JP4747238B2 - 生物応答修飾タンパク質の効力を改善する方法及び典型的な突然変異タンパク質 - Google Patents

生物応答修飾タンパク質の効力を改善する方法及び典型的な突然変異タンパク質 Download PDF

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Description

本発明は、生物応答修飾機能を有する結合ドメイン内のフェニルアラニン残基を、受容体、リガンドまたは基質に結合することによってバリンに置換するタンパク質変異体に関するものである。より具体的には、本発明は、ヒトサイトカインタンパク質の対応する受容体に対する結合に関与するα-へリックス領域内フェニルアラニン残基をバリンに置換するタンパク質変異体に関するものである。
多くのヒト疾患は、タンパク質の欠損または量不足に起因するタンパク質機能の低下によって引き起こされる。かかる疾患を治療するため、関連タンパク質が患者に直接投与されている。しかし、医薬として使用される多くの生理活性タンパク質は、標的組織に達してその中で作用する前に血清中で容易に分解されてしまう。 このため、治療価値を有するほとんどの生理活性タンパク質は、満足な治療効果を提供する能力のある適切な濃度を維持するために、過剰ないしは頻繁に患者に投与される。
上記問題を解決する方法には、ポリエチレングリコールと共役させる(ペグ化)か、または生理活性タンパク質をマイクロカプセル化する方法があるが、これらのアプローチは、主に微生物内で生成される標的タンパク質を精製し、次いでペグ化またはマイクロカプセル化しなくてはならないため、面倒である。しかも、架橋結合が望ましくない位置で起こる可能性があり、最終産物の均一性にネガティブに作用する場合もある。
別のアプローチでは、グリコシル化を要する。真核細胞が生成する細胞表面タンパク質及び分泌タンパク質はグリコシル化過程によって修飾される。グリコシル化は、タンパク質の生体内安定性と機能、ならびにそれらの生理学的性質に影響をおよぼすことが分かっている。しかし、グリコシル化タンパク質は、グリコシル化を行う能力のある真核細胞によってのみ生成できるので、その生成過程は複雑であり、すべての所望位置でグリコシル化された均一な最終産物を得ることは困難である。
しかも、本従来技術のすべてのアプローチは、投与頻度に関連する問題を改善するが、タンパク質の生理学的効力を増加せず、結果として過剰用量を招く。たとえば、Amgen社(米国特許第6,586,398号を参照)によって開発されたNESPは、血液中タンパク質の半減期を延長させることによって頻繁な投与を改善するが、タンパク質の効力を増加せず、結果として過剰用量を招き、遮断抗体の産生を誘導する可能性がある。
生理活性タンパク質の効力を改善するために使用されるアプローチは、野生型タンパク質のアミノ酸残基の一部を変異誘発してタンパク質の生物活性を改善する。関連タンパク質変異体は、以下の特許刊行物において開示されている:(1)米国特許第5,457,089号:カルボキシル領域が変化してEPOのその受容体に対する結合親和性が高められていることを特徴とするヒトエリスロポエチン(EPO)変異体。(2)国際特許公開番号02/077034:T細胞エピトープが変化してヒトにおけるヒトG-CSF免疫原性が低下されていることを特徴とするヒト顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)変異体。(3)国際特許公開番号99/57147:ヒト成熟ヒトトロンボポエチン(TPO)アミノ酸残基位置7〜151位に対応するアミノ酸配列を有するTPOタンパク質において、グルタミニン酸を115の位置で、リシン、アルギニンまたはチロシンと置換することによって調製されたヒトトロンボポエチン(TPO)変異体。(4)米国特許第6,136,563号及び第6,022,711号:第18、22、25、26、29、65、168及び174位にてアラニン置換体を有するヒト成長ホルモン変異体。
しかし、前記タンパク質変異体は、生体内抗原性の変化に拘わらず、治療効力のみを改善するために作られた変形態である。したがって、これらの改変の量、程度及び位置は、ヒトにおいて免疫反応を誘導する可能性が高い。ヒトにおける抗原性は、重大な有害事象を引き起こす恐れがある(Casadevall らの N. Eng. J. Med. 2002、vol.346、p.469)。
よって、投与直後に生物応答修飾作用を最大限に引き出す能力と、従来の生物応答修飾タンパク質の効力改善を介して遮断抗体の形成を防止する能力があることを特徴とする、改良された薬理作用を有する生物応答修飾タンパク質変異体を提供すること、及びかかる変異体の調製方法を提供することが本発明の目的である。
一実施態様において本発明は、生物応答修飾機能を有するタンパク質結合ドメイン内のフェニルアラニン残基を、受容体、リガンドまたは基質に結合することによってバリンに置換するタンパク質変異体を提供する。
別の態様において本発明は、生物応答修飾機能を有するタンパク質結合ドメイン内のフェニルアラニン残基を、受容体、リガンドまたは基質に結合することによってバリンに置換するタンパク質変異体をコードするDNAを提供する。
さらなる実施態様において本発明は、生物応答修飾機能を有するタンパク質結合ドメイン内のフェニルアラニン残基を、受容体、リガンドまたは基質に結合することによってバリンに置換するタンパク質変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターを提供する。
またもう一つの態様において本発明は、生物応答修飾機能を有するタンパク質結合ドメイン内のフェニルアラニン残基を、受容体、リガンドまたは基質に結合することによってバリンに置換するタンパク質変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を提供する。
さらに別の態様において本発明は、生物応答修飾機能を有するタンパク質結合ドメイン内のフェニルアラニン残基を、受容体、リガンドまたは基質に結合することによってバリンに置換するタンパク質変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を培養すること、及び該タンパク質変異体を結果として得られる培養物から単離することを含むタンパク質変異体の調製方法を提供する。
さらに別の態様において本発明は、生物応答修飾機能を有するタンパク質結合ドメイン内のフェニルアラニン残基を、受容体、リガンドまたは基質に結合することによってバリンに置換するタンパク質変異体と、医薬的に受容し得る担体jとを含む医薬組成物を提供する。
本発明の上記および他の目的、特徴および他の利点は、下記の添付図面と併せて以下の詳細説明からより明確に理解されるであろう。
本明細書中で使用したアミノ酸を意味する1大文字は、国際生化学連合(IUB)によって規定された標準略語に基づいて以下のアミノ酸を表す:
A:アラニン、B:アスバラギンまたはアスパラギン酸、
C:シスチン、D:アスパラギン酸、E:グルタミン酸、
F:フェニルアラニン、G:グリシン、H: ヒスチジン、
I:イソロイシン、K:リシン、L:ロイシン、
M:メチオニン、N:アスバラギン、P:プロリン、
Q:グルタミン、R:アルギニン、S:セリン、
T:トレオニン、V:バリン、W:トリプトファン、
Y:チロシン、及びZ:グルタミンまたはグルタミン酸。
本明細書中で使用した記号表示「(アミノ酸を表す1大文字)(アミノ酸の位置)(別のアミノ酸を表す1大文字)」は、前述のアミノ酸が特定タンパク質の指定アミノ酸位置で後述のアミノ酸によって置換されることを意味する。たとえば、F48Vは、フェニルアラニン残基が特定タンパク質のアミノ酸位置48位でバリンによって置換されることを示す。このアミノ酸の位置は、成熟野生型タンパク質のN末端から番号付けされる。
本明細書中で使用した用語「タンパク質変異体」は、受容体、リガンドまたは基質に結合すること、具体的には、ドメイン内で受容体、リガンドまたは基質への結合に関与することにより、生理的機能を有するタンパク質中のフェニルアラニン残基をバリンに置換することによって、野生型形態とは異なるアミノ酸配列を有するタンパク質を意味する。本発明では、タンパク質変異体を便宜上、「タンパク質名-[(アミノ酸を表す1大文字)(アミノ酸の位置)(別のアミノ酸を表す1大文字)]」と表す。たとえば、TPO-[F131V]は、野生型TPOの131位での該フェニルアラニン残基がバリンによって置換されるTPO変異体を示す。
本明細書中で使用した用語「生物応答修飾タンパク質」、多細胞体内で発生する種々生物応答の開始または停止を誘導すること、及び互いに有機的に結合されるように応答を調節することによって、体内の恒常性維持に関与するタンパク質を意味する。これらのタンパク質は、典型的には受容体、リガンドまたは基質に結合することによって作用する。
本発明に従って変性する能力のあるタンパク質には、受容体、リガンドまたは基質を結合することによって生物応答を調節するという生得的な機能を有するすべてのタンパク質が含まれる。
該タンパク質の非限定的な例としては、サイトカイン、サイトカイン受容体、接着分子、腫瘍壊死因子(TNF)受容体、酵素、受容体チロシンキナーゼ、ケモカイン受容体、他の細胞表面タンパク質、及び可溶リガンドが挙げられる。該サイトカインの非限定的な例としては、CNTF(神経細胞栄養因子)、GH(成長ホルモン)、IL-1、IL-IRa(インターロイキン-1受容体拮抗薬)、胎盤ラクトゲン(PL)、カルジオリピン(cardioliphin)、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-17、TNF、TGF(トランスフォーミング成長因子)、IFN(インターフェロン)、GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)、EPO(エリスロポエチン)、TPO(トロンボポエチン)、M-CSF(マクロファージコロニー刺激因子)、LIF(白血病抑制因子)、OSM(オンコスタチン-M)、SCF(幹細胞因子)、HGF(肝細胞成長因子)、FGF(線維芽細胞成長因子)、IGF(インスリン様成長因子)、及びLPT(レプチン)が挙げられる。該サイトカイン受容体の非限定的な例には、成長ホルモン受容体(GHR)、IL-13R、IL-1R、IL-2R、IL-3R、EL-4R、L-5R、IL-6R、L-7R、IL-9R、IL-15R、TNFR、TGFR、IFNR(例えば、IFN-γR α-連鎖、IFN-γR β-連鎖)、インターフェロン-αR、-βR及び-γR、GM-CSFR、G-CSFR、EPまたは、cMpl、gpl30、及びFas(Apo1)が挙げられる。該ケモカイン受容体の例には、CCR1及びCXCRMが含まれる。該受容体チロシンキナーゼの例には、TrkA、TrkB、TrkC、Hrk、REK7、Rse/Tyro-3、肝細胞成長因子R、血小板由来成長因子R、及びFlt-1が含まれる。他の細胞表面タンパク質の例には、CD2、CD4、CD5、CD6、CD22、CD27、CD28、CD30、CD31、CD40、CD44、CD100、CD137、CD150、LAG-3、B7、B61、β-ニューレキシン、CTLA-4、ICOS、ICAM-1、補体R-2(CD21)、lgER、リソソーム膜gp-1、α2-マイクログロブリン受容体関連タンパク質、及びナトリウムペプチド受容体が含まれる。
生物応答調節機能を有する前記多数タンパク質びための生物応答調節効力を改善するため、本発明は、野生型と比べて疎水力が強い受容体、リガンドまたは基質に結合する能力のあるタンパク質変異体を提供することを意図する。この目的を達成するため、本発明は、該タンパク質のそれぞれの結合ドメイン内のフェニルアラニン残基をバリンに置換することを特徴とする。
フェニルアラニンは、芳香族側鎖及び3.0の既知疎水性指数を有する比較的に無極性のアミノ酸である。バリンは、脂肪族の側鎖及び4.0の既知疎水性指数を有する無極性の疎水性アミノ酸である。しかも、バリンはフェニルアラニンよりも小さいので、フェニルアラニン残基をバリンに置換するタンパク質は、対応する受容体、リガンドまたは基質に結合するポケット内においてより深く陥没するようになる。したがって、結合ドメイン内のフェニルアラニン残基をバリンに置換するタンパク質の疎水力は増大して、より深く陥没した空間を有するようになるので、該タンパク質の受容体、リガンドまたは基質に対する結合親和性は高まり、結果として所望する生物応答調節効率の向上を得ることができる。
しかも、フェニルアラニン残基のバリン置換は保存的置換としてタンパク質の二次または三次構造に最小限の影響しか及ぼさず、かくしてタンパク質の機能にはほとんど影響しない(Argos、EMBO J. の1989、vol.8、pp.779-85)。さらに、フェニルアラニンは、主に高い疎水性を示す領域に存在しているため、外部に暴露されることはまれである。かかるフェニルアラニン残基がバリンによって置換されると、バリンの高い疎水性のために、タンパク質は表面からより深く陥没するようになる。したがって、この置換が抗体産生を誘導する可能性は低い。特定のタンパク質は、好ましくは主に対応する受容体、リガンドまたは基質に結合して特異的な生物応答を調節する。この結合がより強力な場合では、生物応答を調節する効力は改良され、関連タンパク質はすべて本発明に従って変性することができ、本発明には結果として得られるタンパク質変異体のすべてが含まれる。
フェニルアラニン残基のかかるバリン置換が結果として結合親和性の増大を招くという事実は、ヒトの自己免疫性疾患におけるNK細胞上に発現されるFcγRIIIa(CD16)の突然変異の発見によって支持される。ヒトの受容体タンパク質は遺伝子多型を持つ。つまり、個体は、抗体リガンドのFc認識に関与する領域の176位で2つのグループ:フェニルアラニンを有すると、バリンを有するグループとに分かれている。該受容体の176位でフェニルアラニンを有する個体は、該抗体リガンドのFc領域に対して弱まった結合親和性を持ち、全身性エリテマトーデス(SLE)に対して高度の感受性を示す(Jianming Wu らの J. Clin. Invest. 1997、vol.100、pp.1059-70)。
その反面、上述のとおりに、本発明は、生物応答調節タンパク質結合ドメイン内のフェニルアラニン残基のバリン置換を特徴とする。
本明細書中で使用した用語「結合ドメイン」は、受容体、リガンドまたは基質に結合することによって、その生物学的機能を実施するタンパク質の部分(つまり、ドメイン)を意味し、該タンパク質の他領域と比べて比較的に高い疎水性と低い抗原性を持つ。タンパク質結合ドメインは当技術分野で公知であり、たとえば、本発明の実施形態で使用する一部の4-aへリックスバンドル構造のサイトカイン及びインターフェロンはそれぞれ、対応する受容体のために結合ドメインとしての機能を果たすD-αへリックス構造及びA-αへリックス構造を持つことが知られている。
但し、本発明に従って変性される結合ドメインは、当技術分野で公知の結合ドメインに限定されるものではない。これは、生物応答調節タンパク質の受容体、リガンドまたは基質に対する結合が、直接結合に関与するアミノ酸残基に加えて、他のいくつかのアミノ酸残基の影響を受けるためである。本発明に従って変性される、生物応答調節タンパク質の「結合ドメイン」にはさらに、当技術分野で公知の結合ドメインの両端から約50のアミノ酸残基、好ましくは約25のアミノ酸残基、より望ましくは約10のアミノ酸残基が含まれる。
一態様本発明では、典型的にいくつかのへリックス構造を含有するサイトカインを要する。該へリックス構造の中で、N末端から最初のへリックスと最後のへリックスは、サイトカインの対応するサイトカイン受容体に対する結合に関与する結合ドメインとして知られている(第1図を参照)。サイトカインを対応する受容体に結合する役割をもつα-へリックスはサイトカインのタイプによって異なり、当技術分野で公知である。たとえば、IL-2では、第2へリックス及び第5へリックスはIL-2受容体の中でp55α受容体に結合し、第1へリックスはIL-2受容体の中でp75γ受容体に結合し、そして第6へリックスはガンマ受容体に結合する(Femando Bazan、Science J. 1992、vol.257、pp.410-2)。上記のように、個々のサイトカインは結合に関与する特定のへリックスを持つが、該へリックスは高度に保存されるアミノ酸配列を持つ。本発明は、サイトカインの結合ドメインに対応するα-へリックス内フェニルアラニン残基をバリン置換することによって、野生型サイトカインよりも高い親和性でサイトカイン受容体に結合する能力のあるサイトカイン変異体を提供する。
該サイトカインに関連する一態様では、サイトカインの4-へリックスバンドルファミリーを要する。かかるサイトカインには、CNTF、EPO、Flt3L、GM-CSF、IL-2、IL-3、L-4、IL-5、L-6、IL-12p35、LPT、LIF、M-CSF、OSM、PL、SCF、TPOG-CSF、GHR及びIFNが含まれる。 これらサイトカインのすべては4つのα-へリックスを有し、そのそれぞれはA-α-へリックス、B-α-へリックス、C-α-へリックス及びD-α-へリックスと称される。
該D-及びA-α-へリックスは主に受容体への結合に関与する(Fernando Bazar の Immunology today、1990、vol. 11pp. 350-4、The Cytokine Facts Book、1994、pp.104-247)。
前記4-へリックスバンドル構造のサイトカイン:CNTF、EPO、Flt3L、GM-CSF、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、L-12p35、LPT、LIF、M-CSF、OSM、PL、SCF、TPO、G-CSF及びGHRの中では、それぞれにD-α-へリックス、及びC-α-へリックスと該D-α-へリックスとを結合する領域が含まれる結合ドメインを持つ。より具体的にいうと、該4-へリックスバンドル構造のサイトカインのアミノ酸残基の中で、該結合ドメインは、位置110位と180位との間にアミノ酸残基を含む。よって、一態様で本発明は、4-へリックスバンドル構造のサイトカインの位置110位と180位との間のアミノ酸残基の中で、フェニルアラニンのバリン置換によって、野生型よりも高い親和性で対応する受容体に結合する能力のある4-へリックスバンドル構造のサイトカイン変異体を提供する。
前記4-へリックスバンドル構造のサイトカインのインターフェロン(例えば、IFN-α2A、IFN-α2B、IFN-β、IFN-γ、IFN-ω、IFN-τ)は、「A-α-へリックス」を含有する結合ドメインを持つ。より具体的には、インターフェロンの結合ドメインには、位置1位と50位との間にアミノ酸残基が含まれる。よって、本発明の別の態様では、インターフェロンの位置1位と50位との間のアミノ酸残基の中で、フェニルアラニンのバリン置換によって、野生型よりも高い親和性を有するインターフェロン受容体に結合する能力のあるインターフェロン変異体を提供する。
その反面、本発明に従って変性された結合ドメインには、2つの以上のフェニルアラニン残基を含むことができる。2つ以上のフェニルアラニン残基はすべてバリンによって置換され得るが、この場合、タンパク質の発現量の大幅な低下を招くため、好ましくは1つのみのフェニルアラニン残基をバリンによって置換する。この点で、本発明者らは、高い疎水性を示す領域に存在するフェニルアラニン残基がバリンによって置換されると、生物応答調節タンパク質の効力は大いに向上することを見出した。よって、本発明では、バリンによって置換されるフェニルアラニン残基は、好ましくは本発明に従って規定された結合ドメインに存在する高い疎水性を示す領域において選択する。
タンパク質を含むアミノ酸配列の特異的領域の疎水性は、当技術分野で公知の方法によって測定することができる(Kyte、J. らの J. Mol. Biol. 1982、vol.157、pp.105-132、Hopp、T. P. らの プロc. Nat. Acad. Sci. USA、1981、vol.78(6)、pp.3824-3828)。
本発明に係る生物応答調節タンパク質変異体は、当技術分野で公知の化学合成法によって調製することが可能である(Creighton、Protein: Structures and Molecular Principles、W. H. Freeman and Co., NY 1983)。限定するものではないが、代表方法には、液相合成または固相合成、フラグメント縮合、及びF-MOCまたはT-BOC化学合成が含まれる(Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins、Williams らの Eds. 、CRC Press、Boca Raton Florida、1997、A Practical Approach、Atherton & Sheppard、Eds.、IRL Press、Oxfor d、England、1989)。
代替方法として、本発明に係るタンパク質変異体は、組換えDNA技術によって調製することも可能である。これらの技術には、本発明に係るタンパク質変異体をコードするDNA配列の調整工程が含まれる。かかるDNA配列は、野生型タンパク質をコードするDNA配列を改変することによって調製することも可能である。手短に言えば、野生型タンパク質をコードするDNA配列の合成後、フェニルアラニンのコドンを部位特異的変異誘導によってバリンの別コドンに変換して所望DNA配列を作成する。
また、本発明に係るタンパク質変異体をコードするDNA配列の調製は化学的方法によって行うことができる。たとえば、該タンパク質変異体をコードするDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成装置を用いて化学的方法によって合成することができる。
オリゴヌクレオチドは、所望のタンパク質変異体のアミノ酸配列に基づいて作られるが、好ましくはタンパク質変異体を生成する宿主細胞によって使用される適切なコドンを選択することによって作られる。1つのアミノ酸を1つを超えるコドンによって指定することを意味する遺伝暗号の縮重は、当技術分野で公知である。したがって、特異的タンパク質変異体をコードする縮重を伴う複数のDNA配列があり、それらのすべては本発明の範囲に入る。
本発明に係るタンパク質変異体をコードするDNA配列には、シグナル配列をコードするDNA配列が含まれていても含まれていなくてもよい。該シグナル配列は、存在する場合、タンパク質変異体を発現させるために選択された宿主細胞によって認識される必要がある。該シグナル配列は、原核生物由来または真核生物由来またはその組み合わせ配列であってよく、天然タンパク質のシグナル配列であってもよい。シグナル配列の使用は、タンパク質変異体を生成する組換え細胞内の分泌型としてのタンパク質変異体の発現効果に従って決定することができる。選択された細胞が原核細胞である場合、DNA配列は通常、シグナル配列をコード化しないが、その代わりに、好ましくは所望のタンパク質を直接発現するためのN末端メチオニンを含有し、最も好ましくは、野生型タンパク質に由来するシグナル配列が使用される。
上記のように調製されたかかるDNA配列は、本発明のタンパク質変異体をコードする別のDNA配列に作動可能に結合され、結果として得られるDNA配列を調節する1つまたは複数の発現制御配列を含んだベクターに挿入される。次いで、宿主は、結果として得られる組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされる。結果として得られる形質転換体またはトランスフェクタントは、DNA配列の発現に好適な条件下で好適な培地内において培養される。DNA配列によってコード化された生物応答調節タンパク質の実質上純粋な変異体は、結果として得られる培養物から回収される。
本明細書中で使用した用語「ベクター」は、外来遺伝子を宿主細胞に安定的に運ぶ能力のある媒介物としての機能を果たすDNA分子を意味する。有用なアプリケーションのためには、ベクターは、複製可能であり、ベクター自体を宿主細胞に導入するシステムを有し、及び選択可能マーカーを所有する必要がある。しかも、本明細書中で使用した用語「組換え発現ベクター」は、宿主細胞内で発現されるように環状DNA分子に作動可能に結合された外来遺伝子を運ぶ環状DNA分子を意味する。宿主細胞に導入されると、組換え発現プラスミドは、宿主染色体DNAに拘わらず、大量のコピー数で複製して異種DNAを生成する能力を持つ。当技術分野で公知のように、宿主細胞内でトランスフェクトされた遺伝子の発現量を高めるためには、該遺伝子が、発現系として選択された宿主細胞内で機能的な転写配列及び翻訳調節配列に作動可能に結合される必要がある。該発現調節配列及び該外来遺伝子は、細菌選択可能マーカー及び複製開始点を含有する1つの発現ベクターで運ばれることが好ましい。真核細胞が発現系として使用される場合、その発現ベクターは好ましくは真核宿主細胞内で有用な発現マーカーをさらに含む。
組換え発現ベクターと関連して本明細書中で使用した用語「発現制御配列」は、本発明に係るタンパク質変異体の発現に必要または有益であるヌクレオチド配列を意味する。個々の制御配列は、該タンパク質変異体をコードするヌクレオチド配列と同質であっても異質であってもよい。該発現制御配列の非限定的な例には、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、エンハンサーまたは上流活性化配列、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネーターが含まれる。該発現制御配列は少なくとも1つのプロモーター配列を含有する。
用語「作動可能に結合された」は、ヌクレオチド配列が機能的関連を持って別のヌクレオチド配列と並べられている状態を意味する。該ヌクレオチド配列は、好適な分子(たとえば、転写活性化タンパク質)が該制御配列に結合すると、遺伝子発現が誘導されるような様式で結合される遺伝子及び制御配列であってもよい。たとえば、プレ配列(シグナルペプチド)または分泌リーダーが成熟タンパク質の分泌を促進するとき、それは「そのタンパク質に作動可能に結合された」と見なされる。プロモーターがコーディング配列の転写を調節するとき、そのプロモーターはコーディング配列に作動可能に結合される。リボソーム結合部位が該コーディング配列の翻訳を可能にする位置に存在するとき、リボソーム結合部位はコーディング配列に作動可能に結合される。典型的には、用語「作動可能に結合された」は、結合されたヌクレオチド配列が互いに接触することを意味する。分泌リーダー配列の場合では、該用語は、分泌リーダー配列がコーディング配列に接触し、該コーディング配列のリーディングフレームの範囲内に存在していることを意味する。但し、エンハンサーがコーディング配列に接触する必要はない。該ヌクレオチド配列の連鎖は、好都合な制限酵素認識部位でのライゲーション(連結)によって達成することができる。制限酵素認識部位の不在時では、従来の方法によって合成される、オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーを使用することが可能である。
本発明に係るタンパク質変異体をコードするDNA配列を発現するために、発現系としての宿主細胞とベクターの多種さまざまなの組み合わせを使用することが可能である。真核宿主細胞の形質転換に役立つ発現ベクターは、たとえば、SV40、ウシのパピローマウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウィルス、サイトメガロウイルス及びレトロウイルスからの発現調節配列を含有する。細菌宿主細胞内で有用な発現ベクターには、pET、pRSET、pBluescript、pGEX2T、pUC、pBR322、pMB9及びその誘導体によって例証される大腸菌からの細菌プラスミドと、λgt10、λgt11及びNM989を始めとする多種さまざまなのλファージ誘導体によって例証されるRP4、ファージDNAなどのいろいろな種類の宿主細胞を有するプラスミドと、M13などの糸状一本鎖DNAファージによって例証されるその他のDNAファージとが含まれる。酵母細胞内で有用な発現ベクターには、2μプラスミド及びその誘導体が含まれる。昆虫細胞内で有用な発現ベクターには、pVL941が含まれる。
本発明に係るタンパク質変異体をコードするDNA配列を発現するために、多種さまざまなの発現制御配列のいずれかを、これらのベクターによって使用することができる。かかる有用な発現制御配列には、前記発現ベクターの構造遺伝子と関連付けられた配列が含まれる。発現制御配列の有用な例としては、SV40またはアデノウィルスの初期及び後期プロモーター、lac系、trp系、TACまたはTRC系、T3及びT7プロモーター、ファージλの主要オペレーター領域及びプロモーター領域、fd被覆タンパク質の制御領域、3-ホスホグリセラートキナーゼまたは他の糖分解酵素のプロモーター、ホスファターゼのプロモーター(たとえばPho5)、原核細胞または真核細胞またはそれらのウィルスの遺伝子発現を制御することで知られている酵母のα-接合系プロモーター及び他の配列、及びその種々の組み合わせが挙げられる。具体的には、T7RNAポリメラーゼプロモーター、Ф10は、大腸菌内におけるポリペプチドの発現に有用である。
前記組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞は、本発明の別の態様を構成する。さまざまなモノラルニュークレア宿主細胞を、本発明のタンパク質変異体をコードするDNA配列の発現に使用することが可能である。
該宿主細胞の例としては、大腸菌、シュードモナス種、桿菌種、ストレプトマイセス種、菌類または酵母などの原核細胞及び真核細胞と、スポドプテラフルギペルタ(Sf9)などの昆虫細胞と、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはマウス細胞などの動物細胞と、COS1、COS7、BSC1、BSC40またはBMT10などのアフリカミドリザル細胞と、組織培養されたヒト及び植物細胞とが挙げられる。好適な宿主には、細菌など大腸菌及び枯草菌、及び組織培養された哺乳動物細胞が含まれる。
該形質転換及びトランスフェクションは、基礎実験ガイドブック(Davis らの Basic Methods in Molecular Biology、1986、Sambrook、J. らの Basic Methods in Molecular Biology、1989)に記載された方法によって実行することができる。本発明に係るタンパク質変異体をコードするDNA配列を宿主細胞に導入するための好適な方法には、たとえば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、電気穿孔法、形質導入、クレープローディング、弾丸導入、及び感染が含まれる。
また、当然のことながら、すべてのベクター及び発現制御配列が本発明のDNA配列の発現において等しく機能すること限らない。同様に、すべての宿主は同一発現系に対して等しく機能するとは限らない。しかし、当業者であれば、本発明の範囲内で、大きな実験負担なしに、種々のベクター、発現制御配列及び宿主から好適な選択を行うことができるであろう。たとえば、ベクターを宿主細胞を考慮に入れて選択することができる。その理由は、好ましくは該ベクターが該宿主細胞内で複製される必要があるからである。
ベクターのコピー数、該コピー数を制御する能力、及び該ベクター、たとえば抗生物質マーカー、によってコード化された他のタンパク質発現が審議される必要がある。また、発現制御配列は、いくつかの要因を考慮に入れて選択することも可能である。たとえば、相対強度、制御能力及び該配列の本発明のDNA配列との適合性、特に二次構造の可能性に関して審議される必要がある。さらに、宿主細胞の選択は、選択されるベクターとの適合性、ヌクレオチド配列によってコード化される産物の毒性、該産物の分泌性質、ポリペプチド適正に折り畳む能力、発酵または培養の必要性、ヌクレオチド配列によってコード化される産物の容易な精製を確実にする能力などを考慮して行うことができる。
本発明に係るタンパク質変異体の調製方法では、該宿主細胞は、当技術分野で公知の方法を用いて、ポリペプチド生成に好適な栄養培地で培養される。たとえば、該細胞は、Bask振盪培養、好適な培地内及び該ポリペプチドの発現および/または単離を可能にする条件下で行われる実験室規模または産業用発酵槽内の小規模または大規模発酵によって培養することができる。該培養は、当技術分野で公知の手順を用いて、炭素及び窒素源及び無機塩類を含有する好適な栄養培地中で行われる。好適なメディアは、商業者から市販されており、公開成分に従って調製することが可能である(たとえば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)のカタログ)。該ポリペプチドが該栄養培地に分泌される場合は、該ポリペプチドを直接的に該培地から回収することができる。該ポリペプチドが分泌されない場合には、該ポリペプチドは細胞ライセートから回収することができる。
本発明に係る生物応答調節タンパク質変異体は、当技術分野で公知の方法によって回収することができる。たとえば、該タンパク質変異体は、限定するものではないが、遠心単離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発、または沈殿を含めた従来の手順によって該栄養培地から回収することができる。さらに、該タンパク質変異体は、限定するものではないが、クロマトグラフィー(たとえば、イオン交換、親和性、疎水性、及びサイズ排除クロマトグラフィー)、電気泳動、差次的な溶解(例えば、硫安塩析)、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、または抽出を含めた当技術分野で公知の種々手順によって精製することもできる。
本発明は、生物応答調節タンパク質変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物を提供する。本発明に係る医薬組成物では、該生物応答調節タンパク質変異体が治療有効量で含まれていることが好ましい。
本発明の医薬組成物に用いられる担体には、一般的に使用される担体、アジュバント及び媒介物が含まれるが、製剤領域では、それらは総じて「医薬的に受容し得る担体」と呼ばれる。本発明の医薬組成物で有用な非限定的な医薬的に受容し得る担体としては、イオン交換、酸化アルミニウム、アルミニウムステアラート、レシチン、血清タンパク質(たとえばヒト血清アルブミン)、緩衝剤(たとえばリン酸ナトリウム、グリシン、ソルビン酸、カリウムソルバート、野菜の飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物)、水、塩類または電解液(たとえば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、及び亜鉛塩類)、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニールピロリドン、セルロースベースの基質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカボキシルメチルセルロース、ポリアリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、所望の組織に到達することができるのであれば、通常の投与経路を介して投与することが可能である。よって、本発明の医薬組成物は、局所投与、経口投与、非経口投与、眼内投与、経皮投与、直腸内投与及び腔内投与を行うことができ、溶液、懸濁液、錠剤、ピル、カプセル及び徐放性製剤で処方することができる。本明細書中で使用した用語「非経口投与」には、皮下投与、鼻腔内投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、関節内投与、滑液嚢内投与、基部内投与、心臓内投与、クモ膜下腔内投与、病巣内投与及び脳内注射または注入技術が含まれる。
一態様では、本発明の医薬組成物を非経口投与用水溶液として処方することができる。好ましくは、ハンクス液、リンゲル液または緩衝生理食塩水などの好適な緩衝液溶液を利用することができる。水溶性の注入懸濁液は、該懸濁液の粘性を増加させる能力のある物質で補足することができ、それらはナトリウムカボキシルメチルセルロース、ソルビトール及びデキストランによって例証される。しかも、油状の注入懸濁液などの活性成分の懸濁液には、脂肪親和性溶媒または担体が含まれ、それらはゴマ油などの脂肪油、及びオレイン酸エチル、中性脂肪またはリポソームなどの合成脂肪酸エステルによって例証される。また、ポリカチオンの非脂質性アミノポリマーを媒介物として使用することも可能である。便宜、該懸濁液に好適な安定剤または薬物を含有させて、タンパク質変異体の溶解性を増加すること、及び高濃度の該タンパク質変異体を得ることが可能である。
本発明の医薬組成物は、好ましくは滅菌注射水溶液または油性懸濁液のような滅菌注射調製の形式である。かかる懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤(たとえば、Tween80)及び懸濁剤を用いて、当技術分野で公知の方法に従って処方することができる。また、該滅菌注射製剤は、1、3-ブタンジオール中溶液などの非毒性の非経口的に受容し得る希釈液または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液であってもよい。該受容し得る媒介物及び溶媒には、マンニトール、水、リンゲル液及びは、等張食塩水が含まれる。しかも、滅菌不揮発性油を溶媒または懸濁培地にとして慣習的に使用することが可能である。この目的のため、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを始めとする任意の無刺激性の不揮発性油を使用するすることが可能である。しかも、オレイン酸及びそのグリセリド誘導体などの脂肪酸を、該薬剤的に受容し得る天然油類(たとえば、オリーブオイルまたは硬化ヒマシ油)、特に、ポリオキシエチル化されたその誘導体のような注射製剤の調製に使用することが可能である。
前記水溶性の組成物は、消毒剤と混合するか、または放射線を併用して細菌を除去するために、主にフィルターを用いる濾過によって滅菌する。滅菌された該組成物は、たとえば、フリーズドライ法(凍結乾燥法)によって硬化して硬化生成物を得ことができ、実用向きに、該硬化生成物は滅菌水または滅菌希釈液中に溶解される。
本明細書中で本発明の医薬組成物と関連して使用した用語「治療有効量」は、本発明の医薬組成物が適用される疾患に対して、改善または治療効果を示す活性成分の量を意味する。本発明の医薬組成物の治療有効量は、患者の年齢及び性別、適用部位、投与頻度、投与期間、シミュレーション型及びアジュバント型によって異なり得る。典型的には、本発明の医薬組成物は、野生型タンパク質と比べて少量、たとえば、0.01-1000μg/kg/日、より望ましくは0.1-500μg/kg/日、及び最も好ましくは1-100μg/kg/日で投与される。
その反面、本組成物が適用される疾患は、そのタンパク質のタイプによって異なり得ることは当業者であれば明白であろう。本発明の実施形態において変化したEPO及びTPOは、貧血自体に加えて、他の疾患に関連する合併症としての貧血(たとえば、炎症性腸疾患によって起こる貧血、進行性腎臓病、腎不全によって起こる貧血、ジドブジン(AZT)投与患者におけるHTV感染症に関連する貧血、癌化学療法に関連する貧血、ハンチントン舞踏病(HD)、鎌状赤血球貧血、子宮交換輸血後の新生児Rh溶血性疾患における遅発型低再生性貧血)の治療に使用することが可能である。しかも、本発明に従って変化したG-CSFは、好中球減少症自体、及び骨髄移植または癌化学療法後に発生する好中球減少症の治療に使用することが可能であり、該GH変異体は、下垂体性小人症、及び小児慢性腎不全の治療に使用することが可能である。しかし、本発明はこれらの用途に限定されるものではない。
以下に、本発明は、それぞれが、4-へリックスバンドル構造のサイトカイン、詳細には、CNTF、EPO、Flt3L、G-CSF、GM-CSF、GH、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、L-6、IL-12p35、LPT、LIF、M-CSF、OSM、PL、SCF、TPO、IFN-α2A、IFN-α2B、IFN-β、IFN-γ、IFN-ω及びIFN-τの特異的フェニルアラニン残基をバリンに置換するインターフェロン変異体を提供する。
特定の一態様では、本発明は下のタンパク質変異体を提供する:(1)該フェニルアラニン残基を野生型CNTFアミノ酸配列(配列識別番号1)位置3、83、98、105、119、152または178位にてバリンに置換するCNTF変異体。(2)該フェニルアラニン残基を野生型EPOアミノ酸配列(配列識別番号2)位置48、138、142または148位にてバリンに置換するEPO変異体。(3)該フェニルアラニン残基を野生型Flt3Lアミノ酸配列(配列識別番号3)位置6、15、81、87、96または124位にてバリンに置換するFlt3L変異体。(4)該フェニルアラニン残基を野生型G-CSFアミノ酸配列(配列識別番号4)位置13、83、113、140、144または160位にてバリンに置換するG-CSF変異体。(5)該フェニルアラニン残基を野生型GM-CSFアミノ酸配列(配列識別番号5)位置47、103、106、113または119位にてバリンに置換するGM-CSF変異体。(6)該フェニルアラニン残基を野生型GHアミノ酸配列(配列識別番号6)位置1、10、25、31、44、54、92、97、139、146、166、176または191位にてバリンに置換するGH変異体。(7)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Aアミノ酸配列(配列識別番号7)置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN- α2A変異体。(8)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Bアミノ酸配列(配列識別番号8)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2B変異体。(9)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-βアミノ酸配列(配列識別番号9)位置8、38、50、67、70、111または154位にてバリンに置換するIFN-β変異体。(10)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-γアミノ酸配列(配列識別番号10)位置18、32、55、57、60、63、84、85、95または139位にてバリンに置換するIFN-γ変異体。(11)該フェニルアラニン残基を野生型EFN-ωアミノ酸配列(配列識別番号11)位置27、36、38、65、68、124または153位にてバリンに置換するIFN-ω変異体。(12)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-τアミノ酸配列(配列識別番号12)位置8、39、68、71、88、127、156、157、159または183位にてバリンに置換するIFN-τ変異体。(13)該フェニルアラニン残基を野生型IL-2アミノ酸配列(配列識別番号13)位置42、44、78、103、117または124位にてバリンに置換するIL-2変異体。(14)該フェニルアラニン残基を野生型IL-3アミノ酸配列(配列識別番号14)位置37、61、107、113または133位にてバリンに置換するIL-3変異体。(15)該フェニルアラニン残基を野生型IL-4アミノ酸配列(配列識別番号15)位置33、45、55、73、82または112位にてバリンに置換するIL-4変異体。(16)該フェニルアラニン残基を野生型IL-5アミノ酸配列(配列識別番号16)位置49、69、96または103位にてバリンに置換するIL-5変異体。(17)該フェニルアラニン残基を野生型IL-6アミノ酸配列(配列識別番号17)位置73、77、93、104、124、169または172位にてバリンに置換するIL-6変異体。(18)該フェニルアラニン残基を野生型IL-12p35アミノ酸配列(配列識別番号18)位置13、39、82、96、116、132、150、166または180位にてバリンに置換するIL-12p35変異体。(19)該フェニルアラニン残基を野生型LPTアミノ酸配列(配列識別番号19)位置41または92位にてバリンに置換するLPT変異体。(20)該フェニルアラニン残基を野生型LIFアミノ酸配列(配列識別番号20)位置41、52、67、70、156または180位にてバリンに置換するLIF変異体。(21)該フェニルアラニン残基を野生型M-CSFアミノ酸配列(配列識別番号21)位置35、37、54、67、91、106、121、135、143、229、255、311、439、466または485位にてバリンに置換するM-CSF変異体。(22)該フェニルアラニン残基を野生型OSMアミノ酸配列(配列識別番号22)位置56、70、160、169、176または184位にてバリンに置換するOSM変異体。(23)該フェニルアラニン残基を野生型PLアミノ酸配列(配列識別番号23)位置10、31、44、52、54、92、97、146、166、176または191位にてバリンに置換するPL変異体。(24)該フェニルアラニン残基を野生型SCFアミノ酸配列(配列識別番号24)位置63、102、110、115、116、119、126、129、158、199、205、207または245位にてバリンに置換するSCF変異体。及び(25)該フェニルアラニン残基を野生型TPOアミノ酸配列(配列識別番号25)位置46、128、131、141、186、204、240または286位にてバリンに置換するTPO変異体。
別の特定態様では、本発明は以下のDNA分子を提供する。(1)該フェニルアラニン残基を野生型CNTFアミノ酸配列(配列識別番号1)位置3、83、98、105、119、152または178位にてバリンに置換するCNTF変異体をコードするDNA。(2)該フェニルアラニン残基を野生型EPOアミノ酸配列(配列識別番号2)位置48、138、142または148位にてバリンに置換するEPO変異体をコードするDNA。(3)該フェニルアラニン残基を野生型Flt3Lアミノ酸配列(配列識別番号3)位置6、15、81、87、96または124位にてバリンに置換するFlt3L変異体をコードするDNA。(4)該フェニルアラニン残基を野生型G-CSFアミノ酸配列(配列識別番号4)位置13、83、113、140、144または160位にてバリンに置換するG-CSF変異体をコードするDNA。(5)該フェニルアラニン残基を野生型GM-CSFアミノ酸配列(配列識別番号5)位置47、103、106、113または119位にてバリンに置換するGM-CSF変異体をコードするDNA。(6)該フェニルアラニン残基を野生型GHアミノ酸配列(配列識別番号6)位置1、10、25、31、44、54、92、97、139、146、166、176または191位にてバリンに置換するGH変異体をコードするDNA。(7)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Aアミノ酸配列(配列識別番号7)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2A変異体をコードするDNA。(8)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Bアミノ酸配列(配列識別番号8)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2B変異体をコードするDNA。(9)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-βアミノ酸配列(配列識別番号9)位置8、38、50、67、70、111または154位にてバリンに置換するIFN-β変異体をコードするDNA。(10)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-γアミノ酸配列(配列識別番号10)位置18、32、55、57、60、63、84、85、95または139位にてバリンに置換するIFN-γ変異体をコードするDNA。(11)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-ωアミノ酸配列(配列識別番号11)位置27、36、38、65、68、124または153位にてバリンに置換するIFN-ω変異体をコードするDNA。(12)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-τアミノ酸配列(配列識別番号12)位置8、39、68、71、88、127、156、157、159または183位にてバリンに置換するIFN-τ変異体をコードするDNA。(13)該フェニルアラニン残基を野生型IL-2アミノ酸配列(配列識別番号13)位置42、44、78、103、117または124位にてバリンに置換するIL-2変異体をコードするDNA。(14)該フェニルアラニン残基を野生型IL-3アミノ酸配列(配列識別番号14)位置37、61、107、113または133位にてバリンに置換するIL-3変異体をコードするDNA。(15)該フェニルアラニン残を基野生型IL-4アミノ酸配列(配列識別番号15)位置33、45、55、73、82または112位にてバリンに置換するIL-4変異体をコードするDNA。(16)該フェニルアラニン残基を野生型IL-5アミノ酸配列(配列識別番号16)位置49、69、96または103位にてバリンに置換するIL-5変異体をコードするDNA。(17)該フェニルアラニン残基を野生型IL-6アミノ酸配列(配列識別番号17)位置73、77、93、104、124、169または172位にてバリンに置換するIL-6変異体をコードするDNA。(18)該フェニルアラニン残基を野生型IL-12p35アミノ酸配列(配列識別番号18)位置13、39、82、96、116、132、150、166または180位にてバリンに置換するIL-12p35変異体をコードするDNA。(19)該フェニルアラニン残基を野生型LPTアミノ酸配列(配列識別番号19)位置41または92位にてバリンに置換するLPT変異体をコードするDNA。(20)該フェニルアラニン残基を野生型LIFアミノ酸配列(配列識別番号20)位置41、52、67、70、156または180位にてバリンに置換するLIF変異体をコードするDNA。(21)該フェニルアラニン残基を野生型M-CSFアミノ酸配列(配列識別番号21)位置35、37、54、67、91、106、121、135、143、229、255、311、439、466または485位にてバリンに置換するM-CSF変異体をコードするDNA。(22)該フェニルアラニン残基を野生型OSMアミノ酸配列(配列識別番号22)位置56、70、160、169、176または184位にてバリンに置換するOSM変異体をコードするDNA。(23)該フェニルアラニン残基を野生型PLアミノ酸配列(配列識別番号23)位置10、31、44、52、54、92、97、146、166、176または191位にてバリンに置換するPL変異体をコードするDNA。(24)該フェニルアラニン残基を野生型SCFアミノ酸配列(配列識別番号24)位置63、102、110、115、116、119、126、129、158、199、205、207または245位にてバリンに置換するSCF変異体をコードするDNA。及び(25)該フェニルアラニン残基を野生型TPOアミノ酸配列(配列識別番号25)位置46、128、131、141、186、204、240または286位にてバリンに置換するTPO変異体をコードするDNA。
さらなる特定の態様では、本発明は以下の組換え発現ベクターを提供する。(1)該フェニルアラニン残基を野生型CNTFアミノ酸配列(配列識別番号1)位置3、83、98、105、119、152または178位にてバリンに置換するCNTF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(2)該フェニルアラニン残基を野生型EPOアミノ酸配列(配列識別番号2)位置48、138、142または148位にてバリンに置換するEPO変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(3)該フェニルアラニン残基を野生型Flt3Lアミノ酸配列(配列識別番号3)位置6、15、81、87、96または124位にてバリンに置換するFlt3L変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(4)該フェニルアラニン残基を野生型G-CSFアミノ酸配列(配列識別番号4)位置13、83、113、140、144または160位にてバリンに置換するG-CSF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(5)該フェニルアラニン残基を野生型GM-CSFアミノ酸配列(配列識別番号5)位置47、103、106、113または119位にてバリンに置換するGM-CSF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(6)該フェニルアラニン残基を野生型GHアミノ酸配列(配列識別番号6)位置1、10、25、31、44、54、92、97、139、146、166、176または191位にてバリンに置換するGH変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(7)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Aアミノ酸配列(配列識別番号7)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2A変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(8)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Bアミノ酸配列(配列識別番号8)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2B変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(9)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-βアミノ酸配列(配列識別番号9)位置8、38、50、67、70、111または154位にてバリンに置換するIFN-β変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(10)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-γアミノ酸配列(配列識別番号10)位置18、32、55、57、60、63、84、85、95または139位にてバリンに置換するIFN-γ変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(11)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-ωアミノ酸配列(配列識別番号11)位置27、36、38、65、68、124または153位にてバリンに置換するIFN-ω変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(12)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-τアミノ酸配列(配列識別番号12)位置8、39、68、71、88、127、156、157、159または183位にてバリンに置換するIFN-τ変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(13)該フェニルアラニン残基を野生型IL-2アミノ酸配列(配列識別番号13)位置42、44、78、103、117または124位にてバリンに置換するIL-2変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(14)該フェニルアラニン残基を野生型IL-3アミノ酸配列(配列識別番号14)位置37、61、107、113または133位にてバリンに置換するIL-3変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(15)該フェニルアラニン残基を野生型IL-4アミノ酸配列(配列識別番号15)位置33、45、55、73、82または112位にてバリンに置換するIL-4変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(16)該フェニルアラニン残基を野生型IL-5アミノ酸配列(配列識別番号16)位置49、69、96または103位にてバリンに置換するIL-5変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(17)該フェニルアラニン残基を野生型IL-6アミノ酸配列(配列識別番号17)位置73、77、93、104、124、169または172位にてバリンに置換するIL-6変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(18)該フェニルアラニン残基を野生型IL-12p35アミノ酸配列(配列識別番号18)位置13、39、82、96、116、132、150、166または180位にてバリンに置換するIL-12p35変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(19)該フェニルアラニン残基を野生型LPTアミノ酸配列(配列識別番号19)位置41または92位にてバリンに置換するLPT変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(20)該フェニルアラニン残基を野生型LIFアミノ酸配列(配列識別番号20)位置41、52、67、70、156または180位にてバリンに置換するLIF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(21)該フェニルアラニン残基を野生型M-CSFアミノ酸配列(配列識別番号21)位置35、37、54、67、91、106、121、135、143、229、255、311、439、466または485位にてバリンに置換するM-CSF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(22)該フェニルアラニン残基を野生型OSMアミノ酸配列(配列識別番号22)位置56、70、160、169、176または184位にてバリンに置換するOSM変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(23)該フェニルアラニン残基を野生型PLアミノ酸配列(配列識別番号23)位置10、31、44、52、54、92、97、146、166、176または191位にてバリンに置換するPL変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。(24)該フェニルアラニン残基を野生型SCFアミノ酸配列(配列識別番号24)位置63、102、110、115、116、119、126、129、158、199、205、207または245位にてバリンに置換するSCF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。及び(25)該フェニルアラニン残基を野生型TPOアミノ酸配列(配列識別番号25)位置46、128、131、141、186、204、240または286位にてバリンに置換するTPO変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクター。
またもう一つの特定態様では、本発明は以下の宿主細胞を提供する。(1)該フェニルアラニン残基を野生型CNTFアミノ酸配列(配列識別番号1)位置3、83、98、105、119、152または178位にてバリンに置換するCNTF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(2)該フェニルアラニン残基を野生型EPOアミノ酸配列(配列識別番号2)位置48、138、142または148位にてバリンに置換するEPO変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(3)該フェニルアラニン残基を野生型Flt3Lアミノ酸配列(配列識別番号3)位置6、15、81、87、96または124位にてバリンに置換するFlt3L変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(4)該フェニルアラニン残基を野生型G-CSFアミノ酸配列(配列識別番号4)位置13、83、113、140、144または160位にてバリンに置換するG-CSF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(5)該フェニルアラニン残基を野生型GM-CSFアミノ酸配列(配列識別番号5)位置47、103、106、113または119位にてバリンに置換するGM-CSF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(6)該フェニルアラニン残基を野生型GHアミノ酸配列(配列識別番号6)位置1、10、25、31、44、54、92、97、139、146、166、176または191位にてバリンに置換するGH変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(7)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Aアミノ酸配列(配列識別番号7)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2A変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(8)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Bアミノ酸配列(配列識別番号8)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2B変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(9)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-βアミノ酸配列(配列識別番号9)位置8、38、50、67、70、111または154位にてバリンに置換するIFN-β変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(10)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-γアミノ酸配列(配列識別番号10)位置18、32、55、57、60、63、84、85、95または139位にてバリンに置換するIFN-γ変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(11)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-ωアミノ酸配列(配列識別番号11)位置27、36、38、65、68、124または153位にてバリンに置換するIFN-ω変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(12)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-τアミノ酸配列(配列識別番号12)位置8、39、68、71、88、127、156、157、159または183位にてバリンに置換するIFN-τ変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(13)該フェニルアラニン残基を野生型IL-2アミノ酸配列(配列識別番号13)位置42、44、78、103、117または124位にてバリンに置換するIL-2変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(14)該フェニルアラニン残基を野生型IL-3アミノ酸配列(配列識別番号14)位置37、61、107、113または133位にてバリンに置換するIL-3変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(15)該フェニルアラニン残基を野生型IL-4アミノ酸配列(配列識別番号15)位置33、45、55、73、82または112位にてバリンに置換するIL-4変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(16)該フェニルアラニン残基を野生型IL-5アミノ酸配列(配列識別番号16)位置49、69、96または103位にてバリンに置換するIL-5変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(17)該フェニルアラニン残基を野生型IL-6アミノ酸配列(配列識別番号17)位置73、77、93、104、124、169または172位にてバリンに置換するIL-6変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(18)該フェニルアラニン残基を野生型IL-12p35アミノ酸配列(配列識別番号18)位置13、39、82、96、116、132、150、166または180位にてバリンに置換するIL-12p35変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(19)該フェニルアラニン残基を野生型LPTアミノ酸配列(配列識別番号19)位置41または92位にてバリンに置換するLPT変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(20)該フェニルアラニン残基を野生型LIFアミノ酸配列(配列識別番号20)位置41、52、67、70、156または180位にてバリンに置換するLIF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(21)該フェニルアラニン残基を野生型M-CSFアミノ酸配列(配列識別番号21)位置35、37、54、67、91、106、121、135、143、229、255、311、439、466または485位にてバリンに置換するM-CSF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(22)該フェニルアラニン残基を野生型OSMアミノ酸配列(配列識別番号22)位置56、70、160、169、176または184位にてバリンに置換するOSM変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(23)該フェニルアラニン残基を野生型PLアミノ酸配列(配列識別番号23)位置10、31、44、52、54、92、97、146、166、176または191位にてバリンに置換するPL変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。(24)該フェニルアラニン残基を野生型SCFアミノ酸配列(配列識別番号24)位置63、102、110、115、116、119、126、129、158、199、205、207または245位にてバリンに置換するSCF変異体をコードするDNAが作動可能に結合される組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。及び(25)該フェニルアラニン残基を野生型TPOアミノ酸配列(配列識別番号25)位置46、128、131、141、186、204、240または286位にてバリンに置換するTPO変異体をコードするDNAが作動可能に結合された組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。
さらに別の特定の態様では、本発明は以下のタンパク質変異体調製方法を提供する。(1)該フェニルアラニン残基を野生型CNTFアミノ酸配列(配列識別番号1)位置3、83、98、105、119、152または178位にてバリンに置換するCNTF変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(2)該フェニルアラニン残基を野生型EPOアミノ酸配列(配列識別番号2)位置48、138、142または148位にてバリンに置換するEPO変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(3)該フェニルアラニン残基を野生型Flt3Lアミノ酸配列(配列識別番号3)位置6、15、81、87、96または124位にてバリンに置換するFlt3L変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(4)該フェニルアラニン残基を野生型G-CSFアミノ酸配列(配列識別番号4)位置13、83、113、140、144または160位にてバリンに置換するG-CSF変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(5)該フェニルアラニン残基を野生型GM-CSFアミノ酸配列(配列識別番号5)位置47、103、106、113または119位にてバリンに置換するGM-CSF変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(6)該フェニルアラニン残基を野生型GHアミノ酸配列(配列識別番号6)位置1、10、25、31、44、54、92、97、139、146、166、176または191位にてバリンに置換するGH変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(7)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Aアミノ酸配列(配列識別番号7)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2A変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(8)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Bアミノ酸配列(配列識別番号8)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2B変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(9)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-βアミノ酸配列(配列識別番号9)位置8、38、50、67、70、111または154位にてバリンに置換するIFN-β変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(10)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-γアミノ酸配列(配列識別番号10)位置18、32、55、57、60、63、84、85、95または139位にてバリンに置換するIFN-γ変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(11)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-ωアミノ酸配列(配列識別番号11)位置27、36、38、65、68、124または153位にてバリンに置換するIFN-ω変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(12)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-τアミノ酸配列(配列識別番号12)位置8、39、68、71、88、127、156、157、159または183位にてバリンに置換するIFN-τ変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(13)該フェニルアラニン残基を野生型IL-2アミノ酸配列(配列識別番号13)位置42、44、78、103、117または124位にてバリンに置換するIL-2変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(14)該フェニルアラニン残基を野生型IL-3アミノ酸配列(配列識別番号14)位置37、61、107、113または133位にてバリンに置換するIL-3変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(15)該フェニルアラニン残基を野生型IL-4アミノ酸配列(配列識別番号15)位置33、45、55、73、82または112位にてバリンに置換するIL-4変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(16)該フェニルアラニン残基を野生型IL-5アミノ酸配列(配列識別番号16)位置49、69、96または103位にてバリンに置換するIL-5変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(17)該フェニルアラニン残基を野生型IL-6アミノ酸配列(配列識別番号17)位置73、77、93、104、124、169または172位にてバリンに置換するIL-6変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(18)該フェニルアラニン残基を野生型IL-12p35アミノ酸配列(配列識別番号18)位置13、39、82、96、116、132、150、166または180位にてバリンに置換するIL-12p35変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(19)該フェニルアラニン残基を野生型LPTアミノ酸配列(配列識別番号19)位置41または92位にてバリンに置換するLPT変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(20)該フェニルアラニン残基を野生型LIFアミノ酸配列(配列識別番号20)位置41、52、67、70、156または180位にてバリンに置換するLIF変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(21)該フェニルアラニン残基を野生型M-CSFアミノ酸配列(配列識別番号21)位置35、37、54、67、91、106、121、135、143、229、255、311、439、466または485位にてバリンに置換するM-CSF変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(22)該フェニルアラニン残基を野生型OSMアミノ酸配列(配列識別番号22)位置56、70、160、169、176または184位にてバリンに置換するOSM変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(23)該フェニルアラニン残基を野生型PLアミノ酸配列(配列識別番号23)位置10、31、44、52、54、92、97、146、166、176または191位にてバリンに置換するPL変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。(24)該フェニルアラニン残基を野生型SCFアミノ酸配列(配列識別番号24)位置63、102、110、115、116、119、126、129、158、199、205、207または245位にてバリンに置換するSCF変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。及び(25)該フェニルアラニン残基を野生型TPOアミノ酸配列(配列識別番号25)位置46、128、131、141、186、204、240または286位にてバリンに置換するTPO変異体をコードするDNAが作動可能に結合され、結果として得られる培養物から該タンパク質変異体を単離する組換え発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の培養を含むタンパク質変異体調製方法。
さらに別の特定態様では、本発明は以下の医薬組成物を提供する。(1)該フェニルアラニン残基を野生型CNTFアミノ酸配列(配列識別番号1)位置3、83、98、105、119、152または178位にてバリンに置換するCNTF変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(2)該フェニルアラニン残基を野生型EPOアミノ酸配列(配列識別番号2)位置48、138、142または148位にてバリンに置換するEPO変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(3)該フェニルアラニン残基を野生型Flt3Lアミノ酸配列(配列識別番号3)位置6、15、81、87、96または124位にてバリンに置換するFlt3L変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(4)該フェニルアラニン残基を野生型G-CSFアミノ酸配列(配列識別番号4)位置13、83、113、140、144または160位にてバリンに置換するG-CSF変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(5)該フェニルアラニン残基を野生型GM-CSFアミノ酸配列(配列識別番号5)位置47、103、106、113または119位にてバリンに置換するGM-CSF変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(6)該フェニルアラニン残基を野生型GHアミノ酸配列(配列識別番号6)位置1、10、25、31、44、54、92、97、139、146、166、176または191位にてバリンに置換するGH変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(7)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Aアミノ酸配列(配列識別番号7)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2A変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(8)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-α2Bアミノ酸配列(配列識別番号8)位置27、36、38、43、47、64、67、84、123または151位にてバリンに置換するIFN-α2B変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(9)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-βアミノ酸配列(配列識別番号9)位置8、38、50、67、70、111または154位にてバリンに置換するIFN-β変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(10)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-γアミノ酸配列(配列識別番号10)位置18、32、55、57、60、63、84、85、95または139位にてバリンに置換するIFN-γ変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(11)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-ωアミノ酸配列(配列識別番号11)位置27、36、38、65、68、124または153位にてバリンに置換するIFN-ω変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(12)該フェニルアラニン残基を野生型IFN-τアミノ酸配列(配列識別番号12)位置8、39、68、71、88、127、156、157、159または183位にてバリンに置換するIFN-τ変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(13)該フェニルアラニン残基を野生型IL-2アミノ酸配列(配列識別番号13)位置42、44、78、103、117または124位にてバリンに置換するIL-2変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(14)該フェニルアラニン残基を野生型IL-3アミノ酸配列(配列識別番号14)位置37、61、107、113または133位にてバリンに置換するIL-3変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(15)該フェニルアラニン残基を野生型IL-4アミノ酸配列(配列識別番号15)位置33、45、55、73、82または112位にてバリンに置換するIL-4変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(16)該フェニルアラニン残基を野生型IL-5アミノ酸配列(配列識別番号16)位置49、69、96または103位にてバリンに置換するIL-5変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(17)該フェニルアラニン残基を野生型IL-6アミノ酸配列(配列識別番号17)位置73、77、93、104、124、169または172位にてバリンに置換するIL-6変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(18)該フェニルアラニン残基を野生型IL-12p35アミノ酸配列(配列識別番号18)位置13、39、82、96、116、132、150、166または180位にてバリンに置換するIL-12p35変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(19)該フェニルアラニン残基を野生型LPTアミノ酸配列(配列識別番号19)位置41または92位にてバリンに置換するLPT変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(20)該フェニルアラニン残基を野生型LIFアミノ酸配列(配列識別番号20)位置41、52、67、70、156または180位にてバリンに置換するLIF変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(21)該フェニルアラニン残基を野生型M-CSFアミノ酸配列(配列識別番号21)位置35、37、54、67、91、106、121、135、143、229、255、311、439、466または485位にてバリンに置換するM-CSF変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(22)該フェニルアラニン残基を野生型OSMアミノ酸配列(配列識別番号22)位置56、70、160、169、176または184位にてバリンに置換するOSM変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(23)該フェニルアラニン残基を野生型PLアミノ酸配列(配列識別番号23)位置10、31、44、52、54、92、97、146、166、176または191位にてバリンに置換するPL変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。(24)該フェニルアラニン残基を野生型SCFアミノ酸配列(配列識別番号24)位置63、102、110、115、116、119、126、129、158、199、205、207または245位にてバリンに置換するSCF変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。及び(25)該フェニルアラニン残基を野生型TPOアミノ酸配列(配列識別番号25)位置46、128、131、141、186、204、240または286位にてバリンに置換するTPO変異体及び医薬的に受容し得る担体を含む医薬組成物。
生物応答を調節する効力を改善する本目的は、TPO、EPO、G-CSF及びGHを用いて以下の実施例で達成した。以下の実施例は本発明を例示するためのみに提供されたものであって、本発明の範囲が該実施例に限定されるものではないことは当業者であれば明白であろう。
DNAがコードする野生型TPO/EPO/G-CSF/GHの構造
(A) DNAがコードする野生型TPOの構造:
750μlのトリゾール試薬(MRC社、米国)を微小遠心管内で骨髄組織に加え、室温で5分間インキュベートした。200μlのクロロホルムを該管に加え、次いで該管を勢いよく15秒間振盪した。該管を室温で2〜3分間インキュベートした後、15,000rpmにて15分間4℃で遠心分離した。該上相を1.5Ml 管に移し、500μlのイソプロパノールを加えた。該サンプルを-70℃で30分間インキュベートし、15,000rpmにて15分間4℃で遠心分離した。上清を廃棄した後、RNAペレットを75%のDEPC(ジエチルピロカルボネート)エタノールを用いてボルテックスすることによって一回洗浄し、15,000rpmにて15分間4℃で遠心分離した。該上清を除去し、該RNAペレットを5分間室温で乾燥し、次いで該ペレットを50μlのDEPC(ジエチルピロカルボネート)処理した3°蒸留水に溶解した。
上記のように精製された2μgのmRNA及び1μgのオリゴdT30プライマー(10μM、Promega 社、米国)を混合し、70℃で2分間加熱し、次いで直ちに氷上で2分間冷却した。
その後、この反応混合物を、200UのM-MLV逆転写酵素(Promega 社、米国)、10μlの5X反応緩衝液(250mMのトリス塩酸、pH8.3、375mMのKCl、15mMの塩化マグネシウム、50nmDTT)、1μlのdNTP(10mMのdATP、10mMのdTTP、10mMのdGTP、10mMのdCTP)と共に加え、DEPC(ジエチルピロカルボネート)処理した3°水を加えて全容積を50μlにした。穏やかに混合した後、該反応混合物を42℃で60分間インキュベートした。
cDNAがコードする野生型TPOを増幅するため、第1鎖cDNAをテンプレートにして、プライマー1及びプライマー2(表1)を、2Uの Pfu DNA ポリメラーゼ(Stratagene 社、米国)、10μlの10X反応緩衝液、1%のトリトンX-100、1mg/mlのBSA、3μlのプライマー1(10μM)、3μlのプライマー2(10μM)、2μlのdNTP、10mMのdATP、10mMのdTTP、10mMのdGTP、10mMのdCTPを始めとするPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)管に加え、蒸留水を加えて全容積を10μlにした。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)反応条件は以下の通りとした。1サイクル:95℃で3分間、次いで30サイクル:95℃で30秒間、52℃で1分間、及び72℃で1.5分間、及び最後に1サイクル:72℃で10分間行い、完全平滑末端を有するPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を作る。
得た該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を0.8%のアガロースゲル(BMA 社、米国)中で単離し、Qiaex II ゲル抽出キット(Qiagen 社、米国)を用いて精製した。単離した該DNAを15Uの EcoRI を、10Uの NotI、3μlの10X反応緩衝液と混合した後、3°蒸留水を加えて前容積を30μlとし、37℃にて2時間のインキュベーションによってDNAを制限した。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を0.8%のアガロースゲル中で単離し、Qiaex II ゲル抽出キットを用いて精製した。
5μlの pBluescript KS II(+) ベクターを、15UのEcoRI、10UのAM、3μlの10X反応緩衝液と混合し、3°蒸留水を加えて全容積30μlをとし、DNAを37℃にて2時間のインキュベーションよって限定した。制限した該 pBluescript KS II(+) ベクターを0.8%のアガロースゲル中で単離し、Qiaex II ゲル抽出キットを用いて精製した。
100ngの消化された pBluescript KS II(+) ベクターを、同一酵素で消化した20ngの該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を用いてライゲート(連結)した。このライゲーション(連結)混合物を16℃の水浴で16時間インキュベートし、かくしてcDNAがコードする野生型TPOを含む組換え体ベクターを生成した。次いで、それを塩化ルビジウム法によってコンピテント細胞に対して作られた E.coli top 10(Invitrogen 社、米国)に形質転換した。該形質転換菌を50μg/Mlのアンピシリン(Sigma 社、米国)を含有するLB寒天プレート上で培養した。一晩のインキュベーション後、コロニーを、50μg/Mlのアンピシリンを含有する3μlのLB培地を有する管に移し、次いでそれらを、37℃で16時間培養した。アルカリ溶解法を用いてプラスミドを該培養菌から単離し、EcoRI/NotI の制限を用いて該プラスミド中のクローン化遺伝子の封入を検出した。
(B) DNAがコードする野生型EPOの構造DNAがコードする野生型EPOのクローニング法は、DNAがコードする野生型TPOのクローニングに使用したクローニング法と基本的に同一とした。
第1鎖cDNAをテンプレートにして、プライマー11及びプライマー12(表2)をDNAがコードする野生型EPOのPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)増幅に使用した。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物及びクローニングベクター、pBluescript KS II(+) を、EcoRI エンドヌクレアーゼ及び BamHt エンドヌクレアーゼの両方で消化した。消化されたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物及びクローニングベクターをライゲート(連結)し、コンピテント細胞、E.coli top 10(lnvitrogen、米国)に形質転換した。
プラスミドをアルカリ溶解法を用いて該培養菌から単離し、EcoRI/BamHI の制限を用いて該プラスミド中のクローン化遺伝子の存在を検出した。
(C) DNAがコードする野生型G-CSFの構造:DNAがコードする野生型G-CSFの構成法は、DNAがコードする野生型TPOに使用した構成法と同様とした。
健常者から得た白血球を該mRNA抽出使用し、プライマー21及び22(表3)をcDNAがコードする野生型G-CSFのPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)増幅に使用した。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物及びクローニングベクター、pBluescript KS II(+) の両方を、SmaI エンドヌクレアーゼ及び EcoRI エンドヌクレアーゼで消化した。消化されたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物及びクローニングベクターをライゲート(連結)し、コンピテント細胞、E.coli top 10(lnvitrogen、米国)に形質転換した。プラスミドをアルカリ溶解法を用いて該培養菌から単離し、SmaIIEcoRI の制限を用いて該プラスミド中のクローン化遺伝子の存在を検出した。
(D) DNAがコードする野生型GHの構造:DNAがコードする野生型GHをATCCから購入した(ATCC番号67097)。
リーダー配列をこのcDNAのN末端に追加するため、プライマー35及び36(表4)をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)に使用した。該リーダー配列に結合する完全なcDNAがコードする野生型GHを作るために、プライマー37及び38(表4)を用いて二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を実行した。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物及びクローニングベクター、pBluescript KS II(+) を、EcoRI エンドヌクレアーゼ及び Hindi エンドヌクレアーゼで消化した。 プラスミドをアルカリ溶解法を用いて該培養菌から単離し、EcoRI/HindIII の制限を用いて該プラスミド中のクローン化遺伝子の存在を検出した。
cDNAがコードするTPO/EPO/G-CSF/GH突然変異タンパク質の構造
(A) cDNAがコードするTPO突然変異タンパク質の構造:
4つの突然変異タンパク質TPO、TPO-[F46V]、TPO-[F128V]、TPO-[F131V]及びTPO-[F141V]を、それぞれの各位置でフェニルアラニンからバリンへの1つのアミノ酸置換を有するように、以下の手順に従って構築した。
Figure 0004747238
TPO-[F46V]、TPO-[F128V]、TPO-[F131V]及びTPO-[F141V]をコード化するcDNAを、特異的プライマー(表1)及びユニバーサルプライマーT3を用いる一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法、及び該一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物及びユニバーサルプライマーT7を用いる二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法によって構築した。これらの反応に用いたテンプレートは、実施例1から得た、pBluescript KS II(+) でクローン化された該cDNAコーディング野生型TPOであった。
一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を、2.5Uの Ex taq (Takara 社、日本)、5μlの10X緩衝液、1mMの塩化マグネシウム、2.5mMのdNTPを加えることによって行い、蒸留水を加えて全容積を50μlとした。 該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)条件は、1サイクル:94℃で3分間、続いて30サイクル:95℃で30秒間、60℃で30秒間及び72℃で30秒間からなり、次いで1サイクル:72℃で7分間にリンクした。
該一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、ユニバーサルプライマーT7(10ピコモル)と共に二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)におけるメガプライマーとして使用した。pBluescript KS II(+) でクローン化された該cDNAコーディング野生型TPOを、二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)におけるテンプレートとして使用した。二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を、2.5Uの Ex taq (Takara 社、日本)、5μlの10X緩衝液、1mMの塩化マグネシウム、2.5mMのdNTPを加えることによって行い、蒸留水を加えて全容積を50μlとした。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)条件は、1サイクル94℃で3分間、続いて30サイクル:94℃で1分間、58℃で1分間、及び72℃で1.5分間からなり、最後に終結に先立って1サイクル:72℃で7分間にリンクした。
DNA合成由来のエラーを最小限化するため、一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)におけるMg2+濃度を1mMに低下させた。増幅されたメガプライマーのサイズは、TPO-[F46V]の場合は280bp(塩基対)、TPO-[F128V]の場合は520bp(塩基対)、TPO-[F131V]の場合は530bp(塩基対)、及びTPO-[F141V]の場合は560bp(塩基対)であった。メガプライマーを用いる二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)では、cDNAがコードする生成された各突然変異タンパク質は、1062bp(塩基対)と同一サイズを示した。個々のTPO突然変異タンパク質のヌクレオチド配列でのフェニルアラニンからバリンへの置換は、ダイレクトシーケンス法によって検証した。
1062bp(塩基対)の個々のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、0.8%のアガロースゲル中で単離し、Qiaex H ゲル抽出キットを用いて精製した。 該PCR産物を、15Uの EcoRI 及び10Uの AM を用いて37℃で2時間消化した。
消化されたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、0.8%のアガロースゲル中で単離し、Qiaex II ゲル抽出キットを用いて精製し、上記のように pBluescript KS II(+) を用いてライゲート(連結)した。 TPO-[F141V]をコード化するDNAを含有する該組換え発現ベクターを、Tefficacin-4と名付け、2003年6月9日付けでブダペスト条約に基づいてKCCM(韓国微生物保存センター)に寄託した。
国際寄託当局によって与えられたアクセッション番号はKCCM-10500であった。
(B) cDNAがコードするEPO突然変異タンパク質の構造:
4つの突然変異タンパク質EPO、EPO-[F48V]、EPO-[F138V]、EPO-[F142V]及びEPO-[F148V]を、それぞれの各位置でフェニルアラニンからバリンへの1つのアミノ酸置換を有するように、以下の手順に従って構築した。
Figure 0004747238
cDNAがコードするEPO突然変異タンパク質の構成法は、基本的にTPOの構築法と同様とした。EPO-[F48V]、EPO-[F138V]、EPO-[F142V]、及びEPO-[F148V]をコード化するcDNAを、特異的プライマー(表2)及びユニバーサルプライマーT3を用いる一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法、及び該一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物及びユニバーサルプライマーT7を用いる二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法によって構築した。これらの反応に用いたテンプレートは、実施例1から得た、pBluescript KS II(+) でクローン化された該cDNAコーディング野生型EPOであった。
一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)における Me 濃度を1mMに調節した。増幅されたメガプライマーのサイズは、EPO-[F48V]の場合は300bp(塩基対)、EPO-[F138V]の場合は550bp(塩基対)、EPO-[F142V]の場合は550bp(塩基対)及びEPO-[F148V]の場合は550bp(塩基対)であった。該メガプライマーを用いる二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)では、cDNAがコードする個々の突然変異タンパク質は、580bp(塩基対)と同一サイズに増幅した。個々のEPO突然変異タンパク質のヌクレオチド配列でのフェニルアラニンからバリンへの置換は、ダイレクトシーケンス法によって検証した。
580bp(塩基対)の個々のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、0.8%のアガロースゲル中で単離し、Qiaex II ゲル抽出キットを用いて精製した。該PCR産物を、15Uの EcoRI 及び10Uの BamHI を用いて37℃で2時間消化した。消化されたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を上記のようにpBluescript KS II(+) にライゲート(連結)し、該発現ベクターの構築に使用した。TPO-[F141V]をコード化するDNAを含有する該組換え発現ベクターを、Refficacin-4と名付け、2003年6月9日付けでブダペスト条約に基づいてKCCM(韓国微生物保存センター)に寄託した。国際寄託当局によって与えられたアクセッション番号はKCCM-10501であった。
(B) cDNAがコードするG-CSF突然変異タンパク質の構造:
突然変異タンパク質G-CSF、G-CSF[F13V]、G-CSF[F83V]、G-CSF[F113V]、G-CSF[F140V]、G-CSF[F144V]及びG-CSF[F160V]を、それぞれの各位置でフェニルアラニンからバリンへの1つのアミノ酸置換を有するように、以下の手順に従って構築した。
Figure 0004747238
cDNAがコードするG-CSF突然変異タンパク質の構成法は、基本的にTPOの構築法と同様とした。G-CSF-[F13V]、G-CSF-[F83V]、G-CSF-[F113V]、G-CSF-[F140V]、G-CSF-[F144V]、及びG-CSF-[F160V]をコード化するcDNAを、特異的プライマー(表3)及びユニバーサルプライマーT3を用いる一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法、及び該一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物及びユニバーサルプライマーT7を用いる二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法によって構築した。
これらの反応に用いたテンプレートは、該実施例1から得た、pBluescript KS II(+) でクローン化された該cDNAコーディング野生型G-CSFであった。
一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)におけるMg2+濃度を1mMに調節した。増幅されたメガプライマーのサイズは、G-CSF-[F13V]の場合は600b.p(塩基対)、G-CSF-[F83V]の場合は390b.p(塩基対)、G-CSF-[F113V]の場合は300b.p(塩基対)、G-CSF-[F140V]の場合は200b.p(塩基対)、G-CSF-[F144V]の場合は200b.p(塩基対)、及びG-CSF[F160V]の場合は150b.p(塩基対)であった。該メガプライマーを用いる二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)では、cDNAがコードする各突然変異タンパク質を640b.p(塩基対)と同一サイズに増幅した。個々のG-CSF突然変異タンパク質のヌクレオチド配列でのフェニルアラニンからバリンへの置換は、ダイレクトシーケンス法によって検証した。
640b.p(塩基対)の個々のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、0.8%のアガロースゲル中で単離し、Qiaex II ゲル抽出キットを用いて精製した。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、15Uの SmaI 及び10Uの EcoRI を用いて37℃にて2時間消化し、0.8%のアガロースゲル中で単離し、Qiaex II ゲル抽出キットを用いて精製した。消化されたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、上記のように pBluescript KS II(+) にライゲート(連結)した。G-CSF-[F140V]をコード化するDNAを含有する該組換え発現ベクターを、Grefficacin-4と名付け、2004年5月17日付けでブダペスト条約に基づいてKCCM(韓国微生物保存センター)に寄託した。
国際寄託当局によって与えられたアクセッション番号はKCCM-10571であった。
(C) cDNAがコードするGH突然変異タンパク質の構造:
4つの突然変異タンパク質GH、GH-[F44V]、GH-[F97V]、GH-[F139V]、GH-[F146V]、GH-[F166V]、及びGH-[F176V]を、それぞれの各位置でフェニルアラニンからバリンへの1つのアミノ酸置換を有するように、以下の手順に従って構築した。
Figure 0004747238
cDNAがコードするGH突然変異タンパク質の構成法は、基本的にTPOの構築法と同様とした。突然変異タンパク質GH-[F44V]、GH-[F97V]、GH-[F139V]、GH-[F146V]、GH-[F166V]及びGH-[F176V]をコード化するcDNAを、特異的プライマー(表4)及びユニバーサルプライマーT3を用いる一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法、及び該一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物及びユニバーサルプライマーT7を用いる二次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法によって構築した。これらの反応に用いたテンプレートは、実施例1から得た、pBluescript KS II(+) でクローン化された該cDNAコーディング野生型GHであった。
一次PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)におけるMg2+濃度を1mMに調節した。個々の増幅メガプライマーのサイズは、GH-[F44V]の場合は130b.p(塩基対)、GH-[F97V]の場合は300b.p(塩基対)、GH-[F139V]の場合は420b.p(塩基対)、GH-[F146V]の場合は450b.p(塩基対)、GH-[F166V]の場合は500b.p(塩基対)、及びGH-[F176V]PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法の場合は530b.p(塩基対)であった。個々のGH突然変異タンパク質のヌクレオチド配列でのフェニルアラニンからバリンへの置換は、ダイレクトシーケンス法によって検証した。
650b.p(塩基対)の個々のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、0.8%のアガロースゲル中で単離し、Qiaex II ゲル抽出キットを用いて精製した。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、15Uの EcoRI 及び10Uの Hindi を用いて37℃にて2時間消化し、0.8%のアガロースゲル中で単離し、Qiaex II ゲル抽出キットを用いて精製した。 消化されたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、上記のように pBluescript KS II(+) にライゲート(連結)した。
TPO突然変異タンパク質の発現及び精製
(A)TPO突然変異タンパク質:
(a)リポフェクション法を用いることによってトランスフェクトした細胞株の確立:
チャイニーズハムスター卵巣(「CHO-KI」)(ATCC、CCL61)細胞を、10%のウシ胎児血清(「FBS」)で補足したダルベッコ改良Eagle培地(「DMEM」)[Gibco BRL 社、米国]を含有する35mmシャーレあたり1.5x10個の細胞密度で調製した。該細胞を、37℃にて5%のCO中で18〜24時間増殖させた。6μlのリポフェクタミンを、滅菌管内で、DNAがコードするTPO突然変異タンパク質を含む1.5Mlの該組換え発現ベクターに加えた。この混合物の容量を、無血清DMEMを加えることによって100μlに調節した。該管を室温で45分間インキュベートした。
35mmシャーレ内で増殖させた細胞を無血清DMEMを用いて2回洗浄し、800μlの無血清DMEMを該シャーレに加えた。洗浄した細胞を該リポフェクタミン-DNA複合体上に穏やかに重ね、次いで37℃にて5%のCO中で5時間インキュベートした。5時間のインキュベーション後、20%のFBSを含有する1MlのDMEMをトランスフェクトした細胞に加え、次いで該細胞を37℃にて、5%のCO中で18〜24時間インキュベートした。該インキュベーション後、該細胞を無血清DMEMを用いて2回洗浄し、次いで10%のFBSを含有する2MlのDMEMを該培養に加えた。これらの細胞を、37℃にて72時間インキュベートした。(5%のCO中で)。
(b) ELISA(酵素結合免疫測定法)を用いたTPO突然変異タンパク質の発現量の分析:
cDNAがコードするTPO-野生型または突然変異タンパク質を含有するプラスミドをトランスフェクトした細胞のタンパク質の発現量を、ELISA(酵素結合免疫測定法)アッセイを用いることによって解析した。コーティング緩衝液[0.1Mの重炭酸ナトリウム、(pH9. 6)]で10μg/Mlに希釈したヤギ抗ヒトTPOポリクローナル抗体(R&D 社、米国)を、96ウェルプレート(FALCON 社、米国)の各ウェルに、ウェルあたり最大で100Mlまで加え、室温で1時間インキュベートした。該プレートを、1XPBS(PBST)中で0.1%のTween20を用いて3回洗浄した。洗浄後、該プレートを、200Mlの遮断緩衝液(1%のFBS、5%のサッカロース、0.05%のアジ化ナトリウム)を用いて室温で1時間インキュベートし、次いでPBSTを用いて3回洗浄した。該培養上清(トランスフェクトした細胞を含む)及び希釈緩衝液[0.1%のBSA、0.05%のTween20、1XPBS]連続希釈法を用いて混合した。ポジティブコントロールとしての25ng/mlのヒト組換えTPO[Calbiochem 社、米国]と、ネガティブコントロールとしての非形質導入のCHO-K1培養上清とを同等に希釈した。これらの対照群及びサンプル群を室温で1時間インキュベートした。次いで、該プレートをPBSTで3回洗浄した。希釈緩衝液を用いて0.2μg/Mlに希釈したビオチン化ヤギ抗ヒトTPO抗体(R&D 社、米国)をウェルあたり最大で100μlまで96ウェルプレートに加え、室温で1時間インキュベートした。該プレートをPBSTで3回洗浄した。希釈緩衝液中で1:200に希釈したストレプトアビジン-HRP(R&D 社、米国)を該96ウェルプレートにウェルあたり100μl加え、室温で1時間インキュベートした。1時間後、該プレートをPBSTを用いて3回洗浄し、次いでTMB膜(マイクロウェル)ペルオキシダーゼ基質システム(KPL 社、米国)を用いることによって発色反応を行い、マイクロプレートリーダー[BIO- RAD 社、550型]を用いて630nmにて吸光度を読み取った。
(c) 突然変異タンパク質TPOの発現量及び分子量のウエスタンブロット法を用いた分析:
培地からFBSを除外するために、CHO-S-SFM II (Gibco BRL 社、米国)を上記のトランスフェクトした細胞の培養に使用した。培養培地から CHO-S-SFM II を、0.2μMのシリンジフィルターを用いて濾過し、centricon (Mol. 30,000ミリポア、米国)で濃縮した。低下ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を行うには、5%の3-メルカプトエタノールを含有するサンプル添加液を該サンプルに加え、5分間加熱した。このドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)には、濃縮用ゲル及び分離ゲルを使用した。該濃縮用ゲルを、3.5%のアクリルアミド、0.375Mのトリス(pH6.8)、0.4%のSDSから構成し、該分離ゲルは、10%のアクリルアミドゲル、1.5Mのトリス(pH8.8)、0.4%のSDSから構成した。ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)のゲル分離処理後、タンパク質サンプルを、4を有する Westran (PVDFメンブレン(転写膜)、S&S 社)に移し、25mMのトリス-192mMのグリシン(pH8.3)-20%のメタノール緩衝液を含有するリザーバ内で、350mAにて2時間詳細に検討した。移行後、それをPBST中で5%の無脂肪牛乳粉末を用いて10分間、3回ブロックした。該ビオチン化ヤギ抗ヒトTPO抗体(R&D 社、米国)を、遮断緩衝液中で0.25μg/Mlに希釈し、この溶液の3mlを加えて、6時間振盪した。該膜を洗浄溶液で3回洗浄した。ストレプトアビジン-HRP(R&D 社、米国)を遮断緩衝液中で1:100に希釈し、1時間インキュベートした。該膜を洗浄溶液で3回洗浄した。タンパク質バンドを、DAB基質(VECTOR LABORATORIES、米国)を用いて10分間インキュベートすることによって可視化させた。この反応は、該膜を脱イオン水中に浸漬することで停止した。
図2Aでは、TPOの野生型形態と突然変異タンパク質形態は共に同一の分子量(55kD)を有していた。
TPOの野生型及び突然変異タンパク質の相対発現量を図3Aに示した。
個々のTPO突然変異タンパク質の発現量を、対照としての野生型TPOの発現量と比較した。
TPO-[F128V]発現量は、野生型TPO発現量の1.4倍以上増加した。しかし、TPO-[F46V]、TPO-[F131V]及びTPO-[F141V]の発現は、野生型発現量の20%、40%、及び40%にそれぞれ減少した。
(B) EPO突然変異タンパク質:
cDNAがコードするEPO突然変異タンパク質を含有する発現ベクターをCHO-K1細胞にトランスフェクトし、EPO突然変異タンパク質のそれぞれの発現量を、ELISA(酵素結合免疫測定法)アッセイを用いることによって検出した。そして、EPOの野生型と突然変異タンパク質のそれぞれの分子量を、ウエスタンブロット法によって分析した。
図2Bでは、EPOの野生型と突然変異タンパク質形態の分子量は共に同一とした(45kD)。
EPOの野生型と突然変異タンパク質の相対発現量を図3Bに示した。
EPO-[F48V]及びEPO-[F138V]の発現量は、野生型EPOの発現量の1.4倍及び1.2倍以上にそれぞれ増加した。しかし、EPO-[F142V]及びEPO-[F148V]の発現量は、野生型EPOの発現量の20%及び30%にそれぞれ減少した。
(C) G-CSF突然変異タンパク質:
cDNAがコードするG-CSF突然変異タンパク質を含有する発現ベクターをCHO-K1細胞にトランスフェクトし、G-CSF突然変異タンパク質のそれぞれの発現量を、ELISA(酵素結合免疫測定法)アッセイを用いることによって検出し、G-CSFの野生型と突然変異タンパク質のそれぞれの分子量をウエスタンブロット法によって分析した。
図2Cでは、G-CSFの野生型形態と突然変異タンパク質形態は共に同一の分子量(50kD)を有していた。
G-CSFの野生型及び突然変異タンパク質の相対発現量を図3Cに示した。
他のG-CSF突然変異タンパク質の発現量は、野生型G-CSFの発現量と同様とした。
G-CSF突然変異タンパク質-[F83V]の発現量は、野生型の発現量の1.9倍増加した。しかし、G-CSF突然変異タンパク質-[F140V]及び-[F144V]の発現量は、野生型G-CSFの発現量の50%及び70%にそれぞれ減少した。
(D) GH突然変異タンパク質:
cDNAがコードするGH突然変異タンパク質を含有する発現ベクターを、CHO-K1細胞にトランスフェクトした。
該GH突然変異タンパク質のそれぞれの発現法は、TPO生成に使用された発現法と同一とした。
DNAがコードするEPO、TPO、GCSF、及びGH受容体の構造
(A) DNAがコードするEPO及びTPO受容体の構造:
DNAがコードするEPO及びTPO受容体を構築して、EPO突然変異タンパク質及びTPO突然変異タンパク質のそれぞれの結合親和性を解析した。DNAがコードする各受容体の細胞外ドメインを、各受容体の細胞外ドメインのC末端領域がヒト免疫グロブリンG1(lgG1)FcドメインN末端領域に融合するように、DNAがコードする免疫グロブリンG1(lgG1)のFcドメインに結合した。cDNAがコードするEPO受容体を、EcoRI の制限部位及びEPO受容体のリーダー配列を有するセンスプライマー(プライマー51)、及びEPO受容体の配列コーディング3’末端及び免疫グロブリンG(IgG)の配列コーディング5’末端Fcドメインを有するアンチセンスプライマー(プライマー52)を用いて、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって構築した。免疫グロブリンG1(lgG1)のFcドメインに結合するcDNAがコードするTPO受容体を、hindi の制限部位及びTPO受容体のリーダー配列を有するセンスプライマー(プライマー53)、及びTPO受容体の配列コーディング3’末端と免疫グロブリンG(IgG)Fcドメインの配列コーディング5’末端を有するアンチセンスプライマー(プライマー54)を用いて、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって構築した。上記のように生成されたcDNAがコードするEPO受容体及びDNAがコードする免疫グロブリンG1(lgG1)のFcドメインを同一管内で混合し、共通配列間の相補結合を誘導した。この混合物を用いて、免疫グロブリンG1(lgG1)Fcドメインに結合されるcDNAがコードするEPO受容体を、EcoRI の制限部位とEPO受容体のリーダー配列を有するセンスプライマー(プライマー51)、及び免疫グロブリンG(IgG)Fcドメインの aI と3’末端の制限部位を有するアンチセンスプライマー(プライマー55)を用いて、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって構築した。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を EcoRI 及び Xbal で切断し、EPO受容体-Fc融合タンパク質の生成のために、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)-3発現ベクターに挿入した。上記のように生成されたcDNAがコードするTPO受容体及びDNAがコードする免疫グロブリンG1(lgG1)のFcドメインを同一管内で混合し、かくして共通配列間の相補結合を誘導した。この混合物を用いて、免疫グロブリンG1(lgG1)Fcドメインに結合されるcDNAがコードするEPO受容体を、EcoRI の制限部位とTPO受容体のリーダー配列を有するセンスプライマー(プライマー53)、及び免疫グロブリンG(IgG)Fcドメインの Mal と3’末端の制限部位を有するアンチセンスプライマー(プライマー55)を用いて、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって構築した。該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を Hindi 及び Xbal で切断し、TPO受容体-Fc融合タンパク質の生成のために、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)-3発現ベクターに挿入した。
Figure 0004747238
免疫グロブリンに融合されるTPO受容体及びEPO受容体の構築に用いたプライマーのリスト
(B) DNAがコードするG-CSF受容体及びGH受容体の構造:
cDNAがコードするG-CSF受容体を、hindi の制限部位とG-CSF受容体のリーダー配列を有するセンスプライマー(プライマー56)、及びを有するアンチセンスプライマー(プライマー57)EcoRI の制限部位及びG-CSF受容体の配列コーディング3’末端を用いて、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって構築した。cDNAがコードするGH受容体を、EcoRI の制限部位とG-CSF受容体のリーダー配列を有するセンスプライマー(プライマー58)、及び SpeI の制限部位とG-CSF受容体の配列コーディング3’末端を有するアンチセンスプライマー(プライマー59)を用いて、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって構築した。
G-CSF受容体をコードする該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を、Hindi 及び EcoRI で消化し、HindEl EcoRI 部位にて市販されているクローニングベクター、pBluescript KS II(+) に挿入することによってクローン化した。GH受容体をコードする該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物を EcoRI 及びSpeI で消化し、EcoRJI SpeI 部位にて市販されているクローニングベクター、pBluescript KS II(+) に挿入することによってクローン化した。
ヒト免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインを、ヒト免疫グロブリンG(IgG)のヒンジ領域の配列コーディング5’末端部を有するセンスプライマー(G-CS用プライマー60、GH用プライマー61)、及びアンチセンスプライマー(プライマー62)を用いて、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって構築した。G-CSF受容体に関しては、該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物がコードするヒト免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインを EcoRI 及び AM で消化し、EcoRV "aI 部位にて市販されているクローニングベクター、pBluescript KS II(+) に挿入することによってクローン化した。GH受容体に関しては、該PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物がコードするヒト免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインを SpeI 及び AM で消化し、SpeI 部位/MaI にて市販されているクローニングベクター、pBluescript KS II(+) に挿入することによってクローン化した。
該クローン化cDNAがコードするG-CSF受容体及び該クローン化ヒト免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインともに、EcoRU MaI で消化し、次いでライゲート(連結)して、ヒト免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインに結合されるDNAがコードするG-CSF受容体を調製した。このDNA構成物を、HindE 及び XhaI で切断し、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)-3発現ベクターに挿入した。該クローン化cDNAがコードするGH受容体及び該クローン化ヒト免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインともに、Spell al で消化し、次いでライゲート(連結)して、ヒト免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインに結合されるDNAがコードするG-CSF受容体を調製した。このDNA構成物を、EcoRI 及び AM で切断し、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)-3発現ベクターに挿入した。
Figure 0004747238
ELISA(酵素結合免疫測定法)を用いることによって得た、サイトカイン及びその突然変異タンパク質のその受容体のそれぞれに対する結合親和性の測定値。
(A) TPO及びTPO突然変異タンパク質のTPO受容体に対する結合:
TPO突然変異タンパク質のために遺伝子を運ぶ発現ベクターをトランスフェクトしたCHO細胞の培養上清を、サイトカインと受容体の相互作用を測定するために使用した。
タンパク質セファロース4Bカラム(Pharmacia 社、スウェーデン)を用いることによって、TPO受容体-Fc融合タンパク質の遺伝子コーディングを行う組換え発現ベクターをトランスフェクトしたCHO細胞の培養上清から、TPO受容体-免疫グロブリン融合タンパク質を精製した。コーティング緩衝液[0.1Mの重炭酸ナトリウム、(pH9. 6)]で10μg/Mlに希釈した精製融合タンパク質を、96ウェルプレート(FALCON 社、米国)の各ウェルに、ウェルあたり最大で100μlまで加え、室温で1時間インキュベートした。該プレートを、1XPBS[PBST]中で0.1%のTween20を用いて3回洗浄した。洗浄後、該プレートを、200μlの遮断緩衝液(1%のFBS、5%のサッカロース、0.05%のアジ化ナトリウム)を用いて室温で1時間インキュベートし、次いでPBSTを用いて3回洗浄した。
洗浄後、4つのTPO突然変異タンパク質及び1つのTPO野生型からなる培養上清を、連続的に希釈緩衝液[0.1%のBSA、0.05%のTween20、1XPBS]でそれぞれ希釈し、該TPO受容体-Fc融合タンパク質で被覆した96ウェルプレートに加え、1時間インキュベートした。PBSTを用いて洗浄したを3回繰り返した。ポジティブコントロールとしてのヒト組換え体TPO[Calbiochem 社、米国]と、ネガティブコントロールとしての非形質導入のCHO-K1培養上清とを同等に希釈した。該プレートをPBSTで3回洗浄した。希釈緩衝液中で0.2μg/Mlに希釈したビオチン化ヤギ抗ヒトTPO抗体(R&D 社、米国)をウェルあたり100μlの量で96ウェルプレートに加え、室温で1時間インキュベートした。該プレートをPBSTで3回洗浄した。
希釈緩衝液中で1:200に希釈したストレプトアビジン-HRP(R&D 社、米国)を96ウェルプレートにウェルあたり100me加え、室温で1時間インキュベートした。1時間後、PBSTを用いて該プレートを3回洗浄した。TMB膜(マイクロウェル)ペルオキシダーゼ基質システム(KPL 社、米国)を用いて発色反応を行い、マイクロプレートリーダー[BIO- RAD 社、550型]を用いて630nmにて吸光度を読み取った。
TPO-[F141V]及びTPO-[F131V]の該TPO受容体に対する結合親和性は、野生型TPOの結合親和性と比較して増加した(図4A)。前述の突然変異タンパク質は、すべてのTPO突然変異タンパク質の中で最も高い結合親和性を持っていた。
(B) EPO及びEPO突然変異タンパク質のEPO受容体に対する結合:
EPO野生型及び突然変異タンパク質の該受容体に対する結合親和性の測定値は、TPO及びTPO突然変異タンパク質のTPO受容体に対する結合親和性の測定値と基本的に同様とした。
EPO-[F148V]及びEPO-[F142V]の該EPO受容体に対する結合親和性は、野生型EPO(図4b)の結合親和性と比較して増加した。前述の突然変異タンパク質は、すべてのEPO突然変異タンパク質の中で最も高い結合親和性を持っていた。
(C) G-CSF及びG-CSF突然変異タンパク質のG-CSF受容体に対する結合:
G-CSF野生型及び突然変異タンパク質の該受容体に対する結合親和性の測定値は、TPO及びTPO突然変異タンパク質のTPO受容体に対する結合親和性の測定値と基本的に同様とした。
結果(図4C)は、G-CSF-[F140V]、G-CSF-[F144V]、及びG-CSF-[F160V]の該G-CSF受容体に対する結合親和性が野生型G-CSFの結合親和性比較して増加することを示し、また、第1突然変異タンパク質(G-CSF-[F140V])がすべてのG-CSF突然変異タンパク質の中で最も高い結合親和性を有することを示した。
(D) GH及びGH突然変異タンパク質のGH受容体に対する結合:
GH野生型及び突然変異タンパク質の該受容体に対する結合親和性の測定値は、TPO及びTPO突然変異タンパク質のTPO受容体に対する結合親和性の測定値と基本的に同様とした。
結果(図4D)は、GH-[F139V]が該GH受容体に対して最も高い結合親和性を有することを示した。
SPR法を用いることによって得た、サイトカイン及びその突然変異タンパク質のその受容体のそれぞれに対する結合の測定値
(A) TPO及びTPO突然変異タンパク質のTPO受容体に対する結合:
TPO-[F141V]及びTPO-[F131V]のTPO受容体に対する結合親和性を測定するため、CM5センサーチップを用いた BIAcore 3000測定装置を使用してSPR法を行った。抗ヒト免疫グロブリンG(IgG)抗体を、アミンカップリング法を用いて個々のフローセル1及び2に固定化した。活性基を不活化するため、表面を1Mのエタノールアミンでブロックした。TPO受容体-Fc融合タンパク質を、2分間、30μl/分にて加えて該抗ヒト免疫グロブリンG(IgG)抗体に結合させ、次いでTPO及びTPO突然変異タンパク質を反応させて該TPO受容体に結合させた。
同一リガンド密度でのレゾナンスユニット(RU)の増加は、結合親和性がより高いことを意味する。図5Aでは、野生型TPO、TPO-[F141V]及びTPO-[F131V]のレゾナンスユニットは、それぞれ10RU、30RU及び20RUであった。この結果は、TPO-[F141V]が最も高い結合親和性を持つことを示した。加えて、野生型及び突然変異タンパク質TPOのKD値を表7に示した。
Figure 0004747238
(B) EPO突然変異タンパク質:
SPR法を行って、EPO受容体とのEPO突然変異タンパク質-[F148V]及びEPO-[F142V]の結合親和性を測定した。実験手順は、TPOの実験手順と同様とした。
図5Bには、EPO野生型及び突然変異タンパク質のSPR法の測定結果を示した。図5Bでは、EPO-[F148V]は、40RU、EPO-[F142V]30RUを示した。 これらの結果は、EPO-[F148V]が最も高い結合親和性を有することを示す。加えて、EPO突然変異タンパク質のKp値を表8に示した。
Figure 0004747238
FACS(蛍光標示式細胞分取)を用いることによって得た、サイトカインの野生型タンパク質及び突然変異タンパク質の結合親和性測定値
(A) TF-1/c-Mpl細胞株の確立:
TF-1/c-Mpl細胞株を、cDNAがコードするc-MplをTF-1細胞にトランスフェクトすることによって確立した。
c-Mplの発現を、FACS(蛍光標示式細胞分取)分析を用いることによって検証した。1x10/mlの該TF-1/c-Mpl細胞をPBS緩衝液で洗浄し、精製されたc-Mplマウス抗ヒトモノクローナル抗体(BD 社 PharMingen 社、米国)を該TF-1/c-Mpl細胞でインキュベートし、次いでFITC結合抗マウス免疫グロブリンG(IgG)(全分子、Sigma 社、米国)を加えて、該TF-1/c-Mpl細胞表面上のc-Mpl発現を検証した。
結果として、該TF-1/c-Mpl細胞のグラフは、TF-1細胞のグラフから右方向移行した。この結果により、c-Mpl、TPO受容体、が、該TF-1/c-Mpl細胞に発現することが明らかにされた。
(B) TPO突然変異タンパク質のFACS(蛍光標示式細胞分取)分析:
1x10/mlのTF-1/c-Mpl細胞をPBS緩衝液中に懸濁し、TPO野生型及びTPO-[F141V]を該懸濁液に加え、4℃で30〜60分間それぞれインキュベートした。
ビオチン化ヤギ抗ヒトTPOポリクローナル抗体(R&D 社、米国)を上記細胞に加え、4℃で30〜60分間インキュベートした。ストレプトアビジン-FITC(Sigma 社、米国)を上記細胞に加え、4℃で30〜60分間インキュベートした。該細胞を、PBS緩衝液で2回洗浄して、非反応ストレプトアビジン-FITCを除去した。該細胞をPBS緩衝液中に懸濁し、EXCALIBUR (BD 社、米国)を用いて、488nmにてフローサイトメトリー分析を行った。
図6Aでは、TPO-[F141V]の結合曲線は、野生型TPOの結合曲線から右方向に移行した。この結果により、TPO-[F141V]の受容体結合親和性が、該野生型TPOの該親和性よりもはるかに高いことが明らかにされた。
(C) EPO突然変異タンパク質のFACS(蛍光標示式細胞分取)分析:
EPO突然変異タンパク質のFACS(蛍光標示式細胞分取)法は、TPOのFACS法と同様とした。
図6Bでは、EPO-[F148V]の結合曲線は、野生型TPOの結合曲線から右方向に移行した。この結果により、ことが示されたTPO-[F141V]が受容体結合親和性において、該野生型EPOよりもはるかに高いことが明らかにされた。
TPO、EPO、G-CSF及びGH突然変異タンパク質の生物活性の測定値
(A) TPO突然変異タンパク質細胞増殖アッセイ:
TPO-野生型と突然変異タンパク質間の細胞増殖及び生物活性の相違点を調査研究するため、上記で生成したTF-1/c-Mpl細胞株を使用した。TF-1/c-Mpl細胞を、10%のウシ胎児血清、1ng/MlのGM-CSF、37℃、5%のCOで補足したDMEM培地中で増殖させた。
0.4、1、5、10、20、40、75ng/MlのTPO-野生型のそれぞれと、RPMI-1640中の突然変異タンパク質を、96ウェル組織培養プレート(FALCON 社、米国)に播種した。10%のウシ胎児血清を含有するRPMI-1640中の該TF-1/c-Mpl細胞の1104個の細胞を、該96ウェルプレートの各ウェルに加えた。4日間の培養後、37℃、5%のCO、20μlのMTS溶液[3-(4、51imethy-2-イル)-5-(3-arboxymethオキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム、内塩、MTS]及び該フェナジンエトサルフェート(PES,Promega 社)を加え、4時間インキュベートした。マイクロプレートリーダー(BIO- RAD 社 550型)を用いて、490nmにて吸光度を測定した。
図7Aには、刺激的なTF-1/c-Mpl細胞増殖刺激に関する、TPO野生型と突然変異タンパク質の相違点を示した。0.4ng/Ml〜75ng/MlのTPOを該TF-1/c-Mplに加えた。細胞増殖を最大で50ng/MlのTPO濃度まで増加させた。TPO-[F141V]のTF-1/c-Mpl細胞増殖可能性は野生型と比べてはるかに高く、TPO突然変異タンパク質中でその生物活性は最も高かった。TPO-[F131V]の生物活性は、TPO突然変異タンパク質中で第2番目に高かった。TPO-[F46V]の活性は、野生型の活性と同様であった。
(B) EPO突然変異タンパク質細胞増殖アッセイ:
EPO突然変異タンパク質の生物活性を、EPO依存型TF-1細胞を用いて細胞増殖アッセイによって調べた。EPO突然変異タンパク質の細胞増殖アッセイ実験手順は、TPO突然変異タンパク質の細胞増殖アッセイ実験手順と同様とした。
図7Bには、TF-1細胞増殖刺激に関する、EPO野生型と突然変異タンパク質の相違点を示した。0.01IU/ml〜7IU/lnQ のEPOを該TF-1細胞に加えた。EPO-[F148V]のTF-1細胞増殖可能性は、該野生型と比べてはるかに高く、EPO突然変異タンパク質の中でその生物力は最も高かった。EPO-[F142V]及びEPO-[F138V]の生物活性は、EPO突然変異タンパク質中、それぞれ第2番目及第3番目に高かった。
Figure 0004747238
Figure 0004747238
(C) G-CSF突然変異タンパク質:
G-CSF突然変異タンパク質の生物活性を、G-CSF依存型HL-60細胞を用いて細胞増殖アッセイによって調べた。G-CSF突然変異タンパク質の細胞増殖アッセイ実験手順は、TPO突然変異タンパク質の細胞増殖アッセイ実験手順と同様とした。
図7Cには、HL-60細胞増殖刺激に関する、G-CSF野生型と突然変異タンパク質の相違点を示した。
0.4ng/Ml〜75ng/MlのG-CSFを該HL-60細胞に加えた。G-CSF-[F140V]のHL-60細胞増殖可能性は、該野生型と比べてはるかに高く、G-CSF突然変異タンパク質の中でその生物力は最も高かった。
(C) GH突然変異タンパク質:
GH突然変異タンパク質の生物活性を、GH依存型NB2細胞を用いて細胞増殖アッセイによって調べた。GH突然変異タンパク質の細胞増殖アッセイ実験手順は、GH突然変異タンパク質の細胞増殖アッセイ実験手順と同様とした。
図7Dには、NB2細胞増殖刺激に関する、GH野生型と突然変異タンパク質の相違点を示した。0.4ng/Ml〜75ng/MlのGHを該NB2細胞に加えた。GH-[F139V]のNB2細胞増殖可能性は、該野生型と比べてはるかに高く、GH突然変異タンパク質の中でその生物力は最も高かった。
EPO-及びTPO-野生型及び突然変異タンパク質の薬物動態特性
野生型間の、各EPO-及びTPO-突然変異タンパク質の薬物動態特性の相違点を調べた。TPOまたはTPO突然変異タンパク質を、ウサギ(ニュージーランド産、白色、3kg)に静脈注射によって投与し、次いで血液サンプルを連続的に採取した。上記のように定量的ELISA(酵素結合免疫測定法)アッセイを用いることによって、各サンプルのEPO及びTPO濃度を検出した。
EPOのマウス(12weeks、Balb/cマウス、30g)への投与は、腹腔内投与及び静脈内投与の両方によって行った。ヘパリン含有管内の血液サンプルを、3,000rpmにて10分間の遠心単離よって単離した。上清含有血漿を用いて、ELISA(酵素結合免疫測定法)により、EPO及びTPOの血液濃度を検出した。
5μl/kgのTPO野生型及び-[F141V]をウサギに静脈内投与した後、TPO野生型及び-[F141V]の血漿濃度プロファイルを図8Aに示した。TPO-[F141V]濃度を、野生型TPOの濃度と比べてさらに急速に低下させた。TPO-[F141V]は、その受容体に対する結合親和性がより高いため、より急速に血液から周辺標的組織に移行させた。
1000IU/kgの野生型EPO及びEPO-[F148V]をウサギに静脈内投与した後の、血液中の野生型EPO及びEPO-[F148V]血漿濃度プロファイルを図8Bに示した。
EPO-[F148V]濃度を、EPO野生型の濃度と比べてさらに急速に低下させた。
20IU/gの野生型EPO及びEPO-[F148V]をマウスに腹腔内投入後の、血漿濃度プロファイルを図8Cに示した。EPO野生型の拡散速度は、初期段階にてEPO-[F148V]の拡散速度よりも高く、また、野生型EPO最大血中濃度(Cmax)も、EPO-[F148V]血中濃度よりも高かった。EPO-[F148V]のCmaxは、野生型EPOよりも長く維持された。これらの結果により、EPO-[F148V]が、該野生型EPOと比べて、より高い疎水性を示し、受容体に対してより高い結合親和性を持つことが示唆された。また、これらの結果は、EPO-[F148V]は、野生型EPOと比べて、血液中により緩慢に拡散され、血液から周辺標的組織により迅速に移行するという結論につながるものである。
Figure 0004747238
EPO突然変異タンパク質の生体内活性:
EPO-野生型と突然変異タンパク質間の生物活性の相違点をマウスにおいて検証した。
マウス(生後12週間、Balb/cマウス、20g、Jungang Lab Animal Inc.、韓国)を、700Radにてγ放射線照射した。50μlのPBS中、250ngの精製EPO野生型及び突然変異タンパク質に、毎日3回腹腔内投与を行った。
血液サンプルを、該マウスの尾静脈から採取し、次いで血液学的パラメータを、通常のCBC検査によって検査した。野生型EPOをポジティブコントロールとして使用し、CHO細胞培養上清をネガティブコントロールとして使用した。血液を、投与後から0、1、2、4、7、10、15、20、25、及び30日目に、EDTAを含有する管に採取した。
図9には、CBC検査が、赤血球数(RBC)及び網状赤血球数の変化をを検証するために、EPO-野生型及び突然変異タンパク質を腹腔内投与されたマウスを結果としてもたらすことを示した。赤血球数(RBC)増加(図9A)は、野生型EPOを投与したマウスと比べて、EPO[F148V]投与マウスにおいてはるかに顕著であった。また、EPO[F48V]-及びEPO[138V]投与マウスにおける該赤血球数(RBC)増加は、野生型EPOを投与したマウスと比べて少なかった。網状赤血球数及びヘマトクリット値の増加量(図9B)は、赤血球数(RBC)EPO-[F148V]を投与したマウスのおける変化と同様であった。
TPO突然変異タンパク質の生体内活性
マウスにおけるTPO-野生型と突然変異タンパク質間の生物活性相違点を研究した。
マウス(生後12週間、Balb/cマウス、20g、Jungang Lab Animal Inc.、韓国)を、700Radにてγ放射線照射した。50μlのPBS中、250ngの精製TPO野生型及び突然変異タンパク質に、毎日3回腹腔内投与を行った。
血液サンプルを、該マウスの尾静脈から採取し、次いで血液学的パラメータを、通常のCBC検査によって検査した。野生型TPOをポジティブコントロールとして使用し、CHO細胞培養上清をネガティブコントロールとして使用した。血液を、該投与後から0、1、4、7、10、14、18、23、28、及び32日目に、EDTAを含有する管に採取した。
図10には、TPO-野生型及び突然変異タンパク質を腹腔内投与したマウスにおける血小板数(図10A)、白血球数(図10B)、及び好中球数(図10C)の変化を示した。
TPO-[F141V]を投与したマウスにおける血小板数の増加は最も顕著であった。また、TPO-[F131V]を投与したマウスの血小板数増加は2番目に高かった。TPO-[F46V]を投与したマウスの血小板数増加は野生型TPOを投与したマウスと同様であった。また、TPO-[F128V]を投与したマウスは、PBSを投与したネガティブコントロールと同様のの血小板数を示した(図10A)。白血球数(図10B)及び好中球数(図10C)の増加は、血小板数変化における増加に類似したパターンを示した。
本発明の上記結果から明らかなように、従来野生型生物応答調節タンパク質の対応する受容体、リガンドまたは基質に対する結合に関与するドメイン内に存在するフェニルアラニン残基のバリン置換は、結果として結合親和性及び生物活性の増加を招き、従来のタンパク質変異体に対する自己抗体の産生を低減し、それによって改良されたタンパク薬物の製造が可能となる。
4-へリックスバンドル構造のサイトカインの対応する受容体への結合に関与するドメインのアミノ酸配列の複数アライメント。 インターフェロンの対応する受容体への結合に関与するドメインのアミノ酸配列の複数アライメント。 本発明に係るTPO変異体のウエスタンブロット法の結果を示す(最左端のレーンから: マーカー、 野生型TPO、 TPO-[F46V]、TPO-[F128V]、TPO-[F131V]、及びTPO-[F141V])。 本発明に係るEPO変異体のウエスタンブロット法の結果を示す(最左端のレーンから:マーカー、野生型EPO、EPO-[F48V]、EPO-[F138V]、EPO-[F142V]、及びEPO-[F148V])。 本発明に係るG-CSF変異体のウエスタンブロット法の結果を示す(最左端のレーンから:マーカー、野生型G-CSF、G-CSF-[F13V]、G-CSF-[F83V]、G-CSF-[F113V]、G-CSF-[F140V]、G-CSF-[F144V]、及びG-CSF-[F160V])。 野生型TPOと比較した、本発明に係るTPO変異体の相対発現量を示すグラフ。 野生型EPOと比較した、本発明に係るEPO変異体の相対発現量を示すグラフ。 野生型G-CSFと比較した、本発明に係るG-CSF変異体の相対発現量を示すグラフ。 本発明に係るTPO変異体のTPO受容体に対する結合親和性のELISA(酵素結合免疫測定法)アッセイの結果。 本発明に係るEPO変異体のEPO受容体に対する結合親和性のELISA(酵素結合免疫測定法)アッセイの結果。 本発明に係るG-CSF変異体のG-CSF受容体に対する結合親和性のELISA(酵素結合免疫測定法)アッセイの結果。 本発明に係るGH変異体のGH受容体に対する結合親和性のELISA(酵素結合免疫測定法)アッセイの結果。 本発明に係るTPO変異体のTPO受容体に対する結合親和性のSPRアッセイの結果。 本発明に係るEPO変異体のEPO受容体に対する結合親和性のSPRアッセイの結果。 本発明に係るTPO変異体のTPO受容体に対する結合親和性のFACS(蛍光標示式細胞分取)分析結果。 本発明に係るEPO変異体のEPO受容体に対する結合親和性のFACS(蛍光標示式細胞分取)分析結果。 本発明に係るTPO変異体の濃度に応じたTF-1/c-Mpl細胞の増殖率を示すグラフ。 本発明に係るEPO変異体の濃度に応じたTF-1細胞の増殖率を示すグラフ。 本発明に係るG-CSF変異体の濃度に応じたHL60細胞の増殖率を示すグラフ。 本発明に係るGH変異体濃度に応じたNB2細胞の増殖率を示すグラフ。 本発明に係るTPO変異体をウサギに静脈注射によって投与して該TPO変異体の血清レベルを測定して得た、本発明に係るTPO変異体の薬物動態測定の結果を示すグラフ。 本発明に係るEPO変異体をウサギに静脈注射によって投与して該EPO変異体の血清レベルを測定して得た、本発明に係るEPO変異体の薬物動態測定の結果を示すグラフ。 本発明に係るEPO変異体をマウスに腹腔内投与して該EPO変異体の血清レベルを測定して得た、本発明に係るEPO変異体の薬物動態測定の結果を示すグラフ。 本発明に係るEPO変異体の生体内活性を評価するための試験において、該EPO変異体を腹腔内投与したマウス体内の赤血球の増殖率の変化を示すグラフ。 本発明に係るEPO変異体の生体内活性を評価するための試験において、該EPO変異体を腹腔内投与したマウス体内の網状赤血球の増殖率の変化を示すグラフ。 本発明に係るEPO変異体の生体内活性を評価するための試験において、該EPO変異体を腹腔内投与したマウス体内のヘマトクリット値の変化を示すグラフ。 本発明に係るTPO変異体の生体内活性を評価するための試験において、該TPO変異体を腹腔内投与したラット体内の血小板の増殖率を示すグラフ。 本発明に係るTPO変異体の生体内活性を評価するための試験において、該TPO変異体を腹腔内投与したラット体内の白血球の増殖率を示すグラフ。 本発明に係るTPO変異体の生体内活性を評価するための試験において、該TPO変異体を腹腔内投与したラット体内の好中球の増殖率を示すグラフ。

Claims (6)

  1. サイトカインの受容体結合ドメインにおいて、フェニルアラニン残基をバリンに置換するタンパク質変異体であって、
    前記サイトカインがEPOからなる4-α-へリックスバンドル構造のサイトカインであり、
    前記EPOが、配列識別番号2として番号付けたアミノ酸配列位置142または148位にて、フェニルアラニン残基のバリン置換によって変性されることを特徴とするEPO変異体からなるタンパク質変異体
  2. サイトカインの受容体結合ドメインにおいて、フェニルアラニン残基をバリンに置換するタンパク質変異体であって、
    前記サイトカインがG-CSFからなる4-α-へリックスバンドル構造のサイトカインであり、
    前記G-CSFが、配列識別番号4として番号付けたアミノ酸配列位置113または140位にて、フェニルアラニン残基のバリン置換によって変性されることを特徴とするG-CSF変異体からなるタンパク質変異体。
  3. サイトカインの受容体結合ドメインにおいて、フェニルアラニン残基をバリンに置換するタンパク質変異体であって、
    前記サイトカインがGHからなる4-α-へリックスバンドル構造のサイトカインであり、
    前記GHが、配列識別番号6として番号付けたアミノ酸配列位置139、166または176位にて、フェニルアラニン残基のバリン置換によって変性されることを特徴とするGH変異体からなるタンパク質変異体。
  4. サイトカインの受容体結合ドメインにおいて、フェニルアラニン残基をバリンに置換するタンパク質変異体であって、
    前記サイトカインがTPOからなる4-α-へリックスバンドル構造のサイトカインであり、
    前記TPOが、配列識別番号25として番号付けたアミノ酸配列位置131または141位にて、フェニルアラニン残基のバリン置換によって変性されることを特徴とするTPO変異体からなるタンパク質変異体。
  5. 請求項1〜4の任意の一項に記載の該タンパク質変異体をコードするDNA
  6. 請求項1〜4の任意の一項に記載のタンパク質変異体を含む医薬組成物、及び医薬的に受容し得る担体
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