JP4738167B2 - 太陽電池モジュールの解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールの解体方法に関するものである。
近年、地球環境問題、省エネルギーへの関心の高まりとともに、自然エネルギーを利用した新エネルギー技術が注目されている。そのひとつとして、太陽エネルギーを利用したシステムへの関心が高く、特に太陽光発電システムの住宅への普及が加速されている。
また、一方で資源の有効活用と環境保護の観点から太陽電池モジュールを解体し、使用できる部材についてのリサイクルの必要性が高まってきている。従来の太陽電池モジュールでは産業廃棄物として廃棄されていた構成部材の中にも再利用可能なものが多く含まれているが十分にリサイクルはされていなかった。こうした背景の中で有用な資源の再利用を促進し、廃棄物を減らすために、リサイクル可能な部材の比率が大きい太陽電池モジュールの製造技術と使用後の処理技術の確立の必要性が増大している。
一般的な太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子を直並列に接続し、光透過板・封入樹脂・耐候性フィルムでラミネートし、これを加熱することにより太陽電池素子を挟持する構造としている。
図5は太陽光発電システムに係る一般的な太陽電池モジュールの断面を示す構造図である。図中、10a、10bは太陽電池素子、11は光透過板、12は耐候性フィルム、14は太陽電池モジュール、15は、枠、16は封止材、17は端子ボックス、18は導電材である。
図5に示すように、太陽電池モジュール14はたとえばシリコン等から成る半導体の光電変換効果を利用して電力を発生させる太陽電池素子10(10a,10b)を複数個直列および並列に電気的に接続し、耐候性のある素材で覆うように成し、所要の出力電圧や出力電流を得る。
太陽電池素子10の受光面にはガラス板や合成樹脂板などの光透過板11を配置し、その裏面である非受光面にはテフロン(登録商標)フィルムやPVF(ポリフッ化ビニル)、PET(ポレエチレンテレフタレート)などの耐候性フィルム12を被着し、さらに光透過板11と耐候性フィルム12との間には、例えばEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)などの透明な合成樹脂を介在させて、封止材16とすることができる。
そして、これら光透過板11、太陽電池素子10および耐候性フィルム12の重ね構造の矩形状の本体に対し、その各辺の周囲をアルミニウム金属やSUS等から成る枠15を挟み込むように装着し、太陽電池モジュール14としての強度を高めている。
また、太陽電池モジュール14の裏面、すなわち耐候性フィルム12の上にはABS樹脂などの合成樹脂やアルミニウム金属などで構成した端子ボックス17を接着し、太陽電池モジュール14の出力電力を取り出すターミナルと成している。
上述のようにして、太陽電池モジュール14は製造されるが、封止材16で充填された太陽電池モジュール14内に気密封止された太陽電池素子10は、長期使用した後であっても、発電効率の劣化が少ないという性質がある。このように、例え封止材16や、他の部材が劣化した場合であっても、太陽電池素子10を取り出し、新たな太陽電池モジュール14の太陽電池素子10として再利用することが提案されている。
従来、このよう太陽電池モジュールの解体方法として、以下のような解体方法が提案されている。
例えば、太陽電池モジュールの部材間に熱可塑性樹脂である剥離層を設けて、これを加熱し、外的な剥離力を加えることによって、剥離層と接した部材同士を分離する方法や、封止材樹脂加熱した硝酸、アルカリ、有機溶剤などによって除去する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開平11−289103号 公報
しかしながら、上述した太陽電池モジュールの解体方法では、太陽電池素子を回収する際、太陽電池素子の割れ、欠けが生じ、太陽電池素子の回収率が低下する問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、太陽電池モジュールから太陽電池素子を回収する際に、太陽電池素子の割れ、欠けを抑制し、太陽電池素子の回収率を向上させた太陽電池モジュールの解体方法を提供することである。
上記目的を達成するために、発明者は鋭意検討した結果、以下の事実を知見した。
従来、多くの太陽電池モジュールの解体方法では、太陽電池モジュールから太陽電池素子を取り出す際に、太陽電池素子を気密保持している封止材を、硝酸などに浸漬させて、太陽電池モジュールから太陽電池素子を取り出すことができる。しかしながら、封止材を液体に浸漬した結果、封止材は、この液体を吸収して体積を増す現象が起こる。この現象を一般的に膨潤と呼ぶが、太陽電池モジュール解体時に、この封止材の膨潤によって、封止材が太陽電池素子に応力を与える可能性があった。
そこで、本発明の太陽電池モジュールの解体方法は、太陽電池素子と、該太陽電池素子と少なくとも一部で接する緩衝材と、該緩衝材と前記太陽電池素子を含有する封止材と、を含む太陽電池モジュールの解体方法であって、前記緩衝材を熱分解温度以上の温度に加熱して熱分解させる加熱工程と、前記封止材を膨潤させ、前記緩衝材を熱分解した状態で前記封止材を分解させる液体に浸漬させる膨潤工程とを含む。
太陽電池素子と、該太陽電池素子と少なくとも一部で接する緩衝材と、該緩衝材と前記太陽電池素子を含有する封止材と、を含む太陽電池モジュールの解体方法であって、前記緩衝材を熱分解させる加熱工程と、前記封止材を膨潤させる膨潤工程と、を含むようにした。
本発明によれば、加熱工程により、緩衝材を熱分解させることによって、緩衝材を構成する固体状態の原子配列が、熱分解温度を境として、変化し、ゲル状態又は、流動性が高まる。
そして、例えば、ゲル状態となった緩衝材が太陽電池素子の少なくとも一部において存在することで、例え、太陽電池素子を包有する封止材が膨潤した場合であっても、ゲル化した緩衝材が変形し、封止材が太陽電池素子に与える応力を緩和することができる。
また、封止材のうち、緩衝材の表面に存在する凹凸部の内部まで浸入していた封止材は、膨潤工程によって、緩衝材の表面近傍まで戻される。そして、太陽電池素子についても、緩衝材のうち、太陽電池素子の表面に存在する凹凸部の内部まで浸入していた緩衝材が、加熱工程によって、ゲル状態となっているため、簡易に太陽電池素子と緩衝材を分離することができる。
したがって、封止材が太陽電池素子に与える応力を緩和しつつ、封止材から太陽電池素子を取り出すことが可能となり、その結果、太陽電池素子の割れ・欠けが生じにくくした太陽電池モジュールの解体方法を提供することができる。
本発明に係る太陽電池モジュールについて、図面を用いて説明する。
図1は本発明の太陽電池モジュールの断面を示す構造図である。図1において、1は緩衝材、2は太陽電池素子、3、3a、3bは封止材、4はフロントカバー、5はバックカバー、6は端子ボックス、7は配線、8は枠体、20は太陽電池モジュール、21はインナーリードである。
図1に示すように、本発明の太陽電池モジュール20本体は、緩衝材1で少なくとも一部を覆われた太陽電池素子2を、耐候性に優れた封止材3で封止し、それを受光面側となるフロントカバー4と裏面のバックカバー5の間に挟んだ構成とする。その太陽電池モジュール20本体の裏面に電気出力を取り出す端子ボックス6を設け電気配線7を引き出し、また側面の周囲には枠8を設ける。ここで、例えば封止材3としてEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)を、フロントカバー4としてガラスを、バックカバー5としてPETを使用してもよい。
緩衝材1には、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができ、太陽電池素子2の少なくとも一部と接するように、緩衝材1をスプレーコート、若しくはディップコート、はけ塗りなどによって、太陽電池素子2上に形成することができる。
また、封止材は太陽電池素子2の全面を覆うものであることが好ましい。
さらに、複数の太陽電池素子2同士をインナーリード21によって接続してストリングスの状態で、緩衝材を形成してもよいし、個々の太陽電池素子2にそれぞれ緩衝材1を形成していってもよい。
特に、太陽電池素子2の一主面に設けられた電極部において、熱硬化性樹脂を含む緩衝材が存在することによって、後工程のラミネート工程で加熱する際に、この緩衝材が熱硬化するため、電極の位置づれを防止することができる。
そして、これらの部材を重ね合わせて加熱するラミネート工程を経ることによって、太陽電池モジュール20とすることができる。
例えば、フロントカバー1上に受光面側封止材3a、インナーリード21で接続した太陽電池素子2、さらにその上に裏面側封止材3b、バックカバー5を順次積層する。このように、それぞれの部材を積層し、ラミネーターにセットし、50〜150Paの減圧下にて加圧しながら100℃〜200℃の温度で15〜60分程度加熱することによって、受光面側封止材3aと裏面側封止材3bが溶融架橋して、太陽電池素子2と緩衝材1を封止材3によって包有し、これらを一体化し太陽電池モジュール20とすることができる。
このようにして、太陽電池素子2と、該太陽電池素子2の少なくとも一部と接する緩衝材1と、該緩衝材1と前記太陽電池素子2を包有する封止材3と、を含む太陽電池モジュール20とすることができる。
また、このような本発明に係る太陽電池モジュール20は、長期信頼性を得ることができる。
通常、一般的な太陽電池モジュール14を長期使用した場合、雨や湿度などによって、太陽電池素子10を気密保持する封止材16内で酢酸が発生する可能性があり、この酢酸が太陽電池素子10まで到達した場合、太陽電池素子10に備わる電極の腐食を引き起こし、太陽電池モジュール14の長期信頼性を損なう恐れがある。
しかしながら、本発明によれば、封止材3内部で酢酸が生じ、この酢酸が太陽電池素子2まで到達した場合であっても、緩衝材1は、封止材3と異なる組成であるため、上述した酢酸が、太陽電池素子2まで到達することを防止できる。その結果、太陽電池素子2の長寿命化を可能にすることができる。
また、緩衝材1を熱硬化性樹脂とすれば、ラミネート工程時の加熱温度(100℃〜200℃)により、緩衝材1は熱硬化し緩衝材1を構成する分子間での結合が強固なものとなる。このように、緩衝材1が熱硬化し分子間が結合エネルギーが高くなるため、常温に戻した場合であっても、特に太陽電池素子2の電極部に緩衝材1を形成すれば、太陽電池素子2の電極部を強固に保持することができる。
このように、太陽電池素子2は封止材3内で強固に保持されるため、太陽電池モジュール20を設置する際や、太陽電池モジュール20設置後に風などの外力が加わった場合であっても、太陽電池素子2の電極と、インナーリード21との間の半田付け部分にストレスが加わることを防止できる。この結果、外力によって電極部の電気的導通が妨げられる可能性を低減できるため、太陽電池モジュール20の長期信頼性を得ることができる。
また、緩衝材1を薄膜とすれば、熱硬化性樹脂の熱硬化に要する時間が短時間となり、太陽電池素子2に対する熱履歴を小さくすることができるため、より長期信頼性を得ることができる。また、太陽電池モジュール20を製造する際のタクトアップにも繋がる。
薄膜の緩衝材1を形成する方法は、周知の技術を用いることができ、スプレーコート等によって太陽電池素子2に緩衝材1を形成することができる。
以下、本発明に係る太陽電池モジュールの解体方法について詳細に説明する。
図2の流れ図は、図1に示す太陽電池モジュール20を解体する際の手順を示したものである。図2に示すように太陽電池モジュール20を解体するために、以下の手順に従って解体する。
(1) 太陽電池モジュール20から、枠8、端子ボックス6、電気配線7を除去する
(2) 太陽電池モジュール20を加熱し緩衝材1を熱分解する(加熱工程)
(3) 溶液9に浸漬し封止材3を膨潤させる(膨潤工程)
(4) 太陽電池モジュール20を構成する部材を回収する
以下に、上述した手順について、図2を用いて詳細に説明する。
まず、太陽電池モジュール20の枠8を外す。例えば、枠8同士を固定しているネジを外したり、引き剥がしたり、物理的な方法で太陽電池モジュール20から枠8を取り外すことができ、さらに、切断等により電気配線7も取り外すことができる。
そして、端子ボックス6も引き剥がすなどの物理的な方法で除去する。尚、枠8や端子ボックス6がブチルやシリコンなどの接着剤で取り付けられている場合は、接着力を弱めるために適宜加熱を行ってもよい。
この加熱方法としては、周知の技術を用いることができ、例えば、スポットドライヤーや集光型ヒーター、熱風用ヒーター等で接着部分を部分的に加熱を行い、接着剤の温度を高め、接着力が弱まっている間に機械的に取り外しても良い。また、太陽電池モジュール全体を電気炉や連続炉などで加熱しても良い。
[加熱工程]また、本発明に係る太陽電池モジュール20の解体方法は、緩衝材1を熱分解させる加熱工程を含むようにした。
こうすることで、緩衝材1は熱分解によって、緩衝材1を構成する固体状態の原子配列が、熱分解する温度(転移点)を境として変化し、ゲル状態または流動性を高めることができる。
具体的には、緩衝材1は、封止材3よりも熱分解する温度が低い材料であることが好ましい。このような材料を選択することにより、太陽電池モジュール20を均一な温度下で加熱した場合、先に緩衝材1が熱分解するため、太陽電池モジュール20の形態を維持したまま緩衝材1を熱分解できるため、太陽電池素子2に加わる応力を緩和することができる。
このような、緩衝材1と封止材3の組合せとして、例えば、緩衝材1として熱硬化性樹脂であるシリコン樹脂やフッ素樹脂を使用し、封止材3としてEVAを用いることが好ましい。
例えば、緩衝材1としてシリコン樹脂、封止材3としてEVAを使用した場合、太陽電池モジュール20を200℃〜300℃、より好ましくは230℃〜270℃で加熱することによって、緩衝材1だけを熱分解することができる。
この結果、緩衝材1は、熱分解によって高分子の主鎖が切断され、常温に戻した場合でもゲル状態を保つものとできる。
また、このとき、太陽電池素子2に荷重が出来るだけ加わらないように、太陽電池モジュール20のフロントカバー4がある面を下にして電気炉や連続炉を用いて加熱を行うことが簡易であるため好ましい。
また、この加熱工程は、太陽電池モジュール20の全面を加熱することが好ましい。
太陽電池素子2に加わる温度が均一になれば、太陽電池素子2の熱履歴が緩和され、熱履歴を起因とした太陽電池素子2の割れを抑制することができる。また、回収部材であるフロントカバー4にも熱応力が加わりにくくなるため、リサイクル部材のひとつとして、好適に再利用可能となる。
[膨潤工程]そして、本発明に係る太陽電池モジュール20の解体方法は、封止材3を膨潤させる膨潤工程含むようにした。
このように、太陽電池素子2の少なくとも一部で接する緩衝材1を熱分解して、緩衝材1をゲル状態または流動性を高めることにより、封止材3を膨潤させた場合であっても、緩衝材1が変形し、封止材3が太陽電池素子に与える応力を緩和することができる。
また、封止材3のうち、緩衝材1の表面に存在する凹凸部の内部まで浸入していた封止材3は、膨潤工程によって、緩衝材1の表面近傍まで戻される。そして、太陽電池素子2についても、緩衝材1のうち、太陽電池素子2の表面に存在する凹凸部の内部まで浸入していた緩衝材1が、加熱工程によって、ゲル状態となっているため、簡易に太陽電池素子2と緩衝材1を分離することができる。
上述した膨潤工程のひとつである、封止材3を液体に浸漬させる場合の模式図を図3に示す。図3(a)は、太陽電池モジュール20を液体9に全て浸漬した状態を示す図であり、図3(b)は、フロントカバー4と、太陽電池素子2を含む部材とが分離した状態を示す図である。なお図中、1は緩衝材、2は太陽電池素子、3a、3bは封止材、4はフロントカバー、5はバックカバー、9は液体、20は、太陽電池モジュール、21はインナーリードである。
例えば、少なくとも太陽電池モジュール20全体が水平方向に投入可能な寸法の槽内に封止材3を分解させる液体9を満たし、太陽電池モジュール20を浸漬させる。浸漬方法は徐々に浸漬してもよいし、一度に太陽電池モジュール20全てを浸漬させてもよい。槽の機能として太陽電池モジュール20の端部を支持しつつ、連続的に水平移動し槽内に投入する搬送機能を持つとより好適である。
図3(a)、図3(b)に示すように、太陽電池モジュール20を液体9に浸漬させることによって、封止材3は膨潤する。その結果、太陽電池モジュール20は、フロントカバー4と、太陽電池素子2と、バックカバー5とに分離することができる。
そして、液体9に太陽電池モジュール20を浸漬することにより、封止材3は膨潤するため、封止材3のうち、緩衝材1の表面に存在する凹凸部の内部まで浸入していた封止材3は、緩衝材1の表面近傍まで戻され、その結果、封止材3と、他の部材との接着力が減少する。
このように、本発明によれば、緩衝材1が熱分解し、上述したゲル状態または流動性を高めた状態で、太陽電池素子2の少なくとも一部で接していることから、封止材3が太陽電池素子2に与える応力を緩和しつつ、封止材3と緩衝材1との接着力を低下させることができる。その結果、太陽電池素子2の割れ・欠けが生じにくくした太陽電池モジュール20の解体方法を提供することができる。
また、本発明に係る膨潤工程では、液体9をミストにして太陽電池モジュール20全体に噴霧することとしてもよい。内圧エネルギーを持ったミストの粒子が封止材3に接触することで、より早く浸透するとともに層間の剥離を促し、短時間で分解することが可能となる。
その後、分離した部材の回収を行う。太陽電池素子2やフロントカバー4はもちろんのこと、他にも切断されたバックカバー5、ストリングをつなぐ配線材なども再利用可能な資源として回収することが好ましい。
そして、回収した部材の洗浄を行う。ここでは、太陽電池素子2に付着した緩衝材1、封止材3等の汚れを取り除くことが好ましい。
また、太陽電池素子2の表面状態を均一に、且つ、起電力を初期状態に近づけるために、トルエンまたはキシレンを主材料とする溶剤で一次洗浄を行う。
さらに、太陽電池素子2表面に付着した汚れたトルエンやキシレンなどを取り除くために、メタノール、又はエタノールを主材料とする溶剤にて、二次洗浄を行うなどすることが好ましい。
そして、割れ、欠けが発生した太陽電池素子についてはレーザーカット等で小型に加工することで使用可能であるため、別途分類することが好ましい。
尚、太陽電池モジュール20に関して、封止材3の少なくとも一部に切り込みを入れることが好ましい。図4(a)に太陽電池モジュール20に切り込みを入れる前の状態を示し、図4(b)に太陽電池モジュール20に切れ込みを入れた後の状態を示す。尚、図中、1は緩衝材、2は太陽電池素子、3a、3bは封止材、4はフロントカバー、5はバックカバー、20は太陽電池モジュール、21はインナーリードである。
太陽電池モジュール20に切り込みを入れることよって、封止材3を膨潤させる際に、液体9と封止材3との接触面積が増えるため、より短時間で封止材3を膨潤させることができる。
例えば、常温下に置かれた液体9に太陽電池モジュール20を浸漬した場合、約24時間から48時間後で太陽電池素子2を封止材3から取り出すことができる。
封止材3への切り込みは、カッターや円盤型カッター、レーザーカッター等を用いて手作業によって行っても良いし、より好ましくは自動機を用いて円盤型カッターや円盤型砥石、レーザーカッターを用いて行っても良い。
こうすることにより、太陽電池素子2の回収時間の短縮が可能となり、タクトアップに繋がるため好ましい。
さらに、浸漬時間を短縮するため、太陽電池モジュール20を浸漬した液体9を加熱した方が好ましい。この場合は、液体温度が80℃〜100℃、より好ましくは85℃〜95℃程度に加熱することで、封止材3を膨潤させ、1時間から2時間で封止材3から太陽電池素子2を取り出すことができる。
そして、この液体9は、有機溶剤を含んでなることが好ましい。
従来は硝酸などの酸性により、太陽電池素子2を構成する電極材料が酸化し、腐食する可能性があったが、封止材3を膨潤させる液体9を有機溶剤とすることで、太陽電池素子2として、別途、新たに電極部を形成しなくとも、太陽電池素子としてそのまま再利用することができる。
また、具体的には、この液体9はd−リモネン、キシレン、トルエンのうち少なくともいずれかを含むことが好ましい。
これらの有機溶剤は、好適に封止材3を膨潤させ、尚且つ、緩衝材1も好適に溶解できるため、液体9としてより好ましい。
なお、本発明に係る太陽電池モジュール20の解体方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、本発明に係る太陽電池素子2は、結晶系シリコン太陽電池が好ましいが、これに限ることはなく、化合物系太陽電池であってもよいし、その他の太陽電池素子であっても、封止材3に気密充填されるものであれば本発明の効果を奏することができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュール20の解体方法では、加熱工程と膨潤工程を同に行ってもかまわない。この場合、例えば、緩衝材1に放射線分解型樹脂を用いて、太陽電池モジュールを液体9に浸漬中に電離性放射線を照射して熱分解を行っても良い。
本発明に係る太陽電池モジュールの断面を示す構造図である。 本発明に係る太陽電池モジュールを解体する際の手順を示した図である。 (a)は、太陽電池モジュール20を液体9に全て浸漬した状態を示す図であり、(b)は、フロントカバー4と、太陽電池素子2を含む部材とが分離した状態を示す図である。 (a)に太陽電池モジュールに切り込みを入れる前の状態を示し、(b)に太陽電池モジュールに切れ込みを入れた後の状態を示す図である。 一般的な太陽電池モジュールの断面を示す構造図である。
符号の説明
1:緩衝材
2:太陽電池素子
3、3a、3b:封止材
4:フロントカバー
5:バックカバー
6:端子ボックス
7:電気配線
8:枠
9:液体
20:太陽電池モジュール
21:インナーリード

Claims (8)

  1. 太陽電池素子と、該太陽電池素子と少なくとも一部で接する緩衝材と、該緩衝材と前記太陽電池素子を含有する封止材と、を含む太陽電池モジュールの解体方法であって、
    前記緩衝材を熱分解温度以上の温度に加熱して熱分解させる加熱工程と、前記封止材を膨潤させ、前記緩衝材を熱分解した状態で前記封止材を分解させる液体に浸漬させる膨潤工程とを含む太陽電池モジュールの解体方法。
  2. 前記緩衝材は、前記封止材よりも熱分解する温度が低い材料である請求項に記載の太陽電池モジュールの解体方法。
  3. 前記緩衝材は、熱硬化性樹脂を含んでなる請求項1または2に記載の太陽電池モジュールの解体方法。
  4. 前記緩衝材は、前記太陽電池素子の全面を覆うものである請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの解体方法。
  5. 前記加熱工程は、前記太陽電池モジュール全体を加熱するものである請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの解体方法。
  6. 前記液体は、有機溶剤を含んでなる請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの解体方法。
  7. 前記液体は、d−リモネン、キシレン、トルエンのうち、少なくともいずれかを含んでなる請求項からのいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの解体方法。
  8. 前記膨潤工程の前に、前記封止材の少なくとも一部に切り込みを入れる工程を含んでなる請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの解体方法。
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