JP4736007B2 - 半導体ウエハの放射率決定方法およびその装置 - Google Patents

半導体ウエハの放射率決定方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハのようなワークピースあるいは固体物体のパラメータを決定する装置及び方法に関し、特に熱処理中のウエハの放射率及び/または温度を、実時間で決定するための装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱処理炉は何年間も、アニーリング、拡散、酸化、化学蒸着法を含む各種の半導体製造工程を実施するために、広く知られ、用いられてきた。結果として、これらの処理は、特に処理製品の品質および均一性に関するプロセス変数の影響に関して、よく理解されている。熱処理炉は、一般的に水平型炉あるいは垂直型炉のいずれかが使用される。ある応用では、垂直型炉は、使用中に生じる粒子が少ないので好まれ、その結果、ウエハの汚染の範囲を減少させる。また、それらは自動化が容易であり、比較的、小さな場所のために、より少ない床面積でよい。
【0003】
両タイプの従来の炉は、知られているように、1ミクロン以下の線幅を維持して所望の深さまでドーパントを注入するため、あるいはウエハへの化学蒸着層の被着あるいはウエハへの酸化層への適用のような、他の従来の処理技術を実行するために、半導体ウエハを所望の温度に加熱するように設計されている。処理中でのウエハの加熱条件は、公知であり、よく理解されており、そのため、厳重に監視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
管炉のような、従来の垂直型熱処理炉は、垂直部分に炉内の処理管(チューブ)を支持するように設計されている。この熱処理炉は、一般的にウエハボート組立体を用い、それは処理管の内部から外部へウエハボートを移動させるために、適当な移動機構に取り付けられている。ウエハハンドリング組立体は、半導体ウエハをウエハカセットからウエハボート組立体へ移動させるために、ウエハボートに隣接し、平行に配置されている。ウエハは、それから石英あるいはシリコーンの加熱管中に引き上げられる。前記パイプは所望の温度にまでゆっくり上げられ、予め決められた時間の間、その温度で維持される。その後、パイプはゆっくり冷却され、そしてウエハは処理を実行するためにパイプから取り出される。この処理技術の欠点は、ウエハが必要とする時間だけ、所定温度に置かされることである。これら及び他の型の従来の垂直炉は、ヒューズ(Fuse)他の米国特許第5217501号、カキザキ他の米国特許第5387265号に開示され、記載されている。
【0005】
シリコーン集積回路の臨界寸法は、連続的にサブミクロンの範囲まで縮小されるので、ウエハ温度の一様性及びウエハ対ウエハ(wafer-to-wafer)の温度の繰り返しの要求は、より厳重になる。例えば、0.18μmの技術において、要求されるウエハ対ウエハの繰り返し温度は、±3℃である。
【0006】
高温測定法(パイロメトリー)は、熱処理炉での処理中、シリコーンウエハの非接触温度測定の一方法であったが、しかし、それには知られている欠点がある。
1つの欠点は、正確な温度測定を達成するために、ウエハ裏側の放射率を知る必要があるということである。一般的には、シリコーンウエハの裏面層は、干渉作用によってウエハのスペクトル放射率を激変させ、それが処理中の温度測定誤差を導く。さらに、ウエハの放射率は、裏面表面粗さ及びウエハ温度による。これらの全ての欠点によれば、ウエハ放射率の決定あるいは予測を、難しい作業としている。
【0007】
従来技術は、処理中のウエハの温度を測定するために、炉内あるいは加熱室内で、本来のウエハ放射率を測定することを試みていた。ウエハ放射率を決定するための従来技術の一つの方法は、交流リップル技術を使用することであり、例えば、米国特許第5310260号に開示されている。光源は熱処理装置の加熱室内でウエハの裏側を照らすために使用される。ウエハから反射した光線及び光源の強さが測定され、光源の交流成分の大きさが得られる。ウエハ放射率は、そのとき、リップル方程式を用いて計算される。この方法の欠点は、全く熱処理炉の加熱室あるいは処理室内で行われることであり、そのため、前記ウエハを一様にかつ半球状に照らすことは、不可能でないとしても困難である。したがって、処理中、ウエハ放射率を、特に実時間で、正確に測定することは困難である。
【0008】
従来装置の他の欠点は、室及びウエハを加熱するための加熱ランプが、ウエハを照らすために、また使用されることである。さらに、加熱ランプの方向及び配置は、装置内で固定されている。この固定されたランプの位置では、加熱室内に配置されるとき、ウエハを半球状に且つ一様に照らすことが困難である。さらに、加熱ランプによって発生する交流リップルは、ウエハに反射して決定される。固定されたランプ配置と交流リップルの組み合わせは、不正確なウエハ反射測定をしばしばもたらす。
【0009】
ウエハ放射率、そしてそれによる処理中の温度の決定に関係する他の困難さは、処理中の室内の放射フラックスを正確に決定することである。この問題は、室内での放射フラックスが測定されるとき、迷光(stray light)、即ちウエハ以外の他の物からの放射光線が、パイロメータ上に反射するからである。この測定された放射値は、ウエハに放たれる放射光線と総計され、ウエハ温度を決定するために用いられる。ウエハエミッタンスだけが必要であるので、パイロメータの信号は、ウエハから正しく出される放射光線を正確に測定していない。従来の装置は、この迷光成分を正確にかつ完全に補償することができないので、今の製造技術によって要求される温度の正確さを達成するのは困難である。
【0010】
従来技術の熱処理炉の、前記及び他の欠点のために、本発明の目的は、実時間で、ウエハ放射率を正確に決定するための装置及び方法を提供することである。
本発明の他の目的は、処理室内の迷光を測定し、且つ補正するための装置及び方法を提供することである。
他の一般的そしてより特別な目的は、以下の図面及び記述から、明瞭であり、明らかであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱処理装置の加熱室内での処理中のウエハの放射率を決定するための装置及び方法を提供する。
この装置及び方法は、熱処理装置の加熱室の外でウエハの反射率を決定するための装置を提供し、また、加熱室内にウエハが置かれるとき、ウエハから反射される放射光線の強さを決定するための装置を提供する。
熱処理装置の外側で(離れている、外れている位置ex situ)で測定されるウエハの反射率は、加熱室内の本来の位置(in situ)でのウエハの反射率を決定するために、加熱室内で決定されるウエハの反射された放射光線の強さと相互に関係付けられる。
この装置は、本来の位置でのウエハ反射率から、実時間で、処理中に、ウエハの放射率を決定する。
【0012】
本発明の装置は、熱処理装置の加熱室内でウエハを熱処理する前に、放射光線により半球状に照射されるウエハの反射率を決定することによって、離れている位置でのウエハ反射率を決定する。特に、本発明の装置は一般的にウエハの部分を放射源から放射して、一様に、例えば、半球状に照明することができ、その時、ウエハの部分から反射される放射光線の強さを測定する。選択的には、本発明の装置は、放射源の放射光線の強さを測定することができ、その時、ウエハ及び放射源の測定された放射光線の強さからウエハの反射率を決定する。
【0013】
他の観点によれば、本発明の装置は、ウエハの部分から反射された放射光線の強さと、放射源によって放たれた放射光線の強さの比を測定することができ、前記比でウエハの反射率と相互に関係する校正曲線を生成し、及び/または選択的に、校正曲線からウエハの反射率を決定する。
【0014】
他の観点によれば、本発明の装置と方法は、概して外れた位置でのウエハの反射率の測定中と同じウエハの温度で、本来の位置での反射率の測定中の加熱室内のウエハの温度を維持する。
【0015】
他の観点によれば、本発明の装置は、ウエハの部分を積分球(integrating sphere)を用いて放射源からの放射光線(または放射エネルギー)よって照明し、ウエハから反射された放射光線を集め、ウエハによって反射され、かつ放射源によって放射された各放射光線の強さを測定し、反射された放射光線と放射源からの放射光線の測定された各放射光線の強さにおける選択された数学的関係を決定する。そしてこの数学的関係を用いて、ウエハの反射率と関連する校正曲線を生成する。それから、本発明の装置は、校正曲線からウエハの反射率を決定する。放射源によって放たれた放射光線は、チョッパのような適当な構成によって変調される。
【0016】
さらに他の観点によれば、本発明の装置と方法は、放射源を備える加熱室内でウエハを照明することによって、また、検出器を備える加熱室内でウエハから反射される放射光線の強さを測定することによって、加熱室内のウエハの反射された放射光線の強さを決定する。検出器は反射された放射光線の強さに比例する出力信号を発生する。また、本発明の装置は、加熱室内のウエハの反射率を、加熱室内で測定されるウエハの反射された放射光線の強さと関係付け、そしてR=K△VW
(ここで、Rは加熱室内のウエハの反射率、Kは比例定数、△VW =加熱室内のウエハから反射された放射光線の強さ)によって加熱室内のウエハの反射率を決定する。
【0017】
さらに他の観点によれば、本発明の装置と方法は、熱処理装置の加熱室中のウエハをスイープ(sweep)することによって比例定数Kを決定し、また、走査中のウエハから反射された放射及び加熱室の外側で決定される反射率から比例定数Kを決定する。
【0018】
選択的な観点によれば、本発明の装置と方法は、比例定数Kから処理中のウエハの反射率を計算し、処理中のウエハから反射された放射光線の強さを測定し、そして、反射された放射光線の測定値と比例定数から、実時間のウエハ反射率を決定する。本発明の装置は、処理中のウエハ反射率からウエハの放射率を決定する。
【0019】
他の観点によれば、本発明の装置と方法は、加熱室内のウエハの位置に独立して、測定した反射された放射光線の強さの関数として、ウエハの反射率を決定する。
【0020】
さらに他の観点によれば、本発明の装置は、加熱室中でウエハをスイープし、あるいは移動させ、また、選択的にはウエハのスイープ中、実質的にウエハを加熱せず、同時に、加熱室内の1つあるいはそれ以上のウエハの位置で、ウエハから反射した放射光線の強さを測定する。本発明の装置は、測定中、放射光線の強さ及び関連するウエハの位置を記憶する。本発明の装置は、また、加熱室内の1つあるいはそれ以上のウエハの位置で、ウエハから反射した放射光線の強さを測定し、処理中のウエハの反射率の決定を容易にするために、比例定数Kを計算する。
【0021】
他の観点によれば、本発明の装置と方法は、加熱室内にウエハが配置される時、ウエハを照明するための放射源を提供し、ウエハがそこを通って移動するように検出器を備えた加熱室内のウエハからの全放射光線を検知し、あるいは測定する。本発明の装置は、ウエハからの測定された全放射光線を、ウエハ以外の他の放射源から生じる放射光線と関係付け、測定された全放射光線から前記ウエハ以外の他の放射源から生じる放射光線を差し引くことによって、ウエハからの放射量を決定する。本発明の装置は、処理中、ウエハの放射率、及びウエハの放射光線から、ウエハの温度を決定する。
【0022】
他の観点によれば、本発明の装置と方法は、熱処理装置の加熱室の外側からワークピースの反射率を直接的に決定することによって、また、熱処理装置の加熱室内で、処理中、ワークピースの反射率を決定することによって、熱処理装置の加熱室内で処理中、ワークピースの反射率を決定する。
他の一般的そしてより特別な目的は、以下の図面及び記載から、明瞭であり、明らかであろう。
【0023】
本発明の前記及び他の目的、特徴及び利点は、以下に付された図面(異なる図でも同一部分は同一符号が付されている)及び記載から明らかであろう。
図面は本発明の原理を説明するが、大きさを示すものではなく、相対的な大きさを示している。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明は、処理中の半導体、あるいはシリコーンウエハのようなワークピースの放射率および温度を決定するための装置および方法に向けられている。本発明は、熱処理装置の加熱室の外側で、ウエハの反射率を最初に測定し、それから熱処理装置の加熱室内で処理中にワークピースの反射率を決定することを提供する。本発明は、高処理量の熱処理炉において正確な放射率の測定を、実時間で達成する。本発明は、熱処理中に固体物の特殊なパラメータを決定するのに、広く適している。明瞭とするために、固体物は以下では半導体ウエハとして記載され、そして、所望のパラメータは、反射率、放射率、及び温度である。ここで教示される点を考慮して述べられる以外のパラメータを決定するための説明される装置は、関連のある分野の通常の技術で容易に適用されるであろう。
【0025】
図1は、本発明の教示に従う温度測定装置10を描いたものである。図示された装置10は、ウエハを載置し、そこから反対に取り除き、そして、公知技術に従って照明ステージ18へ移動するのに適しているウエハハンドラ12を含む。照明ステージ18は、放射源あるいは光源30からの放射光線で、ウエハを一様に照明するために、使いやすく、容易に操作しうるステージを提供する。明瞭にするために、「光源」という用語は、以下に記載される波長のような使いやすい、かつ適当な波長を発生する源として定義されて、ここでは使用される。光源30は光ビーム24を発生し、それは照明ステージ18に導かれる。この光ビーム24は、ウエハの後方部分のような、部分を照明するために使用される。照明ステージ18は、ウエハの実質的に一様な、半球照明を達成するように構成されている。記載されているような光源30は、何らかの特殊な波長の範囲の放射光線を生じるが、好ましくは、可視波、赤外線、マイクロウエーブの波長である。よって、図示の装置10で用いられる光源30は、本発明に従うウエハの1つあるいは多くのパラメータの正確な測定を達成することと一致する、何らかの放射源を広く含むことを意図している。
【0026】
照明ステージ18内でウエハによって反射された照明は、光ファイバーケーブル組立体のような、いずれかの適当な光学路によって捕らえられ、検出器42に導かれる。検出器42は、光信号を適当な電気信号に変換し、この電気信号は制御ステージ50に接続される。光源30は、また、光学路28に沿って検出器40へ送られる基準ビームを発生する。検出器40は、次々と制御ステージ50へ送られる電気信号を発生する。制御ステージ50は適当な操作を行い、検出器40及び42から受け取った信号から、照明ステージ18内でウエハの反射率を決定するために、受け取った信号と記憶されたデータを処理する。
【0027】
更に図1を参照して、照明ステージ18でのウエハはウエハハンドラ12のような適当な方法によって、処理ステージ22へ移送される。処理ステージ22は、適当な熱処理炉であり、特に本発明の教示と両立するウエハの急速加熱、ウエハの高処理量を達成するために適した急速熱処理炉である。処理ステージ22は、アニーリング、拡散、酸化、及び化学蒸着法のような、ウエハへの種々の半導体製造処理を行う。処理中に、ウエハは光源31からの、放射路あるいは光学路32に沿って進行する光線で照明される。処理中、ウエハから反射された光線は、適当な光ファイバー組立体によって捕らえられ、検出ステージ36へ光学路34Bに沿って送られ、光学路34Aに沿って制御ステージ50へ向けられる。図示の検出ステージ36は、光信号を制御ステージ50によって処理するのに適した電気信号に変換する。
【0028】
本来の位置あるいは加熱室内でのウエハの照明は、装置の残りの物とともに、処理中、いつでも半球方向の反射率Rを決定するために設計されている。また、この測定された反射率は、以下に記述される公知の計算式にしたがって、処理中に放射率を決定するために用いられる。明瞭にするために、ここで「反射率」という用語は、反射率及び反射度が、互いにとりかえ可能な用語として用いられる。
【0029】
また、図示の制御ステージ50は、フィードバック結合52を経由してウエハハンドラ12と、また、フィードバック結合54を経由して処理ステージ22と、それぞれフィードバック接続されている。よって、制御ステージ50は、図示の装置の動きを所望のように、制御あるいは調整するために、処理ステージ22及びウエハハンドラ12を制御可能である。
【0030】
制御ステージ50は、好ましくはメモリモジュール、プロセッサ、およびAD変換器のような変換器を含み、反射率、放射率およびウエハ温度を決定するために受け取る信号を処理するばかりでなく、検出器40,42からのような他の装置の要素から、アナログおよびデジタル信号を受け取ることを容易にする。
【0031】
再び図1を参照すると、検出ステージ36は処理ステージ22内で放射あるいは放射性フラックスを測定するように適合される。検出ステージ36は、処理ステージ22から光学信号を受け取り、受け取った光学情報に比例する信号を出力する。制御ステージ50は、ウエハから放射された放射性フラックスを決定するために、検出器40、42からの信号ばかりでなく、光学路34Aに沿って受け取った信号と検出ステージ36から受け取った信号を用いる。よって、装置10のこの部分は、検出ステージ36及びあるいは検出器40,42によって受け取られる迷光あるいは漂遊放射光線(例えば、ウエハ以外の物からの放射光線)の量を決定するために用いられる。
【0032】
図2及び図3は、ウエハの本来の位置での放射率を測定するために用いられる図示の装置10の要素を図示している。特に、図は、まず加熱室の外れた位置でウエハ反射率を決定し、次に本来の反射率を外れた位置での反射率と関係付けるあるいは相関させる装置10によって用いられるサブシステムを説明している。放射フラックスから温度を正確に推定するために、ウエハ放射率を知らねばならないということを、通常の技術で容易に認識されるであろう。半導体の処理のために、ウエハの裏面の放射率は、表面仕上げ、裏面フィルム及びウエハ温度の複合関数で表される。この装置において、処理中、特に急速な熱処理装置においてウエハ裏面の実時間の放射率を測定可能とすることが望ましい。図示装置10の目標は、ウエハ処理中、ウエハ裏面の放射率εを測定することである。これは、ウエハ裏面のスペクトルの半球状に照射されるウエハの反射率を決定することによって、以下の式を適用することにより達成される。
ε(Tw)=1−R(Tw) (1)
このウエハの反射率は、ウエハを一様に、そして半球状に照明することによって、同時に、放射率が測定されることが望ましい方向に反射したエネルギを集めることに伴って、このステージで測定することができる。代わりに、ウエハは、選択角θを有する特別の方向に照明されることもでき、そして、全半球状に反射したエネルギを集める。前記式は、ターゲットがパイロメータ波長において不明瞭であることを要求する。式1は、もしターゲットがパイロメータ波長において不明瞭であるときのみ、有効である。
【0033】
図1及び図2の装置10は、最初に放射光線により半球状に照射されるウエハの反射率の外れた位置での測定を行う。特に、図2は、熱処理装置の加熱室の外側で、ウエハの反射率を測定するための照明装置18を示している。明瞭にするために、この熱処理装置における加熱室の外側で起こるものとして外れた位置での反射率測定を記述しており、これは当業者であれば、容易にわかることであるが、熱処理装置は、何らかの選択された多くの付加的な室を、反射率測定をなすために有する構造とされている。もちろん、このような装置における実際的な制約として、極端に複雑な設計や大きさの炉を設けることになり、半導体製造設備のクリーンルーム内でこのような装置の配置を禁止する。
【0034】
図2に示されるように、光源30は選択された周波数で光を変調するための、光学チョッパ58のような変調器を通過する放射光線を発生する。光源は、安定なタングステンハロゲン光源であってもよい。チョッパ58を通過する放射光線は、光ファイバーケーブル24のような、何らかの適当な光学路に沿って、積分球62へ導かれる。積分球62はウエハWの裏面の部分を、一様に、半球状に、かつ概略、完全に照明する。図示装置において、積分球62は光源30及びチョッパ58から変調光を受けるため、ケーブル24の範囲内に配置される選択された表面に沿って開口を有する。積分球62は、その内表面に沿って高度に反射性と拡散性であり、それ故、ウエハの部分を一様にかつ半球状に照明するために、積分球内に放射光線を反射する。図示のウエハWは、積分球62によって発生した一様な照明を受けるための、選択された開口上にある。ウエハによって反射された光は、適当な開口を経由して積分球62の内部室と通じる光ファイバー26によって集められる。この離れた位置での測定ステージの間、ウエハWは適当な低温におかれるか、あるいは維持される。ここで使用される「低温」とは、好ましくは、ウエハが熱処理装置の加熱室内で基本的に処理される温度より低いことを含み、約−200℃と約1100℃との間、好ましくは、約10℃と約100℃との間、最も好ましくは、約20℃と約30℃との間である温度を含む。ウエハは、好ましくは約150℃と約1200℃の間の範囲の温度で処理される。
【0035】
光ファイバケーブルは、反射されたウエハの放射光線を集めるのを助けるための何らかの適当な光学要素を含むことができ、その光ファイバケーブルによって集められた放射光線は、VW として示される電気的出力信号64を作るために、検出器42に導びかれる。チョッパ66を通過する光源の光強さは、光ファイバケーブル28を使用して測定され、Vref として示される適当な電気的出力信号66を作るために、第2の光検出器40に導かれる。電気的信号VW とVref は装置内で異なる電圧に相当する電圧信号である。特に、VW は、ウエハ裏面から反射された放射光線に相当する電圧波形を明らかにするものである。電圧信号Vref は、光源30によって発生し、放射された光に相当するものである。チョッパ58は、このステージで変調された、あるいは細切れの光を産み出すために使用され、この光は光検出器40,42あるいは装置10内の固有のノイズ、あるいは直流オフセットを調整することを助けるものである。適当な光検出器は、標準的な光検出器を使用できること、好ましくは、アメリカ合衆国カリフォルニア、ニューフォーカスのシリコーンフォトダイオードであることは、当業者であれば容易に理解できる。好ましい実施形態によれば、光検出器40,42は、図3のパイロメータとして同じスペクトル帯でのみ放射光線を通す、所定のフィルタを備える光学円柱を有する。出力電圧信号VW とVref は、アナログデジタル(A/D)変換器68へ導かれ、アナログ電圧信号64,66を適当なデジタル信号に変換される。図示のアナログデジタル変換器68は、制御ステージ50の部分を形成し、あるいは制御ステージ50から分離した要素である。アナログデジタル変換を果たすために使用され、同時にここに記述された目的のための出力情報を使用する要素の多くの配置は、通常の技術で容易に認識されるであろう。
【0036】
積分球62に供給される放射光線は、チョッパ58によって変調され、それから検出器40,42へ移されるということは、当業者であれば理解できるであろう。検出器は一般的には、積分球62からそこに伝搬される光のない状態で、残余の背景放射光線に相当する出力信号を発生する。この検出器の出力信号の部分は、検出器出力の電圧最小値を決める。放射光線が光源30から積分球に導かれる時、検出器は背景放射光線、及び積分球からそこに導かれた放射光線の双方に相当する最大出力信号を発生する。検出器40,42は、積分球からの放射光線と同時に背景放射光線の双方に相当する最大出力電圧信号を発生し、また、概して背景放射光線のみで発生する最小出力電圧信号を発生する。最大電圧信号と最小電圧信号の差は、概して積分球内の光に相当する。チョッパは、検出器出力信号のノイズ(例えば、最小出力電圧信号)として明白である背景放射光線を取り除くのを助けるために使用される。本発明の教示によるウエハ電圧VW は、選択された期間にわたって、検出器出力信号の最大値と最小値の成分の差を、平均することによって決定される。
【0037】
制御ステージ50は、以下の式にしたがって、電圧信号64,66の電圧出力の信号比を決定する。
【数1】
前記比がハードウエアあるいはソフトウエアのどちらかで決定されることは、当業者であれば容易に理解できるであろう。離れた位置でウエハ反射率を測定する前に、前記電圧比に半球状に照射されるウエハの反射率を関係付ける校正曲線が、従来知られている多くの標準的な反射率の比を測定し、そして、電圧の数学的関数を発展させて校正点に最も適合する曲線を合わせることによって達成される。校正曲線は、制御ステージ50内のメモリに記憶され、あるいは予め記憶されている1つあるいはそれ以上のサンプル測定値の集合である。校正曲線は、それから、選択された低温度でウエハ反射率を決定するために使用される。特に、半球状に照射したウエハ反射率は、以下の方程式を使用することによって決定される。
【数2】
本発明の放射率測定装置における重要な特徴は、熱処理炉の加熱室の外側でウエハを一様に照明する照明ステージ18を備えることである。このステージは、ウエハの熱処理より前に加熱室ハウジングの外側のウエハ反射率を容易に決定するようにする。放射率測定装置は情報を記録し、それから、ウエハが加熱室内に置かれた時、この情報をウエハから反射された反射線の強さと関係付ける。これは、以下に詳細に記述されている。
【0038】
図1から図3を参照すると、ウエハハンドラ12が、本来の位置で放射光線測定をするために、ウエハWを照明ステージ18から処理ステージ22へ通す。処理ステージ22は、選択された温度でシリコーンウエハの熱処理のために適用される、何らかの適当な熱処理炉である。好ましい実施形態によれば、処理ステージ22は、アメリカ合衆国、イートン熱処理システムズによって、サミット(Summit)あるいはリライアンス(Reliance)の名で販売されている急速熱処理炉である。サミットデザインシステムは、高い繰り返し能力と、比較的メンテナンスの必要性が低く、一様な結果を達成する単一ウエハの炉であるので、特に有利である。この熱処理炉は、複数のランプバンクの代わりに、単一ウエハ処理のための「ホットウオール(hot wall)」垂直処理室を使用することによって、温度勾配を引き出している。このホットウォールシステムは、図示されない炉の頂部に、3つのゾーンの抵抗ヒータモジュール、及び図示されない室の底部に冷却システムを使用しており、それによって、処理室の頂部から底部への温度勾配を生成している。加熱室あるいは固定された炉の温度プロファイルで、所望の温度は処理室内でウエハの位置を単に調整するのみで達成される。装置の温度ランプのアップ/ダウン率は、ウエハが加熱室内の温度勾配中で垂直に移動される速度によって制御される。離れた位置での反射率測定後、ウエハを良い状態にするために、炉22に加えて、1つまたはそれ以上の加熱あるいは冷却ステージが提供されることも、当業者であれば理解できるであろう。
【0039】
図3の処理炉22において、シリコーンカーバイドあるいは石英ベルジャー70は処理室あるいは加熱室74を形成し、それは一定あるいは連続加熱源として使用される。ここで「連続」の用語は、温度及び加熱表面エリアの双方においての連続を含んでいることを意図している。ベルジャー(bell jar)の頂部は、図示されない抵抗ヒータモジュール内に密閉されており、ベルジャーの底部は、図示されない冷却水移動室と接触することによって冷却される。処理室74の頂部から底部への円滑な温度勾配は、実質的に黒体ラジェータに近いベルジャーの頂部で、形成される。急速な温度ランピング操作は、何らかの適当なウエハエレベータによって加熱室内で垂直にウエハを移動させることによって、また、ウエハを移動室から処理室74内の所望の処理温度に相当する位置まで、急速に引き上げることによって達成される。ウエハは処理室内で冷却水移動室の後部に垂直に下げられ、冷却される。処理室内でウエハを上下する割合の選択は、ウエハの加熱と冷却の割合を決定する。
【0040】
下記に説明するように、パイロメータ96はウエハ温度を測定するために使用される。ウエハを急速に加熱するために、意図されるウエハの温度よりも高い温度を有する加熱源を使用することが必要である。この設計において、加熱されるベルジャーは、ウエハの所望の最高処理温度以上の約200℃である。加熱源の比較的広い面積は、処理中のシリコーンウエハを急速に加熱することを可能にする。好ましい実施形態において、加熱源の安定した状態条件と、加熱源とワークピースの間のより小さな温度差は、一様な処理結果を達成し、同時にスリップラインの発生を避けることに寄与する。
【0041】
図3を参照すると、ウエハWは熱処理装置22の加熱室74内に配置されている。ライトパイプ78は、放射源あるいは光源31によって発生され、そして光ファイバーケーブル32によって運ばれる放射光線を、ウエハWの裏面に照明するために使用される。さらに加えて、光源31と変調器(モジュレータ)58は、光源30の周波数とは、好ましくは異なった、選択された周波数fで細切れにされた光で、光ファイバ束を照明するために使用される。もし、出力された放射光線が、その使用上の周波数とは異なった周波数で細切れにされるなら、単一の光源が2個の光源30,31の代わりに用いることが可能であることが、当業者であれば理解できるであろう。ライトパイプ78は、処理室内かつウエハの裏面の方で上方に向けられる。ウエハの裏面から反射される全ての放射光線あるいは放射フラックスは、ベルジャー70の処理室74と共動する光学組立体を使用して集められる。光学組立体は、エレベータ管84の頂部のような処理室内に配置される、サファイアレンズのようなレンズ82と、エレベータ管84の底部に配置された石英レンズ86とを含む。管とレンズ組立体は、ウエハWから反射され、光ファイバーケーブル34Bによって受けられる放射光線を集めて、集光する。エレベータ管84及び関連する構造は、処理室74を通して垂直にウエハを移動し、あるいは運ぶことに役立つ。光パイプ78はウエハが処理室74内にあるとき、ウエハの裏面に放射光線を向けて照明する。しかし、処理室の環境において、エレベータ管組立体と他の装置は同調し、ライトパイプ78は、ウエハ裏面に一様に、完全に、かつ半球状に照明する。
【0042】
図7A、7Bは、本発明の教示にしたがって図3のライトパイプ78の構造を示すものである。ライトパイプ78は光ファイバーケーブル32の一端末部に結合される固体石英パイプである。ライトパイプの末端部は、選択された角度θでカットされている角をそいだ端部78Aを有する。好ましい実施例によれば、θは約45度に等しい。光パイプ78は適当なファスナ171によって光ファイバーケーブル32に取付けられる。ライトパイプ78は、ライトパイプ内を進行し、上方向にはねる散乱放射波に適した、光学的に粗い表面を形成する、底表面162にそって形成された平らな表面部160を有する。平らな表面部160の底面図は、図7Bに描かれている。特に、底面162は、ライトパイプ78に形成された平らな表面をはっきりと描いており、使用中、上方に光を散乱するように配置されている。
【0043】
図示の光パイプは、好ましくは選択された部分173で曲げられており、選択された曲率半径Rを有している。この曲率半径は、ライトパイプの曲がった部分で光の損失量を最低にするために、光パイプの半径Dに関連して選択されるということは、従来の技術から理解されるであろう。一般的な、幾何学的な関係は、ライトパイプの径より約4倍大きい径とされることを含み、数学的には
【数3】
として表される。
【0044】
活動中、光源31によって発生された放射光線170は、ライトパイプ78を進行し、曲がった部分173を通り、末端部に達する。光学的に粗いあるいは平らな表面163で跳ね返る放射光線170の選択された部分162は、ライトパイプ中、上方に散乱する。光学的に粗い表面によって散乱されない光線170の他の部分は、パイプ78の角がそがれた端部78A上で跳ね、そしてライトパイプを通って、上方に反射される。
【0045】
光学組立体によって集められた全放射光線は、ウエハから放たれた放射光線、ウエハから反射したベルジャーから放たれる放射光線、及び光源31から光パイプ78を通って処理室74に導かれる放射光線を含む。図示のケーブル34Bは、光検出器90へケーブル34Bに沿って進行する光学的情報の一部、及びパイロメータ96へ残りの光学的情報を運ぶ二股に分かれた光ファイバーケーブルである。光検出器90及びパイロメータ96は、好ましくは、同じ光学円柱を含み、図2の光検出器40,42として同じ光学的フィルタを含む。図示された装置の検出器として、パイロメータ96の使用は、比較的、早いレスポンス、そして広い温度範囲で、非接触の測定をする利点がある。しかし、パイロメータは低温の感度が不足することを示すばかりでなく、ウエハWの放射率及び移動に依存することが知られている。図示のパイロメータ96は、好ましくは約0.95μmを中心とするスペクトル帯で動作する。これは、シリコーンウエハが、この波長で非透過あるいは不透明であるためである。この波長範囲でのパイロメータの動作の利点は、ベルジャーからの真の放射光線がウエハを通り、そしてパイロメータで跳ね返るということである。他の利点は、ウエハが動作波長で不透明であるとき、式1は信頼しうるということである。
【0046】
図示の光検出器90は、ケーブル34Bに沿って進行する光学的情報の一部を受け、光学組立体によって反射される及びウエハによって反射される放射フラックスの強さに比例する、時間によって変化する電圧信号を発生する。光検出器90は、放出された放射光線、迷光放射光線、及び変調放射光線を含むウエハからの全放射フラックスに比例する電圧信号を出力する。その出力信号は、チョッパ周波数を含まないフィルタおよび電圧信号であり、ロックイン増幅器98によって受け取られる。ロックイン増幅器98は、かわるがわるウエハから反射した変調放射光線の強さに比例する信号ΔV を出力する。電圧出力信号は、制御ステージ50のコンバータ68によって受け取られる。
【0047】
図3をさらに参照すると、光学路34Bに沿って進行する光学的情報の一部は、パイロメータ96に運ばれ、それはRS232シリアルリンクによるような、何らかの適当な通信路を経由して制御ステージ50に伝えられる。エレベータの位置zに相当する装置の情報は、コンバータ68に直接、ケーブル34Aに沿って運ばれる。ウエハ裏面で跳ね返る放射光線の強さおよび角度分布は、処理室74内で垂直方向のウエハの位置を変更するということに、注意することが重要である。よって、パイロメータは各垂直位置で異なる信号を出力する。さらに、ウエハは炉内で支持されるので、室内でウエハを一様に照明することができる光学組立体を取り付けることは、概して困難である。よって、室内74でなされる放射光線測定は、ウエハ反射、したがって放射率を適当に決定するために必要な、概して、半球状及び一様な照明特性を満足しない。
【0048】
上述した本来の位置での照明技術を含む図示の装置10は、ウエハの反射率および放射率を正確に決定するために、一様で、かつ半球状の照明の要求に近づくことはできない。よって、装置は本来の測定から、室74内でのウエハの反射率を直接、決定することはない。むしろ、図示装置10は以下の式に従って、本来の位置での反射率RがΔVWに比例するという仮定によって、処理中、いつでもウエハの反射率を決定する。
R=KΔVW (4)
制御ステージ50は、それ故、本来の位置での反射率Rを、比例定数Kによってウエハ放射フラックスΔVと関係付ける。
【0049】
図示の放射率測定装置10は、処理室74内のウエハを置き換えることによって、比例定数K、よってウエハの反射率を決定する。ウエハWは、照明装置18内にあって、離れた位置での半球方向の反射率を決定するとき、概して、低温のままである。好ましい実施例によれば、ウエハは、離れた位置で測定処理中、室温であり、処理室(加熱室)74内に置かれるときも、また、室温である。ウエハに有限の熱量を与えるために、熱処理装置がウエハを加熱するのに有限の時間がかかる。ここに図示した装置10は、急速に処理室内でウエハを垂直に移動し、あるいは「スイープ(sweep)」する。同時に、スイープ中、実時間でΔVW ,I tot 及び垂直位置Zを測定し、記録する。そして、装置10は、電圧値と垂直位置の表を作成する。一実施形態によれば、スイープ中、装置10はウエハを十分に加熱する必要はなく、それゆえ、ウエハは、照明ステージ18内であるときと、概して、同一温度で配置されている。一実施形態によれば、ウエハは、スイープ中ただ名目上、加熱され、好ましくは、30℃から150℃の間で加熱される。しかし、処理室74にウエハが導入されるより前に、ウエハの離れた位置での半球方向の反射率後、ウエハの温度が上下され得ることは、当業者であれば理解できるであろう。さらに、装置は、ウエハが室内74内に配置されるとき、ウエハを加熱するように作動させることができる。ウエハ温度は、スイープ時、室温から十分に離れないので、離れた位置でのウエハ反射率は、本来の位置でのウエハ反射率と等しくされ、R=R0(R0は積分球62を使用して測定された半球方向の反射率である)であることが知られる。比例定数Kは、以下の式によって決定される。
【数4】
【0050】
一度、比例定数Kが決定されると、装置10は残りの処理の間中、ウエハ反射率を決定することができる。よって、装置10は、式4及び式5に従って、処理室74内あるいは本来の位置で測定された反射率と、照明ステージ18内で測定された半球方向の反射率とを関係付ける。特に、半球方向の反射率、よってウエハの放射率は、以下の式によって処理中、いつでも決定できる。
【数5】
【0051】
基本的な仮定は、半球方向の反射率は、ΔVWに一次的に比例するということである。比例定数Kは、ウエハのスイープ中、決定されるので、ウエハ反射率を決定するために、処理中に使用することができる。本発明の重要な利点は、本来の位置での反射率測定のために、一様な半球状照明の条件を満足しなくても、室74内の半球方向の反射率の決定が可能であるということである。
【0052】
図示装置50は、以下に詳述するように反射光あるいは迷光を補正し、そして、ウエハ温度を決定するあるいは推定するために測定されたウエハ放射率とを結合して、パイロメータ出力信号Itotを得る制御ステージ50内での処理によってウエハ温度を決定することができる。パイロメータの出力信号及び放射率からウエハ温度を決定するための方法は、公知の技術であるということは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0053】
図4及び図5は、本発明の放射率測定装置の概略フローチャート図である。操作において、制御ステージ50は、ステップ102で、照明ステージ18内にウエハを置くようにウエハハンドラ12に指令する。光源30は、もし、望まれるならば変調し、ウエハ18の裏面で跳ね返る放射出力を発生する。特に、光源30は、ステップ104で、ウエハの部分を一様に、且つ半球状に照明するために積分球62へ変調された放射光線を導入する。ウエハから反射された放射光線は、ステップ106で、光ファイバーケーブル26によるような、適当な光学構造によって集められる。光源30によって発生され、放出された放射光線は、ステップ108で、検出器40によって測定される。検出器42は移動ライン64に沿って出力信号VWを発生し、検出器40は移動ライン66に沿って電圧信号Vrefを出力し、両ラインは制御ステージ50へ出力信号を伝える。制御ステージ50は、それから、ステップ110で、比VW/Vrefを決定する。ステップ112のように、装置10は予め決められた校正曲線を使用して、ウエハ反射率を決定する。この校正曲線は、ウエハが選択された低温で、室内に置かれる前に決められている。図示装置10は、第1の選択された温度で配置される間、ウエハの離れた位置での半球状に照射されるウエハの反射率を決定する。
【0054】
図5を参照すると、制御ステージ50は、ウエハWを照明ステージ15から処理ステージ22へ運ぶ。ウエハは、適当な垂直支持組立体に載せられ、そして処理室74内へ配置される。ステップ116で光源31は、光パイプ78および光ファイバーケーブル32を通して、ウエハWを照明する。処理室74内の放射フラックスは、検出ステージ36、特に、パイロメータ96,および光検出器90によって測定される。光検出器によって発生する信号は、出力信号ΔVWを発生するために、ロックイン増幅器98に通される。これはステップ118,120に述べられている。同時に、装置10はステップ122で、処理室74内でウエハWの位置を決定する。さらに、装置10はステップ124で、処理室74内でパイロメータ96により放射フラックスを決定する。装置10は、ステップ126で、処理室74を通してウエハWを垂直方向にスイープし、ウエハの放射フラックスおよび垂直位置を測定する。ステップ128で、装置10は、ウエハのスイープが完了しているかどうかを決定し、完了していなければ、ステップ116へもどり、もう一度、処理を開始する。もし、ウエハのスイープが完了していれば、制御ステージ50は比例定数Kを決定するために関数K(z)を発生し、そして、ステップ130,132にしたがって、加熱処理中、実時間で、ウエハの垂直位置Zおよび検出器出力Δ W を測定する。装置は、ステップ134で、ウエハから反射した放射光線の強さΔ W (例えば、本来の位置でのウエハ反射率)を、式4に従う照明ステージ18内で測定された外部反射率とを関係付ける。ステップ136から140で、装置10は迷光成分を決定し、以下に詳述するように、パイロメータ96の出力信号96を使用して、前記成分を校正あるいは補償する。装置10は式1に従って、ウエハ放射率を決定し、この情報から熱処理中の実時間でのウエハ温度を決定する。
【0055】
パイロメトリーにおける通常の問題は、パイロメータへ漂遊放射光線あるいは迷光が入り込むことである。ここで、「迷光」の用語は、ウエハから反射される放射を含み、また、ターゲットウエハのような、ワークピース以外の他のものから生じる放射を含むことを意図している。従来の装置は、この光放射成分を測定しようとしたけれども、現在の熱処理装置の放射率測定に合うような、満足な正確度ではなされなかった。本発明の重要な利点は、正確に、実時間でパイロメータによって迷光成分を決定することであり、それによってウエハ放射率を正確に測定するための装置を可能にする。
【0056】
図1から図3で説明したように、ウエハは熱処理炉の処理室74内に置かれる。ウエハは、最初に処理室74に導入されるとき、室温のような選択された低温で配置され、ウエハから放たれる放射光線の強さは無視しうるものとみなされる。それ故、パイロメータによって集められる全放射光線(Itot)は、全放射光線の迷光成分であるとみなされて、これが測定され、装置10によって記録される。特に、パイロメータ96によって測定される処理室74内の全放射フラックスは、ウエハから放たれた放射フラックスと付随しかつウエハから反射した他の物から放たれた放射フラックスの和からなる。パイロメータ96の出力信号あるいは光検出器電流は、受け取る放射フラックスに線形的に比例し、それによって、放射フラックスは以下の式により、パイロメータの出力電流信号に関係付けられる。
I tot= I W + I SL (7)
ここでI W はウエハによって放たれた放射光線に関するパイロメータの出力信号の部分に相当し、I SLはウエハ以外の物から放たれた放射光線及びウエハから反射された放射光線に相当するパイロメータの出力信号である。信号のこの部分は、ウエハによって放たれたのではないが、室74内にある放射光線、他の物からの放射光線や、光源30からの放射光線を含む。よって、一度、信号の全部の反射された放射光線部分が決定されると(ウエハが放った放射光線ではない)、それは全放射フラックスから差し引かれて、放たれた放射フラックスの正確な測定をもたらす。図3を参照すると、光ファイバーケーブル34Dは、光検出器90及びパイロメータ96に放射光線を伝搬している。パイロメータ96は、選択された放射フラックスおよび受け取られた放射フラックスに一次的に比例する出力信号Itot を測定する。パイロメータは実時間で放射フラックスを測定し、出力信号を選択されるリンク上で制御ステージ50に伝える。ウエハが処理室74内におかれるとき、装置10は、前述したように、装置が室内放射光線(例えば、パイロメータの出力電流信号)およびウエハの垂直位置を測定している間、室内でウエハをスイープする。もし、ウエハが室温のような選択された低温であると、放射光は全室内放射光線に関して意義がなく、よって、パイロメータに付随する放射光線は、ウエハから反射された放射光線のみからなり、そして、ウエハから放たれた放射光線を含まない。この光学的情報は、制御ステージ50で記憶され、次に処理中、全フラックスΔVW の迷光成分に対して補償し、あるいは補正するために用いられる。
【0057】
ウエハから反射し、パイロメータの出力信号で明示された放射光線の強さは、付随する放射光線の強さとウエハ裏面の一般的に反射率に比例する。本発明は、特別なウエハ部分での付随する放射光線の強さが、処理中に大いに変化しないということを仮定している。本発明によって使用される熱処理炉は、本発明にしたがって迷光成分を決定するために要求される一定の加熱源として機能するので、処理室74内での熱勾配は、この要求を満足させる。処理ステージ22内でウエハの加熱処理中、反射された放射光線の大きさは、以下のように説明される。
【数6】
ここでISL,O はスイープ中に測定された漂遊放射光線の強さである。ウエハによって放たれた放射光線の強さokfは、式7,8に従って、決定される。ウエハによって放出された放射光線の強さは、
【数7】
によって表される。ここで、SLは迷光あるいは漂遊放射光線を意味する。式8,9から装置10は、ウエハの放った放射光線の強さおよびウエハの反射率を決定する。検出ステージ36によって受け取られた放射光線は、その迷光成分の点で補償され、測定された半球方向の反射率は、従来技術にしたがってウエハ温度にかわるがわる関係付ける式1に従って、制御ステージによってウエハ放射率に関係づけられる。
【0058】
図6を参照すると、ステップ140で、装置10は、熱処理装置内のウエハを照明することによって、処理室74内の放射フラックスの迷光成分を決定するために操作される。装置10は室内の放射フラックスをパイロメータに送り、そこで受け取られた放射フラックスを示す出力信号(例えば、フォトダイオード電流信号)を発生する。この情報は、制御ステージ50へ送られ、記録される。装置10は、室74内でウエハの垂直位置を記録し、パイロメータによって、その位置で測定される放射フラックスをこの位置と関係付ける。その位置でウエハから反射される放射量は、室内のウエハの垂直位置にしたがって変化するということは、当業者であれば理解できるであろう。これは、ステップ142から146に述べられている。
【0059】
装置10は、ウエハスイープが完了しているかどうかを決定し、もし完了していなければ、ステップ140に戻り、再び室内での放射フラックスおよびウエハ位置を測定する。もしウエハスイープが完了していれば、シリコーンウエハは選択された低温で放射エミッタンスがほとんどないかあるいはないと仮定されるので、装置はパイロメータによって受け取られた全放射フラックスをウエハ反射光と関係付ける。ステップ152から154で、装置は次にISL,O (z)を決定し、ウエハ垂直位置zおよびパイロメータ出力信号Itotを測定し、記録する。全放射フラックスと前記値の測定から、装置10は処理室74内の放射の全放射光線の強さを決定する。これはウエハの熱処理中、装置によってなされる。装置は次に反射率及び放射率の測定に合わせて、処理中、実時間でウエハ温度を決定するために、この情報を使用する。これは、ステップ156から158に述べられている。
【0060】
本発明の重要な利点は、選択された室温でウエハの放射エミッタンスは無視しうるという仮定によって、装置10内の迷光成分を正確に決定し、次に補償することである。よって、パイロメータの出力信号は、装置の迷光成分に等しい。本発明は石英窓を使用せず、望まれない化学蒸着法を条件とする要素を提供しない。さらに説明された装置は、ウエハ放射率を正確に測定するために、特別に設計された石英管あるいはシリコーン管の使用を必要としない。
【0061】
本発明の他の重要な利点は、室74内でウエハの半球状照明を一様にすることを避けるために、離れた位置での反射率を本来の位置での反射率と関係付ける関連づけスキームを使用していることである。これは、非常に正確に、実時間で、現在の熱処理装置の放射率測定の要求を満足させる放射率測定装置を提供し、特に約±0.005の放射率測定の正確さを満足させることが可能である。
【0062】
本発明は、また、ウエハ以外の源によって発生される放射を、室74内で測定された放射フラックスに関係付ける、単純で洗練された設計を提供する。これは、説明された装置の要素でもって、処理室74内で放射光線を測定することによって達成される。
【0063】
図8は、本発明の熱処理装置における処理室内のウエハの位置に独立、すなわち、無関係である放射率測定装置の他の実施形態である。同様な部分にダッシュがついた同じ符号が付されている。処理ステージ160は選択された取付装置上にウエハWを載せる処理室162を形成する。もし室の壁が一定温度で加熱されるならば、前述の放射率及び迷光の測定の全てが、この実施形態の結合で使用される。動作上、光源31’からの放射は、ウエハの裏面への放射光線を伝搬するために、適当な放射導入開口163を介して、熱処理炉の室162へ向けられる。ウエハから反射された放射光線及びあるいは室内162にある放射光線は、光ファイバーケーブル34B´によって捕らえられ、パイロメータ96’あるいは光検出器90のいずれかに向けられる。熱処理装置は水平方向に配置されているので、ウエハ上の反射率及び温度の測定は、室内74’の垂直位置に独立である。よって、従前の教示に従って、ウエハは室74’に導入され、放射フラックスは前述の技術に従って、室内で測定される。もし、室が一定温度に維持されないならば、例えば、加熱ランプはオン、オフが繰り返され、前述の放射率測定技術がこの実施形態の結合で使用される。
【0064】
この位置に独立した設計による重要な利点は、測定やウエハ加熱処理中、図3に示すようなウエハの垂直位置のような、選択された位置の監視や記録が必要とされないことである。
【0065】
さらに、他の実施形態によれば、図8の装置は、頂部と底部のホットプレートは、室を画定するため、また適当な熱処理装置でウエハを加熱するために備えられることができるように、変形可能である。この実施形態において、ホットプレートは、一定温度の加熱源として動作し、よって前述の全ての放射率及び迷光測定技術が使用される。前述の実施形態は、本発明の範囲の一部を含むものとみなされる。
【0066】
本発明は今までの記述から明らかにされる中で、目的を効率的に達するということは、理解されるであろう。本発明の範囲から離れずに前記構成において変更がなされるので、前記説明あるいは付随する図面に示されるものに含まれる全ての事項は、実例として解釈されるが、その意味を制限するものではない。
【0067】
特許請求の範囲は、個々に記載された本発明の包括的及び特殊な特徴、及び言語上の問題として抜けるかもしれない発明の範囲の記述を、全てカバーするものであることは、理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の教示に従う放射率測定装置の概略ブロック図である。
【図2】本発明の教示に従う図1の装置の、外側の放射光線を測定する装置の部分の断面図である。
【図3】本発明の教示に従う図1の装置の内部の放射光線を測定する装置の部分の断面図である。
【図4】 図2の装置の照明ステージでの、ウエハの反射率の測定を示す概略フローチャート図である。
【図5】外側のウエハ反射率と内側のウエハ反射率の関係と同様に、図3の装置の加熱室内の、ウエハから反射する放射光線の強さの測定を示す概略フローチャートである。
【図6】図1の装置の加熱室内で、全放射光線の迷光成分の測定を示す概略フローチャートである。
【図7】(A)、(B)は、図1の装置の加熱室内へ、放射源によって生じる放射光線を導くのに適したライトパイプの図である。
【図8】本発明の教示に従って、垂直熱処理装置の代わりに、図1の装置を使用するのに適した水平熱処理装置の図である。
【符号の説明】
12 ウエハハンドラ
18 照明ステ−ジ
22 処理ステージ
36 検出ステージ
50 制御ステージ
30,31 光源
40,42 光検出器

Claims (41)

  1. 熱処理装置(22)の加熱室(74)内で処理中に、半導体ウエハの放射率を実時間で決定する方法であって、
    前記熱処理装置(22)の前記加熱室(74)の外側で、放射源(30)からの放射光線によって均一にかつ半球状に照射されたウエハ(W)の反射率を測定し、
    前記ウエハが前記熱処理装置(22)の前記加熱室(74)内に配置されるとき、前記ウエハ(W)から反射される放射光線の強さを測定し、
    前記熱処理装置(22)の外側で測定された前記ウエハ(W)の反射率を、前記加熱室内で測定される前記ウエハから反射した放射光線の強さと関連付けるために、前記ウエハから反射された放射光線に相当する出力信号(V)と前記放射源(30)によって発生した放射光線に相当する出力信号(Vref)との比(V/Vref)を決定し、前記ウエハの反射率を前記比に関連付ける校正曲線を生成し、前記校正曲線から前記加熱室内の前記ウエハの反射率を決定し、
    前記熱処理装置内で決定される関連付けられた前記ウエハの反射率から、処理中に、前記ウエハの放射率を実時間で決定する、各工程を含むことを特徴とする半導体ウエハの放射率決定方法。
  2. 前記熱処理装置(22)の加熱室の外側で、前記ウエハの反射率を決定する工程は、
    前記熱処理装置の前記加熱室(74)内での熱処理より前に、半球状に照射された放射光線による前記ウエハの反射率を測定するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記熱処理装置(22)の加熱室の外側で、前記ウエハの反射率を決定する工程は、
    前記放射源(30)からの放射光線で、前記ウエハの一部分を均一に照明し、
    前記ウエハ(W)の前記一部分から反射された放射光線の強さを測定する各ステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記熱処理装置の加熱室の外側で、前記ウエハの反射率を決定する工程は、
    前記放射源(30)の放射光線の強さを測定し、
    前記ウエハ(W)及び前記放射源(30)の前記測定された放射光線の強さから、前記ウエハの反射率を決定するステップを、さらに含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記熱処理装置の加熱室の外側で、前記ウエハの反射率を決定する工程中、前記ウエハの温度を維持すると同様に、前記加熱室の内側で、前記ウエハの反射率を決定する工程中、前記ウエハの温度を維持するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記熱処理装置の加熱室の外側で、前記ウエハの反射率を決定する工程は、
    前記放射源からの放射光線で、積分球を用いて前記ウエハの一部分を均一に照明し、
    前記ウエハから反射した放射光線を収集する、各ステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 前記加熱室内のウエハの反射した放射光線の強さを決定する工程は、
    前記放射源を用いて前記加熱室内に配置された前記ウエハを照明し、
    前記加熱室内の前記ウエハから反射した放射光線の強さを、検出器を用いて測定し、
    する各ステップを含み、
    前記検出器は、前記反射した放射光線の強さに比例する出力信号を発生することを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 以下の式
    R=KΔV
    (ここで、Rは、前記加熱室(74)内の前記ウエハ(W)の反射率であり、Kは、比例定数であり、ΔVは、前記加熱室内で前記ウエハから反射された放射光線の強さである。)
    によって、前記加熱室内の前記ウエハの反射率を決定するステップを、さらに含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 前記熱処理装置の加熱室を通る前記ウエハをスイープし、
    このスイープ中に、前記ウエハから反射した放射光線と、前記加熱室の外側で測定される前記ウエハの反射率とから前記比例定数Kを決定する、各ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 前記比例定数Kから、処理中に、前記ウエハの反射率を計算し、
    処理中に、前記ウエハから反射した放射光線の強さを測定し、
    前記測定された反射した放射光線の強さと前記比例定数から、実時間のウエハ反射率を決定する、各ステップをさらに含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 実時間で前記ウエハの放射率を決定するステップは、処理中に、実時間でのウエハ反射率からウエハの放射率を決定するステップを含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 前記加熱室中で前記ウエハを移動させ、
    1つまたはそれ以上の前記ウエハの位置で、前記加熱室内の前記ウエハから反射した放射光線の強さを測定し、
    前記測定中、前記ウエハの関連する位置と前記放射光線の強さを記憶させる、各ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
  13. 前記反射率が前記熱処理装置の外側で決定される前記ウエハの温度から、前記ウエハを加熱させることなく、前記ウエハの反射される放射光線の強さを測定するステップを、さらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記加熱室中で前記ウエハを移動させ、
    1つまたはそれ以上の前記ウエハの位置で、前記加熱室内の前記ウエハから反射される放射光線の強さを測定し、
    前記加熱室内で処理中に、前記ウエハの反射率の決定を容易にするために、前記R=KΔVの式で表される前記比例定数Kを計算する、各ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
  15. 前記加熱室内に前記ウエハが配置される時、前記放射源を用いて前記ウエハを照明し、
    前記ウエハが前記加熱室内を移動する時、前記加熱室内の前記ウエハからの全放射光線を、検出器を用いて測定する、各工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  16. 前記測定された前記ウエハからの全放射光線を、前記ウエハ以外の他の放射源から発生する放射光線に関連付けるステップをさらに含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 前記放射源を用いて前記加熱室内に配置される前記ウエハを照明し、
    前記加熱室内に導入される前記ウエハの温度から、前記ウエハを加熱することなく、前記ウエハを移動するとき、検出器を用いて前記加熱室内のウエハからの全放射光線を測定し、
    測定された前記ウエハからの全放射光線をウエハ以外の他の放射源から発生する放射光線に関係付ける、各工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  18. 前記ウエハの放射率及び前記ウエハから放射される放射光線から、処理中のウエハの温度を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
  19. 少なくとも、前記ウエハの放射率から前記ウエハの温度を決定する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  20. 熱処理装置の加熱室内での処理中に、半導体ウエハの放射率を実時間で決定する方法であって、
    前記熱処理装置の前記加熱室の外側で、半球状に照射された放射光線により前記ウエハを均一に照明し、
    前記均一に照明された前記ウエハの反射率を測定し、
    前記熱処理装置の前記加熱室内で前記ウエハを照明し、
    前記熱処理装置の前記加熱室内で前記ウエハから反射した放射光線の強さを測定し、
    前記熱処理装置の外側で測定された前記ウエハの反射率を、前記加熱室内で測定される前記ウエハから反射した放射光線の強さと関連付けるために、前記ウエハから反射された放射光線に相当する出力信号(V)と放射源によって発生した放射光線に相当する出力信号(Vref)との比(V/Vref)を決定し、前記ウエハの反射率を前記比に関連付ける校正曲線を生成し、前記校正曲線から、処理中の前記ウエハの反射率を決定し、
    該ウエハの反射率から、処理中に、前記ウエハの放射率を実時間で決定する、各工程を含むことを特徴とする方法。
  21. 熱処理装置の加熱室内での処理中に、半導体ウエハの放射率を実時間で決定するための装置であって、
    前記熱処理装置の前記加熱室の外側で、放射源からの放射光線によって均一にかつ半球状に照射された前記ウエハの反射率を測定するための反射率測定手段と、
    前記熱処理装置の前記加熱室内に前記ウエハが配置される時、前記ウエハから反射される放射光線の強さを測定するための放射光線強度測定手段と、
    前記熱処理装置の外側で測定された前記ウエハの反射率を、前記加熱室内で測定される前記ウエハから反射した放射光線の強さとを関係付けるために、前記ウエハから反射された放射光線に相当する出力信号(V)と放射源によって発生した放射光線に相当する出力信号(Vref)との比(V/Vref)を決定し、前記ウエハの反射率を前記比に関連付ける校正曲線を生成し、前記校正曲線から、前記加熱室内の前記ウエハの反射率を決定するための関係付け手段と、
    前記熱処理装置内で決定される関係付けられた前記ウエハの反射率から、処理中に、実時間で前記ウエハの放射率を決定するための放射率決定手段と、を含むことを特徴とする装置。
  22. 前記反射率測定手段は、前記熱処理装置の前記加熱室内で、熱処理する前に、半球状に照射された放射光線による前記ウエハの反射率を測定するための測定手段を含むことを特徴とする請求項21記載の装置。
  23. 前記反射率測定手段は、
    放射光線を用いて前記ウエハの一部分を均一に照明するための放射源と、
    前記ウエハの一部分から反射した放射光線の強さを測定する測定手段とを含むことを特徴とする請求項21記載の装置。
  24. 前記反射率測定手段は、
    積分球と光学的に通じる放射源を含み、この放射源によって発生した放射光線で前記ウエハの一部分を均一に照明する放射ステージと、
    前記ウエハから反射した放射光線を集めるための収集手段とを含むことを特徴とする請求項21記載の装置。
  25. 前記放射光線強度測定手段は、
    加熱室内に配置される時、前記ウエハを照明するための放射源と、
    前記加熱室内の前記ウエハから反射される放射光線の強さを測定するために前記放射源と連通し、かつ反射された放射光線の強さに比例して出力信号を発生する検出器とを含むことを特徴とする請求項21記載の装置。
  26. 前記反射率測定手段は、以下の式
    R=KΔV
    (ここで、Rは、前記加熱室内の前記ウエハの反射率であり、Kは、比例定数であり、ΔVは、前記加熱室内で前記ウエハから反射された放射光線の強さである。)によって、前記加熱室内の前記ウエハの反射率を決定することを特徴とする請求項21に記載の装置。
  27. 前記R=KΔVの式で表される前記比例定数Kを決定する手段をさらに含み、
    この決定手段は、
    熱処理装置の加熱室中でウエハをスイープするための手段を含み、前記比例定数Kは、スイープ中、前記ウエハから反射される放射光線と、前記反射率決定手段により、前記加熱室の外側で決定される前記ウエハの反射率とから決定されることを特徴とする請求項26記載の装置。
  28. 前記加熱室中で前記ウエハを移動させる手段と、
    前記加熱室内の処理中に、前記ウエハの反射率の決定を容易にするために、前記R=KΔVの式で表される前記比例定数Kを計算する手段とを、さらに含むことを特徴とする請求項26記載の装置。
  29. 前記ウエハが前記加熱室内に配置される時、前記ウエハを照明するための放射源と、
    前記ウエハが前記加熱室を移動する時、前記加熱室内のウエハからの全放射光線を検出するための検出器とをさらに含むことを特徴とする請求項21記載の装置。
  30. 少なくとも1つの前記ウエハの放射率および前記ウエハから放出した放射光線から、処理中に、前記ウエハの温度を決定するための温度決定手段をさらに含むことを特徴とする請求項29記載の装置。
  31. 熱処理装置の加熱室内での処理中に、半導体ウエハの放射率を実時間で決定するための装置であって、
    前記熱処理装置の前記加熱室の外側で、半球状に照射された放射光線により前記ウエハを均一に照明するための放射源を含む放射ステージと、
    前記照明された前記ウエハの反射率を測定する手段と、
    前記熱処理装置の前記加熱室内で前記ウエハを照明する手段と、
    前記熱処理装置の前記加熱室内で前記ウエハから反射した放射光線の強さを測定する手段と、
    前記加熱室の外側で照明された前記ウエハの反射率を、前記加熱室で測定された前記ウエハの反射した放射光線の強さと関連付けるために、前記ウエハから反射された放射光線に相当する出力信号(V)と放射源によって発生した放射光線に相当する出力信号(Vref)との比(V/Vref)を決定し、前記ウエハの反射率を前記比に関連付ける校正曲線を生成し、前記校正曲線から、処理中の前記ウエハの反射率を決定するための手段と、
    処理中に、前記ウエハの反射率から前記ウエハの放射率を実時間で決定する手段とを含むことを特徴とする装置。
  32. 熱処理装置の加熱室内での処理中に、半導体ウエハの温度を決定する方法であって、
    前記加熱室の外側の低い温度において、放射光線が半球状に照射された前記ウエハの反射率を測定し、
    前記加熱室内での処理中に、前記ウエハから反射した放射光線の強さを測定し、
    前記加熱室内での処理中に、前記低い温度での前記ウエハの反射率を、前記ウエハから反射した放射光線の強さと関連付けるために、前記ウエハから反射された放射光線に相当する出力信号(V)と放射源(30)によって発生した放射光線に相当する出力信号(Vref)との比(V/Vref)を検出し、前記ウエハの反射率を前記比に関連付ける校正曲線を生成し、前記校正曲線から、処理中の前記ウエハの反射率を決定し、
    前記熱処理装置内で決定された前記ウエハの反射率から、処理中に、前記ウエハの放射率を決定し、
    前記処理中に、前記ウエハの放射率から前記ウエハの温度を決定する、各工程を含んでいることを特徴とする方法。
  33. 前記加熱室の外側の低い温度において前記ウエハの反射率を測定する工程は、
    前記熱処理装置の前記加熱室内での熱処理より前に、半球状に照射された放射光線による前記ウエハの反射率を測定するステップを含むことを特徴とする請求項32記載の方法。
  34. 前記加熱室の外側の低い温度において前記ウエハの反射率を測定する工程は、
    前記放射源の放射光線の強さを測定し、
    前記ウエハおよび放射源の前記測定された放射光線の強さから前記低い温度において前記ウエハの反射率を測定する各ステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項32記載の方法。
  35. 前記低い温度は、−200℃〜1200℃の範囲内にあることを特徴とする請求項33記載の方法。
  36. 前記低い温度は、10℃〜100℃の範囲内にあることを特徴とする請求項33記載の方法。
  37. 前記加熱室の外側の低い温度において前記ウエハの反射率を測定する工程は、
    放射源からの放射光線を用いて、前記ウエハの一部分を均一に照明し、
    関連した検出器のノイズに対して補正するために、前記放射源によって放射された放射光線を調整し、
    前記ウエハから反射した放射光線を収集し、
    前記ウエハによって反射した放射光線の強さを測定し、
    前記放射源から放射された放射光線の強さを測定する、各ステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項32記載の方法。
  38. 前記ウエハから反射した放射光線の強さと、前記放射源からの放射光線の強さとの間の選択された数学的関係を決定し、
    前記低い温度での前記ウエハの反射率を前記校正曲線から決定する、各ステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項32記載の方法。
  39. 前記加熱室内での処理中に、前記ウエハから反射した放射光線の強さを測定する工程は、
    放射源からの放射光線を用いて前記加熱室内に配置されるウエハを照明し、
    前記加熱室を通過する前記ウエハをスイープし、
    前記加熱室内の複数のウエハ位置にある前記ウエハから反射した放射光線の強さを検出器を用いて測定し、
    前記反射した放射光線の強さに比例して前記検出器から出力信号を発生させ、
    前記加熱室内の前記ウエハの関連した位置と、前記放射光線の強さとを記憶させる、各ステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項32記載の方法。
  40. 前記加熱室内の前記ウエハの温度を、スイープ中、前記反射率が決定されるときの前記ウエハの温度と同一の温度に維持するステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項39記載の方法。
  41. 放射源を用いて前記加熱室内に配置される前記ウエハを照明し、
    前記低い温度から前記ウエハを加熱することなく、前記ウエハを移動させるとき、検出器を用いて、前記加熱室内の前記ウエハから放射する全放射光線を測定し、
    前記ウエハからの測定された全放射光線を、前記ウエハ以外の他の放射源から発生する放射光線と関連付け、
    前記ウエハの放射率と、前記ウエハからの全放射光線から、処理中に、前記ウエハの温度を決定する、各ステップを含んでいることを特徴とする請求項33記載の方法。
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