JP4750836B2 - 作業車両の車速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フォークリフト等の作業車両の車速を制御する装置に関するものである。
フォークリフトの構成を、図1に概略示す。
同図1に示すように、フォークリフト100では、エンジン1の出力がトルクコンバータ2、トランスミッション(走行用クラッチ)3、ユニバーサルジョイント21、デファレンシャルギア4を介して駆動輪5に伝達される。一方、エンジン1の出力は、油圧ポンプ6、操作弁7、油圧シリンダ8を介して作業機9に伝達される。走行用クラッチ3は、油圧クラッチであり、前進用クラッチ3Fと、後進用クラッチ3Rとからなる。
アクセルペダル(ドライブペダル)10は、オペレータによって操作され、アクセルペダル10に設けられたストロークセンサ10aで操作量(ストローク量)Sが検出され、操作量Sを示す信号が、コントローラ30に入力される。
トランスミッション3の出力軸には、フォークリフト100の実車速vrを検出する実車速検出センサ11が設けられている。実車速検出センサ11で検出された実車速を示す信号は、コントローラ30に入力される。
作業機用操作レバー12は、オペレータによって操作され、操作量に応じて操作弁7の弁位置が変化し、操作量に応じた流量の圧油が、油圧ポンプ6から操作弁7を経由して油圧シリンダ8に供給される。作業機操作レバー12に設けられたストロークセンサ12aで操作量(ストローク量)Wが検出され、作業機用操作レバー12の操作量Wを示す信号は、コントローラ30に入力される。
また、駆動輪5には、駆動輪5を制動する油圧ブレーキ13が設けられている。油圧ブレーキ13は、手動で操作することもできるが、後述するようにコントローラ30によって制御され、制動力が調整される。
コントローラ30には、図2に示すように、アクセルペダル10のストロークセンサ10aから出力される操作量Sに対応する目標車速Vpが設定されており、コントローラ30は、この目標車速Vpと、実車速検出センサ11で検出された実車速vrとの偏差が零になるように、車速を制御する。具体的には、走行用クラッチ3の係合度合い、油圧ブレーキ12の制動力、エンジン1の回転数を制御することで、車速が目標車速に調整される。
前進用クラッチ3F、後進用クラッチ3R、油圧ブレーキ13それぞれには、制御弁14、15、16が対応して設けられている。制御弁14に加えられる制御電気信号に応じて前進用クラッチ3Fのクラッチ圧が変化し、前進用クラッチ3Fの係合度合いが変化する。同様に、制御弁15に加えられる制御電気信号に応じて後進用クラッチ3Rのクラッチ圧が変化し、後進用クラッチ3Rの係合度合いが変化する。また制御弁16に加えられる制御電気信号に応じて油圧ブレーキ13のブレーキ圧が変化し、油圧ブレーキ13の制動力が変化する。
また、コントローラ30には、アクセルペダル10の操作量Sに対応する目標車速が設定されているとともに、作業機用操作レバー12の操作量Wに対応するエンジン1の目標回転数NEp2が設定されている。なお、後述するクラッチ係合度合い、油圧ブレーキ制動力の調整だけで、アクセルペダル操作量Sに応じた目標車速に到達しない場合には、エンジン目標回転数を上昇させる制御が行われる。この制御を行うために、エンジン目標回転数NEp1がフィードバック量から演算によって求められる。この場合、両エンジン目標回転数NEp1、NEp2のうち大きい方のエンジン目標回転数NEpが選択され、このエンジン目標回転数NEpにするための制御信号がスロットルアクチュエータ17に出力される。エンジン1の実際の回転数Nrは、エンジン回転数検出センサ20で検出され、コントローラ30に入力される。コントローラ30は、エンジン1の実際の回転数Nrをフィードバック量として目標回転数NEpが得られるようにスロットルアクチュエータ17を制御する。
コントローラ30は、制御信号を、各制御弁14、15、16の電磁ソレノイドに加え、前進用クラッチ3F、後進用クラッチ3Rの係合度合い、油圧ブレーキ13の制動力を制御する。このようにコントローラ30は、エンジン1の回転数、走行用クラッチ3、油圧ブレーキ13を制御して、車速を目標車速に調整している。
下記特許文献1には、上述したような、コントローラ30で、アクセルペダル10から出力される操作量に対応する目標車速を設定し、この目標車速と、実車速検出センサ11で検出された実車速との偏差が零になるように、車速を制御するという技術が記載されている。
特許第2811523号公報
しかし、上述したようにアクセルペダル10の操作量Sに応じて目標車速Vpが設定されたとしても、駆動トルク(走行抵抗)が大きいと、実車速vrは、長時間を要しても目標車速Vpに到達しないことがある。
すなわち、ステアリングをフルに切った状態で旋回走行するときなどには、駆動トルク(走行抵抗)が大きくなり、長時間経過しても実車速vrは目標車速Vpに到達しないことがある。
また、フォークリフト100は、図1に示すように、1つのエンジン1の出力が、走行(駆動輪5)、作業(作業機9)の双方に用いられるため、作業にエンジン1の出力がどれだけ費やされるか、つまり作業機負荷の大きさ如何によって目標車速Vpに実車速vrが到達するまでの時間が、左右される。このため、作業機負荷が大きいと、実車速vrは、長時間を要しても目標車速Vpに到達しないことがある。
すなわち、作業機9が大重量の荷役を持ち上げている場合などには、作業機9にかかる負荷が大きく、エンジン1の出力の多くが作業(作業機9)に使われるため、走行(駆動輪5)にまわせるエンジン出力が減少し、長時間経過しても実車速vrが目標車速Vpに到達しないことがある。
以下、図4を用いて説明する。
図4は、時間tと車速との関係を示す。図2において太実線は、目標車速Vpを示し、破線は実車速vrを示す。
負荷(駆動トルク、作業機負荷)が大きい場合に、アクセルペダル10を踏み込んで操作量Sを増大させていくと、ある実車速vr1までは目標車速Vpに追随して上昇するが、負荷が大きいために、その一定車速vr1以上には、長時間経過しても上昇しない。
そのような状態からそれまで作用していた負荷が時刻t1で抜けると(たとえば旋回走行から直進走行に移行したり、荷役作業が終了したりすると)、フォークリフト100は目標車速Vpに向かって急加速してしまう。
すなわちオペレータは、負荷が大きいときには、思ったとおりの車速が得られないため、アクセルペダル10をフルストロークまで踏み込んでしまうことがある。このため負荷大のときには、目標車速が大きくなり、この大きな目標車速Vp1と実車速vr1との差ΔV1が大きくなってしまう。そこで、負荷が抜けてしまうと、その大きな偏差ΔV1を埋めるために、フォークリフト100は目標車速Vp1に向かって急加速する。図4で、急加速して実車速vrが目標車速Vp1に到達するまでの速度変化を61で示す。
オペレータは、急加速に気がついて、アクセルペダル10の踏み込み量を小さくするが、目標車速を小さくするまでの短時間でフォークリフト100は急加速してしまい、り車体やオペレータ自身にショックを与えてしまう。また、車体はオペレータの意思に反した挙動を示しオペレータに操作感覚の違和感を与えてします。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、大きな負荷がかかることによって車速が目標車速に到達しない状態から負荷が抜けた状態に移行した時点で生じる急加速を防止し、それによるショックを低減したり操作感覚の違和感を取り除くことを、解決課題とするものである。
第1発明は、
エンジンの出力を走行用クラッチを介して駆動輪に伝達するとともに、エンジンの出力を作業機に伝達する作業車両の車速制御装置であって、
前記作業車両のアクセル手段の操作量を検出する操作量検出手段と、
前記作業車両の実車速を検出する実車速検出手段と、
前記作業車両の負荷を計測する計測手段と、
前記操作量検出手段で検出された前記操作量に対応する目標車速を設定するとともに、前記計測手段で計測された前記負荷に応じて、前記目標車速と前記実車速検出手段で検出された前記作業車両の実車速との偏差が零になるように前記作業車両の車速を制御する第1の制御または前記目標車速を前記実車速に応じた低い値に補正し、該補正された補正目標車速と前記実車速との偏差が零になるように、前記作業車両の車速を制御する第2の制御を行うコントローラと
を備えることを特徴とする。
また、第2発明は、第1発明において、
前記計測手段は、
前記作業車両の前記駆動輪に伝達される駆動トルクを計測する駆動トルク計測手段を更に具備し、
前記コントローラは、
前記駆動トルク計測手段で計測された前記駆動トルクが設定値より低い場合には、前記第1の制御を行い、
前記駆動トルクが前記設定値以上である場合には、前記第2の制御を行う
ことを特徴とする。
また、第3発明は、第1発明において、
前記計測手段は、
前記作業車両の前記作業機にかかる負荷を計測する作業機負荷計測手段を更に具備し、
前記コントローラは、
前記作業機負荷計測手段で計測された作業機負荷が設定値より低い場合には、前記第1の制御を行い、
前記作業機負荷が前記設定値以上である場合には、前記第2の制御を行う
ことを特徴とする。
第1の発明、第2の発明、第3の発明は、たとえば、計測手段(駆動トルク計測手段)で計測した負荷(駆動トルクτt)が、図8に示す駆動トルク設定値ラインAを上回っている場合には、つまり図8の駆動トルク設定値ラインAよりも上側の斜線で示す領域に入った場合には、第1の制御から第2の制御に移行される。
また、たとえば、計測手段(作業機負荷計測手段)で計測した負荷(作業機負荷τh)が大きい場合には、エンジン1の出力(パワー)の多くが、油圧ポンプ6に吸収されて、エンジン1の回転数が低下する(上昇しにくい)。このためエンジン1の回転数は、目標回転数NEpにまで到達しない。
そこで、たとえば、作業機負荷τhが大きくなったことを判断するためのしきい値として所定値βが設定され、エンジン回転数検出センサ20で検出されたエンジン回転数Nrが、目標回転数NEpよりも所定値βだけ低い回転数NEp−βまで上昇しない場合には、作業機負荷τhが大きいと判断する。そして、作業機負荷τhが大きいと判断された場合には、第1の制御から第2の制御に移行される。
第4発明は、第1発明、第2発明、第3発明において、
前記コントローラは、
前記作業車両の実車速が、前記補正目標車速に到達した場合に、前記第2の制御を終了させるとともに、前記実車速を一定レベル以下の速度変化率で前記目標車速に到達させるように前記作業車両の車速を制御する
ことを特徴とする。
第4発明では、図3(b)に示す目標速度変化率71と同様に目標速度変化率の制限を、第2の制御終了時刻t15から与えるようにする。
すなわち、図5において、時刻t14で負荷が抜けると、実速度vrは53に示す速度変化で上昇し、目標車速Vp1に到達する(時刻t15)。これにより目標車速Vpと実車速vrとの偏差ΔVはしきい値ΔVthよりも小さくなるため、第2の制御が終了する。以後、実速度vrの速度変化率は、目標速度変化率52に制限されて、実車速vrが上昇する。実速度vrは、速度変化54として示すように目標速度変化率52を超えない緩やかな速度変化率で上昇する。以後は、第1の制御が、通常通り実行される。
第5発明は、第2発明において、
前記コントローラは、
前記駆動トルクが前記設定値以上から前記設定値より低い状態に変化した際には、前記第2の制御を終了させ、前記実車速を一定レベル以下の速度変化率で前記目標車速に到達させるように前記作業車両の車速を制御する
ことを特徴とする。
第6発明は、第3発明において、
前記コントローラは、
前記作業機負荷が前記設定値以上から前記設定値より低い状態に変化した際には、前記第2の制御を終了させ、前記実車速を一定レベル以下の速度変化率で前記目標車速に到達させるように前記作業車両の車速を制御する
ことを特徴とする。
第1発明、第2発明、第3発明では、負荷が大きい場合には、目標速度Vp1を、実速度vr1に応じた速度(Vp2=vr1+α)に補正しているが、この処理は必ずしも行う必要はなく、負荷が大きくなった状態から負荷が抜けて負荷が小さくなった時点で車速の上昇を緩やかにすることができればよい。
第5発明、第6発明を図12を用いて説明する。
この第5発明、第6発明では、上述した第1発明あるいは第2発明あるいは第3発明と同様に、各計測手段によって、負荷(駆動トルクτtあるいは作業機負荷τh)を計測して、この計測した負荷τt(あるいはτh)に基づいて、負荷が大きくなった状態から負荷が抜けて負荷が小さくなったことを判断する。
図12に示すように、計測した負荷τt(あるいはτh)に基づいて、負荷が大きくなった状態から負荷が抜けて負荷が小さくなったことが時刻t18で判断されると、図5と同様にして、一定レベル以下の緩やかな傾きの目標速度変化率52に制限されて、実速度vrが上昇する。
第1発明、第2発明、第3発明によれば、従来技術と比較して、大きな負荷がかかることによって、車速が目標車速に到達しない状態から負荷が抜けたときの速度変化は、小さなものとなるため、車体やオペレータに与えるショックを小さくできるとともに、操作感覚の違和感を取り除くことができる。
また、第4発明、第5発明、第6発明によれば、大きな負荷がかかることによって、車速が目標車速に到達しない状態から負荷が抜けたときの速度変化を、緩やかに上昇させることができるため、車体やオペレータに与えるショックを低減でき操作感覚の違和感を取り除くことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施形態のフォークリフト100の構成を示す。
同図1に示すように、フォークリフト100では、エンジン1の出力がトルクコンバータ2、トランスミッション(走行用クラッチ)3、ユニバーサルジョイント21、デファレンシャルギア4を介して駆動輪5に伝達される。一方、エンジン1の出力は、油圧ポンプ6、操作弁7、油圧シリンダ8を介して作業機9に伝達される。走行用クラッチ3は、油圧クラッチであり、前進用クラッチ3Fと、後進用クラッチ3Rとからなる。
アクセル手段としてのアクセルペダル(ドライブペダル)10は、オペレータによって操作され、アクセルペダル10に設けられたストロークセンサ10aで操作量(ストローク量)Sが検出され、操作量Sを示す信号が、コントローラ30に入力される。
トランスミッション3の出力軸には、フォークリフト100の実車速vrを検出する実車速検出センサ11が設けられている。実車速検出センサ11で検出された実車速を示す信号は、コントローラ30に入力される。
作業機用操作レバー12は、オペレータによって操作され、操作量に応じて操作弁7の弁位置が変化し、操作量に応じた流量の圧油が、油圧ポンプ6から操作弁7を経由して油圧シリンダ8に供給される。作業機操作レバー12に設けられたストロークセンサ12aで操作量(ストローク量)Wが検出され、作業機用操作レバー12の操作量Wを示す信号は、コントローラ30に入力される。
また、駆動輪5には、駆動輪5を制動する油圧ブレーキ13が設けられている。油圧ブレーキ13は、手動で操作することもできるが、後述するようにコントローラ30によって制御され、制動力が調整される。
コントローラ30には、図2に示すように、アクセルペダル10のストロークセンサ10aから出力される操作量Sに対応する目標車速Vpが設定されており、コントローラ30は、この目標車速Vpと、実車速検出センサ11で検出された実車速vrとの偏差が零になるように、車速を制御する。具体的には、走行用クラッチ3の係合度合い、油圧ブレーキ12の制動力、エンジン1の回転数を制御することで、車速が目標車速に調整される。
前進用クラッチ3F、後進用クラッチ3R、油圧ブレーキ13それぞれには、制御弁14、15、16が対応して設けられている。制御弁14に加えられる制御電気信号に応じて前進用クラッチ3Fのクラッチ圧が変化し、前進用クラッチ3Fの係合度合いが変化する。同様に、制御弁15に加えられる制御電気信号に応じて後進用クラッチ3Rのクラッチ圧が変化し、後進用クラッチ3Rの係合度合いが変化する。また制御弁16に加えられる制御電気信号に応じて油圧ブレーキ13のブレーキ圧が変化し、油圧ブレーキ13の制動力が変化する。
また、コントローラ30には、アクセルペダル10の操作量Sに対応する目標車速が設定されているとともに、作業機用操作レバー12の操作量Wに対応するエンジン1の目標回転数NEp2が設定されている。なお、クラッチ係合度合い、油圧ブレーキ制動力の調整だけで、アクセルペダル操作量Sに応じた目標車速に到達しない場合には、エンジン目標回転数を上昇させる制御が行われる。この制御を行うために、エンジン目標回転数NEp1がフィードバック量から演算によって求められる。この場合、両エンジン目標回転数NEp1、NEp2のうち大きい方のエンジン目標回転数NEpが選択され、このエンジン目標回転数NEpにするための制御信号がスロットルアクチュエータ17に出力される。エンジン1の実際の回転数Nrは、エンジン回転数検出センサ20で検出され、コントローラ30に入力される。コントローラ30は、エンジン1の実際の回転数Nrをフィードバック量として目標回転数NEpが得られるようにスロットルアクチュエータ17を制御する。
コントローラ30は、制御信号を、各制御弁14、15、16の電磁ソレノイドに加え、前進用クラッチ3F、後進用クラッチ3Rの係合度合い、油圧ブレーキ13の制動力を制御する。このようにコントローラ30は、エンジン1の回転数、走行用クラッチ3、油圧ブレーキ13を制御して、車速を目標車速に調整している。
なお、図1では、前進用クラッチ3Fと後進用クラッチ3Rの係合の切換えを行うための走行方向切換レバーの図示は、本発明とは関係がないので省略している。
図3(a)は、アクセルペダル10を操作量零から踏み込んでいき最大操作量に達した後に操作量零まで戻した場合の操作量Sの時間変化を示している。また、図3(b)は、図3(a)のアクセルペダル操作量Sに対応させて目標車速Vpの時間変化を示している。
同図3に示すように、アクセルペダル10を操作量零から踏み込むときには、実速度vrの速度変化率は、目標速度変化率の上限値(加速度上限値)71に制限される。この目標速度変化率71を超えないような加速度で実速度vrは上昇する。同様に、アクセルペダル10を操作量零に戻すときには、実速度vの速度変化率は、目標速度変化率の上限値(減速度上限値)72に制限される。この速度変化率72を超えないような減速度で実速度vpは下降する。
目標速度変化率71、72は、たとえば図1に示す操作パネル22で設定することができ、図3(b)の矢印に示すような各大きさに調整することができる。
(第1の実施例)
図5は、第1の実施例の制御内容を説明する図である。
図5は、図4と同様に、時間tと車速との関係を示しており、太実線は、目標車速Vpを示し、破線は実車速vrを示している。
コントローラ30は、図2の設定内容から、ストロークセンサ10aから出力される操作量Sに対応する目標車速Vpを読み込み、この目標車速Vpと、実車速検出センサ11で検出された実車速vrとの偏差が零になるように、車速を制御する第1の制御と、第1の制御の実行の結果、実車速vrが所定時間T1以上、目標車速Vpに到達しない場合に、目標車速Vpを、実車速vrに応じた低い値vr+αに補正し、この補正目標車速vr+αと、実車速検出センサ11で検出された実車速vrとの偏差が零になるように、車速を制御する第2の制御とを行う。
図5において、時刻t13までは、第1の制御が行われ、時刻t13から時刻t15までは、第2の制御が行われる。
すなわち、負荷(駆動トルク、作業機負荷)が大きい場合であっても、車速零の停止状態から、ある車速vr1までは(時刻t11)、アクセルペダル10を踏み込んでいけば、実車速vrは目標車速Vpに追随して上昇する。このときの目標速度の速度変化51は、図3(b)で説明した速度変化率71に制限される。
しかし、負荷が大きいために、その一定車速vr1以上には、長時間経過しても上昇しない。
そこで、コントローラ30は、目標車速Vpと実車速vrとの偏差が所定レベル(しきい値)ΔVth以上になっている時間が所定時間(しきい値)T1以上である場合には(所定時間T1に到達した時点で)、第1の制御を終了させ、第2の制御に移行させる。
図5では、目標車速Vp1と実車速vr1との偏差ΔV1がしきい値ΔVth以上になっている時間がしきい値T1に到達した時刻t13で、第1の制御を終了させ、第2の制御に移行させる。
第2の制御では、目標車速Vp1を、現在の実車速vr1に応じた低い値に補正する。具体的には、現在の実車速vr1に、所定増分αを加算した車速であって、第1の制御終了時点t13における元の目標車速Vp1よりも低い車速vr1+αを、補正目標車速Vp2(<Vp1)とする。そして、この補正目標車速Vp2(=vr1+α<Vp1)と、実車速vrとの偏差が零になるように、車速を制御する。
このため、それまで作用していた負荷が時刻t14で抜けると(たとえば旋回走行から直進走行に移行したり、荷役作業が終了したりすると)、フォークリフト100は目標車速Vp2に向かって加速する。加速して実車速が目標車速Vp1に到達するまでの速度変化を53で示す。
ここで、従来技術の図4と比較する。
従来技術(図4)の場合には、目標車速Vp1自体が大きく、目標車速Vp1と実車速vr1との偏差ΔV1が大きくなった状態で負荷が抜けるため、この大きな偏差ΔV1を埋めるべく加速したときの速度変化61は大きいものとなる。
これに対して、図5の実施例では、補正目標車速Vp2は、元の目標車速Vp1よりも小さく、補正目標車速Vp2と実車速vr1との偏差ΔV2(<ΔV1)が小さくなった状態で負荷が抜けるため、この小さな偏差ΔV2を埋めるべく加速したときの速度変化は53は小さい。
以上のようにして負荷が抜けると、実車速vrは時刻t15で目標車速Vpに到達し、目標車速Vpと実車速vrとの偏差ΔVはしきい値ΔVthよりも小さくなる。このため、第2の制御が終了し、以後、第1の制御に移行する。
このように本実施例によれば、従来技術と比較して、負荷が抜けたときの速度変化は小さなものとなるため、車体やオペレータに与えるショックを小さくできるとともに、操作感覚の違和感を取り除くことができる。
(第2の実施例)
第2の制御が終了した時点で、目標速度変化率を、一定レベル以下の緩やかな目標速度変化率52に制限して実速度vrを緩やかに上昇させて、第1の制御に移行させてもよい。
以下、この第2の実施例を同じく図5を参照して説明する。この第2の実施例では、第2の制御が終了する時刻t15までの制御内容は、同じであるので適宜説明を省略する。
この第2の実施例では、図3(b)に示す目標速度変化率71と同様に目標速度変化率の制限を、第2の制御終了時刻t15から与えるようにする。
すなわち、時刻t14で負荷が抜けると、実速度vrは53に示す速度変化で上昇し、目標車速Vp1に到達する(時刻t15)。これにより目標車速Vpと実車速vrとの偏差ΔVはしきい値ΔVthよりも小さくなるため、第2の制御が終了する。以後、実速度vrの速度変化率は、目標速度変化率52に制限されて、実車速vrが上昇する。実速度vrは、速度変化54として示すように目標速度変化率52を超えない緩やかな速度変化率で上昇する。以後は、第1の制御が、通常通り実行される。
この結果、本実施例によれば、従来技術と比較して、負荷が抜けたときに車体やオペレータに与えるショックを一層小さくできるとともに、操作感覚の違和感を一層小さくすることができる。
なお、本実施例では、第2の制御終了時点以降は、54に示すように、車速は時間をかけて緩やかに上昇するため、この間にアクセルペダル10を戻す余裕が生まれるという利点も得られる。
(第3の実施例)
上述した第1の実施例、第2の実施例では、目標車速Vp1と実車速vr1との偏差ΔV1がしきい値ΔVth以上になっている時間がしきい値T1に到達した時刻t13で、第1の制御を終了させ、第2の制御に移行させるようにしているが(図5)、図6に示すように、単に、実車速vrが目標速度Vpに到達しない時間がしきい値T2に達した時点で、第1の制御を終了させ、第2の制御に移行させてもよい。
図6は、この第3の実施例を示す。
同図6に示すように、負荷(駆動トルク、作業機負荷)が大きい場合には、実車速vrは、立ち上がりが遅く、目標速度変化51の傾きに対して実車速度変化55の傾きは緩やかであり、所定の時間(しきい値)T2を経過しても、実車速vrは目標車速Vpに到達しない。
そこで、コントローラ30は、実車速vrが目標車速Vpに到達しない時間が所定時間(しきい値)T2以上である場合には(所定時間T2に到達した時点で)、第1の制御を終了させ、第2の制御に移行させる。
図6の第3の実施例では、実車速vrが目標車速Vpに到達しない時間がしきい値T2に到達した時刻t16で、第1の制御を終了させ、第2の制御に移行させる。以後の処理は、第1の実施例または第2の実施例で説明したのと同様の処理であるので、説明を省略する。
(第4の実施例)
上述した各実施例では、負荷が抜け、実車速が目標車速に到達し、目標車速Vpと実車速vrとの偏差ΔVがしきい値ΔVthよりも小さくなると、第2の制御を終了させ、第1の制御に移行させているが、負荷が抜け、実車速が目標車速に到達し、目標車速Vpと実車速vrとの偏差ΔVがしきい値ΔVthよりも小さくなったとしても、第2の制御を終了させることなく継続させてもよい。
以下、第3の実施例で用いた図6を用いて、この第4の実施例を説明する。
図6において、負荷が抜けて時刻t17で実車速vrが目標車速Vp2に到達し、目標車速Vpと実車速vrとの偏差ΔVがしきい値ΔVthよりも小さくなる。このときオペレータとしては、アクセルペダル10をフルストロークまで踏み込んでいることが多い。このため負荷が抜けた場合に、そのまま第2の制御を終了させ第1の制御に移行させると、実車速vpは、オペレータの意思に反して上昇することがある。
そこで、この第4の実施例では、図6に示すように、時刻t17で実車速vrが目標車速Vp2に到達し、目標車速Vpと実車速vrとの偏差ΔVがしきい値ΔVthよりも小さくなったとしても、第2の制御を終了させることなく継続させる。
第2の制御から第1の制御に移行させるトリガは、たとえば、アクセルペダル10を所定量戻すなど、実速度が大きく上昇しないような状態になった時点で与えるようにすればよい。
また、図7に示すように、実車速vrが目標車速Vp2に到達した時刻t17から第2の制御を継続し続け、それが所定時間T3経過した時点(時刻t18)で、第2の制御を終了させ、第1の制御に移行させてもよい。これは所定時間T3が経過すれば、オペレータに、余裕が生まれ、アクセルペダル10の踏み込み量を抑えることができるからである。
このように第4の実施例によれば、第2の制御を継続して行うようにしたので、アクセルペダル10を戻す余裕が生まれ、実車速vrが大きく上昇することはなくなり、ショックを更に低減したり、操作感覚の違和感を一層取り除くことができる。
(第5の実施例)
上述した各実施例では、実車速vrが所定時間以上、目標車速Vpに到達しない場合に、負荷(駆動トルク、作業機負荷)が大きいものと判断して、第1の制御から第2の制御に移行させているが、直接、負荷を計測して、負荷の計測値から負荷が大きいと判断して、第1の制御から第2の制御に移行させてもよい。
この第5の実施例では、駆動輪5に伝達される駆動トルクτt(走行抵抗)が、駆動トルク計測手段によって計測される。具体的には、エンジン1の回転数NEとトルクコンバータ2の出力軸の回転数Ntcとが検出され(トルクコンバータ2の入出力軸回転数が検出され)、コントローラ30で、これら回転数NE、Ntcに基づいて、トルクコンバータ2のスリップ率が求められ、このスリップ率から駆動トルクτtが演算される。なお、変速機3の入出軸回転数を検出し、これにより変速用クラッチ3の係合度合いを求め、係合度合いから駆動トルクτtを算出してもよい。
一方、図8に示すように、コントローラ30では、目標車速Vpの大きさに対応して、駆動トルク設定値τt0が予め設定されている。この駆動トルク設定値τt0は、図4、図6における実車速vrが目標車速Vpに所定時間T1(あるいはT2)経過しても到達しないと判断するためのしきい値に対応するものである。
図8の横軸が目標車速Vpであり、縦軸が駆動トルクτtである。目標車速Vpが大きくなるに伴い駆動トルク設定値τt0が上昇する駆動トルク設定値ラインAが設定されており、上記のように演算した駆動トルクτtが、この駆動トルク設定値ラインAを上回っている場合には、つまり図8の駆動トルク設定値ラインAよりも上側の斜線で示す領域に入った場合には、第1の制御から第2の制御に移行される。
逆に、演算した駆動トルクτtが、この駆動トルク設定値ラインA以下である場合には、つまり図8の駆動トルク設定値ラインAよりも下側の領域に入った場合には、第2の制御から第1の制御に移行される。
第2の制御から第1の制御に移行させる際には、第2の実施例、第4の実施例で説明した移行処理を実施してもよい。
また、駆動トルクτtを演算によって求める代わりに、センサによって駆動トルクτtを直接検出してもよい。具体的には、トルクコンバータ2の出力軸や、変速機3の出力軸などに、トルクセンサが設けられ、このトルクセンサで検出された駆動トルクτtが、駆動トルク設定値ラインAを上回っている場合には、つまり図8の駆動トルク設定値ラインAよりも下側の斜線で示す領域に入った場合には、第1の制御から第2の制御に移行される。逆に、トルクセンサで検出された駆動トルクτtが、駆動トルク設定値ラインA以下である場合には、つまり図8の駆動トルク設定値ラインAよりも下側の斜線で示す領域に入った場合には、第2の制御から第1の制御に移行される。
(第6の実施例)
上述した第5の実施例では、駆動トルクτtを計測し、計測した駆動トルクτtが大きい場合に、第1の制御から第2の制御に移行させているが、作業機9にかかる負荷、つまり作業機負荷τhを計測し、計測した作業機負荷τhが大きい場合に、第1の制御から第2の制御に移行させてもよい。
この第6の実施例では、駆動輪5に伝達される駆動トルクτt(走行抵抗)が、作業機負荷計測手段によって計測される。具体的には、エンジン1の回転数NEが、目標回転数NEpよりも所定値βだけ低い回転数NEp−βまで上昇しない場合に、作業機負荷τhが大きいと判断する。
図9は、目標回転数NEpが得られるようにエンジン1の回転数を制御する処理内容を説明するブロック図である。
前述したように、コントローラ30には、アクセルペダル10の操作量Sに対応する目標車速が設定されているとともに、作業機用操作レバー12の操作量Wに対応するエンジン1の目標回転数NEp2が設定されている。
クラッチ係合度合い、油圧ブレーキ制動力の調整だけで、アクセルペダル操作量Sに応じた目標車速に到達しない場合には、エンジン目標回転数を上昇させる制御が行われる。この制御を行うために、エンジン目標回転数NEp1がフィードバック量から演算によって求められる。
同図9の走行用目標回転数設定部201では、このように、クラッチ係合度合い、油圧ブレーキ制動力の調整だけで、アクセルペダル操作量Sに応じた目標車速に到達しない場合に、フィードバック量から演算によってエンジン1の目標回転数NEp1が設定される。
一方、作業機用目標回転数設定部202では、作業機用操作レバー12の操作量W(操作弁7の弁開度)に対応してエンジン1の目標回転数NEp2が設定される。作業機用目標回転数設定部202では、作業機用操作レバー12の操作量W(操作弁7の弁開度)に応じた目標作動速度を油圧シリンダ8(作業機9)で得るために必要なエンジン回転数が設定される。エンジン1の回転数が大きくなるに伴い、油圧ポンプ6の吐出流量が大きくなり、操作弁7を介して、油圧シリンダ8に供給される圧油の流量が大きくなり、油圧シリンダ8(作業機9)の作動速度が大きくなる。
最大値選択部203では、走行用目標回転数設定部201で設定された目標回転数NEp1と、作業機用目標回転数設定部202で設定された目標回転数NEp2のうち、大きい方の回転数(最大値)を選択する。
そして、エンジン回転数制御部204では、最大値選択部203で選択された目標回転数最大値をエンジン1の目標回転数NEpとし、この目標回転数NEpにするための制御信号をスロットルアクチュエータ17に出力する。スロットルアクチュエータ17は、エンジン1のスロットルを作動させてエンジン1の回転数を目標回転数NEpに調整する。
しかし、作業機負荷τhが大きい場合には、エンジン1の出力(パワー)の多くが、油圧ポンプ6に吸収されて、エンジン1の回転数が低下する(上昇しにくい)。このためエンジン1の回転数は、目標回転数NEpにまで到達しない。
そこで、作業機負荷τhが大きくなったことを判断するためのしきい値として所定値βが設定され、エンジン回転数検出センサ20で検出されたエンジン回転数Nrが、目標回転数NEpよりも所定値βだけ低い回転数NEp−βまで上昇しない場合には、作業機負荷τhが大きいと判断する。そして、作業機負荷τhが大きいと判断された場合には、第1の制御から第2の制御に移行される。
逆に、実際のエンジン回転数Nrが、回転数NEp−β以上に上昇した場合には、作業機負荷τhは小さいものと判断し、第2の制御から第1の制御に移行される。
第2の制御から第1の制御に移行させる際には、第2の実施例、第4の実施例で説明した移行処理を実施してもよい。
また、上述したように作業機負荷τhをエンジン回転数の上昇度合いによって判断する代わりに、センサによって作業機負荷τhを直接、検出してもよい。具体的には、油圧ポンプ6の吐出口に、ポンプ吐出圧Pを検出する油圧センサが設けられ、この油圧センサで検出されたポンプ吐出圧Pが設定値以上の場合には、作業機負荷τhが大きいと判断する。そして、この油圧センサによって検出されたポンプ吐出圧Pが設定値以上である場合には、作業機負荷τhが大きいと判断し、第1の制御から第2の制御に移行される。
逆に、検出されたポンプ吐出圧Pが設定値よりも小さい場合には、作業機負荷τhが小さいと判断し、第2の制御から第1の制御に移行される。ポンプ吐出圧Pの設定値は、油圧ポンプ6の吐出口にリリーフ弁を設け、このリリーフ弁の設定リリーフ圧として設定された値とすることができる。
(第7の実施例)
上述した第2の実施例では、第2の制御から第1の制御に移行する際に、一定レベル以下の緩やかな傾きの目標速度変化率52に制限して実車速vrを上昇変化させているが、この場合の目標速度変化率52は、図10(a)に示すように一定の傾きの目標速度変化率56であってもよく、図10(b)に示すように、傾きが漸減する目標速度変化率57であってもよい。
また、図11に示すように、第1の制御時に、加速時の目標速度変化率(傾き)51を記憶しておき、この記憶した傾き51と同じ傾きの速度変化率で目標速度が上昇変化するように、第2の制御から第1の制御に移行する際の目標速度変化率52(傾き)を設定してもよい。
(第8の実施例)
上述した各実施例では、負荷が大きい場合には、目標速度Vp1を、実速度vr1に応じた速度(Vp2=vr1+α)に補正しているが、この処理は必ずしも行う必要はなく、負荷が大きくなった状態から負荷が抜けて負荷が小さくなった時点で車速の上昇を緩やかにすることができればよい。
この第8の実施例を図12を用いて説明する。
この第8の実施例では、上述した第5の実施例あるいは第6の実施例と同様に、駆動トルク計測手段あるいは作業機負荷計測手段によって、駆動トルクτtあるいは作業機負荷τhを計測して、この計測した負荷τt(あるいはτh)に基づいて、負荷が大きくなった状態から負荷が抜けて負荷が小さくなったことを判断する。
図12に示すように、計測した負荷τt(あるいはτh)に基づいて、負荷が大きくなった状態から負荷が抜けて負荷が小さくなったことが時刻t18で判断されると、図5と同様にして、一定レベル以下の緩やかな傾きの目標速度変化率52に制限されて、実速度vrが上昇する。
このように本実施例によれば、少なくとも、負荷が抜けたときの速度変化を緩やかに上昇させることができるため、車体やオペレータに与えるショックを低減でき操作感覚の違和感を取り除くことができる。
上述した説明では、スロットルアクチュエータ17によってエンジン回転数を制御しているが、必ずしもスロットルアクチュエータ17の存在は必須ではなく、電子制御エンジンを使用してスロットルアクチュータ17が存在しない構成で実施してもよい。
本発明は、フォークリフトに限定されることなく、作業機を備えた作業車両であって、操作量に対応して目標車速が設定されて車速制御が行われる作業車両にあれば、適用することができる。
図1は実施形態のフォーリフトの構成を示す図である。 図2はアクセルペダル操作量と目標車速との関係を示した図である。 図3(a)はアクセルペダルの操作量の時間変化を例示し、図3(b)は図3(a)に対応させて目標車速の時間変化を例示した図である。 図4は従来技術の時間と車速との関係を示した図である。 図5は第1の実施例あるいは第2の実施例を説明するために用いた図で、時間と車速との関係を示した図である。 図6は第3の実施例あるいは第4の実施例を説明するために用いた図で、時間と車速との関係を示した図である。 図7は第4の実施例を説明するために用いた図で、時間と車速との関係を示した図である。 図8は第5の実施例を説明するために用いた図で、目標車速と駆動トルクとの関係を示した図である。 図9は第6の実施例を説明するために用いた図で、エンジン回転数を制御する処理内容を示すブロック図である。 図10(a)、(b)は、第7の実施例を説明するために用いた図で、時間と車速との関係を示した図である。 図11は、第7の実施例を説明するために用いた図で、時間と車速との関係を示した図である。 図12は、第8の実施例を説明するために用いた図で、時間と車速との関係を示した図である。
符号の説明
1 エンジン 3 変速機(走行用クラッチ) 5 駆動輪 9 作業機 10 アクセルペダル(ドライブペダル) 10a ストロークセンサ 11 実車速検出センサ 30 コントローラ

Claims (6)

  1. エンジンの出力を走行用クラッチを介して駆動輪に伝達するとともに、エンジンの出力を作業機に伝達する作業車両の車速制御装置であって、
    前記作業車両のアクセル手段の操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記作業車両の実車速を検出する実車速検出手段と、
    前記作業車両の負荷を計測する計測手段と、
    前記操作量検出手段で検出された前記操作量に対応する目標車速を設定するとともに、前記計測手段で計測された前記負荷が設定値より低い場合には、前記目標車速と前記実車速検出手段で検出された前記作業車両の実車速との偏差が零になるように前記作業車両の車速を制御する第1の制御を行い、前記負荷が前記設定値以上である場合には、前記目標車速を前記実車速に応じた低い値に補正し、該補正された補正目標車速と前記実車速との偏差が零になるように、前記作業車両の車速を制御する第2の制御を行うコントローラと
    を備えることを特徴とする作業車両の車速制御装置。
  2. 前記計測手段は、
    前記作業車両の前記駆動輪に伝達される駆動トルクを計測する駆動トルク計測手段を更に具備し、
    前記コントローラは、
    前記駆動トルク計測手段で計測された前記駆動トルクが設定値より低い場合には、前記第1の制御を行い、
    前記駆動トルクが前記設定値以上である場合には、前記第2の制御を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の作業車両の車速制御装置。
  3. 前記計測手段は、
    前記作業車両の前記作業機にかかる負荷を計測する作業機負荷計測手段を更に具備し、
    前記コントローラは、
    前記作業機負荷計測手段で計測された作業機負荷が設定値より低い場合には、前記第1の制御を行い、
    前記作業機負荷が前記設定値以上である場合には、前記第2の制御を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の作業車両の車速制御装置。
  4. 前記コントローラは、
    前記作業車両の実車速が、前記補正目標車速に到達した場合に、前記第2の制御を終了させるとともに、前記実車速を一定レベル以下の速度変化率で前記目標車速に到達させるように前記作業車両の車速を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2または3記載の作業車両の車速制御装置。
  5. 前記コントローラは、
    前記駆動トルクが前記設定値以上から前記設定値より低い状態に変化した際には、前記第2の制御を終了させ、前記実車速を一定レベル以下の速度変化率で前記目標車速に到達させるように前記作業車両の車速を制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の作業車両の車速制御装置。
  6. 前記コントローラは、
    前記作業機負荷が前記設定値以上から前記設定値より低い状態に変化した際には、前記第2の制御を終了させ、前記実車速を一定レベル以下の速度変化率で前記目標車速に到達させるように前記作業車両の車速を制御する
    ことを特徴とする請求項3記載の作業車両の車速制御装置。
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