JP4754306B2 - 屋根板取付け金具 - Google Patents

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Description

この発明は、たとえば下葺屋根などのような下地材の上に断熱材を介装して上葺屋根を葺設し、断熱性や防音性を有する屋根を形成するときに用いるような屋根板取付け金具に関する。
上述のような屋根板取付け金具は、金属製の金具と合成樹脂製の断熱部材とを組み合わせて構成される。すなわち、下地材に固定する固定金具と、屋根板を係止する吊子などの係止金具が金属製であり、これらの間に介装される断熱部材が合成樹脂製である。
固定金具、係止金具、および断熱部材の組み合わせ方はいろいろ考えられるが、係止金具が固定金具に接触しないように組み合わされる。このとき、断熱部材の大きさは、より小さい方が望ましい。合成樹脂の使用量を抑えられれば、火災等で万が一燃えた場合に有害ガスの発生を抑制でき、製造コストを低減することができるからである。
このため、下記特許文献1に開示された屋根板支持用断熱金具を案出した。
この金具は、固定金具の高さを左右両側部位においてそれぞれ違え、左右方向の一方に高位置受け面を、左右方向の他方に低位置受け面を形成し、上記断熱部材には、上記高位置受け面または低位置受け面に乗って上下方向での熱伝導を阻止する断熱受け部を形成し、これら断熱受け部を上下方向に連結する垂直断熱片には、上記高位置受け面を支持する垂直部との間で上下方向での位置ずれを阻止する位置決め構造を設け、上記断熱部材の上面側に、上記固定金具とは非接触の取付け手段を用いて上記係止部材を取り付けるというものである。
このような構成を有するため、断熱を行う断熱部材は、高位置受け面と低位置受け面を設けて高低差を有するように形成した固定部材の上に位置し、係止部材は、その断熱部材の上面側に、段差を利用して固定すればよい。すなわち段差を構成する断熱受け部と垂直断熱片のいずれに取り付けるもよく、このため係止部材が吊子であっても、断熱部材に差し込む溝を形成する必要はなく、その分厚みを薄くできて合成樹脂の使用量を低減することができるという効果が得られる。
しかし、断熱部材の厚みを薄くするので、強度、特に負圧に対する強度をより完全なものにする必要がある。この点、特許文献1の屋根板支持用断熱金具では、固定金具は断熱部材に当てて組み合わせられるため、固定金具における断熱部材に対する接触は片面だけで行われており、両者の一体性がきわめて高いとはいえない。このため、一方の部材にかかった負荷が他方の部材に伝達されるときに、両者間で捩れなどの変位が起こる可能性が考えられる。
また、特許文献1の屋根板支持用断熱金具では、固定金具に断熱部材を結合するとともに、断熱部材に係止金具を固定するためのボルトを固定金具と非接触にするため、中心部に貫通孔を有した略きのこ形状の断熱補助部材を必要としている。このため、部品点数が多くなるとともに、固定金具と断熱部材と断熱補助部材とを所定の位置関係に組み合わせて、この状態を手で保持しながらボルトを挿入してナットで締め付ける必要があり、ナット締め付け時の作業がきわめて簡単であるとはいい難い。
特開2004−204456号公報
そこでこの発明は、使用する合成樹脂の量を少なくしながらも充分に高い強度が得られるような屋根板取付け金具の提供を主たる課題とする。
そのための手段は、下地材に対して固定される固定金具の上部に断熱部材が設けられ、該断熱部材に対して屋根板係止用の係止金具がボルトによって上記固定金具とは非接触で固定される屋根板取付け金具であって、上記断熱部材に、上記ボルトの長さ方向と交わる方向にのびる溝部が形成され、該溝部の厚みに対応する厚さを有し上記溝部に差し込まれる差込片が、上記固定金具に形成され、該差込片に、該差込片とは異なる方向に延びて断熱部材内に入り込む、または断熱部材と接触し、固定金具と断熱部材との間の位置関係を規制する規制部が連設された屋根板取付け金具である。
なお、上記「対応する」は、差込片が溝部に差し込まれたときにその厚み方向に相対変位しない程度にぴたりと嵌まり合って必要以上にガタ付かない状態になる関係を意味する。
すなわち、上記構成によれば、屋根板取付け金具の組み立ては、固定金具の差込片を断熱部材の溝部に対して差し込んで、一体化してからボルトによる結合を行えばよい。
また、差込片は溝部に嵌まっており、差込片の少なくとも表裏二面が断熱部材に対して全体的に接触している状態であって、その厚み方向で相対変位しない構造である。言い換えれば、差込片が断熱部材の芯材として断熱部材内に存在するような構造である。このため、係止金具に正圧が作用した場合には、荷重は係止金具から断熱部材へ伝わるが、このとき断熱部材は固定金具と一体になって荷重を支える。また、負圧が作用した場合には、係止金具が引っ張られるとボルトが引っ張られ、ボルトを保持した断熱部材が引っ張られる。このとき、断熱部材の溝部に差し込まれた差込片が引っ張りに対して強く対抗する。さらに前記差込片は規制部を有するので、荷重を支え、また荷重に対向する時に、規制部が差込片と協働して、充分な強度を得ることができる。
ここで、上記各構成要素については、次のような態様に構成することができる。
その態様のひとつは、上記差込片が水平方向に延びるとともに、該差込片に前記ボルトを挿通可能にするルーズホールが形成された屋根板取付け金具である。ルーズホールの径は、ボルトの頭部を通さない大きさであるのが好ましい。
すなわち、差込片の中を、固定金具と断熱部材と係止部材とを結合しているボルトが通過している構造であるので、正圧に対しても負圧に対しても、かかる荷重を効果的に支えることができる。また、ルーズホールが差込片とボルトとを非接触にして断熱を図る。ルーズホールの径がボルトの頭部を通さない大きさであれば、万が一火災で断熱部材が焼失しても、屋根が飛散してしまう事態を避けることができる。
態様の他の一つは、上記固定金具が、相互間で下地材に対する挟持を行う一対の金具担体を有し、これら金具担体のうち少なくとも一方のみに、前記差込片が形成された屋根板取付け金具である。
すなわち、組み立てに際しては、差込片を溝部に差し込み、断熱部材を一方の金具担体に組み込んで一体化してから、他方の金具担体を上記一方の金具担体に結合すればよい。そして、下地材に対する固定時には、対向する金具担体を離間すれば、簡単に開くことができ、固定作業が容易に行える。
態様の他の一つは、上記断熱部材または固定金具のうちの少なくともいずれか一方に、断熱部材および固定金具相互間における差込片の面方向での位置ずれを防止する位置決め手段が形成された屋根板取付け金具である。位置決め手段としては、たとえば、凹凸、凹または凸、左右が開放されていないポケット状の溝とこれに差し込まれる片などで構成できる。
すなわち、位置決め手段の存在により、差込片を溝部に差し込んだときに固定金具と断熱部材との位置関係が一定になるので、その後の組み立て作業や下地材に対する固定作業が容易になるとともに、使用状態での断熱効果を確実に得ることができる。
別の手段は、上記屋根板取付け金具を用いて構成された屋根である。
すなわち、合成樹脂の使用量が少なく強度の高い屋根が得られる。
以上のように、この発明によれば、固定金具の差込片が断熱部材の溝部に差し込まれて断熱部材の芯のような存在となって一体化するので、断熱部材が薄く形成されてもその剛性は高く、両者の位置関係はしっかりと規制される。
このため、高強度の屋根板取付け金具を得ることができる。
しかも、固定金具の差込片が断熱部材の溝部に差し込まれる構成であるので、組み立てに当たっては、まず差込片を溝部に差し込むことで、仮組みができる。このため、後のボルト締め作業に際して複数の部材同士を手で押えながら行う必要はなく、一連の組み立て作業はきわめて簡単である。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、屋根11の要部を示す断面図であり、この図に示すように、屋根11は、下地材としての下葺屋根12の上に、屋根板取付け金具13(以下、取付け金具という)を固定してから断熱材14を敷き込み、断熱材14の上から屋根板15aを係止し上葺屋根15を葺設して形成される。
この例において、上記下葺屋根12は、両側に有した立ち上がり部12bの上端部を隣接するもの同士で相互に係合し合う構造の馳締めタイプの屋根板12aからなり、取付け金具13で支持する上記屋根板15aも、上記下葺屋根12の屋根板12aと同様に馳締めタイプの屋根板である。
取付け金具13は、下葺屋根12と上葺屋根15との間の熱伝導を遮断して、断熱性を得るためのもので、金属板と合成樹脂とを組み合わせて構成される。すなわち、下葺屋根12に対して固定する固定金具31と、屋根板15aを係止する係止金具51とが金属板で形成され、これらの間に介装される断熱部材71は合成樹脂で形成される。図2が、上記固定金具31と断熱部材71を組み合わせた状態の斜視図である。
上記固定金具31は、下葺屋根12が上述のごとく馳締めタイプの屋根板12aからなるので、上端で相互に係合し合っている馳締部12cとその近傍を挟持する左右一対の金具担体32,33で構成される。これら金具担体32,33は、締結用のボルト34とナット35で締め付けられる。
この例における下葺屋根12の馳締部12cが正面視左側に突出する略逆L字型をなす角馳であるので、正面視右側の第1金具担体32は、上記挟持用ボルト34を取り付ける部分から下に、上下方向に真っ直ぐな垂直片36を有し、上記馳締部12cに沿うように形成されている。
垂直片36の下端には、下葺屋根12の屋根板12aの頂面に接地する接地片37を有する一方、垂直片36の上端には、断熱部材71に入り込み一体化する差込片38が形成される。差込片38は、水平方向にのびるとともに、その先端縁に、上方に折曲された規制部39が連設されている。
図3に示すように、上記垂直片36と接地片37と差込片38と規制部39は、同一幅に形成され、垂直片36と接地片37にはその左右両側部分に補強用のリブ40が形成されている。また、垂直片36の中央には、上記締結用ボルト34を挿通可能にするための角孔36aが形成され、差込片38の中央には、断熱部材71と係止部材51を固定するための固定用ボルト41を挿通可能にするルーズホール38aが形成されている。このルーズホール38aは、固定用ボルト41の軸部の径よりも大きく、頭部の径よりも小さく設定され、固定用ボルト41の頭部がルーズホール38aを通過しないようにされている。
上記差込片38におけるルーズホール38aを挟んだ左右両側部には上に凸の突起38b,38bが形成される。これらの突起38b,38bは、差込片38の面方向における断熱部材71との位置関係を規制する位置決め手段である。上記突起38b,38bは、プレスにより形成できるが、切り起し等の適宜方法で形成されるものでよく、また下に凸に形成されるものでもよい。
正面視左側に位置する他方の第2金具担体33は、上記締結用ボルト34を取り付ける部分に垂直片42を有するが、そのすぐ下に、下葺屋根12の馳締部12cを包み込む形状で、下端に馳締部12cの下側に対して左側から圧接する圧接縁43aを有した包囲部43が形成される。
一方、垂直片42の上側には、断熱部材71の端部を受ける受け用段部44を介して真っ直ぐ上方にのびる第2垂直片45が形成され、第2垂直片45の上端からは水平にのびる受け片46が形成されている。
この第2金具担体33においても、第1金具担体32と同様に、垂直片42、包囲部43、第2垂直片45、受け片46はすべて同一幅に形成されている。また、これら全体にわたって補強用のリブ47が2本形成されている。
上記垂直片42の中央には、締結用ボルト34の挿通を可能にするための角孔42aが形成され、受け片46の中央には、断熱部材71との位置関係を規制するために位置決め手段としての透孔46aが形成されている。
また、上記第2金具担体33の外側面には、補助金具48が添えられる。補助金具48は、第2金具担体33における補強リブ47間に収まる幅の金属板を折曲することで形成されたもので、第2金具担体33の垂直片42に重合する重合片48aと、該重合片48aの下端から水平に突出して包囲部の上側に位置する張り出し部48bと、該張り出し部48bの端部から垂下する垂下片48cと、該垂下片48cの下端から横にのびて下葺屋根の頂面に接地する接地片48dとを有する。
上記張り出し部48bから下側には補強用のリブ49が形成され、上記重合片48aの中央には、上記締結用ボルト34を挿通し回り止めするための角孔48eが形成されている。
上記断熱部材71は、1個の部材からなり、上記各金具担体32,33の上にまたがった状態で取り付けられる。そして、上記第1金具担体32側(正面視右側)が厚く、第2金具担体33(正面視左側)が薄い形態のブロック状をなす。その幅は、各金具担体32,33のそれよりも狭く設定され、上面には、上記係止金具51を固定するために左右で段差が設けられている。
上記第1金具担体32側の右側部71aが、左側の左側部よりも厚く、上面には、係止金具51が載置される載置面72が形成されている。そして、右側部71aの厚さ方向の中間位置よりも若干下側には、その幅全体にわたって溝部73が形成されている。
この溝部73は、上記第1金具担体32の差込片38と規制部39が差し込まれるもので、差込片差込部73aと規制部差込部73bとからなる。溝部73の各部の厚みは、差込片38と規制部39の厚みに対応する厚さである。すなわち、差し込んだときにぴたりと収まる厚さで、厚み方向にいたずら動かない、ガタ付かない厚さである。強く押し込めば差し込める程度の厚さであってもよい。なお、この例では、差込片38も規制部39も同一の厚みであるので、溝部73の差込片差込部73aも規制部差込部73bも同一の厚さである。
また、上記溝部73の上側部分には、図4にも示したようにその中央位置に、固定用ボルト41の軸部を挿通可能にする挿通孔74と、固定用ボルト41に螺合するナット41aの全体を収容し、ナット41aの回転を可能にするための空間を有する収容凹部75とを下から有している。
一方、溝部73の下側部分には、上記挿通孔74と同径の挿通孔76と、固定用ボルト41の頭部を回り止め可能に収める回り止め凹部77を上から順に有する。該回り止め凹部77は、固定用ボルト41の頭部の厚さよりも薄くして、溝部73の下側部分の厚さが必要以上に厚くならないようにしている。なお、固定用ボルト41の長さは、固定用ボルト41の頭部を上記回り止め凹部77に収めた時に、その先端が断熱部材71の左側部71bの上面よりも低い位置に位置するように設定されている。
上記第2金具担体33側の左側部71bは、右側部71aよりも薄い方形板状に形成され、第2金具担体33の受け片46の上にのる。この左側部71bの上面は屋根板15aを受ける受け面78である。そして、下面における受け片46の透孔46aに対応する部位には、下へ凸の突起部79が形成され、第2金具担体33と断熱部材71との間での位置決めを可能にしている。
上記係止金具51は、図5にも示したように、上端縁に馳部52aを有する垂直片52と、この垂直片52の下端から水平にのびる水平片53と、この水平片53の端から上に立ち上がる立ち上がり片54とを有し、上記水平片53が断熱部材71の載置面72の上にのり、垂直片52の下部が断熱部材71の載置面72と受け面78の間の垂直面に沿うように断熱部材71上に固定される。上記水平片53の中央部には、左右方向に長い長孔53aが形成され、上記固定用ボルト41を挿通可能にしている。
なお、この例では、垂直片52の馳部52aが角馳タイプの吊子を図示したが、図5に仮想線で示したような丸馳タイプの吊子や、その他の適宜形状の係止金具を使用することもできる。
このような各部材からなる取付け金具13は、次のようにして組み立てる。
まず、第1金具担体32と断熱部材71とを組み合わせる。つまり、断熱部材71の溝部73に対して第1金具担体32の差込片38と規制部39を差し込む。差し込みは、図3に矢印で示したように各部材の幅方向で行う。
第1金具担体32は、差込片38の上面に突起38bを有しているので、その突起38bが差し込みに際して若干の障害にはなるが、断熱部材71は合成樹脂製であり、上記溝部73を有しているので、多少の変形が可能であるため、抵抗に抗して差し込めば、カチッと嵌まる。
この差し込み状態では、2個の突起38bが図2に示したように断熱部材71を挟むように位置するので、位置決めされた状態になる。
この後、固定用ボルト41を断熱部材71の下面から上に向けて挿入し、ナット41aを螺合して締め付ける。第1金具担体32と断熱部材71は一体となっているので、両部材32,71の何処を持っても作業者の好みの姿勢に保持できる。このため、固定用ボルト41の挿通とナット41aの締め付けが極めて容易に行える。
つづいて、第1金具担体32と断熱部材71との結合体に対して第2金具担体33と補助金具48を締結用のボルト34とナット35で結合すればよい。第2金具担体33を断熱部材71に対して組み合わせる時には、図6に示したように、第2金具担体33の受け片46の透孔46aを断熱部材71の突起部79に対して下から挿嵌する。
そして最後に、必要に応じて図5に示したように、係止金具51を固定すればよい。図中、41bは係止金具51を固定するためのナットである。
係止金具51の固定時には、図7に示したように、受け金具80を付加することができる。受け金具80は、係止金具51の水平片53を上から押える押え片80aの左右両側縁に、正面視逆L字型の支持片80b,80bを有したもので、支持片80bの上面が屋根板15aを受け、荷重を支える。図中、80cは、固定用ボルト41の挿通孔である。
このように構成された取付け金具13は、つぎのようにして使用される。
まず、図8に示したように、締結用ボルト34を緩めて第1金具担体32と第2金具担体33の下部を開き、下葺屋根12の馳部12cに対して被せるようにして組み付けてから、締結用ボルト34で締めて、馳部12cに対する挟持固定を行う。
このときに、係止金具51の馳部52aが丸馳の場合には、係止金具51は予め固定しておいてよいが、角馳の場合には、係止金具51は屋根板15aを係止してから固定される。
取付け金具13の固定後、断熱材14を敷き込んでから屋根板15aを係止金具51に係止し、上葺屋根15を形成する。
すると、図9に示したような状態になって、上葺屋根15にたまる熱は、固定用ボルト41には伝わるものの、固定金具31には伝達されず、断熱作用が得られる。
また、正圧がかかったときには充分に荷重を支えるのは勿論のこと、負圧が作用した場合でも、荷重を良好に支えて堅固な固定状態を維持する。
すなわち、差込片38と規制部39は溝部73に嵌まっており、差込片38と規制部39の表裏二面が断熱部材71に対して全体的に接触している状態であって、その厚み方向で相対変位しない構造である。つまり、差込片38と規制部39が断熱部材71の芯材として断熱部材71内に存在するような構造である。このため、係止金具51に正圧が作用した場合には、荷重は係止金具51から断熱部材71へ伝わるが、このとき断熱部材71は固定金具31と一体になって荷重を支える。固定金具31では、第1金具担体32と補助金具48の接地片37,48dが荷重を支える。
負圧が作用した場合には、係止金具51が引っ張られると固定用ボルト41が引っ張られ、固定用ボルト41を保持した断熱部材71が引っ張られる。このとき、断熱部材71の溝部73に差し込まれた差込片38と規制部39が引っ張りに対して強く対抗する。
過度の負圧が台風等により断続的にまたは一度に作用した場合に、固定用ボルト41は上述のように上に引っ張られる力を受けるが、このとき、断熱部材71の固定用ボルト41の頭部に対応する部分が上に引っ張られ、その部分が第2金具担体32の差込片38との間で圧縮されるので、図10に示したように、断熱部材71のその部分がルーズホール38aに食い込む変形が起こって食い込み部分81ができることがある。このような断熱部材71の変形が起こると、固定用ボルト41が第1金具担体32に接触することをこの部分においても積極的に阻止することができる。このため、たとえ突起38bの作用が喪失されたと仮定しても、断熱作用を確実に維持することが可能となる。予めルーズホール38aに下から嵌まる上記のような食い込み部分を形成することも考えられる。しかし、加工が困難である場合には、断熱部材71を第1金具担体32に組み付けた後で圧力を掛けて上記のような食い込み部分を形成してもよい。
上述のように断熱部材71の溝部73に差し込まれた差込片38の存在により、断熱部材71が薄く形成されてもその剛性は高く、両者の位置関係はしっかりと規制され、高強度の屋根板取付け金具13を得ることができる。
しかも、固定金具31の差込片38が断熱部材71の溝部73に差し込まれる構成であるので、組み立てに当たっては、まず差込片38を溝部73に差し込むことで、上述のように仮組みができる。このため、後のボルト締め作業に際して複数の部材同士を手で押えながら行う必要はなく、一連の組み立て作業はきわめて簡単である。
また、差込片38には、固定金具31の第1金具担体32と断熱部材71と係止金具51とを結合している固定用ボルト41を挿通可能にするルーズホール38aが形成されているので、差込片38の作用は断熱部材の広範囲に及ぶ。このため、正圧に対しても負圧に対しても、かかる荷重を効果的に支えることができる。
そのうえ、ルーズホール38aの径が固定用ボルト41の頭部を通さない大きさであるので、万が一火災で断熱部材71が焼失しても、屋根が飛散してしまう事態を避けることができる。
さらに、差込片38には、該差込片38とは異なる方向に延びて断熱部材71内に入り込む規制部39が一体に形成されており、固定金具31と断熱部材71との間の位置関係を差込片38とともに規制する。このため、荷重を支え、また荷重に対向する時に、充分な強度を得ることができる。
また、固定金具31が、相互間で下葺屋根12に対する挟持を行う一対の金具担体32,33を有し、これら金具担体32,33のうちの一方である第1金具担体32に差込片38と規制部39が形成されているので、組み立てに際しては、差込片38と規制部39を溝部73に差し込み、断熱部材71を第1金具担体32に組み込んで一体化してから、第2金具担体33を第1金具担体32と断熱部材71に結合すればよい。そして、下葺屋根12に対する固定時には、相対向する金具担体32,33を離間すれば、簡単に開くことができ、固定作業が容易に行える。
さらにまた、第1金具担体32には突起38bを設けて、断熱部材71および第1金具担体32相互間における差込片38の面方向での位置ずれを防止するようにしているので、差込片38を溝部73に差し込んだときに第1金具担体32と断熱部材71との位置関係が一定になるので、その後の組み立て作業や下地材に対する固定作業が容易になる。また、使用状態での断熱効果を確実に得ることができる。
このような効果を有する取付け金具13を用いて構成するので屋根11は、強度が高く、合成樹脂の使用量が少ない優れた屋根となる。
(その他の形態)
以下、その他の形態について説明する。その際に、上記構成と同一または同等の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図11は、固定用ボルト41として、軸部の長さの中間部に方形状をなす鍔状の回り止め部41cを有したものを使用した例である。つまり、断熱部材71の右側部71aの上面(載置面72)に、上記回り止め部41cを回り止め可能に収容する平面視方形状の収容凹部75が形成されている。組み付けは、断熱部材71の溝部73に対して第1金具担体32の差込片38を差し込んで仮組みをしてから、固定用ボルト41を上から挿通して、固定用ボルト41の下端部に、ナット41aを螺合して締め付ければよい。
上記収容凹部75は、図2に示した取付け金具の場合とは異なり、ナットの全体を収容するような深さは必要ないので、断熱部材71の右側部71aを図2に示した取付け金具の場合よりも薄く形成できる。つまり、より一層、合成樹脂の使用量を少なくできる。
図12は、固定用ボルト41を上から挿通するようにした例を示している。そして、固定用ボルト41の螺合は、断熱部材71内に回り止め可能に収納されたナット41aに対して行われる。なお、断熱部材71を薄く形成するために、第1金具担体32の規制部39は下に向けて形成されている。
つまり、断熱部材71の右側部71aには、水平にのびる差込片差込部73aが形成されるとともに、その端部から下に向けて規制部差込部73bが形成されている。そしてこのような形状をなす溝部73の下側における厚さ方向の中間部には、図13にも示したように、上記ナット41aを収容するための収容凹部75が、内側面に開口した状態で形成されている。収容凹部75の上下両側には、固定用ボルト41の軸部を通す貫通孔91…が形成されている。
また、第1金具担体32の外側面には、正面視逆L字型の固定補助金具92が取り付けられる。この固定補助金具92の上面は、断熱部材71の下面を受ける支持片92aであり、締め付けたときに差込片38との間で断熱部材71の溝部73より下側の部分を上下に挟む作用をする。図中、92bは、締結用ボルト34を挿通のための角孔である。
このように構成された取付け金具13では、組み立ては次のように行われる。
まず、断熱部材71の収容凹部75にナット41aを収容してから第1金具担体32の差込片38と規制部39を断熱部材71の溝部73に差し込んで一体化する。この一体化により収容凹部75内のナット41aは脱落しなくなる。
つづいて、固定用ボルト41を挿通保持するとともに、第2金具担体33と補助金具48と固定補助金具92を締結用ボルト34で結合する。
このような構成によれば、固定用ボルト41の挿通作業が固定用ボルト41を回転するだけで行え簡単であって、組み立て作業性が良好となる。
図14は、取付け金具13の上側部分の構造説明図であり、固定用ボルト41を上から挿通するようにした例を示している。すなわち、図12の例と同様に、固定用ボルト41に螺合するナット41aを断熱部材71内に保持している。ナット41aを収容する収容凹部75は、断熱部材71の下面に開口しており、ナット41aは下から収容される。
そして収容凹部75の開口部近傍には、収容凹部75よりも大径の脱落防止板93を保持する保持溝94を、断熱部材71の右側部71aにおける内側面に開口している。
すなわち、ナット41aを収容凹部75に収めた後、断熱部材71の右側部71aの内側面から方形板状の脱落防止板93を保持溝94に差し込むことでナット41aの脱落が防止される。
また、断熱部材71の右側部71aにおける内側面の上記保持溝94より上側には円柱状の突起部95が形成されている。各金具担体32,33におけるこの突起部95に対応する部位には、突起部95の通過を許容し、上下左右方向での位置ずれを防止する挿通孔部96が形成されている。これら突起部95と挿通孔部96との嵌まり合いによって、固定金具31と断熱部材71の位置関係が規制され、一定の状態を保持できる。
さらに、断熱部材71の左側部71bの端部には、第2金具担体33の受け片46の端部が第1金具担体32から離間する方向に移動するのを係止して阻止する係止突部97が垂設されている。
差込片38は、一体の規制部を有さず、1枚の板状に形成されている。このため、差込片38の差し込みを受け入れる溝部73もそれに対応する形状に形成される。
図14において、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は断面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図、(f)は断熱部材の左側面図である。
このように構成された取付け金具13では、溝部73と、溝部73に差し込まれた差込片38とが、第1金具担体32に設けられた突起38bと、断熱部材71に設けられた上記突起部95および該突起部95が挿通する挿通孔部96と、上記係止突部97の作用により、高い一体性をもって結合される。
このため、高い強度を得られるとともに、固定用ボルト41の取り付けは断熱部材71と第1金具担体32の組み付け後に螺合するだけでよく、きわめて簡単である。
図15は、取付け金具13の上側部分の構造説明図であり、固定用ボルト41を上から挿通するようにした例を示している。すなわち、図12の例と同様に、固定用ボルト41に螺合するナット41aを断熱部材71内に保持している。ナット41aを収容する収容凹部75は、断熱部材71の右側部71aにおける内側面に開口しており、ナット41aは内側から収容される。
そして収容凹部75の下側は閉塞されており、第1金具担体32を組み付けるだけでナット41aの収容状態が保てるように構成されている。
差込片38は、その基部が断熱部材71の幅よりも幅広であるのに対して、その先端側が断熱部材71の幅よりも幅狭となる1枚の板状に形成されている。つまり、この差込片38が差し込まれる溝部73は、内側面がわが幅一杯に形成され、それより先がポケット状あるいは袋状に形成されている。差込片38と溝部73がこのような形状に形成されているので、差込片38を溝部73に差し込むだけで、差込片38の幅方向での移動が不可能になり、差込片38のルーズホール38aの中心に固定用ボルト41の軸が位置するようになる。
また、断熱部材71の左側部71bの端部には、第2金具担体33の受け片46の端部が第1金具担体32から離間する方向へ移動するのを係止して阻止する係止突部97が、図14に示した場合よりも大きく、受け片46を抱え込むように形成されている。
図15において、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は断面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図である。
このように構成された取付け金具13でも、溝部73と、溝部73に差し込まれた差込片38とが、上記係止突部97の作用により、高い一体性をもって結合される。
このため、高い強度を得られるとともに、固定用ボルト41の取り付けは断熱部材71と第1金具担体32の組み付け後に螺合するだけでよく、きわめて簡単である。
図16は、取付け金具13の上側部分の構造説明図であり、固定用ボルト41を上から挿通するようにした例を示している。すなわち、図12の例と同様に、固定用ボルト41に螺合するナット41aを断熱部材71内に保持している。ナット41aを収容する収容凹部75は、断熱部材71の下面に開口しており、ナット41aは下から収容される。
また、第1金具担体32は、差込片38が垂直片36の上端に直接設けられるのではなく、断熱部材71の右側部71aの下面を支持する支持片98を介して設けられている。すなわち、垂直片36の上端から水平にのびる支持片98が連設されるとともに、この支持片98の端部から真っ直ぐ上に向けて、断熱部材71の外側面に沿うように立設片99が設けられ、この立設片99の上端から、断熱部材内に入り込む1枚の板状の差込片38が形成されている。差込片38は、基部側は断熱部材71よりも幅広であるが、先端側は断熱部材71よりも幅狭である。これに対応して、溝部73は、断熱部材71の右側部71aの外側面がわが幅一杯に形成され、それより内側の部分がポケット状あるいは袋状に形成されている。差込片38と溝部73がこのような形状に形成されているので、差込片38を溝部73に差し込むだけで、差込片38の幅方向での移動が不可能になり、差込片38のルーズホール38aの中心に固定用ボルト41の軸が位置するようになる。
なお、収容凹部75の下の開口部を閉塞する手段は必ずしも必要ではない。ナット41aを収容凹部75に収容した状態で上記第1金具担体32を組み付ければ、第1金具担体32の支持片98がナット41aの脱落を防止するからである。
また、断熱部材71においては、第1金具担体32と第2金具担体33との結合時における一体性を高めるため、断熱部材71の右側部71aにおける外側面と内側面とに突起部95,95が形成されている。これに対応して、第1金具担体32と第2金具担体33の対応部位には、上記突起部95を挿通して位置決めするための挿通孔96が形成されている。
図16において、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は断面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図である。
このように構成された取付け金具13では、溝部73と、溝部73に差し込まれた差込片38とが、上記突起部95と挿通孔96との嵌まり合いにより高い一体性をもって結合される。そして、差込片38に連設された立設片99と支持片98が規制部としての役割を果たし、第1金具担体32と断熱部材71との位置関係を規制する。
このため、高い強度を得られるとともに、固定用ボルト41の取り付けは断熱部材71第1金具担体32の組み付け後に螺合を行えばよく、きわめて簡単である。
なお、断熱部材71内に対するナット41aの保持は、図17、図18に示したようにして行うこともできる。
すなわち、図17に示した断熱部材71は、断熱部材71をその幅方向にニ分割した例を示している。ニ分割された各断熱部材担体71c,71dは、その厚み方向の上側に溝部73を有するとともに、対向面における溝部73の下側に収容凹部75を有している。これら溝部73と収容凹部75の上下には、固定用ボルト41の軸部を挿通可能にする貫通孔91が形成されている。図中、71eは、断熱部材担体同士を互いに組み合わせるための凹部で、71fは凸部である。
図18に示した断熱部材71は、断熱部材71を、その右側部71aにおける溝部73より下側の部分を内外に分割した例である。すなわち、本体側断熱部材担体71gと、これの外側面に結合する蓋側断熱部材担体71hとで構成されている。本体側断熱部材担体71gと蓋側断熱部材担体71hの対向面には、厚み方向の中間部に収容凹部75を有し、この収容凹部75の上下に、固定用ボルト41の軸部を挿通可能にする貫通孔91が形成されている。
これらのように構成された断熱部材71では、ナット41aを予め収容できるため、組み立てがより簡単に行える。
なお、図17、図18に示した上記貫通孔91の下側のものは、下端が閉塞されているが、開口したものであるもよい。
図19は、取付け金具13の上側部分の構造説明図であり、固定用ボルト41を上から挿通するようにした例を示している。図12の例と同様に、固定用ボルト41螺合するナット41aを断熱部材71内に保持している。ナット41aを収容する収容凹部75は、断熱部材71の下面に開口しており、ナット41aは下から収容される。図16に示した例と似ているが、より一層の断熱材の小型化を意識している。
すなわち、断熱部材71における溝部13よりも下側を図16の例の場合よりも薄くするとともに、溝部73から下側の幅を上側よりも幅狭に設定している。そして、溝部73よりも下側の厚みを薄くした分、固定用ボルト41の先端が第1金具担体32の支持片98に接触するのを防止するため、対応部分にルーズホール98aが設けられている。
図19において、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は断面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図、(f)は断熱部材の右側面図である。
このように構成された取付け金具13では、断熱部材71がより一層小さくなるので、万が一の火災発生時における有害ガスの発生を抑制できる等の効果が高まるとともに、正面視の状態において断熱部材71の溝部73より上側の部分が、左側部71bを構成する受け面78から続く階段状のラインが強調され、よりスリム化された美感を得られる。
図20は、取付け金具13の上側部分の構造説明図であり、固定用ボルト41を上から挿通するようにした例を示している。図12の例などと同様に、固定用ボルト41に螺合するナット41aを断熱部材71内に保持している。ナット41aを収容する収容凹部75は、断熱部材71の下面に開口しており、ナット41aは下から収容される。図19に示した例と同様に断熱部材71のより一層の小型化を図っており形状は似ているが、差込片38に固定用ボルト41を挿通するルーズホールは形成されてない。
すなわち、第1金具担体32における垂直片36から支持片98と立設片99を介して形成された差込片38は、固定用ボルト41に達しない長さに設定されており、溝部73もそれに対応する長さに形成されている。
図20において、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は断面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図である。
このように構成された取付け金具13でも、差込片38と溝部73の嵌まり合いと、この状態を保持する突起部95および挿通孔部96との嵌まり合いによって、高い強度を得られるという効果を達成できる。
なお、上記差込片38に至る部分の強度を確保するため、第1金具担体32の支持片98における固定用ボルト対応部位には、ルーズホール98aを設けて完全に抜くのではなく、図21に示したように切れ目を入れて半抜きにして、連設部98bが形成されるとよい。
図22から図35は、上述のような効果を有する取付け金具にふさわしい固定金具31の構造を示した例である。
図22に示した取付け金具13は、図2に示した取付け金具13の補助金具48を省略したものである。すなわち、第1金具担体32の垂直片36の下部と第2金具担体33の包囲部43とにより下葺屋根12の馳部12cを挟持する。
しかし、正圧に対しては第1金具担体32の接地片37と包囲部43の上側部分を構成する水平部がそれぞれ対向部に接地して荷重を支える。負圧に対しては、垂直片36と協働して挟持している包囲部43が、馳部12eの下側部分に回り込んで掴むように存在し、引っ張りに対して強く対応する。このため、充分な強度が得られる。その上、補助金具48の分、軽量化とコスト低減を図ることができる。
図22において、(a)は取付け金具の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
なお、図23に示したように、第1金具担体32の垂直片36の下部に外側面からバーリングにより貫通孔36bを開けると、内側面には凹凸36cが形成される。この凹凸36cは、下葺屋根12の馳部12cに対する固定時に、図24に示したように、馳部12cの側面に対して圧接して食いつき、上下方向での位置ずれが抑制されるので、上記補助金具48なしで過度の負圧がかかったときに第1金具担体32側が浮き上がる現象が起こり得るが、上記凹凸36cを設けることで上記のような浮き上がりを確実に防止でき、固定強度が高まる。
また、図25に示したように、第1金具担体32の垂直片36における下部中央に貫通孔36dを設け、第2金具担体33における対応位置にも貫通孔43bを設けて、下葺屋根12に対する固定後にドリルねじ101で止めることによっても、固定強度を高めることができる。
図26に示した取付け金具13は、図22に示した取付け金具13の第1金具担体32における垂直片36の下部の形状を異にしたものである。すなわち、垂直片36が短く形成され、その下端から、斜め下方に向けてのびる傾斜片36fが形成され、この傾斜片36fの下端から、下葺屋根12の頂面に接地する接地片37が連設されている。このとき、接地片37の先端縁37aは、包囲部43における先端の圧接縁43aの高さよりも下に設定しておく。
下葺屋根12に対して固定した時には、包囲部43が馳部12cを包み込むとともに、接地片37の先端縁37aが馳部12cの側面に、包囲部43の圧接縁43aとは段違いに圧接し、両者の協働により馳部12cを強固に挟持する。
このように、その圧接縁43aと接地片37の先端縁37aが線で圧接して挟持を行うので、高い固定強度が得られる。
図26において、(a)は取付け金具の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
図27に示した取付け金具13は、図22に示した取付け金具13の第2金具担体32における包囲部43の下端から、下葺屋根12の頂面に接地する接地片43cを連設した構成である。
このように構成された取付け金具13は、下葺屋根12に対する固定前の取り扱いの段階で、固定金具31の接地片37,43cを接地させると立った姿勢にすることができるので取り扱いしやすい。
なお、図27に仮想線で示したように、ドリルねじ101を取り付けられるようにすると、過度の負圧が作用した時の万が一の抜け止め対策ができる。
図27において、(a)は取付け金具の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
図28に示した取付け金具13は、下葺き屋根12が丸馳タイプである場合に適したものである。すなわち、第1金具担体32と第2金具担体33の垂直片36,42の下部に、略半円形状の挟持部36g,42bが形成され、この挟持部36g,42bの下端から、下葺屋根12の頂面に接地する接地片37,42cが延設されている。
図28において、(a)は取付け金具の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
図29に示した取付け金具13は、下葺き屋根が丸馳タイプの場合でも、角馳タイプの場合でも使用できるものである。すなわち、第1金具担体32と第2金具担体33の垂直片36,42の下部に、上記図28の場合よりも水平方向に膨らみの大きい略半円形状の挟持部36g,42bが形成され、この挟持部36g,42bの下端から、下葺屋根12の頂面に接地する接地片37,42cが延設されている。
図29において、(a)は取付け金具の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
図30に示した取付け金具13は、図29に示した取付け金具13と同様に、下葺屋根12が丸馳タイプの場合でも、角馳タイプの場合でも使用できるものであって、固定強度の強化を図ったものである。
すなわち、図31にも示したように、各金具担体32,33の挟持部36g,42bにおける幅方向の中間部が、上記図29に示した金具担体13の場合と同一に形成され、その両側部分に、馳部12cの下部に対して線で圧接する圧接縁36h,42dが形成されている。すなわち、各金具担体32,33の垂直片36,42の下側部分が、上側よりも幅広に形成され、幅方向の中間部には略半円形状の挟持部36g,42bが形成されて、その先端に接地片37,42cが形成される一方、幅方向の両側部分においては、略半円形状の挟持部36g,42bの下端を水平にのばして上記圧接縁36h,42dが形成されている。
このように構成された取付け金具13では、各金具担体32,33の挟持部36g,42bで馳部12cを挟持するとともに、幅方向の両側部においては圧接縁36h,42dにより線で圧接してその圧接縁36h,42dが馳部12cの下側に引っ掛かるので、上に抜けるのが防止できる。つまり、幅方向中間部の曲面による挟持と、幅方向両側部の線による挟持との協働により、より強固な固定状態を得ることができる。
図30において、(a)は取付け金具の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
なお、この場合も、図31に仮想線で示したように、曲面で挟持を行う幅方向の中間部に、バーリングによる貫通孔36bを形成して圧接する側の面に凹凸36cを形成しておくと、より一層の固定強度向上を図ることができる。
また、図32に示したように、上記接地片37,42cと、圧接縁36h,42dとを逆に配設した取付け金具13であるもよい。
図33に示した取付け金具13は、図29に示した取付け金具13と同様に、下葺屋根12が丸馳タイプの場合でも、角馳タイプの場合でも使用できるものであって、圧接縁36h,42dを有した挟持部36g,42bによって挟持を行うようにしたものである。
すなわち、図34にも示したように、各金具担体32,33の垂直片36,42の下側には、その幅方向の中間位置に、上記図30で示した取付け金具13の場合と同様に圧接縁36h,42dを有した挟持部36g,42bが形成されている。そして、その挟持部36g,42bの両側には、挟持部36g,42bと同様に外方に張り出した後下方に向けて折曲する脚片36i,42eを有するとともに、この脚片36i,42eの下端から先には、金具担体32,33の幅方向の全体にひろがる接地片37,42cが延設される。
このように構成された取付け金具13でも、各金具担体32,33の挟持部36g,42bで馳部12cを挟持するとともに、その挟持部36g,42bの先端の圧接縁36h,42が馳部12cに対して線で圧接して、上に抜けるのが防止できる。また、幅方向の全体に広がる接地片37,42cが上からの荷重をしっかりと支える。このため、強固な固定状態を得ることができる。
図33において、(a)は取付け金具の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
図35に示した取付け金具13は、図33に示した取付け金具13における金具担体32,33の接地片37,42cを別部材で構成した例を示している。すなわち、金具担体32,33は、図33に示した金具担体32,33の幅方向における中間部のように、垂直片36,42の下端から略半円形の挟持部36g,42bが設けられ、この挟持部36g,42bの先端縁が略水平にのばされて圧接縁36h,42dが形成されている。そして、各金具担体32,33の補強用リブ40の間に嵌まる幅の補助金具48が、各金具担体32,33の外側面に添えられる。補助金具48は、図2に示した取付け金具13の補助金具48と同様に構成される。
以上、図22から図35において固定金具31の他の形態を示したが、これらは図11から図21において例示した取付け金具13の上側部分と適宜組み合わされて取付け金具13が構成される。
この発明の構成と上記一形態の構成との対応において、
この発明の下地材は、上記一形態における下葺屋根12に対応し、
以下同様に、
ボルトは、固定用ボルト41に対応し、
規制部は、規制部39と、支持片98と、立設片99に対応し、
位置決め手段は、突起38bと、突起部95及び挿通孔部96、係止突部97に対応するも、
この発明は、上記構成のみに限定されることなくその他の形態を採用することができる。
たとえば、差込片が左右一対の金具担体の双方に形成されるものであるもよい。
屋根の断面図。 屋根板取付け金具の斜視図。 屋根板取付け金具の分解斜視図。 屋根板取付け金具の断面図。 屋根板取付け金具の斜視図。 屋根板取付け金具の分解斜視図。 屋根板取付け金具の斜視図。 作用状態の断面図。 作用状態の断面図。 一部拡大断面図。 他の例を示す斜視図。 他の例を示す斜視図。 他の例を示す断面図。 他の例を示す構造説明図。 他の例を示す構造説明図。 他の例を示す構造説明図。 断熱部材の分解斜視図。 断熱部材の分解斜視図。 他の例を示す構造説明図。 他の例を示す構造説明図。 他の例を示す部分断面図。 他の例を示す構造説明図。 他の例に係る金具担体の斜視図。 他の例を示す正面図。 他の例を示す正面図。 他の例を示す構造説明図。 他の例を示す構造説明図。 他の例を示す構造説明図。 他の例を示す構造説明図。 他の例を示す構造説明図。 他の例に係る金具担体の側面図。 他の例に係る金具担体の側面図。 他の例を示す構造説明図。 他の例に係る金具担体の側面図。 他の例を示す構造説明図。
符号の説明
11…屋根
12…下葺屋根
13…屋根板取付け金具
31…固定金具
32…第1金具担体
33…第2金具担体
38…差込片
38a…ルーズホール
38b…突起
39…規制部
41…固定用ボルト
51…係止金具
71…断熱部材
73…溝部
95…突起部
96…挿通孔部
97…係止突部
98…支持片
99…立設片

Claims (5)

  1. 下地材に対して固定される固定金具の上部に断熱部材が設けられ、該断熱部材に対して屋根板係止用の係止金具がボルトによって上記固定金具とは非接触で固定される屋根板取付け金具であって、
    上記断熱部材に、上記ボルトの長さ方向と交わる方向にのびる溝部が形成され、
    該溝部の厚みに対応する厚さを有し上記溝部に差し込まれる差込片が、上記固定金具に形成され
    差込片に、該差込片とは異なる方向に延びて断熱部材内に入り込む、または断熱部材と接触し、固定金具と断熱部材との間の位置関係を規制する規制部が連設された
    屋根板取付け金具。
  2. 前記差込片が水平方向に延びるとともに、
    該差込片に前記ボルトを挿通可能にするルーズホールが形成された
    請求項1に記載の屋根板取付け金具。
  3. 前記固定金具が、相互間で下地材に対する挟持を行う一対の金具担体を有し、
    これら金具担体のうち少なくとも一方のみに、前記差込片が形成された
    請求項1または請求項2に記載の屋根板取付け金具。
  4. 前記断熱部材または固定金具のうちの少なくともいずれか一方に、断熱部材および固定金具相互間における差込片の面方向での位置ずれを防止する位置決め手段が形成された
    請求項1から請求項のうちのいずれか一項に記載の屋根板取付け金具。
  5. 前記請求項1から請求項のうちのいずれか一項に記載の屋根板取付け金具を用いて構成された
    屋根。
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