JP4739144B2 - 洗車機 - Google Patents

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Description

本発明は、洗車機と自動車との相対移動により自動車の車体面を洗浄する洗車機に関し、特に洗車機本体の上方から自動車を撮像するカメラ装置を備えた洗車機に関する。
カメラ装置を備えた洗車機として、本出願人は特許文献1を提案している。この洗車機は、自動車を上方から撮影するカメラ装置を備え、このカメラ装置で撮像した画像から自動車に備えられるキャリア・アンテナ・リアミラーといった装備品を検出するものであり、夜間における撮像を良好に行えるよう、車体面を照明する車体照明装置と床面を照明する床面照明装置を備えている。また、ユーザに対する安心感と外部からの視覚効果を与えるために、洗車動作を照明する洗車照明装置を備えたものも知られている。
さて、夜間での撮像において、キャリアやアンテナ等のように車体ルーフ面に備えられる装備品を撮像する場合には、洗車機内を明るくする方が好ましいが、リアミラーのように車体から突出する装備品を撮像する場合には、逆に洗車機内を暗くする方が好ましい。そこで、自動車の後方部を予測して洗車機本体が規定位置まで走行したら、自動的に洗車照明を消灯するようにしているが、ルーフ面の後部にアンテナが装備されている自動車の場合には、そのアンテナを車体照明装置を消灯した状態で撮像することになり、検出に失敗する可能性が高くなるという問題がある。
特開2005−313839号
本発明が解決しようとする課題は、夜間等においても装備品を確実に認識することができ、しかも装備品の種類に応じて最適な条件で撮像可能なカメラ付きの洗車機を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するため、洗車機と自動車との相対移動により自動車の車体面を洗浄する洗車機であって、自動車の上面輪郭を検出する車形検出手段と、自動車を上方から撮像するカメラ装置と、該カメラ装置の撮像領域内にある車体面を照明する車体照明手段と、該カメラ装置の撮像領域内にある床面を照明する床面照明手段と、洗車機内を照明する洗車照明手段を備えた洗車機において、洗車機と自動車の相対移動に伴い、照明手段を点灯させてカメラ装置による車体撮像を実行しているときに、カメラ装置で撮像される画像に応じて照明手段のうち洗車照明手段の点灯及び消灯を制御する照明制御手段を備え、照明制御手段は、前記カメラ装置で自動車の後端が撮像された時点で洗車照明手段を消灯するようにした。
また、車形検出手段で検出される自動車の上面輪郭に基づいて、自動車の車種を判別する車種判別手段を備え、この車種判別手段で判別した車種に応じて照明制御手段により洗車照明手段の点灯及び消灯を制御するようにしても良い。このとき、照明制御手段は、車種判別手段で判別した車種がリアミラーを装備している可能性が高い車種であったとき、カメラ装置で自動車の後端が撮像された時点で洗車照明手段を消灯するのが望ましい。
本発明によれば、夜間等での撮像においても、最適な条件で撮像が可能になる。このとき、カメラ装置が車体後端を撮像した時点で洗車照明を消灯するようにすれば、車体後方部にあるアンテナ等の装備品をカメラ装置で撮像するときに洗車照明が消灯していることがなくなり、その装備品の撮像に失敗することが避けられるとともに、ユーザが照明の消灯により装置の故障を誤認することもなくなる。また、洗浄する車種に応じて照明の消灯を実行するか否かを決定するので、リアミラーを装備している可能性が高い車種に限定して照明制御を実行することができ、検出精度を向上することができる。
以下、本発明の実施例1について図面を基に説明する。図1は実施例1の構成を示す側面図、図2は同じく平面図で、ここでは自動車を跨ぐように洗車機本体が走行して車体の洗浄・乾燥をはかる門型洗車機に実施した例を示している。
洗車機本体1は、左右一対のレール2,2上を往復走行し、レール2,2間に停車される自動車を跨ぐように移動する。3,4,4は洗車機本体1に設けられる洗車処理装置としての回転ブラシで、3は車体面に沿って昇降動作し主に車体上面を洗浄する上面ブラシ、4,4は車体面に沿って開閉動作し車体の側面および前後面を洗浄する左右一対の側面ブラシである。5,6,6は洗車機本体1に設けられ洗浄後の車体の乾燥をはかる洗車処理装置としてのブロワノズルで、5は車体面に沿って昇降動作する上面ブロワノズル、6,6は車体面に沿って出没動作する左右一対の側面ブロワノズルである。
7A,7Bは洗車エリアに進入する自動車や洗車中の自動車を撮像するカメラ装置で、7Aは本体1後部上方の幅方向中央に設けられ、主に取付位置から斜め前方を撮像する第1のカメラ装置、7Bは本体1前面上方の化粧板内における幅方向中央に設けられ、主に取付位置から直下方向を撮像する第2のカメラ装置である。8は本体1の前方に位置して設けられ本体1の走行に伴い自動車の側方からの形状(シルエット)を読み取る車形検出装置、9は洗車機本体1が単位距離走行する毎にパルス出力するエンコーダ、10,10は本体1を走行させるモータである。
11〜14は周囲が暗い夜間等に点灯される照明装置で、11,11は本体1の化粧板内に左右一対で設けられ、自動車の上面を照明する車体照明装置、12,12は本体1の脚部下方に左右一対で設けられ、主に前記第2のカメラ装置7Bの撮像範囲の床面を照明する床面照明装置、13,13は洗車機本体1内の上部に左右一対で設けられ、洗車中の洗車機を照明する洗車照明装置である。14,14は本体1内面における前記第1のカメラ装置7Aと第2のカメラ装置7Bの両方で撮影可能な位置に取り付けられる補正用ランプである。
洗車する自動車を本体1の前方より進入させ、図2に示すように、本体1手前の停車位置で停車させてから本体1を往復走行させて洗車を行う。例えば1往復で洗車する場合は、まず本体1を前方へ往行させ、車形検出装置8で読み取った車体形状に合わせてブラシ3・4・4を制御し車体面のブラッシング洗浄を行い、続いて洗車機を復行させブロワノズル5,6,6から車体に空気を吹き付けて車体面の乾燥をはかる。もちろん、この1往復の洗車以外にも洗車機を2往復・3往復させて様々なニーズに応じた洗車動作をさせることができる。
図3はカメラ装置7A,7Bの機能・動作を説明する説明図で、図3(a)は第1のカメラ装置7A、図3(b)は第2のカメラ装置7Bの機能・動作を示している。
第1のカメラ装置7Aは、洗車機本体1がレール2・2後端の待機位置にあるとき、レール2・2先端近くまで撮像できる撮影範囲R1が与えられ、この待機位置で自動車がない状態の画像a1と、自動車が停止位置に停車された状態の画像a2を撮像する。取り込まれた画像a1は、主に基礎画像との比較により補正値を算出するのに使用され、画像a2はナンバープレート、ドアミラー、カスタムミラー、サイドポールの位置確認に使用される。
第2のカメラ装置7Bは、洗車機本体1の前方直下を撮像できる撮影範囲R2が与えられ、洗車開始から洗車機本体1が一定距離走行する毎に随時画像を撮像する。ここでは、待機位置において自動車がない状態の画像b1を取り込み、洗車中に車形検出装置8でリアミラーRMを検出したときの画像b2を取り込んだことを表しており、画像b1は、主に基礎画像との比較により補正値を算出するのに使用され、画像b2はリアミラーの位置確認に使用される。
図4は照明装置11,12,13の機能・動作を説明する説明図である。
車体照明装置11,11は、本体1の化粧板内における左右位置から、第2のカメラ装置7Bの撮像範囲R2内にある自動車上面を照明できるよう、下方内向きやや斜め前方に指向させた状態で取り付けられ、夜間等の洗車において自動車の上面を照明する。この照明装置は、周囲が暗い夜間等で車体をライトアップすることを主目的としている。
床面照明装置12,12は、本体1の左右脚部下方から、第2のカメラ装置7Bの撮影範囲R2内にある床面を照明できるよう、やや斜め内側前方に指向させた状態で取り付けられ、夜間等の洗車において洗車エリアの床面を照明する。この照明装置は、周囲が暗い夜間等で床面をライトアップすることを主目的としており、車体端部から張り出している装備品(リアミラー等)を検出する場合にも有効となる。
洗車照明装置13,13は、本体1の内部上方から、洗車機内部全体を照明し、夜間での洗車動作を周囲にアピールするショー効果を持たせるとともに、顧客への安心感を与えることを主目的としている。
尚、照明装置は、カメラ装置7A,7Bで撮像される画像上で光量が均一になるよう、車体照明装置11よりも床面照明装置12の光量を大きくしている。ここでは、車体照明装置11を20W、床面照明装置12を60Wとすることで最良の条件を得ることができた。
図5は実施例1の制御系を説明するブロック図である。
20は洗車制御ボードで、画像処理ボード21及び車形検出ボード22から得た自動車の位置,形状,装備等に関する情報に基づき、洗車駆動ボード23を介してブラシ3・4・4,ブロワノズル5・6・6等の洗車処理装置を作動させ、自動車の位置,形状,装備等に合わせて洗車を行うとともに、照明駆動ボード24を介して照明装置11,12,13の点灯/消灯を切り替え、昼夜を問わず最適な条件での車形検出を行う。25は操作部で、洗車内容の選択や洗車の開始入力を行う他、操作する人に対し表示や音声で注意事項や操作手順等を案内出力するものである。
画像処理ボード21は、カメラ装置7A,7Bで撮像された自動車の画像を記憶・処理して種々の検出操作を行うもので、画像記憶部21a,画像補正部21b,ナンバープレート位置検出部21c,装備品検出部21d,後端検出部21eを備えている。
画像記憶部21aは、カメラ装置7A,7Bで撮像された画像データを記憶するもので、洗車開始時や洗車中に撮像される画像や、カメラ装置取り付けの基準となる基礎画像などを一時的に記憶・保存する。尚、保存された画像データは、図示しない外部メモリへ転送すれば、故障やトラブルがあった場合の原因究明や事実確認に使用することができる。
画像補正部21bは、カメラ装置7A,7Bの撮影方向にずれが生じた場合に、取り込んだ画像を基礎画像に合うよう補正するもので、画像記憶部21aに予め記憶した基礎画像と、洗車開始時に撮像した画像とを比較しその画像のずれを補正する。画像のずれは、各画像中における補正用ランプ14,14の位置に基づいて検出され、このずれに基づいて上下・左右・回転の3成分についてそれぞれ補正値を設定し、撮像した画像を補正する。
ナンバープレート位置検出部21cは、画像記憶部21aで記憶した画像データに基づきナンバープレートを検出するもので、第1のカメラ装置7Aで撮像される画像を基に、車体前面にあるナンバープレート部分を抽出し、その取付位置(自動車幅方向の位置)とプレート周囲の形状・構成を検知する。ナンバープレートの検出は、停車位置に停車した自動車の画像から自動車のエッジを抽出し、この自動車の画像からパターンマッチングの手法で所定の四角形状を検索することでなされる。ナンバープレートの位置は、特定された画像上でのナンバープレートについて四隅の二次元座標を算出し、その二次元座標のX及びY成分を、第1のカメラ装置7Aの取付高さ及び撮影俯角、ナンバープレートの地上高のパラメータに基づいて変換し、車体幅方向における位置とその周囲の形状・構成を検知をすることでなされる。
装備品検出部21dは、画像記憶部21aで記憶した画像データに基づき、自動車の装備品の抽出を図るもので、第2のカメラ装置7Bで撮像される画像を基に、カスタムミラー,サイドポール,リアミラーといった装備品を抽出し、その取付位置を検知する。装備品の抽出は、ナンバープレート位置検出部21cと同様に、自動車のエッジを抽出し、この自動車の画像から各装備品のタイプ画像(予め登録される類型化されたパターン画像)とのマッチングで特定し、その車体幅方向における位置を検知をすることでなされる。
後端検出部21eは、画像記憶部21aで記憶した画像データに基づき、自動車の後端を抽出するもので、第2のカメラ装置7Bで撮像される画像を基に検知する。車体後端の抽出は、車体と床面の境界から自動車のエッジを抽出することでなされる。境界線は、床面に設けられる走行レールや排水溝等の車体以外の物体を検索することで検知される。
車形検出装置8は、洗車機1の前方に備えられ自動車を幅方向に挾むようにして、発光素子を上下に複数配列させた発光部8aと、発光素子とそれぞれに1体1で対応させて受光素子を複数配列させた受光部8bとを対向させて設け、発光部8aと受光部8bの間で授受される光信号を自動車が遮ることで、車形を読み取るものである。
車形検出ボード22は、車形検出装置8で検出された自動車の形状を記憶・処理して種々の検出操作を行うもので、検出駆動部22a,車形記憶部22b,装備品検出部22c,車端検出部22d、車種判別部22eからなっている。
検出駆動部22aは、発光部8aと受光部8bを所定タイミングで走査するもので、洗車機本体1の走行に伴うエンコーダ9からのパルス信号をトリガーとして、洗車機1が単位距離移動する毎に繰り返し発光部・受光部間で光信号の送受を実行させる。すなわち、発光部に信号出力して発光素子を上から順に発光させ、これと同期して発光素子と対向した受光素子における受光レベルを順に取得するようにして、車体検出を実行させ、一つの発光素子からの光をそれと水平に対向する受光素子で検出して、各素子間で車体検出させる。
車形記憶部22bは、検出駆動部22aでの検出駆動に伴い受光部から車体検出信号を取り込んで自動車の車体上面位置を検知し、この車体上面位置を本体1の単位距離走行毎に蓄積して、自動車側方の形状(シルエット)を形成する。装備品検出部22cは、車形記憶部22bで記憶した車形を基に車体面の局部的な起伏をとらえて装備品を認識し、その装備品の位置や形状に応じて装備品の種別を特定するもので、装備品の認識からその位置と種別の特定をする方法については、例えば特開平8−225065号に開示された方法で可能である。車端検出部22dは、車形記憶部22bで記憶した車形を基に自動車の前端位置や後端位置を検出するものである。車種判別部22eは、車形記憶部22bで記憶した車形を基にボンネットの長さ・高さ、ボンネットとフロントガラスの境界点の有無、フロントガラスの傾斜等から車種を判別するもので、例えば特開平4−292245号に開示された方法で可能である。
以上のように、洗車制御ボード20には、画像処理ボード21及び車形検出ボード22から、ナンバープレート,装備品,車体形状など、洗車対象となる自動車の情報が集められ、これにより異常停止したりナンバープレートや装備品を破損したりすることのない、安全で効率の良い洗車を可能にしている。
このように構成する実施例1の洗車機について動作を説明する。図6は洗車時の動作要部を説明するフローチャート図である。
まず、自動車が入車する前に、洗車機本体1が待機位置にいる状態で、各カメラ装置7A,7B毎に撮像し、画像補正部21bにおいてこの画像と基礎画像とを比較して補正値の算出が実行される(1)。この画像補正は、営業開始前や洗車開始前といった所定のタイミングで行われる。
自動車が図3(a)に示す停止位置に停車されると、第1のカメラ装置7Aで撮像し、ナンバープレート位置検出部21cにおいてこの画像に基づきナンバープレートの位置検出が実行される(2)。尚、自動車の停車位置検出は、図示しないビームセンサ等の公知の非接触式スイッチにより行われる。この他、タイヤの乗り入れによりスイッチングされるタイヤスイッチとしたり、車形検出装置8で代用させるようにしても良い。
自動車が適正な停車位置に停車され、洗車機本体1側で洗車可能であることを確認すると洗車ルーチンが実行される。ここで、操作部25が洗車機本体1前面にある場合は、運転者は操作部25で必要な操作入力(スタートキー入力等)をすることにより洗車を実行させることができる。また、ドライブスルー式で操作部が洗車エリア手前の本体1と離れた位置にある場合は、洗車エリアへ進入した時点で操作入力が済んでいるので、所定時間後自動的に洗車が実行される。
洗車開始指令がなされると、照明が必要であるか確認し(3)、必要であれば照明装置11,12,13を点灯(4)させてから洗車シーケンスをスタートさせる(5)。照明の要否判断は、カメラ装置付近に照度センサを備え、この照度センサで検出される洗車機周囲の明るさに応じて行ったり、カレンダー時計による季節毎の時間帯に応じて行ったり、様々な態様が考えられる。尚、洗車照明装置に関しては、点灯させると洗車機がライトアップされ、洗車に対するショー効果が期待できるので、常時点灯しておいても良い。
洗車シーケンスは、操作部25で選択される洗車コースによって異なるものであるが、車形検出装置8による車形検出と第2のカメラ装置7Bによる車体撮像を行う車形検出工程と、車形検出工程で読み取った車体形状に合わせてブラシ3・4・4を制御し車体面をブラッシングするブラシ工程と、車体形状に合わせてブロワノズル5,6,6を制御し車体に空気を吹き付ける乾燥工程とが適宜組み合わされて実行される。尚、車形検出工程は、ブラシ工程と同時に実行しても良く、洗車機本体1が最初に往行する工程で行えば良い。但し、車形検出工程とブラシ工程を同時に行う場合は、洗浄ブラシからの水滴飛散が予想されるので、第1のカメラ装置7Aはカバー装置を閉じた状態とし、画像撮影は第2のカメラ装置7Bのみで行われる。
車形検出工程では、洗車機本体1の往行に伴うエンコーダ9からのパルス信号をトリガーとして洗車機本体1が所定距離移動する毎に、車形検出装置8で車体形状が読み取られるとともに、車形検出装置8での読み取りが数回実行される毎に、第2のカメラ装置7Bで車体上面が撮像される。車形検出装置8では、車形記憶部22bにおいて洗車する自動車のシルエットが形成され、形成した車形データから装備品検出部22cにて車体の装備品の位置と種別、車端検出部22dにて車体の前端位置・後端位置がそれぞれ検出される。車形検出ボード22の装備品検出部22cにおいて装備品を検知すると、その位置近辺で第2のカメラ装置7Bが撮像した画像を読み出し、画像処理ボード21の装備品検出部21dにてこの画像に基づき装備品が自動車の幅方向のどの位置にあるかが確認される。洗車機本体1の往行時には、第2のカメラ装置7Bが車形検出装置8よりも先行するため、車形検出装置8が装備品を検知すると、予め第2のカメラ装置7Bで撮像された画像の中から装備品付近の画像を読み出してきて装備品の位置確認が行われることになる。尚、装備品の検出に失敗した場合は、他に参照すべき画像データあるかを確認し、まだ参照してない画像があれば、その画像について装備品の検出を繰り返し行う。
ブラシ工程では、自動車前面を側面ブラシ4・4でブラッシングする場合は、ナンバープレート位置検出部27で検出したナンバープレートの位置とその周囲の形状・構成に応じ、ナンバープレートを折り曲げることのないよう、ブラシ4・4の接触圧を弱くしたり、或いはブラシ4・4の回転方向や回転数を調整するといった公知の方法で防止措置を講じる。ナンバープレート位置検出部21cで検出したナンバープレートの周囲の形状・構成から折り曲げる危険が低いと判断される場合は、防止措置を講じることなく車体前面をブラッシングさせる。尚、ナンバープレート位置検出部21cでナンバープレートを認識できずその位置や周囲形状が特定できなかった場合は、従来と同様に車体前面全体に防止措置を講じる。
ブラシ工程または乾燥工程において、車形検出ボード22の装備品検出部22cで検出した装備品の位置にブラシやブロワノズルが到達すると、同検出部22cで与える装備品の位置や種別に応じて、装備品を破損することのないよう回避動作させる。この時、側面ブラシ4・4や側面ブロワノズル6・6を回避動作させる場合に、画像処理ボード21の装備品検出部21cで装備品の自動車幅方向の位置が確認できていれば、装備品と触れる可能性がある側のブラシやブロワノズルのみを回避動作させる。尚、装備品検出部21cで装備品の自動車幅方向の位置が確認できない場合は、従来と同様にブラシ4・4やブロワノズル6・6を左右対称に回避動作させる。
洗車シーケンスが終了すると、車形検出装置8で検出した車形および装備品のデータ、および画像処理ボード21で使用した画像データやナンバープレート・装備品の位置データなどを外部メモリ等へ転送し(6)、リタンする。外部メモリへ記憶したデータは、異常発生時,事故発生時,苦情発生時などの検証用データとして使用できる。
さて、このように動作する実施例1において、夜間に車形検出工程を実行する場合について、図7のフローチャート図及び図8の動作説明図を用いて説明する。
夜間では、車体照明装置11,床面照明装置12,洗車照明装置13を点灯させた状態(7)で、洗車機本体1を往行させ(8)、車形検出工程が実行される。洗車機本体1が洗車開始位置P1から前進し、所定距離s1走行する毎に、車体照明装置11で照らされた車体上面を第2のカメラ装置7Bで撮像していく(9)。また、所定距離s2(<s1)走行する毎に車体検出装置8で車体上面位置を検出し、車形データとして取り込んでいく(10)。ここで、車形検出装置8が装備品を検出したら、その位置に対応する画像を読み出し、画像処理ボード22で画像処理を施して装備品の種別・取付位置を検出する。
洗車機本体1が自動車後方部の走行位置P2に達すると(11)、それ以降は第2のカメラ装置7Bで撮像される全ての画像に対して画像制御ボード22で画像処理を施していき(12)、車体後端の検出を図る。第2のカメラ装置7Bが車体後端の撮像に成功すると(13)、その走行位置P3で洗車照明装置13を消灯する(14)。よって、走行位置P3以降は、洗車照明装置13を消灯した状態の画像が第2のカメラ装置7Bで撮像され、画像制御ボード22で画像処理されていき(15)、洗車機本体1が走行位置P4に達したときの画像からリアミラーRMの取付位置が特定される。そして、洗車機本体1がレール前端位置P5まで走行すると車形検出工程は終了となる。
図9は図8における走行位置P5でリアミラーRMを撮像した画像を示しており、図9(a)は全ての照明装置を点灯して撮像したときの画像、図9(b)は洗車照明装置13のみを消灯し明装置12を点灯して撮像したときの画像である。
図9(a)に示すように、リアミラーRMを撮像するときに、全ての照明装置を点灯していると、リアアミラーRMが照らされて明るくなり、床面とのコントラストが軽減し輪郭抽出がしにくくなる。特に、洗車照明装置13による照明がリアミラーRMに反射して明るく(白く)するため、検出に悪影響を与えている。そこで、図9(b)に示すように、洗車照明装置13を消灯すると、車体後端と床面との境界が強調され、車体後端から突出するリアミラーRMの抽出がしやすくなるのである。
この発明は、以上のように実施できるもので、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の実施態様が考えられる。実施例では門型洗車機に実施した例を示したが、据置型の洗車機で自動車をコンベア等で移動させるタイプの連続式洗車機にも実施可能であり、この場合は、進入して来る自動車を同様に撮像した後、自動車の移動に合わせて必要な車体部分を撮像すれば良い。また、実施例では撮影範囲の異なる複数のカメラを設けているが、アクチュエータ等を設けて1台のカメラで撮影範囲を変えて撮像できるようにすれば、より少ない台数のカメラで代用することができる。
また、リアミラーRMが装備される自動車は、1BOXやステーションワゴンタイプの車両がほとんどである点に着目し、車種判別部22eにおいて、洗浄する自動車がリアミラーを装備している可能性がある車種と判別された場合に限り、洗車照明装置13を消灯するようにしても良い。車種判別の方法としては、先にも述べたように特開平4−292245号に開示された方法で実施可能である。これにより、例えば、車高が低くトランク部がないハッチバックタイプの自動車で、ルーフの後端付近にアンテナCを備えた自動車であっても、第2のカメラ装置7Bで車体後端が撮像された時点で洗車照明装置13が消灯してしまうことがなくなり、アンテナCの撮像に失敗することがなくなるのである。
実施例1の構成を示す側面図である。 実施例1の構成を示す平面図である。 実施例1におけるカメラ装置の機能・動作を説明する側面図である。 実施例1の照明装置の機能を説明する説明図である。 実施例1の制御系を示すブロック図である。 実施例1の動作を示すフローチャート図である。 車形検出工程の動作を示すフローチャート図である。 車形検出工程の動作を示す説明図である。 リアミラーを撮像した画像を示す説明図である。
符号の説明
1 洗車機本体
3・4・4 洗車処理装置としてのブラシ
5・6・6 洗車処理装置としてのブロワノズル
7A,7B カメラ装置
8 車形検出装置
11,11 車体照明装置
12,12 床面照明装置
13,13 洗車照明装置
20 洗車制御ボード
21 画像処理ボード
22 車形検出ボード
23 洗車駆動ボード
24 照明制御ボード



Claims (3)

  1. 洗車機と自動車との相対移動により自動車の車体面を洗浄する洗車機であって、自動車の上面輪郭を検出する車形検出手段と、自動車を上方から撮像するカメラ装置と、該カメラ装置の撮像領域内にある車体面を照明する車体照明手段と、該カメラ装置の撮像領域内にある床面を照明する床面照明手段と、洗車機内を照明する洗車照明手段を備えた洗車機において、
    洗車機と自動車の相対移動に伴い、前記照明手段を点灯させて前記カメラ装置による車体撮像を実行しているときに、前記カメラ装置で撮像される画像に応じて前記照明手段のうち洗車照明手段の点灯及び消灯を制御する照明制御手段を備え
    前記照明制御手段は、前記カメラ装置で自動車の後端が撮像された時点で前記洗車照明手段を消灯することを特徴とする洗車機。
  2. 洗車機と自動車との相対移動により自動車の車体面を洗浄する洗車機であって、自動車の上面輪郭を検出する車形検出手段と、自動車を上方から撮像するカメラ装置と、該カメラ装置の撮像領域内にある車体面を照明する車体照明手段と、該カメラ装置の撮像領域内にある床面を照明する床面照明手段と、洗車機内を照明する洗車照明手段を備えた洗車機において、
    洗車機と自動車の相対移動に伴い、前記照明手段を点灯させて前記カメラ装置による車体撮像を実行しているときに、前記カメラ装置で撮像される画像に応じて前記照明手段のうち洗車照明手段の点灯及び消灯を制御する照明制御手段と、前記車形検出手段で検出される自動車の上面輪郭に基づいて、自動車の車種を判別する車種判別手段とを備え、
    前記車種判別手段で判別した車種に応じて前記照明制御手段により前記洗車照明手段の点灯及び消灯を制御することを特徴とする洗車機。
  3. 前記照明制御手段は、前記車種判別手段で判別した車種がリアミラーを装備している可能性が高い車種であったとき、前記カメラ装置で自動車の後端が撮像された時点で前記洗車照明手段を消灯することを特徴とする上記請求項2記載の洗車機。
JP2006210999A 2006-08-02 2006-08-02 洗車機 Expired - Fee Related JP4739144B2 (ja)

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