JP4741074B2 - Ox−40レセプター結合因子又はそれをコードする核酸を含む組成物並びに抗原特異的免疫応答を増強するための方法 - Google Patents

Ox−40レセプター結合因子又はそれをコードする核酸を含む組成物並びに抗原特異的免疫応答を増強するための方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は動物、特にヒト及び非ヒト動物における増強免疫応答を構築するための方法及び組成物に関連する。本発明はかかる方法において利用するための組成物及び材料、例えば関連のワクチン、細胞、プラスミド、ウィルス及びその他のベクター、並びにそれに由来する製剤の製造にも関連する。本発明のその他の観点は以下の説明により明らかとなる。
【0002】
発明の背景
様々なレセプター−リガンド相互作用が抗原に対して特異的な免疫応答の誘導、樹立及び調節に関与することで知られている。抗原に対するCD4又はCD8T−細胞応答を活性化するのに少なくとも2つのシグナルが必要である(Lenschowら、1996)。第一シグナルはT−細胞レセプター(TCR)を介し、抗原提示細胞(APC)の表層上に載っている主要組織適合性(MHC)クラスI又はII分子に結合した抗原(典型的にはペプチド)により誘導される。第二シグナルはAPCの表層上にあるリガンドのT−細胞の表層上の第二レセプター分子に対する結合を包含する。この第二シグナルは補刺激(co−stimulation)と呼ばれ、そしてAPCリガンドは往々にして補刺激分子と呼ばれている。最も良く特性決定されたシグナルはT−細胞上のCD28レセプターとAPC上のそのリガンドB7.1又はB7.2との間の相互作用を介して誘導されるが、レセプター/補刺激分子相互作用の多種多様なその他の例も発表されている。
【0003】
この2つのシグナルは組合さるとT−細胞を活性化し、その結果それらはサイトカインを分泌し、そして増強する。CD4T−細胞の場合、活性化細胞(CD4+ と命名)はIL−2及びIFNγ等のサイトカインを産生し、それらは炎症部位のキラー(CD8+ )T−細胞を活性化する。CD4T−細胞が活性化されると、別のレセプターCTLA−4が発現される。それはCD28と相同性を有し、そしてCD28よりも強い親和力でB7分子に結合する。B7/CTLA−4相互作用はCD28の活性化シグナルを阻害し、そしてT−細胞応答をダウンレギュレーションしうるネガティブシグナルを運搬する(Krummel ら、1996;Walunas ら、1996)。このダウンレギュレーションメカニズムは過剰な免疫系応答を、例えば炎症現象の際に産生されるサイトカインの量を減少させることにより阻害しうる。しかしながら、同時に、それは「記憶細胞」となり始めるT−細胞の数もダウンレギュレーションしうる。記憶細胞の数を減らすということは、次に遭遇する同一の抗原に対して応答できる細胞の数が減るということである。しかしながら、活性T−細胞を、ダウンレギュレーションするのではなく、維持することが有利である数多くの状況がある。例えば癌患者は腫瘍細胞に対する活性T−細胞応答の維持により恩恵を受けるであろう。ワクチン化の概念は投与抗原を認識する記憶T−細胞の集団の維持を要する。
【0004】
CD4T−細胞の補刺激において役割を果たすものと提唱されている別のレセプター/リガンド組合せはOX−40レセプター/OX−40リガンドの組である。CD28レセプターはT−細胞の様々なサブクラスの表層上にあるが(それらが活性化していようとしていなかろうと関係なく)、OX−40レセプター(「OX−40」)(Patersonら、1987;Calderheadら、1993)はin vivoでは抗原活性化CD4+ T−細胞上にのみあることが示されている(Weinbergら、1994;1996)かくして、OX−40は自己免疫疾患における炎症部位にある自己抗原を認識する活性化CD4+ T−細胞上にあり、抹消血液系にはないことが示されている(Weinbergら、1994;1996)。OX−40は、腫瘍浸潤リンパ球、並びに頭部及び首の鱗状細胞腫瘍並びに黒色腫を有する患者から取り出した排出リンパ節細胞から単離したCD4+ T−細胞上に所定の割合で存在していることも示されている(Vetto ら、1997)。腫瘍壊死因子(TNF)超科の構成員であるOX−40リガンドは抗−CD−3抗体で活性化されたT−細胞を補刺激することが示された(即ち、非抗原特異的態様で)(Godfrey ら、1999)。しかしながら、その一般的な補刺激機能の他、免疫応答経路におけるOX−40レセプター/OX−40リガンド相互作用の生物学的役割は今日まで知られていない。
【0005】
発明の概要
本発明はその一定の観点において、選定の抗原に対する哺乳動物の免疫応答を増強且つ維持するために利用できる組成物及び方法を提供する。従来技術は一般的な免疫応答を強化することを試んできたが、本明細書において開示する組成物及び方法は特定の抗原に応答して活性化されたばかりのT−細胞(いわゆる「記憶細胞」)又はかかる感作過程にあるT−細胞を特異的に標的とする。詳しくは、本明細書において開示する方法の効果は記憶T−細胞の数の増加、それ故特定の(選定の)抗原に対する免疫系の応答の増強を含むものと信じられている。
【0006】
本発明の基礎は(1)CD4+ T−細胞上へのOX−40レセプターの結合、特に例えば抗原によるかかる細胞のプライミングの最中、又はその直後での結合がその抗原に対するCD4+ T−細胞の増強された応答をもたらしうる、及び(2)この抗原に対する増強された応答がかかる結合がないときよりも実質的に長期にわたり維持されうる、という発見にある。その結果、例えばT−細胞プライミングの最中に、OX−40レセプターに結合する分子の供与を介する免疫応答の増強は、感染因子、例えば細菌及びウィルス、並びに腫瘍細胞により提示される抗原のT−細胞認識を増強させることにより動物の疾患に対する耐性を著しく強めうる。
【0007】
従って、本発明はとりわけ哺乳動物における抗原に対する免疫応答を増強するための医薬組成物の製造におけるOX−40レセプター結合因子又はOX−40レセプター結合因子をコードする核酸の利用を提供し、ここでこの抗原は腫瘍抗原であるか、又は抗原であってかかる抗原がT−細胞をプライミングせしめている間又はプライミングせしめた直後に哺乳動物のT−細胞にOX−40レセプター結合因子が供与されるようかかる抗原に対してかかる組成物が投与される抗原である。
【0008】
このOX−40レセプター結合因子はOX−40L、抗OX−40抗体(例えば、モノクローナル抗体、例えばヒト化モノクローナル抗体)及び抗−OX−40抗体の免疫学的に有効な部分から選ばれうる。
【0009】
かかる抗原はウィルス抗原、細菌抗原及び腫瘍抗原から選ばれうる。
【0010】
更に本発明に従うと、抗原に対する哺乳動物の免疫応答を増強するための医薬組成物の製造において精製されたOX−40レセプター結合因子及び医薬的に許容される担体を利用でき、ここで当該増強は当該組成物を当該哺乳動物に投与することで、当該抗原がT細胞をプライミングせしめている間又はプライミングせしめた直後(例えば、前記抗原を投与してから約3〜7日後)に当該哺乳動物のT−細胞に当該OX−40レセプター結合因子が供与されることを介する。
【0011】
この技術は前記哺乳動物における腫瘍細胞に対する当該哺乳動物の免疫応答を増強するのに適用できる。
【0012】
本発明を実施する一の形態は、細胞表層上に局在した(例えば、適当なトランスメンブラン配列の保有により)OX−40レセプター結合因子をコードする核酸の、細胞(例えば腫瘍細胞)の中に該核酸を導入して当該細胞の免疫原性を増強するための組成物の製造における利用を介する。
【0013】
前記核酸は所望するなら第二タンパク質を更にコードしてよく、それは例えば主要組織適合性複合タンパク質、サイトカイン、インターフェロン及び免疫系補刺激分子から選ばれる。
【0014】
前記OX−40レセプター結合因子をコードする核酸はウィルス又はプラスミドベクター、例えばアデノウィルス、レトロウィルス又は及びヘルペスウィルスの一部であってよい。
このウィルスベクターは弱毒化又は衰弱化ウィルスであってよい。
【0015】
本発明の更なる観点に従うと、細胞表層上に局在したOX−40レセプター結合因子をコードする核酸は、哺乳動物由来の腫瘍細胞と共に、哺乳動物における腫瘍に対する当該哺乳動物の免疫応答を刺激するための医薬組成物の製造において利用でき、ここで当該刺激は(a)当該哺乳動物から腫瘍細胞を取り出し;(b)この取り出しを腫瘍細胞を弱毒化し;(c)この弱毒化した腫瘍細胞に核酸を導入し;そして(d)当該核酸分子を含むかのようにして処理した弱毒化腫瘍細胞を前記哺乳動物に投与することによるものである。この観点においてかかるOX−40レセプター因子はOX−40Lであってよい。この腫瘍細胞の弱毒化は前記核酸分子の導入の前又は後であってよい。
【0016】
本発明を実施する別の態様は、細胞表層上に局在したOX−40レセプター結合因子をコードする核酸を、哺乳動物由来のT−細胞と共に、抗原に対する哺乳動物の免疫応答を増強するための医薬組成物の製造において利用することにあり、ここで当該増強は当該哺乳動物からT−細胞を取り出し;この取り出したT−細胞をOX−40レセプター結合因子とex vivoでインキュベーションし、そしてかのようにして処理したT−細胞を前記哺乳動物にもどすことによるものである。ここでも、この哺乳動物は腫瘍を有してよく、そしてこの抗原は腫瘍抗原であってよい。
【0017】
より一般的には、哺乳動物における腫瘍に対する免疫応答を増強するための医薬組成物の製造においてOX−40レセプター結合因子又はOX−40レセプター結合因子をコードする核酸が利用でき、ここで当該増強は当該腫瘍部位においてのOX−40レセプター結合因子の量の増大によるものである。
【0018】
本発明は別の観点において、とりわけ細胞の表層上に局在したOX−40レセプター結合因子をコードする核酸で形質転換された腫瘍細胞、及びかかる細胞から単離された膜を含んで成る組成物を提供する。
【0019】
本発明は更に本明細書に記載の特徴及び目的を有する組成物、並びにかかる組成物を作る及び使用する方法を提供する。
【0020】
本発明の一例において、本来100%の致死率をもたらす所定の腫瘍細胞の動物への投与との対比において、OX−40レセプターに結合する分子の腫瘍細胞と一緒での投与は、この動物を腫瘍細胞から保護した。
【0021】
何ら理論に拘束されるわけでもないが、この発見の基礎となるメカニズムの一つの考えられる解釈を添付図1に示す。図1は免疫系におけるCD4T−細胞の役割を示す。脾臓又はリンパ節内のナイーブT−細胞(即ち、抗原にまだ曝露されていないもの)は抗原に応答して活性化細胞(「エフェクター」)へと分化する。前述の通り、この活性化はMHC分子との関係で抗原の提示を、補刺激分子と共に要する。今日までに特性決定された補刺激分子、例えばB7分子はナイーブ/エフェクター細胞遷移において作用するものと信じられている。活性化の後、このようなエフェクター細胞の大部分がサイトカインを産生し、そして所定のT−細胞レセプター/リガンド相互作用(例えばCTLA−4/B7)が関与しうるフィードバックメカニズムを介し、その後予定細胞死に至るものと提唱されている。T−細胞の残りの部分は増殖し、そして記憶細胞となり、抗原に対する将来の曝露に応答するよう用意されるようになる。この間のOX−40レセプターの結合によるT−細胞の補刺激はエフェクターT−細胞機能を増強し、そして更に初期抗原曝露後に残っており、そして最終的に記憶表現型を帯びる抗原特異的活性化CD4+ T−細胞の割合を高めるものと信じられている。かくして、ナイーブ/エフェクター細胞遷移において作用する慣用の補刺激分子とは対照的に、OX−40リガンドはエフェクター/記憶細胞遷移において作用する。従って、OX−40の結合を包含する本発明の方法は記憶細胞へと進行するエフェクター細胞の比率を高めることを担う。この細胞集団の増加により、その特異的な抗原に応答する免疫系の現状及び将来の能力は高まり、そしてこの高まった応答能力は顕著に長い期間維持される。対照的に、補刺激分子を供与することにより免疫応答を増強する従来発表された方法はナイーブ/エフェクター細胞遷移において作用する補刺激分子、例えばB7を利用する(例えば、ヨーロッパ特許出願EP0733373(Bristol Myers Squibb : L Chen ら:Composition and methods for increasing the immunogenicity of tumor cells by administration of B7 and CD2-transfected cells) 参照のこと)。初期免疫応答の増強は開示されているが、抗原特異的記憶細胞の集団の増大は今までに開示されていないと信じられている。ここに記載する免疫応答を増強するための方法は抗原特異的記憶T−細胞の集団を増強することにより免疫応答の良好な増強を供することができるものと信じられている。
【0022】
これはここに開示し、請求する本発明について一の考えられる解釈にすぎないことを強調しておく。実際のメカニズムと関係なく、抗原活性化の際にOX−40レセプターに結合する分子の投与をここに提供し、そしてこれは有意義な免疫学的利点を供しうる。
【0023】
OX−40レセプターに結合できる分子をここでOX−40レセプター結合因子と呼ぶ。
【0024】
かくして、一の観点において、本発明は抗原に対するCD4+ T−細胞により媒介される免疫応答を誘導する又は増強する方法を提供し、それは抗原プライミングがin vivoで起きている最中又はその直後に、CD4+ T−細胞をOX−40レセプター結合因子に導入することを含んで成る。OX−40レセプター結合因子及び適当な担体を含んで成るかかる方法に利用するための組成物も提供する。
【0025】
本発明において有用なOX−40レセプター結合因子にはOX−40リガンド、OX−40リガンドの機能性ドメイン、例えば単独又は他のペプチドドメインに接合した細胞外ドメイン、例えば融合タンパク質、及び抗−OX−40レセプター特異性を有する抗体が挙げられる。
【0026】
かかるOX−40レセプター結合因子はウィルス抗原、細菌抗原及び腫瘍抗原等の多種多様な抗原に対するCD4+ T−細胞媒介免疫応答を誘導又は増強するのに利用できる。本発明の一の観点において、OX−40レセプター結合因子は抗原に対する動物の免疫応答を増強するために利用できる。
【0027】
かくして、本発明は更に抗原に対する動物の免疫応答を増強するための方法を提供し、この方法はかかる動物に精製されたOX−40レセプター結合因子及び医薬的に許容される担体を含んで成る組成物を投与することを含んで成り、ここでかかる組成物はその動物を、OX−40レセプター結合因子が抗原によるT−細胞のプライミングの最中又はその直後に哺乳動物のT−細胞に供与されるようにする。哺乳動物における抗原によるT−細胞プライミングの過程は抗原を導入して約3〜7日後以内に行われると考えられる。かくして「プライミングの直後」とは抗原を投与してから約3〜10日の期間を一般に意味する。
【0028】
本発明の更なる観点に従うと、OX−40レセプター結合因子は哺乳動物に、例えば抗原調製品の投与の約10日後、より典型的には約1週間後、下記好ましくは約3〜7日後に、投与抗原に対する哺乳動物のCD4+ T−細胞媒介免疫応答を増強するために投与されうる。正確な時期は往々にしてあまり厳格でないと信じられる。
【0029】
本発明は腫瘍に対する哺乳動物の免疫応答を増強する方法も提供する。一のかかる方法において、腫瘍に対する哺乳動物の免疫応答は、この哺乳動物への治療的有効量の精製OX−40レセプター結合因子の投与により刺激される。
【0030】
本発明に包括されるワクチン組成物は1又は複数種の抗原及び治療的に有効な量のOX−40レセプター結合因子を含む。前述の通り、この抗原は腫瘍抗原、細菌抗原及びウィルス抗原から成る群から選ばれうる。ワクチンがウィルス抗原を含み、そしてそのウィルス抗原が弱毒化又は複製欠陥ウィルスを介して導入されるものである場合、このOX−40レセプター結合因子はウィルスゲノムの中に挿入されたかかる因子をコードする核酸分子により供されてよく、かくしてそれはワクチンの導入された哺乳動物の細胞の中で発現される。このワクチンが弱毒化細菌又は細菌抗原を介して導入される細菌抗原を含むなら、このOX−40レセプター結合因子はそれをコードする核酸分子を介して供されてよく、ここでこの核酸分子は細菌細胞の中に収容され、その中で発現されるものである。同様に、ワクチンが腫瘍抗原調製品、例えば腫瘍細胞膜を含む場合、OX−40レセプター結合因子はそれをコードする核酸分子を介して供与されてよく、かかる核酸分子はワクチン調製用の細胞の破裂前に腫瘍細胞内で発現される。抗原及びOX−40レセプター結合因子を供与する材料は別々に、又は一緒に導入してよい。プライミングの直後と言及している時間は生理学的に有効な接触を意味しており、かかる接触は物理的な投与の後、特に投与されたものがOX−40レセプター結合因子をin vivoで間接的に供与するようなものである場合、例えば上記の核酸の場合、起こりうる。
【0031】
本発明の更なる観点は細胞、例えば抗原提示細胞(APC)、例えば腫瘍細胞内でのOX−40レセプター結合因子の発現の供与又は増強である。APC内でのOX−40レセプター結合因子の発現は当該因子をコードする核酸配列を担持するベクターをこの細胞に導入することにより達成され、ここでこの核酸配列の発現は、ベクターを欠く同等の細胞内での発現よりも高いかかる因子の発現レベルを供する。OX−40レセプター結合因子を導入及び発現するために適当なベクターは当業界において周知であり、そしてプラスミドベクター及びウィルスベクター、例えばアデノウィルス、ヘルペスウィルス及びレトロウィルスベクターが挙げられる。所定の態様において、このベクターは対応の免疫応答が所望される抗原をコードする1又は複数の追加の核酸配列を担持しうる。かくして、本発明の一の観点は細胞の免疫原性を増強するための方法であり、この方法は細胞にOX−40レセプター結合因子をコードする核酸分子を導入して、OX−40レセプター結合因子を細胞の表層上で発現させることを含んで成る。
【0032】
本発明の別の態様において、APCは哺乳動物被検体から取り出された腫瘍細胞であってよい。これに関し、本発明は体内に存在する腫瘍細胞に対する哺乳動物の免疫応答を増強するために有用である。本発明の一の態様において、腫瘍細胞は哺乳動物から取り出す。次いでOX−40レセプター結合因子を発現するベクターをこの取り出した細胞に導入し、その後それを哺乳動物にもどす。好ましくは、この腫瘍細胞は患者への再導入の前に弱毒化しておく。腫瘍細胞を弱毒化するためのメカニズムは周知であり、そして例えば照射が挙げられる。この手順の結果は、この再導入された弱毒化腫瘍細胞が腫瘍抗原及びOX−40レセプター結合因子の双方を同時にCD4T−細胞に供与することにあり、その結果哺乳動物の体内の腫瘍細胞に対するCD4+ T−細胞媒介免疫応答は増強される。所定の腫瘍細胞は抗原提示MHC分子の発現をダウンレギュレーションすることにより身体の免疫系をかいくぐるため、この取り出した腫瘍細胞の中にOX−40レセプター結合因子を発現するベクターだけを導入するのではなく、MHC分子、好ましくはMHCクラスII分子を発現するベクターも導入するのが好都合でありうる。本発明の所定の態様において、OX−40レセプター結合因子とMHC分子の双方を発現する単独ベクターを腫瘍細胞に導入してよい。かくして、本発明の別の観点において、哺乳動物における腫瘍に対する哺乳動物の免疫応答を刺激するための方法を提供し、ここでこの方法は(a)哺乳動物から腫瘍細胞を取り出し;(b)この取り出した腫瘍細胞を弱毒化し;(c)この弱毒化した腫瘍細胞にOX−40レセプター結合因子をコードする核酸分子を導入してOX−40レセプター結合因子をこの弱毒化腫瘍細胞の表層上で発現させ;そして(d)この哺乳動物にかかる核酸を含む弱毒化腫瘍細胞の調製品を治療的有効量で投与することを含んで成る。
【0033】
本発明は更に養子免疫療法の新規の方法を提供し、それにおいては抗原に対する哺乳動物の免疫応答を、その哺乳動物からT−細胞を取り出し、その取り出したT−細胞をex vivoでOX−40レセプター結合因子とインキュベーションし、そしてそのT−細胞を哺乳動物にもどすことにより増強させる。かかる方法は腫瘍に対する動物の免疫応答を増強するための方法も提供し、この方法は腫瘍部位(即ち、腫瘍を含む及び腫瘍に隣接する身体部)でのOX−40レセプター結合因子の量を増加させることを含んで成る。OX−40レセプター結合因子の量の増加はこの腫瘍部位にOX−40レセプター結合因子及びこのOX−40レセプター結合因子をコードする核酸分子から成る群から選ばれる組成物を投与することにより達成し得る。
【0034】
本発明を以下の説明、添付図及び実施例により例示しながら更に説明する。
【0035】
詳細な記載
1.定義
本明細書に記載される本発明の考察及び理解を容易にするために、以下の用語の定義を供する:
OX−40レセプター:抗原活性化哺乳動物CD4+ T細胞の表層上で発現される(ACF4 及びACT35とも多様に呼ばれる)タンパク質(Weinbergら、1994, 1996 ; WO95/12673 (Stanford Univ & Becton Dickinson : W Godfrey ら);Latza ら、1994)。マウス、ラット及びヒトOX−40レセプター相同体をコードするDNA配列はクローニングされ、配列決定されている(Malletら、1990;Calderheadら、1993;Latza ら、1994;WO95/12673(前掲)。
【0036】
OX−40リガンド:OX−40レセプターと特異的に相互作用する(抗原提示細胞(“APCs”)のような)特定の哺乳動物細胞の表層上で発現される(gp34及びACT−4−Lとも多様に呼ばれる)タンパク質(その機能でなくタンパク質自体はMiura ら、1991に記載され;WO95/21915 (Stanford Univ : Godfrey ら)は、名称ACT−4−Lを用いて、ヒトタンパク質及びその機能を同定しており;そして米国特許第5,457,035号(Immuney : PR Baum ら)は対応する機能のネズミタンパク質を記載する)。マウス及びヒトからのOX−40リガンドをコードする遺伝子はクローニングされ、同定されている(米国特許第5,457,035号(前掲);Miura ら、1991, Godfrey ら、1994)。OX−40リガンドは、細胞内、トランスメンブラン及び細胞外ドメインを含み;OX−40リガンドの機能的に活性を可溶化型(“可溶性OX−40リガンド”)は、米国特許第5,457,035及びWO95/21915に記載されるように、細胞内及びトランスメンブランドメインを削除することによって作り出すことができる。OX−40リガンドの機能的に活性な型は、OX−40レセプターに特異的に結合する能力を保持する形態であり;OX−40リガンド分子又は誘導体がOX−40レセプターに特異的に結合する能力を決定する方法が以下に議論される。OX−40リガンド及びその誘導体を作る及び用いる方法はWO95/21915(前掲)に記載されており、それは、培養細胞からのOX−40リガンドの精製を容易にするため又は哺乳動物への生体内投与後の分子の安定性を増加させるために作り出すことができる、ヒトIgFc領域のような他のペプチドに結合したOX−40リガンドの可溶化型を含むタンパク質も記載する(米国特許第5,457,035号も参照のこと)。
【0037】
本明細書に用いる場合、用語“OX−40L”は、全体のOX−40リガンド、可溶性OX−40リガンド、及び第2のタンパク質ドメインに共有結合したOX−40リガンドの機能的に活性な部分を含む融合タンパク質を含む。天然のOX−40リガンド分子からアミノ酸配列において変化しているがOX−40レセプターに特異的に結合する能力を保持するOX−40リガンド変異体もOX−40Lの定義に含まれる。このような変異体は米国特許第5,457,035号及びWO95/21915(前掲)に記載される。
【0038】
OX−40レセプター結合因子:抗原活性化哺乳動物T細胞、例えば活性化CD4+ T細胞の表層上に存在するOX−40抗原にのみ実質的に結合する因子。本明細書に用いる場合、用語“OX−40レセプター結合因子”は、抗OX−40抗体及びOX−40Lを含む。
【0039】
用語“抗OX−40抗体”は、OX−40に特異的であるモノクローナル及びポリクローナル抗体、即ち以下に記載の方法を用いて評価した時にOX−40にのみ実質的に結合するもの、及びその免疫学的に有効な部分(“フラグメント”)を包含する。好ましくは、本発明に用いる抗OX−40抗体は、モノクローナル抗体(又はその免疫学的に有効な部分)及び好ましくはヒト化モノクローナル抗体(又はその免疫学的に有効な部分)である。モノクローナル抗体の免疫学的に有効な部分には、Fab,Fab’,F(ab’)2 ,Fabc及びFv部分がある(報告について、Better及びHorowitz, 1989を参照のこと)。本発明において、モノクローナル抗体の免疫学的に有効な部分は、好ましくは、重鎖ドメインを含む部分である。抗OX−40モノクローナル抗体のヒト化型及び抗OX−40抗体の免疫学的に有効な部分は、このような抗体を生産するために用いることができる方法と共に、WO95/12673及びWO95/21915(前掲)に記載される。抗OX−40抗体は、いくつかの情報源、例えば“Antibodies, A Laboratory Manual ”by Harlow and Lane, Cold Spring Harbor Laboratory (1988)に記載される標準的な手順を用いて生産することもできる。
【0040】
ヒト化モノクローナル抗体を作る方法は公知であり、例えば、米国特許5,585,089 (Protein Design : CL Queenら;“Humanized Immunoglobulins ”), 5,565,332 (“Production of Chimeric Antibodies--A Combinatorial Approach ”), 5,225,539 (Med Res Council : GP Winter ; “Recombinant Altered Antibodies And Methods Of Making Altered Antibodies ”), 5,693,761-762 (Protein Design : CL Queen ら;“Polynucleotides Encoding Improved Humanized Immunoglobulins ”, and “Humanized Immunoglobulins ”) 、及び5,530,101 (Protein Design : CL Queen et al.;“Humanized Immunoglobulins ”) 、並びにそれらの引用文献に記載されるものがある。
【0041】
同様に、抗体フラグメントとも呼ぶ、モノクローナル抗体の免疫学的に有効な部分を作り出しそれを用いる方法は公知であり、例えば、Better及びHorowitz (1989)(“Expression of Engineered Antibodies and Antibody Fragments in Microorganisms”) ; Betterら(1990) (“Production and Scale-Up of Chimeric Fab Fragments from Bacteria ”) ; Glockshuber ら(1990) (“A Comparison of Stategies to Stabilize Immunoglobulin F v Fragments ”) ; 及び米国特許Nos. 5,648,237 (Genentech : PJ Carter ; “Expression of Functional Antibody Fragments ”), 4,946,778 (Genex : RC Ladner ら“Single Polypeptide Chain Binding Molecules”) 、及び5,455,030 (Enzon : RC Ladnerら;“Immunotherapy Using Single Chain Polypeptide Binding Molecules”) 、並びにそれらの引用文献に記載されるものがある。
【0042】
完全なOX−40L分子、可溶性OX−40L、及び例えばOX−40Lの細胞外ドメインが第2のタンパク質ドメインに共有結合している融合タンパク質を含む、OX−40Lの種々の製剤を本発明におけるOX−40レセプター結合剤として用いることができる。第2のタンパク質ドメインは、OX−40Lの活性を増強すること、精製を容易にすること、又は体内でのタンパク質の安定性を増加させることを含む、いくつかの機能を供し得る。このような融合タンパク質において、OX−40L、好ましくは細胞外ドメインもしくはその活性フラグメント又はこのようなドメインもしくはフラグメントの突然変異タンパク質は、治療すべき被検体の適切に選択された血液タンパク質に対応する血液タンパク質又はフラグメントのような適切に選択されたタンパク質に融合される。以下の特定の例は、OX−40L細胞外ドメインとヒトIgGの定常ドメイン、特にIgGのCH2及びCH3ドメインであるポリペプチドとの間の融合物に関する。好ましくは、このような融合物は、好ましくはいずれのシステイン残基もアラニン又はグリシンのような非硫黄アミノ酸残基に変異されているIgGのヒンジ領域に対応するヒンジアミノ酸配列領域を含むであろう。任意にスペーサー配列が介在して、IgG部分配列のC末端から融合タンパク質内で、OX−40L部分配列のN末端が続くことが好ましい。その反対の配置も有用であり得、本発明の範囲に包含される。融合パートナーの別の例は、IgGのCH2及びCH3領域のかわりのCD4配列のドメイン3及び4の使用に関する。このような融合タンパク質は、いずれかの適切な異種発現系において作ることができ、適切には、その融合タンパク質をコードするDNAは、そのDNAが分泌シグナル及び開裂配列を最初に含むが、後にこのような補助的配列を含まずに細胞の外に輸送されるタンパク質に翻訳されるように、用いる宿主細胞系に適した周知の分泌シグナル配列もコードし得る。
【0043】
OX−40Lの組換え型の例は、OX−40Lの細胞外ドメインがヒトIgGの重鎖に融合しているOX−40L:HuFcIgGである。このような融合タンパク質の生産は米国特許第5,457,035号に記載される。例えば、以下の実験に用いるOX−40L:HuFcIgG融合物は以下の通り生産した。融合タンパク質OX40L:huFcIgGを、G418選択及び周知のpGEM−Tクローニングベクターシステムを用いて、公知のCHO細胞発現系において発現させた。CHO細胞発現システムに適した分泌シグナルを含むリーダー配列を、合成オリゴヌクレオチドを用いて作製し、アニーリングして連結させ、約90bpのフラグメントを形成した。アセンブリーの後、アガロースゲルからDNAを切り出し、特定のプライマーを用いてPCR反応で増幅し、末端にHindIII 及びXhoI部位を形成した。次に、リーダーをpGEM−Tクローニングベクターにクローニングしてリーダ−配列を含む産物ベクターを形成した。そのリーダー配列は、シグナルペプチドの開裂のための部位を供するための抗体重鎖配列由来の7アミノ酸残基をコードする塩基を更に含んだ。ヒンジ、CH2及びCH3ドメインを含むヒトIgG1遺伝子(cDNA)由来のサブ配列を、5’及び3’端への各々XhoI及びPstI部位の導入と共にPCRでクローニングし、リーダー及びヒトOX40L配列に連結させた。pGEM−Tへのクローニングの後、XhoI−PstIフラグメントを単離し、(ベクターをXhoI及びPstIで消化した後の)上述のリーダー配列を含むベクターに連結し、リーダー配列及びヒンジ−CH2−CH3領域を含む更なる結果ベクターを形成した。ヒトOX40L遺伝子の細胞外ドメインを5’及び3’末端への各々のPstI及びHindIII 部位の導入を伴い、PCRでクローニングし、クローニングベクターpGEM−Tに連結した。PstIのみでの消化がOX40L及び3’末端のポリリンカー配列を遊離させるように、正しい方向のクローンを選択した。次にこのフラグメントを先の結果ベクターのPstI部位に連結し、それにより要求されるリーダー−IgG−OX40L融合構成物をコードするベクターを形成した。次に、その遺伝子構成物をHindIII フラグメントとして単離し、発現を駆動するためのhCMVプロモーター及びmeoR選択マーカーを含む発現ベクターに移した。正しい方向の挿入物についてクローンをスクリーニングし、次にトランスフェクションのために増殖させた。この構成物を用いてCHO細胞にトランスフェクトし、陽性CHOクローンをG418を用いて選択し;融合タンパク質分泌を、OX40をトランスフェクトしたSp210骨髄腫細胞との上清のインキュベーション及びフローサイトメトリー分析による結合の検出により検出した。高レベル分泌細胞をふくらませ(bulked up)、その上清からの融合タンパク質をプロテインG−Sepharoseカラムで精製した。 溶出した材料をSDS−PAGE(12%)ゲルに走らせ、そのゲルをクーマシーブルーで染色して純度を確認した。 ヒトOX−40配列 (‘ACT−4−h−1’)についてはWO95/12673を参照のこと。 ヒトOX−40L配列(‘ACT−4−h−1−L’)についてはWO95/21915及びそこで引用される文献を参照のこと。OX−40レセプター結合因子に有効に融合させることができる他のペプチドには、可溶性MHCクラスII分子、他の補刺激分子、例えばB7.1及びB7.2、並びにT細胞増強性サイトカイン、例えばIL−2がある。
特定の因子がOX−40レセプターにのみ結合することの測定は、慣用的な方法を用いて、又はそれらを適合させることにより直ちに行うことができる。in vitroアッセイに適したものは、(Harlow及びLaneによる“Antibodies, A Laboratory Manual ”を含む、多くの標準的文献に記載される)ウエスタン・ブロッティング法を利用する。所定のOX−40レセプター結合因子、例えば可溶性OX−40Lの選択されたフラグメントがヒトOX−40タンパク質にのみ実質的に結合することを決定するために、全細胞タンパク質は、OX−40抗原を発現しないヒト細胞、例えばOX−40をコードする核酸分子で形質転換された非リンパ球細胞(例えばCOS細胞又はCHO細胞)から抽出される。陰性対照として、全細胞タンパク質は、対応する非形質転換細胞からも抽出される。次に、これらのタンパク質調製物は非変性ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動される。その後、タンパク質はウエスタン・ブロッティングにより、膜 (例えばニトロセルロース)に移され、そしてテストすべき因子がその膜と一緒にインキュベートされる。その膜を洗って非特異的に結合した因子を除去した後、結合した因子の存在は、検出剤、例えば酵素アルカリホスファターゼにコンジュゲートしたテスト因子に対して生じた抗体の使用により検出され;基質5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートノニトロブルーテトラゾリウムの適用は免疫局在化アルカリホスファターゼによる濃い青色の化合物の生産を引きおこす。ヒトOX−40にのみ実質的に結合する因子は、この技術により、OX−40で形質転換された細胞からの抽出物中の(その分子量により決定されるゲル上の所定の位置に局在化するであろう)ヒトOX−40バンドに結合することが示されるであろうが、非形質転換細胞からの抽出物中では結合はほとんど又は全く観察されないであろう。その因子の他のタンパク質への非特異的結合が発生し得、ウエスタンブロット上で弱いシグナルとして検出され得る。この結合の非特異的性質は、特定の因子/ヒトOX−40タンパク質結合から生ずる強力な第1のシグナルに対するウエスタン・ブロット上で得られる弱いシグナルにより、当業者に認識されるであろう。理想的には、OX−40レセプター結合因子は、非形質転換細胞から抽出されたタンパク質に結合しないであろう。
【0044】
抽出されたタンパク質を用いる結合アッセイに加えて、OX−40レセプター結合因子と予想される因子は、その因子を蛍光タグ (例えばFITC)にコンジュゲートさせ、蛍光活性化セルソーター(FACS)により抗原活性化CD4+ T細胞及び非活性化T細胞への結合を分析することにより、生体内で実質的にOX−40レセプターのみに結合する能力を確認するためにテストされる。実質的にOX−40レセプターのみに結合する因子は、活性化CD4+ T細胞のみを染色するであろう。
【0045】
形質転換:形質転換された細胞は、分子生物学技術により核酸分子が導入されている細胞である。本明細書に用いる場合、形質転換との用語は、ウイルスベクターでのトランスフェクション、プラスミドベクターでの形質転換、並びにエレクトロポレーション、リポフェクション、及びパーティクルガンアクセラレーションによる裸のDNAの導入を含む、核酸分子を細胞に導入し得る全ての技術を包含する。
【0046】
単離:(核酸又はタンパク質のような)“単離された”生物学的成分は、その成分が天然で存在する生物の細胞中の他の生物学的成分、即ち他の染色体及び染色体外DNA及びRNA、並びにタンパク質から実質的に分離され又は精製されている。これにより、“単離”されている核酸及びタンパク質は、標準的な精製法により精製された核酸及びタンパク質を含む。その用語は、宿主細胞内で組換え発現により調製された核酸及びタンパク質並びに化学的に合成された核酸も包含する。
【0047】
精製:精製との用語は絶対純度を要求せず;むしろ相対的用語として解釈する。これにより例えば、精製されたOX−40リガンド調製物は、OX−40リガンドが細胞内でその天然の環境にあるリガンドより高純度であるものである。好ましくは、OX−40リガンドの調製物は、OX−40リガンドタンパク質が調製物の全タンパク質成分の少なくとも50%を示すように精製される。
【0048】
作用可能に結合(連結):第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的関係をもって配置される時に、その第1の核酸配列は第2の核酸配列に作用可能に結合している。例えば、プロモーターは、そのプロモーターがコードする配列の転写又は発現に作用するため、コード配列に作用可能に結合されている。一般に、作用可能に結合したDNA配列は、連続的であり、2つのタンパク質コーディング領域を連結することが必要であるなら、同じ読み枠内にある。
【0049】
組換体:組換核酸は、天然でない配列を有するか、2つの他の分離した配列のセグメントの人工的な組合せにより作られたものである。この人工的な組合せは、しばしば、化学的合成により、又はより一般的には核酸の単離されたセグメントの人工的な操作により、例えば遺伝子工学技術により行われる。
哺乳動物:その用語は、ヒト及び非ヒト哺乳動物の両方を含む。同様に、用語“被検体”は、ヒト及び獣医学の対象を含む。
【0050】
2.動物の抗原特異的免疫応答を増強する組成物及び方法
抗原活性化の最中又は後のCD4T−細胞に対するOX−40レセプター結合による哺乳動物の抗原特異的免疫応答の増強は様々な方法を利用して成し遂げられうる。選定の方法は主に対応の免疫応答の増強が所望される抗原のタイプに依存し、そして有用な様々な方法を以下に論じる。どの方法を選定しようと、精製OX−40レセプター結合因子は抗原によるT−細胞のプライミングの最中又は直後にその動物のT−細胞に供与されるようにその動物に投与すべきである。T−細胞の活性化は一般に抗原を免疫系に供与してから約3〜7日後以内に起こるため、一般にOX−40レセプター結合因子を動物に選定の方法により、抗原に対して動物の免疫系を曝露してから約7日以内に投与するのが好ましい。OX−40レセプター結合因子を抗原と一緒に投与する場合、体内で増強された安定性(即ち、長くなった半減期)を有する剤型で投与することで、抗原プライミングの最中又は後、その因子が循環系内にOX−40と結合するのに十分な時間残留できるようにすることが好都合でありうる。かかる増強した安定性を有するOX−40レセプター結合因子の形状には例えばヒトIgGの定常領域に融合された可溶性OX−40リガンドを含んで成る融合タンパク質が挙げられる。任意の選定のOX−40レセプター結合因子の半減期の決定のため、標準的な方法が利用されうる。例えば、静脈内注射によるかかる因子の投与後、少量の血液サンプルを動物から採取し、次いでそのサンプルを約10日間にわたり6〜24時間毎に採取する。その後、各サンプル中に存在する因子の濃度を決定する( 例えば、Harlow & Lane, 1988 に記載の標準の免疫定量法、例えばELISA)。この因子の半減期はこの因子の濃度が第一サンプル測定のそれの50%にまで低下した時点と定義する。
【0051】
ある状況では、例えば抗原が免疫系に長期間供されるような場合 (例えば癌患者において)、OX−40レセプター結合因子は免疫系を抗原に曝露してから7日以上経過した後に投与してよい。例えば、患者からの一次腫瘍の外科的除去の後、OX−40レセプター結合因子を投与して転移部にある腫瘍抗原に対する免疫応答を増強させ、これにより身体からのかかる転移部の浄化を促進する。このような状況では、OX−40レセプター結合因子の投与は通常患者の免疫系を腫瘍抗原に対して、一次曝露してから7日以上経過した後に行われるが、にもかかわらず、それは抗原がT−細胞に供与されるときに存在している。
【0052】
OX−40レセプターに結合する分子は一般にタンパク質、例えば抗−OX−40抗体又はOX−40リガンドであろうが、哺乳動物に投与される調製品は様々な形態をとってよく、例えば精製OX−40レセプター結合因子、OX−40レセプター結合因子をコードする核酸分子、OX−40レセプター結合因子を発現する細胞もしくはウィルス、又はかかる細胞もしくはウィルスに由来する調製品等であってよい。
【0053】
その最も単純な形態において、哺乳動物に投与する調製品はOX−40レセプター結合因子であり、慣用の投与形で投与され、そして好ましくは医薬賦形剤、担体又は希釈剤と組合せる。適当な医薬担体は固体でも液体でもよく、そして緩衝剤、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸、他のポリペプチド又はタンパク質、例えば血清アルブミン、炭水化物、錯形成剤、並びにその他の安定化剤及び賦形剤が挙げられる。適当な固体担体にはラクトース、ステアリン酸マグネシウム、テラアルバ、スクロース、タルク、ステアリン酸、ゼラチン、アガー、ペクチン、アカシア及びココアバターが挙げられる。固体担体の量はどの担体を選定するかに依存して大幅に変わり、但し好ましくは1回の活性剤の投与当り約25mg〜約1gであろう。適当な液体担体には中性緩衝食塩水が挙げられ、任意的に適当な保存剤、安定化剤及び賦形剤が挙げられる。この担体又は希釈剤は更に当業界周知の遅延剤、例えばグリセロールジステアレートを単独で、又はワックスと組合さって含みうる。適当な医薬担体の上記の例は例示にすぎず、そして当業者は多種多様なかかる担体が採用し得ることを認識しているであろう。リポソームベース導入システムもOX−40レセプター結合因子の導入に採用できうる。血流の中に時間をかけて因子を計量放出するために採用されうるリポソームベースシステムは当業界において周知であり、そして米国特許第4,356,167 号(Sandoz : LA Kelly ; “Liposome drug delivery systems”) 、同5,580,575 号(ImaRx : EC Ungerら;“Therapeutic drug delivery systems ”) 、同5,595,756 号(Inex Pharm and Univ of BC : MB Bally et al, ; “Liposomal compositions for enhanced retention of bioactive agents ”) 及び同5,188,837 号(Nova Pharm : AJ Domb ;“Lipospheres for controlled delivery of substances ”)並びにその引用文献に記載のシステムにより例示される。
【0054】
OX−40レセプター結合因子と医薬担体との製剤はあらゆる物理形態をとってよいが、好ましくは直接注射に適当な無菌液体懸濁物又は溶液とする。好ましくは、患者に上記の製剤でOX−40レセプター結合因子を投与する(即ち、医薬担体との組合せで)。ここでこの製剤は臨床学的に有効な量の因子を含むものとする。
【0055】
本明細書で利用する「臨床学的に有効な量」とは臨床学的に有意義な効果をもたらす量である。この種の効果はOX−40レセプター結合因子の使用される臨床学的背景、例えば当該因子を治療薬として使用するのか(例えば、感染症又は癌の治療)又は予防薬として使用するのか(例えばワクチン)に応じて変わるであろう。治療的背景においては、OX−40レセプター結合因子も癌患者に投与するなら、患者の症状の任意の改善が臨床学的に有意義となることが期待されるであろう。従って、かかる状況では、「臨床学的に有効な量」は癌の少なくとも部分的な退行をもたらすOX−40レセプター結合因子の量、及び癌の更なる進行を遅める又は抑える量を包括する。同様に、当該因子を感染因子、例えばウィルス又は細菌に対する患者の免疫応答を増強するために利用する治療的背景においては、患者がかかる感染因子に既に感染している場合、臨床学的に有効な量とは臨床学的に有意義な効果を、即ち感染症又は臨床学的徴候のある程度の退行をもたらす効果をもたらす量をいう。
【0056】
予防的背景、例えばワクチン化においては、OX−40レセプター結合因子の臨床学的有効量は標的抗原に対する免疫応答の増強を供する、即ち、OX−40レセプター結合因子の投与抜きで示されるものより強い免疫応答を生み出すのに十分な量をいう。ワクチン化により生ずる免疫応答の定量化は任意の標準的な手段、例えば任意の慣用テスト抗原に対する血清抗体力価のレベル及び/もしくは期間の測定、並びに/又はin vitroでのテスト抗原に応答するリンパ増殖の測定により達成されうる。
【0057】
OX−40レセプター結合因子の臨床学的に有効な量は使用する実際のOX−40レセプター結合因子(例えば、それが可溶性OX−40リガンド又は抗−OX−40抗体フラグメントであるか)、臨床学的背景 (例えば、その因子を治療的に使用するのか、予防的に使用するのか)、患者の特性(年齢、体重、受けている他の投薬、等)、及び治療的背景、症状の症度に依存して変わるであろう。かくして、臨床学的に有効な用量の評価は最終的には医師、獣医、又はその他の患者をよく知る看護人により決定されるであろう。典型的には、本発明の方法に従う哺乳動物へのOX−40レセプター因子の投与は一回の投与当り約10ng〜1gのOX−40レセプター結合因子の投与を包含し、一般に約10μg〜100mgの単独用量単位が利用され、そして1mg又は10mgまでの特別な用量もよく利用される範囲であろう。
【0058】
治療的用途の場合、OX−40レセプター結合因子は患者に様々なルート、例えば静脈内ルートで投与してよく、又は患者が腫瘍を有する場合、腫瘍部位に直接投与してよい。この因子は組成物中の唯一の活性成分であっても、又は有益な効果を有するその他の因子、例えばインターフェロン又はその他の免疫刺激分子と組合わせてもよい。
【0059】
予防的 (ワクチン) 背景においては、OX−40レセプター結合因子は患者に慣用のワクチン調製品、例えば細菌又はウィルス抗原を含んで成るワクチン調製品と組合せて投与してよい。OX−40レセプター結合因子は慣用のワクチンと組合せてよく、又は慣用のワクチンと共に個別の調製品とに投与してよい。前述の通り、適当なOX−40レセプター結合因子の選別は、この因子が循環系の中で抗原プライミングの間T−細胞上のOX−40レセプターに対して結合できるのに十分長く(即ち、抗原を投与してから約3〜7日)残ることを確実なものとなるように行う。好ましくは、OX−40レセプター結合因子を別々に投与するなら、それはワクチンを投与してから1週間以内に投与する。本発明において利用するのに適当な慣用のワクチン調製品は精製細菌抗原、加熱殺菌済み細菌、サブユニットワクチン及び生きた又は弱毒化したウィルスをベースとするウィルスワクチンで調製されたものが挙げられる。
【0060】
OX−40レセプター結合因子を哺乳動物にワクチン抗原を有する単一調製品で投与する場合、この調製品は単に臨床学的に有効な量のOX−40レセプター結合因子を抗原調製品と混合することにより調剤できうる。他方、OX−40レセプター結合因子は抗原と一緒に製造してよい。例えば、ワクチンとして投与する抗原が細菌抗原又はその混合物である場合、その抗原調製品のもととなる細菌はOX−40レセプター結合因子を発現する遺伝子導入細菌であってよい。かかる状況では、OX−40レセプター結合因子は細菌抗原との組合せで直接得られる。同様に、腫瘍抗原及びOX−40レセプター結合因子を含んで成るワクチンはOX−40レセプター結合因子を発現する腫瘍細胞から調製できうる。遺伝子導入原核及び真核細胞内でタンパク質、例えばOX−40リガンドを発現する方法は周知であり、そして標準の実験教科書、例えばSambrookら(1988)に記載されている。
【0061】
その他の態様において、本発明は特定の抗原に対する哺乳動物の免疫応答がOX−40レセプター結合因子をコードする核酸分子を哺乳動物に投与することにより増強し得ることを考慮する。かかる核酸分子は好ましくは細胞内に投与するか、又はウィルスゲノムの一部として投与するが、それは「裸」の核酸分子として直接投与してもよい。例えば、OX−40レセプター結合因子をコードする核酸分子は弱毒化細菌 (即ち、哺乳動物に投与したときに有意義な疾患を惹起しない生物形態)にプラスミドベクターで導入し、OX−40レセプター結合因子が細菌の表層上で発現されるようにしてよい。この細菌を哺乳動物に慣用の弱毒化細菌ワクチンと同じようにして投与してよい。他方、OX−40レセプター結合因子をコードする核酸分子は生きた弱毒化ワクチンとして利用されるウィルスのゲノムの中に導入してよい。弱毒化ウィルスには必須遺伝子が欠失しているものが挙げられる。米国特許第5,665, 362号及び同5,837,261 号(Cantab Pharmacenticals : Inglis ら)。この目的のために適当なウィルスにはDNAウィルス、例えばアデノ、ヘルペス、パポバ、パピロマ及びパーボウィルス、並びにRNAウィルス、例えばポリオウィルス及びインフレンザウィルスが挙げられる。ウィルスワクチンとして使用できうる異種核酸配列を担持するウィルスの調製方法は米国特許第5,665,362 号及び同5,837,261 号 (前掲)、同5,338,683 号(Health Research : E Paoletti) 及び同5,494,807 号(E Paoletti) に記載されている。
【0062】
別の態様では、OX−40受容体結合因子をコードする核酸を腫瘍細胞に導入し得る。多くのガン患者で、腫瘍細胞が、例えばMHCのダウンレギュレーション及び/又は補刺激分子発現などの機構を介して免疫系による検出を逃がれている。従って、以前に提唱された一つの治療法は、患者から腫瘍細胞を取り出し、それに、例えばMHCクラスII、補刺激分子B7、及び刺激/接着分子CD2(欧州特許出願EP0733373)をコードする核酸を導入することであった。本発明を、この様な方法に応用して、OX−40受容体結合因子をコードする核酸分子を腫瘍細胞に導入することにより、かなりの利益が期待される。
【0063】
全ての型の腫瘍が、例えば乳房、肺、膵、卵巣、腎、大腸及び膀胱のカルシノーマ、並びにメラノーマ及びサルコーマが、潜在的にはこの方法によって治療され得る。OX−40受容体結合因子をコードする核酸を、腫瘍細胞でOX−40受容体結合因子を発現するために適したベクター内に組込む。適当なベクターには、プラスミド、コスミド及びウィルスベクター、例えばレトロウィルス、アデノウィルス及びヘルペスウィルスがある。欠陥ウィルス、例えば米国特許5,665,362及び5,837,261に記載したものを、この目的のために使用し得る。ウィルスベクターは高効率に哺乳動物細胞に感染するので、他の型のベクターに比べて利点がある。OX−40受容体結合因子をコードする核酸分子に加えて、他の核酸分子を、免疫原効果を更に強めるために、ベクターに組込むこともできる。例として、その様な核酸分子には、MHCクラスIIタンパク質 (α及びβサブユニットを含む)、及び他の補刺激分子、例えばB7.1及びB7.2がある。希望するなら、選択マーカーをコードする核酸分子をベクターに導入してもよく、その結果、ベクターによってうまく形質転換された腫瘍細胞を容易に選択し得る。
【0064】
次にベクターを腫瘍細胞内に、一連の技術、例えばエレクトロポレーション、リポフェクション、ウィルス生産細胞との共培養、又はその他標準的な方法により導入する。好ましい態様では、腫瘍細胞は、治療するために患者から取り出した細胞であり、あるいは、腫瘍細胞株、例えばAmerican Type Culture Collection (ATCC) から入手できるヒト腫瘍細胞株に由来する細胞であってもよい。
【0065】
ベクターが導入された細胞を選択するために、細胞選別を行いたい場合、多数の方法により、例えば選択マーカーを用いた場合には、それの発現を選択し、あるいは、細胞表面上のOX−40受容体結合因子の発現を選択することにより、これを行い得る。後者の方法は、蛍光活性化細胞選別機(FACS)により簡便に行い得る。
【0066】
次にその腫瘍細胞を、適当な担体、例えば緩衝水溶液、食塩水、又はグリシンと共に患者に投与する。好ましい態様では、その腫瘍細胞が元々患者から取り出した場合、患者に投与する前に、それらを弱毒化する。弱毒化した細胞は、代謝上活性があるが、もはや増殖することができないものである。腫瘍細胞を弱毒化する方法が周知であり、例えばEP0733373に記載されている。
【0067】
別の態様では、OX−40受容体結合因子を含有する。腫瘍細胞由来の細胞膜を、完全な腫瘍細胞の代りに患者に投与し得る。標準的な方法、例えばフレンチプレス、凍結融解又は超音波処理によって細胞を破壊又は溶解することにより、細胞膜調製品を容易に調製できる。細胞の破壊後、膜に富む分画を遠心により得ることができる。
【0068】
あるいは、患者の体内でOX−40受容体結合因子を発現させるために、OX−40受容体結合因子をコードする核酸分子を、「裸の」DNAの形で患者に投与し得る。動物の体内で当該DNAを発現させるために、裸のDNAを動物に投与する方法が周知であり、例えば米国特許5,620,896 (Univ Massachusetts Med Ctr : JE Herrmann et al.; “DNA vaccines against rotavirus infections ”), 5,643,578 (Univ Massachusetts Med Ctr & St Jude Children's Res Hosp : HL Robinson et al.;“Immunization by inoculation of DNA transcription unit ”) 及び5,593,972 (Wistar Inst & Univ of PA : DB Weiner et al.; “Genetic immunization”) に記載されている。
【0069】
本発明は、ガン等の症状を治療するための他の免疫治療法、例えば養子免疫をも含む。当分野で周知の通り、養子免疫とは、特定の抗原に露出されたリンパ細胞を採取し、当細胞の活性が増加する条件下でex vivoで当細胞を培養し、そして当細胞を個体に投与することである。当リンパ細胞は、好ましくは、ガン患者から取り出したT細胞、例えば排出リンパ節からのT細胞である。本発明によると、当細胞上のOX−40受容体とOX−40受容体結合因子とが結合することにより、当細胞が刺激され、そして当細胞から生じる記憶細胞の数が増加するだろう。従って、本発明の1つの点は、患者に当細胞を投与する前に、ex vivoでリンパ細胞を、OX−40受容体結合因子を含有する培地中でインキュベーションするという形の養子免疫である。リンパ細胞の採取、ex vivoでの当細胞と免疫刺激剤とのインキュベーション、及び患者への投与に関する方法の詳細な技術が、当分野に周知であり、例えば米国特許4,690,915 (US DHHS : SA Rosenberg ; “Adoptive immunotherapy as a treatment modality in humans”), 5,229,115 (Immunex : DA Lynch ;“Adoptive immunotherapy with interleukin-7 ”), 5,631,006 (Endotronics : GB Melink et al.; “Immunotherapy protocol of culturing leukocytes in the presence of interleukin-2 in a hollow fiber cartridge ”、及び4,902,288 (M Ingram ; “Implantable immunotherapy system using stimulated cells ”) に記載されている。
【0070】
3.実施例
以下の実施例で、本発明で使用する方法と材料、並びに本発明の効能を説明する。
実施例1:OX−40受容体結合因子による抗原特異的T細胞の刺激
OX−40受容体結合因子が抗原特異的T細胞を刺激することを証明するために、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)特異的T細胞及び、OX−40受容体結合因子としての抗OX−40mAbを用いて、in vitro T細胞増殖検査を行った。
【0071】
RPMI/10%FCS中で増殖させた後、MBP特異的T細胞を採集し、洗浄し、計数し、そして培地中に再懸濁し、それをVandenbark et al. (1985)が報告したT細胞増殖検査に用いた。96ウエル平底プレート内で、2×105 T細胞を刺激培地中で48時間刺激し、そして18時間1μCi〔3 H〕−TdRで標識した。細胞を集め、平均チミジン取り込み(cpm)を3ウエルから計算した。ラットCD3,OX−40及びCD28に対するモノクロナル抗体をPharmingen (La Jolla, CA) から購入した。
【0072】
in vitroでT細胞増殖に対するOX−40Lの効果を調べるために、96ウエル平底プレート内で2×105 /ウエルでT細胞をまき、10μg/mlの可溶性又はプレート結合性抗CD3抗体と共に、種々の濃度の抗OX−40抗体によって刺激した。当細胞を48時間培養し、18時間〔3 H〕−チミジンで標識し、その後採集し、そして計数した。図2に示す通り、その結果を、3ウエルから計算したCPM平均値と標準偏差とで表す。その結果から、OX−40受容体結合因子(すなわち抗OX−40mAb)は、用量依存的に、MBP特異的CD4+ T細胞を補刺激/刺激(分裂促進)したことが示される。
【0073】
実施例2:OX−40受容体結合はエフェクター段階で起こる
OX−40受容体結合が効果を呈するT細胞の発達段階(ナイーブ又はエフェクター細胞)を決定するために、マウスIEk MHCクラスII分子を発現する線維芽細胞株を用いた(Dubey et al., 1995) 。この細胞株は、Kaye and Hedrick (1989) により報告されたT細胞受容体トランスジェニックマウスから得たT細胞に、抗原(ハトチトクロームC(PCC))を提示できる。この細胞株を用いて、OX−40リガンドを発現し、且つT細胞受容体トランスジェニックマウスから得た脾臓CD4+ T細胞を刺激できるトランスジェニック線維芽細胞株を生産した。
【0074】
当該マウスから直接採取したナイーブT細胞を、(1)MHCクラスII単独、(2)MHCクラスII及びB7.1、(3)MHCクラスII及びOX−40リガンド、又は(4)MHCクラスII、OX−40リガンド及びB7.1、を発現する線維芽細胞と組み合せて、PCC抗原によって刺激した効果を比較した実験から、MHCクラスII/OX−40リガンド/B7.1の組合せが、ナイーブT細胞を最もよく刺激することが示された(データ未記載)。
【0075】
しかる後、当該動物から直接取り出したナイーブT細胞を、PCC抗原と、MHCクラスII及びB7.1を発現する線維芽細胞とで刺激して、エフェクター細胞を生産した。次にこれらのエフェクター細胞を、IL−2中で5日間増殖させ、洗浄し、そして(1)MHCクラスII単独、(2)MHCクラスII及びB7.1、又は(3)MHCクラスII及びOX−40リガンド、を発現する線維芽細胞と組み合せてPCC抗原によって再刺激した。この実験を、APC:T細胞の3つの異なる比率において行い、2回目の刺激の効果を、IL−2生産量の測定から決定した。図3に示す通り、その結果から、MHCクラスII及びOX−40リガンドを発現するAPCによる抗原提示が、エフェクター段階T細胞を最も強力に刺激したことが示された。従って明らかに、OX−40受容体結合は、エフェクターT細胞の段階においてより重要であり、このことは、エフェクター段階にあるCD4+ T細胞の発達においてOX−40受容体の結合が機能し、そして記憶細胞の発達を促進することを示唆する。このことから、OX−40Lによる補刺激の効果は、ナイーブ細胞に作用してエフェクター細胞に転移させる以前に記載された補刺激分子による補刺激の効果とは明らかに区別される。
【0076】
実施例3:OX−40受容体結合因子は腫瘍耐性を誘導する
in vivoで腫瘍のプライミング中にT細胞にOX−40受容体結合因子を供与する効果を決定するために、OX−40受容体結合因子として、ヒトIgGのFc部分に連結した可溶性OX−40L(OX−40L:HuFcIgG)を用いて実験を行った。
【0077】
この一連の実験のための接種方法として、1−3×105 MCA303サルコーマ腫瘍細胞(Huntzicker & Fox, 1995) を、0日目にマウスの皮下に接種した。3日後に、その動物の腹腔内にOX−40L:HuFcIgGを注射し、そして腫瘍接種の7日後に、2回目の投与を行った (投与量は実験に応じて変動した、下記参照)。それから50日間以上、その動物の腫瘍成長を監視した。腫瘍のサイズが1.94cm2 (0.3in2 )になった時点で動物を殺した。
【0078】
図4は、3日目に確立した腫瘍に対する、腹腔内注射した可溶性OX−40リガンドの顕著な効果を示す。6匹の動物に、インビトロで継代培養した3×105 MCA303腫瘍細胞を注射した。腫瘍接種後3日目と7日目に、3匹の動物に、可溶性マウスOX−40リガンド100μg/500μl RPMIを与え、別の3匹の動物に、500μl RPMI単独を与えた。接種後50日間、その動物の腫瘍の徴候を監視した。図4に示す通り、OX−40Lを与えなかった全ての動物は38日以内に死亡したが、OX−40Lを与えた動物では腫瘍がなくなった。
【0079】
しかる後、腫瘍のプライミング中に可溶性OX−40リガンドで処置し、且つ腫瘍攻撃に対して耐性となった動物では、抗CD8の腹腔内投与により、CD8+ T細胞が枯渇した。これらの動物を殺し、脾臓細胞を単離し、その表現型を調べたところ、CD8+ T細胞は枯渇していた。その脾臓細胞をナイーブマウスに養子移入し(1脾臓相当数/マウス)、移転後9日目にその受容マウスをMCA303腫瘍で負荷を与えた。等数のMCA303腫瘍細胞をコントロールのナイーブマウスに接種し、そして全ての動物の腫瘍の徴候を、接種後50日間監視した。図5で示す通り、腫瘍細胞のみを与えた全ての動物は、腫瘍細胞の投与後31日以内に死亡したが、腫瘍免疫動物から得た脾臓細胞を移入した動物は、健康のままであった。この実験から、腫瘍細胞と共にOX−40受容体結合因子をマウスに投与した効果により、養子移入後に免疫を付与するために十分な量の腫瘍抗原特異的記憶T細胞が生産されることが示される。従って、エフェクター/記憶細胞転移において、OX−40受容体の結合によりエフェクターT細胞を補刺激することが重要であることが明白である。
【0080】
実施例4:OX−40受容体結合因子はin vivoで継代された腫瘍細胞に対する耐性を付与する
実施例3に記載された、OX−40L投与により付与された防御性は、in vitroで継代培養された腫瘍細胞に対して示された。in vivoで継代された腫瘍細胞は、有意により高い腫瘍性を有するので、OX−40Lがin vivoで継代された細胞に対して防御性を付与することができるかどうかを調べた。10匹の動物に、in vivoで継代された1×105 MCA303細胞を皮下注射した。腫瘍接種後3日目と7日目に、5匹の動物に、100μgの可溶性OX−40リガンドを腹腔内注射し、別の5匹の動物に同量のRPMIを注射した。腫瘍接種後80日間、その動物の腫瘍の徴候を追跡した。図6で示す通り、その結果から、OX−40Lの投与は、高腫瘍性のin vivoで継代された腫瘍細胞に対してさえも、増加した防御性を付与することが示される。
【0081】
異なる投与量のOX−40Lを用いて、in vivoで継代された腫瘍細胞に対する防御性を、OX−40Lが付与できるかどうかも調べた。20匹の動物に、1×105 個のin vivoで継代されたMCA303腫瘍細胞を皮下注射した。その動物を5群に分け、腫瘍接種後3日目と7日目に、種々の量の可溶性OX−40リガンドを腹腔内注射した。コントロ−ル群にはRPMIを与え、一方投与量の変更として、25,50,100及び250μgのOX−40Lの注射を行った。腫瘍接種後60日間、その動物の腫瘍の徴候を追跡した。図7で示す通り、その結果から、OX−40Lを与えた動物に現れる腫瘍耐性の増加は、OX−40Lの投与量に依存すること、そして悪性のin vitroで継代された腫瘍細胞に対してさえ、より多い投与量のOX−40受容体結合因子により、50%生存が達成され得る。
【0082】
実施例5:腫瘍ワクチンの成分としてのOX−40受容体結合因子
この実施例で、腫瘍ワクチン中でのOX−40受容体結合因子の効能を証明する。MHCクラスII又はOX−40リガンドを発現しないB16−メラノーママウス細胞株F10に、OX−40リガンド及びCIITAのcDNAをトランスフェクション(リポフェクチンによる)した。CIITAのcDNAは、MHCクラスIIプロモーターに結合し、そして内因性MHCクラスII遺伝子の合成及び細胞表層での発現を促進するタンパク質をコードする。これらの2つの遺伝子を、親株F10に共トランスフェクションし、そして3つの変種を単離した:1)MHCクラスII+ 、2)OX−40リガンド+ 、及び3)MHCクラスII+ 且つOX−40リガンド+ 。これらの変種及び親株に、500ラドの放射線を照射し、そしてそれを(2×106 細胞/注射)、ナイーブ動物に皮下注射し、さらに14日後にこのワクチン接種を繰り返した。免疫化された動物に、負荷のために、F10親細胞株(5×105 /動物)を皮下注射した。
【0083】
図8は、ナイーブ動物に、放射線照射した親F10腫瘍、ヒグロマイシン耐性のF10腫瘍、MHCクラスIIのみを発現したF10、又は、MHCクラスII及びOX−40リガンドを発現したF10を注射した実験の結果を示す。2週間後に、それらの動物を、生きた親F10腫瘍で負荷し、そして84日間、その動物の腫瘍の徴候を追跡した。図8に示す通り、初期免疫接種しなかった動物は、F10腫瘍細胞によって急速に死亡したが、放射線照射したF10腫瘍による初期免疫接種により、ある程度の防御性が付与された。放射線照射したMHCクラスIIを発現したF10細胞により動物を免疫化した場合、より大きな防御が認められ、MHCクラスII及びOX−40Lの両方を発現したF10細胞により免疫化した場合に、最大の防御が観察された。MHCクラスIIを発現しないF10細胞では、T細胞受容体との相互作用能が大きく損われるだろうから、この様な結果は予想された。多くの腫瘍細胞ではMHCクラスIIの発現がダウンレギュレーションされるか、又は完全に失なわれる。従って、臨床上の適用では、患者から取り出した腫瘍細胞を、MHCクラスII及びOX−40受容体結合因子をコードする核酸分子によって形質転換してから、その細胞を患者に戻すことが有益であろう。
【0084】
実施例6−9
以下の実施例では、エフェクターT細胞に補刺激シグナルを伝えるために、OX−40受容体 (OX−40R)に、OX−40リガンド (OX−40L) 又は抗体アゴニストを結合させた。これは、腫瘍特異的T細胞の応答を促進するために行われた。in vivoで腫瘍のプライミング中にOX−40L:Ig又は抗OX−40Rを注射することにより、4つの別個の組織に由来する4つの異なる腫瘍において、ある割合で(20−55%)腫瘍が消失した生存個体が生じた。抗OX−40Rの効果は用量依存的であり、そして腫瘍特異的T細胞の記憶を強化した。これらの実施例のデータから、in vivoにおいてOX−40Rの結合は、宿主の天然種の腫瘍特異的T細胞を刺激/増殖することによって、腫瘍特異的なプライミングを増加させることが示されるであろう。in vivoにおいてヒト腫瘍細胞周辺に集塊形成したOX−40+ T細胞の出現は、腫瘍反応性T細胞を増殖させ、よってガン患者における腫瘍の免疫治療を促進するための実用的なアプローチであることも示されるであろう。
【0085】
実施例6:ヒト乳ガンにおけるOX−40Rの発現
OX−40R+ T細胞と腫瘍細胞との空間的関係を決定するために、免疫組織化学により、いくつかのヒト乳ガンの生検試料を調べた。原発性腫瘍及び腫瘍により侵襲されたリンパ節の両方において、CD4+ 及びOX−40R+ 細胞を分析した。図9は、浸潤性の延性乳房カルシノーマを有する別個の2人の患者からの典型的な試料を示す。パネルAは、1°腫瘍内での腫瘍に浸潤したリンパ球を図示し、一方パネルBは、腫瘍により侵襲されたリンパ節を図示する。パネルAは、CD4+ 細胞が、手術標本の外縁の周りで腫瘍に浸潤していることを示す。OX−40R+ 細胞を(より高倍率で)視覚観察したところ、それは、腫瘍細胞の極近傍にある侵襲したリンパ球の一群であった。OX−40R+ 細胞の多数は明らかにより大きく(芽球)、いくつかは有紛裂しているリンパ球の外観を示す。パネルBは、その構造の半分以上が腫瘍により侵襲されたリンパ節を図示する。侵襲した腫瘍の周りに多数のCD4+ 細胞が存在する。侵襲した腫瘍に隣接する領域に、OX−40R+ 細胞が集積していた。また、腫瘍が侵襲していない領域にもOX−40R+ 細胞が認められたが、腫瘍の浸潤部位の最も近傍での割合が最も高かった。これらの組織切片内のOX−40R+ 細胞が、腫瘍特異的T細胞である可能性が最も高いと考えられる。
【0086】
実施例7:in vivoでの腫瘍プライミング(サルコーマ)中のOX−40R結合
理論に束縛されることを望まない場合、腫瘍部位又は排出性リンパ節でのOX−40R+ 細胞が、in vivoで腫瘍特異的T細胞である可能性が最も高いと考えられる。OX−40Rの結合が、強力な補刺激応答を引き起こし、T細胞の増殖、サイトカイン生産の増加、及びエフェクターT細胞の生存促進に至ると考えられる。図10は、in vivoでの腫瘍プライミング中のOX−40Rの結合が、抗腫瘍特異的応答の増加を誘導するかどうかを調べた検査の結果を示す。図10では、致死的移植物であるMCA303(メチル−コラントレン誘導サルコーマ)を皮下注射し、その3日後及び7日後に、mOX−40L:Ig,OR3:1g、又は塩水で処理したマウスを示す。DR3:Igで処理したマウスは、塩水を与えたマウスと同様のキネテックスで腫瘍が成長したので、死亡した。対照的に、mOX−40L:Igを与えたマウスでは、全ての腫瘍の成長が遅れ、その内60%は70日間以上腫瘍が消失した。mOX−40L:Igで防御されたマウスを再度MCA303の皮下注射で攻撃したところ、そのマウスは腫瘍が消失したままであった。このことは、そのマウスで、腫瘍特異的記憶T細胞応答が展開したことを示すと考えられる。
【0087】
次に、MCA303を注射したマウスに、腫瘍接種後3日目と7日目に、種々の用量のmOX−40L:Igを与えた。25又は50μgのmOX−40L:Igを与えたマウスは、塩水処理したコントロールマウスと同様な時間経過で腫瘍が成長したので、死亡した。100μgのmOX−40L:Igを与えたマウスの50%で、腫瘍の成長が遅れ、250μgを与えたマウスの100%で、腫瘍の成長が遅れた。最後には、100μg群の25%及び250μg群の50%で、腫瘍攻撃後70日間以上腫瘍が消失した。MCA303腫瘍細胞株は、in vivoで継代した回数が多くなるに連れて、腫瘍性がより高く、そして免疫原性がより低くなることに注意すべきであろう。図11では、MCA303腫瘍細胞株は、図10の場合よりも多い回数継代されたので、OX−40L:Ig処理は、100μg用量では、少しより小さな程度の効果を示したと考えられる。
【0088】
図12は、in vitroで継代されたMCA303を接種してから、mOX−40L:Igで処理したマウスの生存経過を示す(in vitroで継代したMCA303は、処理が容易である)。マウスに、腫瘍を皮下接種し、そして腫瘍接種後3日目及び6日目に、mOX−40L:Igを注射した。パネル4Aは、mOX−40L:Igで処理した全てのマウスが、最初の腫瘍攻撃から生存したが、塩水注射した全てのマウスは、腫瘍の負荷のために死亡した。次に、最初の腫瘍攻撃から生存したmOX−40L:Ig処理マウスを、MCA303で再度攻撃したところ、全てのマウスが、53日間、2回目の攻撃から免れた(データ未表示)。次に、これらの同一マウスにMCA303を皮下接種し、10日後に、抗Lyt−2を腹腔内注射することによりCD8細胞を除いた。3日後に、これらのマウスを殺し、その脾臓内にCD8細胞がないことが示された。そしてこれらの脾臓細胞1.45×107 個を、ナイーブマウスに移入した。15日後に、そのマウスをMCA303の皮下注射により攻撃した。図12Bは、CD8細胞欠失した免疫細胞を与えたマウスは、腫瘍攻撃に耐性であったが、コントロールマウスは、腫瘍の負荷により死亡した。
【0089】
実施例8:弱免疫原性腫瘍モデル(B16/F10)におけるOX−40R特異的治療
B16/B16メラノーマ株のF10変種を、放射線照射したワクチンとして皮下注射した場合、それは、防御性の免疫応答を惹起しないことから、免疫原性の弱い腫瘍として評価された。図13は、腫瘍のプライミング中のOX−40Rの結合が、その攻撃的な腫瘍に対する免疫性を増加させるかどうかを決定するための試験の結果を示す。図13Aは、F10の接種後3日目及び7日目にmOX−40L:Igでマウスを処理したことは、コントロールマウスに比べて有効であったことを示す(約25%が腫瘍攻撃から長期間生存した)。図13Bは、同じ投与量で供給された、OX40Rに結合する別個の薬剤(モノクローナル抗体OX−86)が、mOX−40L:Igの場合と同レベルまで腫瘍が欠失した生存数を増加したことを示す。当抗体処理による腫瘍欠失マウスの割合は、OX−40L:Igによる場合と非常に同等であった。ログランク分析から、両試薬は、統計的有意に腫瘍防御性を付与することが示された(p=.007(Ab)及び.05(mOX−40L:Ig)。
【0090】
実施例9:結腸直腸ガンモデル(CT26)における抗腫瘍免疫の増強
同様の方法で、前記通りに皮下注射により、CT26腫瘍細胞を有するマウスを処理した(mOX−40L:Ig;2回投与様式)。HuOX−40L:IgはマウスOX−40Rに結合しないので、それをネガティブコントロールとして用いた。最初の実験では、2回投与により、腫瘍欠失生存を有意に(p=.04)増強することができた(データ未表示)。次に、腫瘍接種後複数回注射すること以外は前記と同様の実験を行った(2,7,14,21,27及び40日目に注射した)。図14Aは、複数回の注射は、2回注射よりも、より高い有意性(p=.01)で腫瘍欠失した生存に有益であった。次に、mOX−40L:Igで処理した中から生存した7匹のマウスを、CT26で再度攻撃した。図14Bは、その全てのmOX−40L:Igマウスが攻撃に耐性を示し、そして腫瘍欠失したままであったが、ナイーブコントロールマウスの全ては、腫瘍攻撃により死亡した。次に、その7匹の腫瘍欠失マウスを、異なる組織に由来する同系の腫瘍(Reuca;腎由来)で攻撃して、腫瘍特異的な応答を検査した。CT26耐性マウス7匹中6匹が、Reuca腫瘍による負荷のために死亡した。このことから、CT26耐性マウスは、大腸ガンに伴う腫瘍抗原に特異性を示すことが示されると考えられる。
【0091】
実施例6−9の要約:腫瘍のプライミング中のOX−40Rの結合
表1に、実施例6−9に示した通り、4つの腫瘍モデルにおいて腫瘍のプライミング中にOX−40Rを結合させた場合のデータを要約した。このデータから、免疫原性がより高い腫瘍ほど、治療に対してより大きく反応することが示唆されるが、それでもなお、免疫原性の貧しいメラノーマモデル(F10)においてもある程度の治療結果が認められた。前記の図には、SM1乳ガン株以外の全ての腫瘍株に関するデータが示されている。SM1を注射し、その接種後3日目及び7日目にOX−40L:Igを注射したマウスでは、腫瘍欠失した生存個体の増加から示される通り、抗腫瘍活性が増加した。そのSM1のデータをログランク(log−rank)統計分析にかけ、それがp=.01で有意であることが示された。
【0092】
表1:
例6−9:腫瘍プライミングの際のOX−40R結合のまとめ
腫瘍起源 免疫原性 処理 腫瘍なし/注射を施したマウス
MCA303 中 mOX-40L:Ig 9/16
(肉腫) 食塩水又はDR3:Ig 0/16
CT26 中 mOX-40L:Ig 9/24
(大腸癌) hOX-40L:Ig 2/24
SM1 弱 mOX-40L:Ig 7/28
(乳癌) 食塩水 1/28
B16/F10 微弱 mOX-40L:Ig 5/20
(黒色腫) 食塩水 0/20
抗OX-40R 5/25
ラットIg 0/25
【0093】
腫瘍プライミングの際のin vivoでのOX−40Rの結合はいくつかの腫瘍モデルにおいて顕著な治療的利点を示すことが信じられる。この効果は用量依存性であり、そしてマウスにおいて持続性腫瘍特異的免疫を構築し、マウスは初期腫瘍負荷から治療した。EAEにおける炎症損傷内のOX−40R+ 細胞が自己抗原に応答するT−細胞であることを示すその他のデーターは、ここに記載の実験がOX−40R特異的治療による腫瘍−Ag特異的細胞を標的とすることを示唆している。in vitroでのOX−40Rの結合はT細胞サイトカインの生産、増殖及び生存を高める強力な補刺激現象を及ぼすことが示される。従って、腫瘍プライミングの際のOX−40Rの結合は腫瘍フリー生存に結びつく腫瘍−Ag特異的CD4+ T細胞の増殖及び機能を増強するものと信じられている。乳癌生検中の腫瘍細胞に隣接するOX−40R+ T細胞の出現はこれらの発見が似たような治療的効果を有するヒト臨床試験に適用できることを示唆する。
【0094】
腫瘍プライミングの際のOX−40Rのin vivo結合は4種類の組織タイプから隆起した4種類の固形腫瘍における腫瘍フリーマウスの比率に結びつく。このデーターはOX−40Rベース治療が一般に免疫系を腫瘍免疫に限らず増強できるだけでなく、あらゆるタイプのワクチン(ウィルス、細菌、等)のための免疫アジュバントとしても利用できることを示唆する。OX−40R特異的免疫増強は、in vivoで導入されたOX−40Rに対する抗体が自己免疫疾患を一層悪化し、そして慢性型のGVHDを急性GVHDに転換させてしまいうることを示しながら説明されてきた。
【0095】
huOX−40L:Ig融合タンパク質がヒト臨床試験において利用でき、且つヒトT−細胞をin vitroで刺激できる本発明に適用可能なタンパク質の例であると信じられている。抗体及び可溶性OX−40L融合タンパク質はここに記載の腫瘍モデルにおいて似たような効能をもって機能しうるが(図13、そして他のデータ−は示していない)、この抗体はもしそれが免疫原性が弱く、且つin vivoで長い半減期を有するものとなったなら、将来においていくつかの長所を有しうるようになる可能性があるものとなりうる。
【0096】
抗体、例えば抗−4−1BB又は抗−CTLA4による腫瘍免疫の増強は、誘導又は阻止されたときに腫瘍特異的免疫を増強するT細胞活性化抗原の他の例である。OX−40Rと同様に、4−1BBレセプターはTNF−レセプター科の構成員であり、且つ強い補刺激特性を有するT細胞活性化抗原として発表されている。4−1BBレセプターはCD8及びCD4T細胞並びにNK細胞上で発現される。4−1BBレセプター補刺激機能は主にCD8+ T細胞に対して有効であるようであり、そして腫瘍プライミングの際のこのレセプターの結合は腫瘍特異的CD8+ T細胞溶解機能の50倍の上昇及び増大した腫瘍細胞生存率へと結びつく。CTLA−4タンパク質はCD8及びCD4T細胞の双方で発現され、そしてそのリガンド(B7.1又はB7.2)と結合すると、T細胞に対してダウンレギュレーションシグナルを送る。CTLA−4/B7相互作用を阻害する抗体はAg−特異的T細胞機能を増強し、そして最終的に腫瘍特異的免疫を増強しうる。OX−40R特異的治療はそれ自体有効であるが、100%の腫瘍フリーマウスには結びつかず、それ故抗−CTLA4又は抗−4−1BBと本発明に係る抗−OX−40R結合との組合せが、Ag−特異的T−細胞治療を強化する本発明の好都合な態様を供しうる。他方、腫瘍特異的T細胞療法は、CD4及びCD8 Ag−特異的エフェクター/記憶T細胞応答の双方の増強を担いとして、腫瘍プライミングの際に2種以上のこれらの抗体を組合せてよい。
【0097】
Ag−特異的プライミングの際のOX−40Rのin vivo結合はAg−特異的CD4+ T細胞の数及び寿命を増大させるものと信じられている(データーは示さない)。ほとんどのT−細胞はエフェクターT細胞段階においてAgと遭遇してから活性化誘導細胞死(AICD)に対して感受性となりはじめ、そしてそのわずかしか記憶T−細胞とならなかった。腫瘍プライミングの際のOX−40Rへの結合は腫瘍反応性CD4+ T細胞を標的とし、そしてそれらをAICDから助ける。Ag−特異的細胞の数の増大はマウスを腫瘍フリーにし続け、そして第二腫瘍負荷に対して戦うようにする。図11BはOX−40R処理腫瘍免疫マウスがCD8枯渇脾臓細胞の養子移入を介して抗腫瘍免疫を授けうることを示す。このデーターは腫瘍−Ag特異的記憶CD4+ T細胞の増加及び/又は増強があり、そしてそれらが養子防御力を移入できることを示唆する。CD4+ T細胞は腫瘍と相互作用する最終エフェクター細胞ではないことがあり、なぜなら4つのモデル全てにおいて、腫瘍細胞はMHCクラスIIを発現できないからである。にもかかわらず、腫瘍Ag−特異的CD4+ T細胞による増強したサイトカイン生産は、その後腫瘍と直接相互作用して腫瘍を破壊するようになるCD8+ T細胞、NK細胞及びマクロファージの活性化を助けることにより有効でありうる。
【0098】
OX−40Rは癌及び自己免疫疾患における炎症部位から単離されたCD4+ T細胞上でのみ発現し、そしてかなり迅速に代謝回転するものと信じられている(24〜48hr以内)。しかしながら、CD4及びCD8T細胞の双方はin vitroでConA又はPHAで刺激されるOX−40Rを発現できることが示された。T細胞上でOX−40R発現をアップレギュレーションする唯一の方法はTCR結合を介するものであると認められる。高度な炎症状況、例えば超Ag刺激でさえも、Ag非特異的細胞上でのOX−40Rの間接的(bystander)なアップレギュレーションはないものと認められる。超抗原SEAの注射されたマウスでは、OX−40Rはこの超Agの標的TCRであるVベーター3/CD4+ T細胞上でのみ発現される。従って、in vivoでの腫瘍プライミングの際のOX−40Rへの結合はAg活性化されたばかりのT細胞を標的とする。
【0099】
超Ag刺激及びEAEの臨床徴候に関する炎症はTh1サイトカインの生産に関与することが示された。Th1系へのOX−40Rの結合はIL−2の転写及び翻訳のアップレギュレーションによりT−細胞増殖を増強でき、そしてエフェクターT−細胞はナイーブT−細胞よりもOX−40R特異的補刺激に対して一層感受性であると認められた。分化してTh1又はTh2サイトカインのいずれかを産生するに至ったエフェクターT−細胞は共にOX−40R−特異的補刺激に対して感受性である。Th2エフェクター細胞に対するOX−40Rの結合はIL−4及びIL−5の翻訳及び分泌を増大させ、そしてその増殖を増強する。2つの報告は最近OX−40Rの結合が細胞をTh2表現型に局在化させうることを示した。我々のデーターはT細胞局在化が、分化の際のT−細胞の周囲環境に依存し、そしてOX−40Rの結合がTh1又はTh2応答の双方を強化することを示唆した。抗−腫瘍Th2免疫応答は腫瘍の撲滅には結びつかないが、I型応答は結びつく。従って、腫瘍プライミング(IL−12,IFN−ガンマー及び/又は抗−IL−4による)の際にTh1応答を増強することが、in vivoでOX−40Rと結合する試薬を投与したときに最適な抗腫瘍免疫応答を得るために好都合であると期待される。
【0100】
OX−40Lは活性化された抗原提示細胞、例えばB細胞、樹状細胞、内皮細胞及びマクロファージ上でのみ発現される。OX−40Lのin vivo発現は高度な炎症状況、例えばMMTV(排出性LN)によるマウスの感染症又は炎症器官(脳)から単離されたマクロファージ上にEAEを有するマウスにおいて起こると認められる。正常な一次T−細胞応答、例えばCFAにおけるAgによる免疫でさえも、OX−40L発現は脾臓マクロファージ上でかなり低かった。OX−40RはT−細胞がTCRを通じて誘導されると常に発現され、従って有能なOX−40R補刺激効果はAPCに対するOX−40Lのアクセス不能さにより調節されうる。免疫系は発展して免疫応答を構築し、外来物質を迅速に浄化し、次いでそれ自身容易にダウンレギュレーションする。OX−40L媒介補刺激はエフェクターT細胞段階でかなり強いため、それは多大な侵入が起こり、持続炎症に至ったときにのみ必要でありうる。アグレッシブな腫瘍は免疫抑制メカニズムを介して免疫応答をダウンレギュレーションし、従って腫瘍部位付近のAPCはおそらくはOX−40Lを発現しないであろう。腫瘍特異的免疫応答は上記の実験において、in vivoでOX−40Rに結合するシグナルを添加することで増強し、それ故腫瘍負荷マウスの大部分が腫瘍フリーであり続けることができるものと信じられている。
【0101】
まとめると、上記の例6〜9において、腫瘍プライミングの際のOX−40Rの結合は、コントロール処置マウスと比べ、腫瘍の出現を遅らせ、且つ阻止するのに有効であると信じられる。OX−40R効果は用量依存性であり、そして様々な免疫原性及び非免疫原性腫瘍モデルにおいて観察された。OX−40R発現は様々なヒト癌(黒色腫、頭及び首、並びに乳癌(図9参照))の腫瘍部位に局在したT細胞上で認められた。OX−40R+ T−細胞と1°腫瘍及びリンパ節に侵入した腫瘍の双方における乳癌細胞との物理的な関係の検討は、OX−40R+ T−細胞が腫瘍を囲む領域において濃厚であることを示唆し、そしてそれらは腫瘍特異的T−細胞であると信じられている。マウス腫瘍モデルにおけるOX−40R治療データーと腫瘍担持患者におけるOX−40R+ の出現との組合せは、免疫腫瘍反応性が、癌を有する患者のOX−40Rと結合するようにデザインされた試薬により増強されることを示唆するものと信じられる。このデータ−は特に例えばAg−特異的プライミングの際のOX−40Rの結合が多種多様ワクチン製剤の有用なアジュバントでありうることを示唆するものと信じる。
【0102】
以上は本発明の限定でない例示であり、本発明の請求の範囲を逸脱することなく様々に改良、変更されることが当業者に明らかである。
【0103】
【表1】
Figure 0004741074

【図面の簡単な説明】
【図1】 免疫系CD4T−細胞活性化及び応答の提唱のメカニズムの模式図。
【図2】 in vitroでのT−細胞増殖に対するOX−40レセプターの結合の効果を示すグラフ。
【図3】 MHCクラスIIのみ、MHCクラスII+B7.1又はMHCクラスII+OX−40リガンドのいずれかを発現するAPCで再刺激したT−細胞により生産されるIL−2のレベルの対比を示すグラフ。
【図4】 腫瘍細胞の接種されたマウスに対するOX−40レセプター結合因子の投与の保護効果を示すグラフ。
【図5】 OX−40レセプター結合因子及び腫瘍細胞の接種されたマウスからの脾臓細胞の、腫瘍細胞によりその後負荷されたナイーブマウスへの養子移入の保護効果を示すグラフ。
【図6】 in vivo継代した腫瘍細胞の接種されたマウスへのOX−40レセプター結合因子の投与の保護効果を示すグラフ。
【図7】 in vivo継代された腫瘍細胞に対するOX−40レセプター結合因子の保護効果が投与するOX−40レセプター結合因子の用量に依存することを示すグラフ。
【図8】 OX−40レセプター結合因子及びMHCクラスIIを発現する照射腫瘍マウスによるマウスの種痘の保護効果を示すグラフ。
【図9】 本明細書に記載の方法による乳癌の処置に関連する。リンパ球及びOX−40R+ 細胞の局在化を示す染色による2人の患者の由来のかかる癌生検の顕微鏡写真。
【図10】 例6〜9の実験における動物の生存率を示すグラフ。
【図11】 例6〜9の実験における動物の生存率を示すグラフ。
【図12】 例6〜9の実験における動物の生存率を示すグラフ。
【図13】 例6〜9の実験における動物の生存率を示すグラフ。
【図14】 例6〜9の実験における動物の生存率を示すグラフ。

Claims (20)

  1. 哺乳動物における腫瘍抗原に対する免疫応答を増強するための医薬組成物の製造におけるOX−40L、OX−40Lの機能性ドメイン、OX−40LもしくはOX−40Lの機能性ドメインを含んでなる融合タンパク質、抗−OX−40抗体及び抗−OX−40抗体の免疫学的に有効な部分から選ばれるOX−40レセプター結合因子使用であって、
    前記機能性ドメインは、OX−40Lの細胞外ドメインであり、
    前記医薬組成物は、前記腫瘍抗原によって前記哺乳動物のT−細胞をプライミングせしめている間又はプライミングせしめた直後に、前記T−細胞に前記OX−40レセプター結合因子が供与されるように投与されることによって、前記哺乳動物における前記腫瘍抗原に対する免疫応答を増強し、
    前記OX−40レセプター結合因子は、前記腫瘍抗原とは別に前記哺乳動物に投与される、前記使用。
  2. 前記抗OX−40抗体がモノクローナル抗体である、請求項1記載の使用。
  3. 前記抗OX−40抗体がヒト化モノクローナル抗体である、請求項記載の使用。
  4. 前記抗原が腫瘍を有する哺乳動物の腫瘍抗原である、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
  5. 腫瘍抗原に対する哺乳動物の免疫応答を増強するための医薬組成物の製造において、精製された請求項1に規定するOX−40レセプター結合因子及び医薬的に許容される担体が使用され、ここで当該増強は当該組成物を当該哺乳動物に投与することで、当該腫瘍抗原がT細胞をプライミングせしめている間又はプライミングせしめた直後に当該哺乳動物のT−細胞に当該OX−40レセプター結合因子が供与されることによるものである、請求項1記載の使用。
  6. 前記OX−40レセプター結合因子が前記腫瘍抗原を投与してから3〜7日後に前記哺乳動物に投与されるものである、請求項記載の使用。
  7. 前記組成物が前記哺乳動物における腫瘍細胞に対する当該哺乳動物の免疫応答を増強するためのものである、請求項1〜のいずれか1項記載の使用。
  8. 請求項1に規定するOX−40レセプター結合因子が、腫瘍抗原に対する哺乳動物の免疫応答を増強するための医薬組成物の製造において使用され、ここで当該増強は(a)当該哺乳動物からT−細胞を取り出し;(b)この取り出したT−細胞をOX−40レセプター結合因子とex vivoでインキュベーションし、そして(c)かのようにして処理したT−細胞を前記哺乳動物にもどすことによるものである、請求項1記載の使用。
  9. 前記哺乳動物が腫瘍を有する、請求項記載の使用。
  10. 前記腫瘍が、乳房、肺、膵、卵巣、腎、大腸及び膀胱のカルシノーマ、並びにメラノーマ及びサルコーマから選ばれる、請求項1〜9のいずれか1項記載の使用。
  11. 哺乳動物における腫瘍抗原に対する免疫応答を増強するための医薬組成物であって、
    前記医薬組成物は、OX−40L、OX−40Lの機能性ドメイン、OX−40LもしくはOX−40Lの機能性ドメインを含んでなる融合タンパク質、抗−OX−40抗体及び抗−OX−40抗体の免疫学的に有効な部分から選ばれるOX−40レセプター結合因子を含有し、
    前記機能性ドメインは、OX−40Lの細胞外ドメインであり、
    前記医薬組成物は、前記腫瘍抗原によって前記哺乳動物のT−細胞をプライミングせしめている間又はプライミングせしめた直後に、前記T−細胞に前記OX−40レセプター結合因子が供与されるように投与され、
    前記OX−40レセプター結合因子は、前記腫瘍抗原とは別に前記哺乳動物に投与される、前記医薬組成物。
  12. 前記OX−40レセプター結合因子が抗−OX−40抗体であり、該抗−OX−40抗体がモノクローナル抗体である、請求項11記載の医薬組成物。
  13. 前記OX−40レセプター結合因子が抗−OX−40抗体であり、該抗−OX−40抗体がヒト化モノクローナル抗体である、請求項11記載の医薬組成物。
  14. 前記抗原が腫瘍を有する哺乳動物の腫瘍抗原である、請求項11〜13のいずれか1項記載の医薬組成物。
  15. 前記医薬組成物が、精製された前記OX−40レセプター結合因子及び医薬的に許容される担体を含む、請求項11記載の医薬組成物。
  16. 前記医薬組成物が、前記腫瘍抗原を投与してから3〜7日後に前記哺乳動物に投与されるものである、請求項15記載の医薬組成物。
  17. 前記医薬組成物が、哺乳動物における腫瘍細胞に対する前記哺乳動物の免疫応答を増強するためのものである、請求項11〜16のいずれか1項記載の医薬組成物。
  18. (a)哺乳動物からT−細胞を取り出し;(b)この取り出したT−細胞をOX−40レセプター結合因子とex vivoでインキュベーションし、そして(c)このようにして処理したT−細胞を前記哺乳動物にもどすことによって前記哺乳動物を処置し、腫瘍抗原に対する前記哺乳動物の免疫応答を増強することを含む方法において、前記医薬組成物が使用される、請求項11記載の医薬組成物。
  19. 前記哺乳動物が腫瘍を有する、請求項18記載の医薬組成物。
  20. 前記腫瘍が、乳房、肺、膵、卵巣、腎、大腸及び膀胱のカルシノーマ、並びにメラノーマ及びサルコーマから選ばれる、請求項11〜19のいずれか1項記載の医薬組成物。
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