JP4745368B2 - X線診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一時的な感度の低下、あるいは一時的なオフセットの上昇が生じた場合でも、適切にX線検出器の出力を補正することにより、良好な画像を取得可能なX線診断装置に関する。
従来よりX線撮像手段としてイメージインテンシファイア(I.I.)−TVカメラ系を備えたX線透視撮影装置が用いられている。このI.I.とは、図12にその模式断面図を示すように、入射X線を可視光の画像に変換する入力蛍光面81と、この可視光の画像の光の強度分布を光電子放出密度分布に変換するとともに陰極電位が与えられる光電変換膜82と、光電変換膜から放出された電子ビームを加速する加速電界を与える陽極83と、電子ビームを出力蛍光面に集束させる集束電極84と、加速された電子ビームが入射して再び光学像に変換される出力蛍光面85とを備えている。そして出力蛍光面に形成された光学像は、入力蛍光面の光学像より数千倍の輝度に増幅される。この輝度増幅された画像は、テレビカメラを通じてモニタ装置に映し出したり、画像記録装置に記録される。
一方、近年、このI.I.よりも小型、薄型の観点からX線検知部分に半導体を利用したX線検出器が提案されている。
この半導体を利用したX線検出器の構成として、間接変換型X線検出器(例えば、特許文献1参照)、及び直接変換型X線検出器(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
間接変換型X線検出器は、X線を増感紙やヨウ化セシウム(CsI)結晶などの化学物質を介して光に変換し、この光の強度をフォトダイオードの光電変換作用で電荷に変換し、この電荷を画素毎の容量に蓄積する。そして、薄膜トランジスタ(以下、TFTと略す)マトリックス等のスイッチング手段により蓄積された電荷を順次読み出して、チャージアンプ(初段積分アンプとも呼ばれる)により電圧に変換し、この電圧をA/D変換してディジタル画像信号を得るものである。
一方、直接変換型X線検出器は、図13に模式断面図を示すように、高電界下のセレン(Se)等の半導体へ入射したX線が直接光電効果により電荷生成に寄与し、この電荷が画素毎の信号蓄積容量に蓄積される。そして、間接変換型と同様に、蓄積された電荷をTFTのスイッチングにより順次読み出し、図示されないチャージアンプにより電圧に変換し、A/D変換してディジタル画像信号を得る。
また、上述のようなX線検出器を用いて診断を行う際、X線検出器に設けられた複数の検出素子の感度にばらつきがある。この感度のばらつきを是正するために、従来では、図14に示されるように、オフセット補正テーブル102およびゲイン(感度)補正テーブル103を用いた補正を行っている。
すなわち、ゲイン補正テーブル103は、予めX線検出器における感度特性を測定しておき、ピクセル毎(検出素子毎)に異なる感度補正係数を格納したものである。ゲイン補正テーブル103は、X線検出器の出力に乗算することにより補正された検出値を出力する。また、オフセット補正テーブル102は、予めX線検出器におけるオフセット特性を測定しておき、ピクセル毎に異なるオフセット補正係数を格納したものである。オフセット補正テーブル102は、X線検出器101の出力から引算を行うことにより補正された検出値を出力する。
米国特許第4689487号明細書 米国特許第5319206号明細書
しかしながら、本発明者らは、X線検出器、中でも特に半導体を用いたX線検出器は、所定値以上の強さのX線が入射した場合、X線の強さに応じて、一時的に感度が低下し、また一時的にオフセットが上昇する現象、さらにこれらの現象は時間と共に回復する現象を発見した。これは、各ピクセルにおいて、感度またはオフセットが時間的に変化することを意味している。
この現象は、X線の強さの条件、すなわちX線管電流と曝射時間との積であるX線量が大きく異なる場合などに顕著に表われる。例えば、比較的弱いX線を連続的に曝射する透視では、曝射時間が長い場合であり、また、比較的強いX線を断続的に曝射する撮影においては、強X線を曝射した場合等である。なお、透視と撮影では、1画素に蓄積される最大電荷量で数百倍の差がある場合がある。
この一時的な感度の低下、オフセットの上昇は、例えば、透視或いは撮影によって取得された画像上に、ゴーストと呼ばれる前回に検出したX線に基づく残像を、正規の画像に重畳させる原因となる。
そこで、本発明は上記課題を解決し、一時的な感度の低下、あるいは一時的なオフセットの上昇が生じた場合でも、適切にX線検出器の出力を補正することにより、良好な画像を取得可能なX線診断装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
請求項1に記載の発明は、複数の半導体素子が二次元マトリックス状に配列され、当該複数の半導体素子が発生する電気情報に基づいて画像データを検出するX線検出器と、前記前記各半導体素子のオフセット特性の変化と感度特性の変化との相関関係を記憶するメモリと、過去のX線曝射に起因して前記複数の半導体素子が発生する電気情報に基づいて前記X線検出器が発生する第1のオフセット画像と、過去のX線曝射に起因しない第2のオフセット画像とを用いて、前記各半導体素子のオフセット特性の変化を推定する第1の演算器と、前記相関関係に基づいて、推定された前記オフセット特性の変化から前記前記各半導体素子の感度特性の変化を推定する第2の演算器と、前記各半導体素子から出力された信号に対して、前記推定された各感度特性の変化を相殺する補正を行う補正装置と、を具備することを特徴とするX線診断装置である。
以上本発明によれば、一時的な感度の低下、あるいは一時的なオフセットの上昇が生じた場合でも、適切にX線検出器の出力を補正することにより、良好な画像を取得可能なX線診断装置を実現することができる。
以下、本発明の第1実施形態及び第2実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるX線診断装置1のブロック図である。なお、一般に、X線診断装置1には、入射X線を直接電気信号に変換する直接型と、入射X線を一旦光信号に変換した後電気信号に変換する間接型とがある。説明の簡単のため、本実施形態に係るX線診断装置1は直接型とする。しかしながら、本発明の思想は、間接型のX線診断装置にも適用可能である。
図1において、X線診断装置1は、X線源であるX線管球11と、X線管球11からのX線曝射条件を制御するX線曝射制御部13と、X線曝射条件選択部19と、X線画像情報を補正し画像表示信号に変換する信号処理部21と、X線曝射条件を入力するためのキーボード(以下、KBと略す)23と、X線画像を表示するCRT25と、X線固体平面検出器37とを備えて構成されている。なお、信号処理部は、データ補正部21aを有している。
X線固体平面検出器37は、例えば、1000×1000の行列状に配置された各画素に対応する複数のX線変換素子43と、各X線変換素子43のそれぞれに対応して設けられた読出スイッチとしての複数のTFT41と、各X線変換素子43に共通にバイアス電圧を印加するバイアス電極95と、各列のTFT41のゲートに駆動信号を送出するゲートドライバ45と、各行のTFT41のドレインが共通に接続された初段積分アンプ71と、各初段積分アンプ71の出力を時分割多重化するマルチプレクサ61と、マルチプレクサ61の出力を増幅するアンプ63と、アンプ63の出力をアナログ/ディジタル変換して信号処理部21へ出力するアナログデジタルコンバータ(ADC)65とを備えている。
なお、X線変換素子43の検出膜には、例えばアモルファス-セレン膜(以下、a-Seと略す)を用いる。また、X線変換素子43は、X線を直接電荷に変換する直接変換型であっても良いし、X線入射面に形成された図示されない蛍光体によりX線を可視光に変換し、この可視光の強度分布を電荷に変換する間接変換型であっても良い。
また、初段積分アンプ71は、差動増幅器と、コンデンサと、電子的に開閉動作が行われる例えば相補型MOS-FETを用いたバイラテラルゲートのような半導体スイッチとを備えて構成されている。
信号処理部21は、データ補正部21a、画像表示信号変換部21bを有している。
データ補正部21aは、各画素の感度の低下、あるいは一時的なオフセットの上昇による影響を取り除くため、入力したデータに対して所定の補正処理を施す。画像表示信号変換部21bは、上記補正後のデータを画像表示信号へ変換し、CRT25への出力する。
図2は、データ補正部21aのブロック図である。図2に示すように、データ補正部21aは、電子数推定部51、X−P変換部52、トラップ個数算出部53、感度補正係数算出部54、乗算器55、メモリ56を有している。
電子数推定部51は、ADC65の出力信号に基づいて1ピクセル内の電子数Xを推定する。この推定は、メモリ56に記憶された収集条件に基づいて実行される。ここで、収集条件とは、1ピクセル内に入力されるX線強度と1ピクセル内に発生する電子数Xiとの関係を示したものである。この収集条件は、例えば、検出膜の材質、X線変換素子43に印加される電圧等のゲインファクターなどから算出することが可能である。X−P変換部52は、電子数推定部51において推定された電子数Xをに基づいて、後述する電子トラップの生成確率Pを算出する。トラップ個数算出部53は、X−P変換部52において求められた電子トラップの生成確率Pからトラップの個数Yを求める。感度補正係数算出部54は、トラップの個数Yに基づいて、感度補正係数1/(1−Y/N)を算出する。ここで、Nは、感度補正係数を求めるために基準とされる、例えば1ピクセルの長さの検出膜の分割領域の数を意味する。乗算器55は、算出された感度補正係数1/(1−Y/N)と各画素データとを乗算して、補正されたデータ値を算出する。メモリ56は、電子数推定部51の各処理において使用される各種パラメータ、1ピクセル内の電子数Xを推定するための収集条件、及びX−P変換部におけるトラップの個数Y算出処理において使用されるLUT(Look Up Table)等を記憶する。
なお、LUTの構成、その作成例、及びデータ補正部21aによって実行されるデータ補正処理については、後で詳しく説明する。
X線診断装置1の診断における一連の動作例を説明すると、次のようである。すなわち、X線撮影または透視等に際して、まずCRT25にメニュー画面が表示され、このメニューに従って、KB23より、管電圧、管電流、曝射時間等のX線曝射条件がX線曝射条件選択部19に入力される。X線曝射条件選択部19は、入力されたX線曝射条件に応じた制御信号をX線曝射制御部13に出力する。
次いで、X線曝射制御部13の出力に応じて、X線管球11からX線が曝射されたとき、図示されない被検体を透過してX線固体平面検出器37の各画素に入射したX線の強度は、X線変換素子43により電荷に変換され、各X線変換素子43に蓄積された電荷量は、各画素毎に設けられたTFT41のスイッチにより初段積分アンプ71により電圧に変換される。
初段積分アンプ71の出力は、マルチプレクサ61を介して、アンプ63で増幅された後、ADC65に入力され、アナログ/ディジタル変換された後、信号処理部21に書き込まれ、データ補正および画像表示信号の変換を行い、X線画像がCRT25で表示される。
(電子トラップ)
X線検出器、中でも特に半導体を用いたX線検出器では、所定値以上の強さのX線が入射した場合、X線の強さに応じて一時的に感度が低下、あるいは一時的にオフセットが上昇する現象が発生する。この現象の発生には、電子トラップが影響している考えられる。この電子トラップとは、X線などの外部エネルギーによって生じた電子(もしくは正孔)が、あるエネルギー準位にトラップされることである。以下、このトラップにより、画素の所定部分に一時的な感度の低下が発生するメカニズムについて、図3を参照しながら定量的に説明する。なお、説明を具体的にするため、X線検出器は直接変換型であるとする。
図3は、X線検出器の検出膜の一部の概念断面図である。ここでは、説明の簡単のため、1ピクセル分の断面図を示している。図3中の斜線の部分は、1ピクセルの長さの検出膜をN個の微小領域に分けた場合、トラップを起こす可能性のある領域(以下、「トラップ可能領域」と称する)である。いま、このトラップ可能領域の最大個数をM0個とする。従って、N−M0個の領域ではトラップは生じていない。
図3において、所定の強さで一回目のX線が照射されると、1つのピクセル内にX0個の電子(もしくはホール)が発生する。
1ピクセル内には、最大M0個のトラップ可能領域がある。このトラップ可能領域が、実際にトラップを発生した領域(以下、「トラップ発生領域」と称する)となる確率をP0とする。このとき、全トラップ発生領域の数(以下、「トラップ個数」と称する)はM0P0個である。なお、トラップ可能領域がトラップ発生領域となる確率P0は、一般に発生する電子数によって異なる。
従って、M0P0個のトラップ発生領域がある場合、検出膜からの出力電子数Z0はX0(1-M0P0/N)である。
ところで、一般に、生じたトラップ個数M0P0は、何らかの作用で時間とともに減衰していくと考えられる。この減衰は、曲線Mt =M0P0exp(-at)に従うと仮定する。ここで、Mtは時間t経過後におけるトラップ個数(すなわち、トラップ発生領域の個数)を表す。従って、時刻tにおけるトラップ発生領域の数はMt個であり、トラップを発生していないトラップ可能領域の数は、M0-Mt個である。
一回目のX線照射に続き、X0個ではなくX1個の電子を発生させる強さで二回目のX線が照射される。このX線照射によりトラップ可能領域がトラップ発生領域となる確率をPとすれば、上記トラップを発生していないトラップ可能領域から、(M0-Mt)P1個の新しいトラップ発生領域が発生することとなる。
従って、X1個の電子を発生させる強さのX線が照射された時点で、一回目のX線照射と合わせて累積(M0-Mt)P1+Mt個のトラップ発生領域が存在することになる。
なお、本実施形態では、説明の簡単の為及び実用性の観点から、例えばtを単位時間、つまりt=1とし、またA=exp(-a)とする。このとき、時間t経過後におけるトラップ個数Mtは、Mt=M0P0Aとなる。従って、前回のX線照射と合わせた累積トラップ発生領域数Y1は、Y1=M0P1+(1-P1)M0P0Aとなる。
以上の結果、二回目のX線照射が終了した時点で、電子トラップにより通過が阻止された電子の数は、X1Y1/Nであり、検出膜から出力される電子数Z1は、Z1=X1{1-Y1/N}である。
以下、三回目以降のX線照射が実行され、合計i回のX線照射が実行される。各X線照射において1ピクセル内に発生する電子数、トラップ生成確率、トラップ個数、出力される電子数および検出器の感度の関係を、図4に示す。これから明らかなように、所定の時間tにおけるi回目のX線照射によって発生する電子数をXi、このXiに応じたトラップ生成確率をPiとすると、トラップ個数YiはYi=M0Pi+(1-Pi)Yi-1Aと表すことができる。また、図4に記載されたトラップの個数Yi= M0P1 +(1-Pi) Yi-1Aは、回帰型の演算である。
上記トラップ個数Yi=M0Pi+(1-Pi)Yi-1Aにおいて、Piについては、記述の如く収集条件として予め決定され、メモリ56に記憶される。従って、トラップの個数を定量的に推定するためには、トラップ可能領域の最大個数M0、パラメータA、aを決定する必要がある。これらは、例えば次のようにして決定することができる。
すなわち、まず、被検体のいない状態で、X線管球11よりX線固体平面検出器37へ比較的強いX線を同じ強さで連続的に曝射する。この時のX線の曝射条件(管電流、管電圧など)および上述の収集条件から、1ピクセル内に発生する電子数Xiを推定することができる。
しかし、電子トラップにより、出力される電子数ZiはXiではなく、上述のようにZi=Xi(1-Yi/N)となるため、N=1000と仮定した場合には、これらZi、Xi、およびNから、Yi=N(1-Zi/Xi)として、Yiを求めることができる。なお、ZiはX線検出器の出力から算出することができる。なお、Nに関しては、必要な精度、計算量などを考慮して決定すれば良い。Nを大きな値にした場合には、計算量は多くなるが、より精度の高い補正が可能である。
さらにX線の曝射を持続させると、ある一定の値で出力される電子数つまり検出器の出力値が下限値となるトラップの飽和状態が発生する。これは、電子トラップが最大に発生した場合を示しており、つまり、Piがほぼ1となる状態を表している。X線を連続的に曝射した場合の時間と出力値の関係をグラフとして、図7に例示する。
この状態において、トラップ個数Ysは、Pi=1よりYs=M0であるため、M0=Ys=N(1-Zs/Xi)となり、Nを適当な値、例えば、N=1000とすると、M0を算出することができる。なお、Zsは飽和状態の際に検出膜から出力される電子数である。
次に、この状態で、X線の連続曝射を止め、比較的長い間隔をもって同じ強さのX線を断続的に曝射する。この時の時間と出力値の関係を測定すると、例として図8のようなグラフとなる。なお、断続的に表示されている白丸がX線照射時の出力を表す実測値であり、実線は補間曲線を表している。
ここで、仮に断続的に行われた照射のうち、3回の照射ついて考慮する。この3回におけるトラップ個数をそれぞれYj-1、Yj、Yj+1とすると、図4のとおり、Yj=M0Pj+(1-Pj)Yj-1exp(-at1)およびYj+1=M0Pj+1+(1-Pj+1)Yj exp(-at2)と表される。同一の強さのX線である場合、発生する電子数は同一であるため、トラップ生成確率も同一となり、Pj=Pj+1となる。なおt1は1回目と2回目、つまりj-1とjのX線照射間隔時間、t2は2回目と3回目つまりjとj+1のX線照射間隔時間を示している。
それぞれのトラップ個数Yj-1乃至Yj+1は上述のように出力される電子数Zj-1乃至Zj+1から求めることができる。従って、Yj=M0Pj+(1-Pj)Yj-1exp(-at1)およびj+1=M0Pj+(1-Pj)Yjexp(-at2)の2式から、aを求めることができる。
また、本実施の形態では、M0とaを1度の実験にて、測定する場合を示したが当然にM0とaはそれぞれ別に測定することも可能である。特にaに関しては、回復の度合いが測定できる程度であれば、飽和値までX線を曝射しなくても良い。
(信号処理部によるデータ補正)
上記した様に、トラップ個数Yi=M0Pi+(1-Pi)Yi-1Aより、検出膜から出力される電子数Ziは、Zi=Xi{1-Yi/N}と推定される。すなわち、各画素から出力される信号値は、電子トラップにより係数{1-Yi/N}だけの影響をうけることになる。従って、この係数を相殺する補正、すなわち、各画素からの出力値に1/{1-Yi/N}を積算することで、電子トラップによる影響を排除することができる。このように、電子トラップによる影響を取り除くため、各画素からの出力値に積算される係数を、感度補正係数と呼ぶ。上記例では、感度補正係数は1/{1-Yi/N}である。
この感度補正係数を取得する方法としては、感度特性に基づく方法とオフセット特性に基づく方法とがある。感度特性に基づく方法とは、上述で説明した様に、入力電子数と電子トラップの影響を受けた出力電子数とから感度補正係数を直接求める方法である。一方、オフセット特性に基づく方法とは、オフセット特性と電子トラップとの相関関係から、感度補正係数を間接的に求める方法である。
以下、本実施形態においては、感度特性に基づく方法によるデータ補正について、図5及び図6を参照しながら説明する。なお、オフセット特性に基づく方法については、第2の実施形態にて説明される。
図5は、感度特性に基づく方法によるデータ補正を説明するためのフローチャートである。図5において、まず、所定のシーケンスに従ったX線照射が実行され、X線信号が検出される(ステップS1)。
図6は、ステップS1のX線の照射およびX線固体平面検出器の出力のタイミングチャートを示している。同図では、X線の曝射が不定期に与えられており、X線固体平面検出器の出力は、X線曝射と同期して行なわれていない場合を示している。
例えば、X線検出器1からの出力としては、所定の時間間隔、例えば10秒〜1分間隔の間に当てられたX線加算あるいは、平均して出力する。なお、加算もしくは平均して出力を得る方法としては、ゲートドライバ45、初段積分アンプ71を制御することにより行う。
次に、図5において、データ補正部21aは、ADC65から出力された信号およびメモリ56に記憶されている収集条件から、検出膜22の1ピクセル内に発生する電子数Xiを推定する(ステップS2)。
ここで、被検体の撮影時におけるXiの推定としては、被検体がない場合のように、X線の曝射条件から行うのではなく、検出膜から出力される電子数Ziに1つ前のデータにおける感度補正係数1/(1-Yi-1/N)の逆数を乗算したものを基準とする。つまり、発生する電子数XiをZi(1-Yi-1/N)と仮定する。これは、被検体がいない場合と異なり、被検体がいる場合では被検体の体内でX線が吸収され、どの程度のX線がX線検出器に到達するかを知ることは困難なためである。
次に、X-P変換部52にて、メモリ56に記憶された所定のルックアップテーブルを用いて、推定された電子数Xiに対応するトラップ発生確率Piを求める(ステップS3)。なお、ルックアップテーブルにXiと同一の値がない場合、ルックアップテーブル上でXiと最も近い値で近似してPiを求めても良い。また、前後の値から直線補間などを行ってPiを求めても良い。なお、ルックアップテーブルの作成については後述する。
次に、トラップ個数算出部53にて、上述の通り、Yi= M0Pi+(1-Pi)Yi-1Aなる回帰型演算を行なって現在のトラップ数Yiを求める(ステップS4)。なお、この演算には、メモリ56に記憶されたパラメータM0、a、および1つ前のサンプリングの際に既に算出されたYi-1が使用される。
次に、感度補正係数算出部54にて、感度補正係数を1/(1-Yi/N)が算出される(ステップS5)。この感度補正係数の算出方法は、上述した通りである。
最後に、乗算器55にて、感度補正係数をX線検出器の元の出力に乗算させることにより、感度補正が行われる(ステップS6)。
以下、感度補正されたデータ信号は、画像表示信号変換部21bにて画像表示信号へ変換される。CRT25は、入力した表示信号に基づいて、X線画像を表示する。
(LUTの作成例)
メモリ56に予め記憶され、上記データ補正処理において使用されるLUTについて詳しく説明する。上記データ補正処理で用いられるルックアップテーブルとは、具体的にはXiとPiの関係を記載したものであり、例えば次の様にして作成される。
まず、M0を求める場合と同様に、被検体のいない状態で、X線の曝射条件等から、1ピクセル内に発生する電子数Xiを推定する。
トラップ個数Yiに関しては、Yi= M0Pi+(1-Pi)Yi-1Aであるが、時間が経過し感度がほぼ回復した状態では、トラップされた状態がなくなり、つまりトラップ個数Yi-1=0とすることができ、Yi= M0Piである。従って、すでに求められているM0と、実際の出力値から求められるZiから得られるYiからPi= Yi/ M0としてPiを求めることができる。
このように、その都度、感度がほぼ回復した状態で、X線の強度を変化させて、X線検出器の出力を複数回測定を行うことにより、発生する電子数Xiとトラップ生成確率Piの関係を求めることが可能であり、これを記録したものが、ルックアップテーブルである。
以上が、被検体の撮影等を行う前に、メモリ56に記憶させておく情報であり、これらの情報を使用して、被検体の撮影等を行う。なお、ここで記憶された情報は操作者自ら求めても良いし、予め装置の出荷時にハードディスク、CD−R、DVDなどの記憶媒体に保存させておいても良い。なお、定期的に検査を行い、これらの記憶された情報を更新すると、より正確な補正が可能となる。
(変形例)
次に、第1の実施の形態における第1の変形例について説明する。第1の実施の形態にでは検出膜22の性質として、トラップ数が時間と共に単に減少していく例をしめした。これに対し、本変形例では、この現象の過程でトラップされていた電子を放出するような例を示す。このトラップされた電子が時間と共に放出されるモデルは、オフセットの増加を加味したモデルであると考えることができる。
本変形例では、検出膜22から放出される電子はトラップ数に比例した成分とする。つまり、検出膜の1ピクセルから出力される電子数は、ひとつ前の時刻のトラップ数Yi-1に比例した電子数、BYi-1が加わり、Xi(1-Yi/N)+BYi-1として感度を計算すればよい。なお、ここで、B≧0とする。
このBの求め方は、第1の実施の形態で用いた検出器の感度が飽和した状態を使用する。具体的には、第1の実施の形態と同様、図6で示したように、X線の曝射を連続的に行い、検出器から出力される電子数Ziを求める。このZiは、上述のようにZi=Xi(1-Yi/N)+BYi-1とすることができ、また検出器の感度が飽和した状態では、Yi≒Yi-1およびYi-1=M0であるため、Zi=Xi(1- M0/N)+BM0である。
このように、検出器の感度が飽和した状態で、次にX線の曝射を止める。すると、X線の曝射がないため検出膜には電子数が発生せず、つまり、Xi=0とすることができる。この時の検出器からはわずかにオフセット分だけ電子が出力され、この電子数Z'iはM0Bとすることができる。つまり、Z'i= M0Bである。
従って、これを上述のZi=Xi(1- M0/N)+BM0に代入すると、M0=N{1-(Zi-Z'i)/Xi}となり、M0を求めることができ、B= Z'i/M0からBを求めることが可能である。
求められたBに関しては、第1の実施の形態と同様、メモリ56に記憶され、使用される。
本変形例では、トラップされた電子が時間と共に放出される場合であり、オフセットの上昇を加味した、より厳密な補正を行うことが可能である。
なお、この他にも多数の変形例を考えることができ、例えば放出される電子数がトラップ数に比例するのではなく、トラップ数の変化に比例するモデル、つまり、Zi=Xi(1-Yi/N)+B'(Yi-1-Yi)のように考えることも可能である。これらのモデルの選択は、実験により適当なモデルを定めても良いし、また計算の量、回路の複雑性などを鑑みて決定しても良い。
例えば、第1の実施の形態と本変形例を比較してみると、本変形例では、Bを用いる分だけ、計算の量としては多いと考えることができるが、一方オフセットを加味した補正が可能である。
また、モデルの中でも、第1の実施の形態および変形例のような回帰型演算の出力に基づいて、感度補正またはオフセット補正を行なうものは極めて応用範囲が広く、また、簡単な回路で感度、オフセットの劣化を補正することが可能である。
また、第1の実施の形態および変形例では、初期状態のトラップ個数を0である、つまり、Y0=M0P0としたが、この他にも、以前に行なわれた最後のY'iの値に設定しても良い。
ただし、この場合は以前に演算された時刻と、現在の時刻との間の経過時間Tに基づいてY'iの値を多少変更した方が良い。
あらかじめ検出膜の性質を測定しておき、通電の状態に応じてトラップ数がどのように変化するかを測定しておけばこの変更は可能である。
例えばトラップ数が1時間あたり1%自然減少することが測定で得られたとすれば、経過時間T(時間)ではexp(-0.01T)のトラップ数の減少が見込まれるので、トラップ個数の初期値は、Y0=M0P0+exp(-0.01t) Y'iとして演算を開始することができる。
なお、特にX線検出器の中でも一般にX線平面検出器と呼ばれるものについて説明したが、特に検出素子の並びなどに限定されるものではない。
また、第1の実施の形態および変形例では、X線の曝射と、検出器出力は同期させない場合を示したが、同期させても良い。
また、なお、検出膜の性質については、第1の実施の形態および変形例の2つの場合を示したが、特に検出膜の性質を限定するものではなく、上記で説明したモデルを多少変更して用いる場合が有効な場合もある。
さらに、それぞれの実施の形態および変形例では、ハードウェアによって、感度補正を行う方法を示したが、これらを全て、あるいは一部のみソフトウェア上で行っても良い。
次に、上記のように構成したX線診断装置1によって得られる効果について、幾つかの例を挙げて説明する。
まず、頸部を撮影した後、腹部を透視する場合に得られる効果について説明する。
従来のX線診断装置において、強いX線を照射して図9に示すような頸部画像を撮影する。このとき、領域AおよびBは、被検体を透過せずに直接曝射されたX線に基づいて画像化された領域である。従って、被検体を透過してX線が入射した領域Cに比較して、この領域AおよびBには強いX線が照射される。その結果、領域AおよびBでは、一時的に領域Cよりも感度が低下し、またオフセットが増加する。
このような感度の低下、及びオフセットの増加が発生した状態で、弱いX線を照射して図10に示すような腹部の透視画像を取得すると、透視画像には、図10に示すように前回の撮影画像がゴーストGとして重畳する場合がある。これは、特に領域A及びBに存在する画素が、前回の撮影にて検出した信号の影響を受けるためである。
これに対し、本X線診断装置1では、各画素の出力値に対して、前回検出された信号の影響を取り除くデータ補正を行うので、図10に示すようなゴーストGを取り除くことができる。
次に、長時間透視を行う場合に得られる効果について説明する。
透視は比較的弱いX線を用いるため、撮影に比べてコントラスト差が小さい。従って、撮影による感度の低下またオフセットの増加に対して、例えば、図10に示されるように、領域Aと領域C、あるいは領域Bと領域Cは異なった輝度の画像を形成してしまうなど、著しく影響を受けることが考えられ、適切な画像を表示することができない場合がある。なお、この例では、さらに、透視で使用されることがあるカテーテル(実線で示されている)が被検体に挿入された場合を示している。なお、このカテーテルは被検体の領域Aと領域Cをまたいで存在する場合を示しており、カテーテルの領域Aは領域Cに比べて、輝度が暗く表示される。
このような場合においても、本X線診断装置1では、各画素の出力値に対して、前回検出された信号の影響を取り除くデータ補正を行うので、図10に示すような輝度の変化を取り除くことができる。
また、透視と撮影を連続して行う場合だけでなく、他にも、例えばコリメータ
などを用いて撮影を行った場合、X線検出器上のコリメータによりX線が遮断さ
れた領域と遮断されていない領域の感度は、著しく異なることになり、コリメー
タを交換した際などには、上述のように適切な画像を表示することができない場
合がある。
また、撮影と透視を連続的に行う場合、あるいはコリメータを交換する場合以
外にも、撮像する位置が単に違うだけで、筋肉と骨などX線の透過率が異なり、
同様の問題が生じる可能性がある。
以上詳細に説明したように、本X線診断装置によれば、検出器の感度およびオフセットのうち少なくとも1つを時間的な変化を考慮して補正することができ、検出器感
度のばらつきの影響を軽減させて、測定を行うことができる。従って、良好な画像を提供することが可能である。
また、検出器の感度が時間的に変化した場合でも、この感度に応じた補正を行うことにより、良好な画像を提供することが可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、オフセット特性との相関関係から感度補正係数を取得し、これによってデータを補正するX線診断装置について説明する。なお、以下の説明においては、電子トラップによって発生するゴースト画像を取り除くための補正を、「ゴースト補正」と称する。
図11は、データ補正部21aの第2の実施形態におけるブロック図である。図11に示すように、データ補正部21aは、オフセット画像保持部131、初期オフセット保持部132、減算器133、減算器134、ゴースト補正係数算出部135、初期感度補正係数保持部136、乗算器137、乗算器138を有している。
オフセット画像保持部131は、X線曝射直前のオフセット画像(以下、第1のオフセット画像と称する)データを保持する。ここで、オフセット画像とは、X線曝射を伴わないでX線平面検出器37が検出する画像である。すなわち、X線平面検出器37において各画素が有する暗電流や各積分アンプが有するオフセット、X線発生系からの暗流X線等を原因として、X線が曝射されていない状態で検出される電気信号のバックグラウンドに基づく画像である。このオフセット画像には、それ以前のX線曝射によって生じたオフセット成分の増加分が含まれている。
初期オフセット画像保持部132は、X線の曝射によるオフセット成分の増加を含んでいない状態でのオフセット画像(以下、第2のオフセット画像と称する)データを保持する。
第1の減算器133は、ADC65から出力されたX線画像データから、オフセット画像保持部131に保持されたX線曝射直前に格納されたオフセット画像データを減算することで、オフセット補正を施す。
第2の減算器134は、第1のオフセット画像から第2のオフセット画像を減算して、画像間の差分を求める。この差分は、それ以前のX線曝射によって生じたオフセット成分の増加分である。
ゴースト補正係数算出部135は、あらかじめ求められたオフセット成分の増加分と感度低下の相関関係によって求めた感度補正係数(以下、「第1の感度補正係数」)を格納している。具体的には、ゴースト補正係数算出部135は、例えばLUT(Look Up Table)である。ゴースト補正係数算出部135は、格納するオフセット成分の増加分と感度低下の相関関係に基づいて、入力したオフセット成分の増加分から感度低下分を補正する第1の感度補正係数を算出して出力する。
初期感度補正係数保持部136は、X線の曝射による感度低下を含んでいない状態での感度補正係数(以下、「第2の感度補正係数」)を保持している。当該第2の感度補正係数をX線画像データに積算することで、X線曝射を原因としない感度変化を補正することができる。
第1の乗算器137は、初期感度補正係数保持部136からの第2の感度補正係数と、ゴースト補正係数算出部135からの第1の感度補正係数とを掛け合わせる。
第2の乗算器は、第1の減算器133から入力したX線画像データに対して、第1の乗算器137から入力した第2の感度補正係数と第1の感度補正係数との積値を掛け合わせる。
次に、上記構成によるデータ補正部21aによって実行される、データ補正処理を説明する。
まず、ADC65から出力されたX線画像データは、第1の減算器133において、オフセット画像保持部131に保持されX線曝射直前に収集されたオフセット画像データによってオフセット補正が施される。
続いて、第2の乗算器138において、第1の乗算器137から入力した第2の感度補正係数と第1の感度補正係数との積値を掛け合わせることで、初期感度の補正、及びゴースト補正が施される。
第2の乗算器138にて補正を受けたX線画像データは、画像表示信号に変換され、X線画像としてCRT25に表示される。
このような構成によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1の実施形態にて説明した各変形についても、第2の実施形態に係るX線診断装置に適用可能である。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
図1は、第1の実施形態におけるX線診断装置1のブロック図である。 図2は、データ補正部21aのブロック図である。 図3は、X線検出器の検出膜の一部の概念断面図である。 図4は、合計i回のX線照射において1ピクセル内に発生する電子数、トラップ生成確率、トラップ個数、出力される電子数および検出器の感度の関係を示している。 図5は、感度特性に基づく方法によるデータ補正を説明するためのフローチャートである。 図6は、X線の照射およびX線固体平面検出器の出力のタイミングチャートを示している。 図7は、X線曝射時間と画素からの出力値との関係を表したグラフである。 図8は、回復時間と画素からの出力値との関係を表したグラフである。 図9は、実施形態に係るX線診断装置1の効果を説明するための図である。 図10は、実施形態に係るX線診断装置1の効果を説明するための図である。 図11は、データ補正部21aの第2の実施形態におけるブロック図である。 図12は、イメージインテンシファイアの模式断面図を示している。 図13は、従来のX線診断装置の一部ブロック図を示している。 図14は、直接変換型のX線平面検出器の断面図を示している。
符号の説明
1…X線診断装置
11…X線管球
13…X線曝射制御部
19…X線曝射条件選択部
21…信号処理部
21a…データ補正部
21b…画像表示信号変換部
22…検出膜
23…キーボード
25…CRT
37…X線平面検出器
41…TFT
43…X線変換素子
45…ゲートドライバ
51…電子数推定部
52…P変換部
53…トラップ個数算出部
54…感度補正係数算出部
55…乗算器
56…メモリ
61…マルチプレクサ
63…アンプ
65…アナログデジタルコンバータ
71…初段積分アンプ
131…オフセット画像保持部
132…初期オフセット画像保持部
133、134…減算器
135…ゴースト補正係数算出部
136…初期感度補正係数保持部
137、138…乗算器

Claims (3)

  1. 複数の半導体素子が二次元マトリックス状に配列され、当該複数の半導体素子が発生する電気情報に基づいて画像データを検出するX線検出器と、
    前記前記各半導体素子のオフセット特性の変化と感度特性の変化との相関関係を記憶するメモリと、
    過去のX線曝射に起因して前記複数の半導体素子が発生する電気情報に基づいて前記X線検出器が発生する第1のオフセット画像と、過去のX線曝射に起因しない第2のオフセット画像とを用いて、前記各半導体素子のオフセット特性の変化を推定する第1の演算器と、
    前記相関関係に基づいて、推定された前記オフセット特性の変化から前記前記各半導体素子の感度特性の変化を推定する第2の演算器と、
    前記各半導体素子から出力された信号に対して、前記推定された各感度特性の変化を相殺する補正を行う補正装置と、
    を具備することを特徴とするX線診断装置。
  2. 前記複数の半導体素子は、入射したX線を直接電気信号に変換する直接変換型の素子であることを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  3. 前記各半導体素子は、セレンを使用した検出膜を有することを特徴とする請求項2記載のX線診断装置。
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