JP3839780B2 - 屋根板支持具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、折板と称する金属製の屋根板を取り付けるための屋根板支持具に関し、より詳しくは、屋根板にかかる歪を吸収できるような屋根板支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述のような支持具として、下側に形成した下葺屋根の上に固定する下部材と、上側に形成する上葺屋根を支持するための係止部材固定用の上部材とを設け、該上部材を、屋根の長さ方向に沿って摺動するように上記下部材上に載置するとともに、これらを上下方向で分離不可にする連結手段で連結し、上部材と下部材との間に合成樹脂製の断熱部材を組み込んだものを提案した(特許文献1参照)。
【0003】
この支持具は、上葺屋根を取り付ける係止部材が上部材とともに下部材上を屋根の長さ方向(前後方向)に摺動する。このため、上葺屋根が熱によって伸縮しても、その伸縮によって掛かる歪を吸収でき、突然の音鳴りを防止できるので、高い需要がある。
【0004】
しかも、上記上部材と下部材のうちの少なくとも一方を金属で形成することによって、合成樹脂のみで構成する場合に比して高い固定強度や耐久性を得ることができる利点も有する。
【0005】
しかし、金属からなる部材と合成樹脂からなる部材を、高強度化等の高性能化を追求しつつ、摺動可能な状態で組み合わせるには、まだ改良の余地があった。
【0006】
【特許文献1】
特許第3019993号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、より高性能な屋根板支持具を得ることを主たる課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのための手段は、下地材の上に固定する金属製の固定金具と、該固定金具の上に取り付けられて上下方向での熱伝導を遮断する断熱部材と、該断熱部材に対して前後方向に摺動可能に取り付けられて屋根板を直接あるいは間接的に支持する金属製の摺動金具とを有する屋根板支持具であって、上記断熱部材に、上面に開口部を有するとともに内部において左右方向に広がる抜け止め部を有した摺動溝を形成すると共に、挿通孔を備えた被挟持片を下面に垂設し、上記摺動金具の下部には、上記摺動溝の開口部間を摺動する垂直部と、上記抜け止め部内を摺動する抜け止め片とを有する摺動部を形成し、上記固定金具を、左右一対の挟持部材を用いて構成し、該挟持部材の上端部には、前記断熱部材に対して左右方向から嵌合して上下方向で不分離とする嵌合部を形成し、該嵌合部の上端部を、前記摺動金具における摺動部の抜け止め片より上側において摺動部と上下方向でオーバーラップする長さに設定し、且つ、該挟持部材で上記被挟持片を挟持し上記挿通孔を挿通するボルトにより前記固定金具と前記断熱部材とを不分離に構成した屋根板支持具であることを特徴とする。
【0009】
上記摺動金具に対して直接、あるいは吊子等の係止部材を介して間接的に取り付けた屋根板が、熱により伸縮すると、摺動金具の摺動部は、断熱部材に形成した摺動溝内を屋根板の長さ方向に、屋根板に溜まる歪を取り除くように、屋根板の伸縮に追従して摺動する。
【0010】
このとき、摺動金具の摺動部には左右方向に張り出す抜け止め片を形成しているので、抜け止め片が摺動溝の抜け止め部に引っかかり、上下方向での確実な抜け止め作用が得られる。同時に抜け止め片は、摺動溝の抜け止め部によって摺動金具を所望の正しい姿勢にすべく規制される上に、上記垂直部も同様に、摺動溝の開口部によって規制され、この状態で屋根板の伸縮に追従した摺動がなされる。
【0011】
前記嵌合部が嵌合する前記断熱部材の被嵌合部の前後両端部に、前記挟持部材の前記嵌合部を位置決めする縁部を形成することができる。
【0012】
なお、前記断熱部材の上端部に、前記挟持部材の上端を押さえる規制部を形成するとよい。換言すれば、上記嵌合部の上端部を差し込む袋状の差込部を形成するとよい。
【0013】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、屋根板を直接あるいは間接的に取り付けた摺動金具は、屋根板が熱により伸縮するときに、その伸縮に伴って断熱部材上を摺動する。このため、屋根板に歪が溜まることを阻止でき、音鳴りを防止することができる。
【0014】
しかもその摺動は、摺動金具の垂直部と抜け止め片とが摺動溝内で規制され、支えられた状態で行われるので、安定した円滑な摺動が期待でき、歪吸収効果は確実である。
【0015】
またそのための構成は、固定金具と断熱部材と摺動部材の三種類からなるので、簡素である。組み立ての手間も、部品の管理も簡単で、また簡素な構造ゆえに、コストを抑えることもできる。
【0016】
そのうえ、下地材に対しての固定を行う固定金具は金属製であるので、合成樹脂の場合とは異なり、きつく締めても割れなどが発生しにくい。このため、高い強度を得ることができる。
【0017】
さらに摺動金具も金属製で、しかも吊子などのような薄い金属板ではなく、必要十分な厚み(強度)を有する金属板で形成できる。そしてこの摺動金具に摺動部を形成しているので、上方への引っ張りに対して高い耐久性を得ることができる。
【0018】
また断熱部材は、少なくとも摺動溝の外側に断熱に必要な所定の厚みを形成すればよく、材料、すなわち合成樹脂の使用量を極力抑えることができる。このため、コストの低減を図ることができるとともに、万が一火災で燃えた場合でも、有害ガスの発生量を少なくすることができる。
【0019】
さらに、固定金具の嵌合部の上端部を、前記摺動部材における摺動部の抜け止め片より上側において摺動部と上下方向でオーバーラップする構成を採用しているので、万が一火災で断熱部材が燃えたとしても、上記上端部と摺動部が上下方向で引っかかる。このため、固定金具と摺動金具が分離することを抑止でき、屋根が飛んでしまうような不都合を回避できる。
【0020】
その上、断熱部材の下面に垂設した被挟持片を挟持部材で挟持し挿通するボルトにより固定金具と断熱部材とを不分離に構成するので、固定金具と断熱部材との結合強度も十分に確保できる。
【0021】
さらに、挟持部材の嵌合部が嵌合する断熱部材の被嵌合部の前後両端部に、嵌合部を位置決めする縁部を形成すると、固定金具と断熱部材との前後方向での位置決めが行える。
【0022】
また、断熱部材の上端部に、挟持部材の上端を押さえる規制部を形成すると、その規制部が挟持部材の嵌合部が上方へ動くのを防止するので、断熱部材に対して左右方向から嵌合して結合する以外にも上下方向で結合が行えることになり、固定強度を高めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、屋根板支持具1(以下、支持具という)を用いて形成した屋根構造を示し、このように下葺屋根2の上に断熱材3を敷き込んで介在させてから上葺屋根4を取り付ける場合に使用する。屋根は、上述のように断熱材3を介装しているので断熱性を有するが、この性能を確実なものとすべく、支持具1も上下方向で断熱性を有するように構成している。この断熱は、下地材の上に固定する金属製の固定金具5と、屋根板4aを支持する金属製の摺動金具6との間に合成樹脂製の断熱部材7を介装して行うが、上葺屋根4が熱によって伸縮したときにその伸縮に追従して歪を吸収するように、上記摺動金具6を屋根の長さ方向(前後方向)に摺動可能に構成している。
【0024】
まず、支持具1の構成を説明する。
図2は、屋根板4aを係止する係止部材としての吊子8を取り付けた状態の支持具1の斜視図、図3は作用状態を示す、吊子8のない状態の斜視図、図4は、分解斜視図である。
【0025】
このように支持具1は、下部に位置する上記固定金具5と、上部に位置して吊子8を取り付ける上記摺動金具6と、これらの間に介装する上記断熱部材7とからなる。
【0026】
なお、図1の例では吊子8として、いわゆる角ハゼを用いた例を示す。
【0027】
上記固定金具5は金属板で形成し、左右一対の挟持金具(第1挟持金具9、第2挟持金具10)と、これらに沿わせる2枚の補助金具(第1補助金具11、第2補助金具12)とからなる。
【0028】
上記第1挟持金具9と第2挟持金具10は、下葺屋根2上端の馳締め部2aに固定するため、垂直な挟圧片9a,10aを有するとともに、下端には、下葺屋根2の上端面に設置する接地片9b,10bを設けている。また挟圧片9a,10aの上端には、上記断熱部材7との一体化を図るべく、組み付けるための嵌合部9c,10cを連設した構成である。嵌合部9c,10cは、前後方向に適宜長さに形成し、その断面形状はコ字形である。すなわち、断熱部材7を左右方向で挟み込むとともに、上下方向での結合状態を保持する。
【0029】
なお、支持具1は上述のように角ハゼ用であるので、第1挟持金具9は、接地片9bの上方に下葺屋根2の馳締め部2aを収容するぬすみ部9dを形成すべく、階段状に形成し、第2挟持金具10は、上記ぬすみ部9dに対向する部位も垂直な挟圧片10aで形成している。
【0030】
上記第1補助金具11は、図5に示したように、第2挟持金具10の内側に挟み込まれるもので、垂直な挟圧片7aを有するとともに、この挟圧片11aの下端から下葺屋根2の馳締め部2aを包み込む、略「つ」字状の係合部11bを連設している。
【0031】
上記第2補助金具12は、第2挟持金具10の外側面に重合するもので、同じく垂直な挟圧片12aを有するとともに、下端には、第2挟持金具10の挟圧片10aの下端部に形成した貫通孔10dを通って第1補助金具11の係合部11bと対向する係合爪12bを連設している。
【0032】
各部材9,10,11,12の挟圧片9a,10a,11a,12aにおけるそれぞれに対応する位置には、挿通孔9e,10e,11c,12cを形成して、ボルト13ナット14で挟持できるようにしている。
【0033】
上記断熱部材7は、直方体ブロックの下面に、垂直な板を垂設した形状で、該垂直な板は、上記第1挟持金具9と第1補助金具11とに挟まれる被挟持片15である。被挟持片15には、上記ボルト13を挿通するための挿通孔15aを形成している。また上記ブロックの前後方向の長さは、上記嵌合部9c,10cの前後方向の長さよりも長く設定している。
【0034】
上記第1挟持金具9と第2挟持金具10の嵌合部9c,10cが嵌合する被嵌合部16は左右両側部に形成する。この被嵌合部16は、上記嵌合部9c,10cが入り込む凹状に形成している。換言すれば、前後の両端部に縁を形成し、前後方向での位置決めが行えるようにしている。
【0035】
そして、左右方向の中間部とその近傍には、前後方向に貫通する摺動溝17を形成している。摺動溝17は、上面に開口する開口部17aと、内部において左右両側に広がる抜け止め部17b,17bとからなる。該抜け止め部17bは、外側ほど上がるように傾斜させて、抜け止め力を強化している。
【0036】
断熱部材7は、左右に分割して形成するもよいが、図示したようにひとつの部材で形成すると、強度が高いうえに部品点数が少なくなるので、コストや組み立て性の上で都合がよい。
【0037】
上記摺動金具6は、金属板で形成し、左右一対の重合部材(第1重合部材18、第2重合部材19)で構成している。なお、その板厚は、吊子8の場合よりも厚く設定している。各重合部材18,19ともに、上記摺動溝17の開口部17a間を摺動可能な垂直部を、重合時に得られる垂直片18a,19aを有し、下端からは、相反する方向に斜め上へ向けて傾斜する抜け止め片18b,19bを連設している。上記垂直片18a,19aの下部と抜け止め片18b,19bが摺動溝17内を摺動する摺動部6aである。
【0038】
なお、摺動部6aの前後方向の長さは、断熱部材7の長さよりも長く形成して、断熱部材7上で所望量の摺動が行えるように設定している。
【0039】
上述の如くこの例には吊子8として角ハゼ用のものを示しているが、角ハゼの吊子は、屋根板4aを支持するときに摺動金具6に対して着脱を行わなければならないため、第1重合金具18は垂直片18aの上には何も形成しないが、第2重合金具19の上端には、第1重合金具18側に折れて、支持する屋根板4aを受ける受け片19cを連設している。これら第1重合金具18と第2重合金具19の一体化のためと、吊子8を取り付けるために、上記第1重合金具18の垂直片18aの上部には挿通孔18cを、第2重合金具19の垂直片19aの上部にはねじ孔19dを形成して、第1重合金具18側からボルト20を螺合して保持する。
【0040】
なお、高い一体性を得るため、各重合金具18,19の前後両端部側には、図6に示したように相互に嵌まり合う凹部21または凸部22を形成している。
【0041】
また、上記抜け止め片18b,19bの前後両端には、断熱部材7からの脱落を防止する抜け止め用のストッパ23を、下方へ折り曲げた折り曲げ片で形成している。
【0042】
さらに、上記抜け止め片18b,19bの左右方向の長さは、上記固定金具5の嵌合部9c,10cとの関係において、次のように設定している。すなわち、嵌合部9c,10cの上端部と抜け止め片18b,19bとが上下方向でオーバーラップする長さに設定する。
【0043】
摺動金具6を断熱部材7に対して組み付けるには、断熱部材7の摺動溝17に対して前後方向から差し込む必要があるが、図示したように、第1重合金具18では前端に、第2重合金具19では後端にと、相反する側にそれぞれ形成するとよい。
【0044】
各重合金具18,19を前方あるいは後方から差し込んで摺動溝17内に保持した後、重合して、凹部21と凸部22およびボルト20で重合状態を保持する。
【0045】
なお、各重合金具18,19をあらかじめ重合しておいても、摺動溝17内に取り付けることができる。すなわち、差込側に、図7に示したように、折り曲げない状態のストッパ23を形成しておき、差し込んだ後で、折り曲げて所定のストッパ形状にするとよい。
【0046】
以下、上述のように構成した支持具1の作用効果を説明する。
下葺屋根2に対する固定は、固定金具5のボルト13ナット14を緩めてから、下葺屋根2の馳締め部2aを左右に挟むように設置して、ボルト13ナット14を締めて行う。そして、摺動金具6の長さ方向の中間部を断熱部材7に合わせて、前後いずれの方向にも等しく摺動できるようにしてから、屋根板4aを順に乗せつつ、吊子8の上端部を屋根板4a上端の馳締め部に係止して、同時に摺動金具6のボルト20と、当て板24、ナット25を用いて支持具1に固定する。
【0047】
上葺屋根4が完成すると、屋根板4aが伸縮しても、その伸縮に追従して摺動金具6が断熱部材7上を摺動する。このため、屋根板4aに溜まる歪を吸収して、音鳴りを防止することができる。
【0048】
またその摺動に際しては、断熱部材7の摺動溝17が上述のように開口部17aと抜け止め部17bとを有する形状であって、摺動金具6の摺動部6aが垂直部(垂直片18a,19a)と抜け止め片18b,19bとを有する形状であるので、摺動金具6の摺動は、主に垂直部と抜け止め片18b,19bとの3箇所で規制されているので、左右方向にも上下方向にもぶれないで、安定した円滑な摺動が行える。特に抜け止め片18b,19bの存在により、確実な抜け止めが行え、負圧に対しても正圧に対しても強度の高い支持具1となる。
【0049】
またそのための構成は、固定金具5と断熱部材7と摺動部材6の三種類からなるので、簡素であって、組み立ての手間も、部品の管理も簡単である。
【0050】
そのうえ、下葺屋根に対しての固定を行う固定金具は金属製であるので、合成樹脂製の場合とは異なり、きつく締めても割れなどが発生しにくい。このため、高い強度を得ることができる。
【0051】
同様に摺動金具6も金属製で、しかも吊子8などのような薄い金属板ではなく、必要十分な厚みを有する金属板で形成しており、剛性が高いうえに、この摺動金具6に摺動部6aを形成しているので、上方への引っ張りに対して高い耐久性を得ることができる。
【0052】
また断熱部材7は、少なくとも摺動溝17の外側に断熱に必要な所定の厚みを形成すればよく、材料、すなわち合成樹脂の使用量を極力抑えることができる。このため、コストの低減を図ることができるとともに、万が一火災で燃えた場合でも、有害ガスの発生量を少なくすることができる。
【0053】
さらに、固定金具5の嵌合部9c,10cの上端部と摺動部材6の抜け止め片18bとを上下方向でオーバーラップさせているので、万が一火災で断熱部材7が燃えたとしても、上記上端部と摺動部6aが上下方向で引っかかり、固定金具5と摺動金具6とは上下方向で分離しない。このため、屋根が飛んでしまうような不都合を回避できる。
【0054】
以下に、他の例を説明する。なお、上述の構成と同一または類似する部分には上述の例と同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0055】
上記各部材はすべて必要なのではなく、例えば図8に示したように、第2補助金具12を省略しても、十分な固定強度を得ることができる。
【0056】
また吊子8には、強度を高めるため、適宜工夫を施すとよく、図9に示したように、下端から水平に伸ばした延設部8aの端部に二重折り部8bを形成して、吊子8全体の剛性を高めたり、図10に示したように二重折り部8bを挿通孔8c部分にまで形成して、より一層の増強を行ったりするもよい。
【0057】
さらに図11に示したように、吊子8を取り付けるためのボルト20を、上方に向けて取り付けるもよい。すなわち、この場合には、摺動金具6を構成する第1重合金具18の上端に屋根板4aを受ける受け片18dを形成し、第2重合金具19の上端にも、同様の受け片19cを形成する。第2重合金具19の受け片19cは、第1重合金具18の受け片18dよりも低い位置に形成し、この受け片19cに、ねじ孔を形成して上記ボルト20を下から螺合して固定する。ボルト20の頭部はカシメて止めてもよい。
【0058】
第1重合金具18と第2重合金具19は、リベット26等の適宜手段であらかじめ固定しておく。破線で示したように、図6で説明したような凸部21と凹部22も併せて形成するもよい。
【0059】
この支持具1の場合、吊子の下端に形成する延設部8aの先端には、図示したように下へ屈曲する係止片8cを形成して、第2重合金具19の受け片19cの端に係止するようにするとよい。係止片8cが受け片19cの端に係止するので、負圧を受けて吊子8が上へ引っ張られても、その力に対抗する力を生むことができ、強度を高められる。
【0060】
図12は、吊子8に丸ハゼタイプのものを用いた支持具1の使用状態を示している。図13がその支持具1の分解斜視図、図14が断面図である。
【0061】
丸ハゼの吊子8では、角ハゼの吊子8とは異なり、屋根板4aの支持に際していちいち着脱する必要がないので、摺動金具6は、略同形の左右一対の第1重合金具18と第2重合金具19で構成し、これらの間に吊子8を挟み込めばよい。吊子固定用のボルト20を挿通する挿通孔18c,19eは単なる角孔でよく、先の例のようにねじを切る必要はない。
【0062】
また、固定金具5も左右一対の第1挟持金具9と第2挟持金具10を基本として適宜の構成を採用すればよい。図中27は、締め付けのための補助金具である。
【0063】
図15は、丸ハゼタイプの固定金具5についての他の例を示している。この場合には、左右一対の第1挟持金具9と第2挟持金具10のみで構成している。
【0064】
図16は、左右一対の第1挟持金具9と第2挟持金具10が断熱部材7に対して左右方向から嵌合して結合する以外にも上下方向で更なる結合が行えて固定強度を高めることができるようにした例である。すなわち、図17にも示したように断熱部材7の上端を蓋のように覆う規制部28を形成し、この規制部28の下に、各挟持部材9,10の嵌合部9c,10cの上端部を差し込む隙間(差込溝)を形成している。この規制部28は、断熱部材7の上面全体に形成せずとも、例えば図18に示したように、各挟持金具9,10の嵌合部9c,10cの外側部位に対応する位置だけに形成するもよい。
【0065】
以上のほかさらに、摺動金具6の摺動部6aにおける抜け止め片18b,19bは、例えば水平に形成するなど適宜の形状に形成するもよく、図19に例示したように、抜け止め片の先端に上へ向く折り曲げ縁18f,19fを形成して、摺動部6aの剛性を高め、安定性を向上するもよい。
【0066】
また角ハゼの吊子8を用いても、摺動金具6を図20に示すように構成することで、吊子8を左右方向の中心に位置させることができる。すなわち、摺動金具6を、受け片18dを有する第1重合金具18と、摺動部6aに対応する程度の低い高さに形成して、受け片を持たない第2重合金具19とで構成し、これらはあらかじめ、吊子8を構成する板材と同厚のスペーサ29を介して相互に重合し、リベット26等の適宜手段で一体化しておく。そして第1重合金具18の垂直片18aには、ボルト20を取り付けておいたり、図示したようにボルト20を取り付けられるようにしたりする。そして、吊子8には、下端に、水平方向に延びる延設部8aを形成するとともに、この吊子の外側面に当てる当て板24の上端には、屋根板4aを受ける受け片24aを形成している。そして、ボルト20ナット25を用いて吊子8と当て板24を取り付けたときに、吊子8の延設部8aが第2重合金具19の上端に当接し、当て板24の下端が吊子8の延設部8aに当接するように寸法を設定しておく。
【0067】
このように構成すると、角ハゼ8の吊子と丸ハゼの吊子8をいずれも使用することができるようになる。
【0068】
図21に示したように、摺動金具6を一枚の金属板を折曲して「エ」字状に形成して、左右方向の中間に吊子を差し込む差込溝を形成しても同様に、角ハゼと丸ハゼのいずれも使用できるようにすることができる。
【0069】
また、第1挟持金具9と第2挟持金具10の嵌合部9c,10cは、前述のようにコ字形ではなく、図22に示すような形に形成して強度を高めるもよい。すなわち、基本的にはコ字形であるが、嵌合部9c,10cの上端部を形成する基部に、垂直に立ち上がる一体の折り返し部9f,10fを形成して剛性を高めている。
【0070】
特に、断熱部材7が規制部28を有した構造である場合、図23に示したように上記折り返し部9f,10fが規制部28の端面に当接するように設定するとよい。上述の如く剛性が高い嵌合部9c,10cと断熱部材7との対向部位に作用反作用の力が働くが、この荷重を多数の対向面によって良好に受けることができ、支持具1としての強度をより一層高めることができる。
【0071】
以上の構成はこの発明の一実施の形態であって、
下葺屋根2はこの発明の下地材に対応し、
第1挟持金具9と第2挟持金具10は、左右一対の挟持金具に対応し、
垂直片18a,19aはこの発明の垂直部に対応するも、
この発明は上記構成のみに限定されるものではない。
【0072】
例えば、上記摺動溝の抜け止め部の形成は、開口部の垂下位置から左右いずれか一方のみに広がる形状であるもよく、また抜け止め部が左右両側に広がる形状である場合には、上記摺動金具の摺動部は、左右いずれか一方の抜け止め部のみを摺動する形状に形成するもよい。
【0073】
また、摺動金具に屋根板4a係止用の部位を設けて、屋根板4aの支持を直接摺動金具に行うようにするもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 屋根構造を示す断面図。
【図2】 屋根板支持具の斜視図。
【図3】 屋根板支持具の作用状態の斜視図。
【図4】 屋根板支持具の分解斜視図。
【図5】 屋根板支持具の断面図。
【図6】 摺動金具の凸部と凹部を示す断面図。
【図7】 摺動金具の他の例を示す斜視図。
【図8】 他の入れに係る屋根板支持具の断面図。
【図9】 吊子の他の例を示す斜視図。
【図10】 吊子の他の例を示す斜視図。
【図11】 他の例に係る屋根板支持具の断面図。
【図12】 他の例に係る屋根板支持具を用いた屋根構造の断面図。
【図13】 図12の屋根板支持具の分解斜視図。
【図14】 図12の屋根板支持具の断面図。
【図15】 他の例に係る屋根板支持具の断面図。
【図16】 他の例に係る屋根板支持具の断面図。
【図17】 図16の屋根板支持具に用いる断熱部材の斜視図。
【図18】 他の例に係る屋根板支持具の断面図。
【図19】 他の例に係る屋根板支持具の要部の断面図。
【図20】 他の例に係る屋根板支持具の要部の断面図。
【図21】 他の例に係る屋根板支持具の要部の断面図。
【図22】 他の例に係る第1挟持金具と第2挟持金具の斜視図。
【図23】 他の例に係る屋根板支持具の断面図。
【符号の説明】
1…屋根板支持具
2…下葺屋根
4…上葺屋根
4a…屋根板
5…固定金具
6…摺動金具
6a…摺動部
7…断熱部材
9…第1挟持金具
10…第2挟持金具
9c,10c…嵌合部
17…摺動溝
17a…開口部
17b…抜け止め部
18a,19a…垂直片
18b,19b…抜け止め片
28…規制部

Claims (3)

  1. 下地材の上に固定する金属製の固定金具と、該固定金具の上に取り付けられて上下方向での熱伝導を遮断する断熱部材と、該断熱部材に対して前後方向に摺動可能に取り付けられて屋根板を直接あるいは間接的に支持する金属製の摺動金具とを有する屋根板支持具であって、
    上記断熱部材に、上面に開口部を有するとともに内部において左右方向に広がる抜け止め部を有した摺動溝を形成すると共に、挿通孔を備えた被挟持片を下面に垂設し、
    上記摺動金具の下部には、上記摺動溝の開口部間を摺動する垂直部と、上記抜け止め部内を摺動する抜け止め片とを有する摺動部を形成し、
    上記固定金具を、左右一対の挟持部材を用いて構成し、
    該挟持部材の上端部には、前記断熱部材に対して左右方向から嵌合して上下方向で不分離とする嵌合部を形成し、
    該嵌合部の上端部を、前記摺動金具における摺動部の抜け止め片より上側において摺動部と上下方向でオーバーラップする長さに設定し、且つ、
    該挟持部材で上記被挟持片を挟持し上記挿通孔を挿通するボルトにより前記固定金具と前記断熱部材とを不分離に構成した
    屋根板支持具。
  2. 前記嵌合部が嵌合する前記断熱部材の被嵌合部の前後両端部に、前記挟持部材の前記嵌合部を位置決めする縁部を形成した
    請求項1に記載の屋根板支持具。
  3. 前記断熱部材の上端部に、前記挟持部材の上端を押さえる規制部を形成した
    請求項1又は2に記載の屋根板支持具。
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