JP4744008B2 - 複合化中継アンプ及びそれを用いたネットワークシステム - Google Patents

複合化中継アンプ及びそれを用いたネットワークシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークシステムの信号を増幅して伝送する中継アンプに関する。特に、同軸ケーブル用中継アンプに光ファイバの光電変換器を装着するだけで、上流側の入出力又は上流側への出力を同軸ケーブル系から光ファイバ系に切り換えることができる複合化中継アンプに関する。本発明は、双方向データ通信を行うCATVシステムに適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、地上波放送、衛星放送を伝送するCATVシステムがある。近年では、それにインタネット等のデータ通信が加わり利便性に優れたネットワークシステムとなっている。図13にCATVネットワークシステムを示す。CATVネットワークシステムは、CATV局に設けられた中央装置10、中央装置10から延出された光ファイバ(主線路)20、光ファイバの入出力を光電変換し中継する光電変換型中継装置A、電気信号を中継する中継装置B、中継装置A及び中継装置Bから分岐された分岐線路21、分岐線路21に接続された需要家(構内ネットワーク)30から構成される。
【0003】
需要家30は、例えば分岐線路21からの信号を分配する分配器31、34、そして分配器34に接続されるTV装置32、コンピュータ装置33から構成される。そして、需要家は上記端末装置で地上波放送、衛星放送の受信、又インタネット等のデータ通信を行っている。この時、中央装置10からのTV信号と下り方向のデータ信号は例えば70MHz〜770MHzの下り帯域で、上り方向のデータ信号は10〜55MHzの上り帯域でブロードバンド方式で伝送されている。そして、インタネット等のデータ通信は、上記帯域の中の所定帯域を使用して行われている。
【0004】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら、近年のインタネットの普及に伴い上記所定帯域の利用が増大し、多くのユーザーが同時に利用するとその帯域利用の待ち時間が増え、結果として通信効率が低下するという問題が生じて来た。
【0005】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、従来のネットワークシステムの何れかの中継アンプを光ファイバが接続される複合化中継アンプとし、それにより従来のネットワークシステム(需要家)を分割し、その結果待機時間を減少させて通信効率を向上させることである。
又、容易に光電変換器が装着できる複合化中継アンプを提供することである。
又、複合化中継アンプを導入して従来のネットワークシステムを分割しても、分割された上流側のデータ通信の品質を維持することである。
尚、上記の目的は、個々の発明が個々に達成する目的であって、個々の発明が全ての上記の目的を達成するものと解釈されるべきではない。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために請求項1に記載の複合化中継アンプは、CATV局の中央装置から末端の各需要家の下り方向に信号を伝送し、各需要家から中央装置の上り方向に信号を伝送するようにしたCATVネットワークシステムの同軸伝送路に配設された複合化中継アンプであって、筐体に、同軸ケーブルが接続され自動増幅率制御装置と下り方向に信号を増幅する下り増幅器と上り方向に信号を増幅する上り増幅器とを有した双方向同軸アンプと、光ファイバが接続される光電変換器又は光電変換ユニットを装着するための、自動増幅率制御装置を取り除いた後に形成されるスペースと、自動増幅率調整装置を取り除いたときに、スペースに露出する端子であって、光電変換器又は光電変換ユニットを装着する装着端子と、複合化中継アンプの入力端子と出力端子間に、電力を通過させる電力通過フィルタとを備え、自動増幅率制御装置を取り除いてできるスペースにおいて、光ファイバが接続された光電変換器又は光電変換ユニットが、装着端子に装着され、光電変換器又は光電変換ユニットの装着に連動して入出力の切り換えによって切り離された同軸ケーブルによる伝送系の端部に終端抵抗が接続され、下り信号を電気信号とし、上り出力信号を光信号として、電気信号と光信号とが複合化されたことを特徴とする。ここで、光電変換ユニットとは、光電変換器と例えば増幅器が一体となったユニットのことである。
【0007】
筐体には、双方向同軸アンプと光ファイバが接続される光電変換器又は光電変換ユニットを装着するスペースと端子が備えられている。そして光電変換器又は光電変換ユニットをその端子、即ち予め設けられたスペースに装着すると、例えば端子による接続変更により双方向同軸アンプの入出力が光ファイバ系に切り換えられる。逆に、光電変換器又は光電変換ユニットを取り外すと例えば端子接続の変更により同軸ケーブル系に切り換えられる。即ち、光電変換器又は光電変換ユニットの着脱に応じて双方向同軸アンプの入出力が光ファイバ系と同軸ケーブル系に切り換えられる。即ち、即座に光ファイバ系サービス需要に対応できる複合化中継アンプとなる。
【0008】
又、請求項2に記載の複合化中継アンプは請求項1に記載の複合化中継アンプであって、双方向同軸アンプの入出力の切り換えは光電変換器又は光電変換ユニットの着脱に連動したスイッチ装置によって行われることを特徴とする。この時、切り換えスイッチ装置とは、例えば機械式押圧スイッチである。
即ち、作業者が光電変換器又は光電変換ユニットを装着すれば、例えば装着時の押圧力によって自動的に光ファイバ系に切り換えられる。逆に、光電変換器を取り外せば、再び同軸ケーブル系に切り換えられる。即ち、作業者はいちいち同軸ケーブル系の増幅器を取り外し、光電変換器を含む光ファイバ系の増幅器を取り付けて様々な配線作業を行う必要がない。即ち、作業性にすぐれた複合化中継アンプとなる。
【0009】
双方向同軸アンプが自動増幅率制御アンプ、所謂AGCアンプである時、通常双方向アンプに自動増幅率制御装置が付加された状態である。よって、これを取り除いて手動増幅率制御とすれば、光電変換器又は光電変換ユニットが装着されるスペースが生じる。よって、そのスペースに光電変換器又は光電変換ユニットが装着できるようにすれば、新たに光電変換器装着用のスペースを設ける必要がない。即ち、光ファイバ系と同軸ケーブル系に切り換え可能な高度な機能を有しながらもそれを小型化することができる。
【0010】
双方向同軸アンプから自動増幅率制御装置を取り除いた後のスペースに光電変換器又は光電変換ユニットを装着する端子が現れる。即ち、作業者は双方向同軸アンプから自動増幅率制御装置を取り除いて、そのあとに光電変換器又は光電変換ユニットを装着するだけでよい。更に、小型化される複合化中継アンプとなる。
【0011】
光電変換器又は光電変換ユニットを装着した複合化中継アンプは、それより上流の伝送路を光ファイバとし、それより下流の伝送路を従来の同軸ケーブルとなる。即ち、従来の1系統のネットワークシステムを複数の並列のネットワークシステムに分割することができる。この複合化中継アンプを用いれば、ネットワークシステムが複数に並列に分割されるので、データ通信の伝送効率を向上させることができる。
【0012】
光電変換器又は光電変換ユニットを装着すると入出力が切り換えられ、それにより同軸ケーブル系の入出力が切り離され端部がオープンとなる。端部がオープンであると、そこで反射が生じ、複合化中継アンプより上流のネットワークシステムにおいてデータ通信の品質が低下する。よって、光電変換器又は光電変換ユニットの装着時は、切り離された同軸ケーブル系の端部に終端抵抗を備える。これにより、複合化中継アンプより上流のネットワークシステム、即ち分割された従来系のネットワークシステムの品質を維持することができる。
【0013】
例えば、連動とは光電変換器又は光電変換ユニットの装着に伴い自動的に行われることを意味する。例えば、光電変換器又は光電変換ユニットと終端抵抗を同一基板上に設け、その基板を所定の端子に接続するようにする。これにより、光電変換器又は光電変換ユニットの装着と同時に、所定個所に終端抵抗が設けられる。即ち、1回の装着で入出力の切り換えと、切り離された終端の終端処理が完了する。
又は、例えば、光電変換器又は光電変換ユニットの装着と入出力の切り換えスイッチ装置が連動するように構成する。切り換えスイッチ装置は、例えば押圧式の機械的スイッチとする。作業者が光電変換器又は光電変換ユニットを装着すると切り換えスイッチ装置が押圧され、入出力が切り換えられるとともにそれに連動して同じくスイッチ装置によって同軸ケーブル系の終端が自動的に終端抵抗に接続されるようにする。即ち、作業者は光電変換器又は光電変換ユニットの装着時に、いちいち終端抵抗を手動で接続する必要がない。よって、より利便性に優れた複合化中継アンプとなる。
【0014】
【0015】
又、複合化中継アンプの入力端子と出力端子間に電力を通過させる電力通過フィルタを備えている。これにより、光電変換器でネットワークシステムは分割されても電力系統は分割されることはない。従来通り電力が供給され、中継アンプは従来通り機能する。又、新たに中継アンプ等を追加することができる。即ち、新たに電力供給線を設ける必要がない。よって、低コストに効率よく複合化中継アンプを実現することができる。
【0016】
又、請求項3に記載の複合化中継アンプを用いたネットワークシステムは、中央装置と複数の中継装置、及び複数の端末装置とを同軸ケーブルで接続したネットワークシステムであって、中継装置の何れかを請求項1又は請求項2に記載の複合化中継アンプとし、中央装置から複合化中継アンプに延出された1系統のネットワークシステムを、下り方向へ信号を伝送させる同軸ケーブルと、複合化中継アンプから中央装置へ上り方向に信号を伝送させる光ファイバとで構成したこと特徴とする複合化中継アンプを用いたネットワークシステムとすること特徴とする。
従来のネットワークシステムの中継アンプの何れかを、請求項1又は請求項2の光電変換器を装着した複合化中継アンプに代えれば、従来の1系統のネットワークシステムを複数系統のネットワークシステムに分割することができる。複数に分割されたネットワークシステムは、並列に直接光ファイバで中央装置と接続される形態となる。即ち、需要家が複数に分割されるので、需要家のアクセスが集中しても従来よりは待機時間が低減される。即ち、それぞれのネットワークシステムの需要家は効率よくデータ通信を行うことができる。
【0017】
又、複合化中継アンプを用いたネットワークシステムは、中央装置と複数の中継装置、及び複数の端末装置からなるネットワークシステムであって、ネットワークシステムの所定個所に請求項1又は請求項2の複合化中継アンプを備えて、将来の新たなネットワークシステムの拡大に備えるようにしても良い。
現在、ネットワークシステムを利用する需要家は増大を続けており、将来に渡ってもその傾向は衰える兆しはない。即ち、現在は適正であるが将来的には需要家増に伴いデータ通信効率が低下する可能性がある。
よって、将来、通信効率の低下が懸念される個所には、請求項1乃至請求項3の何れか1項の複合化中継アンプを予め備えておく。但し、現状は同軸ケーブル系でサービスを行う。これにより、将来、需要家が増大しても、即座に光ファイバ系のサービスに切り換えることができる。よって、将来の需要家増に備えるとともに、現在のネットワークシステムを維持する効率的なネットワークシステムとなる。
尚、将来、通信効率の低下が懸念される個所は、現在のネットワークシステムの最終段の中継アンプも含む。即ち、将来、現在のネットワークシステムを延長する場合も含む。最終段に本発明の複合化中継アンプを備えて置けば、将来の延長に対応することができる。
【0018】
又、本発明では、ネットワークシステムは複合化中継アンプを用いたCATVネットワークシステムである。CATVネットワークシステムは、現在市中に張り巡らされTV受信のみならず高速インタネットが可能な重要なネットワークシステムとなっている。将来は、データの大容量化とともに利用者が急増し、通信効率の低下が予想される。従って、ネットワークシステムをCATVネットワークシステムに適用すれば、多くの需要家に対して将来に渡って高速通信を保証することができる。即ち、TV受信のみならず、将来のデータの大容量化と需要家の増大に予め対応できる様に対処した優れたネットワークシステムとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(第1実施例)
図1に本発明の複合化中継アンプが適用されるCATVネットワークシステムを示す。図はシステム構成図である。本実施例のCATVネットワークシステムは、CATV局に設けられた中央装置10、光ファイバ20、25、光電型の双方向中継アンプ40A、同軸ケーブル22、双方向中継アンプ40Bn 、40Bm 、複合化中継アンプ50、分岐同軸ケーブル21、そして分岐同軸ケーブル21に接続された需要家30から構成される。尚、需要家30の構成は従来例と同等である。
光電型の双方向中継アンプ40Aは、図示しない光電変換器を有した中継アンプであり、上り方向には光信号で下り方向には電気信号で中継する中継アンプである。又、双方向中継アンプ40Bn 、40Bm は、電気信号を双方向に増幅して送出する中継アンプである。尚、n、mはインデックスを表す整数である。双方向中継アンプ40Bn 、40Bm は、例えば幹線増幅器、延長増幅器、分配増幅器、幹線分配増幅器、分岐増幅器、幹線分岐増幅器等が挙げられる。
【0020】
上記構成において、中央装置10、光電型の双方向中継アンプ40A、双方向中継アンプ40Bn 、双方向中継アンプ40Bm に至る経路と分岐同軸ケーブル21、需要家30で構成される所謂マルチドロップ型のネットワークシステムが従来のネットワークシステムである。従来例では、このネットワークシステムにより約200世帯の需要家がカバーされている。本実施例は、インタネット等のデータ通信の需要増から、例えば双方向中継アンプ40Bn の次段を図のように複合化中継アンプ50に置き換え、それを新たな光ファイバ25で中央装置10に接続した構成である。即ち、従来のネットワークシステムを約100世帯の需要家をカバーする2つの系統に分割したことが本実施例の特徴である。
詳細には、中央装置10から光ファイバ20を経て光電型の双方向中継アンプ40A、双方向中継アンプ40Bn に至るまでのネットワークシステムが1つのネットワークシステムとなる。又、中央装置10、光ファイバ25、複合化中継アンプ50、そしてそれ以降の需要家30で形成される他のネットワークシステムが新たなネットワークシステムとなる。即ち、図のように従来のネットワークシステムはA点で上流と下流に2分される。
【0021】
図のように複合化中継アンプ50を用いると、従来のネットワークシステムが2分される理由を、双方向中継アンプ40Bn 、複合化中継アンプ50を用いて説明する。複合化中継アンプ50は、双方向中継アンプ40Bn を利用して構成される。先ず、図2に双方向中継アンプ40Bn を示す。図は、回路図である。
双方向中継アンプ40Bn は、入力端子及び出力端子である1対のRFコネクタ41、1対の分波フィルタ42、減衰器(ATT)43a、43b、イコライザ(EQ)44a、44b、増幅器(Amp)45a、45b、ゲインコントロール(GC)46、分岐器47、自動増幅率制御装置(AGC)49、(TILT)48、そして電力通過フィルタ100、電通チップ105、そして所定の構成要素を着脱可能とする端子T(◎印)及び筐体110から構成される。尚、増幅器(Amp)45a、45bとで双方向同軸アンプが形成される。
この構成により、例えば70MHz〜770MHzの下り信号が経路aで増幅して下流に伝送され、例えば10MHz〜55MHzの上り信号が経路bで増幅されて上流に伝送される。又、この双方向中継アンプ40Bn は電力通過フィルタ100と電通チップ105を備えているので、電源装置90からの電力は上流又は下流に通電される。
【0022】
本実施例に用いる複合化中継アンプ50を図3に示す。複合化中継アンプ50の特徴は双方向中継アンプ40Bn の減衰器(ATT)43a、43b、自動増幅率制御装置(AGC)49を取り外し、小型の自動増幅率制御装置(AGC)49aと光電変換器(O/E)51からなる光電変換器ユニット59を備えたことである。又、減衰器(ATT)43a、43bを取り除いた端子Tに終端抵抗ra 、rb を備えたことである。
これにより、例えば中央装置から光ファイバ25で送信された下り信号は、光電変換ユニット59の光電変換器(O/E)51で電気信号に変換されて、イコライザ(EQ)44a、増幅器45a、即ち経路aで各需要家に送信される。
又、終端抵抗ra に切り換えられた個所では反射がない。即ち、上流に分割されたネットワークシステムの下り信号の品質は維持される。
【0023】
又、需要家からの上り信号は、経路bから入力され、増幅器(Amp)45b、イコライザ(EQ)44bを経て光電変換器(O/E)51に入力される。そして、光電変換器(O/E)51で光信号に変換されて光ファイバ25で中央装置に送信される。即ち、この複合化中継アンプ50以降の需要家は、光ファイバ25で直接、中央装置と接続される。即ち、従来のネットワークシステムが2分割されて新たなネットワークシステムが形成される。分割された各ネットワークシステムは、需要家数が半減するので待ち時間が減少する。その意味において、通信効率が向上する。
【0024】
尚、減衰器(ATT)43bを取り除くことによって上り方向のネットワークシステムが分断されるが、その個所には75Ωの終端手抵抗rb を備えている。従って、そこでの反射がない。よって、上流に分割されたネットワークシステムの上り信号の品質も維持される。又、上記光電変換ユニット59を取り除き、従来の自動増幅率制御装置(AGC)49と減衰器43a、43bを装着すれば、従来のシステムとなるのは云うまでもない。
又、この複合化中継アンプ50も電力通過フィルタ100を有しているので、電源装置90からの電力を外部に送出することができる。即ち、通電に関しても従来の双方向中継アンプ40Bn と同等に取り扱うことができる。
即ち、将来の需要家増に備えて、このような光ファイバが容易に接続可能な複合化中継アンプ50を予めネットワークシステムに備えておけば、需要家増大時にはネットワークシステムにおいて、即座に光ファイバ化することができる。即ち、産業上、極めて利便性に優れた有用な中継装置となる。
【0025】
(第2実施例)
第1実施例は、従来のネットワークシステムを光電変換器ユニット59で上り方向、下り方向とも分割する例であった。しかしながら、下り方向は70MHz〜770MHzと云う幅広い帯域の空き帯域を利用している。よって、例えばアクセスが集中しても下り方向に関しては、その通信効率は大きく低下するものではない。逆に、上り方向は10MHz〜55MHzの帯域で、更にその空き帯域を使用している。従って、アクセスが集中した場合は、その通信効率が低下する場合がある。本実施例は、上記問題に対して対処する例である。即ち、下り方向を従来の同軸ケーブル系とし、上り方向のみ光ファイバ系とした例である。即ち、上り方向のみにおいて分割された新たなネットワークシステムを形成した例である。
【0026】
図4に上り方向のみ分割する複合化中継アンプ60を示す。この構成は、第1実施例の複合化中継アンプ50(図3)の経路a側の減衰器(ATT)43a、イコライザ(EQ)44aの端子接続を省略したものである。この構成により、例えば中央装置からの下り信号は、従来通り分波器フィルタ42で経路aに分波され、減衰器(ATT)43a、イコライザ(EQ)44a、増幅器45a等を経て各需要家に送信される。一方、光電変換ユニット59以降の需要家からの上り信号は、下流側の分波フィルタ42で経路bに分波され、増幅器45b、イコライザ(EQ)44bを経て光電変換器51に入力される。そして、光電変換器51で光信号に変換されて光ファイバ25を介して中央装置に送信される。即ち、上り信号のみが2系統に分割される。よって、上り方向にデータアクセスが集中しても、従来のようには待機することがない。即ち、上り方向の通信効率を向上させることができる。
【0027】
(第3実施例)
第1、第2実施例は、光電変換ユニットを所定の端子に装着するだけで、双方向同軸アンプの入出力を同軸ケーブル系から光ファイバ器系に切り換える例であった。本実施例は、切り換えスイッチ装置を有し、光電変換器の装着でその切り換えスイッチを作動させ、同軸ケーブル系から光ファイバ系に切り換える例である。又、本実施例は従来の自動増幅率制御装置(AGC)を用い光電変換器のみを新たに端子接続とする例である。このような構成にすれば、端子Tの数を減らせることができる。
【0028】
本実施例に用いる複合化中継アンプ50を図5に示す。本実施例の複合化中継アンプ50の特徴は双方向中継アンプ40Bn (図2)に、光ファイバ25に接続された光電変換器(O/E)51、端子T、切り換えスイッチ装置52、53、及び終端抵抗ra 、rb を備えたことである。
この切り換えスイッチ装置52、53は、例えば押圧式の機械式スイッチであり光電変換器(O/E)51の端子Tへの装着時の押圧で、両者ともスイッチが端子p側に切り換わるものである。これにより、例えば中央装置から光ファイバ25で送信された下り信号は、光電変換器(O/E)51で電気信号に変換されて切り換えスイッチ装置52、増幅器45a、即ち経路aで各需要家に送信される。尚、この時、切り換えスイッチ装置52の上流側のスイッチは、同様に端子p側に切り換えられ75Ωの終端抵抗ra に切り換えられる。即ち、そこでの反射がない。よって、上流に分割されたネットワークシステムの下り信号の品質は維持される。
【0029】
又、需要家からの上り信号は、経路bから入力され、増幅器45b、切り換えスイッチ装置53の端子q、端子Tを経て光電変換器(O/E)51に入力される。そして、光電変換器(O/E)51で光信号に変換されて光ファイバ25で中央装置に送信される。即ち、この複合化中継アンプ50以降の需要家は、光ファイバ25で直接、中央装置と接続される。即ち、従来のネットワークシステムが2分割されて新たなネットワークシステムが形成される。分割された各ネットワークシステムは、需要家数が半減するので待ち時間が減少する。その意味において、通信効率が向上する。
【0030】
尚、切り換えスイッチ装置53の切り換えにおいて、端子p側には75Ωの終端手抵抗rb を備えている。従って、切り換えスイッチ装置53がp側に切り換えられても、そこでの反射がない。よって、上流に分割されたネットワークシステムの上り信号の品質も維持される。又、上記光電変換器51を取り除けば、切り換えスイッチ装置52、53は両者とも端子q側に切り換えられ、従来のシステムとなるのは云うまでもない。又、この複合化中継アンプ50も電力通過フィルタ100を有しているので、電源装置90からの電力を外部に送出することができる。即ち、通電に関しても従来の双方向中継アンプ40Bn と同等に取り扱うことができる。
即ち、このような光ファイバが容易に接続可能な複合化中継アンプ50を予めネットワークシステムに備えておけば、需要増に対してネットワークシステムを迅速に光ファイバ化することができる。
【0031】
(第4実施例)
第3実施例は、従来のネットワークシステムを光電変換器(E/O)51で上り方向、下り方向とも分割する例であった。本実施例は、第2実施例同様、上り方向のみ光ファイバ接続とする例である。即ち、光電変換器(E/O)51に代えて光電変換器(E/O)61を採用し、上り方向のみが分割された新たなネットワークシステムを形成した例である。
【0032】
図6に上り方向のみ分割する複合化中継アンプ60を示す。この構成は、第3実施例の複合化中継アンプ50の切り換えスイッチ装置52を省略し、光電変換器(E/O)51に代えて上り方向のみ変換する光電変換器(E/O)61を採用した構成である。尚、図6の複合化中継アンプ60では筐体110は省略してある。
この構成により、例えば中央装置からの下り信号は、従来通り分波器フィルタ42で経路aに分波され、減衰器(ATT)43a 、イコライザ(EQ)44a 、増幅器45a等を経て各需要家に送信される。一方、光電変換器61以降の需要家からの上り信号は、下流側の分波フィルタ42で経路bに分波され、増幅器45b、減衰器43b、切り換えスイッチ装置53(端子q)、端子Tを経て光電変換器61に入力される。そして、光電変換器61で光信号に変換されて光ファイバ25を介して中央装置に送信される。即ち、上り信号のみが2系統に分割される。よって、上り方向にデータアクセスが集中しても、従来のようには待機することがない。即ち、上り方向の通信効率を向上させることができる。
【0033】
尚、光電変換器61を装着するとそれに連動して切り換えスイッチ装置53が端子p側に切り換えられる。端子p側には75Ωの終端手抵抗rを備えているので、そこでの反射はない。よって、上流に分割されたネットワークシステムの上り信号の品質は維持される。又、上記光電変換器61を取り除けば、切り換えスイッチ装置53は端子q側に切り換えられ、従来のシステムと同等となる。即ち、このような複合化中継アンプ60を予めネットワークシステムに備えておけば、上り方向の需要増に対して迅速に応えることができる。即ち、迅速に上り方向のみ光ファイバ化することができる。
【0034】
(変形例)
以上、本発明を表わす1実施例を示したが、他にさまざまな変形例が考えられる。例えば、第1実施例では、光ファイバ系に切り換える時は、自動増幅率制御装置(AGC)49、減衰器(ATT)43a、43bを取り外し、光電変換器ユニット59と終端抵抗ra 、rb を端子接続した。しかしながら、図7に示すように、自動増幅率制御装置(AGC)49を基板59上に設け、その基板59を、従来の回路と端子Tで端子接続としてもよい。尚、59は回路基板と共に回路を内蔵したユニットをも意味する。よって、ユニット59をアンプ筐体から離脱させる。そして、光ファイバ系接続とする場合は、その基板59(ユニット59)を取り除き、図8に示すように基板59Aを装着する。基板59Aは基板及びその上に搭載された回路を内蔵したユニットでもある。基板59Aは、図示するように光電変換器51、自動増幅率制御装置(AGC)49aと終端抵抗ra 、rb を予め設けた基板である。この基板59A(ユニット)を装着すれば、1回の着脱で容易に同軸ケーブル系と光ファイバ系に切り換えることができる。又、その動作と効果は第1実施例のそれと同等である。このように構成することもできる。以下の説明で、基板はユニットの意味でも用いられる。
【0035】
又、図8の光電変換器ユニット59Aの端子接続は、図9のように変形してもよい。即ち、減衰器43a、43b、イコライザ(EQ)44a、44bを介さずに、直接光電変換器51と増幅器45a、45bを接続してもよい。
更に、図10に示すように変形することも可能である。即ち、図10に示すように上流側の分波フィルタ42と自動増幅率制御装置(AGC)49を1つの基板59Bに備え、その基板を複数の端子Tで取り外し可能とする。そして、光ファイバ接続とする場合は、それを取り除いてその後に図11に示すように光電変換ユニット59Cを端子接続してもよい。同様の効果を奏することができる。
【0036】
又、例えば、第3実施例では、自動増幅率制御装置(AGC)49に隣接して光電変換器(E/O)51を設けたが、図12に示すように自動増幅率制御装置(AGC)49を取り除いたあとのスペース55に光電変換器(O/E)51を設けてもよい。即ち、自動増幅率制御装置(AGC)49を取り除いたあとのスペース55に露出された端子Tに、光電変換器51を装着するようにすればよい。省スペースとなるので、複合化中継アンプ50を小型化することができる。尚、この時、増幅器は手動で増幅率を制御することになる。このように構成することもできる。
【0037】
又、第3実施例では光電変換器(E/O)51の装着に連動して、切り換えスイッチ装置52、53が端子p側に切り換わる構成としたが、連動させなくともよい。作業者がその切り換えスイッチを手動で切り換えてもよい。同等の効果がある。又、他の例と同様に、基板(ユニット)の端子に対する着脱だけで、端子切り換えができるようにしても良い。
【0038】
又、第1実施例ではCATVネットワークシステムをマルチドロップ型のネットワーク形態で説明したが、他の形態でもよい。例えば、ツリー形態のネットワークシステムでもよい。そこで使用されている様々な種類の双方向中継アンプを本発明の複合化中継アンプ50に置き換えれば、それ以降の需要家は新たな光ファイバで中央装置と接続される。ネットワークの形態は問わない。
【0039】
又、第1実施例ではネットワークシステムの何れかの中継アンプを複合化中継アンプに置き換えて、ネットワークシステムを分割する例であったが、複合化中継アンプはネットワークシステムを延長させる場合に用いてもよい。システムを延長する場合には、ネットワークシステムの同軸ケーブルの終端に本発明の複合化中継アンプを備えればよい。一般にネットワークシステムを延長すると、需要家が増大するので通信効率が低下するが、本発明の複合化中継アンプを同軸ケーブルの最終段に備えば、それより以降の需要家は新たな光ファイバで中央装置に直接、接続される。即ち、需要家増大に伴う待ち時間の増大がない。よって、通信効率を低下させないネットワークシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る複合化中継アンプを適用したCATVネットワークシステムの構成図。
【図2】 本発明の第1実施例に係る双方向中継アンプの回路図。
【図3】 本発明の第1実施例に係る複合化中継アンプの回路図。
【図4】 本発明の第2実施例に係る複合化中継アンプの回路図。
【図5】 本発明の第3実施例に係る複合化中継アンプの回路図。
【図6】 本発明の第4実施例に係る複合化中継アンプの回路図。
【図7】 本発明の第1実施例の変形例に係るAGCを基板化した双方向中継アンプの回路図。
【図8】 本発明の第1実施例の変形例に係る複合化中継アンプの回路図。
【図9】 本発明の第1実施例の変形例に係る複合化中継アンプの回路図。
【図10】 本発明の第1実施例の変形例に係る分波フィルタとAGCを基板化した双方向中継アンプの回路図。
【図11】 本発明の第1実施例の変形例に係る複合化中継アンプの回路図。
【図12】 本発明の第3実施例の変形例に係る複合化中継アンプの回路図。
【図13】 従来の双方向中継アンプを用いたCATVネットワークシステムの構成図。
【符号の説明】
10…中央装置
20、25…光ファイバ
30…需要家
40A…光電型双方向中継アンプ
40Bn ,Bm …双方向中継アンプ
45a、45b…増幅器
49、49a…自動増幅率制御装置
50…複合化中継アンプ
51…光電変換器
55…スペース
59、59A、59C…光電変換ユニット
60…複合化中継アンプ
61…光電変換器
52、53…切り換えスイッチ装置
100…電力通過フィルタ
T…端子
r、ra 、rb …終端抵抗

Claims (3)

  1. CATV局の中央装置から末端の各需要家の下り方向に信号を伝送し、各需要家から前記中央装置の上り方向に信号を伝送するようにしたCATVネットワークシステムの同軸伝送路に配設された複合化中継アンプであって、
    筐体に、同軸ケーブルが接続され自動増幅率制御装置と前記下り方向に信号を増幅する下り増幅器と前記上り方向に信号を増幅する上り増幅器とを有した双方向同軸アンプと、
    光ファイバが接続される光電変換器又は光電変換ユニットを装着するための、前記自動増幅率制御装置を取り除いた後に形成されるスペースと、
    前記自動増幅率調整装置を取り除いたときに、前記スペースに露出する端子であって、前記光電変換器又は前記光電変換ユニットを装着する装着端子と、
    前記複合化中継アンプの入力端子と出力端子間に、電力を通過させる電力通過フィルタとを備え、
    前記自動増幅率制御装置を取り除いてできる前記スペースにおいて、光ファイバが接続された前記光電変換器又は前記光電変換ユニットが、前記装着端子に装着され、
    前記光電変換器又は前記光電変換ユニットの装着に連動して入出力の切り換えによって切り離された前記同軸ケーブルによる伝送系の端部に終端抵抗が接続され、
    下り信号を電気信号とし、上り出力信号を光信号として、電気信号と光信号とが複合化された
    ことを特徴とする複合化中継アンプ。
  2. 前記入出力の切り換えは、前記光電変換器の着脱に連動したスイッチ装置によって行われることを特徴とする請求項1に記載の複合化中継アンプ。
  3. 前記中央装置と複数の中継装置、及び複数の端末装置とを同軸ケーブルで接続したネットワークシステムであって、
    前記中継装置の何れかを請求項1又は請求項2に記載の複合化中継アンプとし、
    前記中央装置から前記複合化中継アンプに延出された1系統のネットワークシステムを、前記下り方向へ信号を伝送させる前記同軸ケーブルと、前記複合化中継アンプから前記中央装置へ前記上り方向に信号を伝送させる前記光ファイバとで構成したこと特徴とする複合化中継アンプを用いたネットワークシステム。
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