JP4745646B2 - 樹脂原液魚尾型注入装置および樹脂成型体の製造方法 - Google Patents
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Description
櫛型ノズルは、多数の穴が直管のパイプに一列に空けられたものである。図6に示すように、パイプの片側を栓で塞ぎ、反対側をミキシングヘッドに取り付ける。混合原液は、ミキシングヘッドから流れ込み、パイプに開けられた多数の穴からシャワー状に吐出される。
トーナメントノズルは、トーナメントのように、混合原液が2つに分岐する部分を多段で設けたものである。図7に示すように、ミキシングヘッドから吐出された混合原液は1段につき2つに分岐されていく。最低3段以上の分岐部分を設け、シャワー状に混合原液を吐出するようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
スプレーノズルは、混合原液をスプレー状に飛散させるノズルである。ミキシングヘッドからの吐出時の圧力や圧縮エアーの圧力などを利用して、混合原液をスプレー状に広げるようになっている。
この形のノズルにおいては、パイプ内部の抵抗の為、ミキシングヘッドに近い上流側の吐出穴から吐出される樹脂原液の量が、ノズル先端部の下流側の吐出穴から吐出される樹脂原料よりも多くなってしまう。また、固化反応を伴う樹脂の場合、先端部から吐出される混合原料は、ミキシングヘッドに近いほうに比べ、混合後の時間の経過により固化反応が進んでいる為に粘度が高くなってしまい、吐出量の減少が加速され、最悪の場合には目詰まりが発生する。更に、吐出穴の直径を小さくすることなどで、パイプ内部の圧力を上げて均一に近い状態で吐出させようとすると、一般的に使用される高圧で樹脂原料を衝突させて混合するミキシングヘッドの場合、衝突させる圧力とパイプ内部の圧力との差が小さくなってしまい、混合不良を引き起こしてしまう。更に、実際には、ノズルの長さを250mm以上にすることは、圧力による混合不良および先端の目詰まりのために非常に困難である。また、樹脂原液が櫛状に散布されるため、樹脂内部および表面に樹脂の接合面の跡が発生しやすくなる。
この形のノズルにおいては、混合原液の通過経路が非常に長いために抵抗がかかりやすくなっている。従って、上記のノズル(櫛型ノズル)と同様の理由で、混合不良が生じてしまう。また、固化反応を伴う樹脂の場合、内部の抵抗を減らすべくトーナメント部の直径を大きくすると、樹脂原料がノズルを通過するのに時間がかかってしまう。そのため、固化反応が進行して目詰まりが起こりやすくなる。また、樹脂原液が櫛状に散布されるため、樹脂内部および表面に樹脂の接合面の跡が発生しやすくなる。
この形のノズルにおいては、混合原液を飛散させるために飛沫が周囲に飛び散り、必要範囲外にまで散布される場合がある。また、散布のパターンが円形もしくは楕円形であるために、散布端部の部分に関しては均一に散布できない。
反応性流体を吐出するノズルであって、
下流側に向かってテーパー状に広がって二股に分かれる流路を有する第1流路、および第1流路の長手方向全体にわたって第1流路の側部に接続されている第2流路を有して成り、
反応性流体の流れ方向と直交する方向の第2流路の断面は、細長い矩形状のスリット状となっており、
第1流路および第2流路を通って第2流路のスリット状吐出口から排出される反応性流体の吐出圧が、スリット状吐出口のいずれの地点であっても等しくなるように、第2流路のスリット状断面と直交する方向の第2流路長さが、ノズルの中央からノズルの外側に向かって漸次短くなっていることを特徴とするノズルを提供する。
本発明の魚尾型ノズルを実施例を用いて更に詳細に説明する。本発明の魚尾型ノズルは、散布幅(即ち、スリット状吐出口の長手方向長さに相当する)が600mmとなるように作成した。ノズルの仕様を表1に示す。
実施例1と同様にして、散布幅が200mmのトーナメント型ノズル(図7を参照)を用いて硬質ウレタンフォーム樹脂原液を散布して成形品を得ることを試みた。しかしながら、トーナメント型ノズルでは、ノズル内部の抵抗によって初期から混合不良が生じ、成形品を得ることができなかった。
Claims (10)
- スリット状吐出口の全体にわたって均一量の反応性流体を吐出するノズルであって、
下流側に向かってテーパー状に広がって二股に分かれる流路を有する第1流路、および第1流路の長手方向全体にわたって第1流路の側部に接続されている第2流路を有して成り、
反応性流体の流れ方向と直交する方向の第2流路の断面は、細長い矩形状のスリット状となっており、
第1流路および第2流路を通って第2流路のスリット状吐出口から排出される反応性流体の吐出圧が、スリット状吐出口のいずれの地点であっても等しくなるように、第2流路のスリット状断面と直交する方向の第2流路長さが、ノズルの中央からノズルの外側に向かって漸次指数関数的に短くなっていることを特徴とするノズル。 - スリット状吐出口から排出される反応性流体の吐出圧が、スリット状吐出口のいずれの地点であっても等しくなるように、第2流路のスリット状断面の短手方向長さが調節されている、請求項1に記載のノズル。
- スリット状吐出口から排出される反応性流体の吐出圧が、スリット状吐出口のいずれの地点であっても等しくなるように、第1流路の直径が調節されている、請求項1または2に記載のノズル。
- 第1流路の断面は円形状または半円形状である、請求項1〜3のいずれかに記載のノズル。
- 第1流路の上流側端部に接続されているミキシングヘッドを更に有して成る、請求項1〜4のいずれかに記載のノズル。
- 反応性流体は、ポリオールとイソシアネートとの混合物を含んで成る、請求項1〜5のいずれかに記載のノズル。
- スリット状吐出口の長手方向長さが、反応性流体から形成される成形品の幅以上となっている、請求項1〜6のいずれかに記載のノズル。
- 第1流路および第2流路を通って第2流路のスリット状吐出口から排出される反応性流体の圧力損失が、第1流路入り口からスリット状吐出口のいずれの地点であっても等しくなるようになっている、請求項1〜7のいずれかに記載のノズル。
- ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
ポリオールとイソシアネートとを、ミキシングヘッドにて混合して混合原液を得た後、ミキシングヘッドに取り付けられたノズルでもって混合原液を散布しており、
前記ノズルが、
下流側に向かってテーパー状に広がって二股に分かれる流路を有する第1流路、および第1流路の長手方向全体にわたって第1流路の側部に接続されている第2流路を有して成り、
反応性流体の流れ方向と直交する方向の第2流路の断面は、細長い矩形状のスリット状となっており、
第1流路および第2流路を通って第2流路のスリット状吐出口から排出される反応性流体の吐出圧が、スリット状吐出口のいずれの地点であっても等しくなるように、第2流路のスリット状断面と直交する方向の第2流路長さが、ノズルの中央からノズルの外側に向かって漸次指数関数的に短くなっており、それによって、スリット状吐出口の全体にわたって均一量の反応性流体を吐出する、ことを特徴とする製造方法。 - 前記ノズルをトラバースさせずに固定した状態でノズルから反応性流体を吐出させることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
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