JP2007171775A - 集光機能付光導波路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 3次元形状の集光機能を光導波路端のコア部に位置精度良く簡便に形成できる集光機能付光導波路の製造方法を提供する。
【解決手段】 この集光機能付光導波路の製造方法は、コア部40とコア部40を覆うクラッド部30,50とを有し、コア部40の材料の吸水率をクラッド部30,50の材料の吸水率よりも高くした光導波路を作製する工程と、この光導波路に吸湿処理を施してコア部40を膨潤させ、コア部の端面を凸形状41,42とする工程とを備える。これにより、例えば、一方の端面の凸形状41はマイクロレンズとして機能し、他方の端面の凸形状42は凹面反射ミラー(マイクロミラー)として機能する。
【選択図】 図1
【解決手段】 この集光機能付光導波路の製造方法は、コア部40とコア部40を覆うクラッド部30,50とを有し、コア部40の材料の吸水率をクラッド部30,50の材料の吸水率よりも高くした光導波路を作製する工程と、この光導波路に吸湿処理を施してコア部40を膨潤させ、コア部の端面を凸形状41,42とする工程とを備える。これにより、例えば、一方の端面の凸形状41はマイクロレンズとして機能し、他方の端面の凸形状42は凹面反射ミラー(マイクロミラー)として機能する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光伝送技術において使用される光導波路の製造方法に係り、特に光導波路端部にマイクロレンズ又はマイクロミラーを有する集光機能付光導波路の製造方法に関するものである。
光導波路における光の入出力には、一般的に、接続損失の改善と結合トレランスの確保を目的として、マイクロレンズや集光ミラー等の集光機能を設けることが好ましいことから、従来より、この集光機能を光導波路の端部に設置するための種々の方法が検討されている。
光導波路の端部に集光機能を持たせた例としては、例えば特許文献1において、分岐形光導波路の開放開口端にイオンミリング加工によってマイクロレンズを製造する技術が知られている。しかしながら、エッチングやレーザー加工により位置精度良く導波路の端面にマイクロレンズを形成する方法は、光導波路の作製後に精度が要求される工程が追加されるためコスト高となる。
また、特許文献2では、先端部が凹形状のスライドピンを使用して射出成形を行うことにより、集光作用を有する凸形状を形成する光分岐器の製造方法が示されている。この方法は、コア部と同時にマイクロレンズも形成される簡便な手法であるが、形成可能な導波路の構造を複雑にすることが困難であり、また、射出成形によるため、形成可能なコア径の大きさについても制限されることが予測される。
更に、特許文献3では、スポットサイズ変換による結合トレランス向上を図るために、先球ファイバーからの類推により、平面光導波路端の面の形状を半球状に加工する方法が考えられるとしながらも、導波路端面を3次元形状にすることは困難であるとして、光導波路の端部に、面内方向においてのみ集光された光を射出する2次元的なレンズ構造を設けることが提案されている。
同様に、特許文献4では、端面発光型素子との光接続を改善するために、光導波路の入射端面側において、エッチングによるパターニングによりコア端面部分を2次元的な水平凸面部とする技術が開示されている。この特許文献4では、さらに、コア部をクラッド部に比べてガラス転移温度の低い材料を用いて構成し、熱処理により突出部を丸め3次元形状とすることが好適であるとしている。そのため、温度の精密な制御が必要になることが予想され、信頼性の高いマイクロレンズの製造方法とは言い難い。
また、光路変換のためのマイクロミラーとして用いられる45度傾斜面に対する集光機能としては、例えば、特許文献5おいて、光導波路上にテーパー状レジストを形成してこれをエッチングすることにより、集光効果をもったマイクロミラーを作製することが開示されているが、これは高精度の露光機により精密に制御された露光工程が必要であり、簡便な製造方法とは言い難い。
特公平5−51947号公報
特開平6−82650号公報
特開2002−328245号公報
特開2000−39531号公報
特開2004−101678号公報
上述のように従来の技術では、光導波路の開放端部に簡便に3次元形状のマイクロレンズや集光ミラー等の集光機能を形成することは困難であった。
従って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、3次元形状の集光機能を光導波路端のコア部に位置精度良く簡便に形成できる集光機能付光導波路の製造方法を提供することにある。
従って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、3次元形状の集光機能を光導波路端のコア部に位置精度良く簡便に形成できる集光機能付光導波路の製造方法を提供することにある。
上記目的は、コア部と前記コア部を覆うクラッド部とを有し、前記コア部の材料の吸水率を前記クラッド部の材料の吸水率よりも高くした光導波路を作製する工程と、前記光導波路に吸湿処理を施して前記コア部を膨潤させ前記コア部の少なくとも一方の端面を凸形状とする工程とを備えた集光機能付光導波路の製造方法により、達成される。
ここで、前記コア部の少なくとも一方の端面を前記吸湿処理前に光の伝播方向に対して垂直面とし、前記吸湿処理後の前記凸形状がマイクロレンズとしての機能を有するようにすることができる。また、前記コア部の少なくとも一方の端面を前記吸湿処理前に光の伝播方向に対して傾斜面とし、前記吸湿処理後の前記凸形状が凹面反射ミラーとしての機能を有するようにすることができる。さらに、前記コア部の一方の端面を前記吸湿処理前に光の伝播方向に対して垂直面とし、前記コア部の他方の端面を前記吸湿処理前に光の伝播方向に対して傾斜面とし、前記一方の端面の凸形状がマイクロレンズとしての機能を有するようにし、前記他方の端面の凸形状が凹面反射ミラーとしての機能を有するようにすることができる。前記傾斜面は45度傾斜面であることが好ましい。
また、前記コア部の材料と前記クラッド部の材料の吸水率差は1%以上10%以下とすることが好ましい。前記クラッド部の材料の吸水率は4%以下とすることが好ましい。前記コア部は2種類以上の吸水率の異なる材料を用いて形成することができ、前記コア部の少なくとも一方の端部における前記コア部の材料の吸水率を前記クラッド部の材料の吸水率よりも高くすることができる。この場合、前記2種類以上の吸水率の異なる材料からなるコア部間に前記クラッド部の材料からなる隔壁を設けることができる。
また、前記コア部の少なくとも一方の端部のコア幅を他の部分のコア幅よりも大きく形成することができる。この場合、前記コア部の端部と他の部分との間に前記クラッド部の材料からなる隔壁を設けることができる。また、前記コア部の端部のコア幅を他の部分のコア幅よりも徐々に大きくなるように形成することができる。前記光導波路の上下の少なくとも一方にフィルムまたは剛体の基材を設けることができる。前記コア部はシリコーン樹脂製の鋳型を用いて作製することができる。
本発明によれば、3次元形状の集光機能を光導波路端のコア部に位置精度良く簡便に形成できる集光機能付光導波路の製造方法を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1(a)、(b)は、本発明に係る集光機能付光導波路の製造方法の一実施形態を説明するための図である。図1において、本発明における光導波路のコア部40はクラッド部30,50に比べて吸水率の高い材料により形成される。樹脂の吸水率は概ね吸湿膨潤率と相関を持ち、樹脂の物性値としては吸水率が一般的に示されていることから、本発明では樹脂選択基準を吸水率により規定する。ここで吸水率とは樹脂の吸水前後での比重を比較することによって得られる値であり、ASTM D570に従って測定される。
図1(a)、(b)は、本発明に係る集光機能付光導波路の製造方法の一実施形態を説明するための図である。図1において、本発明における光導波路のコア部40はクラッド部30,50に比べて吸水率の高い材料により形成される。樹脂の吸水率は概ね吸湿膨潤率と相関を持ち、樹脂の物性値としては吸水率が一般的に示されていることから、本発明では樹脂選択基準を吸水率により規定する。ここで吸水率とは樹脂の吸水前後での比重を比較することによって得られる値であり、ASTM D570に従って測定される。
製造方法としては、まず、吸湿処理前において、図1(a)に示すように、コア部40とそれを覆うクラッド部30,50を有する光導波路を形成する。本図は光導波路の側面図を示す。この光導波路を例えばダイシングソー等により端面が概ね平坦となるように、一方の端面を垂直面に、他方の端面を傾斜面、例えば45度傾斜面に成形する。その後、この光導波路を浸漬等により吸水処理する。コア部40はクラッド部30,50に比べて吸水率の高い材料により形成されているので、吸湿処理後には、図1(b)に示すように、コア部40の両端面にそれぞれ凸形状41,42が得られる。コア部40の垂直端面では凸形状41が形成され、これは集光効果をもつマイクロレンズとして機能する。また、45度傾斜面では凸形状42が形成され、これは集光効果をもつマイクロミラー(凹面反射ミラー)として機能する。垂直端面コア部の凸形状41は、ファイバーや光素子との結合において許容ズレ幅を大きくすることが可能となり、実装コストの削減に繋がる。また、45度傾斜面の凸形状42は、凹面鏡構造として機能し、コア部40を伝搬してきた光をその45度面で光路変換し、コア部40の長手方向と直角の方向へ出射される光のスポット径を小さくすることが可能となり、高速応答に対応した受光径の小さなフォトダイオードへの光接続が可能となる。
本発明では、クラッド材料と比較して吸水率の高い樹脂をコア材料として用いることにより集光効果の高い、曲率半径の小さな凸形状を得ることができる。しかし、コア部とクラッド部の吸水率が大きく異なる場合、コア部の体積変化にクラッド部が追従できず、コア−クラッド界面が剥離する故障が発生する。剥離が起きた導波路端面のコア形状は凸レンズ形状を維持しない。吸水率の異なる材料を用いて作製したコア径50μmの光導波路について、膨潤処理後の光学端面形状を観察したところ、コア材料とクラッド材料の吸水率差が8%までは故障の発生が無く(母数:n数=32)、凸形状の形成が可能であった。より高い吸水率差を与えた試料では、吸水率差10%の試料において20%の故障発生率(母数:n数=32)となり、さらに吸水率差が12%の試料では故障発生率は90%以上(母数:n数=16)となった。また、光学的機能を発現するのに十分なレンズ(凸形状)をコア部端面に作製するには、吸水率差は1%以上が好ましく、より好ましくは吸水率差は2%以上である。そのため、コアとクラッドを構成する材料の吸水率差は1%以上、10%以下が望ましく、より好ましくは2%以上、8%以下である。
また、クラッド材料の吸湿率(吸水率)が大きい場合、吸湿膨潤により光導波路端面のコア間距離等の位置精度が悪化する。そのため、クラッド材料の吸湿率は4%以下、より好ましくは2%以下であることが望ましい。
図2(a)、(b)は、本発明に係る製造方法により作製された集光機能付光導波路の他の実施形態を示す図である。本実施形態は次のような観点に基づいてなされたものである。すなわち、光導波路のコア材料として求められる光学特性等と吸湿膨潤により凸形状を得る為の吸水率の両立はコア材料の選択幅を狭めることが懸念される。そこで、光導波路コア部を異なる複数の材料で形成することで、光導波路端面のみに光学特性を犠牲にした吸湿率の高い材料を使用することが可能となり、導波性能と集光効果の両立した光導波路を得ることができる。
図2(a)は、コア部40と、それよりも吸湿率の高い材料からなるコア部40’と、それらを覆うクラッド部30,50とを有する光導波路を形成した例を示す。本図は光導波路の側面図を示す。本例では、コア部40’は、コア部40の長手方向の両端に設けられているが、これに限定されず、コア部40の長手方向の少なくとも一方に設けることができる。吸湿処理前において、この光導波路を例えばダイシングソー等により端面が概ね平坦となるように、一方の端面を垂直面に、他方の端面を45度傾斜面に成形する。その後、この光導波路を浸漬等により吸水処理する。コア部40’はクラッド部30,50に比べて吸水率の高い材料により形成されているので、吸湿処理後には、図2(a)に示すように、コア部40’の端面にそれぞれ凸形状41,42が得られる。光の伝搬方向に複数の材料を用いて同一コアを形成する場合、材料の異なるコア部40とコア部40’間は、図2(a)に示すように互いに接していても良いが、別法としてクラッド材料または他の材料を配置しても良い。この例を次に示す。
図2(b)は、コア部40と、それよりも吸湿率の高い材料からなるコア部40’と、それらを覆うクラッド部30,50を有する光導波路を形成した例を示す。本図は光導波路の側面図を示す。本例では、コア部40’とコア部40との間にクラッド材の隔壁45,46がそれぞれ設けられている。吸湿処理前において、この光導波路を例えばダイシングソー等により端面が概ね平坦となるように、一方の端面を垂直面に、他方の端面を45度傾斜面に成形する。その後、この光導波路を浸漬等により吸水処理する。コア部40’はクラッド部30,50に比べて吸水率の高い材料により形成されているので、吸湿処理後には、図2(b)に示すように、コア部40’の端面にそれぞれ凸形状41,42が得られる。クラッド材の隔壁45,46を設けることでコア部40’とコア部40の対向端面が混ざり合うことなく平行に保たれる。また、吸湿処理工程において集光機能の形成に関与しないコア部40へ水分が侵入することを抑制することができる。なお、クラッド材の隔壁45,46はそれぞれコア部40,40’と直交しているので、光は隔壁45,46をそのまま通ってコア部を伝搬する。
図3(a)、(b)は、本発明に係る製造方法により作製された集光機能付光導波路のさらに他の実施形態を示す図である。本実施形態は、導波路端面において被膨潤部のコア幅を光導波路主導波部のコア幅よりも大きくすることで、光導波路面内方向において集光された光ビームを出射または入射することができるという利点を有するものである。
図3(a)は、端部のコア幅が主導波部のコア幅よりも大きく形成されたコア部40と、コア部40の端部と主導波部との間に設けられたクラッド材の隔壁47と、それを覆うクラッド部30,50とを有する光導波路を形成した例を示す。本図は光導波路の上面図を示す。コア部40はクラッド部30,50に比べて吸水率の高い材料により形成されているので、吸湿処理後には、図示のように、光導波路端面のコア部40に凸形状41が得られる。なお、クラッド材の隔壁47はコア部40と直交しているので、光は隔壁47をそのまま通ってコア部を伝搬する。
図3(b)は、端部のコア幅が主導波部のコア幅よりも徐々に大きく形成されたコア部40と、それを覆うクラッド部30,50とを有する光導波路を形成した例を示す。本図は光導波路の上面図を示す。コア部40はクラッド部30,50に比べて吸水率の高い材料により形成されているので、吸湿処理後には、図示のように、光導波路端面のコア部40に凸形状41が得られる。
図4は、本発明に係る製造方法により作製された集光機能付光導波路のさらに他の実施形態を示す図である。本図は光導波路の側面図を示す。本実施形態は、コア部40およびクラッド部30,50からなる光導波路の上面および下面にフィルムもしくは剛体の基材70,80を設けたものである。光導波路上下の基材70,80に透湿性の低い材料を使用することで、コア部端面の凸形状41,43の形成工程において光導波路端部を選択的に吸湿膨潤処理することが可能となる。
本発明に係る光導波路の製造方法は、コアとクラッドを異なる材料で作製できる方法であれば特に制限はなく、一般によく用いられるフォトリソグラフィやRIE(反応性イオンエッチング)を利用した製法でも作製可能であるが、一般にコスト高になる問題点がある。特に、上記のように吸水率の異なる複数の材料によりコア形状を作製する場合、さらにコスト高になる問題がある。このため、本発明の光導波路の作製には、例えば、本発明者らが既に提案している例えば特開2004−29507号公報に記載の高分子材料を用いた光導波路の製造方法を応用した製法を用いることで、種類の異なる材料によりコア部を同時に作製することが可能となる。
図5(a)〜(g)は、高分子材料を用いた光導波路の製造方法の一例を説明するための図である。図5(a)は光導波路用凸部12が形成された原盤10を示す。この原盤10の光導波路用凸部12が形成された面に、図5(b)に示すように、鋳型形成用の硬化性樹脂材料の層20aを形成し硬化する。次に、硬化した鋳型形成用の樹脂材料の層20aを原盤10から剥離し(型取り)、この層に形成された凹部22(原盤の光導波路用の凸部12に対応する)が露出するようにその両端を切断して、図5(c)に示すように、鋳型20を作製する。この鋳型は例えばシリコーン樹脂製とすることができる。
この鋳型20に、図5(d)に示すように、それと密着性が良いクラッド用基材(クラッド部)30を密着させる。次に、鋳型20の一端をコアとなる硬化性樹脂40aに接触させ、毛細管現象を利用して鋳型の凹部22に進入させる。図5(e)は、鋳型20の凹部に硬化性樹脂が充填された状態を示す。そして、紫外線の照射又は加熱により凹部内に充填した硬化性樹脂を硬化させ、硬化した鋳型を剥離する(図示せず)。これにより、図5(f)に示すように、クラッド部30の上に光導波路用凸部(コア部)40が形成される。さらに、クラッド部30のコア形成面にクラッド部50を形成する。これにより、図5(g)に示すように、光導波路60が作製される。本発明では、上記コア部40を構成する材料は、クラッド50、30を構成する材料よりも、硬化後の吸水率の高い材料が用いられる。
以上のようにして作製された光導波路を、上述のとおりダイシングソー等により、端面が概ね平坦となるように成形して、光導波路を得る。このようにして形成された光導波路を、上述したように浸漬等により吸水処理する。これによりコア部の端部に凸形状が得られる。
また、吸湿処理(吸水処理)としては、光導波路コア端面が高湿環境に曝される方法であればとくに制限がなく、純水への浸漬放置や、光学端面の洗浄工程を兼ねて界面活性剤等の溶液中において超音波洗浄を行っても良い。また、光導波路を構成する材料の耐熱性が許す範囲での浸漬中の加熱も、吸水処理に必要とされる時間を短縮する上で有効である。高湿雰囲気への暴露は、浸漬方法以外に高湿環境を実現できる環境槽内での処理も可能である。また、オートクレーブ装置やPCT試験機等により、高温高圧の水蒸気下での処理はさらに時間短縮をはかることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
コア部の材料として、吸水率が3.6%のエポキシ系樹脂(屈折率1.53)を、また、クラッド部の材料として、0.8%のアクリル系樹脂(屈折率1.51)を使用し、更に、上下の基材として厚さ188μmのフィルム基材(アートンフィルム、JSR(株)社製)用い、上記図5で説明した方法により、250μmピッチで断面が正方形の4本のコア部が配列した高分子光導波路を作製した。光導波路の外形は幅3mm、長さ70mm厚さ450μmである。
次に、作製した光導波路を120℃、2気圧の水蒸気下に30分間放置し、続いて100℃の真空乾燥機中にて30分間放置した。
図6は、この吸湿処理の前後における光導波路光学端面におけるコア形状の一例を示すグラフである。このグラフの横軸は、コア部を中心(0)とした光導波路端面の位置を±の距離(μm)で示し、その縦軸は、凸状に形成されたコア部の高さ(μm)を示している。このグラフからも明らかなように、この吸湿処理により、高さHが略0.9μmの凸形状が作製された。この凸形状は、光導波路端面におけるのコア−クラッド間の界面に剥離は見られず、良好な凸レンズ形状であった。また、この凸形状は、その後の乾燥工程においても大きな変化は見られず、コア端面に凸形状のマイクロレンズが安定して形成されることが確認された。
光導波路の長手方向における一方の端面をダイシングソーにより45度傾斜面とする他は、上記の実施例1と同様の方法と材料により、光導波路を作製した。これにより得た光導波路に吸湿処理を行った。これにより、45度傾斜面のコア部は、高さHが1μmの凸形状となることが確認された。また、コア−クラッド間の界面における剥離は無く、良好な3次元形状が得られた。
上記実施例1と同様の方法により、上記図2(b)における導波路端面と同形状を有する光導波路を作製した。ここで、主導波路のコア材料として吸湿率3.6%のエポキシ系樹脂(屈折率1.53)を、凸形状を形成する高吸湿率コアの材料として、吸湿率6%のエポキシ系樹脂(屈折率1.57)を、また、クラッド材料として吸湿率0.8%のアクリル系樹脂(屈折率1.51)を使用した。また、光導波路上下の基材として実施例1と同様のアートンフィルムを用いた。
光導波路のコア径および配置と外形寸法は上記実施例1と同様である。また、光の伝搬方向の両端に設けた高吸水率のコア部41,42の長さを2mmとし、幅20μmのクラッド材料の隔壁を介して、主導波路のコア部と接続されている。
上記の光導波路について吸湿処理を行ったところ、導波路両端におけるコア部の凸状部の高さはおよそ8μmであった。また、この光導波路の挿入損失は1.1dBであった。ここで、挿入損失の測定は、光源を波長850nmのLED、入射側をNA0.21のGIマルチモードファイバーとし、また、受光側をNA0.4のH−PCFファイバーとして行った。
本発明は、光伝送技術において使用される光導波路の製造方法に係り、特に光導波路端部にマイクロレンズ又はマイクロミラーを有する集光機能付光導波路の製造方法に関するものであり、産業上の利用可能性がある。
30、50 クラッド部
40,40’ コア部
41 凸形状(マイクロレンズ)
42 凸形状(凹面反射ミラー)
45,46,47 隔壁
70,80 基材
40,40’ コア部
41 凸形状(マイクロレンズ)
42 凸形状(凹面反射ミラー)
45,46,47 隔壁
70,80 基材
Claims (15)
- コア部と前記コア部を覆うクラッド部とを有し、前記コア部の材料の吸水率を前記クラッド部の材料の吸水率よりも高くした光導波路を作製する工程と、前記光導波路に吸湿処理を施して前記コア部を膨潤させ前記コア部の少なくとも一方の端面を凸形状とする工程とを備えたことを特徴とする集光機能付光導波路の製造方法。
- 前記コア部の少なくとも一方の端面を前記吸湿処理前に光の伝播方向に対して垂直面とし、前記吸湿処理後の前記凸形状がマイクロレンズとしての機能を有するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の集光機能付光導波路の製造方法。
- 前記コア部の少なくとも一方の端面を前記吸湿処理前に光の伝播方向に対して傾斜面とし、前記吸湿処理後の前記凸形状が凹面反射ミラーとしての機能を有するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の集光機能付光導波路の製造方法。
- 前記コア部の一方の端面を前記吸湿処理前に光の伝播方向に対して垂直面とし、前記コア部の他方の端面を前記吸湿処理前に光の伝播方向に対して傾斜面とし、前記一方の端面の凸形状がマイクロレンズとしての機能を有するようにし、前記他方の端面の凸形状が凹面反射ミラーとしての機能を有するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の集光機能付光導波路の製造方法。
- 前記傾斜面が45度傾斜面であることを特徴とする請求項3または4に記載の集光機能付光導波路の製造方法。
- 前記コア部の材料と前記クラッド部の材料の吸水率差が1%以上10%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の集光機能付光導波路の作製方法。
- 前記クラッド部の材料の吸水率が4%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の集光機能付光導波路の作製方法。
- 前記コア部が2種類以上の吸水率の異なる材料を用いて形成され、前記コア部の少なくとも一方の端部における前記コア部の材料の吸水率を前記クラッド部の材料の吸水率よりも高くしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の集光機能付光導波路の作製方法。
- 前記2種類以上の吸水率の異なる材料からなるコア部間に前記クラッド部の材料からなる隔壁を設けたことを特徴とする請求項8に記載の集光機能付光導波路の作製方法。
- 前記コア部の少なくとも一方の端部のコア幅を他の部分のコア幅よりも大きく形成したことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の集光機能付光導波路の作製方法。
- 前記コア部の端部と他の部分との間に前記クラッド部の材料からなる隔壁を設けたことを特徴とする請求項10に記載の集光機能付光導波路の作製方法。
- 前記コア部の端部のコア幅を他の部分のコア幅よりも徐々に大きくなるように形成したことを特徴とする請求項10に記載の集光機能付光導波路の作製方法。
- 前記光導波路の上下の少なくとも一方にフィルムまたは剛体の基材を設けたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の集光機能付光導波路の製造方法。
- 前記コア部がシリコーン樹脂製の鋳型を用いて作製されたものであることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の集光機能付光導波路の製造方法。
- 請求項1から14のいずれかに記載の集光機能付光導波路の製造方法により作製されたことを特徴とする集光機能付光導波路。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8369026B2 (en) | 2009-12-31 | 2013-02-05 | Hon Hai Precision Ind. Co., Ltd. | Non-spherical lens module for easy manufactory |
JP2015191112A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 富士通株式会社 | 光導波路結合器及びその製造方法 |
US10637204B2 (en) | 2016-07-28 | 2020-04-28 | Mitsubishi Electric Corporation | Planar waveguide laser device |
-
2005
- 2005-12-26 JP JP2005372036A patent/JP2007171775A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8369026B2 (en) | 2009-12-31 | 2013-02-05 | Hon Hai Precision Ind. Co., Ltd. | Non-spherical lens module for easy manufactory |
JP2015191112A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 富士通株式会社 | 光導波路結合器及びその製造方法 |
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