JP4737981B2 - カメラ用羽根駆動装置及びそのステッピングモータ - Google Patents
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Description
また、上記特許文献2及び特許文献3に開示の円筒型のステッピングモータにおいては、ディテントトルクを発生させるための専用の補極片が無いため、複数の角度位置にて確実な位置決めを要求されるようなカメラの羽根を駆動する駆動源として適用するのは困難である。仮に、この円筒型のステッピングモータに対して、特許文献1に開示されたような補極片を適用することは、構造的に困難である。さらに、マグネットロータを一方向に付勢するために、コイルバネ等を採用しているが、部品点数が増加し、又、回転軸方向の薄型化が困難になり、小型化、薄型化が要求されるカメラの羽根を駆動する駆動源として適用するのは困難である。
この構成によれば、ロータの軸線方向において対向する端部領域(例えば、ステータを構成するヨークの上部、上部の内側面、下部の位置)にディテントトルクを発生する補極板を設けたことにより、全体の集約化を図りつつ、ロータを所望の角度位置にて停止させることができる。これにより、羽根を所望の位置に高精度に位置決めでき、装置の小型化も達成できる。また、補極板によりロータがスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされるため、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できる。
また、ロータを支持する軸を補極板に一体的に保持させることにより、専用の支持部材が不要になり、又、軸線方向の薄型化にも寄与し、全体として構造の簡略化、小型化を達成できる。
この構成によれば、スリット、切り欠き、又は孔の個数あるいは形状を適宜選定することにより、簡単な構造にて、所望のディテントトルクを発生させることができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記準安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
この構成によれば、ロータの軸線方向において対向する端部領域(例えば、ステータを構成するヨークの上部、上部の内側面、下部の位置)にディテントトルクを発生する補極板を設けたことにより、全体の集約化を図りつつ、ロータを所望の角度位置にて停止させることができる。これにより、羽根の高精度な位置決め、小型化等が要求されるカメラ用羽根駆動装置に適した小型で強力な保持力をもつステッピングモータが得られる。また、補極板によりロータがスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされるため、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できステッピングモータが得られる。
また、ロータを支持する軸を補極板に一体的に保持させることにより、専用の支持部材が不要になり、又、軸線方向の薄型化にも寄与し、全体として構造が簡略化及び小型化されたステッピングモータが得られる。
この構成によれば、スリット、切り欠き、又は孔の個数あるいは形状を適宜選定することにより、簡単な構造にて、所望のディテントトルクを発生させることができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記準安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
図1ないし図12は、本発明に係るステッピングモータを備えたカメラ用羽根駆動装置(ここでは、絞り兼用シャッタ装置)の一実施形態を示すものであり、図1は装置の正面図、図2は装置の側面図、図3は装置の内部を示す平面図、図4は装置の一部を示す正面図(平面図)及び側面図、図5はステッピングモータの分解斜視図、図6はステッピングモータを示す平面図及び側断面図、図7は補極板を示す図、図8は一対のヨークを示す図、図9はボビン及びコイルを示す図、図10及び図11は安定点及び準安定点を説明する図、図12は装置の動作を説明する図である。
第1羽根31は、図3に示すように、駆動ピン41cを通す長孔31a、開口部10a,20aの開閉を行う円弧状の縁部を画定する切り欠き31bを備えている。
第2羽根32は、図3に示すように、駆動ピン41cを通す長孔32a、切り欠き31bと協働して開口部10a,20aの開閉を行う円弧状の縁部を画定する切り欠き32bを備えている。
そして、第1羽根31及び第2羽根32は、ロータ41の回動により、お互いに逆向きに移動するように地板10に支持されて、開口部10a,20aを開閉あるいは所望の口径に絞るようになっている。
このように、補極板46は、ロータ41を支持する軸47を一体的に保持するため、専用の支持部材が不要になり、又、軸線方向の薄型化にも寄与し、ステッピングモータ40の構造を簡略化でき、又、小型化できる。
続いて、ロータ41の駆動ピン41cを絞り兼用シャッタ羽根30の長孔31a,32aに通すと共にロータ41の下端面を地板10のスラスト受部10eに載置し、この状態で、ロータ41の孔41bに軸47を挿入し、位置決め孔48bとピン10dとを嵌合させて位置決めしつつ、掛止片48cを掛止爪10cに掛止させて固定板48を地板10に取り付ける。
これにより、ステッピングモータ40は地板10に対して確実に取り付けられ、ロータ41はガタツキ無く所定の角度範囲を回動自在に支持されることになる。尚、このステッピングモータ40では、最小角度で5段階のステップ動作を行うことができる。
先ず、撮影前の初期状態においては、図12(a)に示すように、絞り兼用シャッタ羽根30は、開口部10a,20aを全開した状態にある。
そして、撮影動作を行う場合には、先ず通過する光量が計測されて最適な露光量となるように、例えば光量を絞る必要がある場合には、図12(b)に示すように、ステッピングモータ40が途中の角度位置まで駆動されて、絞り兼用シャッタ羽根30は開口部10a,20aを所定の口径に絞る。その後、さらにステッピングモータ40が回転駆動されて、絞り兼用シャッタ羽根30が、図12(c)に示すように、開口部10a,20aを全閉する位置に至り、撮影動作が完了する。
すなわち、図13(a)に示すステッピングモータ40´では、軸47が専用の支持板49により保持され、補極板46´は、上部に位置する第1ヨーク44の上部内壁面に接合させるようにして配置されている。これにより、ロータ41の上端面と補極板46´との距離がさらに狭まり、より強力なディテントトルクが得られる。
また、図13(b)に示すステッピングモータ40´´では、軸47が専用の支持板49により保持され、固定板48´が磁性材料により形成されて補極板の役割を兼ねるようになっている。これにより、ロータ41は地板10のスラスト受部10eに押し付けられる方向に引き寄せられるため、より確実にガタツキを防止することができる。
すなわち、図14(a)に示す補極板46´´では、前述実施形態のスリット46bに替えて、略矩形ないし扇状の孔46b´´を周方向に複数配列して形成したものである。
また、図14(b)に示す補極板46´´´では、前述の孔46b´´に替えて、これら複数の孔を中央部で連通させることで切り欠き46b´´´を周方向に複数配列して形成したものである。
これらの補極板46´´、46´´´を採用したステッピングモータにおいても、前述同様に、所望のディテントトルクが得られ、又、ロータ41のガタ寄せを行うことができる。
したがって、ステッピングモータ40が作動して最小口径近傍に絞られた状態において、NDフィルタ30a´が開口部10a,20aを覆い、通過する光の濃度を減少させるようになっている。この場合にも、絞り兼用シャッタ羽根30´は、ステッピングモータ40により円滑に駆動され、高精度に位置決めされる。
したがって、ステッピングモータ40´´´が作動すると、二段歯車60を介してリング50が回転し、絞り羽根30´´が所望の絞り位置に移動させられるようになっている。この場合にも、絞り羽根30´´は、ステッピングモータ40´´´により円滑に駆動され、高精度に位置決めされる。
すなわち、図17に示すステッピングモータ140では、ボビンが廃止されて、予め環状に巻回して成型されたコイル42´が、直接第1ヨーク44と第2ヨーク45に挟まれて保持されるようになっている。
この実施形態によれば、前述同様に、所望のディテントトルクが得られ、又、ロータ41のガタ寄せを行うことができると共に、ボビンを廃止した分だけ、軸線方向Vの寸法を小さくでき、又、部品点数を削減でき、全体として小型化、薄型化、低コスト化できる。
すなわち、図18に示すステッピングモータ240は、周方向に複数極着磁されたロータ41´、励磁用のコイル42,コイル42を巻回するボビン43´,及びボビン43´を挟持しかつそれぞれロータ41´の周りに交互に配列される複数の櫛歯状磁極片44b´,45b´をもつ一対のヨークとしての第1ヨーク44´及び第2ヨーク45´からなるヨークユニットU、ヨークユニットUを二つ軸線方向V(軸線上)に配列してステータとし、このステータの軸線方向Vの端部領域に配置された補極板146、補極板146に一体的に保持されてロータ41´を回動自在に支持する軸47、ロータ41´に結合される二股状の駆動ピン41´等を備えている。
ボビン43´は、軸47を通す円筒部43a´、円筒部43a´の両端に形成されたフランジ部43b´等を備え、後述する第1ヨーク44´の複数の櫛歯状磁極片44b´により画定される円筒内に収容されるように形成されている。
第1ヨーク44´は、軸47を通す円孔44a´、周方向に等間隔で配列して形成された複数(ここでは、6個)の櫛歯状磁極片44b´等を備えている。
第2ヨーク45´は、軸47を通す円孔45a´、周方向に等間隔で配列して形成された複数(ここでは、6個)の櫛歯状磁極片45b´等を備えている。
そして、コイル42を巻回したボビン43´を挟み込むようにして第1ヨーク44´と第2ヨーク45´とを組み込むことで、ヨークユニットUが形成される。このとき、第1ヨーク44´の櫛歯状磁極片44b´と第2ヨーク45´の櫛歯状磁極片45b´とは、ロータ41´の周りにおいて周方向に交互に配列された状態となる。
補極板146は、軸47を一体的に保持すると共に、周方向に配列して形成された複数スリット146b等を備えている。
この実施形態によれば、前述同様に、所望のディテントトルクが得られ、又、軸線方向Vに垂直な径方向の寸法を小さくして縮径化でき、全体として小型化できる。
上記実施形態においては、ステッピングモータのロータ41(41´)が5つ(6つ)の磁極対に着磁され、又、第1ヨーク44(44´)及び第2ヨーク45(45´)の櫛歯状磁極片44b(44b´),45b(45b´)がそれぞれ5つ(6つ)設けられた場合を示したが、これに限定されるものではなく、それ以外の個数を採用してもよい。
20 カバー(基板)
10a,20a 開口部
10e スラスト受部
30,30´ 絞り兼用シャッタ羽根
30´´ 絞り羽根
30a´´ NDフィルタ
40,40´,40´´,40´´´,140,240 ステッピングモータ(駆動源)
41,41´,41´´´ ロータ
41a,41a´ マグネット部
41b 孔
41c,41c´ 駆動ピン
41c´´´ ピニオン
41d´ ピン
42,42´ 励磁用のコイル
43,43´ ボビン
44,44´ 第1ヨーク
44a,44a´ 円孔
44b,44b´ 櫛歯状磁極片
45,45´ 第2ヨーク
45a,45a´ 円孔
45b,45b´ 櫛歯状磁極片
46,46´,46´´,46´´´,146 補極板
46a 円孔
46b,146b スリット
46b´´ 孔
46b´´´ 切り欠き
47 軸
48,48´ 固定板
50 リング
60 二段歯車
Claims (8)
- 露光用の開口部を有する基板と、前記開口部に臨む位置と退避する位置との間を移動自在に支持された羽根と、前記羽根を駆動する駆動源と、を備えたカメラ用羽根駆動装置であって、
前記駆動源は、周方向に複数極着磁されたロータと、励磁用のコイル,前記コイルを挟み前記ロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、前記ステータの軸線方向の端部領域に配置されて前記ロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板を含み、
前記ロータは、その回転中心に孔を有し、
前記補極板は、前記ロータの孔に通されて前記ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、
ことを特徴とするカメラ用羽根駆動装置。 - 前記補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ用羽根駆動装置。 - 前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用羽根駆動装置。 - 前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用羽根駆動装置。 - 露光用の開口部上を移動する羽根を駆動するステッピングモータであって、
周方向に複数極着磁されたロータと、
励磁用のコイル,前記コイルを挟み前記ロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、
前記ステータの軸線方向の端部領域に配置されて前記ロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板を含み、
前記ロータは、その回転中心に孔を有し、
前記補極板は、前記ロータの孔に通されて前記ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、
ことを特徴とするステッピングモータ。 - 前記補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のステッピングモータ。 - 前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のステッピングモータ。 - 前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のステッピングモータ。
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