JP4749476B2 - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、複数の色成分の画素データを重ね合せる処理を行う画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体に関する。
コピー機又はプリンタ等の画像形成装置が紙媒体に形成する画像の画質劣化を防止するために、トラッピング処理及びスムージング処理等が提案されている。複数の色成分の画素データを重ね合せる処理(以下、トラッピング処理と言う)は、版ずれ時の白抜けを防止するための処理である。スムージング処理は、ジャギー(文字又は画像の曲線及び斜線に見えるギザギザ)を低減しつつ解像度の向上を行うための処理である。
画像形成装置が低解像度の入力画像データを高解像度で画像形成する場合、画質劣化を防ぐために、高解像度に変換した画像データに対してトラッピング処理を行う必要がある。その結果、画像形成装置は、高解像度に変換した画像データを格納するためのメモリを必要とするため、回路規模が大きくなるといった問題も生じる。
そこで、回路規模の増加を抑え、処理速度の低下を招くことなくトラッピング処理を行うことができる発明が提案されている(例えば、特許文献1)。斯かる画像形成装置は、トラッピング処理のためのバッファを、入力画像データに対するバッファと共有することで回路規模増加を防止し、トラッピング処理をビットマップデータへの変換後にすることで処理速度の低下を防止している。
特開2004−223850号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、解像度が変換された後のビットマップデータに基づいて、トラッピング処理が実施されるようになっていることから、入力画像データが高解像度である場合、高解像度のデータに対応したバッファを必要とするため、回路規模増加を確実に防止することはできない。また、高解像度の入力画像データを一度低解像度に変換(以下、ダウンサンプリングと言う)することで、バッファを小さくすることも考えられるが、この場合、高解像度の情報が欠如し、画質劣化の原因となる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高解像度の画像データに対して、回路規模を大きくすることなく、トラッピング処理を実行することができる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
本発明に係る画像処理装置は、複数の色成分を有する入力画像データから出力画像データを生成する際に、前記入力画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行う画像処理装置において、入力画像データの解像度が所定値以上であるか否かを判定する解像度判定手段と、該解像度判定手段が前記所定値以上であると判定した場合、前記入力画像データを前記所定値未満の解像度の画像データに変換する第1変換手段と、該第1変換手段による変換後の画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、該処理判定手段が重ね合せ処理を行うと判定した場合、前記第1変換手段による変換後の画像データに基づいて重ね合せる画素の色成分を決定する決定手段と、該決定手段により決定された色成分に基づく画素データを、前記入力画像データの解像度に変換する第2変換手段と、前記入力画像データ前記第2変換手段により前記入力画像データの解像度に変換された重ね合わせる画素の色成分に基づく画素データを重ね合せる処理を行う重ね合せ手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、出力画像データの解像度の設定を受け付ける受付手段と、該受付手段が受け付けた解像度、及び前記入力画像データの解像度の高低を比較する比較手段と、前記解像度判定手段により解像度が所定値以下であると判定され、かつ、前記比較手段による比較の結果、前記受付手段が受け付けた解像度が高い場合、前記入力画像データを、前記受付手段が受け付けた解像度の画像データに変換する第3変換手段とをさらに備え、前記処理判定手段は、前記第3変換手段が前記入力画像データを、前記受付手段が受け付けた解像度の画像データに変換する場合、前記入力画像データに対して前記重ね合せる処理を行うか否かを判定し、前記第2変換手段は、前記決定手段により決定された色成分の画素データを、前記受付手段が受け付けた解像度に基づいて変換し、前記重ね合せ手段は、前記第2変換手段及び第3変換手段による変換後の画素データ及び画像データを重ね合せ、出力画像データを生成するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記第3変換手段は、前記入力画像データに対して補間画素を生成する生成手段と、該生成手段が生成した補間画素と、該補間画素に最も近接する前記入力画像データの画素との色差を算出する色差算出手段と、該色差算出手段が算出した色差が所定値未満の場合、前記補間画素の画素値を、前記入力画像データの画素の画素値に変更する第1変更手段と、前記色差算出手段が算出した色差が前記所定値以上の場合、前記補間画素の画素値を、該補間画素に対して所定位置にある前記入力画像データの画素の画素値に変更する第2変更手段とを有することを特徴する。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る画像処理装置と、該画像処理装置が生成した出力画像データに基づいて、画像形成を行う画像形成手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、複数の色成分を有する入力画像データから出力画像データを生成する際に、前記入力画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行う画像処理方法において、入力画像データの解像度が所定値以上であるか否かを判定し、前記所定値以上であると判定した場合、前記入力画像データを前記所定値未満の解像度の画像データに変換し、前記所定値未満の解像度に変換された画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行うか否かを判定し、重ね合せ処理を行うと判定した場合、前記所定値未満の解像度に変換された画像データに基づいて重ね合せる画素の色成分を決定し、決定された色成分に基づく画素データを、前記入力画像データの解像度に変換し、前記入力画像データと前記入力画像データの解像度に変換された重ね合わせる画素の色成分の画素データを重ね合せる処理を行うことを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、出力画像データの解像度の設定を受け付け、受け付けた解像度、及び前記入力画像データの解像度の高低を比較し、前記入力画像データの解像度が所定値以下であると判定され、かつ、受け付けた解像度が前記入力画像データの解像度より高い場合、前記入力画像データを、受け付けた解像度の画像データに変換し、前記入力画像データを受け付けた解像度の画像データに変換する場合、前記入力画像データに対して前記重ね合せる処理を行うか否かを判定し、決定された色成分の画素データを、受け付けた解像度に基づいて変換し、変換後の画素データ及び画像データを重ね合せる処理を行うことを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、前記入力画像データに対して補間画素を生成し、生成した補間画素と、該補間画素に最も近接する前記入力画像データの画素との色差を算出し、算出した前記色差が所定値未満の場合、前記補間画素の画素値を、前記入力画像データの画素の画素値に変更し、算出した前記色差が所定値以上の場合、前記補間画素の画素値を、該補間画素に対して所定位置にある前記入力画像データの画素の画素値に変更することを特徴する。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、複数の色成分を有する入力画像データから出力画像データを生成する際に、前記入力画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行わせるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを入力画像データの解像度が所定値以上であるか否かを判定する解像度判定手段、該解像度判定手段が前記所定値以上であると判定した場合、前記入力画像データを前記所定値未満の解像度の画像データに変換する第1変換手段、該第1変換手段による変換後の画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行うか否かを判定する処理判定手段、該処理判定手段が重ね合せ処理を行うと判定した場合、前記第1変換手段による変換後の画像データに基づいて重ね合せる画素の色成分を決定する決定手段、該決定手段により決定された色成分に基づく画素データを、前記入力画像データの解像度に変換する第2変換手段、及び、前記入力画像データ前記第2変換手段により前記入力画像データの解像度に変換された重ね合わせる画素の色成分に基づく画素データを重ね合わせる処理を行う重ね合せ手段として機能させることを特徴とする。
本発明に係る記録媒体は、本発明に係るコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする。
本発明においては、入力画像データが所定値以上の解像度である場合、入力画像データを所定値未満の解像度に変換(ダウンサンプリング)する。そして、変換後の画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理(トラッピング処理)を行うか否かを判定する。重ね合せる処理を行う場合、重ね合せる色(トラップ色)を決定する。決定した色成分の画素データを、入力画像データの解像度に基づいて変換(アップサンプリング)する。そして、入力画像データと、変換後の画素データを重ね合せる処理を行い、出力画像データを生成する。
換言すれば、高解像度の入力画像データを低解像度に変換し、低解像度で、トラッピング処理を行うか否かの判定(以下、トラップ判定と言う)、トラップ色及びトラップ領域を算出する。そして、トラッピング処理は元の高解像度の画像データで行う。これにより、高解像度の画像データでトラップ判定などを行う際に必要となるメモリの増加に伴う回路規模の増加を抑制することができる。また、トラップ判定のみを低解像度の画像データで行うため、入力画像データをダウンサンプリングすることに伴う、出力画像データの情報欠如及び画質劣化などの問題を低減することができる。
本発明においては、入力画像データが所定値以下の解像度で、設定された解像度が入力画像データよりも高い場合、即ち、低解像度の入力画像データを高解像度で出力する場合、入力画像データを設定された解像度に変換(アップサンプリング)する。また、入力画像データを低解像度の状態でトラップ判定を行う。トラップ判定を行う場合、色成分及び重ね合せる領域を決定し、決定した色成分及び重ね合せる領域の画素データを、設定された解像度に基づいて変換(アップサンプリング)する。これにより得られた画像データと、高解像度に変換された入力画像データとを重ね合せる処理を行う。
このように、入力画像データが低解像度である場合に、低解像度の状態でトラップ判定をし、トラップ色及びトラップ領域を算出する。そして、入力画像データを高解像度に変換した画像データに対してトラッピング処理を行う。これにより、回路規模の増加を抑制することができる。
本発明においては、低解像度の入力画像データに対して補間画素を生成し、生成した補間画素と、その補間画素に最も近接する前記入力画像データの画素との色差を算出する。そして、算出した色差が所定値未満の場合、補間画素の画素値を、入力画像データの画素の画素値に変更する。算出した色差が所定値以上の場合、補間画素の画素値を、その補間画素に対して所定位置にある入力画像データの画素の画素値に変更する。これにより、低解像度の入力画像データに対して、画像のぼけ及びジャギーを低減して高解像度にすることができる。
本発明は、高解像度の入力画像データを低解像度に変換し、低解像度の画像データで、トラッピング処理を行うか否かの判定(以下、トラップ判定と言う)、トラップ色及びトラップ領域を算出する。そして、トラッピング処理は元の高解像度の画像データで行う。これにより、トラップ判定などを高解像度の画像データで行う際に必要となるメモリの増加に伴う回路規模の増加を抑制することができる。また、トラップ判定のみを低解像度の画像データで行うため、入力画像データをダウンサンプリングすることに伴う、出力画像データの情報欠如及び画質劣化などの問題を低減することができる。
本発明に係る画像処理装置を備えるカラー画像形成装置の構成を示すブロック図である。 トラッピング・スムージング処理部の構成を示すブロック図である。 入力解像度調整部の構成を示すブロック図である。 解像度変換トラッピング処理部の構成を示すブロック図である。 トラッピング判定処理部の構成を示すブロック図である。 入力画像データの一例を模式的に示す図である。 微分フィルタの一例を模式的に示す図であり、(a)は主走査方向、(b)は副走査方向に対して用いる微分フィルタである。 図7の微分フィルタを用いて、図6の入力画像データに対してエッジ量を算出した結果の一部を示す図である。 インクリメント方向領域及びデクリメント方向領域を説明するための模式図であり、(a)は主走査方向、(b)は副走査方向の場合を示している。 図6の入力画像データに対して、類似色方向判定を実行した結果の一部を示す図である。 代表色を算出する際に参照する領域を説明するための模式図である。 代表色を算出する際に参照する領域を説明するための模式図である。 注目側及び反対側の代表色を算出した結果の一部を示す図である。 注目側及び反対側の代表色に基づいて算出した輝度値及びトラップ判定の結果の一部を示す図である。 スムージング処理におけるデータ補間について説明するための模式図である。 スムージング処理を概念的に示した模式図である。 図6の入力画像データに対して、バイリニア補間を行った結果を示す図である。 図17の画像データにおいて、注目画素に近い色の画素をコピーした処理結果の一部を示す図である。 アップサンプリング結果の一部を示す図である。 トラッピング重ね合せ処理を行った結果の一部を示す図である。 入力画像データが低解像度、出力画像が高解像度である場合に、スムージング処理後の画像にアップサンプリング結果でトラッピング重ね合せ処理を行った結果の一部を示す図である。 カラー画像処理装置の動作を示すフローチャートである。 トラッピング判定処理を示すフローチャートである。 トラップ判定を行う別の方法を説明するための模式図である。 本発明に係る画像処理装置を備えるデジタルカラー複合機の構成を示すブロック図である。
以下、本発明に係る画像処理装置の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像処理装置を備えるカラー画像形成装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るカラー画像形成装置は、入力された画像データ(以下、入力画像データと言う)に対して画像処理を施し、処理後の画像データに基づいて記録用紙などのシート上にカラー画像を形成する。入力画像データは、図示しないコンピュータ上で画像編集ソフトなどのアプリケーションソフトウェアを用いて作成される。そして、プリンタドライバにてページ記述言語に変換され、ネットワーク等を介してコンピュータからカラー画像形成装置へ伝送される。
カラー画像形成装置は、図1に示すように、入力画像データを処理するカラー画像処理装置1、及びカラー画像処理装置1によって処理された画像データに基づく画像を形成するカラー画像出力装置2などを備えている。カラー画像出力装置2は、記録用紙又はOHPシート等のシート上に画像を形成する例えば電子写真方式又はインクジェット方式等のプリンタである。なお、カラー画像出力装置2は、ディスプレイのような表示装置としてもよい。
カラー画像処理装置1は、ラスタデータ生成部11、色補正部12、黒生成下地除去部13、セレクタ14、トラッピング・スムージング処理部15、出力階調補正部16及び階調再現処理部17などを備えている。
ラスタデータ生成部11は、入力されたページ記述言語を解析し、RGB(R:赤、G:緑、B:青)又はCMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:黒)のラスタデータを生成する。RGBのラスタデータを生成した場合、ラスタデータ生成部11は、生成したラスタデータを色補正部12へ出力する。一方、CMYKのラスタデータを生成した場合、ラスタデータ生成部11は、生成したラスタデータをセレクタ14へ出力する。
また、ラスタデータ生成部11は、入力画像データの色空間情報及び解像度情報を取得し、色空間情報をセレクタ14へ出力し、解像度情報をトラッピング・スムージング処理部15へ出力する。さらに、ラスタデータ生成部11は、ラスタデータの各画素が文字領域、ベクター・グラフィックス領域、写真領域、又はそれ以外の何れのものであるかを示すタグ情報を生成し、黒生成下地除去部13及び階調再現処理部17へ出力する。
なお、カラー画像形成装置での解像度情報の取得方法は、カラー画像形成装置の形態に応じて異なる。例えば、カラー画像形成装置がプリンタである場合、入力画像データのヘッダに記載されている解像度情報を取得する。また、コピー複合機の場合、操作パネル(受付手段)より設定された解像度情報を取得する。設定がなされなかった場合は、デフォルト(例えば、600dpi)の解像度情報を取得する。コンピュータシステムの場合、画像を読み取る際のスキャナの読み取り条件設定画面(スキャナドライバ)において、マウス又はキーボードなどから設定された解像度情報を取得する。
色補正部12は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行う。色補正部12は、色補正後の3色のCMY信号を黒生成下地除去部13へ出力する。
黒生成下地除去部13は、CMY信号から黒(K)信号を生成し、生成したK信号を元のCMY信号から差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行う。そして、黒生成下地除去部13は、CMY信号をCMYK信号に変換し、変換後のCMYK信号をセレクタ14へ出力する。
なお、黒生成下地除去部13は、例えばスケルトンブラック処理により黒(K)信号を生成する。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y、出力されるデータをC',M',Y',K'、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とした場合、黒生成下色除去処理は以下の式(1)で表わされる。
Figure 0004749476
セレクタ14は、ラスタデータ生成部11及び黒生成下地除去部13からCMYK信号が入力されており、ラスタデータ生成部11から出力された色空間情報に基づいて、何れか一方の信号を出力する。色空間情報がRGBである場合、セレクタ14は、黒生成下地除去部13から入力されたCMYK信号をトラッピング・スムージング処理部15へ出力する。色空間情報がCMYKである場合、セレクタ14は、ラスタデータ生成部11から直接入力されたCMYK信号を出力する。従って、色空間情報がCMYKである場合、トラッピング・スムージング処理部15には、色補正部12及び黒生成下地除去部13で処理されていないCMYK信号が入力される。
トラッピング・スムージング処理部15は、入力されたラスタデータに対して、解像度情報に応じて、版ずれ時の白抜けを防止するためのトラッピング処理及び、画素ボケとジャギーとを低減しながら解像度を向上するスムージング処理を行う。そして、トラッピング・スムージング処理部15は、処理後のCMYK信号を出力階調補正部16へ出力する。なお、トラッピング・スムージング処理部15は、入力画像データの解像度、及びカラー画像出力装置2が形成する画像(以下、出力画像と言う)の解像度に応じて、トラッピング処理及びスムージング処理を行う。トラッピング・スムージング処理部15の構成及び処理内容については後述する。また、出力画像の解像度は、複合機の場合においては、操作パネルから選択された解像度(選択されない場合は、デフォルトの値、例えば600dpi)が設定される。コンピュータシステムで実現する場合は、印刷条件(プリンタドライバの設定画面)で設定すればよい。
出力階調補正部16は、カラー画像出力装置2の特性に基づく出力階調補正処理を行い、階調再現処理部17は、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)を施す。階調再現処理部17は、ラスタデータ生成部11からのタグ情報に基づいて写真と判定されている領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化又は多値化処理を行う。
次に、トラッピング・スムージング処理部15について説明する。図2は、トラッピング・スムージング処理部15の構成を示すブロック図である。トラッピング・スムージング処理部15は、入力解像度調整部10及び解像度変換トラッピング処理部20などを備えている。
入力解像度調整部10は、セレクタ14から低解像度又は高解像度のCMYK信号(入力画像データ)が入力され、必要に応じて後段処理のための低解像度の画像データを生成する。低解像度は、例えば600dpi又はそれ以下の解像度であり、高解像度は、例えば600dpi以上の解像度である。なお、解像度は、600dpiを基準としているが、数値は解像度変換トラッピング処理部20が有するラインバッファの容量又は数などに依存して決定される。また、本発明をソフトウェアで実現する場合は、解像度変換トラッピング処理部20で使用するメモリサイズ(ハードウェアと同様、処理する解像度に依存して必要なサイズが決まる)により決定することができる。
図3は、入力解像度調整部10の構成を示すブロック図である。入力解像度調整部10は、解像度検出部101、ダウンサンプリング処理部(第1変換手段)102、低解像度側セレクタ(解像度判定手段)103、ラインディレイ調整部104及び高解像度側セレクタ(解像度判定手段、比較手段)105などを備えている。解像度検出部101は、入力されたCMYK信号に基づいて、入力画像データの解像度を検出する。なお、入力画像データの解像度は、ラスタデータ生成部11から入力される解像度情報に基づいて解像度を検出してもよい。
ダウンサンプリング処理部102は、入力画像データが高解像度である場合に、入力画像データを低解像度に変換するダウンサンプリングを行う。ダウンサンプリングの方法としては、間引き処理などを使用する。間引き処理としては、例えば50%縮小であれば2×2画素単位で左上画素を選択するニアレストネイバー法を用いる。ニアレストネイバー法の他に、倍率に応じた領域の平均値(例えば50%縮小であれば2×2画素の平均値)を選択する方法、バイリニア法、又はバイキュービック法などを用いてもよい。
低解像度側セレクタ103は、解像度検出部101及びダウンサンプリング処理部102から入力したCMYK信号を、入力画像データの解像度に応じて何れかの信号を出力する。入力画像データが低解像度である場合、低解像度側セレクタ103は、解像度検出部101から入力されたCMYK信号を出力する。一方、入力画像データが高解像度である場合、低解像度側セレクタ103は、ダウンサンプリング処理部102で低解像度に変換されたCMYK信号を出力する。
ラインディレイ調整部104は、入力画像データが高解像度である場合、後段の解像度変換トラッピング処理部20で処理される2つの信号のタイミングを調整する。具体的には、入力画像データが高解像度である場合、解像度変換トラッピング処理部20では、ダウンサンプリング処理部102によりダウンサンプリング処理が施されたCMYK信号、及び元の高解像度のCMYK信号の2つの信号に対しての処理が行われる。そして、低解像度のCMYK信号に対してはトラッピング判定の処理が行われるため、判定処理の実行時間だけ2つの信号に時間ずれが生じる。このため、ラインディレイ調整部104は、2つの信号の間でライン単位のタイミング調整を行う。このタイミング調整のための構成としては、ラインバッファによる構成であってもよいし、DMA(Direct Memory Access)により一度メモリへ出力し、適切なタイミングでDMAにより再度入力する構成であってもよい。
高解像度側セレクタ105は、ラインディレイ調整部104から入力されるCMYK信号と、固定値(例えば、0)の信号とが入力され、入力画像データ又は出力画像の解像度に応じて、何れかの信号を出力する。高解像度側セレクタ105は、例えば600dpiを基準として、出力画像が高解像度であるか又は低解像度であるかを判定し、入力画像データ又は出力画像が低解像度である場合、高解像度側セレクタ105は、固定値の信号を出力する。一方、入力画像データ及び出力画像が高解像度である場合、高解像度側セレクタ105は、ラインディレイ調整部104から入力されたCMYK信号を出力する。後段の解像度変換トラッピング処理部20は、高解像度側セレクタ105から固定値の信号を入力した場合、高解像度側セレクタ105からの信号を処理に使用しないよう動作する。
解像度変換トラッピング処理部20は、低解像度側セレクタ103が出力した低解像度の入力画像データに対して、各画素にトラッピング重ね合せ処理を行うかを判定(以下、トラップ判定と言う)し、さらに、重ね合せ処理を行う際に重ね合せる色(以下、トラップ色と言う)を決定する。また、解像度変換トラッピング処理部20は、低解像度の入力画像データに対してスムージング処理を行う。そして、解像度変換トラッピング処理部20は、これら処理結果に基づいてトラッピング処理を行う。
図4は、解像度変換トラッピング処理部20の構成を示すブロック図である。解像度変換トラッピング処理部20は、入力ラインバッファ部21、トラッピング判定処理部(処理判定手段)22、スムージング処理部(第3変換手段)23、トラッピング判定結果格納部24、アップサンプリング処理部(第2変換手段)25、トラップ色側セレクタ26、画像側セレクタ27、及びトラッピング重ね合せ処理部(重ね合せ手段)28などを備えている。なお、図4において、入力及び出力の信号線などは1本のみ描いているが、実際にはCMYKの4つの色成分毎に信号線があるものとする。
入力ラインバッファ部21は、低解像度側セレクタ103が出力した低解像度の入力画像データを、一時的に格納するラインバッファ21aを複数備えている。複数のラインバッファ21aにより、後段のトラッピング判定処理部22及びスムージング処理部23などは、マスク処理等を行う際に複数ラインのデータを参照できるようになっている。
トラッピング判定処理部22は、低解像度の入力画像データに対してトラップ判定を行い、さらにトラップ色を決定する。図5は、トラッピング判定処理部22の構成を示すブロック図である。また、図6は、入力画像データの一例を模式的に示す図である。以下、図6に示す15×15画素の入力画像データに対して処理を行うものとして説明する。図6では、横方向を画像データの主走査方向、縦方向を副走査方向とし、斜線部分の画素がシアン(C)の純色、白抜部分の画素がマゼンダ(M)の純色を示している。従って、マゼンダ(M)のみの画素(例えば、主走査方向1、副走査方向1の画素)における画素値(M,C)は、(255,0)となる。また、シアン(C)のみの画素(例えば、主走査方向8、副走査方向8の画素)における画素値(M,C)は、(0,255)となる。なお、他の色成分(Y及びK)はないものとし、以下の説明では、シアン(C)及びマゼンダ(M)についてのみ説明する。
トラッピング判定処理部22は、図5に示すように、主走査側及び副走査側エッジ量算出部221,222、主走査側及び副走査側類似色方向判定部223,224、並びに、トラップ判定・トラップ色算出部(決定手段)225などを備えている。
主走査側及び副走査側エッジ量算出部221,222は、入力画像データの各プレーン(色成分毎)に対して、微分フィルタを用いて主走査方向及び副走査方向それぞれのエッジ量を算出する。図7は、微分フィルタの一例を模式的に示す図であり、(a)は主走査方向、(b)は副走査方向に対して用いる微分フィルタである。なお、図7では5×5のマスクサイズを示しているがこれに限るものではない。版の色境界(以下、トラッピング境界と言う)からどれくらいの幅までトラッピングを行うかを示すトラップ幅は、マスクサイズに依存する。従って、微分フィルタは、必要に応じて最適なマスクサイズを選択することができる。一般的に、トラップ幅を大きくした場合、色の重ね合せ領域が大きくなり、その領域が偽色として目立つため、画質としては悪くなる。一方、トラップ幅が小さい場合、版ずれの量が大きい場合に白抜けが目立つ結果となる。そのため、版ずれの量の大きさと偽色による画質低下のバランスにより、最適なトラップ幅、及びマスクサイズを決めることができる。
図8は、図7の微分フィルタを用いて、図6の入力画像データに対してエッジ量を算出した結果の一部を示す図である。図8において、画素内の左側に表示されている数字は、シアン(C)に対して算出したエッジ量であり、上側が主走査方向、下側が副走査方向のエッジ量を示している。また、画素内の右側に表示されている数字は、マゼンダ(M)に対して算出したエッジ量であり、上側が主走査方向、下側が副走査方向のエッジ量を示している。例えば、主走査方向8、副走査方向8の画素の場合、シアン(C)のエッジ量は、主走査方向及び副走査方向の何れも「765」となり、マゼンダ(M)は、「−765」となる。また、図8では省略しているが、エッジから離れた画素(例えば、主走査方向1、副走査方向1の画素)では、エッジ量は主走査側及び副走査側の何れも「0」となる。このように、入力画像データにおけるシアン(C)とマゼンダ(M)との境界(エッジ)付近では、エッジ量は0でない値を持つ。
主走査側及び副走査側類似色方向判定部223,224は、エッジ量算出部221,222が算出したエッジ量に対して、主走査方向及び副走査方向それぞれについての類似色方向を判定する。類似色方向とは、注目画素の色と類似している画素がある方向である。まず、類似色方向判定部223,224は、絶対値が閾値(例えば240)以上となる正負のエッジ量がCMYKのうち少なくとも2つのプレーン(本実施形態では、C及びM色成分)がある画素に対して、エッジが存在すると判定する。なお、閾値は、どの程度までエッジを検出するかなどによって適宜変更可能である。図8の主走査方向4、副走査方向6の画素の場合、主走査方向のエッジ量は、シアン(C)が255、マゼンダ(M)が−255となっているため、かかる画素にはエッジが存在すると判定される。エッジが存在すると判定した場合、類似色方向判定部223,224は、エッジが存在すると判定した画素(注目画素)と、インクリメント方向領域及びデクリメント方向領域内の画素との画素値の平均値に基づいて色差(col_diff)を算出する。
図9は、インクリメント方向領域及びデクリメント方向領域を説明するための模式図であり、(a)は主走査方向、(b)は副走査方向の場合を示している。主走査方向では、中央の注目画素Pより左側がデクリメント方向領域となり、右側がインクリメント方向領域となる。また、副走査方向の場合、中央の注目画素Pより上側がデクリメント方向領域となり、下側がインクリメント方向領域となる。注目画素のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)それぞれの画素値の平均値を、C1、M1、Y1及びK1とし、インクリメント方向領域又はデクリメント方向領域内の画素値の平均値をC2、M2、Y2及びK2とした場合、上述の色差(col_diff)は、式(2)により算出される。
Figure 0004749476
類似色方向判定部223,224は、式(2)により色差(col_diff)を算出した結果、色差の小さい方向を類似色方向とする。例えば、注目画素及びインクリメント方向領域に基づいて算出した色差が、注目画素及びデクリメント方向領域に基づいて算出した色差よりも小さい場合、インクリメント方向が類似色方向とされる。なお、類似色方向判定部223,224は、エッジが存在しないと判定した場合、類似色方向は「なし」とされる。以下、類似色方向判定部223,224は、インクリメント方向が類似色方向と判定した場合、判定結果「1」を出力し、デクリメント方向が類似色方向と判定した場合は「−1」を出力する。また、類似色方向が「なし」と判定した場合は、「0」を出力する。
図10は、図6の入力画像データに対して、類似色方向判定を実行した結果の一部を示す図である。各画素内の数値は、類似色方向の判定結果を示しており、上側の数値が主走査方向、下側の数値が副走査方向を示している。例えば、主走査方向6、副走査方向7の画素の場合、主走査方向及び副走査方向における類似色方向は何れも−1、即ちデクリメント方向となり、注目画素は、デクリメント方向の画素と色が類似していることになる。
トラップ判定・トラップ色算出部225は、エッジ量算出部221,222、並びに類似色方向判定部223,224における処理結果に基づいて、トラップ判定及びトラップ色の決定を行う。まず、トラップ判定・トラップ色算出部225は、マスクサイズ内の画素に対して代表色を算出する。
図11及び図12は、代表色を算出する際に参照する領域を説明するための模式図である。図11は、複数画素の画素値の平均値に基づいて代表色を算出する場合、図12は、1つの画素の画素値に基づいて代表色を算出する場合をそれぞれ示している。以下の説明では、図11に示す領域を用いて代表色を算出する方法を面積タイプと言い、図12の方法を点タイプと言う。
トラップ判定・トラップ色算出部225は、類似色方向判定部223,224による判定結果に対して、注目側及び反対側の代表色を色成分毎に算出する。例えば、主走査方向6、副走査方向7の画素は、主走査方向及び副走査方向における類似色方向は何れも「−1」である。そして、面積タイプに基づいて代表色を算出する場合、注目側の代表色は、図11(a)に示す(−1,−1)の領域内の画素値の平均値となる。このとき、反対側の代表色は、(1,1)の領域内の画素値の平均値となる。また、点タイプに基づいて代表色を算出する場合、注目側の代表色は、図12に示す(−1,−1)の画素値となり、反対側の代表色は、(1,1)の画素値となる。
なお、トラップ判定・トラップ色算出部225は、面積タイプ及び点タイプの何れに基づいて代表色を算出してもよい。トラップ判定・トラップ色算出部225がトラップ色を面積タイプに基づいて算出する場合、トラッピング箇所(重ね合せた箇所)を目立ち難くすることができる。一方、点タイプに基づいて算出する場合、色が薄くならないため、トラッピング箇所は目立ちやすくなるが、版ずれ時の白ぬけの視認度合いを低くすることができる。このように、トラップ判定・トラップ色算出部225は、版ずれが少ないときの偽色による画質劣化、又は版ずれが大きい時の白抜けによる画質劣化など、どちらの問題を優先するかに応じて、面積タイプ及び点タイプの何れかに切り替えて、代表色を算出するようにしてもよい。以下、代表色は、面積タイプに基づいて算出するものとして説明する。
図13は、注目側及び反対側の代表色を算出した結果の一部を示す図である。各画素内の数値は、算出した代表色の画素値を示しており、画素内の右側に表示されている数字はマゼンダ(M)、左側の数字はシアン(C)に対して算出した代表色の画素値を示している。また、上側の数値が注目側の代表色の画素値、下側の数値が反対側の代表色の画素値を示している。例えば、主走査方向6、副走査方向7の画素の場合、注目側の代表色は、マゼンダ(M)、反対側の代表色は、シアン(C)となる。
トラップ判定・トラップ色算出部225は、注目側及び反対側の代表色を算出した後、式(3)から式(6)に基づいて輝度値Lを算出する。式(3)から式(5)の(Crep,Mrep,Yrep,Krep)は、注目側及び反対側それぞれの代表色であり、これらの式は、CMYKをRGBに変換するための式である。式(6)は、変換したRGBを用いて輝度値Lを算出する式である。
Figure 0004749476
トラップ判定・トラップ色算出部225は、上述の式により注目側及び反対側それぞれの輝度値を対比し、注目側の輝度値が反対側の輝度値より低い場合、輝度が明るい領域(色が薄い領域)を拡大させるために、トラップ判定を有効とする。輝度が明るい方の領域を広げることで、オブジェクトの形状が変形されることを防ぐことができる。トラップ判定が有効とした場合、トラップ判定・トラップ色算出部225は、反対側の領域、即ち、輝度が高い方の代表色をトラップ色に決定する。また、注目側の輝度値が反対側の輝度値より高い場合、トラップ判定・トラップ色算出部225は、トラップ判定を無効とする。
図14は、注目側及び反対側の代表色に基づいて算出した輝度値及びトラップ判定の結果の一部を示す図である。各画素内の数値は、算出した注目側及び反対側、及び、トラップ判定結果を示しており、トラップ判定結果は、「1」がトラップ判定が有効とした場合、「0」がトラップ判定が無効とした場合である。例えば、主走査方向6、副走査方向7の画素の場合、注目側の輝度値が反対側の輝度値より低いため、トラップ判定は有効となり、トラップ判定が1となる。トラップ判定・トラップ色算出部225は、この画素に対して、決定されたトラップ色、即ち、シアン(C)をトラップ色(図13参照)として重ね合せの処理を行うよう決定する。
トラッピング判定処理部22は、トラップ判定・トラップ色算出部225による上述の処理結果を、トラップ色側セレクタ26及びトラッピング判定結果格納部24に対して出力する。
スムージング処理部(生成手段、色差算出手段、第1変更手段、第2変更手段)23は、入力画像データが低解像度、かつ、出力画像が高解像度である場合、低解像度の入力画像データに対してスムージング処理を行い、高解像度の画像データを生成する。スムージング処理部23は、入力画像データ(CMYK信号)の2×2単位でデータを補間して画素データを生成する。その際には、画素ボヤケとジャギーを低減しながら行う。
図15は、スムージング処理におけるデータ補間について説明するための模式図である。なお、図15では、主走査方向及び副走査方向それぞれを2倍の解像度に向上する場合を示しており、P00,P01、P10,P11の画素(以下、入力画素と言う)に対して、0,1,2,3の画素(以下、出力補間画素と言う)を補間するものとする。
スムージング処理部23は、それぞれのプレーン(色成分毎)でバイリニア補間を実行することにより、出力補間画素を生成する。スムージング処理部23は、図15の場合、出力補間画素3は式(7)により算出する。ここで、P00,P01、P10,P11の画素それぞれのCの画素値を(Cp00,Cp01,Cp10,Cp11)とし、出力補間画素3の画素値を、(Cb13,Mb13,Yb13,Kb13)とする。
Figure 0004749476
Mb13,Yb13,Kb13についても同様であるため省略する。また、式(7)のu,vの値は、出力補間画素0の場合はu=0,v=0、出力補間画素1の場合はu=0.5,v=0、出力補間画素2の場合はu=0,v=0.5、出力補間画素3の場合はu=0.5,v=0.5となる。次に、出力補間画素0〜3それぞれに対して、出力補間画素と入力画素との色差を算出する。この算出式は、式(1)と同様であるため省略する。さらに、算出した色差における最小値が閾値(例えば140)以下であれば、その入力画素値を出力補間画素値とする。閾値以上であれば、v<0.5の場合はP10、v≧0.5の場合はP11を出力補間画素の画素値とする。
図16は、スムージング処理を概念的に示した模式図である。例えば、図16(a)のマゼンダ(M)とシアン(C)との境界領域を含む4×4画素を、上述のように2倍の解像度に向上する場合、バイリニア補間により、4つの入力画素から4つの出力補間画素を生成する(図16(b)参照)。算出した色差がシアン(C)、又はマゼンダ(M)のどちらかに近い場合は、近い色の画素をコピーする(図16(c)参照)。算出した色差がシアン(C)、又はマゼンダ(M)の中間の場合は、入力画像の右側をコピーする(図16(d)参照)。斜め線に対してもスムーズな形状にスムージングすることができる。
図17は、図6の入力画像データに対して、バイリニア補間を行った結果を示す図である。各画素の数値は、上側の数値がシアン(C)の画素値、下側の数値がマゼンダ(M)の画素値を示している。なお、図17では、イエロー(Y)及びブラック(K)は、画素値が0であるため省略している。例えば副走査方向21の画素に示すように、シアン(C)及びマゼンダ(M)の境界部分では、シアン(C)及びマゼンダ(M)の中間の画素値となる。図18は、図17の画像データにおいて、注目画素に近い色の画素をコピーした処理結果の一部を示す図である。
トラップ判定結果格納部24は、出力画像が高解像度である場合に、トラッピング判定処理部22が行った処理の結果であるトラップ判定結果及びトラップ色を格納する。アップサンプリング処理部25は、トラップ判定結果格納部24に格納されたデータを読み出し、アップサンプリング処理を実行する。アップサンプリングの方法としては、例えば、ニアレストネイバー法を使用する。なお、アップサンプリング処理部25は、スムージング処理部23が行うスムージング処理とタイミングを合わせてアップサンプリングを実行する。
図19は、アップサンプリング処理部25が行ったアップサンプリング結果の一部を示す。シアン(C)とマゼンダ(M)の画素値がともに0となっている画素は、トラップ判定が0であることを示し、そうでない場合は、トラップ判定が1、かつ、そのときのトラップ色を示している。
トラップ色側セレクタ26及び画像側セレクタ27は、トラッピング・スムージング処理部15への入力画像データ、及び出力画像の解像度の組み合わせに応じてトラッピング重ね合せ処理部28への出力信号を切り替える。トラップ色側セレクタ26は、トラッピング判定処理部22の処理結果、及び、アップサンプリング処理部25の処理結果が入力される。画像側セレクタ27は、高解像度側セレクタ105からの画像データ、スムージング処理部23による処理結果、及び入力ラインバッファ部21からの画像データが入力される。
入力画像データ及び出力画像が低解像度である場合、トラップ色側セレクタ26は、トラッピング判定処理部22の処理結果をトラッピング重ね合せ処理部28へ出力する。画像側セレクタ27は、入力ラインバッファ部21から入力画像データの注目画素を出力する。入力画像データが低解像度、出力画像が高解像度である場合、トラップ色側セレクタ26は、アップサンプリング処理部25の処理結果を出力し、画像側セレクタ27は、スムージング処理部23による処理結果を出力する。入力画像データが高解像度、出力画像が低解像度である場合、トラップ色側セレクタ26は、トラッピング判定処理部22の処理結果を出力し、画像側セレクタ27は、入力ラインバッファ部21から入力画像データの注目画素を出力する。入力画像データ及び出力画像が高解像度である場合、トラップ色側セレクタ26は、アップサンプリング処理部25の処理結果を出力し、画像側セレクタ27は、高解像度側セレクタ105からの画像データを出力する。
トラッピング重ね合せ処理部28は、上述のように入力画像データ及び出力画像の解像度に応じて入力される信号が異なるため、解像度に基づいてトラッピング重ね合せ処理を行う。入力画像データ及び出力画像が低解像度の場合、トラッピング重ね合せ処理部28は、トラッピング判定処理部22から出力されるトラップ判定結果及びトラップ色を用いて、入力画像データに対してトラッピング重ね合せ処理を行う。トラッピング重ね合せ処理部28は、トラップ判定結果が1のとき、色成分毎で入力画像データ又はトラップ色の最大値を出力画素の画素値とする。トラップ判定結果が0のとき、トラッピング重ね合せ処理部28は、入力画像データの画素値を、出力画素の画素値とする。なお、ブラック(K)については、重ね合せたとき、重ねた画素値が目立ちやすい場合があるため、他の色成分と同様の処理を行う、又は、重ね合せ処理を行わないという選択をできるようにしてもよい。
図20は、トラッピング重ね合せ処理を行った結果の一部を示す図である。シアン(C)とマゼンダ(M)との境界付近では、マゼンダ(M)側にシアン(C)の値がトラッピングされた画像となる。
入力画像データが低解像度、出力画像が高解像度である場合、トラッピング重ね合せ処理部28は、スムージング処理部23でスムージング処理された画像データに、アップサンプリング処理部25でアップサンプリング処理されたデータをトラッピング重ね合せ処理を行う。図21は、スムージング処理後の画像にアップサンプリング結果でトラッピング重ね合せ処理を行った結果の一部を示す図である。
入力画像データが高解像度、出力画像が低解像度である場合、トラッピング重ね合せ処理部28は、入力解像度データ及び出力画像が低解像度の場合と同様の処理を行う。入力画像データ及び出力画像が高解像度である場合、トラッピング重ね合せ処理部28は、高解像度側セレクタ105から出力された入力画像データに対して、アップサンプリング処理部25でアップサンプリング処理されたデータを重ね合せる処理を行う。
このようにトラッピング処理において、トラッピング判定処理を低解像度側で、トラッピング重ね合せ処理を高解像度側で行うことで、画質の劣化、及び、回路規模の増加を低減しつつ、幅広い入力解像度に対応することができる。
次に、上述のカラー画像処理装置1の動作について説明する。図22は、カラー画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。
カラー画像処理装置1は、入力画像データが低解像度であるか否かを判定する(S1)。入力画像データが低解像度でない場合(S1:NO)、即ち、入力画像データが高解像度である場合、カラー画像処理装置1は、入力画像データに対してダウンサンプリング処理を行う(S2)。ダウンサンプリング処理は、上述のように、間引き処理などが用いられる。
カラー画像処理装置1は、例えば操作パネルから選択された解像度を取得することで、出力画像が低解像度であるか否かを判定する(S3)。出力画像が低解像度でない場合(S3:NO)、即ち、出力画像が高解像度である場合、カラー画像処理装置1は、S2でダウンサンプリング処理がされた入力画像データに対してトラッピング判定処理を行う(S4)。トラッピング判定処理は、上述のトラップ判定及びトラップ色の決定を行う処理であり、後述の図23において説明する。次に、カラー画像処理装置1は、ニアレストネイバー法などを用いてアップサンプリング処理を行う(S5)。その後、カラー画像処理装置1は、S4でのトラップ判定結果及び決定したトラップ色を用いて、入力画像データに対してトラッピング重ね合せ処理を行う(S6)。そして、カラー画像処理装置1は、本処理を終了する。
入力画像データが低解像度の場合(S1:YES)、カラー画像処理装置1は、S3と同様に、出力画像が低解像度であるか否かを判定する(S7)。出力画像が低解像度である場合(S7:YES)、S4と同様のトラッピング判定処理を行う(S8)。その後、カラー画像処理装置1は、トラッピング重ね合せ処理を行った後(S6)、本処理を終了する。また、S3で出力画像が低解像度である場合(S3:YES)、カラー画像処理装置1は、S8の処理を実行する。このように、カラー画像処理装置1は、入力画像データの解像度に関係なく、出力画像が低解像度である場合、低解像度の入力画像データに対して、トラップ判定及びトラップ色を決定する処理を行い、その処理結果に基づいてトラッピング重ね合せ処理を行う。
S7において、出力画像が低解像度でない場合(S7:NO)、即ち、入力画像データが低解像度で、出力画像が高解像度である場合、カラー画像処理装置1は、S4と同様のトラッピング判定処理を行い(S9)、S5と同様のアップサンプリング処理を行う(S10)。その後、カラー画像処理装置1は、低解像度の入力画像データに対してスムージング処理を行い、高解像度の画像データを生成する(S11)。なお、カラー画像処理装置1は、S9及びS10の処理と、S11の処理とは、処理順序を逆にしてもよいし、同時に行うようにしてもよい。その後、カラー画像処理装置1は、トラッピング重ね合せ処理を行った後(S6)、本処理を終了する。
図23は、トラッピング判定処理を示すフローチャートである。
トラッピング判定処理では、カラー画像処理装置1は、図7に示す微分フィルタを用いて主走査方向及び副走査方向それぞれのエッジ量を算出する(S21)。次に、カラー画像処理装置1は、エッジが存在するか否かを判定する(S22)。カラー画像処理装置1は、エッジ量を算出した結果、絶対値が閾値(例えば240)以上となる正負のエッジ量がCMYKのうち少なくとも2つのプレーンがある画素に対して、エッジが存在すると判定する。
エッジが存在しないと判定した場合(S22:NO)、即ち、算出したエッジ量の絶対値が閾値以下である、または、正負のエッジが供に存在しない場合、カラー画像処理装置1は、トラップ判定を無効とし(S30)、本処理を終了する。エッジが存在すると判定した場合(S22:YES)、カラー画像処理装置1は、エッジが存在すると判定した画素(注目画素)と、インクリメント方向領域及びデクリメント方向領域(図9参照)の画素との画素値の平均値に基づいて色差(col_diff)を算出する(S23)。色差(col_diff)は、式(2)により算出される。
次に、カラー画像処理装置1は、算出した色差(col_diff)に基づいて類似色方向を判定する(S24)。カラー画像処理装置1は、例えば、注目画素及びインクリメント方向領域に基づいて算出した色差が、注目画素及びデクリメント方向領域に基づいて算出した色差よりも小さい場合、インクリメント方向が類似色方向とされる。
カラー画像処理装置1は、判定した類似色方向に基づいて、注目側及び反対側の代表色を算出する(S25)。例えば、図10において、主走査方向6、副走査方向7の画素は、主走査方向及び副走査方向における類似色方向は何れも「−1」(デクリメント方向領域)である。そして、図11に基づいて代表色を算出する場合、注目側の代表色は、図11(a)に示す(−1,−1)の領域内の画素値の平均値となり、反対側の代表色は、(1,1)の領域内の画素値の平均値となる。
カラー画像処理装置1は、注目側及び反対側の代表色を算出した後、式(3)から式(6)に基づいて輝度値Lを算出する(S26)。カラー画像処理装置1は、算出した注目側及び反対側それぞれの輝度値を対比し、注目側の輝度値が反対側の輝度値より低いか否かを判定する(S27)。注目側の輝度値が反対側の輝度値より低い場合(S27:YES)、カラー画像処理装置1は、トラップ判定を有効とし(S28)、トラップ色を決定する(S29)。ここで、トラップ色は、反対側の領域の代表色である。そして、カラー画像処理装置1は、本処理を終了する。一方、注目側の輝度値が反対側の輝度値より高い場合(S27:NO)、カラー画像処理装置1は、トラップ判定を無効とし(S30)、本処理を終了する。
なお、トラッピング判定処理部22が行うトラッピング処理を行うか否かの判定、及びトラッピング処理の方法は、上述の実施形態に限定されることはない。例えば、次のようにトラップ判定を低解像度の画像データを用いて行い、画素値の変更処理を高解像度の画像データを用いて行う別の方法が考えられる。
図24は、トラップ判定を行う別の方法を説明するための模式図である。注目画素の画素値「50」が閾値(例えば、70)よりも小さく、かつ、注目画素の周囲の画素に、閾値よりも大きい画素値の画素があるか否かを判定する。そして、条件に適合する画素が存在する場合に、注目画素がエッジであるとみなし、トラッピング処理を行うと判定する。図24(a)の場合、画素値「50」の画素を注目画素とした場合、左側の画素値「150」及び上側の画素値「200」の画素が、斯かる条件に適合するため、トラッピング処理を行うと判定する。
次に、トラッピング処理を行う場合、注目画素の画素値を決定する。具体的には、予め定めた最小トラップ値(例えば、100)と注目画素の周囲の画素(以下、周囲画素と言う)の最大画素値(図24では「200」)との何れか小さい方の値、又は、予め定めたトラップ率(例えば、0.4)を周囲画素の最大画素値にかけた値(図24では「200×0.4=80」)のいずれか大きい方の値(100)を注目画素の画素値に置換する(図24(b)参照)。
次に、以下の方法によりトラッピング処理を行う。トラッピング処理を行うトラップ幅は、最小トラップ値(100)、トラップ率(0.4)及びトラップ幅制御閾値(例えば、10)により制御する。注目画素の元の画素値(50)と、置換した画素値(100)との差(50)にトラップ率を乗算した値(20)を、注目画素の周囲画素に加算する(図24(c)参照)。さらに周囲画素では、加算した値(20)にトラップ率を乗算した値を周囲画素に加算する(図24(d)参照)。このとき、同じ周辺画素に加算する場合は、その中での最大値を用いる。加算した結果が予め設定された値(トラップ幅制御閾値、例えば10)より小さくなる画素で加算処理を終了する。これら処理は、各色成分の画像データ毎に行ってもよいし、複数の色成分の画像データを用いて行ってもよい。
また、上述の実施形態では、本発明に係る画像処理装置を、プリンタなどのカラー画像形成装置に備えた場合について説明したが、カラー複合機に備えるようにしてもよい。図25は、本発明に係る画像処理装置を備えるデジタルカラー複合機の構成を示すブロック図である。
カラー画像処理装置50は、A/D変換部51、シェーディング補正部52、入力階調補正部53、領域分離処理部54、色補正部55、黒生成下地除去部56、空間フィルタ処理部57、トラッピング・スムージング処理部58、出力階調補正部59、及び階調再現処理部60などから構成されている。デジタルカラー複合機は、カラー画像処理装置50に、操作パネル(受付手段)50a、カラー画像入力装置40、カラー画像出力装置70及び送信装置71が接続されて構成されている。操作パネル50aは、デジタルカラー複合機の動作モードを設定する設定ボタン及びテンキー、並びに液晶ディスプレイなどで構成される表示部より構成される。
カラー画像入力装置40は、例えばCCD(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部より構成され、原稿からの反射光像を、RGB(R:赤・G:緑・B:青)のアナログ信号としてCCDにて読み取って、カラー画像処理装置50に入力する。カラー画像入力装置40にて読み取られたアナログ信号は、カラー画像処理装置50内を、A/D変換部51、シェーディング補正部52、入力階調補正部53、領域分離処理部54、色補正部55、黒生成下地除去部56、空間フィルタ処理部57、トラッピング・スムージング処理部58、出力階調補正部59、階調再現処理部60の順で送られ、ストリームとしてカラー画像出力装置70へ出力される。
A/D変換部51は、RGBのアナログ信号をデジタル信号に変換する。シェーディング補正部52は、A/D変換部51より送られてきたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置40の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施す。入力階調補正部53は、シェーディング補正部52から入力されたRGB信号(RGBの反射率信号)に対して、カラーバランスを整えると同時に、濃度信号などカラー画像処理装置50に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換する処理を施す。
領域分離処理部54は、RGB信号より、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真領域の何れかに分離するものである。領域分離処理部54は、分離結果に基づき、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、黒生成下地除去部56、空間フィルタ処理部57、及び階調再現処理部60へと出力すると共に、入力階調補正部53より出力された入力信号をそのまま後段の色補正部55に出力する。色補正部55、黒生成下地除去部56、及びトラッピング・スムージング処理部58の処理内容は、上述の実施形態と同様である。
空間フィルタ処理部57は、黒生成下地除去部56より入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけ又は粒状性劣化を防ぐ処理を行う。階調再現処理部60は、空間フィルタ処理部57と同様に、CMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基に所定の処理を施す。例えば、領域分離処理部54にて文字に分離された領域は、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部57による空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。同時に、階調再現処理部60においては、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化処理が選択される。
また、領域分離処理部54にて網点に分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部57において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。
出力階調補正部59は、カラー画像出力装置70の特性に基づく出力階調補正処理を行った後、階調再現処理部60により、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。領域分離処理部60にて写真に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
送信装置71は、モデム又はネットワークカードを備えている。ファクシミリの送信を行うときは、モデムにて、相手先との送信手続きを行い送信可能な状態が確保された後、所定の形式で圧縮された画像データ(スキャナで読み込まれた画像データ)をメモリから読み出し、圧縮形式の変更など必要な処理を施して、相手先に通信回線を介して順次送信する。
ファクシミリを受信する場合、通信手続きを行いながら相手先から送信されてくる画像データを受信してカラー画像処理装置50に入力し、カラー画像処理装置60では、受信した画像データを、圧縮/伸張処理部(図示せず)にて伸張処理を施す。伸張された画像データは、必要に応じて、回転処理や解像度変換処理が行なわれ、出力階調補正及び階調再現処理が施され、カラー画像出力装置70より出力される。
また、ネットワークカード、LANケーブルを介して、ネットワークに接続されたコンピュータや他のデジタル複合機とデータ通信を行なう。なお、デジタルカラー複合機について説明したが、モノクロの複合機であっても構わない。
さらに、本発明はコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、前記したとラッピング処理・スムージング処理を行う方法を記録するものとすることもできる。この結果、前記処理を行うプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
なお、上述の実施形態では、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであってもよい。また、図示していない外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、前記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
前記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
以上、本発明の好適な一実施の形態について、具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施の形態に限定されることはない。
10 入力解像度調整部
20 解像度変換トラッピング処理部
21 入力ラインバッファ部
22 トラッピング判定処理部
23 スムージング処理部
24 トラッピング判定結果格納部
25 アップサンプリング処理部
28 トラッピング重ね合せ処理部

Claims (9)

  1. 複数の色成分を有する入力画像データから出力画像データを生成する際に、前記入力画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行う画像処理装置において、
    入力画像データの解像度が所定値以上であるか否かを判定する解像度判定手段と、
    該解像度判定手段が前記所定値以上であると判定した場合、前記入力画像データを前記所定値未満の解像度の画像データに変換する第1変換手段と、
    該第1変換手段による変換後の画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、
    該処理判定手段が重ね合せ処理を行うと判定した場合、前記第1変換手段による変換後の画像データに基づいて重ね合せる画素の色成分を決定する決定手段と、
    該決定手段により決定された色成分に基づく画素データを、前記入力画像データの解像度に変換する第2変換手段と、
    前記入力画像データ前記第2変換手段により前記入力画像データの解像度に変換された重ね合わせる画素の色成分に基づく画素データを重ね合せる処理を行う重ね合せ手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 出力画像データの解像度の設定を受け付ける受付手段と、
    該受付手段が受け付けた解像度、及び前記入力画像データの解像度の高低を比較する比較手段と、
    前記解像度判定手段により解像度が所定値以下であると判定され、かつ、前記比較手段による比較の結果、前記受付手段が受け付けた解像度が高い場合、前記入力画像データを、前記受付手段が受け付けた解像度の画像データに変換する第3変換手段と
    をさらに備え、
    前記処理判定手段は、
    前記第3変換手段が前記入力画像データを、前記受付手段が受け付けた解像度の画像データに変換する場合、前記入力画像データに対して前記重ね合せる処理を行うか否かを判定し、
    前記第2変換手段は、
    前記決定手段により決定された色成分の画素データを、前記受付手段が受け付けた解像度に基づいて変換し、
    前記重ね合せ手段は、
    前記第2変換手段及び第3変換手段による変換後の画素データ及び画像データを重ね合せ、出力画像データを生成するようにしてある
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第3変換手段は、
    前記入力画像データに対して補間画素を生成する生成手段と、
    該生成手段が生成した補間画素と、該補間画素に最も近接する前記入力画像データの画素との色差を算出する色差算出手段と、
    該色差算出手段が算出した色差が所定値未満の場合、前記補間画素の画素値を、前記入力画像データの画素の画素値に変更する第1変更手段と、
    前記色差算出手段が算出した色差が前記所定値以上の場合、前記補間画素の画素値を、該補間画素に対して所定位置にある前記入力画像データの画素の画素値に変更する第2変更手段と
    を有することを特徴する請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 請求項1から3の何れか一つに記載の画像処理装置と、
    該画像処理装置が生成した出力画像データに基づいて、画像形成を行う画像形成手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 複数の色成分を有する入力画像データから出力画像データを生成する際に、前記入力画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行う画像処理方法において、
    入力画像データの解像度が所定値以上であるか否かを判定し、
    前記所定値以上であると判定した場合、前記入力画像データを前記所定値未満の解像度の画像データに変換し、
    前記所定値未満の解像度に変換された画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行うか否かを判定し、
    重ね合せ処理を行うと判定した場合、前記所定値未満の解像度に変換された画像データに基づいて重ね合せる画素の色成分を決定し、
    決定された色成分に基づく画素データを、前記入力画像データの解像度に変換し、
    前記入力画像データと前記入力画像データの解像度に変換された重ね合わせる画素の色成分の画素データを重ね合せる処理を行う
    ことを特徴とする画像処理方法。
  6. 出力画像データの解像度の設定を受け付け、
    受け付けた解像度、及び前記入力画像データの解像度の高低を比較し、
    前記入力画像データの解像度が所定値以下であると判定され、かつ、受け付けた解像度が前記入力画像データの解像度より高い場合、前記入力画像データを、受け付けた解像度の画像データに変換し、
    前記入力画像データを受け付けた解像度の画像データに変換する場合、前記入力画像データに対して前記重ね合せる処理を行うか否かを判定し、
    決定された色成分の画素データを、受け付けた解像度に基づいて変換し、
    変換後の画素データ及び画像データを重ね合せる処理を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 前記入力画像データに対して補間画素を生成し、
    生成した補間画素と、該補間画素に最も近接する前記入力画像データの画素との色差を算出し、
    算出した前記色差が所定値未満の場合、前記補間画素の画素値を、前記入力画像データの画素の画素値に変更し、
    算出した前記色差が所定値以上の場合、前記補間画素の画素値を、該補間画素に対して所定位置にある前記入力画像データの画素の画素値に変更する
    ことを特徴する請求項6に記載の画像処理方法。
  8. コンピュータに、複数の色成分を有する入力画像データから出力画像データを生成する際に、前記入力画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行わせるコンピュータプログラムにおいて、
    前記コンピュータを
    入力画像データの解像度が所定値以上であるか否かを判定する解像度判定手段、
    該解像度判定手段が前記所定値以上であると判定した場合、前記入力画像データを前記所定値未満の解像度の画像データに変換する第1変換手段、
    該第1変換手段による変換後の画像データに基づいて抽出したエッジに、複数の色成分の画素を重ね合せる処理を行うか否かを判定する処理判定手段、
    該処理判定手段が重ね合せ処理を行うと判定した場合、前記第1変換手段による変換後の画像データに基づいて重ね合せる画素の色成分を決定する決定手段、
    該決定手段により決定された色成分に基づく画素データを、前記入力画像データの解像度に変換する第2変換手段、及び、
    前記入力画像データ前記第2変換手段により前記入力画像データの解像度に変換された重ね合わせる画素の色成分に基づく画素データを重ね合わせる処理を行う重ね合せ手段
    として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  9. 請求項8に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とするコンピュータでの読取り可能な記録媒体。
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