JP4270014B2 - 水素分離膜モジュール,水素分離膜型燃料電池、および、それらの製造方法 - Google Patents

水素分離膜モジュール,水素分離膜型燃料電池、および、それらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を備えた水素分離膜モジュール,水素分離膜型燃料電池、および、それらの製造方法に関するものである。
従来、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を備えた水素分離膜モジュールには、水素含有ガスを水素分離膜の一方の面に流す流路部を形成する流路形成プレートと、水素含有ガスに比べて水素濃度が十分に低いガスを水素分離膜の他方の面に流す流路部を形成する流路形成プレートとの間に、水素分離膜を挟み込んだ薄板状の水素分離膜ユニットを複数積層して備えた積層構造部を有するものがある。下記特許文献1には、水素分離膜ユニットを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜モジュールが開示されている。
また、水素分離膜型燃料電池には、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜層に、プロトン伝導性を有する電解質層が積層された電解質膜を有する単セルを、複数積層して構成される積層構造部を有するものがある。下記特許文献2には、単セルを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜型燃料電池が開示されている。
特開2003−34506号公報 特開平5−299105号公報
しかしながら、従来、積層構造部を構成する各部材同士の接合に関しては十分な検討がなされておらず、各部材同士を接合することによって形成された流路内を流れる各種ガスが流路外へとリークしてしまうことがあった。この流路内ガスの外部リークの要因としては、例えば、各部材間の接合がロウ付けによって行われる場合には、部材間の接合面における外縁部と内部との間のロウ材の溶入りの差に起因する各部材間の位置ズレが挙げられる。この他の要因としては、各部材間の熱膨張率の差に起因する各部材間の接合不良や、各種のガスの供給または排出を行うマニホールドなどの付属部材を積層構造部に接合する際の接合熱に起因する接合部の再溶融も挙げられる。
本発明は、上記の課題を解決することを目的としてなされ、積層構造部を構成する各部材同士の接合に関する課題を解決することができる水素分離膜モジュール,水素分離膜型燃料電池、および、それらの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の第1の水素分離膜モジュールは、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を用いて水素を含有する第1のガスから該第1のガスに比べて水素濃度が十分に低い第2のガスへと水素の透過を行う薄板状の水素分離膜ユニットであって、前記第1のガスを前記水素分離膜の一方の面に流す流路を形成する第1の流路プレートと、前記第2のガスを前記水素分離膜の他方の面に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に前記水素分離膜を積層した水素分離膜ユニットを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜モジュールであって、前記複数の水素分離膜ユニットの各々は、前記積層構造部における積層方向に対して直交する方向の位置を位置決め可能な位置決め構造部を有し、前記位置決め構造部は、前記水素分離膜ユニットとの間に貫通した隙間が形成されるように前記水素分離膜ユニットにおける外周に設けられていることを特徴とする。
この第1の水素分離膜モジュールに対応した本発明の製造方法は、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を用いて水素を含有する第1のガスから該第1のガスに比べて水素濃度が十分に低い第2のガスへと水素の透過を行う薄板状の水素分離膜ユニットであって、前記第1のガスを前記水素分離膜の一方の面に流す流路を形成する第1の流路プレートと、前記第2のガスを前記水素分離膜の他方の面に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に前記水素分離膜を積層した水素分離膜ユニットを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜モジュールの製造方法であって、(a)前記複数の水素分離膜ユニットの各々に、前記積層構造部における積層方向に対して直交する方向の位置を位置決め可能な位置決め構造部を、前記水素分離膜ユニットとの間に貫通した隙間が形成されるように前記水素分離膜ユニットにおける外周に設ける工程と、(b)前記位置決め構造部が設けられた水素分離膜ユニットを該位置決め構造部によって前記位置決めした状態で複数積層する工程と、(c)前記積層された複数の水素分離膜ユニットのうち隣接する水素分離膜ユニット同士を前記位置決めした状態で接合する工程とを備えたことを特徴とする。
一方、第1の水素分離膜モジュールに対応した本発明の第1の水素分離膜型燃料電池は、アノード電極とカソード電極との間に挟み込んだプロトン伝導性を有する電解質膜を、水素を含有する燃料ガスを前記アノード電極側に流す流路を形成する第1の流路プレートと、酸素を含有する酸化ガスを前記カソード電極側に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に積層した薄板状の単セルを、複数積層した積層構造部を有する水素分離膜型燃料電池であって、前記複数の単セルの各々は、前記積層構造部における積層方向に対して直交する方向の位置を位置決め可能な位置決め構造部を有し、前記位置決め構造部は、前記単セルとの間に貫通した隙間が形成されるように前記単セルにおける外周に設けられていることを特徴とする。
この第1の水素分離膜型燃料電池に対応した本発明の製造方法は、アノード電極とカソード電極との間に挟み込んだプロトン伝導性を有する電解質膜を、水素を含有する燃料ガスを前記アノード電極側に流す流路を形成する第1の流路プレートと、酸素を含有する酸化ガスを前記カソード電極側に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に積層した薄板状の単セルを、複数積層した積層構造部を有する水素分離膜型燃料電池の製造方法であって、(a)前記複数の単セルの各々に、前記積層構造部における積層方向に対して直交する方向の位置を位置決め可能な位置決め構造部を、前記単セルとの間に貫通した隙間が形成されるように前記単セルにおける外周に設ける工程と、(b)前記位置決め構造部が設けられた単セルを該位置決め構造部によって前記位置決めした状態で複数積層する工程と、(c)前記積層された複数の単セルのうち隣接する単セル同士を前記位置決めした状態で接合する工程とを備えたことを特徴とする。
これらの発明によれば、水素分離膜ユニット(単セル)を位置決め構造によって位置決めした状態で積層し接合することができるため、多数の水素分離膜ユニット(単セル)を積層し接合する際に生じる水素分離膜ユニット(単セル)の位置ズレを防止することができる。
上記の構成を備えた本発明の第1の水素分離膜モジュール,水素分離膜型燃料電池、および、それらの製造方法は、以下の態様を採ることもできる。
本発明の第1の水素分離膜モジュールまたは水素分離膜型燃料電池であって、前記位置決め構造部に位置決め穴部を貫通して形成したこととしても良い。一方、本発明の第1の水素分離膜モジュールの製造方法(水素分離膜型燃料電池の製造方法)であって、前記工程(a)は、(a−1)前記位置決め構造部に位置決め穴部を貫通して形成する工程と、(a−2)前記位置決め穴部に対して嵌め合いの関係にある柱部材が固定された位置決め治具を用意する工程とを含み、前記工程(b)は、前記位置決め穴部に前記柱部材を挿嵌することによって、前記用意した水素分離膜ユニット(単セル)を前記位置決めした状態で複数積層する工程であることとしても良い。これらの発明によれば、各水素分離膜ユニット(単セル)を位置決め治具を用いて容易に位置決めすることができ、その状態を保持することができる。
また、本発明の第1の水素分離膜モジュール(水素分離膜型燃料電池)であって、前記水素分離膜ユニット(単セル)は、前記位置決め構造部との間に、該位置決め構造部を切除可能に連結する切除部を有することとしても良い。一方、本発明の第1の水素分離膜モジュールの製造方法(水素分離膜型燃料電池の製造方法)であって、前記工程(a)は、前記水素分離膜ユニット(単セル)に、前記位置決め構造部を切除可能に用意する工程であり、更に、(d)前記接合された水素分離膜ユニット(単セル)の前記位置決め構造部を切除する工程を備えたこととしても良い。これらの発明によれば、水素分離膜における水素透過機能には直接的に影響を与えない位置決め構造部を取り除くことによって、積層構造部の軽量化・小型化を図ることができる。
上記の課題を解決するため、本発明の第2の水素分離膜モジュールは、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を用いて水素を含有する第1のガスから該第1のガスに比べて水素濃度が十分に低い第2のガスへと水素の透過を行う薄板状の水素分離膜ユニットであって、前記第1のガスを前記水素分離膜の一方の面に流す流路を形成する第1の流路プレートと、前記第2のガスを前記水素分離膜の他方の面に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に前記水素分離膜を積層した水素分離膜ユニットを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜モジュールであって、前記積層構造部は、前記水素分離膜ユニットよりも高い剛性を有する二つの剛性プレートの間に複数の前記水素分離膜ユニットを積層し隣接する部材同士を接合した分割ユニットを複数積層し、隣接する分割ユニット同士を接合して構成されたことを特徴とする。
この第2の水素分離膜モジュールに対応した本発明の製造方法は、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を用いて水素を含有する第1のガスから該第1のガスに比べて水素濃度が十分に低い第2のガスへと水素の透過を行う薄板状の水素分離膜ユニットであって、前記第1のガスを前記水素分離膜の一方の面に流す流路を形成する第1の流路プレートと、前記第2のガスを前記水素分離膜の他方の面に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に前記水素分離膜を積層した水素分離膜ユニットを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜モジュールの製造方法であって、(e)前記水素分離膜ユニットと、該水素分離膜ユニットよりも高い剛性を有する剛性プレートとを用意する工程と、(f)二つの前記剛性プレートの間に複数の前記水素分離膜ユニットを積層し隣接する部材同士を接合した分割ユニットを構成する工程と、(g)前記分割ユニットを複数積層し、隣接する分割ユニット同士を接合して前記積層構造部を構成する工程とを備えたことを特徴とする。
一方、第2の水素分離膜モジュールに対応した本発明の第2の水素分離膜型燃料電池は、アノード電極とカソード電極との間に挟み込んだプロトン伝導性を有する電解質膜を、水素を含有する燃料ガスを前記アノード電極側に流す流路を形成する第1の流路プレートと、酸素を含有する酸化ガスを前記カソード電極側に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に積層した薄板状の単セルを、複数積層した積層構造部を有する水素分離膜型燃料電池であって、前記積層構造部は、前記単セルよりも高い剛性を有する二つの剛性プレートの間に複数の前記単セルを積層し隣接する部材同士を接合した分割ユニットを複数積層し、隣接する分割ユニット同士を接合して構成されたことを特徴とする。
この第2の水素分離膜モジュールに対応した本発明の製造方法は、アノード電極とカソード電極との間に挟み込んだプロトン伝導性を有する電解質膜を、水素を含有する燃料ガスを前記アノード電極側に流す流路を形成する第1の流路プレートと、酸素を含有する酸化ガスを前記カソード電極側に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に積層した薄板状の単セルを、複数積層した積層構造部を有する水素分離膜型燃料電池の製造方法であって、(e)前記単セルと、該単セルよりも高い剛性を有する剛性プレートとを用意する工程と、(f)二つの前記剛性プレートの間に複数の前記単セルを積層し隣接する部材同士を接合した分割ユニットを構成する工程と、(g)前記分割ユニットを複数積層し、隣接する分割ユニット同士を接合して前記積層構造部を構成する工程とを備えたことを特徴とする。

これらの発明によれば、複数の分割ユニット同士を接合して積層構造部を構成するため、接合熱により各部材に生じる残留応力の低減を図ることができる。その結果、水素分離膜の破損や部材同士の接合不良を抑制し、クロスリークや外部リークの発生を防止することができる。
また、積層構造部を製造する前段階において、分割ユニット単位で不良品の判別を行うことができるため、積層構造部全体が不良品となることを抑制することができる。また、分割ユニット単位で積層構造部の水素透過容量を変更することができるため、種々の水素透過容量の積層構造部を共通の分割ユニットを用いて製造することができる。これらの結果、積層構造部の生産性の向上を図ることができる。
なお、分割ユニットを構成する水素分離膜ユニット(単セル)の個数は、積層構造部における水素分離膜ユニット(単セル)の総数や、水素分離膜ユニット(単セル)に生じる残留応力、製造設備などの種々の条件に応じて適宜変更することができる。また、各分割ユニットを構成する水素分離膜ユニット(単セル)の個数は、全て均等な個数とする必要はなく、種々の個数の水素分離膜ユニット(単セル)から構成した複数の分割ユニットを組み合わせて積層構造部を構成することとしても良い。
上記の課題を解決するため、前記構成を備えた本発明の第1,2の水素分離膜モジュール(水素分離膜型燃料電池)は、前記積層構造部に対する前記第1若しくは第2のガス(水素含有ガス若しくは酸素含有ガス)の供給または、該供給されたガスの排出を行うマニホールドと、前記積層構造部とを連結する連結部材を、前記積層構造部にレーザ溶接またはロウ付けによって接合し、前記マニホールドを、前記連結部材にティグ溶接によって接合したこととする態様を採ることができる。
この水素分離膜モジュールに対応した前記工程を備えた本発明の第1,2の水素分離膜モジュールの製造方法(水素分離膜型燃料電池の製造方法)は、(h)前記積層構造部に対する前記第1若しくは第2のガス(水素含有ガス若しくは酸素含有ガス)の供給または、該供給されたガスの排出を行うマニホールドと、前記マニホールドおよび前記積層構造部の間を連結する連結部材とを用意する工程と、(i)前記連結部材を前記積層構造部にレーザ溶接またはロウ付けによって接合する工程と、(j)前記マニホールドを前記連結部材にティグ溶接によって接合する工程とを備えたこととする態様を採ることができる。
これらの発明によれば、積層構造部と連結部材とを、ティグ溶接よりも接合熱が比較的低いレーザ溶接やロウ付けによって接合し、連結部材とマニホールドとを、レーザ溶接やロウ付けよりも比較的複雑な形状の接合が可能なティグ溶接によって接合することができる。その結果、マニホールドを接合する際の接合熱の積層構造部への伝熱を抑制し、積層構造部における接合部の再溶融や水素分離膜の変質を防止することができる。また、連結部材の構造をマニホールドからの外力を吸収可能な構造とすることとしても良い。これによって、連結部材と積層構造部との接合面の破損を防止することができる。また、連結部材の材質を、マニホールドの材質よりも熱伝導率の低いものとすることとしても良い。これによって、積層構造部からマニホールドへの放熱を抑制することができる。
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用した水素分離膜モジュールおよびその製造方法について、次の順序で説明する。
目次
A.第1の実施例
A−(1).水素分離膜モジュール10の構造
A−(2).水素分離膜モジュール10の製造方法
B.第2の実施例
C.第3の実施例
D.第4の実施例
D−(1).水素分離膜モジュール40の構造
D−(2).水素分離膜モジュール40の製造方法
E.第5の実施例
E−(1).水素分離膜モジュール50の構造
E−(2).水素分離膜モジュール50の製造方法
F.第6の実施例
G.第7の実施例
H.その他の実施形態
A.第1の実施例:
A−(1).水素分離膜モジュール10の構造:
本発明の第1の実施例である水素分離膜モジュール10の構造について説明する。図1は、第1の実施例の水素分離膜モジュール10の構成を示す組立斜視図である。図2は、水素分離膜モジュール10を構成する水素分離膜ユニット100の構造を示す組立斜視図である。図3は、水素分離膜ユニット100の構造を示す部分拡大図である。
水素分離膜モジュール10は、図1に示すように、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜120を備えた薄板状の水素分離膜ユニット100を複数積層して備えた積層構造部PL1を有する。積層構造部PL1における複数の水素分離膜ユニット100は、隣接するもの同士で接合されている。本実施例では、隣接する水素分離膜ユニット100同士は、互いに接する面でロウ付け接合されている。
水素分離膜モジュール10を構成する個々の水素分離膜ユニット100は、水素分離膜120を用いて水素を含有する水素含有ガスから水素含有ガスに比べて水素濃度が十分に低いパージガスへと水素の透過を行う。この水素分離膜ユニット100は、図1および図2に示すように、水素分離膜120の他、水素含有ガスの供給を受け該ガスを水素分離膜120の一方の面上に流す供給ガス流路部FH1を形成する供給流路プレート110と、パージガスの供給を受け該ガスを水素分離膜120の他方の面上に流す回収ガス流路部FP1を形成する回収流路プレート130とを備える。これら供給流路プレート110,水素分離膜120,回収流路プレート130は、この順に積層され、各部材間の互いに接する面で接合して構成されている。本実施例では、これら各部材間は、互いに接する面でロウ付け接合されている。なお、パージガスとして、本実施例では、水蒸気と大気とから成る気体を採用するが、水素と不活性であるとともに、透過後の水素を使用する上で不都合を生じない気体(例えば、ヘリウム)であって、充分に水素濃度が低い気体を目的に応じて適宜選択すれば良い。
水素分離膜120は、長方形状の薄膜であり、その材質は、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離金属である。この水素分離金属として、本実施例では、バナジウムを採用し、その表面にはパラジウムが鍍金されている。水素分離膜120の膜厚は、各種のガスを流す際の強度や水素透過効率などを考慮して適宜設定すればよく、例えば、100マイクロメートル(以下、μmと表記する)程度に設定することができる。
供給流路プレート110および回収流路プレート130は、水素分離膜120と同じ大きさの長方形状を有する板状部材であり、長方形状の向かい合う一方の辺から他方の辺への方向に供給ガス流路部FH1または回収ガス流路部FP1を形成する溝が成形されている。本実施例では、供給ガス流路部FH1および回収ガス流路部FP1の各流路部は、各プレートの長方形の向い合う2辺の一方の辺から他方の辺へと連通し、水素含有ガスとパージガスとを対向させて流すことが可能である。水素分離膜120における供給ガス流路部FH1と回収ガス流路部FP1とによって両面を挟まれた部分では、供給ガス流路部FH1内の水素含有ガスから、回収ガス流路部FP1内のパージガスへと水素の透過が行われることとなる。
供給流路プレート110および回収流路プレート130の板厚や溝深さは、各種のガスを流す際の強度や水素分離膜モジュール10の小型化などを考慮して適宜設定すればよく、例えば、板厚を1ミリメートル(以下、mmと表記する)程度に設定し、溝深さを0.5mm程度に設定することができる。供給流路プレート110および回収流路プレート130の材質は、各ガスを流す上で充分な強度および耐熱性を有するとともに、ガス不透過な性質を有する金属である。この金属として、本実施例ではステンレスを採用するが、ステンレス以外の金属材料や、セラミックスなどの金属材料以外の種々の材質から選択することができる。
水素分離膜ユニット100は、供給流路プレート110,水素分離膜120,回収流路プレート130を積層し接合することよって、図1および図3に示すように、既述した供給ガス流路部FH1および回収ガス流路部FP1が内部に形成された長方形の薄板状体であり水素分離膜120を用いた水素の透過が行われる水素透過構造部SH1と、積層構造部PL1における積層方向に対して直交する方向の位置を位置決め可能な4つの位置決め構造部SP1と、水素透過構造部SH1と位置決め構造部SP1とを連結する4つのブリッジ部SB1とを有する。位置決め構造部SP1は、ブリッジ部SB1を切断することによって、水素透過構造部SH1から切除可能であり、水素分離膜ユニット100は、位置決め構造部SP1が切除された状態であっても、水素分離膜120を用いた水素の透過を行うことができる。
水素分離膜ユニット100の位置決め構造部SP1は、図3に示すように、正方形の薄板状体であり、その正方形の中心には、貫通した円形状の位置決め穴部HA1が形成されている。4つの位置決め構造部SP1は、水素透過構造部SH1における各流路部の出入り口が形成されている2辺とは異なる2辺の両端付近に、それぞれブリッジ部SB1を介して連結されている。水素透過構造部SH1と位置決め構造部SP1との間には、ブリッジ部SB1によって、貫通した隙間である逃げ穴部HB1が形成されている。
A−(2).水素分離膜モジュール10の製造方法:
水素分離膜モジュール10の製造方法について説明する。図4は、第1の実施例の水素分離膜モジュール10の製造工程の概略を表す説明図である。水素分離膜モジュール10を製造する際には、始めに、既述した位置決め構造部SP1を有する水素分離膜ユニット100を用意する(工程S110)。本実施例では、この工程で、水素分離膜ユニット100を用意するとともに、その位置決め構造部SP1の位置決め穴部HA1に対して嵌め合いの関係にある位置決めピンPN1が固定された位置決め治具JG1も用意する。
ここで、位置決め治具JG1について説明する。図5は、位置決め治具JG1の構造を示す説明図である。位置決め治具JG1は、4本の位置決めピンPN1と、板状の治具ベースJB1とを備える。位置決めピンPN1は、水素分離膜ユニット100の位置決め穴部HA1と嵌め合いの関係にある円柱部材であり、その一端は略円錐状に細く成形されている。その他端は、全ての位置決めピンPN1が水素分離膜ユニット100の位置決め穴部HA1と同時に嵌め合う位置関係で、治具ベースJB1に固定されている。位置決め治具JG1の材質は、位置決めピンPN1と位置決め穴部HA1とが嵌め合った状態の水素分離膜ユニット100の位置を保持可能な強度を備えた材質であれば良く、本実施例では、ステンレスを採用する。
水素分離膜ユニット100を用意するために、本実施例では、水素分離膜ユニット100を構成する部材である供給流路プレート110,水素分離膜120,回収流路プレート130を用意する。水素分離膜120については、バナジウム箔を長方形に成形することによって用意する。供給流路プレート110および回収流路プレート130については、水素分離膜120と略同一形状の長方形と位置決め構造部SP1を形成する4つの正方形とが連結された形状に、ステンレス板を成形するとともに、供給ガス流路部FH1または回収ガス流路部FP1となる溝をエッチング加工で成形することによって用意する。なお、本実施例では、供給流路プレート110と回収流路プレート130とを同一形状とし部材の共通化を図っている。
その後、用意された各部材を、供給流路プレート110,水素分離膜120,回収流路プレート130の順に積層し、各部材間の互いに接する面でロウ付け接合し、水素分離膜ユニット100を完成させる。その後、後述の工程において水素分離膜ユニット100同士をロウ付け接合するため、水素分離膜ユニット100を積層した際に互いに接する面にロウ材を塗布し、水素分離膜ユニット100が用意される。
水素分離膜ユニット100を用意した後(工程S110)、水素分離膜ユニット100を位置決め構造部SP1によって位置決めした状態で複数積層する(工程S120)。この工程では、図5に示すように、水素分離膜ユニット100の位置決め構造部SP1に形成された4つの位置決め穴部HA1に、それぞれ対応する位置決め治具JG1の位置決めピンPN1を挿嵌することによって水素分離膜ユニット100を位置決めし位置決め治具JG1に嵌め込む。その水素分離膜ユニット100の上に、他の水素分離膜ユニット100を次々と同様に嵌め込むことによって、水素分離膜ユニット100が複数積層した状態で位置決め治具JG1に嵌め込まれる。
水素分離膜ユニット100を複数積層した後(工程S120)、位置決め構造部SP1によって位置決めした状態で積層された複数の水素分離膜ユニット100のうち隣接する水素分離膜ユニット100同士を接合する(工程S130)。この工程では、水素分離膜ユニット100が複数積層された状態の位置決め治具JG1を、水素分離膜ユニット100に塗布したロウ材のロウ付温度に保った炉内に搬入し、位置決めした状態で水素分離膜ユニット100同士をロウ付け接合する。これによって、水素分離膜ユニット100を複数積層し接合した積層構造部PL1が位置決め治具JG1に嵌め込まれた状態で形成される。その後、位置決め治具JG1の位置決めピンPN1から積層構造部PL1を抜き取り、水素分離膜モジュール10が完成する。
以上説明した本発明の水素分離膜モジュール10およびその製造方法によれば、水素分離膜ユニット100を位置決め構造部SP1によって位置決めした状態で積層し接合することができるため、多数の水素分離膜ユニット100を積層し接合する際に生じる水素分離膜ユニット100の位置ズレを防止することができる。
また、水素分離膜ユニット100は、位置決め穴部HA1が形成された位置決め構造部SP1を有するため、この位置決め穴部HA1に位置決め治具JG1の位置決めピンPN1を挿嵌することによって、各水素分離膜ユニット100を位置決めした状態で容易に保持することができる。
また、水素分離膜ユニット100の水素透過構造部SH1と位置決め構造部SP1との間には、逃げ穴部HB1が形成されているため、積層された水素分離膜ユニット100同士をロウ付け接合する際に、余剰ロウ材を逃げ穴部HB1から水素透過構造部SH1の外部に逃がし、供給ガス流路部FH1や回収ガス流路部FP1へと余剰ロウ材が漏れ出すことを抑制することができる。これによって、余剰ロウ材が、供給ガス流路部FH1や回収ガス流路部FP1へと漏れ出すことがなく、水素分離膜120の表面を慮外のロウ材で覆ってしまうことがない。この結果、水素の透過効率を高く維持することができる。
B.第2の実施例:
本発明の第2の実施例である水素分離膜モジュール20の構造について説明する。図6は、第2の実施例の水素分離膜モジュール20の構造を示す斜視図である。水素分離膜モジュール20は、第1の実施例の積層構造部PL1における水素分離膜ユニット100の位置決め構造部SP1が切除された積層構造部PL2を有する。図6には、位置決め構造部SP1を切除するためブリッジ部SB1を切断した切断面CS2がハッチングで示されている。
水素分離膜モジュール20の製造方法について説明する。図7は、第2の実施例の水素分離膜モジュール20の製造工程の概略を示す説明図である。水素分離膜モジュール20を製造する際には、始めに、既述した水素分離膜モジュール10の製造方法によって、水素分離膜モジュール10を用意する(工程S210)。その後、水素分離膜モジュール10の積層構造部PL1における各水素分離膜ユニット100のブリッジ部SB1を切断し、位置決め構造部SP1を切除することによって(工程S220)、積層構造部PL2が形成され、水素分離膜モジュール20が完成する。
以上説明した本発明の水素分離膜モジュール20およびその製造方法によれば、第1の実施例の効果に加え、水素分離膜120における水素透過機能には直接的に影響を与えない位置決め構造部SP1を取り除くことによって、積層構造部PL2の軽量化・小型化を図ることができる。
C.第3の実施例:
本発明の第3の実施例である水素分離膜モジュール30の構造について説明する。図8は、第3の実施例の水素分離膜モジュール30の構造を示す斜視図である。水素分離膜モジュール30は、回収ガス流路部FP3の形成方向が供給ガス流路部FH3の形成方向と直交する積層構造部PL3を有する。この積層構造部PL3は、回収ガス流路部FP3の形成方向が異なる他は、第2の実施例の積層構造部PL2と同様の構造である。
次に、水素分離膜モジュール30の製造方法について説明する。図9は、第3の実施例の水素分離膜モジュール30の製造工程の概略を示す説明図である。水素分離膜モジュール30の製造方法は、水素分離膜ユニット100に代えて水素分離膜ユニット300を用意する点(工程S310)が異なる他は、第2の実施例の水素分離膜モジュール20の製造方法と同様である。
水素分離膜ユニット300は、第1の実施例の水素分離膜ユニット100と同様に、供給流路プレート310,水素分離膜320,回収流路プレート330を積層し接合して構成されているが、回収流路プレート330の回収ガス流路部FP3の形成方向が、水素分離膜ユニット100の回収流路プレート130の形成方向と直交する方向である点が異なる。なお、水素分離膜ユニット300の各構造部は、水素分離膜ユニット100とほぼ同様であり、本実施例の説明では、水素分離膜ユニット300の各構造部の符号を、対応する水素分離膜ユニット100の各構造部の符号の数字を「3」に置き換えて説明する。
水素分離膜ユニット300を複数積層し接合した後(工程S320,S330)、水素分離膜ユニット300の位置決め構造部SP3を切除することによって(工程S340)、図8に示した水素分離膜モジュール30が完成する。図10は、水素分離膜モジュール30の製造工程の様子を示す説明図である。図10には、水素分離膜ユニット300の位置決め構造部SP3の一部を切除する様子が示されている(工程S340)。図8および図10には、位置決め構造部SP3を切除するためブリッジ部SB3を切断した切断面CS3がハッチングで示されている。
以上説明した本発明の水素分離膜モジュール30およびその製造方法によれば、第2の実施例と同様の効果を得ることができる。
D.第4の実施例:
D−(1).水素分離膜モジュール40の構造:
本発明の第4の実施例である水素分離膜モジュール40の構造について説明する。図11は、第4の実施例の水素分離膜モジュール40の構造を示す組立斜視図である。図12は、水素分離膜モジュール40を構成する分割ユニット45の構造を示す組立斜視図である。
水素分離膜モジュール40は、図11に示すように、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜420を備えた薄板状の水素分離膜ユニット400を複数備えた積層構造部PL4を有する。この積層構造部PL4は、水素分離膜ユニット400よりも高い剛性を有する剛性プレート405,435の層の間に所定個数の水素分離膜ユニット400を積層し隣接する部材同士を接合した分割ユニット45を複数積層し、隣接する分割ユニット45同士を接合して構成されている。本実施例では、隣接する分割ユニット45同士は、互いに接する面でロウ付け接合されている。分割ユニット45が備える水素分離膜ユニット400の所定個数は、水素分離膜ユニット400の残留応力などを考慮して適宜設定することができ、数個から数十個程度としても良い。
分割ユニット45の剛性プレート405,435は、略長方形状の水素分離膜ユニット400と同一形状の板状部材である。剛性プレート405,435の板厚は、間に挟まれる水素分離膜ユニット400の大きさや個数を考慮して適宜設定すればよく、例えば、板厚を3mm程度に設定することができる。剛性プレート405,435の材質は、充分な強度および耐熱性を有する金属であり、本実施例ではステンレスを採用する。
水素分離膜ユニット400は、水素分離膜420を用いて水素含有ガスからパージガスへと水素の透過を行う。この水素分離膜ユニット400は、図12に示すように、水素分離膜420の他、水素含有ガスの供給を受け該ガスを水素分離膜420の一方の面上に流す供給ガス流路部FH4を形成する供給流路プレート410と、パージガスの供給を受け該ガスを水素分離膜120の他方の面上に流す回収ガス流路部FP4を形成する回収流路プレート430とを備える。これら供給流路プレート410,水素分離膜420,回収流路プレート430は、この順に積層され、各部材間の互いに接する面で接合して構成されている。本実施例では、これら各部材間は、互いに接する面でロウ付け接合されている。なお、パージガスについては、第1の実施例と同様である。
水素分離膜420は、略長方形状の薄膜であり、その材質は、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離金属である。供給流路プレート410および回収流路プレート430は、水素分離膜420と同形状の板状部材である。供給流路プレート410には、略長方形状の一方の短辺から他方の短辺への方向に供給ガス流路部FH4を形成する溝が成形され、回収流路プレート430には、略長方形状の一方の長辺から他方の長辺への方向に回収ガス流路部FP4を形成する凹凸が成形されている。水素分離膜420,供給流路プレート410および回収流路プレート430の材質や厚さ等は、第1の実施例の水素分離膜120,供給流路プレート110および回収流路プレート130と同様である。
D−(2).水素分離膜モジュール40の製造方法:
水素分離膜モジュール40の製造方法について説明する。図13は、第4の実施例の水素分離膜モジュール40の製造工程の概略を表す説明図である。水素分離膜モジュール40を製造する際には、始めに、既述した水素分離膜ユニット400と剛性プレート405,435とを用意する(工程S410)。剛性プレート405,435については、水素分離膜ユニット400と同一形状にステンレス板を成形して用意する。
一方、水素分離膜ユニット400を用意するために、本実施例では、水素分離膜ユニット400を構成する部材である供給流路プレート410,水素分離膜420,回収流路プレート430を用意する。水素分離膜420については、バナジウム箔を略長方形に成形することによって用意する。供給流路プレート410および回収流路プレート430については、水素分離膜420と同一形状にステンレス板を成形するとともに、供給ガス流路部FH4または回収ガス流路部FP4となる溝をエッチング加工で成形することによって用意する。
その後、用意された各部材を、供給流路プレート410,水素分離膜420,回収流路プレート430の順に積層し、各部材間の互いに接する面でロウ付け接合して、水素分離膜ユニット400を用意する。
水素分離膜ユニット400と剛性プレート405,435とを用意した後(工程S410)、これらの部材から分割ユニット45を構成する(工程S420)。この工程では、剛性プレート405,435の層の間に所定個数の水素分離膜ユニット400を積層し、隣接する部材同士をロウ付け接合することによって、分割ユニット45を構成する。その後、分割ユニット45を複数積層し、隣接する分割ユニット45同士を接合して積層構造部PL4を構成することによって(工程S430)、水素分離膜モジュール40が完成する。
以上説明した本発明の水素分離膜モジュール40およびその製造方法によれば、複数の分割ユニット45同士を接合して積層構造部PL4を構成するため、接合熱により水素分離膜ユニット400を構成する各部材に生じる残留応力の低減を図ることができる。その結果、水素分離膜420の破損や部材同士の接合不良を抑制し、クロスリークや外部リークの発生を防止することができる。
また、積層構造部PL4を製造する前段階において、分割ユニット45単位で不良品の判別を行うことができるため、積層構造部全体が不良品となることを抑制することができる。また、分割ユニット45単位で積層構造部PL4の水素透過容量を変更することができるため、種々の水素透過容量の積層構造部PL4を共通の分割ユニット45を用いて製造することができる。これらの結果、積層構造部PL4の生産性の向上を図ることができる。
E.第5の実施例:
E−(1).水素分離膜モジュール50の構造:
本発明の第5の実施例である水素分離膜モジュール50の構造について説明する。図14は、第5の実施例の水素分離膜モジュール50の構造を示す組立斜視図である。水素分離膜モジュール50は、前述した第4の実施例の積層構造部PL4を有し、積層構造部PL4に対して水素含有ガスの供給を行うマニホールド510と、マニホールド510と積層構造部PL4とを連結する連結部材515と、積層構造部PL4に対してパージガスの供給を行うマニホールド520と、マニホールド520と積層構造部PL4とを連結する連結部材525とを備える。これらマニホールド510,520および連結部材515,525の材質は、本実施例では、ステンレスを採用する。
連結部材515は、略四角柱状の積層構造部PL4における水素含有ガスが供給される側の側面と略同一形状の四角枠である。その枠の一方の開放側は、積層構造部PL4にレーザ溶接によって隙間無く接合され、他方の開放面は、マニホールド510にティグ溶接によって隙間無く接合されている。連結部材525は、略四角柱状の積層構造部PL4におけるパージガスが供給される側の側面と略同一形状の四角枠である。その枠の一方の開放側は、積層構造部PL4とレーザ溶接によって隙間無く接合され、他方の開放面は、マニホールド520とティグ溶接によって隙間無く接合されている。
E−(2).水素分離膜モジュール50の製造方法:
次に、水素分離膜モジュール50の製造方法について説明する。図15は、第5の実施例の水素分離膜モジュール50の製造工程の概略を示す説明図である。水素分離膜モジュール50を製造する際には、始めに、積層構造部PL4と、マニホールド510,520と、連結部材515,525とを用意する(工程S510)。積層構造部PL4については、図13に示した第4の実施例の水素分離膜モジュール40の製造方法によって用意する。マニホールド510,520および連結部材515,525については、ステンレス板を切削・接合またはプレス加工することによって成形することによって用意する。
その後、連結部材515,525を、積層構造部PL4の既述した部位にレーザ溶接によって接合し(工程S520)、マニホールド510,520をそれぞれ連結部材515,525にティグ溶接によって接合して(工程S530)、水素分離膜モジュール50が完成する。
以上説明した本発明の水素分離膜モジュール50およびその製造方法によれば、積層構造部PL4と連結部材515,525とを、ティグ溶接よりも接合熱が比較的低いレーザ溶接によって接合し、連結部材515,525とマニホールド510,520とを、レーザ溶接よりも比較的複雑な形状の接合が可能なティグ溶接によって接合することができる。その結果、マニホールド510,520を接合する際の接合熱の積層構造部PL4への伝熱を抑制し、積層構造部PL4における接合部の再溶融や水素分離膜の変質を防止することができる。
F.第6の実施例:
本発明の第6の実施例である水素分離膜モジュール60の構造について説明する。図16は、第6の実施例の水素分離膜モジュール60の構造を示す組立斜視図である。水素分離膜モジュール60は、前述した第3の実施例の積層構造部PL3を有する。第5の実施例の水素分離膜モジュール50と同様に、積層構造部PL3に対して水素含有ガスの供給を行うマニホールド610と、マニホールド610と積層構造部PL3とを連結する連結部材615と、積層構造部PL3に対してパージガスの供給を行うマニホールド620と、マニホールド620と積層構造部PL3とを連結する連結部材625とを備える。
水素分離膜モジュール60の積層構造部PL3には、補強やマニホールド610,620の取り付けのため、積層構造部PL3と同一形状である長方形状の剛性プレート630,640が、積層構造部PL3を挟み込む形でロウ付け接合されている。マニホールド610,620、連結部材615,625、剛性プレート630,640の材質は、本実施例では、ステンレスを採用する。
水素分離膜モジュール60の製造方法は、剛性プレート630,640が接合された積層構造部PL3を用意する点が異なる他は、第5の実施例の水素分離膜モジュール50の製造方法と同様である。
以上説明した本発明の水素分離膜モジュール60およびその製造方法によれば、第5の実施例と同様の効果を得ることができる。
G.第7の実施例:
本発明の第7の実施例である水素分離膜モジュール70の構造について説明する。図17は、第7の実施例の水素分離膜モジュール70の構造を示す組立斜視図である。図18は、水素分離膜モジュール70の構造を説明する組立斜視図である。水素分離膜モジュール70は、前述した第4の実施例の積層構造部PL4を有し、積層構造部PL4に対して水素含有ガスの供給を行うマニホールド750と、マニホールド510と積層構造部PL4とを連結する連結部材710,720,730,740とを備える。これらマニホールド750および連結部材710,720,730,740の材質は、本実施例では、ステンレスを採用する。なお、本実施例の積層構造部PL4には、図18に示すように、連結部材730,740との接合の位置決めおよび補強のための溝GVが形成されている。
連結部材710,720は、積層構造部PL4と同一形状である長方形状における水素含有ガスの供給される側を延長した形状の板状部材であり、積層構造部PL4を挟み込む形でロウ付け接合されている。連結部材730,740は、連結部材710,720の延長された部位の側面をそれぞれ形成し、連結部材710,720とともに積層構造部PL4の水素含有ガスの供給される側に四角枠を形成する。これら連結部材710,720,730,740と積層構造部PL4とが接する部位や、連結部材同士が接する部位のうち積層構造部PL4付近は、ロウ付け接合され、連結部材同士が接する部位のうち積層構造部PL4から離れた延長された部位は、ティグ溶接によって接合されている。
連結部材710,720,730,740によって積層構造部PL4から延長された形で形成された四角枠の開放面には、マニホールド510がティグ溶接によって隙間無く接合されている。
水素分離膜モジュール70の製造方法は、連結部材710,720,730,740の接合法方が異なる点の他は、第5の実施例の水素分離膜モジュール50の製造方法と同様である。
以上説明した本発明の水素分離膜モジュール70およびその製造方法によれば、積層構造部PL4と連結部材710,720,730,740とを、ティグ溶接よりも接合熱が比較的低いロウ付けによって接合し、連結部材710,720,730,740とマニホールド750とを、ロウ付け接合よりも比較的複雑な形状の接合が可能なティグ溶接によって接合することができる。その結果、マニホールド750を接合する際の接合熱の積層構造部PL4への伝熱を抑制し、積層構造部PL4における接合部の再溶融や水素分離膜の変質を防止することができる。
H.その他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。例えば、各実施例において、水素分離膜ユニットを構成する各部材間を、ロウ付け接合ではなく、拡散接合などの他の接合方法によって接合しても良い。
本発明の第1ないし3の実施例については、位置決め構造部は、貫通した円形状の位置決め穴部を形成することとしたが、貫通した多角形状の位置決め穴部や、特定形状の切り欠き部を形成し、各々に対応した形状の柱部材が固定された位置決め治具を用いることとしても良い。また、水素分離膜ユニットを構成する際にも、位置決め治具を用いて、水素分離膜ユニットを構成する部材を位置決めした状態で積層・接合を行うこととしても良い。また、供給流路プレートおよび回収流路プレートの双方によって位置決め構造部を構成するのではなく、いずれか一方のプレートのみによって位置決め構造部を構成することとしても良い。
本発明の第4の実施例については、分割ユニット45を構成する水素分離膜ユニット400の個数は、積層構造部PL4における水素分離膜ユニット400の総数や、水素分離膜ユニット400に生じる残留応力、製造設備などの種々の条件に応じて適宜変更することができる。また、各分割ユニット45を構成する水素分離膜ユニット400の個数は、全て均等な個数とする必要はなく、種々の個数の水素分離膜ユニット400から構成した複数の分割ユニット45を組み合わせて積層構造部PL4を製造することとしても良い。また、第1ないし3の実施例の発明を適用して分割ユニット45を構成することとしても良い。
本発明の第5および6の実施例については、積層構造部における水素含有ガスおよびパージガスの供給側にのみマニホールドを接合するが、水素含有ガスおよびパージガスの排出側にも同様にマニホールドを接合することができる。また、連結部材の構造をマニホールドからの外力を吸収可能な構造とすることとしても良い。これによって、連結部材と積層構造部との接合面の破損を防止することができる。また、連結部材の材質を、マニホールドの材質よりも熱伝導率の低いものとすることとしても良い。これによって、積層構造部からマニホールドへの放熱を抑制することができる。
本発明の水素分離膜モジュールおよびその製造方法は、水素分離膜型燃料電池およびその製造方法にも適用することができる。図19は、水素分離膜型燃料電池を構成する単セル800の構成の概略を示す断面模式図である。本発明の水素分離膜型燃料電池およびその製造方法は、本発明の第1ないし7の実施例における水素分離膜ユニットの全体形状をそのままに、その構成を、図19に示した単セル800の構成に置き換えた点が異なる他は同様である。
水素分離膜型燃料電池は、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜822に、プロトン伝導性を有する電解質層が積層された電解質膜を有する単セル800を、複数積層して構成される積層構造部を有する。この単セル800は、アノード電極としての機能を果たす水素分離膜822とカソード電極826との間に電解質層824を挟み込んだMEA(Membrane Electrode Assembly)820と、燃料ガスをMEA820の水素分離膜822側の面上に流す燃料ガス流路部FH8を形成する燃料ガス流路プレート810と、酸素を含有する酸化ガスをMEA820のカソード電極826側の面上に流す酸化ガス流路部FP8を形成する酸化ガス流路プレート830とを備える。これらの燃料ガス流路プレート810,MEA820,酸化ガス流路プレート830は、この順に積層され、各部材間の互いに接する面で接合して構成されている。本実施例では、これら各部材間は、互いに接する面でロウ付け接合されている。
水素分離膜120の材質は、水素を選択的に透過する性質を有する水素分離金属である。この水素分離金属として、本実施例では、バナジウムを採用し、その表面にはパラジウムが鍍金されている。電解質層824の材質は、プロトン伝導性を有する固体電解質である。この固体電解質としては、例えば、BaCeO3,SrCeO3系のセラミックスプロトン伝導体を用いることができる。カソード電極826の材質は、電気化学反応を促進する触媒活性を有する貴金属である。この貴金属として、本実施例では、パラジウムを採用する。白金等、水素透過性を有しない他種の貴金属によりカソード電極826を構成する場合には、カソード電極826を充分に薄く形成するなどして、ガス透過性を確保すれば良い。
燃料ガス流路プレート810および酸化ガス流路プレート830の材質は、各ガスを流す上で充分な強度および耐熱性を有するとともに、ガス不透過な性質を有する金属である。この金属として、本実施例ではステンレスを採用するが、ステンレスなどの金属材料の他、セラミックスなどの種々の材質から選択することができる。燃料ガスとしては、炭化水素系燃料を改質して得られる水素リッチガスを用いても良いし、純度の高い水素ガスを用いても良い。酸化ガスとしては、例えば空気を用いることができる。
本発明の水素分離膜モジュールおよびその製造方法を、水素分離膜型燃料電池およびその製造方法に適用することによっても、同様の効果を得ることができる。
第1の実施例の水素分離膜モジュール10の構成を示す組立斜視図である。 水素分離膜モジュール10を構成する水素分離膜ユニット100の構造を示す組立斜視図である。 水素分離膜ユニット100の構造を示す部分拡大図である。 第1の実施例の水素分離膜モジュール10の製造工程の概略を表す説明図である。 位置決め治具JG1の構造を示す説明図である。 第2の実施例の水素分離膜モジュール20の構造を示す斜視図である。 第2の実施例の水素分離膜モジュール20の製造工程の概略を示す説明図である。 第3の実施例の水素分離膜モジュール30の構造を示す斜視図である。 第3の実施例の水素分離膜モジュール30の製造工程の概略を示す説明図である。 水素分離膜モジュール30の製造工程の様子を示す説明図である。 第4の実施例の水素分離膜モジュール40の構造を示す組立斜視図である。 水素分離膜モジュール40を構成する分割ユニット45の構造を示す組立斜視図である。 第4の実施例の水素分離膜モジュール40の製造工程の概略を表す説明図である。 第5の実施例の水素分離膜モジュール50の構造を示す組立斜視図である。 第5の実施例の水素分離膜モジュール50の製造工程の概略を示す説明図である。 第6の実施例の水素分離膜モジュール60の構造を示す組立斜視図である。 第7の実施例の水素分離膜モジュール70の構造を示す組立斜視図である。 水素分離膜モジュール70の構造を説明する組立斜視図である。 水素分離膜型燃料電池を構成する単セル800の構成の概略を示す断面模式図である。
符号の説明
10,20,30,40,50,60,70...水素分離膜モジュール
45...分割ユニット
100,300,400,800...水素分離膜ユニット
110,310,410...供給流路プレート
120,320,420...水素分離膜
130,330,430...回収流路プレート
405,435,630,640...剛性プレート
510,520,610,620,750...マニホールド
515,525,615,625,710,720,730,740...連結部材
800...単セル
810...燃料ガス流路プレート
820...MEA
822...水素分離膜
824...電解質層
826...カソード電極
830...酸化ガス流路プレート
PL1,PL2,PL3,PL4...積層構造部
FH1,FH3,FH4...供給ガス流路部
FP1,FP3,FP4...回収ガス流路部
FH8...燃料ガス流路部
FP8...酸化ガス流路部
SH1...水素透過構造部
SP1,SP3...位置決め構造部
SB1,SB3...ブリッジ部
HA1...位置決め穴部
HB1...逃げ穴部
CS2...切断面
CS3...切断面
GV...溝
JG1,JG3...治具
JB1...治具ベース
PN1...ピン

Claims (20)

  1. 水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を用いて水素を含有する第1のガスから該第1のガスに比べて水素濃度が十分に低い第2のガスへと水素の透過を行う薄板状の水素分離膜ユニットであって、前記第1のガスを前記水素分離膜の一方の面に流す流路を形成する第1の流路プレートと、前記第2のガスを前記水素分離膜の他方の面に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に前記水素分離膜を積層した水素分離膜ユニットを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜モジュールの製造方法であって、
    (a)前記複数の水素分離膜ユニットの各々に、前記積層構造部における積層方向に対して直交する方向の位置を位置決め可能な位置決め構造部を、前記水素分離膜ユニットとの間に貫通した隙間が形成されるように前記水素分離膜ユニットにおける外周に設ける工程と、
    (b)前記位置決め構造部が設けられた水素分離膜ユニットを該位置決め構造部によって前記位置決めした状態で複数積層する工程と、
    (c)前記積層された複数の水素分離膜ユニットのうち隣接する水素分離膜ユニット同士を前記位置決めした状態で接合する工程と
    を備えた水素分離膜モジュールの製造方法。
  2. 請求項1記載の水素分離膜モジュールの製造方法であって、
    前記工程(a)は、
    (a−1)前記位置決め構造部に位置決め穴部を貫通して形成する工程と、
    (a−2)前記位置決め穴部に対して嵌め合いの関係にある柱部材が固定された位置決め治具を用意する工程と
    を含み、
    前記工程(b)は、前記位置決め穴部に前記柱部材を挿嵌することによって、前記用意した水素分離膜ユニットを前記位置決めした状態で複数積層する工程である
    水素分離膜モジュールの製造方法。
  3. 請求項1または2記載の水素分離膜モジュールの製造方法であって、
    前記工程(a)は、前記水素分離膜ユニットの外周に、前記位置決め構造部を切除可能に設ける工程であり、
    更に、(d)前記接合された水素分離膜ユニットから前記位置決め構造部を切除する工程を備えた水素分離膜モジュールの製造方法。
  4. 水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を用いて水素を含有する第1のガスから該第1のガスに比べて水素濃度が十分に低い第2のガスへと水素の透過を行う薄板状の水素分離膜ユニットであって、前記第1のガスを前記水素分離膜の一方の面に流す流路を形成する第1の流路プレートと、前記第2のガスを前記水素分離膜の他方の面に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に前記水素分離膜を積層した水素分離膜ユニットを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜モジュールの製造方法であって、
    (e)前記水素分離膜ユニットと、該水素分離膜ユニットよりも高い剛性を有する剛性プレートとを用意する工程と、
    (f)二つの前記剛性プレートの間に複数の前記水素分離膜ユニットを積層し隣接する部材同士を接合した分割ユニットを構成する工程と、
    (g)前記分割ユニットを複数積層し、隣接する分割ユニット同士を接合して前記積層構造部を構成する工程と
    を備えた水素分離膜モジュールの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか記載の水素分離膜モジュールの製造方法であって、
    (h)前記積層構造部に対する前記第1若しくは第2のガスの供給または、該供給されたガスの排出を行うマニホールドと、前記マニホールドおよび前記積層構造部の間を連結する連結部材とを用意する工程と、
    (i)前記連結部材を前記積層構造部にレーザ溶接またはロウ付けによって接合する工程と、
    (j)前記マニホールドを前記連結部材にティグ溶接によって接合する工程と
    を備えた水素分離膜モジュールの製造方法。
  6. 水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を用いて水素を含有する第1のガスから該第1のガスに比べて水素濃度が十分に低い第2のガスへと水素の透過を行う薄板状の水素分離膜ユニットであって、前記第1のガスを前記水素分離膜の一方の面に流す流路を形成する第1の流路プレートと、前記第2のガスを前記水素分離膜の他方の面に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に前記水素分離膜を積層した水素分離膜ユニットを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜モジュールであって、
    前記複数の水素分離膜ユニットの各々は、前記積層構造部における積層方向に対して直交する方向の位置を位置決め可能な位置決め構造部を有し、
    前記位置決め構造部は、前記水素分離膜ユニットとの間に貫通した隙間が形成されるように前記水素分離膜ユニットにおける外周に設けられている水素分離膜モジュール。
  7. 前記位置決め構造部に位置決め穴部を貫通して形成した請求項6記載の水素分離膜モジュール。
  8. 前記水素分離膜ユニットは、前記位置決め構造部との間に、該位置決め構造部を切除可能に連結する切除部を有する請求項6または7記載の水素分離膜モジュール。
  9. 水素を選択的に透過する性質を有する水素分離膜を用いて水素を含有する第1のガスから該第1のガスに比べて水素濃度が十分に低い第2のガスへと水素の透過を行う薄板状の水素分離膜ユニットであって、前記第1のガスを前記水素分離膜の一方の面に流す流路を形成する第1の流路プレートと、前記第2のガスを前記水素分離膜の他方の面に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に前記水素分離膜を積層した水素分離膜ユニットを複数積層した積層構造部を有する水素分離膜モジュールであって、
    前記積層構造部は、前記水素分離膜ユニットよりも高い剛性を有する二つの剛性プレートの間に複数の前記水素分離膜ユニットを積層し隣接する部材同士を接合した分割ユニットを複数積層し、隣接する分割ユニット同士を接合して構成された水素分離膜モジュール。
  10. 請求項6ないし9のいずれか記載の水素分離膜モジュールであって、
    前記積層構造部に対する前記第1若しくは第2のガスの供給または、該供給されたガスの排出を行うマニホールドと、前記積層構造部とを連結する連結部材を、前記積層構造部にレーザ溶接またはロウ付けによって接合し、
    前記マニホールドを、前記連結部材にティグ溶接によって接合した
    水素分離膜モジュール。
  11. アノード電極とカソード電極との間に挟み込んだプロトン伝導性を有する電解質膜を、水素を含有する燃料ガスを前記アノード電極側に流す流路を形成する第1の流路プレートと、酸素を含有する酸化ガスを前記カソード電極側に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に積層した薄板状の単セルを、複数積層した積層構造部を有する水素分離膜型燃料電池の製造方法であって、
    (a)前記複数の単セルの各々に、前記積層構造部における積層方向に対して直交する方向の位置を位置決め可能な位置決め構造部を、前記単セルとの間に貫通した隙間が形成されるように前記単セルにおける外周に設ける工程と、
    (b)前記位置決め構造部が設けられた単セルを該位置決め構造部によって前記位置決めした状態で複数積層する工程と、
    (c)前記積層された複数の単セルのうち隣接する単セル同士を前記位置決めした状態で接合する工程と
    を備えた水素分離膜型燃料電池の製造方法。
  12. 請求項11記載の水素分離膜型燃料電池の製造方法であって、
    前記工程(a)は、
    (a−1)前記位置決め構造部に位置決め穴部を貫通して形成する工程と、
    (a−2)前記位置決め穴部に対して嵌め合いの関係にある柱部材が固定された位置決め治具を用意する工程と
    を含み、
    前記工程(b)は、前記位置決め穴部に前記柱部材を挿嵌することによって、前記用意した単セルを前記位置決めした状態で複数積層する工程である
    水素分離膜型燃料電池の製造方法。
  13. 請求項11または12記載の水素分離膜型燃料電池の製造方法であって、
    前記工程(a)は、前記単セルの外周に、前記位置決め構造部を切除可能に設ける工程であり、
    更に、(d)前記接合された単セルから前記位置決め構造部を切除する工程を備えた水素分離膜型燃料電池の製造方法。
  14. アノード電極とカソード電極との間に挟み込んだプロトン伝導性を有する電解質膜を、水素を含有する燃料ガスを前記アノード電極側に流す流路を形成する第1の流路プレートと、酸素を含有する酸化ガスを前記カソード電極側に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に積層した薄板状の単セルを、複数積層した積層構造部を有する水素分離膜型燃料電池の製造方法であって、
    (e)前記単セルと、該単セルよりも高い剛性を有する剛性プレートとを用意する工程と、
    (f)二つの前記剛性プレートの間に複数の前記単セルを積層し隣接する部材同士を接合した分割ユニットを構成する工程と、
    (g)前記分割ユニットを複数積層し、隣接する分割ユニット同士を接合して前記積層構造部を構成する工程と
    を備えた水素分離膜型燃料電池の製造方法。
  15. 請求項11ないし14のいずれか記載の水素分離膜型燃料電池の製造方法であって、
    (h)前記積層構造部に対する水素含有ガス若しくは酸素含有ガスの供給または、該供給されたガスの排出を行うマニホールドと、前記マニホールドおよび前記積層構造部の間を連結する連結部材とを用意する工程と、
    (i)前記連結部材を前記積層構造部にレーザ溶接またはロウ付けによって接合する工程と、
    (j)前記マニホールドを前記連結部材にティグ溶接によって接合する工程と
    を備えた水素分離膜型燃料電池の製造方法。
  16. アノード電極とカソード電極との間に挟み込んだプロトン伝導性を有する電解質膜を、水素を含有する燃料ガスを前記アノード電極側に流す流路を形成する第1の流路プレートと、酸素を含有する酸化ガスを前記カソード電極側に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に積層した薄板状の単セルを、複数積層した積層構造部を有する水素分離膜型燃料電池であって、
    複数の前記単セルの各々は、前記積層構造部における積層方向に対して直交する方向の位置を位置決め可能な位置決め構造部を有し、
    前記位置決め構造部は、前記単セルとの間に貫通した隙間が形成されるように前記単セルにおける外周に設けられている水素分離膜型燃料電池。
  17. 前記位置決め構造部に位置決め穴部を貫通して形成した請求項16記載の水素分離膜型燃料電池。
  18. 前記単セルは、前記位置決め構造部との間に、該位置決め構造部を切除可能に連結する切除部を有する請求項11または17記載の水素分離膜型燃料電池。
  19. アノード電極とカソード電極との間に挟み込んだプロトン伝導性を有する電解質膜を、水素を含有する燃料ガスを前記アノード電極側に流す流路を形成する第1の流路プレートと、酸素を含有する酸化ガスを前記カソード電極側に流す流路を形成する第2の流路プレートとの間に積層した薄板状の単セルを、複数積層した積層構造部を有する水素分離膜型燃料電池であって、
    前記積層構造部は、前記単セルよりも高い剛性を有する二つの剛性プレートの間に複数の前記単セルを積層し隣接する部材同士を接合した分割ユニットを複数積層し、隣接する分割ユニット同士を接合して構成された
    水素分離膜型燃料電池。
  20. 請求項16ないし19のいずれか記載の水素分離膜型燃料電池であって、
    前記積層構造部に対する水素含有ガス若しくは酸素含有ガスの供給または、該供給されたガスの排出を行うマニホールドと、前記積層構造部とを連結する連結部材を、前記積層構造部にレーザ溶接またはロウ付けによって接合し、
    前記マニホールドを、前記連結部材にティグ溶接によって接合した
    水素分離膜型燃料電池。
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