JP2009104955A - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温起動時における燃料消費量を低減させることができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池2と、燃料供給源21から供給される燃料ガスを燃料電池2へと流すための供給流路22及び燃料電池2から排出されるガス及び水分を流すための排出流路23を有する燃料ガス系4と、排出流路23内のガス及び水分の外部への排出を許容又は遮断する排気排水弁29と、を備えた燃料電池システム1であって、排気排水弁29の温度を推定するとともに、推定した排気排水弁29の温度が氷点を下回る場合に燃料ガス系4のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定する制御部6を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム及びその制御方法に関する。
現在、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが提案され、実用化されている。かかる燃料電池システムで発電を行うと、電気化学反応により燃料電池の内部で水分が生成される。この生成水は、例えばガスとともに燃料電池の外部に排出され、循環流路に設けられた気液分離器及び排気排水弁を介して、外部に排出される。燃料電池システム内部の部品(例えば排気排水弁)にはこのように水分が存在するため、氷点下等の低温環境下で燃料電池システムの停止状態が長く続いた場合には、その部品が凍結して、燃料電池システムの正常な起動が妨げられる恐れがある。
近年においては、このような低温環境下における燃料電池システムの起動性を向上させる目的で、低温起動時における燃料電池への水素ガスの供給圧力を定常運転時よりも低下させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる技術を採用すると、低温起動時の発電効率が低下して燃料電池の自己発熱量が増大するため、燃料電池の暖機を効率良く行うことが可能となる。
特開2002−313388号公報
ところで、前記した特許文献1に記載の技術においては、燃料電池内を循環する冷却水の温度に基づいて燃料電池システムの低温状態を把握している。しかし、その把握した低温状態は排気排水弁の低温状態と必ずしも一致していない。このため、燃料電池内の冷却水温度が低温領域を脱したものと判断して水素ガスの供給圧力を通常の圧力まで上昇させると、水素ガスの供給圧力を上昇させた時点において排気排水弁の凍結状態が依然として続いている場合がある。かかる場合には、排気排水弁から水素ガスが漏れるとともに、漏れた水素ガスを希釈する空気を供給するためのエネルギが必要となるため、燃料消費量が増大してしまうおそれがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、低温起動時における燃料消費量を低減させることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための供給流路及び燃料電池から排出されるガス及び水分を流すための排出流路を有する燃料ガス系と、排出流路内のガス及び水分の外部への排出を許容又は遮断する排気排水弁と、を備えた燃料電池システムであって、排気排水弁の温度を推定する弁温度推定手段と、弁温度推定手段で推定した排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、燃料ガス系のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定する制御手段と、を備えるものである。
また、本発明に係る制御方法は、燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための供給流路及び燃料電池から排出されるガス及び水分を流すための排出流路を有する燃料ガス系と、排出流路内のガス及び水分の外部への排出を許容又は遮断する排気排水弁と、を備えた燃料電池システムの制御方法であって、排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、燃料ガス系のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定する工程を備えるものである。
かかる構成及び方法を採用すると、排気排水弁の推定温度が氷点(摂氏零度)を下回る場合に、燃料ガス系のガス圧力を低下させる(定常運転時における圧力よりも低く設定する)ことができる。従って、氷点下で凍結状態になった排気排水弁からの燃料ガス漏れ量を低減させることができるとともに、燃料ガス希釈用空気の供給に必要なエネルギを節減することができるため、全体として燃料消費量を低減することが可能となる。
前記燃料電池システムにおいて、排出流路として、燃料電池から排出された燃料ガスを供給流路へと導く循環流路を採用するとともに、燃料電池から排出された燃料ガスを供給流路へと強制的に送る循環ポンプを設けることができる。そして、弁温度推定手段で推定した排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、循環ポンプの動作を制御することにより、燃料ガス系のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定する制御手段を採用することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、供給流路の上流側におけるガス圧力を調整して下流側に供給する可変調圧弁を備えることができる。そして、弁温度推定手段で推定した排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、可変調圧弁の動作を制御して燃料電池へと供給される燃料ガスの圧力を調整することにより、燃料ガス系のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定する制御手段を採用することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、可変調圧弁としてインジェクタを採用することができる。インジェクタとは、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス状態(ガス流量やガス圧力)を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。所定の制御部がインジェクタの弁体を駆動して燃料ガスの噴射時期や噴射時間を制御することにより、燃料ガスの流量や圧力を精度良く制御することが可能となる。
また、前記燃料電池システムにおいて、排気排水弁から排出される燃料ガスを希釈するための希釈空気を供給する希釈空気供給装置を備えることができる。そして、弁温度推定手段で推定した排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、希釈空気供給装置による希釈空気の供給量を定常運転時における供給量よりも少なく設定する制御手段を採用することができる。希釈空気供給装置としては、燃料電池に酸化ガスとしての空気を供給するエアコンプレッサを採用することができる。
本発明によれば、低温起動時における燃料消費量を低減させることができる燃料電池システムを提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1について説明する。本実施形態においては、本発明を燃料電池車両の車載発電システムに適用した例について説明することとする。
まず、図1〜図3を用いて、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1の構成について説明する。
本実施形態に係る燃料電池システム1は、図1に示すように、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池2を備え、燃料電池2に、酸化ガスとしての空気を燃料電池2に供給しかつ燃料電池2から酸化オフガスを排出するための酸化ガス系3と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給しかつ燃料オフガスとしての水素オフガスを水素ガスとともに燃料電池2に循環させる燃料ガス系4と、が接続されている。燃料ガス系4は、水素オフガスを燃料ガス系4から排出可能な排気排水弁29を有し、排気排水弁29から排出される水素オフガスが希釈部5において酸化ガス系3から排出される酸化オフガス(空気)と混合されて外部に排出可能となっている。そして、システム全体が制御部6により統括制御されている。
燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単電池を積層したスタック構造を備えている。燃料電池2の単電池は、固体高分子電解質膜の一方の面に空気極(カソード)を有し、他方の面に燃料極(アノード)を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。アノード側のセパレータの流路に燃料ガスが供給されるとともに、カソード側のセパレータの流路に酸化ガスが供給されることで、燃料電池2は電力を発生する。
燃料電池2での電気化学反応は発熱反応であるため、燃料電池2の運転中はその出力に応じて燃料電池システム1内に熱が供給される。従って、低温環境下であっても、燃料電池2の運転中は各配管系へ燃料電池2内で昇温されたオフガス等が供給されることによりシステム内の部品が昇温する。よって、燃料電池2の運転中は、通常は凍結が回避される。なお、燃料電池システム1には図示しない冷媒配管系が設けられている。そして、この冷媒配管系を用いて燃料電池2の内部に冷媒を循環させることにより、燃料電池2の内部の温度が適度に維持される。燃料電池2内の温度は温度センサ2aにより検出され、その検出値は制御部6に入力されて各種制御に用いられる。温度センサ2aは、例えば燃料電池2内に設けることができるが、燃料電池2内から流出する流体配管に設けた温度センサの検出値から燃料電池内の温度を求めてもよい。
酸化ガス系3は、燃料電池2に供給される酸化ガスが流れる空気供給流路11と、燃料電池2から排出された酸化オフガスが流れる排気流路12と、を有している。空気供給流路11は、酸化ガスとしての空気を取り込むエアコンプレッサ14と、エアコンプレッサ14により圧送される空気を加湿する加湿器15と、を備えている。排気流路12は、背圧調整弁16を備えるとともに加湿器15に接続されており、排気流路12を流れる酸化オフガスが、背圧調整弁16を通って加湿器15で水分交換に供された後、希釈部5に移送される。なお、エアコンプレッサ14は、排気排水弁29から排出される水素ガスを希釈するための希釈空気を供給するものであり、本発明における希釈空気供給装置に相当する。
燃料ガス系4は、高圧の水素ガスを貯留した燃料供給源としての水素タンク21と、水素タンク21の水素ガスを燃料電池2に供給するための水素供給流路22と、燃料電池2から排出された水素オフガスを水素供給流路22に戻すための循環流路23と、を備えている。なお、水素タンク21に代えて、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、を燃料供給源として採用することもできる。また、水素吸蔵合金を有するタンクを燃料供給源として採用してもよい。
水素供給流路22には、水素タンク21からの水素ガスの供給を許容又は遮断する遮断弁24と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ25と、インジェクタ26と、が設けられている。また、インジェクタ26の下流側であって水素供給流路22と循環流路23との合流部の上流側には、水素供給流路22内の水素ガスの圧力を検出する圧力センサ27が設けられている。圧力センサ27で検出された水素ガスの圧力に係る情報は、制御部6に伝送されて、水素循環系の制御に用いられる。
レギュレータ25は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ25として採用している。機械式の減圧弁の構成としては、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする公知の構成を採用することができる。
インジェクタ26は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。本実施形態においては、図1に示すように、水素供給流路22と循環流路23との合流部より上流側にインジェクタ26を配置している。インジェクタ26は、水素ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとともに、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、ノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容保持され噴射孔を開閉する弁体と、を備えている。本実施形態においては、インジェクタ26の弁体は電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、このソレノイドに給電されるパルス状励磁電流のオン・オフにより、噴射孔の開口面積を2段階又は多段階に切り替えることができるようになっている。制御部6から出力される制御信号によってインジェクタ26のガス噴射時間及びガス噴射時期が制御されることにより、水素ガスの流量及び圧力が高精度に制御される。インジェクタ26は、弁(弁座及び弁体)を電磁駆動力で直接開閉駆動するものであり、その駆動周期が高応答の領域まで制御可能であるため、高い応答性を有する。
インジェクタ26は、その下流に要求されるガス流量を供給するために、インジェクタ26のガス流路に設けられた弁の開口面積(開度)及び開放時間の少なくとも一方を変更することにより、下流側(燃料電池2側)に供給されるガス流量(又は水素モル濃度)を調整する。なお、インジェクタ26の弁の開閉によりガス流量が調整されるとともに、インジェクタ26下流に供給されるガス圧力がインジェクタ26上流のガス圧力より減圧されるため、インジェクタ26を調圧弁(減圧弁、レギュレータ)と解釈することもできる。また、本実施形態では、ガス要求に応じて所定の圧力範囲の中で要求圧力に一致するようにインジェクタ26の上流ガス圧の調圧量(減圧量)を変化させることが可能な可変調圧弁としても機能する。
循環流路23は、燃料電池2から排出されるガス及び水分を流通させる流路であり、本発明における排出流路として機能する。循環流路23には、気液分離器28及び排気排水弁29を介して、不純物流路30が接続されている。気液分離器28は、水素オフガスから水分を回収するものである。排気排水弁29は、制御部6からの指令によって作動することにより、気液分離器28で回収した水分と、循環流路23内の不純物を含む水素オフガス(燃料オフガス)と、を外部に排出するものである。排気排水弁29及び不純物流路30を介して排出される水素オフガスは、希釈器5で排気流路12内の酸化オフガスと合流して希釈されるようになっている。また、循環流路23には、循環流路23内の水素オフガスを加圧して水素供給流路22側へ強制的に送り出す循環ポンプ31が設けられている。
制御部6は、車両に設けられた加速用の操作部材(アクセル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えばトラクションモータ等の負荷装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、負荷装置とは、トラクションモータのほかに、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置(例えばエアコンプレッサ14のモータや循環ポンプ31のモータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御部、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等を含む電力消費装置を総称したものである。
制御部6は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで所望の演算を実行することにより、種々の処理や制御を行う。
具体的には、制御部6は、燃料電池2の起動時における排気排水弁29の温度を推定する。排気排水弁29の温度の推定には、種々の方法を採用することができる。本実施形態においては、以下に説明するように、燃料電池2内の温度と排気排水弁29の温度との相関関係を規定する制御データに基づき、温度センサ2aで検出した起動における燃料電池2内の温度から排気排水弁29の温度を推定することとしている。
制御部6には、排気排水弁29の温度推定に用いる制御データとして、図2に示すようなマップデータが格納されている。図2は、燃料電池2の発電停止中における燃料電池2内の温度から排気排水弁29の温度を減じて得た値(温度差)の時間履歴を予めマップ化した温度差曲線Cであり、横軸が燃料電池2の発電停止からの経過時間、縦軸が温度差である。
燃料電池2の運転中は、燃料電池2内で昇温されたオフガス等が各配管系へ供給されることにより、低温環境下であっても、システム内の部品の温度は外気温よりも高い温度に保たれている。運転中の排気排水弁29の温度は、水素オフガス及び生成水の温度が排気排水弁29に到達する過程で放熱されて低下するために、燃料電池2内の温度よりも低くなっている。すなわち、燃料電池2の運転中は、燃料電池2内の温度と排気排水弁29の温度には、外気温に応じた所定の温度差が発生している。
燃料電池2の運転が停止すると、図2に示すように、燃料電池2内の温度と排気排水弁29の温度との差は、燃料電池2の発電停止直後からしばらく増大し、所定時間t0が経過した時点で最大値Aとなる。その後は、温度差は徐々に減少する。そして、十分に長い時間が経過すると、燃料電池2内の温度と排気排水弁29の温度はいずれも外気温とほぼ一定になり、温度差は0に近づく。
温度差曲線Cの形状は、燃料電池2の発電停止時における外気温に応じて変化する。図3に、例として、4つの温度差曲線C1、C2、C3、C4を示す。温度差曲線C1、C2、C3、C4は、各々、外気温がT1、T2、T3、T4(T1>T2>T3>T4)の場合のものである。このように、外気温が低いほど燃料電池2内の温度と排気排水弁46の温度との差が大きくなっているが、いずれの外気温においても、温度差は、発電停止後、所定時間経過した時点で最大値に到達する。但し、最大値に到達するまでの経過時間は外気温によって若干異なっている。温度差曲線における温度差の最大値は、外気温が低い方が大きい。
制御部6は、図2及び図3に示すような制御データ(温度差曲線)と、温度センサ2a等により検出された起動時における燃料電池2内の温度に基づき、排気排水弁29の温度を推定する。本実施形態においては、想定される最も低温の外気温(例えばT4)での温度差曲線(図3のC4)を用いて排気排水弁29の温度推定を行っている。このようにすれば、想定される条件の中でとりうる最も低温の推定値を採用することになる。すなわち、制御部6は、本発明における弁温度推定手段として機能するものである。
また、制御部6は、排気排水弁29の推定温度が氷点(1気圧下で摂氏零度)を下回る場合に、インジェクタ26の動作を制御して燃料電池2へと供給される水素ガスの圧力を調整し、かつ、循環ポンプ31の動作を制御することにより、燃料ガス系4のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定する。すなわち、制御部6は、本発明における制御手段としても機能する。また、制御部6は、排気排水弁29の推定温度が氷点を下回る場合に、エアコンプレッサ14による希釈空気の供給量を定常運転時における供給量よりも少なく設定する。
次に、図4のフローチャートを用いて、本実施形態に係る燃料電池システム1の制御方法について説明する。
まず、制御部6は、起動時に排気排水弁29の温度を推定する(弁温度推定工程:S1)。この際、制御部6は、温度センサ2aで検出された起動時における燃料電池2内の温度から、想定される最も低温の外気温(例えばT4)での温度差曲線(図3のC4)における温度差の最大値を減算し、その結果算出された値を排気排水弁29の温度と推定する。例えば、温度センサ2aの検出値がS1、温度差曲線C4の最大値がA4であれば、排気排水弁29の推定温度TEは、「TE=S1−A4」なる式により算出される。
次いで、制御部6は、弁温度推定工程S1で推定した排気排水弁29の温度(推定温度TE)が、氷点T0を下回るか否かを判定する(温度判定工程:S2)。そして、制御部6は、温度判定工程S2において排気排水弁29の推定温度TEが氷点T0以上であると判定した場合には、要求される電力量を燃料電池2で発電するために各種機器を制御することにより、酸化ガスの調整や水素ガスの調整を行って定常運転を実施する(定常制御工程:S3)。酸化ガスの調整は、酸化ガス系3におけるエアコンプレッサ14の回転数の制御や燃料電池2から排出される酸化オフガスの背圧の調整等により実現される。水素ガスの調整は、燃料ガス系4における遮断弁24やインジェクタ26の制御、循環ポンプ31の回転数の制御、排気排水弁29の制御等により実現される。
一方、制御部6は、温度判定工程S2において排気排水弁29の推定温度TEが氷点T0を下回るものと判定した場合に、低温時起動運転を実施する(低温時制御工程:S4)。すなわち、制御部6は、排気排水弁29の推定温度TEが氷点T0を下回るものと判定した場合に、インジェクタ26の動作を制御して燃料電池2へと供給される水素ガスの圧力を調整するとともに循環ポンプ31の動作を制御することにより、燃料ガス系4のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定する。また、制御部6は、排気排水弁29の推定温度TEが氷点T0を下回るものと判定した場合に、エアコンプレッサ14による希釈空気の供給量を定常運転時における供給量よりも少なく設定する。制御部6は、これら工程群を、起動から所定時間経過するまで繰り返し実施する。
以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1においては、排気排水弁29の推定温度が氷点を下回る場合に、燃料ガス系4のガス圧力を低下させる(定常運転時における圧力よりも低く設定する)ことができる。従って、氷点下で凍結状態になった排気排水弁29からの水素ガス漏れ量を低減させることができるとともに、水素ガス希釈用空気の供給に必要なエネルギを節減することができるため、全体として燃料消費量を低減することが可能となる。
なお、以上の実施形態においては、想定される最も低温の外気温での温度曲線を用いて排気排水弁29の温度推定を行った例を示したが、外気温センサの検出値に基づいた別の推定方法を採用することもできる。例えば、制御部6は、まず、外気温センサで検出された起動時における外気温に基づき、図3に示した複数の温度差曲線の中から最も適切なものを選定(例えば外気温がT2であれば温度差曲線C2を選定)する。そして、温度センサ2a等により検出された起動時における燃料電池2内の温度から、選定した温度差曲線C2における温度差の最大値を減算し、その結果算出された値を排気排水弁29の温度と推定する。温度センサ2aの検出値がS2、温度差曲線C2の最大値がA2であれば、排気排水弁29の推定温度TEは、「TE=S2−A2」なる式により算出される。このようにすれば、起動時における外気温の下でとりうる最も低温の推定値を採用することになる。よって、凍結防止の観点からみた場合に安全側となるような推定値を得ることができるとともに、外気温に基づいて、より精度良く温度推定を行うことができる。
また、以上の実施形態においては、図3に示すように外気温がT1、T2、T3、T4の場合の4つの温度差曲線C1、C2、C3、C4を制御データとして用いているが、温度差曲線の数やどの外気温について温度差曲線を作成するかは、想定される燃料電池システム1の使用温度環境に応じて適宜設定することができる。
また、以上の実施形態においては、想定される最も低温の外気温での温度曲線を用いて排気排水弁29の温度推定を行った例を示したが、燃料電池2の運転が停止した場合にその運転停止時間を計測するRTC(Real Time Clock)を用いた別の推定方法を採用することもできる。例えば、制御部6は、燃料電池2の運転停止時から次回始動時までの経過時間(運転停止時間)をRTCにより計測し、この運転停止時間に対応する温度差を温度差曲線から求め、前記各推定方法で用いていた最大値に代えて用いる。どの温度差曲線を用いるかは、最も低い外気温における温度差曲線を用いても良く、外気温に応じた温度差曲線を選定してもよい。そして、温度センサ2a等により検出された起動時における燃料電池2内の温度から、運転停止時間及び温度差曲線から決定した温度差を減算し、その結果算出された値を排気排水弁29の温度と推定する。温度センサ2aの検出値がS3、外気温により選定された温度差曲線がC3、運転停止時間がt1であり、温度差曲線C3上の運転停止時間t1に対応する温度差がA3であれば、排気排水弁29の推定温度TEは、「TE=S3−A3」なる式により算出されることとなる。このようにすれば、外気温等により温度差曲線を決定した後は、その温度差曲線と運転停止時間とに基づき、精度良く温度推定を行うことができる。
また、以上の実施形態においては、排気排水弁29の推定温度が氷点を下回る場合に、インジェクタ26及び循環ポンプ31の双方の動作を制御することにより、燃料ガス系4のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定した例を示したが、インジェクタ26及び循環ポンプ31の何れか一方の動作を制御することにより、燃料ガス系4のガス圧力を低下させることもできる。
また、以上の実施形態においては、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両に搭載した例を示したが、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)に本発明に係る燃料電池システムを搭載することもできる。また、本発明に係る燃料電池システムを、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用してもよい。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図1に示した燃料電池システムにおける発電停止後の燃料電池内の温度と排気排水弁の温度との相関関係を規定する温度差履歴マップである。 異なる外気温における発電停止後の燃料電池内の温度と排気排水弁の温度との相関関係を規定する温度差履歴マップ群である。 図1に示す燃料電池システムの低温時起動制御方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…燃料電池、4…燃料ガス系、6…制御部(弁温度推定手段、制御手段)、14…エアコンプレッサ(希釈空気供給装置)、21…水素タンク(燃料供給源)、22…水素供給流路(供給流路)、23…循環流路(排出流路)、26…インジェクタ(可変調圧弁)、29…排気排水弁、31…循環ポンプ。

Claims (7)

  1. 燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを前記燃料電池へと流すための供給流路及び前記燃料電池から排出されるガス及び水分を流すための排出流路を有する燃料ガス系と、前記排出流路内のガス及び水分の外部への排出を許容又は遮断する排気排水弁と、を備えた燃料電池システムであって、
    前記排気排水弁の温度を推定する弁温度推定手段と、
    前記弁温度推定手段で推定した前記排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、前記燃料ガス系のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定する制御手段と、
    を備える、
    燃料電池システム。
  2. 前記排出流路は、前記燃料電池から排出されたガスを前記供給流路へと導く循環流路であるとともに、前記燃料電池から排出されたガスを前記供給流路へと強制的に送る循環ポンプを有し、
    前記制御手段は、前記弁温度推定手段で推定した前記排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、前記循環ポンプの動作を制御することにより、前記燃料ガス系のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定するものである、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記供給流路の上流側におけるガス圧力を調整して下流側に供給する可変調圧弁を備え、
    前記制御手段は、前記弁温度推定手段で推定した前記排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、前記可変調圧弁の動作を制御して前記燃料電池へと供給される燃料ガスの圧力を調整することにより、前記燃料ガス系のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定するものである、
    請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記可変調圧弁は、インジェクタである、
    請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記排気排水弁から排出される燃料ガスを希釈するための希釈空気を供給する希釈空気供給装置を備え、
    前記制御手段は、前記弁温度推定手段で推定した前記排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、前記希釈空気供給装置による希釈空気の供給量を定常運転時における供給量よりも少なく設定するものである、
    請求項1から4の何れか一項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記希釈空気供給装置は、前記燃料電池に酸化ガスとしての空気を供給するエアコンプレッサである、
    請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを前記燃料電池へと流すための供給流路及び前記燃料電池から排出されるガス及び水分を流すための排出流路を有する燃料ガス系と、前記排出流路内のガス及び水分の外部への排出を許容又は遮断する排気排水弁と、を備えた燃料電池システムの制御方法であって、
    前記排気排水弁の温度が氷点を下回る場合に、前記燃料ガス系のガス圧力を定常運転時における圧力よりも低く設定する工程を備える、
    燃料電池システムの制御方法。
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