JP4745226B2 - フロピロールの製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般式Iのフロピロールを製造するためのマイクロ波援用の迅速かつ経済的な方法であって、(a)式IIの化合物をマイクロ波照射下に、場合により不活性溶媒の存在下に加熱することを含む方法に関する。一般式Iのフロピロールは、本発明の方法によって高収率でかつ高純度で得ることができる。
WO03022848には、不活性溶媒中で、式(IIa)
Figure 0004745226

(式中、
およびAは、以下に与える意味を有し、そしてRは、C−C18アルキル、特にC−Cアルキル、アリール、特にフェニル、またはアラルキル、特にベンジル(これらは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシまたはハロゲンで1〜3回置換されることができる)である)の化合物を加熱することを含む一般式Iのフロピロールの製造法が開示されている。不活性溶剤の例としては、ビフェニル、p−、m−もしくはo−テルフェニル、ジベンジルトルエン、α−メチル−もしくはβ−メチルナフタレンのような芳香族溶媒、1,3−ジオキソラン−2−オンのような環状カーボネート、アセトフェノンもしくはベンゾフェノンのようなケトン、γ−ブチロラクトン、およびPhe−セロソルブもしくはBu−セロソルブのようなエチレングリコール、またはそれらの混合物、特にジ−およびトリアリールエーテルの混合物(登録商標Dowtherm A)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここに驚くべきことに、上記の反応をマイクロ波照射下に実施することによって、式Iの3,6−ジフェニルフロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(フロピロール)をより高い収率で得ることができることが分かった。3,6−ジフェニルフロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンへの4−ベンゾイル−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−2−フェニルピロール−3−カルボン酸エチルの閉環の収率は、例えば、本発明に従ったマイクロ波援用法によって40%から86%に向上される。その上、このラクトン(多能のDPP先駆物質)の製造は、マイクロ波照射下ではより短い時間(1〜10分)で済むが、これに対して式IIの化合物の閉環はマイクロ波照射なしに行われるときには(従来の方法)60時間を要することが認められた。加えて、マイクロ波援用の閉環では溶媒を省くことができ、このことは上記の方法を更に原価効率的にする。
従って、本発明は、一般式(I):
Figure 0004745226
で示されるフロピロールの製造法であって、
(a)式(II):
Figure 0004745226
で示される化合物をマイクロ波照射下に、場合により不活性溶媒の存在下に加熱することを含む製造法に関する:
(式中、
およびAは、C−C18アルキル、C2−18アルケニル、C2−18アルキニル、C5−シクロアルキル、C5−シクロアルケニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
3は、水素、C−C18アルキル、シアノメチル、Ar、−CR3031−(CH−Ar、またはY−R32(ここで、R30およびR31は、互いに独立して水素、またはC−Cアルキルを表す)あるいはC−Cアルキルで3回まで置換されることができるフェニルを表し、
Arは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンあるいはC−CアルキルまたはC−Cアルコキシで1〜3回置換されることができるフェニルで1〜3回置換されることができるアリール、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、またはヘテロアリールを表し、mは0、1、2、3または4を表し、
Rは、C−C18アルキル、特にC−C4アルキル、アリール、特にフェニル、またはアラルキル、特にベンジル(これらは、C −C アルキル、C −C アルコキシまたはハロゲンで1〜3回置換されることができる)であり、
Yは、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−SONH−または−SO−であり、そして
32は、C−C18アルキル、Arまたはアラルキルである)。
所望ならば、本発明の方法は、不活性の溶媒の存在下に実施することができる。不活性溶媒の例としては、ビフェニル、p−、m−もしくはo−テルフェニル、ジベンジルトルエン、α−メチル−もしくはβ−メチルナフタレンのような芳香族溶媒、1,3−ジオキソラン−2−オンのような環状カーボネート、アセトフェノンもしくはベンゾフェノンのようなケトン、γ−ブチロラクトン、およびPhe−セロソルブもしくはBu−セロソルブのようなエチレングリコール、またはそれらの混合物、特にジ−およびトリアリールエーテルの混合物(登録商標Dowtherm A)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましい態様では、式IIの化合物は、マイクロ波照射下に、溶剤を使用してまたは使用せずに、180〜280℃、好ましくは180〜230℃の温度で約1〜60分間加熱される。
組成物を照射するのに適したマイクロ波炉は、マイクロ波源、マイクロ波周波数範囲セレクター、マイクロ波周波数を選択した周波数範囲で調節するためのマイクロ波周波数モジュレーター、前方向電力設定を選択するためのマイクロ波前方向電力コントローラー、熱電対、赤外線温度センサーまたは他の温度測定手段、および組成物の温度に応答して前方向電力をオンおよびオフに切り替えるためのマイクロ波電力オン/オフコントローラーを含む。周波数の調節は、炉キャビティ全体の電力分布の均一性を向上させ、これによって組成物を均一に加熱する。好適なマイクロ波炉は、例えば、USP5,321,222および5,961,871(Bible et al)、USP5,648,038(Fathi et al)およびUSP5,521,360(Johnson et al)に記載されている。現時点で好ましいマイクロ波炉は、登録商標DiscoverモデルとしてCEM,Inc.から市販されている。登録商標Discover Systemは、反応の完全制御のために温度および圧力フィードバックシステム系、例えば、反応容器の下側に配置された赤外線温度センサーを組み込んでいる。
反応混合物は、使用する周波数範囲においてマイクロ波放射が透過性の容器で照射されるのが好ましい。
式IIの化合物、および場合により溶媒を含む試料は、例えば、密封ガラス管のような圧力管で加熱されるのが有利であり、これによって圧力は25・10Paまで上昇させられる。好ましくは、圧力は、1〜14・10Paの間である。
実用のマイクロ波周波数範囲の選択は反応体に依存することになるが、一般には約0.9〜約2.45GHzになる。前方向入力の選択は、反応体の性質に依存することになる。例えば、3−(p−ブロモフェニル)−6−フェニルフロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンの合成では、好ましい前方向電力レベルは約150〜300ワットである。
WO03022848に記載されるように、式Iのフロピロールは、結晶生長調節剤として使用することができ、そしてジケトピロロピロールの合成における中間体であり、これは、式Iの化合物を、式A−NH(IV)の第一アミンと反応させることによって得ることができ、ここで式(III)
Figure 0004745226
(式中、AはC−C18アルキルまたはArであり、そしてA、AおよびAは先に規定される如くである)のDPPが得られる。
一般式Iの化合物と第一アミンまたは第一アミンの混合物との間の反応は、適した不活性溶媒または分散媒中で実施される。
好適な溶媒または分散媒は、例えば、エーテル、特に分子中に2〜8個の炭素原子を有するもの、例えば、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルn−ブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、エチルn−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス−β−メトキシエチルエーテル;オリゴエチレングリコールジメチルエーテル、例えば、ペンタグリム;脂肪族炭化水素、例えば、へキサン、ヘプタン、低−および高−沸点石油エーテル;脂環式炭化水素、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラリン、デカリン;芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、o−、m−およびp−キシレン、エチルベンゼン;ハロゲン化脂肪族または芳香族炭化水素、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン;ニトリル、例えば、アセトニトリル;アミド、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン;ヘキサメチル燐酸トリアミド;および、スルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシドである。種々の溶媒の混合物を使用することもできる。
反応は、極性または非極性非プロトン性溶媒中で実施されるのが好ましい。好ましい非プロトン性溶媒の例は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチル燐酸トリアミド、スルホラン、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素、アセトニトリル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびトリエチレングリコールジメチルエータル、ニトロメタン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、および塩化メチレンである。特に好ましい非プロトン性溶媒は、クロロホルム、四塩化炭素、および塩化メチレンであり、これらの中でクロロホルムが特に好ましい。
一般式Iの化合物と第一アミンIVとの間の反応は、脱水剤の存在下に実施される。このタイプの適した脱水剤または水除去剤の例は、N,N’−ニ置換カルボジイミドであり、特にもしそれらが少なくとも1個の第二または第三アルキル基を含有するならば、例えば、ジイソプロピル−、ジシクロヘキシル−またはN−メチル−N’−t−ブチルカルボジイミドである(“The Chemistry of Ketenes,Allenes and Related Compounds”,Part 2, Editor:S.Patai,John Wiley & Sons 1980,722-753参照)。ジシクロヘキシルカルボジイミドが特に適している。
一般式Iの化合物と第一アミンIVとの間の反応は、例えば、−10℃〜使用する溶媒または溶媒混合物の沸点までの温度で実施することができる。それは、−10〜30℃で、好ましくは室温で実施される場合が多い。一般式Iの化合物1モル当り0.9〜1.4モル、好ましくは1.0〜1.3モルの第一アミンIVが一般的に使用される。反応は、トリフルオロ酢酸のような強い非水性酸を加えることによって触媒作用を及ぼすことができる。
第一アミンIVは知られており、またはこれらの群の化合物の製造に知られた方法によって容易に製造することができる。
式IaにおいてAがハロゲン原子とは異なる出発化合物は、式(Ia)
Figure 0004745226
の化合物を式A−X(V)の化合物と反応させることによって得られる(式中、A1、A2およびAは先に与えた意味を有し、そしてXは離脱基である)。一般式Iaの化合物と式Vの化合物との間の反応は、テトラヒドロフランのような適した不活性溶媒中で、水素化ナトリウム(NaH)またはナトリウムヘキサメチルジシラザン(NaHMDS)のような塩基の存在下に、20℃〜溶媒の沸点の範囲の温度で実施される。用語「離脱基」は、ヨード、ブロモまたはクロロ、ベンゼン−またはp−トルエンスルホネートのような基を意味する。Aを式Iaの化合物に導入するための方法は、例えば、US−A−4,585,878に記載されている。
好適なアルキル化剤は、例えば、アルキルハロゲン化物、特にアルキルヨウ化物、反応性アルキルエステル、特にスルホン酸のアルキルエステル、例えば、ベンゼン−またはp−トルエンスルホン酸のアルキルエステルである。好適なアリール化剤は、例えば、1−フルオロ−2,4−ジニトロ−ベンゼンのような活性化アリール化合物である。
式IIaの出発化合物は、例えば、NaHまたはNaHMDSのような塩基の存在下に、式(VIa)
Figure 0004745226
の化合物を、式A2−COR(VII)のエステルと、25℃〜溶媒の沸点の範囲の温度で反応させることによって得られる(式中、R、A1、およびA2は先に与えた意味を有する)。式VIの出発化合物は知られており、または、US−A−4,681,971、US−A−4,749,795、US−A−4,720,305およびUS−A−4,659,775に記載される方法と同様にして製造することができる。
別法として、式(VIII):
Figure 0004745226
(式中、A3は、水素原子とは異なり、特にアリールである)の化合物は、エナミノアミドの存在下におけるジアゾアセテートの銅接触分解によって製造することができる(G.Maas,A.Muller,J.prakt.Chem.340(1998)315-322):
Figure 0004745226
加えて、式(VIII)においてA3がアリールである化合物は、式(IIb)の化合物を、アミンA3−NHと反応させることによって得ることができる:
Figure 0004745226
好ましくは、式(IIb)のラクトンは、実施例4により詳細に記載されるように、アニリンと反応されて式(VIII)のN−フェニルピロリノンエステルを生成する。
式VIにおいてA3が水素原子とは異なり、そして特にアリールである化合物は、先に記載したように反応させて式IIIの化合物にすることができる:
Figure 0004745226
加えて、式(III)(式中、AおよびAは、C−C18アルキル、C2−18アルケニル、C2−18アルキニル、C5−シクロアルキル、C5−シクロアルケニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
3は、水素、C−C18アルキル、シアノメチル、Ar、−CR3031−(CH−Ar、またはY−R32であり、ここで、R30およびR31は互いに独立して水素、またはC−Cアルキル、あるいはC−Cアルキルで3回まで置換されることができるフェニルを表し、
Arは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンあるいはC−CアルキルまたはC−Cアルコキシで1〜3回置換されることができるフェニルで1〜3回置換されることができるアリール、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、またはヘテロアリールを表し、mは0、1、2、3または4を表し、
Rは、C−C18アルキル、特にC−C4アルキル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシまたはハロゲンで1〜3回置換されることができるアリール、特にフェニル、またはアラルキル、特にベンジルであり、
Yは、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−SONH−または−SO−であり、
32は、C−C18アルキル、Arまたはアラルキルであリ、そして
は水素である)のDPPは、式(VIII)の化合物をニトリルA−CNと反応させることによって直接得ることもできる(式中、A、AおよびAは先に与えた意味を有する):
Figure 0004745226
更に、式IIIの化合物は、式A5−X(式中、A5は先に与えたA3の意味を有し、そしてXは離脱基である)の化合物と反応させることができる。これらの化合物間の反応は、テトラヒドロフランのような適した不活性溶媒中で、水素化ナトリウム(NaH)またはナトリウムヘキサメチルジシラザン(NaHMDS)のような塩基の存在下に、20℃〜溶媒の沸点の範囲の温度で実施される。用語「離脱基」は、ヨード、ブロモまたはクロロ、ベンゼン−またはp−トルエンスルホネートのような基を意味する。
好適なアルキル化剤は、例えば、アルキルハロゲン化物、特にアルキルヨウ化物、反応性アルキルエステル、特にスルホン酸のアルキルエステル、例えば、ベンゼン−またはp−トルエンスルホン酸のアルキルエステルである。好適なアリール化剤は、例えば、1−フルオロ−2,4−ジニトロ−ベンゼンのような活性化アリール化合物である。
1つの好ましい態様は、一般式IIIにおいて残基AおよびAがフェニルとは異なるDPPに関係する。
一般式IIIのDPPは、高い熱安定性、重合体、炭化水素基材燃料、潤滑剤、および水への良好な溶解度、高い光安定性、分解や耐光堅牢度の損失を起こさずにプラスチック、特にポリアミド中に、また塗料中に使用することができることを示し;そしてホト−およびエレクトロルミネッセンス、ならびにソリッドステートルミネッセンスを示すことができる。
残基AおよびAは、一般には、C−C18アルキル、C−C18アルケニル、C2−C18アルキニル、C−Cシクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル、特にシクロヘキシル、C−Cシクロアルケニル、例えば、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、およびシクロヘキセニル、特にシクロヘキサ−3−エニル、アリールおよびヘテロアリールから選ばれる。
1およびAが、式
Figure 0004745226
(式中、
およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C−C18アルキル、C−C18アルコキシ、C−C18アルキルメルカプト、ジ(C−C18アルキル)アミノ、C−C18アルキルアミノ、C−C18アルコキシカルボニル、C−C18アルキルアミノカルボニル、−CN、−NO、トリフルオロメチル、C5−シクロアルキル、−C=N−(C−C18アルキル)、フェニル、
Figure 0004745226

、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペラジニル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、またはピロリジニル、−CONX、−C(O)OX、または−SOであり;ここで、XおよびXは水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C5−10−シクロアルキル、またはC6−10−アリールであり、Xは水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C5−10−シクロアルキル、またはC6−10−アリールであり、Xは水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C5−10−シクロアルキル、C7−10−アラルキル、C6−10−アリールまたは−NX1011であり、ここでX10およびX11は水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C7−10−アラルキル、またはC6−10−アリールであり、
Gは、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH=N−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CONH−または−NR−であり、
およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−C18アルコキシ、または−CNであり、RおよびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルであり、Rは、水素またはC−Cアルキルである)の基であるジケトピロロピロールが好ましく、ここで、式
Figure 0004745226
(式中、
およびRは、互いに独立して、水素、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルアミノ、フェニルまたはCNであり、
Gは−O−、−NR−、−N=N−または−SO−であり、
およびRは水素であり、そして
は水素、メチルまたはエチルである)の基が更に好ましく、そしてAおよびAが、
Figure 0004745226
(式中、RおよびRは、互いに独立して、水素、メチル、t−ブチル、クロロ、ブロモ、フェニルまたはCNである)の基であるジケトピロロピロールアナローグは、インク、着色剤、コーチング用の顔料着色プラスチック、無衝撃印刷材料、カラーフィルター、化粧料、重合体インク粒子、トナーの製造に特に好ましい。
エレクトロルミネッセンス用途の場合には、AおよびAについて次の残基が好ましい:
Figure 0004745226
(式中、R21、R22、R23、R25およびR26は、互いに独立して、水素、C−Cアルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C−Cアルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、またはシロキサニル基であり、R24はC−Cアルキル基である)。好ましくは、R21、R22、R23、R25およびR26は、互いに独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはC−Cアルキルチオであり、ここで次の残基:
Figure 0004745226
が特に好ましい。
残基Aは、一般には、水素、C−C18アルキル、シアノメチル、Ar、−CR3031−(CH−Ar、またはY−R32(ここで、R30およびR31は互いに独立して水素、またはC−Cアルキル、あるいはC−Cアルキルで3回まで置換されることができるフェニルから選択され、Arは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンまたはC−CアルキルまたはC−Cアルコキシで1〜3回置換されることができるフェニルで1〜3回置換されることができるアリール、特にフェニル、または1−もしくは2−ナフチル、C−Cシクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル、特にシクロヘキシル、C−Cシクロアルケニル、特にシクロペンテニル、シクロペンタジエニルおよびシクロヘキセニル、またはヘテロアリールを表し、mは0、1、2、3または4を表し、Yは、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−SONH−または−SO−であり、そしてR32は、C−C18アルキル、Arまたはアラルキルである)から選ばれる。
は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、および2−エチルヘキシルのようなC−Cアルキル、Y−R32であり、ここでYは−C(O)−であり、R32は、
Figure 0004745226
(式中、R40は、C−Cアルキル、−O−C−Cアルキル、または−S−C−Cアルキルである)および−(CH−Arであり、ここでmは1であり、Arは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンまたはフェニルで1〜3回置換されることができる式
Figure 0004745226
の基である。
好ましい残基Arの例は、
Figure 0004745226
(式中、R50およびR51は、互いに独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、または塩素である)である。
残基Aは、一般には、C−C18アルキル、またはAr3、特にAr3から選ばれ、ここでAは、好ましくは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンまたはフェニルで1〜3回置換されることができる
Figure 0004745226
である。
式Iのフロピロールは、式IIIのジケトピロロピロールの製造法における中間体であり、そしてWO03022848に記載されるように、結晶生長調節剤として使用することができる。ここで、用語「結晶生長調節」は、好適な顔料寸法および/または狭い粒度分布を有するように顔料粒子の合成を制御すること、ならびに、プレートレット、針状形、立方体、リーフレット、角柱形、および他の幾何学形のような特定の所望の形状の粒子および/または特定の所望の流動学の粒子を生成するように結晶の生長を導くことを言う。従って、結晶生長の良好な制御ほど、試料に狭い粒度分布および/または良好な結晶形状、または両者を与える。その効果は、有機顔料の化学構造、反応媒体の選択、ならびに本発明の粒子生長調節剤の濃度および化学構造によって影響を及ぼすことができる。
もし結晶生長調節剤として使用するならば、式Iのフロピロールは、一次顔料の重量を基にして約0.1〜20%、特に1.0〜10.0%の量で存在する。DPPは一次顔料として好ましいけれども、種々の顔料部分の使用も同様に利用することができ、この場合に各顔料は色適合性である。
適用可能な有機一次顔料の例は、アントラキノン、フタロシアニン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、フラバンスロン、インダンスロン、アントラピリミジン、またはキノフタロン顔料、およびこれらの顔料を含む固溶体である。好ましい有機顔料は、キナクリドン、フタロシアニン、アントラキノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、およびインダンスロンである。
顔料組成物を調製するときには、式Iのジケトピロロピロールアナローグは、当技術分野に周知の方法によって、顔料の合成中に、微細分散プロセス中に、仕上げプロセスの前後に加えることができる(WO03022848を参照)。
式IにおいてA1およびAが、式
Figure 0004745226
(式中、
およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C−C18アルキル、C−C18アルコキシ、C−C18アルキルメルカプト、C−C18アルキルアミノ、C−C18アルコキシカルボニル、C−C18アルキルアミノカルボニル、−CN、−NO、トリフルオロメチル、C5−シクロアルキル、−C=N−(C−C18アルキル)、フェニル、
Figure 0004745226
、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペラジニル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、またはピロリジニル、−CONX、−C(O)OX、−SX、−SOX、または−SOであり;ここで、XおよびXは、水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C5−10−シクロアルキル、またはC6−10−アリールであり、Xは水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C5−10−シクロアルキル、またはC6−10−アリールであり、Xは水素、線状もしくは分枝状C1−18−アルキル、C5−10−シクロアルキル、C7−10−アラルキル、C6−10−アリール、または−NX1011であり、ここでX10およびX11は水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C7−10−アラルキル、またはC6−10−アリールであり、
Gは、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH=N−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CONH−または−NR−であり、
およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−C18アルコキシ、または−CNであり、RおよびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルであり、Rは、水素またはC−Cアルキルである)の基である式Iのフロピロールが好ましく、ここで、式
Figure 0004745226
(式中、
およびRは、互いに独立して、水素、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルアミノ、フェニルまたはCN、−CONX、−SX、−SOX、または−SO;または−SOであり;ここでXおよびXは、水素、線状もしくは分枝状C1−4アルキルであり、Xは水素、線状もしくは分枝状C1−18アルキル、C7−10アラルキル、C6−10アリール、または−NX1011であり、ここでX10およびX11は水素、線状もしくは分枝状C1−10アルキル、C7−10アラルキル、またはC6−10アリールであり、
Gは−O−、−NR−、−N=N−、−S−、−SO−または−SO−であり、
およびRは水素であり、そして
は水素、メチルまたはエチルである)の基が更に好ましく、そしてAおよびAが、式
Figure 0004745226
(式中、RおよびRは、互いに独立して、水素、メチルもしくはt−ブチルのようなC−Cアルキル、クロロもしくはブロモのようなハロゲン、C−Cアルコキシ、C1−4−チオアルキル、フェニル、CN、または−SOであり、XはC1−4アルキル、フェニル、ベンジル、または−NX1011であり、ここでX10およびX11は水素、C1−4アルキル、ベンジルまたはフェニルである)の基であるジケトピロロピロールアナローグが特に好ましい。
は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−
ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、および2−エチルヘキシルのようなC−Cアルキル、Y−R32であり、ここでYは−C(O)−であり、R32は、
Figure 0004745226
であり、ここでR40は、C−Cアルキル、−O−C−Cアルキル、または−S−C−Cアルキル、および−(CH−Arであり、ここでmは1であり、そしてArは、式
Figure 0004745226
の基(これは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンまたはフェニルで1〜3回置換されることができる)である。
−C18アルキルは、典型的には、線状または分枝状(可能ならば)であり、そしてC−C18アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、および2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、およびオクタデシルである。メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、および2−エチルヘキシルのようなC−Cアルキルが好ましい。メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはt−ブチルのようなC−Cアルキルが特に好ましい。用語「C−C18アルケニル基」は、1つ以上の二重結合を有する不飽和線状または分枝状脂肪族炭化水素基、特に、ビニル、アリル、2−プロペン−2−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエン−2−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−3−ブテン−2−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル、および1,4−ペンタジエン−3−イルのようなC2−8−アルケニルを意味する。用語「C−C18アルキニル基」は、三重結合を有する不飽和脂肪族炭化水素基、特に、エチニル、1−プロピン−1−イル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−1−イル、2−ペンチン−1−イル、および3−ペンチン−2−イルのようなC−Cアルキニルを意味する。
−C18アルコキシ(これらは、線状または分枝状であってよい)の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトシキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシおよび2−エチルヘキソキシであり、ここでメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトシキシ、イソブトキシ、およびt−ブトキシのようなC−Cアルコキシが好ましい。C−C18アルキルメルカプトの例はアルコキシ基について記載したと同じ基であるが、ただし、エーテル結合の酸素原子が硫黄原子によって置き換えられている。C−C18アルキルアミノおよびC−C18アルキルアミノカルボニル中のC−C18アルキルの例および好ましいものは、C−C18アルキルについて述べたものと同じである。C−C18アルコキシカルボニル中のC−C18アルコキシの例および好ましいものは、C−C18アルコキシについて述べたものと同じである。
用語「アリール基」は、典型的には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、フェナントリル、テルフェニル、ピレニル、2−もしくは9−フルオレニルまたはアントラセニルのようなC−C24アリール、好ましくはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニルのようなC−C12アリール(これらは、非置換でもよく、または置換されることもできる)である。
用語「アラルキル基」は、典型的には、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニルブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニルブチル、ω−フェニルドデシル、ω−フェニルオクタデシル、ω−フェニルエイコシル、またはω−フェニルドコシルのようなC−C24アラルキル、好ましくは、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニルブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニルブチル、ω−フェニルドデシルまたはω−フェニルオクタデシルのようなC−C18アラルキル、そして特に好ましくはベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、またはω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチルのようなC−C12アラルキルであり、ここで脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基は両方とも非置換でもよく、または置換されることもできる。
−Cシクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルである(これらは、非置換でもよく、または置換されることもできる)。用語「C−Cシクロアルケニル基」は、シクロペンテニル、シクロペンタジエニルおよびシクロヘキセニルのような1つ以上のニ重結合を有する不飽和脂環式炭化水素基(これらは、非置換でもよく、または置換されることもできる)を意味する。
用語「ヘテロアリール」は、5〜6個の環原子を有する環(ここで、窒素、酸素または硫黄が可能なヘテロ原子である)であり、そして典型的には少なくとも6個の共役π−電子を有する5〜18個の原子を持つ不飽和複素環式基、例えば、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾ[b,d]チエニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キノゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル、またはフェノオキサジニルである。
ハロゲン原子の例は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素である。
もし上記の置換基を置換することができるならば、可能な置換基は、C−Cアルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C−Cアルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、またはシロキサニル基である。
WO03022848に記載されるように、一般式IIIのDPPは、
フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッケージング印刷、証券印刷、凹版印刷、またはオフセット印刷の印刷法における印刷インク用、プレプレス段階用、捺染用、紙用品例えばボールペン、フェルトペン、サインペン、カード、ウッド、(ウッド)ステイン、金属のようなオフィス、ホーム用途またはグラフィック用途用のインク、衝撃印刷法(衝撃−圧力インクリボンを使用する)のインクパッドまたはインクの製造に、
コーチング材用、工業または商業用途用、織物装飾および工業マーキング用、ローラーコーチングまたは粉末コーチング用、自動車の仕上材料用、高固形分(低溶媒)水含有または金属コーチング材料用、または水性塗料の顔料着色処方物用の着色剤の製造に、
コーチング、繊維、プラッター(platter)またはモールドキャリヤ用の顔料着色プラスチックの製造に、ディジタル印刷用、熱ワックス転写印刷法、インクジェット印刷法または熱転写印刷法用の非衝撃印刷材料の製造に、そしてまた、
特に400〜700nmの範囲内の可視光用、液晶ディスプレー(LCD)または電荷結合装置(CCD)用のカラーフィルターの製造に、または、化粧料の製造に、または重合体インク粒子、トナー、色素レーザー、ドライコピートナー、液体コピートナー、または電子写真用トナーおよびエレクトロルミネッセンス装置の製造に、
使用することができる。
次の実施例は本発明の様々な態様を例示するものであるが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
使用したマイクロ波発生器は、マイクロ波照射を試料に集中する環状単一モードキャビティ設計の登録商標「CEM Discover」モデルであった。試料は密封ガラス管中に収容され、これによって圧力を20.69・10Pa(300psi)の最大値に上昇させた。この装置の最大操作電力は300ワットであった。Hおよび13C NMRスペクトルは、それぞれ300および75MHzで得られ、そしてカップリング常数はHz単位である。質量スペクトルの測定値は、70eVで化学イオン化を使用しイソブタンをキャリヤガスとして得られた。
実施例
実施例1
Figure 0004745226
3,6−ジフェニルフロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(2)
4−ベンゾイル−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−2−フェニルピロール−3−カルボン酸エチル1(99.5mg、0.296mmol、以前にWO03022848に報告されたようにして製造)に、溶媒を使用しないで、250℃に10分加熱して、マイクロ波放射線(2〜45GHzの周波数および300ワットの電力で)を照射した。次いで、粗生成物を冷却させ、メタノールを加え、固形物をろ別し、そしてメタノールで洗浄した。これによって、フロピロール2をオレンジ色の固体として得た(73mg、86%)。分解>300℃。
Figure 0004745226
比較例1(WO03022848の実施例1)
4−ベンゾイル−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−2−フェニルピロール−3−カルボン酸エチル1(10g、0.0299mol)とDowtherm A(200ml)との混合物を窒素下に230−240℃に64時間加熱した。次いで、その溶液を25℃に冷却し、そして石油エーテル40−60(300ml)に滴下すると、蛍光オレンジ色の固体が沈殿した。これをろ別し、更なるヘキサンで洗浄し、そして真空で乾燥した。収量3.48g (40%)。
実施例2
Figure 0004745226
a)p−ブロモベンゾイルクロリド(3)
p−ブロモ安息香酸を、NaOH(水性)中に溶解しその溶液をジクロロメタンで洗浄し、次いで水性層を稀HCl水溶液で酸性化し、そしてEtOAcで抽出することによって精製した。酸(4.00g、0.0182mol)、塩化オキサリル(4.634g、3.185ml、0.0364mol)および触媒量のCMFをDCM(40ml)中で室温で一晩中撹拌した。溶媒および過剰の試薬を蒸発させると、酸塩化物3がオフホワイトの固体として得られた。m.p.38−40℃。
b)4−(p−ブロモベンゾイル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−2−フェニルピロール−3−カルボン酸エチル(5)
水素化ナトリウム(590mg、14.75mmol)に、THF(40ml)およびピロリノンエステル4(852mg、3.69mmol)を加えた。室温で30分間撹拌後、p−ブロモベンゾイルクロリド(809.5mg、3.69mmol)をTHF(10ml)および触媒量のDMAPに溶解した溶液を加え、そして混合物を室温で一晩中撹拌した。10%HCl(水性)を加え、そして有機成分をジエチルエーテルで抽出した。真空での濃縮およびエタノールからの再結晶によって、エノール5を黄色結晶質固体として得た(665mg、44%)。
Figure 0004745226
c)3−(p−ブロモフェニル)−6−フェニルフロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(6)
p−ブロモベンゾイルピロリノンエステル5(154mg、0.37mmol)に、溶媒を使用しないで、250℃に10分加熱して、マイクロ波放射線(2〜45GHzの周波数および300ワットの電力で)を照射した。次いで、粗生成物を冷却させ、メタノールを加え、固形物をろ別し、そしてメタノールで洗浄した。これによって、フロピロール6を赤色の固体として得た(129mg、94%)。
Figure 0004745226
d)5−メチル−3−(p−ブロモフェニル)−6−フェニルフロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(7)
フロピロール6(1.5g、4.08mmol)とメチルトシレート(1.14g、6.12mmol)と炭酸カリウム(1.13g、8.16mmol)とジメチルホルムアミドとの混合物を室温で一晩中撹拌した。次いで、水を加え、そして有機成分をDCMで抽出した。溶媒を除去し、水次いでメタノールでの洗浄によって、メチレート化した化合物7を赤色の固体として得た(0.831g、53%)。m.p.215−216℃。
Figure 0004745226
e)2−メチル−5−フェニル−6−(p−ブロモフェニル)−3−フェニルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(8)
フロピロール7(300mg、0.79mmol)とアニリン(146mg、1.57mmol)とDCC(323mg、1.57mmol)とフルオロ酢酸(2−3滴)とDCMとの混合物を室温で144時間撹拌した。溶媒を除去し、そしてメタノールでの洗浄によって、ピロロピロール8を赤色の固体として得た(173mg、55%)。m.p.255−256℃。
Figure 0004745226
実施例3
Figure 0004745226
a)4−(p−ニトロベンゾイル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−2−フェニルピロール−3−カルボン酸エチル(11)
ピロリノンエステル9(6.35g、27.5mmol)を水素化ナトリウム(2.0g、82.5mmol)とTHF(1リットル)との混合物に加え、そしてこれを室温で15分間撹拌した。次いで、p−ニトロベンゾイルクロリド10を加え、そして混合物を一晩中撹拌した。メタノール次いで水を加え、そして混合物をHClで酸性化した。有機成分をジエチルエーテルで抽出し、そして溶媒を蒸発した。メタノールでの洗浄によって、ニトロ化合物11を黄色固体として得た(6.31g、60%)。
Figure 0004745226
b)3−(p−ニトロフェニル)−6−フェニルフロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(12)
p−ニトロベンゾイルピロリノンエステル11(300mg、0.90mmol)に、溶剤を使用せずに270℃に15分間加熱して、マイクロ波放射線を照射した。次いで、粗生成物を冷却させ、メタノールを加え、そして固形物をろ別し、そしてメタノールで洗浄した。これによって、フロピロール12を赤色の固体として得た(230mg、87%)。
Figure 0004745226
c)5−メチル−3−(p−ニトロフェニル)−6−フェニルフロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(13)
フロピロール12(0.9g、2.7mmol)とメチルトシレート(750mg、4.04mmol)と炭酸カリウム(1g、7.2mmol)とジメチルホルムアミドとの混合物を室温で一晩中撹拌した。次いで、水を加え、そして有機成分をDCMで抽出した。溶媒を除去し、そして水、次いでメタノールでの洗浄によって、メチル化した化合物13を赤色固体として得た(0.652g、70%)。m.p.253−255℃。
Figure 0004745226
d)2−メチル−5’−フェニル−6−(p−ニトロフェニル)−3−フェニルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(14)
フロピロール13(100mg、0.29mmol)とアニリン(53mg、0.57mmol)とDCC(118mg、0.57mmol)とフルオロ酢酸(2−3滴)とDCMとの混合物を室温で72時間撹拌した。溶媒を除去し、そしてメタノールでの洗浄によって、ピロロピロール14を赤色固体として得た(63mg、52%)。m.p.233−235℃。
Figure 0004745226
実施例4
Figure 0004745226
a)4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2−ジフェニルピロール−3−カルボン酸エチル(16)
アニリン(2.65g、2.59ml、0.0285mmol)を5−オキソ−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−フラン−3−カルボン酸エチル15(F.Gaudemar-Bardone,M.Mladenova,R.Couffignal,Synthesis,1985,1043に記載される文献方法によって製造)(6.0g、0.0259mmol)と酢酸(100ml)との溶液に加え、そして溶液を還流に3時間加熱した。次いで、溶液を冷却し、水で希釈し、そしてジエチルエーテルで抽出した。有機エキストラクトを乾燥し、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤ジクロロメタン)によって、ラクタム16を無色の固体として得た(6.9g、87%)。m.p.129−130℃。
Figure 0004745226
b)4−ベンゾイル−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2−ジフェニルピロール−3−カルボン酸エチル(17)
ピロリノンエステル16(1.76g、5.74mmol)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液を−78℃に冷却し、そしてリチウムヘキサメチルジシラジド(17.2ml、17.2mmol)をTHF中に溶解した1.0M溶液を加えた。5分後、塩化ベンゾイル(0.97g、0.79ml、6.89mmol)を加え、そして溶液を30分間撹拌した。メタノールを加え、そして溶液を室温に温めた。その混合物を酸性化し(水性HCl)、そしてジエチルエーテルで抽出した。エーテルエキストラクトを乾燥し、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤ジクロロメタン)によって、エノール17を黄色の固体として得た(1.74g、74%)。m.p.137−139℃。
Figure 0004745226
c)3,5,6−トリフェニル−1H−フロ[3,4−c]ピロール−1,4(5H)−ジオン(18)
ベンゾイルピロリノンエステル17(17mg)に、溶剤を使用せずに200℃に10分間加熱して、マイクロ波放射線(300ワットで)を照射した。次いで、粗生成物を冷却させ、メタノールを加え、そして固形物をろ別し、メタノールで洗浄した。これによって、フロピロール18をオレンジ色の固体として得た(34mg、52%)。m.p.230 −232℃(lit.[H.Langhals,T.Grundei,T.Potrawa,K.Polborn,Liebigs Ann.Chem.,1996,679]230 −232℃)。
Figure 0004745226
d)2,3,5,6−テトラフェニル−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(19)
H.Langhals, T. Grundei, T. Potrawa, K. Polborn, Liebigs Ann.Chem., 1996,679に記載されるように、中間体18から出発して製造することができる。
e)2,3,6−トリフェニルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(21)
N−フェニルピロリノンエステル16(663mg、2.16mmol)およびベンゾニトリル(446mg、440μl、4.3mmol)をナトリウムt−アミルオキシドの溶液[ナトリウム(150mg、6.5mmol)およびt−アミルアルコール(4.0ml)から]に次々と加え、そしてその混合物を6時間還流に加熱した。次いで、混合物を冷却し、酸性化し(稀水性HCl)、そしてジクロロメタンで抽出した。次いで、有機エキストラクトを乾燥し、そして溶媒を蒸発した。メタノールからの沈殿、次いでろ過によって、トリフェニルピロロピロール21を明るいオレンジ色の固体として得た(18mg、3%)。m.p.390℃(分解)。
Figure 0004745226

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    Figure 0004745226
    で示されるフロピロールの製造法であって、
    (a)式(II):
    Figure 0004745226
    (式中、
    およびAは、C−C18アルキル、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
    3は、水素、C−C18アルキル、シアノメチル、Ar、−CR3031−(CH−Ar、またはY−R32(ここで、R30およびR31は、互いに独立して水素、またはC−Cアルキルを表す)あるいはC−Cアルキルで3回まで置換されることができるフェニルを表し、
    Arは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンあるいは、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシで1〜3回置換されることができるフェニルで1〜3回置換されることができるアリール、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、またはヘテロアリールを表し、mは0、1、2、3または4を表し、
    Rは、C−C18アルキル、アリール、またはアラルキル(これらは、C −C アルキル、C −C アルコキシまたはハロゲンで1〜3回置換されることができる)であり、
    Yは、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−SONH−または−SO−であり、そして
    32は、C−C18アルキル、Arまたはアラルキルである)
    で示される化合物をマイクロ波照射下に、場合により不活性溶媒の存在下に加熱することを含む製造法。
  2. 加えて、式Iの化合物を式A−NH(IV)の第一アミンと反応させ、ここで式III:
    Figure 0004745226
    (式中、Aは、C−C18アルキルまたはAr3であり、そしてAr3、A、AおよびA3は請求項1において定義した通りである)のDPPを得ることを含む、請求項1記載の方法。
  3. 式IにおいてA3が水素原子とは異なる化合物が、式(1a):
    Figure 0004745226
    の化合物を、式A−X(V)の化合物と反応させることによって得られる(式中、A、AおよびA3は請求項1に与える意味を有し、そしてXは離脱基である)、請求項1記載の方法。
  4. 1およびAが、式
    Figure 0004745226
    (式中、
    およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C−C18アルキル、C−C18アルコキシ、C−C18アルキルメルカプト、C−C18アルキルアミノ、C−C18アルコキシカルボニル、C−C18アルキルアミノカルボニル、−CN、−NO、トリフルオロメチル、C−Cシクロアルキル、−C=N−(C−C18アルキル)、フェニル、
    Figure 0004745226
    、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペラジニル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、またはピロリジニル、−CONX、−C(O)OX、または−SOであり;ここで、XおよびXは水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C5−10−シクロアルキルまたはC6−10−アリールであり、Xは水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C5−10−シクロアルキルまたはC6−10−アリールであり、Xは水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C5−10−シクロアルキル、C7−10−アラルキル、C6−10−アリールまたは−NX1011であり、ここでX10およびX11は水素、線状もしくは分枝状C1−10−アルキル、C7−10−アラルキル、またはC6−10−アリールであり、
    Gは、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH=N−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−SONH−、−CONH−または−NR−であり、
    およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−C18アルコキシ、または−CNであり、RおよびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルであり、そしてRは、水素またはC−Cアルキル;または、式
    Figure 0004745226
    (式中、
    21、R22、R23、R25およびR26は、互いに独立して、水素、C−Cアルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C−Cアルキルまたはシアノ基であり、そして
    24は、C−Cアルキルである)の基である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. が、シアノメチル、C −Cアルキル、Y−R32であり、ここでYは−C(O)−であり、R32
    Figure 0004745226
    であり、ここでR40は、C−Cアルキル、−O−C−Cアルキル、または−S−C−Cアルキル、または−(CH−Arであり、ここでmは1であり、Arは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンまたはフェニルで1〜3回置換されることができる式:
    Figure 0004745226
    の基である、請求項4記載の方法。
  6. が、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンまたはフェニルで1〜3回置換されることができる
    Figure 0004745226
    である、請求項4または5記載の方法。
  7. 式(II)
    Figure 0004745226
    の出発化合物が、式(VIII)の化合物をハロゲン化アシルA−COXと反応させること:
    Figure 0004745226
    (式中、R、A、およびAは、請求項1に与えると同じ意味を有し、Aはアリールであり、そしてXはハロゲンである)によって得られる、請求項1記載の方法。
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