JP4745049B2 - 水素透過膜モジュールの作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素透過膜モジュールに関し、より具体的には従来技術では必須であった金属支持体を不要とした水素透過膜モジュールに関する。
例えば、炭化水素の水蒸気改質法で得られる改質ガスには主成分である水素のほか、CO、CO2等の副生成分や余剰H2Oが含まれている。このため改質ガスを、例えば燃料電池の燃料としてそのまま使用したのでは電池性能を阻害してしまう。燃料電池のうちPAFCで用いる水素中のCOは1vol%、PEFCでは100volppmが限度であり、これらを越えると電池性能が著しく劣化する。このためそれら副生成分や余剰H2Oは燃料電池に導入する前に除去する必要がある。
そのような高純度の水素を得るための水素の精製法の一つとして水素透過膜法がある。水素透過膜法は、Pd、Pd合金等の水素透過性箔膜すなわち水素透過膜が水素以外のガスは透過せず、水素のみを選択的に透過する特性を利用するものである。水素含有ガスを水素透過膜に通すことで水素が選択的に透過して分離精製される。この場合、水素透過膜の膜厚は20μm以下、0.5〜20μm程度というように極薄のシート(箔)であるため、水素透過膜を支持する部材が必要である。
図44〜45は、特開2001−276558号公報(本明細書中“558号公報”と言う)に開示された図である。図44は水素ガス分離ユニットの構造を説明するための分解斜視図である。図44中、71は展張枠で、ステンレス鋼等の金属で構成される。展張枠71は、クラッド切板の周囲部分101と中央部分102となる部分にマスキングし、開口Sとなる部分をエッチング処理して、周囲部分101と中央部分102を残して形成される。72はPd合金箔などの水素ガス分離性を有する材料(=水素透過膜)、73は金属支持板、bは細孔である。
図45は、図44のユニットを組み込んだ水素ガス分離体の概略斜視図である。図44のようにして構成された水素ガス分離ユニットは、図45のとおり、金属支持板73の面が内側になるように、その周囲をレーザー溶接などでケース74に固定化して水素ガス分離体とされる。75は精製水素取出管である。
また、図46は、特開平10−296061号公報(本明細書中“061号公報”と言う)に開示された図である。図46において、通気用溝のついたベースプレート80の上に複数枚の多孔金属板からなる補強板81を重ね、その上に水素透過性膜複合体89と枠状金属板82を置き、該枠状金属板82の上から溶接でシールすることによって形成される。水素透過性膜複合体89は、ポリエチレフィルム等の表面平坦度を有する下地基材上にPd等の水素透過膜を0.1〜20μm形成し、その上に多孔質支持体を40〜300μm形成した後、下地基材を焼却または剥離して構成される。
そのように、558号公報においては、圧延薄膜タイプの水素透過膜72が使用され、水素透過膜72は、展張枠71、金属支持板73に対してレーザー溶接などで固定される。また、061号公報においては、多孔質支持体にPd等の水素透過膜を配した水素透過性膜複合体89が使用され、ベースプレート80の上に補強板81を重ね、その上に水素透過性膜複合体89と枠状金属板82を置き、外周部を溶接することで接合している。また、特開2005−58939号公報においても、水素分離モジュールを構成するに際し、枠体に水素透過膜の端部をレーザー溶接によって接合することが記載されている。
しかし、水素透過膜は20μm以下の極薄であるため溶接条件の選定が難しく、溶接時に膜のみが過剰に溶け、モジュールの気密性が確保できないことが多々あった。この結果、歩留率はかなり低くなり、モジュールの作製効率が悪いことが問題であった。
本発明者らは、上記のような欠点がなく、構造自体簡単で且つ水素透過膜である水素透過性箔膜の取り扱いも容易な水素透過膜補強構造体を先に開発し、出願している(特願2005−192316号(出願日=平成17年6月30日)、本明細書中“316号出願”と言う)。この水素透過膜補強構造体によれば、予め別の金属製枠体と接合して気密を確保した後、溶接を行うことで歩留まりはかなり向上した。しかし、一体ずつ作業を行うことから量産は困難であった。
特開2001−276558号公報 特開平10−296061号公報 特開2005−58939号公報 特願2005−192316号出願
本発明は、上記のような欠点がなく、従来技術では必須であった金属支持体が不要であり、構造自体簡単で且つ水素透過膜である水素透過性箔膜の取り扱いも容易な水素透過膜モジュールを提供することを目的とするものである。
本発明(1)は、金属支持体不要の水素透過膜モジュールである。そして、順次、1枚または複数枚の空隙を有しない金属シートと、複数枚の上下貫通空隙を有する金属シートを積層した精製水素収集部材と、複数枚の細孔を有する金属シートを積層した補強部材を配置して一度に接合した後、補強部材の面に水素透過膜を接合してなることを特徴とする。
本発明(2)は、金属支持体不要の水素透過膜モジュールである。そして、順次、1枚または複数枚の空隙を有しない金属シートと、複数枚の上下貫通空隙を有する金属シートを積層した精製水素収集部材と、複数枚の細孔を有する金属シートを積層した補強部材の複数個を配置して一度に接合した後、補強部材の面に水素透過膜を接合してなることを特徴とする。
本発明(3)は、上記(2)の水素透過膜モジュールにおいて、前記複数個の補強部材が、精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材であることを特徴とする。
本発明(4)は、金属支持体不要の水素透過膜モジュールである。そして、上下貫通空隙を有する金属シートの複数枚を積層した精製水素収集部材の両側に、それぞれ細孔を有する金属シートの複数枚を積層した補強部材を配置して一度に接合した後、上下の補強部材の面に水素透過膜を接合してなることを特徴とする。
本発明(5)は、金属支持体不要の水素透過膜モジュールである。そして、上下貫通空隙を有する金属シートの複数枚を積層した精製水素収集部材の両側に、それぞれ順次、細孔を有する金属シートの複数枚を積層した補強部材の複数個を配置して一度に接合した後、上下の補強部材の面に水素透過膜を接合してなることを特徴とする。
本発明(6)は、上記(5)の水素透過膜モジュールにおいて、前記複数個の補強部材が、厚さ方向の中心部である精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材であることを特徴とする。
本発明(7)は、上記(1)〜(6)のいずれかの水素透過膜モジュールにおいて、前記精製水素収集部材を構成する金属シート、及び、前記補強部材を構成する金属シート〔本発明(6)では、厚さ方向の中心部である精製水素収集部材へいくほど粗い細孔を有する補強部材を構成する金属シート〕を、それぞれ金属シートのままで配置して一度に接合してなることを特徴とする。
本発明によれば下記(a)〜(e)のとおりの効果が得られる。
(a) 従来技術では必須であった金属支持体が不要であり、その作製の手間が丸々省けるため、低コスト化ができる。
前述558号公報で言えば、ケース74が金属支持体に相当し、前述061号公報で言えば、通気用溝のついたベースプレート80が金属支持体に相当する。これら金属支持体は他の部材とは別個に作製してレーザー溶接等によって接合する必要があるが、本発明においては、従来技術では必須であったそれらの金属支持体は不要である。また、それら金属支持体を用いる場合の溶接時における前述問題点を解決できる。
(b) 精製水素収集部材と補強部材の接合を一度の接合で行えるので、一平面に何枚分もの精製水素収集部材及び補強部材をかたどることで水素透過膜モジュールの量産化が可能である。
(c) 一枚一枚の金属シートはエッチングで加工するため、精製水素収集部材、補強部材からなる接合体内部の構造を容易に制御可能である。これにより低コスト化、軽量化、低容量化が期待できる。
(d) 後述985号公報のとおり、薄い金属シートを積層することにより、一枚の厚部材では実現できなかった微細なメッシュの厚板化が可能であるが、本発明において、この技術を応用することにより、補強部材の強度が増強され、水素透過膜モジュールの耐久性を向上することができる。
(e) 精製水素収集部材側に最も細孔の孔が粗い補強部材を配置し、水素透過膜側に向けて、細孔の孔が順次密の補強部材(孔の粗さを順次小さくした補強部材)を配置して、細孔の大きさに勾配を設けることにより、水素透過膜の強度を保ったまま、水素透過膜側から精製水素収集部材に向けて流れる精製水素の流通抵抗を緩和することができる。
本発明(1)〜(7)のいずれの水素透過膜モジュールにおいても、精製水素収集部材及び補強部材からなる接合体を、それら各本発明で規定する所定位置に配して一度の接合により形成する。その接合手段には特に限定はないが、その好ましい例として“拡散接合”が挙げられる。拡散接合によれば、それら部材を一回のバッチ熱処理で接合することができる。以下においては、主に拡散接合を例にして説明しているが、他の接合手段による場合も同様である。
そして、本発明(1)〜(7)のいずれの水素透過膜モジュールにおいても、上記一度の接合により形成した接合体に対して、その補強部材側の面に水素透過膜を接合する。本発明(1)〜(2)では補強部材側の面に水素透過膜を接合し、本発明(3)では細孔が最も細かい孔の側の補強部材の面に水素透過膜を接合し、本発明(4)〜(5)では上下の補強部材側の面に水素透過膜を接合し、本発明(6)では細孔が最も細かい細孔の側の上下の補強部材の面に水素透過膜を接合する。それら補強部材の面に対する水素透過膜の接合手段には特に限定はないが、その好ましい例として“拡散接合”が挙げられる。
本発明において、水素透過膜は、水素を選択的に透過する機能を有する材料で構成された箔膜であれば特に限定はなく、その例として下記(1)〜(6)が挙げられる。
(1)Pd膜、
(2)Pd合金膜、
(3)5族金属(V、NbまたはTa)と6族金属(Cr、Mo、W)その他の金属との合金膜、
(4)Pd合金膜の多層膜(すなわちPd合金膜自体の多層膜)、
(5)Pd膜と、5族金属(V、NbまたはTa)と6族金属(Cr、Mo、W)その他の金属との合金膜と、の多層膜、
(6)Pd合金膜と、5族金属(V、NbまたはTa)と6族金属(Cr、Mo、W)その他の金属との合金膜と、の多層膜。
このうち、(2)Pd合金膜はPdと他の金属との合金膜であり、Pdと合金化する金属としてはAu、Ag、Cu、Pt、Rh、Ru、Ir、Ce、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Y、Gdが挙げられる。それら金属の二種以上を組み合わせてPdと合金化してもよい。
これらの金属材料からなる箔膜は、圧延法、イオンプレーティング法、メッキ法など各種手法により作製される。
本発明(1)〜(7)の態様について、その作製過程を含めて、順次説明する。以下では、閉塞部材、精製水素収集部材、補強部材、水素透過膜等の各部材を矩形状に構成した水素透過膜モジュールを例に説明しているが、その形状は四角形状その他、適宜の形状とすることができるものである。
〈本発明(1)の態様〉
本発明(1)の水素透過膜モジュールは、その材料として、1枚または複数枚の空隙を有しない金属シート(a)と、複数枚の空隙を有する金属シート(b)と、複数枚の細孔を有する金属シート(c)と、水素透過膜(d)が用いられる。そして、これらの材料のうち(a)〜(c)を順次配置して、すなわち(a)の上に(b)を配置し、(b)の上に(c)を配置して一度に拡散接合した後、(c)の面に水素透過膜を接合することで作製される。
その接合により、上記1枚または複数枚の空隙を有しない金属シート(a)により閉塞部材が構成され、上記複数枚の上下貫通空隙を有する金属シート(b)により精製水素収集部材が構成され、上記複数枚の細孔を有する金属シート(c)により補強部材が構成される。そして、補強部材の面に水素透過膜を接合することで水素透過膜モジュールが作製される。
ここで、上記複数枚の上下貫通空隙を有する金属シート(b)における各空隙が水素透過膜モジュールにおいて精製水素を収集し、導出管へ向けて流通させる空隙となるので、当該(b)は“複数枚の精製水素流通用空隙を有する金属シート”とも言える。
また、上記閉塞部材は、精製水素収集部材の空隙のうち一方の開口側に位置して、その開口を塞ぐ役割をする。そして、精製水素収集部材の空隙のうち他方の開口側に補強部材が位置することになる。
図1〜7は、本発明(1)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図である。なお、本発明(2)〜(7)と共通する部分についても、適宜、当該〈本発明(1)の態様〉の箇所で説明している。
図1〜2はその作製過程を説明する図である。
図1(a)は複数枚の細孔を有する金属シートからなり、この段階においては、それらの金属シートを重ねただけ、つまり積層しただけの状態である。そして、次の拡散接合により補強部材2となる。
図1(b)は1枚または複数枚の空隙を有しない金属シートと複数枚の上下貫通空隙を有する金属シートとからなり、この段階においてはそれらの金属シートを重ねただけ、つまり積層しただけの状態である。そして、次の拡散接合により、1枚または複数枚の空隙を有しない金属シートは閉塞部材Mとなり、複数枚の上下貫通空隙を有する金属シートは精製水素収集部材1となる。
図1(a)〜(b)のように配置した各金属シートを一度に拡散接合して接合体を形成する。図1(c)はこうして形成された接合体である。そして、図2のとおり、その接合体のうち、補強部材2の面に水素透過膜を接合して水素透過膜モジュールを構成する。
図2(c)の段階において、1枚または複数枚の空隙を有しない金属シートと複数枚の上下貫通空隙を有する金属シートを接合したものが、水素透過膜モジュールにおいて精製水素収集部材となり、複数枚の細孔を有する金属シートを接合したものが、水素透過膜モジュールにおいて細孔を有する補強部材となる。
以下、水素透過膜モジュールを構成する各部材、すなわち閉塞部材M、精製水素収集部材1、細孔を有する補強部材2、水素透過膜3について順次説明する。
閉塞部材、精製水素収集部材、細孔を有する補強部材の構成材料は、エッチング加工が可能で、相互に接合可能な金属であればよく、その例としてはステンレス鋼、ニッケル、ニッケル基合金、銅合金、鉄基合金(鉄ニッケル合金等)などが挙げられる。これらのうち特にステンレス鋼が好ましい。
本発明(1)においては、それら材料で構成された1枚または複数枚の空隙を有しない金属シート、複数枚の上下貫通空隙を有する金属シート、複数枚の細孔を有する金属シートを重ねて一度に拡散接合する。このように、一度の接合によりそれぞれ閉塞部材、精製水素収集部材及び補強部材を構成することから、それら金属シートは同一の材料であるのが好ましい。これにより拡散接合をより有効に行い、コスト低減を図ることができる。
〈精製水素収集部材1の作製態様〉
図3は精製水素収集部材1の作製態様を説明する図である。図3のとおり、内部に上下貫通空隙sを有する金属シートの複数個を配置し、最下部には1枚または複数枚の空隙を有しない金属シートを配置する。これらを重ねることにより、精製水素収集部材1、閉塞部材Mを形成する。前述のとおり、この段階では、上下貫通空隙sを有する金属シートの複数枚とその片側面に1枚または複数枚の空隙を有しない金属シートを重ねただけの状態である。図4は、図1(b)、図3の最下部に示す精製水素収集部材1のA−A線断面図である。
上下貫通空隙sを有する金属シートの数は、水素透過膜モジュールにおいて強度と厚さを保ち得るに足る数とする。例えば、各金属シートの厚さは数十μm〜数百μm程度である。このため、その厚さが例えば100μmの場合、20枚重ねることで厚さ2mm程度の空隙Sを有する精製水素収集部材1を構成する。
また、空隙sを有しない金属シートは、図3では1枚の例を示しているが、水素透過膜モジュールにおいて強度と厚さを保ち得るに足る数とする。空隙sを有しない金属シートの厚さ例については上記“空隙sを有する金属シート”の場合と同様である。
〈空隙sを有する金属シートの作製態様〉
図5は、前記“空隙sを有する金属シート”の作製態様を説明する図である。図5(a)は金属シートであり、その表面のうち、空隙sとなる部分を除き、マスキングをする。図5(b)はこの状態を示している。次いでエッチング処理をする。エッチング処理により、マスキング部分以外の部分が除去され、空隙sが形成される。図5(c)はこの状態を示している。次いで、マスキングを除去することで、図5(d)に示すように、空隙sを有する金属シートが得られる。
マスキングは、例えばPVA−重クロム酸水溶液などのレジスト液を施し、乾燥することにより行うことができる。レジスト液の施工にはロールコート法、スピンコート法、ディップ引き上げ法などが適用できる。レジスト膜の厚さは、エッチング処理の際に保護できる厚さであればよく、例えば5〜10μm程度とする。そして、選択エッチング、すなわちマスキング部分を除く部分をエッチングする。
エッチング処理でのエッチング液としては、例えば塩化第2鉄水溶液などが用いられる。この処理において、マスキングしない金属シートの露出部分から選択的にエッチングされ、図5(d)に示すように空隙sが形成される。この空隙sを有する金属シートの複数枚により形成された空隙Sを有する積層体が、図1(b)、図3の下部に示す精製水素収集部材1に相当し、その下面に空隙sを有しない金属シートが配置される。精製水素収集部材1の空隙Sが精製水素の収集部となる。
〈細孔を有する補強部材2の作製態様〉
図6は、細孔を有する補強部材2の作製態様を説明する図である。図6のとおり、それぞれ細孔を有する金属シートの複数枚を配置する。そして、これらを重ねることにより、細孔を有する補強部材2を形成する。
なお、前述のとおり、この段階では、細孔を有する金属シートの複数枚を重ねただけの状態である。
細孔を有する金属シートの数は、水素透過膜モジュールにおいて強度と厚さを保ち得るに足る数とする。例えば各金属シートの厚さは各金属シートの厚さは数十μm〜数百μm程度であるので、その厚さが例えば100μmの場合、20枚重ねることで厚さ2mm程度の細孔を有する補強部材2を構成する。
〈細孔を有する金属シートの作製態様〉
図7は、細孔を有する金属シートの作製態様を説明する図である。図7(a)はマスクであり、その周縁部には孔がなく、周縁部で囲まれた内部に細孔を有するマスクである。このマスクを図7(b)に示す金属シートの表面に配置する。図7(c)はこの状態を示している。次いで、エッチング処理をする。エッチング処理により、金属シートのうち、マスクの各細孔に対応する部分がエッチングにより除去され、それ以外の部分はエッチングされない。
次いで、マスキングを除去することで図7(d)に示すように、細孔を有する金属シートが得られる。この細孔を有する金属シートの複数枚の積層体が図1(a)、図6の最下部に示す細孔を有する補強部材2に相当している。
なお、エッチング手段により複数の細孔を有する金属薄板を作製し、この金属薄板の複数個を複数細孔の孔位置を一致させた上で一体化する技術自体は、特開2000−109985号公報(本明細書中“985号公報”と言う)に開示されている。本発明においては、そのような技術を、上記細孔を有する金属シート、細孔を有する補強部材を作製する際に応用している。
特開2000−109985号公報
〈本発明(2)の態様〉
図1〜2においては、図1(a)として示すように細孔を有する補強部材が一個の場合を示しているが、細孔を有する補強部材を二個以上の複数個配置してもよい。本発明(2)の水素透過膜モジュールは、この場合に相当し、各細孔を有する補強部材を複数個配置する点以外は前述〈本発明(1)の態様〉の場合と同様にして作製することができる。
〈本発明(3)の態様〉
本発明(3)の水素透過膜モジュールは、本発明(2)の水素透過膜モジュールにおいて、二個以上の複数個の補強部材が、精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材であることを特徴とする。
図8〜9は、本発明(3)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図である。図1〜2に示す態様に対して、図8中、符号11として示すように、精製水素収集部材10側に、細孔の孔が粗い補強部材を配置する。細孔の孔が粗い補強部材11を用いる点以外は〈本発明(1)の態様〉で説明した態様と同様である。
すなわち、図8中、精製水素収集部材10は図1の精製水素収集部材1に相当し、細孔を有する補強部材12は図1の細孔を有する補強部材2に相当している。これらを細孔の孔が粗い補強部材11とともに図8(a)〜(c)のように配置して一度に拡散接合して図8(d)に示す接合体を構成する。そして、図9のとおり、その接合体のうち、細孔を有する補強部材12の面に水素透過膜13を拡散接合して水素透過膜モジュールを構成する。水素透過膜13は、図2の水素透過膜3に相当している。
図8〜9には、細孔の孔が粗い補強部材11と細孔の孔が密な(つまり、細孔の孔径が補強部材11の細孔の孔径より小さい)補強部材12の二個の場合を示しているが、精製水素収集部材10の側に最も細孔の孔が粗い補強部材を配置し、水素透過膜側に向けて、細孔の孔が順次密の補強部材(孔の粗さを順次小さくした補強部材)を配置して構成する。このように、精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けることにより、水素透過膜の強度を保ったまま、水素透過膜側から精製水素収集部材に向けて流れる精製水素の流通抵抗を緩和することができる。
細孔の孔が粗い補強部材11の作製は前述〈細孔を有する補強部材2の作製態様〉(図6)、〈細孔を有する金属シートの作製態様〉(図7)と同様にして作製することができる。図10に、細孔の孔が粗い細孔を有する金属シートの複数枚から、細孔の孔が粗い補強部材11を作製する態様を示している。精製水素収集部材10側に細孔の孔が粗い補強部材を配置する点以外は、前述〈本発明(1)の態様〉の場合と同様にして本発明(3)の水素透過膜モジュールを作製することができる。
〈本発明(1)の態様〉〜〈本発明(3)の態様〉の水素透過膜モジュールにおいて、精製水素収集部材の空隙Sに連通した水素導出管を設ける。水素導出管は1個とは限らず複数個設けてもよい。水素導出管を設ける態様については後述のとおりである。
〈細孔を有する補強部材と水素透過膜との間に、拡散防止層、中間層−拡散防止層、拡散防止層−中間層、または、中間層−拡散防止層−中間層を配する態様〉
金属シート、例えばステンレス鋼のシートと水素透過膜とを直接接触させて接合した接合体を炭化水素の水蒸気改質条件(500〜700℃)等の高温下で使用すると、金属シートと水素透過膜の互いの成分が相互拡散して水素透過膜を変質させ、膜の強度、気密性、水素透過性能を著しく低下させるという問題があった。
本発明においては、水素透過膜側(すなわち水素透過膜に当接する側)の細孔を有する補強部材における水素透過膜との接合部に(A)拡散防止層、(B)第一の中間層(=補強部材側)−拡散防止層、(C)拡散防止層−第二の中間層(=水素透過膜側)、または、(D)第一の中間層(=補強部材側)−拡散防止層−第二の中間層(=水素透過膜側)を配し、これにより補強部材と水素透過膜との互いの成分の相互拡散を無くして、水素透過膜の変質を防ぎ、膜強度、気密性及び水素透過性能の低下を防止することができる。
なお、水素透過膜との接合部に、そのように(A)〜(D)の層を配する技術は本発明者らが先に開発したものであり(前述“316号出願”)、本発明においては、これを応用するものである。
図11〜12は、細孔を有する補強部材と水素透過膜との間にそれら(A)〜(D)のいずれかの層を配する態様を説明する図である。図11〜12中、図1〜2と共通する部材、部分には同じ符号を用いている。図11において、2′は金属シートの周縁から所定幅を残した上面に(A)〜(D)のいずれかの層を配した“細孔を有する金属シート”である。
(A)〜(D)のいずれかの層を配した“細孔を有する金属シート”2′を、閉塞部材M、精製水素収集部材1、細孔を有する補強部材2とともに、図11(a)〜(c)のように配置し、一度に拡散接合して、閉塞部材Mと精製水素収集部材1と細孔を有する補強部材2と(A)〜(D)のいずれかの層を配した“細孔を有する金属シート”2′との接合体を形成する。
図11(d)はこうして構成された接合体である。なお、図11(a)〜(c)においては、説明の便宜上、各部材を離して示しているが、各部材を重ねて一度に拡散接合する。そして、図12のとおり、その接合体のうち、(A)〜(D)のいずれかの層を配した“細孔を有する金属シート”2′の面に水素透過膜を接合して水素透過膜モジュールを構成する。図12(c)はこうして構成された水素透過膜モジュールである。
〈細孔を有する金属シートまたは補強部材に(A)拡散防止層を配する態様〉
図13は、細孔を有する金属シートへの拡散防止層の形成態様を説明する図である。図13(b)は金属シートである。図13(b)に示す点線は説明のためのもので、その点線枠内が細孔域となることを示している。
金属シートにマスキングをする。マスキングは、図13(a)に示すように、周縁部には孔がなく、その周縁部で囲まれた部分に細孔を有するマスクを金属シートに配置することで行うことができる。すなわち、図13(a)のマスクを図13(b)の金属シートの片面に配置する。図13(c)はこのマスキングをした状態を示している。
次に、エッチング処理をする。エッチング処理により、金属シートのうち、マスクの各細孔に対応する部分がエッチングにより除去され、それ以外の部分はエッチングされない。次いで、マスキングを除去することにより、図13(d)に示すように細孔を有する金属シートが得られる。この細孔を有する金属シートは、表裏対称であり、裏から見ても図13(d)と同じである。
そして、拡散防止層を形成する。拡散防止層は、細孔を有する金属シートの片面に形成する。拡散防止層は、拡散防止層となる材料を、その金属シートの細孔部の領域(細孔域)に施すことで形成する。拡散防止層となる材料の施工は、デイップコート法、スプレー吹き付け法、印刷法、アークイオンプレーティング法、蒸着法などによって行うことができる。このうち印刷法は、金属シートが平らであるので特に有用である。
拡散防止層の構成材料としては、高融点金属またはセラミックスが用いられる。このうち高融点金属は、融点が1800℃以上の金属であり、その例としてはZr、Mo、Ta、W、Cr、Hf、Nb、Ruなどが挙げられる。また、セラミックスは、Ti、Si、Al、Mg、Ca、Y、Zr、Hfの群から選択される一種以上の元素とN、C、O、Bの群から選択される一種以上の元素とからなる化合物であり、その例としてはTiN、TiC、TiO2、TiB、Si34、SiC、SiO2、AlN、Al23、MgO、CaO、AlSiOX、Y23、ZrO2、TiAlN、MgO・Al23、2MgO・SiO2などが挙げられる。これらセラミックスは、単層で拡散防止層とするほか、例えばAl23層とZrO2層というように複数層積層して拡散防止層とする場合もある。
また、拡散防止層は、細孔を有する金属シートの片面を酸化して酸化物を形成し、その酸化物を拡散防止層としてもよい。この酸化物の形成は、金属シートまたは補強部材に対して拡散防止層のみを配する態様、もしくは前述拡散防止層−第二の中間層(=水素透過膜側)を配する態様において適用できる。水素透過膜モジュール完成に至るまでの作製過程では、その酸化物が拡散防止層となる材料に相当する。
形成された拡散防止層の側に水素透過膜が配される。拡散防止層となる材料の厚さは、その目的、すなわち金属シートの成分と水素透過膜との相互拡散防止を達成し得る範囲で適宜選定することができる。その範囲は、好ましくは0.05〜1μmである。なお、拡散防止層の厚さは、金属シートの細孔の径より小さいので、細孔が拡散防止層の構成材料により詰まることはない。
図13(e)は、こうして拡散防止層となる材料を形成した状態を示している。この拡散防止層となる材料を施工してなる部材が、前述図11(a)に示す“細孔を有する金属シート”2′に相当し、ここでは(A)拡散防止層を有する“細孔を有する金属シート”2′である。
以上では、1枚の細孔を有する金属シートに拡散防止層を配する場合について述べたが、細孔を有する金属シートを重ねた補強部材の片面に拡散防止層を配してもよい。この場合、図11(b)に示す細孔を有する補強部材2の上面に図13(e)に示すような拡散防止層を配した状態となる。この点、拡散防止層に加え、第一の中間層及び第二の中間層の一方または両方を配する態様についても同様である。
図13の態様では細孔を有する金属シートに拡散防止層の成膜処理を施しているが、単なる枠に対して、拡散防止層を施した細孔を有する金属シートをはめ込み、図13(e)と同様の形態にすることもできる。図14はこの態様を説明する図である。図14(a)は細孔を有する金属シートである。図14(a)に示す細孔を有する金属シートの片面の全面に拡散防止層を施して図14(b)のようにする。そして、この金属シートを、図14(c)のような単なる枠に対してはめ込む。
なお、ここでの“枠”は、拡散防止層を施した細孔を有する金属シートに対応する形状の枠であり、従来技術で言うような金属枠を意味しない。こうして、図14(d)に示すように、図13(e)と同様の構成とすることができる。この形成態様では、拡散防止層の成膜時にマスキング等の工程が不要であり、また、拡散防止層の成膜時に拡散防止材料の金属シートの裏面への回り込みがないなどのメリット、効果が得られる。
なお、図14には1枚の細孔を有する金属シートを用いる場合を示しているが、細孔を有する金属シートの複数枚を重ね(その複数枚のうち、水素透過膜側の金属シートのみを拡散防止層を施した金属シートとする)、上記と同様にして単なる枠に対してはめ込むようにしてもよい。この場合、当該単なる枠も、対応する形状の金属シートの複数枚を重ねて形成したものであり、従来技術で言うような金属枠体ではない。
図15は金属シート、金属シートにおける細孔域、拡散防止層、金属露出面等の関係を説明する図である。図15(a)は図13(e)、図14(d)と同じ図である。図15(b)は、図15(a)の右側部分を拡大し、平面図として示したものである。aは金属シートの周縁、bは金属シートにおける細孔域の周縁、cは拡散防止層の周縁である。図15(b)のとおり、金属シートの周縁aと拡散防止層の周縁cとの間には所定幅dが置かれる。この所定幅dが前述“金属シートの周縁から所定幅を残した”ところの当該所定幅であり、この所定幅dの面が金属シートの金属が露出した面(金属露出面)となる。
水素透過膜は、接合時に、当該金属露出面で接合され、拡散防止層の部分では接合しない。なお、図15(b)中右側に点線を付しているが、これは、おおよそこの点線の箇所までに水素透過膜が配されることを示している。この点、後述図16〜19の態様においても同じである。
以上で述べた態様では、拡散防止層は、図11(a)、図12(b)、図13(e)、図14(d)、図15(a)〜(b)中、斜線で示すように、金属シートの細孔域と、細孔域の周縁bから幾分“はみ出し”て配されている。図15(a)〜(b)で言えば、符号eとして示す部分であり、金属シートにおける細孔域の周縁bと拡散防止層の周縁cの間の幅部分である。
しかし、拡散防止層は、水素透過膜とは接合しないので、そのような“はみ出し”部分は必須ではなく、実質上細孔域のみに配してもよい。これにより、金属シートの細孔域をその分、すなわち“はみ出し”部分だけ広くすることができる。この点は前記(B)〜(D)の層を配する場合についても同様である。.
そのように“はみ出し”部分を無くして、その分細孔域を広げると、図16(a)のようになり、金属シートの細孔域を広くすることができる。そして、図16(b)のように、細孔域の全域に拡散防止層を配する。図16(c)に、図16(b)の右側部分を拡大し、平面図として示している。このように金属シートの細孔域を広げることで“はみ出し”部分の領域まで金属シートの細孔域を広くできることから、水素透過膜モジュールとしては同一の規模で、水素透過膜による水素精製域を広げることができる。
以上、いずれの場合にも、拡散防止層は、金属シート成分と水素透過膜成分の相互拡散を防ぎ、水素透過膜の劣化を防止する。
〈細孔を有する金属シートまたは補強部材に(B)第一の中間層(=補強部材側)−拡散防止層を配する態様〉
図17は、水素透過膜側の細孔を有する補強部材について、水素透過膜との当接面に第一の中間層(=補強部材側)−拡散防止層を配した態様を説明する図である。第一の中間層は、細孔を有する補強部材と拡散防止層との間の接合強度を高め、密着性を確保するための層であり、細孔を有する補強部材を構成する最上部の細孔を有する金属シートの面に対してメッキ法や蒸着法、アークイオンプレーティング法、その他適宜の方法により層状に塗布することにより形成することができる。
第一の中間層(=補強部材側)の構成材料としては、Au、Ag、Cu、Al、Ti、Ni、Co、Pt、Pd、Rh、Ruなどが用いられる。それら金属は、二種以上を例えば合金として組み合わせた形で用いてもよい。
第一の中間層の厚さはその目的を達成し得る範囲で適宜選択することができる。その範囲は0.05〜20μm、好ましくは0.1〜10μmである。“第一の中間層+拡散防止層”の厚さは、金属シートの細孔の径より小さいので、細孔が詰まることはない。
〈細孔を有する金属シートまたは補強部材に(C)拡散防止層−第二の中間層(=水素透過膜側)を配する態様〉
図18は、水素透過膜側に配する細孔を有する補強部材について、水素透過膜との当接面に拡散防止層−第二の中間層(=水素透過膜側)を配した態様を説明する図である。第二の中間層は、拡散防止層と水素透過膜との間の接合強度を高め、密着性を確保するための層であり、拡散防止層の面に対してメッキ法や蒸着法、アークイオンプレーティング法、その他適宜の方法により層状に塗布することにより行うことができる。
第二の中間層(=水素透過膜側)の構成材料としては、Au、Ag、Cu、Ni、Co、Pt、Pd、Rh、Ruなどが用いられる。それら金属の二種以上を例えば合金として組み合わせてもよい。
第二の中間層の厚さはその目的を達成し得る範囲で適宜選択することができる。その範囲は0.05〜20μm、好ましくは0.05〜1μmである。
〈細孔を有する金属シートまたは補強部材に(D)第一の中間層(=補強部材側)−拡散防止層−第二の中間層(=水素透過膜側)を配する態様〉
図19は、水素透過膜側の細孔を有する補強部材について、水素透過膜との当接面に第一の中間層(=補強部材側)−拡散防止層−第二の中間層(=水素透過膜側)を配した態様を説明する図である。このうち、第一の中間層は目的、構成材料、その施工法とも、前述第一の中間層(図17参照)と同じであり、第二の中間層は目的、構成材料、その施工法とも、前述第二の中間層(図18参照)と同じである。
図20〜21は、前述図8〜9に示す本発明(3)の水素透過膜モジュールの態様において、(A)〜(D)のいずれかの層を配した“細孔を有する金属シート”12′を配した態様である。水素透過膜側に“細孔を有する金属シート”12′が加わる点以外は、前述図8〜9を用いて説明したのと同様である。なお、図20〜21には、それら層について、前述“はみ出し”部分を有しない場合を示しているが、“はみ出し”部分を有する場合についても同様である。
〈(A)〜(D)の層の形成時期に関する態様〉
水素透過膜との接合部に(A)〜(D)の層を配する場合には、前述図11〜12、上述図20〜21のように、水素透過膜を接合する前の、(A)〜(D)の層を接合体を形成する段階で形成してもよく、(A)〜(D)の層を配しない接合体を形成した後に(A)〜(D)の層を形成してもよい。この点、以下の態様についても同様である。図22は、(A)〜(D)の層を配しない接合体を形成した後に(A)〜(D)の層を形成する態様を説明する図である。
ここでは(A)拡散防止層の場合について説明するが、(B)〜(D)の層を形成する場合も同様である。図22のとおり、精製水素収集部材10と、細孔の孔が粗い補強部材11と細孔を有する補強部材12を配置して一度に拡散接合して図22(d)に示す接合体を構成する。そして、その接合体のうち、細孔を有する補強部材12の細孔域に拡散防止層を形成する。そして、その面に水素透過膜13を拡散接合して水素透過膜モジュールを構成する。
《本発明(4)〜(6)の態様》
本発明(4)〜(6)の水素透過膜モジュールは、上下貫通空隙を有する金属シートの複数枚を積層した精製水素収集部材の両側に、細孔を有する金属シートを積層した補強部材、あるいは補強部材の複数個、あるいは厚さ方向の中心部である精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材を配置して一度に接合し、その接合体の両補強部材の面に水素透過膜を接合して構成される。
そのように、それら補強部材及び水素透過膜を上下貫通空隙を有する金属シートの複数枚を積層した精製水素収集部材の両側に配することから、本発明(4)〜(6)は、コンパクトで、しかも高性能の水素透過膜モジュールとすることができる。
なお、以下においては、(A)拡散防止層を配した細孔を有する金属シートを配した図面を用いて説明するが、(B)〜(D)のいずれかの層を配した細孔を有する金属シートを配する場合や、これら(A)〜(D)の層を有しない場合についても同様である。
〈本発明(4)の態様〉
本発明(4)の水素透過膜モジュールは、上下貫通空隙を有する金属シートの複数枚を積層した精製水素収集部材の上下両側に細孔を有する金属シートを積層した補強部材を配置して一度に接合する。なお、前述のとおり、一度の接合により接合する前はそれらの金属シートを重ねただけの状態であり、この点以下の態様につても同様である。そして、その接合体の両補強部材の面に水素透過膜を接合して構成される。
図23〜24はその作製過程を説明する図である。図23において、20は上下貫通空隙Sを有する精製水素収集部材、21は細孔を有する補強部材、22は拡散防止層を有する細孔を有する金属シートである。そして、これらの部材を図22(a)〜(e)のように配置して一度に拡散接合する。
こうして、精製水素収集部材20と細孔を有する補強部材21と拡散防止層を有する細孔を有する金属シートの接合体を構成する。図23(f)はこうして構成された接合体である。なお、図23(a)〜(e)においては、説明の便宜上、各部材を離して示しているが、各部材を重ねて一度に拡散接合するものである。そして、図24のとおり、その接合体のうち、上下の、細孔を有する金属シート22、22の拡散防止層側の面に水素透過膜を接合して水素透過膜モジュールを構成する。
上記上下貫通空隙Sを有する精製水素収集部材20は、前述図5のようにして作製した“空隙sを有する金属シート”の複数枚を積層して形成される。すなわち、図25のように“空隙sを有する金属シート”の複数枚(n枚)を積層することで形成される。
また、精製水素収集部材20は、“空隙sを有する金属シート”として、複数の空隙s、s、s・・・を有する金属シートを用いて形成してもよい。すなわち、図26のように“複数の空隙sを有する金属シート”の複数枚(n枚)を積層することで、複数個の空隙S、S、S・・・を有する精製水素収集部材20が形成される。
また、精製水素収集部材20は、図26のように“複数の空隙sを有する金属シート”の複数枚(n枚)を積層して複数個の空隙S、S、S・・・を有する精製水素収集部材20を形成する際に、精製水素を集めるための集合孔を設けてもよい。すなわち、図27のように、集合孔により複数個の空隙S、S、S・・・を予め繋げておくことで、水素導出管との連結をより容易に行える。水素透過膜で分離され、各空隙S、S、S・・・を流れてくる精製水素は集合孔を経て水素導出管から取り出される。
〈本発明(5)の態様〉
本発明(5)の水素透過膜モジュールは、上下貫通空隙Sを有する精製水素収集部材の両側に、それぞれ順次、細孔を有する金属シートの複数枚を積層した補強部材の複数個を配置して一度に接合する。そして、その接合体の両補強部材の面に水素透過膜を接合して構成される。
前述図23〜24においては、符号21、21として示すように、精製水素収集部材20の一側に細孔を有する補強部材を一個、精製水素収集部材20の両側で二個を示しているが、その一側に細孔を有する補強部材を二個以上、両側で四個以上を配置してもよい。本発明(5)は、この場合に相当し、各細孔を有する補強部材、また他の部材についても〈本発明(4)の態様〉の場合と同様にして作製することができる。
〈本発明(6)の態様〉
本発明(6)は、本発明(5)において、複数個の補強部材が、厚さ方向の中心部である精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなるものに相当している。
図28〜29は本発明(6)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図である。図28のとおり、上下貫通空隙Sを有する精製水素収集部材30の両側に、それぞれ順次、細孔の孔を粗くした金属シートの複数枚を積層した補強部材31と、細孔の孔が密な(つまり、細孔の孔が補強部材31の細孔より小さい)補強部材32と、拡散防止層を有する細孔を有する金属シート33を配置して一度に接合する。
図28(h)はこうして構成された接合体である。そして、図29のとおり、その接合体のうち、上下両側の拡散防止層を有する細孔を有する金属シート33、33の面に水素透過膜を接合して水素透過膜モジュールを構成する。図29(d)はこうして構成された水素透過膜モジュールである。図30(a)にそれを拡大して示している。
図28〜29には、細孔の孔が粗い補強部材31と細孔の孔が密な補強部材32の二個の場合を示しているが、厚さ方向の中心部である精製水素収集部材30の側に最も細孔の孔が粗い補強部材を配置し、水素透過膜側に向けて、順次、細孔の孔が密の補強部材(孔の粗さを順次小さくした補強部材)を配置して構成する。このように、細孔の大きさに勾配を設けることにより、水素透過膜の強度を保ったまま、水素透過膜側から精製水素収集部材に向けて流れる精製水素の流通抵抗を緩和することができる。
本発明の水素透過膜モジュールのスケール、すなわち規模は適宜設定できるが、例えば長さ30cm、幅3cm、厚さ1cmというような規模とすることができる。図28中“×10”というように示しているのは各部材を構成する金属シートの枚数例である。
〈精製水素収集部材の各金属シート、補強部材の各金属シートを金属シートのままで水素透過膜を含めて一体接合する態様〉
本発明の水素透過膜モジュールは、(1)精製水素収集部材を構成する金属シート、補強部材を構成する金属シートを金属シートのままで重ねて一度に接合してもよく、(2)後述仮止めする場合のように、各金属シートを重ねた精製水素収集部材(一度の接合により精製水素収集部材となる)、各金属シートを重ねた補強部材(一度の接合により補強部材となる)を個々に形成した後、一度に接合してもよい。(1)の場合には、例えば、シートの位置決め用のダイ、すなわち型枠内にそれら各金属シートを積層して加熱及び加圧を行い、拡散接合により一度に接合する。そして、その接合体のうち、上下の細孔を有する金属シートの面に水素透過膜を接合して水素透過膜モジュールとする。
〈水素透過膜モジュールへの水素導出管の配置態様〉
以上のように構成した水素透過膜モジュールにおいては、精製水素を取り出すための水素導出管を配置する。以下、その配置態様について順次説明する。
〈精製水素収集部材に対して水素導出部Tを設ける態様〉
精製水素収集部材に対して精製水素導出部を設ける。すなわち、以上で述べた態様の水素透過膜モジュールにおいては、別途、精製水素収集部材の空隙Sに連なる精製水素導出部を設ける。図28〜29の態様で作製した水素透過膜モジュールを例にすると、図30(a)のように水素導出部を有しない形に構成されているので、精製水素導出部Tを穿設する。
精製水素収集部材30の部位を穿孔して精製水素の導出部とする。図30(b)中“T”として示す孔で、この孔Tは図28(d)に示す空隙Sに連通している。穿孔は、例えば切削工具により容易に行うことができる。そして、図30(c)のように、精製水素導出部Tに水素導出管35を連結する。
この孔Tは、図1〜2、図8〜9、図11〜12、図20〜22、図22〜24に示す態様において精製水素収集部材の空隙Sに連通する。これらの態様の場合にも、上記と同様にして孔すなわち精製水素導出部Tに水素導出管35を連結する。また、前述図27のように、精製水素を集めるための集合孔を設けている場合には、集合孔により複数個の空隙S、S、S・・・を予め繋げているので、同様にして孔すなわち精製水素導出部Tに水素導出管35を連結することができる。
図31は、こうして形成した水素導出管35付き水素透過膜モジュールの内部、水素導出管35の連結部を説明する図である。図31(a)は図30(c)と同じである。図31(b)は図31(a)中A−A線断面を拡大して示した図、図31(c)は図31(a)中B−B線断面を拡大して示した図である。図31(b)のとおり、精製水素導出部Tに対して水素導出管35を嵌合し、ガス密にシール、固定する。そのシール、固定は溶接、ろう付けなどにより行う。
前述図26に示すような複数の空隙Sを設けた精製水素収集部材の場合には、精製水素導出部Tは各空隙Sのいずれにも連通するように穿孔する。図32は、この態様を説明する図である。図32(a)に示すように、精製水素収集部材30の部位を穿孔する前の外観は図30(a)と同様であるが、図32(a)中符号30として示す精製水素収集部材が、図26のように複数の空隙Sを設けた精製水素収集部材で構成されている。精製水素導出部Tは複数の空隙Sのいずれにも連通する必要があるので、図32(b)に示すように矩形状に穿孔して精製水素導出部Tを形成する。そして、図32(c)のように、精製水素導出部Tに、その形状に対応した水素導出管36を連結する。
〈精製水素導出部Tに係る変形態様1〉
精製水素収集部材における精製水素導出部Tについては各種態様が可能である。以上で述べた水素透過膜モジュールにおいては、精製水素収集部材の凹部Sまたは空隙Sに連なる精製水素導出部Tを設ける。これに対して、精製水素収集部材について、凹部Sまたは空隙Sの部分を、予め補強部材の細孔域よりも広めに取っておくことにより(つまり、精製水素導出部Tを穿設する部位の幅を小さくしておくことにより)、精製水素導出部として穿設する長さを短くすることができる。
図33はこの態様を説明する図である。図33中、補強部材の細孔域の端部を点線で示している。図33(d)のとおり、精製水素収集部材30において、空隙Sの部分をS′として示すように補強部材の細孔域より広めに取る。これにより、空隙長さが“S+S′”となり、補強部材の細孔域の端部より長くなるので、その分、精製水素導出部Tを設けるための穿設部分を短くすることができる。なお、図33では各部材を平面図として示しているが、各部材を面平行に配置、積層して一度に接合する。
〈精製水素導出部Tに係る変形態様2〉
図34〜35は他の態様を説明する図である。図34のとおり、前述図28における空隙Sを有する精製水素収集部材30を、空隙S及びこの空隙Sに連なる精製水素導出部Tを有する精製水素収集部材40に代えたものに相当している。
ここで、上記空隙S及びこの空隙Sに連なる精製水素導出部Tを有する精製水素収集部材40は、精製水素導出部Tを設けている点以外は、前述〈精製水素収集部材1の作製態様〉(図3参照)と同様である。ただし、本態様では、図3の最下部にある“空隙sを有しない金属シートM”は無い。
図36のとおり、それぞれ内部に“空隙s及びこの空隙sに連なる開口tを有する金属シート”の複数枚を配置する。そして、これらを重ねることにより、空隙S及びこの空隙Sに連なる精製水素導出部Tを有する精製水素収集部材40を形成する。
図37は、上記“空隙s及びこの空隙sに連なる開口tを有する金属シート”の作製態様を説明する図である。図37(a)は金属シートであり、金属シートの表面のうち、空隙sとなる部分とこれに続く開口tとなる部分を除き、マスキングをする。図37(b)はこの状態を示している。次いでエッチング処理をする。エッチング処理により、マスキング部分以外の部分が除去され、空隙sとこれに続く開口tが形成される。図37(c)はこの状態を示している。次いで、マスキングを除去することで、図37(d)に示すように、空隙sとこれに続く開口tを有する金属シートが得られる。その他の点は、前述〈空隙sを有する金属シートの作製態様〉と同様である。
こうして構成した精製水素収集部材40を用いて水素透過膜モジュールを構成する。図34のとおり、精製水素収集部材40の上下両側に、それぞれ順次、細孔の孔を粗くした金属シートの複数枚を積層した補強部材41と、細孔の孔が密な(つまり、細孔の孔が補強部材41の細孔より小さい)補強部材42と、拡散防止層を有する細孔を有する金属シート43を配置して拡散接合により一度に接合する。図34(h)はこうして構成された接合体である。そして、図35のとおり、その接合体のうち、上下の拡散防止層を有する細孔を有する金属シート43の面に水素透過膜を接合して水素透過膜モジュールを構成する。
〈精製水素導出部Tへの水素導出管45の連結〉
図38は、図34〜35のようにして構成した水素透過膜モジュールの構造を説明する図である。図38(a)は、その水素透過膜モジュールを斜視図として示した図である。精製水素導出部Tに対して水素導出管45を嵌合し、ガス密にシール、固定する。そのシール、固定は溶接、ろう付けなどにより行う。図38(b)は図38(a)に示す精製水素導出部Tに水素導出管45を連結した図である。図38(c)は、図38(a)中A−A線断面を拡大して示した図である。
〈水素透過膜モジュール作製時の変形態様1〉
本発明の水素透過膜モジュールは、“細孔部を有する補強部材+精製水素収集部材”、あるいは“複数個の‘精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材’+精製水素収集部材”というように積層、接合して接合体とし、これに水素透過膜を接合して作製される。
それらの作製に際し、積層する各部材に“繋ぎ”を付けて枠を残したまま接合することにより、その作製を容易にすることができる。図39はこの態様を説明する図である。
図39(a)は水素透過膜であり、1点鎖線で示すように、水素透過膜の外周縁から所定幅を置き、この幅部分を“繋ぎ”とする。1点鎖線で示す枠内の膜が製品水素透過膜モジュールに組み込まれる。
図39(b)は細孔を有する補強部材であり、1点鎖線で示すように、補強部材の外周縁から所定幅を置き、この幅部分を“繋ぎ”とする。繋ぎ枠の大きさは水素透過膜のそれと同じである。1点鎖線で示す枠内の補強部材が製品水素透過膜モジュールに組み込まれる。
図39(c)は図39(b)の細孔より粗い細孔を有する補強部材であり、1点鎖線で示すように、補強部材の外周縁から所定幅を置き、この幅部分を“繋ぎ”とする。繋ぎ枠の大きさは水素透過膜のそれと同じである。1点鎖線で示す枠内の補強部材が製品水素透過膜モジュールに組み込まれる。
図39(d)は精製水素収集部材であり、1点鎖線で示すように、精製水素収集部材の外周縁から所定幅を置き、この幅部分を“繋ぎ”とする。繋ぎ枠の大きさは水素透過膜のそれと同じである。1点鎖線で示す枠内の精製水素収集部材が製品水素透過膜モジュールに組み込まれる。なお、図39(d)には、空隙長さが前述“S+S′”の精製水素収集部材を示しているが、他の態様の精製水素収集部材についても同様である。
そして、以上のように構成した、細孔を有する補強部材、その細孔より粗い細孔を有する補強部材、精製水素収集部材の各部材を積層して一度に拡散接合する。次いで、その接合体に水素透過膜を拡散接合する。そして、“繋ぎ”部分で一度に切断して水素透過膜モジュールを形成する。この場合、図39(a)〜(d)中、1点鎖線で示す繋ぎ枠となる線状部分を、予め所定間隔を置いてエッチングにより除去しておくことにより(これにより、水素透過膜等の各部材のうち、外周縁と繋ぎ枠との間はエッチング除去されない繋ぎ部分でのみ連結される)、切断を容易に行うことができる。
〈水素透過膜モジュール作製時の変形態様2〉
本発明の水素透過膜モジュールは、例えば“複数個の‘精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材+精製水素収集部材”というように積層し、一度に拡散接合して各部材の接合体を形成し、次いで、その接合体に水素透過膜を拡散接合する。その接合体を形成するに際して、その各部材を予め仮止めしておくのがよい。仮止めは各部材単位で行ってもよい。
図40はその態様を説明する図である。図40のとおり、細孔を有する補強部材(b)、(b)より粗い細孔を有する補強部材(c)、精製水素収集部材(d)、また図示は省略しているが、精製水素収集部材(d)の下部にも、順次、(b)より粗い細孔を有する補強部材(c)、細孔を有する補強部材(b)が配置、積層される。
そして、その積層体を図40中、p、p、p・・・として示すように、スポット溶接により仮止めをしておく。なお、図40中、各部材(b)〜(d)は平面図として示しているが、各部材を面平行に配置、積層してスポット溶接により仮止めし、仮止めした積層体を一度に拡散接合する。次いで、その接合体に図40(a)の水素透過膜を拡散接合する。そして“繋ぎ”部分で一度に切断して水素透過膜モジュールを形成する。
ここで、細孔を有する補強部材(b)は、図7(d)に示すような“細孔を有する金属シート”の複数枚からなる。細孔を有する補強部材(b)より粗い細孔を有する補強部材(c)は、図10に示すような“粗い細孔を有する金属シート”の複数枚からなる。また、精製水素収集部材(d)は、前述図33中符号30として示す空隙S+S′を有する精製水素収集部材に対応する“空隙s+s′を有する金属シート”の複数枚からなる。
〈水素透過膜モジュール作製時の変形態様3〉
本発明の水素透過膜モジュールは、例えば“複数個の‘精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材’+精製水素収集部材”というように積層し、一度に拡散接合し、この接合体に水素透過膜を接合することで形成される。本変形態様3は、精製水素収集部材について、前記〈精製水素導出部Tに係る変形態様1〉での空隙長さ“S+S′”よりさらに延長しておくことにより、精製水素導出部Tを設けるための切削工程つまり穿設を不要とし、水素導出管の接合も省ける構造である。
図41はその態様を説明する図である。図41(c)のとおり、精製水素収集部材について、その空隙Sの部分から、S″として示すように空隙部分をさらに延長し、空隙S″の部分が精製水素導出部Tと水素導出管となるようにする。細孔を有する補強部材についても、図41(b)のとおり、空隙S″の部分に対応した形状とする。
ここで、図41(b)、(c)のように、補強部材となる金属シートの複数枚、精製水素収集部材となる金属シート(空隙s+s″を有する)の複数枚を、それぞれ積層し、その積層体を図41(b)、(c)中、p、p、p・・・として示すように、スポット溶接により仮止めをし、仮止めした積層体を一度に拡散接合する。次いで、その接合体に図41(a)に示す水素透過膜を拡散接合する。そして、1点鎖線で示す“繋ぎ”部分で一度に切断して水素透過膜モジュールを形成する。
図42は、こうして形成した水素導出管付き水素透過膜モジュールを説明する図である。図42(a)は平面図、図42(b)は斜視図、図42(c)は図42(a)中A−A線断面を拡大して示した図である。図42(c)中、S、(T)、S″として示すように、空隙部分、分精製水素の導出部、水素導出管が一度に構成される。52は空隙S″を有する水素導出管部分である。
複数個の‘精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材’を用いた水素透過膜モジュールについても、上記と同様にして構成される。図42(d)は細孔の孔が粗い補強部材51も設けた場合の断面図である。
〈水素透過膜モジュール作製時の変形態様4〉
前述図7(d)に示すような“細孔を有する金属シート”、図10に示すような“粗い細孔を有する金属シート”、前述図11〜19に示すような“拡散防止層”、“第一の中間層+拡散防止層”、“拡散防止層+第二の中間層”、あるいは“第一の中間層+拡散防止層+第二の中間層”を形成した“細孔を有する金属シート”は、複数枚を同時に作製することもできる。
図43はその態様を説明する図である。ここでは、上記各層のうち“拡散防止層を形成した細孔を有する金属シート”を用いる場合を例に説明する。一枚の金属シートに複数枚分の“拡散防止層を形成した細孔を有する金属シート”を形成して複数個の水素透過膜モジュールを同時に作製する。図43にはその数2個の例を示している。図43(a)中、61は2領域に細孔を有する金属シートであり、1点鎖線で示す枠が各領域である。こうして一枚の金属シートに何枚分もの補強部材をかたどることができる。この各細孔域に拡散防止層を形成する。その金属露出面を除く部分への拡散防止層の形成過程は前述図13〜19を用いて説明したのと同様である。
同様にして、精製水素収集部材を形成する“空隙sを有する金属シート”についても、一枚の金属シートに何枚分もかたどり、粗い細孔を有する補強部材を形成する“粗い細孔を有する金属シート”や、細かい細孔を有する補強部材を形成する“細かい細孔を有する金属シート”についても、一枚の金属シートに何枚分もかたどる。図43(b)はそれらに対応する水素透過膜62である。
そして、精製水素収集部材を形成する“空隙sを有する金属シート”の複数枚を中央に配置し、その上下に順次、複数個の“粗い細孔を有する金属シート”をかたどった金属シートの複数枚、複数個の“細かい細孔を有する金属シート”をかたどった金属シートの複数枚、“拡散防止層を形成した細孔を有する金属シート”を積層して拡散接合により一度に接合する。その接合体に図43(b)の水素透過膜62を拡散接合する。
そして、水素透過膜モジュール単位に切断して水素透過膜モジュールを構成する。この場合、図43(a)中、1点鎖線で示す線状枠部分を、予め所定間隔を置いてエッチングにより除去しておくことにより(これにより、水素透過膜等の各部材のうち、外周縁と繋ぎ枠との間はエッチング除去されない繋ぎ部分でのみ連結される)、切断を容易に行うことができる。
図43は2個の水素透過膜モジュールを一度に作製する場合であるが、同様にして、3個以上の複数個の水素透過膜モジュールを一度に作製することができる。こうして水素透過膜モジュールの量産化が可能となる。
本発明の水素透過膜モジュールは、炭化水素の改質ガスなど、各種水素含有ガスから水素を分離精製するのに使用され、改質ガスの生成と改質ガスの水素透過膜による精製を一つの装置で行うように一体化したいわゆるメンブレンリアクター用の水素透過膜モジュールとしても使用される。
本発明(1)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 本発明(1)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 本発明(1)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 本発明(1)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 本発明(1)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 本発明(1)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 本発明(1)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 本発明(3)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 本発明(3)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 細孔の孔が粗い細孔を有する金属シートの複数枚から、細孔の孔が粗い補強部材11を作製する態様を示す図 細孔を有する補強部材と水素透過膜との間に拡散防止層等を配する態様を説明する図 細孔を有する補強部材と水素透過膜との間に拡散防止層等を配する態様を説明する図 細孔を有する金属シートへの拡散防止層の形成態様を説明する図 単なる枠に対して、拡散防止層を施した細孔を有する金属シートをはめ込む態様を説明する図 金属シート、金属シートにおける細孔域、拡散防止層、金属露出面等の関係を説明する図 拡散防止層の“はみ出し”部分を無くした態様を説明する図 水素透過膜側の細孔を有する補強部材について、水素透過膜との当接面に第一の中間層(=補強部材側)−拡散防止層を配した態様を説明する図 水素透過膜側に配する細孔を有する補強部材について、水素透過膜との当接面に拡散防止層−第二の中間層(=水素透過膜側)を配した態様を説明する図 水素透過膜側の細孔を有する補強部材について、水素透過膜との当接面に第一の中間層−拡散防止層−第二の中間層を配した態様を説明する図 図8〜9に示す水素透過膜モジュールの態様において拡散防止層等を配した態様を説明する図 図8〜9に示す水素透過膜モジュールの態様において拡散防止層等を配した態様を説明する図 (A)〜(D)の層を配しない接合体を形成した後に(A)〜(D)の層を形成する態様を説明する図 本発明(4)の水素透過膜モジュールの作製過程を説明する図 本発明(4)の水素透過膜モジュールの作製過程を説明する図 上下貫通空隙Sを有する精製水素収集部材20の態様を説明する図 上下貫通空隙Sを有する精製水素収集部材20の態様を説明する図 上下貫通空隙Sを有する精製水素収集部材20の態様を説明する図 本発明(6)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 本発明(6)の水素透過膜モジュールの態様を説明する図 精製水素収集部材に対して水素導出部Tを設ける態様を説明する図 図29のように形成した水素導出管35付き水素透過膜モジュールの内部、水素導出管35の連結部を説明する図 図25に示すような複数の空隙Sを設けた精製水素収集部材に対して精製水素導出部Tを形成する態様を説明する図 精製水素導出部Tに係る変形態様1を説明する図 精製水素導出部Tに係る変形態様2を説明する図 精製水素導出部Tに係る変形態様2を説明する図 精製水素導出部Tに係る変形態様2を説明する図 精製水素導出部Tに係る変形態様2を説明する図 図34〜35のように構成した水素透過膜モジュールの構造を説明する図 水素透過膜モジュール作製時の変形態様1を説明する図 水素透過膜モジュール作製時の変形態様2を説明する図 水素透過膜モジュール作製時の変形態様3を説明する図 水素透過膜モジュール作製時の変形態様3を説明する図 水素透過膜モジュール作製時の変形態様4を説明する図 水素ガス分離ユニットの構造を説明するための分解斜視図(558号公報) 図35のユニットを組み込んだ水素ガス分離体の概略斜視図(558号公報) 061号公報に開示された図
符号の説明
1、10、20、30、40 精製水素収集部材
2、12、21、32、42 細孔を有する補強部材
3、13、23、34、44、62 水素透過膜
s 金属シート内部の空隙
S 空隙
M 閉塞部材
11 細孔(孔が粗い)を有する補強部材
2′ 拡散防止層等を配した細孔を有する金属シートまたは補強部材
a 金属シートの周縁
b 拡散防止層の周縁
c 金属シートの細孔域の周縁
12′ 拡散防止層等を配した細孔を有する金属シートまたは補強部材
22 拡散防止層等を配した細孔を有する金属シートまたは補強部材
31 細孔(孔が粗い)を有する補強部材
33 拡散防止層等を配した細孔を有する金属シートまたは補強部材
35、36、45 水素導出管
S′ 空隙Sの延長部
S″ 空隙Sの部分から延長した精製水素導出部となる空隙
41 細孔(孔が粗い)を有する補強部材
43 拡散防止層等を配した細孔を有する金属シートまたは補強部材
T 開口、精製水素収集部材の水素導出部
t 空隙sとなる部分に続く開口
p スポット溶接部
51 細孔の孔が粗い補強部材
52 空隙S″を有する水素導出管部分
61 2領域に細孔を有する金属シート
71 展張枠
72 Pd合金箔などの水素ガス分離性を有する材料(水素透過性箔膜)
73 金属支持板
101 クラッド切板の周囲部分
102 クラッド切板の中央部分
b 細孔
80 通気用溝のついたベースプレート
81 複数枚の多孔金属板からなる補強板
82 柱状金属板
89 水素透過性膜複合体

Claims (16)

  1. 金属支持体不要の水素透過膜モジュールの作製方法であって、順次、1枚または複数枚の空隙を有しない金属シートと、複数枚の上下貫通空隙を有する金属シートを積層した精製水素収集部材と、複数枚の細孔を有する金属シートを積層した補強部材を配置して一度に接合した後、補強部材の面に水素透過膜を接合ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  2. 金属支持体不要の水素透過膜モジュールの作製方法であって、順次、1枚または複数枚の空隙を有しない金属シートと、複数枚の上下貫通空隙を有する金属シートを積層した精製水素収集部材と、複数枚の細孔を有する金属シートを積層した補強部材の複数個を配置して一度に接合した後、補強部材の面に水素透過膜を接合ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  3. 請求項2の水素透過膜モジュールの作製方法において、前記複数個の補強部材が、精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材であることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  4. 金属支持体不要の水素透過膜モジュールの作製方法であって、上下貫通空隙を有する金属シートの複数枚を積層した精製水素収集部材の両側に、それぞれ細孔を有する金属シートの複数枚を積層した補強部材を配置して一度に接合した後、上下の補強部材の面に水素透過膜を接合ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  5. 金属支持体不要の水素透過膜モジュールの作製方法であって、上下貫通空隙を有する金属シートの複数枚を積層した精製水素収集部材の両側に、それぞれ順次、細孔を有する金属シートの複数枚を積層した補強部材の複数個を配置して一度に接合した後、上下の補強部材の面に水素透過膜を接合ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  6. 請求項5の水素透過膜モジュールの作製方法において、前記複数個の補強部材が、厚さ方向の中心部である精製水素収集部材へいくほど細孔の孔が粗くなるように細孔の大きさに勾配を設けてなる補強部材であることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  7. 請求項1〜6のいずれか1項の水素透過膜モジュールの作製方法において、前記精製水素収集部材を構成する金属シート、及び、前記補強部材を構成する金属シートを、それぞれ金属シートのままで配置して一度に接合ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  8. 請求項1〜6のいずれか1項の水素透過膜モジュールの作製方法において、前記金属シートの構成材料が、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル基合金、銅合金または鉄基合金であることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  9. 請求項1〜6のいずれか1項の水素透過膜モジュールの作製方法において、前記一度に接合する接合が拡散接合であることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  10. 請求項1、2、4または5の水素透過膜モジュールの作製方法において、前記補強部材の面に対する水素透過膜の接合が拡散接合であることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  11. 請求項1〜6のいずれか1項の水素透過膜モジュールの作製方法において、細孔を有する補強部材と水素透過膜との間に拡散防止層を配ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  12. 請求項1〜6のいずれか1項の水素透過膜モジュールの作製方法において、細孔を有する補強部材と水素透過膜との間に、細孔を有する補強部材側からみて、順次第一の中間層、拡散防止層を配ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  13. 請求項1〜6のいずれか1項の水素透過膜モジュールの作製方法において、細孔を有する補強部材と水素透過膜との間に、細孔を有する補強部材側からみて、順次拡散防止層、第二の中間層を配ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  14. 請求項1〜6のいずれか1項の水素透過膜モジュールの作製方法において、細孔を有する補強部材と水素透過膜との間に、細孔を有する補強部材側からみて、順次第一の中間層、拡散防止層、第二の中間層を配ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  15. 請求項11〜14のいずれか1項の水素透過膜モジュールの作製方法において、細孔を有する補強部材のうち実質的に細孔域のみに、拡散防止層、第一の中間層−拡散防止層、拡散防止層−第二の中間層、または、第一の中間層−拡散防止層−第二の中間層を配ることを特徴とする水素透過膜モジュールの作製方法
  16. 前記水素透過膜モジュールの作製方法がメンブレンリアクター用の水素透過膜モジュールの作製方法であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項の水素透過膜モジュールの作製方法
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