JP4746196B2 - 容器口部の密封用キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスびんやプラスチックびん等の容器の口部に装着される容器口部の密封用キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、容器口部2の密封用キャップCとして、それぞれが合成樹脂製のキャップ本体8と、このキャップ本体8の内部に備えられて、容器口部2の開口を密封する合成樹脂製のパッキン9とからなるものがあり、この内のキャップ本体8は、キャップ天板5およびこのキャップ天板5の周縁から垂下するスカート壁6から構成されると共に、スカート壁6の内周面に、容器口部2の外周面に形成された容器ねじ部3と螺合するキャップねじ部7を備えて成る。
【0003】
一方、容器口部2の密封用パッキン9は、容器口部2の上端に載置される環状のフランジ10と、この環状フランジ10の内周端部に垂下されて容器口部2の内面に密嵌される環状の中足11と、この環状中足11の下部側に連設されて、環状中足11とによって容器口部2を密封するパッキン天板12とから成り、開栓時には、例えばキャップねじ部7の最上位部分をパッキン案内部aとして、このパッキン案内部aによって密封用パッキン9を持ち上げ開栓させるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の構成にかゝるキャップCでは、パッキン9の環状中足11が、弾性変形を伴って容器口部2の内面に密嵌されることで、容器1の口部2が密封されるのであるが、さほど密封性能が高くはなく、落下などの衝撃を受けた場合でも、漏れやエアの吸い込みを発生しない、より密封性を高めたキャップの提案が待たれている。
【0005】
本発明は、上記の要望に呼応して成されたものであって、その目的は、キャップ本体と密封用パッキンとの合理的な構造改良によって、容器口部の開口をより強固に密封できるようにした容器口部の密封用キャップを提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、冒頭に記載したキャップ本体とパッキンとからなる容器口部の密封用キャップとして、密封用パッキンの環状中足の内周面に、下部側ほどパッキン天板の中心側に傾斜する傾斜面部を備える一方、キャップ本体のキャップ天板に、閉栓時に前記環状中足の傾斜面部を押圧してクサビ作用によってこの環状中足を拡径方向に弾性変形させて容器口部の内面に押圧させるように働く中足押圧部材を垂下連設すると共に、前記密封用パッキンのパッキン天板を、ドーム状を呈するように環状中足の下部側に連設して、閉栓後の容器内圧の減圧に伴ってパッキン天板を拡径方向に弾性変形させるようにし、この拡径方向への弾性変形に伴う突っ張り力で、環状中足を容器口部の内面に押圧させるように構成した点に特徴がある。
【0007】
上記の特徴構成によれば、パッキンの環状中足が、弾性変形を伴って容器口部の内面に密嵌されることに加えて、キャップ天板に連設の中足押圧部材によって、この環状中足がクサビ作用で機械的に押し拡げられて、容器口部の内面に押圧されることで、キャップの密封性能が飛躍的に高くなる。併せて密封用パッキンのパッキン天板を、ドーム状を呈するように環状中足の下部側に連設して、閉栓後の容器内圧の減圧に伴ってパッキン天板を拡径方向に弾性変形させるようにし、この拡径方向への弾性変形に伴う突っ張り力で、環状中足を容器口部の内面に押圧させるので、キャップの密封性能の更なるアップが達成される。
【0008】
上記容器口部の密封用キャップにおいて、前記傾斜面部が、前記環状中足の内周面に、周方向で凹凸を呈するように、かつ、下部側ほどパッキン天板の中心側に傾斜するように設けられたリブ状の隆状部の山面をもって形成されていてもよい(請求項2)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はキャップCの組み付け前の状態を示し、図2はキャップC付きの容器1の主要部を示すもので、具体的には、内容物を容器1にホットパックして、キャップCで閉栓をした状態を示している。
【0010】
この実施の形態による容器1は、ガラス製(または合成樹脂製)のものであって、容器口部2の外面には、キャップ装着用の容器ねじ部3と環状の隆起部4とが形成されている。
【0011】
上記のキャップCは、キャップ天板5の周縁にスカート壁6を垂下連設すると共に、このスカート壁6の内面に、上記の容器ねじ部3に螺着されるキャップねじ部7を形成して成るキャップ本体8と、このキャップ本体8の内部に備えられて、容器口部2の開口を密封するパッキン9とから成り、キャップ本体8は、例えばポリプロピレン系の硬質の合成樹脂製である。
【0012】
容器口部2の密封用パッキン9は、例えばポリエチレン系の軟質の合成樹脂製であって、このパッキン9は、容器口部2の上端に載置される環状のフランジ10と、この環状フランジ10の内周端部に垂下されて容器口部2の内面に密嵌される環状の中足11と、この環状中足11の下部側に連設されて、環状中足11とによって容器口部2を密封するパッキン天板12とから構成されている。
【0013】
そして、この密封用パッキン9のパッキン天板12を、ドーム状を呈するように環状中足11の下部側に連設すると共に、更に、環状中足11の内周面に、下部側ほどパッキン天板12の中心側に傾斜するテーパー面の傾斜面部11aを形成し、かつ、キャップ本体8のキャップ天板5には、閉栓時に傾斜面部11aを押圧して、パッキン中足11を拡径方向に弾性変形させる中足押圧部材13を垂下連設している。
【0014】
上記構成のキャップCによれば、閉栓時には、キャップ本体8のキャップねじ部7を容器ねじ部3に螺着させるに伴って、先ずは、密封用パッキン9の中足11が容器口部2の内面に密嵌し、最終的には、キャップ本体8のキャップ天板5に垂下連設した中足押圧部材13が中足11の傾斜面部11aを押圧し、この際のクサビ作用でパッキン中足11が機械的に拡径方向に弾性変形されることで、容器口部2が強固に密封されるのである。
【0015】
そして、このキャップCを内容物がホットパックされた容器1の口部2に装着した後に、殺菌ならびに冷却を目的としてシャワリングを行って、ホットパックされた内容物が冷えた際には、ドーム状を呈するように環状中足の下部側に連設したパッキン天板12が、バキュームによって容器内方側に吸引されて、パッキン天板12は、拡径方向に弾性変形されるようになり、このパッキン天板12の拡径方向への弾性変形に伴う突っ張り力で、環状中足11は容器口部2の内面に強く押圧されるのであって、これによってキャップCの密封性能が一層高くなるのである。
【0016】
開栓時には、キャップねじ部7の最上位部分(雌ねじのねじ山の上端部分)をパッキン案内部aとして、このパッキン案内部aが密封用パッキン9を持ち上げることで開栓されるのであるが、上記構成のキャップCでは、キャップ本体8と密封用パッキン9とを完全に独立させた2ピースの構成であって、開栓の初期には、キャップ本体8を回しても密封用パッキン9は同時に回ることがないことから、パッキン9が容器1の内面に強固に密着していても、初期の開栓力は高くならず、開栓が容易に可能となる。
【0017】
尚、上記の実施の形態では、環状中足11の内周面に、テーパー面による傾斜面部11aを形成しているが、図3に示すように、環状中足11の内周面に、周方向で凹凸を呈するように、かつ、下部側ほどパッキン天板12の中心側に傾斜するように、リブ状の隆状部を設けて、この隆状部の山面をもって傾斜面部11aを形成してもよいのである。
【0018】
また、密封用パッキン9のパッキン天板12を、ドーム状を呈するように環状中足11の下部側に連設しているが、図4に示すように、環状中足11の内周面に傾斜面部11aを形成する一方、キャップ本体8のキャップ天板5に中足押圧部材13を垂下連設して、この中足押圧部材13が閉栓時に傾斜面部11aを押圧し、パッキン中足11を拡径方向に弾性変形させるように構成するならば、密封用パッキン9のパッキン天板12をフラットに形成してもよいのである。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による容器口部の密封用キャップによれば、パッキンの環状中足が弾性変形を伴って容器口部の内面に密嵌されることに加えて、この環状中足がクサビ作用で機械的に押し拡げられて、容器口部の内面に押圧されることから、キャップの密封性能は飛躍的に高くなる。併せて密封用パッキンのパッキン天板を、ドーム状を呈するように環状中足の下部側に連設して、閉栓後の容器内圧の減圧に伴ってパッキン天板を拡径方向に弾性変形させるようにし、この拡径方向への弾性変形に伴う突っ張り力で、環状中足を容器口部の内面に押圧させるので、キャップの密封性能の更なるアップが達成される。
【0020】
即ち、本発明によれば、キャップ本体とパッキンとの合理的な構造改良によって、容器口部の開口をより強固に密封可能なキャップが提供されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キャップ本体と密封用パッキンとの組み付け前の状態を示すキャップの左半分を示す断面図である。
【図2】 閉栓状態にあるキャップの左半分を示す断面図である。
【図3】 変形例の密封用パッキンを示す左半分の断面図である。
【図4】 別の実施の形態による密封用キャップの左半分を示す断面図である。
【図5】 従来例の閉栓状態にあるキャップの左半分を示す断面図である。
【符号の説明】
2…容器口部、3…容器ねじ部、5…キャップ天板、6…スカート壁、7…キャップねじ部、8…キャップ本体、9…密封用パッキン、10…環状のフランジ、11…中足、11a…傾斜面部、12…パッキン天板、13…中足押圧部材。

Claims (2)

  1. キャップ天板およびこのキャップ天板の周縁から垂下するスカート壁から構成されると共に、スカート壁の内周面に、容器口部の外周面に形成された容器ねじ部と螺合するキャップねじ部を備えた合成樹脂製のキャップ本体と、容器口部の開口を密封する合成樹脂製のパッキンとからなる容器口部の密封用キャップであって、容器口部の密封用パッキンを、容器口部の上端に載置され外周部が下方向に傾斜する環状のフランジと、この環状フランジの内周端部に垂下されて、容器口部の内面に密嵌される環状の中足と、この環状中足に連設されて、環状中足とによって容器口部を密封するパッキン天板とから構成し、かつ、環状中足の内周面に、下部側ほどパッキン天板の中心側に傾斜する傾斜面部を備える一方、キャップ本体のキャップ天板に、閉栓時に前記環状中足の傾斜面部を押圧してクサビ作用によってこの環状中足を拡径方向に弾性変形させて容器口部の内面に押圧させるように働く中足押圧部材を垂下連設すると共に、前記密封用パッキンのパッキン天板を、ドーム状を呈するように環状中足の下部側に連設して、閉栓後の容器内圧の減圧に伴ってパッキン天板を拡径方向に弾性変形させるようにし、この拡径方向への弾性変形に伴う突っ張り力で、環状中足を容器口部の内面に押圧させるように構成して成ることを特徴とする容器口部の密封用キャップ。
  2. 前記傾斜面部が、前記環状中足の内周面に、周方向で凹凸を呈するように、かつ、下部側ほどパッキン天板の中心側に傾斜するように設けられたリブ状の隆状部の山面をもって形成されている請求項1に記載の容器口部の密封用キャップ。
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