JP4747522B2 - 背面投射型ディスプレイ装置 - Google Patents

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本発明は、例えばリアプロジェクションテレビなどの背面投射型ディスプレイ装置に関するものである。
従来より、透過型スクリーンを備えた背面投射型ディスプレイ装置として知られるリアプロジェクションテレビは、光源としてのプロジェクタから投射される映像光を、反射鏡によって反射させて略長方形平板状をなす透過型スクリーンの背面に入射させることにより、この透過型スクリーンの前面側に位置する観察者が、透過型スクリーンを透過して出射する映像光を観察することができるように構成されたものである。
透過型スクリーンは、入射光の方向を整えて出射光とするフレネルレンズ部を有するフレネルレンズと、このフレネルレンズからの出射光をスクリーンの左右方向(水平方向)に拡散させる拡散レンズ部を有するレンチキュラーレンズシート(拡散レンズシート)と、このレンチキュラーレンズシートからの出射光をスクリーンの上下方向(垂直方向)に拡散させる拡散層とを備えている。
また、透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズのレンズ本体は、レンズ基板における例えばレンチキュラーレンズシート側を向く片面に、同心円状に配列された複数の単位レンズからなるフレネルレンズ部がレンズ本体の出射面側に位置するように設けられて構成されており、このフレネルレンズの光軸(複数の単位レンズがなす同心円の中心)は、レンズ本体の中心と一致させられている。
このような透過型スクリーンの背面に入射する映像光は、まず、フレネルレンズにより略平行光となり、次いで、レンチキュラーレンズシートによりスクリーンの左右方向に拡散するとともに拡散層によりスクリーンの上下方向に拡散する。これにより、スクリーン左右方向及び上下方向の視野角が制御される。
ところで、最近では、上記のような光軸とレンズ本体の中心とが一致したフレネルレンズではなく、光軸がレンズ本体の中心を通るレンズ本体の短辺に沿う方向においてレンズ本体の中心から外れた位置を通るように配置されたフレネルレンズを用いて透過型スクリーンを構成することにより、リアプロジェクションテレビの薄型化を図ることが考えられている。
つまり、フレネルレンズの光軸上に配置されるプロジェクタから投射される映像光を、従来よりも大きな入射角度でフレネルレンズのレンズ本体に対して斜めに入射させることにより、リアプロジェクションテレビの薄型化を図ろうとしているのである。
ここで、一般的なフレネルレンズでは、フレネルレンズ部がレンズ本体の出射面側に位置するように設けられ、レンズ本体の入射面は略平坦面とされていることが多いため、映像光の入射角度が大きくなるのにしたがい、この映像光が入射面において反射する割合が大きくなって、映像光のロスが大きくなってしまうという問題がある(図6に、例えば波長546nmの映像光についての入射角度と反射率との関係を示す)。このような入射角度の増大に起因した映像光のロスの影響は、入射角度が約55°以上、とくに約60°以上の領域で顕著になる。
この問題を解決するため、フレネルレンズ部がレンズ本体の入射面側に位置するように設けられ、入射光をフレネルレンズ部で全反射させることによってこの入射光の方向を整えて出射光とする全反射型フレネルレンズを用いることがあるが、このような全反射型フレネルレンズでは、形状が複雑で量産に適さないのに加えて、形状の複雑さによるノイズ光の増大を招いてしまう。
また、例えば特許文献1・2に開示されているように、レンズ本体の出射面側にフレネルレンズ部が設けられたフレネルレンズにおいて、そのレンズ本体の入射面側に反射防止膜を設けることにより、映像光の反射率を低下させて、この映像光のロスを少なくすることも知られている。
特許第3056571号公報 特開平5−341385号公報
しかしながら、特許文献1・2に開示されたフレネルレンズは、その光軸とレンズ本体の中心とが一致しており、映像光が従来よりも大きな入射角度でレンズ本体に対して斜めに入射することを想定したものではないのに加え、一般に反射防止膜は、垂直に入射する光に対して十分な反射防止効果をもつように設計されている。
つまり、特許文献1・2に開示されたフレネルレンズは、映像光が通常の入射角度でレンズ本体に対して入射するような場合には、その反射防止膜による反射防止効果を発揮することができるのであるが、リアプロジェクションテレビの薄型化に起因して、映像光が従来よりも大きな入射角度でレンズ本体に対して斜めに入射する場合には、その反射防止膜による十分な反射防止効果を発揮することができず、映像光のロスを十分に少なくすることができないのであった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、偏心した光軸を有するフレネルレンズを用いることにより、背面投射型ディスプレイ装置の薄型化を図った場合であっても、映像光のロスを極力少なくすることができる背面投射型ディスプレイ装置とを提供することを目的としている。
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明による射型ディスプレイ装置は、光軸上にフレネルレンズが配置され、透過型スクリーンと映像光を投射する光源とを備えている背面投射型ディスプレイ装置において、前記フレネルレンズが入射光の方向を整えて出射光とするフレネルレンズ部を出射面側に有し、かつ前記フレネルレンズのレンズ本体が略長方形平板状であり、かつ前記光軸が前記レンズ本体の中心を通る前記レンズ本体の短辺に沿う方向において前記中心から外れた位置を通るように配置されており、前記レンズ本体の入射面側に、前記光軸上に配置される光源から投射されて前記レンズ本体に入射する映像光の反射を低減するための反射防止膜が設けられており、前記反射防止膜を構成する少なくとも1つの膜が屈折率をnfとし、膜厚をdとし、膜内を透過する映像光の傾斜角度をθfとし、映像光の波長をλとしたときに、λ・1/8<N・(nf・d/cos(θf))<λ・3/8(Nは自然数)を満たしているフレネルレンズであって、前記映像光の最大入射角度θmaxが、θmax≧60°を満たしており、前記映像光が前記フレネルレンズに対してp偏光の直線偏光であることを特徴としている。
本発明の背面投射型ディスプレイ装置では、まず、光軸がレンズ本体の中心から外れるように配置されているフレネルレンズを備えた透過型スクリーンによって構成されるため薄型化を図ることが可能となっている。
ここで、上記のように光軸が偏心したフレネルレンズを用いたことにより、このフレネルレンズのレンズ本体に入射する映像光の入射角度が大きくなってしまう。しかしながら、本発明においては、フレネルレンズのレンズ本体の入射面側に上式を満たす反射防止膜を設けたことにより、レンズ本体に対して大きな入射角度で入射する映像光に対しても、十分な反射防止効果を発揮することができる。つまり、上式を満たす反射防止膜が、その入射側の界面において反射する映像光の光路と出射側の界面において反射する映像光の光路とを所定距離だけずらして、これら反射する映像光同士を互いに打ち消しあわせるように機能するのである。これにより、本発明の背面投射型ディスプレイ装置のフレネルレンズは、大きな入射角度でレンズ本体に入射する映像光における可視光(波長450nm〜650nm)の例えば90%以上を透過させることができ、反射によって生じる映像光のロスを極力少なくして、透過型スクリーン上に暗い画像が表示されてしまうのを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
本実施形態による背面投射型ディスプレイ装置としてのリアプロジェクションテレビ10は、図1に示すように、筐体11と、前面側(図1中の右側)を筐体11の外部へ露出させるとともに背面側(図1中の左側)を筐体11の内部へ露出させた略長方形平板状をなす透過型スクリーン20と、筐体11内に配置され、透過型スクリーン20の背面に対して映像光を投射する光源としてのプロジェクタ12と、同じく筐体11内に配置され、プロジェクタ12から投射される映像光の光路を偏向させる例えば2枚の反射鏡13,14とを備えている。
透過型スクリーン20は、図2に示すように、入射光の方向を整えて出射光とするフレネルレンズ部33を有するフレネルレンズ30と、このフレネルレンズ30からの出射光をスクリーンの左右方向(水平方向)に拡散させる拡散レンズ部44を有するレンチキュラーレンズシート(拡散レンズシート)40と、このレンチキュラーレンズシート40からの出射光をスクリーンの上下方向(垂直方向)に拡散させる拡散層50とを備えている。
これらフレネルレンズ30、レンチキュラーレンズシート40、拡散層50は、透過型スクリーン20の背面側(図2中の左側)から前面側(図2中の右側)にかけて順次配置されているとともに、互いに略平行となるように配置されている。
フレネルレンズ30のレンズ本体31は、図2及び図3に示すように、略長方形平板状をなすレンズ基板32におけるレンチキュラーレンズシート40側を向く片面(透過型スクリーン20の前面側を向く片面)に、フレネルレンズ部33がレンズ本体31の出射面側に位置するように設けられ、かつ、レンズ基板32における透過型スクリーン20の背面側を向く片面に、例えば1層の反射防止膜34がレンズ本体31の入射面側に位置するように設けて構成されている。
フレネルレンズ部33は、複数の単位レンズ35が同心円状に配列されてなるものであり、各単位レンズ35は、後述するプロジェクタ12から投射された映像光を屈折させてこの映像光の方向を整えて略平行光として出射するための屈折面35Aを有している。
本実施形態において、フレネルレンズ部33の複数の単位レンズ35がなす同心円の中心を通ってレンズ本体31の法線に沿う方向、つまり、フレネルレンズ30の光軸P1は、図2に示すように、レンズ本体31の中心P2を通るレンズ本体31の短辺に沿う方向(スクリーン上下方向)においてレンズ本体31の長辺よりも外側でレンズ本体31から外れた位置を通るように配置されている。
反射防止膜34は、例えばフッ化マグネシウムやフッ素を含有したポリマーなどの低屈折材料からなるものであり、入射する映像光の反射を低減するためにレンズ本体31の入射面を構成している。なお、反射防止膜34は、例えば蒸着法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法などによって形成される。
また、この反射防止膜34については、後述するが、その屈折率をnfとし、膜厚をdとし、膜内を透過する映像光の傾斜角度(光軸P1に対してなす傾斜角度)をθfとし、映像光の波長をλとしたときに、
λ・1/8<N・(nf・d/cos(θf))<λ・3/8 (Nは自然数) …(1)
を満たすようになっている。
上記のような構成とされたフレネルレンズ30は、その光軸P1を例えば下方側に位置させるようにして透過型スクリーン20に備えられている。
そして、プロジェクタ12から投射される映像光を透過型スクリーン20の背面に入射させる、つまり、プロジェクタ12から投射される映像光を透過型スクリーン20の背面側に位置するフレネルレンズ30に入射させると、このフレネルレンズ30は、入射した映像光の方向を整えて略平行光としてからレンチキュラーレンズシート40に向けて出射する。
ここで、プロジェクタ12から投射される映像光の光路を反射鏡13,14によって偏向させていない状態を考えると、プロジェクタ12は、フレネルレンズ30の光軸P1上に配置されるために、図1中の2点鎖線で示すように透過型スクリーン20の背面に対向する領域から例えば下方側に外れた領域に配置された状態となっている。
そして、このような配置とされるプロジェクタ12から投射される映像光の光路を、透過型スクリーン20の背面に対向配置されるとともに透過型スクリーン20に対して略平行となるように配置される反射鏡14とさらにもう一つの反射鏡13とによって偏向させることにより、プロジェクタ12が、筐体11内において透過型スクリーン20と反射鏡14との間の領域から例えば下方側に外れた領域に配置されている。
また、フレネルレンズ30のレンズ本体31の中心P2を含むスクリーン上下方向の断面で見て図1から理解できるように、光軸P1上に配置されるプロジェクタ12から投射されてフレネルレンズ30のレンズ本体31に入射する映像光の最大入射角度θmax、つまり、レンズ本体31の一対の長辺のうちの光軸P1から離れた一方の長辺(図1における透過型スクリーン20の上側の端部に相当)に対して入射する映像光が光軸P1に対してなす傾斜角度θmaxは、例えばθmax≧60°を満たしている。
このような最大入射角度θmaxでフレネルレンズ30のレンズ本体31に入射する映像光に対して、上記反射防止膜34が十分な反射防止効果を発揮することにより、入射する映像光における可視光(波長450nm〜650nm)の例えば90%以上がフレネルレンズ30を透過できるようになっている。
レンチキュラーレンズシート40のシート本体41は、図2に示すように、略長方形平板状をなすシート基板42におけるフレネルレンズ30側を向く片面(透過型スクリーン20の背面側を向く片面)に、拡散レンズ部44が設けられ、かつ、シート基板42における拡散層50側を向く片面(透過型スクリーン20の前面側を向く片面)に、遮光部45が設けられることによって構成されている。
拡散レンズ部44は、略半円柱状をなす複数のシリンドリカルレンズ(単位レンズ)43が互いに略平行となるように配列されてなり、シート本体41の入射面側に位置させられている。
この拡散レンズ部44を構成する複数のシリンドリカルレンズ43は、その長さ方向をスクリーンの上下方向(垂直方向)に略一致させており、フレネルレンズ30から出射される映像光がレンチキュラーレンズシート40に入射すると、このレンチキュラーレンズシート40は、入射した映像光をスクリーンの左右方向(水平方向)で集光・拡散してストライプ状の光としてから拡散層50に向けて出射する。なお、図2においては、説明上分かりやすくするため、シリンドリカルレンズ43の長さ方向をスクリーンの上下方向(垂直方向)ではなく左右方向(水平方向)に略一致させて示してある。
遮光部(BS=ブラック・ストライプ)45は、複数のシリンドリカルレンズ43によるストライプ状の非集光部を遮光するように、シート本体41の出射面側に位置させられている。
これに対し、複数のシリンドリカルレンズ43によるストライプ状の集光部に対応する領域は、シート本体41の出射面側に位置させられた通過部46とされており、シリンドリカルレンズ43によって集光した映像光が、この通過部46を通過するようにして拡散することになる。
拡散層50は、略長方形平板状をなす基材中に拡散材が分散配置されることによって構成されており、レンチキュラーレンズシート40から出射される映像光が拡散層50に入射すると、この拡散層50は、入射した映像光をスクリーンの上下方向(垂直方向)へ拡散してから透過型スクリーン20の前面側に向けて出射する。
以上のような構成とされた本実施形態によるリアプロジェクションテレビ10では、まず、透過型スクリーン20に用いられるフレネルレンズ30の光軸P1が、レンズ本体31の中心P2を通るレンズ本体31の短辺に沿う方向において、レンズ本体31から外れた位置を通るように配置されている。
そのため、フレネルレンズ30の光軸P1上に配置されるプロジェクタ12を、反射鏡13,14によって映像光の光路を偏向させていない状態において、透過型スクリーン20の背面に対向する領域から例えば下方側に外れた領域に配置することができている。
したがって、本実施形態によるリアプロジェクションテレビ10において、プロジェクタ12から投射される映像光の光路を透過型スクリーン20の背面に対向配置された反射鏡14によって偏向させるときには、この反射鏡14が透過型スクリーン20の背面に対して略平行となっていたとしても、プロジェクタ12を透過型スクリーン20と反射鏡14との間の領域から例えば下方側に外れた領域に配置することができる。
このように、透過型スクリーン20の背面に対向配置される反射鏡14を透過型スクリーン20に対して略平行となるように配置することができていると、従来では反射鏡14の傾斜の分だけ必要となっていた筐体11の奥行きが不必要になり、リアプロジェクションテレビ10のさらなる薄型化を実現することができる。
ここで、上記のように光軸P1が偏心したフレネルレンズ30を用いたことにより、このフレネルレンズ30のレンズ本体31に入射する映像光の入射角度が大きなっており、例えば、映像光の最大入射角度θmaxが60°以上となっている。
しかしながら、本実施形態では、フレネルレンズ30のレンズ本体31の入射面側に、上記(1)式を満たす反射防止膜34を設けたことによって、映像光の入射角度が大きくなることに起因した映像光の反射ロスの問題を解決することができている。
具体的に説明すると、図3及び図4に示すように、プロジェクタ12から投射された映像光は、まず、最大入射角度θmaxが例えば60°以上となるような大きな入射角度でフレネルレンズ30のレンズ本体31に入射する、つまりレンズ本体31の入射面を構成する反射防止膜34に入射する。
ここで、本実施形態のように例えば1層の反射防止膜34がレンズ本体31の入射面側に設けられている場合、反射防止膜34の屈折率をnfとし、反射防止膜34の入射側に隣接する入射媒質(本実施形態では、空気)の屈折率をnoとし、反射防止膜34の出射側に隣接する出射媒質(本実施形態では、レンズ基板32)の屈折率をnsとしたときに、映像光の反射率Rは、
R=(nf−no・ns)/(nf+no・ns) …(2)
で表される。
そこで、上記(2)式で表される映像光の反射率Rが小さくなるような条件を設定してやれば、反射によって生じる映像光のロスを少なくすることができる。
この反射率Rを小さくするためには、レンズ本体31の入射面側に設けられた反射防止膜34が、その入射側の界面(本実施形態では、空気と反射防止膜34との界面、つまりレンズ本体31の入射面)において反射する映像光の光路と、出射側の界面(本実施形態では、反射防止膜34とレンズ基板32との界面)において反射する映像光の光路とを所定距離だけずらして、これら反射する映像光同士を互いに打ち消しあわせるように機能することが必要となる。
すなわち、映像光が反射防止膜34内において入射側の界面から出射側の界面に至るまでの光学的距離が、映像光の波長λの1/4となる、換言すれば、反射防止膜34の入射側の界面において反射する映像光の光路と出射側の界面において反射する映像光の光路との差が、映像光の波長λの1/2となる場合に、上記のように反射防止膜34の入射側及び出射側の界面において反射する映像光同士が互いに打ち消しあうようになる。
よって、反射防止膜34の屈折率をnfとし、反射防止膜34の膜厚をdとし、反射防止膜34内を透過する映像光の傾斜角度(光軸P1に対してなす傾斜角度)をθfとし、映像光の波長をλとしたときに、
N・(nf・d/cos(θf))=λ・1/4 (Nは自然数) …(3)
を満たせばよい。
なお、反射防止膜34内を透過する映像光の傾斜角度θfは、反射防止膜34に入射する映像光の入射角度θo(本実施形態では、フレネルレンズ30のレンズ本体31に入射する映像光の入射角度)との関係において、スネルの法則
no・sin(θo)=nf・sin(θf) …(4)
より求めることができる。
そして、入射角度θoで反射防止膜34に入射する映像光に対して、この反射防止膜34が十分な反射防止効果を発揮するためには、上記(3)式におけるN・(nf・d/cos(θf))が、(λ・1/4)を挟んで(λ・1/8)〜(λ・3/8)の範囲に収まっていればよいことになり、上記(1)式を導き出すことができる。
したがって、本実施形態のフレネルレンズ30では、上記(1)式を満たす反射防止膜34がレンズ本体31の入射面側に設けられていることにより、従来よりも大きな入射角度でレンズ本体31に入射する映像光における可視光(波長450nm〜650nm)の例えば90%以上を透過させることができ、反射によって生じる映像光のロスを極力少なくして、透過型スクリーン20上に暗い画像が表示されてしまうのを防止することができる。
なお、本実施形態においては、フレネルレンズ30のレンズ本体31の入射面側に、例えば低屈折材料からなる1層の反射防止膜34が設けられているようにしたが、図5に示すように、複数の反射防止膜34が設けられているようにしてもよい。
この場合、複数の反射防止膜34のうちの少なくとも1層の反射防止膜34について(好ましくは、すべての反射防止膜34について)、上記(1)式を満たしていれば、十分な反射防止効果を得ることができる。なお、上記(4)式において、入射媒質の屈折率noは、空気あるいは反射防止膜34の入射側に隣接する他の反射防止膜34の屈折率となり、反射防止膜34に入射する映像光の入射角度θoは、レンズ本体31に入射する映像光の入射角度あるいはこの反射防止膜34の入射側に隣接する他の反射防止膜34内を透過する映像光の傾斜角度となる。
また、このように複数の反射防止膜34がレンズ本体31の入射面側に設けられている場合には、例えばフッ化マグネシウムやフッ素を含有したポリマーなどの低屈折材料からなる反射防止膜34と、導電性材料などの高屈折材料からなる反射防止膜34とを混在させることで、十分な反射防止効果を維持しつつ、導電性材料によって帯電防止機能を得ることもできる。
なお、フレネルレンズ30のレンズ本体31に入射する映像光の入射角度が上述のように大きくなっている場合、レンズ本体31の入射面での映像光の反射率は、この映像光の偏光面の方向に依存して変化してしまう。つまり、映像光の偏光面の方向が定まっていないと、平均的な反射率を用いて反射防止膜34を設計せざるを得ず、最適な反射防止膜34を設計することができなくなってしまうおそれがある。
そのため、この映像光は、偏光面の方向が揃っている直線偏光からなることが好ましい。このように偏光面の方向が定まっていれば、反射率を確実に特定することができて、最適な反射防止膜34を設計することができる。つまり、映像光の偏光面を直線偏光とすることで、反射防止効果をより高めることができるため、映像光の利用効率をさらに改善することができるのである。とくに、直線偏光のうちでも、入射角度が60°近傍の大きい場合に低い反射率を示すp偏光を用いることがより好ましい。
また、本実施形態においては、透過型スクリーン20が、フレネルレンズ30からの出射光をスクリーンの左右方向に拡散させる拡散レンズシートとして、複数のシリンドリカルレンズ(単位レンズ)43が略平行に配列されてなる拡散レンズ部44を有するレンチキュラーレンズシート40を備え、フレネルレンズ30からの出射光をスクリーンの上下方向に拡散させる拡散手段として、拡散層50を備えているようにしたが、上記のような拡散レンズシートだけに限定されることはない。
例えば、透過型スクリーン20が、フレネルレンズ30からの出射光をスクリーンの左右方向(水平方向)及び上下方向(垂直方向)に拡散させる拡散レンズシートとして、複数の単位レンズがマトリックス状に配列されてなる拡散レンズ部を有するマイクロレンズシートを備えているようにしてもよい。また、例えば、透過型スクリーン20が、フレネルレンズ30からの出射光をスクリーンの左右方向(水平方向)及び上下方向(垂直方向)に拡散させる拡散レンズシートとして、複数のシリンドリカルレンズ(単位レンズ)が略平行に配列された第1のレンズアレイと複数のシリンドリカルレンズ(単位レンズ)が略平行に配列された第2のレンズアレイとがそれらのシリンドリカルレンズの長さ方向を互いに交差させるように同一平面上に配置されてなる拡散レンズ部を有するクロスレンチレンズシートを備えているようにしてもよい。なお、これらの場合でも、必要に応じて透過型スクリーン20が拡散層50を備えていてもよい。
さらに、例えば、透過型スクリーン20が、フレネルレンズ30からの出射光をスクリーンの左右方向(水平方向)に拡散させる拡散レンズシートとして、映像光を反射して拡散させる複数の単位レンズが配列されてなる拡散レンズ部を有するプリズムレンズシートを備え、フレネルレンズ30からの出射光をスクリーンの上下方向(垂直方向)に拡散させる拡散手段として、拡散層50を備えているようにしてもよい。なお、プリズムレンズシートにおける複数の単位レンズの形状・配列によっては、必ずしも拡散層50を必要としない。
本発明の実施形態によるリアプロジェクションテレビの一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態による透過型スクリーンの一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態によるフレネルレンズの一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態によるフレネルレンズの一例の要部を拡大した概略断面図である。 本発明の実施形態によるフレネルレンズの他の一例を示す概略断面図である。 映像光の入射角度と反射率との関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
10 リアプロジェクションテレビ(背面投射型ディスプレイ装置)
12 プロジェクタ(光源)
20 透過型スクリーン
30 フレネルレンズ
31 レンズ本体
32 レンズ基板
33 フレネルレンズ部
34 反射防止膜
35 単位レンズ
35A 屈折面
40 レンチキュラーレンズシート(拡散レンズシート)
50 拡散層
P1 フレネルレンズの光軸
P2 フレネルレンズのレンズ本体の中心

Claims (1)

  1. 光軸上にフレネルレンズが配置され、透過型スクリーンと映像光を投射する光源とを備えている背面投射型ディスプレイ装置において、
    前記フレネルレンズが入射光の方向を整えて出射光とするフレネルレンズ部を出射面側に有し、かつ前記フレネルレンズのレンズ本体が略長方形平板状であり、かつ前記光軸が前記レンズ本体の中心を通る前記レンズ本体の短辺に沿う方向において前記中心から外れた位置を通るように配置されており、
    前記レンズ本体の入射面側に、前記光軸上に配置される光源から投射されて前記レンズ本体に入射する映像光の反射を低減するための反射防止膜が設けられており、
    前記反射防止膜を構成する少なくとも1つの膜が屈折率をnfとし、膜厚をdとし、膜内を透過する映像光の傾斜角度をθfとし、映像光の波長をλとしたときに、
    λ・1/8<N・(nf・d/cos(θf))<λ・3/8(Nは自然数)
    を満たしているフレネルレンズであって、前記映像光の最大入射角度θmaxが、
    θmax≧60°
    を満たしており、
    前記映像光が前記フレネルレンズに対してp偏光の直線偏光であることを特徴とする背面投射型ディスプレイ装置。
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