JP4747243B2 - 試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法および装置 - Google Patents

試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法および装置 Download PDF

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    • G01N21/645Specially adapted constructive features of fluorimeters
    • G01N2021/6463Optics

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として生物学上の試料、プレパラートおよびそれらの付属構成成分の顕微鏡検査、特に蛍光レーザ走査型顕微鏡検査の方法および装置に関するものである。そのほか、作用物質を検査するための蛍光検出に基づく方法(ハイ・スループット・スクリーニング)およびその他コントラストメカニズムに基づくレーザ走査型顕微鏡検査法も含まれる。
【0002】
【従来の技術】
生物プレパラートを検査するための光学顕微鏡の古典的利用分野の1つに蛍光顕微鏡法(文献:Pawley「生物共焦点顕微鏡法ハンドブック」、プレーナム・プレス1955年)がある。この場合では特定の色素が細胞部分への特殊標識付けのために使用される。
【0003】
色素分子は、入射した一定エネルギーを持つ光子1個の吸収により光子基底状態から励起状態へ励起される。この励起は一般に1光子吸収と称される(図1a)。
色素分子は、このように励起された状態からさまざまな方法で基底状態に戻ることができる。蛍光顕微鏡法では蛍光光子の放出下での移行が最も重要である。放出される光子の波長はストークス変位のため励起放射に比較して原則的に赤側にずれる。すなわち長波長側である。ストークス変位が蛍光光線の励起光線からの分離を可能にする。
【0004】
蛍光は、ブロックフィルタと組み合わせた適当なダイクロイック・ビームスプリッタによって励起放射から分離し別途観察する。そうすることによって、さまざまな色素で着色された個々の細胞部分の描写が可能である。しかし原則的には、プレパラートのいくつかの部分を、独特な堆積の仕方をするさまざまな色素で同時に着色することもできる(多重蛍光)。個々の色素から送出される蛍光信号を区別するために、ここでも特殊なダイクロイック・ビームスプリッタを使用する。
【0005】
高いエネルギーを持つ1光子による色素分子の励起(1光子吸収)のほかに、より小さいエネルギーを持つ複数の光子による励起も可能である(図1b)。この場合、個々の光子のエネルギー総和は高エネルギー光子の何倍にも相当する。この種の色素励起は多光子吸収と称される(文献:Corle、Kino;「共焦点走査型光学顕微鏡法と関連画像システム」;アカデミック・プレス1996年)。
【0006】
図1bは近赤外波長領域での2光子の同時吸収による励起を示している。しかし、色素放出はこの種の励起によっては影響されない。すなわち、多光子吸収の場合放出スペクトルは負のストークス・シフトを起すため、励起放射に比較するとその波長は短い。励起光線を放出光線から分離するのは1光子吸収の場合と同じ方法で行う。
【0007】
以下に現状技術を共焦点レーザ走査型顕微鏡(LSM)の例で説明する(図2)。
LSMは大きく分けて次の4モジュールから成っている:
光源L、走査モジュールS、検出ユニットDEおよび顕微鏡M。
これらのモジュールは以下により詳しく説明する。それに加え、DE19702753A1、US6167173も参考になる。
【0008】
プレパラート中にあるさまざまな色素の個別励起には、さまざまな波長のレーザをLSM内で使用する。励起波長の選択は検査対象色素の吸収特性に従って行う。励起光線は光源モジュール(光源L)内で生成される。この場合さまざまなレーザA〜D(アルゴン、アルゴン・クリプトン、TiSaレーザ)が使用の対象になる。そのほか、光源モジュールでは波長の選択および必要な励起波長の強度調整を、たとえば音響光学変調器の使用により行う。それに続き、レーザビームはファイバまたは適当なミラー装置を通じて走査モジュールS内に導かれる。
【0009】
光源Lで生成されたレーザビームは対物レンズ(2)を通り、回折の抑制下でスキャナ、走査レンズ系、円筒レンズを経由してプレパラート(試料3)内へ集束される。試料3に焦点を当ててx−y方向にドット走査する。試料走査における画素上滞留時間は多くの場合マイクロ秒未満ないし数秒の範囲とする。
【0010】
蛍光の共焦点検出(デスキャン検出)の場合、焦平面(試料3)からおよびその上・下にある平面から放出された光は、スキャナを通りダイクロイック・ビームスプリッタ(MDB)に達する。MDBは蛍光を励起光から分離する。続いて、蛍光は、ダイクロイック・ビームスプリッタDBS1−3およびピンホール光学系を経由して、対物レンズ2の焦平面と共役な平面内に正確に位置する絞り(共焦点絞り/ピンホール)(PH1、2、3、4)で焦点を結ぶ。
【0011】
これによって焦点外の蛍光成分が遮断される。絞りの寸法をさまざまに変化させることによって、顕微鏡の光学分解度を調節することが可能である。絞りの後ろに別のダイクロイック・ブロックフィルタ(EF1−4)があり、これが再度励起ビームを差し止める。蛍光は、ブロックフィルタを通過した後、点像検出器(PMT1−4)によって測定される。
【0012】
多光子吸収を利用した場合、色素蛍光の励起は励起強度が特に強い小ボリューム部分に起こる。この領域は、共焦点装置を使用した場合の検出領域より極僅かに大きいだけである。したがって共焦点絞りの使用は省くことができ、T−PMT、PMT5を通じての検出は検出方向で見て対物レンズの直後で、または対物レンズに背を向けた側で行うことができる(ノンデスキャン検出)。
多光子吸収によって励起される色素蛍光を検出するための別の装置(図示してない)では、さらに1つのデスキャン検出が行われるが、この場合、対物レンズのひとみはピンホール光学系PHから検出ユニット内へ結像する(非共焦点デスキャン検出)。
【0013】
3次元照明による像のうち、対応する1光子吸収もしくは多光子吸収と接続している当該検出器の装置によって、対物レンズの焦平面内に存在する平面(光学的断面)のみが再現される。それに続いて、試料のさまざまな深さzにおけるx−y平面内のいくつかの光学的断面の描画により、コンピュータでサポートされた試料3次元像が生み出される。
【0014】
したがって、LSMは厚いプレパラートを検査するのに適している。励起波長は使用色素の固有吸収特性で決定される。色素の放出特性に合わせたダイクロイックフィルタにより、それぞれの色素から送出される蛍光のみが確実に点像検出器で測定されることになる。
【0015】
現状技術では点スキャナの代わりにいわゆるラインスキャナも使用されている(文献:Corle、Kino「共焦点走査型光学顕微鏡法と関連画像システム」アカデミック・プレス、1996年刊)。その原理構造は本質的には図2のLSMに一致する。但し、点フォーカスではなくラインが試料(3)に結像するものであり、その場合検査試料は一方向(xまたはy方向)にのみ走査される。
【0016】
ラインフォーカスの形成は、その焦点距離に顕微鏡装置のひとみ平面がある−図2に波線で描かれた−視準化照明光路内の少なくとも1つの円筒レンズ(ZL)によって行なわれる。このような構造では共焦点絞り(PH)としてはピンホールの代わりにスリット絞りPH1〜4が用いられる。多光子吸収の適用によるノンデスキャン検出はこの装置でも行なえる。この場合、共焦点絞り(PH)は省くこともできる。
【0017】
検出には点像検出器(PMT)の代わりにCCDカメラ(ノンデスキャン)あるいは1024またはそれ以上の画像点を含む走査ライン(デスキャン)が使用される。点走査の代わりにライン走査にすることによって、画像記録率を相当拡大させることができる。それにより、この走査法はリアルタイムでの迅速経過過程の観察(リアルタイム顕微鏡検査)に使用できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
この方法の欠点は、スリット絞りであるためレーザ点走査型顕微鏡に比べて深部分解度が1.4ポイント劣る点である。つまり、共焦点スリット絞りは共焦点切断面以外の蛍光成分を走査ラインに垂直な方向で遮断するだけである。加えて、側面分解度も劣っている。
【0019】
現状技術に基づくリアルタイム顕微鏡検査のためのまた別な装置では、拡大光源によって検査対象フィールドが完全に照明されるものがある。しかし、走査フィールド全体の中で特殊な点パターンだけは迅速回転ディスクでは捕らえられずに漏れている。この方法は文献では殆どがニポーディスク法と称されている(文献:Corle、Kino「共焦点走査型光学顕微鏡法と関連画像システム」アカデミック・プレス、1996年刊)。
【0020】
いわゆる構造照明による、現状技術に基づくまた別な方法では(図3参照)、振幅構造(例えば格子)の光学結像における変調度が焦点深度の判定基準として利用されている。この場合の画像は周期性構造で、その変調周波数および変調位相位置(画像位相)が優れている。
光学軸に対し垂直に構造位相シフトすることにより様々な投影画面を得ることができる。
【0021】
縞のない、深度差のある光学切断面を算定するためには、一般には少なくとも0°、120°および240°の3つの位相画像PBが必要である。これらの位相画像(PB)から、続いて画像プロセッサにおける次式を用いた算定より(共焦点)光学切断画像が得られる:
【式3】
Figure 0004747243
但し、式中I(x、角度)は当該位相画像の各画素における強度を表わしている。
【0022】
最も簡単な例では3またはそれ以上の位相画像記録が、逐次的に行なわれる。その場合、画像測定中には試料は動かさないものとする。そのように位相画像から算定された切断画像または断面成層は、続いて3次元評価ソフトウェアにより標準PCおよびモニタに表示することができる。
【0023】
光学軸に沿った方向での位置分解度は、光の波長、対物レンズの開口数および変調振動数に依存している。
算定アルゴリズムに関する詳細については、T.Wilsonおよび協働者の「従来型顕微鏡での構造化光線の使用による光学切断面の形成法」(光学レポート22(No.24)1997年刊)が参考になる。
【0024】
従来型のリアルタイム顕微鏡検査法ではさらに、複数色素の同時検査の場合には検出器も複数台必要になるという欠点がある。それによってデータ伝送の必要性が高まり、当該機器のコストが増大する。それ故、今日では各種色素蛍光に対して逐次的に画像形成するタイプの顕微鏡しか使用されていない。DE19829981A1には、励起波長および/または強度を走査過程で変える方法が記述されている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、プレパラートをリアルタイムで、高い光学分解性を持って結像させることのできる新しい方法を実現することである。
この課題は独立請求項に基づく装置および方法によって解消される。
その他の主要な実施態様は従属請求項に記述されている。
本発明の対象は、多重蛍光の要求される適用例には特に適している。それは、複数同時にリアルタイムの記録ができる上に、好ましいことに点走査型LSMに比べて遜色のない光学分解性を持っているからである。
【0026】
当方法は、レーザ走査型顕微鏡など画像形成顕微鏡システムにおいて光学空間分解能200nmまでの精度で行なわれる生物学系プレパラートの3次元検査にも、また例えば蛍光相関分光計などの分析顕微鏡システムにおいても使用できる。
さらに、蛍光検出をベースにした、例えばいわゆるチップリーダなどによる色素検査法も用途として含まれるが、それらの場合はレーザ走査型顕微鏡検査法に比べて、特に画像フィールドが一段と大きな点が異なっている。
【0027】
主としてリアルタイムで画像形成する方法において空間検出分解能を改善するに当り、その検討対象になるのは、線状励起および試料から反射、散乱および/または透過した励起光線および/または励起された蛍光である。この目的には、後に詳しく触れている適当な光学系により試料中に励起光線のラインフォーカスを形成する。
【0028】
図4は測定経過の図式例である。左側には走査フィールドがラインフォーカスと共に描かれている。ラインフォーカスは適当な補助手段(一方向に走査ミラー設置)により矢印に沿って移動させることができる。軸方向および側面方向の光学分解能の強化は、ラインフォーカスの構造化によって行なう。
【0029】
構造化は、光路中に例えば正弦曲線パターンの格子を設置して作った周期性構造を走査線に重ね合わせることによって行なう。コヒーレントな照明光の場合は、構造の生成は試料内での2つのコヒーレント部分光線の干渉によっても可能である(文献:Wilson著WO98/45745)。画像としては、周期性構造の位相位置が異なるものを少なくとも2つ記録する。原則として、光学的切断面の構成は当構造の異なった変調周波数を持つ画像を記録することによっても行なえる。
【0030】
試料の照明は、空間的および時間的にコヒーレントなまたはインコヒーレントな照明光によって行なうことができる。また、例えば散乱ディスクの使用により空間的にコヒーレントなレーザ光源を使用することも、あるいは試料に複数の個別フォーカスを並列させることによりインコヒーレントな照明を使用することもできる。
【0031】
一励起波長使用の場合は、画像プロセッサで光学切断画像を算定するには、例えば0°および180°の画像位相を持つ少なくとも2種類の位相画像PBを用意するのが好ましい。
励起波長数nの場合、n+1の位相画像が必要である。
一励起波長適用の場合、走査線に沿って試料から放出される信号は次式で表わされる:
Isig(x)=C(x)・cos(k・x)+B(x)
【0032】
但し、C(x)は共焦点光学切断面内のポジションxにおいてラインフォーカスに沿った、当該励起波長についての本来の対象物情報(例えば色素の濃度、作用態様、または局部反射係数)を含んでおり、算出対象の求める値である。B(x)は共焦点領域外の対象物情報を含んでいる。B(x)の場合、構造体が共焦点領域外ではシャープに結像しないので、変調されていない。kは構造化励起の逆変調周波数である。上式は2つの未知数C(x)、B(x)を含んでいる。C(x)の値を求めるには2つの位相画像記録が必要である。
【0033】
位相画像はl(x)、i=0、1・・・・nで表わし、変調時の相対位相シフトi・Δψ(画像位相)で特徴付けされるが、その場合次式が成り立つ:
I0(x)=C(x)・cos(k・x)+B(x)
I1(x)=C(x)・cos(k・x+Δψ)+B(x)
求める対象物情報は、次のように連立方程式をCについて解くことによって得られる:
【式4】
Figure 0004747243
C(x)は、異なる変調周波数kおよびkを持つ2画像の記録からも同様に求めることができる。
【0034】
周波数画像を同じようにl(x)、i=0、1、…nとすれば、次式が成り立つ:
【式5】
Figure 0004747243
【0035】
求める対象物情報は、次のように連立方程式をCについて解くことによって得られる:
【式6】
Figure 0004747243
C(x)は、異なる変調位相、変調周波数を持つ少なくとも2画像の記録から得ることもできる。
【0036】
走査ラインに伴うこれらの対象物情報から、少なくとも一試料平面の光学切断面が合成され、さらには、現状技術におけるのと同様に少なくとも一画像成層から成る少なくとも一画像へ加工することができる。
一励起波長しか利用されずに、少なくとも3つの位相画像(例えば0°、120°および240°の相対位相位置とする)が記録されるという場合、現状技術で説明される対象物情報獲得のためのアルゴリズム(文献:T.Wilsonおよび協働者「従来型顕微鏡での構造化光線の使用による光学切断面の形成法」光学レポート第22巻/第24号、1997年刊)も、ここで説明したあらゆる装置に適用することができる。
【0037】
複数波長による同時励起の場合、それに続き、変調構造の特殊な位相コーディングまたは周波数コーディングにより様々な励起波長毎に試料の信号分離が行なわれる。同時励起波長数がnの場合、一般にはn+1の位相画像が必要である。
【0038】
その場合、各種励起波長は定義付け通りの波長別変調位置シフト(コーディング位相)および/またはそれぞれ特徴的な変調周波数(コーディング周波数)によって互に分離される。各波長の励起光と試料との相互作用によって発生する試料からの放出光(例えば蛍光)は、励起波長に依存した特殊なコーディング位相および/またはコーディング周波数を有しており、従って下記アルゴリズムに基づき分離させることができる。
【0039】
例えば、蛍光励起のためにそれぞれの波長(L、L、L)を必要とする様々な色素(1、2、3)により、図5に描かれているように試料を走査フィールドで着色すれば、励起走査線のコーディング周波数(f、f、f)および/またはコーディング位相(φ、φ、φ)はそれぞれの領域(1、…n)の検出蛍光に伝送される(図6参照)。
【0040】
好ましい例では、すべての励起波長が同じコーディング周波数を有しているが、しかし、変調周波数の場合ではコーディング位相が異なっている。以下の説明では位相コーディングのなされた例に限定する。その場合、変調周波数によるコーディングも同様に検討していき、本発明の対象とする。
【0041】
2励起波長適用の場合、走査線に沿って試料から放出される信号は次式で表わされる:
【式7】
Figure 0004747243
但し、C(x)およびC(x)は、共焦点光学切断面内のポジションxにおいてラインフォーカスに沿った、当該両励起波長についての求める対象物情報(例えば、色素の濃度、作用特性)を表わしている。
【0042】
(x)およびB(x)は共焦点領域外の対象物情報を含んでいる。B(x)およびB(x)の場合、構造体が共焦点領域外ではシャープに結像しないので、変調されていない。
φおよびφはそれぞれ当該励起波長に対応するコーディング位相であり、kは構造化励起の逆変調周波数である(本例では両励起波長に対して同じ)。上式は4つの未知数C(x)、B(x)、C(x)およびB(x)を含んでいる。
【0043】
(x)およびC(x)の値を求めるには3つの位相画像記録が必要である。位相画像はl(x)、i=0、1・・・・nで表わし、変調時の相対位相シフトi・Δψ(画像位相)で特徴付けされるが、その場合次式が成り立つ:
【式8】
Figure 0004747243
【0044】
求める対象物情報は、次のように連立方程式をCおよびCについて解くことによって得られる:
【式9】
Figure 0004747243
但し、
【式10】
Figure 0004747243
および
【式11】
Figure 0004747243
とする。
【0045】
対象物情報の取得には、このように、それぞれの個別励起波長についてコーディング位相(φ)および逆変調周波数(k)が既知であることが前提となる。
連立方程式を解くには、つまりそれぞれの励起波長によって明らかにされた対象物情報を分離するには、2色励起の場合では3つの位相画像が必要である。その場合個別画像間の画像位相シフト(Δψ)は最も簡単な例で120°である。
【0046】
共焦点領域外の対象物情報については、全励起波長の関与する総和情報しか取得できない。
本例でのバックグラウンドは
【式12】
Figure 0004747243
で、CおよびCが既知であれば算出可能である。
【0047】
3励起波長に拡大しても、対応の連立方程式の解から同等の値が得られる。その場合、C(x)およびB(x)は共焦点切断面内、切断面外の第3の波長によって励起された対象物情報を表わしている。
個別波長に対する対象物情報は次のようになる:
【式13】
Figure 0004747243
但し、φ(x)は第3の励起波長における変調コーディング位相であり、
【式14】
Figure 0004747243
である。
【0048】
3色素励起の場合、個別波長によって励起された対象物情報の分離には、4つの位相画像の記録が必要である。画像位相ステップ幅は例えば90°とすることができる。予備設定したコーディング位相およびコーディング周波数を持つ装置の値Cijは一定なので、信号加工による対象物情報の取得は簡単な操作で済む。
【0049】
この操作は、標準化画像信号Δl(x)=l(x)−l(x)を、Cij(x)から求めて定数として整理した係数fk(x)で変換することによって表わすことができる。例えば上記等式からは3波長についてそれぞれ次式が得られる:
【式15】
Figure 0004747243
【0050】
一般的には、n種波長による同時励起には励起変調時にそれぞれ独自の位相および/または周波数を持つn+1の画像l〜lを記録することが必要である。励起波長(φ)の位相コーディングを持つ位相画像(画像位相:ψ)の場合、それぞれj番目の波長により励起された、準共焦点切断面(C)およびバックグラウンド(B)に関する画像情報を含む次の画像が得られる:
【式16】
Figure 0004747243
【0051】
それより得られる連立方程式は
【式17】
Figure 0004747243
但し、
【式18】
Figure 0004747243
【0052】
準共焦点切断面内の求める画像情報について、公知の数学的方法(例えばクラーマーの公式)により個別励起波長毎に解くことができる。
さらに、すべての波長で励起された準共焦点切断面外の画像情報は式19
【式19】
Figure 0004747243
で求められる。
【0053】
各種波長および/または画像のコーディングに位相の代わりに、あるいはそれに加えて周波数を使用する場合も同様の関係が成り立つ。その場合では係数Cijを然るべき形に修正する。
【0054】
係数Cijは、画像コーディングまたは波長コーディングに位相および/または変調周波数が使用されるかどうかには関わりなく、下記の測定法によって決めることができる。
参照周波数(例えば488nm)に対しては、検度の意味合いでコーディング周波数およびコーディング位相を求める(例えばガラスプレートまたはミラーなどの検査対象物による)。
【0055】
それには、検査対象物に周期性構造を結像させて検出器で測定し、試料の然るべき位置での固定画像位相についてコーディング周波数およびコーディング位相を測定して決定する。この参照波長との比較で、他の波長のコーディング位相およびコーディング周波数を同様に固定画像位相について測定することができる。
【0056】
照明方向で見て、その前に配置されている振幅格子(構造S)の担体にもなっている平面平行なプレートPにおける分散(平行シフト)により位相コーディングが実現されるという装置も可能である(図7A参照)。
【0057】
軸Aの中心からここでは若干傾倒した平面平行なプレートP(傾斜度:γ、厚さ:d)を多色励起光が透過することにより、回転軸および光学軸に垂直な平面において次式で表わされるような、波長に依存したごく僅かな平行シフトが生じる:
【式20】
Figure 0004747243
【0058】
プレートが顕微鏡装置の中間画像平面(図9A参照)にある場合、このシフトは個々の励起光線ラインフォーカスの振幅変調間の位相シフトとして表われる。
図8は走査フィールド内のラインフォーカスを図式化したものである。右側のグラフには3種類の励起波長を例に振幅変調の位相位置が描かれている。グラフのx軸はラインフォーカスに沿う座標に一致している。図8の右側の図には、コーディング位相を明瞭に図解するため走査線の一断片だけが描かれている。
対応波長によって励起された信号の確実な分離には、5°の位相シフトがあれば十分である。
【0059】
表1はコーディング位相の具体例を示したものである。
表1:厚さ10mmのBK7プレートにおいて50ライン/mmの振幅格子で分散した場合の主要レーザ光線ラインの位相シフト。プレートは法線に対して5°傾斜しているので、488nmの参照波長については光学軸に対して約300μmの平行シフトが発生する。
【表1】
Figure 0004747243
【0060】
波長に依存する位相シフト(位相コーディング)の実行装置には、顕微鏡装置のひとみ平面またはスキャナに投入される光学格子が使用される。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下では例えば、蛍光用およびDIC画像形成用のものでありながら、その他の光学コントラスト法への転用制限のない有利な装置について説明する。
【0062】
装置1:構造化された単一走査線照明
第1の装置は図9に示されている通りである。破線で描かれているのは顕微鏡装置のひとみ光路である。実線は対象物光路を表わしている。
図9A(xy平面)では光源(LQ)の光は、その焦点距離の位置が顕微鏡装置のひとみ平面にある、例えば円筒レンズ(ZL)によって中間画像平面(ZB)のラインフォーカスとして形成される。円筒レンズの前または後の位置にある(円筒レンズの前として描かれている)中間画像平面には走査線に沿って振幅の変調を喚起する素子(ST)が配置されている。STとしては、例えば透過格子がある。
【0063】
図7Bおよび7Dに例示されているように、黒色線として図示された格子線の方向(Y)に垂直なX方向において周期性の変化が進行する。このX方向でのシフト、例えば図9に描かれているような位置設定ユニットPEを用いてのシフトにより、位相位置の変更が可能になる。図7Dに基づくY方向での構造シフト(構造シフトは図示されていない)により、光学的断面密度(ずっと後の本文参照)の適合化のため、または光学切断画像算定のための個別画像記録時における変調周波数変更のため、振幅変調の周波数に変化が起きる。
【0064】
このシフトは、光学軸上にある旋回点を中心にY方向の回転軸の周りを傾倒させることによっても同様に生まれる。格子を、例えば光学軸に一致するZ方向の回転軸に沿って回転させることによっても位相シフトが起こるが(図16参照)、空間的に離れた複数のラインを試料上に結像させる場合(X方向のライン列)ではこれは様々な形で現われる。
【0065】
続いて、構造的走査線はメイン・ビームスプリッタ(MDB)、およびこれも顕微鏡装置のひとみ内にあって結像ラインに対して垂直に走査線を移動させる(y座標)、スキャナ(y)を経由し、さらに走査光学系(SO)、鏡胴レンズ(TL)および対物レンズ(O)を通って試料(PR)に結像する。この場合、中継光学系(RL)が円筒レンズ(ZL)の焦点をスキャナ(y)に結像させる。中継光学系は現状技術による特殊な装置によれば、省くことも可能である。
【0066】
例えば両スキャナx、yの距離を短縮した場合、または両スキャナx、yをカルダン懸架式単一スキャナに代えた場合である。円筒レンズについても、原則としてその焦点がスキャナ(x)上にある円筒ミラーに代えることもできる。円筒ミラーは図9Cに描かれたxz平面上45°で配置する。この平面では当ミラーはフォーカシング作用も有している。また、このミラーは光路を光源に対し90°転回させている。そのパターンは図9Cに図示されている。
【0067】
対物レンズ(O)によって集束された放出光は、例えばメイン・カラースプリッタ(MDB)により励起光から分離される。続いて、試料からの光は共焦点検出の場合では結像光学系(PO)の使用のもとスリット絞り(SB)(スリット長軸方向の位置:図面Z座標方向)によってフォーカシングされる。それにより、焦点外に生じた蛍光は阻止される。
【0068】
ノンデスキャン検出の場合は絞りを省くことができる。スリット絞りの後には、位置分解のもとで(ラインフォーカスに沿って)蛍光検出を行なうライン/面積検出器(DE)(Z方向での走査ラインの位置)が配置されている。加えて、メイン・カラースプリッタ(MDB)の後ろに、励起光線の検出光路への侵入阻止用として放出光フィルタ(図示されていない)を設置することもできる。ラインフォーカスの場合、ガルボスキャナ(y)により一空間方向に走査する。xスキャナは画像位相の調整に使用されない場合、零位の位置に留まったままである。
【0069】
図9Bも同じ装置を表わしているが、それは90°転回した場合である(YZ平面)。この空間方向では円筒レンズ(ZL)が作用しないので、試料上における観察対象はラインでなくて焦点である。
原則的にはスリット絞りも省くことができる。位置分解により蛍光寿命を測定(ラビジョン、ピコスター)するに当り、蛍光の結像をスキャナでのデスキャンによるのではなく、直接CCDカメラまたはゲート式カメラに対して行なうべき場合では、これがとりわけ大きな意味を持ってくる。
【0070】
この場合CCDカメラは中間画像平面ZB、例えば顕微鏡装置のTLとSO間の中間画像平面を観察する。現状技術に基づく顕微鏡の場合これはTVポート(図19TVポートの位置参照)に接続される。CCDカメラは、そのほか顕微鏡装置の透過光路内で(例えば図1に記載されているT−PMTの代わりとして)使用することもできる。そうすることで、試料を透過した励起光線を共焦点分解機能により検出することができる。加えて共焦点DIC結像も可能になる。
【0071】
現状技術では、そのためにはTLと対物レンズO間の対物レンズひとみにDICプリズムが設置される。そのようにDICで得られた画像は、さらに試料から反射、散乱および/または放出された信号から生成された画像と共に一画像として重ね合わせて表現することもできる。共焦点切断面の算定は、例えば少なくとも2つの位相画像を記録することによって行なう(図4または本文始めの既出箇所参照)。
【0072】
その場合、少なくとも2つの位相画像におけるラインの照明強度は、構造STによりx方向に周期的に−例えば正弦波状に−変化する。3構造ライン使用の場合、相対画像位相はそれぞれ120°ずれることになる。3つの位相画像は逐次的に形成される。即ち、3画像がyガルボスキャナ(y)によって逐次走査される。
当構造(ST)は、例えば透過格子状とすることができる。画像位相のシフトは例えば、透過格子と連結した位置設定ユニット(PE)で行なうことができるので、検査試料の各位置を明度変化させながら観察することができる。
【0073】
さらに、一波長の場合では、画像位相の調整は図7Aにあるような原形構造/印加構造の回転式プレート(PL)によって行うこともできる。そのためには、当プレートは図9に描かれているように顕微鏡装置の中間画像平面に配置しなければならない。これに使用される平面平行なプレートは中間画像平面にあって、プレートに直接構造ST(図7Bに描かれている)が施されているのが好ましい。
【0074】
別な装置として、画像位相の調整を別なガルボスキャナ(X)で行なうこともできる。その場合、スキャナ(X)がx方向の走査線をシフトさせ、それによって画像位相を変化させるのである。これには、検出側の光線転向と連結した円筒レンズ(ZL)、および透過格子の接続(転回またはスライド)によって、点走査型LSMと構造的照明による線走査型LSM間で点像検出器からライン検出器(DE)への切換が行なえるという利点がある。スキャナXは画像位相の調整に使用されない場合、零位の位置に留まったままである(従って、電流の流れない接続状態)。
【0075】
装置2:構造化された単一走査線照明および変調位相または変調周波数のコーディング
第2の装置では、走査線の構造化の際、励起波長に依存して様々なコーディング位相が使用される。それにより、個別波長によって励起された蛍光の信号がデジタル方式で分離することができる。
【0076】
図10AはXZ平面において可能な図式構造を示している。光源(LQ)から出た様々な波長の光が、構造(ST)によって振幅変調を起こす。その場合、構造は顕微鏡装置の中間画像平面内にある。
構造は位置設定ユニット(PE)によってシフト可能なように配置されているので、構造は走査線に沿ってシフトでき、様々な画像位相が設定できる。それに続き、円筒光学系(ZL)内の構造化光線は顕微鏡装置のひとみ平面でラインを形成する。その場合、円筒レンズ(ZL)はひとみ(スキャナX)から焦点距離分離れた位置に配置される。画像位相の調整はさらに、顕微鏡装置のひとみ平面内にあるスキャナ(X)によっても行なえる。
【0077】
図10BはXZ平面に一スキャナ(Y)だけを持つ簡略型装置である。この場合では画像位相の調整は位置設定ユニットPEによって行なう。
走査線に振幅変調が印加された後に、その光線は、波長に依存して構造シフトを行い、延いてはコーディング位相を変えるという素子を通過する。位相コーディング装置については既に図7Aに基づいてその可能性を述べた。その場合使用される平面平行プレートは中間画像平面にある。尚、周期性構造ST(特に図7Bに描かれている)が直接プレートに施されているのが好ましい。
【0078】
励起光線は、振幅変調の位相コーディング、および周波数コーディングに続き、メイン・カラースプリッタ(MDB)、Yスキャナ、走査光学系(SO)、鏡胴レンズ(TL)および対物レンズ(O)を経由して試料(PR)に達する。Yスキャナは走査線を発してy座標における位相画像を記録する。使用色素に依存して、それに対応する波長で蛍光励起が行なわれる。励起波長に依存する走査線の変調周波数、および変調位相がこのようにして蛍光信号へと伝送される。
【0079】
デスキャン検出の場合、蛍光は対物レンズに集束され、鏡胴レンズ、走査光学系およびYスキャナを経てメイン・カラースプリッタ(MDB)に到達する。これが蛍光を励起光線から分離する。それに続き蛍光は、スリット絞りを通ってライン検出器(DE)上に結像する。励起光線遮断のために、ライン検出器の前にブロックフィルタを追加接続することもできる。特に多光子励起の場合はスリット絞りを省くことができる。
【0080】
様々な波長によって生成された個別信号成分の分離および光学切断面の算定は、上記アルゴリズムを基に例えば同一変調周波数におけるコーディング位相の使用下で行なう。その場合個別波長のコーディング位相は平面鏡などの検査対象物により予め決めておく。そうすることで、様々な色素で着色された領域が区別できるようになる。
【0081】
別な装置の場合では分散素子(DG)、例えば透過格子が使用され、顕微鏡装置のひとみ平面に配置される。その光学図式は図11にXZ平面で描かれている。透過格子は個別走査線をその波長に相応して図平面内でシフトさせる(一波長のみ描画)。それにより、個別走査線にはその波長に応じて、様々な変調構造STの位相位置(コーディング位相)が印加される。
【0082】
画像位相のシフトは、位置設定ユニット(PE)および同一ステップ幅を持つ各波長毎の変調構造Sによって行なわれる。それにより、例えば3つの位相画像の記録では各励起波長に対する画像位相シフトは120°となることを保証する。
【0083】
以下では、周波数コーディング形成用および光学分解調整用の有利な装置について詳しく取り上げる。
各励起波長に対する変調周波数を変更することによって、個別波長に対するピンホールの有効寸法、即ち個々の波長別に光学切断幅を適合化することができる。
【0084】
図7Cは、装置1および2(例えば図9)において顕微鏡装置の中間画像平面に構造STの代わりに有利に組み込むことのできる変調周波数の波長別調整装置を図示したものである。その場合では、多色光源を分散素子(DG1)により該素子分光成分に空間分離させる。続いて、当分光成分は第1レンズ(レンズ1、焦点距離f)により軸平行にさせられる。即ち、DG1は当レンズの焦点位置にある。レンズの画像側焦平面には、振幅変調を行なうための構造体(ST)が設置されている。図7Dには、y方向において周波数に直線的に依存する構造形態例が図示されている。
【0085】
図7Cに基づいて行なうレンズL1、L2、L3への分離により、当周期性構造においてy方向でのラインの位置が異なることから変調周波数に差異が発生する。
従って、波長に対して直線的依存性の関係にある多色光源の空間分離を、例えば透過格子によって行なえば、適当な格子構造である限りは個別分光成分の変調周波数も波長に依存して変化する。それにより、例えば光学上同一の切断厚さを異なった波長で実現することが可能になる。
【0086】
次に、個別分光成分を第2レンズ(レンズ2、焦点距離f、但しレンズ1の焦点距離と同じである必要はない)および別な分散素子(DG2、例えば透過格子、但しDG1と同じである必要はない)により再度空間的に重ね合わせる。レンズ1および2の焦点距離を適合させることによって、光線の拡大を制御し、それにより顕微鏡対物レンズの照明を最適化することができる。
【0087】
以上のような構造により、本発明から下記のような全体として有利な派生的方法が生まれる:
a)構造STのx方向でのシフトにより、個別ライン毎に(予備検度測定に基づき)定義付けされた様々な位相変化が発生する。その場合異なった位相位置においてそれぞれのラインにより試料を完全に走査し、波長別に切断画像を算定する。
切断の厚さは、y方向でのシフトに伴う周波数の特定変位により変更することができる。
b)y方向での(少なくとも1回の)シフトにより変調周波数が特定量変化するので、個別波長に対し異なった変調周波数で複数回走査することにより切断画像の算定をすることができる。
【0088】
さらに、構造体の持つ様々な変調周波数を通じて、共通走査線での全波長結像の際に異なった波長の別に周波数コーディング、および位相コーディングを作成することができる(装置4参照)。
y方向での変調周波数の連続的変化を伴う図7Dに示された構造に代わって、異なった変調周波数を持つ複数の部分構造から構成されている構造(図16参照)を使用することができる。
【0089】
しかしこの場合には、その構造が固定した励起波長だけを対象に調整されているという欠点がある。また最も簡単な例では、それぞれ異なった変調周波数を持つ各種格子STを装置1および2に向けて配置することも可能である。
【0090】
図には示されていない、また別な配置構成として、光線が構造化された後に、波長に依存して構造を拡大させ、同時に波長に依存して変調周波数を変化させる、即ち周波数コーディングを行なう素子を通過するというのもある。
【0091】
ある装置では、走査線がダイクロイック・ビームスプリッタにより個別波長成分に分離されて、次に部分光路において拡大設定用ズーム光学系の付属する望遠鏡によりそれぞれ波長に依存して拡大設定が行なわれる。その後、別な2色器により個別走査線が再度重ね合わされる。
そのほか、また別な装置として、波長に依存して走査線を拡大させる特殊回折素子を使用することもできる。
【0092】
走査線は、出力部では使用波長に依存して特殊な振幅変調コーディング周波数を有している。画像位相のシフトは、位置設定ユニット(PE)および同一ステップ幅を持つ各波長用の可動構成体STにより行なわれる。それにより、例えば3つの位相画像の記録では各励起波長に対する画像位相シフトは120°となることを保証する。
【0093】
位相画像を記録する代わりに、光学切断面を、励起線当りの変調周波数が互に異なる2画像から算定することもできる。全波長または一波長に対する変調周波数の変更は、図7Dに基づき透過格子のy方向における異なった位置で2画像を記録するという方法によるのが好ましい。
【0094】
上記の装置によれば、例えば顕微鏡の軸方向光学分解能が様々な波長に対して同等であることが保証される。それにより、単一ラインスキャナによりいわゆる共同位置測定が可能になる。加えて、例えば極めて弱い蛍光信号の場合では、構造をY方向においてシフト(図7D参照、ここでは下方照準シフト)することによりピンホール有効域を拡大することができる。それによって確かに光学分解能は低下するが、しかし信号対雑音比は改善させることができる。
【0095】
そのほか、図示してないが上述したズーム光学系は結像光学系の縦方向色収差を補正したり、延いては同一対象物平面において確実な光学的切断を行なうのに利用できる。そのため、個別ズーム光学系のレンズはそれぞれ1つずつ、使用する顕微鏡対物レンズに応じて軽く調整解除の状態にしておく。そうすれば、光線が個別波長毎に発散または収斂しながらズーム光学系出力部で対物レンズのひとみに行き当たった際に、焦点を励起波長に応じて軸方向にシフトさせることが、即ちすべての励起波長に対応させることができる。
【0096】
さらに装置1および2については、別な分散素子(PR)を蛍光信号の追加的スペクトル分割のために照明光線に垂直に設置することができる(マルチスペクトル・ラインスキャナ)。図12はXZ平面におけるマルチスペクトル・ラインスキャナのCCD画面に見られる検出パターンを示したものである。検出器(DE)のx方向にはそれぞれの波長毎に、構造を持つ放出信号が結像している。
【0097】
ここでもPEによる位相位置シフトに代えて、Xスキャナによって画像位相の調整を行うこともできる。
走査線のスキャニング毎に、様々な検出波長について図に描かれているような画像記録を行なう。選択検出器素子に対するプログラミング可能な制御(走査線)および検出器マトリクス空隙への検出器素子の組み合わせにより、蛍光放出のスペクトル領域をフレキシブルに選択することが可能になる。その目的には、その波長に応じて様々な蛍光信号が結像する検出器の複数走査線を電子的に繋ぐという方法が取れる。
【0098】
蛍光放出線のマルチスペクトル検出の場合もやはり、構造照明と組み合わせることができる。その際、線状励起光は例えば透過格子(ST)により構造化される。その後、図12の結像に対応したそれぞれの波長分布の検出下で走査線の完全なスキャニング、および格子構造を持つ画像位相の変更下でさらに別なスキャンニングを行なう。波長依存性シフトを求めるために、例えば使用の平板PLを然るべき角度だけ傾倒させたので、位相位置の変更は傾倒角一定とすればPEによるシフトによって行なうことができる。様々な励起画像位相を持つ構造化対象物の画像を逐次検出し、続いて算出することによって深度コントラストを最大限上げることもできる。
【0099】
図12はマルチスペクトル型ラインスキャナ(y平面で、つまり図平面に入り込んでスペクトル分割を行なう)と構造STを通じて構造化された照明の組み合わせを表わしている。その場合位相コーディングはやはり、光学軸に対して垂直にシフトされた傾倒状態の平行平面プレート(図には描かれていない)か、または分散素子(本文前記参照)で行なう。それによって画像位相が逐次変化することになる。異なったスペクトル成分がCCDアレーにより同時平行に検出される。
【0100】
ここではスペクトル分割のための入射スリットとして用いられているスリット絞り(SB)は、ラインスキャナでのデスキャン検出では省くことができる。それによりスペクトル分解能は確かに低下するが、しかし技術コストは相当軽減する。通常ならシフト可能な個別スリット絞りを使用しなければならないからである。
【0101】
図13は、ライン検出器を持つ信号検出用電子機器の構造を図式化したものである。検出器K1〜Nの信号はそれぞれ電流/電圧変換器(A)により増幅され、続いて画素滞留の間に集積される(I)。当信号はアナログ/デジタル変換器(ADC)へのレベル適合化のためにさらに増幅された後、ADCにおいてデジタル信号に変換され、コンピュータ(PC)に伝送される。CCDマトリクスによる検出に関しては文献により公知になっている。
【0102】
装置3:位相画像の準同時記録を伴う構造照明
縞柄画像の検出は、1ラインでなく平行な複数ライン(例えばL1、L2、L3)を結像させることによって準同時に行なうこともできる。その時の強度構造(画像位相)は、例えば図4のように3ライン使用した場合それぞれ120°づつシフトすることになる(図14)。このように、1回の試料走査で既にデータ評価のための情報がすべて生成される。
【0103】
図15はYZ平面の光学構造を図式化したものである。焦点はそれぞれラインフォーカスのy軸に沿って描かれている。励起光はビームスプリッタ装置(T)で分割することができる。図16A、Bにはビームスプリッタ装置(T)の2構造形態が、円筒レンズの前に設置された配置で描かれている。円筒レンズと共同作業する第1の装置では、平行に配置された2つのミラーにより複数の不連続ラインフォーカスが生成される。その場合第1ミラーは完全ミラーで、第2ミラーは部分透過ミラーとする。部分透過ミラーの透過率は各部分光線(i)に同調していて、100%/(n−i)から求められる。但し、nは個別フォーカスの総数である。
【0104】
続いて、成分(i)は図16Aに図解されている特殊格子構造(ST)へ別々に到達する。当構造では部分格子は然るべき位相シフトのもとで変調されている。部分格子の合成から成る構造の代わりに、図16Aに描かれている図7Bに基づく透過格子をゆがめた形で使用することもできる。それにより、それぞれ同一変調周波数のもとで個々の走査線に対して構造位相シフトの調整が照準通り行なえる。
【0105】
装置の検度、即ち変調周波数および走査線位相位置の測定は上記の方法に従って行なう。構造体は顕微鏡装置の中間画像平面に設置される。スプリッタは、例えば顕微鏡装置のひとみ平面で使用することもできる。その場合両ミラーは互に傾倒させるので、それにより同様に複数のラインフォーカスが生成される。
【0106】
図16の第2装置(図16B)は、2重ラインフォーカス生成のための特殊装置形態である。当形態の場合も平行に配置された2つのミラー(SP1およびSP2)が使用される。そのうちの1つ(SP1)はそれ自体構造STを有している。当構造は低透過性の部分では反射する。当構造は顕微鏡装置の中間画像の位置に配置される。
【0107】
スプリッタの出力部には、その振幅変調が全く逆位相になっている2ラインが生成される。ライン1はライン2に対して丁度180°シフトした振幅変調を有している。構造体はガラスプレート1に設置されている。複数波長使用の場合、平面平行なガラスプレートによるy方向での波長依存性平行シフトは、90°の角度で配置された同じ厚さの第2ガラスプレートで補正される。加えて、上記位相コーディング実行のために、スプリッタ・ユニット(T)全体についてy軸の周りを少し傾倒させることができる。両装置の場合構造(ST)のシフトは省くことができる。
【0108】
Yスキャナの走査作動は、試料の各検査点がそれぞれ構造の異なった位相位置にあるラインにより1回ずつ照射されるように、本来の検査対象である画像フィールドを越えてなされる。この装置は迅速に変化する試料の検査には特に有利である。この場合では、試料内の動きや迅速な変化がもはや測定結果を損なうことはなく、ラインスキャナが持つ最大限の画像記録速度が逐次式データ記録によって減退することはないからである。
【0109】
この場合、同時平行に励起されたラインの検出はマトリクス検出器で行なわれる。例えば3ラインの場合、3つのライン検出器による。それに代わり、試料上に分離された全ラインを同時に検出するライン検出器を使用することもできる。各ラインの情報分離は、各種変調(位相および/または周波数に関して)を基礎とする上記アルゴリズムによって行うことができる。
【0110】
装置4:準同時のマルチスペクトル励起を伴う構造照明
第4の装置では、複数の不連続励起波長が様々な走査線に空間分離して(例えば3レーザ線の場合:x方向にL1、L2、L3)試料に結像する。その場合、分散素子(PR)(例えば透過格子、x方向の格子線)により波長の異なる平行な複数励起線が生成され(図17参照)、それがyガルボスキャナ(y)および後続の光学結像系により、対象走査フィールドの各点が各ラインに少なくとも1回走査されるように、試料上を動かされる。光学構造は図18にYZ平面として図示されている。それぞれラインフォーカスの中心が描かれている。
【0111】
蛍光信号の励起線からの分離もメイン・カラースプリッタ(MDB)で行なう。異なった励起線によって生成された蛍光信号は、x方向にスリット絞りの前置されたマトリクス検出器のz方向における別々な位置L1〜L3に到達する。その場合、照明光線に垂直な軸は当該蛍光波長に対応している。マトリクス検出器上、照明光線に沿う方向の軸は位置座標に対応している。
【0112】
さらに、装置1および2に対応した位相コーディング、周波数コーディングを行なうこともできる。例えば位相コーディングには、Y軸を中心に構造(ST)を傾倒させる。周波数コーディングは、例えば図7Dに示された特殊構造によって行なうことができる。位相コーディングまたは周波数コーディング適用の場合では、スペクトル成分も、すべての走査線を同時に捕獲する検出器マトリクスによって同時に検出することができる。
【0113】
最も簡単な例では、その場合、矩形画素を持つCCD走査線(または集合走査線)が使用される。その画素の長辺は、例えば走査線L1〜L3が検出走査線で一緒に検出されるように、z方向(図18参照)に向けておくのが好ましい。異なった走査ラインフォーカスで励起された信号を分離する際も、上記のアルゴリズムを基に行なう。当装置の場合、個々の走査線はもはや検出器アレー上で別々に検出する必要はなく、1次元検出器によって捕獲できるところに利点がある。
【0114】
加えて、追加の分散素子を配置して、蛍光信号を照明光線に垂直な方向へ追加的にスペクトル分割するのに用いることもできる。この目的にもまた、図12に示されたマルチスペクトル・ラインスキャナの検出方式が適用できる。検出器の一方向に1つの位置座標が結像する。選択された検出器素子(走査線)のプログラミング自由な制御、および検出器素子と検出器マトリクス空隙との組み合わせにより、蛍光放出スペクトル領域のフレキシブルな選択が可能になる。
【0115】
その目的には、波長に応じた様々な蛍光信号が結像する検出器の複数走査線を電子的に集結合させることができる。蛍光放出のマルチスペクトル検出も構造照明と組み合わせることができる。そのためには、線状励起を追加的に例えば透過格子によって構造化させる。様々な画像位相を持つ構造化対象物の画像を順次検出し、続いて算出することによって深度コントラストを最大限上げることもできる。
【0116】
図18はマルチスペクトル・ラインスキャナと構造照明との組合せを表わしている。画像位相は構造が変わるに従って順次変化する。異なったスペクトル成分が、例えばCCDアレーにより平行に検出される。共焦点スリット絞りとしては、現状技術による場合当装置では個々の走査線に対して共役位置に配置される自由可動型絞りを使用しなければならないが、走査線の構造化によってそれは省くことができる。それにより技術コストが相当軽減化する。
【0117】
装置5:試料への点状作用を伴う構造照明
第五装置では、試料に対し線状励起の代わりに点状励起が行なわれる。レーザ走査型顕微鏡の場合、現状技術では図2に従って操作されるが、図19に基づく場合では構造(ST)を、スキャナxおよびyよりも試料側にある中間画像平面の位置で使用する。xまたはy方向でのスキャニングによりその構造が試料に連続的に結像する。位相画像の記録は構造をPEによりシフトすることによって行なう。装置3および4に基づく準同時照明も追加実施できる。上記装置による位相コーディングおよび周波数コーディングが何ら制限なく転用できる。
【0118】
従来型点スキャナと比較して本装置の優位点は、試料の信号がデスキャンなしにCCDカメラで直接測定できるというところにある。この場合では共焦点絞りも省略できる。CCDカメラとしては、例えばゲート式カメラ(ピコスター、ラビジョン)も使用できる。それにより、例えば共焦点光学切断面の経時分解された蛍光記録を得ることができる。これは現状技術では、試料に対し非線形作用を適用することでしか可能でない。
しかし現状技術でも、点状デスキャン検出および部分デスキャン検出(文献:Stimsonおよび協働者「器械科学評論」第70巻、3351ページ、1999年刊)を行うこともできる。
【0119】
さらに、既述の検出バリエーションの適用下で位相コーディングまたは周波数コーディングを行なうことにより、様々な波長で励起された試料信号を同時に記録することができる。その場合では1検出器しか必要としない。
このように、本装置によりレーザ走査型顕微鏡の構造は、フレキシビリティの面で制限を受けることなく一段と簡易化できる。構造体の組み入れにより、従来のレーザ走査型顕微鏡と構造照明を持つレーザ走査型顕微鏡間で相互接続が可能になる。
【0120】
方法1〜5の組み合わせも同様に本発明に属するものである。さらに、上記方法と現状技術に基づくいわゆる平行走査法との組み合わせも制限なく可能である。これらの方法の場合、同強度を持つ複数の点または線をマトリクスとして試料に同時に結像させる(文献:Buistおよび協働者「顕微鏡ジャーナル」第192巻、217ページ、1998年刊、Nielsenおよび協働者「顕微鏡ジャーナル」第201巻、852ページ、2000年刊)。それによって画像記録率をさらに高めることができる。そのほか、試料をテーブルスキャナまたは現状技術に基づくスキャナ(例えばニポーディスク)で結像させることもできる。
【0121】
既述の有利な装置は、加えて巨視的試料の検査にも有効に使用できる。巨視的試料は、例えば作用物質をスクリーニングする際にチップ上で使用される。この場合走査フィールドの縁の長さは数10mmである。例えば試料を図2に基づく顕微鏡装置の中間画像に配置してガルボスキャナの走査角を拡大することにより、あるいは中間画像を拡大する特殊な対物レンズ装置(巨視的対物レンズ)によりこの走査フィールドの試料上への結像が達成される。
【0122】
Hellおよびその協働者の寄稿(「顕微鏡ジャーナル」第202巻、第3章、457〜463ページ、2001年6月刊)に、2光子または3光子励起で蛍光信号を1.5〜2.5ポイント高めるための装置のことが書かれている。その目的には、試料の平行励起を、多重法で空間照明される複数フォーカスの形態で行う。その場合干渉によって生成される照明パターンは、ある周期のもとに空間移動するが、この周期についての信号を時系列平均し記録する。
【0123】
本装置の目的は多光子励起における蛍光信号を高めることである。この方法は空間分解能には影響を及ぼさない。即ち、光学的分解能は上記説明の技術水準に基づく、個々の試料点における非線形相互作用により達成される。
この場合、本発明によれば被検査走査フィールドへの平均エネルギーの再分配のため、少なくとも2つの部分光線の干渉性重畳が利用される。平均エネルギーの再分配によって多光子励起における蛍光信号が高まる結果となる。
【0124】
加えて、部分光線の干渉性重畳が既述の走査線構造化を惹き起こし、光学分解能の上昇に寄与している。それにより、蛍光信号が同一レベルであるとすれば、試料点当りの平均出力を下げることができるので、検査試料にかかる負荷が小さくなる。
【0125】
さらに、現状技術との比較においてレーザの初期出力が同じとすれば、より多くの試料点が同時検査できることになる。あるいは試料点が同数であるとすれば、より低い初期出力のレーザが使用できることになる。
従って本発明に基づく方法は、試料への非線形相互作用を必要とする応用領域には特に適している。これによれば、励起強度を引き下げて、つまり少ない試料損傷で検査できるからである。
【0126】
ここに記述した方法の原理は、レーザ光線をビームスプリッタにより、あるいは同出力の少なくとも2つの部分光線へひとみ分割することによって分離するところにある。その場合部分光線の波面は典型例としては5°以下の角度を成している。続いてn本の分割光線が1つになって干渉性の重畳を起こす。それにより、設定角に依存して周期性縞パターンが生じる。
【0127】
x座標(励起)に沿った縞パターンの強度Iは一般には次のように表わされる:
【式21】
Figure 0004747243
は試料上のレーザ総強度であり、n本の部分光線に等分に分割されている。θi、Φiは任意に選択した部分光線についての部分光線間の角度および位相関係である。
【0128】
光学軸に対して垂直な構造位相シフト(位相関係Φiの変化)により、構造の様々な投影画面を得ることができる。
構造化された照明の変調周波数は角度θiによって決められる。
図20AはX/Y平面にある平らな2つの波面、即ち装置の光学軸に対しθの角度を成し、互に干渉し合う波長λの部分光線T1、T2を示している。
【0129】
Y方向でのフォーカシング、例えば円筒レンズZLを通して行なう試料平面へのフォーカシングによって、試料上Xに沿った、回折制限のある、周期性で線状の強度分布が現われる。試料上でのXに沿った線状強度分布は、そのほか、現状技術(文献:「回折光学系による製品設計の改良」フォトニクス・スペクトラ、LaurinPublishing社1995年9月刊)に基づく回折素子またはホログラフィック素子によって行なうことができる。
【0130】
さらには、US4,826,299に記載されているような、いわゆるパウエルレンズも使用できる。当素子は円筒レンズに比較してレンズに沿った方向に、より均等な強度分布をもたらす。パウエルレンズおよび回折素子、ホログラフック素子は、この目的には例えば顕微鏡装置のひとみ平面に、特に光源とスキャナの間に配置するのが好ましい。
【0131】
それぞれ平坦な波面を持つ同強度(総強度I)の2つの部分光線が干渉下で全般的に重なり合った場合、光学軸に垂直な方向に下記の強度変調が発生する:
【式22】
Figure 0004747243
但し、k=2π/λ (1)
θは両部分光線の両波面間の角度である。λおよびφはそれぞれ部分光線の波長、変調周波数pの位相位置である。
【0132】
角度θの変更によって、変調周期を照準通り調整でき、光学切断面の厚さを変更することもできる(ずっと上の前出箇所参照)。
さらに、使用波長に依存して変調周波数が変化し、既述の周波数コーディングを行なうことができる。変調周波数の位相は両部分光線間の位相関係φによって決められる。上記に基づきφを変更することによって、画像位相の調整および位相コーディングを行なうことができる。
【0133】
試料との線形相互作用(1光子相互作用)の結果としての強度変調を描いたのが図20B(1)である。グラフではそれぞれ走査線(x座標)に沿った強度が記されている。但し、その場合他条件は考慮されずI=1と仮定されている。変調は周期pの余弦曲線状であり、対称軸1を中心に0〜2の往復運動を行なう。
【0134】
以下では、試料との非線形相互作用(多光子励起、高調波の生成)における信号得量の増加について2つの部分光線の干渉性重畳を手掛かりにより詳しく説明する。
試料との非線形相互作用が起これば、検出器により相互作用から生じる次の信号Sが測定される:
【式23】
Figure 0004747243
但し、Nは非線性の序列数である。この等式から得られる走査線に沿った信号Sは、図20B(2)では試料との平方相互作用N=2(例えば2光子励起)について描かれている。但し、そこでは他条件は考慮されずI=1と仮定されている。
【0135】
そのほか、変調について言えば、周期pを持ち周期性であるが、この場合、非対称で0〜4を往復運動している。それはCOS(x)が1に対して非対称だからである。この非対称の程度はNが大きくなると強まる。
【0136】
強度変調の周期毎に発生する信号Sはx方向における信号S(x)の積分によって得られる:
【式24】
Figure 0004747243
【0137】
それに対して、x方向で走査線に沿って均一分布する光強度の場合では試料との相互作用は次式で表わされる:
【式25】
Figure 0004747243
【0138】
図21は構造化走査線使用時における試料との相互作用を、均質走査線との比較で再度一般的に表わしたものである。但し、両ラインの強度は同じとする。図では比S/Fが非線性序列数Nの関数で描かれている。それより分かるように、N>1の場合、即ち試料との非線形相互作用の場合この比は1より大きくなる。
【0139】
これが意味するところは、平均励起強度Iを一定とすると、変調ラインの使用によって対試料相互作用の効果は均質走査線の時より高まるということである。その効果は、例えば2光子相互作用の場合では1.5ポイント大きくなる。
【0140】
図22は2つの部分光線を生成するための各種構成を図示したものである。それぞれ対象物光路が示されている。ここでは部分光線の生成法が、顕微鏡ひとみの分割による場合(部分画像AおよびB)とビームスプリッタ使用の場合(部分画像C)とに区別される。
2つの部分光線への分割は顕微鏡の1ひとみ平面である顕微鏡装置のxz平面、即ち走査線の生成される平面で行なわれる。
【0141】
ひとみの分割は、特に広いスペクトル領域に亘って複数波長を使用する場合には得策である。両部分光線へのエネルギー分布は波長に依存しているからである。但し、光源の光線特性が均質でない場合には不都合が起こる。そのような場合走査線に沿った変調深度が装置AおよびBでは不均一になることがある。装置Cではそれは避けられる。しかし当装置の場合ビームスプリッタのスペクトル特性への要求が高まる。一般には、例えば回折素子の使用により、および部分画像A、BまたはC用別装置の組み合わせによって光線特性の適合化が可能である。
【0142】
部分画像Aには、視準化光線束を生成する光源LQがフレネル・バイプリズムFBPを通じて送り込まれる。円筒レンズZLはFBPの後にあって、図平面および光学軸に垂直な平面で作用する。ZLは図22Dに描かれているように、FBPの前であっても制限なく設置できる。バイプリズムによって、視準化された光源光線が典型的には5°以下の角度θを持つ同エネルギーの2つの部分光線に分割される。
【0143】
両部分光線は顕微鏡装置の中間画像ZBで交差する。xy平面には、円筒光学系ZLによって形成されたx方向沿いのラインが中間画像に存在する。図では例えば、光源LQの光を中間画像ZBにフォーカシングする円筒光学系ZLが描かれている。例えばZLは、中間画像から丁度焦点距離分離れた位置に設置される。
【0144】
部分光線は顕微鏡装置の後続光学系(図9、10、11、12および23参照)に誘導され、スキャナXおよびY、走査光学系SO、鏡胴レンズTLおよび対物レンズOを経由して試料に到達する。試料では両部分光線が干渉重畳し、x軸に沿った周期的構造化特性を持つ走査線を形成する。走査線の周期はFBP(図22A参照)の傾斜角度θおよびLQの波長に依存する。図22Aでは旋回点DPを中心とするFBPの回転によって画像位相、即ちφを照準通り調整することができる。
【0145】
顕微鏡装置、位相画像生成法および断面画像算定の詳細については既に説明した通りである。A法の利点は、FBPおよびZLを顕微鏡光路へ組み込むことによって、点走査型レーザスキャニング顕微鏡をリアルタイム同時平行走査顕微鏡へと非常に有利な形に構成し直せることである。また、変調周波数はFBPのプリズム作用を通して入射した光の波長に強く依存している。このことは特に周波数コーディング(ずっと上の前出箇所参照)にとっては有利である。
【0146】
しかしFBPのプリズム作用は、100fs以下のパルス長を持つ短パルスレーザの使用にとっては問題である。それは、レーザパルスの個々のスペクトル成分が試料の様々な部分で結像し、その結果パルスの分散、延いてはパルス出力の低下に繋がりかねないからである。
【0147】
そこで、別な有利な装置として示したのが図22B型のものである。この場合分割は、例えは縁カバー付きミラーDKSのような反射性素子で行なわれる。DKSは光源モジュール(図9、10、11、12および23参照)内で、同エネルギーの部分光線がxz平面内ZBにおいて角度θで交差するように配置される。ZLはyz平面上にもLQをフォーカシングするので、ZBにラインが形成される。
【0148】
両ミラーM1およびM2間の角度を、例えば圧電調整器で、あるいはM2またはM1を押し付けるスピンドルで変えることにより、両部分光線、延いては変調周波数間の角度θを照準通り調整することができる。加えて、DKSを図示された旋回軸DP中心に回転させることにより画像位相φの調整を行うこともできる。光学切断面の記録および算定は既述の方法に準じて行なう。
【0149】
部分画像C用の装置では、ビームスプリッタBSとしての部分透過平板鏡により同エネルギーの2つの部分光線が生成される。これについては、例えばDE19904592A1にも記述があるが、しかしここでの場合、線状強度分布構成のための素子、例えば走査線生成用円筒レンズZLとの共同作用で行なえるのが有利である。
【0150】
続いて、部分光線は2つのミラーM1およびM2によりZB方向に向けられ、xz平面上丁度ZBで交差する。また、ZLは光線をyz平面にフォーカシングするので、ZBにはxに沿ったラインが発生する。角度θはBSの回転によって調整することができる。画像位相φの調整はM1またはM2の単独シフトにより、あるいは距離一定のままでM1およびM2の共同シフトにより行なうことができる。光学切断面の記録および算定は上記と同様に行なう。
【0151】
顕微鏡装置全体については、特に、既述の部分光線干渉用装置を含めたレーザ走査型顕微鏡装置の全体については、対応の光源モジュールを含む既述の装置(例えば図9、19、23)が参考になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】色素分子の励起、A)1光子吸収、B)2光子吸収
【図2】現状技術のレーザ走査型顕微鏡
【図3】現状技術の構造照明
【図4】測定経過の図式
【図5】走査フィールドの様様な色素
【図6】従来の光学切断面の形成
【図7】A)位相コーディングの実行装置、B)その位相コーディング、C)変調周波数の波長別調整装置、D)周波数に直線的に依存する構造形態例
【図8】走査フィールド内のラインフォーカスの図式化
【図9】顕微鏡装置のひとみ光路(破線)と対象物光路(実線)
【図10】A)XZ平面において可能な図式構造、B)XZ平面に一スキャナ(Y)だけを持つ簡略型装置
【図11】透過格子が顕微鏡装置のひとみ平面に配置される光学図式
【図12】別の分散素子(PR)をスペクトル分割のために照明光線に垂直に設置したマルチスペクトル・ラインスキャナおよび検出パターン
【図13】ライン検出器を持つ信号検出用電子機器の構造
【図14】3ラインを使用した縞柄画像の検出装置
【図15】図14のYZ平面の光学構造
【図16】ビームスプリッタ装置(T)の2構造形態
【図17】平行な複数励起線の生成
【図18】マルチスペクトル・ラインスキャナと構造照明との組合せ
【図19】構造(ST)を、スキャナxおよびyよりも試料側にある中間画像平面の位置で使用する例
【図20】試料との線形相互作用(1光子相互作用)の結果としての強度変調
【図21】構造化走査線使用時における試料との相互作用を、均質走査線との比較で表わしたグラフ
【図22】2つの部分光線を生成するための各種構成
【符号の説明】
LSM レーザ走査型顕微鏡
L 光源
S 走査モジュール
DE 検出ユニット
M 顕微鏡
ZB 中間画像平面
PO 結像光学系
TL 鏡胴レンズ
PMT 点像検出器
O 対物レンズ
PR 試料
MDB ダイクロイック・ビームスプリッタ
ZL 円筒レンズ
PH ピンホール光学系
PMT 点像検出器

Claims (48)

  1. 複数の波長の照明光を生成し、波長毎に異なるコーディングをし、照明光を各波長の2つ以上の異なる振幅に変調しn個(nは2以上の自然数)の異なる励起波長を有する照明光を試料に向けて同時に照射し、試料を走査し、試料から放出された光を検出して、n+1個の光学画像を切取り、その光学切断面画像を算定する、ことを特徴とする試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  2. 光分布の結像が試料上になされる、ことを特徴とする請求項1に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  3. 光学切断面画像が画像形態で描かれる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  4. 照明光は、スリットを通されて少なくとも1つ以上の線状光分布となっている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  5. 走査が、走査動作により点状に行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  6. 走査が線状および点状に行われ、双方の走査結果より合成画像が作製される、ことを特徴とする請求項4または5に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  7. 線状または点状の走査に等距離ラスタが使用される、ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  8. 少なくとも照明光の方向(z)に垂直な方向(x)の周期性構造の少なくともn+1の異なる位相位置でのn波長が算出される、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  9. コーディング値の設定のため、各波長毎に位相および/または周波数が様々に調整される、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  10. 照明光について波長毎に異なる位相コーディングおよび/または周波数コーディングが行なわれ、それぞれ波長毎にコーディングによって光学切断面画像が算定され、コーディング値として使用される、ことを特徴とする請求項9に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  11. 走査過程が複数波長を持つ1ラインによって行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  12. 走査過程が複数ラインによって同時に行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  13. 波長の周期が周期性方向(X)に垂直な少なくとも1つの空間方向(Y)で変化する周期性構造が使用される、ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  14. 変調周波数の変更によって光学切断の厚さが変えられる、ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  15. 試料上の光の分布が線状または点状である、ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  16. 個別画像が逐次記録される、ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  17. 個別画像が同時に記録される、ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  18. 複数波長の場合に、それぞれ変調周波数の変更によって切断の厚さが同一に設定される、ことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  19. 検出が点像検出器および/またはライン検出器および/またはマトリクス検出器によって行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  20. 波長別の位相コーディングが、波長別平行シフトの実行装置により周期性構造に沿って行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  21. 波長別位相コーディングが、中間画像位置で傾倒プレートによって行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  22. 波長別位相コーディングが、分散素子によって行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  23. 前記周期性構造が光学軸の周りを回転できる、ことを特徴とする請求項13または20に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  24. 前記周期性構造は、その周期が周期性方向(X)に垂直な少なくとも1つの空間方向(Y)で変化する、ことを特徴とする請求項13または20に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  25. 前記周期性構造は、様々な周期性を持つ複数部分から合成されている、ことを特徴とする請求項13または20に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  26. 周期性構造が光学軸に垂直に変更される、ことを特徴とする請求項13、20、23、24、25のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  27. 個別画像の逐次記録が、スキャナの位置移動による画像位相の変更下で行われる、ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  28. 個別画像の逐次記録が、平面平行プレートの傾倒による画像位相の変更下で行われる、ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  29. 個別画像の逐次記録が、それぞれ変調周波数の変更下で行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  30. 個別画像の逐次記録が、それぞれ結像倍率の波長別変更による変調周波数の変更下で行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  31. 個別画像の逐次記録が、それぞれ異なった周期性を持つ様々な構造体の転向による変調周波数の変更下で行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  32. 個別画像の逐次記録が、それぞれその周期が周期性方向(X)にほぼ垂直な少なくとも1つの空間方向(Y)で変化する周期性構造体をその周期性に対して直角にシフトすることによる変調周波数の変更下で行なわれる、ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  33. 複数の光分布が試料上に形成され、個別画像が同時平行的に記録される、ことを特徴とする請求項1〜32のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  34. 特に、少なくとも1つの完全ミラーと1つの部分透過ミラーとから成るビームスプリッタによる照明光の複数部分光線への分離によって、または少なくとも1つのミラーとビームスプリッタとして機能する1つの反射性周期性構造体とによる照明光の複数部分光線への分離によって、1波長において試料上に複数の光分布が形成される、ことを特徴とする請求項33に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  35. 特に、1つの分散素子による照明光の複数部分光線への分離によって、または少なくとも1つの完全ミラーと1つの部分透過ミラーとから成るビームスプリッタによる照明光の複数部分光線への分離によって、または少なくとも1つのミラーとビームスプリッタとして機能する1つの反射性周期性構造体とによる照明光の複数部分光線への分離によって、複数波長において試料上に複数の光分布が形成される、ことを特徴とする請求項33に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための方法。
  36. 複数の波長の照明光を生成する試料照明手段と、
    各波長の照明光を少なくとも2つ以上の異なる振幅に変調する手段と、
    n個(nは2以上の自然数)の異なる励起波長を有する照明光を試料に向けて同時に照射させる手段と、
    各照明光を試料上で走査させる手段と
    試料から放出された光を検出器へ結像させるための手段と、
    試料から放出された光を検出して、n+1個の光学画像を切取り、その光学切断面画像を算定する手段と、を有することを特徴とする試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  37. 光学切断面画像を画像形態で表示する手段が備わっている、ことを特徴とする請求項36に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  38. 照明光は、スリットを通されて少なくとも1つの線状光分布となっている、ことを特徴とする請求項36または37に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  39. 走査が走査動作により点状に行なわれる、ことを特徴とする請求項36〜38のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  40. 走査が線状および点状に行われ、双方の走査結果より合成画像が作製される、ことを特徴とする請求項36〜38のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  41. 線状または点状の走査に等距離ラスタが使用される、ことを特徴とする請求項39または40に記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  42. 走査過程が複数波長を持つ1ラインによって行なわれる、ことを特徴とする請求項36〜41のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  43. 走査過程を複数ラインによって同時に行なう、ことを特徴とする請求項36〜41のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  44. その周期が周期性方向(X)に垂直な少なくとも1つの空間方向(Y)で変化する周期性構造体が設置されている、ことを特徴とする請求項36〜43のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  45. 試料上の光の分布が線状または点状である、ことを特徴とする請求項36〜44のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  46. 個別画像の逐次記録を行なう、ことを特徴とする請求項36〜45のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  47. 個別画像を同時に記録する、ことを特徴とする請求項36〜45のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
  48. 検出を点像検出器および/またはライン検出器および/またはマトリクス検出器によって行なう、ことを特徴とする請求項36〜47のいずれか1つに記載の試料の光学的深部分解による光学的把握のための装置。
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