JP4751652B2 - 磁気スケール - Google Patents

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Description

本発明は位置検出に用いられる磁気スケールに関する。
プリンタの印字ヘッドの位置検出を行うための位置検出装置として次のようなものが提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、この位置検出装置は、印字ヘッドをガイドする軸状のガイドシャフトの外周面にガイドシャフトの長手方向に沿って設けた磁気目盛りを備えた磁気スケールと、印字ヘッドと一体的に設けられ磁気目盛りの磁界の変化を検出することで検出信号を出力する磁気センサとを備えている。
そして、この位置検出装置では、前記検出信号に基づいてガイドシャフトの長手方向における印字ヘッドの位置を得るようにしている。
このような磁気スケールを用いた位置検出装置は、位置検出が必要な種々の工作機械やプリンタ、自動機械などに広く適用されている。
特開昭62−226007号公報
ところで、上述した位置検出装置では、磁気スケールの磁性部材が外方に露出していることから、例えば、工作機械などに取り付けた場合に、磁性部材に物が当たるなどして磁性部材が損傷したり、あるいは、磁性部材に切削液が付着して磁性部材が劣化したりするなどが懸念され、磁気スケールの耐久性を確保する上で不利があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、磁性部材を確実に保護し耐久性を向上する上で有利な磁気スケールを提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の磁気スケールは、パイプ材と、厚さと前記厚さよりも大きな寸法の幅を有する帯板状を呈し、厚さ方向の一方の面である前面が前記パイプ材の内面に合わされ前記パイプ材の長手方向に平行させて前記パイプ材の内部に挿入されその延在方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁された磁気目盛りが形成された磁性部材と、弾性材料から形成され前記磁性部材の幅に対応した幅を有する帯板状を呈し、前記磁性部材の厚さ方向の他方の面である背面に合わされ前記背面に沿って延在する弾性板と、前記弾性板に対向する前記パイプ材の内面箇所と前記弾性板との間に配置され前記パイプ材の長手方向に沿って前記弾性板の幅方向の中央部を押圧し前記磁性部材の幅方向の中央部を前記パイプ材の内面に押圧する押圧部材とを備え、前記弾性板は前記押圧部材によりその幅方向の中央部が押圧された際に、前記磁性部材と共に前記パイプ材の内面に沿って円筒面状に変形し、前記弾性板に該弾性板が元の形状に復帰するよう弾性力が発生し、この弾性力により前記磁性部材の幅方向の全長にわたる部分が前記パイプ材の内面に押圧されるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、磁気目盛りが形成された磁性部材がパイプ材の内部に設けられているので、磁性部材をパイプ材によって保護でき、磁性部材に物があたって損傷したり、磁性部材に切削液が付着して磁性部材が劣化したりすることを防止でき、磁気スケールの耐久性を確保する上で有利となる。
また、押圧部材により押圧された弾性板の弾性力により磁性部材の幅方向の全長にわたる部分がパイプ材の内面に押圧されるので、磁性部材は、長手方向の全長にわたりパイプ材の内面に密着されることは無論のこと、幅方向の全長にわたってもパイプ材の内面に密着されることになり、磁性部材によって発生される磁束を効率的にパイプ材の外面に向けて放射させ該外面おける表面磁束密度を高めることができ、磁気スケールの外部に設けられた磁気センサで検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
(第1の実施の形態)
次に本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(A)は第1の実施の形態における磁気スケール10を用いた位置検出装置100の構成図である。
図2(A)は第1の実施の形態における磁気スケール10の断面図、(B)は(A)のB矢視図である。
図3は第1の実施の形態における磁気スケール10の磁性部材30と弾性板40の斜視図である。
図4は第1の実施の形態における磁気スケール10の部分拡大図である。
図1(A)に示すように、位置検出装置100は、磁気スケール10と、磁気スケール10によってその延在方向に移動可能に案内される検出ヘッド102を備えている。
図2(A)、(B)に示すように、磁気スケール10は、パイプ材20と、磁性部材30と、弾性板40と、押圧部材50とを備えている。
パイプ材20は断面が円筒の筒状に形成され、磁性部材30の磁力に磁性的に影響を与えない材料で形成されている。
本実施の形態では、パイプ材20の材料は、非磁性材料であるステンレスSUS304(JIS)が用いられる。なお、パイプ材20の材料としては磁性部材30の磁力に磁性的に影響を与えなければ弱い磁性を有するものであってもよい。なお、第2の実施の形態以下の実施の形態においてもパイプ材20の材料はこの第1の実施の形態と同様である。
図2、図3に示すように、磁性部材30は、厚さと前記厚さよりも大きな寸法の幅を有する帯板状を呈し、厚さ方向の一方の面である前面32と、他方の面である背面34とを有している。
磁性部材30は、前面32がパイプ材20の内面22に合わされパイプ材20の長手方向に平行させてパイプ材20の内部に挿入され、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁された磁気目盛りが形成されている。
磁性部材30は、着磁可能な材料であり、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に一定のピッチで着磁されることによって磁気目盛りが形成されている。言い換えると、磁性部材30には、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に変化する周期的信号を含む磁気目盛りが形成されている。さらに言い換えると、磁性部材30には、その延在方向に沿ってN極とS極が交互に変化する周期的な磁気パターンが記録されている。磁気パターンの記録方式は任意であり、例えば垂直磁気記録方式などが採用可能である。
磁性部材30は、本実施の形態では弾性材料としてのゴム磁石で形成されている。
図2、図3に示すように、弾性板40は、弾性材料から形成され磁性部材30の幅に対応した幅を有する帯板状を呈し、磁性部材30の背面34に合わされ背面34に沿って延在している。
本実施の形態では、弾性板40は平坦な平板からなる帯板状を呈し、弾性板40と磁性部材30の幅は同一の寸法で形成されている。
弾性板40は、図4に示すように、その幅方向の中央部が押圧された際に、磁性部材30と共にパイプ材20の内面22に沿って円筒面状に変形し、弾性板40に該弾性板40が元の形状に復帰するよう弾性力が発生し、この弾性力により磁性部材30の幅方向の全長にわたる部分をパイプ材20の内面22に押圧するように構成されている。
また、本実施の形態では、弾性板40は、磁性部材30の磁力が有効に発揮される材料で形成されている。より詳細には、弾性板40を構成する材料は、磁性部材30の磁界強度を高めることによりパイプ材20の外面における表面磁束密度を高める材料であり、このような材料として、ばね鋼板などのような磁性体を用いることができる。なお、第2の実施の形態以下の実施の形態においても弾性板40の材料はこの第1の実施の形態と同様である。
押圧部材50は、本実施の形態では、内側部材52と弾性部材54との2つの部材で構成されている。
内側部材52は、弾性板40に対向するパイプ材20の内面22箇所と弾性板40との間に配置されパイプ材20の長手方向に平行して延在して配設されている。
内側部材52は、パイプ材20の長手方向に沿って弾性板40の幅方向の中央部に当接可能な当接部5202が設けられている。本実施の形態では、内側部材52は、パイプ材20よりも外径の小さいパイプ材で構成され、市販品が採用可能である。したがって、当接部5202は、内側部材52をなすパイプ材の外周面の一部で構成されている。なお、内側部材52は、中実状の丸棒であってもよく、あるいは、断面が多角形状のパイプ材であってもよく、要するに弾性板40の幅方向の中央部を押圧できる部分を有すればよく内側部材52の形状は問わない。
弾性部材54は、パイプ材20の長手方向に沿って延在し、弾性板40とは反対に位置する内側部材52の箇所とこの内側部材52の箇所に対向するパイプ材20の内面22箇所との間に配設されている。
弾性部材54は、ばね鋼板が屈曲されることで構成され、2つの面部5402と、これら2つの面部5402を接続する屈曲部5404とで構成されている。
そして、2つの面部5402は内側部材52の外周面に弾接し、屈曲部5404と2つの面部5402の外縁はパイプ材20の内面22に弾接し、これにより当接部5202を弾性板40の幅方向の中央部に押圧し磁性部材30の幅方向の中央部をパイプ材20の内面22に押圧するように構成されている。
なお、押圧部材50、すなわち、内側部材52および弾性部材54は、磁性部材30の磁力に磁性的に影響を与えない材料で形成することが好ましく、例えば、合成樹脂あるいはアルミニウムなどの非磁性材料で形成することができる。なお、第2の実施の形態以下の実施の形態においても押圧部材50の材料はこの第1の実施の形態と同様である。
ただし、弾性板40が、磁性体で形成されている場合には、押圧部材50が磁力を発生してもその磁力が磁性部材30に与える影響を弾性板40で抑制できることから、押圧部材50として鉄などの磁性体を採用することも可能である。
次に、磁気スケール10の組み立てについて説明する。
磁性部材30および弾性板40は、パイプ材20への挿入前に、双方を予め組み付けてもよく、あるいは、パイプ材20への挿入後に、双方を組み付けるようにしてもよく、あるいは、ただ合わせるのみで組み付けなくてもよい。
この場合、磁性部材30と弾性板40の組み付けは、接着剤や両面粘着テープを用いるなど任意である。
また、内側部材52および弾性部材54は、パイプ材20への挿入前に、双方を予め組み付けてもよく、あるいは、パイプ材20への挿入後に、双方を組み付けるようにしてもよく、あるいは、ただ合わせるのみで組み付けなくてもよい。
この場合、内側部材52と弾性部材54の組み付けは、接着剤や両面粘着テープを用いるなど任意である。
なお、磁性部材30、弾性板40、内側部材52、弾性部材54をパイプ材20へ組み付けるに際し、例えば、磁性部材30、弾性板40、内側部材52をパイプ材20へ挿入後、最後に弾性部材54をパイプ材20へ挿入するなど種々の順番が考えられるが、どのような順番を採用するかは任意である。
磁性部材30に対する着磁、すなわち磁気目盛りの形成は、専用の着磁装置を用いてなされる。
着磁装置は、磁気ヘッドと、磁気ヘッドに駆動電流を供給することで磁気ヘッドから磁界を発生させる駆動回路とを有している。
前記着磁装置は、前記磁気ヘッドを磁性部材30に臨ませた状態で、磁気ヘッドを磁気部材30の長手方向に沿って相対的に移動させつつ、磁気ヘッドから磁性部材30に磁界を与えることで磁性部材30に一定ピッチのN極とS極を着磁し磁気目盛りを形成する。
なお、磁性部材30に対する磁気目盛りの形成は、磁性部材30をパイプ材20の内面22に取着した後、パイプ材20のパイプ材20の外面に磁気ヘッドを臨ませ、パイプ材20を通して前記磁界を与えることによって行ってもよいし、磁性部材30をパイプ材20に取着する前に磁性部材30単体に磁気ヘッドを直接臨ませて行っても良い。
ただし、磁性部材30をパイプ材20のパイプ材20の内面22に取着してから磁気目盛りを形成した場合には、磁性部材30の内面22に対する取り付け誤差や、パイプ材20の変形が磁性部材30のN極とS極のピッチに与える影響を除くことができるため、磁性部材30を単体で着磁して磁気目盛りを形成する場合に比較して、磁気目盛りの精度を確保でき検出ヘッド102(図1参照)によって検出信号を精度よく検出する上で有利である。
また、前述したような磁性部材30の磁力が有効に発揮される材料で形成された弾性板40を用いた場合には、磁性部材30の着磁の際、このような弾性板40を用いない場合に比較して磁性部材30を強く着磁できるため、磁性部材30の磁界強度を高めることによりパイプ材20の外面における表面磁束密度を高めることができるという効果がある。
図1(A)に示すように、検出ヘッド102は、スライドベース104と、磁気センサ106を備えている。
スライドベース104は、パイプ材20が挿通される軸受けを有し、その軸受けを介してパイプ材20の延在方向にスライド可能に支持されている。
磁気センサ106は、スライドベース104に組み込まれ、磁気スケール10の磁性部材30に一定の間隔をおいて対面するように配置されている。
磁気センサ106は、磁界を検出して磁界の強度に応じた検出信号を出力するものであり、本実施の形態では磁気抵抗素子(MRセンサ)が用いられている。磁気抵抗素子は、その磁気抵抗素子に与えられる磁界の変化に応じて電気抵抗が変化するものである。
したがって、検出ヘッド102がパイプ材20の延在方向に沿って移動しつつ磁気目盛りを検出すると、磁気センサ106から周期的に増減する(例えば正弦波状に変換する)検出信号を得ることができる。
このような検出信号を磁気センサ106からリード線108を介して従来公知の検出回路に供給することでこの検出回路により検出ヘッド102の磁気スケール10に対する相対的変位量が検出される。
本実施の形態の磁気スケール10によれば、図4に示すように、弾性部材54の弾性力により、内側部材52の円筒面状の外周部である当接部5202が弾性板40の幅方向の中央部を押圧し磁性部材30の幅方向の中央部をパイプ材20の内面22に押圧する。
この内側部材52の押圧により、磁性部材30および弾性板40はパイプ材20の内面22に倣って円筒面状に変形する。
したがって、磁性部材30の幅方向の中央部は、弾性部材54の弾性力により内側部材52を介してパイプ材20の内面22に押圧され、また、円筒面状に変形された弾性板40が元の形状に復帰しようとする弾性力により、磁性部材30の前面32の幅方向の全長にわたる部分はパイプ材20の内面22に押圧される。
これらにより磁性部材30は、長手方向の全長にわたりパイプ材20の内面22に密着されることは無論のこと、幅方向の全長にわたってもパイプ材20の内面22に密着されることになり、磁性部材30によって発生される磁束を効率的にパイプ材20の外面に向けて放射させ該外面おける表面磁束密度を高めることができ、磁気センサ106で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
したがって、本実施の形態の磁気スケール10によれば、磁気目盛りが形成された磁性部材30がパイプ材20の内部に設けられているので、磁性部材30をパイプ材20によって保護でき、磁性部材30に物があたって損傷したり、磁性部材30に切削液が付着して磁性部材30が劣化したりすることを防止でき、磁気スケール10の耐久性を確保する上で有利となる。
また、パイプ材20の内外径や曲率に寸法のばらつきがあった場合でも、あるいは内側部材52の内外径や曲率に寸法のばらつきがあった場合でも、内側部材52により弾性板40の幅方向の中央部を押圧し、磁性部材30および弾性板40をパイプ材20の内面22に倣って円筒面状に変形させる構成であるので、磁性部材30をパイプ材20の内面22に確実に密着させることが可能となり、表面磁束密度を高め、磁気センサ106で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
また、弾性板40、内側部材52、弾性部材54を用いることで磁気スケール10を簡単に組み立てることができるとともに、磁性部材30によって発生される磁束を効率的にパイプ材20の外面に向けて放射させ該外面おける表面磁束密度を高めることができるため、このような磁気スケール10を位置検出装置100に用いた場合に、検出ヘッド102の磁気センサ106で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
また、本実施の形態の磁気スケール10によれば、磁性体からなる弾性板40によって磁性部材30の背面34の全域を覆うことにより、磁性部材30の磁界強度を高めパイプ材20の外面における表面磁束密度をさらに高めることができるので、このような磁気スケール10を位置検出装置100に用いた場合に、検出ヘッド102の磁気センサ106で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上でより有利となる。
また、本実施の形態のように、位置検出装置100として磁気スケール10を用いた場合には、磁性部材30がパイプ材20の内部に設けられているため、パイプ材20を、検出ヘッド102をスライド可能に支持する案内部材として兼用でき、案内部材を別に設ける場合に比較してコストを削減でき小型化を図る上で有利となる。
なお、本発明の磁気スケール10は、図1(A)のように、検出ヘッド102がパイプ材20に組み込まれた組み込みタイプの位置検出装置100に限られるものではなく、図1(B)に示すように、検出ヘッド102がパイプ材20によってスライド可能に支持されておらずパイプ材20から分離して設けられる、いわゆるセパレートタイプの位置検出装置100にも適用可能である。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
図5(A)、(B)は第2の実施の形態における磁気スケール10の断面図である。なお、以下では、第1の実施の形態と同一の箇所、部材に同一の符号を付して説明する。
第2の実施の形態では、押圧部材50の構成が第1の実施の形態と異なっており、磁性部材30および弾性板40の構成は第1の実施の形態と同様である。
押圧部材50は、パイプ材20の内部でパイプ材20の長手方向に延在している。
押圧部材50の外周部は、外周面部56とカム面58とを有している。
外周面部56は、パイプ材20の内面22に係合可能な円筒面で形成されている。
カム面58は、外周面部56よりも小さい輪郭で形成されている。
カム面58は、パイプ材20の内部で外周面部56をパイプ材20の内面22に接触した状態で弾性板40から離れあるいは弾性板40に接する第1カム面部5802と、第1カム面5802とは周方向に位相をずらした箇所で弾性板40の幅方向の中央部を押圧し磁性部材30の幅方向の中央部をパイプ材20の内面22に押圧する第2カム面部5804とを有している。
次に、磁気スケール10の組み立てについて説明する。
磁性部材30および弾性板40は、パイプ材20への挿入前に、双方を予め組み付けてもよく、あるいは、パイプ材20への挿入後に、双方を組み付けるようにしてもよく、あるいは、ただ合わせるのみで組み付けなくてもよい。
この場合、磁性部材30と弾性板40の組み付けは、接着剤や両面粘着テープを用いるなど任意である。
磁性部材30、弾性板40、押圧部材50をパイプ材20へ組み付けるに際し、種々の順番が考えられ、どのような順番を採用するかは任意であるが、次のように組み付けを行うと組み付けが簡単になされ、作業効率を高める上で有利となる。
まず、パイプ材20の内部に磁性部材30および弾性板40を挿入する。
その後、磁性部材30および弾性板40が第1カム面部5802に臨むように、パイプ材20の内部に押圧部材50を挿入する。
あるいは、パイプ材20の内部に押圧部材50を挿入する。
その後、第1カム面部5802に臨むように磁性部材30および弾性板40をパイプ材20の内部に挿入する。
次に、パイプ材20の内部でパイプ材20の軸心の回りに、押圧部材50を回転し、第2カム面部5804により弾性板40の幅方向の中央部を押圧し、これにより磁性部材30の幅方向の中央部をパイプ材20の内面22に押圧する。
これにより、第1の実施の形態と同様に、磁性部材30および弾性板40はパイプ材20の内面22に倣って円筒面状に変形する。
したがって、磁性部材30の幅方向の中央部は、第2カム面部5804によりパイプ材20の内面22に押圧され、また、円筒面状に変形された弾性板40が元の形状に復帰しようとする弾性力により、磁性部材30の幅方向の全長にわたる部分もパイプ材20の内面22に押圧される。
これらにより磁性部材30は、長手方向の全長にわたりパイプ材20の内面22に密着されることは無論のこと、幅方向の全長にわたってもパイプ材20の内面22に密着されることになり、磁性部材30によって発生される磁束を効率的にパイプ材20の外面に向けて放射させ該外面おける表面磁束密度を高めることができ、磁気センサ106で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
このような第2の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
図6は第3の実施の形態における磁気スケール10の断面図、図7は図6における帯状部材60の斜視図である。
図8は第3の実施の形態における他の例を示す磁気スケール10の断面図、図9は図8における帯状部材60の斜視図である。
第3の実施の形態では、磁性部材30および弾性板40の一方と、押圧部材50の構成が第1の実施の形態と異なっている。
第3の実施の形態では、磁性部材30の背面に弾性板40が合わされて、厚さと、この厚さよりも大きな寸法の幅と、この幅よりも大きな寸法の長さを有する帯状部材60が構成されている。
帯状部材60は、その幅方向に沿って厚さが次第に変化するように形成されている。
押圧部材50は、断面が細長形状の部材で形成され、パイプ材20の内部でパイプ材20の長手方向に延在している。
押圧部材50は、その断面の長手方向を帯状部材60の幅方向中央に向けて配置され、その断面の長手方向の一端がパイプ材20の内面22に当接し、長手方向の他端が弾性板40の幅方向の中央部を押圧し、磁性部材30の幅方向の中央部をパイプ材20の内面22に押圧している。
図6、図7に示す磁気スケール10では、磁性部材30は、均一の厚さと前記厚さよりも大きな寸法の幅を有する帯板状を呈し、厚さ方向の一方の面である前面32と、他方の面である背面34とを有している。
磁性部材30は、前面32がパイプ材20の内面22に合わされパイプ材20の長手方向に平行させてパイプ材20の内部に挿入され、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁された磁気目盛りが形成されている。
また、弾性板40は、弾性材料から形成され磁性部材30の幅に対応した幅を有する帯板状を呈し、磁性部材30の背面34に合わされ背面34に沿って延在している。
本実施の形態では、弾性板40は、磁性部材30の背面34に合わされる合わせ面部4010と、合わせ面部4010の幅方向の両側から屈曲され磁性部材30の幅方向両側の側面に係合する屈曲面部4012とで構成されている。
また、弾性板40は、厚さがその幅方向に沿って次第に変化するように形成されている。
図8、図9に示す磁気スケール10では、磁性部材30は、厚さと前記厚さよりも大きな寸法の幅を有する帯板状を呈し、厚さ方向の一方の面である前面32と、他方の面である背面34とを有している。
磁性部材30は、厚さがその幅方向に沿って次第に変化するように形成されている。
磁性部材30は、前面32がパイプ材20の内面22に合わされパイプ材20の長手方向に平行させてパイプ材20の内部に挿入され、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁された磁気目盛りが形成されている。
弾性板40は、弾性材料から形成され磁性部材30の幅に対応した幅を有する帯板状を呈し、磁性部材30の背面34に合わされ背面34に沿って延在している。
本実施の形態では、弾性板40は、磁性部材30の背面34に合わされる合わせ面部4010と、合わせ面部4010の幅方向の両側から屈曲され磁性部材30の幅方向両側の側面に係合する屈曲面部4012とで構成され、それら合わせ面部4010および屈曲面部4012は均一の厚さで形成されている。
次に、上記の帯状部材60を備えた磁気スケール10の組み立てについて説明する。
磁性部材30および弾性板40は、パイプ材20への挿入前に、双方を予め組み付けてもよく、あるいは、パイプ材20への挿入後に、双方を組み付けるようにしてもよく、あるいは、ただ合わせるのみで組み付けなくてもよい。
この場合、磁性部材30と弾性板40の組み付けは、接着剤や両面粘着テープを用いるなど任意である。
磁性部材30、弾性板40、押圧部材50をパイプ材20へ組み付けるに際し、種々の順番が考えられ、どのような順番を採用するかは任意であるが、次のように組み付けを行うと組み付けが簡単になされ、作業効率を高める上で有利となる。
まず、パイプ材20の内部に磁性部材30および弾性板40、すなわち帯状部材60を挿入する。
その後、押圧部材50を、その断面の長手方向を、帯状部材60の幅方向で厚さの小さい箇所に向けてパイプ材20の内部に挿入する。
次に、パイプ材20の内部でパイプ材20の軸心の回りに、押圧部材50を回転し、押圧部材50のその断面の長手方向の端部で弾性板40の幅方向の中央部を押圧し、これにより磁性部材30の幅方向の中央部をパイプ材20の内面22に押圧する。
これにより、第1の実施の形態と同様に、磁性部材30および弾性板40はパイプ材20の内面22に倣って円筒面状に変形する。
したがって、磁性部材30の幅方向の中央部は、押圧部材50によりパイプ材20の内面22に押圧され、また、円筒面状に変形された弾性板40が元の形状に復帰しようとする弾性力により、磁性部材30の幅方向の全長にわたる部分がパイプ材20の内面22に押圧される。
これらにより磁性部材30は、長手方向の全長にわたりパイプ材20の内面22に密着されることは無論のこと、幅方向の全長にわたってもパイプ材20の内面22に密着されることになり、磁性部材30によって発生される磁束を効率的にパイプ材20の外面に向けて放射させ該外面おける表面磁束密度を高めることができ、磁気センサ106で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
このような第3の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
なお、弾性板40の幅方向の中央を押圧する押圧部材50の箇所は、パイプ材20の長手方向に連続して延在していてもよく、あるいは、パイプ材20の長手方向に間隔をおいて複数設けられていてもよい。
なお、各実施の形態では、磁性部材30としてゴム磁石を用いた場合について説明したが、磁性部材はこれに限定されるものではなく、例えば、プラスチック磁石、磁性体塗布材、希土類系磁性体、フェライト系磁性体など着磁可能なものであればよい。
第1の実施の形態における磁気スケール10を用いた位置検出装置100の構成図である。 (A)は第1の実施の形態における磁気スケール10の断面図、(B)は(A)のB矢視図である。 第1の実施の形態における磁気スケール10の磁性部材30と弾性板40の斜視図である。 第1の実施の形態における磁気スケール10の部分拡大図である。 (A)、(B)は第2の実施の形態における磁気スケール10の断面図である。 第3の実施の形態における磁気スケール10の断面図である。 図6における帯状部材60の斜視図である。 第3の実施の形態における他の例を示す磁気スケール10の断面図である。 図8における帯状部材60の斜視図である。
符号の説明
10……磁気スケール、20……パイプ材、22……内面、30……磁性部材、40……弾性板、50……押圧部材。

Claims (7)

  1. パイプ材と、
    厚さと前記厚さよりも大きな寸法の幅を有する帯板状を呈し、厚さ方向の一方の面である前面が前記パイプ材の内面に合わされ前記パイプ材の長手方向に平行させて前記パイプ材の内部に挿入されその延在方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁された磁気目盛りが形成された磁性部材と、
    弾性材料から形成され前記磁性部材の幅に対応した幅を有する帯板状を呈し、前記磁性部材の厚さ方向の他方の面である背面に合わされ前記背面に沿って延在する弾性板と、
    前記弾性板に対向する前記パイプ材の内面箇所と前記弾性板との間に配置され前記パイプ材の長手方向に沿って前記弾性板の幅方向の中央部を押圧し前記磁性部材の幅方向の中央部を前記パイプ材の内面に押圧する押圧部材とを備え、
    前記弾性板は前記押圧部材によりその幅方向の中央部が押圧された際に、前記磁性部材と共に前記パイプ材の内面に沿って円筒面状に変形し、前記弾性板に該弾性板が元の形状に復帰するよう弾性力が発生し、この弾性力により前記磁性部材の幅方向の全長にわたる部分が前記パイプ材の内面に押圧されるように構成されている、
    ことを特徴とする磁気スケール。
  2. 前記押圧部材は、前記弾性板に対向する前記パイプ材の内面箇所と前記弾性板との間に配置され前記パイプ材の長手方向に平行して延在し前記パイプ材の長手方向に沿って前記弾性板の幅方向の中央部に当接可能な当接部を有する内側部材と、前記パイプ材の長手方向に沿って延在し前記弾性板とは反対に位置する前記内側部材の箇所とこの内側部材の箇所に対向する前記パイプ材の内面箇所との間に配設され前記当接部を前記弾性板の幅方向の中央部に押圧し前記磁性部材の幅方向の中央部を前記パイプ材の内面に押圧する弾性部材との2つの部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
  3. 前記弾性板は平坦な平板からなる帯板状を呈していることを特徴とする請求項2記載の磁気スケール。
  4. 前記押圧部材の外周部は、前記パイプ材の内面に係合可能な外周面部と、前記外周面部よりも小さい輪郭のカム面とを有し、前記カム面は、前記パイプ材の内部で前記外周面部を前記パイプ材の内面に接触した状態で前記弾性板から離れあるいは前記弾性板に接する第1カム面部と、前記第1カム面とは周方向に位相をずらした箇所で前記弾性板の幅方向の中央部を押圧し前記磁性部材の幅方向の中央部を前記パイプ材の内面に押圧する第2カム面部とを有していることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
  5. 前記磁性部材の背面に前記弾性板が合わされて帯状部材が構成され、前記帯状部材は、その幅方向に沿って厚さが次第に変化するように形成され、前記押圧部材は断面が細長形状の部材で構成され、その断面の長手方向の一端が前記パイプ材の内面に当接し、その断面の長手方向の他端が前記弾性板の幅方向の中央部を押圧し前記磁性部材の幅方向の中央部を前記パイプ材の内面に押圧するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
  6. 前記磁性部材は均一の厚さで形成され、前記弾性板は幅方向に沿って厚さが変化するように形成されていることを特徴とする請求項記載の磁気スケール。
  7. 前記弾性板は均一の厚さで形成され、前記磁性部材は幅方向に沿って厚さが変化するように形成されていることを特徴とする請求項記載の磁気スケール。
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