JP4746751B2 - アンカーボルト支持具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅のコンクリート基礎の形成時において該コンクリート基礎にアンカーボルトを取り付ける際に、打設されたコンクリートが硬化するまで、アンカーボルトを所要の状態で位置決め支持するアンカーボルト支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、住宅のコンクリート基礎には、基礎と上部構造物となる住宅の躯体とを接合するためのアンカーボルトが、下部をコンクリート基礎に埋設し、上部をコンクリート基礎上面から上方に突出させた状態で取り付けられている。
上記アンカーボルトの基礎への取り付けは、例えば、コンクリート基礎用の型枠にコンクリートを打設する前に、アンカーボルトをその下部が打設されたコンクリートに埋設されるように所定位置に配置し、次いで、型枠内にコンクリート打設することで行われている。
【0003】
本出願人は、コンクリート打設前にアンカーボルトを所定位置に配置するためのアンカーボルト支持具として、図4に示されるようなものを既に提案している。
この従来のアンカーボルト支持具1は、基礎型枠2の互いに対向して配置される二つの型枠材3、3上に架け渡された状態で載置される矩形状の支持板4と、支持板4の両端部において、支持板4の一部を切り抜いて下方に折り曲げた規制部5、5と、上記支持板4の中央部において略垂直に立設された支柱板部6と、該支柱板部6の上端部から支持板4と平行に延出した延出板部7と、上記支持板4及び延出板部7の互いに重なる位置にそれぞれ設けられた挿通孔8、9と、アンカーボルト10の上端部に螺合させられるナット11とからなる。
【0004】
このようなアンカーボルト支持具1の使用方法は、まず、アンカーボルト10の上端部を支持板4および延出板部7の挿通孔8、9に挿通させ、アンカーボルト10の上端部にナット11を螺合する。これにより挿通孔8、9よりも径の大きいナット11が抜け止めとなって、アンカーボルト10がアンカーボルト支持具1に取り付けられた状態となる。なお、アンカーボルト10の下端部は、コンクリートに埋設された状態で上方への引抜力に対応するために拡径された形状になっており、アンカーボルト10の下端部は、挿通孔8、9を挿通できない。
【0005】
また、挿通孔8、9は、その径がアンカーボルト10を容易に挿通できるようにアンカーボルト10の径よりもかなり大きいものとなっているとともに、その一部にアンカーボルト10の径と略同様の径の円弧状の凹部が形成されており、挿通孔8、9にアンカーボルト10を挿通した後に、上記凹部にアンカーボルト10を係合させることによりアンカーボルト10の位置が決められる。
【0006】
次に、基礎型枠2の上面に布基礎の長さ方向に沿って定規テープ12を配置する。なお、定規テープ12は、その一方の側縁部に所定間隔毎に欠き込み部12aが形成されており、欠き込み部12aにアンカーボルト10を合わせて配置することでアンカーボルト10を基礎の所定位置に配置することができる。
【0007】
上述のようにアンカーボルト10が取り付けられたアンカーボルト支持具1を基礎型枠2上に載置する。この際には、アンカーボルト支持具1に取り付けられたアンカーボルト10の位置が、定規テープ12の欠き込み部12aの位置と一致するようにする。また、アンカーボルト支持具1の支持板4の両端部が互いに対向して配置された二つの型枠材3、3の上にそれぞれ載置された状態とするとともに、支持板4の下方に突出する規制部5、5が二つの型枠材3、3のそれぞれの内面に当接するようにする。これら規制部5、5を型枠材3、3の内面に当接させることにより、基礎型枠2に対するアンカーボルト支持具1の配置位置が確定するとともに、アンカーボルト10の左右の型枠材3、3からの距離が確定するようになっている。
【0008】
上述した従来のアンカーボルト支持具1は、その支持板4及び延出板部7の挿通孔8、9に、アンカーボルト10の小径な上端部を挿入する必要があるとともに、アンカーボルト10の下端部の径が太くて、挿通孔8、9に挿通できない状態となっているので、アンカーボルト支持具1を基礎型枠上に設置した状態で、アンカーボルト10をアンカーボルト支持具1の上側から挿通孔8、9に挿通することができない。
【0009】
さらに、アンカーボルト支持具1を基礎型枠2上に設置した状態で、アンカーボルト10の上端部を基礎型枠2内部のアンカーボルト支持具1の下側から上記挿通孔8、9に挿通しようとすると、アンカーボルト10の下端が既に硬化している基礎のベース部に当たってしまい、アンカーボルト支持具1を少し持ち上げないと、挿通できない可能性があるとともに、狭い基礎型枠2内部で、アンカーボルト10を取り扱うのが困難であり、実質的に基礎型枠2上にアンカーボルト支持具1を設置した後に、アンカーボルト支持具1にアンカーボルト10を取り付けることができない。
【0010】
したがって、上述のようにアンカーボルト支持具1にアンカーボルト10を取り付けた後に、アンカーボルト支持具1を基礎型枠2に設置する必要があるが、この場合に、アンカーボルト支持具1の実質的な重量及びサイズがアンカーボルト10により大きくなるとともに、アンカーボルト支持具1に対してアンカーボルト10ががたつくので、アンカーボルト支持具1の操作性が悪かった。
【0011】
また、基礎型枠2内にコンクリートを打設してコンクリートが硬化した後に、アンカーボルト支持具1を取り外す場合には、基礎に下端部が固定されたアンカーボルト10の上端部のナット11の螺合を解除して完全に取り外し、アンカーボルト支持具1を上側に移動してアンカーボルト10を抜き取る必要があり、一つの住宅の基礎に多数配置されたアンカーボルト10の全てからアンカーボルト支持具1を取り外すのに手間がかかっていた。
【0012】
また、アンカーボルト支持具1は、その支持板4の両端部に設けられた規制部5、5間の距離が、基礎型枠1の二つの型枠材2、2間の距離に対応しているので、基礎によって二つの型枠材2、2間の間隔が異なる場合には、規制部5、5間の距離の異なるアンカーボルト支持具1を用意する必要がある。
すなわち、一つのアンカーボルト支持具1で、厚みの異なる基礎に対応することができない。なお、基礎の厚みは、例えば、二階建ての住宅と三階建ての住宅とで異なるものが用いられる場合があり、三階建ての住宅の基礎の厚みは二階建ての住宅の基礎の厚みより厚くすることがある。また、一つの住宅においても、風呂場の周囲を囲む基礎の厚みを、他の基礎より薄くする場合がある。
【0013】
このような不具合を解消するために本出願人は、図5に示す構造をもつアンカーボルト支持具1を提案している。
このアンカーボルト支持具1は、住宅のコンクリート基礎用に対向して配置される二つの基礎型枠材3、3上に架け渡されて載置される支持板4と、該支持板4に設けられるとともに上記アンカーボルト10の側面の少なくとも上下二カ所に当接する当接部14c、15cを有して上記アンカーボルト10を所定の角度に規制する角度規制手段と、上記アンカーボルト10を上記角度規制手段の当接部14c、15cに押圧して、上記アンカーボルト10を上記当接部14c、15cとの間で挟んだ状態に挟持する押圧手段(蝶ボルト16)とを具備してなり、上記押圧手段16の押圧及び押圧の解除により、上記アンカーボルト10に対して着脱自在になっている。
【0014】
上記構成によれば、基礎型枠材3、3の上端フランジ3a、3a上に載置されたアンカーボルト支持具1にアンカーボルト10を支持させ、基礎型枠2にコンクリートを打設することにより、アンカーボルト10を基礎に取り付けることができるとともに、角度規制手段の当接部14c、15cと押圧手段16との間にアンカーボルトが挟持されるとともに、押圧手段16の押圧及び押圧の解除により、アンカーボルト支持具1がアンカーボルト10に対して着脱自在となっているので、押圧手段16の押圧を解除することにより、基礎に取り付けられたアンカーボルト10からアンカーボルト支持具1を容易に取り外すことができる。
【0015】
また、角度規制手段の当接部14c、15cと押圧手段16との間にアンカーボルト10が挟持されることにより、アンカーボルト支持具1へアンカーボルト10が取り付けられる構成となっていれば、角度規制手段の当接部14c、15cと押圧手段16との間にアンカーボルト支持具1の側方からアンカーボルト10を挿入することができる構成とすることが可能となる。そして、アンカーボルト支持具1の側方からアンカーボルト10を挿入できる切欠き14、15を設けることによって、基礎型枠2にアンカーボルト支持具1を設置する際に、アンカーボルト支持具1を基礎型枠2に設置してから、アンカーボルト支持具1にアンカーボルト10を取り付けることができる。
【0016】
したがって、アンカーボルト10が取り付けられる前の軽量でコンパクトなアンカーボルト支持具1を基礎型枠2の所定位置に設置することができるので、アンカーボルト支持具1の基礎型枠2への設置を容易に行うことができ、アンカーボルト10のアンカーボルト支持具20を用いた基礎への取り付けを容易なものとすることができる。
【0017】
また、上述したアンカーボルト支持具1では、上記支持板4から下方に延出するとともに、上記二つの基礎型枠材3、3のうちの一方の基礎型枠材3の側面に当接して、上記基礎型枠材3に対する支持板4の配置を規制する当接規制板17を設けている。このような当接規制板17が、支持板4に対して所定の角度で配置されるとともに、角度規制手段の当接部14c、15cから所定の距離に配置されていれば、当接規制板17を一方の基礎型枠材3の側面に当接させることにより、一方の基礎型枠材3に対する角度規制手段の当接部14c、15cに当接したアンカーボルト10の配置を決めることができる。
【0018】
また、一方の基礎型枠材3に対してだけ当接規制板17が当接するようになっているので、一方の基礎型枠材3に対して他方の基礎型枠材3が、アンカーボルト支持具1に支持されたアンカーボルト10までの距離にアンカーボルト10を支持するのに必要なコンクリート厚を足した距離から、支持板4が掛け渡せる距離までの範囲内に配置されていればよく、一方の基礎型枠材3と他方の基礎型枠材3との間の距離が異なっても、同じアンカーボルト支持具1を用いることができる。すなわち、厚みの異なる基礎を形成する場合でも、同じ規格のアンカーボルト支持具1で対応することができるのである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のアンカーボルト支持具1では、基礎型枠材3の上端フランジ部分に載置する支持板4の一部に設けた位置決め用の規制部5または位置決め用の当接規制板17によって位置決めしているに過ぎず、アンカーボルト10の位置決め精度を確保するうえでまだまだ不十分であった。
【0020】
すなわち、上述した後者のアンカーボルト支持具1では、アンカーボルト10が基礎の厚みの中心に配置されるとは限らず、基礎の一方の側面からアンカーボルト10までの距離が一定のものになるに過ぎない。また、支持板4を型枠材3の上端フランジ3a,3a上に単純に載置しているだけであるから、基礎の面方向における位置決めを行うための治具が必要であり、しかも支持板4がずれたりすると、アンカーボルト10の取付け位置にずれが生じるおそれもあった。
【0021】
したがって、上述した従来のアンカーボルト支持具1によれば、コンクリート基礎の厚み方向におけるアンカーボルト10の位置決めはある程度行えるものの、基礎の面方向における位置決めは、型枠材3、3上に載置する支持板4の位置に頼っているだけであり、このような点をも含めてアンカーボルト10の取付け位置精度を適切かつ確実に確保できるような何らかの対策を講じることが望まれている。
【0022】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、コンクリート基礎に対してのアンカーボルトの取付け精度を向上させることができるアンカーボルト支持具を得ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係るアンカーボルト支持具は、住宅のコンクリート基礎形成時にアンカーボルトを支持するアンカーボルト支持具であって、前記基礎用に対向して配置される二つの基礎型枠材上に架け渡されるとともに、該基礎型枠材間の間隙内に臨む段差状部分を有する支持板部材と、この支持板部材の段差状部分に設けられ、前記アンカーボルトの側面に当接する当接部を有し該アンカーボルトを所定の角度に規制する角度規制手段と、前記アンカーボルトを前記角度規制手段の当接部に押圧して、該アンカーボルトを前記当接部との間で挟んだ状態に挟持する押圧手段と、前記支持板部材の両端の前記各基礎型枠材への当接面に設けた吸着手段とを備え、前記支持板部材は、段差状部分とその両端に段差部を介して設けられ前記基礎型枠材上に載置される支持片とによって形成され、段差状部分の両端側の段差部が前記二つの基礎型枠材の内側面に当接するとともに、両端側の前記支持片に設けた吸着手段を介して着脱可能に吸着保持されることにより、該基礎型枠材に対する支持板部材の配置を規制するように構成され、前記角度規制手段は、前記支持板部材の段差状部分と、この段差状部分に下端部が設けられ該段差状部分から立設された立ち上がり部を介して該段差状部分から離間した状態で重なるように設けられる台座部を備え、これらの段差状部分と台座部には、それぞれ前記アンカーボルトを側方から同時に係入可能な切欠部が設けられ、かつそれぞれの切欠部の内縁部の所定位置が、前記角度規制手段の当接部となっており、前記台座部を支える立ち上がり部であって、前記切欠部の前記当接部となる内縁部とは反対側の部分に、ねじ体を螺合可能な雌ねじ部が設けられ、該雌ねじ部に螺合して前記アンカーボルトを前記当接部に向かって押圧可能なねじ体が、前記押圧手段として設けられ、このねじ体による押圧及び押圧解除により、前記アンカーボルトが着脱自在に保持されるように構成されていることを特徴とする。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
本発明によれば、基礎型枠材上に載置されたアンカーボルト支持具にアンカーボルトを支持させて、基礎型枠にコンクリートを打設することにより、アンカーボルトを基礎に取り付けることができるとともに、角度規制手段の当接部と押圧手段であるねじ体との間にアンカーボルトが挟持されるとともに、押圧手段であるねじ体の押圧及び押圧の解除により、アンカーボルト支持具がアンカーボルトに対して着脱自在となっているので、押圧手段であるねじ体の押圧を解除することにより、基礎に取り付けられたアンカーボルトからアンカーボルト支持具を容易に取り外すことができる。
【0030】
また、本発明によれば、上述した支持板部材中央の段差状部分を、前記型枠材間に臨ませ、その両端の段差部を該型枠材の内側面に当接させることにより位置決めするとともに、両端の支持片に設けた吸着手段で型枠材の上端部に位置決めした状態で吸着保持させて着脱可能に載置することにより、アンカーボルトを所要の状態に位置決めし、取付け精度を確保した状態で取付けることができる。
【0031】
また、本発明によれば、角度規制手段を、支持板部材の段差状部分とその上部に離間した状態で重なるように立ち上がり部を介して設けられる台座部とに切欠部を設けることにより形成した当接部によって構成することにより、アンカーボルト支持具の側方からアンカーボルトを係入させることができるので、基礎型枠にアンカーボルト支持具を設置する際に、アンカーボルト支持具を基礎型枠に設置してから、アンカーボルト支持具にアンカーボルトを取り付けることが可能となる。
【0032】
したがって、アンカーボルトが取り付けられる前の軽量でコンパクトなアンカーボルト支持具を基礎型枠の所定位置に設置することができるので、アンカーボルト支持具の基礎型枠への設置を容易に行うことができ、アンカーボルトのアンカーボルト支持具を用いた基礎への取り付けを容易なものとすることができる。なお、上記支持板部材は、対向して配置される二つの基礎型枠材上に架け渡されて載置可能で、かつ、アンカーボルトの荷重を支持可能なものであれば、その厚み、材質等は特に限定されるものではないが、例えば、矩形状の板体を用い、これを上述したような段差状部分を有する形状に折曲げ形成することができればよい。
【0033】
また、上記角度規制手段は、アンカーボルトの側面の上下二カ所に当接する当接部を有するものならば、その形状や材質を限定されるものではない。
たとえば角度規制手段としては、支持板部材の段差状部分に立設される柱状もしくは板状やその他形状のものでも良く、その側面がアンカーボルトの側面の上下二カ所に当接するようになっていればよい。
【0034】
【0035】
また、角度規制手段の当接部にアンカーボルトを当接させる際に、支持板部材が邪魔になる場合には、支持板部材にアンカーボルトを挿通可能な挿通孔や切欠部を設ける必要がある。このとき、支持板部材に挿通孔を設けた場合には、アンカーボルト支持具の側方からアンカーボルトをアンカーボルト支持具に取り付けることが困難になるので、角度規制手段の当接部にアンカーボルトを当接させる際に、支持板部材が邪魔になる場合には、望ましくは支持板部材の側方からアンカーボルトを挿入可能となるように支持板部材の側方に開口する切欠部を設けることが好ましい。
【0036】
また、上記押圧手段は、アンカーボルトを角度規制手段の当接部にアンカーボルトを押し付けて角度規制手段と押圧手段であるねじ体との間にアンカーボルトを挟持することができれば、どのような構成でもよく、たとえば弾性部材の弾性力によりアンカーボルトを押圧するものや、ねじがアンカーボルトに向かって螺合される雌ねじ部を設け、該雌ねじ部に螺合されたねじを締め付けることにより、アンカーボルトを押圧するものでもよい。
【0037】
また、本発明によれば、アンカーボルトを側方から支持板部材と台座部とで同時に挿入可能な切欠部を設け、これら支持板部材および台座部のそれぞれの切欠部の内縁部の所定位置が、角度規制手段の当接部となっているので、支持板部材に設けた切欠部の内縁部の所定位置と、台座部に設けられた切欠部の内縁部の所定位置との上下二カ所において、アンカーボルトの側面の上下二カ所に当接することで、アンカーボルトを所定の角度、例えば、垂直にすることができる。
【0038】
また、上記切欠部が側方からアンカーボルトを係入可能となっているので、上述のようにアンカーボルト支持具を基礎型枠に設置した後に、アンカーボルト支持具の側方からアンカーボルトをアンカーボルト支持具の切欠部の所定位置の当接部の位置にセットすることができる。なお、立ち上がり部は、台座部を支持できるものならばどのような形状、材質でもよいが、たとえば台座部と一体の板体とすれば、これを容易に製造することができる。
【0039】
また、台座部も、当接部となる部分にアンカーボルトを支持するだけの強度があれば、どのような形状の板体でも、どのような材質でもよい。また、上記切欠部の形状は、アンカーボルト支持具の側方からアンカーボルトを係入可能な形状ならば特に限定されるものではないが、アンカーボルトが当接する当接部となる部分が、アンカーボルトが当接した状態で安定する形状、例えば、円弧上の凹部やV字状の凹部となっていることが好ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は本発明に係るアンカーボルト支持具の一つの実施の形態を示すものであり、これらの図において、前述した図4、図5と同一または相当する部分には同一番号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0041】
これらの図において、符号20はアンカーボルト支持具の一例を示し、このアンカーボルト支持具20は、図1〜図3に示すように、基礎型枠2の対向して配置される二つの型枠材3、3上に架け渡されて配置される支持板部材20Aを備える。この支持板部材20Aは、全体が略矩形状を呈する板材を折曲げ形成することにより形成され、その中央部の段差状部分23が前記型枠材3,3間の間隙に臨み、両端の段差部23a,23bが該型枠材3,3の内側面に当接することにより、型枠材3の内面に対して支持板部材20Aの長さ方向が直角になるようになり、該支持板部材20Aの位置決めを行う当接規制手段として機能する。
【0042】
前記支持板部材20Aの両端の支持片21,22は、前記型枠材3,3の上端フランジ3a,3a上に載置される部分であり、その裏面には、吸着手段としてマグネット24,25が付設されている。これにより、マグネット24,25の吸着作用により、支持板部材20Aは、型枠材3,3の上端部に基礎の面方向における位置決めも所要の状態で行える。
【0043】
すなわち、このアンカーボルト支持具20によれば、支持板部材20Aの段差状部分23の段差部23a,23bにより基礎の厚み方向の位置決めが、支持片21,22のマグネット24,25により基礎の面方向の位置決めが行える。したがって、このアンカーボルト支持具20は、所要の状態で基礎を形成するための型枠材3,3上に取付けることができるのである。
【0044】
前記支持板部材20A上には、立ち上がり部26を有する台座部26aが設けられる。ここでは、台座部26aが、支持板部材20A上に所定の間隔をおいて平行する部分を形成する形状を呈するように板材からの折曲げによって形成されて一体的に固定されている。そして、これらの部分で、前記アンカーボルト10の側面の少なくとも上下二カ所に当接する当接部27a,28aを有し該アンカーボルト10を所定の角度、ここでは垂直に規制する角度規制手段が設けられ、さらにアンカーボルト10を該角度規制手段の当接部27a,28aに押圧して、該アンカーボルト10を前記当接部27a,28aとの間で挟んだ状態に挟持する押圧手段として、蝶ボルト29が設けられている。
【0045】
前記角度規制手段を構成する前記段差状部分23と台座部26aには、それぞれ前記アンカーボルト10を側方から同時に係入可能な切欠部27,28が設けられ、かつそれぞれの切欠部27,28の内縁部の所定位置が、前記角度規制手段の当接部27a,28aとなっている。
【0046】
また、前記台座部26aを支える立ち上がり部26であって、前記切欠部27,28の前記当接部27a,28aとなる内縁部とは反対側の部分に、ねじ体を螺合可能な雌ねじ部29aが設けられている。該雌ねじ部29aに螺合して前記アンカーボルト10を前記当接部27a,28aに向かって押圧可能なねじ体である蝶ボルト29が、押圧手段として設けられている。
【0047】
なお、支持板部材20Aの両端縁部には、V字状の切り込み部が形成され、たとえば二つの型枠材3、3のフランジ3a、3aの上面にアンカーボルト支持具20の設置位置を示す目印として型枠材3、3の長さ方向に直交する直線を引いた場合に、上述の切り込み部から直線の両端部を目視で確認できるようになっている。
【0048】
また、支持板部材20Aには、その中央部に支持板部材20Aの一方の側縁に開口する切欠部27が設けられている。上記切欠部27は、支持板部材20Aの一方の側縁に開口する半円状の凹部である半円部と、半円部から支持板部材20Aの他方の側縁に向かって支持板部材20Aの幅の略半分の位置まで延出する帯部と、帯部の後端部側縁に設けられた円弧状の凹部である当接部27aとからなる。なお、台座部26a側の切欠部28も同様な構造になっていることは言うまでもない。
【0049】
前記半円部は、その径がアンカーボルト10の径よりも二倍程度以上大きくなっており、容易に支持板部材20Aの一方の側縁側からアンカーボルト10を切欠部27の入口部分に挿入できるとともに帯部側に案内するようになっている。また、帯部は、その幅がアンカーボルト10の径よりも僅かに広くなっており、帯部に沿ってアンカーボルト10を切欠部27の奥に案内するようになっている。当接部27aとなる円弧状の凹部は、アンカーボルト10の外周面に対応するものとなっており、当接部27aの内側縁部がアンカーボルト10の外周面に当接した状態でアンカーボルト10が安定した状態となるようになっている。
【0050】
なお、上述した台座部26aを支持する立ち上がり部26の下端は、外側に組って直角に折曲げられ、支持板部材20Aに対してビス止め、溶接もしくは接着等により接合される接合部となる部分である。また、立ち上がり部26の一部に設けた雌ねじ部29aとしては、ナットを溶接により設けてもよいし、板材をボス状に孔明けすることにより雌ねじ部を形成するようにしてもよい。
【0051】
次に、上記アンカーボルト支持具20を用いた住宅の基礎へのアンカーボルト10の取り付け方法を説明する。
まず、たとえば基礎型枠(基礎のベース部分上に形成される立ち上がり部の型枠)2の型枠材3、3を建て込む。次に、型枠材3、3上に型枠材3、3の長さ方向に沿って、従来の技術で述べたと同様の定規テープ(図示せず)を配置する。次に、アンカーボルト支持具20を基礎型枠2上に設置することになるが、この際には、定規テープの凹部の位置と、アンカーボルト支持具20の支持板部材20Aに形成された切欠部27の当接部27cとなる凹部の位置とが一致するようにする。そして、この状態で、支持板部材20Aは、支持片21,22のマグネット24,25により適正な位置に吸着されることにより位置決めされて取付けられることになる。
【0052】
なお、蝶ボルト26は、予めアンカーボルト支持具20に取付けておいてもよいし、後から取付けるようにしてもよい。また、上述したように支持板部材20Aを取付けるときには、前記段差状部分23が型枠材3,3間の間隙に一部が臨んだ状態で取付けられ、その時に基礎の厚み方向の位置決めが行われる。
【0053】
このようにアンカーボルト支持具20を基礎型枠2に設置する際に、アンカーボルト支持具20にアンカーボルト10を取り付ける必要がないので、アンカーボルト支持具20を容易に取り扱うことができ、アンカーボルト支持具20を基礎型枠2の所定位置に容易に設置することができる。
【0054】
次に、アンカーボルト10をアンカーボルト支持具10の側方から支持板部材20A及び台座部26aの切欠部27、28に、その側方の開口から係入させる。そして、アンカーボルト10を切欠部27、28の半円部から帯部に入れ、さらに、当接部27a、28aにアンカーボルト10の側面の上下二カ所が当接するようにする。
【0055】
次に、この状態で、蝶ボルト29をねじ込み、図1及び図2に示すように、蝶ボルト29の先端部と上記当接部27a、28aとの間にアンカーボルト10を挟持した状態とする。
次に、基礎型枠2の型枠材3、3の間にコンクリートを打設する。そして、基礎となるコンクリートが硬化し、基礎にアンカーボルト10が取り付けられた状態となったら、コンクリート支持具20の蝶ボルト29を緩めるようにまわすことで、コンクリート支持具20によるアンカーボルト10の挟持を解除し、コンクリート支持具20を取り外す。
【0056】
この際には、蝶ボルト29を僅かにまわすだけで、アンカーボルト10の挟持を解除してコンクリート支持具20を取り外すことができるので、極めて容易に基礎に固定されたアンカーボルト10からコンクリート支持具20を取り外すことができ、基礎の全てのアンカーボルト10からコンクリート支持具20を外すものとしても、短時間で外すことができる。
【0057】
以上のように、この一例のアンカーボルト支持具20によれば、アンカーボルト支持具20を基礎型枠2に設置してから、アンカーボルト10をアンカーボルト支持具20の側方から、アンカーボルト支持具20にアンカーボルト10を設置することができるので、アンカーボルト10が取り付けられていないアンカーボルト支持具20を基礎型枠2に設置することができ、アンカーボルト支持具の基礎型枠2への設置を容易なものとすることができる。
【0058】
また、上述のようにアンカーボルト支持具20には、基礎型枠2の両側の型枠材3,3の内側面に当接する段差部23a,23bを設けているから、基礎の厚み方向での位置決めが確実で、面方向の位置決めも支持片21,22に設けたマグネット24,25で適切に行えるから、アンカーボルト10の基礎に対しての取付け精度が大幅に向上することになる。さらに、蝶ボルト29を操作するだけで、アンカーボルト10から支持具20を簡単に取り外したり、取り付けたりすることができるから、作業性の面でも有利である。
【0059】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。たとえば支持板部材20A、台座部26a、さらに切欠き部27,28等の形状や構造を適宜変更してもよいことは勿論である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るアンカーボルト支持具によれば、基礎型枠材上に載置されたアンカーボルト支持具にアンカーボルトを支持させて、基礎型枠にコンクリートを打設することにより、アンカーボルトを基礎に取り付けることができるとともに、角度規制手段の当接部と押圧手段であるねじ体との間にアンカーボルトを挟持するとともに、押圧手段であるねじ体の押圧及び押圧の解除によりアンカーボルト支持具がアンカーボルトに対して着脱自在となっているから、押圧手段であるねじ体の押圧を解除することで基礎に取り付けられたアンカーボルトからアンカーボルト支持具を容易に取り外すことができる。
【0061】
特に、本発明によれば、上述した支持板部材中央の段差状部分を、前記型枠材間に臨ませ、その両端の段差部を該型枠材の内側面に当接させることにより位置決めするとともに、さらにその両端に設けた吸着手段で型枠材の上端部に位置決めした状態で吸着保持させて着脱可能に載置することにより、アンカーボルトを所要の状態に位置決めし、取付け精度を確保した状態で取付けることができる。したがって、アンカーボルトの取付け精度を従来に比べて向上させることが簡単に行える。
【0062】
また、本発明によれば、角度規制手段を、支持板部材の段差状部分とその上部に離間した状態で重なるように立ち上がり部を介して設けられる台座部とに切欠部を設けることにより形成した当接部によって構成することにより、アンカーボルト支持具の側方からアンカーボルトを係入させることができるので、基礎型枠にアンカーボルト支持具を設置する際に、アンカーボルト支持具を基礎型枠に設置してから、アンカーボルト支持具にアンカーボルトを取り付けることが可能となる。
【0063】
したがって、アンカーボルトが取付けられる前の軽量でコンパクトなアンカーボルト支持具を基礎型枠の所定位置に設置することができるので、アンカーボルト支持具の基礎型枠への設置を容易に行うことができ、アンカーボルトのアンカーボルト支持具を用いた基礎への取り付けを容易なものとすることができる。
【0064】
また、本発明によれば、アンカーボルトを側方から支持板部材と台座部とで同時に係入可能な切欠部を設け、それぞれの切欠部の内縁部の所定位置を、角度規制手段の当接部とすることにより、支持板部材に設けた切欠部の内縁部の所定位置と、台座部に設けた切欠部の内縁部の所定位置との上下二カ所において、アンカーボルトを当接させることで、アンカーボルトを所定の角度、たとえば垂直にすることができる。また、切欠部が側方からアンカーボルトを挿入可能となっているので、アンカーボルト支持具を基礎型枠に設置した後に、アンカーボルト支持具の側方からアンカーボルトをアンカーボルト支持具の切欠部の所定位置の当接部の位置にセットすることができる。
【0065】
また、本発明によれば、アンカーボルトを押圧手段であるねじ体により切欠部の凹部に押し付けることでアンカーボルトを挟持することができる。さらに、アンカーボルトをアンカーボルト支持具の側方から切欠部に挿入して、挟持することができるので、アンカーボルト支持具を基礎型枠に設置してからアンカーボルト支持具にアンカーボルトを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアンカーボルト支持具の一つの実施の形態を示す概略斜視図である。
【図2】 図1のアンカーボルト支持具の概略側断面図である。
【図3】 図1、図2のアンカーボルト支持具を示し、(a),(b),(c)は正面図、平面図および側面図である。
【図4】 従来のアンカーボルト支持具の一例を示す概略斜視図である。
【図5】 従来のアンカーボルト支持具の別の例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
2…基礎型枠、3…型枠材、3a…上端フランジ、10…アンカーボルト、20…アンカーボルト支持具、20A…支持板部材、21,22…支持片、23…段差状部分、23a,23b…段差部、24,25…マグネット(吸着手段)、26…立ち上がり部、26a…台座部、27,28…切欠部、27a,28a…当接部(角度規制手段)、29…蝶ボルト(ねじ体;押圧手段)。

Claims (1)

  1. 住宅のコンクリート基礎形成時にアンカーボルトを支持するアンカーボルト支持具であって、
    前記基礎用に対向して配置される二つの基礎型枠材上に架け渡されるとともに、該基礎型枠材間の間隙内に臨む段差状部分を有する支持板部材と、
    この支持板部材の段差状部分に設けられ、前記アンカーボルトの側面に当接する当接部を有し該アンカーボルトを所定の角度に規制する角度規制手段と、
    前記アンカーボルトを前記角度規制手段の当接部に押圧して、該アンカーボルトを前記当接部との間で挟んだ状態に挟持する押圧手段と、
    前記支持板部材の両端の前記各基礎型枠材への当接面に設けた吸着手段とを備え、
    前記支持板部材は、段差状部分とその両端に段差部を介して設けられ前記基礎型枠材上に載置される支持片とによって形成され、段差状部分の両端側の段差部が前記二つの基礎型枠材の内側面に当接するとともに、両端側の前記支持片に設けた吸着手段を介して着脱可能に吸着保持されることにより、該基礎型枠材に対する支持板部材の配置を規制するように構成され、
    前記角度規制手段は、前記支持板部材の段差状部分と、この段差状部分に下端部が設けられ該段差状部分から立設された立ち上がり部を介して該段差状部分から離間した状態で重なるように設けられる台座部を備え、
    これらの段差状部分と台座部には、それぞれ前記アンカーボルトを側方から同時に係入可能な切欠部が設けられ、かつそれぞれの切欠部の内縁部の所定位置が、前記角度規制手段の当接部となっており、
    前記台座部を支える立ち上がり部であって、前記切欠部の前記当接部となる内縁部とは反対側の部分に、ねじ体を螺合可能な雌ねじ部が設けられ、該雌ねじ部に螺合して前記アンカーボルトを前記当接部に向かって押圧可能なねじ体が、前記押圧手段として設けられ、このねじ体による押圧及び押圧解除により、前記アンカーボルトが着脱自在に保持されるように構成されていることを特徴とするアンカーボルト支持具。
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