JP4748559B2 - アブソリュートエンコーダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械分野における寸法測定、例えばモールドプレス金型の密着度や平行度の測定、ロール圧延機における圧延量の測定・制御、さらには生産・組立工場等における部品寸法の測定などに用いて好選なアブソリュートエンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の波長λmを有する第1のスケールと、該第1のスケールの信号を検出する第1の検出へッドとの相対変位に対応して位相が繰り返し変化する位相変調信号を出力する第1の検出手段と、上記第1のスケールとは異なる波長λaを有する第2のスケールと該第2のスケールの信号を検出する第2の検出ヘッドとの相対変位に対応して位相が繰り返し変化する位相変調信号を出力する第2の検出手段と、上記第1の検出手段と第2の検出手段から得られる信号の位相差を比較する位相比較回路とを有し、該位相比較回路より上記第1のスケール及び第2のスケールの波長よりも十分に長い波長の信号に相当して位相が変化する信号を得て、上記第1のスケール及び第2のスケールと、上記第1の検出ヘッド及び第2の検出ヘッドとの相対位置を検出する測尺装置が特公昭50−23618号公報に開示されている。
【0003】
この測尺装置において第1の検出手段から得られる位相変調信号epm、第2の検出手段から得られる位相変調信号epaは、次式のように表すことができる。
【0004】
epm=Ep1×Sin(2πft+2πX/λm)
epa=Ep2×Sin(2πft+2πX/λa)
さらに、波長λmとλaとの関係を、例えばN×λm=(N−1)×λaなる関係に選ぶと、これらの信号の位相θm(=2πX/λm)及びθa(=2πX/λa)の差Δθ(=θm−θa)は、次式に示すように波長λmのN倍の周期で繰り返す信号となる。
【0005】
Δθ=2πX/(N×λm)
したがって、上記測尺装置では、上記の位相差Δθを所定の位相差、すなわち、2π/Nで除算することにより、N×λm区間内におけるλm単位の位置を検出ことが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記測尺装置においては、各々のスケールから理想的な信号が得られない場合、例えば、位相変調信号が不完全な場合は、波長λ内に周期的な誤差を生じ、これらの誤差はλm単位の切替え位置にも重畳する。したがって、上記のごとく位相差Δθを2π/Nで除算したときに上記誤差のために、ズレを生じ、結果としてλm単位の誤差を発生することがある。
【0007】
また、これらの誤差を避けるためには、上記2つのスケールから得られる位相差Δθを用いて直接Nλm内を検出する方法が考えられるが、本方法では位相差ΔθがNλmなる仮想的に長いスケール内で位相が2πになる、すなわち周期的に位相が変化する信号であるため、キャリア周波数f内にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスM×fを内挿して高分解能を得ようとした場合、分解能λm/(M×N)が、波長λmやNを拡大するほど高分解能を得るのが難しくなる。また、経時的変化により検出精度が悪化するなどの問題があった。
【0008】
そこで、上述の如き従来の問題点に鑑み、本発明の目的は、アブソリュートエンコーダの内挿誤差を自ら計測した内挿誤差を基準として補正し、常に高精度な検出を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、異なる波長を持つ2つのスケールから出力される位相変調信号の位相差を用いて、上記波長のN倍の区間に亘ってアブソリュートに検出するように構成したエンコーダにおいて、相互の波長の差を利用して内挿誤差を検出し、該検出された内挿誤差量に基づいて補正を行う。
【0010】
すなわち、本発明は、波長λmの目盛りが形成された第1のスケールと、該第1のスケールの信号を検出する第1の検出ヘッドと、上記第1のスケールと第1の検出ヘッドの相対的な変位量をキャリア周波数fの位相変調信号として取り出すように構成された第1の変位量検出手段と、上記第1のスケールと異なる波長λaの目盛りが形成された第2のスケールと、該第2のスケールの信号を検出する第2の検出ヘッドと、上記第2のスケールと第2の検出ヘッドとの相対的な変位量をキャリア周波数fの位相変調信号として取り出すように構成された第2の変位量検出手段と、上記第1の変位量検出手段より得られる位相変調信号と、第2の変位量検出手段から得られる位相変調信号との位相差を検出する位相差検出手段と、該位相差検出手段からの出力を用いて、第1のスケール波長λmのN倍波長で繰り返す周期的な信号を得て、上記第1のスケール波長のN倍区間をアブソリュートに検出するように構成したアブソリュートエンコーダにおいて、上記第1の変位量検出手段から得られるキャリア周波数fの位相変調信号を周波数fの基準信号と位相比較して第1のスケールの波長λm内における第1の検出ヘッドの絶対位置に対応したパルス幅変調信号を生成する第1の位相比較手段と、この第1の位相比較手段により生成されたパルス幅変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿して第1のスケール波長λm内における第1の検出ヘッドの絶対位置に対応した分解能λm/Mのパルス列に変換する第1のゲート回路と、上記第1の変位量検出手段から出力される位相変調信号と第2の変位量検出手段から出力される位相変調信号の位相差に対応するパルス幅変調信号を生成する第2の位相比較手段と、この第2の位相比較手段により生成されたパルス幅変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿し、上記位相差に対応したパルス列に変換する第2のゲート回路と、上記第2の変位量検出手段と上記基準信号とを比較して第2のスケールの波長λaに対応する変位量ごとのパルスを生成するパルス生成手段と、上記第2のゲート回路の出力を計数し、該計数値を波長λmの1区間に対応するパルス数M/Nで除算し、求められた商によって第1のスケール波長λmのアドレスを仮決定し、該剰余が、3つのゾーンに区分けされた区間パルス数M/N内のいずれに属するかを判別した後、λmアドレスの切替部に対応するゾーン、すなわち、剰余が0若しくはM/Nの近傍のゾーンに属する時は、第1のスケール波長λm内の所定位置を基準として比較し、該比較結果に応じて上記仮決定したλmアドレスを補正して第1のスケール波長λmのN倍区間内におけるλmアドレスを特定するとともに、該剰余が、中央部のゾーンに属する時は上記仮決定されたλmアドレスを無条件でλmアドレスとして特定するようになし、上記第1のゲート回路から出力されるパルス列を計数して第1のスケール波長λm内の絶対位置を得て、上記記特定されたλmアドレスとを合成することにより第1のスケール波長λmのN倍区間にわたって分解能λm/Mで検出するとともに、上記λaパルス生成回路から出力されるλaパルスの発生位置に対応する第1のスケール波長λm内の絶対位置を計測し、該計測位置の理論値との差からのずれ量を内挿誤差として検出し、該検出された内挿誤差を記憶手段に保存し、該検出された内挿誤差を用いて上記第1のゲート回路から得られる第1のスケール波長λm内の位置における内挿誤差の補正量を生成して、上記アブソリュート位置とを合成し、第1のスケール波長λm内における内挿誤差を補正する演算手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
以下に説明する本発明の実施の形態は、異なる波長を有する2つのトラックから出力される位相変調信号を用いて、該トラックの記録波長より長い範囲をアブソリュートに検出する測長システム、例えば、特公昭50−23618号公報に開示されている測尺装置を改良したものである。本発明が最も効果的に適用可能な磁気方式を例に図面を参照しながら詳細に説明する。また、磁気式においても検出ヘッドに過飽和コアを用いた方式や磁気抵抗効果素子(以下MRセンサ)を用いた方式等があり、後者においては記録波長と再生波長が異なる場合があるが、ここでは、検出ヘッドとしてMRセンサを用いた場合について、再生波長を基準に説明することとする。
【0013】
本発明においては、第1のスケールの波長λmと第2のスケールの波長λaとの関係をN×λm=(N±1)×λaと選び、第1のスケールから出力されるキャリア周波数fの位相変調信号に対し、該キャリア周波数fのM倍のクロックパルスを用いて内挿することにより、第1のスケール波長λmのN倍の区間に亘って分解能λm/Mで計測可能であり、上記N及びMは、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に設定できる。
【0014】
ここでは、説明を簡単にするため、上記λmとN及びMに具体的な数値を当てはめて説明することとし、波長λmを1,024μm、内挿数Mを1,024(=210)として、さらに、上記Nを16として波長λmとλaとの関係を16×λm=(16+1)×λa=17×λaとすることにより、λmの1波長を1,024分割して1μmの分解能でアブソリュートに検出できるようにした具体的な構成例をもとに説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るアブソリュートエンコーダ100の構成を示すブロック図である。
【0016】
このアブソリュートエンコーダ100は、図示しないスケール部材上に波長λm(=1,024μm)の目盛りを記録することにより形成された第1のスケール11と、この第1のスケール11と対向し、波長λmに対して90゜位相差(λm/4)をもって配設された2チャンネルのMRセンサ12A,12Bで構成された第1の検出ヘッド12を備える。この第1の検出ヘッド12は、上記第1のスケール11との相対移動により、相対移動周期が2πx/λm(ただし、xは変位量)で、90゜位相差を有する2系統の正弦波信号Sin(2πx/λm),Cos(2πx/λm)を出力する。
【0017】
これら2相の正弦波信号Sin(2πx/λm),Cos(2πx/λm)は、例えば、図2に示すような構成の第1の変位量検出部13に導かれる。
【0018】
第1の変位量検出部13は、上記第1の検出ヘッド12を構成している2チャンネルのMRセンサ12A,12Bにより得られた2相の正弦波信号Sin(2πx/λm),Cos(2πx/λm)をタイミング信号生成部18により与えられる互いに90°の位相差をもつキャリア周波数fの2相信号MODC,MODSで平衡変調する乗算器31,32と、この乗算器31,32による平衡変調信号Sin(2πx/λm)×Cosωt,Cos(2πx/λm)Sinωtを加算する加算増幅器33を備える。
【0019】
上記第1の変位量検出部13は、上記乗算器31,32による平衡変調信号Sin(2πx/λm)×Cosωt,Cos(2πx/λm)Sinωtを加算増幅器33により信号レベルを合わせて加算することにより、次の(1)式に示すような位相変調信号epmを出力する。
【0020】
epm=Ep1×Sin(ωt+2πx/λm) (1)
ただし、ω=2πf、x=相対変位量
この位相変調信号epmは、例えば、図3に示すような構成の第1の位相比較部14に導かれる。
【0021】
第1の位相比較部14は、タイミング信号生成部18により与えられる周波数M×fのクロックパルスが供給されている第1及び第2の同期微分回路42,43並びにJKフリップフロップ44を備え、第1の変位量検出部13から位相変調信号epmが波形整形回路41を介して供給される上記第1の同期微分回路42による微分出力が上記JKフリップフロップ44のK入力端子に供給され、また、基準信号MODSが供給される上記第2の同期微分回路43による微分出力が上記JKフリップフロップ44のJ入力端子に供給されることにより、時刻tiにおける波長λm内の絶対位置に対応した位相量φm(ti)を有するパルス幅変調信号PWSmを上記JKフリップフロップ44から出力する。
【0022】
ここで、この第1の位相比較部14の動作タイミングを図4に示してあるように、サンプリング周期T(=1/f)ごとに第1の変位量検出部13から出力される位相変調信号epmでセットされ、基準信号MODSでリセットされるパルス幅変調信号PWSmの時刻tiにおける波長λm内の絶対位置x(ti)に対応した位相量φm(ti)は、次の(2)式のように表すことができる。
【0023】
φm(ti)=2π×x(ti)/λm (2)
上記第1の位相比較部14により得られたパルス幅変調信号PWSmは、タイミング信号生成部18により与えられるキャリア周波数fのM(=1,024)倍のクロックパルスM×fとともに第1のゲート回路15に入力される。
【0024】
ここで、位相量φm(ti)を有するパルス幅変調信号PWSmは、波長λm内の位置xに対応しパルス幅の変化する信号であり、最大位相量2π、すなわち、最大変位量λmに達したときのパルス幅はサンプリング周期T(=1/f)に等しいので、第1のゲート回路15では、M×fのクロック周波数を用いることにより位相量φm(ti)を1/Mの分解能、すなわち、変位x(ti)を分解能1μm(=λm/M=1,024/1,024)のパルス列SAPmとして検出可能であり、上記第1のゲート回路15により変換されたパルス列SAPmが演算部17に入力される。
【0025】
このアブソリュートエンコーダ100は、図示しないスケール部材上に第1のスケール11と平行して波長λa(=963.8μm)の目盛りを記録することにより形成された第2のスケール21と、この第2のスケール21と対向し、波長λaに対して90゜位相差(λa/4)をもって配設された2チャンネルのMRセンサで構成された第2の検出ヘッド22を備える。この第2の検出ヘッド22は、上記第1のスケール検出ヘッド12と一体的に構成されており、上記第2のスケール21との相対移動により、相対移動周期が2πx/λaで90゜の位相差を有する2系統の正弦波信号2πx/λa(ただし、xは変位量)で、90゜位相差を有する2系統の正弦波信号Sin(2πx/λa),Cos(2πx/λa)を出力する。
【0026】
上記第2の検出ヘッド22により得られる2系統の正弦波信号Sin(2πx/λa),Cos(2πx/λa)は、上記第1の変位量検出部13と同様な構成を有する第2の変位量検出部23に導かれる。
【0027】
第2の変位量検出部23は、次の(3)式に示すように、変位量λaごとに位相が2πだけ変化する位相変調信号epaを出力する。
【0028】
epa=Ep2×Sin(ωt+2πx/λa) (3)
ただし、ω=2πf、x=波長λa内の位置
この位相変調信号epaは、第1の位相比較部14と同様の構成を有する第2の位相比較部24において、第1の変位量検出部13から出力される位相変調信号epmと位相比較される。第2の位相比較部24は、第2の変位量検出部23から出力される位相変調信号epaと第1の変位量検出部13から出力される位相変調信号epmとの位相差に対応するパルス幅変調信号PWS2を出力する。
【0029】
上記(2)式からも明らかなように、位相変調信号の位相差φa(ti)は次の(4)式のように表せる。
【0030】
φa(ti)=2π×x(ti)/λa (4)
したがって、上記位相差Δφ(=φa(ti)−φm(ti)は、
Δφ=φa(ti)−φm(ti)
=2π×x(ti)(1/λa−1/λm) (5)
ここで、第1のスケール11の波長λmと第2のスケール21の波長λaとは、16λm=17λaの関係に選択されているので、上記Δφ(ti)は、
Δφ=2π×x(ti)/16λm
=2π×x(ti)/17λa (5)’
となり、第1のスケールの波長λmの16倍(N=16)の位置に達したときに一致する繰り返し信号である。
【0031】
図5は、上記アブソリュート計測区間において第1の変位量検出部13で検出された位相量φmと、第2の変位量検出回路9で検出された位相量φaとの関係を示している。
【0032】
そして、図6は、第1のスケールの波長λmの16倍区間内における任意の位置xに対する、第1の変位量検出部13で検出された位相量φmと、φaとφmとの位相差Δφ(=φa−φm)との関係を示したものである。この図6に示されるように、位相量φmはλmの1周期ごとに2π、Δφはλmの1周期ごとに2π/16ずつなる信号である。
【0033】
したがって、上記位相差Δφをλmの1周期に対応する位相量(以下、区間位相量)2π/16で除算し、その商としてxが位置するアブソリュート計測区間内におけるλmアドレスAjを検出することができる。
【0034】
ここで、上記位相差Δφは、キャリア周波数fのM倍のクロックパルスM×fとともに第1のゲート回路15と同様な構成を有する第2のゲート回路25に導かれ、上記位相差Δφに対応したパルス列SAPaに変換される。
【0035】
したがって、上記区間位相量2π/16は、区間パルス数M/16と等価であり、上記パルス列SAPaを区間パルス数M/16で除算することにより、その商としてxが位置するλm単位の絶対位置、すなわち、16λm内のλmアドレスAjを検出することができる。
【0036】
また、次の表1は、16λm=17λaの場合に、変位量xを0から16λmまで変化させたときのΔφとλmアドレスAjとの関係、及び、Δφに対応するパルス数ΔDとの関係を示したものである。
【0037】
【表1】
Figure 0004748559
【0038】
演算部17は、上記の関係を利用してλmアドレスAjを特定するとともに、上記φmをもとに生成された分解能1μmのパルス列SAPmとにより、1μmの分解能で16λm区間の絶対位置を生成する。例えば、図7に示すようにカウンタ機能(タイマー)を備えるマイクロコンピュータ(CPU)73を用いてソフトウエア処理で実現することができる。
【0039】
ここで、演算部17における主要な機能であるλmアドレスAjの検出にかかる基本原理について説明する。
【0040】
この演算部17は、上記第1のゲート回路15から出力される1μm分解能のパルス列SAPmをカウントするパルスカウンタ71と、第2のゲート回路25から出力されるパルス列SAPaをカウントするパルスカウンタ72を備え、該パルスカウンタ71,72の計測値をCPU73に取り込むためのトリガ信号として、パルス幅変調信号PWSm,PWSaのセット入力となる基準信号MODSがタイミング信号生成部18からCPU73への割り込み端子に供給されている。
【0041】
サンプリング時刻tiにおいて、上記(2)式に示す位相量φm(ti)のリセットタイミングに対応した基準信号MODSが入力されると、CPU73が割り込み動作を開始し、パルスカウンタ71で計測された第1のスケール11の波長λm内の絶対位置に対応するデータDm(ti)と、パルスカウンタ72で計測された上記2つの位相変調信号の位相差Δφに対応したパルス列SAPmの計測値ΔD(ti)がCPU73に取り込まれ、RAM74内の所定のメモリ領域に格納される。
【0042】
次に、CPU73は、上記位相差Δφに対応したこれらの計数値の差ΔDをRAM74内の所定の領域に格納するとともに、上記区間パルス数M/16で除算し、その商としてλmアドレスAjを特定し、該求められたAjをλm倍し、さらに、タイミングtiにおけるλm内の絶対値Dm(ti)とを加算し、16λm区間全域に亘る分解能1μmの絶対位置を生成する。
【0043】
このようにして生成された絶対位置は、RAM74内の所定のメモリ領域内に格納するとともに、例えば、測定データとして外部に出力する。
【0044】
ところで、上記の演算部17の動作は理想的な状態で述べたものであり、実際のシステムにおいては検出された信号の不完全さ、例えば、各々の検出ヘッド12,22に重畳するDC(以下、DCのずれ)、さらには両チャンネルのヘッドから出力される平衡変調信号の90°位相からのずれ、すなわち、出力の位相ずれ等に起因する検出誤差、すなわち、波長λm内を高分解能で検出する際に発生する内挿誤差を内包しており、これらの内挿誤差がλmアドレスAjの切替え部に重畳するため、λmアドレスのAj判定に誤動作を起こすことがある。
【0045】
ここで、上述のずれと内挿誤差との関係について数式を用いて説明する。
【0046】
本発明の具体的な実施の形態として検出ヘッドとしてMRセンサを用いた場合について説明してきた。周知のごとく、MRセンサにおいてはリソグラフィーを基本としてマスクを製作するため、両チャンネルのヘッドの間隔を波長λに対して正確に90°(λ/4)に設定することができる。
【0047】
したがって、上記に示す誤差要因のうち、「出力の位相ずれ」の影響は無視することができる。
【0048】
以下、説明を簡単にするため、検出ヘッドに重畳するDCのずれと出力レベルのずれによって生ずる内挿誤差について説明する。
【0049】
上述の(1)式及び(2)式に示した位相変調信号は、2チャンネルの検出ヘッドから理想的な信号が得られることを前提にした理論式である。
【0050】
しかしながら、実際のシステムでは各の検出ヘッドに重畳するDCのずれや出力レベルのずれにより、(1)式や(2)式に示すような完全な位相変調信号とのずれを生じ、結果として内挿誤差を生ずる。
【0051】
DCのずれと出力レベルのずれが一般式として、波長λのスケールにおけるCH1検出ヘッド及びCH2検出ヘッドから得られる平衡変調信号を各々e1,e2とすると、平衡変調信号e1,e2は、
e1={A+(1+a)×Sin(2πx/λ)}×Cosωt (6)
e2={B+(1+b)×Cos(2πx/λ)}×Sinωt (7)
ただし、
a:CH1出力の基準値からのずれ、b:CH2出力の基準値からのずれ
A:CH1ヘッドへのDCの重畳、 B:CH2ヘッドへのDCの重畳
となり、式を簡単にするため、2πX/λ=X、ωt=Tとおけば、(6)式及び(7)式は
e1={A+(1+a)×SinX}×CosT (6)’
e2={B+(1+b)×CosX}×SinT (7)’
と表すことができる。
【0052】
次に、単一の誤差要因による場合の内挿誤差パターンについて説明する。
【0053】
ここでは、説明を簡単にするため、DCのみにずれがあった場合と出力レベルのみにずれがあった場合に分けて説明する。
(1)DCのみにずれがあった時(出力レベルのずれはない)
DCのみにずれがあったときの位相変調信号をepm(D)は、(6)’式及び(7)’式において、a=b=0とおいて加算した信号であり、次のように表すことができる。
【0054】
Figure 0004748559
A及びBが1より十分小さいとして近似式を求めると、
Figure 0004748559
ただし、
δ=tan−1(A/B)
θ=tan−1{(A+SinX)/(B+CosX)} (9)
ここで、(8)式の{ }の中は、位相変調信号epm(D)のエンベロープを表しており、基準振幅1に対しXの基準位置から位相がδだけ遅れた振幅が√(A+B)のリップルが重畳した、Xに対して一次の成分を有する正弦波状の信号であることが分かる。
【0055】
また、(9)式のθは変位量を表しているので、誤差がないときの理論値{θ=tan−1(SinX/CosX)}から減算すると、位相変調信号が理想からずれた、すなわち、DCのずれがあった時の誤差を表すことになる。
【0056】
今、Xに対して0から2πにわたる1波長内の内挿誤差をΔX(D)とおくと、内挿誤差をΔX(D)は、
ΔX(D)=tan−1{(A+SinX)/(B+CosX)}
−tan−1(SinX/CosX) (10)
であるから、ここで、
α={(A+SinX)/(B+CosX)}、
β=SinX/CosX
とおけば
tan−1α−tan−1β=tan−1{(α−β)/(1+α×β)}ゆえ、
ΔX(D)=tan−1{(A×CosX−B×SinX)/(1+A×SinX+B×CosX)}
となる。さらに、(A×SinX+B×CosX)が1より十分小さいことを考慮してΔX(D)の近似式を求めると、
ΔX(D)=tan−1(A×CosX−B×SinX) (11)
となる。
【0057】
さらに、微小角ではtan{ΔX(D)}=ΔX(D)と近似できる。
【0058】
したがって、DCのみにずれが生じたときの誤差の近似式は次のよう表すことができる。
【0059】
Figure 0004748559
ただし、
γ=tan−1(A/B) (13)
(12)式からも明らかなように、DCのみがずれた時の内挿誤差は、振幅がずれの大きさに比例し、かつ振幅の最大(最小)となる位置が(以下、位相)がずれによって変化するXの1周期、すなわち波長λに対して1周期の正弦波となることがわかる。
【0060】
(2)出力レベルのみにずれがあったとき(DCのずれはない)
出力レベルのみにずれがあったときの位相変調信号epm(G)は、(6)’式及び(7)’において、A=B=0とおいて加算した信号であり、簡単のためa=0とおき、bをCH1側出力に対する変化分とすれば、次のように表すことができる。
【0061】
Figure 0004748559
ここで、bが1より十分小さいとして近似値を求めると、
Figure 0004748559
ただし、
θ’=tan−1{SinX/(1+b)×CosX} (15)
ここで、(14)式の{ }の中は、位相変調信号epm(G)のエンベロープを表しており、基準振幅(1+b/2)に対し、bの符号、すなわち、CH1とCH2の出力の大小関係によって、極性が異なる振幅が(b/2)で、Xに対して2次の成分を有する正弦波状の信号が重畳している事が分かる。
【0062】
また、(15)式のθ’は変位量を表しているので、誤差がないときの理論値{θ=tan−1(SinX/CosX)}から減算すると、位相変調信号の理想からずれた、すなわち、両チャンネルの出力にずれがあった時の内挿誤差を表すことになる、今、Xに対して0から2πにわたる1波長内の内挿誤差をΔX(G)とおくと、内挿誤差ΔX(G)は、
ΔX(G)=tan−1{SinX/(1+b)×CosX}−tan−1(SinX/CosX)
であり、ここで、
α’={SinX/(1+b)×CosX}、
β’=(SinX/CosX)
とおけば、
ΔX(G)=tan−1(α’−β’)/(1+α’×β’)
ゆえ、
Figure 0004748559
となる。
【0063】
さらに、bが1に対して十分小さいときは、tan{ΔX(D)}=ΔX(D)に、分母は1と近似できる。
【0064】
したがって、出力レベルにずれが生じたときの誤差の近似式は次のように表すことができる。
【0065】
ΔX(G)=(−b/2×Cos2X) (17)
(17)式より明らかなように、出力レベルのみにずれが生じた時の内挿誤差ΔX(G)は、その振幅とその極性(出力の大小関係)が、bの絶対値と極性(両チャンネルの出力の大小関係)に比例し、位相が一定で、波長λの1周期に対して2周期の成分を有する正弦波状に変化する信号であることが分かる。
【0066】
以上より、位相変調信号が理想状態からずれたときには、位相変調信号のエンベロープに対し、ずれの要因に応じて固有の周期と位相を持つリップル成分が重畳し、かつ、ずれの要因に固有な周期と位相をもつ内挿誤差が発生することが分かる。
【0067】
これらからも明らかなように、λmアドレスAjの切替え部は第1のスケール11の波長λmの整数倍に対応した位置であるが、第2のスケール21の波長λaに対しては、λmアドレスAjごとに、波長λaの1/16の整数倍ずつずれた位置に対応しているため、λmアドレス切替え部において検出されるΔφには、第2のスケール21の波長λaの内挿誤差が重畳するため位相差Δφの逆転現象が生じ、上記表1に示した関係をもとに、単純に検出されたΔφを区間位相量φZ(=2π/16)に対する商を求めるだけでは、λmアドレスAjの検出に誤動作を生じることになる。
【0068】
図8は、第2のスケール21のCH1検出ヘッド及びCH2検出ヘッドに正方向のDCのずれが生じた時、すなわち、(12)式に示す内挿誤差を波長λaの1周期にわたってプロットしたものであり、次の表2は、内挿誤差が重畳するλmアドレスAjとの対応関係を示したものである。
【0069】
【表2】
Figure 0004748559
【0070】
次に、本発明において適用される実際のシステム、すなわち、内挿誤差が発生した場合でも正しくλmアドレスAjを検出可能とする演算部17の構成及び動作について詳細に説明する。
【0071】
先ず、図9を参考にしながら、本発明におけるλmアドレスAjの確定にかかる基本的な原理を説明する。
【0072】
(1)λmアドレスAjの切替え部、すなわち、λmの両端部において検出される位相差Δφは、第2のスケール21の波長λaの内挿誤差Ieaに対応して位相量φieaだけ変動する。したがって、実際にはλmアドレスAjがjとして検出されるべきものが、その前後、すなわち、j−1又はj+1として検出される可能性がある。
【0073】
(2)しかしながら、上記誤検出される可能性を有する領域に対し、さらに第1のスケールにおける内挿誤差Iemに対応する位相量φiemだけ内側の領域においては、内挿誤差の影響を受けず、λmアドレスAjを一義的に決定できる領域がある。
【0074】
(3)さらに、上記(1)においても、第1のスケールにおいて検出された位相φmが、波長λm内のどの位置に属するかを、例えば、λmの中央値λm/2に対して左側(x≦λm/2)にあるか、又は右側(x>λm/2)に位置するかの判定条件を加え、該判定結果をもとに補正することにより、正しくλmアドレス(Aj)を判定できる。
【0075】
すなわち、λmアドレスAjの切替え部において、λmアドレス(Aj)の判定領域にヒステリシスを持たせ、該ヒステリシス領域内においては、第1のスケールλmの位置による判定条件を付加することにより、内挿誤差の影響を受けず誤動作のないλmアドレスAjの検出が実現できる。
【0076】
次に、本発明におけるλmアドレスAjの切替え部に付与すべきヒステリシス及びその他の判定条件の設定について、具体的な数値を適用し説明する。
【0077】
上述のように、位相差Δφはパルス数ΔDとして検出され、区間位相量φZ(=2π/16)は区間パルス数ND(=64)に対応している。
【0078】
第1のスケール及び第2のスケールの波長が略等しいので、システムにおいて想定される内挿誤差が略等しいとして、その振幅をIeとすれば、内挿誤差に対応する位相量φie及びパルス数Dieは次のように表すことができる。
【0079】
φie=2π×(Ie/λm) (17)
Die=M×φi/2π=1,024×(Ie/λm) (18)
すなわち、λmアドレス(Aj)の切替え部においては、パルス数ΔDはDieずつ変動する可能性がある。
【0080】
ここで、波長λに対する内挿誤差率Ie/λmは通常1%程度であり、そのときのDieは、(18)式から約10パルスであり、λmアドレスAjの切替え部においては、第2のスケールλaの内挿誤差により、区間パルス数ND(=64)に対して±10パルスの変動が生ずると考えることができる。さらに、第1のスケール11における内挿誤差の影響に伴うパルス数Dieも10パルスとすれば、この値を加えた区間パルス数ND(=64)に対して±20パルス分内側の領域、すなわち、パルス数ΔDが20以上(=0+20)から44未満(=64−20)の区間は、内挿誤差の影響を受けず一義的にλmアドレスAjを決定できる領域(以下、無条件判別領域)である。
【0081】
また、上記無条件判別領域の外側、すなわち、ΔDが0以上20未満の下側領域及びΔDが44以上64未満の上端領域においては、第1のスケールにおいて検出される位相量φmが、λmの中間値、すなわち、Dmが512パルス(1,024/2)位置を基準にして大小を判別する条件を付加し、該判定結果に応じて刈り決定されたλmアドレスAjを補正すれば良い。
【0082】
次に、図10に示す処理フローに従い、本発明におけるλmアドレス(Aj)の判定手順を説明する。
【0083】
先ず、最初のステップS1では、サンプリング時刻tiにおいて、基準信号MODSが入力されると、CPU73が割り込み動作を開始し、上記第1のパルスカウンタ71の計数値Dm(ti)及び第2のパルスカウンタ72の計数値ΔD(ti)を取り込み、RAM74の所定のメモリ領域に格納する。
【0084】
次のステップS2において、CPU73は、上記ΔDを区間パルス数NZ(=64)で除算し、商jをλmアドレスの候補として、また、剰余Resをλmアドレス確定用のデータとしてRAM74の所定のメモリ領域に格納する。
【0085】
次のステップS3において、CPU73は、剰余Resの値に応じて3つの領域に分別し、次の判定処理によりλmアドレスAjを確定する。
【0086】
すなわち、0≦Res<20のときには(ステップS41)、Dm(ti)が中央値512を超えているか否かについての判定を行う(ステップS51)。
【0087】
そして、このステップS51における判定結果が”Yes”すなわちDm(ti)≧512である場合は、上記ステップS2において算出された商jから1を減算し、この値をλmアドレスAjとし(ステップS61)、また、判定結果が”No”すなわちDm(ti)<512である場合には、上記ステップS2で検出されたAjをそのままλmアドレスAjとする(ステップS62)。
【0088】
また、20≦Res<44のときには(ステップS42)、ステップS2で検出された商jをそのままλmアドレスAjとする(ステップS62)。
【0089】
さらに、44≦Res<64のときには(ステップS43)、Dm(ti)が中央値512より小さいか否かについて判定を行う。
【0090】
そして、このステップS53における判定結果が”Yes”すなわちDm(ti)<512である場合には、上記ステップS2において算出された商jに1を加算し、この値をλmアドレスAjとし(ステップS63)、また、判定結果が”No”すなわちDm(ti)≧512である場合は、上記ステップS2で検出されたAjをそのままλmアドレスAjとする(ステップS62)。
【0091】
次のステップS7では、上記の手順によってλmアドレスAjを確定した後、CPU73はλmアドレスAjに波長λmを乗じたのち、上記Dm(ti)と加算し、時刻tiにおける16λm区間内における絶対位置X(ti)を生成する。
【0092】
以下、サンプリング時刻ごとに同様の手順(S1〜S7)を繰り返し、16λm区間内における絶対位置を求める。また、生成された絶対位置X(ti)は、例えば表示として利用する、又は測定データとして外部のシステムに出力するなど、必要に応じて利用できる。
【0093】
次に、このアブソリュートエンコーダ100における内挿誤差の監視及び補正ついて説明する。
【0094】
このアブソリュートエンコーダ100は、例えば、図11に示すような構成のλaパルス生成部16を備える。このλaパルス生成部16は、上記第2の変位量検出部23から位相変調信号epaが波形整形回路61を介して供給されるD型フリップフロップ62と、このD型フリップフロップ62の出力が入力される同期微分回路63とを備え、上記タイミング信号生成部18から基準信号MODSがD型フリップフロップ62に供給されるとともに、クロックパルスM×fが同期微分回路63に供給されている。そして、このλaパルス生成部16から出力されるλaパルスが、図7に示した演算部17のCPU73に入力されており、必要に応じてCPU73に対する割り込み信号として機能する。また、上記演算部17のRAM74の一部は、不揮発メモリで構成されている。
【0095】
一般に、第1のスケール11及び第2のスケール21の目盛り(波長)は光波干渉計を基準として形成(記録)するため極めて高精度である。また、上記12式あるいは17式からも明らかなように、Xの周期、すなわち、波長λaの移動ごとに発生するλaパルスのピッチは、たとえDCのずれや出力レベルのずれに拘わらず常に一定の値となる。
【0096】
先ず、このアブソリュートエンコーダ100における内挿誤差の補正方法について説明する。
【0097】
図1に示す第1のλパルス生成部16は、アブソリュート計測区間において、第2のスケール21の波長λaの移動毎にλaパルスを生成し、アブソリュート計測区間における移動に伴って17ヶのλaパルスを発生する。ここで、第2のスケール21の波長λaの各アドレス毎に発生するλaパルスを特定するため、λaアドレスAkがkからk+1に変化するとき発生するλaパルスをλa(k)と表すことにすれば、λaパルスλa(k)の発生位置に対応する第1のスケール11の波長λm内の位置は(16−k)×λm/17となる。
【0098】
次に、各スケール11,21の記録条件が一定であり、スケール素材が一定の品質を保っていれば、比較的狭い範囲、例えば、アブソリュート計測区間における各波長内の内挿誤差は類似性を有すると考えられる。
【0099】
したがって、上記アブソリュート計測区間に亘る移動に際して正確なピッチで発生する17ヶのλaパルスλa(k)は、第1のスケール11の1波長内をλm/17ピッチでサンプルしたことに相当する。
【0100】
ここで、次の表3はλaパルスλa(k)によってサンプリングされる波長λm内の位置(16−k)×λm/17と該位置に対応するパルス数の理論値Dmt(k)を示したものであり、実際には各々のスケールにおける内挿誤差によりずれを生ずる。
【0101】
【表3】
Figure 0004748559
【0102】
したがって、実際に計測された値と、上記表3に示す理論値との差異を検出することにより、各スケール11,21における内挿誤差を測定したことになる。
【0103】
ところで、この実施の形態においては、第1のスケール11の波長λm内を17回サンプリングしており、上述のようにDCのずれや出力レベルのずれによって発生する内挿誤差の周期は、波長λに対して最大でも2周期成分しか含まない。したがって、サンプリング定理からも明らかなように、これらの要因に伴う内挿誤差を補正できる。
【0104】
このアブソリュートエンコーダ100における内挿誤差の補正は、補正の基準となる内挿誤差を取得し、該取得された内挿誤差を基に計測し、且つ補正の基準となる内挿誤差を監視し必要に応じて補正の基準となる内挿誤差を更新することである。
1.内挿誤差の取得
ここで、計測の開始に先立って適用される「補正の基準となる内挿誤差」としては、例えば、生産工程あるいは出荷時に取得された内挿誤差、あるいは実際に使用に先立ってユーザサイドで取得された内挿誤差を選択することができる他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に選択することができる。
【0105】
ここでは、内挿誤差の取得にかかる基本的な手順について説明する。
【0106】
実際の手順においては、アブソリュート計測区間の全域に亘ってスケールと検出ヘッドとを相対的に移動させながら行う必要があるが、ここでは相対的な移動についての説明は省略することとする。また、説明を簡単にするため、処理の過程で発生するメモリへの一次的な格納等の本発明の本質に拘わらない処理についても省略することとする。
【0107】
また、内挿誤差の取得は、例えば「内挿誤差取得モード」を起動し、第1のλパルス生成部16から出力されるλaパルスによってCPU73に割り込みをかけ、該λaパルスに対応する波長λm内の位置を検出するように構成するのが好都合である。
【0108】
手順11
「内挿誤差取得モード」が起動され、k番目のλaアドレスに対応するλaパルスλa(k)が入力されると、CPU73は、パルスカウンタ71の計数値を読み込み、上記λaパルスの発生位置に対応する第1のスケール11の波長λm内の位置Dm(k)を読み込む。
【0109】
手順12
次に、CPU73は、パルスカウンタ72の計数値を読み込み、上記λaパルスの発生位置に対応する第1の変位量検出部13と第2の変位量検出部23との位相差に対応するパルスカウンタ2の計数値ΔD(k)を読み込むとともにλaアドレスAkを特定する。
【0110】
ここで、λaアドレスの特定は、λmとλaとの関係を入れ換え、かつλaアドレスの1区間に対応するパルス数をM/17(約60)とし、さらに、上記Dm(k)とΔD(k)とを加算することによって、波長λa内の絶対値Da(k)を求めることにより、上述のλmアドレスと同様の手順でλaアドレスを特定することができるが、該λa(k)パルスが入力されたときの波長λmのN倍区間における絶対位置X(k)を求め、該X(k)をλaで除算する等の方法で実現できることはいうまでもない。
【0111】
手順13
次に、変換式(16−k)×λm/7を用いて対応する波長λm内の位置を特定し、該位置における論理値Dmt(k)との差ΔDie(=Dmt(k)−ΔDk))を計算した後、分解能(=λm/M)を乗じて該位置における内挿誤差Ie(k)を求め、該アドレスAkをインデックスとして、RAM74の不揮発性領域に設けられた所定の領域(以下、補正用内挿誤差テーブルTcp(k))に格納する。
【0112】
手順14
これらの作業を全てのλa(k)パルスに対して実行し、第1のスケール波長λmに対しλm/17ピッチ毎の内挿誤差データを得る。
【0113】
次の表4は、λa(k)パルスでサンプリングされる波長λm内の位置において、上記手順により取得されるλa(k)パルスに対応する論理位置Dmt(k)と内挿誤差Ie(k)の関係を示したものである。また、図12は計測された内挿誤差の一例を示したものである。ただし、理論値Dmt(k)は波長λm内の1/17毎の理論値を分解能単位で丸めたパルス数である。
【0114】
【表4】
Figure 0004748559
【0115】
2.内挿誤差の補正
次に、上記補正用内挿誤差テーブルTcp(k)を用いて測定時における内挿誤差を補正する方法について説明する。
1)直線補間法による内挿誤差を補正
この発明における内挿誤差の第1の補正方法は、上記補正用内挿誤差テーブルTcp(k)に格納された内挿誤差Ie(k)を基に、各々のサンプリング周期T(=1/f)毎に計測される波長λm内の絶対位置の両側に位置する2点の内挿誤差を用いて直線補間によって内挿誤差を補正する方法であり、その概念を図13に示す。この直線補間法による内挿誤差の補正処理の手順を図14に示す。
【0116】
先ず、時刻tiにおける第1のスケール波長λm内の位置に対応するパルスカウンタ1の計数値Dm(ti)を取り込み、所定のメモリ領域に格納する(ステップS11)。
【0117】
同時に、第1の位相変調信号(ep1)と第2の位相変調信号(ep2)との位相差に対応するパルスカウンタ2の計数値ΔD(ti)を取り込み、λmアドレスを特定したのち所定のメモリ領域に格納する(ステップS12)。
【0118】
次に、特定されたλmアドレスと上記Dm(ti)を重みを考慮して加算し、時刻tiにおけるアブソリュート計測区間内の絶対位置Xabn(ti)を求める(ステップS13)。
【0119】
次に、上記Dm(ti)を上記補正テーブルTc(k)の理論値Dtm(k)と比較し、Dmt(k)≦Dm(ti)<Dmt(k−1)なる関係を満たすDmt(k)及びDmt(k‐1)を探す(ステップS14)。
【0120】
次に、上記Dmt(k)とDmt(k−1)に対応する内挿誤差Ie(k)とIe(k−1)を上記メモリから読み出す(ステップS15)。
【0121】
次に、次式に従って上記絶対位置における補正値Xcp(ti)を求める(ステップS16)。
【0122】
Xcp(ti)=−{Ie(k−1)−Ie(k)}×{Dm(ti)−Dmt(k)}/{Dmt(k−1)−Dmt(k)}
そして、上記の絶対位置Xabs(ti)から上記補正値Xcp(ti)を加算し、時刻tiにおける補正済みの絶対位置Xabs(ti)を求める(ステップS17)。
【0123】
Xabs(ti)=Xabn(ti)+Xcp(ti)
以下、同様の手順により、各サンプル時刻毎の絶対位置Xabc(ti)を求める。
【0124】
2)テーブル参照による方法
上記の直線補間法では、演算法によるため演算部17のCPU73の負担が重くなるまた、計測におけるリアルタイム性が犠牲になる。
【0125】
この発明における内挿誤差の第2の補正方法は、予め、上記検出されたλm/17ピッチ毎の内挿誤差テーブルを基に、波長λm内の全域にわたる分解能単位の補正値を求め、該補正値を図15に示すRAM74の不揮発領域に補正テーブルとして格納し、サンプリング周期T(=1/f)毎に計測される波長λm内の絶対位置Dm(ti)をアドレスとして該補正テーブルを参照することにより、波長λm内の任意の位置における補正値Xcp(ti)をダイレクトに求め、該補正値を用いて補正された絶対位置Xabc(ti)を求めるものである。
【0126】
この方法では、補正に先立って内挿誤差テーブル内のデータを用い、上記直線補間方法におけるステップS13〜ステップS16の手順に準じ、波長λ内の全域、すなわち、Dm(ti)の0〜1,023の全ての値に対してて内挿誤差の計算を行い、該内挿誤差を打ち消す値として補正値Xcp(ti)を作製し、上記補正テーブルに保管する。
【0127】
以下、テーブル参照法による内挿誤差の補正処理の手順について図16のフローチャートにしたがって説明する。
【0128】
先ず、時刻tiにおける第1のスケール波長λm内の位置に対応するパルスカウンタ71の計数値Dm(ti)を取り込み、所定のメモリ領域に格納する(ステップS21)。
【0129】
同時に、第1の位相変調信号(ep1)と第2の位相変調信号(ep2)との位相差に対応するパルスカウンタ2の計数値ΔD(ti)を取り込み、λmアドレスを特定したのち所定のメモリ領域に格納する(ステップS22)。
【0130】
次に、特定されたλmアドレスと上記Dm(ti)を重みを考慮して加算し、時刻tiにおけるアブソリュート計測区間内の絶対位置Xabn(ti)を求める(ステップS23)。
【0131】
そして、上記Dm(ti)をアドレスとして補正テーブルを参照し、波長内の位置、すなわちDm(ti)における補正値Xcp(ti)を取り出し、上記絶対値Xabs(ti)に上記補正値Xcp(ti)を加え、補正済みの絶対位置Xabc(ti)を求める(ステップS24)。
Xabc(ti)=Xabs(ti)+Xcp(ti)
【0132】
3.内挿誤差の監視及び更新
以上、補正の基準となる内挿誤差の取得と該取得された内挿誤差を用いた補正手順について説明した。
【0133】
しかしながら、実施のシステムにおいては、取付け状態の変化や構成部品等の経時変化等により、初期状態において取得した内挿誤差のパターンにずれを生じ、結果として不適切な補正を行い、かえって精度を悪化させる等の不具合を生じることもあり得る。
【0134】
そこで、本発明においては、適切なタイミングで内挿誤差を監視し、必要に応じて内挿誤差の基準となる補正用内挿誤差テーブルTcp(k)の内容を適切に更新するように構成されている。
【0135】
以下、内挿誤差の更新方法について説明する。
1)トリガ信号による内挿誤差の更新
この第1の方法では、トリガ信号、例えば電源投入時に発生する信号やキーボード等からの信号を図1に示す演算部17に制御信号として与えることにより「内挿誤差検出モード」を起動し、補正の基準となる内挿誤差を取得して上記補正用内挿誤差テーブルTcp(k)を更新する。
【0136】
ここで、内挿誤差の検出は、上述の「内挿誤差の取得」の手順に準じて行えばよい。
【0137】
上記第1の方法では、例えば、始業時等における一連の作業として内挿誤差の更新処理をシステムに組み込むことができ、常に最新の内挿誤差を取得できるため常に高精度を維持することができる。
【0138】
2)規格値を超えたことを判定しして内挿誤差を更新
上記第1の方法においては、補正の基準となる内挿誤差を常に最新の値に設定できる反面、スケールやMRセンサなどの経時的な安定度等を考慮すると過大に過ぎるばかりか、生産工程の稼働率を悪化させる可能性がある。
【0139】
第2の方法では、適切なタイミングでタイミングで内挿誤差を監視し、該監視結果に基づいて、内挿誤差を更新する。
(1)更新のための判定値
内挿誤差を監視し、該監視結果に基づいて内挿誤差の更新機能を起動するためには、上記検出された内挿誤差に対する判定値を設定する必要がある。この判定値として製品に共通な仕様である「内挿誤差の規格値Ir」を選択することもできるが、補正の一貫性を考慮すると、出荷時に取得された内挿誤差に対して製品として許容可能な範囲でのマージンを上乗せした値Iec(k)をRAM74内の所定の領域に設けた内挿誤差判定値テーブルTic(k)に格納し、波長λm内の所定の位置(λm/17ピッチ)毎の判定値とするのが好都合である。
【0140】
(2)内挿誤差の監視
内挿誤差の監視タイミングは、例えば、電源投入時の信号あるいはキーボード等からの信号を演算部17に制御信号として与えることにより「内挿誤差監視モード」を起動し、基準信号MODSによる通常の計測動作と同時並行的に実行するのが好都合であるが、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に選択することができる。
【0141】
また、内挿誤差の監視においては、λaパルスλa(k)の到来毎に検出される内挿誤差が上記判定値を越えたことを検出した時点で直ちに警報信号を発生し、該警報信号に基づいて内挿誤差の更新を行うようにすることもできるが、例えばノイズ等による一時的な反応と混同する虞があり、過剰な警報信号となってシステムの生産性を損なう虞がある。
【0142】
そこで、(12)式や(17)に示したように内挿誤差が波長λに対して1周期若しくは2周期の成分を有することを利用し、kをインデックスとする内挿誤差監視テーブルTi(k)を設け、次のような手順31〜33で内挿誤差を監視し、規格値を越えたことを判定するようにすることもできる。
【0143】
手順31
演算部17にλaパルスλa(k)が入力されると、CPU73は割り込み動作を開始し、パルスカウンタ71の計数値Dm(k)及びパルスカウンタ72の計数値ΔD(k)を取り込む。
【0144】
手順32
次に、CPU73は、これらを基にλaアドレスを特定し、該特定されたλaアドレスを基に波長λm内の位置を求める。
【0145】
手順33
次に、該検出された波長λm内の位置Dm(k)と、該位置における論理値Dmt(k)との差ΔDm(k)から分解能を考慮して当該位置における内挿誤差Ie(k)を求めて、上記内挿誤差監視テーブルTi(k)の所定の位置に書き込むとともに、上記内挿誤差判定値テーブルTic(k)の所定の位置に格納された判定値Iec(k)と比較し、該判定値を越えたことを検出したときは、上記内挿誤差監視テーブルTi(k)の所定の位置に対する内挿誤差エラーEr(k)の書き込みに先立ち、次のようなルールで判定処理を行う。
【0146】
ルール1:内挿誤差監視テーブルTi(k)内の、上記λaパルスλa(k)に対応する波長λm内の位置、すなわち、(16−k)×λm/17における過去の内挿誤差エラーEr(k)の書き込みの有無をテストする。
(a)既に書き込まれているとき
ノイズの影響ではないと判定し、警報信号を出力する。
(b)書き込まれていないとき
対応する位置に内挿誤差エラーEr(k)の書き込み、ルール2に進む。
ルール2:内挿誤差監視テーブルTi(k)に書き込まれている内挿誤差エラーEr(k)の個数を確認する。
(a)内挿誤差エラーEr(k)の書き込まれている場所が2個以上ある場合
内挿誤差が増大したもの判定し、警報信号を出力する。
(b)内挿誤差エラーEr(k)の書き込まれている場所が1個だけの場合
判定作業を終了し、内挿誤差の監視作業に戻る。
【0147】
(3)内挿誤差の更新
上記の処理において警報信号が出力された時点で「内挿誤差更新モード」を起動し、上記「内挿誤差の取得」手順に準じて内挿誤差補正を取得し、該取得された内挿誤差をもって補正の基準となる補正用内挿誤差テーブルTcp(k)を更新する。
【0148】
しかしながら、作業形態によっては計測作業の中断が不適切なこともあり、このような場合には、作業者が適切なタイミングでキーボード等から制御信号を与えることにより、「内挿誤差更新モード」を起動するようにした方が好都合である。
【0149】
なお、上述の実施の形態においては磁気式について説明したが、本発明は、磁気式に制約されることなく、例えば光学方式のごとくスケールとヘッドとの相対移動に対応した2チャンネルの直交する正弦波信号が出力されるようなシステムにおいても、該検出された2相の正弦波信号を、キャリア周波数fの信号で直交変調した後加算することにより、位相変調信号を取り出すようにすれば同様に適用できる。
【0150】
また、本発明においてはリニアエンコーダヘの適用について説明したが、繰り返し区間を円周長と一致させることにより回転量のアブソリュート検出にも適用可能である。
【0151】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、トラック数が少ないため、システムの構造が簡単になり、小型・低コストで絶対位置検出システムを実現できる。
【0152】
また、位相変調信号を用いた位置検出システムのため、該位相変調信号のキャリア周波数fに対し、クロックパルスの周波数M×fを高く、すなわち、Mを大きくするだけで容易に高分解能を実現することができる。
【0153】
また、内挿誤差を自ら計測し、該計測された内挿誤差をもとに計測値を補正できるので、例えばスケール波長λmを大きく設定したときに顕著となる内挿誤差の影響をなくせるのみならず、例えば、システムの電源投入時や定期的なタイミングでの外部からの指令等による内挿誤差の検出を行い、該検出された内挿誤差をもとに補正を行うこともできるため、取付け状態の変化や部品の劣化等の経時的な変化を伴う内挿誤差を含めて補正が可能であり、常に高精度な位置検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアブソリュートエンコーダの構成を示すブロック図である。
【図2】上記アブソリュートエンコーダにおける第1の変位量検出部の構成を示すブロック図である。
【図3】上記アブソリュートエンコーダにおける第1の位相比較部の構成を示すブロック図である。
【図4】上記第1の位相比較部の動作タイミングを示す図である。
【図5】アブソリュート計測区間において第1の変位量検出回路で検出された位相量φmと、第2の変位量検出回路で検出された位相量φaとの関係を示す図である。
【図6】第1の変位量検出部で検出された位相量φmと、φaとφmとの位相差Δφ(=φa−φm)との関係を示す図である。
【図7】演算部の構成例を示すブロック図である。
【図8】DC偏倚が乗じたときの第1のスケールの内挿誤差ΔXの例を示す図である。
【図9】λmアドレスAjの確定にかかる基本的な考え方を説明する図である。
【図10】λmアドレスAjの判定手順を示すフローチャートである。
【図11】上記アブソリュートエンコーダに備えられるλパルス生成部の構成例を示すブロック図である。
【図12】上記アブソリュートエンコーダにおいて計測された内挿誤差の一例を示す図である。
【図13】直線補間法による内挿誤差の補正処理の概念図である。
【図14】上記アブソリュートエンコーダにおける演算部により計測時に実行される直線補間法による内挿誤差の補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】上記アブソリュートエンコーダにおいてテーブルを参照して内挿誤差の補正処理を行う場合の演算部の要部構成例を示すブロック図である。
【図16】上記演算部により計測時に実行されるテーブルを参照した内挿誤差の補正処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 第1のスケール、12A,12B MRセンサ、12 第1の検出ヘッド、13 第1の変位量検出部、14 第1の位相比較部、15 第1のゲート回路、17 演算部、18 タイミング信号生成部、21 第2のスケール、22 第2の検出ヘッド、23 第2の変位量検出部、24 第2の位相比較部、25 第2のゲート回路、31,32 乗算器、33 加算増幅器、41 波形整形回路、42,43 第1及び第2の同期微分回路、44 JKフリップフロップ、61 波形整形回路、62 D型フリップフロップ、63 同期微分回路、71,72 パルスカウンタ、73 CPU、74 RAM、100 アブソリュートエンコーダ

Claims (5)

  1. 波長λmの目盛りが形成された第1のスケールと、該第1のスケールの信号を検出する第1の検出ヘッドと、上記第1のスケールと第1の検出ヘッドの相対的な変位量をキャリア周波数fの位相変調信号として取り出すように構成された第1の変位量検出手段と、上記第1のスケールと異なる波長λaの目盛りが形成された第2のスケールと、該第2のスケールの信号を検出する第2の検出ヘッドと、上記第2のスケールと第2の検出ヘッドとの相対的な変位量をキャリア周波数fの位相変調信号として取り出すように構成された第2の変位量検出手段と、上記第1の変位量検出手段より得られる位相変調信号と、第2の変位量検出手段から得られる位相変調信号との位相差を検出する位相差検出手段と、該位相差検出手段からの出力を用いて、第1のスケール波長λmのN倍波長で繰り返す周期的な信号を得て、上記第1のスケール波長のN倍区間をアブソリュートに検出するように構成したアブソリュートエンコーダにおいて、
    上記第1の変位量検出手段から得られるキャリア周波数fの位相変調信号を周波数fの基準信号と位相比較して第1のスケールの波長λm内における第1の検出ヘッドの絶対位置に対応したパルス幅変調信号を生成する第1の位相比較手段と、
    この第1の位相比較手段により生成されたパルス幅変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿して第1のスケール波長λm内における第1の検出ヘッドの絶対位置に対応した分解能λm/Mのパルス列に変換する第1のゲート回路と、
    上記第1の変位量検出手段から出力される位相変調信号と第2の変位量検出手段から出力される位相変調信号の位相差に対応するパルス幅変調信号を生成する第2の位相比較手段と、
    この第2の位相比較手段により生成されたパルス幅変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿し、上記位相差に対応したパルス列に変換する第2のゲート回路と、
    上記第2の変位量検出手段と上記基準信号とを比較して第2のスケールの波長λaに対応する変位量ごとのパルス(以下、λaパルス)を生成するパルス生成手段と、
    上記第2のゲート回路の出力を計数し、該計数値を波長λmの1区間に対応するパルス数M/N(以下、区間パルス数)で除算し、求められた商によって第1のスケール波長λmのアドレス(以下、λmアドレス)を仮決定し、該剰余が、3つのゾーンに区分けされた区間パルス数M/N内のいずれに属するかを判別した後、λmアドレスの切替部に対応するゾーン、すなわち、剰余が0若しくはM/Nの近傍のゾーンに属する時は、第1のスケール波長λm内の所定位置を基準として比較し、該比較結果に応じて上記仮決定したλmアドレスを補正して第1のスケール波長λmのN倍区間内におけるλmアドレスを特定するとともに、該剰余が、中央部のゾーンに属する時は上記仮決定されたλmアドレスを無条件でλmアドレスとして特定するようになし、上記第1のゲート回路から出力されるパルス列を計数して第1のスケール波長λm内の絶対位置を得て、上記記特定されたλmアドレスとを合成することにより第1のスケール波長λmのN倍区間にわたって分解能λm/Mで検出するとともに、上記λaパルス生成回路から出力されるλaパルスの発生位置に対応する第1のスケール波長λm内の絶対位置を計測し、該計測位置の理論値との差からのずれ量を内挿誤差として検出し、該検出された内挿誤差を記憶手段に保存し、該検出された内挿誤差を用いて上記第1のゲート回路から得られる第1のスケール波長λm内の位置における内挿誤差の補正量を生成して、上記アブソリュート位置とを合成し、第1のスケール波長λm内における内挿誤差を補正する演算手段と
    を備えることを特徴とするアブソリュートエンコーダ。
  2. 上記演算手段は、アブソリュート検出区間内の移動に対応して上記λaパルス生成手段から出力されるλaパルスの発生位置に対応する第1のスケールの波長λm内の位置を検出し、該検出された値と該位置における理論値との差異を、第1のスケールにおける波長λm内の内挿誤差の代表値とみなして記憶手段の所定の記憶領域に格納するとともに、上記第1のゲート回路からの出力を1/fのサンプリング周期ごとに計測して得られる第1のスケール波長λm内の位置における内挿誤差の補正量を、上記記憶手段に格納された内挿誤差のうち、上記波長λm内の位置の前後に対応する2組の内挿誤差を用いて直線補間法によって生成する補正量生成手段を有することを特徴とする請求項1記載のアブソリュートエンコーダ。
  3. 上記演算手段は、アブソリュート検出区間内の移動に対応して上記λaパルス生成手段から出力されるλaパルスの発生位置に対応する第1のスケール波長λm内の位置を検出し、該検出された値と該位置における理論値との差異を、第1のスケールにおける波長λm内の内挿誤差の代表値とみなして記憶手段の所定の記憶領域に格納するとともに、該内挿誤差を用いて、あらかじめ第1のスケールの波長λmの全域にわたる分解能λm/M単位の誤差補正テーブルを作成して上記記憶手段の所定の記憶領域に格納し、上記第1のゲート回路からの出力を1/fのサンプリング周期ごとに計測して得られる第1のスケール波長λm内の位置をアドレスとして上記補正テーブルを参照することにより、上記第1のスケールの波長λm内の位置における内挿誤差の補正する補正量生成手段を有することを特徴とする請求項1記載のアブソリュートエンコーダ。
  4. 上記演算手段は、システムヘの電源投入時若しくは外部信号により上記λaパルスによる内挿誤差の検出動作を起動して第1のスケールの波長λm内の全域に亘る内挿誤差データを取得し、該取得された内挿誤差データを記憶手段の所定の記憶領域に格納するとともに、該取得された内挿誤差データをもとに、第1のスケール波長λm内の位置における内挿誤差を補正することを特徴とする請求項1記載のアブソリュートエンコーダ。
  5. 上記演算手段は、システムに許容される内挿誤差を規格値としてあらかじめ記憶手段の所定の記憶領域に格納するとともに、上記第1のゲート回路からの出力を1/fのサンプリング周期ごとに計測して得られる第1のスケールの波長λm内の位置計測動作に続いて上記λaパルスの到来を検出し、該λaパルスに対応する第1のスケールの波長λm内の内挿誤差を検出し、該検出された内挿誤差を上記記憶手段に格納された規格値を超えたことを検出して警報信号を出力し、自立的若しくは外部からの信号によって上記λaパルスによる内挿誤差の検出動作を起動して第1のスケールの波長λm内の全域に亘る内挿誤差データを取得し、該取得された内挿誤差データを上記記憶手段の所定の記憶領域に格納するとともに、該取得された内挿誤差データをもとに、第1のスケールの波長λm内の位置における内挿誤差を補正することを特徴とするアブソリュートエンコーダ。
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