JP4739486B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リチウムイオン二次電池に関し、特に、負極合剤として用いられる黒鉛材料の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式LiCoOで表現されるコバルト酸リチウムに代表される、リチウムを含んだ複合金属酸化物を正極活物質とし、負極材料としてリチウムの吸蔵・放出可能な炭素材料及びリチウム塩を含む非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池は、高起電力で充放電サイクル中での容量劣化が少なく優れた耐久性を示すことで注目されている。これは正極及び負極に、リチウムの吸蔵・放出が可逆的に行われる材料を用いているためで、充放電過程においてリチウムとの複合化合物が可逆的に形成されることを利用したものである。
【0003】
例えば炭素材料を用いた負極と、セパレータを介して、コバルト酸リチウムを用いた正極と対向させ、非水電解液と共に電池を構成した場合、この電池は放電状態で組立てが完了することになる。このため、この種の電池は、組立て後に充電しないと放電可能状態にならない。この電池に対して第1サイクル目の充電を行うと、コバルト酸リチウムに含まれていたリチウムは放出され、その正極電位は貴な方向に移行し、負極炭素材料の層間にドープされる。そして放電を行うと、炭素材料にドープされていたリチウムは脱ドープし、再び正極のコバルト酸リチウムの中に吸蔵され、その正極電位は卑な方向に移行する。
【0004】
この種の電池の充電上限電圧を4.1V〜4.2V程度に設定した場合、正極電位は通常、リチウム電位に対して4.3V以上の貴な電位に達することは無く、負極電位はリチウム金属電位よりも卑に達することのないように、電池内に充填される正極材料及び負極材料の重量比率が任意に決定される。
しかし電池を充電する際、充電器の突然の故障により電池へ一時的に大電流が流れたり、電池が充電終止電圧に達してもなお通電状態が続く場合がある。このような過充電状態に曝された場合、電池内にガスが発生し、内圧が上昇して破裂するという問題を生ずる。
【0005】
ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池のような二次電池では上記のように電池内部でガスが発生した場合、このガスを電極で吸収できるため、破裂を未然に防止することが出来る。ところがこの種のリチウム二次電池においては、電極による発生ガスの吸収が行われないため、電池内圧の上昇により作動する安全弁すなわち防爆弁を設けて、内圧が所定の値以上になった場合には、上記ガスを排出し、爆発を防いでいる。
【0006】
例えば特開平2−112151号、並びに特開平2−288063号には、電池内の内圧の上昇に伴い電流を遮断する防爆型リチウムイオン二次電池が提案されている。この防爆型リチウムイオン二次電池は、内圧の上昇にともない内圧方向に変形を生じる防爆弁に、リード遮断用ストッパーを接触して取り付け、所定の内圧に達したとき、リード板が防爆弁より剥離するか、リード板が破断するようにして電流を遮断し、爆発を防ぐようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のリチウムイオン二次電池であっても、過充電状態に陥ると急速な温度上昇を生じるものがあった。本発明者らがこの原因を詳細に調査したところ、電池内圧がそれほど上昇する前に急激な発熱が起こり、前記電流遮断機構が有効に機能する前に、急速な温度上昇を起こす場合があることが判明した。
またこの現象の主な原因の一つとして、正極活物質である前記コバルト酸リチウムが過充電時において、リチウムが全て放出される前に酸素ガスを放出して急速に分解し、この時急激に発生する酸素ガスと、負極のリチウム−黒鉛層間化合物が急速に反応することによって、急速な温度上昇を伴う発熱が起こることが判った。
【0008】
本発明は、このような過充電状態に陥った電池の安全性を改良するものであって、その目的は、過充電時における正極活物質の酸化分解に伴う酸素ガスと、リチウム−黒鉛層間化合物との急速な反応を阻害し、これにより急速な温度上昇を未然に防ぐことができるリチウムイオン二次電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明のリチウムイオン二次電池にあっては、リチウムの可逆的な吸蔵・放出が可能なリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として含む正極合剤が金属箔上にシート状に成形された正極部と、リチウムの吸蔵・放出可能な黒鉛材料を主成分とする負極合剤が金属箔上にシート状に成形されてなる負極部とをセパレータを介して重ね合わせてなる電極体が、リチウム塩を含んだ非水電解液と共に密閉容器内に配置されてなるリチウムイオン二次電池において、前記黒鉛材料は、六方晶及び菱面体晶より構成され、X線広角回折法でもって測定したときに、(112)回折線から算出されるc軸方向の結晶子の大きさLc(112)が200(Å)から400(Å)、且つ平均粒子径が20(μm)から30(μm)であって、前記菱面体晶に帰属される(101)回折線のピーク面積をr(101)とするとともに、前記六方晶に帰属される(101)回折線のピーク面積をh(101)として、{r(101)×12/15}/{r(101)×15/12+h(101)}の式で規定される前記菱面体晶系の存在割合が15%以上25%以下の範囲とする。
【0010】
黒鉛には、六方晶系(ABAB・・・積層周期)に属する結晶の他に菱面体晶系(ABCABC・・・積層周期)に属する形態がある。図1に六方晶系黒鉛の単位格子を、図2に菱面体晶系黒鉛の単位格子を示す。六方晶系黒鉛は図1に示されたように炭素の六角網平面の積み重なりは、第1層に対して第2層は(2/3,1/3)だけ平行移動し、第3層はちょうど第1層に重なっている。即ち2層ごとに繰り返すABAB・・・の構造を持つ。一方菱面体晶系の黒鉛は図2のように第1層に対して第2層が(2/3,1/3)だけずれ、第3層はさらに(1/3,2/3)だけずれて第4層は第1層に重なっている。
【0011】
菱面体晶系黒鉛は高度に結晶が発達した人造黒鉛、あるいは黒鉛化度の極めて高い天然黒鉛などのような結晶子の平面方向(a軸)及び垂直積層(c軸)方向の格子歪みが極めて小さい六方晶系の黒鉛材料を粉砕することによってその一部に導入される結晶の形態である。粉砕初期段階では黒鉛層面間の非常に弱い結合、あるいは弾性定数の非常に小さな値(C44=4.5GPa)を反映して、層面に沿ってせん断変形が主として生じて、菱面体構造が出現すると考えられている。異方性弾性理論を用いて算出された菱面体構造が生じるための積層欠陥エネルギーは5.1〜5.8×10E(−2)J/mと小さいので、層面内の強い炭素−炭素結合を多数破壊して欠陥を多量に導入するには至らず、粉砕によって与えられた力学的なエネルギーを蓄える一環として菱面体構造が導入されると理解されている。しかしさらに粉砕を続けると、粉砕によって与えられた力学的なエネルギーを蓄えることが不可能となり、黒鉛層面に多量の欠陥が導入され、菱面体晶の導入と同時に層面の破壊までも生じることがある。以上のように菱面体構造は六方晶構造の積層欠陥によって生ずる形態であり、その存在比が大きくなった場合構造自身が破壊されると定性的に理解されている。
【0012】
このような菱面体晶構造及び六方晶構造の存在割合はX線広角回折法によって得られる回折ピークの強度比を検討することで検証可能である。管球に銅を用いたガイガーフレックス型粉末X線広角回折装置で測定する場合には、回折角(2θ/θ)が40〜50°付近を走査すればよい(以下回折操作の状態を表現する場合、及び単に回折角と表現された場合は、管球に銅を用いたガイガーフレックス型粉末X線広角回折装置で測定した場合を表現しているものとする)。ここで本発明範囲内の菱面体晶径黒鉛の存在割合は15〜25%と規定されているが、この値は測定条件に依存して微妙に変化するため、特に以下のような手法によって測定された場合に算出される値と限定する。
【0013】
先ず黒鉛試料を測定セルにつめ、グラファイトモノクロメータで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディフラクトメーター法によって広角X線回折曲線を測定する。X線管球への印可電圧及び電流は40kV及び40mAとし、発散スリットが1°、散乱スリットが1°、受光スリットが0.15mmに設定し、2θが41°〜48°までを毎分0.25°の速度で走査する。
【0014】
以上のような操作により測定した、平均粒径100(μm)の市販の天然黒鉛をめのう乳鉢で粉砕した黒鉛粉末の回折図形を図3に示す。特に結晶化度の高い黒鉛を粉砕した試料の場合通常このスペクトル帯域では4本の回折線を観察することができる。各々の回折線は42.3°付近及び44.4°付近に六方晶系の(100)面及び(101)面が、43.3°付近及び46.0°付近に菱面体晶系の(101)面及び(012)面が出現する。なお菱面体晶系の面指数は、図2で示されたように六方晶系と類似の単位格子をとった場合の指数付けで表現されており、本発明ではこの単位格子に従って面指数付けを行うこととする。
【0015】
本発明の負極部として用いられる黒鉛粉末の菱面体晶の存在割合は、15%以上25%以下であることを特徴としており、下式1に示されているように菱面体晶に特徴的な(101)回折線の面積と六方晶の(101)面の回折線の面積の合計との比率によって得られた値であり、より正確を期すために菱面体晶の(101)回折線の面積に補正計数15/12を乗算している。この比率は同一の元素に関わるものであるから、原子比、モル比または質量比で表現しても良い。
【0016】
(式1)
{r(101)×12/15}/{r(101)×15/12+h(101)}
ここでr(101)はX線広角回折法によって測定された菱面体晶に帰属される(101)回折線のピーク面積を、h(101)は同様にして測定された六方晶に帰属される(101)回折線のピーク面積を示す。
【0017】
ここで粉砕される原料黒鉛粉末の結晶化度が低い場合には、粉砕の程度を大きくしたとしても菱面体晶系に帰属されるピークを確認することはできない。このことは前述のように菱面体晶系の黒鉛は積層欠陥によって生ずる形態であるため、結晶化度の低い黒鉛は元々積層構造の発達が十分でなかったためであると考えられる。結晶化度が低いとはLc(112)が100Å以下の場合であり、それ以上の場合は、平均粒子径が20(μm)から30(μm)となるまで粉砕し、粉砕後のLc(112)が200(Å)から400(Å)であれば、25%以上の菱面体が導入されているのが通常である。
【0018】
しかしながら本発明に係る黒鉛材料は、粉砕後のLc(112)が200(Å)から400(Å)、平均粒子径が20(μm)から30(μm)であって、菱面体晶系の存在割合が15%以上25%以下であることを特徴としている。従って結晶化度が高いにもかかわらず、菱面体晶が導入され難い黒鉛材料と換言できる。一般に黒鉛材料は熱処理温度と共に結晶が発達し、その格子歪は減少するが、本発明に係る黒鉛材料は結晶が発達してもなお格子歪が残存するため、結晶子は大きいにも関わらず隣接六角網平面の対称性が低く、層面に沿ってせん断変形が生じ難い結果、菱面体晶が導入され難いことがその原因である。以下にこのような存在割合で菱面体晶を含んだ黒鉛粉末を得るための具体的な手法について述べる。
【0019】
本発明に係る黒鉛材料は後述する原料Aと原料Bとを各々平均粒子径が10(μm)以下となるように粉砕し、重量比80:20〜99:1程度の範囲で、より好ましくは重量比95:5〜99:1程度の範囲で混合した後に不活性雰囲気下2800℃以上の高温で黒鉛化することによって得られる。このように混合比率が限定されるのは99%よりも原料Aの混合比率が高い場合には黒鉛化後の結晶内部に導入される格子歪が少なく、平均粒子径が20(μm)から30(μm)となるように粉砕した後のLc(112)が200(Å)から400(Å)であれば、導入される菱面体晶が25%以上となるため好ましくない。逆に原料Aの混合比率が80%以下である場合、導入される格子歪の量が多過ぎて、黒鉛化及び粉砕後のLc(112)が200Å以上とはなり難く、黒鉛材料自体の可逆的なリチウムの吸蔵・放出可能容量が低下するほか、同黒鉛材料が適用された電池は負荷特性も低下するため好ましくない。
【0020】
ここで原料Aは、不活性雰囲気下500℃〜1700℃に熱処理することによって得られる焼成体を偏向顕微鏡の下で観察した場合、モザイク構成単位が数十μm以上の繊維状であって、広い範囲にわたって異方性領域を持つ流れ構造を与えるような有機化合物であり、原料Bは同様にして得られた焼成体を偏向顕微鏡の下で観察した場合、微細組織がいわゆる”粒状モザイク組織”であって、モザイク構成単位が数μm〜十数μm程度を与えるような有機化合物である。
原料A及びBとして使用可能な有機化合物は次の通りである。
【0021】
(1)石炭コークス
コークス組織の形成は軟化過程でその大部分が決定される。良く軟化溶融する石炭では分子配向が進みやすく、方向性のある組織(異方性組織)が生成する。逆に軟化溶融しにくい石炭では分子の配列がランダムで等方性の組織になる。具体的には、石炭組織成分のうち乾留中に溶融変形して生成する組織(リアクティブ由来組織)のモザイク構成単位が数μm〜10μm程度の微粒モザイク状または中粗粒モザイク状であって、乾留中に軟化溶融せず石炭中に存在する原形のままのコークス組織(イナート由来組織)が異方性を帯びていないもの、例えば高揮発分低流動性炭、高揮発分高流動性炭、中揮発分中流動性炭等が原料Bとして用いられることが望ましい。逆にリアクティブ由来組織のモザイク構成単位が数10(μm)以上の葉片状であって、広い範囲にわたって異方性領域を持つ流れ構造を与えるような高揮発分低流動性炭、高揮発分高流動性炭、中揮発分高流動性炭等が原料Aとして用いられることが望ましい。一方異方性を帯びていないイナート由来組織成分が多く含まれ過ぎている場合、黒鉛化処理を行ったとしても結晶化度の発達が低く、Lc(112)が200(Å)以上とはならない場合があるので好ましくない。
【0022】
(2)コールタールピッチ又は石油ピッチ
原料油にキノリン不溶分(QI成分)、キノリン可溶・ベンゼン不溶分(BI・QS成分=βレジン)等を多く含み比較的軟化点が高いもの、具体的には、H/C原子比約0.6以下、軟化点約90℃以上の石油系ピッチが好ましい。ベンゼン可溶・四塩化炭素不溶分、四塩化炭素可溶・ヘプタン不溶分を多く含み、QI成分、BI・QS成分の含有量が少なく、軟化点が比較的低いもの、即ち、早期コーキング成分を含み比較的粘度の高い原料油は原料Bとして使用可能である。この種の原料油を不活性雰囲気下500℃〜1700℃に熱処理することによって得られる焼成体は、粒状モザイク組織が多く、微細組織が複雑で、光学的等方性に近い特性を有している。またピッチに空気吹き込みなどの処理を行ない、酸素を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)した改質ピッチも原料Bとして使用可能である。ここで酸素を含む官能基とは、母体であるピッチなどに化学結合された酸素から構成された原子又は原子団のことである。例えば、キノン基、エーテル結合、ラクトン結合、水酸基、エステル結合、カルボキシル基がある。
【0023】
このような操作は不溶・不融化処理によって達成される。不溶・不融化処理の具体的な手段としては、以下の方法に限定されるものではないが、例えば硝酸、混酸、硫酸、次亜塩素酸等の水溶液による湿式法、あるいは酸化性ガス(空気、酸素)による乾式法、さらに硫黄、硝酸アンモニア、塩化第2鉄等の固体試薬による反応等が用いられる。不溶・不融化処理によって改質された石油系ピッチを炭素化したものは、微粒モザイク組織が多く、微細組織が複雑で、光学的等方性に近い特性を有している。ただし石油ピッチに導入される酸素の量が多過ぎる場合、生成する黒鉛材料のLc(112)が200(Å)以上とはならない場合があるので好ましくない。また導入される酸素の量が少な過ぎてもその組織の改質は不可能であるため、不溶・不融化処理によって導入される酸素の量は、0.5重量%〜1.0重量%程度が望ましい。
【0024】
一方、原料油から早期コーキングを起こすようなアスファルテン、レジン成分等や、不純物(硫黄、酸素、窒素、金属類、触媒、フリーカーボン)等のように結晶子の配列時の弊害となるような成分を除去、あるいは少なくすることによって得られた原料油、またはピッチの中でも比較的粘度が低く、キノリン不溶分(QI成分)、キノリン可溶・ベンゼン不溶分(BI・QS成分=βレジン)等の成分含有量が比較的低く、ベンゼン可溶・四塩化炭素不溶分、四塩化炭素可溶・ヘプタン不溶分を多く含み、軟化点が比較的低い原料油は原料Aとして使用可能である。このようなピッチを不活性雰囲気下500℃〜1700℃に熱処理することによって得られる焼成体は、偏向顕微鏡の下で観察すると光学的異方性を有しており、その組織は流れ模様が主体となっている。
【0025】
(3)縮合性多環多核芳香族
縮合性多環多核芳香族とは、縮合多環芳香族炭化水素の重縮合体の巨大分子を指す。例えばピレン、ペリレン、イソビオラントロン等の有機化合物(主剤とも表現される)と、ベンズアルデヒド、9,10−ジハイドロアントラセン等の有機化合物(架橋材とも表現される)とを、パラトルエンスルホンサン、無水マレイン酸等の有機酸触媒下で100℃〜200℃程度で加熱・混合し、得られた重合物を必要に応じて中和処理を行って、残留溶液を吸引濾過等の手段で除去することによって得られる。このような縮合性多環多核芳香族は炭素化して得た炭素材料の偏光顕微鏡の下で観察される集合組織は、主剤及び結合材の選択に依存する。この場合も集合組織が粒状モザイク組織であって、モザイク構成単位が数μm〜十数μm程度を与えるような主剤及び結合材の組み合わせを選択するれば原料Bとして使用可能であり、モザイク構成単位が数十μm以上の繊維状であって、広い範囲にわたって異方性領域を持つ流れ構造を示すような焼成体を与えるような主剤及び結合材の組み合わせを選択すれば原料Aとして使用可能である。原料Bを与える主剤としてはナフタレン、フェナンスレン、ペリレン等であり、原料Aを与える主剤としてはアントラセン、ピレン、イソビオラントロン等が挙げられる。
【0026】
(4)特定の有機化合物を出発原料とした有機高分子化合物
2〜4環芳香族炭化水素またはその誘導体を不活性ガスによる加圧下で熱処理して得た有機高分子化合物も原料AまたはBとして使用可能である。2〜4環芳香族炭化水素またはその誘導体の例としては、ナフタレン、フェナンスレン、クリセン、アントラセン、ベンザンスレン、トリフェニレン、ピクセン、アセナフチレン、ピレン等が挙げられる。この中にあってもナフタレン、フェナンスレンを原料として用いた有機高分子化合物は集合組織が粒状モザイク組織であって、モザイク構成単位が数μm〜十数μm程度であるため原料Bとして特に好ましい。一方アントラセン、アセナフチレンまたはピレンを原料として用いた有機高分子化合物の集合組織はモザイク構成単位が数十μm以上の繊維状であって、広い範囲にわたって異方性領域を持つ流れ構造を示すため原料Aとして使用可能である。
【0027】
以上のような原料A及び原料Bを、各々平均粒子径が10(μm)以下となるように粉砕し、重量比99:1〜95:5程度の範囲で混合した後に不活性雰囲気下2800℃以上の高温で黒鉛化し、さらに粉砕することによって本発明に係る黒鉛材料が得られる。黒鉛材料の粉砕には通常、大きく分類するとボールミル、ジェットミル、コロイダルミルの3種が主に用いられている。
ボールミル粉砕とは、平均粒径100(μm)程度に予備粉砕された原料黒鉛粉末及び粉砕媒体を所定量だけポットミルに投入しポットに蓋をした後、ポット内を一旦真空状態にした上で雰囲気ガスを封入し、封入ラインの弁を締めて密閉状態として前記ポットを所定の回転速度に従って所望の時間回転させることにより粉砕を行うものである。この場合粉砕媒体としては、金属製またはセラミックス製のボールを、雰囲気ガスとしては窒素またはアルゴンガスあるいはヘリウムガス、二酸化炭素等の不活性ガスを使用するのが一般的である。
ジェットミル粉砕とは、超音波ノズルに粉体を連続的に供給し、ノズル内での圧空気流の攪乱による黒鉛粒子相互間の衝突と同時に、ノズル前方に設置した衝突板に固気混合気流を強制的に衝突させて粉砕を行うものである。またコロイダルミル粉砕とは、石臼の原理による方法で、金属あるいはセラミックスで作製された臼と臼の間隔を調節し、相互に逆方向へ回転させることにより粉砕する方法である。
【0028】
以上のような粉砕方法の中にあっても本発明範囲内の黒鉛粉末を得るためには、ジェットミル粉砕の場合が特に好ましい。なぜなら、粉砕の手法及び粉砕時間に依存して差はあるものの、粉砕操作によって黒鉛粒子の結晶子は小さくなり結晶化度が低下するのが普通であるが、ジェットミルによって粉砕された場合は他の粉砕方法の場合と比較して、結晶化度の低下のしかたが著しく小さいからである。この原因に関しては、他の粉砕機と比べてジェットミル粉砕では炭素層面に垂直に作用する力がより強いためであると考えられる。ただしジェットミルで粉砕された場合でも、粉砕されることによる結晶化度の低下は雰囲気ガスの影響を強く受けるので注意を要する。例えば雰囲気中に酸素あるいは水分が存在すると、へき開的な粉砕になりやすく粒子は薄片状に粉砕され結晶子が小さくなり易いが、ヘリウム、窒素、真空中では粒子は立体的に且つ超微粉に粉砕され、結晶子も立体的になり結晶化度は粉砕前と比較してそれほど変化がないからである。従って粉砕雰囲気に水分あるいは酸素の混入量を可能な限り低減させることが好ましい。この現象は粉砕するときの黒鉛粒子の摩擦係数の差によって説明されている。
【0029】
本発明に係る黒鉛材料は以上のような粉砕処理後の菱面体の存在比率が15〜25%に限定される。15%以下であれば、黒鉛材料の平均粒子径が大きいか、または元々の黒鉛材料の結晶化度が低く、粉砕を行っても菱面体が導入され難い場合がある。平均粒子径が大きい場合は、過充電状態に曝された電池の安全性は向上するものの、負荷特性が著しく低下するため好ましくない。また結晶化度が低い場合にはリチウムの吸蔵・放出可能な可逆容量が低く、電池容量が低下するため好ましくない。逆に25%以上であれば、黒鉛材料の平均粒子径が小さいか、若しくは結晶内部の格子歪が極めて小さい黒鉛材料が粉砕された場合がある。何れの場合においても過充電状態に曝された電池の安全性が低下するため好ましくない。
【0030】
また本発明に係る黒鉛材料は、以上のような粉砕処理を行った後のLc(112)が200〜500(Å)であることを特徴としている。なぜなら黒鉛材料のリチウム吸蔵・放出可能容量は結晶化度が高いほど大きく、理論値に近い容量が得られるからである。Lc(112)が200(Å)以下の場合、Lc(112)の低下(結晶化度の低下)と共に充放電可能な容量が低下するため好ましくない。またLc(112)が500(Å)を超える黒鉛材料は、本発明者等が行った限り、本発明に記載された製造方法では得ることが出来なかったため、Lc(112)は200〜500(Å)に限定される。
【0031】
なおLc(112)は日本学術振興会117委員会が定めた方法(文献名:日本学術振興会第117委員会,炭素,25,(No.36),1963)に準拠して算出した。先ず試料に対して約10重量%のX線標準用高純度シリコン粉末を内部標準物質として加え混合し、試料セルにつめ、グラファイトモノクロメータで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディフラクトメーター法によって広角X線回折曲線を測定した。X線管球への印可電圧及び電流は40kV及び40mAとし、発散スリットが2°、散乱スリットが2°、受光スリットが0.3mmに設定し、2θが81°〜89°までを毎分0.25°の速度で走査した。得られた回折図形は、文献(1)に従って、2θが83.6°付近に出現する黒鉛材料の(112)回折線の回折角及び半価幅を、2θが88.1°付近に出現するシリコン粉末の(422)回折線によって補正し、c軸方向の結晶子の大きさLc(112)を算出した。
【0032】
さらに本発明に係る黒鉛材料は上記粉砕処理後の平均粒子径が20〜30(μm)に限定される。平均粒子径が20(μm)以下の場合は、Lc(112)及び黒鉛材料に含まれる菱面体晶系の存在割合が本発明範囲内に含まれたとしても、過充電状態に陥った場合の電池の安全性が著しく低下するため好ましくない。平均粒子径が小さい場合には、表面積が大きくなるため、過充電時に正極から発生する酸素ガスとの反応面積が増加し、急速な温度上昇を伴う発熱が起こるからであり、この種の熱暴走反応を有効に食い止めることが出来なくなるからである。また平均粒子径が30(μm)以上の場合は、過充電状態に曝された電池の安全性は向上するものの、負荷特性が著しく低下するため好ましくない。粒子径が大きい場合は電解液との接触面積が低下し、黒鉛材料に吸蔵されたリチウムが放電時に電解液中に拡散し難くなるためであると考えられる。
【0033】
以上のようにして得られた黒鉛粉末を結着剤と共に溶剤に分散させたスラリーを各種の処理を行って銅箔に塗布・乾燥して作製した積層体を銅箔上に結着させたシート電極作製し、これを圧縮・成形することで本発明が適用されたリチウムイオン二次電池の負極のシート電極が得られる。
【0034】
一方正極部はこの種の円筒型及び角形電池に用いられる手法をそのまま適用することが可能である。ここで正極材料はLiCoOに代表されるようなLi含有複合酸化物が主流であるが、この酸化物自体の導電性が非常に小さいことから導電剤としての黒鉛類及びアセチレンブラックに代表されるようなカーボンブラック類を導電助剤として併用するのが通常である。すなわち正極部は、Li含有複合酸化物及び結着剤にさらに導電材及び導電助剤を添加した正極合剤として構成される。例えばこの種の円筒型及び角形電池に用いられる正極は、正極活物質粉末と導電剤を混合し、結着剤と共に溶剤に分散させたスラリーを各種の処理を行ってアルミニウム箔に塗布・乾燥して作製した積層体をアルミニウム箔上に結着させたシート電極を作製した後、これを圧縮・成形したものが用いられている。なお正極活物質、結着剤としてはこの種のリチウムイオン二次電池で通常用いられている材料が何れも使用可能である。例えば正極活物質としては、特に十分な量のリチウムを含んだ材料を用いることが電池の高容量化を達成させる観点から特に好ましい。例えばLiMnや一般式LiMO(ただしMはCo、Niの少なくとも一種を表す。従って、例えばLiCoOやLiCo0.8Ni0.2等)で表される複合金属酸化物やリチウムを含んだ層間化合物が好適である。また結着剤としては、電解液に対して溶解しないこと、耐溶剤性に優れることからポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル等のフッ素系樹脂、カルボキシメチルセルロ−ス、ポリアクリル酸ソ−ダ等の有機高分子化合物が適当である。
【0035】
以上のように構成された正極部及び負極部とをセパレータを介して構成された電極体に、リチウム塩が溶解された非水電解液が注液された状態で密閉容器内に配置することにより、本発明が適用されるリチウムイオン二次電池が完成する。非水電解液としては、有機溶媒と電解質を適宜組み合わせて調整されるが、これら有機溶媒と電解質もこの種の電池に用いられるものであればいずれも使用可能である。例示するならば、有機溶媒としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン及びこれらの混合物等である。電解質としてはLiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCl等であり、これら電解質は単独で用いても、あるいは2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0036】
====作用====
前述のように本発明者等は過充電時において、正極活物質である前記コバルト酸リチウムが、リチウムを全て放出する前に酸素ガスを放出して急速に分解し、この時急激に発生する酸素ガスと、負極のリチウム−黒鉛層間化合物が急速に反応することによって、急激な温度上昇を伴う発熱が起こること考えた。そこで黒鉛に吸蔵されたリチウムと当該酸素ガスとの反応速度を低下させれば、両者が急速に反応することなく熱暴走反応を起こすまでに至らないと考えた。酸素ガスとリチウムの反応過程における律速段階は、黒鉛の結晶内部から粒子表面に移動する拡散過程である。この拡散速度を更に低下させる手段として、黒鉛結晶の隣接六角網平面の対称性を低下させ、結晶子の大きさを低下させることなく格子歪を導入することを試み、本発明を完成するに至った。本発明ではその格子歪を評価する手段として、平均粒子径及び菱面体晶系黒鉛の存在割合の相互関係を用いている。前述のようにLc(112)が200(Å)から400(Å)、平均粒子系が20〜30(μm)の黒鉛材料であればであれば、25%以上の菱面体が導入されているのが通常であるが、本発明に係る黒鉛材料は同様なLc(112)及び平均粒子径であっても、菱面体晶系の存在割合が15%以上25%以下である。このことは結晶化度が高く結晶子は大きいにもかかわらず、なお格子歪が残存し、隣接六角網平面の対称性が低く、層面に沿ってせん断変形が生じ難い結果、菱面体晶が導入され難いからである。このような格子歪が残存した黒鉛材料であっても結晶子が大きいため、従来の天然黒鉛に代表される高結晶性鱗片状黒鉛と同等な可逆的吸蔵・放出可能容量を有し、且つ適切な平均粒子径を有するため従来の黒鉛材料と同等の負荷特性の確保が可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
====電池の作製====
本発明による単3型巻回式リチウム二次電池の構造を図4に示す。同図において1は正極板であり、正極活物質のLiCoOと導電材の黒鉛粉末(窒素吸着比表面積270m/g)及び導電助剤としてのアセチレンブラック粉末、結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂を重量比で94:2:1:3の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリジノン溶剤を加えてペースト状に混練したものを厚さ20(μm)のアルミニウム箔4の両面に塗着した後、乾燥、圧延し、所定の大きさに切断して帯状正極シートを作製した。なお圧延工程において、当該シート電極の合剤密度を3.4g/cmとなるように制御した。
電極厚みは70(μm)である。このシートの一部をシートの長手方向に対して垂直に合剤を掻き取り、アルミニウム製正極リード板18を集電体上に超音波溶接して取りつけた。活物質のLiCoOは硫酸コバルト水溶液に、水酸化カリウム水溶液を、当該混合溶液がpH=11.2になるまで滴下し、水酸化コバルト(Co(OH))を沈殿せ、この水酸化物を空気気流中、200℃に熱処理することにより四酸化三コバルトを得た。この四酸化三コバルト及び炭酸リチウムとを、Li/Co原子比が1.05になるように混合し、当該混合物を空気気流中、所定の温度(4)で10時間焼成することによりコバルト酸リチウムを作製した。得られたコバルト酸リチウムは、ボールミル粉砕機あるいはジェットミル粉砕機のような圧縮力、衝撃力を加えて粉砕することなく、軽く解砕することによって凝集状の粒子を解した。2は負極炭素材料極で種々の方法によって得た黒鉛粉末と結着剤のカルボキシメチルセルロースとを重量比で97:3の割合で混合し、イオン交換水加えてペースト状に混練したものを厚さ14(μm)の銅箔5の両面に塗着した後、乾燥、圧延し、所定の大きさに切断して帯状負極シートを作製した。このシートの一部をシートの長手方向に対して垂直に合剤を掻き取り、ニッケル製負極リード板7を集電体上にスポット溶接して取りつけた。
【0038】
なお圧延工程において、当該シート電極の合剤密度を1.2g/cmとなるように制御した。電極厚みは66(μm)である。これら正極と負極を3のポリプロピレン製の多孔質フィルムセパレータを介して渦巻き状に巻回し、ケース17内に挿入する。以上の操作の後、電解液を注入する。用いた電解液は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートが体積比で2:1:7に混合されている混合溶媒にLiPFが1.3(mol/l)になるように溶解されているものを用いた。挿入後電流遮断機構を備えた防爆型蓋要素を、ガスケット13と共に嵌合し、発電要素の封口を行う。当該蓋要素は、金属製の正極端子板8と、中間感圧板14と、上方に突出する突部10および基部11からなる導電部剤(10,11)と、絶縁性のガスケット13とを有し、該正極端子板8及び該固定板12はガス抜き穴が形成されており、該導電部剤(10,11)は該固定板12の上面部に、該突出部10の上面部が露出すると共に該固定板12の下面側に該基部11下面が露出し、該電池ケース4の開口部分の内周に該ガスケット13が嵌入され、該ガスケット13の内周に該固定板12がはめ込まれ、該固定板12の上に該中間感圧板14と該正極端子板8とが積層され、該導電部剤(10,11)と該中間感圧板14とは該導電部剤(10,11)の突出部10で両者が接続して、その接続部15を含む接触部分でのみ両者が導通しており、該正極リード板5の先端が該導電部剤(10,11)の基部11に接続されており、該電池ケース4の開口部分が内側にかしめられることで該ガスケット13が圧縮されて該電池ケース4が該蓋要素で密閉されている。該電池ケース4の内部が所定の内圧に達することにより、外側に膨出した該中間端子板14によって該導電部剤(10,11)の突出部10の該接続部15の周囲が破断することにより該正極リード板18と該正極端子板8との導電経路が遮断されるように構成されている。6はポリプロピレン製絶縁底板で、巻回時に生じる空間Aと同面積になるように穴が開いている。また16は巻回状電極群と正極リード板が短絡しないように挿入された絶縁板である。なお完成電池のサイズは単3形(14.5φmm×50mm)である。
【0039】
====黒鉛材料のLc(112)の測定====
試料に対して約10重量%のX線標準用高純度シリコン粉末を内部標準物質として加え混合し、試料セルにつめ、グラファイトモノクロメータで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディフラクトメーター法によって広角X線回折曲線を測定した。X線管球への印可電圧及び電流は40kV及び40mAとし、発散スリットが2°、散乱スリットが2°、受光スリットが0.3mmに設定し、2θが81°〜89°までを毎分0.25°の速度で走査した。得られた回折図形は、文献(1)に従って、2θが83.6°付近に出現する黒鉛材料の(112)回折線の回折角及び半価幅を、2θが88.1°付近に出現するシリコン粉末の(422)回折線によって補正し、c軸方向の結晶子の大きさLc(112)を算出した。
【0040】
====菱面体晶系黒鉛の存在割合の算出====
前述のX線広角回折装置を用い、内部標準物質を特に加えずに黒鉛粉末のみを試料ホルダーにつめて測定を行った。X線管球への印可電圧及び電流は40kV及び40mAとし、分離スリットが1°、発散スリットが1°、受光スリットが0.15mmに設定し、走査速度を毎分0.25°として(2θ/θ)が41°から48°までを低角度側から高角度側に走査してX線回折図形を得た。菱面体晶系黒鉛が少しでも存在していればこの測定範囲内において4本の回折線を観察することができる。各々の回折線は低角度側から(2θ/θ)が42.3°付近に六方晶系の(100)回折線が、43.3°付近に菱面体晶系の(101)回折線が、44.4°付近に六方晶系の(101)回折線が、46.0°付近に菱面体晶系の(012)回折線が出現する。X線回折は測定条件によってその結果が著しく変化するため、本発明範囲内で規定された菱面体晶の存在割合は以上の測定条件で得られた結果から算出された場合に限定されるものとする。得られた回折図形に対して任意にベースラインを設定し、これらの回折線を図上で分離することにより各々の回折線のピーク面積を算出した。菱面体晶に帰属される(101)回折線のピーク面積r(101)及び六方晶に帰属される(101)回折線のピーク面積h(101)を下式1に代入し、菱面体晶系黒鉛の存在割合を算出した。
【0041】
(式1)
{r(101)×15/12}/{r(101)×15/12+h(101)}
【0042】
====平均粒子径の測定====
黒鉛粉末の平均粒径を、レーザー回折式粒度分布測定装置(日本電子株式会社製HELOS)によって測定した。本明細書ではこの測定装置によって測定された累積50%径を平均粒径と表現することにする。なお測定された平均粒径によって適宜測定レンズを変更した。
【0043】
====黒鉛材料の作製====
(黒鉛1) アセナフチレンをオートクレーブに入れ、50kg/cmの窒素ガスを封入し、700℃まで加熱して炭化した。この際、昇温速度は室温から250℃までを100℃/時間、250℃〜550℃までを50℃/時間、550℃〜700℃までを100℃/時間とした。このようにして得たコークスを電気炉に入れ窒素気流中2800℃まで昇温し、5時間保持した後室温まで放冷した。
【0044】
(黒鉛2) アセナフチレン及びフェナンスレンの各々を平均粒子径が5(μm)となるように粉砕し、両者を90:10となるように混合した。この混合物をオートクレーブに入れ、50kg/cmの窒素ガスを封入し、700℃まで加熱して炭化した。この際、昇温速度は室温から250℃までを100℃/時間、250℃〜550℃までを50℃/時間、550℃〜700℃までを100℃/時間とした。このようにして得たコークスを電気炉に入れ窒素気流中2800℃まで昇温し、5時間保持した後室温まで放冷した。
【0045】
(黒鉛3) アセナフチレン及びフェナンスレンの各々を平均粒子径が5(μm)となるように粉砕し、両者を重量比97:3となるように混合した。この混合物をオートクレーブに入れ、50kg/cmの窒素ガスを封入し、700℃まで加熱して炭化した。この際、昇温速度は室温から250℃までを100℃/時間、250℃〜550℃までを50℃/時間、550℃〜700℃までを100℃/時間とした。このようにして得たコークスを電気炉に入れ窒素気流中2800℃まで昇温し、5時間保持した後室温まで放冷した。
【0046】
(黒鉛4) フェナンスレンをオートクレーブに入れ、50kg/cmの窒素ガスを封入し、700℃まで加熱して炭化した。この際、昇温速度は室温から250℃までを100℃/時間、250℃〜550℃までを50℃/時間、550℃〜700℃までを100℃/時間とした。このようにして得たコークスを電気炉に入れ窒素気流中2800℃まで昇温し、5時間保持した後室温まで放冷した。
【0047】
(黒鉛5) アントラセンとベンズアルデヒドを,モル比で0.198:0.304となるように混合し、この混合物にパラトルエンスルホン酸が5.19重量%となるように加えて充分に攪拌した。この状態で160℃まで加熱し、1時間保持した。その後水分及び未反応のベンズアルデヒドを真空蒸留によって除去し、乾燥した。このようにして得られた縮合性多環多核芳香族をボールミルで平均粒子径が5(μm)となるまで粉砕した。この粉砕物を原料Bとする。一方ピレン、ベンズアルデヒド、パラトルエンスルホン酸をモル比で0.126:0.157:0.011となるように混合し、充分に攪拌した。その後攪拌を続けながら150℃まで加熱し、この状態を2時間保持して放冷した。このようにして得られた縮合性多環多核芳香族をボールミルで平均粒子径が5(μm)となるまで粉砕した。この粉砕物を原料Aとする。原料Aと原料Bとを重量比95:5となるように混合し、700℃まで加熱して炭化した。この際、昇温速度は室温から250℃までを100℃/時間、250℃〜550℃までを50℃/時間、550℃〜700℃までを100℃/時間とした。このようにして得たコークスを電気炉に入れ窒素気流中2800℃まで昇温し、5時間保持した後室温まで放冷した。
【0048】
(黒鉛6) 高純度化された市販のマダガスカル産鱗片状天然黒鉛粉末(平均粒子径100(μm))をそのまま用いた。
【0049】
これら黒鉛1〜5を、アルゴンガスを気流に用いたジェットミルで平均粒径が凡そ40,30,25,20及び10(μm)となるように適宜調整して各々粉砕した。
【0050】
====電池の試験方法====
前述のようにして得られた黒鉛粉末のLc(112)、平均粒子径及び菱面体晶系黒鉛の存在比率を、対応する実施例番号と共に表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0004739486
【0052】
実施例番号に対応した電池を(電池の作製方法)に従って作製した。作製された電池に対し、充電電流を50mAの定電流として電池電圧が充電終止電圧4.2Vに達したところで充電操作を一時停止し、15分間休止の後、放電電流を50mAの定電流として電池電圧が放電終止電圧3.0Vに達したところで放電操作を一時停止し、15分間休止して充電操作を行う、充放電サイクルを5サイクル行った後に、後述する負荷特性試験を行い、試験終了後に後述の過充電試験を行った。
【0053】
(1)負荷特性試験
電池の充電は定電流/定電圧法により行った。充電電流は400mA、充電電圧は4.2V、充電時間は5時間である。以上の充電操作の終了後、15分間休止させ、放電電流を200mAとした定電流法で放電を行い、電池電圧が放電終止電圧である2.5Vに達したところで放電操作を一時停止した。さらに同様な充電操作及び休止を行った後、放電電流を600mAとした定電流法で放電を行い、同様な放電終止電圧である2.5Vに達したところで放電操作を終了させた。各々の放電電流で得られた見掛けの放電容量を表1中に示す。なお放電電流が600mAの場合に得られた見掛けの放電容量に対する、200mAの場合に得られたそれとの割合(%)を負荷特性と表現することとした。各電池で得られた負荷特性も表1中に示す。
【0054】
(2)過充電試験
負荷特性が終了した電池に対し、400mAの定電流で充電し続けて人為的に過充電状態を作り、電池の安全性を確認した。これらの結果を表1に示す。過充電試験の合否判断は、試験途中で過剰な発熱を生じるか否かで判断した。過剰発熱を生じなかった電池は、電流遮断機構を備えた安全弁が正常に作動したため、過充電途中で充電電流が遮断されたためであり、過剰発熱を生じるに至った電池は、電流遮断機構が正常に作動する前に、何らかの異常状態に陥ったことが原因であると考えられる。
【0055】
(3)実施例の結果
何れの黒鉛を用いた場合であっても平均粒子径が小さくなると共に負荷特性は向上した。ただし負荷特性と安全性試験の結果には明確な相関関係が認められなかった。
【0056】
黒鉛1及び黒鉛6を用いた電池は、どのような平均粒子径であっても過充電試験は不合格であった。両黒鉛は平均粒子径が約40(μm)であっても菱面体晶の存在比率が相対的に高いことから、元々結晶内部の格子歪が小さく、吸蔵されたリチウムの固相内拡散速度が大きかったためであると考えられ、過充電時には急激な熱暴走反応を引き起こしたと推定される。
【0057】
黒鉛2及び黒鉛5は平均粒子径が10(μm)以外の場合、過充電試験に合格した。ただし平均粒子径が40(μm)及び30(μm)の場合には負荷特性が80%未満となった。両黒鉛は菱面体晶の存在比率が黒鉛1及び黒鉛6の場合と比較して低いことから、結晶内部の格子歪が比較的大きく、吸蔵されたリチウムの固相内拡散速度が小さかったと考えられる。平均粒子径を少なくとも30(μm)未満にしなければ、負荷特性を80%以上にすることは困難であると推定される。
【0058】
黒鉛3は平均粒子径が10(μm)以外の場合、過充電試験に合格した。ただし平均粒子径が40(μm)の場合には負荷特性が80%未満となった。同様な粒子径の黒鉛どうしを比較した場合、黒鉛2の菱面体晶の存在比率は黒鉛1及び黒鉛6よりも低く、黒鉛2及び5よりも高い。従って格子歪は少なくとも黒鉛2及び黒鉛5よりも小さいと推察される。このために平均粒子径が30(μm)の場合であっても負荷特性が80%以上であった。黒鉛3の場合、平均粒子径を少なくとも40(μm)未満にしなければ、負荷特性を80%以上にすることは困難であると推定される。
【0059】
黒鉛4は平均粒子径が10(μm)以外の場合、過充電試験には合格したが、どのような粒子径を用いた場合であっても、電池容量が450mAh未満であった。このように電池容量が小さいのは、黒鉛の結晶子の大きさLc(112)が小さいため、可逆的なリチウムの吸蔵・放出可能容量が小さかったためであると考えられる。またこの黒鉛は粉砕によって平均粒子径を小さくしても、菱面体晶の存在割合が他の黒鉛材料と比較して低く、結晶内部の格子歪が大きいことが推察される。このため負荷特性も、他の黒鉛材料の場合と比較して低い値を示したと考えられる。
【0060】
以上のように本発明範囲内の黒鉛材料を用いた電池は、容量が450mAh以上、負荷特性が80%以上を達成して、過充電試験にも合格している。
【0061】
【発明の効果】
本発明に係る黒鉛材料を用いたリチウムイオン二次電池は、容量及び負荷特性を低下させることなく、耐過充電特性、すなわち過充電における安全性を向上させることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る六方晶系黒鉛の単位格子構造を示す図である。
【図2】本発明に係る菱面体晶系黒鉛の単位格子構造を示す図である。
【図3】本発明に係る天然黒鉛を粉砕した黒鉛粉末の回折図である。
【図4】本発明による単3型巻回式リチウム二次電池の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 正極板
2 負極炭素材料
3 ポリプロピレン製の多孔質フィルムセパレータ
4 電池ケース
6 ポリプロピレン製絶縁底板
7 ニッケル製負極リード板
8 正極端子板
10 突出部
11 基部
12 固定板
13 ガスケット
14 中間感圧板
15 接続部
16 巻回状電極群
17 ケース
18 アルミニウム製正極リード板

Claims (2)

  1. リチウムの可逆的な吸蔵・放出が可能なリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として含む正極合剤が金属箔上にシート状に成形された正極部と、リチウムの吸蔵・放出可能な黒鉛材料を主成分とする負極合剤が金属箔上にシート状に成形されてなる負極部とをセパレータを介して重ね合わせてなる電極体が、リチウム塩を含んだ非水電解液と共に密閉容器内に配置されてなるリチウムイオン二次電池において、
    前記黒鉛材料は、六方晶及び菱面体晶より構成され、X線広角回折法でもって測定したときに、(112)回折線から算出されるc軸方向の結晶子の大きさLc(112)が200(Å)から400(Å)、且つ平均粒子径が20(μm)から30(μm)であって、前記菱面体晶に帰属される(101)回折線のピーク面積をr(101)とするとともに、前記六方晶に帰属される(101)回折線のピーク面積をh(101)として、{r(101)×12/15}/{r(101)×15/12+h(101)}の式で規定される前記菱面体晶系の存在割合が15%以上25%以下の範囲であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. リチウムの可逆的な吸蔵・放出が可能なリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として含む正極合剤が金属箔上にシート状に成形された正極部と、リチウムの吸蔵・放出可能な黒鉛材料を主成分とする負極合剤が金属箔上にシート状に成形されてなる負極部とをセパレータを介して重ね合わせてなる電極体が、リチウム塩を含んだ非水電解液と共に密閉容器内に配置されてなるリチウムイオン二次電池において、
    前記黒鉛材料は、六方晶及び菱面体晶より構成され、X線広角回折法でもって測定したときに、(112)回折線から算出されるc軸方向の結晶子の大きさLc(112)が205(Å)から368(Å)、且つ平均粒子径が19.8(μm)から25.4(μm)であって、前記菱面体晶に帰属される(101)回折線のピーク面積をr(101)とするとともに、前記六方晶に帰属される(101)回折線のピーク面積をh(101)として、{r(101)×12/15}/{r(101)×15/12+h(101)}の式で規定される前記菱面体晶系の存在割合が15.9%以上24.8%以下の範囲であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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