JP2020118080A - 推定装置、及び車両 - Google Patents

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明寛 澤田
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Abstract

【課題】SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒のNOx浄化率をタイムリー且つ高精度に推定可能とする推定装置を提供すること。【解決手段】SCR触媒40の温度を検出する温度検出部101と、排気通路30に通流する排ガスの流量を検出する排ガス流量検出部102と、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量を推定するアンモニアストレージ量推定部103と、SCR触媒40の温度、排ガスの流量、及び、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量に基づいて、NOx浄化反応から導出した物理式を用いて、SCR触媒40のNOx浄化率を推定するNOx浄化率推定部104と、を備える推定装置。【選択図】図1

Description

本開示は、推定装置、及び車両に関する。
内燃機関の排気浄化装置として、アンモニア(NH3)を還元剤として、排ガス中のNOxを選択的に還元するNOx選択還元型触媒(Selective Catalytic Reduction:以下、「SCR触媒」と称する)を有するSCR触媒排気浄化システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
このSCR触媒排気浄化システムにおいては、一般に、SCR触媒中のアンモニアの溜め込み量(以下、「アンモニアストレージ量」と称する)を適切な量にコントロールすることにより、SCR触媒のNOx還元特性を効果的に機能させている。そのコントロール手法としては、例えば、コントロールユニットにて、種々のセンサ情報に基づいて、SCR触媒におけるアンモニアの消費量を逐次的に予測し、不足するアンモニア量を前駆体である尿素水としてSCR触媒に供給する手法が一般的である。
特開2012−189007号公報
ところで、この種のSCR触媒排気浄化システムにおいて、SCR触媒になんらかの異常が生じた場合(例えば、SCR触媒におけるアンモニアのオーバーストレージ状態、又はアンダーストレージ状態が発生した場合)、SCR触媒のNOx浄化率の変化として検出されることになる。そのため、NOxの適切な浄化(還元)を行うためには、SCR触媒のNOx浄化率を正確に把握することが重要となる。
SCR触媒のNOx浄化率を推定する手法としては、簡易的には、SCR触媒の上流側と下流側それぞれに配設したNOxセンサを利用する手法が知られている。この手法では、SCR触媒に流入するNOx量と、SCR触媒から流出するNOx量とを比較することで、SCR触媒のNOx浄化率を推定する。
しかしながら、この手法では、ある程度の時間内での平均的なNOx浄化率については推定することができるものの、タイムリーにSCR触媒のNOx浄化率を推定することができない、という課題がある。又、特に、この手法では、SCR触媒の上流側からの排ガスの温度又は流量等の時間的変化が大きいときに、NOx浄化率の推定精度が悪化する、という課題がある。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、SCR触媒のNOx浄化率をタイムリー且つ高精度に推定可能とする推定装置、及び車両を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
内燃機関の排気通路に配設されたSCR(Selective Catalytic Reduction)触媒におけるNOx浄化率を推定する推定装置であって、
前記SCR触媒の温度を検出する温度検出部と、
前記排気通路に通流する排ガスの流量を検出する排ガス流量検出部と、
前記SCR触媒中のアンモニアストレージ量を推定するアンモニアストレージ量推定部と、
前記SCR触媒の温度、前記排ガスの流量、及び、前記SCR触媒中のアンモニアストレージ量に基づいて、後述する式(1)を用いて、前記SCR触媒のNOx浄化率を推定するNOx浄化率推定部と、
を備える推定装置である。
又、他の局面では、
上記排気浄化装置を備える車両である。
本開示に係る推定装置によれば、SCR触媒のNOx浄化率をタイムリー且つ高精度に推定することができる。
一実施形態に係る排気浄化装置の構成の一例を示す図 一実施形態に係るECUの動作フローの一例を示す図 式(1)における、頻度因子A、ストレージ次数α及び排ガス流量次数βの設定手法を説明する図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[排気浄化装置の構成]
以下、図1を参照して、一実施形態に係る排気浄化装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る排気浄化装置Uの構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る排気浄化装置Uは、例えば、トラック等の車両に搭載されており、エンジン10の排ガス中のNOxを浄化する。
エンジン10は、例えば、燃焼室、及び、燃焼室内で燃料を噴射する燃料噴射装置等(図示せず)を含んで構成される。エンジン10は、燃焼室内で、燃料と空気の混合気を燃焼及び膨張させて、動力を発生する。エンジン10には、燃焼室内に空気を導入する吸気通路(例えば、吸気管)20と、燃焼室から排出される燃焼後の排ガスを、車両の外部に排出する排気通路(例えば、排気管)30と、が接続されている。
尚、本実施形態に係るエンジン10は、4気筒エンジンであり、吸気通路20からは吸気マニホルドを介して四つの燃焼室に分岐し、当該四つの燃焼室から排気マニホルドを介して排気通路30に合流する構成となっている。
排気浄化装置Uは、SCR触媒40、尿素水噴射装置50、各種センサ61〜63、及び、ECU(Electronic Control Unit)100を備えている。
SCR触媒40は、排気通路30内に配設され、尿素水噴射装置50から供給される尿素水が加水分解したアンモニアを吸着すると共に、当該吸着したアンモニアによって排ガス中からNOxを選択的に還元浄化する。SCR触媒40としては、公知のSCR触媒を用いることができ、例えば、セラミック製の担持体の表面に、Feゼオライト、Cuゼオライト又はバナジウム等のNOx還元触媒を担持したものを用いることができる。尚、SCR触媒40としては、触媒上で尿素水をアンモニアに変換するタイプのものを用いてもよい。
尿素水噴射装置50は、排気通路30内のSCR触媒40の上流側において、尿素水を噴射する。尿素水噴射装置50は、例えば、尿素水添加弁51、尿素水タンク52、及び、サプライポンプ53を含んで構成される。
尿素水噴射装置50においては、尿素水タンク52からサプライポンプ53によって圧送された尿素水が、尿素水添加弁51から排気通路30中に噴射される。尿素水添加弁51から排気通路30中に噴射された尿素水は、排ガスの高温により加水分解され、アンモニアに変換されてSCR触媒40に供給される。そして、当該アンモニアは、SCR触媒40に吸着して、当該SCR触媒40の作用でNOxと反応して、NOxを還元浄化する。
尿素水噴射装置50から排気通路30に噴射する尿素水の噴射量は、尿素水添加弁51の開度の調整により行われる。尚、尿素水添加弁51の開度の制御は、ECU100から出力される制御信号によって行われる。
各種センサ61〜63は、排気通路30を通流する排ガスの状態、及びSCR触媒40の状態等を検出するために設けられている。具体的には、排気通路30には、NOxセンサ61、温度センサ62、及び流量センサ63等が備え付けられている。
NOxセンサ61は、排気通路30のSCR触媒40の上流側に配設され、SCR触媒40に流入するNOx量(即ち、NOx濃度)を検出する。温度センサ62は、エンジン10から排出される排ガスの温度を検出する。流量センサ63は、エンジン10から排出される排ガスの流量を検出する。そして、これらの各種センサ61〜63は、検出により得られたセンサ情報を、逐次、ECU100に送信する。
ECU100(本発明の「推定装置」に相当)は、排気浄化装置Uの動作を制御する。ECU100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、及び出力ポート等を含んで構成されている。ECU100の後述する各機能は、例えば、CPUがROM、RAM等に記憶された制御プログラムや各種データを参照することによって実現される。但し、当該機能は、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア回路によっても実現できることは勿論である。
尚、ECU100は、エンジン10及び尿素水噴射装置50等と通信することで、これらを制御したり、これらの状態情報を取得したりする。又、ECU100は、各種センサ61〜63からセンサ情報を取得して、排気通路30を通流する排ガスの状態、及びSCR触媒40の状態等を検出する。
[ECU100の詳細構成]
次に、図1を参照して、ECU100の詳細構成の一例について説明する。
ECU100は、温度検出部101、排ガス流量検出部102、アンモニアストレージ量推定部103、及び、NOx浄化率推定部104を備えている。
温度検出部101は、SCR触媒40の温度を検出する。温度検出部101は、例えば、温度センサ62のセンサ情報に基づいて、SCR触媒40の温度を検出する。尚、ここでは、温度検出部101は、SCR触媒40の温度が排ガス温度と略同一であるとみなしている。
排ガス流量検出部102は、例えば、流量センサ63のセンサ情報に基づいて、排気通路30に通流する排ガスの流量を検出する。
アンモニアストレージ量推定部103は、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量を推定する。アンモニアストレージ量推定部103は、典型的には、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量に基づいて、SCR触媒40中に新たに吸着するアンモニアの吸着量を算出し、新たに吸着するアンモニアの吸着量を積算する。又、アンモニアストレージ量推定部103は、SCR触媒40に到来するNOx量に基づいて、単位時間当たりのSCR触媒40中のアンモニアの消費量を算出する。そして、アンモニアストレージ量推定部103は、アンモニアの吸着量からアンモニアの消費量を減算することによって、現時点におけるSCR触媒40中のアンモニアストレージ量を推定する。
つまり、アンモニアストレージ量推定部103は、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量の推移(即ち、SCR触媒40に新たに吸着したアンモニアの吸着量)と、SCR触媒40中で消費したアンモニアの消費量の推移とに基づいて、記憶部(例えば、ECU100のRAM)に記憶する現時点のアンモニアストレージ量を逐次的に更新していく。
尚、SCR触媒40中のアンモニアの消費量は、例えば、SCR触媒40に到来するNOx量(例えば、NOxセンサ61のセンサ情報)、排ガス温度(例えば、温度センサ62のセンサ情報)、排ガス流量(例えば、流量センサ63のセンサ情報)、及び、現時点におけるSCR触媒40中のアンモニアストレージ量に基づいて、算出される。
NOx浄化率推定部104は、SCR触媒40の温度(例えば、温度センサ62のセンサ情報)、排ガスの流量(例えば、流量センサ63のセンサ情報)、及び、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量(例えば、アンモニアストレージ量推定部103に推定されたアンモニアストレージ量)に基づいて、下記式(1)を用いて、SCR触媒40のNOx浄化率を推定する。尚、式(1)は、NOxの反応速度式から導出した式である(式(1)の導出プロセスについては、後述する)。
Figure 2020118080
一般に、SCR触媒40のNOx浄化率は、SCR触媒40の温度、排ガスの流量、及び、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量それぞれと相関を有することが知られている。典型的には、SCR触媒40のNOx浄化率は、SCR触媒40の温度が高くなるほど上昇する。又、SCR触媒40のNOx浄化率は、排ガスの流量が増加するほど上昇する。又、SCR触媒40のNOx浄化率は、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量が増加するほど上昇する。従来、このような特性を利用して、実験的に、SCR触媒40のNOx浄化率と、SCR触媒40の温度、排ガスの流量、及び、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量と、の関係を求めた制御マップを予め準備しておき、当該制御マップを用いて、NOx浄化率を推定する手法も検討されている。
しかしながら、本願の発明者らの鋭意検討の結果、実験データのみに依拠した推定手法は、実際のNOx浄化反応を考慮したものではないため、実験時と実際の使用時の環境の相違に起因して、NOx浄化率の推定精度が悪化するおそれがあるがあることが分かった。又、このような推定手法では、実験データが不足する領域においては、正確なNOx浄化率を推定することが困難となる。
本発明に係るNOx浄化率推定部104は、かかる観点から、実際のNOx浄化反応を考慮して導出した式(1)を用いて、NOx浄化率を推定する。これによって、より高精度にNOx浄化率を推定することが可能となる。
但し、NOx浄化率推定部104は、SCR触媒40が高温時には、SCR触媒40からアンモニアが脱離したり、又は、SCR触媒40中に吸着するアンモニアが酸化してNOxとなって脱離したりすることを考慮して、SCR触媒40が高温時には、以下の式(2)を用いて、SCR触媒40のNOx浄化率を推定する。具体的には、NOx浄化率推定部104は、SCR触媒40の温度が閾値(例えば、350℃)以下の場合には、上記式(1)を用いて、SCR触媒40におけるNOx浄化率を推定し、SCR触媒40の温度が閾値(例えば、350℃)よりも大きい場合には、以下の式(2)を用いて、SCR触媒40のNOx浄化率を推定する。
Figure 2020118080
これによって、NOx浄化率推定部104は、SCR触媒40が高温時にも、SCR触媒40のNOx浄化率を高精度に推定することができる。
尚、ECU100は、上記機能に加えて、尿素水噴射装置50からの尿素水噴射を制御する機能を有していてもよい。ECU100は、例えば、NOx浄化率推定部104が推定するNOx浄化率の推定値が目標値(例えば、90%)となるように、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量を制御してもよい。
[ECU100の動作]
図2は、本実施形態に係るECU100の動作フローの一例を示す図である。図2に示すフローチャートは、例えば、ECU100がコンピュータプログラムに従って、所定間隔(例えば、100ms毎)で実行するものである。
まず、ECU100は、現時点のSCR触媒40のアンモニアストレージ量を推定する(ステップS1)。次に、ECU100は、流量センサ63からセンサ信号を取得し、これにより、排気通路30中を通流する排ガスの排ガス流量を検出する(ステップS2)。次に、ECU100は、温度センサ62からセンサ信号を取得し、これにより、SCR触媒40の温度を検出する(ステップS3)。
次に、ECU100は、SCR触媒40の温度が閾値(例えば、350℃)以下であるか否かを判定する(ステップS4)。そして、ECU100は、SCR触媒40の温度が閾値以下である場合(S4:YES)、式(1)を用いて、SCR触媒40のNOx浄化率を算出し(ステップS5)、SCR触媒40の温度が閾値よりも大きい場合(S4:NO)、式(2)を用いて、SCR触媒40のNOx浄化率を算出する(ステップS6)。
ECU100は、このような処理を繰り返し実行することによって、SCR触媒40のNOx浄化率を逐次的に算出する。
[式(1)、式(2)の導出過程]
以下に、上記式(1)及び式(2)の導出過程について、説明する。
まず、NOx浄化反応として、次式(3)及び式(4)の2つ化学反応を考える。
Figure 2020118080

Figure 2020118080
これをNOxの反応式としてまとめると、以下の式(5)のようになる。
Figure 2020118080
上記反応式(5)について詳細な化学反応過程を考えるとき、反応物であるNOxの反応が開始した時点でNOxが浄化されたとものとみなすと、反応開始の素反応にはO2がないためにその影響を無視できると仮定する。このとき、NOxの反応速度式は、以下の式(6)のように表現される。
Figure 2020118080
反応時間dtにおいてNOx濃度[NOx]以外は一定であると仮定すると、この反応は[NOx]についての一次反応とみなすことが可能である。従って、式(6)において、反応速度定数kを、式(7)のように置くと、式(6)は、式(8)のように表される。
Figure 2020118080

Figure 2020118080
ここで、[NOx]で整理すると、次式(9)となる。
Figure 2020118080
式(9)を、解析解を得るために辺々不定積分すると、[NOx]は、式(10)〜式(12)のように求められる。
Figure 2020118080

Figure 2020118080

Figure 2020118080
ここで、t=0における上流NOx濃度を[NOx]とすると、式(13)が得られ、式(12)の下流NOx濃度[NOx]は、式(14)のように表される。
Figure 2020118080

Figure 2020118080
いま、浄化率ηNOxを求める。
Figure 2020118080
Kを元に戻すと、式(15)は、次式(16)のように表される。
Figure 2020118080
ここで、反応速度定数kをアレニウスの式で表現すると、次式(17)のようになる。
Figure 2020118080
kをηNOxに代入すると、次式(18)のようになる。
Figure 2020118080
いま、反応時間tは排ガスのSCR触媒40を通過する時間に等しいと考えると、反応時間tは次式(19)のように表される。
Figure 2020118080
排ガス密度ρTは理想気体の状態方程式より、次式(20)となる。
Figure 2020118080
ここで、PEXh=106.325×103[Pa](一定)と仮定し、MwEXh=29×10-3[kg/mol](一定)と仮定し、R=8.31[J/(K・mol)]とする。式(19)にρTを代入すると、次式(21)となる。
Figure 2020118080
また、NH3濃度[NH3]は、単位を[mol/cm3]とすると、次式(22)のように表せる。
Figure 2020118080
ここで、上式(22)において、NH3はアンモニアストレージ量、MwNH3はNH3の分子量であり、MwNH3=17.01[g/mol]となる。推定浄化率ηNOxを表す式(18)に対して、反応時間tとNH3濃度[NH3]を代入すると、次式(23)となる。
Figure 2020118080
基本となる物理式の導出はこれで完了であるが、さらに単位変換とエンジニアリング的な調整代を設ける。触媒温度の単位を[℃]とし、アンモニアストレージ量NH3に感度調整用の指数α(例えば、0<α<3)を設け、排ガス流量dmEGにも感度調整用の指数β(例えば、0<β<3)を設けると、次式(24)のようになる。
Figure 2020118080
上記式(24)において、定数12.73を頻度因子Aに包含させると、上記(1)が導出される。
図3は、式(1)における、頻度因子A、ストレージ次数α及び排ガス流量次数βの設定手法を説明する図である。上記式(24)において、頻度因子A、ストレージ次数α及び排ガス流量次数βは、例えば、テストベンチにおける実験により設定される。
具体的には、まず、テストベンチにて、種々の状況下で、SCR触媒40のNOx浄化率、SCR触媒40の温度、排ガスの流量、及び、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量それぞれを検出して、これらの検出値の関係を取得する。そして、SCR触媒40の温度、排ガスの流量、及び、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量の検出値を、上記式(24)に代入した際に、上記式(24)により算出されるNOx浄化率と、実験データに係るNOx浄化率と、が最も適合するように、頻度因子A、ストレージ次数α及び排ガス流量次数βを調整する(図3では、NOx浄化率を示す指標として、下流NOx量を用いている)。
尚、上記式(24)における活性化エネルギーEは、上記した化学反応式(5)における活性化エネルギーであるが、必要に応じて、頻度因子A、ストレージ次数α及び排ガス流量次数βと共に調整されてもよい。
このように、頻度因子A、ストレージ次数α及び排ガス流量次数βを適切に設定することによって、排気浄化装置Uの個体差等に起因した推定精度の悪化を抑制することができる。
次に、上記式(2)の導出過程について、説明する。
高温時には、SCR触媒40に吸着したNH3の酸化及び脱離が発生する。SCR触媒40表面上で酸化されるNH3も、脱離したNH3が後段の酸化触媒(図示せず)で酸化される分も、条件によっては多くがNOxになると考えられる。
ここで、NH3の酸化について考える。SCR触媒40上のNH3酸化反応は、以下の反応式(25)で表される。
Figure 2020118080
NH3の酸化によるNOx生成速度を求めるためには、本来はNH3濃度だけでなくO2濃度も必要だが、影響は限定的と判断し、O2濃度は割愛しNH3のみに依存すると仮定する。この時、NOx生成速度式(25)を、反応速度定数KOxidationを用いて、次式(26)のように仮定する。
Figure 2020118080
又、SCR触媒40におけるNH3の脱離について考える。脱離についてはLangmuirの吸着理論を基にし、以下の脱離反応式(27)を仮定する。
Figure 2020118080
さらに、SCR触媒40から脱離したNH3は、後段の酸化触媒(図示せず)において式(25)のような反応で全量が酸化されてNOxになると仮定すると、NH3の脱離によるNOx生成速度式は反応速度定数KOxidationを用いて次式(28)のように表現される。
Figure 2020118080
酸化によるNOx生成速度式(26)と脱離によるNOx生成速度式(28)は相似であり、いずれも温度上昇に伴い速度が急激に上昇する傾向が自明であることから、両式をまとめて、次式(29)のように表現する。
Figure 2020118080
この式(29)を、以下の式(30)、式(31)、式(32)の順に変形していく。
Figure 2020118080

Figure 2020118080


Figure 2020118080
ここで、反応時間t=0のときNOxの生成量はゼロであるから、次式(33)が成立する。
Figure 2020118080
よって、NH3の酸化・脱離によるNOxの生成量[NOx]は以下のようになる。
Figure 2020118080
下流NOxはNH3の酸化・脱離によるものだけでなく、上流NOxのうち浄化されなかった分もあるので、式(7)と式(14)を用いて、さらに酸化・脱離によるものと区別するために番号1を付与すると、下流NOxのうち上流NOxのうち浄化されなかった分は、次式(35)のように表現される。
Figure 2020118080
いま、下流NOxの総量は、以下のように表現できる。
Figure 2020118080
したがって、NOx浄化率は、次式(37)のようになる。
Figure 2020118080
式(37)を以下のように変形していく。
Figure 2020118080
ここで、k1、k2をアレニウス型の反応速度定数とし、反応時間tに式(21)を代入し、NH3濃度[NH3]に式(22)を代入すると、式(38)は、次式(39)のように表される。
Figure 2020118080
これに対して、上記式(24)と同様に、温度の単位を[℃]とし、アンモニアストレージ量[NH3]に感度調整用の指数α(例えば、0<α<3)及びγ(例えば、0<γ<3)を設け、排ガス流量dmEGにも感度調整用の指数β(例えば、0<β<3)及びε(例えば、0<ε<3)を設けると、以下の式(40)のようになる。
Figure 2020118080
上記式(40)において、定数12.73を頻度因子A1、A2に包含させると、上記(2)が導出される。
尚、上記(2)中における頻度因子A1、ストレージ次数α及び排ガス流量次数βは、式(1)において設定された値と同一の値が設定される。又、頻度因子A2、ストレージ次数γ及び排ガス流量次数εは、式(1)における頻度因子A1、ストレージ次数α及び排ガス流量次数βの設定手法と同様の手法により、設定される。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るECU100(推定装置)は、SCR触媒40の温度、排ガスの流量、及び、SCR触媒40中のアンモニアストレージ量に基づいて、上記式(1)を用いて、SCR触媒40のNOx浄化率を推定する。これによって、SCR触媒40に通流する上流側からの排ガスの温度又は流量等の時間的変化が大きいときでも、タイムリーに且つ高精度に、現時点におけるNOx浄化率を推定することが可能である。
又、本実施形態に係るECU100(推定装置)は、排ガスの温度が閾値(例えば、350℃)よりも大きい場合には、上記式(2)を用いて、SCR触媒40のNOx浄化率を推定する。これによって、排ガスの温度が高温となり、SCR触媒40からのアンモニアスリップが生じる状況下においても、当該アンモニアスリップを考慮して、高精度にSCR触媒40のNOx浄化率を推定することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
上記実施形態では、一例として、排気浄化装置Uをディーゼルエンジンに適用した態様ついて説明する。但し、本実施形態に係る排気浄化装置Uは、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンにも適用し得る。
又、上記実施形態では、排気浄化装置Uの適用対象の一例として、車両を示したが、排気浄化装置Uの適用対象は、これに限定されない。例えば、排気浄化装置Uは、発電機、建設機械、船舶等に適用されてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る推定装置によれば、SCR触媒のNOx浄化率をタイムリー且つ高精度に推定することができる。
U 排気浄化装置
10 エンジン
20 吸気通路
30 排気通路
40 SCR触媒(NOx選択還元型触媒)
50 尿素水噴射装置
51 尿素水添加弁
52 尿素水タンク
53 サプライポンプ
61 NOxセンサ
62 温度センサ
63 流量センサ
100 ECU(推定装置)
101 温度検出部
102 排ガス流量検出部
103 アンモニアストレージ量推定部
104 NOx浄化率推定部

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に配設されたSCR(Selective Catalytic Reduction)触媒におけるNOx浄化率を推定する推定装置であって、
    前記SCR触媒の温度を検出する温度検出部と、
    前記排気通路に通流する排ガスの流量を検出する排ガス流量検出部と、
    前記SCR触媒中のアンモニアストレージ量を推定するアンモニアストレージ量推定部と、
    前記SCR触媒の温度、前記排ガスの流量、及び、前記SCR触媒中のアンモニアストレージ量に基づいて、以下の式(1)を用いて、前記SCR触媒のNOx浄化率を推定するNOx浄化率推定部と、
    を備える推定装置。
    Figure 2020118080
  2. 前記NOx浄化率推定部は、前記SCR触媒の温度が閾値以下の場合には、前記式(1)を用いて、前記SCR触媒におけるNOx浄化率を推定し、
    前記SCR触媒の温度が閾値よりも大きい場合には、以下の式(2)を用いて、前記SCR触媒におけるNOx浄化率を推定する、
    請求項1に記載の推定装置。
    Figure 2020118080
  3. 請求項1又は2に記載の推定装置を備える車両。


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