JP4734819B2 - 画像通信システムおよび画像通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体に設置される複数の画像通信装置によって構成され、任意の画像通信装置間で画像情報を伝送する画像通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像通信システムは、車両などの移動体に設置された画像通信装置と地上に設置された通信基地局との間で、無線通信し、画像情報を共有するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11ー205782号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像通信システムでは、画像通信装置が設置された車両間での画像情報の送信は、地上に設置された通信局等の通信施設を介した通信、つまりインフラ(Infrastructure)に依存した通信である。このため、任意に遭遇する周辺車両との間で通信するには、車載の画像通信装置から通信局に周期的に自車両の位置とID(識別データ)を送る必要があり、その通信局の通信エリア内に位置する相手車両の位置とIDを上記通信局から取得して認識した上で、自車両から上記通信局を介して相手車両に画像情報を無線伝送する必要がある。画像情報は一般にデータサイズが大きいので、このような通信施設を介した通信では、通信局の負荷が大きいという課題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、任意の画像通信装置間でインフラに依存せずに画像情報を伝送できる画像通信システムを提供することを目的とするものである。
本発明はまた、各画像パケットのサイズが大きくなりすぎるのを防ぎ、他の種類のデータ、例えばGPS情報との混送を容易とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像通信システムは、
それぞれ移動体に設置される複数の画像通信装置によって構成され、任意の画像通信装置間で直接に画像情報を伝送する画像通信システムであって、
前記複数の画像通信装置のうちの第1の画像通信装置は、
画像情報をパケット送信できるサイズにk(kは2以上の整数)分割するとともに、上記分割数kを含む画像分割処理情報を生成し、この画像分割処理情報にシーケンス番号1を付すとともに、上記分割された画像情報のそれぞれにシーケンス番号2から(k+1)までをそれぞれ付する画像分割手段と、
上記画像分割処理情報および上記分割された画像情報を一時的に蓄えておく送信バッファ手段と、
上記画像分割処理情報および上記分割された画像情報のそれぞれからシーケンス番号1から(k+1)までの画像パケットを生成し、最初に送信する画像パケットをシーケンス番号1の画像パケットとして、これらの画像パケットを自装置からその周辺に位置する第2の画像通信装置にバースト送信する送信手段と、
その周辺に位置する他の画像通信装置から送信された位置情報パケットを受信する受信手段と、
上記位置情報パケットによってこれら周辺の画像通信装置を認識しており、これらの画像通信装置から送信先の当該第2の画像通信装置を特定する周辺車両管理手段と
を含み、
上記周辺車両管理手段は、上記特定した送信先との相対速度を求め、
上記送信手段は、上記相対速度に応じて上記特定された送信先との通信の優先順位を設定し、
上記送信手段は、その周辺に位置する不特定多数の他の画像通信装置に自装置の位置情報パケットを送信するとともに、上記送信先の当該第2の画像通信装置に上記画像パケットをバースト送信する
ことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1の画像通信装置の構成図である。この実施の形態1の画像通信装置は、カメラ1と、音声マイク2と、車々間通信装置(車々間通信端末)3と、送受信アンテナ4とを備え、車両に設置されている。カメラ1、音声マイク2、および送受信アンテナ4は、それぞれ有線あるいは無線によって車々間通信装置3と接続されている。
【0008】
図2は車々間通信装置3のブロック構成図である。図2において、車々間通信装置3は、ファイル変換部5と、画像記憶ディスク6と、主制御処理部7と、画像分割部8と、送信バッファ部9と、通信処理部10と、周辺車両管理部11と、受信バッファ部12と、画像組立部13と、GUI(Graphical User Interface)モニタ14と、メッセージ入力部15と、パソコン接続インターフェイス16と、メモリカード17と、GPS(Global Positioning System)装置18とを備えている。
【0009】
このようなそれぞれ車両に設置された複数の実施の形態1の画像通信装置によって構成された画像通信システムでは、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:キャリア検知多重アクセス)方式によって、1つの画像ファイルを分割して生成した複数の画像パケットをバースト送信することにより、1台の車両が通信チャネルを占有することなく、通信チャネルを周辺の車両と共有しながら、通信局を介さずに任意の車両間で画像ファイルを無線伝送する。
【0010】
なお、車々間通信装置3および以下の説明において、「車々間」、「車々間通信」、および「車々間画像通信」は、通信局等の通信施設を介さない車両間での直接通信を意味する。
【0011】
このような実施の形態1の車々間画像通信の使用形態は、走行の安全を確保することを目的とした使用(安全確保的使用)と、アミューズメントを目的とした使用(アミューズメント的使用)との2つに大別される。
【0012】
上記安全確保的使用の具体例としては、例えば以下の(a)〜(e)がある。
(a)大型車両が前方を走行していて見通しが悪い場合に、先行する車両(その大型車両またはその大型車両の前を走行する車両)から前方の道路および車両の画像情報を発信し、後方を走行する車両は、この画像情報を受信して、見通しを確保する。
(b)見通しの悪い道路(カーブの多い山道等)において、先行する車両から画像情報発信し、後方を走行する車両は、この画像情報を受信して、道路の状況を把握する。
(c)渋滞の最後尾近辺の車両からその渋滞の画像情報を送信し、後方を走行する車両は、この画像情報を受信して、道路の状況を把握する。
(d)事故現場を通過する車両からその事故現場の画像情報を送信し、後方を走行する車両は、この画像情報を取得して、道路の状況を把握する。
(e)危険な場所(車両事故、落下物、道路の欠損、がけ崩れ等)を通過する車両から、危険を知らせるためにその危険な場所の画像情報を送信し、後方を走行する車両は、この画像情報を取得して、道路の状況を把握し、危険を回避する。
【0013】
また、上記アミューズメント的使用の具体例としては、例えば以下の(f)〜(h)がある。
(f)グループで移動する車両同士で、景色、人物、動物等にコメントを加えた画像情報を、相互に発信および取得して、メールのようにやり取りする。
(g)先行する車両が見落とした景色等の画像を、後続車から先行車両に送信する。
(h)グループで移動する車両が、遅れた後続車両に待ち合わせ場所を知らせるための画像情報を送信する。
【0014】
また、実施の形態1の車々間画像通信の通信形態(通信種別)は、1対1通信(車両Aから特定の車両Bに画像を送信、あるいは車両Bから特定の車両Aに画像を要求して車両Aから特定の車両Bに画像を送信)と、1対多通信(車両Aから不特定多数の車両に画像をブロードキャスト送信)との2つに大別される。
【0015】
さらに、上記1対1通信または上記1対多通信の特別な形態として、遠距離の車両間で通信するための中継通信がある。例えば、1対多通信での中継送信では、上記使用例(e)において、危険な場所を通過する車両から、後方を走行する不特定多数の車両に向けて、その危険な場所の画像情報を発信し、後方を走行する車両は、この画像情報を受信して、危険を回避するとともに、この画像情報をさらに後方を走行する不特定多数の車両に向けて送信する。このように、車両を中継させることによって、近距離通信のみならず、遠距離通信にも適応可能であり、通信可能エリア外に位置する車両に中継車両を介して画像情報を送信できる。
【0016】
[1対1通信その1]
車両Aから特定の車両Bに画像を送信する1対1通信の手順について以下に説明する。
【0017】
[車両Aの送信手順(1対1通信その1)]
車両Aのユーザは、画像通信装置を操作して、画像情報を取得し、さらにその画像情報に必要に応じて音声または文字のメッセージデータを添付し、送信先車両のID(車両BのID)、周辺車両の位置情報等をもとに、車両Bを特定し、1対1通信での画像送信を選択する。車両Aの画像通信装置は、上記の操作に従って、上記の画像情報を分割して複数の画像パケットを生成し、これらの画像パケットを1対1通信で車両Bに送信する。なお、車両Bが車両Aの通信可能エリア外に位置していた場合には、送信手順は、1対1通信での中継通信の手順と同様になる。
【0018】
車両Aから送信される上記画像パケットは、1対1送信であること示す通信種別情報、送信元ID(車両AのID)、送信元の位置情報、送信先ID(車両BのID)、送信先の位置情報、分割された画像情報、画像分割のシーケンス番号等によって構成される。
【0019】
例えば、送信する画像をカメラ1で撮影して画像情報を取得し、または画像記憶ディスク6から画像情報を取得し(メッセージの添付は画像取得の前または後に可能)、モニタ14のタッチパネルによって画像送信画面21を選択し、その画像送信画面21に表示された車両Bをタッチすると、1対1通信で車両Bに上記取得した画像情報の画像パケットが送信される。
【0020】
[特定車両Bの受信手順(1対1通信その1)]
車両Bの画像通信装置は、1対1送信であること示す種別情報、送信先ID(車両AのID)等をもとに、車両Aから送信された画像パケットを受信し、受信した画像パケットから画像情報を復元し、その画像情報を表示する。
【0021】
あるいは、車両Bの画像通信装置は、1対1送信であること示す種別情報、送信先ID(車両AのID)をもとに、車両Aから送信された画像パケットを受信し、1対1通信を受信した旨をユーザに報知する(モニタ14に受信した旨を表示する、LEDを点灯させる、音声で報知する等が可能)。車両Bのユーザは、受信された画像情報の表示の可否を選択する。車両Bの画像通信装置は、表示可が選択された場合は、受信した画像パケットから画像情報を復元し、その画像情報を表示する(画像情報の復元および表示は、上記の選択と同時または上記の選択から所定時間経過後に可能)。
【0022】
[1対1通信その2]
車両Bから特定の車両Aに画像を要求して車両Aから特定の車両Bに画像を送信する1対1通信の手順について以下に説明する。
【0023】
[車両Bの送信手順(1対1通信その2)]
車両Bのユーザは、画像情報の必要性を感じたら、画像通信装置を操作して、その画像情報の送信元に適した車両Aを特定し、画像送信を要求するパケットの送信を選択する。車両Bの画像通信装置は、上記の操作に従って、画像送信を要求するパケットを車両Aに送信する。
【0024】
上記画像送信を要求するパケットは、1対1通信であることおよび画像送信要求であることを示す通信種別情報、送信元ID(車両BのID)、送信元の位置情報、送信先ID(車両AのID)、送信先の位置情報、さらに必要に応じて画像要求内容(音声または文字のメッセージの添付によって可能)等によって構成される。
【0025】
例えば、モニタ14のタッチパネルによって通信オプション設定画面を選択し、その通信オプション設定画面から画像送信要求を選択し、次に上記タッチパネルによって画像送信画面21を選択し、その画像送信画面21に表示された車両Aをタッチすると、画像送信を要求するパケットが車両Aに送信される。
【0026】
[特定車両Aの受信−送信手順(1対1通信その2)]
車両Aの画像通信装置は、送信先ID(車両AのID)等をもとに、車両Bから送信された画像送信を要求するパケットを受信し、画像送信要求であることを示す種別情報、送信元ID(車両BのID)、さらには画像要求内容をもとに、画像情報を取得し(取得は画像送信を要求するパケットの受信と同時あるいは所定時間後に可能)、その画像情報の画像パケットを車両Bに送信する。
【0027】
あるいは、車両Aの画像通信装置は、送信先ID(車両AのID)等をもとに、車両Bから送信された画像送信を要求するパケットを受信し、画像送信要求であることを示す種別情報、送信元ID(車両BのID)、さらには画像要求内容等をもとに、画像送信要求を受信した旨、さらにその画像要求内容をユーザに報知する(モニタ14の画面に上記受信した旨を表示する等が可能)。車両Aのユーザは、要求された画像情報の送信の可否を選択する(モニタ14の画面に送信可否ボタンを表示する等が可能)。車両Aの画像通信装置は、送信否が選択された場合は、車両Bに送信拒否のパケットを送信する。また、送信可が選択された場合は、画像情報を取得し(取得は送信可の選択と同時あるいは所定時間後に可能)、その画像情報の画像パケットを車両Bに送信する。
【0028】
車両Aから送信される上記画像パケットは、1対1通信であることおよび画像送信要求の返信画像であることを示す種別情報、送信元ID(車両AのID)、送信元の位置情報、要求元ID(車両BのID)、要求元の位置情報、分割された画像情報、画像分割のシーケンス番号等によって構成される。
【0029】
[特定車両Bの受信手順(1対1通信その2)]
車両Bの画像通信装置は、1対1通信であることおよび画像送信要求の返信画像であることを示す種別情報、要求元ID(車両BのID)等をもとに、車両Aから送信された画像パケットを受信し、受信した画像パケットから画像情報を復元し、その画像情報を表示する。
【0030】
[1対多通信その1]
車両Aから不特定多数の車両(車両Bを含む)に画像をブロードキャスト送信する1対多通信の手順について以下に説明する。
【0031】
[車両Aの送信手順(1対多通信その1)]
車両Aのユーザは、画像通信装置を操作して、画像情報を取得し、さらにその画像情報に必要に応じて音声または文字のメッセージデータを添付し、1対多通信での画像送信を選択する。車両Aの画像通信装置は、上記の操作に従って、上記の画像情報を分割して複数の画像パケットを生成し、これらの画像パケットを1対多通信で不特定多数の車両に送信する。
【0032】
車両Aから送信される上記画像パケットは、1対多通信であることを示す種別情報、送信元ID(車両AのID)、送信元の位置情報、分割された画像情報、画像分割のシーケンス番号、さらに必要に応じて危険報知であることを示す情報等によって構成される。
【0033】
例えば、送信する画像をカメラ1で撮影して画像情報を取得し、または画像記憶ディスク6から画像情報を取得し(メッセージの添付は画像取得の前または後に可能)、モニタ14のタッチパネルによって画像送信画面21を選択し、その画像送信画面21に表示されたブロードキャスト送信ボタンをタッチすると、1対多通信で不特定多数の車両に上記取得した画像情報の画像パケットが送信される。なお、画像送信画面21内に危険報知ボタンを設け、この危険報知ボタンをタッチして上記の画像パケットに危険報知であることを示す情報を付加することによって、周辺車両に危険を報知する場合に有効である。
【0034】
[不特定の車両Bの受信手順(1対多通信その1)]
車両Bの画像通信装置は、1対多送信であること示す種別情報、送信先ID(車両AのID)等をもとに、車両Aからブロードキャスト送信された画像パケットを受信し、受信した画像パケットから画像情報を復元し、その画像情報を表示する。
【0035】
あるいは、車両Bの画像通信装置は、1対多送信であること示す種別情報、送信先ID(車両AのID)等をもとに、車両Aからブロードキャスト送信された画像パケットを受信し、1対多通信を受信した旨をユーザに報知する。車両Bのユーザは、受信された画像情報の表示の可否を選択する。車両Bの画像通信装置は、表示可が選択された場合は、受信した画像パケットから画像情報を復元し、その画像情報を表示する(画像情報の復元および表示は、表示可の選択と同時あるいは所定時間後に可能)。ただし、受信した画像情報が危険報知の画像情報の場合は、その旨を強調して報知するか、あるいはユーザに表示の可否を選択させずに、危険情報である旨を報知するとともに、受信した画像情報を表示する。
【0036】
[1対多通信その2]
車両Bから不特定多数の車両(車両Aを含む)に画像を要求して車両Aから不特定多数の車両(車両Bを含む)に画像をブロードキャスト送信する1対多通信の手順について以下に説明する。
【0037】
[車両Bの送信手順(1対多通信その2)]
車両Bのユーザは、画像情報の必要性を感じたら、画像通信装置を操作して、画像送信を要求するパケットの送信を選択する。車両Bの画像通信装置は、上記の操作に従って、画像送信を要求するパケットを不特定多数の車両に送信する。
【0038】
上記画像送信を要求するパケットは、1対多通信であることおよび画像送信要求であることを示す通信種別情報、送信元ID(車両BのID)、送信元の位置情報、さらに必要に応じて画像要求内容(音声または文字のメッセージの添付によって可能)等によって構成される。
【0039】
[不特定車両Aの受信−送信手順(1対多通信その2)]
車両Aの画像通信装置は、1対多通信であることを示す通信種別情報等をもとに、車両Bから送信された画像送信を要求するパケットを受信し、画像送信要求であることを示す種別情報、さらには画像要求内容をもとに、画像情報を取得し、その画像情報の画像パケットを不特定多数の車両に送信する。
【0040】
あるいは、車両Aの画像通信装置は、1対多通信であることを示す通信種別情報等をもとに、車両Bから送信された画像送信を要求するパケットを受信し、画像送信要求であることを示す種別情報、さらには画像要求内容等をもとに、画像送信要求を受信した旨、さらには画像要求内容をユーザに報知する。車両Aのユーザは、要求された画像情報の送信の可否を選択する。車両Aの画像通信装置は、送信可が選択された場合は、画像情報を取得し、その画像情報の画像パケットを不特定多数の車両に送信する。
【0041】
車両Aから送信される上記画像パケットは、1対多通信であることおよび画像送信要求の返信画像であることを示す種別情報、送信元ID(車両AのID)、送信元の位置情報、要求元ID(車両BのID)、要求元の位置情報、分割された画像情報、画像分割のシーケンス番号等によって構成される。なお、このときの画像送信要求に応じた車両Aからの送信は、1対多通信に限定されるものではなく、車両Bを特定車両とする1対1通信とすることも可能である。
【0042】
[不特定車両Bの受信手順(1対多通信その2)]
車両Bの画像通信装置は、1対多通信であることおよび画像送信要求の返信画像であることを示す種別情報、要求元ID(車両BのID)等をもとに、車両Aから送信された画像パケットを受信し、受信した画像パケットから画像情報を復元し、その画像情報を表示する。
【0043】
[1対多通信での中継通信]
車両Aから不特定多数の車両(車両Bを含む)に画像をブロードキャスト送信し、これを受信した車両Bから不特定多数の車両(車両Cを含む)に上記の画像をブロードキャスト送信する中継通信の手順について以下に説明する。
【0044】
[車両Aの送信手順(1対多通信での中継通信)]
車両Aのユーザは、画像通信装置を操作して、画像情報を取得し、さらにその画像情報に必要に応じて音声または文字のメッセージデータを添付し、中継通信および1対多通信での画像送信を選択する。車両Aの画像通信装置は、上記の操作に従って、上記の画像情報を分割して複数の画像パケットを生成し、これらの画像パケットを1対多通信で不特定多数の車両に送信する。
【0045】
車両Aから送信される画像パケットは、中継通信であることを示す種別情報、1対多送信であること示す種別情報、送信元ID(車両AのID)、送信元の位置情報、分割された画像情報、画像分割のシーケンス番号、さらに必要に応じて危険報知であることを示す情報等によって構成される。
【0046】
[不特定の車両Bの受信−送信手順(1対多通信での中継通信)]
車両Bの画像通信装置は、1対多送信であること示す種別情報、送信先ID(車両AのID)等をもとに、車両Aからブロードキャスト送信された画像パケットを受信し、受信した画像パケットから画像情報を復元し、その画像情報を表示する。
【0047】
あるいは、車両Bの画像通信装置は、1対多送信であること示す種別情報、送信先ID(車両AのID)等をもとに、車両Aからブロードキャスト送信された画像パケットを受信し、1対多通信を受信した旨をユーザに報知する。車両Bのユーザは、受信された画像情報の表示の可否を選択する。車両Bの画像通信装置は、表示可が選択された場合は、受信した画像パケットから画像情報を復元し、その画像情報を表示する。
【0048】
これとともに、車両Bの画像通信装置は、中継通信であることを示す種別情報、1対多送信であること示す種別情報、送信先ID(車両AのID)等をもとに、車両Aから受信した画像パケットを1対多通信で不特定多数の車両に中継送信する。このとき、必要に応じて、中継送信中である旨をユーザに報知する。
【0049】
あるいは、車両Bの画像通信装置は、中継通信であることを示す種別情報、1対多送信であること示す種別情報、送信先ID(車両AのID)等をもとに、1対多通信での中継通信を受信した旨をユーザに報知する。車両Bのユーザは、受信された画像情報の中継送信の可否を選択する。車両Bの画像通信装置は、中継送信可が選択された場合は、車両Aから受信した画像パケットを1対多通信で不特定多数の車両に中継送信する(中継送信は、その選択と同時あるいは所定時間後に可能)。
【0050】
車両Bから中継送信される画像パケットは、中継通信であることを示す種別情報、1対多送信であること示す種別情報、送信元ID(車両AのID)、送信元の位置情報、中継元ID(車両BのID)、中継元の位置情報、分割された画像情報、画像分割のシーケンス番号、危険報知であることを示す情報等によって構成される。
【0051】
[不特定の車両Cの受信−送信手順(1対多通信での中継通信)]
車両Bから中継送信された画像パケットを不特定の車両Cが受信および送信する手順も、上記車両Bでの受信−送信手順と同様である。このような中継通信を繰り返すことによって、車両Aの通信エリア内に位置していない不特定多数の車両にも危険情報等の画像情報を送信できる。
【0052】
[1対1通信での中継通信]
車両Aから特定の車両Bに画像を1対1通信で送信し、これを受信した車両Bから特定の車両Cに上記の画像を1対1通信で送信する中継通信の手順について以下に説明する。
【0053】
それぞれの車両は、画像パケットとは別に、自車両の位置情報パケットを1対他通信で送信している。送信元車両Aの画像通信装置は、送信先車両Cが通信エリア内に位置しない場合に、上記1対多通信での中継通信によって車両Cからの位置情報パケット(車両CのID、車両Cの位置情報等によって構成される)を受信でれば、車両CのIDおよび位置を認識できる。しかし、車両Aの画像通信装置が、上記の位置情報パケットを受信できず、車両CのIDおよび位置を認識できていなければ、車両Aのユーザは、車両CのIDおよび位置情報をあらかじめ別途入手して画像通信装置に入力しておく必要がある。
【0054】
[車両Aの送信手順(1対1通信での中継通信)]
車両Aのユーザは、画像通信装置を操作して、画像情報を取得し、さらにその画像情報に必要に応じて音声または文字のメッセージデータを添付し、送信先車両のID(車両CのID)、周辺車両の位置情報等をもとに、車両Cを送信先車両として特定し、1対1通信での画像送信を選択する。車両Aの画像通信装置は、上記の操作に従って、上記の画像情報を分割して複数の画像パケットを生成するとともに、自車両の位置情報および送信先車両(車両C)の位置情報をもとに、車両Cが通信エリア内に位置するか否かを判断し、送信先車両Cが通信エリア内に位置していなければ、さらに他の周辺車両の位置情報等をもとに、送信先車両Cに最も近い通信エリア内の車両Bを中継車両として特定し、上記の画像パケットを1対1通信で中継車両Bに送信する。なお、送信先車両Cが通信エリア内に位置しているときの送信手順は、上記1対1通信その1の手順と同様になる。
【0055】
あるいは、車両Aのユーザは、画像通信装置を操作して、画像情報を取得し、さらにその画像情報に必要に応じて音声または文字のメッセージデータを添付し、送信先車両のID(車両CのID)、周辺車両の位置情報等をもとに、車両Cを送信先車両として特定し、中継通信および1対1通信での画像送信を選択する。車両Aの画像通信装置は、上記の操作に従って、上記の画像情報を分割して複数の画像パケットを生成するとともに、自車両の位置情報、周辺車両の位置情報等をもとに、送信先車両Cに最も近い通信エリア内の車両Bを中継車両として特定し、上記の画像パケットを1対1通信で中継車両Bに送信する。
【0056】
車両Aから送信される上記画像パケットは、中継送信であることを示す種別情報、1対1送信であることを示す種別情報、送信元ID(車両AのID)、送信元の位置情報、送信先ID(車両CのID)、送信先の位置情報、中継車先ID(車両BのID)、中継先の位置情報、分割された画像情報、画像分割のシーケンス番号等によって構成される。
【0057】
[中継車両Bの受信−送信手順]
中継車両Bの画像通信装置は、中継送信であることを示す種別情報、1対1送信であることを示す種別情報、中継車先ID(車両BのID)、中継先の位置情報等をもとに、車両Aから送信された画像パケットを受信し、中継通信であることを認識する。そして、自車両の位置情報および送信先車両(車両C)の位置情報をもとに、車両Cが通信エリア内に位置するか否かを判断する。
【0058】
送信先車両Cが通信エリア内に位置していれば、中継車両Bの画像通信装置は、車両Cを送信先車両として特定し、車両Aから受信した画像パケットを1対1通信で車両Cに中継送信する。このとき、必要に応じて、中継送信中であることをユーザに報知する。なお、1対1通信での中継通信を受信した旨をユーザに報知し、ユーザが中継送信可を選択した場合に、中継送信することも可能である。
【0059】
このとき、車両Bから送信される画像パケットは、中継送信であることを示す種別情報、1対1送信であることを示す種別情報、送信元ID(車両AのID)、送信元の位置情報、送信先ID(車両CのID)、送信先の位置情報、中継元ID(車両BのID)、中継元の位置情報、分割された画像情報、画像分割のシーケンス番号等によって構成される。
【0060】
また、送信先車両Cが通信エリア内に位置していなければ、中継車両Bの画像通信装置は、自車両の位置情報、送信先車両Cの位置情報、他の周辺車両の位置情報等をもとに、送信先車両Cに最も近い通信エリア内の車両を中継車両として特定し、上記の画像パケットを1対1通信でその中継車両に送信する。このような中継通信を繰り返すことによって、車両Aの通信エリア内に位置していない特定車両Cにも画像情報を送信できる。
【0061】
このとき、車両Bから送信される画像パケットは、中継送信であることを示す種別情報、1対1送信であることを示す種別情報、送信元ID(車両AのID)、送信元の位置情報、送信先ID(車両CのID)、送信先の位置情報、中継元ID(車両BのID)、中継元の位置情報、中継先ID(車両Bによって特定された中継車両のID)、中継先の位置情報、分割された画像情報、画像分割のシーケンス番号等によって構成される。
【0062】
次に、実施の形態1の画像通信装置の構成および動作について、図1および図2を用いて説明する。
[カメラ1]
カメラ1で車内から撮影した風景や前方の渋滞等の静止画像は、車々間通信装置3のファイル変換部5に送られる。
【0063】
[ファイル変換部5]
ファイル変換部5は、主制御処理部7の制御に従って、撮影された画像をJPEGファイル等の画像ファイルに変換し、その画像ファイルを画像記憶ディスク6、画像分割部8、モニタ14に送る。
【0064】
[音声マイク2]
カメラ1によって撮影されて送信される静止画像に音声メッセージを添付する場合には、音声マイク2に音声メッセージを入力する。この音声メッセージは、車々間通信装置3のメッセージ入力部15に送られる。
【0065】
また、カメラ1によって撮影されて送信される静止画像に文字メッセージを添付する場合には、モニタ14のタッチパネルまたは操作キー19を操作して、文字メッセージを入力する。この文字メッセージも、メッセージ入力部15に送られる。
【0066】
[メッセージ入力部15]
メッセージ入力部15は、入力された添付メッセージ(音声メッセージまたは文字メッセージ)を添付メッセージデータ(音声データまたは文字データ)に変換し、その添付メッセージデータを送信バッファ部9に送る。
【0067】
[画像記録ディスク6]
画像記録ディスク6は、主制御処理部7の制御に従って、ファイル変換部5からの撮影された画像ファイルおよび画像組立部13からの受信された画像ファイルを記録し、これらの画像ファイルを、モニタ14、パソコン接続インターフェイス16、メモリカード17に送るとともに、上記撮影された画像ファイルを画像分割部8に送る。
【0068】
つまり、撮像された画像をすぐに送信しない場合には、その画像ファイルを画像記録ディスク6に記録しておき、画像送信時に画像記録ディスク6から読み出して画像分割部8に送る。
【0069】
また、撮影された画像または受信された画像を表示するときには、ファイル変換部5から出力された画像ファイル、画像組立部13から出力された受信された画像ファイル、あるいは画像記録ディスク6に記録されている撮影または受信された画像ファイルをモニタ14に送る。
【0070】
また、画像記録ディスク6に記録された画像ファイルを車々間通信装置3から取り出すときには、その画像データをパソコン接続インターフェイス16またはメモリカード17に送り、車々間通信装置3(必要に応じて運転終了後に車両からはずして携帯および移動可能)に接続したパソコン内の記録装置、または車々間通信装置3からはずして携帯および移動可能なメモリカード17に記録する。
【0071】
[モニタ14]
モニタ14は、タッチパネル構造になっており、カメラ1によって撮影された静止画像または受信再生された静止画像を表示する画面20、自車両を中心にして自車両およびそれぞれの周辺車両を表示するとともにブロードキャストボタンを表示する画像送信画面21、通信オプション選択画面等を、このモニタ14のタッチパネルまたは操作キー19によって切り換え表示可能である。
【0072】
画像送信画面21では、ユーザは、1対多通信または1対1通信を選択する。1対多通信を選択する場合はブロードキャスト送信ボタンをタッチし、1対1通信を選択する場合には、周辺車両の内で送信先となる車両をタッチする。また、上記通信オプション設定画面では、ユーザは、中継通信や画像送信の要求等を設定する。
【0073】
画像ファイルをそのまま1つの画像パケットで送受信するには、パケットサイズが大きくなり過ぎる。そこで、この実施の形態1の画像通信装置では、画像パケットを送受信が可能なパケットサイズとするために、画像ファイルを分割し、それぞれの分割画像データから複数の画像パケットを生成し、これらの画像パケットを送受信する。また、この実施の形態1の画像通信装置では、CSMA方式で上記一連の画像パケットをバースト送信することによって、複数の車両がチャネルを共有して通信することが可能になる。
【0074】
送受信されるパケットには、画像パケット(分割された画像ファイルを伝送するパケット)、Ackパケット(受信完了パケット)、Nackパケット(再送要求パケット)、GPS情報パケット(自車両の位置を周辺車両に認識させるとともに周辺車両の位置を認識するためのパケット)、画像送信を要求するパケット等がある。このようなパケット通信を処理するのが、通信処理部10である。
【0075】
[画像分割部8]
画像分割部8は、主制御処理部7の制御に従って、入力された1つの画像ファイルをCSMA方式でパケット通信可能なサイズの複数のデータに分割するとともに、この画像分割処理についての画像データ情報を生成し、これらの画像データ情報および分割画像データのそれぞれにシーケンス番号を付して送信バッファ部9に送る。
【0076】
[送信バッファ部9]
送信バッファ部9は、主制御処理部7の制御に従って、画像分割部8からの画像データ情報および分割画像データ、ならびにメッセージ入力部15からの添付メッセージデータを送信画像ファイルごとに一時保持し、これらのデータをシーケンス番号順に通信処理部10に送る。
【0077】
[GPS装置18]
GPS装置18は、自車両のGPS情報(緯度、経度、方位、速度等の情報からなる位置情報)を受信して、通信処理部10に送る。
【0078】
[通信処理部10]
通信処理部10は、主制御処理部7の制御に従って、1つの送信画像ファイルについての複数の画像パケットを順次生成し、これらの画像パケットを送受信アンテナ4からバースト送信する。
【0079】
上記の画像パケットのそれぞれは、画像データ情報または分割画像データ(画像パケットによっては添付メッセージデータ)、シーケンス番号、通信種別情報、誤り制御方式の情報、送信元ID(自車両のID)、送信元のGPS情報、送信先ID、送信先のGPS情報、中継車先ID、中継先のGPS情報、中継車元ID、中継元のGPS情報等によって構成されている。ただし、IDおよびGPS情報については、選択された通信種別に応じて異なる。
【0080】
また、通信処理部10は、主制御処理部7の制御に従って、周辺車両からバースト送信された1つの画像ファイルについての複数の画像パケットを送受信アンテナ4から順次受信し、受信したそれぞれの画像パケットから画像データ情報、分割画像データ、添付メッセージデータ、シーケンス番号、通信種別情報、誤り制御方式の情報、送信元ID、送信元のGPS情報等を分離し、画像データ情報、分割画像データ、添付メッセージデータ、シーケンス番号等を受信バッファ部12に送る。
【0081】
さらに、通信処理部10は、主制御処理部7の制御に従って、自車両のGPS情報パケットを周期的に生成し、このGPS情報パケットを周期的に送受信アンテナ4からブロードキャスト送信する。
【0082】
上記自車両のGPS情報パケットは、自車両のIDおよびGPS装置18からのGPS情報等によって構成される。
【0083】
また、通信処理部10は、主制御処理部7の制御に従って、周辺車両のそれぞれから周期的にブロードキャスト送信された周辺車両のGPS情報パケットを周期的に受信し、そのGPS情報パケットから周辺車両のIDおよびGPS情報を分離して、周辺車両管理部11に送る。なお、画像パケットから分離された送信元車両のIDおよび送信元のGPS情報等も、必要に応じて周辺車両管理部11に送られる。
【0084】
このように、周辺車両のGPS情報パケットを周期的に受信することで、自車両の画像通信装置は、周辺の車両を認識することができ、1対1通信が可能となる。
【0085】
さらにまた、通信処理部10は、主制御処理部7の制御に従って、画像送信を要求するパケットを生成し、この画像送信を要求するパケットを送受信アンテナ4から送信する。
【0086】
上記の画像送信を要求するパケットは、画像送信要求であることを示す通信種別情報、送信元ID(要求元ID)、送信元の位置情報、送信先ID(要求先ID)、送信先の位置情報、画像要求内容等によって構成される。
【0087】
[送受信アンテナ4]
送受信アンテナ4は、通信処理部10で生成されたパケットを送信するとともに、周辺車両の画像通信装置から送信されたパケットを受信して通信処理部10に送るが、通信相手が周辺車両であるために、無指向性アンテナであることが望ましい。
【0088】
[周辺車両管理部11]
周辺車両管理部11は、主制御処理部7の制御に従って、通信処理部10からの自車両のGPS情報および周辺車両のGPS情報をもとに、周辺車両の状況を管理する。
【0089】
例えば、周辺車両管理部11は、1対1通信の場合には、車両のGPS情報に含まれる自車両の速度情報と、通信相手のGPS情報に含まれる通信相手の速度情とから、相対速度を求める。
【0090】
1対1通信では、自車両と送信先車両(通信相手)との相対速度が大きいほど、通信可能時間が短くなってしまうので(短時間で通信相手が通信エリア外に移動してしまうので)、通信相手との相対速度に応じて送信の優先順位や同じパケットの(最大)繰り返し送信回数を設定するのが望ましい。
【0091】
周辺車両管理部11で求められた上記通信相手との相対速度は、送信処理部10に送られる。送信処理部10は、上記の相対速度が大きい場合には、送信の優先順位を高くし、または/および同じパケットの(最大)繰り返し送信回数を減らし、早く送信が完了するようにする。また、送信処理部10は、上記の相対速度が小さい場合には、送信の優先順位を低くし、または/および同じパケットの(最大)繰り返し送信回数を増やし、確実に送信できるようにする。これによって、通信品質を改善することが可能となる。
【0092】
また例えば、周辺車両管理部11は、通信可能な周辺車両(通信エリア内に位置する周辺車両)の台数を求める。この通信可能な周辺車両の台数は、音声によって運転者に報知される。
【0093】
[受信バッファ部12]
受信バッファ部12は、主制御処理部7の制御に従って、通信処理部10からの画像データ情報、分割画像データ、添付メッセージデータを、送信元IDごとに一時保持し、これらの画像データ情報、分割画像データ、および添付メッセージデータを、シーケンス番号順に画像組立部13に送る。
【0094】
複数の車両から送信された画像パケットを同時に受信することがあるために、受信バッファ部12は、いくつかに分割され、車両IDごとに分割画像データ等を一時保管できるようになっている。また、複数の車両から送信された画像パケットを同時に受信して、車両IDごとに受信バッファ部12に一時保管する必要があるために、それぞれの画像パケットには、送信元IDおよびシーケンス番号等の情報を入れておく必要がある。つまり、受信した画像パケットの分割画像データ等は、送信元IDによって分類され、受信バッファ部12に一時保管される。
【0095】
受信バッファ部12は、1つの画像ファイルについての全てのデータ(画像データ情報、全ての分割画像データ、および添付メッセージデータ)が通信処理部10から送られると、それらのデータを画像組立部13に順次送り、1つの画像ファイルについての全てのデータを画像組立部13に送り終えたら、その画像ファイルについての受信バッファ部12内のデータを消去する。
【0096】
[画像組立部13]
画像組立部13は、主制御処理部7の制御に従って、受信バッファ部12から順次入力される複数の分割画像データをもとの画像ファイルに組み立てて再生し、その再生した画像ファイルを、添付メッセージデータとともに、モニタ14または/および画像記録ディスク6に送る。
【0097】
図3は画像分割部8および送信バッファ部9の動作を説明する図である。図3において、静止画像ファイル1および静止画像ファイル2のそれぞれは、カメラ1で撮影された静止画像をファイル変換部5で変換して生成されたファイルであって、ファイル変換部5または画像記憶ディスク8から画像分割部8に入力されたファイルである。
【0098】
まず、画像分割部8は、静止画像ファイル1が入力されると、この静止画像ファイル1を分割する。静止画像ファイル1の分割数をk(kは2以上の整数)とする場合には、画像分割部8は、この静止画像ファイル1をk分割するとともに、この静止画像ファイル1についての画像データ情報を生成する。そして、上記の画像データ情報にシーケンス番号1を付し、k分割された分割画像データのそれぞれにシーケンス番号2からシーケンス番号(k+1)までを付す。
【0099】
静止画像ファイル1についての(k+1)個のデータは、画像分割部8から送信バッファ部9に順次送られ、送信バッファ部9に一時保持され、さらに送信バッファ部9から通信処理部10に順次送られ、シーケンス番号1のデータから順に画像パケットが生成されて送信される。
【0100】
また、画像分割部8は、静止画像ファイル2が入力されると、この静止画像ファイル2を、上記静止画像ファイル1と同様に分割する。静止画像ファイル2の分割数をk’(k’は2以上の整数)とする場合には、画像分割部8は、この静止画像ファイル2をk’分割するとともに、この静止画像ファイル2についての画像データ情報を生成する。そして、上記の画像データ情報にシーケンス番号1を付し、k’分割された分割画像データのそれぞれにシーケンス番号2からシーケンス番号(k’+1)までを付す。
【0101】
静止画像ファイル2についての(k’+1)個のデータも、画像分割部8から送信バッファ部9に順次送られ、送信バッファ部9に一時保持され、さらに送信バッファ部9から通信処理部10に順次送られ、シーケンス番号1のデータから順に画像パケットが生成されて送信される。
【0102】
このように、画像分割部8で生成したデータにシーケンス番号を付する理由は、受信側において、受信できなかった画像パケットを認識して送信元に再送要求を送ることを可能とするとともに、分割画像データを1つの画像ファイルに組み立てて再生することを可能とするためである。
【0103】
上記の画像データ情報は、分割画像データ数、静止画像ファイルのファイルサイズ等によって構成される。この画像データ情報にシーケンス番号1を付し、この画像データ情報の画像パケットを最初に送信することにより、受信側では、最初に受信した画像パケットから、これら受信する画像ファイルの分割画像データ数(画像パケット数)、ファイルサイズ等を認識することができ、ファイルサイズの異なる静止画像ファイルをパケット送信することが可能となる。
【0104】
送信バッファ部9は、1対多通信の場合には、1つの画像ファイルについての全ての画像パケットの送信を終了したら、その画像ファイルについての全てのデータを消去する。また、送信バッファ部9は、1対1通信の場合には、通信処理部10が送信先からAckパケットを受信してAck信号が入力されたら、そのAckパケットに該当するデータ(その画像ファイルについての全てのデータまたはいずれか1つのデータ)を消去する。ただし、送信終了後に規定時間経過しても通信処理部10がAckパケットを受信できずにタイムアウト信号が入力された場合(タイムアウトの場合)には、1対1通信であっても、該当するデータを消去する。従って、送信バッファ部9は、数個の画像ファイルについてのデータを蓄えられる容量および構成であれば足りる。
【0105】
図4は通信処理部10の機能ブロック図であって、主に画像パケットを送受信する機能を説明するブロック図である。図4において、図1と同じものには同じ符号を付してある。
【0106】
図4において、通信処理部10は、無線送信部101と、無線受信部102と、送信パケットデータ生成部106と、パケットアセンブラ部107と、送信制御部108と、D/A変換部109と、キャリアセンス部110(アイドル/ビジー判定部111およびランダム時間設定部112を有する)と、受信電力測定部113と、A/D変換部114と、パケットディアセンブラ部115と、誤り制御部123(誤り検出部116、誤り制御方式選択部117、誤り制御方式1(ベストエフォート型)処理部118、誤り制御方式2(ギャランティー型)処理部119、誤り制御方式3(ギャランティー型)処理部120、誤りパケット記録部121、および再送要求部122を有する)とを備えている。
【0107】
[送信パケットデータ生成部106]
送信パケットデータ生成部106は、1つのパケットで送信する複数のデータを1つのデータ列に配列し、そのデータ列(送信データ列)をパケットアセンブラ部107に送る。
【0108】
例えば、画像パケットの1対1通信時には、自車両ID(送信元ID)104、相手車両ID(送信先ID)105、通信種別情報(この場合には1対1通信であることの情報)、パケット種別情報(この場合には画像パケットであることの情報)、送信バッファ部9から入力されたデータ、シーケンス番号、誤り制御方式情報、自車両のGPS情報、相手車両のGPS情報等によって構成された画像データ列が生成される。
【0109】
また、画像パケットの1対多通信での中継通信時には、自車両ID(送信元ID)104、通信種別情報(この場合には1対多通信での中継通信であることの情報)、パケット種別情報(この場合には画像パケットであることの情報)、送信バッファ部9から入力されたデータ、シーケンス番号、自車両のGPS情報等によって構成された画像データ列が生成される。
【0110】
また、GPSパケットの送信時には、自車両ID104、通信種別情報(この場合には1対多通信であることの情報)、パケット種別情報(この場合はGPSパケットであることの情報)、自車両のGPS情報等によって構成されたデータ列が生成される。
【0111】
また、画像送信要求パケットの1対1通信時には、自車両ID104、相手車両ID105、通信種別情報(この場合には1対1通信での中継通信であることの情報)、パケット種別情報(この場合には画像送信要求パケットであることの情報)、画像要求内容、自車両のGPS情報、相手車両のGPS情報等によって構成されたデータ列が生成される。
【0112】
また、Ackパケットの返信時には、自車両ID104、相手車両ID105、通信種別情報(この場合には1対1通信であることの情報)、パケット種別情報(この場合にはAckパケットであることの情報)、シーケンス番号(誤り制御方式2のときのみ)、誤り制御方式情報(この場合には誤り制御方式2または誤り制御方式3のいずれであるかの情報)自車両のGPS情報、相手車両のGPS情報等によって構成されたデータ列が生成される。
【0113】
また、Nackパケットの返信時には、自車両ID104、相手車両ID105、通信種別情報(この場合には1対1通信であることの情報)、パケット種別情報(この場合にはNackパケットであることの情報)、シーケンス番号(誤り制御方式3のときのみ)、誤り制御方式情報(この場合には誤り制御方式2または誤り制御方式3のいずれであるかの情報)、自車両のGPS情報、相手車両のGPS情報等によって構成されたデータ列が生成される。
【0114】
[パケットアセンブラ部107]
パケットアセンブラ部107は、入力された送信データ列をパケットに組み立て、そのパケット(送信パケット)を送信制御部108に送る。
【0115】
[送信制御部108]
送信制御部108は、送信パケットが入力されると、車々間通信装置3の送信周期Tごとに、送信要求信号をキャリアセンス部110のランダム時間設定部112に送る。そして、送信制御部108は、キャリアセンス部110のキャリアセンス部110から送信開始信号が入力されたら、送信パケットをD/A変換器109に送る。
【0116】
[D/A変換部109]
D/A変換部109は、入力された送信パケットのデジタル信号をアナログ信号に変換し、そのアナログ信号の送信パケットを、LPF(ローパスフィルタ)を介して無線送信部101に送る。
【0117】
[無線送信部101]
無線送信部101は、入力されたアナログ信号の送信パケットをRF信号に変調して、送受信アンテナ4から送信する。
【0118】
[無線受信部102]
無線受信部102は、送受信アンテナ4で受信されたRF信号を復調して、その復調したアナログ信号(受信アナログ信号)を受信電力測定部113およびA/D変換器114に送る。この受信されたRF信号には、周辺車両から送信されて送受信アンテナ4で受信されたAckパケット等のパケット(受信パケット)が含まれている。
【0119】
[受信電力測定部113]
受信電力測定部113は、入力された受信アナログ信号から受信RF信号の受信電力を測定し、測定した受信電力の情報(受信電力情報)をキャリアセンス部110のアイドル/ビジー判定部111および誤り制御部123の誤り制御方式選択部117に送る。
【0120】
[キャリアセンス部110]
キャリアセンス部110において、ランダム時間設定部112は、送信制御部108から送信要求信号が入力されたら、その内部で設定したランダム時間を経過してから、アイドル/ビジー判定部111に判定要求信号を送る。
【0121】
アイドル/ビジー判定部111は、ランダム時間設定部112から判定要求信号信号が入力されたら、受信電力測定部13から入力された受信電力情報をもとに、通信チャネルがアイドルであるかビジーであるかを判定する(キャリアセンスする)。
【0122】
そして、アイドル/ビジー判定部111は、上記のキャリアセンスによってチャネルがアイドルであれば、すぐに送信制御部108および誤り制御部123の誤り制御方式2処理部119に送信開始信号を送る。
【0123】
また、アイドル/ビジー判定部111は、上記のキャリアセンスによってチャネルがビジーであれば、ランダム時間設定部112に、再度ランダム時間を設定するためのランダム時間設定要求信号を送る。
【0124】
ランダム時間設定部112は、上記のランダム時間設定要求信号が入力されたら、ランダム時間を再度設定し、そのランダム時間が経過したら、アイドル/ビジー判定部111に判定要求信号を再度送る。
【0125】
アイドル/ビジー判定部111は、ランダム時間設定部112から判定要求信号信号が再度入力されたら、再度上記のキャリアセンスする。
【0126】
そして、アイドル/ビジー判定部111は、上記再度のキャリアセンスによってチャネルがアイドルであれば、すぐに送信制御部108および誤り制御部123の誤り制御方式2処理部119に送信開始信号を送る。
【0127】
[A/D変換部114]
A/D変換部114は、入力された受信アナログ信号をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号(受信デジタル信号)をパケットディアセンブラ部115に送る。
【0128】
[パケットディアセンブラ部115]
パケットディアセンブラ部115は、入力された受信デジタル信号から受信パケットを分離し、さらにその受信パケットを分解してその受信パケットで送信されてきたデータ列を分離し、そのデータ列(受信データ列)を誤り検出部116に送る。
【0129】
[誤り検出部116]
誤り検出部116は、入力された受信データ列を誤り検出処理して、その受信データ列(その受信データ列を送信してきた受信パケット)に受信誤りがあるか否かを検出し、その誤り検出の情報(誤り検出情報)を、入力された受信データ列とともに、誤り制御部123の誤り制御方式選択部117、誤り制御方式1処理部118、誤り制御方式2処理部119、および誤り制御方式3処理部120に送る。
【0130】
[誤り制御部123]
誤り制御部123は、誤り制御方式1(ベストエフォート型)、誤り制御方式2(ギャランティー型)、誤り制御方式3(ギャランティー型)の内のいずれか選択したまたはユーザによって選択された誤り制御方式に従って、パケットの送受信を制御する。
【0131】
[誤り制御方式1]
誤り制御方式1は、不特定多数の通信相手にパケットを送信する1対多通信に用いられる誤り制御方式であって、受信側から送信側にAckパケット(受信完了パケット)およびNackパケット(再送要求パケット)を送らずに、送信側で同じパケットを複数回(l(エル、lは2以上の整数)回またはm(mは2以上の整数)回)送信することによって、通信品質を上げる誤り制御方式である。つまり、この誤り制御方式1は、同じパケットを複数回送信する連送方式である。
【0132】
これに対して、上記誤り制御方式2および誤り制御方式3は、特定の通信相手にパケットを送信する1対1通信に用いられる誤り制御方式である。
【0133】
[誤り制御方式2]
誤り制御方式2は、送信側ではAckパケットを受信できるまで同じパケットを最大でl(エル)回またはm回送信し、受信側ではパケットを正しく受信できたらすぐに送信側にAckパケットを返信する誤り制御方式である。
【0134】
[誤り制御方式3]
誤り制御方式3は、送信側では1つの画像ファイルについての複数の画像パケット等の一連の複数のパケットをそれぞれ複数回ずつ送信し、受信側では上記一連の複数パケットごとにAckパケットまたはNackパケットを送信側に返信する誤り制御方式である。受信側は、上記一連のパケットの全てを受信できた場合には、Ackパケットを返信し、上記一連のパケットの内のいずれかを受信できなかった場合には、Nackパケットを返信する。従って、この第3の誤り制御方式は、同じパケットを複数回送信する連送方式と再送方式との組合せ方式である。
【0135】
[誤り制御方式選択部117]
誤り制御方式選択部117は、誤り制御方式1(誤り制御方式1処理部118)、誤り制御方式2(誤り制御方式2処理部119)、または誤り制御方式3(誤り制御方式3処理部120)を選択する。
【0136】
パケット送信時においては、誤り制御方式選択部117は、ユーザによって選択された通信種別や通信チャネルの状況(受信電力情報、誤り検出情報、Ackパケットの受信状況等)等をもとに、誤り制御方式を選択する。
【0137】
パケット受信時においては、誤り制御方式選択部117は、受信パケットに含まれている通信種別情報、パケット種別情報、誤り制御方式情報等に従って、誤り制御方式を選択する。
【0138】
なお、送信側で、誤り制御方式情報(誤り制御方式1、誤り制御方式2、誤り制御方式3の内のいずれの誤り制御方式であるかの情報)をシーケンス番号1の画像パケットに含めることによって、受信側では、1つの画像ファイルについての最初に受信した画像パケットによって誤り制御方式を認識できる。
【0139】
ただし、通信種別情報(1対1通信であるか、1対多通信であるか、1対1通信または1対多通信の中継通信であるかの情報)もシーケンス番号“1の画像パケットに含まれており、1対多通信では誤り制御方式1、1対1通信では誤り制御方式2または誤り制御方式3であるので、1対多通信では誤り制御方式情報が不要である。このため、誤り制御方式情報は、実質的には誤り制御方式2または誤り制御方式3のいずれであるかの情報である。また、画像送信要求パケットの1対1通信時では、誤り制御方式2であるので、この場合も誤り制御方式情報は不要である。
【0140】
[誤り制御方式1処理部118]
画像パケットの1対多通信において、送信側で選択された誤り制御方式1処理部118は、送信パケット生成部106等によって、1つの画像ファイルについての複数の画像パケットのそれぞれをl(エル)回ずつ送信させ、送信を完了する。
【0141】
受信側で選択された誤り制御方式1処理部118は、入力された画像データ列が正しく受信できた画像データ列であるか否かをその誤り検出情報によって認識し、上記l(エル)回の送信のいずれかで正しく受信できた画像データ列については、画像データ情報、分割画像データ、添付メッセージデータを、そのシーケンス番号とともに、受信バッファ部12に送る。
【0142】
そして、受信側で選択された誤り制御方式1処理部118は、上記画像ファイルについての最終シーケンス番号の画像パケットの画像データ列を処理したら、受信処理を完了する。なお、シーケンス番号1の画像パケットによって最初に画像データ情報が送信されるので、受信側では、上記の画像データ情報によって最終シーケンス番号を認識できる。
【0143】
また、画像送信要求パケットの1対多通信において、送信側で選択された誤り制御方式1処理部118は、送信パケット生成部106等によって、画像送信要求パケットをl(エル)回送信させ、送信を完了する。
【0144】
受信側で選択された誤り制御方式1処理部118は、入力された画像送信要求データ列が正しく受信できた画像送信要求データ列であるか否かをその誤り検出情報によって認識し、正しく受信できていれば、画像送信要求パケットの受信を完了する。
【0145】
[誤り制御方式2処理部119]
画像パケットまたは画像送信要求パケットの1対1通信において、送信側で選択された誤り制御方式2処理部119は、送信パケット生成部106等によって、まず最初にパケットを1回送信させる。そして、その1回目の送信についてアイドル/ビジー判定部111から送信開始信号が入力されてから既定時間内にAckパケットを受信できた場合には、そのパケットの送信を完了する。また、上記の既定の時間内にAckパケットを受信できなかった場合(タイムアウトの場合)には、再送要求部122から送信パケットデータ生成部106に送信時再送信号を送らせ、そのパケットを再送信させる(そのパケットの2回目の送信さをせる)。
【0146】
この送信側で選択された誤り制御方式2処理部119は、同じパケットの最大送信回数のデフォルト値をl(エル)として、Ackパケットを受信できなければ同じパケットを最大l(エル)回送信するが、このl(エル)回の送信によってもなおAckパケットを受信できなければ、そのパケットの送信を諦める。
【0147】
受信側で選択された誤り制御方式2処理部119は、入力されたデータ列が正しく受信できたデータ列であるか否かをその誤り検出情報によって認識する。そして、正しく受信できていれば、送信パケット生成部106等によってすぐにAckパケットを返信させる。なお、画像データ列の場合には、正しく受信できた画像データ列の画像データ情報、分割画像データ、添付メッセージデータを、そのシーケンス番号とともに、受信バッファ部12に送る。
【0148】
[誤り制御方式3処理部120]
1つ画像ファイルについての複数の画像パケットの1対1通信において、送信側で選択された誤り制御方式3処理部120は、送信パケット生成部106等によって、上記画像パケットのそれぞれをl(エル)回ずつ送信させる。
【0149】
そして、送信側で選択された誤り制御方式3処理部120は、上記画像ファイルについての最終シーケンス番号の画像パケットを送信させたあと、Ackパケットが受信されたら、上記画像ファイルについての送信を完了する。
【0150】
また、送信側で選択された誤り制御方式3処理部120は、上記画像ファイルについての最終シーケンス番号の画像パケットを送信させたあと、Nackパケットが受信されたら、そのNackパケットによって返信されたシーケンス番号を再送要求部122に送り、さらに再送要求部122から送信パケットデータ生成部106に上記のシーケンス番号および送信時再送信号を送らせて、送信パケット生成部106等によっての上記のシーケンス番号の画像パケットを再送信させる。
【0151】
そして、送信側で選択された誤り制御方式3処理部120は、上記のNackパケットに応じて再送信させたあと、Ackパケットが受信されたら、上記画像ファイルについての送信を完了する。また、上記のNackパケットに応じて再送信されたあと、Nackパケットが再受信されたら、そのNackパケットによって返信されたシーケンス番号の画像パケットを再々送信させる。
【0152】
この送信側で選択された誤り制御方式3処理部120は、上記画像ファイルについての最大送信回数(最初の送信とNackパケットに応じた再送信の合計回数)のデフォルト値をn(nは2以上の整数)として、Ackパケットを受信できなければ上記画像ファイルについての画像パケットを最大n回送信する。
【0153】
受信側で選択された誤り制御方式3処理部120は、誤り検出部116から入力された画像データ列が正しく受信できたデータ列であるか否かをその誤り検出情報によって認識する。そして、上記l(エル)回の送信のいずれかで正しく受信できた画像データ列については、画像データ情報、分割画像データ、添付メッセージデータを、そのシーケンス番号とともに、受信バッファ部12に送る。また、上記l(エル)回の送信によっても正しく受信できなかった画像データ列については、そのシーケンス番号を誤りパケット記録部121に記録する。
【0154】
そして、受信側で選択された誤り制御方式3処理部120は、上記画像ファイルについての最終シーケンス番号の画像パケットを処理したあと、全ての画像パケットを正しく受信できた場合は、送信パケット生成部106等によってAckパケットを返信させ、上記画像ファイルについての受信を完了する。なお、シーケンス番号1の画像パケットによって最初に画像データ情報が送信されるので、受信側では、上記の画像データ情報によって最終シーケンス番号を認識できる。
【0155】
また、受信側で選択された誤り制御方式3処理部120は、上記画像ファイルについての最終シーケンス番号の画像パケットを処理したあと、いずれかの画像パケットを正しく受信できなかった場合には、誤りパケット記録部121に記録してあるシーケンス番号を再送要求部122に送らせ、さらに再送要求部122から送信パケット生成部106に上記のシーケンス番号および受信時再送信号を送らせて、送信パケット生成部106等によって上記のシーケンス番号を含むNackパケットを返信させる。
【0156】
そして、受信側で選択された誤り制御方式3処理部120は、上記のNackパケットに応じて再送信された全ての画像パケットを正しく受信できた場合は、送信パケット生成部106等によってAckパケットを返信させ、上記画像ファイルの受信を完了する。また、上記のNackパケットに応じて再送信されたいずれかの画像パケットを正しく受信できなかった場合は、そのシーケンス番号を含むNackパケットを再返信させる。
【0157】
なお、誤り制御方式2処理部119および誤り制御方式3処理部120では、AckパケットおよびNackパケットもデフォルトとしてm回返信することによって、AckパケットおよびNackパケットに対するパケット衝突を改善する。
【0158】
また、送信側の誤り制御方式選択部117では、通信チャネルの状況(受信電力情報、誤り検出情報、Ackパケットの受信状況等)等に応じて、同じパケットの(最大)送信回数l(エル)および画像データについての最大送信回数nを調整し、最適化を図る。
【0159】
図5は本発明の実施の形態1の画像通信装置においての画像送信手順を説明するフローチャートである。
【0160】
図5において、ユーザが画像送信の要求をすると、ステップ(1)で、送信する画像が画像記憶ディスク6中の画像ファイルである否かをユーザに問い合わせる。
【0161】
上記ステップ(1)で“Yes”が選択されると、ステップ(2)で、送信する画像ファイルをユーザにより指定させ、ステップ(7)に進む。
【0162】
また、上記ステップ(1)で“No”が選択されると、ステップ(3)で、カメラ1によって静止画像を撮影し、その静止画像をファイル変換部5において画像ファイルに変換し、ステップ(4)で、この撮影された画像ファイルを保存するか否かをユーザに問い合わせる。
【0163】
上記ステップ(4)で“Yes”が選択されると、ステップ(5)で、上記撮影された画像ファイルを画像記憶ディスク6に保存し、ステップ(6)に進む。また、上記ステップ(4)で“No”が選択されると、そのままステップ(6)に進む。
【0164】
次に、ステップ(6)で、画像ファイルを直ちに送信するか否かをユーザに問い合わせ、“No”が選択されると、画像送信をせずに終了する。
【0165】
また、上記ステップ(6)で“Yes”が選択されると、ステップ(7)で、画像分割部8において画像ファイルを送信パケットサイズにK(Kは2以上の整数)分割し、ステップ(8)で、シーケンス番号1の画像データ情報およびシーケンス番号2からシーケンス番号(K+1)までの分割画像データを送信バッファ部9に一時保存する。
【0166】
次に、ステップ(9)で、1対多通信(誤り制御方式1)で送信するか、あるいは1対1通信(誤り制御方式2または誤り制御方式3)で送信するかを、ユーザに問い合わせる。
【0167】
上記ステップ(9)で1対多通信(誤り制御方式1(それぞれの画像パケットを複数回ずつ送信し、Ackパケットを返信しない方式))が選択されると、ステップ(10)で、通信処理部10において上記画像ファイルについての画像データ情報および複数の分割画像データそれぞれの複数の画像パケットを生成し、これらの画像パケットのそれぞれをl(エル)回ずつ送信する。
【0168】
そして、ステップ(11)で、上記複数の画像パケットのl(エル)回ずつの送信が完了し、ステップ(12)で、既定時間が経過してタイムアウトになったら、ステップ(13)で、送信バッファ部9内の上記画像ファイルについてのデータを消去し、画像送信手順を終了する。
【0169】
上記ステップ(9)で1対1通信が選択されると、ステップ(14)で、誤り制御方式2(画像パケットごとにAckパケットを返信する方式)または誤り制御方式3(全ての画像パケットを複数回ずつ送信したあとに、受信できなかったシーケンス番号をNackパケットとして返信する方式)のいずれかが通信処理部10において選択される。
【0170】
上記ステップ(14)で誤り制御方式2を選択したら、ステップ(15)から(19)までで、シーケンス番号k(kは初期値1で最大値K+1なる整数)の画像パケットを最大でl(エル)回送信する。
【0171】
まず、上記ステップ(15)でシーケンス番号k=1の画像パケットを送信し、上記ステップ(16)で宛先ID(送信先車両)からAckパケットを受信できなければ、上記ステップ(15)でシーケンス番号k=1の画像パケットを再送信する。
【0172】
そして、上記ステップ(16)でAckパケットを受信できたか、上記ステップ(15)での送信回数がl(エル)回になった場合には、上記ステップ(18)で全ての画像パケットを送信したか否か(k=K+1であるか否か)を判定し(k=1なので“No”となる)、上記ステップ(19)でk=k+1としてkをインクリメントし(k=2になる)、上記ステップ(15)でシーケンス番号k=2の画像パケットを送信する。
【0173】
このように、それそれの画像パケットについて、Ackパケットが受信されるか、または同じパケットの送信回数がl回になるまで、上記ステップ(15)から(17)の手順を繰り返し、シーケンス番号1からシーケンス番号K+1までの画像パケットを順次送信する。
【0174】
そして、上記ステップ(18)で全ての画像パケットを送信完了したら(k=K+1であったら)、上記ステップ(13)で送信バッファ部9内の上記画像ファイルについてのデータを消去し、画像送信手順を終了する。
【0175】
また、上記ステップ(14)で誤り制御方式3を選択したら、ステップ(20)で、シーケンス番号1からシーケンス番号K+1までの画像パケットのそれぞれをl(エル)回ずつ送信する。
【0176】
そして、全ての画像画像パケットをl(エル)回ずつ送信したら、ステップ(21)で、Nackパケット(上記l(エル)回の送信によっても1度も受信できなかったシーケンス番号の画像パケットの再送要求パケット)を受信したか、Ackパケット(全ての画像パケットについての受信完了パケット)を受信したかを判定する。
【0177】
上記ステップ(21)でNackパケットを受信したら、ステップ(22)で、そのNackパケットで返信されたシーケンス番号の画像パケットを再度l(エル)回ずつ再送信する。
【0178】
このように、宛先ID(送信先車両)で全ての画像パケットが受信されて返信されたAckパケットを受信できるまで、上記ステップ(21)および(22)の手順を繰り返す。
【0179】
そして、上記ステップ(21)でAckパケットを受信したら、上記ステップ(13)で送信バッファ部9内の上記画像ファイルについてのデータを消去し、画像送信手順を終了する。
【0180】
なお、Ackパケットを受信できるか、または上記ステップ(20)の手順を実施した回数(1回)と上記ステップ(22)の手順を実施した回数の合計がn回になったら、画像送信手順を終了するようにすることも可能である。
【0181】
以上のように実施の形態1によれば、画像ファイルを複数の画像パケットの分割してこれらの画像パケットをバースト送信するとともに、自車両のIDおよびGPS情報をGPSパケットで周期的に送信することにより、それぞれの車両で周辺車両を認識でき、任意の車々間で1対1通信または1対多通信によってインフラに依存せずに画像ファイルを伝送することができる。
【0182】
また、通信種別や通信チャネルの状況等に応じて最適な誤り制御方式を選択して画像送信するとともに、通信チャネルの状況等に応じて同じパケットの(最大)繰り返し送信回数を最適調整することにより、画像送信効率を上げることができる。
【0183】
また、1対1通信において車々間の相対速度に応じて送信の優先順位や同じパケットの(最大)繰り返し送信回数を最適調整することにより、通信品質を改善することができる。
【0184】
また、1対1通信においてAckパケットおよびNackパケットを複数回返信することにより、AckパケットおよびNackパケットに対するパケット衝突を改善できる。
【0185】
実施の形態2
図6は本発明の実施の形態2の画像通信装置の構成図であって、図1と同じものには同じ符号を付してある。この実施の形態2の画像通信装置は、カメラ1と、音声マイク2と、車々間通信装置27と、送受信アンテナ4と、リモコン23と、カーナビゲーションシステム24とを備え、車両に設置されている。また、カーナビゲーションシステム24は、メモリカード25と、モニタ26とを備え、上記車両に設置されている。
【0186】
カメラ1、音声マイク2、送受信アンテナ4、およびカーナビゲーションシステム24は、それぞれ有線あるいは無線によって車々間通信装置27と接続されている。また、ユーザは、リモコン23によって、車々間通信装置27の遠隔操作が可能である。
【0187】
図7は車々間通信装置27のブロック構成図であって、図2と同じものには同じ符号を付してある。図7において、車々間通信装置27は、画像記憶ディスク6と、主制御処理部28と、画像分割部8と、送信バッファ部9と、通信処理部10と、周辺車両管理部11と、受信バッファ部12と、画像組立部13とを備えている。
【0188】
この実施の形態2の画像通信装置は、上記実施の形態1の画像通信装置のモニタ14、メモリカード17、GPS装置18(図2参照)として、それぞれカーナビゲーションシステムにおいての画像表示機能(モニタ26の画像表示機能)、単独で携帯および移動可能な記録メディアに画像データを記録する機能(メモリカード25の画像データ記録機能)、GPS情報受信機能(カーナビゲーションシステム内のGPS装置でGPS情報を受信する機能)を使用することによって、車々間通信装置の小型化およびコストダウンを図ったものである。
【0189】
ただし、この実施の形態2の画像通信装置を実現するためには、カーナビゲーションシステム24に、GPS情報を出力する機能および車々間通信装置27からの入力画像データの表示機能が必要である。
【0190】
また、車々間通信装置27の主制御処理部28は、上記実施の形態1の主制御処理部7の機能に、ファイル変換部5、メッセージ入力部15、周辺車両管理部11の機能を設けるとともに、カーナビゲーションシステム24とのインターフェイス機能を設けたものである。
【0191】
なお、画像通信装置の操作性および車々間通信装置27からの制御機能の必要性を考慮すると、車々間通信装置27にも、タッチパネルや操作キーを設けることが望ましい。
【0192】
以上のように実施の形態2によれば、カーナビゲーションシステムの機能を車々間通信装置の機能として使用することにより、車々間通信装置の小型化およびコストダウンを図ることができる。
【0193】
なお、本発明は上記実施の形態1および2に限定されるものではなく、本発明の趣旨に従って様々な変形が可能であり、それらを本発明から排除するものではない。
【0194】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、任意の画像通信装置間でインフラに依存せずに画像情報を伝送できるという効果がある。また、各画像パケットのサイズが大きくなりすぎるのを防ぎ、他の種類のデータ、例えばGPS情報との混送が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の画像通信装置の構成図である。
【図2】 図1の画像通信装置においての車々間通信装置のブロック構成図である。
【図3】 図2の車々間通信装置においての画像分割部および送信バッファ部の動作を説明する図である。
【図4】 図2の車々間通信装置においての通信処理部の機能ブロック図である。
【図5】 図1の画像通信装置においての画像送信手順を説明するフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態2の画像通信装置の構成図である。
【図7】 図6の画像通信装置においての車々間通信装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
1 カメラ、 2 音声マイク、 3 車々間通信装置(車々間通信端末)、4 送受信アンテナ、 5 ファイル変換部、 8 画像分割部、 9 送信バッファ部、 10 通信処理部、 11 周辺車両管理部、 12 受信バッファ部、 13 画像組立部、 14 モニタ、 15 メッセージ入力部、 16 パソコン接続インターフェイス、 17 メモリカード、 18 GPS装置、 19 操作キー、 23 リモコン、 24 カーナビゲーションシステム、 25 メモリカード、 26 モニタ、 27 車々間通信装置(車々間通信端末)、 28 主制御処理部、 101 無線送信部、 102 無線受信部、 106 送信パケットデータ生成部、 107 パケットアセンブラ部、 108 送信制御部、 109 D/A変換部、 110 キャリアセンス部、 111 アイドル/ビジー判定部、 112 ランダム時間設定部、 113 受信電力測定部、 114 A/D変換部、 115 パケットディアセンブラ部、 116 誤り検出部、 117 誤り制御方式選択部、 118誤り制御方式1処理部、 119 誤り制御方式2処理部、 120 誤り制御方式3処理部、 121 誤りパケット記録部、 122 再送要求部。
Claims (38)
- それぞれ移動体に設置される複数の画像通信装置によって構成され、任意の画像通信装置間で直接に画像情報を伝送する画像通信システムであって、
前記複数の画像通信装置のうちの第1の画像通信装置は、
画像情報をパケット送信できるサイズにk(kは2以上の整数)分割するとともに、上記分割数kを含む画像分割処理情報を生成し、この画像分割処理情報にシーケンス番号1を付すとともに、上記分割された画像情報のそれぞれにシーケンス番号2から(k+1)までをそれぞれ付する画像分割手段と、
上記画像分割処理情報および上記分割された画像情報を一時的に蓄えておく送信バッファ手段と、
上記画像分割処理情報および上記分割された画像情報のそれぞれからシーケンス番号1から(k+1)までの画像パケットを生成し、最初に送信する画像パケットをシーケンス番号1の画像パケットとして、これらの画像パケットを自装置からその周辺に位置する第2の画像通信装置にバースト送信する送信手段と、
その周辺に位置する他の画像通信装置から送信された位置情報パケットを受信する受信手段と、
上記位置情報パケットによってこれら周辺の画像通信装置を認識しており、これらの画像通信装置から送信先の当該第2の画像通信装置を特定する周辺車両管理手段と
を含み、
上記周辺車両管理手段は、上記特定した送信先との相対速度を求め、
上記送信手段は、上記相対速度に応じて上記特定された送信先との通信の優先順位を設定し、
上記送信手段は、その周辺に位置する不特定多数の他の画像通信装置に自装置の位置情報パケットを送信するとともに、上記送信先の当該第2の画像通信装置に上記画像パケットをバースト送信する
ことを特徴とする画像通信システム。 - 請求項1記載の画像通信システムにおいて、上記送信手段は、上記相対速度が大きいほど、上記優先順位を高くし、上記相対速度が小さいほど、上記優先順位を低くすることを特徴とする画像通信システム。
- 請求項1又は2記載の画像通信システムにおいて、上記送信手段は、上記相対速度が大きいほど、同じ画像パケットの繰り返し送信回数を減らし、上記相対速度が小さいほど、同じ画像パケットの繰り返し送信回数を増やすことを特徴とする画像通信システム。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の画像通信システムにおいて、
上記周辺車両管理手段は、上記位置情報パケットによって認識された画像通信装置のうちから当該送信先の第2の画像通信装置を特定し、
上記送信手段は、自装置の位置情報と前記第2の画像通信装置の位置情報とから前記第2の画像通信装置が自装置の通信エリア内に位置するか否かを判断し、前記第2の画像通信装置が自装置の通信エリア内に位置していなければ、自装置の通信エリア内であって自装置に最も近い画像通信装置を中継装置として上記画像パケットをバースト送信する
ことを特徴とする画像通信システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像通信システムにおいて、
上記第1の画像通信装置は、その周辺に位置する不特定多数の画像通信装置に上記画像パケットを送信することを特徴とする画像通信システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像通信システムにおいて、
上記第2の画像通信装置は、その周辺に位置する不特定多数の画像通信装置に自装置の位置情報パケットを送信するとともに、その周辺に位置する画像通信装置から送信された位置情報パケットによってこれら周辺の画像通信装置を認識しており、これら周辺の画像通信装置の内から特定した上記第1の画像通信装置に画像送信を要求するパケットを送信することを特徴とする画像通信システム。 - 請求項6記載の画像通信システムにおいて、
上記第1の画像通信装置は、上記画像送信を要求するパケットに従って上記第2の画像通信装置に上記画像パケットを送信することを特徴とする画像通信システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像通信システムにおいて、
さらに、上記第2の画像通信装置が上記第1の画像通信装置から受信した上記画像パケットを、第2の画像通信装置からその周辺に位置する第3の画像通信装置に送信することを特徴とする画像通信システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像通信システムにおいて、
上記第1の画像通信装置は、上記画像パケットのそれぞれを複数回ずつ送信することを特徴とする画像通信システム。 - 請求項1乃至4のいずれかにに記載の画像通信システムにおいて、
上記第2の画像通信装置は、上記画像パケットのそれぞれを受信するごとに受信完了パケットを返送し、
上記第1の画像通信装置は、所定の最大繰り返し送信回数の範囲内で、上記受信完了パケットを受信するまで上記画像パケットのそれぞれを繰り返し送信する
ことを特徴とする画像通信システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像通信システムにおいて、
上記第2の画像通信装置は、上記画像パケットの内、受信できなかった画像パケットがある場合は、その画像パケットについての再送要求パケットを返送し、上記画像パケットの全てを受信できた場合は、受信完了パケットを返送し、
上記第1の画像通信装置は、上記画像パケットのそれぞれを複数回ずつ送信したあとに、上記再送要求パケットを受信したら、再送要求された画像パケットを再送信する
ことを特徴とする画像通信システム。 - 周辺に位置する他の画像通信装置に直接に画像情報を伝送する画像通信装置であって、
画像情報をパケット送信できるサイズにk(kは2以上の整数)分割するとともに、上記分割数kを含む画像分割処理情報を生成し、この画像分割処理情報にシーケンス番号1を付すとともに、上記分割された画像情報のそれぞれにシーケンス番号2から(k+1)までをそれぞれ付する画像分割手段と、
上記画像分割処理情報および上記分割された画像情報を一時的に蓄えておく送信バッファ手段と、
上記画像分割処理情報および上記分割された画像情報のそれぞれからシーケンス番号1から(k+1)までの画像パケットを生成し、最初に送信する画像パケットをシーケンス番号1の画像パケットとして、上記画像パケットをバースト送信する送信手段と、
その周辺に位置する他の画像通信装置から送信された位置情報パケットを受信する受信手段と、
上記位置情報パケットによってこれら周辺の画像通信装置を認識しており、これらの画像通信装置から送信先の画像通信装置を特定する周辺車両管理手段と
を備え、
上記周辺車両管理手段は、上記特定した送信先との相対速度を求め、
上記送信手段は、上記相対速度に応じて上記特定された送信先との通信の優先順位を設定し、
上記送信手段は、その周辺に位置する不特定多数の他の画像通信装置に自装置の位置情報パケットを送信するとともに、上記送信先の画像通信装置に上記画像パケットをバースト送信する
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12記載の画像通信装置において、上記送信手段は、上記相対速度が大きいほど、上記優先順位を高くし、上記相対速度が小さいほど、上記優先順位を低くすることを特徴とする画像通信装置。
- 請求項12又は13記載の画像通信装置において、上記送信手段は、上記相対速度が大きいほど、同じ画像パケットの繰り返し送信回数を減らし、上記相対速度が小さいほど、同じ画像パケットの繰り返し送信回数を増やすことを特徴とする画像通信装置。
- 請求項12乃至14のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記周辺車両管理手段は、上記位置情報パケットによって認識された画像通信装置のうちから当該送信先の画像通信装置を特定し、
上記送信手段は、自装置の位置情報と当該送信先の画像通信装置の位置情報とから当該送信先の画像通信装置が自装置の通信エリア内に位置するか否かを判断し、当該送信先の画像通信装置が自装置の通信エリア内に位置していなければ、自装置の通信エリア内であって自装置に最も近い画像通信装置を中継装置として上記画像パケットをバースト送信する
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至15のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は上記画像パケットのそれぞれを、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式を用いてバースト送信する
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、その周辺に位置する不特定多数の他の画像通信装置に上記画像情報を送信することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置において、
画像送信を要求するパケットを受信する受信手段をさらに備え、
上記送信手段は、上記画像送信を要求するパケットを送信した他の画像通信装置に上記画像パケットを送信する
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、ナビゲーションシステムから取得した自装置の位置情報をもとに上記自装置の位置情報パケットを生成することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、中継送信を依頼する情報を付して上記画像パケットを送信することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、上記画像パケットのそれぞれを複数回ずつ送信することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、上記画像パケットのそれぞれを、所定の最大繰り返し送信回数の範囲内で、その画像パケットについての受信完了パケットを受信するまで繰り返し送信することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、上記画像パケットのそれぞれを複数回ずつ送信したあとに、上記画像パケットのいずれかについての再送要求パケットを受信したら、再送要求された画像パケットを再送し、上記画像パケットについての受信完了パケットを受信したら、送信処理を終了することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、
その周辺の不特定多数の送信先に上記画像パケットを送信するか、特定の送信先に上記画像パケットを送信するかの通信種別、および通信チャネルの状況に応じて、第1の誤り制御方式から第3の誤り制御方式までのいずれか最適な誤り制御方式を選択し、
上記第1の誤り制御方式を選択した場合には、上記画像パケットのそれぞれを複数回ずつ送信し、
上記第2の誤り制御方式を選択した場合には、上記画像パケットのそれぞれを、所定の最大繰り返し送信回数の範囲内で、その画像パケットについての受信完了パケットを受信するまで繰り返し送信し、
上記第3の誤り制御方式を選択した場合には、上記画像パケットのそれぞれを複数回ずつ送信したあとに、上記画像パケットのいずれかについての再送要求パケットを受信したら、再送要求された画像パケットを再送し、上記画像パケットについての受信完了パケットを受信したら、送信処理を終了する
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項22乃至24のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、通信チャネルの状況に応じて同じ画像パケットについての繰り返し送信回数または最大繰り返し送信回数を調整することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項22乃至24のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、上記相対速度に応じて同じ画像パケットについての繰り返し送信回数または最大繰り返し送信回数を調整する
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項21乃至24のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信バッファ手段は、上記画像情報についての全ての画像パケットの送信が終了したら、上記画像情報についての全てのデータを消去することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項22乃至24のいずれかに記載の画像通信装置において、
上記送信バッファ手段は、上記受信完了パケットが受信されたら、その分のデータを消去することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置において、
画像を撮影して画像情報を取得する画像情報取得手段と、
上記画像情報を記録する記憶手段と
をさらに備えた
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項12乃至16のいずれかに記載の画像通信装置から送信された画像情報を受信する画像通信装置であって、
送信された上記画像パケットを受信して上記画像分割処理情報および上記分割された画像情報を分離する受信手段と、
上記画像分割処理情報および上記分割された画像情報を一時的に蓄えておく受信バッファ手段と、
上記分割された画像情報を組み立ててもとの画像情報を再生する画像組立手段と
を備えた
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項30記載の画像通信装置において、
上記受信手段は、上記位置情報パケットを受信するとともに、画像送信要求先の画像通信装置から上記画像送信要求に応じて送信された上記画像パケットを受信する
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項30記載の画像通信装置において、
受信した上記画像パケットに中継送信を依頼する情報が付されている場合に、その画像パケットを送信する送信手段をさらに備えたことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項30記載の画像通信装置において、
上記画像パケットのそれぞれが受信されるごとに受信完了パケットを複数回返送する送信手段をさらに備えたことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項30記載の画像通信装置において、
上記画像パケットの内、受信できなかった画像パケットがある場合は、その画像パケットについての再送要求パケットを複数回返送し、上記画像パケットの全てを受信できた場合は、受信完了パケットを複数回返送する送信手段をさらに備えたことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項33又は34に記載の画像通信装置において、
上記送信手段は、通信チャネルの状況に応じて同じ受信完了パケットまたは同じ再送要求パケットについての繰り返し送信回数を調整することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項30記載の画像通信装置において、
上記再生された画像情報を表示する画像表示手段と、
上記再生された画像情報を記録する記憶手段と
をさらに備えた
ことを特徴とする画像通信装置。 - 請求項36記載の画像通信装置において、
上記受信バッファ手段は、上記再生された画像情報が表示または記録されたら、上記画像情報についての全てのデータを消去することを特徴とする画像通信装置。 - 請求項36記載の画像通信装置において、
上記画像表示手段は、上記再生された画像情報をナビゲーションシステムの表示装置に表示することを特徴とする画像通信装置。
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