JP4747913B2 - カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents
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Description
また、塗布液の固化物がヘッド先端部から脱離し、塗布した塗膜に異物として持ち込まれる等の塗布品質低下を招くという欠点がある。これを避けるため、乾燥析出したカラーフィルタ用着色組成物が、カラーフィルタ用着色組成物に接触した際に速やかに溶解する適性(以下、乾燥再溶解性という)が求められている。
また、本発明は、塗膜とガラス等の透明基板との間での強固な密着性を有する、高品質なカラーフィルタを提供することを目的とする。
式(1)
X1は−COO−、−CONH−、−O−、−OCO−、若しくは−CH2O−であり、
X2は一般式:
−(−Ra1−O−)m1−
(式中、Ra1は炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、または炭素原子数3〜8のシクロアルキレン基であり、そしてm1は1〜50の整数である)
で表される基であり、
X3は一般式:
−(−CO−Rb1−O−)m2−
(式中、Rb1は炭素原子数4〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、または炭素原子数4〜8のシクロアルキレン基であり、そしてm2は0〜20の整数である)
で表される基であり、
Y1は一般式(2)あるいは一般式(3)で表される基である。
式(2)
式(3)
R2は直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF3)2−、式:
また、本発明のカラーフィルタは、前記カラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、ビニル系重合体主鎖内に、前記一般式(1)で表されるカルボキシル基含有単位(G)を、ビニル系重合体の1分子あたり平均0.3個以上3.0個以下の量で含むビニル系分散剤(A)と、顔料と、モノマーを含む顔料担体とから構成される。特に、前記ビニル系分散剤(A)を含有することが最大の特徴である。
本発明で用いるビニル系分散剤(A)は、ビニル系重合体主鎖内に、一般式(1)で表されるカルボキシル基含有単位(G)を、ビニル系重合体の1分子あたり平均0.3個以上3.0個以下の量で含む構造を有する。
式(4)
R10およびR11は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、
R12は、芳香族基または-CO−X8−R13(ただし、X8は、−O−若しくは−NH−であり、R13は、水素原子または炭素原子数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であり、前記R13は、置換基として芳香族基を有していることができる)であり、
X5は、−COO−、−CONH−、−O−、−OCO−、若しくは−CH2O−であり、
X6は、一般式:
−(−Ra2−O−)m3−
(式中、Ra2は、炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、または炭素原子数3〜8のシクロアルキレン基であり、そしてm3は1〜50の整数である)で表される基であり、
X7は、一般式:
−(−CO−Rb4−O−)m4−
(式中、Rb2は、炭素原子数4〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基であり、そしてm4は0〜20の整数である)で表される基であり、
一般式(4)中の前記カルボキシル基含有単位(G)、−X5−X6−X7−Hを含む水酸基含有単位(J)、及び−C(R11)(R12)−を含む主鎖構成単位(K)は、ランダム型またはブロック型で含まれていることができ、
一般式(4)中に含まれている前記カルボキシル基含有単位(G)、前記水酸基含有単位(J)、および主鎖構成単位(K)は、それらが複数個で存在する場合は、相互に同一または異なっていることができ、
そしてp1、p2、およびp3はビニル系分散剤(A)の1分子あたりの各構成単位の平均個数を示し、p1は0.3以上3.0以下であり、p2は0以上180以下であり、p3は6以上250以下である。〕
−〔G〕p1−〔J〕p2−〔K〕p3− (4a)
で表される共重合体である。ここで、Gは、前記一般式(1)で表されるカルボキシル基含有単位(G)であり、Jは、下記一般式(4j)で表される水酸基含有単位であり、Kは、下記一般式(4k)で表される主鎖構成単位であり、p1は0.3以上3.0以下(好ましくは0.35以上2.0以下、更に好ましくは0.4以上1.5以下)、p2は0以上180以下(好ましくは0.05以上50以下)、p3は6以上250以下(好ましくは10個以上100個以下)である。また、前記一般式(4a)において、カルボキシル基含有単位(G)と水酸基含有単位(J)と主鎖構成単位(K)とは、それぞれ、ブロック共重合形式又はランダム共重合形式で存在することができる。更に、前記カルボキシル基含有単位(G)、前記水酸基含有単位(J)、及び主鎖構成単位(K)は、前記一般式(4a)中に、それぞれ複数個で存在することができる。この場合は、それぞれの単位が相互に同一又は異なっていることができる。例えば、主鎖構成単位(K)が2種又はそれ以上の構造の構成単位を含んでいることができる。
前記一般式(4)で示されるビニル系分散剤(A)の主鎖の末端は、公知のエチレン性不飽和単量体の重合方法、又は重合過程で考えられる構造、例えば、重合開始剤由来、連鎖移動剤由来、溶剤由来、又はエチレン性不飽和単量体由来の化学構造などを有してよい。
本発明で用いるビニル系分散剤(A)の数平均分子量は、500以上20000以下であることが好ましく、更に好ましくは1000以上10000以下、最も好ましくは1500以上8000以下である。数平均分子量が500未満であっても、20000を超えても分散性、又は流動性の低下を招く場合がある。
製造方法1:
(A)水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(h)とトリカルボン酸無水物(M3)またはテトラカルボン酸無水物(M4)とを予め反応させたエチレン性不飽和単量体を製造する工程、
(B)該エチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とを共重合せしめる工程からなる。
(C)水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(h)を他のエチレン性不飽和単量体と共重合する工程、
(D)該共重合物の水酸基にトリカルボン酸無水物(M3)またはテトラカルボン酸無水物(M4)を反応せしめる工程からなる。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(h)を他のエチレン性不飽和単量体と共重合しながら、該水酸基にトリカルボン酸無水物(M3)またはテトラカルボン酸無水物(M4)を同時に反応せしめる。
脂肪族トリカルボン酸無水物としては、例えば、3−カルボキシメチルグルタル酸無水物、1,2,4−ブタントリカルボン酸−1,2−無水物、cis−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2−無水物、1,3,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物などが挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸無水物としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物などを挙げることができる。
上記のうち、芳香族トリカルボン酸無水物、または芳香族テトラカルボン酸無水物を用いるのが好ましく、更に好ましくはトリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物が好ましく、更に好ましくはトリメリット酸無水物である。
前記製造方法1では、まず水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(h)とトリカルボン酸無水物(M3)またはテトラカルボン酸無水物(M4)とを反応せしめる工程Aを行う。この工程Aは、単量体が熱重合してしまわないように、乾燥空気を反応装置内に流しながら、重合禁止剤を添加して、80℃〜150℃で行うのが好ましい。より好ましくは90℃〜130℃である。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
続いて、製造方法1では、工程Aで合成したエチレン性不飽和単量体と、他のエチレン性不飽和単量体とを共重合せしめる工程Bを行う。
工程Aで用いる他のエチレン性不飽和単量体としては、芳香族基で置換されていてもよい炭素原子数1〜18のアルキル(メタ)アクリレート、炭素原子数1〜18のN−アルキル(メタ)アクリルアミド、スチレン及び水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(h)(工程Aで残存したものを含む)から選択されるエチレン性不飽和単量体が共重合されるのが好ましい。
前記製造方法2では、まず、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(h)を他のエチレン性不飽和単量体と共重合する工程Cを行う。他のエチレン性不飽和単量体としては、製造方法1の工程Bで例示した芳香族環で置換されていてもよい炭素原子数1〜18のアルキル(メタ)アクリレート、芳香族環で置換されていてもよい炭素原子数1〜18のN−アルキル(メタ)アクリルアミド、及びスチレンから選択されるエチレン性不飽和単量体が共重合されるのが好ましい。
工程Cでの、重合開始剤の種類、連鎖移動剤の種類、溶剤の種類、量、反応温度などの重合条件は、製造方法1の工程Bと同様であることが好ましい。
続いて、製造方法2では、工程Cで得られた共重合物の水酸基にトリカルボン酸無水物(M3)またはテトラカルボン酸無水物(M4)を反応させる工程Dを行う。工程Dでは、窒素または乾燥空気を反応容器に流しながら、80℃〜150℃で行うことが好ましい。ここで、製造方法1の工程Aで例示した触媒を用いることもできる。
前記製造方法3では、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(h)を他のエチレン性不飽和単量体と共重合しながら、該水酸基にトリカルボン酸無水物(M3)またはテトラカルボン酸無水物(M4)を同時に反応せしめる。反応は、窒素を反応容器に流しながら、80℃〜150℃で行うことが好ましく、水酸基と酸無水物の反応の触媒としては製造方法1の工程Aに示したもの、重合開始剤の種類、連鎖移動剤の種類、溶剤の種類、量、反応温度などの重合条件は、製造方法1の工程Bで示したものが好ましい。
カラーフィルタ用着色組成物におけるビニル系分散剤(A)の含有量は、顔料100重量部に対し好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.01〜40重量部、更に好ましくは5〜30重量部である。ビニル系分散剤(A)の含有量が0.01重量部より少ないと分散効果が不十分となり、100重量部を超えるとこれも分散性が悪くなる場合がある。
以下に、カラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272等の赤色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。赤色組成物には、黄色顔料、オレンジ顔料を併用することができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。緑色組成物には黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。青色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red 144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。マゼンタ色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
カラーフィルタ用着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることもできる。
モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性の置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
顔料の分散に優れた塩基性基を有する分散剤は、分散後の顔料の再凝集を抑制する効果が大きいので、そのような顔料の分散に優れた分散剤を用いて、顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。本発明におけるカラーフィルタ用着色組成物に塩基性基を有する分散剤を含有させることは、ビニル系分散剤(A)が顔料に対しより良好な吸着/配向面を形成することができるため好ましい。
塩基性基を有する分散剤の配合量は、顔料100重量部に対し好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは5〜15重量部である。塩基性基を有する分散剤の配合量が1重量部より少ないと、分散効果が不十分となり、40重量部より多いと、これも分散に影響を及ぼすことがある。
塩基性基を有する樹脂型分散剤としては、例えば、塩基性高分子化合物、脂肪族ポリアミン/ポリエステルグラフト重合体などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
塩基性基を有する界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンなどのアニオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
塩基性置換基としては、例えば、アミン部位、イミン部位、アンモニウム部位、アミド部位、イミド部位、ウレタン結合部位などを有する置換基が挙げられる。なかでも、下記式(5)〜(7)で示される群から選ばれる少なくとも1つの塩基性基が好ましい。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
また、カラーフィルタ用着色組成物には、着色組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
カラーフィルタ用着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材は、一般的には熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、有機溶剤とを含有する組成物中に顔料を分散させたものである。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。顔料を顔料担体中に分散する際には、本発明をより効果的にする塩基性基を有する分散剤に加えて、適宜、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散剤を併用することができる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するもの、またはマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
また、転写法は、剥離性の転写ベースシートあるいは転写胴の表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の透明基板に転写させる方法である。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
実施例に先立ち、レジスト材塗布基板のコントラスト比の測定法について説明する。
レジスト材塗布基板を2枚の偏光板の間に挟み、一方の偏光板側から液晶ディスプレー用バックライト・ユニットを用いて光を照射する。バックライト・ユニットから出た光は、1枚目の偏光板を通過して偏光され、ついでレジスト材塗布基板を通過し、2枚目の偏光板に到達する。1枚目の偏光板と2枚目の偏光板の偏光面が平行であれば、光は2枚目の偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は2枚目の偏光板により遮断される。しかし、1枚目の偏光板によって偏光された光が、レジスト材塗布基板を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは2枚目の偏光板を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは2枚目の偏光板を光の一部が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と直行のときの輝度との比をコントラスト比とする。
コントラスト比=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
従って、レジスト材塗布膜中の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計は株式会社トプコン社製の色彩輝度計BM−5A、偏光板はサンリツ社製の偏光フィルムLLC2−92−18を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てて測定を行った。
[アクリル樹脂溶液の製造例]
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
工程(A)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に無水トリメリット酸192.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート130.4部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.3部を仕込み、乾燥空気を流しながら100℃で5時間反応させ、2−ヒドロキシエチルメタクリレートにトリメリット酸が付加したエチレン性不飽和単量体(a1)を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽にメトキシプロピルアセテート60部を仕込み、110℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、n−ブチルメタクリレート38.5部、ベンジルメタクリレート46.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.2部、エチレン性不飽和単量体(a1)13.2部、メトキシプロピルアセテート40部、及びジメチル−2,2’−アゾビスジイソブチレート8部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け、反応を終了した(ビニル系分散剤の製造例1の工程B)。
このようにして数平均分子量が2450であり、1分子あたりのエチレン性不飽和単量体(a1)の平均共重合個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が1.0個であるビニル系分散剤A1を得た。
工程(C)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メトキシプロピルアセテート60部を仕込み110℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、n−ブチルメタクリレート40部、ベンジルメタクリレート48部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12部、メトキシプロピルアセテート40部、及びジメチル−2,2’−アゾビスジイソブチレート6部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け、反応を終了した。
このようにして、数平均分子量が3800であり、1分子中の水酸基の平均個数3.5個であるビニル系樹脂中間体(C1)を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、アクリル系樹脂中間体(C1)を固形分で100部、無水トリメリット酸2.5部、及びジメチルベンジルアミン0.1部を仕込み、100℃で6時間反応させた。
このようにして、1分子あたりのトリメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が0.5個であるビニル系分散剤A2を得た。
上記ビニル系分散剤の製造例2の工程(D)において、無水トリメリット酸の仕込み量を3.5部とすること以外は同様にして、1分子あたりのトリメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が0.7個のビニル系分散剤A3を得た。
[ビニル系分散剤の製造例4]
上記ビニル系分散剤の製造例2の工程(D)において、無水トリメリット酸の仕込み量を5.1部とすること以外は同様にして、1分子あたりのトリメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が1.0個のビニル系分散剤A4を得た。
上記ビニル系分散剤の製造例2の工程(D)において、無水トリメリット酸の仕込み量を7.1部とすること以外は、同様にして、1分子あたりのトリメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が1.4個のビニル系分散剤A5を得た。
[ビニル系分散剤の製造例6]
上記ビニル系分散剤の製造例2の工程(D)において、無水トリメリット酸の仕込み量を10.1部とすること以外は同様にして、1分子あたりのトリメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が2.0個のビニル系分散剤A6を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽にメトキシプロピルアセテート60部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、n−ブチルメタクリレート41.9部、ベンジルメタクリレート50.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6.8部、無水トリメリット酸1.2部、メトキシプロピルアセテート40部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.0部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け反応を終了した。このようにして、数平均分子量15400、1分子中のトリメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が1.0個のビニル系分散剤A7を得た。
工程(A)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に無水ピロメリット酸218.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート130.1部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.3部を仕込み、乾燥空気を流しながら100℃で5時間反応させ、2−ヒドロキシエチルメタクリレートにピロメリット酸が付加したエチレン性不飽和単量体(a8’)を得た。
上記工程(A)で得られたエチレン性不飽和単量体(a8’)に水36部を加え、90℃で5時間反応させることにより、前記エチレン性不飽和単量体(a8’)に残存する酸無水物を加水分解した。続いて、残存する水を減圧して取り除き、エチレン性不飽和単量体(a8)を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽にメトキシプロピルアセテート60部を仕込み、110℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、n−ブチルメタクリレート84.6部、ベンジルメタクリレート46.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.7部、エチレン性不飽和単量体(a8)14.7部、メトキシプロピルアセテート40部、及びジメチル−2,2’−アゾビスジイソブチレート6部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け反応を終了した。
このようにして数平均分子量が4000であり、1分子あたりのエチレン性不飽和単量体(a8)の平均共重合個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が0.5個であるビニル系分散樹脂A8を得た。
工程(C)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽にメトキシプロピルアセテート60部を仕込み、110℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、2−エチルヘキシルメタクリレート30.0部、ベンジルメタクリレート68.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.7部、メトキシプロピルアセテート40部、及びジメチル−2,2’−アゾビスジイソブチレート6部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け反応を終了した。このようにして、数平均分子量4800、1分子中の水酸基の平均個数0.5個のビニル系樹脂中間体(C2)を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽にメトキシプロピルアセテート100部、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル4.3部、及びジメチルベンジルアミン0.1部を仕込み、100℃に昇温した。滴下槽からビニル系樹脂中間体(C2)100部(固形分)を2時間かけて反応槽に滴下し、適下終了後、100℃で4時間反応させた。
その後、2−エチルヘキシルアルコール10部を加え、90℃で5時間反応させ、残存する無水環をアルコール分解し、エチレングリコールジトリメリット酸骨格の平均共重合個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が0.5個であるビニル系分散樹脂A9を得た。
上記ビニル系分散剤の製造例9の工程(D)において、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル4.8部の代わりに9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸無水物6.0部を用いたこと以外は同様にして、1分子あたりの9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレンの平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が0.5個のビニル系分散樹脂A10を得た。
工程(C)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽にメトキシプロピルアセテート60部を仕込み、110℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、n−ブチルメタクリレート21.2部、2−エチルヘキシルメタクリレート30.0部、ベンジルメタクリレート30部、スチレン10部、プラクセルFM−2D(2−ヒドロキシエチルメタクリレート1モルにε−カプロラクトンを2モル付加させた水酸基を有するエチレン性不飽和単量体;ダイセル化学工業社製)8部、アクリル酸0.8部、メトキシプロピルアセテート40部、及びジメチル−2,2’−アゾビスジイソブチレート5部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け反応を終了した。このようにして、数平均分子量5500、1分子中の水酸基の平均個数1.2個のビニル系樹脂中間体(C3)を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置にアクリル系樹脂中間体(C3)100部(固形分)、無水トリメリット酸3.5部、及びジメチルベンジルアミン0.1部を仕込み、100℃で6時間反応させた。このようにして、1分子あたりのトリメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が1.0個であるビニル系分散剤A11を得た。
工程(C)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽にメトキシプロピルアセテート60部を仕込み、110℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、メチルメタクリレート22部、ラウリルメタクリレート30部、ベンジルメタクリレート30部、スチレン10部、ブレンマーAE−200(2−ヒドロキシエチルアクリレート1モルに、エチレンオキサイドを平均3.5モル付加させた水酸基を有するエチレン性不飽和単量体;日本油脂社製)8部、メトキシプロピルアセテート40部、及びジメチル−2,2’−アゾビスジイソブチレート6部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け、反応を終了した。このようにして、数平均分子量4400、1分子中の水酸基の平均個数1.3個のビニル系樹脂中間体(C4)を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置にアクリル系樹脂中間体(C4)100部(固形分)、無水トリメリット酸4.4部、及びジメチルベンジルアミン0.1部を仕込み、100℃で6時間反応させた。このようにして、1分子あたりのトリメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が1.0個であるビニル系分散剤A12を得た。
工程(C)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽にメトキシプロピルアセテート60部を仕込み、110℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、メチルメタクリレート20部、イソブチルメタクリレート37.6、ラウリルメタクリレート30部、ベンジルメタクリレート10部、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(興人社製)2.4部、メトキシプロピルアセテート40部、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)6部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け反応を終了した。このようにして、数平均分子量4900、1分子中の水酸基の平均個数1.0個のビニル系樹脂中間体(C5)を得た。
工程(D)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、アクリル系樹脂中間体(C5)100部(固形分)、無水トリメリット酸3.9部、及びジメチルベンジルアミン0.1部を仕込み、100℃で6時間反応させた。このようにして、1分子あたりのトリメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G)の平均個数)が1.0個であるビニル系分散剤A13を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽にメトキシプロピルアセテートを60部仕込み、110℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、n−ブチルメタクリレート40部、ベンジルメタクリレート50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、メタクリル酸5部、メトキシプロピルアセテート40部、及びジメチル−2,2’−アゾビスジイソブチレート6部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け反応を終了した。このようにして、数平均分子量4000の比較分散剤1を得た。
下記組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて2時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して、赤色顔料分散体1を作製した。なお、ビニル系分散剤(A1)は事前にシクロヘキサノンに溶解して添加した。
赤色顔料1:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」 (C.I. Pigment Red 254) 10.00部
分散剤A1 1.00部
アクリル樹脂溶液 35.00部
シクロヘキサノン 54.00部
赤色顔料分散体1 40.00部
アクリル樹脂溶液1 10.50部
モノマー:新中村化学社製「NKエステルATMPT」 4.50部
(トリメチロールプロパントリアクリレート)
光重合開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」
2.00部
増感剤:保土ヶ谷化学社製「EAB−F」 0.20部
シクロヘキサノン 42.80部
顔料、ビニル系分散剤(A)、塩基性分散剤、アクリル樹脂溶液、および溶剤(シクロヘキサノン)を表1に示す割合(重量比)で配合し、実施例1 と同様にして顔料分散体を作製した。さらに、得られた顔料分散体を用いて、実施例1と同様にして各色レジスト組成物を得た。なお、固形のビニル系分散剤(A)については、事前にシクロヘキサノンに溶解して添加した。
(C.I. Pigment Red 177)
赤色顔料3:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」
(C.I. Pigment Red 254) 6.50部
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタルレッドA2B」
(C.I. Pigment Red 177) 2.50部
ランクセス社製「E4GN−GT」 1.00部
(C.I. Pigment Yellow 150)
緑用顔料1:東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」 5.80部
(C.I. Pigment Green 36)
BASF社製「パリオトールエローD1819」 4.20部
(C.I. Pigment Yellow 139)
青用顔料1:BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」
(C.I. Pigment Blue 15:6)
黄用顔料1:BASF社製「パリオトールエローK0961HD」
(C.I. Pigment Yellow 138)
モノマー: 新中村化学社製「NKエステルATMPT」
(トリメチロールプロパントリアクリレート)
開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光重合開始剤「イルガキュア907」
増感剤:保土ヶ谷化学社製「EAB−F」
溶剤:シクロヘキサノン
化合物1、3、7、8: 明細書中で化合物番号を付して例示した色素誘導体
比較分散剤2:ビックケミー社製「BYK111」
比較分散剤3:アビシア社製「ソルスパーズ41000」
塩基性分散剤1:味の素ファインテクノ社製「PB−821」
実施例および比較例で得られた各色着色組成物について、下記の方法により粘度安定性を評価した。
各色着色組成物を調製した翌日の初期粘度と、40℃で1週間、経時促進させた経時粘度を、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数20rpmという条件で測定した。この初期粘度および経時粘度の値から、下記式で経時粘度変化率を算出した。
(経時粘度変化率)=|〔(初期粘度)−(経時粘度)〕/(初期粘度)|×100
実施例および比較例で得られた各色着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpm、1000rpm、1500rpmの回転数で塗布し、膜厚3水準のレジスト塗布基板を得た。この塗布基板を、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJで紫外線露光を行い、230℃で1時間加熱、放冷後、コントラスト比を測定した。ついで、塗膜のC光源での色度(Y,x,y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。膜厚3水準の基板のコントラスト比および色度測定結果から、赤色塗膜についてはx=0.64、青色塗膜についてはy=0.14、緑色塗膜についてはy=0.60、黄色塗膜についてはx=0.48におけるコントラスト比を、それぞれ近似法により求めた。
実施例および比較例で得られた各色着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に乾燥後の膜厚が2.0μmになる回転数にてスピンコーターを用いて塗布した基板を、70℃で20分乾燥後、幅100μmのストライプ状の開口部を有するフォトマスクを介して超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJで紫外線露光を行い、5%の炭酸ナトリウム水溶液で未露光部を洗い流し、230℃で30分加熱して、基板上に幅100μmのストライプ状のパターンを形成した。ガラスへの密着性に関する試験としては、得られた塗膜の耐薬品性についての評価を行った。試験方法としては、5%水酸化ナトリウム水溶液中に25℃で30分浸漬し、浸漬前後でのガラスへの密着性を目視で観察し、3段階で評価した。
○:全く剥離が認められない
△:わずかに剥離が認められる
×:剥離が認められる
ダイコート方式の塗布装置を用いて、実施例および比較例で得られた各色着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に塗布し、得られた塗布基板を70℃で20分乾燥して、乾燥塗膜を形成し、塗膜上の縦スジムラ(塗布方向の縦状の塗布スジ)を目視観察により3段階で評価した。また、乾燥塗膜上における、ヘッド先端部から脱離した固化物の有無を目視観察により3段階で評価した。
縦スジムラ
○:全く縦スジムラが認められない
△:わずかに縦スジムラが認められる
×:顕著に縦スジムラが認められる
固化物
○:全く固化物が認められない
△:固化物1個以上10個未満
×:固化物10個以上
Claims (8)
- ビニル系重合体主鎖内に、一般式(1)で表されるカルボキシル基含有単位(G)を、ビニル系重合体の1分子あたり平均0.3個以上3.0個以下の量で含むビニル系分散剤(A)と、顔料と、モノマーを含む顔料担体とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
式(1)
X1は−COO−、−CONH−、−O−、−OCO−、若しくは−CH2O−であり、
X2は一般式:
−(−Ra1−O−)m1−
(式中、Ra1は炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、または炭素原子数3〜8のシクロアルキレン基であり、そしてm1は1〜50の整数である)
で表される基であり、
X3は一般式:
−(−CO−Rb1−O−)m2−
(式中、Rb1は炭素原子数4〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、または炭素原子数4〜8のシクロアルキレン基であり、そしてm2は0〜20の整数である)
で表される基であり、
Y1は一般式(2)あるいは一般式(3)で表される基である。
式(2)
式(3)
R2は直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF3)2−、式:
- 前記ビニル系分散剤(A)の一般式(1)で示されるカルボキシル基含有単位(G)のY1が、一般式(2)で表される基であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 一般式(2)中のA1〜A3のうちの1つが水素原子であって、他の2つが−COOHである組合せであることを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 前記ビニル系分散剤(A)が一般式(4)で示されるビニル系重合体であることを特徴とする請求項2または3に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
式(4)
R10およびR11はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、
R12は芳香族基または-CO−X8−R13(ただし、X8は−O−若しくは−NH−であり、R13は水素原子または炭素原子数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であり、前記R13は置換基として芳香族基を有していることができる)であり、
X5は−COO−、−CONH−、−O−、−OCO−、若しくは−CH2O−であり、
X6は一般式:
−(−Ra2−O−)m3−
(式中、Ra2は炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、または炭素原子数3〜8のシクロアルキレン基であり、そしてm3は1〜50の整数である)で表される基であり、
X7は一般式:
−(−CO−Rb4−O−)m4−
(式中、Rb2は炭素原子数4〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基であり、そしてm4は0〜20の整数である)で表される基であり、
一般式(4)中の前記カルボキシル基含有単位(G)、−X5−X6−X7−Hを含む水酸基含有単位(J)、及び−C(R11)(R12)−を含む主鎖構成単位(K)は、ランダム型またはブロック型で含まれていることができ、
一般式(4)中に含まれている前記カルボキシル基含有単位(G)、前記水酸基含有単位(J)、および主鎖構成単位(K)は、それらが複数個で存在する場合は、相互に同一または異なっていることができ、
そしてp1、p2、およびp3はビニル系分散剤(A)の1分子あたりの各構成単位の平均個数を示し、p1は0.3以上3.0以下であり、p2は0以上180以下であり、p3は6以上250以下である。〕 - 前記ビニル系分散剤(A)の数平均分子量が500以上20000以下であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- さらに、塩基性基を有する分散剤を含有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 前記塩基性基を有する分散剤が、塩基性基を有する色素誘導体であることを特徴とする請求項6記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 請求項1ないし7いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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