JP4482480B2 - センサ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に取り付けられる複数の排気用センサの駆動を制御するセンサ制御装置に関するものである。
自動車から排出される排気ガスには、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)以外に窒素酸化物(NOx)が含まれている。近年、この有害な窒素酸化物を無害なガスに還元して排出する処理が行われている。例えば、エンジンから排出される排気ガスの排気通路の途中にNOx選択還元触媒(SCR)を排気通路に設置し、還元剤溶液としての尿素水を排気ガスに噴射してから上記触媒を通過させることで、NOxを二酸化炭素(CO)や窒素(N)などの無害なガスに還元するシステムが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
また、NOx吸蔵還元触媒を設置し、NOx排出量を低減するシステムも提案されている。NOx吸蔵還元触媒は、排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し、空燃比がリッチとなったときに吸蔵したNOxを還元して放出する特性を有する。この触媒を利用したシステムでは、リーン運転中に間欠的に空燃比がリッチとなるように排気ガスに対し燃料の噴射を行い、NOx吸蔵還元触媒に吸蔵したNOxを無害なガスに還元して排出する処理が行われる。
このようなシステムを搭載する内燃機関では、排気通路に設けられるNOx吸蔵還元触媒あるいはNOx選択還元触媒、DPFの周りに複数のセンサが取り付けられる。具体的には、全領域空燃比センサや温度センサ、圧力センサ等(これらの排気ガスに関する状態を検出するためのセンサを総称し、以下、「排気用センサ」という。)のうち少なくとも一つが、上記触媒の上流側や下流側に取り付けられる。また、上記触媒の下流側に排気ガス中のNOx濃度を測定するNOxセンサが取り付けられる。
これらの排気用センサやNOxセンサは、空燃比制御や点火制御などエンジンの駆動に関する各種制御を司るエンジン制御装置(以下、「ECU」という。)に接続され、制御される。ECUは通常、エンジンルーム付近など排気通路から離れた位置に設置され、排気用センサとは長い信号ケーブルを介して接続される。しかし排気用センサには、その特性上、検知した排気ガスの状態(例えば温度や特定ガスの濃度など)を微弱な電気信号としてしか出力できないものがあり、ノイズや信号ケーブルによる抵抗損失などの影響を受けると検知精度の低下を招く虞がある。そこで、このような排気用センサの駆動制御を司るセンサ制御装置を、ECUとは別途に設けつつ排気用センサの取り付け位置近傍に配置し、このセンサ制御装置をECUにより制御することは有効である(例えば特許文献2参照。)。
特開平10−33948号公報 特開平11−304758号公報
ところで、NOx吸蔵還元触媒を用いたシステムにおいて排気ガスに燃料を噴射する噴射装置や、NOx吸蔵還元触媒を用いたシステムにおいて排気ガスに尿素を噴射する噴射装置を駆動するための駆動回路には、上記排気用センサの駆動制御のための電流容量よりも大きな電流容量が通常必要である。そして、噴射装置の駆動回路をECUに設けた場合、ECUの大型化を招く虞があり、また、発熱量が増加する虞があるため、熱を放散するための構造を設ける必要性が生じた。また、上記したようにECUは排気通路から離れた位置に設置されるので、ECUと噴射装置とを電気的に接続する信号ケーブルには劣化や断線等の可能性が高くなる。このため、信号ケーブルには劣化、断線に伴う大電流のリークや電圧降下、発熱を防止するための仕様が必要となり、コストを低減することが難しいという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、検知した排気ガスの状態を微弱な電気信号として出力するセンサや、駆動に大きな電流容量を必要とするデバイス等の駆動を、一つの制御装置として統合して制御することができるセンサ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のセンサ制御装置は、内燃機関の排気通路に設けられる触媒の位置より排気ガスの流路方向下流側に設けられ、前記排気通路を流通される排気ガスの状態を検知し、検知結果を最大電流値が1mA以下または最大電圧値が100mV以下である電気信号として出力する微弱信号出力センサと、前記微弱信号出力センサに接続され、前記微弱信号出力センサの駆動を制御すると共に、前記微弱信号出力センサより得られる電気信号に応じたセンサ信号を出力する微弱信号出力センサ駆動制御回路と、前記排気通路中の前記触媒の位置またはその位置よりも排気ガスの流路方向上流側に設けられ、前記触媒による排気ガスの浄化を補助するための浄化液を前記排気通路内に噴射する触媒浄化液噴射装置に接続され、受信した駆動信号に基づいて前記触媒浄化液噴射装置の駆動を制御する触媒浄化液噴射装置駆動制御回路と、前記微弱信号出力センサ駆動制御回路から受信したセンサ信号に基づいて、前記触媒浄化液噴射装置駆動制御回路に前記触媒浄化液噴射装置を駆動させるための前記駆動信号を出力するマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータに接続され、双方向シリアル通信によって前記内燃機関を制御するエンジン制御装置との通信を行う通信回路とを備え、前記触媒浄化液噴射装置駆動制御回路は、前記駆動信号の電流値をモニタリングする電流検知回路を有し、前記マイクロコンピュータは、前記触媒浄化液噴射装置の駆動に異常が発生しているか否かを前記電流検出回路にてモニタリングされる電流値に基づいて判断する異常判断手段を備え、前記異常判断手段により異常が発生していると判断されたときに、前記通信回路を用いて前記エンジン制御装置に異常信号を出力することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のセンサ制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記微弱信号出力センサに加えて、前記触媒の周りに取り付けられる少なくとも1つ以上の排気用センサと、前記排気用センサに対応して設けられ、前記排気用センサより得られる電気信号に応じたセンサ信号を前記マイクロコンピュータに出力する排気用センサ駆動制御回路とを備えている。
また、請求項3に係る発明のセンサ制御装置は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記微弱信号出力センサは、前記排気通路を流通する排気ガス中のNOx濃度を測定することで出力される前記電気信号の最大電流値が1mA以下となるNOxセンサであることを特徴とする。
また、請求項に係る発明のセンサ制御装置は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記エンジン制御装置と前記センサ制御装置との間の距離が、前記センサ制御装置と前記微弱信号出力センサとの間の距離よりも長くなる関係を満たすように、前記センサ制御装置が前記内燃機関に設置されることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のセンサ制御装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記触媒浄化液噴射装置による前記触媒浄化液の噴射時間は、値が更新される調整値に応じて調整されるものであり、前記マイクロコンピュータの前記異常判断手段は、さらに、前記触媒浄化液噴射装置の駆動に異常が発生しているか否かを、前記調整値が、予め定められた所定の範囲内にあるか否かに基づいて判断することを特徴とする。
請求項1に係る発明のセンサ制御装置では、排気ガスの状態に関する検知結果を最大電流値が1mA以下または最大電圧値が100mV以下である電気信号として出力する微弱信号出力センサと、触媒浄化液噴射装置とのそれぞれの駆動制御回路である微弱信号出力センサ駆動制御回路と触媒浄化液噴射装置駆動制御回路とを備え、エンジン制御装置とは双方向シリアル通信によって通信を行うので、エンジン制御装置とセンサ制御装置との間の距離を離してそれぞれを配置させることができる。すなわち、微弱信号出力センサと微弱信号出力センサ駆動制御回路とを近づけて配置させることができるので、両者間を電気的に接続する信号ケーブルを全体的に短めに設定することができ、ノイズや信号ケーブルの抵抗損失などの影響で排気ガスの状態に関する検知精度の低下を招く虞がない。同様に、触媒浄化液噴射装置と触媒浄化液噴射装置駆動制御回路とを近づけて配置させることができるので、両者間の距離を離して配置させた場合のように、信号ケーブルの引き回しに伴う劣化や断線等の虞を低減することができる。
そして、エンジン制御装置とは独立して、微弱信号出力センサ駆動制御回路と触媒浄化液噴射装置駆動制御回路とを一体に組み込んでセンサ制御装置を構成することで、エンジン制御装置の大型化や構造の複雑化を招くのを防ぐことができる。また、センサ制御装置とエンジン制御装置との間の通信を双方向シリアル通信によって行うので、両者間の通信精度の低下を防止することができる。さらに、シリアル通信であるので、信号ケーブルを構成する信号線の本数を減らすことができる。
また、異常判断手段により触媒浄化液噴射装置の駆動に異常が発生しているか否かを判断し、異常発生時には通信回路を用いてエンジン制御装置に異常信号を出力する。センサ制御装置がこうした異常判断手段を備えることにより、触媒浄化液噴射装置の故障診断のために外部装置やセンサ等を設ける必要がなく、製造コストの低減を図ることができる。また、エンジン制御装置自身が触媒浄化液噴射装置の故障診断処理を行う必要がなく、エンジン制御装置の処理負荷を低減することもできる。
また、請求項2に係る発明のセンサ制御装置では、請求項1に係る発明の構成に加え、少なくとも1つ以上の排気用センサと、その排気用センサを駆動するための排気用センサ駆動制御回路とを備えている。このため、微弱信号出力センサに加え排気用センサについてもエンジン制御装置により駆動制御を行う必要がなく、エンジン制御装置の処理負荷を低減することができる。また、排気用センサも微弱信号出力センサの設置位置に近い位置に配置されるため、排気用センサ駆動制御回路を排気用センサに近づけて配置させることができる。これにより、両者間を電気的に接続する信号ケーブルを全体的に短めに設定することができ、ノイズや信号ケーブルの抵抗損失などの影響で排気ガスの状態に関する検知精度の低下を招く虞がない。
また、請求項3に係る発明のセンサ制御装置では、請求項1または2に係る発明の構成に加え、出力される電気信号の最大電流値が1mA以下のNOxセンサを微弱信号出力センサとして特定したものである。このようにNOxセンサの出力する電気信号の電流値は非常に小さいため、本発明の排気ガス浄化装置をNOxセンサの近傍に配置すれば、その電気信号の流れる信号ケーブルを短くすることができる。これにより、ノイズや信号ケーブルの抵抗損失などの影響でNOxセンサの検知精度の低下を招く虞がない。
また、請求項に係る発明のセンサ制御装置では、請求項1乃至のいずれかに係る発明の効果に加え、センサ制御装置に対して微弱信号出力センサが出力する電気信号は、その値が非常に小さく、ノイズ等の影響を受けやすいが、エンジン制御装置とセンサ制御装置との間は双方向シリアル通信によって通信が行われるため、両者間の距離が長くても信号の通信精度の高い通信を行うことができる。これにより、微弱信号出力センサと微弱信号出力センサ駆動制御回路との間の距離に対し、センサ制御装置とエンジン制御装置との間の距離が長くなるような関係を保った状態で三者の配置位置を決定すれば、信号の通信精度を維持したままで配置位置の自由度を高めることができるとともに、微弱信号出力センサの出力におけるノイズ等の影響を効果的に低減することができる。
以下、本発明を具体化したセンサ制御装置を備える排気ガス浄化制御装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照し、排気ガス浄化制御装置の一例としてのNOxセンサ60、追加インジェクタ54およびセンサ制御装置100を備えた内燃機関1の排気系周りの概略的な構成について説明する。図1は、内燃機関1の排気系周りの概略的な構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、ピストン21やシリンダ22を備え自動車を駆動するためのエンジン20と、エンジン20から排出される排気ガスを車外に放出するための排気管30と、排気管30の経路上に設けられた触媒40と、触媒40の周囲に設けられた排気用センサを駆動制御するセンサ制御装置100と、双方向シリアル通信によりセンサ制御装置100と通信を行うECU(エンジン制御装置)90とを備えている。なお、内燃機関1は、ECU90からの指令に基づき空燃比を所定のリーン領域(例えば、A/F=22)で制御し、エンジン20にてリーン燃焼を実現する構成となっている。
排気管30の経路上に設けられた触媒40は、本実施の形態ではNOx吸蔵還元触媒であり、排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し、空燃比がリッチになると吸蔵したNOxを還元して放出する特性を有する。図示しないが、触媒40は、酸化触媒および排気ガス中の煤を除去するためDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ、微粒子除去フィルタ)を備えている。なお、排気管30が、本発明における「排気通路」に相当する。
次に内燃機関1は、排気用センサとして全領域空燃比センサ55、第1温度センサ56、第2温度センサ59、第1圧力センサ52および後述する第2圧力センサ58を備えている。また、排気ガス中の酸素濃度およびNOx濃度を検出し、微弱な信号を出力する微弱信号出力センサとして、NOxセンサ60も備えている。これら各排気用センサ等は、それぞれ個別に設けられるアナログ形式の信号ケーブルを介し、センサ制御装置100に接続されている。
全領域空燃比センサ55は、排気ガス中の酸素濃度を広域にわたって検出するためのセンサであり、その酸素濃度に応じて変化する電流値をセンサ制御装置100に対し出力する。排気管30の経路上において、全領域空燃比センサ55は触媒40よりも上流側で、エンジン20(燃焼室)に近い位置に設けられている。
第1温度センサ56および第2温度センサ59は、触媒40の活性温度を管理したり、DPFに蓄積された煤の焼却除去(リフレッシュ)を行う際に排気ガスの温度を管理したりするためのセンサである。それぞれ、検出した排気ガスの温度に応じて抵抗値が変化し、その抵抗値がセンサ制御装置100にて検出される。第1温度センサ56および第2温度センサ59は、排気管30の経路上において触媒40を間に挟むように、その上流側および下流側にそれぞれ設けられている。
また、触媒40を跨ぐように排気管30の上流側と下流側とを接続するバイパス57の通路上には、第2圧力センサ58が設けられている。第2圧力センサ58は、排気管30の上流側の圧力と下流側の圧力との差圧を検出し、センサ制御装置100に対して出力する。この第2圧力センサ58の検出結果に基づいて、DPFの目詰まりの判定や、DPFの故障検知が行われる。
次に、排気管30の経路上で触媒40の下流側に設けられたNOxセンサ60は、触媒40を通過した排気ガス中の酸素濃度およびNOx濃度を検出するためのセンサである。NOxセンサ60は、排気ガス中の酸素濃度に応じて変化する電流値と、排気ガス中のNOx濃度に応じて変化する電流値との2種類の電流値をセンサ制御装置100に対して出力する。なお、NOxセンサ60および後述するNOxセンサ制御回路140は、公知の構成を採用したものであれば良く、具体的には特開平11−304758号公報にて開示された構造を採用することができるため、これ以上の詳細な説明は省略する。このNOxセンサ60により検出されるNOx濃度は、一般に数10〜数100ppmであり、それに相当する電流値は、その大きさが0.1〜数100(μA)の微弱な電流である。なお、NOxセンサ60が、本発明における「微弱信号出力センサ」に相当する。
また、内燃機関1は、排気ガスに対し触媒40の浄化を促す浄化液としての燃料を噴射するための追加インジェクタ54を備えている。追加インジェクタ54は排気管30内を通過する排気ガスに燃料を噴射して空燃比をリッチにするために設けられ、全領域空燃比センサ55よりも排気管30の上流側にて、排気管30内に噴射口を向けて配置されている。この追加インジェクタ54もセンサ制御装置100に電気的に接続されており、駆動のための駆動電圧が印加されている。また追加インジェクタ54には、噴射する燃料を燃料タンク(図示外)から供給するための燃料供給管53が接続されている。この燃料供給管53にはセンサ制御装置100に電気的に接続された制御バルブ51が設けられており、センサ制御装置100により開閉の制御が行われている。なお、追加インジェクタ54が、本発明における「触媒浄化液噴射装置」に相当する。
さらに、燃料供給管53の制御バルブ51と追加インジェクタ54との間には、第1圧力センサ52が設けられている。第1圧力センサ52は、追加インジェクタ54に供給される燃料の圧力を検出し、その圧力に応じた電圧値をセンサ制御装置100に対し出力する。
このような内燃機関1において、NOxセンサ60のような微弱な電気信号を出力する微弱信号出力センサとセンサ制御装置100とを接続する信号ケーブルは、抵抗損失やノイズなどの影響による検知精度の低下を防止するためにも2メートル以下であることが望ましい。このため本実施の形態では、触媒40の配置位置から半径1メートル以内にセンサ制御装置100が配置されている。
一方で、ECU90は、通常、自動車のエンジンルーム付近などに配置されている。このため、センサ制御装置100とECU90との間の距離は、排気用センサとセンサ制御装置100との間の距離よりも長い。こうしたことから両者間での信号のやり取りを確実に行えるように、センサ制御装置100とECU90とは、双方向シリアル通信ケーブル210によって電気的に接続されている。本実施の形態では、その通信プロトコルとして、ISO11898として規格化されている国際標準プロトコルのCAN(Controller Area Network)を用いている。
次に、図2を参照し、センサ制御装置100の内部構成について説明する。図2は、センサ制御装置100の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、センサ制御装置100は、図示しないケーシング内に、センサ制御装置100の制御を司るCPU111と、各種のデータを一時的に記憶するRAM113と、後述する触媒浄化プログラムや、触媒浄化プログラムで使用される変数の初期値やしきい値等が記憶されたROM112とを有するマイクロコンピュータ110を備えている。
なお、マイクロコンピュータ110のCPU111、ROM112およびRAM113は公知の構成からなるものである。ROM112には図示外の各種記憶エリアが設けられており、後述する触媒浄化プログラムや、触媒浄化プログラムで使用される各種係数、計算式等が所定の記憶エリアに記憶されている。同様に、RAM113にも図示外の各種記憶エリアが設けられており、触媒浄化プログラムの実行時には、触媒プログラムや、触媒プログラムで使用される各種変数、タイマカウント値等が一時的に所定の記憶エリアに記憶される。
また、センサ制御装置100には、上記したNOxセンサ60、各排気用センサや追加インジェクタ54等の制御をそれぞれ行う制御回路が設けられ、各々マイクロコンピュータ110に接続されている。具体的には、温度センサ入力回路120、圧力センサ入力回路130、NOxセンサ制御回路140、空燃比センサ制御回路150、ドライバ回路160,170が設けられ、それぞれに対応する排気用センサや追加インジェクタ54等が接続されている。また、センサ制御装置100には通信回路180が設けられている。さらにセンサ制御装置100には、外部の電源200から供給される電圧を、上記マイクロコンピュータ110や各回路で使用する電位に降圧させるための電源回路190が設けられている。そしてドライバ回路160,170には電源200から電圧(電位VBAT)が供給されている。なお、上記各排気用センサそれぞれの制御を行う制御回路、具体的には、温度センサ入力回路120、圧力センサ入力回路130、空燃比センサ制御回路150が、本発明における「排気用センサ駆動制御回路」に相当する。
温度センサ入力回路120は、第1,第2温度センサ56,59の抵抗値に基づいて、それぞれのセンサで検出された排気ガスの温度に応じたセンサ信号をマイクロコンピュータ110に送信する。圧力センサ入力回路130は、第1,第2圧力センサ52,58が出力する電圧値に基づいて、第1圧力センサ52で検出された噴射燃料圧力に応じたセンサ信号や、第2圧力センサ58で検出された排気管30における触媒40の上流と下流との差圧に応じたセンサ信号をマイクロコンピュータ110に送信する。なお、第1,第2温度センサ56,59および第1,第2圧力センサ52,58の信号線のうち一方は、それぞれグランドに接地されている。
NOxセンサ制御回路140は、マイクロコンピュータ110の指示に基づきNOxセンサ60の制御を行い、NOxセンサ60の出力する電流値に基づいて、排気ガス中の酸素濃度と、NOx濃度とのそれぞれに応じたセンサ信号をマイクロコンピュータ110に送信する。空燃比センサ制御回路150は、マイクロコンピュータ110の指示に基づき全領域空燃比センサ55の制御を行い、全領域空燃比センサ55の出力する電流値に基づいて、排気ガス中の酸素濃度に応じたセンサ信号をマイクロコンピュータ110に送信する。なお、NOxセンサ制御回路140が、本発明における「微弱信号出力センサ駆動制御回路」に相当する。
ドライバ回路170は、電源200から電圧VBATが供給され、マイクロコンピュータ110の指示に基づき制御バルブ51に印加する電圧を制御することで、制御バルブ51の開閉制御を行っている。なお、制御バルブ51は、グランドに接地されている。また、ドライバ回路160は、電源200から電圧VBATが追加インジェクタ54を介して供給され、マイクロコンピュータ110の指示に基づき追加インジェクタ54に印加する電圧を制御することで、追加インジェクタ54の噴射制御を行っている。このドライバ回路160には、グランドに接地された電流検知回路161が接続されている。電流検知回路161は、後述する触媒浄化プログラムにおいて、ドライバ回路160による追加インジェクタ54の制御の際の電流値のモニタリングを行っている。そして異常時には、マイクロコンピュータ110に対し異常信号を出力しており、これによりセンサ制御装置100は、故障診断(OBD:On Board Diagnostics)を行うことができる。なお、ドライバ回路160が、本発明における「触媒浄化液噴射装置駆動制御回路」に相当する。
通信回路180は、双方向シリアル通信ケーブル210を介し、ECU90(図1参照)と双方向通信を行うための回路である。通信回路180は、前述したようにプロトコルCANを用い、ECU90に対して各種情報を含む信号を送信するとともに、ECU90から各種情報を含む信号を受信可能に構成されている。
このような構成のセンサ制御装置100において実行される制御プログラムのうち、排気ガスを浄化するための触媒40の状態を検知して触媒40をリフレッシュするための触媒浄化プログラムについて、以下、図3〜図5を参照して説明する。図3は、触媒制御プログラムのメインルーチンのフローチャートである。図4は、触媒制御プログラムのサブルーチンのフローチャートである。図5は、触媒制御プログラムのサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップを「S」と略記する。
なお、マイクロコンピュータ110では、触媒浄化プログラムが実行される前に、RAM113の所定の記憶エリアにn個(例えば500個)のリーン保持時間Tl(n)を記憶するための処理が実行される。リーン保持時間Tl(n)は、希薄空燃比状態において、触媒40がリフレッシュ直後からNOx吸蔵飽和状態となるまでの継続時間に相当するものであり、触媒40の劣化状態を判定する際の判定指標となる。
内燃機関1の触媒40は、排気ガスの空燃比がリーン状態のときにNOxを吸蔵する。本実施の形態の触媒浄化プログラムは、この触媒40のNOxの吸蔵が飽和状態となったら、排気ガス中に燃料を噴射して空燃比をリッチ状態とすることでNOxを還元して放出させることで、触媒40をリフレッシュする一連の処理を行う。
図3に示す触媒浄化プログラムが実行されると、まず、第2温度センサ59により検出される触媒下流側排気ガス温度Te2が、触媒活性温度Teth1(例えば150℃)よりも大きいか否かを判断する処理が行われる(S1)。触媒下流側排気ガス温度Te2が触媒活性温度Teth1以下であるうちは、S1を繰り返すことで待機が行われる(S1:NO)。そして、触媒下流側排気ガス温度Te2が触媒活性温度Teth1より大きくなることで、触媒40が活性状態、すなわちNOxを吸蔵還元可能な状態と判断され(S1:YES)、S2に進む。
次に、排気ガスの空燃比がリッチとなるように制御するための燃料噴射処理(Rich spike噴射処理)のサブルーチンが実行される(S2)。図4,図5に示すように、Rich spike噴射処理では、まず、ECU90に対し、CDR(ECU90側で設定される燃料の狙い噴射量)値の要求が行われる(S20)。CPU111から出力されたCDR値要求信号は、通信回路180により双方向シリアル通信ケーブル210を介してECU90に送信される。ECU90は、CDR要求信号を受信すると、センサ制御装置100に対してCDR値を送信する。
センサ制御装置100では、CDR値をまだ受信しないうちはS20に戻り、ECU90に対し繰り返し継続してCDR値の要求が行われる(S21:NO,S20)。そしてECU90からCDR値を受信すると(S21:YES)、このCDR値に予め定められた係数Lが乗じられ、さらに第1圧力センサ52により検出した燃料供給管53内の燃料圧としての噴射ライン圧力センサ出力Pinjに対応して予め定められた関数g(Pinj)で除した値(L×CDR/g(Pinj))の算出が行われる。この算出結果は、追加インジェクタ54による燃料の噴射時間TCDRとしてRAM113に記憶され、また、後述する噴射時間TCDRの調整を行うための調整値Mとして「1」が記憶される(S22)。そしてROM112に記憶されているduty比算出関数f(TCDR)に基づく計算が行われ、その計算結果が追加インジェクタ54の駆動電力を決定するための追加インジェクタ駆動duty比Dinjとして記憶される(S23)。
次に、ドライバ回路170より制御バルブ51に駆動電圧が印加されてバルブが開放され、追加インジェクタ54に燃料圧がかかるようになる(S25)。そしてドライバ回路160より追加インジェクタ駆動duty比Dinjに基づく追加インジェクタ54への電力供給が行われることで追加インジェクタ54の駆動が開始され(S26)、排気ガスに対する燃料の噴射が行われる。
次いで、ECU90よりShut−off(駆動停止)信号を受信しているか確認が行われる(S27)。Shut−off信号を受信していれば(S27:YES)、追加インジェクタ54への電力供給が中止されて駆動が停止されるとともに(S51)、制御バルブ51の駆動によりバルブが閉鎖され(S52)、図3のメインルーチンに戻る。
Shut−off信号を受信していなければ(S27:NO)、図5に示すS30〜S33の判断処理により、電流検知回路161にてドライバ回路160の異常診断が行われる。まずS30において、追加インジェクタドライバ駆動信号電圧Vinj(追加インジェクタ54に印加される電圧)がHighレベルとなるタイミングまでS30を繰り返すことで待機が行われる(S30:NO)。追加インジェクタドライバ駆動信号電圧VinjがHighレベルとなると(S30:YES)、追加インジェクタ駆動電流Iinj(追加インジェクタ54に流れる電流)と、ROM112に記憶された追加インジェクタ配線異常判定閾値THhighとが比較される(S31)。追加インジェクタ駆動電流Iinjが追加インジェクタ配線異常判定閾値THhigh以下である場合(S31:NO)、Highレベル時の電流に異常があるとして、ECU90に対して追加インジェクタ配線異常信号が出力される(S35)。CPU111から出力された追加インジェクタ配線異常信号は、通信回路180により双方向シリアル通信ケーブル210を介してECU90に送信される。そして図4に示すように、追加インジェクタ54の駆動停止と(S51)、制御バルブ51の閉鎖とが行われ(S52)、図3のメインルーチンに戻る。一方、図5に示すように、追加インジェクタ駆動電流Iinjが追加インジェクタ配線異常判定閾値THhighより大きければ(S31:YES)、Highレベル時の電流に問題はないとしてS32に進む。
S32では、追加インジェクタドライバ駆動信号電圧VinjがLowレベルとなるタイミングまでS32を繰り返すことで待機が行われる(S32:NO)。追加インジェクタドライバ駆動信号電圧VinjがLowレベルとなると(S32:YES)、追加インジェクタ駆動電流Iinjと、ROM112に記憶された追加インジェクタ配線異常判定閾値THlowとが比較される(S33)。追加インジェクタ駆動電流Iinjが追加インジェクタ配線異常判定閾値THlow以上である場合(S33:NO)、Lowレベル時の電流に異常があるとして、上記同様、ECU90に対して追加インジェクタ配線異常信号が出力される(S35)。CPU111から出力された追加インジェクタ配線異常信号は、通信回路180により双方向シリアル通信ケーブル210を介してECU90に送信される。そして図4に示すように、追加インジェクタ54の駆動停止と(S51)、制御バルブ51の閉鎖とが行われ(S52)、図3のメインルーチンに戻る。一方、図5に示すように、追加インジェクタ駆動電流Iinjが追加インジェクタ配線異常判定閾値THlow未満であれば(S33:YES)、Lowレベル時の電流に問題はないとして、図4に示すS40に進む。なお、上記S30〜S33の各判断手段が、本発明における「異常判断手段」に相当する。
図4のS40〜S50の処理では、追加インジェクタ54から噴射される燃料の噴射量の調整(加減)が行われる。まず、全領域空燃比センサ55により検出された排気ガス中の酸素濃度に応じた電流値に基づく、空燃比センサ制御回路150からの出力(空燃比センサA/F出力)Uafが、ROM112に記憶されたリッチA/F設定下限値THrich(例えば10)と比較される(S40)。空燃比センサA/F出力UafがリッチA/F設定下限値THrichより大きければ(S40:YES)、次いで、ROM112に記憶されたリッチA/F設定上限値THlean(例えば13.5)と比較される(S41)。空燃比センサA/F出力UafがリッチA/F設定上限値THleanより小さければ(S40:YES)、排気ガス中の酸素濃度が正常範囲内にあるとしてS42に進む。
S42では、NOxセンサ60により検出される触媒40通過後の排気ガス中の酸素濃度に応じた出力電流値NIp1が、リッチスパイク終了判定閾値THrs未満であるか否かが確認される(S42)。電流値NIp1がリッチスパイク終了判定閾値THrs以上である場合(S42:NO)、触媒40に吸蔵されたNOxの還元にリッチ分の燃料が利用されている状態であり、NOxがすべて還元されていない(触媒40がリフレッシュされていない)と判断される。よってS27に戻り、追加インジェクタ駆動duty比Dinjはそのままの状態で、追加インジェクタ54からの燃料噴射が継続される。そして、触媒40通過後の排気ガス中の酸素濃度に応じた電流値NIp1がリッチスパイク終了判定閾値THrs未満となれば(S42:YES)、NOxがすべて還元され、触媒40はリフレッシュされたと判断され、追加インジェクタ54の駆動停止と(S51)、制御バルブ51の閉鎖とが行われ(S52)、図3のメインルーチンに戻る。
また、図4のS40において、空燃比センサA/F出力Uafが、リッチA/F設定下限値THrich以下となった場合(S40:NO)、予め設定されROM112に記憶された定数βが、噴射時間TCDRの調整を行うための調整値M(初めてS43またはS45の処理が行われた場合には「1」が記憶されている。)から減算され(M−β)、その結果が新しい調整値Mとして記憶される(S45)。一方で、S41において、空燃比センサA/F出力Uafが、リッチA/F設定上限値THlean以上となった場合(S41:NO)、予め設定されROM112に記憶された定数αが、上記同様、調整値Mに加算され(M+α)、その結果が新しい調整値Mとして記憶される(S43)。
そして、S43またはS45の処理により値の変化した調整値Mは、予め設定されROM112に記憶された調整値Mの上限値Mmaxおよび下限値Mminのそれぞれと比較される(S46)。まず調整値Mが上限値Mmaxと比較され、上限値Mmax未満であれば、さらに下限値Mminと比較される。そして調整値Mが下限値Mminより大きければ(S46:YES)、調整値Mは正常な値の範囲内にあると判断され、S43またはS45で値の更新された調整値Mと噴射時間TCDRとが乗じられる(M×TCDR)。この計算結果により更新された噴射時間TCDRが、新しい噴射時間TCDRとして記憶される(S47)。噴射時間TCDRが更新されたことに伴い、S23と同様にduty比算出関数f(TCDR)に基づく計算が再度行われ、その計算結果が追加インジェクタ駆動duty比Dinjとして記憶される(S48)。ドライバ回路160から追加インジェクタ54に供給される電力は追加インジェクタ駆動duty比Dinjに従うため、この処理によって追加インジェクタ54から噴射される燃料の噴射量が変更されることとなる。そしてS27に戻り、それ以降の処理が継続される。
ところで、S46において、調整値Mが上限値Mmax以上となった場合、または調整値Mが下限値Mmin以下となった場合(S46:NO)、追加インジェクタ54の噴射量の調整に問題が発生したと判断され、ECU90に対して追加インジェクタ異常信号が出力される(S50)。CPU111から出力された追加インジェクタ異常信号は、通信回路180により双方向シリアル通信ケーブル210を介してECU90に送信される。そして図4に示すように、追加インジェクタ54の駆動停止と(S51)、制御バルブ51の閉鎖とが行われ(S52)、図3のメインルーチンに戻る。
図3に示すRich spike噴射処理(S2)が終了するとS5に進み、触媒40通過後の排気ガスの空燃比がリッチの状態のままで、NOxセンサ制御回路140からの出力電流値NIp1が0mA以下であるか否かを判定し、電流値NIp1が0mA以下であればS5を繰り返すことで待機が行われる(S5:NO)。電流値NIp1が0mAより大きくなって触媒40通過後の排気ガスがリーンの状態となったと判断されると(S5:YES)、RAM113に記憶されるリーン時間カウンタTleanに「0」が設定されて初期化されるとともに、リーン時間カウンタTleanのカウント処理が開始される(S6)。
次に、NOxセンサ60により検出される触媒40通過後の排気ガス中のNOx濃度に応じた電流値に基づく、NOxセンサ制御回路140からの出力電流値NIp2が、予めROM112に記憶されたNOx判定値Ip2thと比較される(S7)。NOxの濃度が低く、出力電流値NIp2がNOx判定値Ip2th以下であるうちは(S7:NO)、触媒40によってNOxが吸蔵され、触媒40より下流側でNOxが検出されていない状態であることを示し、S7が繰り返されて待機が行われる。出力電流値NIp2が、NOx判定値Ip2thより大きくなると(S7:YES)、S9に進む。
S9では、RAM113に記憶されたn個のリーン保持時間Tl(n)について、第2番目のリーン保持時間Tl(2)として記憶されているデータを第1番目のリーン保持時間Tl(1)として記憶する処理が実行される。同様に、第3番目、第4番目という順番で、第n番目のリーン保持時間Tl(n)として記憶されているデータを第(n−1)番目のリーン保持時間Tl(n−1)として記憶する処理が行われる。なお、この処理が実行される前に第1番目のリーン保持時間Tl(1)として記憶されていたデータは破棄される。
そしてこれらのデータ移行処理が完了すると、リーン時間カウンタTleanのカウント値が、第n番目のリーン保持時間Tl(n)として記憶される。すなわち、S6にてカウントが開始されたリーン時間カウンタTleanのカウント値が、最新のリーン保持時間Tl(n)として記憶される。
このようにして、リーン保持時間、すなわち触媒40のリフレッシュ後にNOxの吸蔵が飽和状態となるまでの時間が、過去n回分にわたって記憶される。ここで、n回分のリーン保持時間の平均値と、最新のC回分のリーン保持時間の平均値とを求め比較すれば、リーン保持時間が短くなっていないか確認することができる。排気ガスには硫黄酸化物が含まれる場合があり、硫黄酸化物が触媒40に吸着してNOxの吸蔵を阻害すると、NOxの吸蔵量が低下してリーン保持時間が短くなってしまう。このとき、触媒40に熱処理を施せば、硫黄酸化物を解離させ、触媒40の劣化状態を回復させることができる。以下の処理では、この触媒40に対する熱処理(CAT Burning処理)を実行するか否か判断するための一連の処理が行われる。
まず、RAM113に記憶されたn回分のリーン保持時間の平均値TlA1の算出が行われる(S10)。この処理では、以下の計算式に基づいてリーン保持時間平均値TlA1が算出され、RAM113の所定の記憶エリアに記憶される。
Figure 0004482480
さらに同様に、n回分のリーン保持時間のうち、最新のC回分のリーン保持時間の平均値TlA2の算出が行われる(S11)。この処理では、以下の計算式に基づいてリーン保持時間平均値TlA2が算出され、RAM113の所定の記憶エリアに記憶される。
Figure 0004482480
なお、Cは、予め定められた整数値(例えば10)であり、nよりも小さい値が設定されている。
そして、リーン保持時間平均値TlA2が、リーン保持時間平均値TlA1に予め定められた係数Kを乗じた値(TlA1×K)よりも小さいか否かの判断が行われる(S12)。この判定用の係数Kには、0より大きく1より小さい値(例えば0.8)が設定される。リーン保持時間平均値TlA2が、リーン保持時間平均値TlA1に係数Kを乗じた値以上である場合(S12:NO)、リーン保持時間は短くなっていない、すなわち硫黄酸化物により触媒40が劣化していないと判断されS1に戻る。
触媒40によるNOxの還元と吸蔵とが繰り返し行われると(S1〜S12)、触媒40は硫黄酸化物により次第に劣化していき、触媒40によるNOxの吸蔵量が減少することでリーン保持時間が短くなっていく。最新のC回分のリーン保持時間の平均値TlA2が、過去n回分のリーン保持時間平均値TlA1に係数Kを乗じた値よりも小さくなると(S12:YES)、S13〜S18の処理が実行され、触媒40からの硫黄酸化物の解離が図られる。
まず、S13では、ECU90に対し、触媒40への熱処理(触媒40の温度を硫黄酸化物の除去が可能な高温に制御する処理)を実行させるためのバーニング要求信号(CAT Burning要求信号)が送信される(S13)。CPU111から出力されたバーニング要求信号は、通信回路180により双方向シリアル通信ケーブル210を介してECU90に送信される。
ECU90は、バーニング要求信号を受信すると、エンジン20の吸気側に設けられたインジェクタ(図示外)からの燃料噴射量を所定量増やし、燃料混合気における燃料の割合を増加させて空燃比をリッチ領域に制御することにより、NOx吸蔵還元触媒40内に備えられた酸化触媒での反応によって排気ガス温度を上昇させて触媒40を加熱させる。
次に、第2温度センサ59により検出される触媒下流側排気ガス温度Te2が、触媒40に吸着した硫黄酸化物を除去可能な温度としての触媒バーニング温度Teth2(例えば600℃)よりも大きいか否かを判断する処理が行われる(S15)。触媒下流側排気ガス温度Te2が触媒バーニング温度Teth2以下であれば(S15:NO)、触媒40が十分に加熱されていないとしてS15が繰り返されて待機が行われる。
そして触媒下流側排気ガス温度Te2が触媒バーニング温度Teth2より大きくなると(S15:YES)、RAM113に記憶されるバーニング時間カウンタTburnに「0」が設定されて初期化されるとともに、バーニング時間カウンタTburnのカウント処理が開始される(S16)。
次のS17では、バーニング時間カウンタTburnのカウント値が、CAT Burning処理を行う時間として予め定められたバーニング処理時間閾値Tthより大きいか否か判断する処理が行われる(S17)。バーニング時間カウンタTburnのカウント値が、バーニング処理時間閾値Tth以下であれば(S17:NO)、触媒40の劣化状態を回復させるのに十分な時間が経過していないとして、S17が繰り返されて待機が行われる。
そしてバーニング時間カウンタTburnのカウント値が、バーニング処理時間閾値Tthより大きくなれば(S17:YES)、触媒40が十分に加熱され劣化状態を回復させるのに十分な時間が経過したとして判断される。これに伴い次のS18で、ECU90に対し、バーニング終了信号(CAT Burning終了信号)が送信される(S18)。CPU111から出力されたバーニング終了信号は、通信回路180により双方向シリアル通信ケーブル210を介してECU90に送信される。ECU90は、バーニング終了信号を受信すると、エンジン20の吸気側に設けられたインジェクタ(図示外)からの燃料噴射量を減らし、燃料混合気における燃料の割合を減少させて空燃比をリーン領域に制御することにより、エンジン20でのリーン燃焼を再開させる。そしてS5に戻り、触媒40によるNOxの吸蔵と還元との各処理が繰り返し実行される(S1〜S12)。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えば、通信回路180によるECU90との通信は、本実施の形態ではCANを用いたが、これに限らず任意の通信プロトコルを用いてもよい。また、本実施の形態では、触媒40としてNOx吸蔵還元触媒を用いたが、NOx選択還元触媒を用いてもよい。この場合、追加インジェクタ54からは、燃料のかわりに尿素水やアンモニア等を噴射するようにすればよい。もっとも、各係数等についても、NOx選択還元触媒にあわせて最適となる係数を設定すればよい。
また、センサ制御装置100による故障診断の内容としては、本実施の形態で説明したもの以外にも様々な形態のものを設けてもよい。例えば、センサの断線や短絡等の診断や、センサ素子の異常の診断などを行ってもよい。
さらに、本実施の形態では、CAT Burning処理を実行するにあたり、ECUにバーニング要求信号を送信し、ECUより吸気側のインジェクタの燃料噴射量を所定量増やすように制御したが、ECUを介さずに追加インジェクタ54の燃料噴射量を増やすようにしてCAT Burning処理を行うようにセンサ制御装置100を構成してもよい。
本発明は、微弱な電気信号を出力するセンサと、その駆動制御回路とを備えたセンサ制御装置に適応できる。
内燃機関1の排気系周りの概略的な構成を示す図である。 センサ制御装置100の内部構成を示すブロック図である。 触媒制御プログラムのメインルーチンのフローチャートである。 触媒制御プログラムのサブルーチンのフローチャートである。 触媒制御プログラムのサブルーチンのフローチャートである。
1 内燃機関
30 排気管
40 触媒
54 追加インジェクタ
55 全領域空燃比センサ
60 センサ
90 ECU
100 センサ制御装置
110 マイクロコンピュータ
140 NOxセンサ制御回路
150 空燃比センサ制御回路
160 ドライバ回路
180 通信回路

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられる触媒の位置より排気ガスの流路方向下流側に設けられ、前記排気通路を流通される排気ガスの状態を検知し、検知結果を最大電流値が1mA以下または最大電圧値が100mV以下である電気信号として出力する微弱信号出力センサと、
    前記微弱信号出力センサに接続され、前記微弱信号出力センサの駆動を制御すると共に、前記微弱信号出力センサより得られる電気信号に応じたセンサ信号を出力する微弱信号出力センサ駆動制御回路と、
    前記排気通路中の前記触媒の位置またはその位置よりも排気ガスの流路方向上流側に設けられ、前記触媒による排気ガスの浄化を補助するための浄化液を前記排気通路内に噴射する触媒浄化液噴射装置に接続され、受信した駆動信号に基づいて前記触媒浄化液噴射装置の駆動を制御する触媒浄化液噴射装置駆動制御回路と、
    前記微弱信号出力センサ駆動制御回路から受信したセンサ信号に基づいて、前記触媒浄化液噴射装置駆動制御回路に前記触媒浄化液噴射装置を駆動させるための前記駆動信号を出力するマイクロコンピュータと、
    前記マイクロコンピュータに接続され、双方向シリアル通信によって前記内燃機関を制御するエンジン制御装置との通信を行う通信回路と
    を備え
    前記触媒浄化液噴射装置駆動制御回路は、前記駆動信号の電流値をモニタリングする電流検知回路を有し、
    前記マイクロコンピュータは、前記触媒浄化液噴射装置の駆動に異常が発生しているか否かを前記電流検出回路にてモニタリングされる電流値に基づいて判断する異常判断手段を備え、前記異常判断手段により異常が発生していると判断されたときに、前記通信回路を用いて前記エンジン制御装置に異常信号を出力することを特徴とするセンサ制御装置。
  2. 前記微弱信号出力センサに加えて、前記触媒の周りに取り付けられる少なくとも1つ以上の排気用センサと、
    前記排気用センサに対応して設けられ、前記排気用センサより得られる電気信号に応じたセンサ信号を前記マイクロコンピュータに出力する排気用センサ駆動制御回路と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
  3. 前記微弱信号出力センサは、前記排気通路を流通する排気ガス中のNOx濃度を測定することで出力される前記電気信号の最大電流値が1mA以下となるNOxセンサであることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ制御装置。
  4. 前記エンジン制御装置と前記センサ制御装置との間の距離が、前記センサ制御装置と前記微弱信号出力センサとの間の距離よりも長くなる関係を満たすように、前記センサ制御装置が前記内燃機関に設置されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のセンサ制御装置。
  5. 前記触媒浄化液噴射装置による前記触媒浄化液の噴射時間は、値が更新される調整値に応じて調整されるものであり、
    前記マイクロコンピュータの前記異常判断手段は、さらに、前記触媒浄化液噴射装置の駆動に異常が発生しているか否かを、前記調整値が、予め定められた所定の範囲内にあるか否かに基づいて判断することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセンサ制御装置。
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