JP4740461B2 - 桟橋構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、桟橋の構造に関し、特に、フレーム構造により構築された桟橋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、石炭火力発電所における揚炭桟橋は、重量の大きい揚炭機(アンローダ)が上載されるため、重荷重に耐え得るように鋼管杭基礎の桟橋構造が採用されている。
一般に、桟橋構造は、ケーソン構造等の重力式構造と比較して構造が簡易で軽量であり、かつ海水等を透過させることができることから、滞留による水域の汚濁を軽減できるなどの利点を有する。このため、係船設備構造として多用されている。また、桟橋基礎については、杭基礎が一般に採用されている。
【0003】
しかしながら、従来の杭基礎の構造によると、水平力作用時に発生する水平変位量でその構造が決定されるため、構成部材の性能を最大限発揮できなかったり、構造物の構築を海上施工で行なう必要があることから、使用鋼材量が多くなったり、施工期間に長期を要するという問題点があった。
また、基礎が構築される対象地盤が軟岩などの地盤においては、より経済的な大口径杭を採用する場合、杭の閉塞率などの問題があり、設計支持力値の設定に不確定要素が大きく、設計段階での杭仕様の確定が困難となるという問題点があった。加えて、施工時において、杭の支持力を確認するために海上での原位置試験が必要となるなどの問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、水上における施工作業を低減して水上施工期間の短縮と工事費の縮減を図り、各種の地盤へ対応可能にするとともに、桟橋設置場所の環境への負荷の低減を図った桟橋構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のフレーム構造体を水平方向に連設して水上または水中に構築される桟橋であって、
前記フレーム構造体は、水上または水中に位置する上側構造部と、水上または水中に位置する下側構造部とを備え、鉛直材、水平材および斜材を有するブロック単位でトラス構造を有する枠体で構成され、
前記上側構造部は、上部に床板が設けられ、隣り合う他のフレーム構造体同士の床板を隣接配置し、
前記下側構造部は、鉛直材の下端部に水中地盤上に設置する基礎部が設けられ、
前記基礎部は、鉛直材の下端部個々に、地盤の地耐力に応じた設置面積を有しかつ水平方向に広がる盤状に形成され、
前記基礎部を核としてその外周を個別にコンクリートで被い固めて、当該被い固めたコンクリートを介して個々の基礎部を水中地盤上に設置したものであることを特徴とするものである。
【0006】
また、前記枠体は、地上で製作され、ブロック単位で水上運搬されて据付されることが好ましい。
また、前記鉛直材として金属管を用いて、その中空部にコンクリートを充填することが好ましい。
また、前記上側構造部は下側構造部の上部に設けられる格子状に形成された上側枠体と、該上側枠体の上部に設けられるスラブ状の床板とを備えており、前記床板は、前記下側構造部を水上または水中に構築後、該下側構造部の上部に設けられた上側枠体の上部に構造部材の機能を持つプレキャスト板を設置して、該プレキャスト板の上部にコンクリートを打設したものであることが好ましい。
【0007】
本発明によれば、以下のような作用が得られる。
すなわち、桟橋のフレーム構造を、トラス構造を有する枠体で構成して、基礎部の構造を直接設置型としたので、従来の杭式構造と比較して、構成部材の性能を最大限引き出せるので、使用鋼材量を低減することができる。
また、地震時に発生する水平変位量を従来よりも低く抑えることができる。
さらに、前記下側構造部は、鉛直材の下端部に水中地盤上に設置する基礎部が設けられ、前記基礎部は、鉛直材の下端部個々に、地盤の地耐力に応じた設置面積を有しかつ水平方向に広がる盤状に形成され、前記基礎部を核としてその外周を個別にコンクリートで被い固めて、当該被い固めたコンクリートを介して個々の基礎部を水中地盤上に設置したものとして、基礎部を地盤上に直接設置する直接設置型としたので、従来のように杭の支持力の確認をする必要がない。
【0008】
また、基礎部を、地盤の地耐力に応じた設置面積を有するものとすることで、軟岩地盤であっても確実に桟橋を支持することができる。
【0009】
また、トラス構造を有する下側構造部および上側枠体を陸上の工場で製作した後に、大型起重機船などによりブロック単位で水上運搬して据付けることで、従来必要とされていた水上での型枠、支保工が省略できる。従って、水上における現場作業を大幅に削減でき、工期、工事費用を大幅に低減することができる。
【0010】
また、フレーム構造体の鉛直材に金属管を用いて、その金属管の中空部にコンクリートを充填することで、金属管の補強をするとともに、据付時の下側構造部自体の安定性の向上を図ることができる。これにより、金属材の使用量の低減を図ることができる。
【0011】
また、前記上側構造部は下側構造部の上部に設けられる格子状に形成された上側枠体と、該上側枠体の上部に設けられるスラブ状の床板とを備えたものとし、床板の構成を、下側構造部を水上または水中に構築後、該下側構造部の上部に設けられた上側枠体の上部に構造部材の機能を持つプレキャスト板を設置して、該プレキャスト板の上部に現場でコンクリートを打設したことにより、前記プレキャスト板を型枠として機能させることで、従来必要とされていた海上での型枠、支保工が省略できる。
従って、海上における現場作業が大幅に削減でき、工期、工事費用を大幅に低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図9は発明の実施形態の一例であって、図中、図と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
図1は本発明の実施形態に係る揚炭桟橋の全体の構成を示す側面図、図2は前記揚炭桟橋の全体の構成を示す平面図、図3は前記揚炭桟橋の1ブロックのフレーム構造体の構成を示す平面図、図4は図3のA−A断面矢視図、図5は図3のB−B断面矢視図、図6は本実施形態に係る床板の構成を示す断面詳細図、図7は揚炭桟橋の1ブロックのフレーム構造体の構成を示す概略図、図8は前記フレーム構造体の床板、基礎部の施工状態を示す概略図、図9は本実施形態に係る揚炭桟橋の使用状況の一例を示す概略図である。
【0013】
本実施形態は、図1、図2に示すように、岸壁11に沿って複数のフレーム構造体2を水平方向に連設するとともに、該フレーム構造体2の下部を水中の地盤3に設置して、該フレーム構造体2の上部を水面4上に突設して構築される揚炭桟橋1である。
前記フレーム構造体2は、図3〜図5に示すように、水面4上に配置される上側構造部5と、上部が水上に配置されるとともに下部が水中に配置される下側構造部6とを備えている。
【0014】
前記上側構造部5は、図3〜図5に示すように、下側構造部6の上部に設けられる格子状に形成されたの上側枠体7と、該上側枠体7の上部に設けられるスラブ状の床板8とを備えている。隣り合う他のフレーム構造体2の床板8は、並設して隣接配置されている。
前記床板8は、図6、図7に示すように、工場で陸上製作された下側構造部6と上側枠体7を水中に設置後、該上側枠体7の上部に構造部材としてプレキャスト板10を設置して、その上部にコンクリート9を打設して構成される。
【0015】
連設されるフレーム構造体2の床板8上部には、図2、図9に示すように、石炭船40に船積みされた石炭を採り出すためのアンローダ31が走行するアンローダレール32が設置されるアンローダレール基礎22が2列平行して形成され、その内側に、石炭を搬出するためのベルトコンベア33が設置されるベルトコンベア基礎21が形成されている。
【0016】
また、連設される一端部のフレーム構造体2aの床板8a上部には、係船機基礎23、メンテナンスデッキ基礎24、フェアリーダ基礎25、26等が設けられている。また、連設される他方端部のフレーム構造体2bの床板8b上部には、係船機基礎23、メンテナンスデッキ基礎24、フェアリーダ基礎25等が設けられるとともに、ベルトコンベア連絡台28、岸壁に渡るための連絡橋29が設けられている。前記フレーム構造体2の反岸壁側の下方略中央部には、防舷材30が突設される。
【0017】
前記下側構造部6は、図4、図5に示すように、鉛直材としての縦鋼管12と、水平材としての横鋼管13および斜材としての斜め鋼管14a、14b、14cとを有するトラス構造の下側枠体15を備え、前記縦鋼管12の下端部には、水中の地盤3上に設置する基礎部20が設けられている。
【0018】
前記下側枠体15の構成は、図3〜図6に示すように、6本の縦鋼管12を3本ずつ平行に立設させるとともに対向させて平面視で略矩形状に配置し、前記縦鋼管12の高さ方向略中央部の位置に横鋼管13を略水平に配置して、隣り合う縦鋼管12を連結している。
【0019】
また、前記下側枠体15の縦鋼管12が3本並設される一側方においては、図4に示すように、横鋼管13より下方で、両側の縦鋼管12下部から中央部の縦鋼管12の横鋼管との連結部12aに向かい斜め鋼管14aが設置され、横鋼管13より上方で、縦鋼管12の横鋼管13との連結部12aから、縦鋼管12上部に設けられる上側枠体7の下側で隣り合う縦鋼管12上部同士の間の中央位置7aに向かい斜め鋼管14bが設置されている。
【0020】
一方、前記下側枠体15の縦鋼管12が2本並設される一側方においては、図5に示すように、横鋼管13より下方で、縦鋼管12下部から隣り合う縦鋼管12の横鋼管13との連結部12aに向かい斜め鋼管14cが略X字状に交差して接合され、横鋼管13より上方で、縦鋼管12の横鋼管13との連結部12aから、縦鋼管12上部に設けられる上側枠体7の下側で隣り合う縦鋼管12上部同士の間の中央位置7bに向かい斜め鋼管14bが設置されている。
【0021】
前記縦鋼管12は、工場製作時にその中空部にコンクリートが充填される。
前記基礎部20は、図4〜図7に示すように、円盤状の外形を呈し、施工時には該基礎部20を核としてその外周をコンクリート20aで被い固め、地盤3の地耐力に応じた設置面積を確保するように形成される。
【0022】
次に、本実施形態による揚炭桟橋1の構築について説明する。
揚炭桟橋1を構成するフレーム構造体2において、下側構造部6および上側枠体7は、陸上の工場において所定の寸法を有するブロック単位で製作される。
そして、ブロック単位で構成された上側枠体7および下側構造部6は、大型起重機船により水上運搬されて、図7に示す状態で所定の位置に据付される。
【0023】
下側枠体15を水中に設置するに際して、水底の地盤3は、該下側枠体15が水平に設置されるように、下側枠体15下部に設けられた基礎部20と対向する位置に凹部3aが形成されている。前記凹部3aは、地盤3が構築された揚炭桟橋1の荷重に耐え得るように、基礎部20とコンクリート20aの設置面積を確保できる大きさに形成される。
【0024】
そして、ブロック毎に一体的に構成された下側構造部6と上側枠体7を複数個水中に設置する。この時、前記下側構造部6は下端部の基礎部20とコンクリート20aにより地盤3に固定されている。前記上側枠体7は下側構造部6に固定されているが、隣り合う上側枠体7同士は固定されていない。
【0025】
そして、上側枠体7の上部にコンクリートを打設して床板8を形成し、該床板8の上部に揚炭作業に必要な、アンローダやコンベア等の設備とこれに付随する装置の基礎を設けて、その後アンローダやコンベア等を設置して揚炭桟橋1を構築するものである。
【0026】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、揚炭桟橋1の構造を、トラス構造を有する複数のフレーム構造体2により構成したので、構成部材の性能を最大限発揮できる。すなわち、フレーム構造体2の上側枠体7および下側構造部6を陸上で同時に製作し、所要地耐力を有する地盤3上に大型機械を用いて前記フレーム構造体2の上側枠体7および下側構造部6を直接設置することで、設置時の安定性を確保するとともに、多大な手間を要していた海上における型枠、支保工構築および撤去作業を大幅に低減し、従来必要としていた海上施工期間を大幅に削減することができる。
また、基礎部20を地盤3に直接設置する直接設置型としたので、従来のように杭の支持力の確認をする必要がない。さらに、基礎の大きさを地盤の地耐力に合わせた大きさにすることで、各種の地盤への適用が可能となる。
【0027】
また、本実施形態においては、縦鋼管12の中空部にコンクリートを充填したので、縦鋼管12の補強をするとともに、据付時の下側構造部6の安定性向上を図ることができる。さらに、コンクリートを使用することで金属材の使用量の低減を図ることができる。
【0028】
なお、本実施形態においては、複数のトラス構造を有するフレーム構造体2により揚炭桟橋1を構築するようにしているが、これは本発明に係る桟橋構造が採用された一実施例であって、本発明は、揚炭桟橋に限定されるものではなく、他の用途に用いられる水上の桟橋や構造体に採用するものであっても良い。
また、本実施形態においては、トラス構造を構成する部材として、鉛直材、水平材および斜材に鋼管を採用しているが、本発明はトラス構造を有するフレーム構造体の構成部材に限定されるものではなく、実用上の桟橋荷重に耐え得る強度を有するものであれば、例えば、型鋼材などを採用するものであっても良い。
なお、本発明の桟橋構造は、上記記載や図に示す構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0029】
また、本実施形態においては、上側構造部5が水上に配置されるように揚炭桟橋1を構築しているが、本発明はこの揚炭桟橋1の構成に限定されるものではなく、例えば、潮の干満または用途に応じて桟橋構造が海中に没するような構成とするものであっても良く、また、桟橋構造が常に水上に位置していたり、常に水中に位置する状態に限定されるものではない。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の構成変更を加え得ることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜5記載の桟橋構造によれば、桟橋のフレーム構造を、トラス構造を有する枠体で構成して、基礎部の構造を直接設置型とすることで、水上における施工作業を低減して海上施工期間の短縮を図り、各種の地盤へ対応可能な桟橋構造が可能となるとともに、桟橋設置箇所の環境への負荷の低減を実現できる。
すなわち、本発明は、水平力に対しては基礎フーチングのコンクリートと鋼材の摩擦力で対抗させ、鉛直力に対しては、地盤の地耐力により対応する構造であり、従来の杭式と比較して、杭打設作業が省略できるため、海上施工期間を短縮でき、これにより、工事費の減縮、桟橋設置箇所における環境負荷低減が可能となるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る揚炭桟橋の全体の構成を示す側面図である。
【図2】前記揚炭桟橋の全体の構成を示す平面図である。
【図3】前記揚炭桟橋の1ブロックのフレーム構造体の構成を示す平面図である。
【図4】図3のA−A断面矢視図である。
【図5】図3のB−B断面矢視図である。
【図6】本実施形態に係る床板の構成を示す断面詳細図である。
【図7】揚炭桟橋の1ブロックのフレーム構造体の構成を示す概略図である。
【図8】前記フレーム構造体の床板、基礎部の施工状態を示す概略図である。
【図9】本実施形態に係る揚炭桟橋の使用状況の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 揚炭桟橋
2、2a、2b フレーム構造体
3 地盤
4 水面
5 上側構造部
6 下側構造部
7 上側枠体
8、8a、8b 床板
9 コンクリート
10 プレキャスト板
12 縦鋼管
13 横鋼管
14a、14b、14c 斜め鋼管
15 下側枠体
20 基礎部
20a コンクリート

Claims (4)

  1. 複数のフレーム構造体を水平方向に連設して水上または水中に構築される桟橋であって、
    前記フレーム構造体は、水上または水中に位置する上側構造部と、水上または水中に位置する下側構造部とを備え、鉛直材、水平材および斜材を有するブロック単位でトラス構造を有する枠体で構成され、
    前記上側構造部は、上部に床板が設けられ、隣り合う他のフレーム構造体同士の床板を隣接配置し、
    前記下側構造部は、鉛直材の下端部に水中地盤上に設置する基礎部が設けられ、
    前記基礎部は、鉛直材の下端部個々に、地盤の地耐力に応じた設置面積を有しかつ水平方向に広がる盤状に形成され、
    前記基礎部を核としてその外周を個別にコンクリートで被い固めて、当該被い固めたコンクリートを介して個々の基礎部を水中地盤上に設置したものであることを特徴とする桟橋構造。
  2. 前記枠体は、地上で製作され、ブロック単位で水上運搬されて据付されることを特徴とする請求項1に記載の桟橋構造。
  3. 前記鉛直材として金属管を用いて、その中空部にコンクリートを充填することを特徴とする請求項1または2に記載の桟橋構造。
  4. 前記上側構造部は下側構造部の上部に設けられる格子状に形成された上側枠体と、該上側枠体の上部に設けられるスラブ状の床板とを備えており、
    前記床板は、前記下側構造部を水上または水中に構築後、該下側構造部の上部に設けられた上側枠体の上部に構造部材の機能を持つプレキャスト板を設置して、該プレキャスト板の上部にコンクリートを打設したものであることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか1項に記載の桟橋構造。
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