JP6238104B2 - 分級装置及び粉砕分級装置 - Google Patents
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Description
センターコア3の下方には、中央部が高い笠状のセパレータコア4が具備されており、このセパレータコア4の下縁外周と円筒ケーシング2の内壁との間に環状の粗粉排出孔4bが形成されており、また、セパレータコア4の中央部には製品粉排出口7が形成されている。このようなセンターコア3とセパレータコア4との間の空間が分級室6となる。
また、製品粉排出口7には負圧が作用しており、吸引する気流が形成される。このような分級室6では、スリットから流入する二次空気流と、製品粉排出口7で吸引する気流とによって形成される半自由渦の中で、粗粒子と製品粒子との各々に作用する遠心力が異なることを利用して分級を行う。
一方、粒径が大きく重い粒子は、旋回気流によって作用する遠心力が大きいため、製品粉排出口7に働く負圧では製品粉排出口7まで到達できず、セパレータコア4の上面に当たって、その笠状の表面に沿って外側に滑り落ち、粗粉排出孔4bから下部ホッパー8に到達する。下部ホッパー8に到達した粉体は粗粉として、図中矢印E5で示すように下部開口部11から排出される。
特許文献2及び3に記載の分級装置では、分散室旋回気流発生手段が円筒状の内周面の複数箇所から分散室内に取り込む気流は、分級対象である粉体と気体とが混相された混相気体の気流となっている。
特許文献2及び3に記載の分級装置では、分級装置に粉体を供給する粉砕装置がジェットミル方式の粉砕装置であり、この方式の粉砕装置は、圧縮した気体を粉砕対象の原材料と共に衝突部材に対して高速で衝突させる構成である。圧縮した気体によって粉体を衝突させているため、粉砕後の粉体を含んだ混相気体は粉体に対する気体の割合が非常に大きくなっている。この混相気体を分散室旋回気流発生手段によって分散室内に導くことで、安定した旋回気流を形成するために十分な流量の気流を得ることができる。
しかし、機械式粉砕機は、粉砕後の粉体を含んだ混相気体は、粉体に対する気体の割合がジェットミル方式に比べると、非常に小さくなる。そして、このような混相気体を分散室旋回気流発生手段によって分散室内に導いても、安定した旋回気流を形成するために十分な流量の気流を得ることができないという問題が生じる。
また、このような分散室旋回気流発生手段を分散室の最上部に備えているため、上記特許文献2及び3に記載の分級装置と同様に、精度の良い分級を安定的に行うことができる。
図2は、本発明に係る分級装置100を備えた粉砕分級装置200を模式的に示した説明図である。
粉砕分級装置200は、原材料供給フィーダ201で供給されたトナー材料(図中矢印E1)は、粉砕装置202で粉砕される。粉砕されたトナー材料は、捕集サイクロン203で回収される(図中矢印E2)。次に、定量フィーダ204によって、分級供給用インジェクションノズル205に供給され、分級供給用インジェクションノズル205によって分級装置100に供給される(図中矢印E3)。
分級装置100で分級された粗粉は、粗粉搬送用インジェクションノズル206によって粉砕装置202に戻される。粉砕分級装置200では、粗粉の状態のものは粉砕と分級とを繰り返すように、閉回路粉砕を構成している。
インジェクションノズル500では、ホッパー501に供給されたトナー材料(機械式粉砕機の上がり品)に対して、ノズル部502から吐出速度が速い圧縮エアー(図中矢印F1)が供給される。
このとき、吐出速度が速い圧縮エアーが狭い流路を通過することで、ノズル部502が配置されたホッパー501の下部開口部近傍は、ベルヌーイの定理に基づいて説明が可能なベンチュリー効果によって、圧力が低下する。この圧力低下によってホッパー501内のトナーは次工程へと吸引供給される。
図1は、分級装置100の鉛直方向に平行な断面についての説明図である。図4(a)は、図1中のA−A’断面で示す断面についての説明図であり、図4(b)は、図1中のB−B’断面で示す断面の説明図である。
分級装置100は、円筒ケーシング2と、粉体材料供給管1と、センターコア3と、セパレータコア4と、整流器9と、製品粉排出管10と、下部開口部11と、を備える。
円筒ケーシング2の上端部には、気体及び粉体からなる混相気体を分散室5内に供給する粉体材料供給管1が配置されている。粉体材料供給管1から粉体と共に供給される空気の流れを一次空気流と呼ぶ。
ここで笠状とは、上面が円錐の側面形状で、一定の厚さを備え、円錐の底面を備えず、底面側が中空の形状である。
製品粉排出口7は、製品粉排出管10の入口であり、製品粉排出管10は製品粉捕集サイクロン207に接続されており、製品粉捕集サイクロン207を作動することで製品粉排出管10を介して、製品粉排出口7に分級室6内の空気を吸引する負圧が発生する。
さらに、分散室5の最上部に、分散室5内に旋回気流を発生させる分散室旋回気流発生手段である分散室整流器60を備える。分散室整流器60は、粉体材料と共に流入する一次空気流とは別に、外部から粉体材料を含まない気体が分散室5の円筒状の内周面の周方向に沿うように流入するスリット状の流入口を円周方向に複数備える。このスリット状の流入口から気体が流入することで、図中矢印Cで示すように、分散室5内に旋回気流が発生する。
分級室6では、整流器9の外周からスリットを通過して均等に流入した二次空気流の速い旋回により、粉体材料が効率良く粗粉と微粉とに遠心分級され、分級精度を向上させることができる。
また、下部ホッパー8に到達した粗粉は、下部ホッパー8の最下端に形成された円形状の下部開口部11から排出され粉砕装置202へと受け渡される。
このように分級装置100は、粉体材料に対する気体の割合が多くない混相気体を分散室5に導く構成で、精度の良い分級を安定的に行うことができる。
図13は、従来の粉砕分級装置200の一例(以下、「従来例1」と呼ぶ)を模式的に示した説明図である。
図13に示す粉砕分級装置200では、原材料供給フィーダ201で供給されたトナー材料(図中矢印G1)は、粉砕装置202で粉砕される。粉砕されたトナー材料は、捕集サイクロン203で回収され(図中矢印G2)、定量フィーダ204によって分級装置としてのエルボージェット分級機400に供給される(図中矢印G3)。
コアンダ効果を用いたエルボージェット分級機400としては、日鐵工業社のエルボージェット分級機が用いることができる。
エルボージェット分級機は、気流中の粒子の運動が各粒子のもつ慣性力と気流から受ける流体抵抗によって支配され、各々の粒子の飛行軌跡がその粒径により異なることを利用して分級する。
図14中矢印G3は、定量フィーダ204によってエルボージェット分級機400に供給されたトナー材料等の原料の流れ示し、図14中矢印Jは、分級のために供給される気流を示す。
エルボージェット分級機400に供給された原料は、不図示のエジェクター部で加速され、フィードエアと共に原料供給ノズル301より噴出され、その噴流は「コアンダ効果」によりコアンダブロック302に沿って流れようとする。
「コアンダ効果」とは「噴流はその一方の側だけに壁面を置くと、その壁面に沿って流れる」噴流の性質のことで、噴流の出口、下流の壁面が曲面である場合でも、壁面に沿って流れる。この効果により、原料供給ノズルから噴出された原料粉を含むフィードエアはコアンダブロックに沿って流れる。
気流排出側には任意の位置に設定できる分級エッジ303を設け、各々目的粒度別のいくつかの分級産物を同時に得ることができる(図14に示す構成では3分割)。
このような機械式分級機を用いることによって、微粉は精度良く分級され要求品質を確保することが可能となった。
一方、機械式粉砕機で粗粉を効率よく分級できる粗粉分級機が要求される。
分級装置100は、製品となる粒径の製品粒子を含んだ製品粉と、製品粉より粒径が大きい粗粒子からなる粗粉とを分級する粗粉分級機である。分級装置100で分級された製品粉は、製品粉捕集サイクロン207によって捕集され、製品粉供給フィーダ208によって次工程へ受け渡される。
従来例2の分級装置100は、図16及び図17を用いて説明した分級装置100である。
図18の分級装置100は、分散室5内に旋回気流を発生させる分散室整流器60を備える点で図16の分級装置100と異なる。また、分散室5の天井がカップ型の上蓋101で構成されている点も図16の分級装置100と異なる。
図16及び図17を用いて説明した分級装置100は、日本ニューマチック社のDS分級機と同様の構成であり、図18は、特許文献1に記載の構成を備えたものであって、日本ニューマチック社のDSX分級機と同様の構成である。
分級室6内の微粉は製品粉排出口7に連結した製品粉排出管10より不図示のブロワーの吸引力によって排出される。
また、分級室6形成する円筒ケーシング2の一部は、複数枚のルーバー板部を環状に設け、ルーバー板部同士の間のスリット状の隙間によって二次空気流入口を形成する整流器9となっている。この整流器9から二次空気流が流入することで、粉体材料を分散させると共に旋回速度を加速させる。
また、図18に示す分級装置100は、分散室5に分散室整流器60から二次空気流を流入して原料をさらに分散するタイプである。
一方、図18に示す分級装置100では、分散室整流器60から流入する二次空気流によって分散室5内での旋回速度を十分なものとすることができ、分級精度が低下することを抑制できる。
しかし、図18に示す構成では、分散室5の天井がカップ型の上蓋101で構成され、分散室整流器60が分散室5の天井よりも低い位置となっている。このような構成の場合、分散室整流器60よりも上方の天井との間の空間に気体が滞留する領域が形成され、分散室5に供給された粉体の一部が、この気体が滞留する空間に進入して滞留する。そして、ある程度溜まると、自重により落下することがある。このように、ある程度溜まったタイミングで粉体が落下してくると、分散室5から分級室6に受け渡される粉体の量にバラツキが生じ、安定した分級を行うことができなくなる。
分散室5の上面が平面上で、分散室整流器60によって分散室二次空気流を供給することで、分散室5内に高速旋回流が発生する。
粉体材料供給管1から流入する一次気流と分散室整流器60から流入する分散室二次空気流とをあわせた気流の流量が一定の場合、分散室5が狭いほど分散室5内の旋回気流の旋回速度が速くなる。これにより、分散性が向上し、素早く分級室6へと粉体材料が移動する。
旋回気流が遅い構成で、超微粉排出管55を空けると、排出すべき超微粉のみではなく、製品粉も超微粉排出管55から排出されてしまい、分級点が変わることで製品粉排出管10から排出される製品粉の回収率が低下してしまう。
しかし、本実施形態の粉砕分級装置200は、エネルギー効率の向上のため粉砕装置202として機械式粉砕機を用いており、一次気流の流量を多くすることはできない。このように一次気流の流量を多くすることが出来ない構成では、超微粉排出管55で超微粉のみを排出することは困難である。
この理由は以下のとおりである。
すなわち、機械式粉砕機で粉砕された粉体材料を捕集する捕集サイクロン203内部の静圧が非常に高い(一般的には−20[Kpa]〜−35[Kpa])。一方、整流器9から二次空気流を流入する分級方式の分級装置100の機内静圧は低い(-10[Kpa]〜−15[Kpa])。気流は、静圧が低い方から高い方へと流入するため、上述した捕集サイクロン203と分級装置100とを直接接続しても、捕集サイクロン203内の混相気体を分級装置100に供給することが出来ない。このため、新たな供給方法を採用する必要がある。
機械式粉砕機を用いる構成であっても、ジェットミル式粉砕装置との組合わせのように分級機供給エアーを加圧方式で増加できれば解決はできる。しかし、供給のために圧縮エアーを10[m3/min]〜30[m3/min]が必要となりエネルギー効率は大幅に低下する。
静圧の影響は分級室6にも及び、分散室5と同様に分級室6の静圧も低下する。そのため分級のために必要な整流器9からの二次空気流の流入が減ることで旋回速度低下が発生する。分級室6内の静圧が低下すると、分級室6に対する製品粉排出管10内の静圧が高くなるため、製品粉だけでなく、粗粉もが混入し分級精度が低下してしまう。
さらに超微粉排出管55を排除したことにより粉体材料は、粉体材料供給管1から供給される一次空気流と、分散室整流器60から供給される分散室二次空気流との全ては、分級室6に設けられた製品粉排出口7から排出することが可能となる。これにより、粉砕後の粉体材料に含まれた、粗粉、特に粗大粒子だけを効率よく下部ホッパー8に送り、下部開口部11から排出することができる。下部開口部11から排出した粗粉は、粗粉搬送用インジェクションノズル206によって再び粉砕装置202に戻され、微粉砕される。
図1の分級装置100は、分散室5の容積を最小限にすることで速い旋回気流が環状の供給孔3bを通じて分級室6に到達する。図1に示す分級装置100のように分散室5を狭くした構成で、さらに、図5(b)に示すように超微粉排出管55を設けると、分散室5は超微粉排出管55によって更に狭くなる。これにより、一次空気流と分散室二次空気流との流量が同じであれば、旋回気流の流速はさらに速くなることが考えられる。
また、本実施形態の粉砕分級装置200では、微粉の分級は不図示の機械式分級機で行っており、分級装置100を粗粉分級機として使用している。このため、分級装置100で超微粉を分級する必要がない。
3[μm]以下の領域の超微粉の分級には、ホソカワミクロン社製のTSP分級機やTTSP分級機が好ましく、粗粉の分級に適した図1に示す分級装置100を用いて超微粉の分級は不要である。なお、この領域の超微粉の一部は機械式粉砕機である202で粉砕された粉体材料を捕集する捕集サイクロン203の捕集効率によってかなり切れている。
本実施形態の粉砕分級装置200では、目標粒径の製品粉に対し、過剰微粉(超微粉)や粗粉の混入を抑制することができる。また、発生する過剰微粉をも効率的に再利用可能とし消費動力の効率化することができる。このような粉砕分級装置200を乾式トナーの製造方法における粉砕分級工程に用いることで、粒径の分布がシャープなトナーを効率的に得ることができる。
機械式粉砕機としては、特許文献6〜特許文献10に記載されたものを挙げることができる。
機械式粉砕機は、回転筒(ローター)の水冷化と、回転筒の回転速度の更なる高速回転化(周速130[m/s]→160[m/s]→180[m/s]に拡大)とが進んでいる。これにより、今までジェットミル方式でしか粉砕できなかった微粉砕領域(11[μm]→9[μm]→6[μm])までもが可能になった。この機械式粉砕方式は回転筒とその外周に平行に具備された凹凸面の隙間で発生する磨砕力と隙間を通過する滞留時間とによって粉砕が繰り返される。このため粉砕効率が高く、CO2の発生量が抑制されるため、環境面からジェットミル方式粉砕機からの置き換えが進んでいる。
一つ目は、大量に空気を高速流入し分級機内の含塵濃度を低下させる。
二つ目は、分級機内で分散されたトナーは素早く分級する。
三つ目は、粉体材料を大量に処理できる。
本発明に係る分級装置は、これらの三つの要求を満足できる気流式(旋回気流式)分級装置である。
図19は、ジェットミル方式のジェットミル式粉砕装置222を備えた粉砕分級装置200の一例の説明図である
図19に示す粉砕分級装置200では、原材料供給フィーダ201で供給された(図中矢印K1)粉体材料は、分級装置100へと送られる(図中矢印K2)。分級装置100としては、図16及び図17で示したものや図18で示したものを用いることができる。この分級装置100では、製品となる粒径の製品粒子を含んだ製品粉(図中矢印K3)と、製品粉より粒径が大きい粗粒子からなる粗粉(図中矢印K4)と、製品粉よりも粒径が小さい超微粒子からなる超微粒粉(図中矢印K7)とを分級する。分級装置100で分級された製品粉は、製品粉捕集サイクロン207によって捕集され、製品粉供給フィーダ208によって次工程へ受け渡される(図中矢印K6)。
ジェットミル方式の粉砕装置の場合は粉砕で発生した大量の圧縮エアーを処理して分級を行うため、図19に示すように、粉砕と分級が同時に取れる構成となる。
ポリエステル樹脂を80[重量%]と、カーボンブラックを15[重量%]と、WAXを5[重量%]との混合物をエクストルーダーにて溶融混練し、冷却固化し破砕した後、ホソカワミクロン社製のACMパルベライザーにて粗粉砕してトナー原料を得た。このトナー原料を図2に示す粉砕分級装置200を用いて粉砕分級を行った。
粗粉砕されたトナー原料を微粉砕する粉砕装置202としては、機械式フロイントターボ社製ターボミルRS型を用いた。
分級装置100としては、図1に示す分級装置を用いた。
実施例1と同一の混練品を用いて、図15に示す粉砕分級装置200を用いて粉砕分級を行った。分級装置100としては図16及び図17に示す従来の分級装置100を用いた。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、130[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.6[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で65.0[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で2.5[重量%]のトナー粒径を得た。
実施例1と同一の混練品を用いて、図15に示す粉砕分級装置200を用いて粉砕分級を行った。分級装置100としては図18に示す従来の分級装置100を用いた。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、140[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.6[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で63.0[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で2.0[重量%]のトナー粒径を得た。
また、図1は示す分級装置100は、上蓋101の下面(分散室5の上面)がフラットのため分散室5での旋回流に淀みがなく精度よく分散される。このため比較例で用いた従来の分級装置100に比べて分級精度が向上しシャープな分布が得られる。
各実施例及び各比較例の結果を表1に示す。
実施例1の粉砕分級装置200に対して、分級装置100として図6に示す分級装置100を用いた。図6は実施例2の分級装置100の説明図であり、図7(a)は、実施例2の分級装置100が備えるセンターコア3の拡大説明図であり、図7(b)は、実施例2の分級装置100が備えるセパレータコア4の拡大説明図である。
実施例2の分級装置100は、分散室5のセンターコア3の中央部に、製品粉排出口7を備える製品粉排出管10内と連通した分散室開口部である貫通孔31を備える。
図7(a)に示すように、貫通孔31の直径をD2としたときに、その開口面積A2は、「A2=(D2/2)2×π」となる。また、図7(b)に示すように、製品粉排出口7の直径をD1としたときに、その開口面積A1は、「A1=(D1/2)2×π」となる。
(A1×1/10)≦A2≦(A1×1/3) ・・・・(1)
なお、貫通孔31からの吸引力は、製品粉排出管10内の吸引力によって行われる。
このように、実施例2では、分散室5の旋回気流の流速が増すことを利用して、分散室5に分級室としての機能も付加している。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.5[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で52.0.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で1.2[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
本実施形態の分級装置100は、センターコアを側方から投影した投影図に表される二等辺三角形の頂角の角度(図8中の角度α1)が、100[°]以上、160[°]以下となっている。センターコア3の頂点の角度α1を変更することでトナーの要求品質によって分散室5内の旋回気流の速度の調整が可能となり、実施例2で説明した二段分級と組合わせると、さらに分級精度が向上する。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.45[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で51.0[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で1.0[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
実施例2の粉砕分級装置200に対して、図9に示すように、センターコア3の中央部に、上方に向けて突き出した管状部材32を備え、管状部材32の上端部が貫通孔31となる構成である。管状部材32の突き出し量L1としては、0[mm]〜50[mm]の範囲であることが望ましい。このような短い管状部材32を設けることで、粒子径、粒子特性に合せてセンターコア3を上り、貫通孔31から吸引される微粒子に、万一粗粉が混入するような場合、管状部材32の突き出しによって、粗粉の進入をカットできる。これにより、二段分級時の粗粉の分級精度が向上する。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.45[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で50.0.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で0.9[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
実施例1の粉砕分級装置200に対して、分級装置100として図10に示す分級装置100を用いた。図10(a)は実施例5の分級装置100の説明図であり、図10(b)は、実施例5の分級装置100が備えるセパレータコア4の拡大説明図である。
実施例5では、製品粉排出口7に上方に向けて突き出し、製品粉排出口7の円形の縁部に沿って円周方向に複数枚配置され、製品粉排出口7に流入する気流を案内する案内羽根41を備える。このような案内羽根41の突き出し量L2としては、0[mm]〜100[mm]の範囲であることが望ましい。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径6.40[μm]で4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で49.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で0.7[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
実施例6では、図11に示す粉砕分級装置200を用いた。図11に示す構成は、定量フィーダ204及び分級供給用インジェクションノズル205を備えず、捕集サイクロン203から直接、インジェクションフィーダ211によって分級装置100に粉体材料が供給される点で図2に示す構成と異なる。
分級装置100に粉体材料を供給する供給機構を、インジェクションフィーダ211に変更することで、ライン構成がシンプルで省エネとなる。さらに、インジェクションフィーダ211によって搬送と同時に分級装置100へ粉体材料の分散が進み、実施例5の分級装置100と併用することで分級室6での粗粉の飛び込みがより減少し、分級精度が向上する。
そして、実施例1と同一の混練品を用いて、図11に示すインジェクションフィーダ211で、粉砕上り品を分級装置100に送った。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径6.40[μm]で4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で49.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で0.6[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
実施例7では、図12に示す粉砕分級装置200を用いた。図12に示す構成は、捕集サイクロン203の後に、機内圧力を制御するためのダブルダンパー212と、二次エアー調整ノズル213とを具備する点で図11に示す構成と異なる。
実施例7のように、捕集サイクロン203の後に、ダブルダンパー212と、二次エアー調整ノズル213とを配置し、分級装置100に供給する供給機をインジェクションフィーダ211に変更することで粉砕上りの脈動がなくなる。これにより、分級室6での粗粉の飛び込みがより減少し、分級精度が向上する。
そして、実施例1と同一の混練品を用いて、図12に示すダブルダンパー212と、二次エアー調整ノズル213とを介して、インジェクションフィーダ211で、粉砕上り品を分級装置100に送った。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径6.40[μm]で4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で49.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で0.5[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
(態様A)
気流と共に粉体材料が供給される粉体材料供給口1a等の粉体材料供給口を有する円柱状の円筒ケーシング2等のケーシング内に、上から順にセンターコア3等のセンターコアと、中心に製品粉排出口7等の開口部を有するセパレータコア4等のセパレータコアとを備え、ケーシングの上部内壁とセンターコアとで囲われ、気流と共に供給される粉体材料を分散する分散室5等の分散室と、センターコア、セパレータコア及びケーシングの内壁で囲われ、分散室から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室6等の分級室と、を構成する分級装置100等の分級装置において、分散室の最上部に、粉体と共に流入する気流とは別に、外部から粉体を含まない気体が分散室の円筒状の内周面の周方向に沿うように流入する流入口を円周方向に複数備え、流入口から気体が流入することで分散室内に旋回気流を発生させる分散室整流器60等の分散室旋回気流発生手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、粉体材料に対する気体の割合が多くない混相気体を分散室5に導く構成で、精度の良い分級を安定的に行うことができる。
(態様B)
態様Aにおいて、分散室の上面が平面状である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、分散室での旋回気流に淀みが生じることを防止し、安定した旋回気流を形成できるため、より精度の良い分級を安定的に行うことができる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、センターコアの中央部に、開口部内と連通した貫通孔31等の分散室開口部を備える。
これによれば、上記実施例2について説明したように、淀みがなく高速の旋回気流が発生する分散室と、分級室とで、二回分級が成されるため、一つの分級装置で多段分級が可能となり、よる分級精度が向上する。
(態様D)
態様Cにおいて、センターコアの中央部に、上方に向けて突き出した管状部材32等の管状部材を備え、管状部材の上端部が分散室開口部の入口となる。
これによれば、上記実施例4について説明したように、管状部材の突き出し量によって、粗粉の分散室開口部への進入をカットでき、二段分級時の粗粉の分級精度が向上する。
(態様E)
態様A乃至Dの何れかの態様において、角度α等の、センターコアを側方から投影した投影図に表される二等辺三角形の頂角の角度が、100[°]以上、160[°]以下である。
これによれば、上記実施例3について説明したように、当該角度を変更することでトナーの要求品質によって分散室内の旋回気流の速度の調整が可能となり、二段分級と組合わせると、さらに分級精度が向上する。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、開口部に、上方に向けて突き出し、開口部の円形の縁部に沿って円周方向に複数枚配置され、開口部に流入する気流を案内する案内羽根41等の案内羽根を備える。
これによれば、上記実施例5について説明したように、案内羽根の突き出しによって開口部に粗粉が進入することを防止でき、分級室での粗粉の飛び込みが更に減少し分級精度が向上する。
(態様G)
粉体の原材料を粉砕して粉体を作製する粉砕装置202等の粉砕手段と、粉砕手段で得た粉体を粒子の大きさによって選り分ける分級手段とを備える粉砕分級装置200等の粉砕分級装置において、分級手段として、態様A乃至Fの何れかの態様の分級装置100等の分級装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、粉砕分級工程後のトナーは、シャープな粉砕粒度分布が確保できる。
(態様H)
態様Gにおいて、粉砕装置202等の粉砕手段が、円筒状のステーター等の固定筒と、固定筒の内部に固定筒に対して中心軸が重なるように配置され該中心軸を中心に回転可能な円柱状のローター等の回転子とを有し、回転子が回転することによって、固定筒の内周面と回転子の外周面との隙間を通過する被粉砕物を粉砕する機械式粉砕機である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、機械式粉砕機を用いることで粉砕工程での省エネルギー化を図ることができる。また、トナーの製造方法における粉砕分級工程に用いることで、トナー粉砕分級工程(微粉砕+粗粉閉回路分級)において粉砕部の過粉砕を防止し、粉砕で発生する粗大粒子を要求品質以上に製品内に混入することを防止できる。さらに、トナー粒子を安定して容易に得られ、品質特性や生産効率面も好適な静電荷像現像用トナーの製造方法を実現できる。
(態様I)
態様GまたはHにおいて、粉砕手段で粉砕されて得た粉砕物としての粉体は、捕集サイクロン203等の捕集サイクロンからインジェクションフィーダ211インジェクションフィーダを介して、分級装置に供給され、分級装置で分級された粗粉等の大径粉体は再び粉砕手段に戻して粉砕される閉回路粉砕を行う。
これによれば、上記実施例6について説明したように、ライン構成がシンプルで省エネとなり、インジェクションフィーダによって搬送と同時に分級装置へ粉体材料の分散が進む。
(態様J)
態様Iにおいて、捕集サイクロンとインジェクションフィーダとの間に、機内圧力を制御するためのダブルダンパー212等のダブルダンパーと二次エアー調整ノズル213等の二次エアー調整ノズルとを具備する。
これによれば、上記実施例7について説明したように、で粉砕上りの脈動がなくなり、分級装置の分級室での粗粉の飛び込みがより減少し、分級精度が向上する。
1a 粉体材料供給口
2 円筒ケーシング
3 センターコア
3b 供給孔
4 セパレータコア
4b 粗粉排出孔
5 分散室
6 分級室
7 製品粉排出口
8 下部ホッパー
9 整流器
9a 二次空気流供給流路
10 製品粉排出管
11 下部開口部
12 ルーバー板部
31 貫通孔
32 管状部材
41 案内羽根
55 超微粉排出管
60 分散室整流器
60a 分散室二次空気流供給流路
100 分級装置
101 上蓋
101f 上蓋内側面
120 分散室ルーバー板部
200 粉砕分級装置
201 原材料供給フィーダ
202 粉砕装置
203 捕集サイクロン
204 定量フィーダ
205 分級供給用インジェクションノズル
206 粗粉搬送用インジェクションノズル
207 製品粉捕集サイクロン
208 製品粉供給フィーダ
209 粗粉捕集サイクロン
211 インジェクションフィーダ
212 ダブルダンパー
213 二次エアー調整ノズル
222 ジェットミル式粉砕装置
301 原料供給ノズル
302 コアンダブロック
303 分級エッジ
400 エルボージェット分級機
500 インジェクションノズル
501 ホッパー
502 ノズル部
Claims (10)
- 気体及び粉体材料からなる粉体含有気体が供給される粉体材料供給口を有する円柱状のケーシング内に、
上から順にセンターコアと、
中心に開口部を有するセパレータコアとを備え、
前記ケーシングの上部内壁と前記センターコアとで囲われ、気流と共に供給される粉体材料を分散する分散室と、
前記センターコア、前記セパレータコア及び前記ケーシングの内壁で囲われ、前記分散室から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室と、を構成する分級装置において、
前記分散室の最上部に、前記粉体含有気体とは別に、外部から粉体を含まない粉体非含有気体が前記分散室の円筒状の内周面の周方向に沿うように流入するスリット状の流入口を円周方向に複数有し、前記流入口から前記粉体非含有気体が流入することで前記分散室内に旋回気流を発生させる分散室旋回気流発生手段を備え、
前記分散室旋回気流発生手段の内側の前記分散室に向けて開口する前記粉体材料供給口で前記分散室に接続され、前記粉体含有気体を前記粉体材料供給口から前記分散室に供給する粉体材料供給管と、
前記分散室旋回気流発生手段に前記粉体非含有気体を供給する分散室気体供給手段と、を備え、
前記分散室気体供給手段から供給された前記粉体非含有気体は、前記分散室旋回気流発生手段の前記流入口から前記分散室内に供給されることを特徴とする分級装置。 - 請求項1の分級装置において、
前記分散室の上面が平面状であることを特徴とする分級装置。 - 請求項1または2の分級装置において、
前記センターコアの中央部に、前記開口部内と連通した分散室開口部を備えることを特徴とする分級装置。 - 請求項3の分級装置において、
前記センターコアの中央部に、上方に向けて突き出した管状部材を備え、前記管状部材の上端部が前記分散室開口部の入口となることを特徴とする分級装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の分級装置において、
前記センターコアを側方から投影した投影図に表される二等辺三角形の頂角の角度が、100[°]以上、160[°]以下であることを特徴とする分級装置。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の分級装置において、
前記開口部に、上方に向けて突き出し、前記開口部の円形の縁部に沿って円周方向に複数枚配置され、前記開口部に流入する気流を案内する案内羽根を備えること特徴とする分級装置。 - 粉体の原材料を粉砕して粉体を作製する粉砕手段と、
前記粉砕手段で得た粉体を粒子の大きさによって選り分ける分級手段とを備える粉砕分級装置において、
前記分級手段として、請求項1乃至6の何れか一に記載の分級装置を備えることを特徴とする粉砕分級装置。 - 請求項7の粉砕分級装置において、
前記粉砕手段が、
円筒状の固定筒と、
前記固定筒の内部に前記固定筒に対して中心軸が重なるように配置され前記中心軸を中心に回転可能な円柱状の回転子とを有し、
前記回転子が回転することによって、前記固定筒の内周面と前記回転子の外周面との隙間を通過する被粉砕物を粉砕する機械式粉砕機であることを特徴とする粉砕分級装置。 - 請求項7または8の粉砕分級装置において、
前記粉砕手段で粉砕されて得た粉砕物としての粉体は、捕集サイクロンからインジェクションフィーダを介して、前記分級装置に供給され、
前記分級装置で分級された大径粉体は再び前記粉砕手段に戻して粉砕される閉回路粉砕を行うことを特徴とする粉砕分級装置。 - 請求項9の粉砕分級装置において、
前記捕集サイクロンと前記インジェクションフィーダとの間に、前記インジェクションフィーダの機内圧力を制御するためのダブルダンパーと二次エアー調整ノズルとを具備することを特徴とする粉砕分級装置。
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