JP4748533B2 - 焼き莢付枝豆の冷凍品及びその製造方法 - Google Patents

焼き莢付枝豆の冷凍品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、焼き枝豆の冷凍品及びその製造方法に関する。特に、本発明は、原料として完全に調理されていない茹で莢付枝豆の冷凍品を用い、これを解凍した莢付枝豆を2段階の加熱工程によって加熱・焼成してさらに冷凍して得られる焼き莢付枝豆の冷凍品及びその製造方法に関する。
茹でた枝豆は、ビールのおつまみの定番として日本人に広く知られている。しかし、枝豆は収穫後比較的早期に鮮度、風味、緑色の色合いが落ちることが知られている、従って、市場における流通の利便性を確保するため、茹でた莢付枝豆の冷凍品が開発されてきた。
例えば、通常、枝豆は、収穫した莢付の枝豆を熱湯でボイルし、適宜塩味等を付し、莢から枝豆(豆の部分)を取り出して喫食する。従って、茹でた枝豆に、塩等によりあらかじめ味を付け、その後自然解凍、流水解凍及び電子レンジによる解凍によりそのまま食することができる味付きの莢付枝豆の冷凍品が市場に流通している(特許文献1〜3)。
これに対し、枝豆の新しい喫食方法として、枝豆をフライパン等を用いて適宜ごま油等を加えて莢に焼き目が付くまで焼く方法もある。しかし、このような焼いた枝豆を、自然解凍、流水解凍及び電子レンジによる解凍によりそのまま食することができるようにした焼き莢付枝豆の冷凍品の開発例はない。
特開平6−327399号公報 特開平8−242799号公報 特開2001−8653号公報
本発明の第1の目的は、焼き莢付枝豆の冷凍品及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、自然解凍、流水解凍及び電子レンジによる解凍等によりそのまま食することができるようにした焼き莢付枝豆の冷凍品及びその製造方法を提供することにある。
本発明の発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、原料として完全に調理されていない茹でた莢付枝豆の冷凍品を用い、この冷凍品を解凍して得た莢付枝豆を2段階の加熱工程及び焼成工程によって加熱・焼成し、さらに冷凍することにより、自然解凍、流水解凍及び電子レンジによる解凍等でそのまま食することができる焼き莢付枝豆の冷凍品を提供できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
[1]以下の工程;
(A)収穫した莢付枝豆原料を30秒〜2分間ブランチングする工程;
(B)前記ブランチングした莢付枝豆を冷凍して莢付枝豆の冷凍品を得る工程;
(C)前記莢付枝豆の冷凍品を解凍して莢付枝豆の解凍品を得る工程;
(D)前記莢付枝豆の解凍品を、140〜220℃の温度で3〜10分間加熱する加熱工程;
(E)前記加熱工程で得られた加熱莢付枝豆をさらに280℃以上の温度で1〜5分間焼成する焼成工程;及び
(F)前記焼成工程で得られた焼き莢付枝豆を冷凍して焼き莢付枝豆の冷凍品を得る工程;
を含むことを特徴とする、焼き莢付枝豆の冷凍品の製造方法に関する。
[2]莢付枝豆の解凍品を得る工程(C)の後、加熱工程(D)の前に、前記莢付枝豆の解凍品に塩を付す工程を更に含む、[1]に記載の焼き莢付枝豆の冷凍品の製造方法に関する。
[3]莢付枝豆の解凍品を得る工程(C)の後、加熱工程(D)の前に、前記莢付枝豆の解凍品の莢表面に糖を添加する工程を更に含む、[1]に記載の焼き莢付枝豆の冷凍品の製造方法に関する。
[4][1]〜[3]の何れかに記載の方法により得られた焼き莢付枝豆の冷凍品に関する。
本発明の焼き莢付枝豆の製造方法により、これまで冷凍品として上市されていなかった焼き莢付枝豆の冷凍品を市場に提供できることとなった。本発明の焼き莢付枝豆の製造方法により、鮮やかな緑色を残しつつ適度な塩味があり、自然解凍、流水解凍及び電子レンジによる解凍によりそのまま食することができる焼き莢付枝豆を提供することができた。本発明の2段階の加熱工程及び焼成工程による加熱・焼成で、莢の表面に適度な焦げ目(焼き色)があり、かつ、焼いた莢付枝豆の香ばしい風味、ホクホクとした食味及び食感、枝豆の甘みを再現した焼き莢付枝豆の冷凍品を提供することができた。
(1)焼き莢付枝豆の冷凍品の製造方法
上述の通り、本発明の焼き莢付枝豆の冷凍品の製造方法は、
(A)収穫した莢付枝豆原料を30秒〜2分間ブランチングする工程(ブランチング工程);
(B)前記ブランチングした莢付枝豆を冷凍して莢付枝豆の冷凍品を得る工程(第1冷凍工程);
(C)前記莢付枝豆の冷凍品を解凍して莢付枝豆の解凍品を得る工程(第1解凍工程);
(D)前記莢付枝豆の解凍品を、140〜220℃の温度で3〜10分間加熱する加熱工程(加熱工程);
(E)前記加熱工程で得られた加熱莢付枝豆をさらに280℃以上の温度で1〜5分間焼成する焼成工程(焼成工程);及び
(F)前記焼成工程で得られた焼き莢付枝豆を冷凍して焼き莢付枝豆の冷凍品を得る工程(第2冷凍工程)、を少なくとも含む。以下、各工程について詳細に説明する。なお、本明細書で使用する「枝豆」とは未熟な大豆を収穫したもののうち、通常食する豆の部分を言う。「莢付枝豆」の語は、上記豆の部分である枝豆とこれを包む莢とを指すものとする。
(A) ブランチング工程
まず、畑から莢付枝豆原料を収穫する。莢付枝豆原料としては、如何なる種類のものも使用できるが、例えば、白毛豆であれば、鶴の子系統種や緑光系統種が好ましく、鶴の子系統種がより好ましい。莢付の枝豆の他、枝の一部が付いた状態のものを莢付枝豆の原料として収穫してもよい。収穫した莢付枝豆原料は、適宜目視等によって選別を行い、異物等を除去する。その後、適宜冷水又は温水等によって莢付枝豆を十分洗浄する。このような選別及び洗浄は、1回でも複数回行ってもよい。このようにして得た莢付枝豆原料を、30秒〜2分間、例えば、30〜100秒間、好ましくは、35〜80秒間、より好ましくは40〜60秒間、特に好ましくは45秒±5秒間ブランチングする。ブランチングは、例えば80〜100℃、好ましくは90〜100℃、より好ましくは98℃±2℃の温水浴中に莢付枝豆原料を浸漬することによって行われる。また、ブランチングは、ブランチャー内にスチームを噴射してブランチングを行うスチームブランチャーで行ってもよい。このようにブランチングすることによって、枝豆を、そのまま喫食し得る程度まで柔らかく調理するところまではいかないが、枝豆に含まれる酵素を失活し、かつ莢付枝豆に存在し得る細菌を死滅することができる。そのまま喫食する程度まで柔らかく調理されたものではないという意味で、このようにしてブランチングした莢付枝豆は、完全に調理されていない茹で莢付枝豆であるといえる。
本発明では、このように30秒〜2分程度の短時間だけブランチングを施した茹で莢付枝豆を使用する。市場には2分30秒〜4分程度のより長い時間ブランチングして完全調理した莢付枝豆の冷凍品も出回っている。このように長時間ブランチングした莢付枝豆の冷凍品は、解凍後そのまま食することができる。このような商品を本発明で利用することも原理的には可能である。しかし、2分30秒〜4分のような、より長い時間ブランチングを行った莢付枝豆を焼き莢付枝豆の冷凍品の原料として使用した場合、ブランチングとその後の加熱・焼成の合計調理時間が長くなりすぎてしまい、枝豆本来の甘味や焼いたときに感じられるホクホクとした食味・食感が失われる。従って、本発明では好ましいブランチング時間として、30秒〜2分を選択したものである。
上記ブランチングは、ブランチングに使用する温水又はスチームとして塩を含むものを使用してもよい。また、ブランチングの前後で莢付枝豆を塩水に含浸してもよい。このように塩水でブランチング等行うことにより、莢付枝豆の鮮やかな緑色を維持することができる他、莢付枝豆にあらかじめ薄い塩味を付して枝豆の甘味を増すことができる。使用する塩水としては、例えば、水100gに対して、塩0.5〜10g、好ましくは、1〜5g、より好ましくは2g±0.5g加えたものを使用してもよい。
(B) 第1冷凍工程
上述のようにしてブランチングした莢付枝豆を冷凍して莢付枝豆の冷凍品を得る。冷凍には、例えば、IQF(Individual Quick Freezing、個別急速冷凍)装置、エアブラスト、ブロック凍結装置等の冷凍装置を使用できるが、好ましくは、IQFが使用される。冷凍温度は、例えば、莢付枝豆の品温が−18℃以下、好ましくは−20〜−30℃となることが適当である。冷却時間は、莢付枝豆の品温が上記温度となるために必要な時間でよいが、例えば、IQFを用いた場合、5〜20分、好ましくは、8分±2分であることが適当である。上記IQFによる急速冷凍に先立って、ブランチングした莢付枝豆を空冷及び/又は冷水(5℃程度)に浸漬し、莢付枝豆の品温を10〜25℃、好ましくは15℃±2℃程度とする前冷却を行うことが適当である。このようにして得られた莢付枝豆の冷凍品は、続く第1解凍工程で使用するまで、−18℃以下、好ましくは−20〜−30℃程度の温度で保存しておいてよい。前記冷凍温度で保存する時間は、枝豆の色、品質、風味、鮮度等の維持を考慮して少なくとも720日以下、好ましくは540日以下、より好ましくは360日以下程度であることが適当である。後述の第2冷凍工程後に得られる焼き莢付枝豆の冷凍品の賞味期限を考慮して、好ましくは、180日以下、より好ましくは120日以下であることが適当である。
(C) 第1解凍工程
前記莢付枝豆の冷凍品を解凍して莢付枝豆の解凍品を得る。解凍方法としては、莢付枝豆の冷凍品をそのまま室温(25℃)に放置する自然解凍法、莢付枝豆の冷凍品に10〜30℃、好ましくは15〜25℃の水流中に置き、流水で解凍する方法、又は莢付枝豆の冷凍品を電子レンジにかけ、マイクロ波を利用して解凍する方法等がある。解凍された莢付枝豆の品温は、例えば、室温(25℃)であることが適当である。莢付枝豆の解凍に要する時間は、解凍方法にもよるが、例えば、自然解凍であれば、1時間30分〜3時間、好ましくは2時間±30分である。
なお、莢付枝豆の解凍後、莢付枝豆に付着している水分を適宜除去してもよい(水切り工程)。水分除去は、例えば、水切り工程の前後の莢付枝豆の質量が、5〜15%、好ましくは10%程度減少することが好ましい。
(D) 加熱工程
前記第1解凍工程(C)で得られた莢付枝豆の解凍品を、140〜220℃の温度で3〜10分間加熱する。
加熱は、莢付枝豆に含まれる水分を十分に乾燥できる程度の温度及び時間で行われる。言い換えれば、本加熱工程は、莢付枝豆に適度な水分が残る程度に加熱すればよく、水分を完全に除去したり、莢表面に焼き色がつく程度まで加熱することまでは必要としない。もちろん、この加熱工程で莢表面に焼き色が付いてもかまわない。加熱は、莢付枝豆を140〜220℃、好ましくは150〜200℃、より好ましくは180℃±20℃の温度雰囲気下に3〜10分間、好ましくは5〜9分間、より好ましくは6〜8分間、更に好ましくは7分±30秒間置くことによって行われる。
加熱方法は、例えば、上記温度のオーブン内に莢付枝豆の解凍品を置く方法;ファンを用い、上記温度の熱風を強制的に莢付枝豆の解凍品に吹き付ける方法等によって行われる。
このように、本発明では、収穫した生の莢付枝豆原料を加熱・焼成するのではなく、あらかじめブランチングし、さらに冷凍した莢付枝豆の冷凍品を解凍した解凍品を原料として用い、その後の加熱・焼成工程に付している。このようにブランチング済みの莢付枝豆を使用することにより、莢の表面は焼き色が付いている一方で枝豆の内部には適度な水分が含まれ、食べると枝豆の甘さが感じられ、ホクホクとした食味及び食感を有する焼き枝豆を提供することができる。また、生の莢付枝豆原料を加熱・焼成する場合には得られた焼き莢付枝豆の色がくすんだ黄緑色又は黄色となるのに対し、本発明のようにあらかじめブランチングし、冷凍した莢付枝豆の解凍品を使用することにより、莢付枝豆の鮮やかな緑色を再現できるというメリットがある。さらに、ブランチング済みの莢付枝豆の解凍品を使用することにより、枝豆の色、品質、風味、鮮度等を維持しつつ、需要に合わせた焼き莢付枝豆の冷凍品の供給が可能となる。
上記加熱工程に先立って、(D-1)莢付枝豆の解凍品に塩又は調味料を付す工程を行ってもよい。調味料としては、塩、醤油、アミノ酸、ごま油等、食品を味付けするために一般的に使用される調味料であってよい。この塩又は調味料を付す工程は、塩又は調味料を莢付枝豆に振りかける方法、並びに、適宜塩水又は調味料を含む水溶液に莢付枝豆の解凍品を浸漬する方法によって行ってもよい。例えば、塩を振りかける場合、莢付枝豆1kgに対し、塩0.5〜20g、好ましくは、1〜10g、より好ましくは2g±0.5gを振りかけて混ぜ合わせ、適宜莢付枝豆を擦り合わせてもよい。また、塩水に浸漬する場合、水100gに対し、塩10〜30g、好ましくは、15〜20g、より好ましくは17g±1gを加えた塩水を準備し、この塩水に莢付枝豆の解凍品を、例えば、3〜20分間、好ましくは、5〜15分間、より好ましくは10分±1分程度浸漬することが行われる。なお、上記莢付枝豆に塩又は調味料を付す工程は、(D)及び(E)工程の前後で再度繰り返してもよい。
また、上記加熱工程に先立って、(D-2) 莢付枝豆の解凍品の莢表面に糖を添加する工程を行ってもよい。このように莢表面に糖を添加することにより、その後の加熱・焼成工程で莢表面の糖が加熱されて褐色の焦げ目が付き、より鮮やかな焼き色が得られると共に、莢表面に焼き色をつけつつも枝豆に含まれる水分を十分に保持して焼き莢付枝豆のホクホク感、枝豆の甘さ、旨味を引き出すことができる。ここで、糖としては、例えばショ糖、ブドウ糖、果糖、フルクトース、グルコース等を使用することができる。このような糖は、莢付枝豆に糖の水溶液を塗布する方法、又は、糖の水溶液に浸漬する方法を使用することができる。例えば、糖としてブドウ糖を使用する場合、水100gに対して、ブドウ糖0.1〜10g、好ましくは、0.5〜5g、より好ましくは1g±2g加えたものを準備し、この糖水溶液を莢付枝豆に塗布することによって行われる。
(E) 焼成工程
前記加熱工程で得られた加熱済の莢付枝豆をさらに280℃以上の温度で1〜5分間焼成する。
本焼成工程で莢表面に適度な焦げ目が付き、莢表面の一部に焼き色が現れる。また、焼いた莢付枝豆の香ばしい風味、ホクホクとした食味及び食感、枝豆の甘みを与えることができる。
焼成は、莢付枝豆の表面近傍の温度が、280℃以上、好ましくは、280〜400℃、より好ましくは300℃±20℃となるように行われる。また、焼成は、上記温度に1〜5分間、好ましくは2〜4分間、より好ましくは3分±30秒間置くことによって行われる。
焼成方法は、例えば、上記温度のオーブン内で莢付枝豆を直接バーナーで焼く方法;加熱済みの莢付枝豆に直接バーナー等の火をあてる方法;方法等によって行われる。
(D)の加熱工程と(E)の焼成工程の合計処理時間は、好ましくは4〜15分、より好ましくは、8〜12分、更に好ましくは、10分±30秒程度である。
(F) 第2冷凍工程
このようにして得られた焼き莢付枝豆は、さらに冷凍される。冷凍方法は、前記第1冷凍工程と同様の方法であってよい。好ましくは、第1冷凍工程と同様に前冷却を行い、さらにIQF等を利用して焼き莢付枝豆の品温が−18℃以下、好ましくは−20〜−30℃となるように冷凍する。
(2)焼き莢付枝豆の冷凍品
上記方法により得られた焼き莢付枝豆の冷凍品は、自然解凍、流水解凍及び電子レンジによる解凍によりそのまま食することができる。本発明の焼き莢付枝豆はその莢表面の一部に適度な焦げ目(焼き色)が付いて、その他の莢表面部分は、莢付枝豆の鮮やかな緑色が維持されている。また、本発明の焼き莢付枝豆の冷凍品は、解凍しても、焼いた莢付枝豆の香ばしい風味、ホクホクとした食味及び食感、枝豆の甘みを維持することができる。
本発明は、以下の理論によって限定されることはないが、このように焼き莢付枝豆の風味、食感等を維持できている一つの要因としては、原料として完全には調理されていない茹で莢付枝豆の冷凍品を用い、その後の加熱・焼成工程で喫食可能な程度まで完全調理することにより、枝豆に香ばしい風味、ホクホクとした食味及び食感、枝豆の甘みを閉じこめたまま冷凍していることが挙げられる。
さらに、本発明の焼き莢付枝豆の冷凍品を解凍した枝豆の糖度は、加熱工程前の枝豆の糖度と比べ、5〜10度上昇している。例えば、加熱工程前の枝豆の糖度が11〜12度程度であるのに対し、本発明の焼き莢付枝豆の冷凍品を解凍した枝豆の糖度は18〜19度程度になる。これは、加熱により枝豆に含まれるデンプンが糖化して甘味が増したことによるものと考えられる。なお、枝豆の糖度は、枝豆1粒をすりつぶし、同枝豆と同量の水で希釈し、得られた水溶液を糖度計にセットして糖度を測定することにより求められる。
以下、本発明の焼き莢付枝豆の冷凍品の製造方法及び当該製造方法によって得られた焼き莢付枝豆の冷凍品の実施例を説明するが、本発明は、実施例で説明する製造方法及び焼き莢付枝豆の冷凍品に限定されるものではない。
(実施例1)
収穫した莢付枝豆原料(種類:鶴の子系統種)を目視によって選別し、異物を除去した。その後水で洗浄した。得られた莢付枝豆原料を、45秒間98℃の温水に浸漬してブランチングした(工程(A))。なお、ブランチングで使用した温水には水100gに対して3gの塩を含めた(3%濃度塩水)。ブランチングした莢付枝豆を5℃の水に3分間浸漬し、莢付枝豆の品温で15℃まで前冷却した。その後、莢付枝豆をIQF装置(エアロ社製、トンネルフリーザー)を使用して8分間−18℃(品温)に冷凍した(工程(B))。その後60日間−18℃以下で冷凍保存した莢付枝豆の冷凍品を室温(25℃)雰囲気に120分間放置して自然解凍した。その後、解凍した莢付枝豆に付着した水分を振り落とした(工程(C))。このようにして得た莢付枝豆の解凍品1kgに、塩20gを均等に振りかけ、混ぜ合わせた。その後、ファンを用い、強制的に180℃の熱風を莢付枝豆に7分間あてて、莢付枝豆を加熱・乾燥した(工程(D))。加熱した莢付枝豆を、さらに莢付枝豆の表面近傍温度が300℃となるようにバーナーで3分間焙った(工程(E))。このとき、莢付枝豆の表面が均一に焼成されるように焙った。焼成後、焼き莢付枝豆を空気中に曝して焼き莢付枝豆の表面が60℃となるまで前冷却し、さらに前冷却した焼き莢付枝豆を上記IQF装置を使用して40分間−18℃に冷凍し(工程(F))、本発明の焼き莢付枝豆の冷凍品を得た。
(実施例2)
莢付枝豆原料として緑光系統種を使用した。その後、実施例1と同様にして莢付枝豆の冷凍品を製造し、その後解凍した。得られた莢付枝豆の解凍品の莢表面に、ブドウ糖を全量に対して0.5質量%含む0.5%ブドウ糖水溶液を塗布した。その後、莢付枝豆を175℃のオーブンに3分間通し、莢付枝豆を加熱・乾燥した(工程(D))。加熱した莢付枝豆を、さらに莢付枝豆の表面近傍温度が350℃になるようにオーブンで2分間焼成した(工程(E))。焼成後、焼き莢付枝豆を空気中に曝して焼き莢付枝豆の表面が60℃となるまで前冷却し、さらに前冷却した焼き莢付枝豆をIQF装置を使用して40分間−18℃に冷凍し(工程(F))、本発明の焼き莢付枝豆の冷凍品を得た。
(比較例1)
実施例1の工程(A)において、莢付枝豆原料を150秒間98℃の温水(3%濃度塩水)に浸漬してブランチングした以外は、上記実施例1と同一の工程を経て焼き莢付枝豆の冷凍品を得た。
(比較例2)
実施例1の工程(A)において、莢付枝豆原料を150秒間98℃の温水(3%濃度塩水)に浸漬してブランチングし、その後に5℃の水で3分間浸漬する工程を、水の代わりに30%濃度の塩水で行った以外は、上記実施例1と同一の工程を経て焼き莢付枝豆の冷凍品を得た。
(評価)
上記実施例及び比較例で作成した焼き莢付枝豆の冷凍品を60分間25℃に放置することにより自然解凍した。得られた焼き莢付枝豆の解凍品を25〜55才の男性20人、女性5人に試食させた。評価は、風味(香ばしい香りの有無)、味(クリを焼いたようなホクホクとした食味と食感(ホクホク感)及び枝豆の甘味)、枝豆の莢の緑色の維持を基準とした官能試験により行い、5段階評価(5が最良)で行った。
表1
Figure 0004748533
この結果、実施例1は、比較例と比べて特に風味(香ばしさ)に優れており、かつ、十分な甘味やホクホク感がある焼き莢付枝豆であることがわかった。実施例2は十分な風味と甘味を有し、緑色が維持されていた。また、表1には示されていないが、実施例2は枝豆の莢の表面に鮮やかな焼き色を再現しつつ、枝豆自体が本来有する風味(香ばしさを除く)を維持した製品であった。また、比較例1及び2は、実施例に比べて柔らかすぎるものであった。

Claims (4)

  1. 以下の工程;
    (A)収穫した莢付枝豆原料を30秒〜2分間ブランチングする工程;
    (B)前記ブランチングした莢付枝豆を冷凍して莢付枝豆の冷凍品を得る工程;
    (C)前記莢付枝豆の冷凍品を解凍して莢付枝豆の解凍品を得る工程;
    (D)前記莢付枝豆の解凍品を、140〜220℃の温度で3〜10分間加熱する加熱工程;
    (E)前記加熱工程で得られた加熱莢付枝豆をさらに280℃以上の温度で1〜5分間焼成する焼成工程;及び
    (F)前記焼成工程で得られた焼き莢付枝豆を冷凍して焼き莢付枝豆の冷凍品を得る工程;
    を含むことを特徴とする、焼き莢付枝豆の冷凍品の製造方法。
  2. 莢付枝豆の解凍品を得る工程(C)の後、加熱工程(D)の前に、前記莢付枝豆の解凍品に塩を付す工程を更に含む、請求項1に記載の焼き莢付枝豆の冷凍品の製造方法。
  3. 莢付枝豆の解凍品を得る工程(C)の後、加熱工程(D)の前に、前記莢付枝豆の解凍品の莢表面に糖を添加する工程を更に含む、請求項1に記載の焼き莢付枝豆の冷凍品の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法により得られた焼き莢付枝豆の冷凍品。
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