JP4746202B2 - 耐炎フィルター材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理場や台所などで用いる換気扇やレンジフードなどのように、耐炎性が要求される場所で使用する場合に好適な耐炎フィルター材に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐炎性が要求される場所、例えば、調理場や台所において、換気扇、レンジフードに調理時などに発生する油煙や塵埃を捕集するために、従来より難燃性の合成繊維を使用した換気扇フィルターやレンジフードフィルターが知られている。しかし、このようなフィルターはフランベなどで発生する炎などにより高熱がかかると著しく収縮したり、溶融したりして穴があき、フィルター材としての機能を失うことがあった。そこで、このような課題を解決するフィルター材として、本出願人は特開平09−038429号公報には、芳香族ポリアミド系繊維を主体とする繊維ウェブを難燃性熱可塑性樹脂で結合した耐熱性のフィルター材を開示した。また、特開平09−253428号公報には、ノボロイド繊維などの耐炎性有機繊維を主体とする繊維ウェブを難燃性熱可塑性樹脂で結合したことを特徴とするフィルター素材を開示した。しかし、これらのように有機質の耐熱性または耐炎性の繊維を使用したとしても、数回にわたりフランベなどで発生する炎に当ると、フィルター材の強度劣化が進み易いという問題があった。一方、特開平05−168830号公報には、ガラス繊維製フィルタ素材に、リン酸グアニジンを主成分とする難燃剤を付着させたことを特徴とする難燃化されたレンジフードフィルタが開示されており、また使用形態として織布や不織布によって補強されることが開示されている。しかし、フィルター材の繊維がガラス繊維100%である場合は、フィルター材に可撓性がなくガラス繊維が折れてガラス繊維の破片が飛散して、手や体に刺さるなどの問題があり、取り扱いに注意が必要であった。また、合成繊維が含まれたフィルター材では可能な熱成形ができず、加工性に劣るなどの問題があった。また、フィルター材の繊維がガラス繊維100%である場合、このようなフィルター材を不織布の乾式法で製造しようとすると、ガラス繊維に捲縮がかかっていないのでカード機を使用すると開繊性が悪く、繊維ウエブとするのが困難であった。仮に繊維ウエブとすることができたとしても、繊維ウエブは不均一となり、嵩高にならなかった。そして、その繊維ウエブの繊維同士を結合したフィルター材に通風すると圧力損失が高くなってしまうという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来技術の欠点を解消すべくなされたものであり、調理場などで炎などによる高熱を受けても、従来の有機質の耐熱性または耐炎性の繊維を用いたフィルター材と比べて耐久性が向上し、且つガラス繊維を100%用いたフィルター材に近い耐炎性と耐久性を持ち、しかも取り扱いが容易で、更に通風時の圧力損失も低い耐炎フィルター材を提供することを目的とする。また製造するに際し、カード機による開繊性も良好で容易に繊維ウエブとすることができ、更に熱成形性などの加工性にも優れた耐炎フィルター材を提供することを目的とする。
【0004】
【発明を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段は、本発明の特許請求の範囲に記載した構成に基く耐炎フィルター材による。
【0005】
請求項1の発明は、SiO、NaO、KO、Al、CaO、MgO、Fe、B、TiO、ZrOなどの組成からなるガラス繊維から、SiOとAl以外の成分を、必要量除くことにより得られる変成シリカ繊維であって、SiO成分が85〜99重量%であり、Al成分が1〜10重量%であり、SiO及びAl以外の成分が0〜10重量%であり、繊度が0.5デシテックスを超え10デシテックス以下であり、繊維長が10〜100mmである変成シリカ繊維が5〜95重量%と、繊維長が15〜100mmである捲縮された合成繊維からなる有機質繊維が95〜5重量%と、を混合した後カード機によって開繊して得られた繊維ウエブの繊維同士が絡合及び/又は結合してなり、面密度が10〜150g/m であり、風速2m/秒の時の圧力損失が30Pa以下であることを特徴とする耐炎フィルター材である。
【0006】
請求項2の発明は、前記変成シリカ繊維の、SiO成分が90〜98重量%であり、Al成分が2〜5重量%であり、SiO及びAl以外の成分が0〜5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の耐炎フィルター材であり、特に耐久性が要求される換気扇やレンジフードのフィルターとして優れている。
【0007】
請求項3の発明は、前記繊維ウエブが、前記変成シリカ繊維が20〜80重量%と前記有機質繊維が80〜20重量%とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の耐炎フィルター材であり、特に製造し易く、また熱成形性が要求される換気扇やレンジフードのフィルターとして優れている。
【0008】
請求項4の発明は、前記繊維ウエブが、前記変成シリカ繊維が20〜60重量%と前記有機質繊維が80〜40重量%とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の耐炎フィルター材であり、特に通気性が要求される換気扇やレンジフードのフィルターとして優れている。
【0009】
請求項5の発明は、前記有機質繊維が難燃性を有する繊維を一部又は全部に含むことを特徴とする請求項1〜4に記載の耐炎フィルター材であり、該耐炎フィルター材に油煙や塵埃が付着しても、難燃性に優れる効果がある。
【0010】
請求項6の発明は、前記繊維ウエブの繊維同士が難燃性を有する接着剤で結合してなることを特徴とする1〜5に記載の耐炎フィルター材であり、該耐炎フィルター材に油煙や塵埃が付着しても、難燃性に優れる効果があり、特に換気扇やレンジフードのフィルターとして優れている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、SiO成分が85〜99重量%であり、Al成分が1〜10重量%であり、SiO及びAl以外の成分が0〜10重量%であり、繊維長が10〜100mmである変成シリカ繊維が5〜95重量%と、繊維長が15〜100mmである捲縮された有機質繊維が95〜5重量%とからなる繊維ウエブの繊維同士が絡合及び/又は結合してなることを特徴とする耐炎フィルター材である。
【0012】
前記変成シリカ繊維は、SiO 、NaO、KO、Al、CaO、MgO、Fe、B、TiO、ZrOなどの組成からなるガラス繊維を酸洗いにより、SiOとAl以外の成分を、必要量除くことにより得られる繊維であり、出発原料のガラス繊維よりも耐熱性に優れている。本発明では、変成シリカ繊維の組成はSiO成分が85〜99重量%であり、Al成分が1〜10重量%であり、SiO及びAl以外の成分が0〜10重量%である。また、変成シリカ繊維の組成が、SiO成分が90〜98重量%であり、Al成分が2〜5重量%であり、SiO及びAl以外の成分が0〜5重量%である場合は、本発明の耐炎フィルター材がより耐炎性に優れるため好ましい。また、変成シリカ繊維の繊維長は10〜100mmであり、20〜75mmがより好ましい。また変成シリカ繊維の繊度は0.5〜10デシテックスであり、1〜5デシテックスが好ましい変成シリカ繊維の繊維長や繊度が、このような範囲にあると、例えば乾式法不織布の製法を用いた場合、均一な繊維ウエブを得ることができるので、均一な構造の耐炎フィルター材を得ることができる。
【0013】
前記有機質繊維は、例えば、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維などの合成繊維である。合成繊維の場合耐炎フィルター材の熱成形加工などを容易に行なうことができるので特に好ましい。また合成繊維が熱接着性の繊維であってもよい。このような熱接着性の繊維には、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維や、他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維がある。このような複合繊維には、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型等の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。
【0014】
また、前記有機質繊維が難燃性を有する例えば、ポリクラール繊維やモダアクリル繊維を該有機質繊維の一部又は全部として含む場合、例えば、図4に例示する調理場や台所などで用いる換気扇用フィルター材や図4に例示するレンジフード用のフィルター材として本発明の耐炎フィルター材を使用すると、使用中に油煙や塵埃が付着しても、難燃性に優れるという効果があり好ましい。また、前記有機質繊維が、耐熱性を有する芳香族ポリアミド系繊維などや耐炎性を有するノボロイド繊維、アクリル系耐炎化繊維、メラミン系耐炎化繊維などを該有機質繊維の一部又は全部として含む場合、調理場の炎などにより高熱がかかっても著しく収縮して変形したりすることがなく、また溶融したりしにくく、穴があくことがほとんどなく、より好ましい効果がある。
【0015】
前記有機質繊維は、捲縮されていることが必要であるが、捲縮の形態や度合いなどは通常の乾式法で使用される捲縮加工の程度で構わない。また、該有機質繊維の太さは1.0〜50デシテックスが好ましく、3〜30デシテックスが更に好ましい。また、有機質繊維の繊維長は15〜100mmであり、25〜75mmがより好ましい。
【0016】
本発明において繊維ウエブは、変成シリカ繊維が5〜95重量%と、有機質繊維が95〜5重量%とからなる。このような重量比率であるので、繊維ウエブが有機質繊維100重量%からなるフィルター材の耐炎性以上の耐炎性を発揮できる。また、変成シリカ繊維には捲縮がかかっていなくても、本発明では捲縮のある有機質繊維を5重量%以上含むため、例えば乾式法不織布の製法を用いる場合、カード機により該変成シリカ繊維と該有機質繊維の混合繊維原料を開繊して、繊維ウエブとすることが容易となり、地合の良好な繊維ウエブを得ることができる。その結果、地合の良好な耐炎フィルター材を得ることができる。また、本発明の耐炎フィルター材は、有機質繊維を含むため、特に該有機質繊維が熱可塑性の合成繊維である場合は、熱シールや超音波シールなどの後加工が可能または容易となり、該耐炎フィルター材のプリーツ加工やフィルター枠との一体加工などが容易となる。また、本発明では繊維ウエブが捲縮のある有機質繊維を5重量%以上含むため、繊維ウエブがガラス繊維または変成シリカ繊維100重量%の場合と比較して、繊維ウエブの厚さが厚く、嵩高である。そのため、本発明の耐炎フィルター材は、通風時の圧力損失が低く、フィルターの寿命が長い。繊維ウエブの変成シリカ繊維が5重量%未満であるフィルター材の場合は、繊維ウエブが有機質繊維100重量%からなるフィルター材の耐炎性と同等の耐炎性しか発揮できない。また、繊維ウエブの変成シリカ繊維が95重量%を超えると、変成シリカ繊維には捲縮がかかっていないので、また有機質繊維がほとんど含まれていないので、乾式法不織布の製法を用いて本発明の耐炎フィルター材を製造しようとしても、カード機により混合繊維を開繊して繊維ウェブとすることが困難である。また、仮に繊維ウェブができたとしても地合の悪い混合繊維ウェブしか得ることができない。その結果、地合の悪いフィルター材しか得られない。また、このフィルター材は、有機質繊維をほとんど含んでいないため、例えば、プリーツ加工や図2〜図5に例示するようなフィルター枠との一体加工などの後加工が困難となる。また、捲縮のある有機質繊維をほとんど含まないので、フィルター材の厚さが薄く、緻密となる。そのため、このフィルター材は、通風時の圧力損失が高く、フィルターの寿命が短くなってしまう。
【0017】
本発明において繊維ウエブは、好ましくは、変成シリカ繊維が20〜80重量%と、有機質繊維が80〜20重量%とからなる。このような重量比率であることにより、前記の耐炎フィルター材としての特性や効果がより顕著となる。すなわち、ガラス繊維100重量%の繊維ウエブからなるフィルター材とほぼ同等の耐炎性を発揮することができる。また、捲縮のある有機質繊維を20重量%以上含むため、乾式法不織布の製法を用いて耐炎フィルター材を製造する場合は、カード機により混合繊維を開繊して、繊維ウェブとすることがより容易となり、地合のより良好な繊維ウェブを得ることができる。その結果、地合のより良好な耐炎フィルター材を得ることができる。また、熱シールや超音波シールなどの後加工がより容易となるため、耐炎フィルター材のプリーツ加工やフィルター枠との一体加工などがより容易となる。また、捲縮のある有機質繊維を20重量%以上含むため、繊維ウェブがより嵩高となり、フィルター材の通風時の圧力損失をより低く抑えることができ、フィルターの寿命をより延ばすことができる。それゆえ、図4に例示する調理場や台所などで用いる換気扇や図2に例示するレンジフード用のフィルター材として、とくに適している。すなわち、換気扇やレンジフード用のフィルター材として好適な、面密度が10〜150g/mで、見かけ密度が0.005〜0.07g/cmの要求値を容易に満たすことができる。ちなみに、フィルター材の面密度が150g/mよりも大きい場合は、圧力損失が大きくなりすぎて換気扇やレンジフードに必要な排気力が得られなくなることがあり、一方、面密度が10g/m未満である場合は油煙や塵埃の捕集が十分行えなくなることがある。
【0018】
本発明において繊維ウエブは、さらに好ましくは、変成シリカ繊維が20〜60重量%と、有機質繊維が80〜40重量%とからなる。このような繊維ウエブとすることにより、ガラス繊維100重量%の繊維ウエブからなるフィルター材とほぼ同等の耐炎性を発揮できるのみならず、換気扇やレンジフード用のフィルター材として、さらに好適な、面密度が10〜150g/mであり、見かけ密度が0.005〜0.07g/cmであり、且つ風速2m/秒の時の圧力損失が30Pa以下(本発明ではマノメーターを使用して測定した値を用いる)の要求を容易に満たすことができる。
【0019】
本発明の耐炎フィルター材は、繊維ウエブの繊維同士が絡合及び/又は結合している。すなわち、繊維ウエブの繊維同士がニードルパンチ法や水流絡合法などの手段によって絡合していてもよい。また、繊維ウエブに熱接着性繊維が含まれる場合は、繊維ウエブの繊維同士が、その熱接着性繊維によって熱接着され、結合していてもよい。また、繊維ウエブの繊維同士が合成樹脂などの接着剤によって接着され結合していてもよい。更にまた、例えば繊維ウエブの繊維同士がニードルパンチ法や水流絡合法などの手段によって絡合された後、熱接着性繊維や合成樹脂などの接着剤によって接着され結合していてもよい。
【0020】
本発明において繊維ウエブの繊維同士が絡合している場合は、繊維ウェブの強度が高くなり耐久性が向上するが、その反面繊維ウェブの密度が高くなりフィルター材としての寿命が短くなる傾向があるので、例えばレンジフード用や換気扇用など低い圧力損失が要求されるフィルター材の場合は絡合の度合いを低くくしたものが好適である。
【0021】
本発明において繊維ウエブの繊維同士が、熱接着性繊維によって熱接着され、結合している場合は、繊維のみで強度や形態を保持しているため、合成樹脂の接着剤によって結合している場合と比較して、フィルター材のみかけ密度が低くなり、圧力損失が低くなる効果があり、その結果フィルターとしての寿命を長くしたり、面密度を高くして油煙や塵埃の捕集効率を向上させることができる。
【0022】
本発明において繊維ウエブの繊維同士が、合成樹脂の接着剤によって接着され、結合している場合、接着剤:繊維ウェブの重量割合は、10:90〜80:20、より好ましくは20:80〜70:30の範囲にあることが望ましく、樹脂の量が80重量%以上となると、繊維間の空隙を樹脂が塞ぐため圧力損失が大きくなりすぎることがあり、樹脂の量が10重量%以下となるとフィルター材の強度が不足したり、アルミ枠などに熱シールや超音波シールにより取り付けた場合にシール強度が不足することがある。このような合成樹脂の接着剤による結合の方法としては、例えば、合成樹脂をエマルジョンなどの溶液として、繊維ウエブにスプレー、コーティング、含浸などによって付与して、乾燥することによって繊維を結合する方法がある。また、合成樹脂が熱可塑性の合成樹脂である場合は、熱シールや超音波シールなどの後加工がより容易となるため、耐炎フィルター材のプリーツ加工やフィルター枠との一体加工などがより容易となる。
【0023】
前記合成樹脂の接着剤が難燃性を有する合成樹脂の接着剤である場合は、例えば、調理場や台所などで用いる換気扇用フィルター材やレンジフード用のフィルター材として使用した場合、使用中に油煙や塵埃が付着しても、難燃性により優れるという効果があり好ましい。このような難燃性を有する合成樹脂の接着剤には、例えば難燃性の熱可塑性樹脂があり、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などの高分子構造の繰り返し単位にハロゲン元素を有する樹脂、またはポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂に難燃剤を加えた樹脂などが使用できる。難燃剤としては、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤などが使用できる。また、難燃性を有する合成樹脂の接着剤の使用量や合成樹脂に添加する難燃剤の使用量は、例えば耐炎フィルター材に対して油が50g/m付着した時や、100g/m付着した時を想定して、要求される難燃性の程度に応じて適宜選択して用いることができる。さらにまた、有機質繊維が耐熱性または耐炎性の繊維を含み、しかも繊維ウエブの繊維同士が難燃性を有する接着剤で結合した耐炎フィルター材は、燃えることがなく、高熱を受けて炭化することはあっても繊維同士の結合は維持でき、初期強度を維持することができる。
【0024】
本発明の耐炎フィルター材をレンジフード用フィルターや換気扇用フィルターとして使用した例を図1〜図5に示す。これらの図に示すように、耐炎フィルター材1はレンジフード用フィルターや換気扇用フィルターの取り付け用の枠などに熱シールや超音波シールなどにより取り付ける。例えば、アルミフレーム5などが枠として使用される場合、アルミフレーム4表面に塩化ビニル樹脂などのフィルム6を設けておくと、熱シールや超音波シールなどによってシール部7を形成することにより、フィルター材1を簡便に、しかも強固に枠に取り付けることができる。フィルター材を取り付けたレンジフード用フィルター又は換気扇用フィルターは各々レンジフィルター又は換気扇に装着される。ただし、本発明の耐炎フィルター材は必ずしも熱シールによってレンジフードや換気扇のフィルター取り付け用の枠などに取り付ける必要はなく、レンジフードや換気扇のタイプに合せて、両面テープや面ファスナーや磁石などの固定具を用いて取り付けてもよいし、レンジフードや換気扇に予め設けられた取り付け機構により取り付けてもよい。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
SiO成分が94.5重量%であり、Al成分が4.5重量%であり、SiO及びAl以外の成分が1重量%である変成シリカ繊維(ベルケム社製 商品名 ベルコテックス)1.33デシテックス×52mm 50重量%と、捲縮度が9個/インチのポリエステル繊維15デシテックス×51mm 50重量%とを混合した後、カード機により繊維ウェブを得た。次に、この繊維ウェブにニードルパンチを行ない、繊維同士が絡合した面密度30g/mの耐炎フィルター材を得た。
(比較例1)
実施例1において、変成シリカ繊維を3重量%、ポリエステル繊維を97重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、絡合により結合した面密度30g/mのフィルター材を得た。
【0026】
(実施例2)
SiO成分が94.5重量%であり、Al成分が4.5重量%であり、SiO及びAl以外の成分が1重量%である変成シリカ繊維(ベルケム社製 商品名 ベルコテックス)1.33デシテックス×52mm 50重量%と、捲縮度が10個/インチの難燃性ポリエステル繊維(帝人社製 商品名 トレビラ)6.6デシテックス×51mm 50重量%とを混合した後、カード機により繊維ウェブを得た。次に、この繊維ウェブにニードルパンチを行ない、繊維同士が絡合した面密度20g/mの耐炎フィルター材を得た。
(比較例2)
実施例2において、変成シリカ繊維を3重量%、難燃性ポリエステル繊維を97重量%としたこと以外は実施例2と同様にして、絡合により結合した面密度20g/mのフィルター材を得た。
【0027】
(実施例3)
SiO成分が94.5重量%であり、Al成分が4.5重量%であり、SiO及びAl以外の成分が1重量%である変成シリカ繊維(ベルケム社製 商品名 ベルコテックス)1.33デシテックス×52mm 50重量%と、捲縮度が9個/インチの芯鞘型の熱接着性ポリエステル繊維(ユニチカ社製商品名 ユニチカメルティー)15デシテックス×64mm 50重量%とを混合した後、カード機により繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを130℃に加熱して、熱接着性繊維により結合した面密度30g/mの耐炎フィルター材を得た。
(実施例4)
実施例3において、変成シリカ繊維を75重量%、熱接着性ポリエステル繊維を25重量%としたこと以外は実施例3と同様にして、絡合により結合した面密度30g/mの耐炎フィルター材を得た。
(実施例5)
実施例3において、変成シリカ繊維を25重量%、熱接着性ポリエステル繊維を75重量%としたこと以外は実施例3と同様にして、絡合により結合した面密度30g/mの耐炎フィルター材を得た。
(比較例3)
実施例3において、変成シリカ繊維を3重量%、熱接着性ポリエステル繊維を97重量%としたこと以外は実施例3と同様にして、絡合により結合した面密度30g/mのフィルター材を得た。
【0028】
(実施例6)
SiO成分が94.5重量%であり、Al成分が4.5重量%であり、SiO及びAl以外の成分が1重量%である変成シリカ繊維(ベルケム社製 商品名 ベルコテックス)1.33デシテックス×52mm 50重量%と、捲縮度が10個/インチのサイドバイサイド型の熱接着性ポリオレフィン繊維(チッソ社製 商品名 チッソES)20デシテックス×76mm 50重量%とを混合した後、カード機により繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを160℃に加熱して、熱接着性繊維により結合した面密度30g/mの耐炎フィルター材を得た。
(比較例4)
実施例6において、変成シリカ繊維を3重量%、熱接着性ポリオレフィン繊維を97重量%としたこと以外は実施例6と同様にして、絡合により結合した面密度30g/mのフィルター材を得た。
【0029】
(実施例7)
SiO成分が94.5重量%であり、Al成分が4.5重量%であり、SiO及びAl以外の成分が1重量%である変成シリカ繊維(ベルケム社製 商品名 ベルコテックス)1.33デシテックス×52mm 50重量%と、捲縮度が9個/インチのポリエステル繊維15デシテックス×51mm 50重量%とを混合した後、カード機により質量50g/mの繊維ウェブを得た。次に、この繊維ウェブにアクリル樹脂バインダー(エマルジョン)とリン系難燃剤とを混合した混合液をスプレーして、その後乾燥して、難燃剤の混入した質量50g/mの合成樹脂樹脂(難燃剤と熱可塑性樹脂の比率は固形分重量で50/50)により結合した質量100g/mの耐炎フィルター材を得た。
(実施例8)
実施例7において、変成シリカ繊維を75重量%、熱接着性ポリエステル繊維を25重量%としたこと以外は実施例7と同様にして、合成樹脂樹脂により結合した面密度100g/mの耐炎フィルター材を得た。
(実施例9)
実施例7において、変成シリカ繊維を25重量%、熱接着性ポリエステル繊維を75重量%としたこと以外は実施例7と同様にして、合成樹脂樹脂により結合した面密度100g/mの耐炎フィルター材を得た。
(比較例5)
実施例7において、変成シリカ繊維を3重量%、熱接着性ポリエステル繊維を97重量%としたこと以外は実施例7と同様にして、合成樹脂樹脂により結合した面密度100g/mのフィルター材を得た。
【0030】
(耐炎試験)
ミクロバーナーを使用して、長さ約4.5cmの炎を出し、この真上から耐炎フィルター材を接近させて、耐炎フィルター材に穴があいた位置のバーナー先端からの距離を求めた。結果を表1に示す。
(通気抵抗試験)
50cm×50cmの耐炎フィルター材を試験ダクトのフィルター枠に装着して、風速2m/秒での圧力損失を測定した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004746202
【0032】
【発明の効果】
本発明により、調理場などでの炎などによる高熱を受けても、有機質の耐熱性または耐炎性の繊維を使用したフィルター材に比べて耐久性が向上し、ガラス繊維100重量%を用いたフィルター材に近い耐炎性と耐久性を持ち、取り扱いが容易で、熱成形性などの加工性にも優れ、カード機を使用する乾式法不織布の製法を適用するのも容易で、通風時の圧力損失も低い耐炎フィルター材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐炎フィルター材の断面模型図
【図2】本発明の耐炎フィルター材を取り付けたレンジフード用フィルターを使用時に下から見た図
【図3】図2のレンジフード用フィルターの使用状態における断面模型図
【図4】本発明の耐炎フィルター材を取り付けた換気扇用フィルターを使用時に正面から見た図
【図5】図4の換気扇用フィルターの使用状態における断面模型図
【符号の説明】
1 耐炎フィルター材
2 変成シリカ繊維
2’ 有機質繊維
3 接着剤
4 アルミフレーム
5 フィルム
6 シール部

Claims (6)

  1. SiO、NaO、KO、Al、CaO、MgO、Fe、B、TiO、ZrOなどの組成からなるガラス繊維から、SiOとAl以外の成分を、必要量除くことにより得られる変成シリカ繊維であって、SiO成分が85〜99重量%であり、Al成分が1〜10重量%であり、SiO及びAl以外の成分が0〜10重量%であり、繊度が0.5デシテックスを超え10デシテックス以下であり、繊維長が10〜100mmである変成シリカ繊維が5〜95重量%と、繊維長が15〜100mmである捲縮された合成繊維からなる有機質繊維が95〜5重量%と、を混合した後カード機によって開繊して得られた繊維ウエブの繊維同士が絡合及び/又は結合してなり、面密度が10〜150g/m であり、風速2m/秒の時の圧力損失が30Pa以下であることを特徴とする耐炎フィルター材。
  2. 前記変成シリカ繊維の、SiO成分が90〜98重量%であり、Al成分が2〜5重量%であり、SiO及びAl以外の成分が0〜5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の耐炎フィルター材。
  3. 前記繊維ウエブが、前記変成シリカ繊維が20〜80重量%と前記有機質繊維が80〜20重量%とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の耐炎フィルター材。
  4. 前記繊維ウエブが、前記変成シリカ繊維が20〜60重量%と前記有機質繊維が80〜40重量%とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の耐炎フィルター材。
  5. 前記有機質繊維が難燃性を有する繊維を含むことを特徴とする請求項1〜4に記載の耐炎フィルター材。
  6. 前記繊維ウエブの繊維同士が難燃性を有する接着剤で結合してなることを特徴とする1〜5に記載の耐炎フィルター材。
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