JP6238104B2 - 分級装置及び粉砕分級装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粉体を粒子の大きさによって選り分ける分級装置、及び、この分級装置を用いた粉砕分級装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーの製造工程では、粒子径にばらつきのあるトナーの材料の粉体を粒子径に応じて分級する分級工程を備えるものがある。この分級工程に使用する分級装置としては、特許文献1〜3のように、粉体と気体とが混相された混相気体に対して旋回気流を作用させることによって粉体を粒子の粒径に応じて分級する分級装置が知られている。
図16及び図17は、従来の分級装置100の一例を示す説明図である。図16は、分級装置100の鉛直方向に平行な断面についての説明図である。図17(a)は、図16中のA−A’断面で示す断面についての説明図であり、図17(b)は、図16中のB−B’断面で示す断面の説明図である。
分級装置100は、円筒ケーシング2内の上部に分散室5、下部に下部ホッパー8が形成され、分散室5と下部ホッパー8との間に分級室6が形成されている。分散室5には、一次空気流と原料粉体とを供給する粉体材料供給管1が接続されている。分散室5の下方には、中央が高い笠状のセンターコア3が円筒ケーシング2に固定されるように取り付けられており、このセンターコア3の下縁外周と円筒ケーシング2の内壁との間に、粉体が通過可能な環状の供給孔3bが形成されている。
センターコア3の下方には、中央部が高い笠状のセパレータコア4が具備されており、このセパレータコア4の下縁外周と円筒ケーシング2の内壁との間に環状の粗粉排出孔4bが形成されており、また、セパレータコア4の中央部には製品粉排出口7が形成されている。このようなセンターコア3とセパレータコア4との間の空間が分級室6となる。
図17(a)に示すように、粉体材料供給管1の分散室5内側の端部は、分散室5における円筒ケーシング2の内周面に沿うように配置された供給口となっている。このように配置された粉体材料供給管1から高圧の混相気体を供給することで、図16及び図17(a)中の矢印Cで示すように、内周面に沿うように旋回する一次空気流が形成される。
円筒ケーシング2の分級室6を形成する部分の下部には、二次空気流が流入するための二次空気流入口が具備された整流器9が配置されている。整流器9は、図17(b)に示すように、複数枚のルーバー板部12を環状に配置した構成であり、二次空気流入口は、隣り合うルーバー板部12同士の間のスリットによって構成されている。このスリットより導入される二次空気流の方向は、分級室6において旋回しながら下降する粉体材料の旋回方向に噴出する方向であり、この二次空気流によって粉体材料を分散させ、かつ、旋回速度を加速させるようになっている。
また、製品粉排出口7には負圧が作用しており、吸引する気流が形成される。このような分級室6では、スリットから流入する二次空気流と、製品粉排出口7で吸引する気流とによって形成される半自由渦の中で、粗粒子と製品粒子との各々に作用する遠心力が異なることを利用して分級を行う。
詳しくは、分級室6に受け渡された粉体は、二次空気流による旋回気流が作用し、粒径が小さく軽い粒子は旋回気流によって作用する遠心力が小さいため製品粉排出口7に働く負圧によって吸引され、製品粉として図中矢印E4で示すように次工程へ受け渡される。
一方、粒径が大きく重い粒子は、旋回気流によって作用する遠心力が大きいため、製品粉排出口7に働く負圧では製品粉排出口7まで到達できず、セパレータコア4の上面に当たって、その笠状の表面に沿って外側に滑り落ち、粗粉排出孔4bから下部ホッパー8に到達する。下部ホッパー8に到達した粉体は粗粉として、図中矢印E5で示すように下部開口部11から排出される。
しかし、図16及び図17に示す分級装置100では、図17(a)に示すように、分散室5内に流入する気流が粉体と混相された混相気体が円筒ケーシング2の内周面の一箇所から流入するのみである。このように一箇所からのみ気流が流入する構成では、分散室5内での混相気体の旋回速度が遅く、旋回速度が遅い混相気体が供給孔3bを通過して、分級室6内で二次空気流によって旋回速度を加速されても、旋回速度が不十分となることがあった。旋回速度が不十分であると、粉体の粒子に働く遠心力の差が小さくなり、製品粉に粗粒子が混入したり、粗粉に製品粉の粒子が混入したりして、分級精度が低下することがあった。
特許文献1乃至3には、整流器9のように、分散室内に旋回気流を発生させる旋回気流発生手段を分散室に配置した(以下、「分散室旋回気流発生手段」と呼ぶ)構成が記載されている。この分散室旋回気流発生手段は、分散室の円筒状の内周面の周方向に沿うように気流を流入させるスリット状の流入口を円周方向に複数備えた構成である。このような分散室旋回気流発生手段を設けることで、分散室5内での混相気体の旋回速度が速くなり、混相気体が供給孔3bを通過して、分級室6内で二次空気流によって旋回速度を加速されたときの十分な旋回速度を得ることが出来る。これにより、分級精度の向上を図ることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の分級装置は、分散室旋回気流発生手段を分散室の天井よりも低い位置に設けている。このような構成の場合、分散室旋回気流発生手段よりも上方の天井との間の空間に気体が滞留する領域が形成され、分散室に供給された粉体の一部が、この気体が滞留する空間に進入して滞留し、ある程度溜まると、自重により落下することがあった。ある程度溜まったタイミングで粉体が落下してくると、分散室から分級室に受け渡される粉体の量にバラツキが生じ、安定した分級を行うことができなくなる。
一方、特許文献2及び3に記載の分級装置は、分散室旋回気流発生手段を分散室の最上部に配置している。これにより、分散室の天井との間に粉体が滞留する空間が形成されることがなく、安定した分級を行うことができる。
分散室旋回気流発生手段によって分散室内に安定した旋回気流を形成するためには、筒状の内周面の複数箇所から分散室内に取り込む気流として、ある程度の流量が必要となる。
特許文献2及び3に記載の分級装置では、分散室旋回気流発生手段が円筒状の内周面の複数箇所から分散室内に取り込む気流は、分級対象である粉体と気体とが混相された混相気体の気流となっている。
特許文献2及び3に記載の分級装置では、分級装置に粉体を供給する粉砕装置がジェットミル方式の粉砕装置であり、この方式の粉砕装置は、圧縮した気体を粉砕対象の原材料と共に衝突部材に対して高速で衝突させる構成である。圧縮した気体によって粉体を衝突させているため、粉砕後の粉体を含んだ混相気体は粉体に対する気体の割合が非常に大きくなっている。この混相気体を分散室旋回気流発生手段によって分散室内に導くことで、安定した旋回気流を形成するために十分な流量の気流を得ることができる。
一方、粉砕装置として、円筒状のステーター(固定筒)内で円柱状のローター(回転子)を回転させることで、粉砕対象を粉砕する機械式粉砕機が知られている。機械式粉砕機は、ジェットミル方式の粉砕装置よりもエネルギー効率が高いため、近年、ジェットミル方式からの置き換えが進んでいる。
しかし、機械式粉砕機は、粉砕後の粉体を含んだ混相気体は、粉体に対する気体の割合がジェットミル方式に比べると、非常に小さくなる。そして、このような混相気体を分散室旋回気流発生手段によって分散室内に導いても、安定した旋回気流を形成するために十分な流量の気流を得ることができないという問題が生じる。
このような問題は、機械式粉砕機で得た混相気体を分散室に導く構成に限らず、粉体に対する気体の割合が多くない混相気体を分散室に導く構成であれば同様の問題が生じ得る。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、粉体に対する気体の割合が多くない混相気体を分散室に導く構成で、精度の良い分級を安定的に行うことができる分級装置、並びに、この分級装置を用いた粉砕分級装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、気体及び粉体材料からなる粉体含有気体が供給される粉体材料供給口を有する円柱状のケーシング内に、上から順にセンターコアと、中心に開口部を有するセパレータコアとを備え、前記ケーシングの上部内壁と前記センターコアとで囲われ、気流と共に供給される粉体材料を分散する分散室と、前記センターコア、前記セパレータコア及び前記ケーシングの内壁で囲われ、前記分散室から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室と、を構成する分級装置において、前記分散室の最上部に、前記粉体含有気体とは別に、外部から粉体を含まない粉体非含有気体が前記分散室の円筒状の内周面の周方向に沿うように流入する流入口を円周方向に複数有し前記流入口から前記粉体非含有気体が流入することで前記分散室内に旋回気流を発生させる分散室旋回気流発生手段を備え、前記分散室旋回気流発生手段の内側の前記分散室に向けて開口する前記粉体材料供給口で前記分散室に接続され、前記粉体含有気体を前記粉体材料供給口から前記分散室に供給する粉体材料供給管と、前記分散室旋回気流発生手段に前記粉体非含有気体を供給する分散室気体供給手段と、を備え、前記分散室気体供給手段から供給された前記粉体非含有気体は、前記分散室旋回気流発生手段の前記流入口から前記分散室内に供給されることを特徴とするものである。
本発明においては、分散室旋回気流発生手段によって、粉体と共に流入する気流とは別に、外部から粉体を含まない気体が流入して旋回気流を発生させる。このため、粉体に対する気体の割合が多くない混相気体を分散室に導く構成であっても、安定した旋回気流を形成することができる。
また、このような分散室旋回気流発生手段を分散室の最上部に備えているため、上記特許文献2及び3に記載の分級装置と同様に、精度の良い分級を安定的に行うことができる。
本発明によれば、粉体に対する気体の割合が多くない混相気体を分散室に導く構成で、精度の良い分級を安定的に行うことができるという優れた効果がある。
実施形態に係る分級装置の説明図。 実施形態に係る粉砕分級装置の説明図。 インジェクションノズルの拡大説明図。 実施形態に係る分級装置の水平方向に平行な断面についての説明図、(a)は、図1中のA−A’断面で示す断面についての説明図、(b)は、図1中のB−B’断面で示す断面の説明図。 超微粉排出管の有無による分散室での気流の流れの違いの説明図、(a)は、超微粉排出管を備えない構成の説明図、(b)は、超微粉排出管を備える構成の説明図。 実施例2の分級装置の説明図。 実施例2の分級装置の一部の拡大説明図、(a)は、センターコアの拡大説明図、(b)は、セパレータコアの拡大説明図。 センターコアの頂点の角度の説明図。 実施例4のセンターコアの説明図。 実施例5の分級装置の説明図、(a)は分級装置の全体の説明図、(b)は、セパレータコアの拡大説明図。 実施例6の粉砕分級装置の説明図。 実施例7の粉砕分級装置の説明図。 従来例1の粉砕分級装置の説明図。 エルボージェット分級機の分級部分の説明図。 従来例2の粉砕分級装置の説明図。 従来の分級装置の鉛直方向に平行な断面についての説明図。 従来の分級装置の水平方向に平行な断面についての説明図、(a)は、図16中のA−A’断面で示す断面についての説明図、(b)は、図16中のB−B’断面で示す断面の説明図。 従来の旋回気流式分級機の他の例の分級装置の説明図。 ジェットミル式粉砕装置を備えた粉砕分級装置の一例の説明図。
以下、本発明を適用した分級装置の実施形態について説明する。
図2は、本発明に係る分級装置100を備えた粉砕分級装置200を模式的に示した説明図である。
粉砕分級装置200は、原材料供給フィーダ201で供給されたトナー材料(図中矢印E1)は、粉砕装置202で粉砕される。粉砕されたトナー材料は、捕集サイクロン203で回収される(図中矢印E2)。次に、定量フィーダ204によって、分級供給用インジェクションノズル205に供給され、分級供給用インジェクションノズル205によって分級装置100に供給される(図中矢印E3)。
分級装置100は、製品となる粒径の製品粒子を含んだ製品粉と、製品粉より粒径が大きい粗粒子からなる粗粉とを分級する粗粉分級機である。分級装置100で分級された製品粉は、製品粉捕集サイクロン207によって捕集され、製品粉供給フィーダ208によって次工程へ受け渡される(図中矢印E7)。
分級装置100で分級された粗粉は、粗粉搬送用インジェクションノズル206によって粉砕装置202に戻される。粉砕分級装置200では、粗粉の状態のものは粉砕と分級とを繰り返すように、閉回路粉砕を構成している。
図3は、分級供給用インジェクションノズル205や粗粉搬送用インジェクションノズル206に用いることができるインジェクションノズル500の拡大説明図である。
インジェクションノズル500は、ホッパー501に供給されたトナー材料(機械式粉砕機の上がり品)に対して、ノズル部502から吐出速度が速い圧縮エアー(図中矢印F1)が供給される。
このとき、吐出速度が速い圧縮エアーが狭い流路を通過することで、ノズル部502が配置されたホッパー501の下部開口部近傍は、ベルヌーイの定理に基づいて説明が可能なベンチュリー効果によって、圧力が低下する。この圧力低下によってホッパー501内のトナーは次工程へと吸引供給される。
図2に示す粉砕装置202は、円筒状のステーターと、このステーターの内部にステーターに対して中心軸が重なるように配置され中心軸を中心に回転可能な円柱状のローターとを有する機械式粉砕機である。この機械式粉砕機のローターの外周面には、中心軸に平行で、間隔の狭い多数の凹凸がその周方向に沿って形成されており、ステーターの内周面にも、中心軸に平行で、間隔の狭い多数の凹凸がその周方向に沿って形成されている。そして、ローターが高速回転することによって、ステーターの内周面とローターの外周面との隙間を通過する被粉砕物を粉砕する。
図1及び図4は、粉砕分級装置200が備える本実施形態の分級装置100の説明図である。
図1は、分級装置100の鉛直方向に平行な断面についての説明図である。図4(a)は、図1中のA−A’断面で示す断面についての説明図であり、図(b)は、図1中のB−B’断面で示す断面の説明図である。
分級装置100は、円筒ケーシング2と、粉体材料供給管1と、センターコア3と、セパレータコア4と、整流器9と、製品粉排出管10と、下部開口部11と、を備える。
円筒ケーシング2は、円柱状の空間を形成し、円柱状の空間が上部から分散室5、分級室6及び大径粉体通過室である下部ホッパー8とに仕切られている。粉体材料供給管1は、図中矢印E3で示すように、その先端部の粉体材料供給口1aから分散室5内に粉体材料を気流と共に案内する。
円筒ケーシング2の形状としては、円筒形状である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。円筒ケーシング2の構造、大きさ、材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
円筒ケーシング2の上端部には、気体及び粉体からなる混相気体を分散室5内に供給する粉体材料供給管1が配置されている。粉体材料供給管1から粉体と共に供給される空気の流れを一次空気流と呼ぶ。
センターコア3は、分散室5の下方に配置され該分散室5と分級室6とを空間的に仕切り、中央が高い笠状で、笠状の最外周部と円筒ケーシング2の内壁との隙間によって粉体材料が通過可能な分級粉体供給孔である供給孔3bを形成する分散板である。セパレータコア4は、分級室6の下方に配置されて分級室6と下部ホッパー8とを空間的に仕切り、中央が高い笠状の分級板である。このセパレータコア4の笠状の最外周部と円筒ケーシング2の内壁との隙間によって粉体材料が通過可能な大径粉体排出孔である粗粉排出孔4bを形成する。
ここで笠状とは、上面が円錐の側面形状で、一定の厚さを備え、円錐の底面を備えず、底面側が中空の形状である。
整流器9は、円筒ケーシング2内の円柱状の空間の外から気体を導入し、分級室6内に旋回気流を発生させる分級室旋回気流発生手段である。製品粉排出管10は、セパレータコア4の中央部に形成された開口部である製品粉排出口7に気流と共に小径粉体である製品粉を外部に排出する小径粉体排出管である。また、下部開口部11は、製品粉排出口7に到達せず、粗粉排出孔4bを通過して、下部ホッパー8に流入した粗粉を外部に排出する大径粉体排出口である。
製品粉排出口7は、製品粉排出管10の入口であり、製品粉排出管10は製品粉捕集サイクロン207に接続されており、製品粉捕集サイクロン207を作動することで製品粉排出管10を介して、製品粉排出口7に分級室6内の空気を吸引する負圧が発生する。
分級装置100は、粉体材料供給管1から供給された粉体を、粒子の大きさによって、製品粉排出口7から排出される製品粉と、下部開口部11から排出される粗粉とに選り分ける。
さらに、分散室5の最上部に、分散室5内に旋回気流を発生させる分散室旋回気流発生手段である分散室整流器60を備える。分散室整流器60は、粉体材料と共に流入する一次空気流とは別に、外部から粉体材料を含まない気体が分散室5の円筒状の内周面の周方向に沿うように流入するスリット状の流入口を円周方向に複数備える。このスリット状の流入口から気体が流入することで、図中矢印Cで示すように、分散室5内に旋回気流が発生する。
分散室整流器60は、図4(a)に示すように、複数枚の分散室ルーバー板部120を環状に設けた形状である。環状に設けた分散室ルーバー板部120のうち隣り合う分散室ルーバー板部120の間に形成されるスリットが、旋回気流を生じさせるために分散室5内に粉体を含まない気流(以下、「分散室二次空気流」と呼ぶ)が流入するためのスリット状の流入口とある。環状に設けた分散室ルーバー板部120の外側に形成される分散室二次空気流供給流路60aには、不図示の分散室空気供給手段から空気流が供給される。これにより、分散室ルーバー板部120によって形成されるスリット状の流入口を通過した分散室二次空気流が分散室5内に導入される。これにより、分散室5内に旋回気流が形成され、粉体材料の分散が促され、且つ、分散室5に供給された粉体材料の旋回速度が加速する。
分級室6を形成する円筒ケーシング2の一部は、図4(b)に示すように、セパレータコア4の外周に複数枚のルーバー板部12を環状に設けた整流器9となっている。環状に設けたルーバー板部12のうち隣り合うルーバー板部12の間に形成されるスリットが、二次空気流が流入するための二次空気流入口となる。環状に設けたルーバー板部12の外側に形成される二次空気流供給流路9aに不図示の空気供給手段から空気流が供給されることによって、ルーバー板部12によって形成されるスリットを通過した二次空気流が分級室6内に導入される。このスリットより導入される二次空気流の方向は、分級室6において旋回しながら下降する粉体材料の旋回方向に噴出する方向であり、この二次空気流によって粉体材料を分散させ、かつ、旋回速度を加速させるようになっている。
分級室6では、整流器9の外周からスリットを通過して均等に流入した二次空気流の速い旋回により、粉体材料が効率良く粗粉と微粉とに遠心分級され、分級精度を向上させることができる。
分散室5内に供給された粉体材料は、一次空気流と分散室整流器60とによって形成される旋回気流によって旋回しながら落下する。センターコア3の位置まで到達すると、センターコア3の上面に沿ってセンターコア3の外周側に搬送され、供給孔3bから分級室6に受け渡される。分級室6に受け渡された粉体材料は、二次空気流による旋回気流が作用し、粒径が小さく軽い粒子は旋回気流によって作用する遠心力が小さいため製品粉排出口7に働く負圧によって吸引される。一方、粒径が大きく重い粒子は、旋回気流によって作用する遠心力が大きいため、製品粉排出口7に働く負圧では製品粉排出口7まで到達できず、セパレータコア4の上面に当たって、その笠状の表面に沿って外側に滑り落ちる。そして、粗粉排出孔4bから下部ホッパー8に到達する。
製品粉排出口7に吸引された微粉体は、製品粉排出管10を介して製品粉捕集サイクロン207に受け渡され、次工程へと受け渡される。
また、下部ホッパー8に到達した粗粉は、下部ホッパー8の最下端に形成された円形状の下部開口部11から排出され粉砕装置202へと受け渡される。
分級装置100における分級原理は、次の通りである。即ち、分級室6内において、分散室5から粉体と共に流入する一次空気流及び分散室二次空気流、外周側から流入する二次空気流、及び、製品粉排出口7から外部に排出される空気流が作用する。これらの空気流によって、粉体材料を旋回状に半自由流動させる際、粉体材料中の粒子の大きさ(質量)によって粒子に働く遠心力及び向心力が異なることを利用するものである。
図1の分級装置100は、分散室整流器60によって、粉体材料と共に流入する一次空気流とは別に、外部から粉体を含まない気体が分散室二次空気流として流入して旋回気流を発生させる。このため、粉体材料に対する気体の割合が多くない混相気体を分散室5に導く構成であっても、安定した旋回気流を形成することができる。また、このような分散室整流器60を分散室5の最上部に備えているため、精度の良い分級を安定的に行うことができる。
このように分級装置100は、粉体材料に対する気体の割合が多くない混相気体を分散室5に導く構成で、精度の良い分級を安定的に行うことができる。
ここで、従来の粉砕分級装置について説明する。
図13は、従来の粉砕分級装置200の一例(以下、「従来例1」と呼ぶ)を模式的に示した説明図である。
図13に示す粉砕分級装置200では、原材料供給フィーダ201で供給されたトナー材料(図中矢印G1)は、粉砕装置202で粉砕される。粉砕されたトナー材料は、捕集サイクロン203で回収され(図中矢印G2)、定量フィーダ204によって分級装置としてのエルボージェット分級機400に供給される(図中矢印G3)。
エルボージェット分級機400は、トナー材料を粒子の大きさに応じて、コアンダ効果によって微粉(図中矢印G4)、中粉(図中矢印G5)、粗粉(図中矢印G6)に分級する。分級された粉体のうち粗粉は図中矢印Gで示すように、粗粉捕集サイクロン209を介して粉砕装置202に戻る構成である。粉砕分級装置200では、エルボージェット分級機400で分級された粗粉は粉砕装置202に戻り、粗粉の状態のものは粉砕と分級とを繰り返すように、閉回路粉砕を構成している。
コアンダ効果を用いたエルボージェット分級機400としては、日鐵工業社のエルボージェット分級機が用いることができる。
エルボージェット分級機の基本原理を以下に示す。
エルボージェット分級機は、気流中の粒子の運動が各粒子のもつ慣性力と気流から受ける流体抵抗によって支配され、各々の粒子の飛行軌跡がその粒径により異なることを利用して分級する。
図14は、エルボージェット分級機400の分級部分の説明図である。
図14中矢印G3は、定量フィーダ204によってエルボージェット分級機400に供給されたトナー材料等の原料の流れ示し、図14中矢印Jは、分級のために供給される気流を示す。
エルボージェット分級機400に供給された原料は、不図示のエジェクター部で加速され、フィードエアと共に原料供給ノズル301より噴出され、その噴流は「コアンダ効果」によりコアンダブロック302に沿って流れようとする。
「コアンダ効果」とは「噴流はその一方の側だけに壁面を置くと、その壁面に沿って流れる」噴流の性質のことで、噴流の出口、下流の壁面が曲面である場合でも、壁面に沿って流れる。この効果により、原料供給ノズルから噴出された原料粉を含むフィードエアはコアンダブロックに沿って流れる。
この時原料中の各粒子は、粒子径(質量)によって各々異なる慣性力をもって分級機内に噴出されるが、微細な粒子は慣性力が小さいため、流体抵抗によって失速し噴流と共に流され、コアンダブロック302近傍を飛行する(図14中矢印G4)。一方、より粗い粒子は慣性力が大きいため、より遠くへ飛行とする事で分級が行われる(図14中の矢印G5は中粉、矢印G6は粗粉の流れを示す)。
気流排出側には任意の位置に設定できる分級エッジ303を設け、各々目的粒度別のいくつかの分級産物を同時に得ることができる(図14に示す構成では3分割)。
しかしながら、近年のトナーは高画質化や省エネまたは高速化に対応の要求品質が高まり低温軟化や小粒径でシャープな分布が要求されるため、従来のエルボージェットでは4「μm」以下の微粉分級精度に限界が生じ要求品質が満たされない問題を有している。この課題を解決するため近年では高速回転するローターによって生じる遠心力とローター内を通過するブロワー吸引によって発生する向心力によって分級する機械式分級機が知られている。このような機械式分級機としては、たとえばホソカワミクロン社のTSP,TTSP,ATP分級機、日清エンジニアリング社製のターボクシファイア、コンダックス社製のCFS−HD等が知られている。
このような機械式分級機を用いることによって、微粉は精度良く分級され要求品質を確保することが可能となった。
一方、機械式粉砕機で粗粉を効率よく分級できる粗粉分級機が要求される。
図15は、旋回気流式分級機としての分級装置100を備えた従来の粉砕分級装置200の二つ目の例(以下、「従来例2」と呼ぶ)を模式的に示した説明図である。
図15に示す粉砕分級装置200では、原材料供給フィーダ201で供給されたトナー材料(図中矢印E1)は、粉砕装置202で粉砕される。粉砕されたトナー材料は、捕集サイクロン203で回収され(図中矢印E2)、定量フィーダ204によって分級装置100に供給される(図中矢印E3)。
分級装置100は、製品となる粒径の製品粒子を含んだ製品粉と、製品粉より粒径が大きい粗粒子からなる粗粉とを分級する粗粉分級機である。分級装置100で分級された製品粉は、製品粉捕集サイクロン207によって捕集され、製品粉供給フィーダ208によって次工程へ受け渡される。
従来例2の分級装置100は、図16及び図17を用いて説明した分級装置100である。
図18は、従来の旋回気流式分級機の他の例の分級装置100の説明図である。
図18の分級装置100は、分散室5内に旋回気流を発生させる分散室整流器60を備える点で図16の分級装置100と異なる。また、分散室5の天井がカップ型の上蓋101で構成されている点も図16の分級装置100と異なる。
図16及び図17を用いて説明した分級装置100は、日本ニューマチック社のDS分級機と同様の構成であり、図18は、特許文献1に記載の構成を備えたものであって、日本ニューマチック社のDSX分級機と同様の構成である。
図18に示す分級装置100は、分散室5、分級室6さらに下部ホッパー8から構成されている。分散室5の上部外周面に一次空気流及び粉体材料の供給のための粉体材料供給管1が、分散室5の円筒状の内周面に沿って一次空気流等が流入するように接続されている。分散室5内の下に中央が高い笠状のセンターコア3が取り付けられており、このセンターコア3の縁外周囲には、分級室6へ粉体材料を供給する環状の供給孔3bが形成されている。
分級室6内の下に中央が高い笠状のセパレータコア4が取り付けられており、このセパレータコア4は、分級室6内の微粉を製品粉排出口7に導くための部材である。また、セパレータコア4の縁外周囲には、下部ホッパー8に粗粉を供給する環状の粗粉排出孔4bが形成されている。
分級室6内の微粉は製品粉排出口7に連結した製品粉排出管10より不図示のブロワーの吸引力によって排出される。
また、分級室6形成する円筒ケーシング2の一部は、複数枚のルーバー板部を環状に設け、ルーバー板部同士の間のスリット状の隙間によって二次空気流入口を形成する整流器9となっている。この整流器9から二次空気流が流入することで、粉体材料を分散させると共に旋回速度を加速させる。
図18に示す分級装置100の分級原理は分級室6内において流入する二次空気流が粉体材料を旋回上に反自由流動させる際、粉体材料中の粗粒子と微粒子とに対して働く遠心力及び向心力が異なることを利用するものである。従って分級室6内では分散された粗粒子や微粒子が再凝集することなく、速やかに粗粒子と微粒子に分級されることが望ましい。
図16及び図17に示す分級装置100も分散室5内で、旋回気流により原料を分散し、環状の供給孔3bから原料を分級室6に供給する。そして整流器9から供給される二次気流によって高速旋回流を形成し、粗粉と製品粉とを分離するものである。
また、図18に示す分級装置100は、分散室5に分散室整流器60から二次空気流を流入して原料をさらに分散するタイプである。
図16及び図17に示す分級装置100では、分散室5内での旋回速度が不十分となり、分級精度が低下することがあった。
一方、図18に示す分級装置100では、分散室整流器60から流入する二次空気流によって分散室5内での旋回速度を十分なものとすることができ、分級精度が低下することを抑制できる。
しかし、図18に示す構成では、分散室5の天井がカップ型の上蓋101で構成され、分散室整流器60が分散室5の天井よりも低い位置となっている。このような構成の場合、分散室整流器60よりも上方の天井との間の空間に気体が滞留する領域が形成され、分散室5に供給された粉体の一部が、この気体が滞留する空間に進入して滞留する。そして、ある程度溜まると、自重により落下することがある。このように、ある程度溜まったタイミングで粉体が落下してくると、分散室5から分級室6に受け渡される粉体の量にバラツキが生じ、安定した分級を行うことができなくなる。
一方、図1に示す本実施形態の分級装置100では、分散室整流器60から流入する二次空気流によって分散室5内での旋回速度を十分なものとすることができ、分散室5内に流入する粉流体の分散性向上し、分級精度が低下することを抑制できる。また、分散室整流器60を分散室5の最上部に配置しているため、分散室5の天井近傍に粉体が溜まることを防止し、分散室5から分級室6に受け渡される粉体の量が安定し、安定した分級を行うことができる。
図16及び図18に示すように、従来の分級装置100は、分散室5の天井部の中央部から、分散室5内に延在するように、微粉体を排出する超微粉排出管55を備える。これらの構成では、超微粉排出管55に負圧を発生させ、分散室5内の空気を吸引するが、下方に向けて開口させている。これにより、超微粉よりも粒径の大きな製品粉や粗粉が重力に逆らうように超微粉排出管55に吸引されることを抑制し、超微粉のみを超微粉排出管55から排出しようとするものである。
一方、図1の分級装置100は、従来の分級装置100と異なり、分散室5に超微粉排出管55を備えない構成となっている。図1の分級装置100の天井部は、平板型の上蓋101によって構成され、分散室5の上面となる上蓋101の上蓋内側面101fは下方に突き出た部材がない平面となっている。
分散室5の上面が平面上で、分散室整流器60によって分散室二次空気流を供給することで、分散室5内に高速旋回流が発生する。
図1の分級装置100の分散室5の高さ(H1)は、従来の分級装置100の分散室5の高さ(H2及びH3)よりも低くなって、分散室5が狭い(容積が小さい)構成となっている。
粉体材料供給管1から流入する一次気流と分散室整流器60から流入する分散室二次空気流とをあわせた気流の流量が一定の場合、分散室5が狭いほど分散室5内の旋回気流の旋回速度が速くなる。これにより、分散性が向上し、素早く分級室6へと粉体材料が移動する。
図16及び図17の従来の分級装置100では、分散室5の高さ(H2)が高いため、分散室5に流入した気流によって形成される旋回流は環状の供給孔3bに到達するに失速する。このとき、気流に含まれる粉体材料が再凝集して、分級室6に受け渡されることがある。
旋回気流が遅い構成で、超微粉排出管55を空けると、排出すべき超微粉のみではなく、製品粉も超微粉排出管55から排出されてしまい、分級点が変わることで製品粉排出管10から排出される製品粉の回収率が低下してしまう。
粉砕装置202として、ジェットミル方式の粉砕装置のように、混相気体中の粉体材料に対する気体の量が多く、一次気流の流量が多い場合は、旋回気流が速くなり、超微粉排出管55で超微粉のみを排出することも可能である。
しかし、本実施形態の粉砕分級装置200は、エネルギー効率の向上のため粉砕装置202として機械式粉砕機を用いており、一次気流の流量を多くすることはできない。このように一次気流の流量を多くすることが出来ない構成では、超微粉排出管55で超微粉のみを排出することは困難である。
また、機械式の粉砕装置202で粉砕した粉体材料を捕集サイクロン203で回収し、分級装置100に供給するため、本実施形態では新たな供給方法を採用している。
この理由は以下のとおりである。
すなわち、機械式粉砕機で粉砕された粉体材料を捕集する捕集サイクロン203内部の静圧が非常に高い(一般的には−20[Kpa]〜−35[Kpa])。一方、整流器9から二次空気流を流入する分級方式の分級装置100の機内静圧は低い(-10[Kpa]〜−15[Kpa])。気流は、静圧が低い方から高い方へと流入するため、上述した捕集サイクロン203と分級装置100とを直接接続しても、捕集サイクロン203内の混相気体を分級装置100に供給することが出来ない。このため、新たな供給方法を採用する必要がある。
そのため、捕集サイクロン203で一旦縁切りを行うため、分級装置100の入口に供給されるトナー粉流体(混相体)の流量(Q)は1〜3[m/h]と微量で、大半は分級供給用インジェクションノズル205を介して供給している。
機械式粉砕機を用いる構成であっても、ジェットミル式粉砕装置との組合わせのように分級機供給エアーを加圧方式で増加できれば解決はできる。しかし、供給のために圧縮エアーを10[m/min]〜30[m/min]が必要となりエネルギー効率は大幅に低下する。
供給のために外気吸引方式の二次空気流を用いると分級機内部の静圧が大きく低下(−10[Kpa]以下で大気圧に近づく)し分散室での旋回速度は上がる。しかし、超微粉排出管55を使用すると超微粉排出管55内の静圧が高い(−10[Kpa]〜−15[Kpa])ため製品領域まで排気されてしまい使用できない。
静圧の影響は分級室6にも及び、分散室5と同様に分級室6の静圧も低下する。そのため分級のために必要な整流器9からの二次空気流の流入が減ることで旋回速度低下が発生する。分級室6内の静圧が低下すると、分級室6に対する製品粉排出管10内の静圧が高くなるため、製品粉だけでなく、粗粉もが混入し分級精度が低下してしまう。
また、図18に示す分級装置100は、図16及び図17に示す分級装置100に比べて、分散室5の高さは低いものの、旋回速度を速くするために、分散室5に分散室整流器60を配置しているため、超微粉排出管55は活用できない。また分散室5の上蓋101が湾曲しているため、旋回気流によって旋回するトナーの一部が浮き上がり、分散室5の天井(上面)に滞留するトナーが発生し分散室5でのトナー濃度が上昇することで分散性が低下してしまう。
一方、図1に示す分級装置100は、粉体材料供給管1から供給される粉流体の流量を補うために、分散室5に分散室整流器60を設ける点までは、図18に示す分級装置100と同様である。しかし、上蓋101に湾曲部がなく、その下面(分散室5の上面)が下方に突き出た部材がない平面で、さらに、分散室高さ(H1)を最小限にしている。これにより、図18に示す分級装置100よりも旋回気流の速度を速くすることができ、分散性を高めることができる。
図1の分級装置100は、分散室高さ(H1)が低く、分散室5が狭いため、旋回気流の淀みがなく高速旋回を生じるため、分散性が大きく向上する。
さらに超微粉排出管55を排除したことにより粉体材料は、粉体材料供給管1から供給される一次空気流と、分散室整流器60から供給される分散室二次空気流との全ては、分級室6に設けられた製品粉排出口7から排出することが可能となる。これにより、粉砕後の粉体材料に含まれた、粗粉、特に粗大粒子だけを効率よく下部ホッパー8に送り、下部開口部11から排出することができる。下部開口部11から排出した粗粉は、粗粉搬送用インジェクションノズル206によって再び粉砕装置202に戻され、微粉砕される。
図5は、超微粉排出管55の有無による分散室5での気流の流れの違いの説明図であり、図5(a)は、超微粉排出管55を備えない構成の説明図、図5(b)は、超微粉排出管55を備える構成の説明図である。
図1の分級装置100は、分散室5の容積を最小限にすることで速い旋回気流が環状の供給孔3bを通じて分級室6に到達する。図1に示す分級装置100のように分散室5を狭くした構成で、さらに、図5(b)に示すように超微粉排出管55を設けると、分散室5は超微粉排出管55によって更に狭くなる。これにより、一次空気流と分散室二次空気流との流量が同じであれば、旋回気流の流速はさらに速くなることが考えられる。
しかし、分散室5の高さが低いために超微粉排出管55の挿入比率が上がり、超微粉排出管55とセンターコア3との距離が短く、旋回気流に対しては超微粉排出管55が阻害物となり、流れに乱れが生じる。図5(b)中の矢印C1及びC2のように、旋回気流が乱れると、気流と共に旋回する粉体材料が超微粉排出管55の内部に進入する。この進入を防ぐために、超微粉排出管55のバルブを完全に閉めてもバルブ面までは粉体材料の進入は発生する。
一方、超微粉排出管55を設けない構成であれば、図5(a)中の矢印Cで示すように、旋回気流に乱れが生じることを抑制できるため、図1に示す分級装置100のように、分散室5の面は平面であることが最良である。
また、本実施形態の粉砕分級装置200では、微粉の分級は不図示の機械式分級機で行っており、分級装置100を粗粉分級機として使用している。このため、分級装置100で超微粉を分級する必要がない。
仮に、図1に示す分級装置100に超微粉排出管55を設けると、必要としている超微粉(3[μm])分級を行うことが出来ず、製品粉も超微粉排出管55から排出されるため、分級装置100では超微粉排出管55を備えない構成が好ましい。さらに、上述したように、分散室5の高さを最小限としているため超微粉排出管55があると旋回気流に乱れが発生する点からも分級装置100では超微粉排出管55を備えない構成が好ましい。
3[μm]以下の領域の超微粉の分級には、ホソカワミクロン社製のTSP分級機やTTSP分級機が好ましく、粗粉の分級に適した図1に示す分級装置100を用いて超微粉の分級は不要である。なお、この領域の超微粉の一部は機械式粉砕機である202で粉砕された粉体材料を捕集する捕集サイクロン203の捕集効率によってかなり切れている。
不図示の機械式分級機や捕集サイクロン203によって製品粉から分離された超微粉は、原材料として再利用することができる。具体的にはトナー構成する樹脂、ワックス、カーボン、帯電制御材等の処方に、微粉再利用品として処方比に合せて添加比率が決められており混合・混練・冷却・破砕工程を経てトナー原料として活用する。
本実施形態の粉砕分級装置200では、目標粒径の製品粉に対し、過剰微粉(超微粉)や粗粉の混入を抑制することができる。また、発生する過剰微粉をも効率的に再利用可能とし消費動力の効率化することができる。このような粉砕分級装置200を乾式トナーの製造方法における粉砕分級工程に用いることで、粒径の分布がシャープなトナーを効率的に得ることができる。
本実施形態の粉砕分級装置200は、粉砕装置202として、機械式粉砕機を用いている。
機械式粉砕機としては、特許文献6〜特許文献10に記載されたものを挙げることができる。
機械式粉砕機は、回転筒(ローター)の水冷化と、回転筒の回転速度の更なる高速回転化(周速130[m/s]→160[m/s]→180[m/s]に拡大)とが進んでいる。これにより、今までジェットミル方式でしか粉砕できなかった微粉砕領域(11[μm]→9[μm]→6[μm])までもが可能になった。この機械式粉砕方式は回転筒とその外周に平行に具備された凹凸面の隙間で発生する磨砕力と隙間を通過する滞留時間とによって粉砕が繰り返される。このため粉砕効率が高く、COの発生量が抑制されるため、環境面からジェットミル方式粉砕機からの置き換えが進んでいる。
機械式粉砕機での微粉領域粉砕が可能となったことで主流であった粗粉と微粉とを同時でカットできる三分割分級機(エルボージェット)ではシャープな分級を得ることができず困難になって来た。すなわち微粒化による嵩密度の低下によって分級機内の分散性が低下し、所望の粒径を確保できない状態となった。そのため機械式粉砕機と組み合わせる場合、微粉、粗粉共に単独分級機が必要となってきた。
嵩密度の小さいトナー中に含まれる粗粉を分級するには、以下の三つの点が求められる。
一つ目は、大量に空気を高速流入し分級機内の含塵濃度を低下させる。
二つ目は、分級機内で分散されたトナーは素早く分級する。
三つ目は、粉体材料を大量に処理できる。
本発明に係る分級装置は、これらの三つの要求を満足できる気流式(旋回気流式)分級装置である。
機械式粉砕機は高速回転する回転筒とその外周に平行な小隙間を通過し粉砕を行うことから構成上、図2に示す捕集サイクロン203で一旦捕集を行い、縁切りを行った後、次工程となる粗粉分級(分級装置100)で分級を行うことが不可欠となる。
ここで、従来のジェットミル方式の粉砕装置を備えた粉砕分級装置について説明する。
図19は、ジェットミル方式のジェットミル式粉砕装置222を備えた粉砕分級装置200の一例の説明図である
図19に示す粉砕分級装置200では、原材料供給フィーダ201で供給された(図中矢印K1)粉体材料は、分級装置100へと送られる(図中矢印K2)。分級装置100としては、図16及び図17で示したものや図18で示したものを用いることができる。この分級装置100では、製品となる粒径の製品粒子を含んだ製品粉(図中矢印K3)と、製品粉より粒径が大きい粗粒子からなる粗粉(図中矢印K4)と、製品粉よりも粒径が小さい超微粒子からなる超微粒粉(図中矢印K7)とを分級する。分級装置100で分級された製品粉は、製品粉捕集サイクロン207によって捕集され、製品粉供給フィーダ208によって次工程へ受け渡される(図中矢印K6)。
分級装置100で分級された超微粉は、捕集され、原材料として再利用される(図中矢印K8)。一方、分級装置100で分級された粗粉は、ジェットミル式粉砕装置222に受け渡され(図中矢印K4)、ジェットミル式粉砕装置222で粉砕され、分級装置100へと受け渡される(図中矢印K5)。
ジェットミル方式の粉砕装置の場合は粉砕で発生した大量の圧縮エアーを処理して分級を行うため、図19に示すように、粉砕と分級が同時に取れる構成となる。
一方、図2に示す粉砕分級装置200では、粉砕装置202が機械式粉砕機であるため、捕集サイクロン203によって縁切りを行うことは必須となる。
以下、本発明に係る分級装置100を有する粉砕分級装置200によって粉砕分級を行った具体的な実施例について説明する。なお、以下に示す各実施例は一例であり、本発明の適用範囲を限定するものではない。また、各実施例及び各比較例の粒径測定に際してはコールターカウンター社のマルチサイザーを用いた。
〔実施例1〕
ポリエステル樹脂を80[重量%]と、カーボンブラックを15[重量%]と、WAXを5[重量%]との混合物をエクストルーダーにて溶融混練し、冷却固化し破砕した後、ホソカワミクロン社製のACMパルベライザーにて粗粉砕してトナー原料を得た。このトナー原料を図2に示す粉砕分級装置200を用いて粉砕分級を行った。
粗粉砕されたトナー原料を微粉砕する粉砕装置202としては、機械式フロイントターボ社製ターボミルRS型を用いた。
分級装置100としては、図1に示す分級装置を用いた。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.5[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で54.0[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で1.4[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
〔比較例1〕
実施例1と同一の混練品を用いて、図15に示す粉砕分級装置200を用いて粉砕分級を行った。分級装置100としては図16及び図17に示す従来の分級装置100を用いた。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、130[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.6[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で65.0[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で2.5[重量%]のトナー粒径を得た。
〔比較例2〕
実施例1と同一の混練品を用いて、図15に示す粉砕分級装置200を用いて粉砕分級を行った。分級装置100としては図18に示す従来の分級装置100を用いた。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、140[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.6[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で63.0[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で2.0[重量%]のトナー粒径を得た。
実施例1で用いた図1に示す分級装置100は、分散室5の淀みが減少されると同時に旋回速度が上昇し分散性が向上する。また分散室5内に超微粉排出管55を設けないことによって粉体材料と共に供給される一次空気流と、分散室整流器60から供給される分散室二次空気流との全てが、分級室6の製品粉排出口7から全量排出させるため分級点が大きくなる。
また、図1は示す分級装置100は、上蓋101の下面(分散室5の上面)がフラットのため分散室5での旋回流に淀みがなく精度よく分散される。このため比較例で用いた従来の分級装置100に比べて分級精度が向上しシャープな分布が得られる。
各実施例及び各比較例の結果を表1に示す。
Figure 0006238104
〔実施例2〕
実施例1の粉砕分級装置200に対して、分級装置100として図6に示す分級装置100を用いた。図6は実施例2の分級装置100の説明図であり、図7(a)は、実施例2の分級装置100が備えるセンターコア3の拡大説明図であり、図7(b)は、実施例2の分級装置100が備えるセパレータコア4の拡大説明図である。
実施例2の分級装置100は、分散室5のセンターコア3の中央部に、製品粉排出口7を備える製品粉排出管10内と連通した分散室開口部である貫通孔31を備える。
図7(a)に示すように、貫通孔31の直径をD2としたときに、その開口面積A2は、「A2=(D2/2)×π」となる。また、図7(b)に示すように、製品粉排出口7の直径をD1としたときに、その開口面積A1は、「A1=(D1/2)×π」となる。
そして、実施例2では、貫通孔31の開口面積A2と、製品粉排出口7の開口面積A1とが以下の(1)式を満たす関係になっている。
(A1×1/10)≦A2≦(A1×1/3) ・・・・(1)
実施例2のように、分級室6のセパレータコア4の製品粉排出口7に通じる貫通孔31を設けることで、分散室5で分散された微粉の一部をいち早く製品粉排出管10に送り排出させることができる。そして、貫通孔31より分級されない粉体材料が分級室6に送られる。このような構成により、淀みがなく高速の旋回気流が発生する分散室5と、分級室6とで、二回分級が成されるため、一つの分級装置100で多段分級が可能となり、よる分級精度が向上する。
なお、貫通孔31からの吸引力は、製品粉排出管10内の吸引力によって行われる。
図6に示す実施例2の分級装置100は、図1の分級装置100と同様に分散室5を限りなく狭くしていることで従来の分級装置に比べて、分散室5での旋回気流の速度は大幅に向上する。この旋回気流の速度が増すほど、粒子に働く慣性力が増加し、より小さな粒子も分散室5内の円筒状の壁側を旋回し、環状の供給孔3bに到達する。このため、センターコア3の中心に集まる粉体材料は微粒子リッチの状態になる。この集まった微粒子をいち早く製品粉排出管10側に吸引回収するために、センターコア3までの貫通孔31を空け、製品粉排出管10内の負圧による吸引力を利用して、センターコア3の中心から微粒子を回収する。
微粒子の分級点においては、粒子特性は狙いの粒子径によっても異なるため、粒子特性に応じて貫通孔31の開口面積A2を設定する必要がある。このように、貫通孔31の開口面積A2の設定を変更することで、分散室5での分級点をコントロールすることができる。
このように、実施例2では、分散室5の旋回気流の流速が増すことを利用して、分散室5に分級室としての機能も付加している。
実施例2の具体的な装置としては、図6に示す分級装置100で、貫通孔31の開口面積A2を「A1/5」に設定した。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.5[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で52.0.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で1.2[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
〔実施例3〕
本実施形態の分級装置100は、センターコアを側方から投影した投影図に表される二等辺三角形の頂角の角度(図8中の角度α1)が、100[°]以上、160[°]以下となっている。センターコア3の頂点の角度α1を変更することでトナーの要求品質によって分散室5内の旋回気流の速度の調整が可能となり、実施例2で説明した二段分級と組合わせると、さらに分級精度が向上する。
実施例3の具体的な装置としては、図6に示す分級装置100で、貫通孔31の開口面積A2を「A1/5」に設定し、図8に示す角度α1を150[°]に設定した。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.45[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で51.0[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で1.0[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
〔実施例4〕
実施例2の粉砕分級装置200に対して、図9に示すように、センターコア3の中央部に、上方に向けて突き出した管状部材32を備え、管状部材32の上端部が貫通孔31となる構成である。管状部材32の突き出し量L1としては、0[mm]〜50[mm]の範囲であることが望ましい。このような短い管状部材32を設けることで、粒子径、粒子特性に合せてセンターコア3を上り、貫通孔31から吸引される微粒子に、万一粗粉が混入するような場合、管状部材32の突き出しによって、粗粉の進入をカットできる。これにより、二段分級時の粗粉の分級精度が向上する。
実施例4の具体的な装置としては、図6に示す分級装置100で、貫通孔31の開口面積A2を「A1/5」に設定し、図8に示す角度α1を150[°]に設定し、さらに、管状部材32の突き出し量を30[mm]に設定した。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径が6.45[μm]、4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で50.0.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で0.9[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
〔実施例5〕
実施例1の粉砕分級装置200に対して、分級装置100として図10に示す分級装置100を用いた。図10(a)は実施例5の分級装置100の説明図であり、図10(b)は、実施例5の分級装置100が備えるセパレータコア4の拡大説明図である。
実施例5では、製品粉排出口7に上方に向けて突き出し、製品粉排出口7の円形の縁部に沿って円周方向に複数枚配置され、製品粉排出口7に流入する気流を案内する案内羽根41を備える。このような案内羽根41の突き出し量L2としては、0[mm]〜100[mm]の範囲であることが望ましい。
実施例5のように、案内羽根41を設けることで、粗粉がセパレータコア4を上ってきても案内羽根41の突き出しによって製品粉排出口7に粗粉が進入することを防止できる。これにより、分級室6での粗粉の飛び込みが更に減少し分級精度が向上する。
実施例5の具体的な装置としては、図10に示す分級装置100で、貫通孔31の開口面積A2を「A1/5」に設定し、図8に示す角度α1を150[°]に設定し、図10(b)に示す案内羽根41を突き出し量80[mm]で配置した。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径6.40[μm]で4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で49.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で0.7[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
〔実施例6〕
実施例6では、図11に示す粉砕分級装置200を用いた。図11に示す構成は、定量フィーダ204及び分級供給用インジェクションノズル205を備えず、捕集サイクロン203から直接、インジェクションフィーダ211によって分級装置100に粉体材料が供給される点で図2に示す構成と異なる。
分級装置100に粉体材料を供給する供給機構を、インジェクションフィーダ211に変更することで、ライン構成がシンプルで省エネとなる。さらに、インジェクションフィーダ211によって搬送と同時に分級装置100へ粉体材料の分散が進み、実施例5の分級装置100と併用することで分級室6での粗粉の飛び込みがより減少し、分級精度が向上する。
実施例6の具体的な装置としては、図11に示す粉砕分級装置200に、図10に示す分級装置100を用いた。そして、貫通孔31の開口面積A2を「A1/5」に設定し、図8に示す角度α1を150[°]に設定し、図10(b)に示す案内羽根41を突き出し量80[mm]で配置した。
そして、実施例1と同一の混練品を用いて、図11に示すインジェクションフィーダ211で、粉砕上り品を分級装置100に送った。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径6.40[μm]で4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で49.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で0.6[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
〔実施例7〕
実施例7では、図12に示す粉砕分級装置200を用いた。図12に示す構成は、捕集サイクロン203の後に、機内圧力を制御するためのダブルダンパー212と、二次エアー調整ノズル213とを具備する点で図11に示す構成と異なる。
実施例7のように、捕集サイクロン203の後に、ダブルダンパー212と、二次エアー調整ノズル213とを配置し、分級装置100に供給する供給機をインジェクションフィーダ211に変更することで粉砕上りの脈動がなくなる。これにより、分級室6での粗粉の飛び込みがより減少し、分級精度が向上する。
実施例7の具体的な装置としては、図12に示す粉砕分級装置200に、図10に示す分級装置100を用いた。そして、貫通孔31の開口面積A2を「A1/5」に設定し、図8に示す角度α1を150[°]に設定し、図10(b)に示す案内羽根41を突き出し量80[mm]で配置した。
そして、実施例1と同一の混練品を用いて、図12に示すダブルダンパー212と、二次エアー調整ノズル213とを介して、インジェクションフィーダ211で、粉砕上り品を分級装置100に送った。
このような粉砕分級装置200で粉砕分級を行ったところ、150[kg/hr]の原材料供給で、次のようなトナー粉砕粒径を得た。すなわち、重量平均粒径6.40[μm]で4[μm]以下の微粉含有率が個数平均で49.[個数%]、12.7[μm]以上の粗粉含有率が重量平均で0.5[重量%]のトナー粉砕粒径を得た。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
気流と共に粉体材料が供給される粉体材料供給口1a等の粉体材料供給口を有する円柱状の円筒ケーシング2等のケーシング内に、上から順にセンターコア3等のセンターコアと、中心に製品粉排出口7等の開口部を有するセパレータコア4等のセパレータコアとを備え、ケーシングの上部内壁とセンターコアとで囲われ、気流と共に供給される粉体材料を分散する分散室5等の分散室と、センターコア、セパレータコア及びケーシングの内壁で囲われ、分散室から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室6等の分級室と、を構成する分級装置100等の分級装置において、分散室の最上部に、粉体と共に流入する気流とは別に、外部から粉体を含まない気体が分散室の円筒状の内周面の周方向に沿うように流入する流入口を円周方向に複数備え、流入口から気体が流入することで分散室内に旋回気流を発生させる分散室整流器60等の分散室旋回気流発生手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、粉体材料に対する気体の割合が多くない混相気体を分散室5に導く構成で、精度の良い分級を安定的に行うことができる。
(態様B)
態様Aにおいて、分散室の上面が平面状である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、分散室での旋回気流に淀みが生じることを防止し、安定した旋回気流を形成できるため、より精度の良い分級を安定的に行うことができる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、センターコアの中央部に、開口部内と連通した貫通孔31等の分散室開口部を備える。
これによれば、上記実施例2について説明したように、淀みがなく高速の旋回気流が発生する分散室と、分級室とで、二回分級が成されるため、一つの分級装置で多段分級が可能となり、よる分級精度が向上する。
(態様D)
態様Cにおいて、センターコアの中央部に、上方に向けて突き出した管状部材32等の管状部材を備え、管状部材の上端部が分散室開口部の入口となる。
これによれば、上記実施例4について説明したように、管状部材の突き出し量によって、粗粉の分散室開口部への進入をカットでき、二段分級時の粗粉の分級精度が向上する。
(態様E)
態様A乃至Dの何れかの態様において、角度α等の、センターコアを側方から投影した投影図に表される二等辺三角形の頂角の角度が、100[°]以上、160[°]以下である。
これによれば、上記実施例3について説明したように、当該角度を変更することでトナーの要求品質によって分散室内の旋回気流の速度の調整が可能となり、二段分級と組合わせると、さらに分級精度が向上する。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、開口部に、上方に向けて突き出し、開口部の円形の縁部に沿って円周方向に複数枚配置され、開口部に流入する気流を案内する案内羽根41等の案内羽根を備える。
これによれば、上記実施例5について説明したように、案内羽根の突き出しによって開口部に粗粉が進入することを防止でき、分級室での粗粉の飛び込みが更に減少し分級精度が向上する。
(態様G)
粉体の原材料を粉砕して粉体を作製する粉砕装置202等の粉砕手段と、粉砕手段で得た粉体を粒子の大きさによって選り分ける分級手段とを備える粉砕分級装置200等の粉砕分級装置において、分級手段として、態様A乃至Fの何れかの態様の分級装置100等の分級装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、粉砕分級工程後のトナーは、シャープな粉砕粒度分布が確保できる。
(態様H)
態様Gにおいて、粉砕装置202等の粉砕手段が、円筒状のステーター等の固定筒と、固定筒の内部に固定筒に対して中心軸が重なるように配置され該中心軸を中心に回転可能な円柱状のローター等の回転子とを有し、回転子が回転することによって、固定筒の内周面と回転子の外周面との隙間を通過する被粉砕物を粉砕する機械式粉砕機である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、機械式粉砕機を用いることで粉砕工程での省エネルギー化を図ることができる。また、トナーの製造方法における粉砕分級工程に用いることで、トナー粉砕分級工程(微粉砕+粗粉閉回路分級)において粉砕部の過粉砕を防止し、粉砕で発生する粗大粒子を要求品質以上に製品内に混入することを防止できる。さらに、トナー粒子を安定して容易に得られ、品質特性や生産効率面も好適な静電荷像現像用トナーの製造方法を実現できる。
(態様I)
態様GまたはHにおいて、粉砕手段で粉砕されて得た粉砕物としての粉体は、捕集サイクロン203等の捕集サイクロンからインジェクションフィーダ211インジェクションフィーダを介して、分級装置に供給され、分級装置で分級された粗粉等の大径粉体は再び粉砕手段に戻して粉砕される閉回路粉砕を行う。
これによれば、上記実施例6について説明したように、ライン構成がシンプルで省エネとなり、インジェクションフィーダによって搬送と同時に分級装置へ粉体材料の分散が進む。
(態様J)
態様Iにおいて、捕集サイクロンとインジェクションフィーダとの間に、機内圧力を制御するためのダブルダンパー212等のダブルダンパーと二次エアー調整ノズル213等の二次エアー調整ノズルとを具備する。
これによれば、上記実施例7について説明したように、で粉砕上りの脈動がなくなり、分級装置の分級室での粗粉の飛び込みがより減少し、分級精度が向上する。
1 粉体材料供給管
1a 粉体材料供給口
2 円筒ケーシング
3 センターコア
3b 供給孔
4 セパレータコア
4b 粗粉排出孔
5 分散室
6 分級室
7 製品粉排出口
8 下部ホッパー
9 整流器
9a 二次空気流供給流路
10 製品粉排出管
11 下部開口部
12 ルーバー板部
31 貫通孔
32 管状部材
41 案内羽根
55 超微粉排出管
60 分散室整流器
60a 分散室二次空気流供給流路
100 分級装置
101 上蓋
101f 上蓋内側面
120 分散室ルーバー板部
200 粉砕分級装置
201 原材料供給フィーダ
202 粉砕装置
203 捕集サイクロン
204 定量フィーダ
205 分級供給用インジェクションノズル
206 粗粉搬送用インジェクションノズル
207 製品粉捕集サイクロン
208 製品粉供給フィーダ
209 粗粉捕集サイクロン
211 インジェクションフィーダ
212 ダブルダンパー
213 二次エアー調整ノズル
222 ジェットミル式粉砕装置
301 原料供給ノズル
302 コアンダブロック
303 分級エッジ
400 エルボージェット分級機
500 インジェクションノズル
501 ホッパー
502 ノズル部
特許2766790号公報 特開2009−189980号公報 特開2011−230048号公報 特開2006−055838号公報 特開平04−372959号公報 特開2002−040702号公報 特開2009−223066号公報 特許4065494号公報 特許4545897号公報 特許4644061号公報

Claims (10)

  1. 気体及び粉体材料からなる粉体含有気体が供給される粉体材料供給口を有する円柱状のケーシング内に、
    上から順にセンターコアと、
    中心に開口部を有するセパレータコアとを備え、
    前記ケーシングの上部内壁と前記センターコアとで囲われ、気流と共に供給される粉体材料を分散する分散室と、
    前記センターコア、前記セパレータコア及び前記ケーシングの内壁で囲われ、前記分散室から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室と、を構成する分級装置において、
    前記分散室の最上部に、前記粉体含有気体とは別に、外部から粉体を含まない粉体非含有気体が前記分散室の円筒状の内周面の周方向に沿うように流入するスリット状の流入口を円周方向に複数有し前記流入口から前記粉体非含有気体が流入することで前記分散室内に旋回気流を発生させる分散室旋回気流発生手段を備え
    前記分散室旋回気流発生手段の内側の前記分散室に向けて開口する前記粉体材料供給口で前記分散室に接続され、前記粉体含有気体を前記粉体材料供給口から前記分散室に供給する粉体材料供給管と、
    前記分散室旋回気流発生手段に前記粉体非含有気体を供給する分散室気体供給手段と、を備え、
    前記分散室気体供給手段から供給された前記粉体非含有気体は、前記分散室旋回気流発生手段の前記流入口から前記分散室内に供給されることを特徴とする分級装置。
  2. 請求項1の分級装置において、
    前記分散室の上面が平面状であることを特徴とする分級装置。
  3. 請求項1または2の分級装置において、
    前記センターコアの中央部に、前記開口部内と連通した分散室開口部を備えることを特徴とする分級装置。
  4. 請求項3の分級装置において、
    前記センターコアの中央部に、上方に向けて突き出した管状部材を備え、前記管状部材の上端部が前記分散室開口部の入口となることを特徴とする分級装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の分級装置において、
    前記センターコアを側方から投影した投影図に表される二等辺三角形の頂角の角度が、100[°]以上、160[°]以下であることを特徴とする分級装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の分級装置において、
    前記開口部に、上方に向けて突き出し、前記開口部の円形の縁部に沿って円周方向に複数枚配置され、前記開口部に流入する気流を案内する案内羽根を備えること特徴とする分級装置。
  7. 粉体の原材料を粉砕して粉体を作製する粉砕手段と、
    前記粉砕手段で得た粉体を粒子の大きさによって選り分ける分級手段とを備える粉砕分級装置において、
    前記分級手段として、請求項1乃至6の何れか一に記載の分級装置を備えることを特徴とする粉砕分級装置。
  8. 請求項7の粉砕分級装置において、
    前記粉砕手段が、
    円筒状の固定筒と、
    前記固定筒の内部に前記固定筒に対して中心軸が重なるように配置され前記中心軸を中心に回転可能な円柱状の回転子とを有し、
    前記回転子が回転することによって、前記固定筒の内周面と前記回転子の外周面との隙間を通過する被粉砕物を粉砕する機械式粉砕機であることを特徴とする粉砕分級装置。
  9. 請求項7または8の粉砕分級装置において、
    前記粉砕手段で粉砕されて得た粉砕物としての粉体は、捕集サイクロンからインジェクションフィーダを介して、前記分級装置に供給され、
    前記分級装置で分級された大径粉体は再び前記粉砕手段に戻して粉砕される閉回路粉砕を行うことを特徴とする粉砕分級装置。
  10. 請求項9の粉砕分級装置において、
    前記捕集サイクロンと前記インジェクションフィーダとの間に、前記インジェクションフィーダの機内圧力を制御するためのダブルダンパーと二次エアー調整ノズルとを具備することを特徴とする粉分級装置。
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