JP4752172B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池についての技術分野に関する。詳しくは、ベースプレートに水素用流路を形成すると共にベースプレートの両面にそれぞれ発電部と水素吸蔵タンクとを配置し、小型軽量化を図る技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池には、例えば、固体高分子型燃料電池のように、電解質膜の両面に水素極及び酸素極が設けられた膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を挟んで一対のセパレーターが積層されて単セルが形成され、該単セルが複数積層されて発電部が構成されたものがある。
【0003】
このような燃料電池にあっては、セパレーターの一方の面に形成された水素流動路とセパレーターの他方の面に形成された酸素流動路とが電解質膜を挟んで対向した状態で一対のセパレーターが配置され、内部に水素吸蔵合金を有する水素吸蔵タンクから水素流動路に水素が供給されると共に酸素流動路に空気や酸化剤ガス(酸素)が供給されると、電気化学反応が生じて水が生成されると共に両極に電位差が生じることにより電気エネルギーを取り出すことが可能とされたものがある。
【0004】
電位差は単セル当たりで1Vに満たない場合が多いが、上記のように、単セルを複数積層して発電部とすることにより、高い電圧を得ることが可能である。
【0005】
水素吸蔵合金は水素の放出に際して加熱が必要とされるが、この加熱を発電部による発電に伴う発熱を利用した燃料電池がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この従来の燃料電池にあっては、FCスタック(発電部)に接続された熱交換チューブに加熱された冷却水を流動させて、ダクトを流れる空気と熱交換し、この熱交換によって加熱された空気の熱を水素吸蔵タンクに設けられた多数のフィンに伝導させることにより水素吸蔵合金への加熱を行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開平2002−252015号公報(第3―4頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の燃料電池にあっては、発電部の他に、熱交換チューブやダクト等の配管部品がそれぞれ必要とされるため、部品点数が多く燃料電池の構成が複雑であると共に大型化及び大重量化を来たすという問題がある。
【0009】
また、水素吸蔵タンクに設けられた多数のフィンがダクトに沿って配置されるため、放熱フィンが大きくなったり放熱フィンの十分な配置スペースを確保する必要が生じ、やはり燃料電池が大型となってしまうという問題がある。
【0010】
そこで、本発明燃料電池は、上記した問題点を克服し、小型軽量化を図ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明燃料電池は、上記した課題を解決するために、熱伝導性を有する材料によって形成され一方の面に水素レギュレーターと水素供給用バルブと発電部が配置されたベースプレートと、上記ベースプレートの上記一方の面と反対側の面に配置されると共に内部に水素吸蔵合金を有する水素吸蔵タンクとを備え、上記発電部は、電解質膜と該電解質膜の両面にそれぞれ設けられた酸素極及び水素極と酸素が流動される酸素流動路と水素が流動される水素流動路とを有し、上記ベースプレートの内部に上記水素吸蔵タンクから放出される水素の流路となる供給部を形成し、上記供給部は上記水素レギュレーターと上記水素供給用バルブに跨る位置に形成された水素流動路であり、上記供給部の一端が上記ベースプレートの上記反対側の面に形成され上記水素供給用バルブ側に位置する供給口に連通され、上記供給部の他端が上記ベースプレートの上記一方の面に形成され上記水素レギュレーター側に位置する水素レギュレーター入口に連通されており、上記ベースプレートには上記供給口に連通され上記水素吸蔵タンク側に突出されたプレート側コネクター部が設けられ、上記水素吸蔵タンクに切欠部を形成し該切欠部に上記プレート側コネクター部に接続されるタンク側コネクター部を設けたものである。
【0012】
従って、本発明燃料電池にあっては、ベースプレートを挟んで発電部と水素吸蔵タンクが互いに反対側に配置され、ベースプレートを介して熱伝導と水素の供給とが行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明燃料電池の実施の形態を添付図面を参照して説明する。尚、以下に示した実施の形態は、本発明燃料電池を固体高分子膜型の燃料電池に適用したものである。
【0014】
燃料電池1はベースプレート2と該ベースプレート2の互いに反対側の面に配置される発電部3と水素吸蔵タンク4とを備えている(図1参照)。
【0015】
ベースプレート2は一方に長い矩形の平板状に形成され、熱伝導性の高い材料によって形成されている。ベースプレート2の長手方向における一端部には下方へ突出されたプレート側コネクター部2aが設けられている。
【0016】
尚、以下の説明にあっては、便宜上、ベースプレート2の長手方向を左右方向とし、ベースプレート2の短手方向を前後方向とする。
【0017】
発電部3は、図1及び図2に示すように、膜電極接合体5、5、・・・とセパレーター6、6、・・・とが交互に積層されて構成されたスタック7が押さえ板8、8によって上下から押さえられて成る(図1に一方の押さえ板8のみを示す。)。
【0018】
膜電極接合体5は厚みの薄い矩形状に形成され、電解質膜9と該電解質膜9の両面にそれぞれ設けられた酸素極10及び水素極11とによって形成されている(図2参照)。電解質膜9は、例えば、プロトン交換膜であるパーフロロカーボンスルホン酸塩によって形成され、プロトンの交換の他、水素と酸素との混合を防止する隔膜としても機能する。
【0019】
酸素極10と水素極11はそれぞれ電解質膜9の外周部を除いた部分に設けられ、例えば、白金系の触媒をまぶしたカーボン粉末を透過膜素材に分散させた薄膜と該薄膜に貼り合わされた多孔質炭素膜とによって形成されている。多孔質炭素膜によって酸素極10への水素イオンの拡散が最適化され、水素の触媒層(薄膜)との接触が容易とされる。
【0020】
膜電極接合体5の外周部には、その両面に、例えば、ポリイミド等の絶縁材料によって形成された補強シート12、12がそれぞれ貼着されている。補強シート12、12と酸素極10及び水素極11との間には所定の間隙が形成され、この間隙の部分に電解質膜9が露出されている。電解質膜9の露出された部分には、その右端部に前後に離隔して第1の連通孔12aと第2の連通孔12bとが形成されている。
【0021】
セパレーター9は膨張黒鉛、ステンレス、ステンレススチール、導電性プラスチック、熱可塑性樹脂等の適宜の導電性材料によって、本体部13と該本体部13から左方へ突出された放熱フィン14とが一体に形成されて成る。
【0022】
本体部13は膜電極接合体5と同じ形状及び大きさにされた厚みの薄い矩形状に形成され、一方の面(上面)が水素が流動される側である水素側面13aとして形成され、他方の面(下面)が酸素が流動される側である酸素側面13bとして形成されている。
【0023】
本体部13の右端部には前後に離隔してそれぞれ水素排出孔15と水素供給孔16とが形成され、該水素排出孔15と水素供給孔16はそれぞれ膜電極接合体5に形成された第1の連通孔12a、第2の連通孔12bと同じ大きさ、形状及び位置に形成されている。
【0024】
本体部13の水素側面13aには上方に開口された溝状を為す水素流動路17が形成されている。水素流動路17は、大半の部分が左右方向に延びるように蛇行して形成され、両端部が水素排出孔15と水素供給孔16とにそれぞれ連通されている。
【0025】
本体部13の酸素側面13bには下方に開口された溝状を為す酸素流動路18、18、・・・が形成されている(図2及び図3参照)。酸素流動路18、18、・・・は、前後に長く形成され、両端がそれぞれセパレーター6の前面及び後面に開口されている。
【0026】
放熱フィン14は本体部13から左方へ突出して設けられ、本体部13より厚みが薄く形成されている。
【0027】
上記のように構成された膜電極接合体5、5、・・・とセパレーター6、6、・・・とが交互に積層されてスタック7が構成され、スタック7が構成された状態においては、膜電極接合体5、5、・・・の第1の連通孔12a、12a、・・・とセパレーター6、6、・・・の水素排出孔15、15、・・・とによって上下に貫通された水素排出用流路が形成され、膜電極接合体5、5、・・・の第2の連通孔12b、12b、・・・とセパレーター6、6、・・・の水素供給孔16、16、・・・とによって上下に貫通された水素供給用流路が形成される。膜電極接合体5に貼着された補強シート12、12、・・・はセパレーター6、6、・・・の各外周部によって挟持され、セパレーター6、6、・・・間の空間が補強シート12、12、・・・によって閉塞される。また、セパレーター6、6、・・・の放熱フィン14、14、・・・は、上下に等間隔に離隔した状態で配置される。
【0028】
膜電極接合体5、5、・・・とセパレーター6、6、・・・とが交互に積層されて構成されたスタック7は、その上下両面にそれぞれ取り付けられた押さえ板8、8によって押さえられ、ベースプレート2の上面2bに配置される。
【0029】
ベースプレート2の右端部には、前方側から順に、パージ用電磁バルブ19、水素レギュレーター20及び水素供給用バルブ21が配置されている(図1参照)。
【0030】
パージ用電磁バルブ19は開放されることにより発電部3において未反応であった水素のパージ(放出)を行う役割を果たす。
【0031】
水素レギュレーター20及び水素供給用バルブ21は一体的に形成され、両者は内部において連通されている。水素レギュレーター20は発電部3へ向けて供給される水素の圧力を調整する役割を果たし、水素供給用バルブ21は開放されることにより発電部3への水素の供給を行う役割を果たす。
【0032】
ベースプレート2の前端部には、左方側から順に、冷却ファン22、空気供給ファン23、24が配置されている(図1参照)。従って、空気供給ファン24は水素供給用バルブ21の近傍に配置されている。
【0033】
冷却ファン22は、発電部3における発電時の発熱に伴う温度上昇を抑制する役割を果たし、セパレーター6、6、・・・の放熱フィン14、14、・・・からの放熱を促進させる。
【0034】
空気供給ファン23、24は発電部3の酸素流動路18、18、・・・への空気(酸素)の供給を行う役割を果たす。空気は空気供給ファン23、24の回転により、酸素流動路18、18、・・・の後側の開口から前側の開口へ向けて強制的に流動される。
【0035】
上側に位置する押さえ板8の上面には制御基板25が配置されている(図1参照)。制御基板25には燃料電池1を構成する各部を制御するための制御回路が形成されている。制御基板25は、例えば、水素レギュレーター20、冷却ファン22及び空気供給ファン23、24の駆動制御、水素供給用バルブ21の開閉動作の制御、発電部3によって出力される電圧の制御、図示しないセンサーによって検知された温度や湿度等の各種の環境条件に基づく各部への駆動制御等を行う。
【0036】
上記のように、ベースプレート2に配置された発電部3、パージ用電磁バルブ19、水素レギュレーター20、水素供給用バルブ21、冷却ファン22、空気供給ファン23、24及び制御基板25を上方から覆うように、ベースプレート2にカバー26が取り付けられる。
【0037】
カバー26は下方に開口された箱状に形成され、前面26aに排気口27、28、28が左右に離隔して形成されている。排気口27からは冷却ファン22によって流動される空気が排出され、排気口28、28からは空気供給ファン23、24によって流動される空気が排出される。
【0038】
カバー26の図示しない後面には左右に離隔して3つの取込口が形成されている。取込口からは、冷却ファン22及び空気供給ファン23、24の駆動時に、冷却用の空気及び発電用の空気が取り込まれる。
【0039】
カバー26の右側面26bには接続孔29が形成されている。接続孔29には燃料電池1と外部との間で各種の信号を送受信するための図示しない接続線が挿通される。
【0040】
水素吸蔵タンク4はベースプレート2の下面2cに取り付けられる(図1参照)。水素吸蔵タンク4は内部に水素吸蔵合金を有しており、該水素吸蔵合金は、例えば、ランタン・ニッケルに代表される希土類系、チタン・鉄系、マグネシウム・ニッケル系又はカルシウム・ニッケル系等の金属によって形成されている。
【0041】
水素吸蔵タンク4は稍厚みのある平板状に形成され、一部に右方及び後方に切り欠かれた切欠部4aが形成されている。切欠部4aにはタンク側コネクター部4bが設けられ、該タンク側コネクター部4bは水素吸蔵合金から放出される水素を発電部3へ供給するためのものである。
【0042】
ベースプレート2の下面2cには図示しない取付機構が設けられており、例えば、水素吸蔵タンク4をベースプレート2の下面2cに沿って右方(図1に示す矢印R方向)へスライドさせることにより水素吸蔵タンク4がベースプレート2に取付可能とされている。水素吸蔵タンク4をR方向へスライドさせたときには、タンク側コネクター部4bがベースプレート2のプレート側コネクター部2aに装着され、水素吸蔵タンク4のベースプレート2への取付完了と同時にタンク側コネクター部4bがプレート側コネクター部2aに結合される。
【0043】
水素吸蔵タンク4がベースプレート2に対してスライドされタンク側コネクター部4bがプレート側コネクター部2aに結合された状態においては、図示しないロック機構によって水素吸蔵タンク4がベースプレート2にロックされる。
【0044】
一方、逆に、水素吸蔵タンク4のベースプレート2に対するロックを解除し、水素吸蔵タンク4をベースプレート2の下面2cに沿って左方(図1に示す矢印L方向)へスライドさせることにより水素吸蔵タンク4のベースプレート2からの取り外しが可能とされている。水素吸蔵タンク4をL方向へスライドさせたときには、タンク側コネクター部4bがベースプレート2のプレート側コネクター部2aから取り外されて両者の結合が解除される。
【0045】
上記のように、燃料電池1にあっては、水素吸蔵タンク4をスライドさせるだけで該水素吸蔵タンク4のベースプレート2に対する着脱及びタンク側コネクター部4bのプレート側コネクター部2aに対する着脱を行うことができるため、燃料電池1の組立作業における作業性の向上を図ることができる。
【0046】
また、ベースプレート2に設けられたプレート側コネクター部2aが水素吸蔵タンク4側へ突出され、タンク側コネクター部4bが水素吸蔵タンク4の切欠部4aに設けられているため、水素吸蔵タンク4がベースプレート2に取り付けられた状態において、プレート側コネクター部2a及びタンク側コネクター部4bがベースプレート2の外周面から外方へ突出されることがなく、燃料電池1の小型化を図ることができる。
【0047】
ベースプレート2の内部には水素吸蔵合金から放出される水素の流路となる水素用流路30が形成されている(図4参照)。
【0048】
水素用流路30は第1の供給部30aと第2の供給部30bと第1の排出部30cと第2の排出部30dとから成り、ベースプレート2の右端寄りの位置に形成されている。
【0049】
第1の供給部30aは水素レギュレーター20及び水素供給用バルブ21に跨る位置に形成され、両端部がベースプレート2の下面2cに形成された供給口31とベースプレート2の上面2bに形成されたレギュレーター入口32とにそれぞれ連通されている。供給口31はプレート側コネクター部2aに連通されており、水素供給用バルブ21が開放されると第1の供給部30aを水素が流動される。
【0050】
第2の供給部30bは水素レギュレーター20と発電部3に跨る位置に形成され、両端部がベースプレート2の上面2bに形成されたレギュレーター出口33とベースプレート2の上面2bに形成された発電部入口34とにそれぞれ連通されている。
【0051】
第1の排出部30cは発電部3からベースプレート2の前面に跨った位置に形成され、両端部がベースプレート2の上面2bに形成された発電部出口35とベースプレート2の前面2dに形成された加工口36とにそれぞれ連通されている。
【0052】
第2の排出部30dは発電部3からパージ用電磁バルブ19に跨る位置に形成され、両端部がベースプレート2の上面2bに形成されたバルブ入口37と第1の排出部30cの中間部とにそれぞれ連通されている。
【0053】
ベースプレート2の前面2dに形成された加工口36は穴塞ぎプラグ38によって閉塞されている。
【0054】
以下に、燃料電池1の動作について説明する。
【0055】
燃料電池1の駆動により、空気供給ファン23、24が回転されると、発電部3の酸素流動路18、18、・・・にカバー26の取込口を介して空気(酸素)が取り込まれて流動される。
【0056】
同時に、パージ用電磁バルブ19が開放されることにより、水素が水素吸蔵タンク4から発電部3へ向けて供給される。水素吸蔵タンク4から水素が放出されるときには該水素吸蔵タンク4が加熱される。水素吸蔵タンク4から放出された水素は、順に、水素吸蔵タンク4のタンク側コネクター部4b、ベースプレート2のプレート側コネクター部2a、ベースプレート2の供給口31、第1の供給部30a、レギュレーター入口32、水素レギュレーター20、レギュレーター出口33、第2の供給部30b及び発電部入口34を経て発電部3の水素流動路17、17、・・・に供給される。このとき水素吸蔵タンク4から放出された水素は0.1MPa〜1MPaの範囲で変動するが、水素レギュレーター20によって0.05MPa〜0.1MPaの範囲に減圧されて水素流動路17、17、・・・に供給される。
【0057】
水素流動路17、17、・・・に供給された水素は、水素流動路17、17、・・・の形状に沿って蛇行しながら流動される。
【0058】
上記のように、酸素流動路18、18、・・・に空気(酸素)が取り込まれると共に水素流動路17、17、・・・に水素が供給されると、水素分子が水素極11に設けられた触媒層によって水素イオンと電子とに乖離される。水素分子が水素イオンと電子とに乖離されると、水素イオンは電解質膜9を通って酸素極10に導かれ、電子は外部回路を通って酸素極10に移動され、酸素極10に取り込まれた酸素と水素イオン及び電子とが結合される電気化学反応が生じて水が生成され、同時に、電気化学反応に伴う発熱が生じる。
【0059】
電気化学反応によって生じた水(生成水)は、電解質膜9の飽和含水状態を維持し水素イオンの移動を促進して発電効率の向上を図る機能を有する。
【0060】
酸素極10に供給された酸素と水素イオン及び電子とが結合されて電気化学反応が生じるときには、酸素極10と水素極11との間に電位差が生じ、この電位差の発生により電気エネルギーを取り出すことができる。
【0061】
電位差は単セル当たりで、例えば、理論上、約0.6Vとなるが、上記のように膜電極接合体5、5、・・・とセパレーター6、6、・・・とを交互に積層してスタック7とすることにより、高い電圧を得ることが可能である。燃料電池1にあっては、例えば、発電部3の全体で、理論上、約4.8Vの電圧を出力することが可能である。
【0062】
空気が酸素流動路18、18、・・・に取り込まれると共に水素が水素流動路17、17、・・・に供給されたときには、同時に、冷却ファン22の回転によってカバー2の取込口から冷却用の空気が取り込まれ、セパレーター6、6、・・・の放熱フィン14、14、・・・からの放熱が促進される。従って、上記したように、電気化学反応に伴って発熱が生じるが、発電部3の温度上昇が防止され、燃料電池1の内部が望ましい動作温度、例えば、60°C乃至80°C程度に保たれ発電部3の定常運転可能な状態が維持される。
【0063】
このとき放熱フィン14、14、・・・から放出される熱は、上記のように、ベースプレート2が熱伝導性の高い材料によって形成されているため、ベースプレート2を介して水素吸蔵タンク4へ伝達される。従って、水素吸蔵タンク4は、放熱フィン14、14、・・・から放出された熱によって加温され、水素吸蔵合金からの水素の放出が促進される。
【0064】
冷却用の空気はカバー6の排気口27から外部へ排出され、酸素流動路18、18、・・・を流動された空気は、カバー26の排気口28、28から外部へ排出される。
【0065】
同時に、水素流動路17、17、・・・を流動された未反応の水素は、順に、ベースプレート2の発電部出口35、第1の排出部30c、第2の排出部30d及びバルブ入口37を経てパージ用電磁バルブ19まで流動される。パージ用電磁バルブ19は、例えば、1時間に2秒程度開放され、未反応の水素が電気化学反応に伴って生じた過剰な生成水とともに外部へ放出される。
【0066】
上記のように、電気化学反応によって生成水が過剰に生じると、酸素と水素イオンの結合を妨げ燃料電池1の出力の低下を来たすおそれがあるが、セパレーター6、6、・・・の酸素側面13b、13b、・・・において生じた生成水が電解質膜9を通って逆拡散により水素側面13a、13a、・・・において貯留したとしても、上記のように、パージ用電磁バルブ19によって、未反応の水素が過剰な生成水とともに外部へ放出されることにより、生成水が定期的に外部へ放出され、燃料電池1の出力の低下を防止することができる。
【0067】
以上に記載した通り、燃料電池1にあっては、ベースプレート2の一方の面(上面2b)に発電部3が配置され他方の面(下面2c)に水素吸蔵タンク4が配置されているため、燃料電池1の小型化を図ることができる。
【0068】
また、ベースプレート2の内部に水素吸蔵タンク4から放出される水素の流路となる水素用流路30が形成されているため、水素の流路となるダクト等の配管を外部に露出するようにして設ける必要がなく、その分、燃料電池1の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0069】
さらに、ベースプレート2の同じ面(上面2b)に水素吸蔵タンク4以外の全ての各部を配置し、ベースプレート2の反対側の面(下面2c)に水素吸蔵タンク4のみを取り付ければよいため、各部のベースプレート2への組付が容易であり、燃料電池1の組立作業における作業性の向上を図ることができる。
【0070】
加えて、燃料電池1にあっては、パージ用電磁バルブ19が空気供給ファン23、24の近傍に配置されているため、パージ用電磁バルブ19によって水素が放出されたときに、放出された水素が空気供給ファン23、24によって大気中に拡散され、空気中の水素の濃度を低下させることができると共に水素の可燃範囲を回避することができる。
【0071】
次に、水素吸蔵タンクの変形例について説明する(図5参照)。
【0072】
変形例に係る水素吸蔵タンク4Aは、水素吸蔵タンク4に比し、厚みが厚くされ、水素の吸蔵量が多くされている。水素吸蔵タンク4Aの一部には、右方、後方及び上方に切り欠かれた切欠部4cが形成されている。切欠部4cにはタンク側コネクター部4bが設けられ、該タンク側コネクター部4bが水素吸蔵タンク4と同様にスライド時にベースプレート2のプレート側コネクター部2aに着脱される。
【0073】
水素吸蔵タンク4に代えて水素吸蔵タンク4Aを用いた場合には、水素の吸蔵量を増加させることができる他、水素吸蔵タンク4の場合と同様に、水素吸蔵タンク4Aをスライドさせるだけで該水素吸蔵タンク4Aのベースプレート2に対する着脱及びタンク側コネクター部4bのプレート側コネクター部2aに対する着脱を行うことができるため、燃料電池1の組立作業における作業性の向上を図ることができる。
【0074】
上記には、膜電極接合体5、5、・・・とセパレーター6、6、・・・とが上下に積層された例を示したが、例えば、図6に示すように、放熱フィン14、14、・・・が本体部13、13、・・・の下側に位置される向きで膜電極接合体5、5、・・・とセパレーター6、6、・・・とを左右に積層させるようにしてもよい。尚、この場合には、放熱フィン14、14、・・・とベースプレート2との間での電気的導通を防止するために、両者の間の絶縁を行う必要がある。
【0075】
上記のように、放熱フィン14、14、・・・が本体部13、13、・・・の下側に位置される向きで膜電極接合体5、5、・・・とセパレーター6、6、・・・とを左右に積層させるようにした場合にも、放熱フィン14、14、・・・から放出された熱によって水素吸蔵タンク4が加温され、水素吸蔵合金からの水素の放出を促進することができる。
【0076】
上記した実施の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0077】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明燃料電池は、熱伝導性を有する材料によって形成され一方の面に水素レギュレーターと水素供給用バルブと発電部が配置されたベースプレートと、上記ベースプレートの上記一方の面と反対側の面に配置されると共に内部に水素吸蔵合金を有する水素吸蔵タンクとを備え、上記発電部は、電解質膜と該電解質膜の両面にそれぞれ設けられた酸素極及び水素極と酸素が流動される酸素流動路と水素が流動される水素流動路とを有し、上記ベースプレートの内部に上記水素吸蔵タンクから放出される水素の流路となる供給部を形成し、上記供給部は上記水素レギュレーターと上記水素供給用バルブに跨る位置に形成された水素流動路であり、上記供給部の一端が上記ベースプレートの上記反対側の面に形成され上記水素供給用バルブ側に位置する供給口に連通され、上記供給部の他端が上記ベースプレートの上記一方の面に形成され上記水素レギュレーター側に位置する水素レギュレーター入口に連通されており、上記ベースプレートには上記供給口に連通され上記水素吸蔵タンク側に突出されたプレート側コネクター部が設けられ、上記水素吸蔵タンクに切欠部を形成し該切欠部に上記プレート側コネクター部に接続されるタンク側コネクター部を設けたことを特徴とする。
【0078】
従って、ベースプレートの互いに反対側の面にそれぞれ発電部と水素吸蔵タンクが配置されているため、燃料電池の小型化を図ることができる。
【0079】
また、水素の流路となるダクト等の配管を外部に露出するようにして設ける必要がなく、その分、燃料電池の小型化及び軽量化を図ることができる。
また、水素吸蔵タンクがベースプレートに取り付けられた状態において、プレート側コネクター部及びタンク側コネクター部がベースプレートの外周面から外方へ突出されることがなく、燃料電池の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図6と共に本発明燃料電池の実施の形態を示すものであり、本図は、燃料電池の分解斜視図である。
【図2】発電部の分解斜視図である。
【図3】セパレーターの拡大底面図である。
【図4】ベースプレートの水素用流路を示すための燃料電池の概略拡大平面図である。
【図5】水素吸蔵タンクの変形例を示す斜視図である。
【図6】発電部が異なる向きで配置される場合を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1…燃料電池、2…ベースプレート、2a…プレート側コネクター部、3…発電部、4…水素吸蔵タンク、4a…切欠部、4b…タンク側コネクター部、9…電解質膜、10…酸素極、11…水素極、17…水素流動路、18…酸素流動路、30…水素用流路、4A…水素吸蔵タンク、4c…切欠部
Claims (1)
- 熱伝導性を有する材料によって形成され一方の面に水素レギュレーターと水素供給用バルブと発電部が配置されたベースプレートと、
上記ベースプレートの上記一方の面と反対側の面に配置されると共に内部に水素吸蔵合金を有する水素吸蔵タンクとを備え、
上記発電部は、電解質膜と該電解質膜の両面にそれぞれ設けられた酸素極及び水素極と酸素が流動される酸素流動路と水素が流動される水素流動路とを有し、
上記ベースプレートの内部に上記水素吸蔵タンクから放出される水素の流路となる供給部を形成し、
上記供給部は上記水素レギュレーターと上記水素供給用バルブに跨る位置に形成された水素流動路であり、
上記供給部の一端が上記ベースプレートの上記反対側の面に形成され上記水素供給用バルブ側に位置する供給口に連通され、上記供給部の他端が上記ベースプレートの上記一方の面に形成され上記水素レギュレーター側に位置する水素レギュレーター入口に連通されており、
上記ベースプレートには上記供給口に連通され上記水素吸蔵タンク側に突出されたプレート側コネクター部が設けられ、
上記水素吸蔵タンクに切欠部を形成し該切欠部に上記プレート側コネクター部に接続されるタンク側コネクター部を設けた
ことを特徴とする燃料電池。
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