JP4752228B2 - 光導波路板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信や光情報処理システムにおいて用いられる光導波路板の製造方法に関する。
従来、光通信システムにおいて、光ファイバからの光信号や光源と光検出器間の光信号に対して分岐、結合、分波、又は合波等の処理を行う受動部品として光導波路板が用いられている。例えば、光信号をY分岐させる光導波路板は、図8に示すように、基板1の上に光信号を導波するコア2と、光の伝搬条件を満たすためにコア2とは屈折率を異ならせた材料からなるクラッド4とで構成され、コア2はクラッド4に外周を囲まれた構造と成っている。
このような光導波路板の製造方法は、各材料を平板状に加工形成する工程と、コア部分を導波路としてパターニングする工程の大きく2つの工程からなる。平板状に材料を加工形成する工程においては、石英系材料を用いる場合、既成のガラス板を用いる他に火炎堆積法やCVD法などにより材料を積層する方式が行われる。樹脂系の材料を用いる場合、スピンコート、スプレーコート、浸漬法などの材料塗布による方法が主に行われる。コアのパターニング工程では、フォトリソグラフィによりパターニングしたレジストをマスクとして反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング法によりコアを成形する方法の他、直接フォトリソグラフィ法、フォトブリーチング法、イオン交換法、及びレーザ加工法などのコア材料の物理特性や光学特性を利用した加工方法が用いられる。
上述の2つの工程の中で、特にコアの形状を決定するパターニング工程において、光導波路板の光学特性が決定されるので、その加工精度及び加工の容易さが求められる。そして、上述した方法の中でも、フォトリソグラフィ法は、従来より電気回路作製におけるパターニング方法として一般的に行われており、樹脂製の光導波路板製造においても、同様に広く適用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−333450号公報
しかしながら、上述したようなフォトリソグラフィ法を光導波路板の製造方法に適用する場合、主に開口部/非開口部の2次元的な精度が求められる電気回路のパターン形成とは異なり、光が導波するコアの3次元的な構造の精度が必要となる。例えば、矩形断面のコアの場合におけるコア断面形状の縦横比の精度、コアの側壁面や上下面の平滑性、コア分岐部におけるパターンのマスク転写性、近接コアとの間隙の精度、コア曲線部の再現性などが光の伝搬特性に影響する。従来、このような精度や要求を十分に満足する光導波路板を得ることは困難であった。
本発明は、上記課題を解消するものであって、光導波路板のコアの3次元構造を精度良くかつ容易に形成できる光導波路板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、光透過性樹脂よりなるクラッド基板を形成するクラッド基板形成工程と、前記クラッド基板表面にクラッド基板よりも高屈折率の材料よりなるコア材を配置するコア材配置工程と、前記コア材に選択的に光を照射して難溶部位と可溶部位とに区分けするコア材パターニング工程と、前記コア材の可溶部位を第1の現像液で溶解する第1現像工程と、前記第1の現像液をこの現像液よりも表面張力の低い第2の現像液で置換しつつ、前記第1の現像液及び第2の現像液で前記コア材の残留した可溶部位を溶解する第2現像工程と、前記コア材の難溶部位の表面にオーバクラッド材を配置してオーバクラッドを形成し、前記コア材の難溶部位をこのオーバクラッドと前記クラッド基板とで囲むことにより光導波路を形成するオーバクラッド形成工程と、を備えたものである。
請求項2の発明は、請求項1記載の光導波路板の製造方法において、前記第2現像工程は、前記第1の現像液をこの現像液よりも現像能力の低い第2の現像液で置換しつつ、前記第1の現像液及び第2の現像液で前記コア材の残留した可溶部位を溶解する現像工程とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の光導波路板の製造方法において、前記第2現像工程は、前記置換に際し、前記第1の現像液及び第2の現像液を透過する光の強度、又はこれらの現像液の誘電率を測定することにより前記現像液の置換割合を決定し、この測定結果を基に第2の現像液の置換割合を制御するものである。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2記載の光導波路板の製造方法において、前記クラッド基板形成工程とコア材配置工程との間に、前記クラッド基板表面の可溶のコア材が配置される部位に、前記第1の現像液によって溶解又は変色する基準マーカを形成するマーカ形成工程を備え、前記第1現像工程と第2現像工程との間に、前記第1の現像液を第2の現像液で置換し始めるタイミングを測定するために前記基準マーカの溶解度合い又は変色度合いを検知するマーカ検知工程を備えているものである。
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2記載の光導波路板の製造方法において、前記第2現像工程は、前記第1の現像液を、この現像液よりも表面張力の低い第2の現像液で、回転させた前記クラッド基板上にこの第2の現像液を塗布することにより置換しつつ、前記第1の現像液及び第2の現像液で前記コア材の残留した可溶部位を溶解する現像工程とするものである。
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2記載の光導波路板の製造方法において、前記オーバクラッド形成工程は、前記第2の現像液が残留した状態で前記第2の現像液を液体状のオーバクラッド材で置換し配置して、このオーバクラッド材を硬化させることにより前記コア材の難溶部位の表面にオーバクラッドを形成する工程とするものである。
請求項1の発明によれば、第2の現像液として第1の現像液よりも表面張力の低い現像液を用いるので、光分岐路のコア分岐部におけるようにコアが接近した狭い隙間部分にも現像液が入り込むことができ、その結果、可溶部位をより確実に溶解できるので所望のコアパターンに近い3次元構造のコアを有する光導波路板を製造できる。
請求項2の発明によれば、置換した第2の現像液の現像能力が第1の現像液よりも低いので、新たな溶解部位を発生させることがなく、第1の現像液で溶解しきれずに残った半溶解部位のみを溶解でき、従って、コア材の難溶部位の断面形状がパターニングの形状を精度良く再現したシャープな形状となる。
請求項3の発明によれば、屈折率の異なる第1の現像液と第2の現像液の混合割合を制御しながら現像を行うことが可能となるので、現像工程における加工品質が安定し、再現性良く所望のコアパターンに近い3次元構造のコアを有する光導波路版を製造できる。
請求項4の発明によれば、基準マーカの溶解又は変色度合いにより、クラッド基板表面近傍まで第1の現像液による溶解が進んだかどうかを検知することが容易にできるので、現像液置換のタイミングをこの検知結果に基づいて決定でき、現像工程における加工品質が安定し、再現性良く所望のコアパターンに近い3次元構造のコアを有する光導波路版を製造できる。
請求項5の発明によれば、遠心力を用いて置換するので、第2の現像液がコアパターンの細部まで行き渡り、また、第1の現像液と第2の現像液との入換えが促進されて効率よく第2の現像液に置換することができる。
請求項6の発明によれば、第2の現像液が残留した状態で第2の現像液を液体状のオーバクラッド材で置換するので、第2の現像液を乾燥させる必要がなく、乾燥工程を経た場合におけるコアの変形や近接したコア材難溶部位同士の接合などの不具合を回避できる。
以下、本発明の一実施形態に係る光導波路板の製造方法について、図面を参照して説明する。本発明の光導波路板の製造方法は、図1に示すように、光透過性樹脂よりなるクラッド基板を形成するクラッド基板形成工程(S1)、クラッド基板表面にクラッド基板よりも高屈折率の材料よりなるコア材を配置するコア材配置工程(S2)、コア材に選択的に光を照射して難溶部位と可溶部位とに区分けするコア材パターニング工程(S3)、コア材の可溶部位を第1の現像液で溶解する第1現像工程(S4)、第1の現像液をこの現像液よりも表面張力の低い第2の現像液で置換しつつ、前記第1の現像液及び第2の現像液で前記コア材の残留した可溶部位を溶解する第2現像工程(S5)、及びコア材の難溶部位の表面にオーバクラッド材を配置してオーバクラッドを形成し、前記コア材の難溶部位をこのオーバクラッドと前記クラッド基板とで囲むことにより光導波路を形成するオーバクラッド形成工程(S6)とを備えている。以下、各工程毎に順に説明する。
図2(a)〜(f)に示す各光導波路板断面は、上述の各工程に大略対応する。図2(a)に示すクラッド基板形成工程(S1)において、クラッド基板1は、クラッド材そのもので形成してもよく、また、シリコン、ガラス等の平滑なベース基板上にクラッド材を層状に積層して形成してもよい。クラッド基板1の厚み(ベース基板を用いる場合はクラッド材部分のみの厚み)は、クラッドとコアとの屈折率差にもよるが、偏波依存損失を小さくするためには、10μm以上が望ましい。クラッド材(オーバクラッド材を含む)、及び次の工程で用いるコア材の光透過性樹脂として、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系、ポリィミド系などの高分子材料、又はそれらにSiO等の高透光性無機材料のネットワークを取り入れた複合材料を用いることができる。
図2(b)に示すコア材配置工程(S2)において、クラッド基板1の表面に上述の光透過性樹脂からなるコア材20を塗布することにより配置する。コア材20の配置は塗布によりコア材の厚みを制御するために、溶剤により粘度調整を行ってもよい。
図2(c)に示すコア材パターニング工程(S3)において、例えばコア材20のコアとなる部分に選択的に光を照射した難溶部位2と、光を照射しないコア材20のままの可溶部位とに区分けする。この場合、難溶部位2が光を導波するコアとなる。コア材20を難溶部位2と可溶部位とに区分けする選択的な光照射は、一般的なフォトマスクを用いた露光装置によって行ってよく、また、レーザ光等によりマスクを用いずにパターン描画してもよい。また、光を導波するコアに波長1.3〜1.6μmの光をシングルモードで伝搬させるには、コアの高さ寸法及び幅寸法は3〜10μm程度がよい。より安定な光の伝搬には、コアの縦横比が1であることが望ましいが、必要とする光回路パターンの性能によってはこの限りではない。
図2(d)(e)にそれぞれ示す第1現像工程(S4)と第2現像工程(S5)において、第1の現像液3aと第2の現像液3bの組合せは種々あるが、第1の現像液3aとして、エステル類、ケトン類を用い、第2の現像液として、アルコール類を用いるとよい。例えば、メチルイソブチルケトン(表面張力2.36Mpa)とイソプロピルアルコール(表面張力20.8MPa)の組合せが好適に用いられる。第2の現像工程において、第1の現像液3aから第2の現像液3bへの置換の進行と置換割合は、一気に完全に行われるのではなく、後述するように現像の進み具合に応じて、適宜のタイミングと適宜の割合で、行われる。また、第2現像工程は、コア材20の残留可溶部位21を溶解除去する工程であり、特にコア2がY分岐した場所におけるように、コア2同士が接近した隙間P等における残留可溶部位21を除去してコア材パターニング工程で設定されたパターンを忠実に再現するための仕上げ工程である。
上述のように溶剤で可溶部位を除去する際、表面張力の異なる第1の現像液3a、第2の現像液3bの2種類を置換しながら2段階で使用することで、コアの3次元的形状を精度よく形成できる。一般的に現像工程は、可溶部位を溶解させる働きと溶解物を除去する働きが必要であるが、過剰な溶解はパターン精度が悪くなったりクラッド材への浸透等の悪影響を及ぼし、一方で、溶解が不充分であると微細な構造を持つ部位の溶解物が除去されにくくなる。第1の現像液3aにより溶解を促進させ、第2の現像液により除去を促進させる。しかし、それらを完全に2つの工程に分けると除去されずに残存部ができやすく、パターニング性(パターンの忠実な再現性)が悪くなる。従って、現像が完了する前に第1の現像液3aを第2の現像液3bに置き換えていくことにより、かかる課題を解決する。溶解物の除去を促進させる重要な点は、第2の現像液として第1の現像液3aよりも表面張力の小さい材料を用いることである。溶解された可溶部位の除去を促進するには、外力により溶解物の流れを作るかまたは溶解物を除去されやすい状態にすることである。
さらに述べると、第2の現像液3bとして第1の現像液3aよりも溶解力(現像能力)の小さい材料を用いることで、過剰な溶解が発生することを抑制することができる。これにより、新たな溶解部位を発生させることがなく、第1の現像液3aで溶解しきれずに残った残留可溶部位21のうち半溶解部位のみを溶解でき、従って、コア材20の難溶部位2の断面形状がパターニングの形状を精度良く再現したシャープな形状となる。ここで、溶解力は、一般にsp値として表される溶解性パラメータに近い値を用いて表現される。しかし、導波路材料は光学樹脂及び粘度調整用の溶剤で構成されているため、実際の溶解力は、第1、第2の現像液3a、3bの相対比較を導波路材料を対象として事前に調べておく。表面張力についても同様に事前に調べておく。
図2(f)に示すオーバクラッド形成工程(S6)において、オーバークラッド材の厚さは、そのさらに上部層の材質にもよるが、上部層に何もない空気層の場合、5μm以上であることが望ましい。上述した各工程を用いることにより、コアの3次元構造を精度良く形成したコアを有する光導波路板が容易に形成できる。
次に、現像液についてさらに説明する。上述したように、第2現像工程は、第1の現像液3aをこの現像液よりも表面張力が低く、かつ現像能力の低い第2の現像液3bで置換しつつ、第1の現像液3a及び第2の現像液3bでコア材20の残留した可溶部位を溶解する工程である。ここで、現像能力を表す指標として、溶解性パラメータ(sp値)を用いることとし、コア材20のsp値に近いsp値を有する現像液を第1の現像液3aとし、sp値の差が大きい現像液を第2の現像液3bとする。現像液の具体例として、コア材20の溶剤は1−メトキシ−2−プロピルアセテート(sp値:9.2)、第1の現像液3aはMIBK(メチルイソブチルケトン、sp値:8.1)、トルエン(sp値:8.9)、第2の現像液3bはIPA(イソプロピルアルコール、sp値:11.4)があげられる。
また、現像能力を表す他の指標として、コア材20を現像液に浸漬させた場合の加工速度により、加工速度の大きいもの(>10μm/hr)を第1の現像液3a、加工速度の小さいもの(<10μm/hr)を第2の現像液3bとして用いることができる。
また、各現像工程では、図3に示すように、第1の現像液3a及び第2の現像液3bを混合した現像液を用いて処理を行うことができる。すなわち、第1現像工程では、第1の現像液3aと、この現像液よりも表面張力及び現像能力が低い第1の現像液3aと同じ成分を備えた第2の現像液3bを配合した混合液3cにて、コア材20の可溶部位を溶解する処理を行う。続く第2現像工程では、第2の現像液3bの配合割合を高めて、第1現像工程における混合液3cよりも表面張力及び現像能力の低い混合液3dを用いて、コア材20の残留した可溶部位を溶解する。
上述の混合液の混合比は、第1の現像液3aと第2の現像液3bのそれぞれの表面張力と現像能力に応じて決める。また、混合液といっても、必ずしも両方を含むとは限らず、第1の現像液3aと第2の現像液3bの混合比が100:0とすることもあり得る。図3に示す例では、第1現像工程では、MIBK:IPA=3:1、第2現像工程では、MIBK:IPA=1:10として、溶解力と表面張力をともに、大から小へと変化させている。このような方法により現像を行うと、各現像液の配合比を管理することで、現像能力を制御しながら現像を行うことが可能となり、現像工程における品質が安定化する。
次に、図4を参照して、第1の現像液3aと第2の現像液3bの置換割合を屈折率変化で測定する方法を説明する。第2現像工程に移行するための現像液の置換に際し、第1の現像液3a及び第2の現像液3bを透過する光を検出して現像液の誘電率、従って屈折率を測定することにより現像液の置換割合を決定し、この測定結果を基に第2の現像液3bの置換割合を制御する。屈折率変化の測定に、図4に示すように、屈折率の違いにより反射光軸がずれることを利用する。クラッド基板1を上面が開口した円筒状容器の底部にセットして、第1の現像液3aをクラッド基板1上に塗布し、所定の現像状態になったら(例えば、予め設定した置換割合になったら)、第1の現像液3aを第1の現像液3aとは異なる屈折率を持つ第2の現像液3bで置換する。この置換の前後において、現像液3(3a,3b)に光源5からの光L0を所定の入射角度θで入射させ、クラッド基板1の表面で反射した反射光の光軸L1,L2の位置変位量dを光検出素子6により光強度変化として検出する。検出された光強度変化に応じて、第2の現像液3bの塗布量の追加等を行う。光軸の位置変位量dの検出に位置検出器を用いるとなお好適である。
上述の光軸の変位量を大きくとるためには、第2の現像液3bの屈折率を第1の現像液3aの屈折率よりも小さくするほうが望ましい。例えば、第1の現像液3aがMIBK(20℃における屈折率n=1.396)、第2の現像液3bがIPA(20℃における屈折率n=1.377)を用いた場合、空気中での照射光の入射角度θ=60[deg]、現像液層高さh=5[mm]とすると、クラッド基板1上に塗布された第1の現像液3aが第2の現像液3bに完全に置換されると、出射光軸の位置変位量dは約0.09[mm]となる。
次に、図5を参照して、第1の現像液3aと第2の現像液3bの置換割合を光強度変化で測定する方法を説明する。この方法では、上述の屈折率の測定に代えて、光強度を測定する。この場合、第2の現像液3bには、第1の現像液3aよりも大きな吸光特性を有する現像液、例えば着色剤を混入した現像液を用いる。上述同様に、第1の現像液3aをクラッド基板1上に塗布し、所定の現像状態になったら、第1の現像液3aを第1の現像液3aとは異なる吸光特性を持つ第2の現像液3bで置換する。この置換の前後において、現像液3に光源5からの光L0を所定の入射角で入射させ、クラッド基板1の表面で反射した反射光L3,L4の強度を光検出素子7により測定する。測定された光強度変化に応じて、第2の現像液3bの塗布量の追加等を行う。この場合、第1の現像液3aと第2の現像液3bの光吸収率の差を大きくすると反射光強度の変化を大きくでき、混合割合の測定が容易となる。
次に、図6を参照して、マーカを用いた現像工程管理の方法について説明する。この方法においては、前述のクラッド基板形成工程(S1)とコア材配置工程(S2)との間に、クラッド基板1表面の可溶のコア材20が配置される部位に、第1の現像液3aによって溶解又は変色する基準マーカ80を形成するマーカ形成工程を備える。また、第1現像工程(S4)と第2現像工程(S5)との間に、第1の現像液3aを第2の現像液3bで置換し始めるタイミングを測定するために基準マーカ80の溶解度合い又は変色度合いを検知するマーカ検知工程を備える。
上述のマーカ形成工程において形成するマーカ80の形状やパターンとして、例えば、コア2の最小寸法Wより小さい幅aと隙間bのパターンを設けて加工の進み具合を顕著にしたり、段階的に大きさが異なるように分けたパターンとするとよい。コア材20を配置する前に、所定の位置にクラッド基板1より反射率の高いマーカ80をクラッド基板1上に設けておき、その反射率の変化を検出する。マーカ80を検知する手段として、図6(a)に示すように、特定波長の光源5と反射光L5を検出する光検出素子7を用いる。例えば、0.2μmピッチの凹凸パターンをマーカ80として、波長800nmの光L0を所定の角度で入射してその反射光L5を検出すると、現像加工状態により凹凸パターンが変形するので、加工の進み具合を反射率の変化として検出できる。また、図6(b)に示すように、マーカ80の下部にマーカ80の形状を分かり易くするために、色(反射率)を変えるような金属膜を形成しておくとなおよい。
次に、第2現像工程においてクラッド基板1を回転することについて説明する。まず、第1現像工程に際し、回転台の上にクラッド基板1をセットして第1の現像液3aをクラッド基板1上に塗布する。そして、所定の現像状態になったら、第2の現像液3bをクラッド基板1上に塗布して回転台を回転させる。その際、塗布の前に回転台を次に述べる条件の範囲で回転させていてもよい。回転の速度及び回転数は、第1の現像液3aが遠心力で完全に除去されないような値とする。回転数は、溶解物の粘度にもよるが、10〜500rpmが望ましい。第2の現像液3bの塗布は、一度に行っても良いが、次第に置換されるように数回に分ける方がより望ましい。このように現像液置換に際して回転を援用すると、遠心力を用いて置換することになり、第2の現像液3bが細部までクラッド基板1上に行き渡り、効率よく第2の現像液3bに置換することができる。
上述の第2の現像液3bの塗布は、回転させたクラッド基板1の上方より滴下して行い、第2の現像液3bによりコア材20の残留可溶部位21を溶解し、クラッド基板1の回転を高速化することにより第2の現像液3bを除去するとよい。回転数を上げることにより、容易に素早く現像液及び溶解物をクラッド基板1上から取り去ることができる。具体的には、上述同様に第2の現像液3bを塗布し、その後、回転台の回転数を高速化する。その回転数は、500〜5000rpmが望ましい。なお、高速回転中に第2の現像液3bをさらに塗布するタイミングがあってもよいが、その場合は、第2の現像液3bの除去に充分な回転終了までの時間を設けるとよい。
また、上述の回転を正方向と逆方向の両方向に交互に行うとともに、上方より第2の現像液3bを塗布することにより、現像液を置換してコア材20の残留可溶部位21を溶解するようにしてもよい。この場合、上述同様に第2の現像液3bを塗布し、その後、所定時間が経過後又は所定時間間隔で回転方向の正逆を入れかえる。各正逆方向の回転数は必ずしも同じである必要はないが、コア2のパターンに対称性が有る場合は、回転数及び回転時間は正・逆で等しくする方がよい。このように、回転を両方向に行うことにより、第2の現像液3bが細部までクラッド基板1上に行き渡り、効率よく第1の現像液3aを第2の現像液3bに置換することができる。特にコア2の両側面に対して均等に第2の現像液3bを供給できる効果がある。
また、現像液を噴霧により供給する方法を説明する。この方法において、第1現像工程では、第1の現像液3aをクラッド基板1を回転させて上方より噴霧して塗布することによりコア材20の可溶部位を溶解し、第2現像工程では、回転させたクラッド基板1の上方から、第1の現像液3aより表面張力の低い第2の現像液3bを噴霧して塗布することにより、第1の現像液3aを第2の現像液3bに置換してコア材20の残留可溶部位21を溶解する。その具体的方法を述べる。まず、クラッド基板1を回転台にセットして、第1の現像液3aをクラッド基板1上に噴霧して塗布する。次に、所定の現像状態になったら、第2の現像液3bをクラッド基板1上に噴霧して塗布する。噴霧は、現像液をノズルに圧送してノズルの先端から霧状に噴出させて行う。その際、置換を促進させるために、回転台を用いて次に述べる条件の範囲でクラッド基板1を回転させる。また、回転台を用いる代りに現像用容器を傾斜させてクラッド基板1を傾斜させたり、噴霧圧力によって現像液の流れを作ったりしてもよい。
回転台を回転する速度及び回転数は、第1の現像液3aが遠心力で完全に除去されない値を選定する。回転数は、溶解物の粘度にもよるが、10〜500rpmが望ましい。また、第2の現像液3bの噴霧による塗布は、一度に行っても良いが、次第に置換されるように数回に分けて行ってもよい。このように、現像液を霧状に噴霧して塗布することにより、第1の現像液3aの塗布や第1の現像液3aから第2の現像液3bへの置換をクラッド基板1の面内に均一に行える。また、噴霧圧力を利用して細部まで現像液を行き届かせることができる。
次に、オーバクラッド工程について説明する。オーバクラッド4は、第2の現像液3bが残留した状態で第2の現像液3bを液体状のオーバクラッド材で置換し配置して、このオーバクラッド材を硬化させることによりコア材20の難溶部位の表面に形成される。具体例を述べる。上述のいずれかと同様に第1の現像液3aと第2の現像液3bの置換を行う。第2の現像液3bとの置換が完了した後、第2の現像液3bが残留した状態で、クラッド基板1上にオーバークラッド材を塗布すると、第2の現像液3bは、第1の現像液3aから第2の現像液3bに置換したのと同様にオーバークラッド材で置換される。オーバークラッド材を塗布した後、オーバークラッド材が所定の厚みとなる様にスピンコータなどを用いて塗布厚を決定する。次に、塗布したオーバークラッド材を硬化してオーバークラッド4が形成される。このような方法によると、第2の現像液3bを乾燥させる必要がないので、乾燥工程を経た場合におけるコア2の変形や、近接したコア2同士が接合する不具合を回避できる。
次に、図7を参照して、第2の現像液3bの洗浄処理と基板乾燥処理について説明する。第2の現像液3bの洗浄と基板乾燥を行う工程として、第2の現像液3bがクラッド基板1表面に残留している状態で、超臨界状態の二酸化炭素雰囲気90を用いて洗浄及び乾燥を行う超臨界乾燥工程を備える。具体例を述べる。上述のいずれかと同様に第1の現像液3aと第2の現像液3bの置換を行う。第2の現像液3bとの置換が完了した後、第2の現像液3bをさらに二酸化炭素に置換するため、第2の現像液3bが残留した状態で、クラッド基板1を圧力容器からなる超臨界容器9に入れて内部雰囲気を超臨界状態の二酸化炭素雰囲気90とする。その後、超臨界容器9を常圧とすることで乾燥させる。
ここで、超臨界状態とは、気体と液体が共存できる限界の温度と圧力(臨界点、二酸化炭素の臨界点は、31℃、73.88気圧)を超えた状態をいい、通常の気体や液体とは異なる性質を示す。二酸化炭素の超臨界状態を用いることにより,第2の現像液3bをさらに低表面張力の液へと置換することができるので、この状態から常温常圧に戻すことにより各液体が蒸発して乾燥状態とすることができる。このように、超臨界状態の表面張力の小さい二酸化炭素を用いて、第2現像液3bを乾燥処理するので、通常の乾燥工程を経た場合におけるコア2の変形や、近接したコア2同士が接合することを回避できる。なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。
本発明の一実施形態に係る光導波路板の製造方法に関するフローチャート。 (a)〜(f)は同上製造方法による主要工程における光導波路板の部分断面図。 同上光導波路板の製造方法における第1現像工程及び第2現像工程の概念説明のための斜視図。 同上光導波路板の製造方法における第1の現像液と第2の現像液の置換割合を屈折率変化で測定する方法を説明する断面図。 同上光導波路板の製造方法における第1の現像液と第2の現像液の置換割合を光強度変化で測定する方法を説明する断面図。 (a)は同上光導波路板の製造方法におけるマーカ検知工程を説明する斜視図とマーカ部分の拡大断面図、(b)は他のマーカの例を示す断面図。 同上光導波路板の製造方法における第2の現像液の洗浄処理と基板乾燥処理の例を説明する断面図。 従来及び本発明が適用される光導波路板の例を示す斜視図。
符号の説明
1 クラッド基板
2 難溶部位(コア)
3 現像液
4 オーバクラッド
20 コア材
80 基準マーカ
3a 第1の現像液
3b 第2の現像液

Claims (6)

  1. 光透過性樹脂よりなるクラッド基板を形成するクラッド基板形成工程と、
    前記クラッド基板表面にクラッド基板よりも高屈折率の材料よりなるコア材を配置するコア材配置工程と、
    前記コア材に選択的に光を照射して難溶部位と可溶部位とに区分けするコア材パターニング工程と、
    前記コア材の可溶部位を第1の現像液で溶解する第1現像工程と、
    前記第1の現像液をこの現像液よりも表面張力の低い第2の現像液で置換しつつ、前記第1の現像液及び第2の現像液で前記コア材の残留した可溶部位を溶解する第2現像工程と、
    前記コア材の難溶部位の表面にオーバクラッド材を配置してオーバクラッドを形成し、前記コア材の難溶部位をこのオーバクラッドと前記クラッド基板とで囲むことにより光導波路を形成するオーバクラッド形成工程と、を備えたことを特徴とする光導波路板の製造方法。
  2. 前記第2現像工程は、前記第1の現像液をこの現像液よりも現像能力の低い第2の現像液で置換しつつ、前記第1の現像液及び第2の現像液で前記コア材の残留した可溶部位を溶解する現像工程である請求項1記載の光導波路板の製造方法。
  3. 前記第2現像工程は、前記置換に際し、前記第1の現像液及び第2の現像液を透過する光の強度、又はこれらの現像液の誘電率を測定することにより前記現像液の置換割合を決定し、この測定結果を基に第2の現像液の置換割合を制御する請求項1又は請求項2記載の光導波路板の製造方法。
  4. 前記クラッド基板形成工程とコア材配置工程との間に、前記クラッド基板表面の可溶のコア材が配置される部位に、前記第1の現像液によって溶解又は変色する基準マーカを形成するマーカ形成工程を備え、
    前記第1現像工程と第2現像工程との間に、前記第1の現像液を第2の現像液で置換し始めるタイミングを測定するために前記基準マーカの溶解度合い又は変色度合いを検知するマーカ検知工程を備えている請求項1又は請求項2記載の光導波路板の製造方法。
  5. 前記第2現像工程は、前記第1の現像液を、この現像液よりも表面張力の低い第2の現像液で、回転させた前記クラッド基板上にこの第2の現像液を塗布することにより置換しつつ、前記第1の現像液及び第2の現像液で前記コア材の残留した可溶部位を溶解する現像工程である請求項1又は請求項2記載の光導波路板の製造方法。
  6. 前記オーバクラッド形成工程は、前記第2の現像液が残留した状態で前記第2の現像液を液体状のオーバクラッド材で置換し配置して、このオーバクラッド材を硬化させることにより前記コア材の難溶部位の表面にオーバクラッドを形成する工程である請求項1又は請求項2記載の光導波路板の製造方法。
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