JP4736482B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池システムにおける反応ガス供給装置に関する。
水素ガスを燃料とする燃料電池では、燃料電池の水素ガス消費量に応じた量の水素ガスを供給するため、水素ガスタンクから供給される水素ガス量を調整する調整弁が使用される。この調整弁は水素ガス量を機械的に調整するため、変化の速い出力電流に従って変動する水素ガス消費量の変化に追随することが容易ではない。そのため、出力電流が急減し水素ガス消費量は急減した場合、燃料電池には消費量以上の水素ガスが供給され、燃料電池内の水素ガス圧力が過大となる。そこで、燃料電池の水素ガス消費量が急減した場合には、水素ガスの供給源である水素ガスタンクからの水素ガスの供給を停止し、燃料電池内の水素ガス圧力の上昇を抑制することが行われている。
特開2002−231278号公報 特開2003−157874号公報
しかしながら、水素ガスタンクからの水素ガスの供給を遮断弁等で停止した場合、水素ガスの供給再開には一定の時間が必要となる。そのため、燃料電池に要求される出力電力(要求電力)が増大しても、要求電力に応じた水素ガスを燃料電池に供給できず、燃料電池が要求電力に応じた電流を供給できない場合があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池に過大な圧力が加わることを抑制しつつ、必要に応じた燃料電池への反応ガスの供給を可能にする技術を提供することを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の燃料電池システムは、反応ガスを利用して負荷に電力を供給する燃料電池と、前記燃料電池に前記反応ガスを供給する反応ガス供給部と、前記反応ガス供給部からの前記反応ガスの供給を停止可能な停止弁と、前記反応ガス供給部から前記停止弁を介して供給される前記反応ガスの前記燃料電池への供給量を調整可能な調整弁と、前記停止弁と前記調整弁とを制御し、反応ガス供給停止モードと反応ガス供給再開モードとを実行する燃料電池制御部と、を備え、前記停止弁は、前記調整弁が最小開度に到達する時間よりも短時間で最小開度に到達する弁であり、前記反応ガス供給停止モードは、前記調整弁と前記停止弁とを最小開度にする制御モードであり、前記反応ガス供給再開モードは、前記反応ガス供給停止モードの実行によって、前記調整弁が最小開度に到達した後、前記調整弁を最小開度に維持して前記停止弁を最小開度よりも開度の大きい開状態にする制御を実行する制御モードであることを特徴とする。
この構成によれば、調整弁が最小開度に到達するまでの間は停止弁が最小開度になるので、停止弁により反応ガスの供給が停止し、燃料電池内の反応ガス圧力の上昇を抑制することができる。また、停止弁は調整弁が最小開度に到達した後に開状態となるので、調整弁により燃料電池内の反応ガス圧力の上昇が抑制されるとともに、停止弁が開状態になるため、燃料電池に要求される出力電力が増大しても燃料電池への反応ガスの供給が遅れることを抑制できる。
前記燃料電池制御部は、前記負荷が前記燃料電池に要求する要求電力の単位時間あたりの低下量が所定の閾値以上の場合に前記反応ガス供給停止モードを実行するものとしてもよい。
この構成によれば、燃料電池の水素ガス消費量が急減した場合に反応ガスの供給が停止されるので、燃料電池内の反応ガス圧力上昇の抑制がより容易となる。
前記燃料電池システムは、さらに、前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力を表す圧力パラメータを取得する圧力パラメータ取得部を備え、前記燃料電池制御部は、前記圧力パラメータにより表される前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力に応じて前記停止弁と前記調整弁とを制御するものとしてもよい。
この構成によれば、燃料電池内の反応ガスの圧力に応じて停止弁と調整弁が制御されるので、燃料電池内の反応ガス圧力を適正な値に維持することができる。
前記燃料電池制御部は、前記圧力パラメータによって表される前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力が所定の圧力基準値以上の場合に前記反応ガス供給停止モードを実行するものとしてもよい。
この構成によれば、燃料電池内の反応ガス圧力が増加した場合に反応ガスの供給が停止されるので、燃料電池内の反応ガス圧力上昇の抑制がより容易となる。
前記燃料電池制御部は、前記反応ガス供給停止モードを実行している際に、前記圧力パラメータによって表される前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力が所定の圧力下限値以下の場合に前記反応ガス供給再開モードを実行するものとしてもよい。
この構成によれば、停止弁が開状態となることにより、最小開度状態の調整弁からの反応ガスの流入で燃料電池内の反応ガスの圧力低下速度が遅くなる場合においても、燃料電池内の反応ガス圧力が確実に低下したことを確認した後に停止弁を開くことができる。
前記燃料電池制御部は、前記停止弁を最小開度にする反応ガス供給再停止モードを有しており、前記反応ガス供給再開モードを実行した後に、前記圧力パラメータによって表される前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力が所定の圧力上限値以上の場合に前記反応ガス供給再停止モードを実行するものとしてもよい。
この構成によれば、反応ガス供給部からの反応ガスの供給の再開により燃料電池内の反応ガス圧力が上昇した場合に、燃料電池内の反応ガス圧力が過大になることを抑制できる。
前記負荷は、蓄電装置を有しており、前記燃料電池制御部は、前記反応ガス供給再開モードを実行しない供給再開停止モードを有し、前記蓄電装置の残存容量が所定の残存容量基準値よりも大きい場合に前記供給再開停止モードを実行するものとしてもよい。
この構成によれば、蓄電装置からの電力が供給可能な状態では反応ガス供給再開モードが実行されないので、停止弁の開閉頻度が低減され、停止弁の劣化を抑制することができる。
前記燃料電池システムは、前記反応ガス供給部から供給される前記反応ガスと、前記燃料電池から供給される反応排ガスと、を混合した混合反応ガスを前記燃料電池に供給する循環式の燃料電池システムであって、前記調整弁は、前記混合反応ガスの循環流路に前記反応ガスを供給するものとしてもよい。
この構成によれば、循環流路に過大な圧力が加わることを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システムにおける反応ガス供給装置とその供給装置の制御装置および制御方法、その供給装置と制御装置および制御方法を利用した燃料電池システム、また、その燃料電池システムを利用した発電装置およびその燃料電池を搭載した電気自動車等の態様で実現することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての電気自動車10の概略構成図である。この電気自動車10は、燃料電池システム100と、二次電池22と、コンバータ24と、インバータ26と、車両制御部50と、を備えている。燃料電池システム100が備える燃料電池110は、配線40を介してコンバータ24と、インバータ26とに接続されている。インバータ26に接続される駆動モータ30は、この電気自動車10の推進力を発生するためのものである。これらのコンバータ24と、インバータ26とは、それぞれ燃料電池システム100の負荷となる。
二次電池22は、始動時や、暖機運転時等の燃料電池110が電力を供給しない場合に、燃料電池システム100と、インバータ26と、車両制御部50とに対して、コンバータ24を介して電力を供給する。また、二次電池22は、燃料電池110の電力供給量が不足するときに、その不足分の電力を供給する。二次電池22には、二次電池22の残存容量を検出するための残存容量モニタ23が設けられている。残存容量モニタ23としては、二次電池22における充電・放電の電流値と時間とを積算するSOCメータや、電圧センサを利用することができる。
コンバータ24は、コンバータ24の出力側である配線40の電圧を目標電圧値に調節する。燃料電池110の出力側の電圧である配線40における電圧を調節することにより、燃料電池110からの出力電流が調節される。
駆動モータ30は、同期モータであって、回転磁界を形成するための三相コイルを備えている。燃料電池110やコンバータ24から供給される電力は、インバータ26によって三相交流に変換され、駆動モータ30に供給される。駆動モータ30の出力軸34は、減速ギヤ32を介して車両駆動軸36に接続している。車両駆動軸36には、車速センサ37が設けられている。
車両制御部50は、CPU,ROM,RAM,タイマなどを備えるマイクロコンピュータとして構成されている。車両制御部50が取得する入力信号としては、既述した残存容量モニタ23が出力する信号や、車速センサ37が出力する信号が挙げられる。さらに車両制御部50には、駆動モータ30の起動スイッチのオン・オフ信号や、電気自動車10におけるシフト位置、フットブレーキのオン・オフ、アクセル開度を示す信号等が入力される。これらの信号を取得して、車両制御部50は、種々の制御処理を実行し、コンバータ24、燃料電池システム100、インバータ26などに駆動信号を出力する。
図2は、燃料電池システム100の構成を示す説明図である。燃料電池システム100は、複数のセル112を積層することにより構成された燃料電池110と、酸化剤ガス給排部200と、燃料ガス給排部300と、燃料電池制御部400と、を備えている。
酸化剤ガス給排部200と燃料電池110とは、酸化剤ガス供給配管122と酸化剤ガス排出配管124との2つの配管で互いに接続されている。同様に、燃料ガス給排部300と燃料電池110とは、燃料ガス供給配管132と燃料ガス排出配管134との2つの配管で互いに接続されている。
酸化剤ガス給排部200は、空気ポンプ202と、カソードオフガス排出部204と、を備えている。空気ポンプ202は、外気から圧縮空気を生成する。生成された圧縮空気は、燃料電池110で使用される酸素を含む酸化剤ガスとして、酸化剤ガス供給配管122を介して燃料電池110に供給される。燃料電池110に供給された酸化剤ガスは、セル112内のカソードに供給される。カソードでは、酸化剤ガス中の酸素が燃料電池反応により消費されるとともに、水分が生成される。酸素の消費により酸素濃度が低下した酸化剤ガス(一般に、「カソードオフガス」と呼ばれる)は、酸化剤ガス排出配管124を介してカソードオフガス排出部204に排出される。カソードオフガス排出部204は、燃料電池110から供給されたカソードオフガスを大気中に放出する。
燃料ガス給排部300は、水素ガスタンク310と、遮断弁320と、調圧弁330と、エゼクタ340と、気液分離器350と、排気・排水弁360と、水・アノードオフガス排出部370と、を備えている。
高圧の水素ガスが充填された水素ガスタンク310は、第1の高圧水素配管312を介して遮断弁320に接続されている。燃料電池システム100を運転する際には、遮断弁320が開かれる。遮断弁320が開くことにより、第1の高圧水素配管312と、遮断弁320と、第2の高圧水素配管322とを介して、水素ガスタンク310から調圧弁330に水素ガスが供給される。燃料電池システム100を停止する際には、遮断弁320が閉じられて水素ガスの供給が停止される。このように、遮断弁320を閉じることにより水素ガスの供給が停止するので、遮断弁320は水素ガスの供給を停止可能な停止弁と言うこともできる。
なお、一般に、遮断弁320としては、高圧(約35MPa)の水素ガスの遮断が容易なパイロット弁が使用される。このようなパイロット弁では、開状態から閉状態には短い時間(100ms以下)で切替可能であるが、閉状態から開状態への切替にはより長い時間(数100ms〜1s)必要となる。なお、遮断弁320のような開閉弁では、閉状態は弁の最小開度の状態であり、開状態は弁の最大開度の状態である。本明細書では、「最小開度」は閉状態も含む広い意味を有している。
調圧弁330は、第2の高圧水素配管322を通して供給された高圧の水素ガスを予め設定された圧力にまで減圧する。減圧された水素ガスは、低圧水素配管332を介してエゼクタ340の供給ポート340aに供給される。エゼクタ340の供給ポート340aに供給された水素ガスは、出口ポート340bに送出される。この際、エゼクタ340の吸引ポート340cには負圧が生じ、エゼクタ340は、吸引ポート340cに接続した還流配管342からガスを吸引する。エゼクタ340では、供給ポート340aから供給された水素ガスと、吸引ポート340cから吸引されたガスとが混合される。混合されたガス(燃料ガス)は、エゼクタの出口ポート340bから燃料ガス供給配管132を介して燃料電池110に供給される。
燃料ガス供給配管132は、エゼクタの出口ポート340bと燃料電池110との間に分岐を有している。この分岐には、配管136を介して、燃料電池110の燃料ガス入口の圧力(燃料電池入口圧)を測定するための圧力計140が接続されている。
燃料電池110に供給された燃料ガスは、セル112内のアノードに供給される。アノードでは、燃料電池反応により燃料ガス中の水素が消費される。水素の消費により水素濃度が低下した燃料ガス(一般に、「アノードオフガス」と呼ばれる)は、燃料ガス排出配管134を介して気液分離器350に供給される。気液分離器350は、カソードで生成されカソードからアノードに透過してきた水分をアノードオフガスから分離する。水分が分離されたアノードオフガスは、還流配管342を介してエゼクタ340の吸引ポート340cに供給される。このように、水素ガスをエゼクタ340の供給ポート340aに供給することで、水素ガスとアノードオフガスとが混合された燃料ガスが、エゼクタ340と、燃料電池110と、気液分離器350との間を循環する。
排気・排水弁360は、気液分離器350中の水の量が所定量以上となった場合や、循環する燃料ガス中の不純物濃度が高くなった場合、また、燃料電池システム100を停止する場合等、必要に応じて開かれる。排気・排水弁360を開くことにより、気液分離器350中の水とアノードオフガスとは、配管352と、排気・排水弁360と、配管362とを介して、水・アノードオフガス排出部370に排出される。水・アノードオフガス排出部370は、排出されたアノードオフガス中に含まれる水素を燃焼させて不活性化した後、不活性化したアノードオフガスを大気中に放出する。
燃料電池制御部400は、車両制御部50(図1)からの電力要求や起動・停止の指示などの制御信号と、圧力計140の出力信号と、燃料電池システム100に設けられた各種センサ(図示しない)の出力信号とに基づいて、燃料電池システム100の開閉弁320,360と、空気ポンプ202と、エゼクタ340とに制御信号を供給する。
図3は、エゼクタ340が作動する様子を示す説明図である。図3(a)〜図3(c)は、エゼクタ340の異なる作動状態を示している。エゼクタ340は、ディフューザブロック500と、ノズルブロック520と、シールブロック540と、ニードル560と、駆動部580と、を備えている。
ディフューザブロック500は、一点鎖線で示す線A−B(以下、「中心軸A−B」とも呼ぶ)を軸としてほぼ軸対称に形成されている。ディフューザブロック500の内部には、A側からB側に向かって、内径が漸減するディフューザ502と、内径がほぼ一定のスロート504と、内径が漸増する絞り部506とが設けられている。また、ディフューザブロック500には、外周部から絞り部506に向かって、中心軸A−Bと直交する方向の貫通孔510が設けられている。
ノズルブロック520は、中心軸A−Bを軸としてほぼ軸対称に形成されている。ノズルブロック520の内部には、A側からB側に向かって外径および内径が漸増するノズル522と、ノズル522に連結された円筒部524と、円筒部524をノズルブロック520の外周部に連結する連結部材526とが形成されている。また、ノズルブロック520には、外周部から連結部材526のB側の領域に向かって、中心軸A−Bと直交する方向の貫通孔530が設けられている。
シールブロック540は、中心軸A−Bを軸として軸対称に形成されている。シールブロック540の内部には、隔壁部542が形成されている。この隔壁部542は、中心に貫通孔544が設けられた円板状の部材である。
ニードル560は、中心軸A−Bを軸として軸対称に形成されている。ニードル560は、A側からB側に向かって外径が漸増するテーパ部562と、テーパ部562に連結された円柱状のニードル軸564と、を有している。このニードル軸564のB側の端には、駆動孔566が設けられている。
駆動部580は、ニードル560の駆動孔566に嵌合された駆動桿582と、駆動桿582をA−B方向に移動させる駆動モータ584と、を備えている。駆動モータ584は、回転運動をA−B方向の並進運動に変換する機構(図示しない)を備えるステッピングモータである。駆動部580が燃料電池制御部400(図2)からニードル560の位置を設定する制御信号を受け取ると、駆動モータ584が備えるステッピングモータが回転し、それに伴って駆動桿582がA−B方向に移動する。この駆動桿582のA−B方向への移動により、ニードル560は、軸A−Bに沿って移動する。
なお、図3に示すように、エゼクタ340には、ディフューザブロック500のディフューザ502および貫通孔510と、ノズルブロック520の貫通孔530と、の3つの開口部を有している。ディフューザ502は、図2に示すエゼクタ340の出口ポート340bに相当する。また、ディフューザブロック500の貫通孔510と、ノズルブロック520の貫通孔530とは、それぞれ、吸引ポート340cと供給ポート340aに相当する。
燃料電池110(図2)に供給される水素ガスの量は、ニードル560を軸A−Bに沿って移動させることによって調整される。図3(a)は、水素ガス供給量を最小に調整する場合のエゼクタ340の状態を示している。また、図3(b)は、水素ガス供給量を最大に調整する場合のエゼクタ340の状態を示している。図3(c)は、水素ガス供給量を最小と最大との中間の値に調整する場合のエゼクタ340の状態を示している。なお、本明細書においては、図3(a)に示す状態を、エゼクタ340の「最小開度」の状態とも呼ぶ。同様に、図3(b)に示す状態を「最大開度」の状態とも呼び、図3(c)に示す状態を「中間開度」の状態とも呼ぶ。
図3(a)に示す最小開度の状態では、ノズル522のA側端(以下、「開口部」と呼ぶ)は、ニードル560のテーパ部562により閉止される。ノズル522の開口部がテーパ部562により閉じられることにより、ノズル522の開口部を通過する水素ガスの量(すなわち、燃料電池110への水素ガス供給量)は、エゼクタ340の調整下限の量(最小ガス供給量)となる。このとき、ノズル522から絞り部506へ噴射される水素ガスの量が少ないので、ディフューザブロック500の貫通孔510からのガスの吸引が停止する。
図3(b)に示す最大開度の状態では、テーパ部562のA側端の位置がノズル522の開口部の位置となり、ノズル522の開口部は、テーパ部562によって狭められない。そのため、ノズル522の開口部から噴射される水素ガスの量は、ノズル522から噴射しうる最大量となる。そのため、燃料電池110への水素ガス供給量は、エゼクタ340の調整上限の量(最大ガス供給量)となる。なお、この場合、ノズル522の開口部から噴射された水素ガスにより絞り部506が負圧になり、貫通孔510からガスが吸引される。
図3(c)に示す中間開度の状態では、ノズル522の開口部は、ニードル560のテーパ部562によって狭められている。そのため、ノズル522の開口部から噴射される水素ガスの量は、最大開度の状態よりも減少する。そのため、燃料電池110への水素ガス供給量は、最小ガス供給量と最大ガス供給量との中間の量となる。なお、この場合も、最大開度の状態と同様に、ノズル522の開口部から噴射された水素ガスにより絞り部506が負圧になり、貫通孔510からガスが吸引される。
このように、燃料電池110への水素ガス供給量は、エゼクタ340のニードル560の移動により調整される。すなわち、エゼクタ340は、水素ガスの燃料電池110への供給量を調整可能な調整弁ということもできる。なお、上述したように、ニードル560の移動は駆動モータ584が備えるステッピングモータの回転により行われるので、ニードル560の位置を変えるためにはステッピングモータを所定の回転角度だけ回転させる時間が必要となる。例えば、エゼクタ340が最大開度状態から最小開度状態に到達するためは、数100msの時間を要する場合がある。このようにエゼクタ340が最小開度状態に到達する時間は、一般に、遮断弁320が開状態から閉状態に到達するための時間よりも長くなる。
図4は、第1実施例における燃料ガス供給制御ルーチンを示すフローチャートである。この燃料ガス供給制御ルーチンは、単位時間あたりの燃料電池110(図2)が出力を要求される電力(要求電力)の低下量が所定の閾値を超えた場合(以下、このような場合を「要求電力が急減」した場合という)に実行される。このように要求電力が急減する場合としては、例えば、電気自動車10(図1)が急減速する場合がある。
図5(a)〜(d)は、燃料電池制御部400(図2)が燃料ガス供給制御ルーチンを実行する際の燃料電池システム100(図2)の状態の時間変化を示す説明図である。図5(a)〜図5(d)の横軸は、時間を表している。図5(a)の縦軸は、出力電流Iを表している。図5(b)の縦軸は、エゼクタ340のニードル560が、図3(a)に示す最小開度の位置からB側に移動した距離L(以下、「エゼクタ開度L」と呼ぶ)を表している。また、図5(c)の縦軸は、遮断弁320(図2)の開閉状態を表し、図5(d)の縦軸は、圧力計140(図2)によって測定された燃料電池110の燃料電池入口圧Pを表している。
図5の例では、時刻t0において、要求電力が燃料電池110の供給しうる最大電力から燃料電池システム100の稼働に必要な最小電力(稼働最小電力)に急減した状態を示している。要求電力の急減により、燃料電池110の出力電流Iは、時刻t0において、燃料電池110が出力可能な電流IX(「最大出力電流IX」と呼ぶ)から電流ISまで減少している(図5(a))。なお、時刻t0の後の要求電力は0よりも大きいので、図5(a)に示すように、時刻t0の後も燃料電池110は電流ISを出力し続け、燃料電池110は出力電流ISに相当する水素ガスを消費する。
ステップS100において、燃料電池制御部400は、エゼクタ開度Lを最小開度LMにする。具体的には、燃料電池制御部400は、ニードル560の位置を図3(a)に示す最小開度の状態にするように、駆動部580に制御信号を供給する。このとき、エゼクタ開度Lは、図5(b)の破線で示すように瞬時に最大開度LXから最小開度LMとなるのが理想的である。しかしながら、エゼクタ340を最大開度の状態から最小開度の状態にするためには一定の時間TEを要するので、実際のエゼクタの開度は図5(b)の実線で示すように変化する。なお、図5の例では、時刻t1以前の出力電流Iが最大出力電流IXであるので、時刻IS以前のエゼクタ開度Lは、最大開度LXとなっている。
ステップS110において、燃料電池制御部400は、遮断弁320を開状態から閉状態に切り替える。上述したように、遮断弁320は、開状態から閉状態に短時間(<100ms)で切り替えられる。なお、遮断弁320が閉状態となった時刻t0の後も、遮断弁320とエゼクタ340との間の水素ガスの残圧のため、燃料電池110には水素ガスが供給され続ける。そして、水素ガスの供給により残圧が低下すると、燃料電池110への水素ガスの供給量が低下し、時間の経過とともに水素ガスの供給は停止する。
このとき、燃料電池入口圧Pは、図5(d)の実線で示すように、時刻t0の後、燃料電池運転時の圧力PNから上昇してピーク圧力に到達する。燃料電池入口圧Pは、ピーク圧力に到達した後、燃料電池110による水素ガスの消費により徐々に低下する。一方、時刻t0で遮断弁320を閉じない場合、燃料電池入口圧Pは、図5(d)の破線で示すように、時刻t0から上昇を続け、調圧弁330の出口圧力PRに到達する。この場合、燃料電池110に過大な圧力PRが加わるので、燃料電池110が劣化するおそれがある。
ステップS200では、燃料電池制御部400がエゼクタ340の制御が完了したか否かを判断する。具体的には、燃料電池制御部400は、エゼクタ340の駆動部580(図3)から制御が完了したか否かの信号を取得し、取得した信号に基づいてエゼクタ340の制御が完了したか否かを判断する。エゼクタ340の制御が完了している場合、制御はステップS210に移される。一方、エゼクタ340の制御が未完の場合、制御が戻され、エゼクタ340の制御が完了するまでステップS200が繰り返し実行される。図5の例では、時刻t0から時刻t1までの間、燃料電池制御部400はステップS200を繰り返し実行する。そして、時刻t0から時間TEが経過した時刻t1に、制御はステップS210に移される。
なお、第1実施例では、駆動部580から供給される制御が完了したか否かの信号によりエゼクタ340の制御の完了を判断しているが、他の方法によってもエゼクタ340の制御が完了したか否かを判断することができる。例えば、燃料電池制御部400がエゼクタ340に制御信号を供給してから経過した時間に基づいて、エゼクタ340の制御が完了したか否かを判断することも可能である。
ステップS210では、燃料電池制御部400が燃料電池入口圧Pが所定の下限圧力PL以下か否かを判断する。燃料電池入口圧Pが下限圧力PL以下の場合、制御はステップS220に移される。一方、燃料電池入口圧Pが下限圧力PLよりも高い場合、制御が戻され、燃料電池入口圧Pが所定の下限圧力PL以下となるまでステップS210が繰り返し実行される。図5の例では、時刻t1から時刻t2までの間、燃料電池制御部400はステップS210を繰り返し実行する。そして、燃料電池入口圧Pが下限圧力PLよりも低くなる時刻t2に、制御はステップS210に移される。なお、所定の下限圧力PLの設定方法については、後述する。
ステップS220では、燃料電池制御部400が遮断弁320を閉状態から開状態に切り替え、図4のルーチンは終了する。図5の例では、燃料電池制御部400は、燃料電池入口圧Pが下限圧力PLとなった時刻t2に遮断弁320を開状態とする制御信号を送出する。上述したように、遮断弁320は、閉状態から開状態への切替にはより長い時間(数100ms〜1s)が必要とである。そのため、時刻t2に開状態にする制御信号を受け取った遮断弁320は、一定の時間TS経過した時刻t3に開状態に切り替わる。遮断弁320が開状態に切り替わると、エゼクタ340には水素ガスが供給され、燃料電池110には、エゼクタ340の最小ガス供給量の水素ガスが供給される。そのため、時刻t3に燃料電池入口圧Pの減少が止まる。
なお、時刻t2で遮断弁320を開けない場合、燃料電池入口圧Pは、図5(d)の一点鎖線で示すように0に到達し、燃料電池110には発電に使用可能な水素がない状態となる。この場合に、要求電力が増加して遮断弁320を開状態とする制御を行っても、時間TSの間は燃料電池110に水素が供給されない。そのため、遮断弁320が閉状態から開状態に切り替わる時間TSの間は、燃料電池110が必要な電力を負荷に供給することができない。上述の所定の下限圧力PLは、このような特性を考慮して、要求電力が増加した場合に、遮断弁320が閉状態から開状態に切り替わる時間TSの間の電力を供給できるような圧力に設定される。
図5の例では、エゼクタ340の最小ガス供給量と燃料電池110の水素ガス消費量が同量であり、時刻t3以降の燃料電池入口圧Pの変化がない状態を示している。エゼクタ340の最小ガス供給量が燃料電池110の水素ガス消費量より多い場合には、燃料電池入口圧Pは時間とともに上昇する。一方、燃料電池110の水素ガス消費量がエゼクタ340の最小ガス供給量より多い場合には、燃料電池制御部400は、エゼクタ340を制御して燃料電池110の水素ガス消費量に相当する量の水素ガスを供給する。
このように、第1実施例では、要求電力が急減した場合に、エゼクタ340を最小開度に制御するとともに、最小開度(閉状態)への到達時間がエゼクタ340よりも短い遮断弁320を最小開度に制御する。そして、エゼクタ340が最小開度の状態となり、燃料電池入口圧Pが下限圧力PL以下になると、遮断弁320を最大開度(開状態)にする制御が実行される。なお、本明細書において、エゼクタ340と遮断弁320とを最小開度する制御モードを「燃料ガス供給停止モード」と呼ぶ。また、燃料ガス供給停止モードの実行の後、遮断弁320を最大開度にする制御モードを、「燃料ガス供給再開モード」と呼ぶ。
このように、燃料ガス供給停止モードを実行することにより、燃料電池110に過大な圧力が加わることを抑制することができる。そして、燃料ガス供給再開モードを実行することにより、燃料ガス供給停止モードの実行後に要求電力が増加した場合に、必要な電力を負荷に供給することが可能となる。
B.第2実施例:
図6は、第2実施例における燃料ガス供給制御ルーチンを示すフローチャートである。第2実施例における燃料ガス供給制御ルーチンは、ステップS300とステップS310とが付加されている点で、図4に示す第1実施例における燃料ガス供給制御ルーチンと異なっている。他の点は、第1実施例と同じである。また、図7(a)〜(d)は、燃料電池制御部400(図2)が図6に示す燃料ガス供給制御ルーチンを実行する際の燃料電池システム100(図2)の状態の時間変化を示す説明図である。
第2実施例では、ステップS100〜S220において、第1実施例と同様に、燃料ガス供給停止モードと燃料ガス供給再開モードとが実行される。そして、燃料ガス供給再開モードが実行されると、第1実施例と同様に、燃料電池110にはエゼクタ340の最小ガス供給量の水素ガスが供給される。このとき、最小ガス供給量が燃料電池110の水素ガス消費量よりも多い場合には、図7(d)に示すように、燃料電池入口圧Pは時間とともに上昇する。そして、燃料ガス供給再開モードの実行時間が長くなると、燃料電池入口圧Pは、燃料電池の通常の運転時の圧力PNを超えてさらに上昇する。
図6のステップS300では、燃料電池制御部400が燃料電池入口圧Pが所定の上限圧力PH以上か否かを判断する。燃料電池入口圧Pが上限圧力PH以上の場合、制御はステップS310に移される。一方、燃料電池入口圧Pが上限圧力PHよりも低い場合、制御が戻され、燃料電池入口圧Pが所定の上限圧力PH以上となるまでステップS300が繰り返し実行される。図7の例では、時刻t3から時刻t4までの間、燃料電池制御部400はステップS300を繰り返し実行する。そして、燃料電池入口圧Pが上限圧力PH以上となる時刻t4に、制御はステップS310に移される。なお、所定の上限圧力PHの設定方法については、後述する。
ステップS310において、燃料電池制御部400は、遮断弁320を開状態から閉状態に切り替え、図6のルーチンは終了する。遮断弁320が閉状態となった時刻t4の後も、時刻t1後と同様に、遮断弁320とエゼクタ340との間の水素ガスの残圧のため、燃料電池110には水素ガスが供給され続ける。そして、水素ガスの供給により残圧が低下すると、燃料電池110への水素ガスの供給量が低下し、時間の経過とともに水素ガスの供給は停止する。
このとき、燃料電池入口圧Pは、図7(d)の実線で示すように、時刻t4の後、ピークに到達した後、燃料電池110による水素ガスの消費により徐々に低下する。上述の所定の上限圧力PHは、このような特性を考慮して、燃料電池入口圧Pのピーク圧力が燃料電池110が許容し得る水素ガスの圧力を超えないように設定される。なお、時刻t4で遮断弁320を閉じない場合、燃料電池入口圧Pは、図7(d)の破線で示すように上昇を続け、調圧弁330の出口圧力PRに到達し、燃料電池110が劣化するおそれが生じる。
第2実施例では、このように、燃料ガス供給停止モードと燃料ガス供給再開モードとを実行した後、燃料電池入口圧Pが所定の上限圧力PHを超えた場合に、遮断弁320を閉じる燃料ガス供給再停止モードを実行する。この燃料ガス供給再停止モードを実行することにより、燃料電池110に過大な圧力の水素ガスの供給を抑制することができる。
C.第3実施例:
図8は、第3実施例における燃料電池システム100aの構成を示す説明図であり、図9は、第3実施例における燃料ガス供給制御ルーチンを示すフローチャートである。図8に示す第3実施例の燃料電池システム100aは、調圧弁330aの出口圧力が燃料電池制御部400により制御されている点で、図2に示す第2実施例の燃料電池システム100と異なっている。また、図9に示す第3実施例の燃料ガス供給制御ルーチンは、ステップS110,S220,S310がステップS110a,S220a,S310aに置き換えられている点で、図6に示す第2実施例の燃料ガス供給制御ルーチンと異なっている。他の点は、第2実施例と同じである。
図8に示す燃料電池システム100aでは、出口圧力が燃料電池制御部400から供給される制御信号により調節可能な可変レギュレータが調圧弁330aとして使用されている。なお、調圧弁330aとしては、水素ガスの供給を停止して燃料電池入口圧が過大になることが抑制可能なように、最小開度への到達速度が十分速い可変レギュレータが使用される。この場合、調圧弁330aは、水素ガスの供給を停止可能な停止弁と言うこともできる。
図9のステップS110a,S310aにおいて、燃料電池制御部400は、調圧弁330aを開状態開度から最小開度に制御する。調圧弁330aが最小開度になると燃料電池110への水素ガスの供給が停止するので、第2実施例の場合と同様に、燃料電池110に過大な圧力が加わることを抑制することができる。なお、開状態開度とは、燃料ガス供給停止モードの実行前の燃料電池110が通常の運転状態にある場合に、燃料電池制御部400が設定する調圧弁330aの開度である。
ステップS220aにおいて、燃料電池制御部400は、調圧弁330aを開状態開度に制御する。調圧弁330aを開状態開度に制御することにより、第2実施例の場合と同様に、燃料ガス供給停止モードの実行後に要求電力が増加した場合に、必要な電力を負荷に供給することが可能となる。
D.第4実施例:
図10は、第4実施例における燃料電池システム100bの構成を示す説明図であり、図11は、第3実施例における燃料ガス供給制御ルーチンを示すフローチャートである。図10に示す第3実施例の燃料電池システム100bは、エゼクタ340に替えて循環ポンプ380を備えている点と、調圧弁330bの出口圧力が燃料電池制御部400により制御されている点とで、図2に示す第2実施例の燃料電池システム100と異なっている。また、図11に示す第4実施例の燃料ガス供給制御ルーチンは、エゼクタ340に替えて調圧弁330bを制御している点で、図6に示す第2実施例の燃料ガス供給制御ルーチンと異なっている。他の点は、第2実施例と同じである。
図10に示す燃料電池システム100bでは、燃料ガス(水素ガスとアノードオフガスとの混合ガス)は、循環ポンプ380の働きにより、燃料電池110と気液分離器350と循環ポンプ380の間を循環する。燃料電池110に供給される水素ガスの量は、この燃料ガスの循環している流路の圧力を調圧弁330bにより調整することにより調整される。このように、第4実施例では、水素ガス供給量が調圧弁330bにより調整されるので、調圧弁330bを調整弁ということもできる。
調圧弁330bの最小開度への到達速度が遅い場合、燃料電池110での水素ガスの消費量が減少すると調圧弁330bの圧力調整が追いつかず、燃料電池110に過大な圧力が加わるおそれがある。第4実施例では、第2実施例と同様に、燃料ガス供給停止モードを実行することにより、燃料電池110に過大な圧力が加わることを抑制することが可能となる。
なお、第4実施例では、燃料ガスの循環を循環ポンプ380によって行っているが、第1ないし第3実施例と同様に、燃料ガスをエゼクタにより循環しても良い。この場合、エゼクタとしては、ガス流量の調整下限が大きいエゼクタや、流量の調整機能を有しないエゼクタ等を使用することができる。
E.変形例:
なお、この発明は上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
上記各実施例では、要求電力が急減した場合に、燃料ガス供給停止モードを実行しているが、燃料ガス供給停止モードは、燃料電池入口圧Pが基準圧力を超えた場合に実行するものとしてもよい。この場合、基準圧力は、停止弁と調整弁との間の水素ガスの残量と、停止弁と調整弁の最小開度への到達時間と、に基づいて、燃料電池に過大な圧力が加わらないように適宜設定される。
E2.変形例2:
上記各実施例では、燃料電池入口圧Pが所定の下限圧力PL以下となった場合に、燃料ガス供給再開モードを実行しているが、一般に、燃料ガス供給再開モードは、燃料ガス供給停止モードの実行により、調整弁が最小開度の状態となった後であれば任意の時点で実行することができる。この場合、燃料電池制御部400は、燃料電池入口圧Pが下限圧力PL以下か否かの判断が不要となり、燃料電池システム100の制御がより容易となる点で、上記各実施例よりも好ましい。一方、上記各実施例は、燃料ガス供給再開モードの実行による燃料電池入口圧Pの上昇を抑制できる点で好ましい。
E3.変形例3:
上記各実施例では、燃料電池入口圧Pが所定の下限圧力PL以下となった場合に、燃料ガス供給再開モードを実行しているが、二次電池22(図1)の残存容量が所定の残存容量基準値以上の場合には燃料ガス供給再開モードの実行をしないものとしてもよい。この場合、停止弁の開閉頻度を低減することができるので、停止弁の劣化を抑制することができる。このようにしても、要求電力が増加した場合であっても、燃料電池110からの電力供給が可能になるまでの間、残存容量が十分な二次電池22から必要な電力を供給することができる。なお、要求電力が増加した場合の電力供給源としては、二次電池22のほか、フライホイール式蓄電装置等の任意の蓄電装置を用いることができる。
E4.変形例4:
上記各実施例では、燃料電池制御部400は、燃料電池入口圧Pに応じて各モードの実行可否を決定しているが、一般に、燃料電池内の水素ガス圧力を表すパラメータに応じて各のモードの実行可否を決定するものとしてもよい。例えば、燃料電池のカソード側出口に設けられた圧力センサによって測定される燃料電池出口圧や、燃料電池スタックに設けられた圧力センサによって測定される燃料電池内圧に応じて各モードを実行するものとしてもよい。
E5.変形例5:
本発明は、水素ガスの供給を停止可能な停止弁と、停止弁を介して供給される水素ガスの燃料電池への供給量が調整可能な調整弁と、を備える燃料電池システムであれば、上記各実施例とは異なる構成の燃料電池システムにも適用することができる。本発明は、例えば、エゼクタと調圧弁とをともに制御することにより燃料電池への水素ガス供給量を調整する燃料電池システムにも適用できる。この場合、エゼクタと調圧弁とを調整弁として最小開度にする制御をすることにより、燃料ガス供給停止モードを実行することが可能である。また、本発明は、燃料ガスを循環させない燃料電池システムにも適用可能である。
E6.変形例6:
上記各実施例では、水素ガスタンクから供給される水素ガスと、燃料電池から排出されるアノードオフガスと、を混合した燃料ガスを燃料電池に供給しているが、燃料電池に供給されるガスは、燃料電池の燃料となる成分を含む燃料ガスであればよい。このような燃料ガスとしては、例えば、炭化水素系の改質原料から改質器を用いて生成された水素を含む改質ガスや、改質ガスとアノードオフガスとを混合したをガスを用いることもできる。
E7.変形例7:
上記各実施例では、本発明を燃料ガス給排部に適用することについて説明してきたが、酸化剤ガス給排部が、酸化剤ガスの供給を停止可能な停止弁と、停止弁を介して供給される酸化剤ガスの燃料電池への供給量が調整可能な調整弁と、を備えていれば、酸化剤ガス給排部にも本発明を適用することができる。
本発明の一実施例としての電気自動車10の概略構成図。 第1実施例における燃料電池システム100の構成を示す説明図。 エゼクタ340が作動する様子を示す説明図。 第1実施例における燃料ガス供給制御ルーチンを示すフローチャート。 第1実施例において、燃料電池制御部400が燃料ガス供給制御ルーチンを実行する際の燃料電池システム100の状態の時間変化を示す説明図。 第2実施例における燃料ガス供給制御ルーチンを示すフローチャート。 第2実施例において、燃料電池制御部400が燃料ガス供給制御ルーチンを実行する際の燃料電池システム100の状態の時間変化を示す説明図。 第3実施例における燃料電池システム100aの構成を示す説明図。 第3実施例における燃料ガス供給制御ルーチンを示すフローチャート。 第4実施例における燃料電池システム100bの構成を示す説明図。 第4実施例における燃料ガス供給制御ルーチンを示すフローチャート。
符号の説明
10…電気自動車
22…二次電池
23…残存容量モニタ
24…コンバータ
26…インバータ
30…駆動モータ
32…減速ギヤ
34…出力軸
36…車両駆動軸
37…車速センサ
40…配線
50…車両制御部
100…燃料電池システム
100a…燃料電池システム
100b…燃料電池システム
110…燃料電池
112…セル
122…酸化剤ガス供給配管
124…酸化剤ガス排出配管
132…燃料ガス供給配管
134…燃料ガス排出配管
136…配管
140…圧力計
200…酸化剤ガス給排部
202…空気ポンプ
204…カソードオフガス排出部
300…燃料ガス給排部
310…水素ガスタンク
312,322…高圧水素配管
320…遮断弁
330,330a,330b…調圧弁
332…低圧水素配管
340…エゼクタ
340a…供給ポート
340b…出口ポート
340c…吸引ポート
342…還流配管
350…気液分離器
352…配管
360…排気・排水弁
362…配管
370…アノードオフガス排出部
380…循環ポンプ
400…燃料電池制御部
500…ディフューザブロック
502…ディフューザ
504…スロート
506…絞り部
510…貫通孔
520…ノズルブロック
522…ノズル
524…円筒部
526…連結部材
530…貫通孔
540…シールブロック
542…隔壁部
544…貫通孔
560…ニードル
562…テーパ部
564…ニードル軸
566…駆動孔
580…駆動部
582…駆動桿
584…駆動モータ

Claims (8)

  1. 燃料電池システムであって、
    反応ガスを利用して負荷に電力を供給する燃料電池と、
    前記燃料電池に前記反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
    前記反応ガス供給部からの前記反応ガスの供給を停止可能な停止弁と、
    前記反応ガス供給部から前記停止弁を介して供給される前記反応ガスの前記燃料電池への供給量を調整可能な調整弁と、
    前記停止弁と前記調整弁とを制御し、反応ガス供給停止モードと反応ガス供給再開モードとを実行する燃料電池制御部と、
    を備え、
    前記停止弁は、前記調整弁が最小開度に到達する時間よりも短時間で最小開度に到達する弁であり、
    前記反応ガス供給停止モードは、前記調整弁と前記停止弁とを最小開度にする制御モードであり、
    前記反応ガス供給再開モードは、前記反応ガス供給停止モードの実行によって、前記調整弁が最小開度に到達した後、前記調整弁を最小開度に維持して前記停止弁を最小開度よりも開度の大きい開状態にする制御モードである、燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池制御部は、前記負荷が前記燃料電池に要求する要求電力の単位時間あたりの低下量が所定の閾値以上の場合に前記反応ガス供給停止モードを実行する、燃料電池システム。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力を表す圧力パラメータを取得する圧力パラメータ取得部を備え、
    前記燃料電池制御部は、前記圧力パラメータにより表される前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力に応じて前記停止弁と前記調整弁とを制御する、燃料電池システム。
  4. 請求項3記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池制御部は、前記圧力パラメータによって表される前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力が所定の圧力基準値以上の場合に前記反応ガス供給停止モードを実行する、燃料電池システム。
  5. 請求項3または4記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池制御部は、前記反応ガス供給停止モードを実行している際に、前記圧力パラメータによって表される前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力が所定の圧力下限値以下の場合に前記反応ガス供給再開モードを実行する、燃料電池システム。
  6. 請求項3ないし5のいずれか記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池制御部は、
    前記停止弁を最小開度にする反応ガス供給再停止モードを有しており、
    前記反応ガス供給再開モードを実行した後に、前記圧力パラメータによって表される前記燃料電池内の前記反応ガスの圧力が所定の圧力上限値以上の場合に前記反応ガス供給再停止モードを実行する、燃料電池システム。
  7. 請求項1ないし6のいずれか記載の燃料電池システムであって、
    前記負荷は、蓄電装置を有しており、
    前記燃料電池制御部は、
    前記反応ガス供給再開モードを実行しない供給再開停止モードを有し、
    前記蓄電装置の残存容量が所定の残存容量基準値よりも大きい場合に前記供給再開停止モードを実行する、燃料電池システム。
  8. 請求項1ないし7のいずれか記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池システムは、前記反応ガス供給部から供給される前記反応ガスと、前記燃料電池から供給される反応排ガスと、を混合した混合反応ガスを前記燃料電池に供給する循環式の燃料電池システムであって、
    前記調整弁は、前記混合反応ガスの循環流路に前記反応ガスを供給する、燃料電池システム。
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