JP4739104B2 - センサ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に設けられる触媒の周りに取り付けられる複数の排ガスセンサを駆動制御すると共に、排ガスセンサが出力する電気信号に応じたセンサ信号を外部装置に対して出力するセンサ制御装置に関する。
近年、燃費向上等を目的として、空燃比を理論空燃比よりもリーン側に制御するリーンバーンエンジンや直噴エンジンが開発されている。これらのエンジンでは窒素酸化物(NOx)の排出量が通常のエンジンよりも多くなる傾向にあり、その対策を講ずるシステムが提案されている。
その1つとして、NOx吸蔵還元触媒を排気通路に設置し、NOx排出量を低減するシステムが提案されている。NOx吸蔵還元触媒は、排ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し、空燃比がリッチになったときに吸蔵NOxを還元して放出する特性をもっており、この触媒を採用するシステムでは、リーン運転中に空燃比を間欠的にリッチにし、上記触媒に吸蔵したNOxを還元する処理が実行される。また他のシステムとして、NOx選択還元触媒を排気通路に設置し、別途車両に設けたタンクに還元剤溶液としての尿素水を入れ、この尿素水を触媒へ噴射するようにして、NOxをN2等の無害なガスに還元するといったものも提案されている。
このようなシステムを搭載する内燃機関では、NOxの還元を行うための処理、触媒の状態(劣化、故障)を診断する処理、空燃比制御などの制御処理を実行することを目的に、排気通路に設けられる上記触媒(NOx吸蔵還元触媒、またはNOx選択還元触媒)の周りに複数の排ガスセンサが取り付けられる。具体的には、上記触媒の下流側に排気ガスのNOx濃度を測定するNOxセンサが取り付けられる他、排気ガス中の酸素濃度を広域にわたって測定する全領域空燃比センサ、排気ガスの温度を検出するための温度センサ、圧力センサ等の排ガスセンサの少なくとも1個が上記触媒の上流側ないし下流側に取り付けられる。
なお、本明細書では、NOxセンサや全領域空燃比センサ、温度センサ、圧力センサといった排気通路(排気通路)に装着され、排ガスの情報(特定ガスの濃度や温度等の情報)を検知するためのセンサを「排ガスセンサ」と称する。
ここで、各排ガスセンサが出力する電気信号を、点火制御処理や上述した空燃比制御といった各種制御処理をつかさどるエンジン制御装置(以下「ECU」ともいう)に送信する構成として、排ガスセンサを駆動制御すると共に排ガスセンサが出力する電気信号に応じたセンサ信号をECUに対して出力可能なセンサ制御装置を外付けユニットの形で設置する構成の内燃機関が知られている。
なお、従来のセンサ制御装置は、1個の排ガスセンサに対して1個ずつ備えられ、複数の排ガスセンサを備える内燃機関においては、複数のセンサ制御装置がECUに対して、センサ信号をそれぞれ送信するよう構成されている(特許文献1参照)。
ところで、触媒周りに取り付けられる排ガスセンサのうちで、上述したNOxセンサは、一般に固体電解質層に一対の多孔質電極を設けた第1酸素ポンピングセル、酸素濃度測定セル、第2酸素ポンピングセルを含む検出素子を有するものであるが、NOx濃度に応じて第2酸素ポンピングセルに流れる電流(電流信号)については、1[mA]以下と微小(微弱)である。このため、NOxセンサとECUとを直接信号ケーブルを介して接続したのでは、信号ケーブルによる抵抗損失や電機ノイズ、電波ノイズ等によってNOx濃度の検出精度が低下する問題がある。そこで、NOxセンサを排気通路に取り付ける場合には、NOxセンサ駆動回路を含む外付けユニットとしてのセンサ制御装置を準備し、このセンサ制御装置をNOxセンサ近傍に設置してECUへセンサ信号を送信することが検討されている(特許文献2参照)。
また、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献3から特許文献8に記載のものがある。
特開平3−272450号公報(第2図) 特開平11−304758号公報 米国特許出願公開第2002/0162743号明細書 米国特許第6635161号明細書 特開2002−71640号公報 特開平10−33948号公報 米国特許第6017503号明細書 米国特許第6455009号明細書
ここで、従来のセンサ制御装置は、リード線などからなる信号ケーブルを介して、排ガスセンサおよびECUにそれぞれ接続されるものであり、排ガスセンサが出力する電気信号やセンサ制御装置が出力するセンサ信号は、一般にアナログ形式の電圧信号または電流信号として伝えられる。しかし、ECUはエンジンルームやその付近に搭載されることが多いため、車両床下に配置される触媒周囲の排ガスセンサからECUまでの距離は長くなる。このため、排ガスセンサからセンサ制御装置までの信号ケーブル、あるいはセンサ制御装置からECUまでの信号ケーブルは、その寸法を長く設定せざるを得ない。上述したNOxセンサにおいても、NOxセンサとセンサ制御装置とを繋ぐ信号ケーブルの寸法を短く設定したとしても、センサ制御装置とECUとを繋ぐ信号ケーブルの寸法が長くなってしまうのである。
一方、このように長いアナログ形式の信号ケーブルを用いた場合、信号ケーブル自身の経時劣化や、ケーブル中間に挿入される中間コネクタの接触抵抗の経時劣化等により、信号出力値の特性の変化が生じ易い傾向にある。とりわけ、内燃機関(車両)の長期間の使用に伴い、比較的長めのアナログ形式の信号ケーブルを用いた場合には、信号の通信精度が低下する傾向にある。このような信号の通信精度の低下が生ずることがあると、排ガスセンサ側が適正な電気信号を出力したにも関わらず、ECUへの通信過程で信号出力値の変動を招いてしまい、その結果、適正なエンジン制御(機関制御)が実行されず、最悪は排気エミッションの悪化等を招くおそれがある。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、排気通路の触媒周りに備えられる複数の排ガスセンサに接続される外付けユニットとしてのセンサ制御装置において、信号の通信精度の低下を抑制できるセンサ制御装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気通路に設けられる触媒の周りに取り付けられる少なくとも2個以上の排ガスセンサを制御するセンサ制御装置であって、排ガスセンサと1対1の関係で接続され、排ガスセンサをそれぞれ駆動制御すると共に、排ガスセンサが出力する電気信号に応じたセンサ信号を出力する複数の駆動制御回路と、複数の駆動制御回路と接続されて、複数のセンサ信号を取得するマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータで取得された複数のセンサ信号のうち少なくとも1つを含む複数の信号をデジタル通信線を介して外部装置に出力する通信出力手段と、を備えており、排ガスセンサのうち少なくとも1つは、最大電流値が1[mA]以下または最大電圧値が100[mV]以下の微弱信号を電気信号として少なくとも1つ出力する微弱信号出力センサであり、駆動制御回路、マイクロコンピュータおよび通信出力手段を収容するケーシングを備えて構成されており、当該センサ制御装置は、駆動制御回路から排ガスセンサに繋がる信号経路において、排ガスセンサのコネクタと1対1の関係で接続される複数のセンサ接続コネクタを備えており、センサ接続コネクタは、排ガスセンサのコネクタが着脱可能に接続される構造であること、を特徴とするセンサ制御装置である。
本発明のセンサ制御装置は、電気信号として最大電流値が1[mA]以下または最大電圧値が100[mV]以下の電気信号を少なくとも出力する微弱信号出力センサと接続されるものであるが、このように微弱信号出力センサと接続されるセンサ制御装置では、当該センサとセンサ制御装置とを結ぶ信号ケーブルの寸法が長くなると、微弱の電気信号が信号ケーブルによる抵抗損失等によって通信精度(出力精度)が低下する問題がある。そのために、微弱信号出力センサの近傍(換言すれば、触媒近傍)にセンサ制御装置を設置し、外部装置に対して排ガスセンサが出力する電気信号に応じたセンサ信号を送信する必要がある。
そこで、本発明では、まず第1に触媒近傍にセンサ制御装置を設置することを利用して、微弱信号出力センサ以外に触媒周りに取り付けられる排ガスセンサをもこのセンサ制御装置に接続させるようにしている。つまり、本発明では、センサ制御装置を構成する1つのケーシング内に、触媒周りに取り付けられる複数の排ガスセンサと1対1で接続される駆動制御回路を複数収容させるようにし、この1つのセンサ制御装置を用いて微弱信号出力センサを含む複数の排ガスセンサを駆動制御するようにしている。これにより、各排ガスセンサとセンサ制御装置とを結ぶ信号ケーブルの寸法を全体的に短めに設定することができる。
そして、このセンサ制御装置は、第2にデジタル信号出力を行う通信出力手段を備え、外部装置との間における信号送受信を、デジタル通信線を介して実行するよう構成している。
これにより、配線抵抗や中間コネクタの接触抵抗等の経時劣化に起因して出力信号特性が変化するといった比較的長めのアナログ形式の信号ケーブルを用いた際に生じる問題を解消した形で、センサ制御装置と外部装置との間における信号送受信を行うことができる。
従って、本発明のセンサ制御装置を用いることで、複数の排ガスセンサとセンサ制御装置とを結ぶ信号ケーブルを短く設定することができ、触媒近傍に取り付けられるセンサ制御装置と離れた箇所に備えられる外部装置と信号送受信を行う場合であっても、デジタル通信線を用いて信号送受信を行うことから外部装置との間における信号の通信精度の低下を抑制することができる。
さらに、本発明のセンサ制御装置は、複数の駆動制御回路、マイクロコンピュータおよび通信出力手段が1つのケーシングに収容されており、複数の排ガスセンサと接続できる構成であることから、複数のセンサを有する内燃機関においても、1個のセンサに対して個別にセンサ制御装置(センサ制御装置を構成するケーシング)を備える必要が無くなる。これにより、センサ制御装置を複数個備える場合に比べて、センサ制御装置の配置領域(配置スペース)を縮小できることから、内燃機関の小型化を図ることができる。
なお、排気通路に取り付けられる触媒の数は1つに限定されるものではなく、触媒の具体例としては、NOx吸蔵還元触媒や三元触媒、NOx選択還元触媒、PM酸化触媒などを挙げることができる。
ところで、センサ制御装置が、複数の排ガスセンサと着脱不可能な一体状態で接続される構成であると、いずれか1つの排ガスセンサが故障あるいは破損した場合であっても、全ての排ガスセンサおよびセンサ制御装置を交換する必要があるため、メンテナンス性能に欠けるという問題が生じる。
そこで、本発明のセンサ制御装置では、駆動制御回路から排ガスセンサに繋がる信号経路において、排ガスセンサに設けられるコネクタと1対1の関係で接続される複数のセンサ接続コネクタを備えており、このセンサ接続コネクタは、排ガスセンサのコネクタが着脱可能に接続される構造である。
これにより、本発明のセンサ制御装置は、複数の排ガスセンサを1個ずつ個別に交換できる構成となり、排ガスセンサの故障あるいは破損発生時における修理費用を低減でき、メンテナンス性能の向上を図ることができる。
次に、上記のセンサ制御装置に備えられる微弱信号出力センサとしては、請求項2に記載のように、排気通路を流通する排気ガス中のNOx濃度を測定することで出力される電気信号の最大電流値が、1[mA]以下となるNOxセンサが挙げられる。
触媒の周囲に備えられる排ガスセンサのうちNOxセンサは、先に述べたようにNOx濃度測定時に出力する電気信号の電流値が小さいことから、このようなNOxセンサから出力される電流信号を外部装置に送信するにあたり、本発明のセンサ制御装置を用いることで、ノイズ等の影響を低減でき、通信精度の低下を抑制することができる。
次に、上記のセンサ制御装置では、請求項3に記載のように、微弱信号出力センサと、この微弱信号出力センサと電気的に接続される駆動制御回路とを繋ぐ信号ケーブルの長さが2メートル以内であるとよい。
このように微弱信号出力センサとセンサ制御装置のケーシング内に収納される駆動制御回路とを繋ぐ信号ケーブルを2メートル以内に規制することにより、微弱信号出力センサから信号ケーブルを介して駆動制御回路に出力される電気信号へのノイズなどの影響を効果的に少なくすることができる。また、この微弱信号出力センサと駆動制御回路との間の信号ケーブルの長さを規制することで、触媒近傍に取り付けられるセンサ制御装置と他の排ガスセンサとを繋ぐ信号ケーブルの長さについても短めに設定することができ、信号ケーブルのトータルボリュームの増加を抑えることもできる。
ところで、センサ制御装置と接続される外部装置としては、エンジン制御装置(ECU)を代表的に挙げることができる。そして、ECUは、内燃機関を総合的に制御するために多くの制御処理を実行しており、例えば、空燃比制御処理や、点火制御処理、燃焼気筒判別処理、NOx吸蔵還元触媒を用いる場合における触媒をリフレッシュする処理などを実行している。このようにECUでは、近年、制御処理の増加に伴う処理負荷が大きくなりつつある。
そこで、上記のセンサ制御装置では、請求項4に記載のように、マイクロコンピュータは、駆動制御回路が出力するセンサ信号の少なくとも1つに基づいて触媒の状態を検知し、検知した触媒状態を表す触媒状態信号を通信出力手段に出力する触媒状態検知手段を備え、通信出力手段は、触媒状態信号を、デジタル通信線を介して外部装置に出力するとよい。
このように、マイクロコンピュータが触媒状態検知手段を備えて、センサ制御装置において触媒状態を検知する処理を実行することにより、外部装置にて触媒状態を検知するための処理を実行する必要が無くなり、電子制御装置での制御処理の処理負荷を低減することが出来る。なお、センサ制御装置にて触媒状態を検知して出力する手法としては、排気通路にNOx吸蔵還元触媒を設置する場合に、その触媒の下流側に取り付けたNOxセンサからの電気信号に基づき、センサ制御装置を構成するマイクロコンピュータが同触媒のNOx吸蔵量を推定し、所定の吸蔵量を推定した時点で所定の触媒状態信号を、通信出力手段を介して外部装置(ECU)に出力する手法を例示することができる。
次に、上記のセンサ制御装置では、請求項5に記載のように、外部装置が内燃機関を制御するエンジン制御装置であり、エンジン制御装置とセンサ制御装置との間の距離がセンサ制御装置と微弱信号出力センサとの間の距離よりも長くなる関係を満たすように、当該センサ制御装置を設置する構成を採ることができる。
このように構成することで、微弱信号出力センサから信号ケーブルを介してセンサ制御装置(駆動制御回路)に出力される電気信号へのノイズなどの影響を効果的に少なくすることができる。また、このように構成することで、センサ制御装置と他の排ガスセンサとを繋ぐ信号ケーブルの長さについても短めに設定することができ、信号ケーブルのトータルボリュームの増加を抑えることもできる。
以下に、本発明を適用した実施例を図面と共に説明する。
実施例として、内燃機関に備えられるセンサ制御装置であって、排気通路の触媒周りに取り付けられる複数の排ガスセンサを制御するセンサ制御装置について説明する。
図1に、センサ制御装置11を備える内燃機関1のうち排気系周りの概略構成を表した説明図を示す。
内燃機関1は、ピストン23やシリンダ25などを備えるエンジン本体部21と、エンジン本体部21から排出される排気ガスを外部に放出する排気管31と、排気管31の排気経路に設けられる触媒41と、触媒41周囲に取り付けられる複数の排ガスセンサ43、45、47、49、51を駆動制御するセンサ制御装置11と、デジタル通信線61を介してセンサ制御装置11に接続される電子制御装置9(以下、ECU9ともいう)と、を備えて構成されている。
このうち、触媒41は、排気管31の排気経路において、排ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し、空燃比がリッチになったときに吸蔵NOxを還元して放出する特性を有するNOx吸蔵還元触媒である。また、触媒41は、別途にDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ、微粒子除去フィルタ)も備えており、DPFは、排気ガス中の煤(スス)を除去するために備えられている。
また、内燃機関1は、排ガスセンサとして、排気管31のうちエンジン本体部21(燃焼室)に近い位置に全領域空燃比センサ43を備え、排気管31のうち触媒41の上流側に第1温度センサ45を備え、排気管31のうち触媒41の下流側に第2温度センサ47およびNOxセンサ49を備えている。さらに、内燃機関1は、排ガスセンサとして、排気管31のうち触媒41と並列となる位置に、触媒41の上流側および下流側の圧力差を検出する差圧センサ51を備えている。
全領域空燃比センサ43、第1温度センサ45、第2温度センサ47、NOxセンサ49および差圧センサ51は、それぞれ個別に設けられる信号ケーブルH1(アナログ形式の信号ケーブルH1)およびコネクタK1を介してセンサ制御装置11に接続される。
また、センサ制御装置11には、各排ガスセンサ43、45、47、49、51のコネクタK1と1対1の関係で接続されるセンサ接続コネクタ53が設けられ、各センサ接続コネクタ53は、信号ケーブルH2(アナログ形式の信号ケーブルH2)を介して後述する駆動制御回路13と接続されている。なお、センサ接続コネクタ53は、排ガスセンサのコネクタK1が着脱可能に接続される構造を有しており、複数の排ガスセンサ43、45、47、49、51は、それぞれ個別にセンサ制御装置11(センサ接続コネクタ53)から切り離すことができる。なお、各排ガスセンサには、各排ガスセンサと1対1の関係で接続される分だけの数の複数の信号ケーブルH1が設けられているが、図1では理解を容易にするために、1系統の信号ケーブルH1として模式的に表している。信号ケーブルH2についても同様である。
全領域空燃比センサ43は、排気ガス中の酸素濃度または空燃比を検出するために備えられ、空燃比制御に用いられる。全領域空燃比センサ43は、後述する駆動制御回路13との組合せにより排気ガス中の酸素濃度または空燃比に応じて変化する電流値UIpを出力する。
第1温度センサ45および第2温度センサ47は、触媒41の活性温度を管理したり、DPFリフレッシュ時(蓄積された煤(スス)の焼却除去時)の排気ガス温度(DPF温度)を管理したりするため等に備えられている。
また、差圧センサ51は、DPFの上流側および下流側の排気圧力差を検出しており、検出した排気圧力差は、DPFの目詰まり判定またはDPF故障検知のために用いられる。
NOxセンサ49は、後述する駆動制御回路77との組合せにより、排気ガス中の酸素濃度または空燃比に応じて変化する第1検出電流値NIp1、および排気ガス中のNOx濃度に応じて変化する第2検出電流値NIp2を出力するよう構成されており、触媒41の下流側における排気ガス中の酸素濃度およびNOx濃度を検出するために備えられている。そして、NOxセンサ49にて検出された酸素濃度およびNOx濃度は、触媒41の状態検出制御に用いられる。なお、NOxセンサ49においては、検出されるべきNOx濃度は、一般に数十から数百ppmであり、それに相当するNIp2の電流値の大きさは数百[μA]〜数[μA]と微小(微弱)であり、このNOxセンサ49が本明細書の「特許請求の範囲」における「微弱信号出力センサ」に相当する。
センサ制御装置11は、微小(微弱)な電気信号を出力するNOxセンサ49と後述する駆動制御回路77とを繋ぐ信号ケーブルの長さ(即ち、信号ケーブルH1と信号ケーブルH2とを合計した長さ)が2メートル以下を満たすように、本実施の形態では触媒41から半径1メートル以内の領域に設置されている。そして、触媒41周りの各排ガスセンサ43、45、47、49、51から出力される電気信号に基づいて、触媒41の状態を検知する制御処理や、触媒41のNOx除去要求(リフレッシュ要求)をECU9に対して送信する制御処理などを実行している。
また、本実施の形態では、センサ制御装置11がNOxセンサ49の近傍に設置されるため、センサ制御装置11とECU9との間の距離が、センサ制御装置11とNOxセンサ49との間の距離よりも長くなっている。
なお、センサ制御装置11で実行される制御処理の内容や、センサ制御装置11の詳細な内部構成については、後述する。
電子制御装置9は、内燃機関の各部に備えられる各種センサの検出結果に基づき各部の状態を検出する処理を実行すると共に、内燃機関を総合的に制御するために、種々の制御処理を実行している。
次に、センサ制御装置11の内部構成について説明する。
図2に、センサ制御装置11の内部構成を表す構成図を示す。
センサ制御装置11は、各排ガスセンサ43、45、47、49、51と1対1の関係で接続される複数の駆動制御回路13と、駆動制御回路13からのセンサ信号などに基づいて制御処理を実行する1つのマイクロコンピュータ15と、マイクロコンピュータ15で取得された複数のセンサ信号のうち少なくとも1つを含む複数の信号を、デジタル通信線61を介してECU9に出力する通信出力回路17と、センサ制御装置11の各部に電力供給を行う電源回路 19と、NOxセンサ49および全領域空燃比センサ43のヒータ制御を行うヒータ駆動制御回路83とを備えている。
また、センサ制御装置11は、これらの回路やマイクロコンピュータ15を内部に収容するケーシング18を備えている。このケーシング18は、熱的ダメージを防止するために耐熱性材料を主体に構成されている。ケーシング18を備えたセンサ制御装置11の平面図を図6に、正面図を図7に、側面図を図8にそれぞれ示す。なお、図6に示すように、ケーシング18には、センサ制御装置11を車両にネジ止めにより設置するための取付け部72が一体成形により形成されている。
なお、センサ制御装置11は、複数の駆動制御回路13として、第1温度入力回路71、第2温度入力回路73、圧力入力回路75、NOxセンサ駆動制御回路77、UEGO駆動制御回路79を備えている。
第1温度入力回路71は、第1温度センサ45に接続されており、第1温度センサ45が出力する電気信号に基づき、触媒41の上流側における排ガス温に応じたセンサ信号を、マイクロコンピュータ15に送信する。第2温度入力回路73は、第2温度センサ47に接続されており、第2温度センサ47が出力する電気信号に基づき、触媒41の下流側における排ガス温に応じたセンサ信号を、マイクロコンピュータ15に送信する。
圧力入力回路75は、差圧センサ51に接続されており、差圧センサ51が出力する電気信号に基づき、排気管31における触媒41の上流側と下流側との圧力差に応じたセンサ信号を、マイクロコンピュータ15に送信する。
NOxセンサ駆動制御回路77は、NOxセンサ49に接続されており、NOxセンサ49が出力する電気信号に基づき、触媒41の下流側における排気ガス中の酸素濃度に応じたセンサ信号およびNOx濃度に応じたセンサ信号を、マイクロコンピュータ15に送信する。
UEGO駆動制御回路79は、全領域空燃比センサ43に接続されており、全領域空燃比センサ43が出力する電気信号に基づき、燃焼室から排出された直後の排気ガスにおける酸素濃度または空燃比に応じたセンサ信号を、マイクロコンピュータ15に送信する。
また、通信出力回路17は、デジタル通信線61を介して、ECU9との間で双方向通信が可能に構成されており、ECU9に対して各種情報を含む信号を送信すると共に、ECU9から各種情報を含む信号を受信できるよう構成されている。なお、本実施例では、デジタル通信線61における通信プロトコルとして、ISO11898として規格化されている国際標準プロトコルであるCAN(Controller Area Network)を用いている。
次に、マイクロコンピュータ15にて実行される制御処理のうち、触媒41の状態を検知するために実行される触媒状態検知処理について説明する。なお、マイクロコンピュータ15は、CPU、プログラムやデータを一時記憶しておくRAM、プログラムやデータを保持するROMおよびA/Dコンバータを含む公知の構成からなるものである。
図3に、触媒状態検知処理の処理内容を表すフローチャートを示す。また、図4に、触媒状態検知処理の実行時における各部の変化状態(全領域空燃比センサ43の検出電流値UIp、NOxセンサ49の第1検出電流値NIp1、第2検出電流値NIp2の各値の変化状態)を表すタイムチャートを示す。
なお、マイクロコンピュータ15では、触媒状態検知処理が開始される前に、n個(例えば、500個)のリーン保持時間Tl(n)を保存するための処理が実行される。リーン保持時間Tl(n)は、希薄空燃比状態において、触媒41がリフレッシュ直後からNOx吸蔵飽和状態になるまでの継続時間に相当するものであり、触媒41の劣化状態を判定する際の判定指標として利用できる。
触媒状態検知処理が開始されると、まず、S110(Sはステップを表す)では、触媒下流側ガス温度Te2が、触媒活性温度Teth1(例えば、300[℃])よりも大きいか否かを判断する処理を行う。S110での判定結果が肯定判定の場合にはS120に移行し、否定判定の場合にはS110の処理を繰り返し実行することにより、触媒下流側ガス温度Te2が触媒活性温度Teth1よりも大きくなるまで待機する。
なお、触媒下流側ガス温度Te2が触媒活性温度Teth1よりも大きくなることで、触媒41が活性化状態(NOxを吸蔵できる活性化状態)であると判断できる。
S120では、ECU9に対して、空燃比をリッチに制御する要求信号(空燃比リッチ要求信号)を送信する処理を行う。これにより、マイクロコンピュータ15は、通信出力回路17に対して空燃比リッチ要求信号を出力し、通信出力回路17は、デジタル通信線61を介してECU9に対し、空燃比リッチ要求信号を送信する。
そして、ECU9は、空燃比リッチ要求信号を受信すると、燃料混合気における燃料の割合を増加させて、空燃比をリッチに制御する。
続くS130では、全領域空燃比センサ43による検出電流値UIpが0[mA]未満であるか否かを判断する処理を行う。S130での判定結果が肯定判定の場合にはS140に移行し、否定判定の場合にはS130の処理を繰り返し実行することにより、検出電流値UIpが0[mA]未満になるまで待機する。
なお、検出電流値UIpが0[mA]未満になることにより、燃料の燃焼状態(空燃比)がリッチ領域に制御されたと判断できる。そして、リッチ空燃比領域においては、燃焼室から排出された排気ガス中に多量のHCが含有されることから、その排気ガス(リッチガス)が触媒41に供給されると、触媒41(詳細には、触媒41に備えられるNOx吸蔵還元触媒)に吸蔵されたNOxが、リッチガスに含まれるHCと化学反応を起こし還元される(NOx+HC→H2O+CO2+N2 )。この結果、触媒41からNOxが取り除かれる。
図4においては、時刻t1が、空燃比がリッチ領域に制御されたタイミングである。
次のS140では、NOxセンサ49による第1検出電流値NIp1が0[mA]未満であるか否かを判断する処理を行う。S140での判定結果が肯定判定の場合にはS150に移行し、否定判定の場合にはS140の処理を繰り返し実行することにより、第1検出電流値NIp1が0[mA]未満になるまで待機する。
なお、第1検出電流値NIp1は、触媒41の下流側における排気ガス中の酸素濃度に応じて値が変化しており、第1検出電流値NIp1が0[mA]未満になることにより、触媒41に吸蔵されたNOxが全て還元された(触媒41がリフレッシュされた)と判断できる。
図4においては、時刻t2が、触媒41がリフレッシュされたタイミングである。
続く、S150では、ECU9に対して、空燃比をリーンに制御する要求信号(空燃比リーン要求信号)を送信する処理を行う。これにより、マイクロコンピュータ15は、通信出力回路17に対して、空燃比リーン要求信号を出力し、通信出力回路17は、デジタル通信線61を介してECU9に対して空燃比リーン要求信号を送信する。
そして、ECU9は、空燃比リーン要求信号を受信すると、燃料混合気における燃料の割合を減少させて、空燃比をリーンに制御する。
次のS160では、NOxセンサ49による第1検出電流値NIp1が0[mA]よりも大きいか否かを判断する処理を行う。S160での判定結果が肯定判定の場合にはS170に移行し、否定判定の場合にはS160の処理を繰り返し実行することにより、第1検出電流値NIp1が0[mA]よりも大きくなるまで待機する。
なお、第1検出電流値NIp1は、触媒41の下流側における排気ガス中の酸素濃度に応じて値が変化しており、第1検出電流値NIp1が0[mA]よりも大きくなることにより、燃料の燃焼状態(空燃比)がリーン領域に移行したと判断することができる。
図4においては、時刻t3が、空燃比がリーン領域に制御されたタイミングである。
続くS170では、リーン時間カウンタTleanに0を設定して、リーン時間カウンタTleanを初期化する処理を実行すると共に、リーン時間カウンタTleanのカウント処理を開始する。
次のS180では、NOxセンサ49による第2検出電流値NIp2がNOx判定値Ip2thよりも大きいか否かを判断する処理を行う。S180での判定結果が肯定判定の場合にはS190に移行し、否定判定の場合にはS180の処理を繰り返し実行することにより、第2検出電流値NIp2がNOx判定値Ip2thよりも大きくなるまで待機する。
なお、第2検出電流値NIp2は、触媒41の下流側における排気ガス中のNOx濃度に応じて値が変化しており、第2検出電流値NIp2が大きくなるほどNOx濃度が高いことを示す。そして、NOx判定値Ip2thは、希薄空燃比での運転時に燃焼室から排出される排気ガス中に含まれるNOx濃度よりも僅かに低いNOx濃度に対応した電流値が、予め設定されている。
このため、第2検出電流値NIp2がNOx判定値Ip2thよりも大きくなるのは、触媒41におけるNOx吸蔵量が増加して飽和状態に近づき、触媒41のNOx吸蔵能力が低下(触媒41が劣化)した場合である。つまり、本ステップで肯定判定されることで、触媒41のNOx吸蔵量が限界値近くにまで増大していると判断できる。
図4においては、時刻t4が、触媒41のNOx吸蔵量が増大したと判断されるタイミングである。
次のS190では、まず、マイクロコンピュータ15の内部に保存(記憶)されたn個のリーン保持時間Tl(n)について、第2番目のリーン保持時間Tl(2)に保存されているデータを第1番目のリーン保持時間Tl(1)に保存する。その後、第3番目、第4番目という順番で、第n番目のリーン保持時間Tl(n)に保存されているデータを第(n−1)番目のリーン保持時間Tl(n−1)に移動して保存する処理を実行する。なお、これにより、S190が実行される直前に第1番目のリーン保持時間Tl(1)に保存されていたデータは破棄される。
さらに、S190では、第2番目から第n番目までのリーン保持時間Tl(n)についてデータ移行作業が完了すると、そのあと、S190の処理開始時点でのリーン時間カウンタTleanの数値を、第n番目のリーン保持時間Tl(n)として保存する処理を行う。つまり、S170にて開始されたリーン時間カウンタTleanのカウント処理値を、最新のリーン保持時間Tl(n)として保存するのである。
続くS200では、S190にて取得された最新のリーン保持時間Tl(n)を含めて保存されているn回分のリーン保持時間の移動平均値を算出し、その算出結果を第1リーン保持時間平均値TlA1として設定する処理を行う。
次のS210では、S190の処理を行うことで保存されたn回分のリーン保持時間のうち、最新のC回分のリーン保持時間における平均値を算出し、その算出結果を第2リーン保持時間平均値TlA2として設定する処理を行う。なお、Cは、予め定められた整数値(例えば、10)であり、nよりも小さい値が設定されている。
続くS220では、第2リーン保持時間平均値TlA2が、第1リーン保持時間平均値TlA1に判定用係数Kを乗じた値(TlA1×K)よりも小さいか否かを判断しており、肯定判定の場合にはS230に移行し、否定判定の場合にはS110に移行する。
なお、判定用係数Kには、0よりも大きく1よりも小さい値が設定されており、例えば、K=0.8などが設定される。
S220では、触媒41(詳細には、触媒41に備えられるNOx吸蔵還元触媒)が硫黄酸化物(化学式:SOx)の吸蔵によって劣化しているか否かを判定しており、否定判定の場合には、触媒41の硫黄酸化物による劣化は生じていないと判定されて、S110からS220までの処理を繰り返し実行することになる。
図4においては、時刻t11が、S110からの処理が再度実行されて、空燃比がリッチ領域に制御されたタイミングである。
また、S220での判定結果が肯定判定の場合には、触媒41の硫黄酸化物による劣化が生じていると判定されて、S230からS270までの処理(硫黄酸化物除去処理)を実行する。なお、図4においては、硫黄酸化物除去処理を実行した場合の各部の変化状態は省略している。
S230では、ECU9に対して、触媒41の温度を硫黄酸化物の除去が可能な高温に制御するバーニング要求信号を送信する処理を行う。これにより、マイクロコンピュータ15は、通信出力回路17に対してバーニング要求信号を出力し、通信出力回路17は、デジタル通信線61を介してECU9に対し、バーニング要求信号を送信する。
そして、ECU9は、バーニング要求信号を受信すると、燃料混合気における燃料の割合を増加させて空燃比をリッチに制御することにより、排気ガス温度を上昇させて、触媒41の温度を上昇させる。
次のS240では、触媒下流側ガス温度Te2が、触媒バーニング温度Teth2(例えば、600[℃])よりも大きいか否かを判断する処理を行う。S240での判定結果が肯定判定の場合にはS250に移行し、否定判定の場合にはS240の処理を繰り返し実行することにより、触媒下流側ガス温度Te2が触媒バーニング温度Teth2よりも大きくなるまで待機する。
なお、触媒下流側ガス温度Te2が触媒バーニング温度Teth2よりも大きくなることで、触媒41が高温状態となり、触媒41は、吸着した硫黄(S)を解離できる状態となる。
続くS250では、バーニング時間カウンタTburnに0を設定して、バーニング時間カウンタTburnを初期化する処理を実行すると共に、バーニング時間カウンタTburnのカウント処理を開始する。
次のS260では、バーニング時間カウンタTburnがバーニング処理時間閾値Tthよりも大きいか否かを判断する処理を行う。S260での判定結果が肯定判定の場合にはS270に移行し、否定判定の場合にはS260の処理を繰り返し実行することにより、バーニング時間カウンタTburnがバーニング処理時間閾値Tthよりも大きくなるまで待機する。なお、バーニング処理時間閾値Tthは、触媒41から硫黄を取り除くために必要となる最短時間が設定されている。
続くS270では、ECU9に対して、触媒41のバーニング処理を終了するためのバーニング終了信号を送信する処理を行う。これにより、マイクロコンピュータ15は、通信出力回路17に対してバーニング終了信号を出力し、通信出力回路17は、デジタル通信線61を介してECU9に対し、バーニング終了信号を送信する。
そして、ECU9は、バーニング終了信号を受信すると、燃料混合気における燃料の割合を減少させて空燃比をリーンに制御することにより、排気ガス温度を低下させて、触媒41の温度を低下させる。
S270での処理が完了すると、S150に移行して、再び上述した各ステップでの処理が実行される。
つまり、マイクロコンピュータ15で実行される触媒状態検知処理では、S110からS140までの処理において、触媒41からNOxを除去して触媒41を回復(リフレッシュ)する処理を実行し、S150からS190までの処理において、触媒41にNOxを吸蔵させる処理を実行している。また、S200からS220までの処理において、触媒41が硫黄酸化物により劣化した状態であるか否かを判定する処理を実行し、S230からS270までの処理において、劣化した触媒41を回復(リフレッシュ)する処理を実行している。
なお、図4においては、時刻t11、t21が時刻t1に相当するタイミングであり、時刻t12、t22が時刻t2に相当するタイミングであり、時刻t13、t23が時刻t3に相当するタイミングであり、時刻t14が時刻t4に相当するタイミングである。
また、マイクロコンピュータ15では、触媒41の上流側および下流側の圧力差に基づいて、触媒41に備えられるDPFが目詰まり状態であるか否かを判断する処理を実行している。そして、圧力差が所定の判定閾値を上回った場合には、DPFから煤を除去する処理を実行する。具体的には、排気ガス温度を上昇させて、煤を焼失することで、DPFに蓄積した煤を除去する。
なお、本実施例においては、通信出力回路17が、特許請求の範囲に記載の通信出力手段に相当し、マイクロコンピュータ15で実行される触媒状態検知処理が、触媒状態検知手段に相当している。また、電子制御装置9(ECU9)が、外部装置(エンジン制御装置)に相当している。
以上説明したように、本実施の形態のセンサ制御装置11は、デジタル通信線61を介して信号出力を行う通信出力回路17を備えており、ECU9との間における信号送受信を、デジタル通信線61を介して実行するよう構成されている。
そして、デジタル通信線61は、物理的には1系統(本実施の形態におけるCANの場合2本)のケーブルであるが、所定の通信プロトコルにより信号送受信を行うことで、複数種類の信号を送受信できるため、アナログ形式の信号ケーブルを複数本用いる場合と同様に、多数の信号を送受信することができる。つまり、デジタル通信線61を用いることで、センサ制御装置11とECU9との間で複数種類の信号を送受信するにあたり、比較的長い寸法を有する複数のアナログ形式の信号ケーブルを用いる必要が無くなる。
このことから、複数の排ガスセンサを有する内燃機関1においては、センサ制御装置11を用いることで、センサ制御装置11とECU9との間の信号経路を集約することができる。また、センサ制御装置11は、離れた箇所に備えられるECU9と信号送受信を行う場合であっても、デジタル通信線61を用いることにより、ECU9との間における信号の通信精度の低下を抑制することができる。
さらに、センサ制御装置11は、複数の駆動制御回路13、マイクロコンピュータ15、通信出力回路17などが1つのケーシングに収容されており、複数の排ガスセンサと接続できる構成であることから、各排ガスセンサに対してそれぞれ1個のセンサ制御装置を備える必要が無くなる。
また、本実施の形態におけるセンサ制御装置11は、触媒41から1メートル以内に設置されており、触媒41周りの各排ガスセンサとセンサ制御装置11の駆動制御回路13とを繋ぐ信号ケーブルの寸法を短めに設定することができるため、各排ガスセンサからセンサ制御装置11までの信号経路を流れる電気信号にノイズが重畳するなどの影響を少なくすることができる。とりわけ、NOxセンサ49から出力される第2検出電流値NIp2は、電流値が1[mA]以下と小さいためノイズなどの影響を受けやすいが、本実施例においては駆動制御回路77までの信号ケーブルの寸法が短いことから、ノイズなどの影響を効果的に抑制できる。
また、センサ制御装置11は、マイクロコンピュータ15において、駆動制御回路13が出力するセンサ信号に基づいて触媒の状態を検知し、検知した触媒状態を表す触媒状態信号を通信出力回路17に出力する触媒状態検知処理を実行し、通信出力回路17が触媒状態信号を、デジタル通信線61を介してECU9に出力するよう構成されている。
なお、S120で出力される空燃比リッチ要求信号は、触媒41(詳細には、触媒41に備えられるNOx吸蔵還元触媒)が限界値近くまでNOxを吸蔵してNOxを適切に吸蔵できない状態(NOx吸蔵能力低下状態)であることを示す触媒状態信号に相当し、S150で出力される空燃比リーン要求信号は、触媒41がNOxを適切に吸蔵できる状態(NOx吸蔵能力正常状態)であることを示す触媒状態信号に相当している。また、S230で出力されるバーニング要求信号は、触媒41が硫黄酸化物(SOx)を多量に吸蔵したためにNOxを適切に吸蔵できない状態(硫黄酸化物劣化状態)であることを示す触媒状態信号に相当し、S270で出力されるバーニング終了信号は、触媒41から硫黄酸化物が解離されて、適切にNOxを吸蔵できる状態(NOx吸蔵能力正常状態)であることを示す触媒状態信号に相当する。
このように、マイクロコンピュータ15が触媒状態検知処理を実行して、センサ制御装置11において触媒状態を検知する処理を実行することにより、ECU9にて触媒状態を検知する処理を実行する必要が無くなり、ECU9での制御処理の処理負荷を軽減することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例(以下、第1実施例ともいう)に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、駆動制御回路は、排ガスセンサからの電気信号に応じたセンサ信号を出力するだけでなく、排ガスセンサの故障検出処理を行い、故障検出結果に応じた診断結果信号をマイクロコンピュータに出力するように構成しても良い。なお、故障検出の内容としては、センサの断線故障、センサの短絡故障、センサ素子の異常、ヒータの異常などがある。
このように、故障検出処理などの各種制御処理をセンサ制御装置で実行することで、電子制御装置の処理負荷の低減を図ることができる。
また、微弱信号出力センサとしては、出力信号の電流値が微小(例えば、最大電流値が1[mA]以下)となるNOxセンサに限られることはなく、出力信号の電圧値が微小(例えば、最大電圧値が100[mV]以下)となる排ガスセンサも含まれる。
さらに、デジタル通信線での信号送受信に用いる通信プロトコルは、CANに限られることはなく、センサ制御装置と外部機器(例えば、ECU)との間で信号の送受信が可能な通信プロトコルであれば、他の通信プロトコルを用いることもできる。
さらに、触媒は、NOx吸蔵還元触媒に限られることはなく、NOx選択還元触媒(SCR=Selective Catalytic Reduction)を用いることもできる。
そこで、NOx選択還元触媒からなる第2触媒141を備える第2内燃機関101について簡単に説明する。図5に、第2内燃機関101のうち排気系周りの概略構成を表した説明図を示す。
第2内燃機関101は、第1実施例の内燃機関1から全領域空燃比センサ43および差圧センサ51を取り除き、触媒41に代えて第2触媒141を備えると共に、排気管31のうち第2触媒141の上流側に尿素インジェクタ55を備えることで構成される。
第2触媒141は、尿素を還元剤として用いる構造であり、上流側で尿素インジェクタ55から噴射された尿素(Urea[CO(NH22])を加水分解触媒でアンモニア(NH3)に変換し、そのアンモニアによりNOxを還元して、人体に無害な窒素(N2)と水(H2O)に変換するよう構成されている。
また、センサ制御装置11のマイクロコンピュータ15では、第1実施例に示す触媒状態検知処理に代えて、第2触媒状態検知処理を実行している。第2触媒状態検知処理では、第1温度センサ45の出力に基づいて尿素インジェクタ55から尿素を噴射する制御処理などを実行している。
なお、第2内燃機関101は、3個の排ガスセンサ(第1温度センサ45、第2温度センサ47、NOxセンサ49)を備えているが、各排ガスセンサからECU9までの信号経路のうち、センサ制御装置11からECU9までの信号経路は、デジタル通信線61で構成されている。
このようにデジタル通信線61を介して信号送受信を行うセンサ制御装置11を備えて構成される第2内燃機関101は、第1実施例の内燃機関1と同様に、比較的長い寸法を有する複数のアナログ形式の信号ケーブルを用いる必要が無くなり、信号の通信精度の低下を抑制できる。
また、センサ制御装置11は、第2触媒141から半径1メートル以内に設置されており、各排ガスセンサとセンサ制御装置11の駆動制御回路13とを繋ぐ信号ケーブルの寸法を短めに設定することができ、信号ケーブルを介して駆動制御回路13に向けて送信される電気信号にノイズが重畳するなどの影響が生じるのを効果的に抑制することができる。
センサ制御装置を備える内燃機関のうち排気系周りの概略構成を表した説明図である。 センサ制御装置の内部構成を表す構成図である。 触媒状態検知処理の処理内容を表すフローチャートである。 触媒状態検知処理の実行時における各部の変化状態(全領域空燃比センサの検出電流値UIp、NOxセンサの第1検出電流値NIp1、第2検出電流値NIp2の各値の変化状態)を表すタイムチャートである。 第2内燃機関のうち排気通路周りの概略構成を表した説明図である。 センサ制御装置の外観を表す平面図である。 センサ制御装置の外観を表す正面図である。 センサ制御装置の外観を表す側面図である。
符号の説明
1…内燃機関、9…電子制御装置(ECU)、11…センサ制御装置、13…駆動制御回路、15…マイクロコンピュータ、17…通信出力回路、18…ケーシング、31…排気通路(排気管)、41…触媒、43…全領域空燃比センサ、45…第1温度センサ、47…第2温度センサ、49…NOxセンサ、51…差圧センサ、53…センサ接続コネクタ、55…尿素インジェクタ、61…デジタル通信線、71…第1温度入力回路、73…第2温度入力回路、75…圧力入力回路、77…NOxセンサ駆動制御回路、79…UEGO駆動制御回路、101…第2内燃機関、141…第2触媒、K1・・・(排ガスセンサの)コネクタ。

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられる触媒の周りに取り付けられる少なくとも2個以上の排ガスセンサを制御するセンサ制御装置であって、
    前記排ガスセンサと1対1の関係で接続され、前記排ガスセンサをそれぞれ駆動制御すると共に、前記排ガスセンサが出力する電気信号に応じたセンサ信号を出力する複数の駆動制御回路と、
    前記複数の駆動制御回路と接続されて、複数の前記センサ信号を取得するマイクロコンピュータと、
    前記マイクロコンピュータで取得された複数の前記センサ信号のうち少なくとも1つを含む複数の信号をデジタル通信線を介して外部装置に出力する通信出力手段と、を備えており、
    前記排ガスセンサのうち少なくとも1つは、最大電流値が1[mA]以下または最大電圧値が100[mV]以下である微弱信号を前記電気信号として少なくとも1つ出力する微弱信号出力センサであり、
    前記駆動制御回路、前記マイクロコンピュータおよび前記通信出力手段を収容するケーシングを備えて構成されており、
    当該センサ制御装置は、前記駆動制御回路から前記排ガスセンサに繋がる信号経路において、前記排ガスセンサのコネクタと1対1の関係で接続される複数のセンサ接続コネクタを備えており、
    前記センサ接続コネクタは、前記排ガスセンサのコネクタが着脱可能に接続される構造であること、
    を特徴とするセンサ制御装置。
  2. 前記微弱信号出力センサは、前記排気通路を流通する排気ガス中のNOx濃度を測定することで出力される前記電気信号の最大電流値が、1[mA]以下となるNOxセンサであること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
  3. 前記微弱信号出力センサと、当該微弱信号出力センサと電気的に接続される前記駆動制御回路とを繋ぐ信号ケーブルの長さが2メートル以内であること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
  4. 前記マイクロコンピュータは、前記駆動制御回路が出力する前記センサ信号の少なくとも1つに基づいて前記触媒の状態を検知し、検知した触媒状態を表す触媒状態信号を前記通信出力手段に出力する触媒状態検知手段を備え、
    前記通信出力手段は、前記触媒状態信号を、前記デジタル通信線を介して前記外部装置に出力すること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
  5. 前記外部装置は、前記内燃機関を制御するエンジン制御装置であり、
    前記エンジン制御装置と前記センサ制御装置との間の距離が、前記センサ制御装置と前記微弱信号出力センサとの間の距離よりも長くなる関係を満たすように当該センサ制御装置が設置されること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
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