JP6850076B2 - 金属複合材料の分離方法 - Google Patents

金属複合材料の分離方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6850076B2
JP6850076B2 JP2016041818A JP2016041818A JP6850076B2 JP 6850076 B2 JP6850076 B2 JP 6850076B2 JP 2016041818 A JP2016041818 A JP 2016041818A JP 2016041818 A JP2016041818 A JP 2016041818A JP 6850076 B2 JP6850076 B2 JP 6850076B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
composite material
metal composite
organic solvent
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016041818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017154449A (ja
Inventor
田 裕 太 高
田 裕 太 高
賀 谷 英 幸 多
賀 谷 英 幸 多
橋 卓 也 高
橋 卓 也 高
山 は る な 舘
山 は る な 舘
Original Assignee
株式会社クリーンシステム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社クリーンシステム filed Critical 株式会社クリーンシステム
Priority to JP2016041818A priority Critical patent/JP6850076B2/ja
Publication of JP2017154449A publication Critical patent/JP2017154449A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6850076B2 publication Critical patent/JP6850076B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

本発明は金属層を積層してなる金属複合材料から、金属及び/又はその他の複合材料を分離する技術に関し、特に金属複合材料を処理液中に浸漬させて、金属及び/又はその他の複合材料を分離する技術に関する。
金属層を積層してなる金属複合材料は、飲食物や薬剤などの包装材料や、建築物や機械などにおける構成部材の一部等、様々な用途で使用されている。特にシート状又はフィルム状に形成された金属複合材料は、機能性および装飾性などの観点から、飲食物や薬剤の包装材料として多く使用されている。
そして金属複合材料が包装材料として使用されている場合には、当該包装材料は、その収容物である食品や薬剤が消費された後は廃棄されることから、当該廃棄物の処理の問題が生じることになる。この為、従前においても、金属構造体と非金属構造とよりなる複合構造体、特に金属と樹脂成形体により構成されている複合構造体の廃棄物から、非金属構造体と金属構造体を分離して、各構造体を再生再使用する試みが多くなされている。
例えば、特許文献1(特開平5−131449号公報)では、樹脂成形体と、その樹脂成形体の表面に接着剤で接着した金属シートからなる複合構造体の金属シートの分離方法が提案されている。この金属シートの分離方法は、接着剤を熱可塑性接着剤とする複合構造体において、複合構造体を誘導加熱装置で加熱し、樹脂成形体と金属シートとの間に形成されている接着層を急速に軟化して、その接着力を低下させ、その軟化した状態で金属シートをマグネットに吸着させ、金属シートを樹脂成形体から剥奪分離することが提案されている。
また、特許文献2(特開平06−254529号公報)では、ポリエステル・金属積層体廃棄物の再利用方法に関し、ポリエステルフィルムと金属シートの積層体の廃棄物を、廃棄物のポリエステル樹脂の重量に対し、10倍以上のポリオレフィン系樹脂の共存下にポリエステルの溶融温度以上の温度に加熱し、ポリエステル及びポリオレフィンを熱分解し、生成する熱分解物を次いで接触分解してガス或いは油分として回収すると共に、金属シートを実質上清浄な状態で回収するポリエステル金属積層体の再利用方法が提案されている。
そして特許文献3(特開2010−227740号公報)では、アルミニウム箔と樹脂とが積層されてなる複合フィルムからアルミニウム箔を分離し、金属状態で回収する方法が提案されている。このアルミニウム箔の回収方法では、アルミニウム箔と樹脂とが積層されてなる複合フィルムを水共存下で亜臨界条件及び/又は超臨界条件で処理し、分離し、アルミニウム箔を金属状態で回収することが提案されている。
特開平5−131449号公報 特開平06−254529号公報 特開2010−227740号公報
上述においても金属層を積層してなる金属複合材料の廃棄物から金属材料を回収する技術は幾つか提案されている。しかしながら、何れの先行技術も、金属層を積層してなる金属複合材料を処理する際、加熱が必要であったり、或いは当該金属材料を積層させている基材(樹脂材料などの被積層材料)の回収が困難であったりするなど、幾つかの問題があった。
そこで本発明では、亜臨界条件程に高温にする必要もなく、100℃以下でありながらも金属材料を回収する事ができ、更に望ましくは当該金属材料を積層させている基材(樹脂材料などの被積層材料)も回収できるようにした金属複合材料の分離方法を提供する事を課題とする。
上記課題の少なくとも何れかを解決するべく、本発明では、金属層を積層してなる金属複合材料から少なくとも金属層を構成する材料を分離回収する金属複合材料の分離方法であって、当該金属複合材料を有機溶媒中に浸漬することにより、前記金属層を分離回収し、当該有機溶媒が、シクロヘキサン、トルエン又はテルペン系化合物である金属複合材料の分離方法を提供する。
上記有機溶媒は、SP値が7.5以上、9.0以下の有機溶媒が望ましく、また金属複合材料が樹脂基材に金属層を積層させて構成されている場合には、当該有機溶媒は、樹脂基材のSP値の上下15%の範囲内の有機溶媒であることが望ましい。
上記の様に、SP値が7.5以上、9.0以下の有機溶媒、又は樹脂基材のSP値の上下15%の範囲内の有機溶媒を使用し、これに金属複合材料を浸漬することにより、金属層と基材(樹脂材料などの被積層材料)との間への浸透性が高まり、また当該境界部分における樹脂の溶解性を高める事ができる。これのより、前記金属層を基材から剥離させることができ、当該金属層をシート状又は薄膜状態で回収する事ができる。また基材(樹脂材料などの被積層材料)も、金属層が剥離した状態で回収する事が可能になる。
また上記本発明において、金属複合材料を浸漬する有機溶媒はテルペン系化合物であることが望ましい。当該テルペン系化合物であれば、基材(樹脂材料などの被積層材料)がポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを用いて形成されている場合において、基材と金属層との剥離性を高める事ができる為である。また、テルペン系化合物には、リモネンやピネンなどの様に燃料として利用できるもののあり、これらは前記金属複合材料の分離処理に使用した後においては、燃料として利用する事ができる為である。
また、上記有機溶媒として使用するテルペン系化合物は、特に官能基を持たないテルペン系化合物であることが望ましい。基材と金属材料との剥離性を高め、迅速かつ確実に金属層及び/又は基材を回収できる為である。
また、本発明では前記課題の少なくとも何れかを解決する為に、樹脂基材に金属層を積層させてなる金属複合材料から、少なくとも金属層を構成する材料を分離回収する金属複合材料の分離方法であって、当該有機溶媒中に当該金属複合材料を浸漬することにより、前記金属層を分離回収し、当該有機溶媒として、シクロヘキサン、トルエン、テルペン系炭化水素、テルペンアルデヒド、及びテルペンケトンから選択される金属複合材料の分離方法を提供する。
そして上記本発明にかかる金属複合材料の分離方法において、有機溶媒がテルペン系化合物である場合には、当該テルペン系化合物は、環式化合物又は多環式化合物であることが望ましい。基材と金属層との剥離の確実性を高めるためである。
また、上記金属複合材料の分離方法においては、前記有機溶媒を一定温度に加熱することにより、基材と金属層との剥離性を高めることができる。よって上記本発明においては、前記有機溶媒を50℃以上、90℃以下に加熱して、前記金属複合材料を浸漬することが望ましい。有機溶媒の温度が50℃未満では加熱による金属層の剥離効果が低下することが考えられ、一方で90℃を超える場合には、当該有機溶媒の加熱時における温度管理などの問題が生じる為である。
そして本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決するために、上記金属複合材料の分離方法を実施する為の金属複合材料の分離処理装置を提供する。即ち、金属層を積層してなる金属複合材料から少なくとも金属層を構成する材料を分離回収する金属複合材料の分離処理装置であって、上記本発明にかかる分離方法を行う分離処理部を備えている金属複合材料の分離処理装置を提供する。
かかる金属複合材料の分離処理装置において、分離処理部は、前記有機溶媒を収容する為の容器を必要とし、更に当該有機溶媒を加熱する為の加熱装置や、当該溶媒を撹拌する為の撹拌装置を伴って構成する事ができる。
かかる金属複合材料の分離処理装置を使用する事により、廃棄物となっている金属複合材料から、少なくとも金属層を分離、回収する事ができ、使用する有機溶媒や当該溶媒の温度次第では、この金属層を剥離した基材も回収する事ができる。よって、当該分離処理装置は廃棄物処分施設などにおいて利用する事ができる。
上記本発明によれば、金属層を積層してなる金属複合材料を、有機溶媒中に浸漬することにより、前記金属層を分離回収するものであり、当該有機溶媒として、シクロヘキサン、トルエン又はテルペン系化合物を使用している。この為、本発明にかかる回収方法では、亜臨界条件程に高温にする必要もなく、100℃以下でありながらも、処理対象となる金属複合材料から、金属層を構成する金属材料を回収する事ができる。
また、上記分離回収に使用する有機溶媒として、シクロヘキサン又はテルペン系化合物を使用する事により、金属層は基材から剥がれた状態で分離することから、当該金属層が剥がれた基材をも回収する事ができる。
走査型電子顕微鏡によるサンプル1の撮影画像 サンプル1の熱重量測定結果 実験例1でサンプル1をd-リモネンで処理した結果を示す写真 実験例3においてリナロールで処理した場合の(A)処理前、(B)処理後の状態を示す写真 実験例3においてリモネンで処理した場合の(A)アルミニウム箔、(B)ポリオレフィン層、(C)ポリエチレンテレフタレートとポリオレフィンとの積層体を示す写真 実験例3においてメントンで処理した場合の(A)アルミニウム箔、(B)ポリオレフィン層、(C)ポリエチレンテレフタレートとポリオレフィンとの積層体を示す写真 実験例3においてトルエンで処理した場合の(A)アルミニウム箔、(B)ポリオレフィン層、(C)ポリエチレンテレフタレートとポリオレフィンとの積層体を示す写真 実験例4で(A)リモネン、(B)メントン、(C)トルエン、(D)メタノールを溶媒として処理後に回収した残渣成分を示す写真 実験例6における(A)シート2と、処理した(B)シート3におけるAl箔と樹脂フィルムの積層体、(C)シート3における樹脂フィルム、(D)シート4を示す写真 実験例7における(A)シート2、(B)シート3、(C)シート4の残渣を示す写真
上記本発明において、金属複合材料は金属層を積層して構成されるものであればよく、当該金属層が積層される基材は、多くの場合、樹脂材料で構成されている。かかる金属複合材料は、食品や薬剤を包装する容器の様にシート状の製品である他、各種機械・器具の部品や構造部分などの立体的形状の製品であって良い。特に、食品や薬剤の包装に使用されている金属複合フィルムや、金属複合シートなどは、内容物を消費した後に大量に廃棄されることから、当該金属複合フィルムや、金属複合シートにおける金属層の分離において有効である。特に、当該金属複合フィルムや、金属複合シートは、金属箔積層フィルム/シートであれば、より確実に金属成分を、シート状又は箔状で回収する事ができる。
また食品や薬剤の包装に使用されている金属複合フィルムや金属複合シートでは、多くの場合、当該金属層を積層させる基材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂で形成されていることから、前記有機溶媒は、当該樹脂製の基材と金属層との境界部分への浸透性の高い有機溶媒を使用するのが望ましい。
また、上記金属複合材料を浸す有機溶媒は、シクロヘキサン又はテルペン系化合物が使用される。かかるテルペン系化合物としては、特に限定されず、(C5H8)nの組成の炭化水素および当該炭化水素から導かれる含酸素化合物ならびに不飽和度を異にするものをいう。
具体的には、テルペン炭化水素、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド、テルペンケトン、その他の化合物などが挙げられる。テルペン炭化水素としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、β−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、オーシメン、ミルセン、カンフェン、テルピノレン、シルベストレン、サビネン、カレン、トリシクレン、フェンチェンなどのモノテルペン類、ロンギフォレン、カリオフィレン、ビザボレン、サンタレン、ジンギベレン、クルクメン、カジネン、セスキベニヘン、セドレンなどのセスキテルペン類、カンフォレン、ポドカルプレン、ミレン、フィロクラデン、トタレンなどのジテルペン類などが挙げられる。
またテルペンアルコールとしては、β−シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、テルピネオール、カルペオール、ツイルアルコール、ピノカンフェオール、フェンチルアルコール等のモノテルペンアルコール類、ファルネソール、ネロリドール、カジノール、オイデスモール、グアヨール、バチュリアルコール、カロトール、ランセオール、ケッソグリコールなどのセスキテルペンアルコール類、フィトール、スクラレオール、マノール、ヒノキチオール、フェルギノール、トタロール等のジテルペンアルコールなどが挙げられる。
また、テルペンアルデヒドとしては、シトロネラール、シトラール、シクロシトラール、サフラナール、フェランドラール、ペリルアルデヒドなどのモノテルペンアルデヒド類などが挙げられる。
そしてテルペンケトンとしては、ダゲトン、ヨノン、イロン、カルボメントン、カルボタナセトン、ピペリテノン、ツヨン、カロンなどのモノテルペンケトン類、シペロン、エレモフィロン、ゼルンボンなどのセスキテルペンケトン類、スギオール、ケトマノイルオキシド等のジテルペンケトン類などが挙げられる。
その他の化合物としては、シネオール、ピノール、アスカリドール、マノイルオキシド等のテルペンオキシド類、シトロネル酸、ヒノキ酸、サンタル酸、アビエチン酸、ピマル酸、ネオアビエチン酸、レボピマル酸、イソ−d−ピマル酸、アデカンジカルボン酸、ルベニン酸などのテルペンカルボン酸類が挙げられる。
上記金属複合材料から金属層を剥離する場合、有機溶剤中への浸漬時間は、当該有機溶剤の種類、温度、及び撹拌の有無によって適宜調整する事ができる。また、処理対象となる金属複合材料における金属層の大きさや、当該金属複合材料に使用されている基材樹脂の種類などに応じて適宜調整する事ができる。本発明では、前記有機溶媒中に金属複合材料を投入して金属層が剥離するまで浸漬するものであることから、当該金属層が剥離するまで放置すればよい。特に、当該金属層の剥離を迅速に進行させる場合には、当該有機溶媒を加熱することが望ましく、更に当該有機溶剤を撹拌することが望ましい。
本実施例では、前記有機溶媒中に金属複合材料を浸漬する事による金属層の剥離効果を確認した。以下の実施例では、金属複合材料としてシート状のものを使用し、有機溶剤の種類や、浸漬する溶媒の温度を変え、また金属複合材料における基材の材質を異ならせて幾つかの実験を行った。
〔実験例1〕
この実験例では、代表的な有機溶媒とテルペン系化合物からなる溶媒を使用し、室温(20℃〜28℃)環境下で、一か月間、シート状の金属複合材料(サンプル1)を浸漬して、基材と金属層との剥離の有無を確認した。
このサンプル1は、金属アルミ二ウムを厚さ方向の中心に存在させ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンあるいはポリエチレンテレフタレートなどからなる樹脂層を積層させたラミネート構造になっていた。図1に示す走査型電子顕微鏡の撮影画像の結果から、6又は7層の積層構造と考えられる。またシート全体の厚さは、約80μmで、この内、金属層となるアルミニウム層の厚さは約10μmであった。また、図2に示す熱重量測定の結果から、このサンプル1中には金属アルミニウムが10~20wt%含まれることが確認された。
また、代表的な有機溶剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、2-ブタノン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、メタノールを使用し、更に比較溶媒として純水を使用した。またテルペン系化合物として、d-リモネン、α-ピネン、リナロール、シトラール、ネロール、メントン、ビサボレンを使用した。
なお、この実験では、上記有機溶媒を20ml入れた100mlのレジューム瓶に、上記サンプル1(縦1cm、横1cmの正方形)を6枚ずつ投入し、20℃〜28℃の室温下で30日間放置した。その後、吸引ろ過により溶媒と残渣を分離し、回収した溶媒をガスクロマトグラフィーで測定して、基材成分を測定した。また残渣はエーテル洗浄後に比重分離、乾燥を行って、重量を測定した。
この実験結果を表1に示す。この表1において、溶媒の欄には使用した溶媒を記載し、上記室温放置後の結果を、結果欄に示した。結果欄における「×」は基材と金属層との剥離が認められなかったことを示しており、「○」は基材と金属層との剥離が認められたことを示している。
Figure 0006850076
上記表1に示す様に、この実験では、溶媒としてd-リモネンを使用した場合に、剥離の効果が認められた。そして、当該d-リモネンを使用してサンプル1を処理した結果、図3に示す通り、フィルム2枚と、アルミニウム箔(Al箔)1枚の合計3層に分離した。よって、この実験から、室温環境下では、テルペン系化合物として、d-リモネンを使用した場合に、金属複合材料における金属層の剥離効果を確認する事ができた。

〔実験例2〕
この実験例では溶媒の温度を80℃に加熱して、実施例1と同様に基材と金属層との剥離の有無を確認した。但し、この実験例で使用した溶媒は、純水、代表的な有機溶剤として、メタノール、ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、トルエンを使用し、テルペン系化合物として、d-リモネン、α-ピネン、リナロール、シトラール、ネロール、メントン、イオノン、ミルセン、カレン、ビサボレンを使用した。
また、前記サンプル1(縦1cm、横1cmの正方形)は、1つの溶媒(20ml)に6枚ずつ投入し、80℃の温度管理下で、撹拌しながら3時間浸漬した。その結果を表2に示す。この表2において、溶媒の欄には使用した溶媒を記載し、溶媒に放置後の結果を、結果欄に示した。結果欄における「×」は基材と金属層(Al箔)との剥離が認められなかったことを示しており、「△」は樹脂フィルム1枚と、Al箔1枚との合計2枚に分離したことを示してり、「○」は、樹脂フィルム2枚と、Al箔1枚との合計3枚に分離したことを示している。また、備考欄には、分離状態の説明を記載している。
Figure 0006850076
上記表2に示す様に、この実験では、シクロヘキサン、トルエン、d-リモネン、α-ピネン、メントン、カレンにおいて、金属複合材料からなるサンプル1は三層に分離し、イオノン、ミルセン、ビサボレンにおいて、樹脂と金属との積層体と、樹脂シートとの2層部分離する事ができた。

〔実験例3〕
この実験例では、有機溶媒としてd−リモネンを使用し、溶媒温度を50℃、60℃、及び80℃にして、基材と金属層との剥離の有無を確認した。使用した金属複合材料は、サンプル1と同じであり、当該有機溶媒を撹拌しながら、50℃で5時間、60℃及び70℃で3時間、サンプル1を浸漬した。その結果を表3に示す。この表3の項目内容は、表2と同じである。
Figure 0006850076
上記表3に示す様に、溶媒温度を高くする事により、基材と金属層との剥離が実現する事が確認された。図4は、リナロールを使用した場合における、(A)処理前、(B)処理後の状態を示しており、図5〜7は、処理後に分離された各シートを示している。即ち、図5はリモネンを使用した場合における、(A)アルミニウム箔、(B)ポリオレフィン層、(C)ポリエチレンテレフタレートとポリオレフィンとの積層体を示しており、図6はメントンを使用した場合における、(A)アルミニウム箔、(B)ポリオレフィン層、(C)ポリエチレンテレフタレートとポリオレフィンとの積層体を示しており、図7はトルエンを使用した場合における、(A)アルミニウム箔、(B)ポリオレフィン層、(C)ポリエチレンテレフタレートとポリオレフィンとの積層体を示している。

〔実験例4〕
この実験例では、溶媒の温度を350℃に加熱して、金属複合材料から金属層だけを単体で回収可能か否かを確認した。この実験例では溶媒として、純水、代表的な有機溶剤として、メタノール、ヘキサン、トルエン、テルペン系化合物として、d-リモネン、α-ピネン、リナロール、メントン、ビサボレン、イオノン、ミルセン、カレンを使用した。
上記溶媒1mlをオートクレーブ(10cc)中に充填し、上記サンプル1(縦2cm、横3cmの長方形)を1枚を投入して、アルゴン置換しながら、350℃で2時間処理した。処理後、吸引ろ過により溶媒と残渣を分離し、回収した溶媒をエーテル抽出して、ガスクロマトグラフィーで測定して、基材成分を測定した。また残渣は乾燥後に重量測定、熱重量測定及び走査型電子顕微鏡を行った。その結果を表4に示す。表4における「溶媒」欄は、使用した溶媒を示し、「結果」欄における「×」はAl箔を単独分離できないもの、「△」はAl箔に樹脂が付着しているもの、「○」は樹脂が付着していないAl箔を回収できたものを示している。また「備考」欄には、処理後の状態の説明を記載している。
Figure 0006850076
上記表4に示す様に、テルペン系化合物を用いた場合には、金属アルミが腐食することなく反応が進んだ。ただし、350oCという高温の反応であるため、熱的な効果が高いことも示唆される。なお、この実験例に関連し、溶媒としてd-リモネンを使用し、アルゴン置換しながら150℃で10時間処理した結果、Al箔と樹脂の分離が不十分であった。また図8は、この実験例の処理後に回収した残渣成分を示しており、(A)リモネン、(B)メントン、(C)トルエン、(D)メタノールを溶媒として使用した結果を示している。

〔実験例5〕
この実験例では、サンプルの大きさを変えて、実施例2と同じように基材と金属層との剥離の有無を確認した。但し、使用した溶媒の種類は表5に記載の通りであり、溶媒温度を80℃にし、3時間、撹拌しながらサンプルを縦2cm、横3cmの長方形にしたものを1枚、各溶媒中に浸漬した。その結果を表5に示す。この表5の項目内容は、表2と同じである。
Figure 0006850076
上記表5に示す通り、有機溶剤としてα-ピネンや、d-リモネン等のテルペン系化合物を使用した場合には、サンプルを大きくした場合でも、樹脂層を剥離できることが確認できた。

〔実験例6〕
この実験例では、有機溶剤としてd-リモネンを使用し、金属複合材料(サンプル)の種類を変えて、80℃で3時間、撹拌しながら処理を行った。この実験例で使用したサンプル1〜4は、以下の通りである。
サンプル1 :積層シート(ポリエチレンテレフタレート層、アルミニウム層、ポリオレフィン層の3層構造で、アルミニウム含有量が10〜20質量%)
サンプル2 :蒸着シート(ポリエチレンテレフタレート層、アルミニウム層の2層構造で、アルミニウム含有量が1〜2質量%)
サンプル3 :積層シート(ポリエチレンテレフタレート層、アルミニウム層、ポリプロピレン層の3層構造で、アルミニウム含有量が7〜8質量%)
サンプル4 :蒸着シート(ポリエチレンテレフタレート層、アルミニウム層の2層構造で、アルミニウム含有量が1〜2質量%)
上記各サンプル1〜4を縦1cm、横1cmの正方形に形成したものを6枚使用して、上記処理を行った。その結果を表6に示す。
Figure 0006850076
上記表6に示す通り、特に金属複合シートにおいて、金属層の剥離効果を確認する事ができた。図9はこの実験例の処理後に回収した残渣成分を示しており、(A)シート2、(B)シート3におけるAl箔と樹脂フィルムの積層体、(C)シート3における樹脂フィルム、(D)シート4を示している。

〔実験例7〕
この実験例では、前記実験例6における溶媒温度(処理温度)を350℃とし、アルゴン置換しながら2時間処理を行った。なお、この実験で使用した各サンプル1〜4は、縦2cm、横3cmの長方形に形成したものを1枚使用した。その結果を表7に示す。
Figure 0006850076
上記表7に示す様に、350℃の環境下では、シート1以外は、基材を構成する樹脂成分とアルミニウム成分とが粉末状態で混在した状態で回収されてしまい、分離が困難になる。図9は上記処理後(A)シート2、(B)シート3、(C)シート4の残渣を示している。
上記本発明は、金属複合材料から金属層を剥離回収するために利用する事ができ、例えば廃棄物処理の分野や、資源回収分野において有効に利用する事ができる。

Claims (5)

  1. 樹脂からなる基材に金属層を積層してなる金属複合材料から少なくとも金属層を構成する材料を分離回収する金属複合材料の分離方法であって、
    当該金属複合材料を有機溶媒中に浸漬することにより基材と金属層とを剥離させて、前記金属層と樹脂からなるシート状の基材とを分離回収し、
    当該有機溶媒が、環式又は多環式のテルペン系化合物である事を特徴とする金属複合材料の分離方法。
  2. 前記有機溶媒は、SP値が7.5以上、9.0以下であるか、又は樹脂からなる基材のSP値の上下15%の範囲内である、請求項1に記載の金属複合材料の分離方法。
  3. 前記有機溶媒は、官能基を持たないテルペン系化合物である、請求項1又は2に記載の金属複合材料の分離方法。
  4. 前記有機溶媒を50℃以上、90℃以下に加熱して、前記金属複合材料を浸漬する、請求項1〜3の何れか一項に記載の金属複合材料の分離方法。
  5. 金属層を積層してなる金属複合材料から少なくとも金属層を構成する材料を分離回収する金属複合材料の分離処理装置であって、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の分離方法を行う分離処理部を備える事を特徴とする、金属複合材料の分離処理装置。
JP2016041818A 2016-03-04 2016-03-04 金属複合材料の分離方法 Active JP6850076B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016041818A JP6850076B2 (ja) 2016-03-04 2016-03-04 金属複合材料の分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016041818A JP6850076B2 (ja) 2016-03-04 2016-03-04 金属複合材料の分離方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017154449A JP2017154449A (ja) 2017-09-07
JP6850076B2 true JP6850076B2 (ja) 2021-03-31

Family

ID=59809022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016041818A Active JP6850076B2 (ja) 2016-03-04 2016-03-04 金属複合材料の分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6850076B2 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5120976A (ja) * 1974-08-16 1976-02-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd
DE4225505C1 (de) * 1992-08-01 1994-04-14 Rwe Entsorgung Ag Verfahren zur Abtrennung von Druckfarben aus Verbundfolien
JP2002179833A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Asahi Kasei Corp 回収難燃剤成分の分離方法
JP4738167B2 (ja) * 2005-12-26 2011-08-03 京セラ株式会社 太陽電池モジュールの解体方法
JP2008031399A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Raku:Kk 塩化ビニール材の再生法
EP2087166B1 (en) * 2006-11-13 2012-07-25 Shaw Industries Group, Inc. Methods and systems for recycling carpet and carpets manufactured from recycled material
DE102008056311A1 (de) * 2008-11-07 2010-05-12 Apk Aluminium Und Kunststoffe Ag Verfahren zum Abtrennen einzelner Wertstoffe aus gemischtem, insbesondere zerkleinertem Kunststoffabfall
JP2014019003A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Fujimori Kogyo Co Ltd 複合材料の分別回収方法
JP6050834B2 (ja) * 2012-12-20 2016-12-21 アースリサイクル株式会社 プラスチック系複合廃棄物の分別回収方法
GB2525858A (en) * 2014-05-05 2015-11-11 saperatec GmbH Method and apparatus for recycling packaging material

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017154449A (ja) 2017-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3554834B1 (en) Method and apparatus for recycling packaging material
JP6159437B2 (ja) 無粘着性送り状ラベル及びその製造方法
JP2018187808A (ja) 複合材料の分別回収方法およびこれに用いる分別回収装置
WO2004012496A2 (fr) Procede d'obtention d'un insaponifiable d'avocat riche en lipides furaniques
JP6951784B2 (ja) 食品カプセルのパッケージング方法および同方法により製造されたパッケージ食品
JP6850076B2 (ja) 金属複合材料の分離方法
JP2007098211A (ja) アルミニウム層含有積層包装材料の分離方法および剥離液
JPH06508554A (ja) 液体廃棄物から有機成分を回収する方法
CN115279566A (zh) 水和精油的混合物用于分离多层复合材料以便分类回收聚合物膜或金属膜的用途
US20230002575A1 (en) Method for removing foreign materials from the surface of an article
JPS60212434A (ja) 複合材料の分離回収法
AU2017314765A1 (en) Separating polymer from composite structures
JP4648213B2 (ja) 可塑剤の回収方法
JP7130885B2 (ja) プロピレンオキシド-スチレン単量体プロセスの化学的回収方法
JP4451071B2 (ja) プラスチックラベルおよびプラスチック容器
JP2006090886A (ja) 液状組成物およびこれを用いた香気成分の収着挙動評価方法
JP5443805B2 (ja) アルミニウム箔の回収方法
US20190360070A1 (en) Method of separating metal from metallic starting materials using a hydrothermal reactor system
JP2022526848A (ja) リサイクル可能な材料を洗浄するための非腐食性方法
JPH07216130A (ja) 複合材料から印刷インクを分離する方法
JP5828013B2 (ja) 内容物付着防止蓋材の製造方法
ES2871225B2 (es) Proceso para la recuperacion de aluminio y polietileno a partir de empaques multicapa
JP6072459B2 (ja) 内容物付着防止蓋材
JP2010111423A (ja) フィルム成形容器
US20240227245A9 (en) Method for treating complex sheets

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20160314

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200212

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6850076

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250