JP2003068335A - 燃料電池発電システム - Google Patents

燃料電池発電システム

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JP2003068335A
JP2003068335A JP2001253440A JP2001253440A JP2003068335A JP 2003068335 A JP2003068335 A JP 2003068335A JP 2001253440 A JP2001253440 A JP 2001253440A JP 2001253440 A JP2001253440 A JP 2001253440A JP 2003068335 A JP2003068335 A JP 2003068335A
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hydrogen
fuel cell
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cell
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JP2001253440A
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Takanori Suzuki
貴紀 鈴木
Yoshikatsu Higuchi
義勝 樋口
Izuru Kanoya
出 鹿屋
Mitsuya Hosoe
光矢 細江
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水素貯蔵器および燃料電池の発生熱を有効に
利用し得るようにした燃料電池発電システムを提供す
る。 【解決手段】 燃料電池発電システム1は,燃料電池3
と,その燃料電池3に水素を供給すべく水素吸蔵合金M
Hを有する水素貯蔵器6とを備えている。その水素貯蔵
器6は,燃料電池3との間に熱の授受を現出させるべ
く,その燃料電池3内に収容されている。水素吸蔵合金
への水素吸蔵過程でその合金が発熱すると、その発生熱
は燃料電池に伝播されて、その燃料電池が昇温し、起動
準備がなされる。また、熱の伝播は水素吸蔵合金の温度
上昇を抑えるので、合金の水素吸蔵が促進され、燃料電
池の昇温も進行する。水素吸蔵合金MHはMg系である
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池発電システ
ム,特に,燃料電池と,その燃料電池に水素を供給すべ
く水素吸蔵合金を有する水素貯蔵器とを備えたものの改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,この種の発電システムとしては,
燃料電池と水素貯蔵器とを別々に配設してその水素貯蔵
器から燃料電池に水素を供給するようにしたものが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来例に
おいては水素貯蔵器から水素を放出させるために専用の
加熱装置を備えなければならず,コストおよび設置スペ
ース上の問題を生じた。また燃料電池および水素貯蔵器
の発生熱が有効に利用されていない,といった問題もあ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は,水素貯蔵器お
よび燃料電池の発生熱を有効に利用し,また水素貯蔵器
から水素を放出させるための専用の加熱装置を不要にし
た前記燃料電池発電システムを提供することを目的とす
る。
【0005】前記目的を達成するため本発明によれば,
燃料電池と,その燃料電池に水素を供給すべく水素吸蔵
合金を有する水素貯蔵器とを備え,その水素貯蔵器は,
前記燃料電池との間に熱の授受を現出させるべく,その
燃料電池内に収容されている,燃料電池発電システムが
提供される。
【0006】前記構成において,水素吸蔵合金への水素
吸蔵過程でその合金が発熱すると,その発生熱は燃料電
池に伝播されて,その燃料電池が昇温し,起動準備がな
される。一方,この熱の伝播は水素吸蔵合金の温度上昇
を抑制するので,その合金による水素の吸蔵が促進さ
れ,同時に前記同様に燃料電池の昇温も進行する。爾
後,水素貯蔵器の水素の充填が終了し,また燃料電池の
起動準備が終了する。
【0007】水素貯蔵器内の水素圧は上昇しているの
で,貯蔵器の開閉弁を開くと水素が放出され,その水素
を燃料として燃料電池が起動し,次いで定常運転状態に
移行する。そして,今度は燃料電池の運転に伴う発生熱
が水素貯蔵器に伝播されるので,その水素貯蔵器から水
素が放出されて燃料電池の運転が続行される。
【0008】
【発明の実施の形態】〔実施例I〕図1において,燃料
電池発電システム1は断熱ハウジング2を有し,その断
熱ハウジング2内に,燃料電池としての固体電解質型燃
料電池3が収容されている。燃料電池3は容器4と,そ
の容器4内に収容された複数,実施例では便宜上,3つ
の平板状第1〜第3セル51 〜53 とを有する。
【0009】この発電システム1は,水素吸蔵合金MH
を有する水素貯蔵器6を備えており,その水素貯蔵器6
は燃料電池3の各セル51 〜53 に水素を供給する。水
素貯蔵器6は各セル51 〜53 との間に熱の授受を現出
させるべく,その燃料電池3の容器4内に収容されてい
る。
【0010】各セル51 〜53 は固体電解質7と,その
固体電解質7を挟む空気極8および燃料極9と,それら
両極8,9を挟む第1,第2インターコネクタ101
10 2 とよりなる。空気極8側の第1インターコネクタ
101 は,その空気極8との密着面に開口する複数の平
行な溝11を有し,各溝11に空気が供給される。また
燃料極9側の第2インターコネクタ102 は,その燃料
極9との密着面に開口し,且つ前記溝11と交差する関
係の複数の平行な溝12を有し,各溝12に水素が供給
される。
【0011】水素貯蔵器6は複数,実施例では便宜上,
第1〜第4貯蔵部61 〜64 に分割されており.各貯蔵
部61 〜64 は箱形器体13を有し,その器体13内に
水素吸蔵合金MHが収納されている。水素吸蔵合金MH
としては大なる水素吸蔵量(例えば,7wt%以上)を
有するMg系水素吸蔵合金が用いられる。これは以下の
実施例において同じである。第1,第2貯蔵部61 ,6
2 は第1セル51 を挟むように両インターコネクタ10
1 ,102 の外側に配置され,また第3貯蔵部63 は第
2貯蔵部62 と協働して第2セル52 を挟むべく第2イ
ンターコネクタ102 の外側に配置され,さらに第4貯
蔵部64 は第3貯蔵部63 と協働して第3セル53 を挟
むべく第2インターコネクタ102 の外側に配置されて
いる。
【0012】図2に明示するように,空気供給装置14
から延出する第1供給管151 の空気導入マニホルド1
6が第1〜第3セル51 〜53 における各第1インター
コネクタ101 の空気導入口に接続され,一方,各第1
インターコネクタ101 の排気導出口に排気管17の排
気マニホルド18が接続される。また第1〜第4貯蔵部
1 〜64 の出口oに,第2供給管152 の一端側に存
する水素受容マニホルド19が接続され,他端側に存す
る水素導入マニホルド20が第1〜第3セル5 1 〜53
における各第2インターコネクタ102 の水素導入口に
接続される。
【0013】第2供給管152 の水素受容マニホルド1
9および水素導入マニホルド20間に,その水素受容マ
ニホルド19側より順次,第1開閉弁211 ,水素冷却
用熱交換器22,第2開閉弁212 およびエゼクタ23
が装置される。各第2インターコネクタ102 の水素導
出口に第1戻し管241 の一端側に存する戻しマニホル
ド25が接続され,その他端側はエゼクタ23の吸込口
に接続される。
【0014】水素貯蔵器6には,その第1〜第4貯蔵部
1 〜64 の水素吸蔵合金MHに水素を吸蔵させるべ
く,次のような水素吸蔵装置26が付設されている。即
ち,第3供給管153 の一端側が,圧縮水素を有する水
素供給源27に接続され,その他端側に存する水素充填
マニホルド28が第1〜第4貯蔵部61 〜64 の入口i
に接続される。第3供給管153 の,水素供給源27お
よび水素充填マニホルド28間に第3開閉弁213 が装
置される。第2供給管152 の一部を共用すべく,その
供給管152 の,熱交換器22および第2開閉弁212
間に第2戻し管242 の一端側が接続され,その第2戻
し管242 の他端側は第3供給管153 の,第3開閉弁
213 および水素充填マニホルド28間に接続される。
第2戻し管242 に,熱交換器22より順次,第4開閉
弁214 ,一方向弁29および循環ポンプ30が装置さ
れ,その一方向弁29は水素供給源27から第2供給管
15 2 側への直接的な水素の流れを阻止する。
【0015】第1セル51 の第2インターコネクタ10
2 および第2セル52 の第1インターコネクタ101
ならびに第2セル52 の第2インターコネクタ102
よび第3セル53 の第1インターコネクタ101 間がそ
れぞれ導線31,32により接続される。また第1セル
1 の第1インターコネクタ101 に接続された導線3
3および第3セル53 の第2インターコネクタ102
接続された導線34が負荷35に接続される。
【0016】〔A〕水素貯蔵器6の第1〜第4貯蔵部6
1 〜64 への水素充填に当っては,第3,第1,第4開
閉弁213 ,211 ,214 を「開」,第2開閉弁21
2 を「閉」にし,次いで循環ポンプ30を作動させる。
水素供給源27からの水素は第3供給管153 およびそ
の水素充填マニホルド28を経て第1〜第4貯蔵部6 1
〜64 内に各入口iを通じて導入される。第1〜第4貯
蔵部61 〜64 内では水素吸蔵合金MHによる水素の吸
蔵が行われ,吸蔵されなかった水素は循環ポンプ30の
吸引力により水素吸蔵合金MH中より吸出され,第1開
閉弁211 および熱交換器22を経て第2戻し管242
に至り,第4開閉弁214 ,一方向弁29および循環ポ
ンプ30を経て第3供給管153 に戻され,再び第1〜
第4貯蔵部61 〜64 に導入されて吸蔵に付される。
【0017】第1〜第4貯蔵部61 〜64 における水素
吸蔵合金MHの水素吸蔵過程ではその合金MHが発熱
し,その発生熱は各器体13を通じて第1〜第3セル5
1 〜5 3 に伝播されて,それらセル51 〜53 を昇温
し,それらの起動準備がなされる。一方,この熱の伝播
は水素吸蔵合金MHの温度上昇を抑制するので,その合
金MHによる水素の吸蔵が促進され,同時に前記同様に
各セル51 〜53 の昇温も進行する。各貯蔵部61 〜6
4 で吸蔵されなかった水素は,吸蔵による発生熱で加熱
されているが,その高温水素は熱交換器22を通過する
とき熱を奪われて温度降下するので,次の吸蔵過程が支
障なく行われる。爾後,第1〜第4貯蔵部6 1 〜64
水素の充填が終了し,また第1〜第3セル51 〜53
起動準備が終了する。第1,第3,第4開閉弁211
213 ,214 を「閉」,第2開閉弁212 を「開」に
した後循環ポンプ30の作動を停止する。
【0018】〔B〕各貯蔵部61 〜64 内の水素圧は上
昇しているので,第1開閉弁211を開くと水素が放出
され,その水素は,第2供給管152 ,したがって水素
受容マニホルド19,第1開閉弁211 ,熱交換器2
2,第2開閉弁212 ,エゼクタ23および水素導入マ
ニホルド20を経た後第1〜第3セル51 〜53 の各第
2インターコネクタ102 内に導入されて,各溝12を
流通する。一方,空気供給装置14からの空気が第1供
給管151 の主管部およびその空気導入マニホルド16
を経た後第1〜第3セル51 〜53 の各第1インターコ
ネクタ101 内に導入されて,各溝11を流通する。こ
れにより第1〜第3セル51 〜53 が起動し,次いで定
常運転状態に移行する。そして,今度は第1〜第3セル
1 〜53の運転に伴う発生熱が第1〜第4貯蔵部61
〜64 に伝播されるので,それら貯蔵部61 〜64 から
水素が放出され,次いで熱交換器22により冷却された
後第1〜第3セル51 〜53 に導入され,これにより各
セル51 〜53 の運転が続行される。
【0019】各第2インターコネクタ102 の各溝12
を流通した余剰水素は水素導出口,第1戻し管241
戻しマニホルド25およびその主管部を経てエゼクタ2
3から第2供給管152 に戻される。また各第1インタ
ーコネクタ101 の各溝11を流通した余剰空気および
空気極8で生じた水蒸気は,排気導出口,排気管17の
排気マニホルド18およびその主管部を経て外部に排出
される。
【0020】〔C〕第1〜第3セル51 〜53 の運転を
停止させる場合は,第1,第2開閉弁211 ,222
「閉」にし,また空気供給装置14の作動を停止させ
る。
【0021】〔D〕前記のように,燃料電池3および水
素貯蔵器6を断熱ハウジング2内に収容すると,長期
間に亘り燃料電池3を起動可能温度以上に,また水素吸
蔵合金MHを水素放出可能温度以上に保持することがで
き,発電システム始動に際し,エネルギを投入する必要
がなく,省エネルギー化を図ることができる,両部材
3,6によるヒートマスの増加により保温期間を延ばす
ことができる,燃料電池3を起動および作動温度まで
加熱する際に,放散する熱量を低減して省エネルギ化を
図ることができる,燃料電池3の低出力運転時の温度
低下を抑制し,全域で安定した発電が可能となる,発
電システム全体の温度が均一化されるため,ヒートスポ
ットの発生を防止して固体電解質7等の劣化を防ぎ,長
期間に亘り安定した発電を行うことが可能となる。
【0022】〔E〕70kJ/mol−H2 といったよ
うに,大きな水素解離エネルギを持つMg系水素吸蔵合
金を用いることによって,燃料電池3の発生熱のほとん
どを直接水素吸蔵合金MHで吸熱することができるた
め,熱媒体循環システムを不要にして,発電システム全
体を小型,且つ簡素化することができる。また7wt%
以上(真密度基準の水素密度:0.13g−H2 /c
m3 )といったように大きな水素吸蔵量を持つMg系水
素吸蔵合金MHの全水素吸蔵量を使用することで,発電
システム全体を小型・軽量化することができる。さらに
燃料電池3の排熱を直接的に利用するようにしたので,
排熱の発生タイミングと量を水素吸蔵合金MHの必要と
する水素解離熱量,すなわち吸熱レスポンスと量に完全
にリンクまたは比例させることができ,これにより,発
電システムの温度制御を著しく容易にし,温度調節シス
テムを簡略化することができる。さらにまた,急激に燃
料電池3の温度が上昇した場合,水素吸蔵合金MHから
水素を急放出させて,燃料電池3の温度を自動的に下降
させることもできる。
【0023】〔F〕具体例 固体電解質の構成材料として,Ce0.8 Sm0.2 1.9
(以下,SDCと称す)を,また燃料極の構成材料とし
て,10wt%SDC−Niを,さらに空気極の構成材
料として,Sm0.5 Sr0.5 CoO3 をそれぞれ選定し
た。
【0024】10wt%SDC−Ni,ポリビニルア
ルコール(バインダ),セルロース(増孔剤)およびエ
タノール(溶媒)を混合して燃料極用スラリを調製し
た。そのスラリを用い,ドクタブレード法の適用下で
グリーンシートを成形し,次いでそのグリーンシートを
乾燥した。グリーンシートから縦横共に150mmの燃
料極用方形板を切出し,その方形板に1450℃,1時
間の焼結処理を施して板状燃料極を得た。板状燃料極
の一面にSDCをスクリーン印刷して固体電解質用皮膜
を形成し,次いで,この印刷物に1450℃,6時間の
焼結処理を施して燃料極および固体電解質よりなる焼結
板を得た。その焼結板の固体電解質表面にSm0.5
0.5 CoO3 をスクリーン印刷して空気極用皮膜を形
成し,次いで,この印刷物に950℃,4時間の焼結処
理を施して空気極を形成し,次いで焼結板にトリミング
加工を施して縦,横共に100mmの固体電解質−電極集
成体(MEA)を得た。
【0025】10枚の前記集成体をそれぞれステンレス
鋼製第1,第2インターコネクタ101 ,102 により
挟んで10個のセルを構成した。またステンレス鋼製器
体内に水素吸蔵合金として,水素吸蔵量が7.1wt%
のMg系合金(例えば,Mg 98Ni2 )を収納した11
個の貯蔵部を有する水素貯蔵器を用意した。10個のセ
ルと11個の貯蔵部とを図1の場合と同様に,相隣る両
セル間に1つの貯蔵部が位置し,また両側にそれぞれ貯
蔵部が位置するように組合せ,これをステンレス鋼製容
器内に収容して固体電解質型燃料電池を構成した。さら
にこの燃料電池をステンレス製真空断熱ハウジング内に
収容し,また各種の配管および配線を行って燃料電池発
電システムを構成した。
【0026】次いで,Mg系合金に水素を吸蔵させ,各
貯蔵部の温度が約350℃に達したとき水素吸蔵作業を
停止し,容器内の温度が約400℃に上昇したとき,各
セルに水素および空気(酸化剤)を供給して発電を行っ
たところ,0.12W/cm2の出力密度を確認すること
ができた。
【0027】また発電を停止した後,24時間経過後に
おける容器内の温度は385℃であり,この保温効果に
よって燃料電池の再起動を容易に行うことができた。
【0028】〔実施例II〕図3〜9において,燃料電池
発電システム1は断熱ハウジング2を有し,その断熱ハ
ウジング2内に,燃料電池としての固体電解質型燃料電
池3が収容されている。燃料電池3は容器4と,その容
器4内の一室である水素室36内に収容された複数,実
施例では便宜上,9つの円筒状第1〜第9セル主体部3
1 〜37 9 とを有する。
【0029】第1セル主体部371 は次のように構成さ
れている。即ち,その主体部371は,内部に空気通路
38を持つ多孔性基体管39と,その外周側に順次形成
された円筒状空気極8,円筒状固体電解質7および円筒
状燃料極9とを有する。各固体電解質7および各燃料極
9は,それらの母線方向に延びる割れ目40,41を有
し,固体電解質7の割れ目40の最外側縁部に設けられ
て相対向する2つの凸条42が燃料極9の割れ目41に
嵌着されている。各固体電解質7の割れ目40および両
凸条42間に,空気極8に接続されたインターコネクタ
44が嵌着され,またそのインターコネクタ44と反対
側において,燃料極9の外周面に,その母線方向に延び
る導電体45が固着されている。インターコネクタ44
はステンレス鋼よりなり,また導電体45はNi,ステ
ンレス鋼等のフェルト状発泡体よりなる。
【0030】第2〜第9セル主体部372 〜379 も前
記と同様の構造を有し,それら第1〜第9セル主体部3
1 〜379 は,1つの水素室36を共用することによ
って第1〜第9セル51 〜59 を構成する。
【0031】水素室36の相対向する両側壁内面にそれ
ぞれ集電体46,47が固着されており,一方の集電体
46に第1セル主体部371 のインターコネクタ44が
接続され,また導電体45が第2セル主体部372 のイ
ンターコネクタ44に接続される。また第2セル主体部
372 の導電体45は第3セル主体部373 のインター
コネクタ44に接続され,その第3セル主体部372
導電体45は他方の集電体47に接続される。このよう
な電気的接続構造は,列をなす第4〜第6セル主体部3
4 〜376 および第7〜第9セル主体部377 〜37
9 について同じである。
【0032】この発電システム1は,水素吸蔵合金MH
を有する水素貯蔵器6を備えており,その水素貯蔵器6
は燃料電池3の水素室36に水素を供給する。水素貯蔵
器6は各セル主体部371 〜379 との間に熱の授受を
現出させるべく,その燃料電池3の容器4内に収容され
ている。実施例における水素貯蔵器6は各セル主体部3
1 〜379 内に設けられた9つの内在型貯蔵部6A
と,各セル主体部371〜379 外に設けられた4つの
外在型貯蔵部6Bとよりなり,各内,外在型貯蔵部6
A,6Bは,下端壁に入口iを,また上端壁に出口oを
それぞれ有する円筒状器体48,49と,両器体48,
49内にそれぞれ収納された水素吸蔵合金MHとを有す
る。
【0033】第1セル主体部371 において,内在型貯
蔵部6Aの器体48はその外周面に母線方向に延びる複
数の凸条50を有し,その器体48は各凸条50の頂面
が多孔性基体管39の内周面に密着するようにその管3
9に嵌合されていて,相隣る両凸条50間が空気通路3
8となる。
【0034】各外在型貯蔵部6Bは,第1,第2,第
4,第5セル主体部371 ,372 ,374 ,375
より囲まれる空間,第2,第3,第5,第6セル主体部
372,373 ,375 ,376 により囲まれる空間,
第4,第5,第7,第8セル主体部374 ,375 ,3
7 ,378 により囲まれる空間および第5,第6,第
8,第9セル主体部375 ,376 ,378 ,379
より囲まれる空間にそれぞれ配置され,各燃料極9およ
び各器体49間にはセラミック製絶縁体51が介在す
る。
【0035】第1セル主体部371 において,多孔性基
体管39,空気極8,固体電解質7および燃料極9の長
さは等しい(インターコネクタ44および導電体45等
の長さは空気極8等より短い)が,内在型貯蔵部6Aの
器体48はそれらよりも長く,したがってその器体48
の両端部側は第1セル主体部371 の両端面より突出し
ている。これは第2〜第9セル主体部372 〜379
おいて同じである。また外在型貯蔵部6Bの各器体49
の長さは内在型貯蔵部6Aの各器体48の長さに等し
い。
【0036】燃料電池3の容器4内は第1〜第4仕切り
板521 〜524 によって5室に区画されている。第1
仕切り板521 は,容器4の上部端板53との間に放出
水素室54を形成すべく,図6に明示するように各器体
48,49の端部を貫通させる二種の複数の挿通孔5
5,56を有する。内在型貯蔵部6Aの器体48に対応
する挿通孔55は器体48の各凸条50に嵌合する複数
の凹条57を有し,この凹凸嵌合によって器体48周り
の各空気通路38の放出水素室54への連通が遮断され
る。外在型貯蔵部6Bの器体49に対応する挿通孔56
は器体49外周面に密着するように円形に形成されてい
る。各内,外在型貯蔵部6A,6Bの出口oは放出水素
室54にそれぞれ連通する。
【0037】第2仕切り板522 は,第1〜第9セル主
体部371 〜379 の環状上端面に気密性を以て当接し
て第1仕切り板521 との間に空気室58を形成すべ
く,図6に明示するように各器体48,49を貫通させ
る二種の複数の挿通孔59,60を有する。内在型貯蔵
部6Aの器体48に対応する挿通孔59は器体48の各
凸条50頂面と密着するように円形に形成され,これに
より空気室58が器体48周りの各空気通路38に連通
する。外在型貯蔵部6Bの器体49に対応する挿通孔6
0は器体49外周面に密着するように円形に形成されて
いる。
【0038】第4仕切り板524 は,容器4の下部端板
61との間に吸蔵水素室62を形成すべく,図7に明示
するように第1仕切り板521 と同様に,各器体48,
49の端部を貫通させる二種の複数の挿通孔63,64
を有する。内在型貯蔵部6Aの器体48に対応する挿通
孔63は器体48の各凸条50に嵌合する複数の凹条6
5を有し,この凹凸嵌合によって器体48周りの各空気
通路38の吸蔵水素室62への連通が遮断される。外在
型貯蔵部6Bの器体49に対応する挿通孔64は器体4
9外周面に密着するように円形に形成されている。各
内,外在型貯蔵部6A,6Bの入口iは吸蔵水素室62
にそれぞれ連通する。
【0039】第3仕切り板523 は,第1〜第9セル主
体部371 〜379 の環状下端面に気密性を以て当接し
て第2仕切り板522 との間に前記水素室36を形成す
ると共に第4仕切り板524 との間に排気室66を形成
すべく,図8に明示するように各器体48,49を貫通
させる二種の複数の挿通孔67,68を有する。内在型
貯蔵部6Aの器体48に対応する挿通孔67は器体48
の各凸条50頂面と密着するように円形に形成され,こ
れにより器体48周りの各空気通路38が排気室66に
連通する。外在型貯蔵部6Bの器体49に対応する挿通
孔68は器体49外周面に気密性を以て密着するように
円形に形成されている。
【0040】図9に示すように,空気供給装置14から
延出する第1供給管151 が空気室58の入口に接続さ
れ,また排気室66の出口に排気管17が接続される。
放出水素室54の出口および水素室36上部の入口間が
第2供給管152 により接続され,その第2供給管15
2 に,放出水素室54側より順次,第1開閉弁211
水素冷却用熱交換器22,第2開閉弁212 およびエゼ
クタ23が装置される。水素室36下部の出口に第1戻
し管241 の一端側が接続され,その他端側はエゼクタ
23の吸込口に接続される。
【0041】水素貯蔵器6の各内,外在型貯蔵部6A,
6Bに水素を吸蔵させるべく次のような水素吸蔵装置2
6が付設されている。即ち,第3開閉弁213 を有する
第3供給管153 の一端側が,圧縮水素を有する水素供
給源27に接続され,その他端側が吸蔵水素室62の入
口に接続される。第2供給管152 の一部を共用すべ
く,その供給管152 の,熱交換器22および第2開閉
弁212 間に第2戻し管242 の一端側が接続され,そ
の第2戻し管242 の他端側は第3供給管153の,第
3開閉弁213 および吸蔵水素室62の入口間に接続さ
れる。第2戻し管242 に,熱交換器22側より順次,
第4開閉弁214 ,一方向弁29および循環ポンプ30
が装置され,その一方向弁29は水素供給源27から第
2供給管152 側への直接的な水素の流れを阻止する。
【0042】図3に明示するように,両導線33,34
の一端が両集電体46,47にそれぞれ接続され,また
両導線33,34の他端が負荷35にそれぞれ接続され
る。
【0043】〔A〕水素貯蔵器6の各内,外在型貯蔵部
6A,6Bへの水素充填に当っては,第3,第1,第4
開閉弁213 ,211 ,214 を「開」,第2開閉弁2
2を「閉」にし,次いで循環ポンプ30を作動させ
る。水素供給源27からの水素は第3供給管153 およ
び吸蔵水素室62を経て各内,外在型貯蔵部6A,6B
内に各入口iを通じて導入される。各内,外在型貯蔵部
6A,6B内では水素吸蔵合金MHによる水素の吸蔵が
行われ,吸蔵されなかった水素は循環ポンプ30の吸引
力により水素吸蔵合金MH中より吸い出され,第1開閉
弁211 および熱交換器22を経て第2戻し管242
至り,第4開閉弁214 ,一方向弁29および循環ポン
プ30を経て第3供給管153 に戻され,再び吸蔵水素
室62より各内,外在型貯蔵部6A,6Bに導入されて
吸蔵に付される。
【0044】各内,外在型貯蔵部6A,6Bにおける水
素吸蔵合金MHの水素吸蔵過程ではその合金が発熱し,
各内在型貯蔵部6Aの発生熱は器体48を通じて各セル
主体部371 〜379 にその内側から直接的に伝播さ
れ,また各外在型貯蔵部6Bの発生熱は器体49を通じ
て各セル主体部371 〜379 にその外側から伝播さ
れ,これにより各セル主体部371 〜379 が昇温して
第1〜第9セル51 〜59の起動準備がなされる。一
方,この熱の伝播は水素吸蔵合金MHの温度上昇を抑制
するので,その合金MHによる水素の吸蔵が促進され,
同時に前記同様に各セル主体部371 〜379 の昇温も
進行する。各内,外在型貯蔵部6A,6Bで吸蔵されな
かった水素は,吸蔵による発生熱で加熱されているが,
その高温水素は熱交換器22を通過するとき熱を奪われ
て温度降下するので,次の吸蔵過程が支障なく行われ
る。爾後,各内,外在型貯蔵部6A,6Bの水素の充填
が終了し,また各セル51 〜59 の起動準備が終了す
る。第1,第3,第4開閉弁211 ,213 ,214
「閉」,第2開閉弁212 を「開」にした後循環ポンプ
30の作動を停止する。
【0045】〔B〕各内,外在型貯蔵部6A,6Bおよ
び放出水素室54内の水素圧は上昇しているので,第1
開閉弁211 を開くと水素が放出され,その水素は第2
供給管152 ,したがって第1開閉弁211 ,熱交換器
22,第2開閉弁212 およびエゼクタ23を経た後水
素室36に導入されてそこを満たす。一方,空気供給装
置14からの空気が第1供給管151 を経て空気室58
に導入されてそこを満たすと共に各空気通路38を流通
する。これにより各セル51 〜59 が起動し,次いで定
常運転状態に移行する。そして,今度は各セル51 〜5
9 の運転に伴う発生熱が各内在型貯蔵部6Aにはその外
周側から効率良く伝播され,また各外在型貯蔵部6Bに
も伝播されるので,各内,外在型貯蔵部6A,6Bから
水素が放出され,次いで熱交換器22により冷却された
後水素室36に導入され,これにより各セル51 〜59
の運転が続行される。
【0046】水素室36の余剰水素は,その出口から第
1戻し管241 を経てエゼクタ23より第2供給管15
2 に戻される。また各空気通路38を流通した余剰空気
および空気極8で生じた水蒸気は排気室66および排気
管17を経て外部に排出される。
【0047】〔C〕各セル51 〜59 の運転を停止させ
る場合は,第1,第2開閉弁211,212 を「閉」に
し,また空気供給装置14の作動を停止させる。
【0048】〔D〕具体例 固体電解質7の構成材料として,Ce0.8 Sm0.2
1.9 (以下,SDCと称す)を,また燃料極9の構成材
料として,10wt%SDC−Niを,さらに空気極8
の構成材料として,La0.6 Sr0.4 MnO3 をそれぞ
れ選定した。
【0049】カルシウム安定化ジルコニア粉末を用い
押出し成形を行うことによって多孔性基体管用成形管を
得た。成形管の外周面に,La0.6 Sr0.4 MnO3
をスラリーコート法により塗布して円筒状空気極用塗布
層を形成し,次いで,この積層管を乾燥し,その後,積
層管に1400℃,2時間の焼結処理を施して多孔性基
体管39および円筒状空気極8よりなる焼結管を得た。
その焼結管の外周面にSDCをスラリーコート法によ
り塗布して割れ目40等を持つ円筒状固体電解質用塗布
層を形成し,次いで,この積層管を乾燥し,その後積層
管に1400℃,10時間の焼結処理を施して多孔性基
体管39,円筒状空気極8および円筒状固体電解質7よ
りなる焼結管を得た。その焼結管の外周面に10wt
%SDC−Niをスラリーコート法により塗布して,割
れ目41を持つ円筒状燃料極用塗布層を形成し,次いで
この積層管を乾燥し,その後,積層管に1400℃,2
時間の焼結処理を施して,多孔性基体管39,円筒状空
気極8,円筒状固体電解質7および円筒状燃料極9より
なる,外径20mm,長さ1mの焼結管を得た。この焼
結管にインターコネクタ44および導電体45を取付け
て第1セル主体部371 を得た。
【0050】同様の方法で,第2〜第9セル主体部37
2 〜379 を製造した。
【0051】ステンレス鋼製器体48内に,水素吸蔵合
金MHとして,水素吸蔵量が7.3wt%のMg系合金
(例えば,Mg99Ni0.7 Fe0.3 )を収納した9つの
内在型貯蔵部6Aを第1〜第9セル主体部371 〜37
9 内にそれぞれ設置し,またステンレス鋼製器体49内
に前記同様の水素吸蔵合金MHを収納した4つの外在型
貯蔵部6Bを用意し,各セル主体部371 〜379 ,各
外在型貯蔵部6Bおよびステンレス鋼製容器4等を用い
て燃料電池3を構成し,またこの燃料電池3をステンレ
ス鋼製真空断熱ハウジング2内に収容し,また各種の配
管および配線を行って燃料電池発電システム1を構成し
た。
【0052】次いで,Mg系合金に水素を吸蔵させ,各
内,外在型貯蔵部6A,6Bの温度が約350℃に達し
たとき水素吸蔵作業を停止し,容器4内の温度が約40
0℃に上昇したとき,水素室36および空気室58に水
素および空気(酸化剤)をそれぞれ供給して発電を行っ
たところ,0.1W/cm2 の出力密度を確認することが
できた。
【0053】また発電を停止した後,24時間経過後に
おける容器4内の温度は385℃であり,この保温効果
によって燃料電池3の再起動を容易に行うことができ
た。
【0054】〔実施例III 〕図10〜16において,燃
料電池発電システム1は断熱ハウジング2を有し,その
断熱ハウジング2内に,燃料電池としての固体電解質型
燃料電池3が収容されている。燃料電池3は容器4と,
その容器4内の一室である空気室58内に収容された複
数,実施例では便宜上,9つの円筒状第1〜第9セル主
体部371 〜379 とを有する。
【0055】第1セル主体部371 は次のように構成さ
れている。即ち,その主体部371は,内部に水素通路
69を持つ円筒状燃料極9と,その外周側に順次形成さ
れた円筒状固体電解質7および円筒状空気極8とを有す
る。各固体電解質7および各空気極8は,それらの母線
方向に延びる割れ目40,41を有し,固体電解質7の
割れ目40の最外側縁部に設けられて相対向する2つの
凸条42が空気極8の割れ目41に嵌着されている。各
固体電解質7の割れ目40および両凸条42間に,燃料
極9に接続されたインターコネクタ44が嵌着され,ま
たそのインターコネクタ44と反対側において,空気極
8の外周面に,その母線方向に延びる導電体45が固着
されている。インターコネクタ44はステンレス鋼より
なり,また導電体45はNi,ステンレス鋼等のフェル
ト状発泡体よりなる。
【0056】第2〜第9セル主体部372 〜379 も前
記と同様の構造を有し,それら第1〜第9セル主体部3
1 〜379 は,1つの空気室58を共用することによ
って第1〜第9セル51 〜59 を構成する。
【0057】空気室58の相対向する両側壁内面にそれ
ぞれ集電体46,47が固着されており,一方の集電体
46に第1セル主体部371 のインターコネクタ44が
接続され,また導電体45が第2セル主体部372 のイ
ンターコネクタ44に接続される。また第2セル主体部
372 の導電体45は第3セル主体部373 のインター
コネクタ44に接続され,その第3セル主体部372
導電体45は他方の集電体47に接続される。このよう
な電気的接続構造は,列をなす第4〜第6セル主体部3
4 〜376 および第7〜第9セル主体部377 〜37
9 について同じである。
【0058】この発電システム1は,水素吸蔵合金MH
を有する水素貯蔵器6を備えており,その水素貯蔵器6
は燃料電池3の水素通路69に水素を供給する。水素貯
蔵器6は各セル主体部371 〜379 との間に熱の授受
を現出させるべく,その燃料電池3の容器4内に収容さ
れている。実施例における水素貯蔵器6は各セル主体部
371 〜379 内に設けられた9つの内在型貯蔵部6A
と,各セル主体部37 1 〜379 外に設けられた4つの
外在型貯蔵部6Bとよりなり,各内,外在型貯蔵部6
A,6Bは,下端壁に入口iを,また上端壁に出口oを
それぞれ有する円筒状器体48,49と,両器体48,
49内にそれぞれ収納された水素吸蔵合金MHとを有す
る。
【0059】第1セル主体部371 において,内在型貯
蔵部6Aの器体48はその外周面に母線方向に延びる複
数の凸条50を有し,その器体48は各凸条50の頂面
が円筒状燃料極9の内周面に密着するようにその燃料極
9に嵌合されていて,相隣る両凸条50間が水素通路6
9となる。
【0060】各外在型貯蔵部6Bは,第1,第2,第
4,第5セル主体部371 ,372 ,374 ,375
より囲まれる空間,第2,第3,第5,第6セル主体部
372,373 ,375 ,376 により囲まれる空間,
第4,第5,第7,第8セル主体部374 ,375 ,3
7 ,378 により囲まれる空間および第5,第6,第
8,第9セル主体部375 ,376 ,378 ,379
より囲まれる空間にそれぞれ配置され,各空気極8およ
び各器体49間にはセラミック製絶縁体51が介在す
る。
【0061】第1セル主体部371 において,空気極
8,固体電解質7および燃料極9の長さは等しい(イン
ターコネクタ44および導電体45の長さは空気極8等
より短い)が,内在型貯蔵部6Aの器体48はそれらよ
りも長く,したがってその器体48の両端部側は第1セ
ル主体部371 の両端面より突出している。これは第2
〜第9セル主体部372 〜379 において同じである。
また外在型貯蔵部6Bの各器体49の長さは内在型貯蔵
部6Aの各器体48の長さに等しい。
【0062】燃料電池3の容器4内は第1〜第4仕切り
板521 〜524 によって5室に区画されている。第1
仕切り板521 は,容器4の上部端板53との間に放出
水素室54を形成すべく,図13に明示するように各器
体48,49の端部を貫通させる二種の複数の挿通孔5
5,56を有する。内在型貯蔵部6Aの器体48に対応
する挿通孔55は器体48の各凸条50に嵌合する複数
の凹条57を有し,この凹凸嵌合によって器体48周り
の各水素通路69の放出水素室54への連通が遮断され
る。外在型貯蔵部6Bの器体49に対応する挿通孔56
は器体49外周面に密着するように円形に形成されてい
る。各内,外在型貯蔵部6A,6Bの出口oは放出水素
室54にそれぞれ連通する。
【0063】第2仕切り板522 は,第1〜第9セル主
体部371 〜379 の環状上端面に気密性を以て当接し
て第1仕切り板521 との間に水素導入室70を形成す
べく,図13に明示するように各器体48,49を貫通
させる二種の複数の挿通孔59,60を有する。内在型
貯蔵部6Aの器体48に対応する挿通孔59は器体48
の各凸条50頂面と密着するように円形に形成され,こ
れにより水素導入室70が器体48周りの各水素通路6
9に連通する。外在型貯蔵部6Bの器体49に対応する
挿通孔60は器体49外周面に密着するように円形に形
成されている。
【0064】第4仕切り板524 は,容器4の下部端板
61との間に吸蔵水素室62を形成すべく,図14に明
示するように第1仕切り板521 と同様に,各器体4
8,49の端部を貫通させる二種の複数の挿通孔63,
64を有する。内在型貯蔵部6Aの器体48に対応する
挿通孔63は器体48の各凸条50に嵌合する複数の凹
条65を有し,この凹凸嵌合によって器体48周りの各
水素通路69の吸蔵水素室62への連通が遮断される。
外在型貯蔵部6Bの器体49に対応する挿通孔64は器
体49外周面に密着するように円形に形成されている。
各内,外在型貯蔵部6A,6Bの入口iは吸蔵水素室6
2にそれぞれ連通する。
【0065】第3仕切り板523 は,第1〜第9セル主
体部371 〜379 の環状下端面に気密性を以て当接し
て第2仕切り板522 との間に前記空気室58を形成す
ると共に第4仕切り板524 との間に水素導出室71を
形成すべく,図15に明示するように各器体48,49
を貫通させる二種の複数の挿通孔67,68を有する。
内在型貯蔵部6Aの器体48に対応する挿通孔67は器
体48の各凸条50頂面と密着するように円形に形成さ
れ,これにより器体48周りの各水素通路69が水素導
出室71に連通する。外在型貯蔵部6Bの器体49に対
応する挿通孔68は器体49外周面に気密性を以て密着
するように円形に形成されている。
【0066】図16に示すように,空気供給装置14か
ら延出する第1供給管151 が空気室58上部の入口に
接続され,また空気室58下部の出口に排気管17が接
続される。放出水素室54の出口および水素導入室70
の入口間が第2供給管152により接続され,その第2
供給管152 に,放出水素室54側より順次,第1開閉
弁211 ,水素冷却用熱交換器22,第2開閉弁212
およびエゼクタ23が装置される。水素導出室71の出
口に第1戻し管241 の一端側が接続され,その他端側
はエゼクタ23の吸込口に接続される。
【0067】水素貯蔵器6の各内,外在型貯蔵部6A,
6Bに水素を吸蔵させるべく次のような水素吸蔵装置2
6が付設されている。即ち,第3開閉弁213 を有する
第3供給管153 の一端側が,圧縮水素を有する水素供
給源27に接続され,その他端側が吸蔵水素室62の入
口に接続される。第2供給管152 の一部を共用すべ
く,その供給管152 の,熱交換器22および第2開閉
弁212 間に第2戻し管242 の一端側が接続され,そ
の第2戻し管242 の他端側は第3供給管153の,第
3開閉弁213 および吸蔵水素室62の入口間に接続さ
れる。第2戻し管242 に,熱交換器22側より順次,
第4開閉弁214 ,一方向弁29および循環ポンプ30
が装置され,その一方向弁29は水素供給源27から第
2供給管152 側への直接的な水素の流れを阻止する。
【0068】図10に明示するように,両導線33,3
4の一端が両集電体46,47にそれぞれ接続され,ま
た両導線33,34の他端が負荷35にそれぞれ接続さ
れている。
【0069】〔A〕水素貯蔵器6の各内,外在型貯蔵部
6A,6Bへの水素充填に当っては,第3,第1,第4
開閉弁213 ,211 ,214 を「開」,第2開閉弁2
2を「閉」にし,次いで循環ポンプ30を作動させ
る。水素供給源27からの水素は第3供給管153 およ
び吸蔵水素室62を経て各内,外在型貯蔵部6A,6B
内に各入口iを通じて導入される。各内,外在型貯蔵部
6A,6B内では水素吸蔵合金MHによる水素の吸蔵が
行われ,吸蔵されなかった水素は循環ポンプ30の吸引
力により水素吸蔵合金MH中より吸い出され,第1開閉
弁211 および熱交換器22を経て第2戻し管242
至り,第4開閉弁214 ,一方向弁29および循環ポン
プ30を経て第3供給管153 に戻され,再び吸蔵水素
室62より各内,外在型貯蔵部6A,6Bに導入されて
吸蔵に付される。
【0070】各内,外在型貯蔵部6A,6Bにおける水
素吸蔵合金MHの水素吸蔵過程ではその合金が発熱し,
各内在型貯蔵部6Aの発生熱は器体48を通じて各セル
主体部371 〜379 にその内側から直接的に伝播さ
れ,また各外在型貯蔵部6Bの発生熱は器体49を通じ
て各セル主体部371 〜379 にその外側から伝播さ
れ,これにより各セル主体部371 〜379 が昇温して
第1〜第9セル51 〜59の起動準備がなされる。一
方,この熱の伝播は水素吸蔵合金MHの温度上昇を抑制
するので,その合金MHによる水素の吸蔵が促進され,
同時に前記同様に各セル主体部371 〜379 の昇温も
進行する。各内,外在型貯蔵部6A,6Bで吸蔵されな
かった水素は,吸蔵による発生熱で加熱されているが,
その高温水素は熱交換器22を通過するとき熱を奪われ
て温度降下するので,次の吸蔵過程が支障なく行われ
る。爾後,各内,外在型貯蔵部6A,6Bの水素の充填
が終了し,また各セル51 〜59 の起動準備が終了す
る。第1,第3,第4開閉弁211 ,213 ,214
「閉」,第2開閉弁212 を「開」にした後循環ポンプ
30の作動を停止する。
【0071】〔B〕各内,外在型貯蔵部6A,6Bおよ
び放出水素室54内の水素圧は上昇しているので,第1
開閉弁211 を開くと水素が放出され,その水素は第2
供給管152 ,したがって第1開閉弁211 ,熱交換器
22,第2開閉弁212 およびエゼクタ23を経た後水
素導入室70に導入されてそこを満たすと共に各水素通
路69を流通する。一方,空気供給装置14からの空気
が第1供給管151 を経て空気室58に導入されてそこ
を満たす。これにより各セル51 〜59 が起動し,次い
で定常運転状態に移行する。そして,今度は各セル51
〜59 の運転に伴う発生熱が各内在型貯蔵部6Aにはそ
の外周側から効率良く伝播され,また各外在型貯蔵部6
Bにも伝播されるので,各内,外在型貯蔵部6A,6B
から水素が放出され,次いで熱交換器22により冷却さ
れた後水素導入室70に導入され,これにより各セル5
1 〜59 の運転が続行される。
【0072】水素導出室71の余剰水素は,その出口か
ら第1戻し管241 を経てエゼクタ23より第2供給管
152 に戻される。また各空気室58の余剰空気および
空気極8で生じた水蒸気は排気管17を経て外部に排出
される。
【0073】〔C〕各セル51 〜59 の運転を停止させ
る場合は,第1,第2開閉弁211,212 を「閉」に
し,また空気供給装置14の作動を停止させる。
【0074】〔D〕具体例 固体電解質7の構成材料として,Ce0.8 Sm0.2
1.9 (以下,SDCと称す)を,また燃料極9の構成材
料として,10wt%SDC−Niを,さらに空気極8
の構成材料として,Sm0.5 Sr0.5 CoO3 をそれぞ
れ選定した。
【0075】10wt%SDC−Ni粉末を用い押出
し成形を行うことによって円筒状燃料極用成形管を成形
し,次いでこの成形管を乾燥し,その後,成形管に14
50℃,1時間の焼結処理を施して円筒状燃料極を得
た。円筒状燃料極の外周面に,SDCをスラリーコー
ト法により塗布して割れ目40等を持つ円筒状固体電解
質用塗布層を形成し,次いで,この積層管を乾燥し,そ
の後,積層管に1450℃,6時間の焼結処理を施して
円筒状燃料極9および円筒状固体電解質7よりなる焼結
管を得た。その焼結管の外周面にSm0.5 Sr0.5
oO3 をスラリーコート法により塗布して割れ目41を
持つ円筒状空気極用塗布層を形成し,次いでこの積層管
を乾燥し,その後,積層管に950℃,4時間の焼結処
理を施して,円筒状燃料極9,円筒状固体電解質7およ
び円筒状空気極8よりなる,外径20mm,長さ1mの焼
結管を得た。この焼結管にインターコネクタ44およ
び導電体45を取付けて第1セル主体部371 を得た。
【0076】同様の方法で,第2〜第9セル主体部37
2 〜379 を製造した。
【0077】ステンレス鋼製器体48内に,水素吸蔵合
金MHとして,水素吸蔵量が7.4wt%のMg系合金
(例えば,Mg99.5Ni0.3 Fe0.2 )を収納した9つ
の内在型貯蔵部6Aを第1〜第9セル主体部371 〜3
9 内にそれぞれ設置し,またステンレス鋼製器体49
内に前記同様の水素吸蔵合金MHを収納した4つの外在
型貯蔵部6Bを用意し,各セル主体部371 〜379
各外在型貯蔵部6Bおよびステンレス鋼製容器4等を用
いて燃料電池3を構成し,またこの燃料電池3をステン
レス鋼製真空断熱ハウジング2内に収容し,また各種の
配管および配線を行って燃料電池発電システム1を構成
した。
【0078】次いで,Mg系合金に水素を吸蔵させ,各
内,外在型貯蔵部6A,6Bの温度が約350℃に達し
たとき水素吸蔵作業を停止し,容器4内の温度が約40
0℃に上昇したとき,水素導入室70および空気室58
に水素および空気(酸化剤)をそれぞれ供給して発電を
行ったところ,0.1W/cm2 の出力密度を確認するこ
とができた。
【0079】また発電を停止した後,24時間経過後に
おける容器4内の温度は385℃であり,この保温効果
によって燃料電池3の再起動を容易に行うことができ
た。
【0080】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば,水素貯蔵
器および燃料電池の発生熱を有効に利用し,また水素貯
蔵器から水素を放出させるための専用の加熱装置を不要
にした燃料電池発電システムを提供することができる。
【0081】請求項2記載の発明によれば,燃料電池の
再起動性の良い燃料電池発電システムを提供することが
できる。
【0082】請求項3記載の発明によれば,大なる水素
貯蔵量を有する燃料電池発電システムを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池発電システムの第1実施例の要部破断
概略正面図である。
【図2】燃料電池発電システムの第1実施例の配管図で
ある。
【図3】燃料電池発電システムの第2実施例の概略平面
図である。
【図4】図3の4−4線拡大断面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図3の要部破断拡大部分平面図で,図4の6−
6線断面図に相当する。
【図7】図4の7−7線断面図である。
【図8】図4の8−8線断面図である。
【図9】燃料電池発電システムの第2実施例の配管図で
ある。
【図10】燃料電池発電システムの第3実施例の概略平
面図である。
【図11】図10の11−11線拡大断面図である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】図10の要部破断拡大部分平面図で,図11
の13−13線断面図に相当する。
【図14】図11の14−14線断面図である。
【図15】図11の15−15線断面図である。
【図16】燃料電池発電システムの第3実施例の配管図
である。
【符号の説明】
1…………燃料電池発電システム 2…………断熱ハウジング 3…………燃料電池 4…………容器 6…………水素貯蔵器 61 〜64 ……第1〜第4貯蔵部 6A………内在型貯蔵部 6B………外在型貯蔵部 MH………水素吸蔵合金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿屋 出 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 細江 光矢 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CX04 EE08 EE13 5H027 AA06 BA14 CC00 CC03 5H040 AA29 AT10 AY05 LL02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池(3)と,その燃料電池(3)
    に水素を供給すべく水素吸蔵合金(MH)を有する水素
    貯蔵器(6)とを備え,その水素貯蔵器(6)は,前記
    燃料電池(3)との間に熱の授受を現出させるべく,そ
    の燃料電池(3)内に収容されていることを特徴とする
    燃料電池発電システム。
  2. 【請求項2】 前記燃料電池(3)は断熱ハウジング
    (2)内に収容されている,請求項1記載の燃料電池発
    電システム。
  3. 【請求項3】 前記水素吸蔵合金(MH)はMg系合金
    である,請求項1または2記載の燃料電池発電システ
    ム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005026070A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Sony Corp 燃料電池
JP2008512611A (ja) * 2004-09-03 2008-04-24 グロス,カール 水素貯蔵および一体型燃料電池アセンブリ
WO2013107619A1 (de) * 2012-01-18 2013-07-25 Westfälische Hochschule Gelsenkirchen Bocholt Recklinghausen Vorrichtung zur energieumwandlung mit reversibler energiespeicherung

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