JP4739877B2 - ジェットミル - Google Patents
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Description
また、特許文献2に開示の水平旋回流型ジェットミルは、上記特許文献1の低分級精度を改善するものであるが、圧縮空気が形成する旋回流と分級ロータによって形成される旋回流との旋回速度が異なるため、渦の乱れが生じたり、ロータ壁に微粉が付着したりする等の問題がある。
〔(N/100)−1〕≦n≦〔(N/100)+2〕 …(1)
ここで、〔a〕はa以下の最大の整数値を表わし、かつ、nは2以上の整数とする (請求項1)。
ここで、上記ジェットミル本体の有効径Nとは、前記複数のエアノズルの先端を結ぶピッチ円径を指す。
また、前記リング状の第1の狭隘路は、前記円盤状の空洞の上面と下面との間に所定の間隔を隔てて形成されているのが好ましい(請求項4)。
また、前記リング状の粉砕ゾーンは、前記円盤状の空洞の上面および下面が中心に向かって互いに漸近して、前記空洞が、前記中心方向に向かって狭くなる内部空間であり、前記リング状の第1の狭隘路は、前記円盤状の空洞の半径方向の所定の位置において、所定の間隔を隔ててそれぞれ配置される前記空洞の上面および下面の突状部の間に形成されるリング状のチャネル(分級リングチャネル)であるのが好ましい(請求項6)。
なお、ここで、前記リング状の第2の狭隘路は、前記円盤状の空洞の上面と下面との間に所定の間隔を隔てて形成されているのが好ましい(請求項8)。
また、前記出口管は、前記ジェットミル本体に対して上下方向に移動可能であり、前記リング状の第2の狭隘路の間隔は、前記出口管を上下方向に移動させて、前記出口管の下端または上端の突出部を円板または短円管形状の突出部に対して近づけるまたは遠ざけることにより調節されるのが好ましい(請求項10)。
以下に説明する実施形態では、最初に、前述の特開2005−131633号公報に開示されているような、ジェットミル本体の空洞内に粉砕ゾーンと分級ゾーンとを分ける狭隘路を有しない、極めてシンプルな構成のものをベースにした例を示す。
なお、ここでのエアノズル6の配置数の決定方法は、前述の式(1)により、200/100−1=1、200/100+2=4、それと2≦nという条件から、n=2〜4と規定され、ここではそのうちの最小の偶数値2と決定されている。
上述の2種類のジェットミルを用いて、平均径500μmのポリエステル系の非磁性トナーを粉砕し、粉砕物の粒径並びに粒度分布を測定した。ここで、本実施形態に係るジェットミルに使用した2本のエアノズル6の吐出口径はφ2.2mm、従来タイプのジェットミルに使用した6本のエアノズル6の吐出口径はφ1.3mmとしている。この寸法は、エアノズル全体としての吐出面積を略等しくするように決定したものである。
(2.2)2×(π/4)×2≒7.60(mm2)
となり、従来タイプのジェットミルの場合のエアノズル6(6本)の合計吐出面積は
(1.3)2×(π/4)×6≒7.96(mm2)
となって、その差は5%弱であり、比較に耐えるものとなっていると考えられる。
この現象が発生する理由は、全風量を略同じにした場合、本実施形態に係る(2本ノズルの)ジェットミルの場合には供給されるエアの粉砕室内での流速が大きくなっていることが影響していることも考えられる。
そして、これらの分級リング22と24との間の間隙によって、本実施形態に係るジェットミルの特徴である第1の狭隘路となる分級リングチャネル23が形成され、分割された粉砕ゾーン26と分級ゾーン28とを連通している。
なお、本実施形態においては、分級リング22および24として、両者の間隔(分級リングチャネル23の開口幅)が種々の間隔となるものを用意しておき、ジェットミル本体2の粉砕室8に配置する分級リング22および24を交換することにより、被粉砕物などに応じて、分級リング22および24の間隔(分級リングチャネル23の開口幅)を適切な間隔に容易に調整することができる。
また、分級リング22および24の分級ゾーン28側の壁面は、図8および図9に示すように、分級リング22および24の間の分級リングチャネル23を通過した被粉砕物が、分級ゾーン28に滑らかに流入するように、隅部をジェットミル本体2の中心に向かって凸の曲線で構成した形状あるいはジェットミル本体2の中心に向かって傾斜した面とすることが好ましい。
この出口リングチャネル30についても、前述のように、円板34に代えて、図4(a),(b)に示したような粉砕室8の下板12の中央に設けられた短円管状の突起(短円管)35にするなど、任意の形状の部材を用いることができる。
なお、ここでのエアノズル6の配置数の決定方法は、前述の式(1)により、500/100−1=4、500/100+2=7、それと2≦nという条件から、n=4〜7と規定され、ここではそのうちの最小の偶数値4と決定されている。
本実施形態に係るジェットミルの基本的動作は上述の通りであるが、ジェットミルのエアノズル6の本数を減らすため、以下のような比較実験を行った。ここで実験に使用したジェットミルは、粉砕室8の内径(前述のピッチ円径)がφ500mmであって、図7に示す断面形状を有し、また、外壁4に3本,4本,7本,14本のエアノズル6をそれぞれ等間隔に配置し、これらの間1個所に配置した供給口14から被粉砕物を供給した。
このうち、14本のエアノズル6を有するものが、従来のジェットミルに対応し、他の3種類が、エアノズル6の本数を減らす実験に当たるものである。
3本の場合:ノズル径φ2.8mmで、
(2.8)2×(π/4)×3≒18.47(mm2)
4本の場合:ノズル径φ2.4mmで、
(2.4)2×(π/4)×4≒18.10(mm2)
7本の場合:ノズル径φ1.8mmで、
(1.8)2×(π/4)×7≒17.81(mm2)
となり、従来タイプのジェットミルの場合(ノズル径φ1.3mm×14本)
(1.3)2×(π/4)×14≒18.58(mm2)
と比較して、その差は4%弱であり、比較に耐えるものとなっていると考えられる。
すなわち、エアノズル6の本数を従来の14本から7本に減らした段階で、中位径(いわゆる、D50)が劇的に下がっている。この傾向はエアノズル6の本数を4本にした場合も略同様であるが、さらにエアノズル6の本数を減らした場合(3本)には、効果が減少する方向になっている。
4 外壁
6 エアノズル
8 粉砕室
10 上板
11 支持ブロック
11a 雌ねじ部
12 下板
14 供給口
16 ロート
18 供給ノズル
20 ディフューザ
22,24 分級リング
23 分級リングチャネル(第1の狭隘路)
26 粉砕ゾーン
28 分級ゾーン
30 出口リングチャネル(第2の狭隘路)
32 出口パイプ
32a 突出部
32b 出口パイプ高さ調整用ねじ
34 円板
35 短円管
Claims (11)
- 円盤状の空洞が形成されるジェットミル本体と、
このジェットミル本体のリング状の外壁に前記円盤状の空洞の中心に対して傾斜して配置され、前記円盤状の空洞に高速の空気流を生じさせる複数のエアノズルと、
前記ジェットミル本体の前記円盤状の空洞の略中央に配置される出口とを有するジェットミルであって、
前記円盤状の空洞は、前記複数のエアノズルから供給される前記高速の空気流によって被粉砕物を粉砕するリング状の粉砕ゾーンを形成しており、
前記ジェットミル本体の有効径をφN(mm)とするとき、前記複数のエアノズルの配置数n(本)が、下記の式(1)で表わされることを特徴とするジェットミル。
〔(N/100)−1〕≦n≦〔(N/100)+2〕 …(1)
ここで、〔a〕はa以下の最大の整数値を表わし、かつ、nは2以上の整数とする 。 - 請求項1に記載のジェットミルであって、
前記構成に加えて、前記粉砕ゾーンの内側に配置されるとともに前記出口の空間に連通し、前記粉砕ゾーンの内側に位置する、前記空気流によって被粉砕物を分級するリング状の分級ゾーンと、
前記粉砕ゾーンと前記分級ゾーンとの間に配置され、前記粉砕ゾーンと前記分級ゾーンとを分割するとともに連通するリング状の第1の狭隘路を有する
ことを特徴とするジェットミル。 - 前記ジェットミル本体は、略円盤状の上ケーシングおよび下ケーシングと、前記上ケーシングと前記下ケーシングとの間に介挿される前記リング状の外壁とを備え、
前記円盤状の空洞は、前記上ケーシングと前記下ケーシングとの間および前記リング状の外壁の内側に形成される内部空間である請求項1または2に記載のジェットミル。 - 前記リング状の第1の狭隘路は、前記円盤状の空洞の上面と下面との間に所定の間隔を隔てて形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のジェットミル。
- 前記リング状の第1の狭隘路は、前記円盤状の空洞の半径方向の所定の位置において、前記空洞の互いに略平行な上面および下面に所定の間隔を隔ててそれぞれ取り付けられるリング状の障壁によって形成されるリング状のチャネルである請求項1〜4のいずれかに記載のジェットミル。
- 前記リング状の粉砕ゾーンは、前記円盤状の空洞の上面および下面が中心に向かって互いに漸近して、前記空洞が前記中心方向に向かって狭くなる内部空間であり、
前記リング状の第1の狭隘路は、前記円盤状の空洞の半径方向の所定の位置において、所定の間隔を隔ててそれぞれ配置される前記空洞の上面および下面の突状部の間に形成されるリング状のチャネルである請求項1〜5のいずれかに記載のジェットミル。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のジェットミルであって、
さらに、前記分級ゾーンとその内側に配置される前記出口との間に配置され、前記分級ゾーンと前記出口の空間とを分割するとともに連通するリング状の第2の狭隘路を有することを特徴とするジェットミル。 - 前記リング状の第2の狭隘路は、前記円盤状の空洞の上面と下面との間に所定の間隔を隔てて形成されている請求項7に記載のジェットミル。
- 前記出口は、前記ジェットミル本体の前記円盤状の空洞の略中央部に上方または下方に向かって配置された円筒状の出口管によって形成され、
前記リング状の第2の狭隘路は、互いに所定の間隔を隔てて配置された、前記出口管の下端または上端の突出部と、前記空洞の略中央部の下面の上側または上面の下側に配置された円板または短円管形状の突出部との間に形成されるリング状のチャネルである請求項7または8に記載のジェットミル。 - 前記出口管は、前記ジェットミル本体に対して上下方向に移動可能であり、
前記リング状の第2の狭隘路の間隔は、前記出口管を上下方向に移動させて、前記出口管の下端または上端の突出部を円板または短円管形状の突出部に対して近づけるまたは遠ざけることにより調節される請求項9に記載のジェットミル。 - 前記出口は、前記ジェットミル本体の前記円盤状の空洞の略中央部に上方または下方に向かって配置された円筒状の出口管によって形成され、
前記リング状の第2の狭隘路は、互いに所定の間隔を隔てて配置された、前記出口管の下端または上端の突出部と、前記空洞の略中央部の下面の上側または上面の下側に設けられるリング状の凸状部との間に形成されるリング状のチャネルである請求項8〜10のいずれかに記載のジェットミル。
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