッダ情報には、Frame Start, Frame End, Line Valid, Line Number, Reservedが含まれる。各情報の内容と情報量を図7に示す。
Frame Startは、フレームの先頭を示す1ビットの情報である。図4の画像データ領域A11の1ライン目の画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのFrame Startには1の値が設定され、他のラインの画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのFrame Startには0の値が設定される。
Frame Endは、フレームの終端を示す1ビットの情報である。有効画素領域A1の終端ラインの画素データをペイロードに含むパケットのヘッダのFrame Endには1の値が設定され、他のラインの画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのFrame Endには0の値が設定される。
Frame StartとFrame Endが、フレームに関する情報であるフレーム情報となる。
Line Validは、ペイロードに格納されている画素データのラインが有効画素のラインであるのか否かを表す1ビットの情報である。有効画素領域A1内のラインの画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのLine Validには1の値が設定され、他のラインの画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのLine Validには0の値が設定される。
Line Numberは、ペイロードに格納されている画素データにより構成されるラインのライン番号を表す13ビットの情報である。
Line ValidとLine Numberが、ラインに関する情報であるライン情報となる。
Reservedは拡張用の32ビットの領域である。ヘッダ情報全体のデータ量は6バイトになる。
図6に示すように、ヘッダ情報に続けて配置されるHeader ECCには、6バイトのヘッダ情報に基づいて計算された2バイトの誤り検出符号であるCRC(Cyclic Redundancy Check)符号が含まれる。また、Header ECCには、CRC符号に続けて、ヘッダ情報とCRC符号の組である8バイトの情報と同じ情報が2つ含まれる。
すなわち、1つのパケットのヘッダには、同じヘッダ情報とCRC符号の組が3つ含まれる。ヘッダ全体のデータ量は、1組目のヘッダ情報とCRC符号の組の8バイトと、2組目のヘッダ情報とCRC符号の組の8バイトと、3組目のヘッダ情報とCRC符号の組の8バイトとの、あわせて24バイトになる。
図8は、ヘッダ情報とCRC符号の1つの組を構成する8バイトのビット配列の例を示す図である。
ヘッダを構成する8バイトのうちの1番目の1バイトであるバイトH7には、1ビット目から順に、Frame Start, Frame End, Line Validの各1ビットと、Line Numberの13ビットのうちの1~5ビット目が含まれる。また、2番目の1バイトであるバイトH6には、Line Numberの13ビットのうちの6~13ビット目が含まれる。
3番目の1バイトであるバイトH5から6番目の1バイトであるバイトH2がReservedとなる。7番目の1バイトであるバイトH1と8番目の1バイトであるバイトH0にはCRC符号の各ビットが含まれる。
図5の説明に戻り、ヘッダ生成部72は、システム制御部51による制御に従ってヘッダ情報を生成する。例えば、システム制御部51からは、フレームデータ入力部52が出力する画素データのライン番号を表す情報や、フレームの先頭、終端を表す情報が供給される。
また、ヘッダ生成部72は、ヘッダ情報を生成多項式に適用してCRC符号を計算する。ヘッダ情報に付加されるCRC符号の生成多項式は例えば下式(1)により表される。
ヘッダ生成部72は、ヘッダ情報にCRC符号を付加することによってヘッダ情報とCRC符号の組を生成し、同じヘッダ情報とCRC符号の組を3組繰り返して配置することによってヘッダを生成する。ヘッダ生成部72は、生成したヘッダをパケット生成部64に出力する。
データ挿入部73は、スタッフィング(stuffing)に用いられるデータを生成し、Pixel to Byte変換部62とレーン分配部65に出力する。Pixel to Byte変換部62に供給されたスタッフィングデータであるペイロードスタッフィングデータは、Pixel to Byte変換後の画素データに付加され、ペイロードに格納される画素データのデータ量の調整に用いられる。また、レーン分配部65に供給されたスタッフィングデータであるレーンスタッフィングデータは、レーン割り当て後のデータに付加され、レーン間のデータ量の調整に用いられる。
フッタ生成部74は、システム制御部51による制御に応じて、適宜、ペイロードデータを生成多項式に適用して32ビットのCRC符号を計算し、計算により求めたCRC符号をフッタとしてパケット生成部64に出力する。フッタとして付加されるCRC符号の生成多項式は例えば下式(2)により表される。
Pixel to Byte変換部62は、フレームデータ入力部52から供給された画素データを取得し、各画素のデータを1バイト単位のデータに変換するPixel to Byte変換を行う。例えば、撮像部21により撮像された画像の各画素の画素値(RGB)は、8ビット、10ビット、12ビット、14ビット、16ビットのうちのいずれかのビット数で表される。
図9は、各画素の画素値が8ビットで表される場合のPixel to Byte変換の例を示す図である。
Data[0]がLSBを表し、数字の最も大きいData[7]がMSBを表す。白抜き矢印で示すように、この場合、画素Nの画素値を表すData[7]~[0]の8ビットは、Data[7]~[0]からなるByte Nに変換される。各画素の画素値が8ビットで表される場合、Pixel to Byte変換後のバイト単位のデータの数は、画素の数と同じ数になる。
図10は、各画素の画素値が10ビットで表される場合のPixel to Byte変換の例を示す図である。
この場合、画素Nの画素値を表すData[9]~[0]の10ビットは、Data[9]~[2]からなるByte 1.25*Nに変換される。
画素N+1~N+3についても同様に、それぞれの画素値を表すData[9]~[0]の10ビットが、Data[9]~[2]からなるByte 1.25*N+1~Byte 1.25*N+3に変換される。また、画素N~N+3のそれぞれの下位のビットであるData[1]とData[0]が集められてByte 1.25*N+4に変換される。各画素の画素値が10ビットで表される場合、Pixel to Byte変換後のバイト単位のデータの数は、画素の数の1.25倍の数になる。
図11は、各画素の画素値が12ビットで表される場合のPixel to Byte変換の例を示す図である。
この場合、画素Nの画素値を表すData[11]~[0]の12ビットは、Data[11]~[4]からなるByte 1.5*Nに変換される。
画素N+1についても同様に、画素N+1の画素値を表すData[11]~[0]の12ビットが、Data[11]~[4]からなるByte 1.5*N+1に変換される。また、画素Nと画素N+1のそれぞれの下位のビットであるData[3]~[0]が集められてByte 1.5*N+2に変換される。各画素の画素値が12ビットで表される場合、Pixel to Byte変換後のバイト単位のデータの数は、画素の数の1.5倍の数になる。
図12は、各画素の画素値が14ビットで表される場合のPixel to Byte変換の例を示す図である。
この場合、画素Nの画素値を表すData[13]~[0]の14ビットは、Data[13]~[6]からなるByte 1.75*Nに変換される。
画素N+1~N+3についても同様に、それぞれの画素値を表すData[13]~[0]の14ビットが、Data[13]~[6]からなるByte 1.75*N+1~Byte 1.75*N+3に変換される。また、画素N~N+3のビットのうちの残ったビットが下位のビットから順に集められ、例えば、画素NのビットであるData[5]~[0]と、画素N+1のビットであるData[5],[4]がByte 1.75*N+4に変換される。
同様に、画素N+1のビットであるData[3]~[0]と、画素N+2のビットであるData[5]~[2]がByte 1.75*N+5に変換され、画素N+2のビットであるData[1],[0]と、画素N+3のビットであるData[5]~[0]がByte 1.75*N+6に変換される。各画素の画素値が14ビットで表される場合、Pixel to Byte変換後のバイト単位のデータの数は、画素の数の1.75倍の数になる。
図13は、各画素の画素値が16ビットで表される場合のPixel to Byte変換の例を示す図である。
この場合、画素Nの画素値を表すData[15]~[0]の16ビットは、Data[15]~[8]からなるByte 2*NとData[7]~[0]からなるByte 2*N+1に変換される。各画素の画素値が16ビットで表される場合、Pixel to Byte変換後のバイト単位のデータの数は、画素の数の2倍の数になる。
図5のPixel to Byte変換部62は、このようなPixel to Byte変換を例えばラインの左端の画素から順に各画素を対象として行う。また、Pixel to Byte変換部62は、Pixel to Byte変換によって得られたバイト単位の画素データに、データ挿入部73から供給されたペイロードスタッフィングデータを付加することによってペイロードデータを生成し、ペイロードECC挿入部63に出力する。
図14は、ペイロードデータの例を示す図である。
図14は、各画素の画素値が10ビットで表される場合のPixel to Byte変換によって得られた画素データを含むペイロードデータを示している。色を付していない1つのブロックが、Pixel to Byte変換後のバイト単位の画素データを表す。また、色を付している1つのブロックが、データ挿入部73により生成されたペイロードスタッフィングデータを表す。
Pixel to Byte変換後の画素データは、変換によって得られた順に、所定の数のグループにグループ化される。図14の例においては、各画素データがグループ0~15の16グループにグループ化されており、画素P0のMSBを含む画素データがグループ0に割り当てられ、画素P1のMSBを含む画素データがグループ1に割り当てられている。また、画素P2のMSBを含む画素データがグループ2に割り当てられ、画素P3のMSBを含む画素データがグループ3に割り当てられ、画素P0~P3のLSBを含む画素データがグループ4に割り当てられている。
画素P4のMSBを含む画素データ以降の画素データについても、グループ5以降の各グループに順に割り当てられる。ある画素データがグループ15に割り当てられたとき、それ以降の画素データは、グループ0以降の各グループに順に割り当てられる。なお、画素データを表すブロックのうち、3本の破線が内側に付されているブロックは、Pixel to Byte変換時に、画素N~N+3のLSBを含むようにして生成されたバイト単位の画素データを表す。
送信部22のリンクレイヤにおいては、このようにしてグループ化が行われた後、クロック信号によって規定される期間毎に、各グループにおいて同じ位置にある画素データを対象として処理が並行して行われる。すなわち、図14に示すように16のグループに画素データが割り当てられた場合、各列に並ぶ16の画素データを同じ期間内に処理するようにして画素データの処理が進められる。
上述したように、1つのパケットのペイロードには1ラインの画素データが含まれる。図14に示す画素データ全体が、1ラインを構成する画素データである。ここでは、図4の有効画素領域A1の画素データの処理について説明しているが、マージン領域A2等の他の領域の画素データについても有効画素領域A1の画素データとともに処理される。
1ライン分の画素データがグループ化された後、各グループのデータ長が同じ長さになるように、ペイロードスタッフィングデータが付加される。ペイロードスタッフィングデータは1バイトのデータである。
図14の例においては、グループ0の画素データにはペイロードスタッフィングデータが付加されず、破線で囲んで示すように、グループ1~15の各画素データには、終端にペイロードスタッフィングデータが1つずつ付加されている。画素データとスタッフィングデータからなるペイロードデータのデータ長(Byte)は下式(3)により表される。
式(3)のLineLengthはラインの画素数を表し、BitPixは1画素の画素値を表すビット数を表す。PayloadStuffingはペイロードスタッフィングデータの数を表す。
図14に示すように画素データを16グループに割り当てるとした場合、ペイロードスタッフィングデータの数は下式(4)により表される。式(4)の%は剰余を表す。
図15は、ペイロードデータの他の例を示す図である。
図15は、各画素の画素値が12ビットで表される場合のPixel to Byte変換によって得られた画素データを含むペイロードデータを示している。
図15の例においては、画素P0のMSBを含む画素データがグループ0に割り当てられ、画素P1のMSBを含む画素データがグループ1に割り当てられ、画素P0と画素P1のLSBを含む画素データがグループ2に割り当てられている。画素P2のMSBを含む画素データ以降の画素データについても、グループ3以降の各グループに順に割り当てられる。画素データを表すブロックのうち、1本の破線が内側に付されているブロックは、Pixel to Byte変換時に、画素Nと画素N+1のLSBを含むようにして生成されたバイト単位の画素データを表す。
図15の例においては、グループ0とグループ1の画素データにはペイロードスタッフィングデータが付加されず、グループ2~15の各画素データには、終端にペイロードスタッフィングデータが1つずつ付加されている。
このような構成を有するペイロードデータがPixel to Byte変換部62からペイロードECC挿入部63に供給される。
ペイロードECC挿入部63は、Pixel to Byte変換部62から供給されたペイロードデータに基づいて、ペイロードデータの誤り訂正に用いられる誤り訂正符号を計算し、計算により求めた誤り訂正符号であるパリティをペイロードデータに挿入する。誤り訂正符号として、例えばリードソロモン符号が用いられる。なお、誤り訂正符号の挿入はオプションであり、例えば、ペイロードECC挿入部63によるパリティの挿入と、フッタ生成部74によるフッタの付加はいずれか一方のみを行うことが可能とされる。
図16は、パリティが挿入されたペイロードデータの例を示す図である。
図16に示すペイロードデータは、図15を参照して説明した、各画素の画素値が12ビットで表される場合のPixel to Byte変換によって得られた画素データを含むペイロードデータである。斜線を付して示すブロックがパリティを表す。
図16の例においては、グループ0~15の各グループの先頭の画素データから順に14個選択され、選択された224個(224バイト)の画素データに基づいて2バイトのパリティが求められている。2バイトのパリティが、その計算に用いられた224個の画素データに続けてグループ0,1の15番目のデータとして挿入され、224個の画素データと2バイトのパリティから1つ目のBasic Blockが形成される。
このように、ペイロードECC挿入部63においては、基本的に、224個の画素データに基づいて2バイトのパリティが生成され、224個の画素データに続けて挿入される。
また、図16の例においては、1つ目のBasic Blockに続く224個の画素データが各グループから順に選択され、選択された224個の画素データに基づいて2バイトのパリティが求められている。2バイトのパリティが、その計算に用いられた224個の画素データに続けてグループ2,3の29番目のデータとして挿入され、224個の画素データと2バイトのパリティから2つ目のBasic Blockが形成される。
あるBasic Blockに続く画素データとペイロードスタッフィングデータの数である16×Mが224に満たない場合、残っている16×M個のブロック(画素データとペイロードスタッフィングデータ)に基づいて2バイトのパリティが求められる。また、求められた2バイトのパリティがペイロードスタッフィングデータに続けて挿入され、16×M個のブロックと2バイトのパリティからExtra Blockが形成される。
ペイロードECC挿入部63は、パリティを挿入したペイロードデータをパケット生成部64に出力する。パリティの挿入が行われない場合、Pixel to Byte変換部62からペイロードECC挿入部63に供給されたペイロードデータは、そのままパケット生成部64に出力される。
パケット生成部64は、ペイロードECC挿入部63から供給されたペイロードデータに、ヘッダ生成部72により生成されたヘッダを付加することによってパケットを生成する。フッタ生成部74によりフッタの生成が行われている場合、パケット生成部64は、ペイロードデータにフッタを付加することも行う。
図17は、ペイロードデータにヘッダを付加した状態を示す図である。
H7~H0の文字を付して示す24個のブロックは、ヘッダ情報、またはヘッダ情報のCRC符号である、バイト単位のヘッダデータを表す。図6を参照して説明したように1つのパケットのヘッダには、ヘッダ情報とCRC符号の組が3組含まれる。
例えばヘッダデータH7~H2はヘッダ情報(6バイト)であり、ヘッダデータH1,H0はCRC符号(2バイト)である。
図17の例においては、グループ0のペイロードデータには1つのヘッダデータH7が付加され、グループ1のペイロードデータには1つのヘッダデータH6が付加されている。グループ2のペイロードデータには1つのヘッダデータH5が付加され、グループ3のペイロードデータには1つのヘッダデータH4が付加されている。グループ4のペイロードデータには1つのヘッダデータH3が付加され、グループ5のペイロードデータには1つのヘッダデータH2が付加されている。グループ6のペイロードデータには1つのヘッダデータH1が付加され、グループ7のペイロードデータには1つのヘッダデータH0が付加されている。
また、図17の例においては、グループ8のペイロードデータには2つのヘッダデータH7が付加され、グループ9のペイロードデータには2つのヘッダデータH6が付加されている。グループ10のペイロードデータには2つのヘッダデータH5が付加され、グループ11のペイロードデータには2つのヘッダデータH4が付加されている。グループ12のペイロードデータには2つのヘッダデータH3が付加され、グループ13のペイロードデータには2つのヘッダデータH2が付加されている。グループ14のペイロードデータには2つのヘッダデータH1が付加され、グループ15のペイロードデータには2つのヘッダデータH0が付加されている。
図18は、ペイロードデータにヘッダとフッタを付加した状態を示す図である。
F3~F0の文字を付して示す4個のブロックは、フッタとして生成された4バイトのCRC符号であるフッタデータを表す。図18の例においては、フッタデータF3~F0が、グループ0からグループ3のそれぞれのペイロードデータに付加されている。
図19は、パリティが挿入されたペイロードデータにヘッダを付加した状態を示す図である。
図19の例においては、パリティが挿入された図16のペイロードデータに対して、図17、図18の場合と同様にヘッダデータH7~H0が付加されている。
パケット生成部64は、このようにして生成した1パケットを構成するデータであるパケットデータをレーン分配部65に出力する。レーン分配部65に対しては、ヘッダデータとペイロードデータからなるパケットデータ、ヘッダデータとペイロードデータとフッタデータからなるパケットデータ、または、ヘッダデータと、パリティが挿入されたペイロードデータからなるパケットデータが供給されることになる。図6のパケット構造は論理的なものであり、リンクレイヤ、物理レイヤにおいては、図6の構造を有するパケットのデータがバイト単位で処理される。
レーン分配部65は、パケット生成部64から供給されたパケットデータを、先頭のデータから順に、Lane0~7のうちのデータ伝送に用いる各レーンに割り当てる。
図20は、パケットデータの割り当ての例を示す図である。
ここでは、ヘッダデータとペイロードデータとフッタデータからなるパケットデータ(図18)の割り当てについて説明する。Lane0~7の8レーンを用いてデータ伝送を行う場合のパケットデータの割り当ての例を白抜き矢印#1の先に示す。
この場合、ヘッダデータH7~H0の3回繰り返しを構成するそれぞれのヘッダデータは、先頭のヘッダデータから順にLane0~7に割り当てられる。あるヘッダデータがLane7に割り当てられたとき、それ以降のヘッダデータは、Lane0以降の各レーンに順に割り当てられる。Lane0~7の各レーンには同じヘッダデータが3個ずつ割り当てられることになる。
また、ペイロードデータは、先頭のペイロードデータから順にLane0~7に割り当てられる。あるペイロードデータがLane7に割り当てられたとき、それ以降のペイロードデータは、Lane0以降の各レーンに順に割り当てられる。
フッタデータF3~F0は、先頭のフッタデータから順に各レーンに割り当てられる。図20の例においては、ペイロードデータを構成する最後のペイロードスタッフィングデータがLane7に割り当てられており、フッタデータF3~F0がLane0~3に1つずつ割り当てられている。
黒色を付して示すブロックはデータ挿入部73により生成されたレーンスタッフィングデータを表す。レーンスタッフィングデータは、1パケット分のパケットデータが各レーンに割り当てられた後、各レーンに割り当てられるデータ長が同じ長さになるように、データの数が少ないレーンに割り当てられる。レーンスタッフィングデータは1バイトのデータである。図20の例においては、データの割り当て数の少ないレーンであるLane4~7に対して、レーンスタッフィングデータが1つずつ割り当てられている。
パケットデータがヘッダデータとペイロードデータとフッタデータからなる場合のレーンスタッフィングデータの数は下式(5)により表される。
式(5)のLaneNumはレーンの数を表し、PayloadLengthはペイロードデータ長(バイト)を表す。また、FooterLengthはフッタ長(バイト)を表す。
また、パケットデータが、ヘッダデータと、パリティが挿入されたペイロードデータからなる場合のレーンスタッフィングデータの数は下式(6)により表される。式(6)のParityLengthは、ペイロードに含まれるパリティの総バイト数を表す。
Lane0~5の6レーンを用いてデータ伝送を行う場合のパケットデータの割り当ての例を白抜き矢印#2の先に示す。
この場合、ヘッダデータH7~H0の3回繰り返しを構成するそれぞれのヘッダデータは、先頭のヘッダデータから順にLane0~5に割り当てられる。あるヘッダデータがLane5に割り当てられたとき、それ以降のヘッダデータは、Lane0以降の各レーンに順に割り当てられる。Lane0~5の各レーンには4個ずつヘッダデータが割り当てられることになる。
また、ペイロードデータは、先頭のペイロードデータから順にLane0~5に割り当てられる。あるペイロードデータがLane5に割り当てられたとき、それ以降のペイロードデータは、Lane0以降の各レーンに順に割り当てられる。
フッタデータF3~F0は、先頭のフッタデータから順に各レーンに割り当てられる。図20の例においては、ペイロードデータを構成する最後のペイロードスタッフィングデータがLane1に割り当てられており、フッタデータF3~F0がLane2~5に1つずつ割り当てられている。Lane0~5のパケットデータの数が同じ数であるから、この場合、レーンスタッフィングデータは用いられない。
Lane0~3の4レーンを用いてデータ伝送を行う場合のパケットデータの割り当ての例を白抜き矢印#3の先に示す。
この場合、ヘッダデータH7~H0の3回繰り返しを構成するそれぞれのヘッダデータは、先頭のヘッダデータから順にLane0~3に割り当てられる。あるヘッダデータがLane3に割り当てられたとき、それ以降のヘッダデータは、Lane0以降の各レーンに順に割り当てられる。Lane0~3の各レーンには6個ずつヘッダデータが割り当てられることになる。
また、ペイロードデータは、先頭のペイロードデータから順にLane0~3に割り当てられる。あるペイロードデータがLane3に割り当てられたとき、それ以降のペイロードデータは、Lane0以降の各レーンに順に割り当てられる。
フッタデータF3~F0は、先頭のフッタデータから順に各レーンに割り当てられる。図20の例においては、ペイロードデータを構成する最後のペイロードスタッフィングデータがLane3に割り当てられており、フッタデータF3~F0がLane0~3に1つずつ割り当てられている。Lane0~3のパケットデータの数が同じ数であるから、この場合、レーンスタッフィングデータは用いられない。
レーン分配部65は、このようにして各レーンに割り当てたパケットデータを物理レイヤに出力する。以下、Lane0~7の8レーンを用いてデータを伝送する場合について主に説明するが、データ伝送に用いるレーンの数が他の数の場合であっても同様の処理が行われる。
[送信部22の物理レイヤの構成]
次に、送信部22の物理レイヤの構成について説明する。
送信部22には、物理レイヤの構成として、PHY-TX状態制御部81、クロック生成部82、信号処理部83-0乃至83-Nが設けられる。信号処理部83-0は、制御コード挿入部91、8B10Bシンボルエンコーダ92、同期部93、および送信部94から構成される。レーン分配部65から出力された、Lane0に割り当てられたパケットデータは信号処理部83-0に入力され、Lane1に割り当てられたパケットデータは信号処理部83-1に入力される。また、LaneNに割り当てられたパケットデータは信号処理部83-Nに入力される。
このように、送信部22の物理レイヤには、信号処理部83-0乃至83-Nがレーンの数と同じ数だけ設けられ、各レーンを用いて伝送するパケットデータの処理が、信号処理部83-0乃至83-Nのそれぞれにおいて並行して行われる。信号処理部83-0の構成について説明するが、信号処理部83-1乃至83-Nも同様の構成を有する。
PHY-TX状態制御部81は、信号処理部83-0乃至83-Nの各部を制御する。例えば、信号処理部83-0乃至83-Nにより行われる各処理のタイミングがPHY-TX状態制御部81により制御される。
クロック生成部82は、クロック信号を生成し、信号処理部83-0乃至83-Nのそれぞれの同期部93に出力する。
信号処理部83-0の制御コード挿入部91は、レーン分配部65から供給されたパケットデータに対して制御コードを付加する。制御コードは、予め用意された複数種類のシンボルの中から選択された1つのシンボルにより、または複数種類のシンボルの組み合わせにより表されるコードである。制御コード挿入部91により挿入される各シンボルは8ビットのデータである。後段の回路で8B10B変換が施されることによって、制御コード挿入部91により挿入された1シンボルは10ビットのデータになる。一方、受信部31においては後述するように受信データに対して10B8B変換が施されるが、受信データに含まれる10B8B変換前の各シンボルは10ビットのデータであり、10B8B変換後の各シンボルは8ビットのデータになる。
図21は、制御コード挿入部91により付加される制御コードの例を示す図である。
制御コードには、Idle Code, Start Code, End Code, Pad Code, Sync Code, Deskew Code, Standby Codeがある。
Idle Codeは、パケットデータの伝送時以外の期間に繰り返し送信されるシンボル群である。Idle Codeは、8B10B CodeであるD CharacterのD00.0(00000000)で表される。
Start Codeは、パケットの開始を示すシンボル群である。上述したように、Start Codeはパケットの前に付加される。Start Codeは、3種類のK Characterの組み合わせであるK28.5, K27.7, K28.2, K27.7の4シンボルで表される。それぞれのK Characterの値を図22に示す。
End Codeは、パケットの終了を示すシンボル群である。上述したように、End Codeはパケットの後ろに付加される。End Codeは、3種類のK Characterの組み合わせであるK28.5, K29.7, K30.7, K29.7の4シンボルで表される。
Pad Codeは、画素データ帯域とPHY伝送帯域の差を埋めるためにペイロードデータ中に挿入されるシンボル群である。画素データ帯域は、撮像部21から出力され、送信部22に入力される画素データの伝送レートであり、PHY伝送帯域は、送信部22から送信され、受信部31に入力される画素データの伝送レートである。Pad Codeは、4種類のK Characterの組み合わせであるK23.7, K28.4, K28.6, K28.3の4シンボルで表される。
図23は、Pad Codeの挿入の例を示す図である。
図23の上段は、Pad Code挿入前の、各レーンに割り当てられたペイロードデータを示し、下段は、Pad Code挿入後のペイロードデータを示す。図23の例においては、先頭から3番目の画素データと4番目の画素データの間、6番目の画素データと7番目の画素データの間、12番目の画素データと13番目の画素データの間にPad Codeが挿入されている。このように、Pad Codeは、Lane0~7の各レーンのペイロードデータの同じ位置に挿入される。
Lane0に割り当てられたペイロードデータに対するPad Codeの挿入は信号処理部83-0の制御コード挿入部91により行われる。他のレーンに割り当てられたペイロードデータに対するPad Codeの挿入も同様に、信号処理部83-1乃至83-Nにおいてそれぞれ同じタイミングで行われる。Pad Codeの数は、画素データ帯域とPHY伝送帯域の差と、クロック生成部82が生成するクロック信号の周波数などに基づいて決定される。
このように、Pad Codeは、画素データ帯域が狭く、PHY伝送帯域が広い場合に、双方の帯域の差を調整するために挿入される。例えば、Pad Codeが挿入されることによって、画素データ帯域とPHY伝送帯域の差が一定の範囲内に収まるように調整される。
図21の説明に戻り、Sync Codeは、送信部22-受信部31間のビット同期、シンボル同期を確保するために用いられるシンボル群である。Sync Codeは、K28.5, Any**の2シンボルで表される。Any**は、どの種類のシンボルが用いられてもよいことを表す。Sync Codeは、例えば送信部22-受信部31間でパケットデータの伝送が開始される前のトレーニングモード時に繰り返し送信される。
Deskew Codeは、レーン間のData Skew、すなわち、受信部31の各レーンで受信されるデータの受信タイミングのずれの補正に用いられるシンボル群である。Deskew Codeは、K28.5, Any**の2シンボルで表される。Deskew Codeを用いたレーン間のData Skewの補正については後述する。
Standby Codeは、送信部22の出力がHigh-Z(ハイインピーダンス)などの状態になり、データ伝送が行われなくなることを受信部31に通知するために用いられるシンボル群である。すなわち、Standby Codeは、パケットデータの伝送を終了し、Standby状態になるときに受信部31に対して伝送される。Standby Codeは、K28.5, Any**の2シンボルで表される。
制御コード挿入部91は、このような制御コードを付加したパケットデータを8B10Bシンボルエンコーダ92に出力する。
図24は、制御コード挿入後のパケットデータの例を示す図である。
図24に示すように、信号処理部83-0乃至83-Nにおいては、それぞれ、パケットデータの前にStart Codeが付加され、ペイロードデータにPad Codeが挿入される。パケットデータの後ろにはEnd Codeが付加され、End Codeの後ろにDeskew Codeが付加される。図24の例においては、Deskew Codeの後ろにIdle Codeが付加されている。
8B10Bシンボルエンコーダ92は、制御コード挿入部91から供給されたパケットデータ(制御コードが付加されたパケットデータ)に対して8B10B変換を施し、10ビット単位のデータに変換したパケットデータを同期部93に出力する。
同期部93は、8B10Bシンボルエンコーダ92から供給されたパケットデータの各ビットを、クロック生成部82により生成されたクロック信号に従って送信部94に出力する。なお、送信部22に同期部93が設けられないようにしてもよい。この場合、8B10Bシンボルエンコーダ92から出力されたパケットデータは、送信部94にそのまま供給される。
送信部94は、Lane0を構成する伝送路を介して、同期部93から供給されたパケットデータを受信部31に送信する。8レーンを用いてデータ伝送が行われる場合、Lane1~7を構成する伝送路をも用いてパケットデータが受信部31に送信される。
[受信部31の物理レイヤの構成]
次に、受信部31の物理レイヤの構成について説明する。
受信部31には、物理レイヤの構成として、PHY-RX状態制御部101、信号処理部102-0乃至102-Nが設けられる。信号処理部102-0は、受信部111、クロック生成部112、同期部113、シンボル同期部114、10B8Bシンボルデコーダ115、スキュー補正部116、および制御コード除去部117から構成される。Lane0を構成する伝送路を介して送信されてきたパケットデータは信号処理部102-0に入力され、Lane1を構成する伝送路を介して送信されてきたパケットデータは信号処理部102-1に入力される。また、LaneNを構成する伝送路を介して送信されてきたパケットデータは信号処理部102-Nに入力される。
このように、受信部31の物理レイヤには、信号処理部102-0乃至102-Nがレーンの数と同じ数だけ設けられ、各レーンを用いて伝送されてきたパケットデータの処理が、信号処理部102-0乃至102-Nのそれぞれにおいて並行して行われる。信号処理部102-0の構成について説明するが、信号処理部102-1乃至102-Nも同様の構成を有する。
受信部111は、Lane0を構成する伝送路を介して送信部22から伝送されてきたパケットデータを表す信号を受信し、クロック生成部112に出力する。
クロック生成部112は、受信部111から供給された信号のエッジを検出することによってビット同期をとり、エッジの検出周期に基づいてクロック信号を生成する。クロック生成部112は、受信部111から供給された信号を、クロック信号とともに同期部113に出力する。
同期部113は、クロック生成部112により生成されたクロック信号に従って、受信部111において受信された信号のサンプリングを行い、サンプリングによって得られたパケットデータをシンボル同期部114に出力する。クロック生成部112と同期部113によりCDR(Clock Data Recovery)の機能が実現される。
シンボル同期部114は、パケットデータに含まれる制御コードを検出することによって、または制御コードに含まれる一部のシンボルを検出することによってシンボル同期をとる。例えば、シンボル同期部114は、Start Code, End Code, Deskew Codeに含まれるK28.5のシンボルを検出し、シンボル同期をとる。シンボル同期部114は、各シンボルを表す10ビット単位のパケットデータを10B8Bシンボルデコーダ115に出力する。
また、シンボル同期部114は、パケットデータの伝送が開始される前のトレーニングモード時に送信部22から繰り返し送信されてくるSync Codeに含まれるシンボルの境界を検出することによってシンボル同期をとる。
10B8Bシンボルデコーダ115は、シンボル同期部114から供給された10ビット単位のパケットデータに対して10B8B変換を施し、8ビット単位のデータに変換したパケットデータをスキュー補正部116に出力する。
スキュー補正部116は、10B8Bシンボルデコーダ115から供給されたパケットデータからDeskew Codeを検出する。スキュー補正部116によるDeskew Codeの検出タイミングの情報はPHY-RX状態制御部101に供給される。
また、スキュー補正部116は、Deskew Codeのタイミングを、PHY-RX状態制御部101から供給された情報により表されるタイミングに合わせるようにしてレーン間のData Skewを補正する。PHY-RX状態制御部101からは、信号処理部102-0乃至102-Nのそれぞれにおいて検出されたDeskew Codeのタイミングのうち、最も遅いタイミングを表す情報が供給されてくる。
図25は、Deskew Codeを用いたレーン間のData Skewの補正の例を示す図である。
図25の例においては、Lane0~7の各レーンにおいて、Sync Code, Sync Code,…,Idle Code, Deskew Code, Idle Code, …, Idle Code, Deskew Codeの伝送が行われ、それぞれの制御コードが受信部31において受信されている。同じ制御コードの受信タイミングがレーン毎に異なり、レーン間のData Skewが生じている状態になっている。
この場合、スキュー補正部116は、1つ目のDeskew CodeであるDeskew Code C1を検出し、Deskew Code C1の先頭のタイミングを、PHY-RX状態制御部101から供給された情報により表される時刻t1に合わせるように補正する。PHY-RX状態制御部101からは、Lane0~7の各レーンにおいてDeskew Code C1が検出されたタイミングのうち、最も遅いタイミングであるLane7においてDeskew Code C1が検出された時刻t1の情報が供給されてくる。
また、スキュー補正部116は、2つ目のDeskew CodeであるDeskew Code C2を検出し、Deskew Code C2の先頭のタイミングを、PHY-RX状態制御部101から供給された情報により表される時刻t2に合わせるように補正する。PHY-RX状態制御部101からは、Lane0~7の各レーンにおいてDeskew Code C2が検出されたタイミングのうち、最も遅いタイミングであるLane7においてDeskew Code C2が検出された時刻t2の情報が供給されてくる。
信号処理部102-1乃至102-Nのそれぞれにおいて同様の処理が行われることによって、図25の矢印#1の先に示すようにレーン間のData Skewが補正される。
スキュー補正部116は、Data Skewを補正したパケットデータを制御コード除去部117に出力する。
制御コード除去部117は、パケットデータに付加された制御コードを除去し、Start CodeからEnd Codeまでの間のデータをパケットデータとしてリンクレイヤに出力する。
PHY-RX状態制御部101は、信号処理部102-0乃至102-Nの各部を制御し、レーン間のData Skewの補正などを行わせる。また、PHY-RX状態制御部101は、所定のレーンで伝送エラーが起きて制御コードが失われた場合、失われた制御コードに代えて、他のレーンで伝送されてきた制御コードを付加することによって制御コードの誤り訂正を行う。
[受信部31のリンクレイヤの構成]
次に、受信部31のリンクレイヤの構成について説明する。
受信部31には、リンクレイヤの構成として、LINK-RXプロトコル管理部121、レーン統合部122、パケット分離部123、ペイロードエラー訂正部124、およびByte to Pixel変換部125が設けられる。LINK-RXプロトコル管理部121は、状態制御部131、ヘッダエラー訂正部132、データ除去部133、およびフッタエラー検出部134から構成される。
レーン統合部122は、物理レイヤの信号処理部102-0乃至102-Nから供給されたパケットデータを、送信部22のレーン分配部65による各レーンへの分配順と逆順で並び替えることによって統合する。
例えば、レーン分配部65によるパケットデータの分配が図20の矢印#1の先に示すようにして行われている場合、各レーンのパケットデータの統合が行われることによって図20の左側のパケットデータが取得される。各レーンのパケットデータの統合時、データ除去部133による制御に従って、レーンスタッフィングデータがレーン統合部122により除去される。レーン統合部122は、統合したパケットデータをパケット分離部123に出力する。
パケット分離部123は、レーン統合部122により統合された1パケット分のパケットデータを、ヘッダデータを構成するパケットデータとペイロードデータを構成するパケットデータに分離する。パケット分離部123は、ヘッダデータをヘッダエラー訂正部132に出力し、ペイロードデータをペイロードエラー訂正部124に出力する。
また、パケット分離部123は、パケットにフッタが含まれている場合、1パケット分のデータを、ヘッダデータを構成するパケットデータとペイロードデータを構成するパケットデータとフッタデータを構成するパケットデータに分離する。パケット分離部123は、ヘッダデータをヘッダエラー訂正部132に出力し、ペイロードデータをペイロードエラー訂正部124に出力する。また、パケット分離部123は、フッタデータをフッタエラー検出部134に出力する。
ペイロードエラー訂正部124は、パケット分離部123から供給されたペイロードデータにパリティが挿入されている場合、パリティに基づいて誤り訂正演算を行うことによってペイロードデータのエラーを検出し、検出したエラーの訂正を行う。例えば、図16に示すようにしてパリティが挿入されている場合、ペイロードエラー訂正部124は、1つ目のBasic Blockの最後に挿入されている2つのパリティを用いて、パリティの前にある224個の画素データの誤り訂正を行う。
ペイロードエラー訂正部124は、各Basic Block, Extra Blockを対象として誤り訂正を行うことによって得られた誤り訂正後の画素データをByte to Pixel変換部125に出力する。パケット分離部123から供給されたペイロードデータにパリティが挿入されていない場合、パケット分離部123から供給されたペイロードデータはそのままByte to Pixel変換部125に出力される。
Byte to Pixel変換部125は、ペイロードエラー訂正部124から供給されたペイロードデータに含まれるペイロードスタッフィングデータをデータ除去部133による制御に従って除去する。
また、Byte to Pixel変換部125は、ペイロードスタッフィングデータを除去して得られたバイト単位の各画素のデータを、8ビット、10ビット、12ビット、14ビット、または16ビット単位の画素データに変換するByte to Pixel変換を行う。Byte to Pixel変換部125においては、図9乃至図13を参照して説明した、送信部22のPixel to Byte変換部62によるPixel to Byte変換と逆の変換が行われる。
Byte to Pixel変換部125は、Byte to Pixel変換によって得られた8ビット、10ビット、12ビット、14ビット、または16ビット単位の画素データをフレームデータ出力部141に出力する。フレームデータ出力部141においては、例えば、ヘッダ情報のLine Validにより特定される有効画素の各ラインがByte to Pixel変換部125により得られた画素データに基づいて生成され、ヘッダ情報のLine Numberに従って各ラインが並べられることによって1フレームの画像が生成される。
LINK-RXプロトコル管理部121の状態制御部131は、受信部31のリンクレイヤの状態を管理する。
ヘッダエラー訂正部132は、パケット分離部123から供給されたヘッダデータに基づいてヘッダ情報とCRC符号の組を3組取得する。ヘッダエラー訂正部132は、ヘッダ情報とCRC符号の組の各組を対象として、ヘッダ情報のエラーを検出するための演算である誤り検出演算を、そのヘッダ情報と同じ組のCRC符号を用いて行う。
また、ヘッダエラー訂正部132は、それぞれの組のヘッダ情報の誤り検出結果と、誤り検出演算により求められたデータの比較結果とのうちの少なくともいずれかに基づいて正しいヘッダ情報を推測し、正しいと推測したヘッダ情報と復号結果を出力する。誤り検出演算により求められたデータは、ヘッダ情報にCRCの生成多項式を適用することによって求められた値である。また、復号結果は、復号成功または復号失敗を表す情報である。
ヘッダ情報とCRC符号の3つの組をそれぞれ組1、組2、組3とする。この場合、ヘッダエラー訂正部132は、組1を対象とした誤り検出演算によって、組1のヘッダ情報にエラーがあるか否か(誤り検出結果)と、誤り検出演算により求められたデータであるデータ1を取得する。また、ヘッダエラー訂正部132は、組2を対象とした誤り検出演算によって、組2のヘッダ情報にエラーがあるか否かと、誤り検出演算により求められたデータであるデータ2を取得する。ヘッダエラー訂正部132は、組3を対象とした誤り検出演算によって、組3のヘッダ情報にエラーがあるか否かと、誤り検出演算により求められたデータであるデータ3を取得する。
また、ヘッダエラー訂正部132は、データ1とデータ2が一致するか否か、データ2とデータ3が一致するか否か、データ3とデータ1が一致するか否かをそれぞれ判定する。
例えば、ヘッダエラー訂正部132は、組1、組2、組3を対象としたいずれの誤り検出演算によっても誤りが検出されず、誤り検出演算によって求められたデータのいずれの比較結果もが一致した場合、復号結果として、復号成功を表す情報を選択する。また、ヘッダエラー訂正部132は、いずれのヘッダ情報も正しいと推測し、組1のヘッダ情報、組2のヘッダ情報、組3のヘッダ情報のうちのいずれかを出力情報として選択する。
一方、ヘッダエラー訂正部132は、組1を対象とした誤り検出演算でだけ誤りが検出されなかった場合、復号結果として、復号成功を表す情報を選択するとともに、組1のヘッダ情報が正しいと推測し、組1のヘッダ情報を出力情報として選択する。
また、ヘッダエラー訂正部132は、組2を対象とした誤り検出演算でだけ誤りが検出されなかった場合、復号結果として、復号成功を表す情報を選択するとともに、組2のヘッダ情報が正しいと推測し、組2のヘッダ情報を出力情報として選択する。
ヘッダエラー訂正部132は、組3を対象とした誤り検出演算でだけ誤りが検出されなかった場合、復号結果として、復号成功を表す情報を選択するとともに、組3のヘッダ情報が正しいと推測し、組3のヘッダ情報を出力情報として選択する。
ヘッダエラー訂正部132は、以上のようにして選択した復号結果と出力情報をレジスタ142に出力し、記憶させる。このように、ヘッダエラー訂正部132によるヘッダ情報の誤り訂正は、複数のヘッダ情報の中から、エラーのないヘッダ情報をCRC符号を用いて検出し、検出したヘッダ情報を出力するようにして行われる。
データ除去部133は、レーン統合部122を制御してレーンスタッフィングデータを除去し、Byte to Pixel変換部125を制御してペイロードスタッフィングデータを除去する。
フッタエラー検出部134は、パケット分離部123から供給されたフッタデータに基づいて、フッタに格納されたCRC符号を取得する。フッタエラー検出部134は、取得したCRC符号を用いて誤り検出演算を行い、ペイロードデータのエラーを検出する。フッタエラー検出部134は、誤り検出結果を出力し、レジスタ142に記憶させる。
[イメージセンサ11とDSP12の動作]
次に、以上のような構成を有する送信部22と受信部31の一連の処理について説明する。
はじめに、図26のフローチャートを参照して、伝送システム1を有する撮像装置の動作について説明する。図26の処理は、例えば、撮像装置に設けられたシャッタボタンが押されるなどして撮像の開始が指示されたときに開始される。
ステップS1において、イメージセンサ11の撮像部21は撮像を行う。撮像部21のフレームデータ入力部52(図5)は、撮像によって得られた1フレームの画像を構成する画素データを、1画素のデータずつ順に出力する。
ステップS2において、送信部22によりデータ送信処理が行われる。データ送信処理により、1ライン分の画素データをペイロードに格納したパケットが生成され、パケットを構成するパケットデータが受信部31に対して送信される。データ送信処理については図27のフローチャートを参照して後述する。
ステップS3において、受信部31によりデータ受信処理が行われる。データ受信処理により、送信部22から送信されてきたパケットデータが受信され、ペイロードに格納されている画素データが画像処理部32に出力される。データ受信処理については図28のフローチャートを参照して後述する。
ステップS2において送信部22により行われるデータ送信処理と、ステップS3において受信部31により行われるデータ受信処理は、1ライン分の画素データを対象として交互に行われる。すなわち、ある1ラインの画素データがデータ送信処理によって送信されたとき、データ受信処理が行われ、データ受信処理によって1ラインの画素データが受信されたとき、次の1ラインの画素データを対象としてデータ送信処理が行われる。送信部22によるデータ送信処理と、受信部31によるデータ受信処理は、適宜、時間的に並行して行われることもある。ステップS4において、画像処理部32のフレームデータ出力部141は、1フレームの画像を構成する全てのラインの画素データの送受信が終了したか否かを判定し、終了していないと判定した場合、ステップS2以降の処理を繰り返し行わせる。
1フレームの画像を構成する全てのラインの画素データの送受信が終了したとステップS4において判定した場合、ステップS5において、画像処理部32のフレームデータ出力部141は、受信部31から供給された画素データに基づいて1フレームの画像を生成する。
ステップS6において、画像処理部32は、1フレームの画像を用いて画像処理を行い、処理を終了させる。
次に、図27のフローチャートを参照して、図26のステップS2において行われるデータ送信処理について説明する。
ステップS11において、ヘッダ生成部72は、Frame Start, Frame End, Line Valid, Line Number, Reservedからなるヘッダ情報を生成する。
ステップS12において、ヘッダ生成部72は、ヘッダ情報を生成多項式に適用してCRC符号を計算する。
ステップS13において、ヘッダ生成部72は、ヘッダ情報にCRC符号を付加することによってヘッダ情報とCRC符号の組を生成し、同じヘッダ情報とCRC符号の組を3組繰り返して配置することによってヘッダを生成する。
ステップS14において、Pixel to Byte変換部62は、フレームデータ入力部52から供給された画素データを取得し、Pixel to Byte変換を行う。Pixel to Byte変換部62は、Pixel to Byte変換によって得られたバイト単位の画素データのグループ化、ペイロードスタッフィングデータの付加などを行うことによって生成したペイロードデータを出力する。ペイロードデータに対しては、適宜、ペイロードECC挿入部63によりパリティが挿入される。
ステップS15において、パケット生成部64は、1ライン分の画素データを含むペイロードデータと、ヘッダ生成部72により生成されたヘッダに基づいてパケットを生成し、1パケットを構成するパケットデータを出力する。
ステップS16において、レーン分配部65は、パケット生成部64から供給されたパケットデータを、データ伝送に用いられる複数のレーンに割り当てる。
ステップS17において、制御コード挿入部91は、レーン分配部65から供給されたパケットデータに制御コードを付加する。
ステップS18において、8B10Bシンボルエンコーダ92は、制御コードが付加されたパケットデータの8B10B変換を行い、10ビット単位のデータに変換したパケットデータを出力する。
ステップS19において、同期部93は、8B10Bシンボルエンコーダ92から供給されたパケットデータを、クロック生成部82により生成されたクロック信号に従って出力し、送信部94から送信させる。ステップS17乃至S19の処理は信号処理部83-0乃至83-Nにより並行して行われる。1ライン分の画素データの送信が終了したとき、図26のステップS2に戻りそれ以降の処理が行われる。
次に、図28のフローチャートを参照して、図26のステップS3において行われるデータ受信処理について説明する。
ステップS31において、受信部111は、送信部22から伝送されてきたパケットデータを表す信号を受信する。ステップS31乃至S36の処理は信号処理部102-0乃至102-Nにより並行して行われる。
ステップS32において、クロック生成部112は、受信部111から供給された信号のエッジを検出することによってビット同期をとる。同期部113は、受信部111において受信された信号のサンプリングを行い、パケットデータをシンボル同期部114に出力する。
ステップS33において、シンボル同期部114は、パケットデータに含まれる制御コードを検出するなどしてシンボル同期をとる。
ステップS34において、10B8Bシンボルデコーダ115は、シンボル同期後のパケットデータに対して10B8B変換を施し、8ビット単位のデータに変換したパケットデータを出力する。
ステップS35において、スキュー補正部116は、Deskew Codeを検出し、上述したように、Deskew CodeのタイミングをPHY-RX状態制御部101から供給された情報により表されるタイミングに合わせるようにしてレーン間のData Skewを補正する。
ステップS36において、制御コード除去部117は、パケットデータに付加された制御コードを除去する。
ステップS37において、レーン統合部122は、信号処理部102-0乃至102-Nから供給されたパケットデータを統合する。
ステップS38において、パケット分離部123は、レーン統合部122により統合されたパケットデータを、ヘッダデータを構成するパケットデータとペイロードデータを構成するパケットデータに分離する。
ステップS39において、ヘッダエラー訂正部132は、パケット分離部123により分離されたヘッダデータに含まれるヘッダ情報とCRC符号の各組を対象としてCRC符号を用いた誤り検出演算を行う。また、ヘッダエラー訂正部132は、各組の誤り検出結果と、誤り検出演算により求められたデータの比較結果とに基づいてエラーのないヘッダ情報を選択し、出力する。
ステップS40において、Byte to Pixel変換部125は、ペイロードデータのByte to Pixel変換を行い、8ビット、10ビット、12ビット、14ビット、または16ビット単位の画素データを出力する。Byte to Pixel変換の対象となるペイロードデータに対しては、適宜、パリティを用いた誤り訂正がペイロードエラー訂正部124により行われる。
1ライン分の画素データの処理が終了したとき、図26のステップS3に戻りそれ以降の処理が行われる。
イメージセンサ11とDSP12の間でのデータ伝送は、以上のように、1フレームの1ラインが1パケットに相当するパケットフォーマットを用いて行われる。
イメージセンサ11とDSP12間のデータ伝送に用いられるパケットフォーマットは、ヘッダ情報や、Start Code, End Code等のパケット境界を示す制御コードの伝送を最小限に抑えるフォーマットといえ、伝送効率の低下を防ぐことが可能になる。仮に、1パケットのペイロードに格納される画素データが1ラインより少ないパケットフォーマットを採用した場合、1フレーム全体の画素データを伝送するためにはより多くのパケットを伝送する必要があり、伝送するヘッダ情報や制御コードの数が多くなる分、伝送効率が低下してしまう。
また、伝送効率の低下を防ぐことによって伝送レイテンシを抑えることが可能となり、大量の画像データを高速に伝送する必要がある高画素・高フレームレートのインタフェースを実現することができる。
伝送の信頼度/冗長度を上げて受信部31側で誤り訂正を行うことを前提にしたパケットフォーマットを採用することによって、ヘッダ情報の伝送エラー対策を確保することが可能になる。Frame/Line(V/H)の同期情報等の伝送がヘッダ情報を用いて行われるため、ヘッダ情報が伝送エラーで失われると、システム上、大きな不具合となる可能性があるが、そのようなことを防ぐことができる。
また、ヘッダ情報の伝送エラー対策を確保するための実装コストや消費電力の増大を抑えることもできる。すなわち、イメージセンサ11とDSP12間のデータ伝送に用いられるパケットフォーマットは、CRC符号が付加されていることで、ヘッダ情報の伝送エラーの有無をDSP12において検出することができるようになっている。また、ヘッダ情報とCRC符号の組を3組伝送することで、ヘッダ情報の伝送エラーが生じた場合にDSP12において正しいヘッダ情報に訂正することができるようになっている。
仮に、ヘッダ情報の伝送エラー対策として誤り訂正符号を用いるとした場合、誤り訂正符号の計算を行う回路を送信部22に用意するとともに、誤り訂正演算を行う回路を受信部31に用意する必要があることになる。ヘッダ情報に付加されるのは誤り検出符号であるCRC符号であるため、誤り訂正に関する演算を行う回路を用意する場合に較べて、回路規模、消費電力を小さくすることができる。また、ヘッダ情報の誤りを検出した場合にヘッダ情報の再送を受信部31が送信部22に対して要求することも行われないため、再送要求のための逆方向の伝送路を用意する必要がない。
冗長度を上げ、8B10Bコードの複数のK Characterを組み合わせて制御コードを構成することによって、制御コードのエラー確率を低減させることができ、これにより、比較的簡単な回路で制御コードの伝送エラー対策を確保することが可能になる。
具体的には、Start Codeには3種類のK Characterを4シンボル組み合わせて用いているが、少なくともK28.5以外のシンボルを検出できれば受信部31においてStart Codeを特定することができ、伝送エラーに対する耐性が高いといえる。End Codeについても同様である。
また、Pad Codeに4種類のK Characterを組み合わせて用いているが、他の制御コードより多くの種類のK Characterを割り当てることによって、他の制御コードよりエラー耐性を上げることが可能になる。すなわち、4種類のうちの1種類のシンボルを検出できれば受信部31においてPad Codeを特定することができる。Pad Codeは、伝送頻度がStart CodeやEnd Codeなどよりも高いため、よりエラー耐性を上げることができる構造を持たせている。
さらに、レーン毎に、同じ制御コードを同じタイミングで伝送することによって、1つのレーンで伝送エラーが起きて制御コードが失われた場合でも、他のレーンの制御コードを使って、エラーとなった制御コードを再現することができる。
また、K Characterの数が限られているため、必要最小限のK Characterを組合せてそれぞれの制御コードを構成するようになされている。例えば、繰り返し送信することによって伝送エラーを比較的許容できるSync Code, Deskew Code, Standby Codeについては、K Characterを追加で割り当てる必要がないようなデータ構造を用いている。
再同期させるために必要な制御コードが1パケット(1ライン)毎に割り当てられているため、静電気等の外乱やノイズなどによりビット同期が外れてしまった場合に再同期を迅速にとることができる。また、同期外れによる伝送エラーの影響を最小限に抑えることができる。
具体的には、クロック生成部112と同期部113により実現されるCDRにおいて8B10B変換後のビットデータの遷移/エッジを検出することでビット同期をとることができる。送信部22がデータを送り続けていれば、CDRロック時間として想定された期間内でビット同期をとることができることになる。
また、シンボル同期が外れてしまった場合でも、特定のK Character(K28.5)をシンボル同期部114において検出することによって再同期を迅速にとることができる。K28.5はStart Code, End Code, Deskew Codeにそれぞれ用いられているから、1パケット分のパケットデータの伝送期間中に、3箇所でシンボル同期をとることが可能になる。
また、Deskew Codeを用いてレーン間のData Skewを補正することができるようにすることによって、レーン間の同期をとることもできる。
リンクレイヤにおいて、16個ずつなどのグループ単位(図14の例の場合、16バイト単位)で各パケットデータが並列処理されるようにすることによって、1クロック周期に1つずつパケットデータを処理する場合に較べて、回路規模やメモリ量を抑えることができる。実装上、パケットデータを1つずつ処理する場合と所定の単位毎にまとめて処理する場合とで、後者の方が回路規模等を抑えることができる。回路規模を抑えることができることによって、消費電力を抑えることも可能になる。
また、レーン割り当ての際、連続するパケットデータを異なるレーンに割り当てることによってエラー耐性を高めることができる。あるレーンにおいてパリティの誤り訂正能力を超えた数の連続するパケットデータに跨ってエラーが生じた場合であっても、受信部31においてレーン結合が行われることによって、エラーが生じたパケットデータの位置が分散することになり、パリティを用いたエラー訂正が可能になることがある。パリティによる誤り訂正能力はパリティ長により定まる。
さらに、物理レイヤに近い方を下位として、レーン分配・レーン統合より上位でECC処理を行うようにすることによって、送信部22と受信部31の回路規模を削減することが可能になる。例えば、送信部22において、パケットデータの各レーンへの割り当てが行われた後にペイロードにECCのパリティが挿入されるとした場合、ペイロードECC挿入部をレーン毎に用意する必要があり、回路規模が大きくなってしまうがそのようなことを防ぐことができる。
物理レイヤにおいてはパケットデータの並列処理が複数の回路で行われるが、PHY-TX状態制御部81やクロック生成部82については共通化することによって、それらの回路をレーン毎に用意する場合に較べて回路の簡素化を図ることができる。また、レーン毎に異なる制御コードを伝送しないプロトコルを用いることによって、各レーンのパケットデータを処理する回路の簡素化を図ることができる。
[レーン数の切り替え]
各レーンにおいて同じ制御コードを同じタイミングで伝送することは、通常のデータ伝送時だけでなく、例えばレーン数を切り替える場合にも行われる。レーン数を切り替える場合においても、アクティブなレーン(データ伝送に用いられるレーン)の状態は全て同じ状態になる。
図29は、レーン数を切り替える場合の制御シーケンスを示す図である。
図29の右側に垂直同期信号(XVS)、水平同期信号(XHS)のタイミングを示す。垂直同期信号が検出される時刻t1までの間に1フレームの画像を構成する各ラインの画素データが水平同期信号に従って伝送され、時刻t1のタイミングで、アクティブなレーンを4レーンから2レーンに変更する場合について説明する。時刻t1までは、4つのレーンを用いてデータ伝送が行われている。
図29のほぼ中央には縦方向に各レーンの状態を示している。「PIX DATA」は、その文字が付されているレーンにおいて画素データの伝送が行われていることを表す。「PIX DATA」に続く「E」、「BLK」、「S」は、それぞれ、Frame End、ブランキング期間、Frame Startを表す。
時刻t1までの1フレーム期間に伝送するフレームの画素データの伝送が終了した場合、ステップS81において、画像処理部32は、受信部31に対してレーン数を4から2に切り替えることを指示する。画像処理部32による指示はステップS71において受信部31により受信される。
時刻t1になったとき、ステップS82において、画像処理部32は、イメージセンサ11の撮像部21に対して、モードチェンジを要求する。撮像部21に対して送信されるモードチェンジの要求には、レーン数を4から2に切り替えることを表す情報も含まれている。図1等には示していないが、撮像部21と画像処理部32の間には、シャッタスピード、ゲインなどの撮像に関する設定値の情報を画像処理部32が撮像部21に対して送信するための伝送路が設けられている。モードチェンジの要求もこの伝送路を介して撮像部21に送信される。
ステップS51において、撮像部21は、画像処理部32からのモードチェンジの要求を受信し、ステップS52において、送信部22に対してレーン数を4から2に切り替えることを指示する。撮像部21による指示はステップS61において送信部22により受信される。
送信部22と受信部31の間ではStandby Sequenceが行われ、Lane0~3を使ってStandby Codeが送信部22から受信部31に繰り返し伝送される。Standby Sequenceが終了したとき、ステップS72において、受信部31から状態の検出結果が出力され、ステップS83において画像処理部32により受信される。また、アクティブな状態を維持するLane0とLane1についてはLowの状態となり、データ伝送を終了するLane2とLane3についてはHigh-Zの状態となる。
送信部22と受信部31の間ではTraining Sequenceが行われ、Lane0とLane1を使ってSync Codeが送信部22から受信部31に繰り返し伝送される。受信部31においてはビット同期が確保され、Sync Codeが検出されることによってシンボル同期が確保される。
Training Sequenceが終了したとき、ステップS73において、受信部31は、画像処理部32に対して準備が完了したことを通知する。受信部31による通知はステップS84において画像処理部32により受信され、レーン数を切り替える場合の一連の制御シーケンスが終了する。
このように、レーン数を切り替える制御シーケンスにおいては、続けてデータ伝送に用いられるLane0,1と同じ状態になるように、データ伝送を終了するLane2,3においてもStandby Sequence時にStandby Codeが伝送される。例えば、Lane2,3については、Standby Codeの伝送を行わないでそのままHigh-Zの状態にすることも考えられるが、続けてデータ伝送に用いられるレーンと異なる状態になってしまい、制御が複雑になる。
[フレームフォーマットの変形例]
図30は、イメージセンサ11-DSP12間のデータ伝送に用いられるフレームフォーマットの他の例を示す図である。上述した説明と重複する説明については適宜省略する。
図30に示すフレームフォーマットは、各ラインの画像データに付加されるヘッダに太線L11で囲むEmbedded Line, Data ID, Region Numberの3つのデータが追加されている点で図4のフォーマットと異なる。図5のヘッダ生成部72によりこれらの情報が生成され、ヘッダに付加されることになる。
図31は、図30のフレームフォーマットの1パケットを拡大して示す図である。1つのパケットは、ヘッダと、1ライン分の画素データであるペイロードデータから構成される。パケットにはフッタが付加されることもある。各パケットの先頭にはStart Codeが付加され、後ろにはEnd Codeが付加される。
ヘッダ情報には、上述したFrame Start, Frame End, Line Valid, Line Numberに加えて、ライン情報としてのEmbedded Line、データ識別としてのData ID、および領域情報としてのRegion Numberが含まれる。各情報の内容を図32に示す。
Embedded Lineは、Embedded Dataが挿入されているラインの伝送に用いられるパケットであるのか否かを表す1ビットの情報である。例えば、Embedded Dataを含むラインの伝送に用いられるパケットのヘッダのEmbedded Lineには1の値が設定され、他のラインの伝送に用いられるパケットのヘッダのEmbedded Lineには0の値が設定される。上述したように、撮像に関する設定値の情報が、Embedded Dataとして前ダミー領域A3や後ダミー領域A4の所定のラインに挿入される。
Data IDは、マルチストリーム伝送におけるデータのIDやデータ種別を示すPビットの情報である。Pビットは1ビット以上の所定の数のビットを表す。マルチストリーム伝送は、1つの送信部と1つの受信部の組を複数用いて行われるデータ伝送である。
Region Numberは、ペイロードに格納されている画素データが、撮像部21のどの領域のデータであるのかを示す1ビットの情報である。これらの3つのデータが追加されることによって、Reservedは30-Pビットになる。
<2.第2の実施の形態(画素データに限らず、所定のデータを伝送する例)>
上述した複数のレーンを使ったチップ間のデータ伝送は、画像データだけでなく各種のデータの伝送にも用いることができる。
以下、適宜、CMOSなどのイメージセンサから出力された画素データの伝送に用いられる上述したI/FをCIS(CMOS Image Sensor) I/Fといい、各種のデータの伝送に用いられるIFを汎用I/Fという。汎用I/Fを用いて、画像データだけでなく、オーディオデータ、テキストデータなどの各種のデータが送信側のチップから受信側のチップに対して伝送される。
[伝送システムの構成例]
図33は、汎用I/Fを用いた伝送システムの第1の構成例を示す図である。
図33の伝送システム301は送信側LSI311と受信側LSI312から構成される。送信側LSI311と受信側LSI312は例えば同じ装置内に設けられる。送信側LSI311には情報処理部321と1つの送信部322が設けられ、受信側LSI312には1つの受信部331と情報処理部332が設けられている。
送信側LSI311の情報処理部321は、各種のデータの処理を行い、送信対象のデータを送信部322に出力する。情報処理部321からは、8, 10, 12, 14, 16, 20, 24, 28, 32, 40, 48, 56, 64, 80, 96, 112, 128, 144ビットなどの各種のビット幅のデータが出力される。
送信部322は、情報処理部321から供給されたデータを、例えば情報処理部321から供給された順に複数のレーンに割り当て、並列に受信側LSI312に送信する。図33の例においても、8本のレーンを用いてデータの伝送が行われている。送信側LSI311と受信側LSI312の間の伝送路は有線の伝送路であってもよいし、無線の伝送路であってもよい。
受信側LSI312の受信部331は、8本のレーンを介して送信部322から送信されてきたデータを受信し、情報処理部332に出力する。
情報処理部332は、受信部331から供給されたデータに基づいて、送信側LSI311側において送信対象として選択されたデータを生成し、生成したデータを用いて各種の処理を行う。送信対象のデータが例えばオーディオデータである場合、オーディオデータの再生、圧縮などの処理が行われる。
図34は、伝送システム301の第2の構成例を示す図である。図34に示す構成のうち、図33に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図34の伝送システム301の送信側LSI311には、情報処理部321と、2つの送信部である送信部322-1,322-2が設けられ、受信側LSI312には、2つの受信部である受信部331-1,331-2と、情報処理部332が設けられている。
情報処理部321は、送信対象のデータを分割し、送信部322-1と送信部322-2に出力する。
送信部322-1は、情報処理部321から供給されたデータを、例えば情報処理部321から供給された順に複数のレーンに割り当て、受信側LSI312に送信する。送信部322-2も同様に、情報処理部321から供給されたデータを、例えば情報処理部321から供給された順に複数のレーンに割り当て、受信側LSI312に送信する。
図34の例においても送信側LSI311と受信側LSI312の間は8本のレーンを介して接続されている。送信部322-1と送信部322-2は、それぞれ、4本のレーンを用いてデータを伝送する。
受信側LSI312の受信部331-1は、4本のレーンを介して送信部322-1から送信されてきたデータを受信し、情報処理部332に出力する。受信部331-2も同様に、4本のレーンを介して送信部322-2から伝送されてきたデータを受信し、情報処理部332に出力する。
情報処理部332は、受信部331-1から供給されたデータと受信部331-2から供給されたデータに基づいて送信対象のデータを生成し、生成したデータを対象として各種の処理を行う。
図34に示すように送信側LSI311に2つの送信部を設け、それに対応させて2つの受信部を受信側LSI312に設けることにより、情報処理部321が出力するデータの伝送レートが高い場合であってもデータを受信側LSI312に伝送することが可能になる。
図35は、伝送システム301の第3の構成例を示す図である。図35に示す構成のうち、図33に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図35の伝送システム301においては、送信側のLSIとして、送信側LSI311-1と送信側LSI311-2の2つのLSIが設けられている。送信側LSI311-1には情報処理部321-1と1つの送信部である送信部322-1が設けられ、送信側LSI311-2には情報処理部321-2と1つの送信部である送信部322-2が設けられる。受信側LSI312には、図34の場合と同様に、2つの受信部である受信部331-1,331-2と、情報処理部332が設けられている。
送信側LSI311-1の情報処理部321-1は、送信対象のデータを送信部322-1に出力する。
送信部322-1は、情報処理部321-1から供給されたデータを複数のレーンに割り当て、受信側LSI312に送信する。
送信側LSI311-2の情報処理部321-2は、送信対象のデータを送信部322-2に出力する。
送信部322-2は、情報処理部321-2から供給されたデータを複数のレーンに割り当て、受信側LSI312に送信する。
図35の例においても送信側のLSIである送信側LSI311と受信側のLSIである受信側LSI312の間は8本のレーンを介して接続されている。送信側LSI311-1と送信側LSI311-2にはそれぞれ4本のレーンが割り当てられ、送信部322-1と送信部322-2は、それぞれ、4本のレーンを用いてデータを伝送する。
受信側LSI312の受信部331-1は、4本のレーンを介して送信側LSI311-1の送信部322-1から伝送されてきたデータを受信し、情報処理部332に出力する。受信部331-2も同様に、4本のレーンを介して送信側LSI311-2の送信部322-2から伝送されてきたデータを受信し、情報処理部332に出力する。
情報処理部332は、受信部331-1から供給されたデータに基づいて、送信側LSI311-1において送信対象として選択されたデータを生成する。また、送信部322は、受信部331-2から供給されたデータに基づいて、送信側LSI311-2において送信対象として選択されたデータを生成する。画像処理部332は、生成したデータを用いて各種の処理を行う。
以上のように、伝送システム301の送信側のLSIには、データを伝送する送信部が1つまたは複数設けられる。一方、受信側のLSIには、送信側のLSIの送信部に対応して、データを受信する受信部が1つまたは複数設けられる。
以下、送信側LSI311に1つの送信部が設けられ、受信側LSI312に1つの受信部が設けられる図33の伝送システム301におけるデータ伝送について説明する。図34と図35の送信部322-1-受信部331-1間、送信部322-2-受信部331-2間においても同様にしてデータ伝送が行われる。
[パケットのデータ構造の例]
図36のA乃至Dは、データ伝送に用いられるパケットのデータ構造の例を示す図である。
図36のAは、CIS IFにおいて画素データの伝送に用いられるパケットの例を示す図である。CIS IFの1パケットは、ヘッダ、1ライン分の画素データを含むペイロード、および、適宜付加されるフッタから構成される。CIS IFの1パケットの先頭にはStart Codeが付加され、フッタの後ろにはEnd Codeが付加される。
図36のB乃至Dは、汎用I/Fにおいて各種のデータの伝送に用いられるパケットの例を示す図である。汎用I/Fの1パケットはペイロードのみから構成される。後述するように、送信部322においては、情報処理部321から供給された8~144ビット単位の送信対象のデータを所定のサイズ毎に区切ることによってペイロードデータが生成される。パケットサイズは、入力データのビット幅である8~144ビットと、128ビットとの公倍数となるビット数であり、Configuration Registerに設定された値によって指定される。
Configuration Registerに設定された値により指定されたパケットサイズと同じサイズのパケットを生成し、データを伝送する場合、図36のBに示す通常パケットが用いられる。
また、Configuration Registerに設定された値により指定されたパケットサイズより短いパケットを生成し、データを伝送する場合、図36のCまたは図36のDに示すショートパケットが用いられる。例えば、ペイロード長が128ビットの倍数である場合には図36のCのショートパケット(1)が用いられ、ペイロード長が128ビットの倍数でない場合には図36のDのショートパケット(2)が用いられる。図36のCのショートパケットと図36のDのショートパケットは、後ろに付加されるEnd Codeによって識別される。
[送信側LSI311と受信側LSI312の構成]
図37は、送信側LSI311と受信側LSI312の構成例を示す図である。
図37の左側に示す構成が送信側LSI311の構成であり、右側に示す構成が受信側LSI312の構成である。汎用I/Fのデータ伝送は、アプリケーションレイヤ、アダプテーションレイヤ、リンクレイヤ、および物理レイヤの各レイヤの構成により実現される。
実線L1の上に示す構成がアプリケーションレイヤの構成である。情報処理部321においては、システム制御部341、データ入力部342、およびレジスタ343が実現される。
システム制御部341は、汎用I/Fによるデータの伝送を制御する。例えばシステム制御部341は、データ入力部342が送信対象のデータを出力している間、入力されたデータが有効なデータであることを表す制御信号を送信部322のペイロードデータ生成部351に出力する。データ入力部342は、送信対象のデータを8~144ビットの所定のビット単位でペイロードデータ生成部351に出力する。レジスタ343は上述したConfiguration Registerであり、パケットサイズ、Lane数等の各種の情報を記憶する。
一方、情報処理部332においては、システム制御部441、データ出力部442、およびレジスタ443が実現される。
システム制御部441は、汎用I/Fによるデータの受信を制御する。例えばシステム制御部441は、レジスタ443に設定されている値により指定されるパケットサイズの情報をペイロードデータ取得部431に出力する。データ出力部442は、ペイロードデータ取得部431から供給されたデータを取得し、図示せぬデータ処理部に出力する。レジスタ443はパケットサイズ、Lane数等の各種の情報を記憶する。
[送信部322のアダプテーションレイヤの構成]
送信側LSI311のアダプテーションレイヤの構成について説明する。送信部322は、ペイロードデータ生成部351をアダプテーションレイヤの構成として有する。
ペイロードデータ生成部351は、データ入力部342から所定のビット単位で供給された送信対象のデータをパケットサイズと同じサイズ毎に区切り、Byte Packing部362に出力する。ペイロードデータ生成部351からByte Packing部362に対しては、送信対象のデータを構成する所定のビット単位のデータが、パケットサイズと同じサイズ毎にまとめて出力されることになる。ペイロードデータ生成部351は、パケットサイズに満たない例えば送信対象のデータの最後のデータについては、そのままByte Packing部362に出力する。
また、ペイロードデータ生成部351は、制御信号がオフとなり、データの入力が所定の時間以上ないことを検出した場合、パケットを構成する最後のデータの入力タイミングを表すタイミング信号であるPacket End信号をByte Packing部362に出力する。なお、ペイロードデータ生成部351は、図7、図32等を参照して説明したヘッダ情報を受信側LSI312に送信する場合、ヘッダ情報をパケット生成部364に出力する。汎用I/Fにおいては、ヘッダ情報についても、ペイロードデータとして送信される。
[送信部322のリンクレイヤの構成]
送信部322は、Byte Packing部362、ペイロードECC挿入部363、パケット生成部364、およびレーン分配部365をリンクレイヤの構成として有する。
Byte Packing部362は、ペイロードデータ生成部351から供給されたデータを、Byte Packing部362以降の各処理部が処理単位とする16バイトなどの所定の単位のパッキングデータに変換する。Byte Packing部362は、変換して得られたパッキングデータをペイロードECC挿入部363に出力する。
図38は、Byte Packing部362によるデータ変換であるByte Packingの例を示す図である。
図38の例においては、1パケットを構成するデータとしてペイロードデータ生成部351により制御信号に従って区切られたData1乃至Data8がByte Packing部362に入力されている。データ入力部342からペイロードデータ生成部351に対しては、80ビット単位でデータの入力が行われたものとされている。
この場合、Byte Packing部362は、Data1乃至Data8の各ビットを入力順に16バイト(128ビット)単位のパッキングデータの各ビットに割り当てることによって、5つのパッキングデータを生成する。例えば1つ目のパッキングデータは、Data1の1~80ビットとData2の1~48ビットを含むデータになる。
図39は、Byte Packing部362によるByte Packingの他の例を示す図である。
図39の例においては、1パケットを構成するデータとしてペイロードデータ生成部351により制御信号に従って区切られたData1乃至Data5がByte Packing部362に入力されている。Data5の入力タイミングに合わせて、ペイロードデータ生成部351からByte Packing部362にPacket End信号が入力されている。Packet End信号が供給されたことに応じて、Byte Packing部362は、Data5が、1パケットを構成する最後のデータであることを認識することができる。
この場合、Byte Packing部362は、Data1乃至Data5の各ビットを入力順にパッキングデータの各ビットに割り当てることによって、Data1全体とData2の先頭から途中までのデータを含む1つ目のパッキングデータを生成する。また、Byte Packing部362は、Data2の途中から最後までのデータと、Data3全体と、Data4の先頭から途中までのデータとを含む2つ目のパッキングデータを生成する。Byte Packing部362は、Data4の途中から最後までのデータと、Data5の先頭から途中までのデータとを含む3つ目のパッキングデータを生成する。
Byte Packing部362は、Data5の最後のビットである80ビット目を4つ目のパッキングデータに割り当てたとき、それ以降、ダミーデータを挿入することによって16バイトの4つ目のパッキングデータを生成する。すなわち、16バイトに満たない分はダミーデータ(ダミービット)を付加するようにしてパッキングデータが生成される。ダミーデータは例えば全て値が0のビットである。
また、Byte Packing部362は、ダミーデータが付加された4つ目のパッキングデータに続く5つ目のパッキングデータとして、4つ目のパッキングデータに含まれるダミーデータのビット数を表す8ビットをLSB側に含むパッキングデータを生成する。5つ目のパッキングデータの1ビット目から120ビット目までにはダミーデータが含まれる。
このようなデータを受信した受信部331は、5つ目のパッキングデータに120ビットのダミーデータが含まれていることに基づいて、1つ前のパッキングデータである4つ目のパッキングデータにダミーデータが付加されていることを特定することができる。また、受信部331は、120ビットのダミーデータに続く8ビットにより表されるビット数に基づいて、4つ目のパッキングデータに付加されているダミーデータのビット数を特定し、有効データのみを抽出することが可能になる。
図40は、Byte Packing処理のシーケンスを示す図である。
図40の例においては、時刻t11からt14の期間と時刻t15以降、情報処理部321のシステム制御部341から供給される制御信号がオンになっている。また、制御信号がオンになることに合わせて、所定のビット単位の送信対象のデータであるData1乃至Data4がデータ入力部342から供給される。Data1乃至Data3に注目すると、時刻t11からt12の期間にData1が供給され、時刻t12からt13の期間にData2が供給され、時刻t13からt14の期間にData3が供給されている。パケットを構成する最後のデータであることを表すPacket End信号が、Data3の入力が終わったタイミングで入力されている。Data1乃至Data4は、それぞれ16バイト以上のサイズを有するデータである。
この場合、Byte Packing部362は、Data1の先頭から途中までの範囲aのデータを含むパッキングデータPD1を生成する。また、Byte Packing部362は、Data1の途中からData1の最後までの範囲bのデータと、Data2の先頭から途中までの範囲cのデータを含むパッキングデータPD2を生成する。
Byte Packing部362は、Data2の途中からData2の最後までの範囲dのデータと、Data3の先頭から途中までの範囲eのデータを含むパッキングデータPD3を生成する。Byte Packing部362は、Data3の途中からData3の最後までの範囲fのデータについては、ダミーデータを加え、16バイトのパッキングデータPD4を生成する。図40において斜線を付して示す範囲のデータはダミーデータである。
また、Byte Packing部362は、パッキングデータPD4に続けて、パッキングデータPD4に付加したダミーデータのビット数を表すビットを最後に含む16バイトのパッキングデータを生成する。
例えば、ダミーデータが付加されたパッキングデータPD4を含む、パッキングデータPD1~PD4からなるパケットは、図36のCまたは図36のDのショートパケットとして送信される。ショートパケットには、ダミーデータのビット数を表すビットが最後に付加されたパッキングデータも含まれる。
ダミーデータを含めずに、制御信号がオンの期間に入力された有効なデータのみをパッキングデータに含め、通常パケットとして送信する場合について考える。この場合、Packet End信号が供給されたタイミングで、パッキングデータを有効なデータで満たすことができないときには、Data4が入力されるまで、パッキングデータに含めることができなかったData3の範囲fのデータを出力することができない。Packet End信号が供給されたタイミングでパッキングデータを有効なデータで満たすことができない場合にはダミーデータを付加して出力することにより、データの出力に遅延が生じてしまうのを防ぐことが可能になる。
このようにして生成されたパッキングデータから構成されるデータが、Byte Packing部362から図37のペイロードECC挿入部363にペイロードデータとして供給される。
ペイロードECC挿入部363は、Byte Packing部362から供給されたペイロードデータに基づいて、ペイロードデータの誤り訂正に用いられる誤り訂正符号を計算し、計算により求めたパリティをペイロードデータに挿入する。誤り訂正符号として、例えばリードソロモン符号が用いられる。なお、誤り訂正符号の挿入はオプションである。
図41は、ペイロードデータに対するパリティの挿入の例を示す図である。
ペイロードECC挿入部363は、Byte Packing部362から供給された順に14のパッキングデータを集めることによって224バイトのBasic Blockを生成する。また、ペイロードECC挿入部363は、224バイトのペイロードデータに基づいて2バイト乃至4バイトのパリティを生成し、ペイロードデータに挿入することによって、パリティが挿入された226バイト乃至228バイトのBasic Blockを生成する。
図41の例においては、1番目から14番目までのパッキングデータからなるペイロードデータに対してParity1が生成され、付加されている。図41において斜線を付して示すデータがパリティである。
ペイロードECC挿入部363は、あるBasic Blockに続くペイロードデータのサイズが224バイトに満たない場合、残っているペイロードデータに基づいてExtra Blockを生成する。上述したダミーデータの挿入により、Extra Blockの情報長は常に16バイトの倍数となる。また、ペイロードECC挿入部363は、Extra Blockを構成するペイロードデータに基づいて2バイト乃至4バイトのパリティを生成し、ペイロードデータに挿入することによって、パリティが挿入されたExtra Blockを生成する。
図41の例においては、N番目からN+M番目までのペイロードデータに対してParityMが生成され、付加されている。
ペイロードECC挿入部363は、パリティを挿入したペイロードデータをパケット生成部364に出力する。パリティの挿入が行われない場合、Byte Packing部362からペイロードECC挿入部363に供給されたペイロードデータは、そのままパケット生成部364に出力される。
パケット生成部364は、ペイロードECC挿入部363から供給されたデータをペイロードデータとするパケットを生成する。パケット生成部364は、生成したパケットのデータをレーン分配部365に出力する。
レーン分配部365は、パケット生成部364から供給されたパケットデータを、先頭の1バイトから順にバイト単位で、Lane0、Lane1、…、Lane(LaneNum-1)、Lane1、…といったようにデータ伝送に用いる各レーンに割り当てる。パケット長とLane数によっては各レーンに均等にデータを分配できないことがある。この場合、レーン分配部365は、各レーンに均等にデータが分配されるように、Lane Stuffingとして00hを挿入する。
レーン分配部365は、このようにして各レーンに割り当てたパケットデータを物理レイヤに出力する。以下、Lane0~7の8レーンを用いてデータを伝送する場合について主に説明するが、データ伝送に用いるレーンの数が他の数の場合であっても同様の処理が行われる。
[送信部322の物理レイヤの構成]
送信部322は、PHY-TX状態制御部381、クロック生成部382、信号処理部383-0乃至383-Nを物理レイヤの構成として有する。送信部322の物理レイヤの構成は、図5を参照して説明したCIS-IFにおける送信部22の物理レイヤの構成と同じ構成である。重複する説明については適宜省略する。
信号処理部383-0は、制御コード挿入部391、8B10Bシンボルエンコーダ392、同期部393、および送信部394から構成される。レーン分配部365から出力され、Lane0に割り当てられたパケットデータは信号処理部383-0に入力され、Lane1に割り当てられたパケットデータは信号処理部383-1に入力される。また、LaneNに割り当てられたパケットデータは信号処理部383-Nに入力される。
PHY-TX状態制御部381は、信号処理部383-0乃至383-Nの各部を制御する。
クロック生成部382は、クロック信号を生成し、信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの同期部393に出力する。
信号処理部383-0の制御コード挿入部391は、レーン分配部365から供給されたパケットデータにStart Code、End Codeなどの制御コードを付加する。制御コード挿入部391は、制御コードを付加したパケットデータを8B10Bシンボルエンコーダ392に出力する。
8B10Bシンボルエンコーダ392は、制御コード挿入部391から供給されたパケットデータ(制御コードが付加されたパケットデータ)に対して8B10B変換を施し、10ビット単位のデータに変換したパケットデータを同期部393に出力する。
同期部393は、8B10Bシンボルエンコーダ392から供給されたパケットデータの各ビットを、クロック生成部382により生成されたクロック信号に従って送信部394に出力する。なお、送信部322に同期部393が設けられないようにしてもよい。この場合、8B10Bシンボルエンコーダ392から出力されたパケットデータは、送信部394にそのまま供給される。
送信部394は、Lane0を構成する伝送路を介して、同期部393から供給されたパケットデータを受信部331に送信する。8レーンを用いてデータ伝送が行われる場合、Lane1~7を構成する伝送路をも用いてパケットデータが受信部331に送信される。
[受信部331の物理レイヤの構成]
次に、受信側LSI312の受信部331の物理レイヤの構成について説明する。受信部331は、PHY-RX状態制御部401、信号処理部402-0乃至402-Nを物理レイヤの構成として有する。受信部331の物理レイヤの構成は、図5を参照して説明したCIS-IFにおける受信部31の物理レイヤの構成と同じ構成である。重複する説明については適宜省略する。
信号処理部402-0は、受信部411、クロック生成部412、同期部413、シンボル同期部414、10B8Bシンボルデコーダ415、スキュー補正部416、および制御コード除去部417から構成される。Lane0を構成する伝送路を介して送信されてきたパケットデータは信号処理部402-0に入力され、Lane1を構成する伝送路を介して送信されてきたパケットデータは信号処理部402-1に入力される。また、LaneNを構成する伝送路を介して送信されてきたパケットデータは信号処理部402-Nに入力される。
受信部411は、Lane0を構成する伝送路を介して送信部322から伝送されてきたパケットデータを表す信号を受信し、クロック生成部412に出力する。
クロック生成部412は、受信部411から供給された信号のエッジを検出することによってビット同期をとり、エッジの検出周期に基づいてクロック信号を生成する。クロック生成部412は、受信部411から供給された信号を、クロック信号とともに同期部413に出力する。
同期部413は、クロック生成部412により生成されたクロック信号に従って、受信部411において受信された信号のサンプリングを行い、サンプリングによって得られたパケットデータをシンボル同期部414に出力する。
シンボル同期部414は、例えばStart Code, End Code, Deskew Codeに含まれるK28.5のシンボルを検出し、シンボル同期をとる。シンボル同期部414は、各シンボルを表す10ビット単位のパケットデータを10B8Bシンボルデコーダ415に出力する。
10B8Bシンボルデコーダ415は、シンボル同期部414から供給された10ビット単位のパケットデータに対して10B8B変換を施し、8ビット単位のデータに変換したパケットデータをスキュー補正部416に出力する。
スキュー補正部416は、10B8Bシンボルデコーダ415から供給されたパケットデータからDeskew Codeを検出する。スキュー補正部416によるDeskew Codeの検出タイミングの情報はPHY-RX状態制御部401に供給される。また、スキュー補正部416は、Deskew Codeのタイミングを、PHY-RX状態制御部401から供給された情報により表されるタイミングに合わせるようにしてレーン間のData Skewを補正する。
信号処理部402-1乃至402-Nのそれぞれにおいて同様の処理が行われることによって、図25を参照して説明したようにしてレーン間のData Skewが補正される。
スキュー補正部416は、Data Skewを補正したパケットデータを制御コード除去部417に出力する。
制御コード除去部417は、パケットデータに付加された制御コードを除去し、Start CodeからEnd Codeまでの間のデータをパケットデータとしてリンクレイヤに出力する。
PHY-RX状態制御部401は、信号処理部402-0乃至402-Nの各部を制御し、レーン間のData Skewの補正などを行わせる。
[受信部331のリンクレイヤの構成]
受信部331は、レーン統合部422、パケット分離部423、ペイロードエラー訂正部424、およびByte Unpacking部425をリンクレイヤの構成として有する。
レーン統合部422は、物理レイヤの信号処理部402-0乃至402-Nから供給されたデータを、送信部322のレーン分配部365による各レーンへの分配順と逆順で並び替えることによって統合する。レーン統合部422は、統合して得られたパケットデータをパケット分離部423に出力する。
パケット分離部423は、レーン統合部422により統合されたパケットデータをペイロードデータとしてペイロードエラー訂正部424に出力する。ペイロードデータとしてヘッダ情報が含まれている場合、パケット分離部423は、ペイロードから抽出したヘッダ情報をペイロードデータ取得部431に出力する。
ペイロードエラー訂正部424は、パケット分離部423から供給されたペイロードデータにパリティが挿入されている場合、パリティに基づいて誤り訂正演算を行うことによってペイロードデータのエラーを検出し、エラーの訂正を行う。例えば、図41に示すようにしてパリティが挿入されている場合、ペイロードエラー訂正部424は、1つ目のBasic Blockの最後に挿入されているパリティを用いて、パリティの前にある224バイトのデータの誤り訂正を行う。
ペイロードエラー訂正部424は、各Basic Block, Extra Blockを対象として誤り訂正を行うことによって得られた誤り訂正後のデータをByte Unpacking部425に出力する。パケット分離部423から供給されたペイロードデータにパリティが挿入されていない場合、パケット分離部423から供給されたペイロードデータはそのままByte Unpacking部425に出力される。
Byte Unpacking部425は、ペイロードエラー訂正部424から供給された16バイト単位のパッキングデータに対して、送信部322のByte Packing部362による処理と逆の変換処理であるByte Unpackingを行う。Byte Unpacking部425は、Byte Unpackingを行うことによって得られたデータをペイロードデータ取得部431に出力する。Byte Unpacking部425からペイロードデータ取得部431に対しては、送信部322のペイロードデータ生成部351の出力と同様に、所定のビット単位のデータが1パケット分まとめて出力されることになる。
また、Byte Unpacking部425は、ペイロードデータを構成するパッキングデータにダミーデータが含まれているときには、ダミーデータを除去し、ダミーデータ以外のデータを対象としてByte Unpackingを行う。パッキングデータにダミーデータが含まれていることは、上述したように例えば120ビットの連続するダミーデータを検出することに基づいて特定される。また、パッキングデータに含まれるダミーデータのビット数は、120ビットのダミーデータに続く8ビットにより特定される。
[受信部331のアダプテーションレイヤの構成]
受信部331は、ペイロードデータ取得部431をアダプテーションレイヤの構成として有する。ペイロードデータ取得部431は、Byte Unpacking部425から供給されたデータを取得し、送信側LSI311においてデータ入力部342からペイロードデータ生成部351に入力されたデータのビット幅と同じビット幅の単位で情報処理部332に出力する。
[送信側LSI311と受信側LSI312の動作]
次に、以上のような構成を有する送信側LSI311と受信側LSI312の一連の処理について説明する。
はじめに、図42のフローチャートを参照して、伝送システム301の動作について説明する。図42の各ステップの処理は、適宜、他の処理と並行して、または前後して行われる。
ステップS101において、送信側LSI311の情報処理部321は、各種のデータの処理を行い、送信対象のデータを8~144ビットの所定のビット幅の単位で送信部322に出力する。
ステップS102において、送信部322はデータ送信処理を行う。データ送信処理により、送信対象のデータをペイロードに格納したパケットが生成され、パケットデータが受信部331に対して送信される。データ送信処理については図43のフローチャートを参照して後述する。
ステップS103において、受信側LSI312の受信部331はデータ受信処理を行う。データ受信処理により、送信部322から送信されてきたデータが受信され、送信側LSI311において送信対象のデータとして選択されたデータが情報処理部332に出力される。データ受信処理については図44のフローチャートを参照して後述する。
ステップS104において、情報処理部332は、受信部331から供給されたデータを取得する。
ステップS105において、情報処理部332は、取得したデータに基づいて各種の処理を行い、処理を終了させる。
次に、図43のフローチャートを参照して、図42のステップS102において行われるデータ送信処理について説明する。
ステップS111において、ペイロードデータ生成部351は、データ入力部342から供給された送信対象のデータを所定のサイズ毎に区切ることによってペイロードデータを生成する。
ステップS112において、Byte Packing部362は、ペイロードデータ生成部351から供給されたペイロードデータを、16バイトなどの所定の単位のパッキングデータに変換する。
ステップS113において、ペイロードECC挿入部363は、ペイロードデータから構成されるBasic BlockまたはExtra Blockに基づいて誤り訂正符号を計算し、計算により求めたパリティをペイロードデータに挿入する。
ステップS114において、パケット生成部364は、ペイロードECC挿入部363から供給されたデータをパケットデータとしてレーン分配部365に出力する。
ステップS115において、レーン分配部365は、パケット生成部364から供給されたパケットデータを、データ伝送に用いられる複数のレーンに割り当てる。
ステップS116において、制御コード挿入部391は、レーン分配部365から供給されたパケットデータに制御コードを付加する。
ステップS117において、8B10Bシンボルエンコーダ392は、制御コードが付加されたパケットデータの8B10B変換を行い、10ビット単位のデータに変換したパケットデータを出力する。
ステップS118において、同期部393は、8B10Bシンボルエンコーダ392から供給されたパケットデータを、クロック生成部382により生成されたクロック信号に従って出力し、送信部394から送信させる。ステップS116乃至S118の処理は信号処理部383-0乃至383-Nにより並行して行われる。パケットデータが送信された後、図42のステップS102に戻り、それ以降の処理が行われる。
次に、図44のフローチャートを参照して、図42のステップS103において行われるデータ受信処理について説明する。
ステップS131において、受信部411は、送信部322から伝送されてきたパケットデータを表す信号を受信する。ステップS131乃至S136の処理は信号処理部402-0乃至402-Nにより並行して行われる。
ステップS132において、クロック生成部412は、受信部411から供給された信号のエッジを検出することによってビット同期をとる。同期部413は、受信部411において受信された信号のサンプリングを行い、パケットデータをシンボル同期部414に出力する。
ステップS133において、シンボル同期部414は、パケットデータに含まれる制御コードを検出するなどしてシンボル同期をとる。
ステップS134において、10B8Bシンボルデコーダ415は、シンボル同期後のパケットデータに対して10B8B変換を施し、8ビット単位のデータに変換したパケットデータを出力する。
ステップS135において、スキュー補正部416は、Deskew Codeを検出し、Deskew CodeのタイミングをPHY-RX状態制御部401から供給された情報により表されるタイミングに合わせるようにしてレーン間のData Skewを補正する。
ステップS136において、制御コード除去部417は、パケットデータに付加された制御コードを除去する。
ステップS137において、レーン統合部422は、信号処理部402-0乃至402-Nから供給されたパケットデータを統合する。
ステップS138において、パケット分離部423は、レーン統合部422により統合されたパケットデータを、ペイロードデータとしてペイロードエラー訂正部424に出力する。
ステップS139において、ペイロードエラー訂正部424は、パケット分離部423から供給されたペイロードデータに挿入されているパリティに基づいてペイロードデータの誤り訂正を行う。
ステップS140において、Byte Unpacking部425は、ペイロードエラー訂正部424から供給されたペイロードデータに対して、Byte Packingと逆の変換処理を行う。Byte Unpacking部425は、得られたデータをペイロードデータ取得部431に出力する。
ステップS141において、ペイロードデータ取得部431は、Byte Unpacking部425から供給されたデータを所定のビット幅の単位で情報処理部332に出力する。その後、図42のステップS103に戻りそれ以降の処理が行われる。
送信側LSI311と受信側LSI312の間の汎用I/Fを用いたデータ伝送は、以上のようにして行われる。汎用I/Fにより、各種のデータを伝送することが可能になる。
<3.通信リンク間のData Skewの補正について>
[(1)通信リンク間Data Skew]
以上のように、CIS I/Fおよび汎用I/Fにおいては、1つの送信部と1つの受信部の組により1つの通信リンクが確立され、データ伝送が行われる。
通信リンクは、CIS I/Fでいうと撮像部と画像処理部間のデータ伝送の経路であり、汎用I/Fでいうと2つの情報処理部間のデータ伝送の経路である。上述したようなデータ構造を有するデータの並びが、データストリームとして通信リンクにより伝送される。
図1および図33に示す伝送システムは、送信部と受信部の組が1つだけ設けられ、データ伝送が1経路を用いて行われるから、1つの通信リンクを用いたシステムとなる。
一方、図2および図34に示す伝送システムは、送信部と受信部の組が2つ設けられ、データ伝送が2経路を用いて行われるから、2つの通信リンクを用いたシステムとなる。図3および図35に示す伝送システムも同様である。
以下、適宜、伝送システムにおいて用いられる通信リンクが1つである場合、その通信リンクをシングル通信リンクという。また、伝送システムにおいて用いられる通信リンクが複数である場合、その通信リンクをマルチ通信リンクという。
[(1-1)シングル通信リンク]
図45は、シングル通信リンクの処理の流れの例を示す図である。CIS I/Fにおけるシングル通信リンクについて説明するが、汎用I/Fでも同様である。
図45に示すように、シングル通信リンクである通信リンク#0は、送信部22のリンクレイヤおよび物理レイヤと、送信部22と受信部31の間の伝送路と、受信部31の物理レイヤおよびリンクレイヤとから構成される経路となる。
アプリケーションレイヤ(撮像部21)から送信部22のリンクレイヤに対するデータの入力は、矢印A1に示すように基準タイミングに従って行われる。基準タイミングは、処理の基準となるタイミングを示す信号である。
送信部22のリンクレイヤにおいては、Pixel to Byte変換、パケット生成、およびレーン分配が、主な処理として順に行われる。
物理レイヤの各レーンにおいては、制御コードの挿入、8B10B変換、同期(シンボル同期とビット同期)、およびデータの送信が、主な処理として順に行われる。送信部22の物理レイヤの処理は、各レーン(信号処理部83-0乃至83-Nのそれぞれ)において並行して行われる。なお、送信側において同期処理が行われない場合、8B10B変換をして得られたデータがそのまま送信される。
物理レイヤの各レーンには矢印A2に示すように同じ基準タイミングが入力される。各レーンにおいては基準タイミングに従って処理が行われる。
物理レイヤの各レーンにおいては、処理対象となるデータの違いや信号処理部の特性の違いなどに応じて、各レーンのデータのタイミングにずれが生じる。データのタイミングのずれは、矢印A3に示すようにレーン間Data Skewとして現れる。
物理レイヤの各レーンから出力されたデータは、矢印A11に示すようにレーン間Data Skewを有したまま受信部31に入力される。
受信部31の物理レイヤの処理も、各レーン(信号処理部102-0乃至102-Nのそれぞれ)において並行して行われる。物理レイヤの各レーンにおいては、データの受信、同期、10B8B変換、およびDeskew(レーン間Data Skewの補正)が、主な処理として順に行われる。
図25を参照して説明したようなDeskewが行われることにより、矢印A12に示すようにレーン間Data Skewが除去されたデータが得られる。レーン間Data Skewが除去されたデータが、物理レイヤの各レーンからリンクレイヤに出力される。
受信部31のリンクレイヤにおいては、レーン統合、パケット分離、およびByte to Pixel変換が、主な処理として順に行われる。リンクレイヤの処理は、各レーンから出力されたデータを一系統のデータに統合した後に行われる。
リンクレイヤからアプリケーションレイヤ(画像処理部32)に対しては、伝送対象のデータが矢印A13に示すように所定の基準タイミングに従って出力される。
このように、CIS I/Fおよび汎用I/Fによるデータ伝送は、送信側の物理レイヤにおいて発生するレーン間Data Skewを、受信側の物理レイヤにおいて除去するようにして行われる。
[(1-2)マルチ通信リンク]
図46は、マルチ通信リンクの処理の流れの例を示す図である。図45を参照して説明したものと重複する説明については適宜省略する。
図46に示すマルチ通信リンクは、通信リンク#0と通信リンク#1から構成される。例えば、通信リンク#0は図2の送信部22-1と受信部31-1の組により実現され、通信リンク#1は送信部22-2と受信部31-2の組により実現される。
この場合、通信リンク#0は、送信部22-1のリンクレイヤおよび物理レイヤと、送信部22-1と受信部31-1の間の伝送路と、受信部31-1の物理レイヤおよびリンクレイヤとから構成される経路となる。また、通信リンク#1は、送信部22-2のリンクレイヤおよび物理レイヤと、送信部22-2と受信部31-2の間の伝送路と、受信部31-2の物理レイヤおよびリンクレイヤとから構成される経路となる。
通信リンク#0を構成する送信部22-1のリンクレイヤに対するデータの入力と、通信リンク#1を構成する送信部22-2のリンクレイヤに対するデータの入力は、矢印A21-0と矢印A21-1に示すように同じ基準タイミングに従って行われる。
通信リンク#0を構成する送信部22-1のリンクレイヤと、通信リンク#1を構成する送信部22-2のリンクレイヤにおいては、上述したリンクレイヤの処理がそれぞれ独立して行われる。
送信部22-1のリンクレイヤから物理レイヤに対して、各レーンに分配されたデータが出力される。同様に、送信部22-2のリンクレイヤから物理レイヤに対して、各レーンに分配されたデータが出力される。
同じタイミングでリンクレイヤに入力されたデータは、物理レイヤに入力されるときには、矢印A22-0,A22-1の基準タイミングに示すようにタイミングがずれたものとなる。
このタイミングのずれは、送信部22-1のリンクレイヤの処理を行う構成と送信部22-2のリンクレイヤの処理を行う構成の特性の違いなど(動作クロックのずれなど)により生じる。
以下、適宜、異なる通信リンクのリンクレイヤにおいて生じるデータのタイミングのずれを、通信リンク間Data Skewという。通信リンク間Data Skewは、上述したようにDeskew Codeを用いて除去されるレーン間Data Skewとは異なる。
物理レイヤの各レーンにおいては、制御コードの挿入、8B10B変換、同期、およびデータの送信が順に行われる。送信部22-1,22-2の物理レイヤの処理は、各レーンにおいて並行して行われる。
通信リンク#0を構成する送信部22-1の物理レイヤの各レーンから出力されるデータには、矢印A23-0に示すように、リンクレイヤにおいて生じた通信リンク間Data Skewと物理レイヤにおいて生じたレーン間Data Skewが混在して含まれることになる。
また、通信リンク#1を構成する送信部22-2の物理レイヤの各レーンから出力されるデータには、矢印A23-1に示すように、リンクレイヤにおいて生じた通信リンク間Data Skewと物理レイヤにおいて生じたレーン間Data Skewが混在して含まれることになる。
受信部31-1と受信部31-2の物理レイヤには、矢印A31-0,A31-1に示すように通信リンク間Data Skewとレーン間Data Skewを含むデータが入力される。
通信リンク#0を構成する受信部31-1の物理レイヤの各レーンにおいては、データの受信、同期、10B8B変換、およびDeskewが順に行われ、矢印A32-0に示すように、レーン間Data Skewが除去されたデータが得られる。
通信リンク#1を構成する受信部31-2の物理レイヤの各レーンにおいては、データの受信、同期、10B8B変換、およびDeskewが順に行われ、矢印A32-1に示すように、レーン間Data Skewが除去されたデータが得られる。
レーン間Data Skewが除去されたデータが、物理レイヤの各レーンからリンクレイヤに出力される。なお、物理レイヤの各レーンでのDeskewにより除去されるのはレーン間Data Skewだけであり、通信リンク間Data Skewについては除去されない。
通信リンク#0を構成する受信部31-1のリンクレイヤにおいては、レーン統合、パケット分離、およびByte to Pixel変換が順に行われる。リンクレイヤからアプリケーションレイヤに対しては、矢印A33-0に示すように通信リンク間Data Skewが残ったままのデータが出力される。
通信リンク#1を構成する受信部31-2のリンクレイヤにおいても、レーン統合、パケット分離、およびByte to Pixel変換が順に行われる。リンクレイヤからアプリケーションレイヤに対しては、矢印A33-1に示すように通信リンク間Data Skewが残ったままのデータが出力される。
なお、受信部31-1と受信部31-2のリンクレイヤにおいても、それぞれ通信リンク間Data Skewが生じ、処理対象のデータに対して付加される。
このように、マルチ通信リンクを用いたデータ伝送においては、レーン間Data Skewだけでなく、通信リンク間Data Skewについても考慮する必要がある。以下、通信リンク間Data Skewの除去の仕方について説明する。
[(2)通信リンク間Data Skewの除去]
図47は、伝送システム301の他の構成例を示す図である。図47に示す構成のうち、図34に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図47に示す伝送システム301は、受信側LSI312に受信状態制御部601が設けられている点で、図34に示す構成と異なる。汎用I/Fにおけるマルチ通信リンクについて説明するが、CIS I/Fでも同様である。
送信側LSI311に設けられた送信部322-1と受信側LSI312に設けられた受信部331-1の組により通信リンク#0が実現される。また、送信側LSI311に設けられた送信部322-2と受信側LSI312に設けられた受信部331-2の組により通信リンク#1が実現される。
受信状態制御部601は、受信部331-1におけるデータの受信状態と、受信部331-2におけるデータの受信状態に基づいて、通信リンク間Data Skewを検出する。
また、受信状態制御部601は、受信部331-1が処理するデータのタイミングと受信部331-2が処理するデータのタイミングを制御することによって、通信リンク間Data Skewを補正する。受信状態制御部601は、通信リンク間Data Skewを補正する制御部として機能する。
[(2-1)第1の例 通信リンク間Data Skewの除去を受信側の物理レイヤで行う場合の例]
・伝送システムの構成例
図48は、送信側LSI311と受信側LSI312の構成例を示す図である。
図48に示す構成のうち、図37に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。後述する図51、図53等においても同様である。
図48に示すように、受信状態制御部601は、受信部331-1のPHY-RX状態制御部401に接続されるとともに、受信部331-2のPHY-RX状態制御部401に接続される。
なお、図48においては、受信部331-2の構成としてPHY-RX状態制御部401のみが示され、他の構成の図示については省略されている。受信部331-2にも、PHY-RX状態制御部401を含む、受信部331-1の構成と同じ構成が設けられる。
また、図48においては、送信部の構成として、受信部331-1とともに通信リンク#0を実現する送信部322-1のみが示されている。受信部331-2とともに通信リンク#1を実現する送信部322-2も設けられる。受信部331-2は、送信部322-2から送信されたデータを受信し、情報処理部332に出力する。
情報処理部321と情報処理部332の間では、通信リンク#0と通信リンク#1からなるマルチ通信リンクを用いたデータ伝送が行われる。それぞれの通信リンクにおいては図37等を参照して説明した処理が行われる。
受信部331-1の信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416は、Deskew Codeを検出し、検出タイミングの情報をPHY-RX状態制御部401に出力する。また、それぞれのスキュー補正部416は、PHY-RX状態制御部401による制御に従って、検出したDeskew Codeのタイミングを補正する。
後述するように、補正タイミングは、通信リンク間Data Skewを補正するようにして受信状態制御部601により設定される。
受信部331-1のPHY-RX状態制御部401は、信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416から供給された、Deskew Codeの検出タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。PHY-RX状態制御部401は、補正タイミングの情報が受信状態制御部601から供給された場合、信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416の動作を制御する。
受信部331-2の各部も、受信部331-1の各部と同様の処理を行う。
すなわち、受信部331-2の信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416(いずれも図示せず)は、Deskew Codeを検出し、Deskew Codeの検出タイミングの情報をPHY-RX状態制御部401に出力する。また、それぞれのスキュー補正部416は、PHY-RX状態制御部401による制御に従って、検出したDeskew Codeのタイミングを補正する。
受信部331-2のPHY-RX状態制御部401は、信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416から供給された、Deskew Codeの検出タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。PHY-RX状態制御部401は、補正タイミングの情報が受信状態制御部601から供給された場合、信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416の動作を制御する。
受信状態制御部601は、受信部331-1のPHY-RX状態制御部401から供給された検出タイミングの情報と、受信部331-2のPHY-RX状態制御部401から供給された検出タイミングの情報を受信する。
受信状態制御部601は、受信部331-1の各レーンと受信部331-2の各レーンにおいて検出されたDeskew Codeのタイミングに基づいて補正タイミングを設定する。
図49は、補正タイミングの設定の例を示す図である。
図49の例においては、通信リンク#0にはLane0~3の4レーンが用いられ、通信リンク#1にはLane4~7の4レーンが用いられている。各レーンにおいては、図25を参照して説明したものと同様に、Sync Code, Sync Code,…,Idle Code, Deskew Code, Idle Code, …, Idle Code, Deskew Codeの伝送が行われている。
通信リンク#0において、Lane0のDeskew Code C1は、時刻t11のタイミングで検出されている。Lane1のDeskew Code C1とLane2のDeskew Code C1は、同じ時刻t12のタイミングで検出されている。Lane3のDeskew Code C1は、時刻t13のタイミングで検出されている。
また、通信リンク#0において、Lane0のDeskew Code C2は、時刻t21のタイミングで検出されている。Lane1のDeskew Code C2とLane2のDeskew Code C2は、同じ時刻t22のタイミングで検出されている。Lane3のDeskew Code C2は、時刻t23のタイミングで検出されている。
このような検出タイミングの情報が、受信部331-1のPHY-RX状態制御部401から受信状態制御部601に供給される。
一方、通信リンク#1において、Lane4~7のDeskew Code C1は、それぞれ、時刻t14,t15,t16,t17のタイミングで検出されている。
また、通信リンク#1において、Lane4~7のDeskew Code C2は、それぞれ、時刻t24,t25,t26,t27のタイミングで検出されている。
このような検出タイミングの情報が、受信部331-2のPHY-RX状態制御部401から受信状態制御部601に供給される。
各レーンにおいて検出されたDeskew Code C1は、通信リンク#0と通信リンク#1(送信部322-1と送信部322-2の物理レイヤ)において同じタイミングで挿入された、対応するデータである。各レーンにおいて検出されたDeskew Code C2も同様に、通信リンク#0と通信リンク#1において同じタイミングで挿入された、対応するデータである。
この場合、受信状態制御部601は、Deskew Code C1の補正タイミングとして、例えば、通信リンク#0のLane0~3と通信リンク#1のLane4~7における検出タイミングのうちの、最も遅い時刻t17のタイミングを設定する。
また、受信状態制御部601は、Deskew Code C2の補正タイミングとして、例えば、通信リンク#0のLane0~3と通信リンク#1のLane4~7における検出タイミングのうちの、最も遅い時刻t27のタイミングを設定する。
受信状態制御部601は、このようにして設定した補正タイミングの情報を、受信部331-1のPHY-RX状態制御部401と受信部331-2のPHY-RX状態制御部401に出力する。
受信部331-1の信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416においては、PHY-RX状態制御部401による制御に従って、Deskew Code C1のタイミングを、時刻t17のタイミングに合わせるようにしてDeskewが行われる。また、Deskew Code C2のタイミングを、時刻t27のタイミングに合わせるようにしてDeskewが行われる。Deskew Codeのタイミングの補正は、それぞれのスキュー補正部416に設けられたFIFOを用いて行われる。
一方、受信部331-2の信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416においては、PHY-RX状態制御部401による制御に従って、Deskew Code C1のタイミングを、時刻t17のタイミングに合わせるようにしてDeskewが行われる。また、Deskew Code C2のタイミングを、時刻t27のタイミングに合わせるようにしてDeskewが行われる。Deskew Codeのタイミングの補正は、それぞれのスキュー補正部416に設けられたFIFOを用いて行われる。
これにより、図49の白抜き矢印の先に示すように、通信リンク#0のLane0~3におけるDeskew Code C1のタイミングと、通信リンク#1のLane4~7におけるDeskew Code C1のタイミングが同じタイミングになるように補正される。
また、通信リンク#1のLane0~3におけるDeskew Code C2のタイミングと、通信リンク#1のLane4~7におけるDeskew Code C2のタイミングが同じタイミングになるように補正される。
このようにしてタイミングが補正されたDeskew Codeがスキュー補正部416から出力される。
これにより、既知情報であるDeskew Codeを用いて、通信リンク間Data Skewが補正されることになる。また、レーン間Data Skewについても補正されることになる。
・伝送システムの動作
次に、図50のシーケンス図を参照して、通信リンク間Data Skewを物理レイヤにおいて補正する場合の一連の動作について説明する。
図50の左端に示す処理は、通信リンク#0を実現する受信部331-1の処理である。中央に示す処理は、通信リンク#1を実現する受信部331-2の処理である。右端に示す処理は、受信状態制御部601の処理である。
受信部331-1においては、送信部322-1から送信されたデータが各レーンの信号処理部により受信され、物理レイヤの各処理が行われる。受信部331-2においても同様に、送信部322-2から送信されたデータが各レーンの信号処理部により受信され、物理レイヤの各処理が行われる。
ステップS301において、受信部331-1の信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416は、Deskew Codeを検出する。検出タイミングの情報は受信部331-1のPHY-RX状態制御部401に供給される。
ステップS302において、受信部331-1のPHY-RX状態制御部401は、信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416から供給された、Deskew Codeの検出タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。
一方、受信部331-2においても同様の処理が行われる。ステップS311において、受信部331-2の信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416は、Deskew Codeを検出する。検出タイミングの情報は受信部331-2のPHY-RX状態制御部401に供給される。
ステップS312において、受信部331-2のPHY-RX状態制御部401は、信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416から供給された、Deskew Codeの検出タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。
ステップS321において、受信状態制御部601は、受信部331-1のPHY-RX状態制御部401から供給された情報を受信する。
また、ステップS322において、受信状態制御部601は、受信部331-2のPHY-RX状態制御部401から供給された情報を受信する。
ステップS323において、受信状態制御部601は、受信部331-1の各レーンと受信部331-2の各レーンにおいて検出されたDeskew Codeのタイミングに基づいて、補正タイミングを上述したようにして設定する。
ステップS324において、受信状態制御部601は、補正タイミングの情報を、受信部331-1のPHY-RX状態制御部401と受信部331-2のPHY-RX状態制御部401に出力する。
ステップS303において、受信部331-1のPHY-RX状態制御部401は、受信状態制御部601から供給された補正タイミングの情報を受信する。
ステップS304において、受信部331-1のPHY-RX状態制御部401は、補正タイミングを表す制御信号を信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416に出力する。
ステップS305において、受信部331-1の信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416は、Deskew Codeのタイミングを補正タイミングに合わせることによって通信リンク間Data Skewとレーン間Data Skewを補正し、出力する。
一方、受信部331-2においても同様の処理が行われる。ステップS313において、受信部331-2のPHY-RX状態制御部401は、受信状態制御部601から供給された補正タイミングの情報を受信する。
ステップS314において、受信部331-2のPHY-RX状態制御部401は、補正タイミングを表す制御信号を信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416に出力する。
ステップS315において、受信部331-2の信号処理部402-0乃至402-Nのそれぞれのスキュー補正部416は、Deskew Codeのタイミングを補正タイミングに合わせることによって通信リンク間Data Skewとレーン間Data Skewを補正し、出力する。
通信リンク間Data Skewとレーン間Data Skewが補正された各レーンのデータは、リンクレイヤにおいて一系統のデータとして統合された後、各処理が施される。リンクレイヤの処理によって得られたデータは、リンクレイヤからアプリケーションレイヤに供給される。
以上の処理が、例えば、複数の通信リンクのそれぞれのレーンにおいてDeskew Codeが検出される毎に行われる。
以上の処理により、通信リンク間Data Skewの除去を、受信側の物理レイヤで行うことが可能になる。
Deskew Codeの検出タイミングに基づいて補正タイミングが設定されるものとしたが、物理レイヤにおいて検出される他のデータのタイミングに基づいて設定されるようにしてもよい。例えば、各レーンで検出された所定のシンボルの検出タイミング、Start CodeやEnd Codeなどの他の制御コードの検出タイミングに基づいて、補正タイミングが設定されるようにしてもよい。
各パケットやそれに付加される既知情報である制御コードなど、送信側において生成されるデータの構造は、伝送に用いられる通信リンクの違いに関わらず同じである。上述したような構造を有するデータのまとまり(データストリーム)を構成するデータとして、それぞれの通信リンクにおいて同じ位置(タイミング)に配置されるものであれば、どのようなデータであっても、補正タイミングを設定することに用いることが可能である。
なお、CIS I/Fのマルチ通信リンクを用いた伝送システムにおいても、同様の処理により、通信リンク間Data Skewの補正が受信側の物理レイヤで行われる。
[(2-2)第2の例 通信リンク間Data Skewの除去を受信側のリンクレイヤで行う場合の例]
・伝送システムの構成例
図51は、送信側LSI311と受信側LSI312の他の構成例を示す図である。
図51の例においては、受信状態制御部601は、受信部331-1のパケット分離部423に接続されるとともに、受信部331-2のパケット分離部423に接続される。
図51においては、受信部331-2の構成としてパケット分離部423のみが示され、他の構成の図示については省略されている。受信部331-2にも、パケット分離部423を含む、受信部331-1の構成と同じ構成が設けられる。
情報処理部321と情報処理部332の間では、通信リンク#0と通信リンク#1からなるマルチ通信リンクを用いたデータ伝送が行われる。
受信部331-1のパケット分離部423は、レーン統合部422により統合されたデータから、各パケットのペイロードデータを検出し、検出タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。また、パケット分離部423は、検出したペイロードデータのタイミングを、受信状態制御部601により設定された補正タイミングに合わせるように補正し、出力する。ペイロードデータの出力タイミングが補正されることになる。ペイロードデータの出力タイミングの補正は、パケット分離部423に設けられたFIFOを用いて行われる。
受信部331-2のパケット分離部423も、受信部331-1のパケット分離部423と同様の処理を行う。
すなわち、受信部331-2のパケット分離部423は、レーン統合部422により統合されたデータから、各パケットのペイロードデータを検出し、検出タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。また、パケット分離部423は、検出したペイロードデータのタイミングを、受信状態制御部601により設定された補正タイミングに合わせるように補正し、出力する。ペイロードデータの出力タイミングの補正は、パケット分離部423に設けられたFIFOを用いて行われる。
受信状態制御部601は、受信部331-1のパケット分離部423から供給された検出タイミングの情報と、受信部331-2のパケット分離部423から供給された検出タイミングの情報を受信する。
受信状態制御部601は、受信部331-1のパケット分離部423におけるペイロードデータの検出タイミングと、受信部331-2のパケット分離部423におけるペイロードデータの検出タイミングに基づいて補正タイミングを設定する。
例えば、受信部331-1のパケット分離部423と受信部331-2のパケット分離部423において検出された対応するペイロードデータの検出タイミングのうち、最も遅いタイミングが補正タイミングとして設定される。受信状態制御部601は、このようにして設定した補正タイミングの情報を、受信部331-1のパケット分離部423と受信部331-2のパケット分離部423に出力する。
・伝送システムの動作
次に、図52のシーケンス図を参照して、通信リンク間Data Skewをリンクレイヤにおいて補正する場合の一連の動作について説明する。
受信部331-1においては、送信部322-1から送信されたデータが各レーンの信号処理部により受信され、物理レイヤの各処理が行われる。物理レイヤから出力された各レーンのデータは、レーン統合部422により一系統のデータとして統合され、パケット分離部423に出力される。なお、物理レイヤの処理は行われているから、パケット分離部423に供給されるデータは、レーン間Data Skewについては補正済みのデータとなる。
受信部331-2においても同様に、送信部322-2から送信されたデータが各レーンの信号処理部により受信され、物理レイヤの各処理が行われる。物理レイヤから出力された各レーンのデータは、レーン統合部422により一系統のデータとして統合され、パケット分離部423に出力される。
ステップS351において、受信部331-1のパケット分離部423は、レーン統合部422により統合されたデータから、各パケットのペイロードデータを検出する。
ステップS352において、受信部331-1のパケット分離部423は、ペイロードデータの検出タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。
一方、受信部331-2においても同様の処理が行われる。ステップS361において、受信部331-2のパケット分離部423は、レーン統合部422により統合されたデータから、各パケットのペイロードデータを検出する。
ステップS362において、受信部331-2のパケット分離部423は、ペイロードデータの検出タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。
ステップS371において、受信状態制御部601は、受信部331-1のパケット分離部423から供給された情報を受信する。
また、ステップS372において、受信状態制御部601は、受信部331-2のパケット分離部423から供給された情報を受信する。
ステップS373において、受信状態制御部601は、通信リンク#0と通信リンク#1において検出された対応するペイロードデータのタイミングに基づいて、補正タイミングを設定する。
ステップS374において、受信状態制御部601は、補正タイミングの情報を、受信部331-1のパケット分離部423と受信部331-2のパケット分離部423に出力する。
ステップS353において、受信部331-1のパケット分離部423は、受信状態制御部601から供給された補正タイミングの情報を受信する。
ステップS354において、受信部331-1のパケット分離部423は、検出したペイロードデータのタイミングを補正タイミングに合わせることによって通信リンク間Data Skewを補正し、出力する。
一方、受信部331-2においても同様の処理が行われる。ステップS363において、受信部331-2のパケット分離部423は、受信状態制御部601から供給された補正タイミングの情報を受信する。
ステップS364において、受信部331-2のパケット分離部423は、検出したペイロードデータのタイミングを補正タイミングに合わせることによって通信リンク間Data Skewを補正し、出力する。
通信リンク間Data Skewが補正されたペイロードデータに対しては、リンクレイヤにおいて他の処理が施され、アプリケーションレイヤに供給される。
以上の処理が、例えば、それぞれの通信リンクにおいてペイロードデータが検出される毎に行われる。
以上の処理により、通信リンク間Data Skewの除去を、受信側のリンクレイヤで行うことが可能になる。
ペイロードデータの検出タイミングに基づいて補正タイミングが設定されるものとしたが、リンクレイヤにおいて検出される他のデータのタイミングに基づいて設定されるようにしてもよい。例えば、ペイロードデータにヘッダ情報が含まれている場合、対応するヘッダ情報の検出タイミングに基づいて、補正タイミングが設定されるようにすることも可能である。
ペイロードデータに含まれるパリティの検出タイミングに基づいて補正タイミングが設定されるようにしてもよいし、ペイロードデータを構成する所定のパッキングデータの検出タイミングに基づいて補正タイミングが設定されるようにしてもよい。前者の場合、通信リンク間Data Skewの補正はペイロードエラー訂正部424により行われる。また、後者の場合、通信リンク間Data Skewの補正はByte Unpacking部425により行われる。
なお、CIS I/Fのマルチ通信リンクを用いた伝送システムにおいても、同様の処理により、通信リンク間Data Skewの補正が受信側のリンクレイヤで行われる。
[(2-3)第3の例 通信リンク間Data Skewの除去を受信側のアダプテーションレイヤで行う場合の例]
・伝送システムの構成例
図53は、送信側LSI311と受信側LSI312の他の構成例を示す図である。
図53の例においては、受信状態制御部601は、受信部331-1のペイロードデータ取得部431に接続されるとともに、受信部331-2のペイロードデータ取得部431に接続される。
図53においては、受信部331-2の構成としてペイロードデータ取得部431のみが示され、他の構成の図示については省略されている。受信部331-2にも、ペイロードデータ取得部431を含む、受信部331-1の構成と同じ構成が設けられる。
情報処理部321と情報処理部332の間では、通信リンク#0と通信リンク#1からなるマルチ通信リンクを用いたデータ伝送が行われる。
受信部331-1のペイロードデータ取得部431は、リンクレイヤのByte Unpacking部425から供給された、各パケットのペイロードデータを取得し、取得タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。また、ペイロードデータ取得部431は、検出したペイロードデータのタイミングを、受信状態制御部601により設定された補正タイミングに合わせるように補正し、出力する。ペイロードデータの出力タイミングが補正されることになる。ペイロードデータの出力タイミングの補正は、ペイロードデータ取得部431に設けられたFIFOを用いて行われる。
受信部331-2のペイロードデータ取得部431も、受信部331-1のペイロードデータ取得部431と同様の処理を行う。
すなわち、受信部331-2のペイロードデータ取得部431は、リンクレイヤのByte Unpacking部425から供給された、各パケットのペイロードデータを取得し、取得タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。また、ペイロードデータ取得部431は、取得したペイロードデータのタイミングを、受信状態制御部601により設定された補正タイミングに合わせるように補正し、出力する。ペイロードデータの出力タイミングの補正は、ペイロードデータ取得部431に設けられたFIFOを用いて行われる。
受信状態制御部601は、受信部331-1のペイロードデータ取得部431から供給された取得タイミングの情報と、受信部331-2のペイロードデータ取得部431から供給された取得タイミングの情報を受信する。
受信状態制御部601は、受信部331-1のペイロードデータ取得部431におけるペイロードデータの取得タイミングと、受信部331-2のペイロードデータ取得部431におけるペイロードデータの取得タイミングに基づいて補正タイミングを設定する。
例えば、受信部331-1のペイロードデータ取得部431と受信部331-2のペイロードデータ取得部431において取得された対応するペイロードデータのタイミングのうち、最も遅いタイミングが補正タイミングとして設定される。受信状態制御部601は、このようにして設定した補正タイミングの情報を、受信部331-1のペイロードデータ取得部431と受信部331-2のペイロードデータ取得部431に出力する。
・伝送システムの動作
次に、図54のシーケンス図を参照して、通信リンク間Data Skewをアダプテーションレイヤにおいて補正する場合の一連の動作について説明する。
受信部331-1においては、送信部322-1から送信されたデータが各レーンの信号処理部により受信され、物理レイヤの各処理が行われる。物理レイヤから出力された各レーンのデータは、レーン統合部422により一系統のデータとして統合され、リンクレイヤの各処理が行われる。リンクレイヤからアダプテーションレイヤのペイロードデータ取得部431に対しては、各パケットのペイロードデータが出力される。なお、物理レイヤの処理は行われているから、ペイロードデータ取得部431に供給されるデータは、レーン間Data Skewについては補正済みのデータとなる。
受信部331-2においても同様に、送信部322-2から送信されたデータが各レーンの信号処理部により受信され、物理レイヤの各処理が行われる。物理レイヤから出力された各レーンのデータは、レーン統合部422により一系統のデータとして統合され、リンクレイヤの各処理が行われる。リンクレイヤからアダプテーションレイヤのペイロードデータ取得部431に対しては、各パケットのペイロードデータが出力される。
ステップS401において、受信部331-1のペイロードデータ取得部431は、Byte Unpacking部425から供給された、各パケットのペイロードデータを取得する。
ステップS402において、受信部331-1のペイロードデータ取得部431は、ペイロードデータの取得タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。
一方、受信部331-2においても同様の処理が行われる。ステップS411において、受信部331-2のペイロードデータ取得部431は、Byte Unpacking部425から供給された、各パケットのペイロードデータを取得する。
ステップS412において、受信部331-2のペイロードデータ取得部431は、ペイロードデータの取得タイミングの情報を受信状態制御部601に出力する。
ステップS421において、受信状態制御部601は、受信部331-1のペイロードデータ取得部431から供給された情報を受信する。
また、ステップS422において、受信状態制御部601は、受信部331-2のペイロードデータ取得部431から供給された情報を受信する。
ステップS423において、受信状態制御部601は、受信部331-1のペイロードデータ取得部431と受信部331-2のペイロードデータ取得部431において取得された対応するペイロードデータのタイミングに基づいて、補正タイミングを設定する。
ステップS424において、受信状態制御部601は、補正タイミングの情報を、受信部331-1のペイロードデータ取得部431と受信部331-2のペイロードデータ取得部431に出力する。
ステップS403において、受信部331-1のペイロードデータ取得部431は、受信状態制御部601から供給された補正タイミングの情報を受信する。
ステップS404において、受信部331-1のペイロードデータ取得部431は、取得したペイロードデータのタイミングを補正タイミングに合わせることによって通信リンク間Data Skewを補正し、出力する。
一方、受信部331-2においても同様の処理が行われる。ステップS413において、受信部331-2のペイロードデータ取得部431は、受信状態制御部601から供給された補正タイミングの情報を受信する。
ステップS414において、受信部331-2のペイロードデータ取得部431は、取得したペイロードデータのタイミングを補正タイミングに合わせることによって通信リンク間Data Skewを補正し、出力する。
通信リンク間Data Skewが補正されたペイロードデータに対しては、アプリケーションレイヤにおいて所定の処理が行われる。
以上の処理が、例えばそれぞれの通信リンクにおいてペイロードデータが取得される毎に行われる。
以上の処理により、通信リンク間Data Skewの除去を、受信側のアダプテーションレイヤで行うことが可能になる。
なお、アダプテーションレイヤの構成がないため、CIS I/Fのマルチ通信リンクを用いた伝送システムにおいては、通信リンク間Data Skewの補正をアダプテーションレイヤで行うことは不可とされる。
[(2-4)第4の例 通信リンク間Data Skewの除去を受信側のアプリケーションレイヤで行う場合の例]
受信側LSI312から外部の他の処理部にペイロードデータを出力するタイミングを補正することによって、通信リンク間Data Skewの補正が受信側のアプリケーションレイヤにおいて行われるようにすることも可能である。
この場合、情報処理部332のシステム制御部441は、受信部331-1から供給されたペイロードデータの取得タイミングと、受信部331-2から供給されたペイロードデータの取得タイミングに基づいて補正タイミングを設定する。
データ出力部442は、受信部331-1から供給されたペイロードデータと、受信部331-2から供給されたペイロードデータを取得する。また、データ出力部442は、取得したペイロードデータのタイミングを、システム制御部441により設定された補正タイミングに合わせるように補正し、出力する。ペイロードデータの出力タイミングが補正されることになる。ペイロードデータの出力タイミングの補正は、データ出力部442に設けられたFIFOを用いて行われる。
なお、この場合、上述した受信状態制御部601は不要となる。
・伝送システムの動作
図55のシーケンス図を参照して、通信リンク間Data Skewをアプリケーションレイヤにおいて補正する場合の一連の動作について説明する。
受信部331-1においては、送信部322-1から送信されたデータが各レーンの信号処理部により受信され、物理レイヤの各処理が行われる。物理レイヤから出力された各レーンのデータは、レーン統合部422により一系統のデータとして統合され、リンクレイヤの各処理が行われる。リンクレイヤからアダプテーションレイヤのペイロードデータ取得部431に対しては、各パケットのペイロードデータが出力される。なお、物理レイヤの処理は行われているから、ペイロードデータ取得部431に供給されるデータは、レーン間Data Skewについては補正済みのデータとなる。
受信部331-2においても同様に、送信部322-2から送信されたデータが各レーンの信号処理部により受信され、物理レイヤの各処理が行われる。物理レイヤから出力された各レーンのデータは、レーン統合部422により一系統のデータとして統合され、リンクレイヤの各処理が行われる。リンクレイヤからアダプテーションレイヤのペイロードデータ取得部431に対しては、各パケットのペイロードデータが出力される。
ステップS441において、受信部331-1のペイロードデータ取得部431は、Byte Unpacking部425から供給された、各パケットのペイロードデータを取得する。
ステップS442において、受信部331-1のペイロードデータ取得部431は、ペイロードデータをアプリケーションレイヤに出力する。
一方、受信部331-2においても同様の処理が行われる。ステップS451において、受信部331-2のペイロードデータ取得部431は、Byte Unpacking部425から供給された、各パケットのペイロードデータを取得する。
ステップS452において、受信部331-2のペイロードデータ取得部431は、ペイロードデータをアプリケーションレイヤに出力する。
ステップS461において、情報処理部332のデータ出力部442は、受信部331-1のペイロードデータ取得部431から供給されたペイロードデータを受信する。
また、ステップS462において、情報処理部332のデータ出力部442は、受信部331-2のペイロードデータ取得部431から供給されたペイロードデータを受信する。
ステップS463において、情報処理部332のシステム制御部441は、対応するペイロードデータのタイミングに基づいて、補正タイミングを設定する。
ステップS464において、情報処理部332のデータ出力部442は、取得したペイロードデータのタイミングを補正タイミングに合わせることによって通信リンク間Data Skewを補正し、出力する。
以上の処理が、例えば、それぞれの通信リンクからアプリケーションレイヤにペイロードデータが供給される毎に行われる。
以上の処理により、通信リンク間Data Skewの除去を、受信側のアプリケーションレイヤで行うことが可能になる。
なお、CIS I/Fのマルチ通信リンクを用いた伝送システムにおいても、同様の処理により、通信リンク間Data Skewの補正が受信側のアプリケーションレイヤで行われる。
[(2-5)第5の例 通信リンク間Data Skewの除去を送信側で行う場合の例]
・伝送システムの構成例
図56は、伝送システム301の他の構成例を示す図である。
図56に示す伝送システム301は、受信状態制御部601に対応する送信状態制御部611が送信側LSI311に設けられている点で、図47に示す構成と異なる。汎用I/Fにおけるマルチ通信リンクについて説明するが、CIS I/Fでも同様である。
図57は、図56の送信側LSI311と受信側LSI312の構成例を示す図である。
図57においては、送信部322-2の構成としてPHY-TX状態制御部381のみが示され、他の構成の図示については省略されている。送信部322-2にも、PHY-TX状態制御部381を含む、送信部322-1の構成と同じ構成が設けられる。
また、図57においては、受信側の構成として、送信部322-1とともに通信リンク#0を実現する受信部331-1のみが示されている。送信部322-2とともに通信リンク#1を実現する受信部331-2も設けられる。受信部331-2は、送信部322-2から送信されたデータを受信し、情報処理部332に出力する。
図57に示すように、送信状態制御部611は、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381に接続されるとともに、送信部322-2のPHY-TX状態制御部381に接続される。
送信部322-1のPHY-TX状態制御部381は、信号処理部383-0乃至383-Nに対する制御タイミングの情報を送信状態制御部611に出力する。例えば、PHY-TX状態制御部381は、所定の制御コードの挿入タイミングの情報を出力する。
また、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381は、送信状態制御部611により設定された補正タイミングに合わせて制御コードが挿入されるように、信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391による動作を制御する。
送信部322-1の信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391は、PHY-TX状態制御部381による制御に従って制御コードを挿入する。
送信部322-2の各部も、送信部322-1の各部と同様の処理を行う。
すなわち、送信部322-2のPHY-TX状態制御部381は、信号処理部383-0乃至383-Nに対する制御タイミングの情報を送信状態制御部611に出力する。
また、送信部322-2のPHY-TX状態制御部381は、送信状態制御部611により設定された補正タイミングに合わせて制御コードが挿入されるように、信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391による動作を制御する。
送信部322-2の信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391は、PHY-TX状態制御部381による制御に従って制御コードを挿入する。
送信状態制御部611は、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381から供給された情報と、送信部322-2のPHY-TX状態制御部381から供給された情報を受信する。
送信状態制御部611は、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381による所定の制御コードの挿入タイミングと送信部322-2のPHY-TX状態制御部381による所定の制御コードの挿入タイミングに基づいて補正タイミングを設定する。
例えば、送信部322-1の信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391における挿入タイミングと、送信部322-2の信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391における挿入タイミングのうち、最も遅いタイミングが補正タイミングとして設定される。送信状態制御部611は、このようにして設定した補正タイミングの情報を、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381と送信部322-2のPHY-TX状態制御部381に出力する。
このように、送信状態制御部611は、送信部322-1が処理するデータのタイミングと送信部322-2が処理するデータのタイミングを制御することによって、通信リンク間Data Skewを補正する。送信状態制御部611は、通信リンク間Data Skewを補正する制御部として機能する。
・伝送システムの動作
次に、図58のシーケンス図を参照して、通信リンク間Data Skewを送信側において補正する場合の一連の動作について説明する。
図58の左端に示す処理は、通信リンク#0を実現する送信部322-1の処理である。中央に示す処理は、通信リンク#1を実現する送信部322-2の処理である。右端に示す処理は、送信状態制御部611の処理である。
送信部322-1においては、伝送対象のデータに対してリンクレイヤの各処理が行われ、各レーンに分配されたデータが物理レイヤの信号処理部383-0乃至383-Nに出力される。送信部322-2においても同様に、伝送対象のデータに対してリンクレイヤの各処理が行われ、各レーンに分配されたデータが物理レイヤの信号処理部383-0乃至383-Nに出力される。
ステップS501において、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381は、所定の制御コードの挿入タイミングの情報を送信状態制御部611に出力する。
一方、送信部322-2においても同様の処理が行われる。ステップS511において、送信部322-2のPHY-TX状態制御部381は、対応する所定の制御コードの挿入タイミングの情報を送信状態制御部611に出力する。
ステップS521において、送信状態制御部611は、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381から供給された情報を受信する。
また、ステップS522において、送信状態制御部611は、送信部322-2のPHY-TX状態制御部381から供給された情報を受信する。
ステップS523において、送信状態制御部611は、送信部322-1における制御コードの挿入タイミングと送信部322-2における制御コードの挿入タイミングに基づいて、補正タイミングを設定する。
ステップS524において、送信状態制御部611は、補正タイミングの情報を、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381と送信部322-2のPHY-TX状態制御部381に出力する。
ステップS502において、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381は、送信状態制御部611から供給された補正タイミングの情報を受信する。
ステップS503において、送信部322-1のPHY-TX状態制御部381は、補正タイミングを表す制御信号を信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391に出力する。
ステップS504において、送信部322-1の信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391は、制御信号により表される補正タイミングに合わせて制御コードを挿入することによって、通信リンク間Data Skewを補正する。
一方、送信部322-2においても同様の処理が行われる。ステップS512において、送信部322-2のPHY-TX状態制御部381は、送信状態制御部611から供給された補正タイミングの情報を受信する。
ステップS513において、送信部322-2のPHY-TX状態制御部381は、補正タイミングを表す制御信号を信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391に出力する。
ステップS514において、送信部322-2の信号処理部383-0乃至383-Nのそれぞれの制御コード挿入部391は、制御信号により表される補正タイミングに合わせて制御コードを挿入することによって、通信リンク間Data Skewを補正する。
通信リンク間Data Skewが補正された各レーンのデータは、物理レイヤの他の処理が施された後、受信部に対して送信される。
以上の処理により、送信側のリンクレイヤにおいて生じた通信リンク間Data Skewの除去を、送信側の物理レイヤで行うことが可能になる。
制御コードの挿入タイミングを合わせることによって通信リンク間Data Skewが補正されるものとしたが、物理レイヤにおける他の処理のタイミングを合わせることによって、通信リンク間Data Skewが補正されるようにしてもよい。例えば、各レーンで処理された所定のシンボルの出力タイミング、Start CodeやEnd Codeなどの他の制御コードの挿入タイミングを合わせることによって、通信リンク間Data Skewが補正されるようにすることも可能である。
なお、CIS I/Fのマルチ通信リンクを用いた伝送システムにおいても、同様の処理により、通信リンク間Data Skewの補正が受信側の物理レイヤで行われる。
<4.変形例>
受信側の4つのレイヤのうちのいずれかのレイヤにおいて通信リンク間Data Skewの補正が行われるものとしたが、2つ以上のレイヤにおいて通信リンク間Data Skewの補正が行われるようにしてもよい。すなわち、物理レイヤ、リンクレイヤ、アダプテーションレイヤ、およびアプリケーションレイヤのうちの、少なくともいずれかのレイヤにおいて通信リンク間Data Skewの補正が行われるようにすることが可能である。CIS I/Fの場合、物理レイヤ、リンクレイヤ、およびアプリケーションレイヤのうちの、少なくともいずれかのレイヤにおいて通信リンク間Data Skewの補正が行われるようにすることが可能である。
また、以上においては、受信側または送信側において通信リンク間Data Skewの補正が行われるものとしたが、受信側と送信側の双方において通信リンク間Data Skewの補正が行われるようにしてもよい。
マルチ通信リンクを構成する通信リンクの数が2つであるものとしたが、3つ以上であってもよい。
以上においては、イメージセンサ11とDSP12が同一の装置内に設けられるものとしたが、それぞれ異なる装置内に設けられるようにしてもよい。送信側LSI311と受信側LSI312についても同様に、同一の装置内に設けられるようにしてもよいし、それぞれ異なる装置内に設けられるようにしてもよい。
・コンピュータの構成例
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
図59は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。
バス1004には、さらに、入出力インタフェース1005が接続されている。入出力インタフェース1005には、キーボード、マウスなどよりなる入力部1006、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部1007が接続される。また、入出力インタフェース1005には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部1008、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部1009、リムーバブルメディア1011を駆動するドライブ1010が接続される。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを入出力インタフェース1005及びバス1004を介してRAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
CPU1001が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア1011に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部1008にインストールされる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
<5.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。この場合、上述したイメージセンサ11は、内視鏡側の筐体内に設けられ、DSP12は、内視鏡から送信されてきた画像データの処理を行う画像処理装置側の筐体内に設けられる。
図60は、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の概略的な構成の一例を示す図である。図60では、術者(医師)5067が、内視鏡手術システム5000を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001と、その他の術具5017と、内視鏡5001を支持する支持アーム装置5027と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5037と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5025a~5025dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5025a~5025dから、内視鏡5001の鏡筒5003や、その他の術具5017が患者5071の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5017として、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023が、患者5071の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5021は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5017はあくまで一例であり、術具5017としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡5001によって撮影された患者5071の体腔内の術部の画像が、表示装置5041に表示される。術者5067は、表示装置5041に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5021や鉗子5023を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023は、手術中に、術者5067又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、ベース部5029から延伸するアーム部5031を備える。図示する例では、アーム部5031は、関節部5033a、5033b、5033c、及びリンク5035a、5035bから構成されており、アーム制御装置5045からの制御により駆動される。アーム部5031によって内視鏡5001が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5001の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡5001は、先端から所定の長さの領域が患者5071の体腔内に挿入される鏡筒5003と、鏡筒5003の基端に接続されるカメラヘッド5005と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5003を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5001を図示しているが、内視鏡5001は、軟性の鏡筒5003を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒5003の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5001には光源装置5043が接続されており、当該光源装置5043によって生成された光が、鏡筒5003の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5071の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5001は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド5005の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5039に送信される。なお、カメラヘッド5005には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5005には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5003の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5039は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5001及び表示装置5041の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5039は、カメラヘッド5005から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5039は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5041に提供する。また、CCU5039は、カメラヘッド5005に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。
表示装置5041は、CCU5039からの制御により、当該CCU5039によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5001が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5041としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5041として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5041が設けられてもよい。
光源装置5043は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5001に供給する。
アーム制御装置5045は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5027のアーム部5031の駆動を制御する。
入力装置5047は、内視鏡手術システム5000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5047を介して、内視鏡手術システム5000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、アーム部5031を駆動させる旨の指示や、内視鏡5001による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5021を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置5047の種類は限定されず、入力装置5047は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5047としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5057及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5047としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5041の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置5047は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5047は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5047は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5047が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5067)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置5049は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5021の駆動を制御する。気腹装置5051は、内視鏡5001による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5071の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5019を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5053は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5055は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム5000において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、基台であるベース部5029と、ベース部5029から延伸するアーム部5031と、を備える。図示する例では、アーム部5031は、複数の関節部5033a、5033b、5033cと、関節部5033bによって連結される複数のリンク5035a、5035bと、から構成されているが、図60では、簡単のため、アーム部5031の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5031が所望の自由度を有するように、関節部5033a~5033c及びリンク5035a、5035bの形状、数及び配置、並びに関節部5033a~5033cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5031は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5031の可動範囲内において内視鏡5001を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5001の鏡筒5003を患者5071の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部5033a~5033cにはアクチュエータが設けられており、関節部5033a~5033cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5045によって制御されることにより、各関節部5033a~5033cの回転角度が制御され、アーム部5031の駆動が制御される。これにより、内視鏡5001の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5045は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5031の駆動を制御することができる。
例えば、術者5067が、入力装置5047(フットスイッチ5057を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5045によってアーム部5031の駆動が適宜制御され、内視鏡5001の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5031の先端の内視鏡5001を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5031は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5031は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5047を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5045は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5031が移動するように、各関節部5033a~5033cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5031に触れながらアーム部5031を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5031を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5001を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5001が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5027を用いることにより、人手によらずに内視鏡5001の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置5045は必ずしもカート5037に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5045は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5045は、支持アーム装置5027のアーム部5031の各関節部5033a~5033cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5045が互いに協働することにより、アーム部5031の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置5043は、内視鏡5001に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5043は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5043において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置5043は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置5043は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5043は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図61を参照して、内視鏡5001のカメラヘッド5005及びCCU5039の機能についてより詳細に説明する。図61は、図60に示すカメラヘッド5005及びCCU5039の機能構成の一例を示すブロック図である。
図61を参照すると、カメラヘッド5005は、その機能として、レンズユニット5007と、撮像部5009と、駆動部5011と、通信部5013と、カメラヘッド制御部5015と、を有する。また、CCU5039は、その機能として、通信部5059と、画像処理部5061と、制御部5063と、を有する。カメラヘッド5005とCCU5039とは、伝送ケーブル5065によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド5005の機能構成について説明する。レンズユニット5007は、鏡筒5003との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5003の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5005まで導光され、当該レンズユニット5007に入射する。レンズユニット5007は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5007は、撮像部5009の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部5009は撮像素子によって構成され、レンズユニット5007の後段に配置される。レンズユニット5007を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5009によって生成された画像信号は、通信部5013に提供される。
撮像部5009を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5067は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部5009を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5067は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5009が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5007も複数系統設けられる。
また、撮像部5009は、必ずしもカメラヘッド5005に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5009は、鏡筒5003の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部5011は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5015からの制御により、レンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5009による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部5013は、CCU5039との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5013は、撮像部5009から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5067が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5013には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信される。
また、通信部5013は、CCU5039から、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5013は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5015に提供する。なお、CCU5039からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5013には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5015に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5039の制御部5063によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5001に搭載される。
カメラヘッド制御部5015は、通信部5013を介して受信したCCU5039からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5005の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5009の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5011を介してレンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5015は、更に、鏡筒5003やカメラヘッド5005を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット5007や撮像部5009等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5005について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU5039の機能構成について説明する。通信部5059は、カメラヘッド5005との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5059は、カメラヘッド5005から、伝送ケーブル5065を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5059には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5059は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5061に提供する。
また、通信部5059は、カメラヘッド5005に対して、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部5061は、カメラヘッド5005から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5061は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部5061は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5061が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5061は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部5063は、内視鏡5001による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5063は、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5063は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5001にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5063は、画像処理部5061による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部5063は、画像処理部5061によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5041に表示させる。この際、制御部5063は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5063は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5021使用時のミスト等を認識することができる。制御部5063は、表示装置5041に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5067に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド5005及びCCU5039を接続する伝送ケーブル5065は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5065を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5005とCCU5039との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5065を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5065によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の一例について説明した。なお、ここでは、一例として内視鏡手術システム5000について説明したが、本開示に係る技術が適用され得るシステムはかかる例に限定されない。例えば、本開示に係る技術は、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
[構成の組み合わせ例]
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1)
送信装置が有する複数の送信部のそれぞれから複数のレーンを用いて並列に送信された同一のデータ構造を有するデータストリームを受信する処理を第1のレイヤの処理として行い、受信した前記データストリームを一系統のデータに統合し、前記データストリームを構成するパケットを取得する処理を第2のレイヤの処理として行う複数の受信部と、
1つの前記送信部と1つの前記受信部との組のそれぞれにより実現される通信リンク間の、対応するデータのタイミングのずれを補正する制御部と
を備える受信装置。
(2)
複数の前記受信部は、それぞれ、受信した前記データストリームから既知情報を検出し、
前記制御部は、それぞれの前記受信部における前記既知情報の検出タイミングに基づいて、前記タイミングのずれを補正する
前記(1)に記載の受信装置。
(3)
複数の前記受信部のそれぞれは、
前記第1のレイヤの処理を並行して行う信号処理部を、前記レーンの数と同じ数だけ有し、
前記第2のレイヤの処理を行う処理部を有する
前記(2)に記載の受信装置。
(4)
複数の前記受信部は、それぞれ、前記既知情報としての制御コードをそれぞれの前記信号処理部において検出し、
前記制御部は、それぞれの前記信号処理部における前記制御コードのタイミングを合わせることによって、前記タイミングのずれを補正する
前記(3)に記載の受信装置。
(5)
複数の前記受信部は、それぞれ、前記パケットを構成するペイロードデータを前記既知情報として前記処理部において検出し、
前記制御部は、それぞれの前記処理部における前記ペイロードデータの出力のタイミングを合わせることによって、前記タイミングのずれを補正する
前記(3)または(4)に記載の受信装置。
(6)
複数の前記受信部のそれぞれは、
前記処理部から出力された前記パケットを構成するペイロードデータを取得する処理を第3のレイヤの処理として行う取得部をさらに有し、
前記パケットを構成する前記ペイロードデータを前記既知情報として前記取得部において検出し、
前記制御部は、それぞれの前記取得部における前記ペイロードデータの、外部の情報処理部に対する出力のタイミングを合わせることによって、前記タイミングのずれを補正する
前記(3)乃至(5)のうちのいずれかに記載の受信装置。
(7)
前記制御部は、複数の前記受信部から出力されたデータを受信し、受信した前記データの外部への出力タイミングを合わせることによって、前記タイミングのずれを補正する
前記(3)乃至(6)のうちのいずれかに記載の受信装置。
(8)
送信装置が有する複数の送信部のそれぞれから複数のレーンを用いて並列に送信された同一のデータ構造を有するデータストリームを受信する処理である第1のレイヤの処理と、受信した前記データストリームを一系統のデータに統合し、前記データストリームを構成するパケットを取得する処理である第2のレイヤの処理とを複数の受信部において行い、
1つの前記送信部と1つの前記受信部との組のそれぞれにより実現される通信リンク間の、対応するデータのタイミングのずれを補正する
ステップを含む制御方法。
(9)
コンピュータに、
送信装置が有する複数の送信部のそれぞれから複数のレーンを用いて並列に送信された同一のデータ構造を有するデータストリームを受信する処理である第1のレイヤの処理と、受信した前記データストリームを一系統のデータに統合し、前記データストリームを構成するパケットを取得する処理である第2のレイヤの処理とを複数の受信部において行い、
1つの前記送信部と1つの前記受信部との組のそれぞれにより実現される通信リンク間の、対応するデータのタイミングのずれを補正する
ステップを含む処理を実行させるプログラム。
(10)
伝送対象のデータを格納するパケットの生成と、生成した前記パケットを複数のレーンに分配する処理とを含む処理を第1のレイヤの処理として行い、分配した前記パケットを含む同一のデータ構造を有するデータストリームを、複数の受信部を有する受信装置に対して、複数の前記レーンを用いて並列に送信する処理を第2のレイヤの処理として行う複数の送信部と、
1つの前記送信部と1つの前記受信部との組のそれぞれにより実現される通信リンク間の、対応するデータのタイミングのずれを補正する制御部と
を備える送信装置。
(11)
複数の前記送信部のそれぞれは、
前記第2のレイヤの処理を並行して行う信号処理部を、前記レーンの数と同じ数だけ有し、
前記制御部は、それぞれの前記信号処理部における制御コードの前記データストリームへの挿入のタイミングを合わせることによって、前記タイミングのずれを補正する
前記(10)に記載の送信装置。
(12)
伝送対象のデータを格納するパケットの生成と、生成した前記パケットを複数のレーンに分配する処理とを含む処理である第1のレイヤの処理と、分配した前記パケットを含む同一のデータ構造を有するデータストリームを、複数の受信部を有する受信装置に対して、複数の前記レーンを用いて並列に送信する処理である第2のレイヤの処理とを複数の送信部において行い、
1つの前記送信部と1つの前記受信部との組のそれぞれにより実現される通信リンク間の、対応するデータのタイミングのずれを補正する
ステップを含む制御方法。
(13)
コンピュータに、
伝送対象のデータを格納するパケットの生成と、生成した前記パケットを複数のレーンに分配する処理とを含む処理である第1のレイヤの処理と、分配した前記パケットを含む同一のデータ構造を有するデータストリームを、複数の受信部を有する受信装置に対して、複数の前記レーンを用いて並列に送信する処理である第2のレイヤの処理とを複数の送信部において行い、
1つの前記送信部と1つの前記受信部との組のそれぞれにより実現される通信リンク間の、対応するデータのタイミングのずれを補正する
ステップを含む処理を実行させるプログラム。
(14)
伝送対象のデータを格納するパケットの生成と、生成した前記パケットを複数のレーンに分配する処理とを含む処理を第1のレイヤの処理として行い、分配した前記パケットを含む同一のデータ構造を有するデータストリームを、複数の前記レーンを用いて並列に送信する処理を第2のレイヤの処理として行う複数の送信部を備える
送信装置と、
複数の前記送信部のそれぞれから複数のレーンを用いて並列に送信された前記データストリームを受信する処理を前記第2のレイヤの処理として行い、受信した前記データストリームを一系統のデータに統合し、前記データストリームを構成するパケットを取得する処理を前記第1のレイヤの処理として行う複数の受信部と、
1つの前記送信部と1つの前記受信部との組のそれぞれにより実現される通信リンク間の、対応するデータのタイミングのずれを補正する制御部と
を備える受信装置と
を含む送受信システム。