JP4739007B2 - パール顔料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なパール顔料及びその製造方法に関する。
塗料、プラスチック、印刷インキ、化粧品等の分野で、様々な着色顔料が使用されている。このような着色顔料としては、酸化鉄顔料、紺青、群青、酸化クロム等の無機顔料や、赤色201号、黄色401号、青色1号、緑色3号等の有機顔料などが挙げられ、一般に何種類かを組合わせて使用されている。しかし、複数の着色顔料で調色する場合、着色顔料の光吸収により暗い配色になるという欠点があった。
そこで、明るい発色を実現するために、薄片状粉体の表面に酸化チタン、酸化鉄等を被覆した光干渉パール顔料が用いられている。これらのうち、酸化チタン等の無色金属酸化物を被覆したパール顔料は光吸収が生じないが、酸化鉄等の有色の金属酸化物を被覆したパール顔料は、酸化鉄顔料や有機顔料等の一般の着色顔料と同様、光吸収により暗い発色になるという特徴を有する。薄片状粉体に酸化鉄を含む金属酸化物を被覆する方法としてさまざまな方法が提案され、また各種粉体が市販されているが、顔料表面の微小な凹凸により生じる光散乱により、例えば酸化鉄を用いたものであれば赤色系のみというように、有色化合物と同系色のパール顔料しか存在しなかった。
例えば、特許文献1に記載されているように、雲母上に酸化鉄層を被覆した顔料は古くから検討されている。均一沈殿法や、薄片状粉体の分散液に鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを同時に導入する中和滴定法が使用されているが、酸化鉄を被覆したものは、鉄固有の赤系の色であった。さらに、特許文献2には、透明性を向上させるために、アルカリ土類金属を添加したパール顔料が記載されている。しかしながら、その被覆物は針状晶であり、実施例では赤色系の顔料が得られると記載されていることから、散乱による光吸収は十分に抑制されていない。
特許文献3には、アルミニウム酸化物を添加した金属酸化物で被覆されたオレンジ色のパール顔料が得られることが記載されているが、赤系のオレンジ色であることから、散乱による光吸収は十分に抑制されていない。また、アルミニウム酸化物を添加したパール顔料として、メルク社のColorona Passion Orange等が市販されているが、やはり、散乱による光吸収は十分に抑制されていない。
特開昭49−128027号公報 特公平1−60511号公報 特開平10−259318号公報
本発明の目的は、散乱色が抑制された新規なパール顔料を提供することにある。
本発明者らは、薄片状粉体の表面に有色金属又は有色金属酸化物を被覆したパール顔料であって、特定の条件で測定した散乱光のa*値及びb*値の絶対値が5以下であるパール顔料が、極めて鮮やかな発色を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、薄片状粉体の表面に有色金属又は有色金属酸化物を被覆したパール顔料であって、該パール顔料を黒色人工皮革表面に平均0.05mg/cm2で塗布し、入射光側にS偏光板、受光側にP偏光板を装着した分光測色計を用い、C光による2°視野の受光条件で、パール顔料の反射光量を測定したとき、測定試料面の法線方向に対して45°で入射し、法線方向で受光した顔料の反射光(散乱光)のa*値及びb*値の絶対値が5以下であるパール顔料を提供するものである。
なお、本発明において、a*値、b*値は、国際照明委員会(1976年)(CIE)で規格された色度を示す。また、ここで示したパール顔料のa*値、b*値の測定方法(図1参照)を「本発明のa*値、b*値の測定方法」という。
また、本発明は、薄片状粉体の表面に有色金属又は有色金属酸化物を表面平均粗さ10nm以下で被覆したパール顔料を提供するものである。
また、本発明は、薄片状粉体の水分散液に、有色金属酸化物前駆体の水溶液を、薄片状粉体100g当たりの金属イオン量が5×10-4〜12×10-4mol/minとなるように添加し、次いで、混合液にアルカリ水溶液を加えてpH5〜8とし、固体を分離した後、500〜1000℃で焼成するパール顔料の製造方法を提供するものである。
本発明のパール顔料は、散乱色が抑制され、散乱光が少ない極めて鮮やかな発色を有するものである。
本発明で用いる薄片状粉体は、平均粒径が2〜200μmで、平均厚さが0.01〜5μmであるのが好ましい。特に、塗料等に配合する際には、配合適性の点から、平均粒径が2〜20μmで、平均厚さが0.05〜1μmであるのがより好ましい。ここで、平均粒径は体積平均粒径(D4)(体積分率で計算した平均粒径)を示す。測定は、レーザー回折式の粒度分布計で容易に再現性良く測定することが出来る。薄片状粉体の厚さは、原子間力顕微鏡により基準面との差を測定し相加平均したものを平均厚さとする。
かかる薄片状粉体としては、雲母、セリサイト、タルク、カオリン、スメクタイト属粘土鉱物、合成マイカ、合成セリサイト、板状二酸化チタン、板状シリカ、板状酸化アルミニウム、窒化硼素、硫酸バリウム、板状チタニア・シリカ複合酸化物等が挙げられる。これらのうち、特に雲母が、表面の平滑性の点で好ましい。
本発明において、薄片状粉体を被覆する有色金属としては、金、銅等が挙げられ、特に金が好ましい。有色金属酸化物としては、酸化鉄、低次酸化チタン、酸化銅、酸化コバルト、酸化クロム、酸化ニッケル等が挙げられ、特に酸化鉄が好ましい。
本発明のパール顔料は、「本発明のa*値及びb*値の測定方法」に従って測定したとき、粉体反射光のa*値及びb*値の絶対値が5以下、好ましくは3以下のものである。
このような測色ができる測定機として、村上色彩技術研究所社製のGCMSシリーズを用いることができる。
本発明のパール顔料は、薄片状粉体の表面を有色金属又は有色金属酸化物で被覆したものであるが、有色金属又は有色金属酸化物の表面平均粗さは10nm以下、好ましくは5nm以下である。有色の金属酸化物は、特定波長の光を吸収するという特性を有するために、被覆表面の粗さが大きいと散乱色が強くなり、弱いパール光沢の発色となる。被覆表面の粗さを小さくすることにより、光の散乱が抑制されて散乱光の少ない鮮やかな発色を有するパール顔料が得られる。
本発明において、表面平均粗さ(Ra)は、中心線平均粗さを示し、原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメント社製、Nanoscope III)を用い、Scan Rate 1.0Hzで、2μm×2μmの範囲を測定したときの平均値を示すものである。測定の際、パール顔料はエタノール等の溶媒に分散させた状態で、平滑な基盤面上に付着させ、溶媒を除去することにより基盤に密着させた後、原子間力顕微鏡により測定する。
また、本発明のパール顔料は、被覆層の光学的膜厚が250nm以下、特に210nm以下であるのが好ましい。250nmを超えると、吸収層の絶対的な厚さが増すため、光吸収の影響が強く、散乱光を十分に抑制した効果が小さくなる場合がある。
ここで、光学的膜厚とは、有色金属又は有色金属酸化物の幾何学的膜厚に屈折率をかけたものを示す。例えば、酸化鉄(屈折率3.0)の場合、幾何学的膜厚が80nm以下、特に50nm以下であることが好ましい。なお、幾何学的膜厚はSEMにより測定される。
光学的膜厚が120〜210nmの場合は干渉光が金色であり、15〜120nm未満、好ましくは60〜120nm未満の場合は干渉光が銀色であり、審美性が強く好ましい発色となる。従来のパール顔料のように、散乱色が強いと、これらの干渉光は散乱色に打ち消されてしまい、肉眼では観測できないが、本発明のパール顔料は、散乱色が抑制されているため、被覆した有色金属の固有色ではない金色や銀色の干渉光も作り出すことができる。
本発明のパール顔料は、例えば中和滴定法を用い、有色金属酸化物前駆体水溶液の添加速度を選定することにより製造することができる。有色金属又は有色金属酸化物の表面平均粗さを小さくするために、中和滴定法が好ましい。
具体的には、薄片状粉体の水分散液に、有色金属酸化物前駆体の水溶液を、薄片状粉体100g当たりの金属イオン量が5×10-4〜12×10-4mol/minとなるように添加し、次いで、混合液にアルカリ水溶液を加えてpH5〜8とし、固体を分離した後、500〜1000℃で焼成することにより、製造することができる。
すなわち、まず、薄片状粉体を水に分散させ、良く撹拌して、薄片状粉体の水分散液を調製する。分散液のスラリー濃度は1〜50質量%であるのが、薄片状粉体表面を金属化合物が均一に被覆するのに好ましい。
一方、有色金属酸化物前駆体としては、硝酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等が挙げられ、これらの水溶液濃度は、20〜70質量%であるのが好ましい。
薄片状粉体の分散液を、50〜100℃、好ましくは70〜80℃に加温し、分散液に酸を加え酸性にし、更に反応液のpHを2〜4、好ましくは2.5〜3.5に保つよう、アルカリ水溶液で調整しながら有色金属酸化物前駆体水溶液を反応混合液に加える。特に、表面粗さの小さい平滑な被覆状態を実現するためには、有色金属酸化物前駆体水溶液の添加速度を、薄片状粉体100g当たりの金属イオン量が5×10-4〜12×10-4mol/min、好ましくは8×10-4〜11×10-4mol/minとなるように添加する。この範囲の添加速度の場合に、散乱光が抑制され、より好ましい顔料を得ることができる。
なお、pHの調整に用いられるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の水溶液が挙げられる。
添加終了後、混合液を熟成させる。その後、アルカリ水溶液を加えてpH5〜8とし、さらに熟成させる。次に、固体を分離した後、水洗によって塩を除去し、乾燥を行う。その後、500〜1000℃、好ましくは700〜800℃で30〜180分間焼成を行うことにより、本発明のパール顔料を得ることができる。
本発明のパール顔料は、例えば、塗料、印刷インキ、プラスチック、セラミックス、ガラス用釉等の色材に使用することができる。
実施例1
粒径5〜60μmの薄片状雲母100gを、1.5Lの水に加えて十分に分散させ、80℃まで昇温した後、塩酸を加えてpH3にする。次に、予め調製した硝酸第二鉄水溶液(硝酸第二鉄17質量部:水26質量部)421gを、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH3に保ちながら、鉄イオン濃度が8.6×10-4mol/minの割合となるように、ゆっくりと添加する。添加終了後、混合液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5にする。濾過により固体を得、水洗して塩を除去し、吸引濾過、乾燥し、次いで700℃で1時間焼成を行った。
得られたパール顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚20nmに均一に被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは3.44nmであった。
実施例2
硝酸第二鉄水溶液(硝酸第二鉄17質量部:水26質量部)421gを538gに代える以外は実施例1と同様にして、パール顔料を製造した。
得られたパール顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚30nmに均一に被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは4.30nmであった。
実施例3
硝酸第二鉄水溶液(硝酸第二鉄17質量部:水26質量部)421gを680gに代える以外は実施例1と同様にして、パール顔料を製造した。
得られたパール顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚50nmに均一に被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは3.03nmであった。
実施例4
硝酸第二鉄水溶液(硝酸第二鉄17質量部:水26質量部)421gを914gに代える以外は実施例1と同様にして、パール顔料を製造した。
得られたパール顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚80nmに均一に被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは3.92nmであった。
実施例5
硝酸第二鉄水溶液の鉄イオン濃度(硝酸第二鉄17質量部:水26質量部)を、硝酸第二鉄水溶液(硝酸第二鉄17質量部:水7質量部)に代え、添加量を241gに代える以外は実施例1と同様にして、パール顔料を製造した。添加速度は、鉄イオン濃度8.6×10-4mol/minであった。
得られたパール顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚20nmに均一に被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは4.48nmであった。
実施例6
硝酸第二鉄水溶液の鉄イオン濃度(硝酸第二鉄17質量部:水26質量部)を、硝酸第二鉄水溶液(硝酸第二鉄17質量部:水68質量部)に代え、添加量を842gに代える以外は実施例1と同様にして、パール顔料を製造した。添加速度は、鉄イオン濃度8.6×10-4mol/minであった。
得られたパール顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚20nmに均一に被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは3.69nmであった。
実施例7
粒径5〜60μmの薄片状雲母1.3kgを、20Lの水に加えて十分に分散させ、80℃まで昇温した後、塩酸を加えてpH3にする。次に、予め調製した硝酸第二鉄水溶液(硝酸第二鉄17質量部:水26質量部)5.6kgを、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH3に保ちながら鉄イオン濃度が1.4×10-2mol/min(雲母100gに対して10.7×10-4 mol/min)の割合となるよう添加する。添加終了後、混合液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5にする。濾過し、水洗して塩を除去し、吸引濾過、乾燥し、次いで700℃で1時間焼成を行った。
得られたパール顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚20nmに均一に被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは6.96nmであった。
実施例8
硝酸第二鉄水溶液(硝酸第二鉄17質量部:水26質量部)421gを180gに代える以外は実施例1と同様にして、パール顔料を製造した。
得られたパール顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚10nm(光学的膜厚30nm)に均一に被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは8.7nmであった。
実施例9
硝酸第二鉄水溶液(硝酸第二鉄17質量部:水26質量部)421gを84gに代える以外は実施例1と同様にして、パール顔料を製造した。
得られたパール顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚5nm(光学的膜厚15nm)に均一に被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは3.8nmであった。
比較例1
粒径5〜60μmの薄片状雲母120gを水820gに加え、95℃に加熱した。そこに尿素350g、硫酸第一鉄170g、硝酸第二鉄10g、30%硝酸水溶液7g及び水308gの水溶液を約25g/min(19×10-3mol/min)の速度で35分かけて滴下した。次いで、2時間撹拌し、30%炭酸カリウム水溶液205gを約40分かけて滴下した。その後、水洗によって塩を除去し、吸引濾過、乾燥し、次いで700℃で1時間焼成を行った。
得られた顔料は、薄片状雲母上に、0.1μm程度の酸化鉄粒子が幾何学的膜厚30nmに若干粗めに被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは13.41nmであった。
比較例2
添加する鉄塩溶液中の尿素350gを370g、添加する鉄塩溶液中の硫酸第一鉄170gを200g、硝酸第二鉄10gを12gに代え、鉄塩溶液を21×10-3mol/minで添加する以外は比較例1と同様にして、パール顔料を得た。
得られた顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚50nmに若干粗めに被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは13.52nmであった。
比較例3
添加する鉄塩溶液中の尿素350gを390g、硫酸第一鉄170gを300g、硝酸第二鉄10gを16g、水308gを320gに代え、鉄塩溶液を27×10-3mol/minで添加する以外は比較例1と同様にして、パール顔料を得た。
得られた顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚80nmに若干粗めに被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは10.24nmであった。
比較例4
予め調製した硝酸第二鉄水溶液の添加速度を8.6×10-4mol/minの割合から、14×10-4mol/minの割合として速くする以外は、実施例2と同様にして、パール顔料を製造した。
得られた顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚30nmに若干粗めに被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは14.05nmであった。
比較例5
予め調製した硝酸第二鉄水溶液の添加速度を8.6×10-4mol/minの割合から、3.75×10-4mol/minの割合として遅くする以外は、実施例2と同様にして、パール顔料を製造した。
得られた顔料は、薄片状雲母の上に、非常に微細な酸化鉄粒子が幾何学的膜厚30nmに若干粗めに被覆されていた。また、被覆層の表面粗さを測定したところ、表面粗さは10.68nmであった。
試験例
実施例1〜9、比較例1〜5で得られたパール顔料、及び市販の酸化鉄被覆雲母(IRIODIN 504 Red(メルク社);市販品1、Colorona Passion Orange(メルク社);市販品2)について、粉体反射光(散乱光)のa*値及びb*値を、「本発明のa*値、b*値の測定方法」に従って測定した。分光測色計は、村上色彩技術研究所社製、GCMS−4を用い、偏光板(ポラロイド社製 型式:HN32)を設置して測定した。光源は、ナーバ社のハロゲンランプ(HLWS7)を用いた。黒色人工皮革(オカモト社製、型式:OK−7)を使用し、5cm×10cmの範囲に平均0.05mg/cm2となるようにスポンジを用いて、粉体を塗布したものを測定試料として用いた。幾何学的膜厚の測定は、SEMにより行った。被覆前の薄片状粉体の厚さを測定し、被覆後のパール顔料の厚さを測定することで、幾何学的膜厚とした。結果を表1に示す。
Figure 0004739007
応用例
実施例で得られたパール顔料を用いた塗料、インク、プラスチックの応用例を以下に示す。一般に知られていることであるが、応用例では樹脂中にパール顔料を練り込むため、粉体自身単独での塗布色と異なる色相を示すので、各応用例での外観色を示した。
応用例1(自動車用塗料)
電着塗膜上に中塗り塗膜が形成された鋼板を用意し、カラーベース塗料を塗装後、140℃で30分間焼き付け乾燥した。次に、アクリル樹脂とメラミン樹脂からなる樹脂液中に、実施例2で得られたパール顔料を5質量%含むベース塗料を用意し、カラーベース塗膜表面に膜厚15μmとなるよう、スプレー塗装した。そして、アクリルーメラミン系クリア塗装を、さらに膜厚40μmとなるよう、Wet−on−Wetにてスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付け、ベース塗膜とクリア塗膜を一体的に硬化させた。このようにして得られた塗装鋼板は、とても光沢のあるブロンズ色の外観色を有していた。
応用例2(印刷用インキ組成物)
表2の成分を混合し、サンドミルで混練して印刷用インキ組成物を得た。
この印刷用インキ組成物を用いて、塗膜厚(乾燥後)50μmで黒紙上に印刷を行ったところ、塗装体はとても光沢のあるオレンジ色の外観色を有していた。
Figure 0004739007
応用例3(プラスチック着色組成物)
表3の成分をヘンシェルミキサーで混合し、得られた混合物を押出成形機で押出成形し、着色ペレットを得た。このペレットを、押出成形機で90×50×2mmの板状成形品に成形したところ、成形体はとても光沢のある赤色の外観色を有していた。
Figure 0004739007
本発明において、「本発明のa*値、b*値の測定方法」を示す図である。

Claims (11)

  1. 薄片状粉体の表面に酸化鉄を表面平均粗さ10nm以下で被覆したパール顔料の製造方法であって、薄片状粉体の水分散液に、酸化鉄前駆体の水溶液を、薄片状粉体100g当たりの鉄イオン量が5×10 -4 〜12×10 -4 mol/minとなるように添加し、次いで、混合液にアルカリ水溶液を加えてpH5〜8とし、固体を分離した後、500〜1000℃で焼成するパール顔料の製造方法。
  2. パール顔料が、該パール顔料を黒色人工皮革表面に平均0.05mg/cm2で塗布し、入射光側にS偏光板、受光側にP偏光板を装着した分光測色計を用い、C光による2°視野の受光条件で、パール顔料の反射光量を測定したとき、測定試料面の法線方向に対して45°で入射し、法線方向で受光した顔料の反射光のa*値及びb*値の絶対値が5以下のものである請求項1記載のパール顔料の製造方法。
  3. パール顔料が、被覆層の光学的膜厚が250nm以下のものである請求項1又は2記載のパール顔料の製造方法
  4. パール顔料が、被覆層の光学的膜厚が120〜210nmのものである請求項1〜3のいずれか1項記載のパール顔料の製造方法
  5. パール顔料が、被覆層の光学的膜厚が15〜120nm未満のものである請求項1〜3のいずれか1項記載のパール顔料の製造方法
  6. 薄片状粉体の水分散液に、酸化鉄前駆体の水溶液を添加する際、混合液の温度を50〜100℃とする請求項1〜5のいずれか1項記載のパール顔料の製造方法。
  7. 薄片状粉体の水分散液に、酸化鉄前駆体の水溶液を添加する際、混合液のpHを2〜4とする請求項1〜6のいずれか1項記載のパール顔料の製造方法。
  8. 薄片状粉体の水分散液が、スラリー濃度1〜50質量%である請求項1〜7のいずれか1項記載のパール顔料の製造方法。
  9. 酸化鉄前駆体が、硝酸第二鉄、塩化第二鉄又は硫酸第二鉄である請求項1〜8のいずれか1項記載のパール顔料の製造方法。
  10. 酸化鉄前駆体の水溶液濃度が、20〜70質量%である請求項1〜9のいずれか1項記載のパール顔料の製造方法。
  11. 500〜1000℃で30〜180分間焼成する請求項1〜10のいずれか1項記載のパール顔料の製造方法。
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